説明

インターロック装置およびこれを備えた画像形成装置

【課題】簡素かつ低コストな構成で、単一のインターロックスイッチを用いて複数の開閉部材の開閉を検知できるインターロック装置および画像形成装置を提供すること。
【解決手段】上カバー40、反転ユニットカバー41など複数の開閉部材の開閉に連動してインターロックスイッチ51をオン・オフさせるインターロック装置50であって、スイッチ作動装置59が、非圧縮性流体56が封入されたシリンダ部材52と、出力側シリンダ部52b内に摺動可能に設けられた出力ピストン53と、入力側シリンダ部52c、52d内に摺動可能に設けられ、各カバー40、41の開閉に連動して出力ピストン53を作動させる入力ピストン54、55とを有し、各ストライカー40a、41aが各カバー40、41の開閉により入力ピストン54、55を押圧、またはその押圧を解除することにより出力ピストン53を作動させインターロックスイッチ51のオン・オフを切り換える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インターロック装置およびこれを備えた画像形成装置に関し、特に、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置の本体に設けられた開閉部材の開閉で作動させるインターロック装置およびこれを備えた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、画像形成装置は、装置本体内部にプロセスユニットなどの構成部材が収容されている。したがって、プロセスユニットなどの構成部材の交換に際しては、装置本体内部にアクセスする必要がある。また、装置本体内部で用紙詰まりなどが生じた場合にあっても、用紙詰まりの原因となった用紙を除去するため、装置本体内部にアクセスする必要がある。
【0003】
このため、この種の画像形成装置にあっては、装置本体内部にアクセス可能なように、装置本体に対して開閉可能な外装カバーや蓋などの開閉部材を有している。したがって、ユーザは、これらの開閉部材を開閉操作することにより、装置本体内部にアクセスすることができ、プロセスユニットなどの構成部材の交換や用紙詰まりに対処することができる。
【0004】
しかし、このような画像形成装置の装置本体内部には、プロセスユニットにかかわらず、高電圧を使用する負荷や高温を発生する負荷を有する電気機器なども配置されており、開閉部材を開いた際には、これらの電気機器なども装置本体から露出した状態となる。
【0005】
したがって、一般に、このような画像形成装置においては、ユーザの安全を確保するため、開閉部材に連動して作動するマイクロスイッチなどのインターロック装置を備えており、開閉部材が開放状態とされた際には、このインターロック装置により電源と電気機器との接続を電気回路上において遮断するようになっている。
【0006】
従来、この種のインターロック装置を備えた画像形成装置として、プロセスカートリッジを装置本体内部に着脱可能に収容した画像形成装置において、装置本体に対して開閉可能な開閉カバーと、プロセスカートリッジの有無を検知する検知レバーと、開閉カバーの開閉を検知するスライドレバーと、転写装置等への高圧電源を断続するインターロックスイッチと、インターロックスイッチに付属するスイッチレバーと、スライドレバーを付勢させておくためのバネと、を備え、プロセスカートリッジが検知レバーを押すとスライドレバーの当接腕がスイッチレバーと重なり、開閉カバーに設けられた突起がスライドレバーを押圧することにより当接腕がインターロックスイッチ作動させる構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
この特許文献1に記載の画像形成装置にあっては、プロセスカートリッジ有りの検知と、開閉カバーの閉状態の検知とを機械的に行うとともに、これら2つの検知がなされたときに限りスイッチ動作を行うようになっている。このため、この画像形成装置においては、単一のインターロックスイッチを用いて2つの動作を検知することができる。
【0008】
また、2つの開閉部材を有する画像形成装置において、従来、別個独立に2つ必要とされていたインターロックスイッチを1つに減らして、単一のインターロックスイッチを用いて双方のカバーが閉状態にあることを検知するようにしたものも提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
