説明

インターロックの点検方法及びエレベータ

【課題】エレベータの運行への影響が少ない態様で実施することができる、インターロックの点検方法の提供。
【解決手段】インターロック3は、乗場ドア側に設けられたロックアーム23、乗場錠スイッチ19、機械的係合ロック25及び可動ドライブローラ27と、かごドア側に設けられたベーン29とを少なくとも含む。乗場錠スイッチ及び機械的係合ロックは、ロックアームの揺動によってスイッチ切り替え及びロック解錠する。ベーンは、本体部35から昇降方向に対して傾斜して延びる傾斜部37を含んでいる。点検モードでは、かごドアを乗場ドアに対して昇降方向にずらした位置へと移動させ、ベーンの傾斜部を、可動ドライブローラに当接させ、それにより、乗場錠スイッチを切り替えた状態で、かごドアに戸開き動作させることで、機械的係合ロックの少なくとも遊び代または掛り代を点検する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターロックの点検方法及びエレベータに関するものである。
【背景技術】
【0002】
エレベータは、上下に延びる昇降路と、その中を移動可能に設けられたかごと、構造物の異なる階層に設けられた複数の乗場とを備えている。かご及び各乗場それぞれには、かごドア及び乗場ドアが設けられており、かごドアが目的の乗場の乗場ドアに揃った状態で、かごドア及び乗場ドアが開かれ、利用者はかごと乗場との間を乗降できるようになっている。
【0003】
特許文献1に例示されるように、エレベータには、いわゆるインターロックが設けられており、このインターロックによって、乗場ドアは、かごドアとの位置関係が適正に揃った状態でのみ、開かれるように企図されている。
【0004】
従来は、インターロックの点検作業では、かごの天井に専門技術者が登り、昇降路内から乗場毎にインターロックに含まれる機械的係合ロックの状態と、電気的スイッチの状態とを目視し、正常か否かを確認していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−220999号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、前述の専門技術者によるインターロックの点検方法では、エレベータのサービスを完全に停止する必要があった。また、専門技術者のかごへの乗降や昇降路内を低速で各階の乗場に移動していく動作を含めると、かなり長い時間を要する大掛かりな作業となっていた。
【0007】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、エレベータの運行への影響が少ない態様で実施することができる、エレベータのインターロックの点検方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するための本発明は、エレベータのかごドアの戸開き動作を受けて開錠される乗場ドアのインターロックの点検方法であり、前記インターロックは、乗場ドア側に設けられたロックアーム、電気的スイッチ、機械的係合ロック及び可動ドライブローラと、かごドア側に設けられたベーンとを少なくとも含み、前記ロックアームは、揺動可能に設けられており、電気的スイッチ及び機械的係合ロックは、前記ロックアームの揺動によってスイッチ切り替え及びロック解錠し、前記ベーンは、昇降方向に沿って延びる本体部と、該本体部から昇降方向に対して傾斜して延びる傾斜部とを含んでおり、前記かごドアを前記乗場ドアに対して昇降方向にずらした位置へと移動させ、前記ベーンの前記傾斜部を、前記可動ドライブローラに当接させ、それにより、前記電気的スイッチを切り替えた状態で、前記かごドアに戸開き動作させることで、前記機械的係合ロックの少なくとも遊び代または掛り代を点検する。