この特許文献2に記載の画像形成装置は、給紙カバーを閉じると給紙レバー、給紙側インターロックレバーを介して振り子に押圧力が作用し、本体カバーを閉じると本体側インターロックレバーを介して振り子に反対方向の押圧力が作用するよう構成されている。そして、この画像形成装置においては、給紙側インターロックレバーと本体側インターロックレバーの双方の押圧力が振り子に作用すると、レバーにより上方に付勢されていた振り子が上部非作動位置から下部作動位置に変位し、インターロックスイッチをオンにするようになっている。一方で、給紙カバーおよび本体カバーの少なくともいずれか一方が開放されると、振り子が左右いずれかの方向に揺動し、インターロックスイッチがオンとされることがないようになっている。
【0010】
さらに、特許文献2に記載の画像形成装置と同様に、使用する検知スイッチの個数を減少させることを目的とした画像形成装置として、装置本体に対して開閉可能な定着ユニットカバーおよび原稿読取部カバーとを備えた画像形成装置であって、これら2つのカバーの開閉を検知するインターロックスイッチと、定着ユニットカバーの開放に連動してインターロックスイッチを作動させる作動位置に移動する作動レバーと、原稿読取部カバーの開放に連動して作動レバーを作動位置に移動させる移動レバーとを備えたものも知られている(例えば、特許文献3参照)。
【0011】
この特許文献3に記載の画像形成装置においては、定着ユニットカバーおよび原稿読取カバーの少なくともいずれか一方が開放されると、これら2つのカバーの開放に連動して作動レバー、移動レバーが作動することによって、インターロックスイッチをオンとし、これに応じてインターロック信号を出力するようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上述の特許文献1〜3に記載の従来の画像形成装置にあっては、いずれも機械的な機構を利用して開閉部材などの開閉の検知を行うものであり、このような機械的な機構により検知できる開閉部材の個数は、2つが限界である。
【0013】
ところで、画像形成装置には、複数の開閉部材が設けられているが、これら開閉部材の個数は2つに限られず、3つ以上の多数に及ぶ。
したがって、上述のような従来の機械的な機構では、単一のインターロックスイッチを用いて、3つ以上の多数の開閉部材の開閉を検知することができない。このため、従来の機械的な機構で3つ以上の多数の開閉部材の開閉を検知するには、インターロックスイッチを複数設ける必要があり、結果としてインターロックスイッチの個数が増え、その分コストを低減することができないという問題があった。
【0014】
また、画像形成装置においては、小型化が要求されており、開閉部材の開閉の検知を行う従来の機械的な機構の配置スペースを装置本体内部に確保することが困難である。したがって、従来の画像形成装置においては、3つ以上の多数の開閉部材の開閉を検知するために従来の機械的な機構を用いた場合には、開閉部材の開閉方向や上述の機構を構成するレバーなどの配置の制約を考慮した機構とせざるを得ない。このため、上述のような従来の機械的な機構の構成が複雑化するという問題もあった。
【0015】
本発明は、上述のような従来の問題を解決するためになされたもので、簡素、かつ低コストな構成で、単一のインターロックスイッチを用いて複数の開閉部材の開閉を検知することができるインターロック装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明に係るインターロック装置は、上記目的を達成するため、複数の開閉部材の開閉に連動してインターロックスイッチをオン・オフさせるインターロック装置であって、前記インターロックスイッチの作動状態を切り換えるスイッチ作動手段を備え、前記スイッチ作動手段は、内部に流体が液密状態で封入されているシリンダ部材と、前記シリンダ部材内に摺動可能に設けられ、前記インターロックスイッチのオン・オフを切り換え可能な出力ピストンと、前記シリンダ部材内に摺動可能に設けられ、前記複数の開閉部材のそれぞれの開閉に連動して作動することにより前記出力ピストンを作動させる複数の入力ピストンと、を有し、各開閉部材に設けられた係合部が、各開閉部材の開閉に連動して各入力ピストンを押圧、あるいは前記各入力ピストンへの押圧を解除することにより、前記出力ピストンを作動させる構成を有する。
【0017】
この構成により、本発明は、各開閉部材に設けられた係合部が、各開閉部材の開閉に連動して各入力ピストンを押圧、あるいは各入力ピストンへの押圧を解除することにより、出力ピストンを作動させる構成であるので、簡素、かつ低コストな構成で、単一のインターロックスイッチを用いて複数の開閉部材の開閉を検知することができる。
【0018】
また、従来、単一のインターロックスイッチで検知可能な開閉部材が2つに限られていたのに対して、複数の開閉部材の数に応じた数の入力ピストンをシリンダ部材に設けるだけで、単一のインターロックスイッチで検知可能な開閉部材の数が例えば3つ以上の多数に及ぶ場合にも対応することができる。
【0019】
また、本発明に係るインターロック装置において、前記シリンダ部材は、前記出力ピストンを摺動可能に保持する出力側シリンダ部と、前記各入力ピストンをそれぞれ独立して摺動可能に保持する複数の入力側シリンダ部と、を有し、前記各入力側シリンダ部における前記各入力ピストンの摺動量に応じた前記各入力側シリンダ部の容積の総和が、前記出力側シリンダ部における前記出力ピストンの摺動量として作用する構成を有する。
【0020】
この構成により、本発明は、各入力側シリンダ部における各入力ピストンの摺動量に応じた各入力側シリンダ部の容積の総和が、出力側シリンダ部における出力ピストンの摺動量として作用するようにしたので、各入力ピストンの作動状態に応じて出力ピストンの作動量が決定される。したがって、単一のインターロックスイッチで複数の開閉部材全ての開閉を検知できることはもとより、いずれか1つの開閉部材の開閉についても確実に検知することができる。
【0021】
また、本発明に係るインターロック装置において、前記スイッチ作動手段は、前記各入力ピストンが前記各入力側シリンダ部における摺動により前記流体を押圧する方向と反対の方向に、前記各入力ピストンを付勢する複数の付勢部材を有する。
【0022】
この構成により、本発明は、スイッチ作動手段が、各入力ピストンが各入力側シリンダ部における摺動により流体を押圧する方向と反対の方向に、各入力ピストンを付勢する複数の付勢部材を有するので、各開閉部材の開閉に連動して各開閉部材の係合部による各入力ピストンへの押圧が解除されたときには、各入力側シリンダ部において各入力ピストンを速やかに摺動させることができる。
このため、各入力ピストンの速やかな摺動に応じて、出力ピストンを速やかに作動させることができる。
【0023】
また、本発明に係るインターロック装置において、前記各入力側シリンダ部が、それぞれ前記付勢部材の付勢方向への前記各入力ピストンの摺動を規制する係止部を有する。
【0024】
この構成により、本発明は、各入力側シリンダ部が、それぞれ付勢部材の付勢方向への各入力ピストンの摺動を規制する係止部を有するので、この係止部により各入力ピストンを所定の待機位置に保持することができる。したがって、各入力ピストンが所定の待機位置に保持されることにより、出力ピストンについても所定の待機位置に保持することができる。
なお、上述の各入力ピストンの所定の待機位置とは、各入力ピストンがシリンダ部材内の流体を押圧していない状態にある各入力ピストンの位置を意味し、出力ピストンの所定の待機位置とは、各入力ピストンによる流体の押圧がないことにより、出力ピストンが最も出力側シリンダ部内に引き込まれた位置を意味する。
【0025】
また、本発明に係るインターロック装置において、前記インターロックスイッチは、前記出力ピストンの作動による押圧あるいは押圧の解除により、オン位置とオフ位置との間で回動可能に構成された可動レバーを備え、前記付勢部材の付勢力が、前記可動レバーの戻り力より大きく設定されている構成を有する。
【0026】
この構成により、本発明は、入力ピストンを付勢する付勢部材の付勢力が、インターロックスイッチの可動レバーの戻り力より大きく設定されているので、可動レバーの戻り力が抵抗となって入力ピストンが入力側シリンダ部内を摺動できなくなることを防止することができる。
【0027】
すなわち、インターロックスイッチの配置によっては、可動レバーの戻り力が入力ピストンの摺動に対して抵抗となることがある。このような場合、入力ピストンが入力側シリンダ部内を摺動できなくなるおそれがあるが、付勢部材の付勢力が可動レバーの戻り力より大きく設定されているので、入力ピストンが入力側シリンダ部内を摺動できなくなることを防止することができる。
【0028】
また、本発明に係るインターロック装置において、前記複数の入力側シリンダ部のうち、少なくともいずれか1つが、前記シリンダ部材に対して屈曲可能な管部材を介して接続されている構成を有する。
【0029】
この構成により、本発明は、複数の入力側シリンダ部のうち、少なくともいずれか1つが、シリンダ部材に対して屈曲可能な管部材を介して接続されるよう構成したので、インターロック装置が設けられる装置内部の配置スペースや開閉部材の開閉方向などの制約に拘束されることなく、インターロック装置を適用することができる。
【0030】
また、本発明に係るインターロック装置において、前記シリンダ部材の内部に封入された前記流体が、非圧縮性流体である構成を有する。