また、本発明は、同目的を達成するエレベータも提供しており、本発明のエレベータは、かごドアの戸開き動作を受けて開錠される乗場ドアのインターロックと、かごの昇降量を検知するかご昇降量検知手段と、前記かごドアの戸開量を検知する戸開量検知手段と、前記かごドアの戸開トルクを検知する戸開トルク検知手段とを備えたエレベータであって、前記インターロックは、乗場ドア側に設けられたロックアーム、電気的スイッチ、機械的係合ロック及び可動ドライブローラと、かごドア側に設けられたベーンとを少なくとも含み、前記ロックアームは、揺動可能に設けられており、電気的スイッチ及び機械的係合ロックは、前記ロックアームの揺動によってスイッチ切り替え及びロック解錠し、前記ベーンは、昇降方向に沿って延びる本体部と、該本体部から昇降方向に対して傾斜して延びる傾斜部とを含んでおり、該エレベータは、さらに、点検動作制御部と、点検判定部とを備えており、前記点検動作制御部は、前記かごドアを前記乗場ドアに対して昇降方向にずらした位置へと移動させ、前記ベーンの前記傾斜部を、前記可動ドライブローラに当接させ、それにより、前記電気的スイッチを切り替えた状態で、前記かごドアに戸開き動作させ、前記点検判定部は、前記かごの昇降量、前記かごドアの戸開量及び前記かごドアの戸開トルクの検知結果に基づいて、前記機械的係合ロックの少なくとも遊び代または掛り代を点検する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、エレベータの運行への影響が少ない態様でインターロックの点検を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】インターロックの点検方法を適用する本実施の形態に係るエレベータの構成要素を示す図である。
【図2】インターロックの構成とその通常の動作を示す図である。
【図3】インターロックの点検方法を含む処理を示すフローチャートである。
【図4】点検時におけるインターロックの動作を示す図である。
【図5】改変した実施の形態に関する構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係るインターロックの点検方法等の実施の形態について添付図面に基づいて説明する。なお、図中、同一符号は同一又は対応部分を示すものとする。
【0012】
図1は、インターロックの点検方法を適用する本実施の形態に係るエレベータの構成要素を示す図である。エレベータ1は、少なくとも乗場ドアのインターロック3と、かご昇降量検知手段5と、戸開量検知手段7と、戸開トルク検知手段9と、点検動作制御部11と、点検判定部13とを備えている。
【0013】
インターロック3は、かごドアの戸開き動作を受けて開錠される乗場ドアのロックである。かご昇降量検知手段5は、かごの昇降量を検知するものであり、具体的一例としては、巻上機15に設けられたエンコーダあるいはレゾルバを挙げることができる。戸開量検知手段7及び戸開トルク検知手段9はそれぞれ、かごドアの戸開量及び戸開トルクを検知するものである。具体的一例をあげるならば、かごドアモータ17に設けられたエンコーダ等を挙げることができる。
【0014】
点検動作制御部11は、かごやかごドアに対して、インターロック3の点検のために要する動作を行わせ、且つ、その動作を制御するものである。このため、点検動作制御部11には、少なくとも巻上機15及びかごドアモータ17が接続されている。
【0015】
点検判定部13は、かごの昇降量、かごドアの戸開量及びかごドアの戸開トルクの検知結果に基づいて、インターロック3の点検を行い、特に、インターロック3における機械的係合ロックの少なくとも遊び代または掛り代が正常であるか(所期の状態であるか)を判定する。このため、点検判定部13には、少なくとも、かご昇降量検知手段5、戸開量検知手段7、戸開トルク検知手段9及びインターロック3における乗場錠スイッチ19が接続されている。
【0016】
これら点検動作制御部11及び点検判定部13は、エレベータの各種動作を制御・管理する既存の制御盤21に設けられているものとするが、その設置態様は、ソフトウェア上における機能の追加、ハードウェア上の追加(部品・基板・チップ等の追加)の何れの態様でもよいし、それら両方の態様であってもよい。
【0017】
次に、インターロックの詳細について説明する。図2は、インターロックの構成とその通常の動作を示す図である。インターロック3は、ロックアーム23と、電気的スイッチとしての乗場錠スイッチ19と、機械的係合ロック25と、可動ドライブローラ27と、ベーン29とを少なくとも含んでいる。
【0018】
乗場錠スイッチ19及び機械的係合ロック25は、ロックアーム23の揺動によってスイッチ切り替え及びロック解錠がなされる。ロックアーム23は、その一端側に設けられた固定ドライブローラ31の軸心33回りに揺動可能に設けられている。機械的係合ロック25は、相互に当接・分離可能な第1片25a及び第2片25bで構成されている。第1片25aは適所に固定されており、第2片25bはロックアーム23と一体的に揺動するように当該ロックアーム23に設けられている。乗場錠スイッチ19は、相互に当接・分離可能な第1接点19a及び第2接点19bで構成されている。第1接点19aは適所に固定されており、第2接点19bはロックアーム23と一体的に揺動するように当該ロックアーム23の他端に設けられている。