【0031】
この構成により、本発明は、シリンダ部材の内部に封入された流体が、非圧縮性流体であるので、圧縮性流体(例えば気体)を使用する場合に比べて、入力ピストンによる押圧力が流体の圧縮に消費されることがなく、入力ピストンおよび出力ピストンの作動の応答性を向上させることができる。これにより、開閉部材の開閉を確実に検知することができる。
【0032】
また、本発明に係るインターロック装置において、前記インターロックスイッチは、前記開閉部材が閉状態とされたとき、前記出力ピストンによって前記可動レバーが押圧されることにより、オンとされる構成を有する。
【0033】
この構成により、本発明において、インターロックスイッチは、開閉部材が閉状態とされたとき、出力ピストンによって可動レバーが押圧されることによりオンとされるよう構成されているので、簡素、かつ低コストな構成で、確実に複数の開閉部材の開閉を検知することができる。
【0034】
また、本発明に係るインターロック装置において、前記出力ピストンは、前記開閉部材の全てが閉状態とされたとき、前記可動レバーが前記オン位置に到達するよう前記可動レバーを押圧し、前記複数の開閉部材のうち、少なくともいずれか1つの開閉部材が開状態とされたとき、前記可動レバーが前記オフ位置となるよう前記可動レバーの押圧を解除する構成を有する。
【0035】
この構成により、本発明において、出力ピストンは、開閉部材の全てが閉状態とされたとき、可動レバーがオン位置に到達するよう可動レバーを押圧し、複数の開閉部材のうち、少なくともいずれか1つの開閉部材が開状態とされたとき、可動レバーがオフ位置となるよう可動レバーの押圧を解除するので、簡素、かつ低コストな構成で、開閉部材の全てが閉状態とされることによりインターロックスイッチをオンとすることができ、一方、複数の開閉部材のうち、少なくともいずれか1つの開閉部材が開状態とされることにより、確実にインターロックスイッチをオフとすることができる。
【0036】
また、本発明に係る画像形成装置は、複数の像担持体と、前記像担持体をそれぞれ個別に光走査して前記像担持体上に静電潜像を形成する光走査手段と、前記像担持体上に形成された静電潜像を個別に現像して可視像化する複数の現像手段と、前記現像によって前記像担持体上で得られた可視像をそれぞれ転写体に重ね合わせて転写する転写手段と、を備え、前記複数の開閉部材が装置本体に対して開閉可能に設けられた画像形成装置であって、請求項1ないし9のいずれかに記載のインターロック装置を備えた構成を有する。
【0037】
この構成により、本発明は、簡素、かつ低コストな構成で、単一のインターロックスイッチを用いて複数の開閉部材の開閉を検知可能な画像形成装置を提供することができる。
また、従来、単一のインターロックスイッチで検知可能な開閉部材が2つに限られていたのに対して、複数の開閉部材の数に応じた数の入力ピストンをシリンダ部材に設けるだけで、単一のインターロックスイッチで検知可能な開閉部材の数が例えば3つ以上の多数に及ぶ場合にも対応可能な画像形成装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明では、簡素、かつ低コストな構成で、単一のインターロックスイッチを用いて複数の開閉部材の開閉を検知することができるインターロック装置および画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るインターロック装置を備えたプリンタの概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るプロセスユニットを示す概略構成図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るインターロック装置を備えたプリンタの各開閉部材の概略を説明する概略図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るインターロック装置に適用されるシリンダ部材の原理を説明する概略図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係るインターロック装置を備えたプリンタの一部拡大断面図であって、開閉部材の開状態を示す概略図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係るインターロック装置を備えたプリンタの一部拡大断面図であって、全ての開閉部材が閉状態にあるときの概略図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態に係るインターロック装置を備えたプリンタの一部拡大断面図であって、一部の開閉部材が開状態にあるときの概略図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るインターロック装置を備えたプリンタの装置本体内部を示す概略構成図である。
【図9】本発明の各実施の形態に係るインターロック装置における入力側シリンダ部の変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0041】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施の形態を示す図であり、画像形成装置を電子写真方式のプリンタ(以下、単にプリンタという)に適用した例を示している。なお、本実施の形態においては、一般的な静電作像方法を用いて画像を形成するフルカラーのプリンタについて説明するが、これに限らず、例えばモノクロ画像を形成する画像形成装置に適用してもよい。
【0042】
まず、構成を説明する。
図1に示すように、画像形成装置としてのプリンタ1は、プロセスユニット2Y、2M、2C、2K(以下、単にプロセスユニット2ともいう)と、光書込ユニット3と、転写ユニット4と、給紙カセット5と、定着装置6と、を含んで構成されている。
【0043】
プロセスユニット2Y、2M、2C、2Kは、それぞれイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック(以下、単にY、M、C、Kと記す)のトナー像を形成するためのプロセスユニットである。これら各プロセスユニット2Y、2M、2C、2Kは、画像形成物質として、互いに異なる色のY、M、C、Kトナーを用いるが、それ以外の構成は同一であり、寿命到達時に交換される。
【0044】
次いで、図2を参照して、プロセスユニット2Y、2M、2C、2Kの詳細な構成について、Kトナー像を形成するためのプロセスユニット2Kを例に説明する。
図2に示すように、プロセスユニット2Kは、像担持体としてのドラム状の感光体10Kと、帯電装置11Kと、現像手段としての現像装置12Kと、ドラムクリーニング装置13Kと、図示しない除電装置と、を含んで構成されている。
【0045】
画像形成ユニットとしてのプロセスユニット2Kは、プリンタ1の装置本体1aに脱着可能であり、消耗部品として一度に交換可能になっている。
感光体10Kは、図示しない駆動手段によって図中時計回りに回転させられるようになっており、その表面が帯電装置11Kにより一様に帯電させられるようになっている。そして、一様に帯電させられた感光体10Kの表面には、レーザー光Lによって露光走査されることにより、K用の静電潜像が担持されるようになっている。
【0046】
帯電装置11Kは、感光体10Kの表面を一様に帯電させるようになっている。
現像装置12Kは、図示しないKトナーを収容するホッパ部14Kと、現像部15Kとを有している。ホッパ部14K内には、図示しない駆動手段によって回転駆動されるアジテータ16Kと攪拌パドル17Kおよびトナー供給ローラ18Kなどが配設されている。ホッパ部14K内のKトナーは、アジテータ16Kや攪拌パドル17Kの回転駆動によって攪拌されながら、自重によってトナー供給ローラ18Kに向けて移動するようになっている。
【0047】
トナー供給ローラ18Kは、金属製の芯金と、これの表面に被服された発砲樹脂等からなるローラ部とを有しており、ホッパ部14K内のトナーをローラ部の表面に付着させながら回転するようになっている。
【0048】
現像部15K内には、感光体10Kやトナー供給ローラ18Kに当接しながら回転する現像ローラ19Kや現像ローラ19Kの表面に先端を当接させる薄層化ブレード20Kなどが配設されている。ホッパ部14K内のトナー供給ローラ18Kに付着したKトナーは、現像ローラ19Kとトナー供給ローラ18Kとの当接部で現像ローラ19Kの表面に供給されるようになっている。このように供給されたKトナーは、現像ローラ19Kの回転に伴ってローラと薄層化ブレード20Kとの当接位置を通過する際に、ローラ表面上での層厚が規制されるようになっている。そして、層厚規制後のKトナーは、現像ローラ19Kと感光体10Kとの当接部である現像領域において、感光体10K表面の静電潜像に付着するようになっている。このような付着により、K用の静電潜像がKトナー像に現像されるようになっている。
【0049】
そして、このようにK用の静電潜像は、現像装置5KによってKトナー像に現像された後、後述する中間転写ベルト21上に転写される。
【0050】