【0019】
乗場ドアが全閉状態では、乗場錠スイッチ19は閉じており、すなわち、第1接点19a及び第2接点19bが当接している。また、機械的係合ロック25では、乗場ドアが全閉状態では、第1片25a及び第2片25bは、相互に離隔しており、より詳細には、図2の(b)に示されるように、乗場ドアの開閉方向に遊び代Xだけ離隔しており、昇降方向に掛り代Yだけオーバーラップしている。
【0020】
ベーン29は、かごと一体に昇降するように設けられた一対の平行に離隔した係合板で構成されており、昇降方向に沿って延びる本体部35と、その本体部35の両端部に形成され本体部35ら昇降方向に対して傾斜して延びる傾斜部37とを含んでいる。
【0021】
ロックアーム23、乗場錠スイッチ19、機械的係合ロック25及び可動ドライブローラ27は、乗場ドア側に設けられており、ベーン29は、かごドア側に設けられている。
【0022】
後述する点検動作ではなく、インターロック3の通常の戸開動作について説明する。まず、図2の(a)に示されるように、かごドアの位置が乗場ドアの位置に揃っていない場合、可動ドライブローラ27は、ベーン29における一対の係合板の間から離脱した状態にある。この状態で、乗場ドアが開かれようとしても、乗場ドアは、遊び代Xの分だけ極めて微小な動きができることを除き、第1片25a及び第2片25bの相互当接による機械的係合ロック25の施錠作用によって戸開きすることが防止されている。
【0023】
一方、かごドアの位置が乗場ドアの位置に適正に揃った状態になると、図2の(b)に示されるように、ベーン29の一対の係合板の間に可動ドライブローラ27が位置するようになる。そして、この状態から、かごドアが戸開き動作を行うと、図2の(c)に示されるように、かごドアと一体にベーン29が矢印A1方向へと横移動する。これにより、可動ドライブローラ27がベーン29に当接してそのまま矢印A1方向へと押され、ロックアーム23が軸心33を中心に矢印A2方向へと揺動する。これにより、第1接点19a及び第2接点19bが離隔して乗場錠スイッチ19が切り替えられると共に、第1片25a及び第2片25bも離隔して機械的係合ロック25が解錠される。このようにして機械的係合ロック25が解錠されることで、乗場ドアはかごドアと連動して戸開きすることができるようになる。
【0024】
次に、以上のような構成に基づく、本実施の形態に係るインターロックの点検方法について説明する。図3は、インターロックの点検方法を含む処理を示すフローチャートであり、図4は、点検時におけるインターロックの動作を示す図である。図3において、ステップS1として、かご内が無負荷状態であるか否かが監視され、また、ステップS2として、かごがアベイラブル状態にあるか否かが監視されている。すなわち、かご内に利用者または荷物が存在している場合やそれらが存在していない場合でも既に乗場からの呼びを受けている場合には、通常のエレベータの運行が継続・維持される。
【0025】
かご内が無負荷状態で且つアベイラブル状態である場合には、ステップS3として、点検モードが開始される。インターロック(機械的係合ロック)の遊び代Xが適正であるか否かの点検の場合を例に具体的に示すと、まず、図4の(a)に示す通常の状態から、例えば、矢印A3に示すように、点検動作制御部11の制御命令によって、ベーン29の上側の傾斜部37または本体部35の上端部が可動ドライブローラ27の高さに揃うように、かご及びベーン29を移動させる。すなわち、かごドアを乗場ドアに対して昇降方向にずらした位置へと移動させる。
【0026】
さらに、点検動作制御部11の制御命令によって、かごドアに僅かに戸開き動作をさせて、矢印A4に示すように、ベーン29を横方向に移動させ、図4の(b)に示すように、ベーン29の上側の傾斜部37または本体部35の上端部によって、可動ドライブローラ27を僅かに動かし、乗場錠スイッチ19をOFF状態に切り替える。なお、かごの昇降量やかごドアの戸開量は、点検判定部13から点検動作制御部11へとかご昇降量検知手段5及び戸開量検知手段7の検知結果がフィードバックされており、点検動作制御部11はそれらを考慮しながら適正な昇降と戸開き動作を行わせる。
【0027】
そして、点検動作制御部11は、図4の(b)の状態からさらに、矢印A5に示すように、かごドアに戸開き動作させてベーン29を横方向に移動させる。また、この間、点検判定部13は、戸開トルク検知手段9からの検知結果として、かごドアの戸開トルクを関しており、かごドアの戸開トルクの急増状態をもって、図4の(c)に示すように、機械的係合ロック25における第1片25a及び第2片25bの相互当接を判定する。よって、点検判定部13は、乗場錠スイッチ19のOFF状態への切り替え後の、かごドアの戸開量の検知に基づいて、機械的係合ロック25の遊び代Xのデータを得ることができる。
【0028】
なお、ステップS3の点検モード中に、何れかの乗場から呼びが発生した場合には、点検モードを中断し、速やかにエレベータの通常の運転に復帰する。
【0029】
図3に戻り、ステップS4として、点検判定部13は、機械的係合ロック25の遊び代Xのデータを記録すると共に、例えば、次のようにして、計測された遊び代Xが適正であるか否かの判定を行う。まず、ステップS5として、点検判定部13は、計測された遊び代Xが第1基準値以上であるか否かを判断する。遊び代Xが第1基準値未満である場合には、点検結果に問題はなく、エレベータを通常の運転へと復帰させる。
【0030】
一方、遊び代Xが第1基準値以上である場合は、さらに、ステップS6として、遊び代Xが第2基準値以上であるか否かを判断する。その結果、遊び代Xが第1基準値以上且つ第2基準値未満である場合には、少なくとも次のメンテナンス時の調整対象としてその旨の記録を残し、遊び代Xが第2基準値以上である場合には、点検の結果、すぐにインターロックの調整が必要な状態であるものとして、エレベータの運転を安全上問題ない態様で停止させる。
【0031】
なお、上記のステップS5及びS6の複数の基準値による処理は、本実施の形態の一例であり、本発明の処理としては、これに限定されるものではない。
【0032】
また、上記は、機械的係合ロック25の遊び代Xを点検する場合の例として説明したが、機械的係合ロック25の掛り代Yを点検する場合も同様に実施できる。例えば、乗場錠スイッチ19がOFFになった状態でも機械的係合ロック25の掛り代YとしてZmm以上が確保されていることが要求されていたとした場合ならば、次のようにしてその点検を実施できる。まず、上記と同様、ベーン29の傾斜部37等を可動ドライブローラ27に当接させて乗場錠スイッチ19をOFFにし、そこからさらにZmm分、機械的係合ロック25の第2片25bを上昇させるように、ロックアーム23を揺動させる。その後、かごドアに戸開き動作させて、上記と同様、戸開トルク検知手段9の検知結果から第1片25a及び第2片25bの相互当接を検出できれば、乗場錠スイッチ19がOFF時に、少なくとも機械的係合ロック25の掛り代YがZmm以上確保できていることが確認でき、掛り代Yの点検が実施できる。
【0033】
以上説明した本実施の形態に係るインターロックの点検方法によれば、専門技術者のかごへの乗降やそれに伴うエレベータサービスの停止を強いられずに済むので、エレベータの運行への影響が少ない態様でインターロックの点検を実施することができる。
【0034】
また、専門技術者のかごへの乗降が不要であるので、各乗場に対してまとめて点検を行う必要性が少なく、迅速に点検モードを開始できることから、乗場からの呼びと呼びの合間などを用いて、各乗場単位で点検・記録を行うことで、エレベータ全体のインターロックの点検を完了させることができる。また、その間でも、何れかの乗場から呼びが発生した場合には、専門技術者のかごへの乗降がないことから、即座に点検モードを中断し、速やかにエレベータの通常の運転に復帰することもできる。
【0035】
また、専門技術者が必ずしも現場へ訪問することなく点検できるので、遠隔点検・自動点検を可能とする。
【0036】
さらに、このような好ましい利点を得るにあたっては、エレベータの現有構成を流用し、軽微なデータ記憶機能と点検動作・点検判定のプログラムとを追加するだけで実施することができる。
【0037】
さらに、本点検方法は、ベーンに意図的に通常の動作とは異なる位置での動作を行わせることで実現されるものであり、専用の治具・検出器等の増設設備は不要であるので、そのような増設設備を設置するために、エレベータサービスを停止させたり、増設設備の点検といった新たな点検負荷が生じたりすることもない。