ドラムクリーニング装置13Kは、中間転写ベルト21上に転写された後の感光体10K表面に残留している転写残トナーを除去するようになっている。
また、除電装置は、クリーニング後の感光体10Kの残留電荷を除電するようになっている。このような除電装置による除電により、感光体10Kの表面が初期化されて次の画像形成に備えられる。
【0051】
その他の色のプロセスユニット2Y、2M、2Cにおいても、同様にして感光体10Y、10M、10C上にそれぞれY、M、Cトナー像が形成されて、後述する中間転写ベルト21上に重畳転写されるようになっている。
【0052】
なお、図2を参照して、K用のプロセスユニットについて説明したが、Y、M、C用のプロセスユニット2Y、2M、2Cにおいても、同様のプロセスにより、感光体10Y、10M、10Cの表面にY、M、Cトナー像が形成される。
【0053】
図1に示すように、光走査手段としての光書込ユニット3は、プロセスユニット2Y、2M、2C、2Kの鉛直方向上方に配設され、画像情報に基づいてレーザーダイオードから発したレーザー光Lにより、プロセスユニット2Y、2M、2C、2Kにおける感光体10Y、10M、10C、10Kを光走査するようになっている。このような光走査により、感光体10Y、10M、10C、10K上には、Y、M、C、K用の静電潜像が形成される。
【0054】
なお、光書込ユニット3は、図示しないポリゴンモータによって回転駆動したポリゴンミラー3aによって光源から発したレーザー光Lを主走査方向に偏向させながら、複数の光学レンズやミラーを介して感光体に照射するものである。
【0055】
転写手段としての転写ユニット4は、プロセスユニット2Y、2M、2C、2Kの鉛直方向下方に配設され、中間転写ベルト21と、駆動ローラ22と、従動ローラ23と、4つの1次転写ローラ24Y、24M、24C、24Kと、2次転写ローラ25と、ベルトクリーニング装置26と、クリーニングバックアップローラ27と、残トナー回収装置28とを含んで構成されている。
【0056】
中間転写ベルト21は、そのループ内側に配設された駆動ローラ22、従動ローラ23、クリーニングバックアップローラ27および4つの1次転写ローラ24Y、24M、24C、24Kによって張架されている。この中間転写ベルト21は、駆動ローラ22が図示しない駆動手段によって図中反時計回り方向に回転駆動されることにより、同方向に無端移動するようになっている。
【0057】
4つの1次転写ローラ24Y、24M、24C、24Kは、感光体10Y、10M、10C、10Kとの間に、無端移動する中間転写ベルト21を挟み込んでいる。このような挟み込みにより、中間転写ベルト21の表面と感光体10Y、10M、10C、10Kとが当接するY、M、C、K用の1次転写ニップが形成される。
【0058】
また、1次転写ローラ24Y、24M、24C、24Kには図示しない転写バイアス電源によってそれぞれ1次転写バイアスが印加されるようになっており、この1次転写バイアスの印加により、感光体10Y、10M、10C、10Kの静電潜像と1次転写ローラ24Y、24M、24C、24Kとの間に転写電界が形成される。
なお、1次転写ローラ24Y、24M、24C、24Kに代えて、転写チャージャや転写ブラシ等を採用してもよい。
【0059】
ここで、感光体10Kの表面に形成されたKトナーは、感光体10Kの回転に伴い上述のK用の1次転写ニップに進入すると、転写電界やニップ圧の作用により、感光体10K上から転写ベルト21上に1次転写される。
【0060】
また、このようなKトナー像が1次転写された中間転写ベルト21は、その無端移動に伴いC、M、Y用の1次転写ニップを通過する。このとき、感光体10Y、10M、10C上のY、M、Cトナー像が、Kトナー像上に順次重畳転写される。したがって、この重ね合わせの1次転写により、中間転写ベルト21上には、4色トナー像が形成される。
【0061】
2次転写ローラ25は、中間転写ベルト21のループ外側に配設され、ループ内側の駆動ローラ22との間に中間転写ベルト21を挟み込むようになっている。このような挟み込みにより、中間転写ベルト21の表面と2次転写ローラ25とが当接する2次転写ニップが形成される。
【0062】
また、2次転写ローラ25には、図示しない転写バイアス電源によって2次転写バイアスが印加されるようになっており、この2次転写バイアスの印加により、2次転写ローラ25と駆動ローラ22との間には、2次転写電界が形成される。
【0063】
給紙カセット5は、転写ユニット4の鉛直方向下方に配設され、記録紙Pを複数枚重ねた紙束の状態で収容するようになっている。また、給紙カセット5は、プリンタ1の筐体に対してスライド着脱可能に構成されている。
【0064】