【0038】
以上、好ましい実施の形態を参照して本発明の内容を具体的に説明したが、本発明の基本的技術思想及び教示に基づいて、当業者であれば、種々の改変態様を採り得ることは自明である。
【0039】
本発明は、かごを乗場に対して適正な位置から意図的にずらした状態で実施するものであるため、例えば、最下階の乗場ドアのインターロックの点検では、昇降路底部のピット装置が干渉し、かごを最下階の乗場より下方に十分にずらすことが困難で、ベーンの上側の傾斜部を可動ドライブローラに当接できない場合もありうる。そのような場合に備えては、例えば、図5に示されるように、ベーン29の下方寄りに、中間傾斜部137を設け、その中間傾斜部137を用いてロックアーム23を微小揺動させるようにして、本点検方法を実施することもできる。
【0040】
また、点検の結果、インターロックの状態が所定の基準を満たさない場合には、さらに警報を発するように構成することも有効である。
【符号の説明】
【0041】
3 インターロック、5 かご昇降量検知手段、7 戸開量検知手段、9 戸開トルク検知手段、11 点検動作制御部、13 点検判定部、19 乗場錠スイッチ(電気的スイッチ)、23 ロックアーム、25 機械的係合ロック、27 可動ドライブローラ、29 ベーン、35 本体部、37、137 傾斜部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エレベータのかごドアの戸開き動作を受けて開錠される乗場ドアのインターロックの点検方法であり、
前記インターロックは、乗場ドア側に設けられたロックアーム、電気的スイッチ、機械的係合ロック及び可動ドライブローラと、かごドア側に設けられたベーンとを少なくとも含み、
前記ロックアームは、揺動可能に設けられており、
電気的スイッチ及び機械的係合ロックは、前記ロックアームの揺動によってスイッチ切り替え及びロック解錠し、
前記ベーンは、昇降方向に沿って延びる本体部と、該本体部から昇降方向に対して傾斜して延びる傾斜部とを含んでおり、
前記かごドアを前記乗場ドアに対して昇降方向にずらした位置へと移動させ、前記ベーンの前記傾斜部を、前記可動ドライブローラに当接させ、
それにより、前記電気的スイッチを切り替えた状態で、前記かごドアに戸開き動作させることで、前記機械的係合ロックの少なくとも遊び代または掛り代を点検する
インターロックの点検方法。
【請求項2】
かごドアの戸開き動作を受けて開錠される乗場ドアのインターロックと、
かごの昇降量を検知するかご昇降量検知手段と、
前記かごドアの戸開量を検知する戸開量検知手段と、
前記かごドアの戸開トルクを検知する戸開トルク検知手段とを備えたエレベータであって、
前記インターロックは、乗場ドア側に設けられたロックアーム、電気的スイッチ、機械的係合ロック及び可動ドライブローラと、かごドア側に設けられたベーンとを少なくとも含み、
前記ロックアームは、揺動可能に設けられており、
電気的スイッチ及び機械的係合ロックは、前記ロックアームの揺動によってスイッチ切り替え及びロック解錠し、
前記ベーンは、昇降方向に沿って延びる本体部と、該本体部から昇降方向に対して傾斜して延びる傾斜部とを含んでおり、
該エレベータは、さらに、点検動作制御部と、点検判定部とを備えており、
前記点検動作制御部は、前記かごドアを前記乗場ドアに対して昇降方向にずらした位置へと移動させ、前記ベーンの前記傾斜部を、前記可動ドライブローラに当接させ、それにより、前記電気的スイッチを切り替えた状態で、前記かごドアに戸開き動作させ、
前記点検判定部は、前記かごの昇降量、前記かごドアの戸開量及び前記かごドアの戸開トルクの検知結果に基づいて、前記機械的係合ロックの少なくとも遊び代または掛り代を点検する
エレベータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−188199(P2012−188199A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−51804(P2011−51804)
【出願日】平成23年3月9日(2011.3.9)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】