この給紙カセット5に収容された紙束の最上位の記録紙Pには、給紙ローラ5aが当接しており、給紙ローラ5aは、所定のタイミングで図中反時計回りに回転することにより、記録紙Pを給紙路30に向けて送出するようになっている。
【0065】
給紙路30の下流末端付近には、レジストローラ対31が配設されており、このレジストローラ対31は、給紙カセット5から送出された記録紙Pをローラ間に挟み込むとすぐにローラの回転を停止させるようになっている。そしてレジストローラ対31は、上述の2次転写ニップ内で中間転写ベルト21上の4色トナー像に同期させ得るタイミングで回転運動を再開することにより、挟み込んだ記録紙Pを2次転写ニップに向けて送出するようになっている。
【0066】
ここで、2次転写ニップで記録紙Pに密着させられた中間転写ベルト21上の4色トナー像は、2次転写電界やニップ圧の影響を受けて記録紙P上に一括2次転写され、記録紙P上にフルカラートナー像として画像形成される。このようにフルカラートナー像が表面に形成された記録紙Pは、2次転写ニップを通過すると、2次転写ローラ25や中間転写ベルト21から曲率分離し、転写後搬送路32を経由して、定着装置6に搬送される。
【0067】
ところで、2次転写ニップを通過した後の中間転写ベルト21には、記録紙Pに転写されなかった転写残トナーが付着している。このような転写残トナーは、中間転写ベルト21の表面に当接するベルトクリーニング装置26によって、ベルト表面からクリーニングされる。
【0068】
クリーニングバックアップローラ27は、中間転写ベルト21のループ内側に配設され、ベルトクリーニング装置26によるベルトのクリーニングをループ内側からバックアップするようになっている。
また、残トナー回収装置28は、ベルトクリーニング装置26によって中間転写ベルト21の表面よりクリーニングされた残トナーを回収するようになっている。
【0069】
定着装置6は、図示しないハロゲンランプ等の発熱源を内包する定着ローラ6aと、この定着ローラ6aに所定の圧力で当接しながら回転する加圧ローラ6bとを含んで構成されており、定着ローラ6aと加圧ローラ6bとにより定着ニップを形成するようになっている。
【0070】
ここで、定着装置6内に搬送された記録紙Pは、その未定着トナー像担持面を定着ローラ6aに密着させるようにして、定着ニップに挟まれる。そして、加熱や加圧の影響によってトナー像中のトナーが軟化せしめられて、フルカラー画像が定着される。
【0071】
また、定着装置6の上方には、排紙ローラ対34が配設されており、この排紙ローラ対34は、定着装置6から排出され、定着後搬送路33、排紙路35を経由して搬送される記録紙Pを、後述する上カバー40の上面であるスタック部に排出するようになっている。すなわち、図示しないテンキーなどからなる操作部への入力操作や、図示しないパーソナルコンピュータなどから送られてくる制御信号により、片面プリントモードが設定されている場合には、排紙ローラ対34に挟み込まれた記録紙Pがそのまま機外へと排出される。したがって、排紙ローラ対34により排出された記録紙Pは、上カバー40の上面であるスタック部にスタックされる。
【0072】
一方で、両面プリントモードが設定されている場合には、記録紙Pの先端側を排紙ローラ対34に挟み込まれながら排紙路35内を搬送される記録紙Pの後端側が定着後搬送路33を通過すると、切換爪36が回動することにより、搬送路が切り換えられる。このとき、排紙ローラ対34が逆転することによって、記録紙Pは、反転搬送路37に搬送される。その後、反転搬送路37において反転された記録紙Pは、再度、給紙路30に搬送されて、片面プリントモードと同様にフルカラートナー像が裏面にも形成された後、定着されて機外に排出される。
【0073】
なお、上述の反転搬送路37が配設される装置本体1aの右端部は、反転ユニット38を構成しており、この反転ユニット38は、反転ユニットカバー41に保持された状態で装置本体1aに対して開閉可能に構成されている。
【0074】
次いで、図3を参照して、本実施の形態に係るプリンタ1に設けられた開閉部材について、説明する。
図3に示すように、プリンタ1は、装置本体1aに対して開閉可能あるいは引き出し可能な開閉部材として、給紙カセット5、上カバー40、反転ユニットカバー41および外装カバー42を有している。
【0075】
給紙カセット5は、上述した通り、装置本体1aに対して引き出し可能に設けられ、装置本体1aの外装側に配置されたカセット前面部5bをユーザが把持して引き出す構成のものである。
また、カセット前面部5bの裏面側であって、その長手方向の一端には、カセット用ストライカー5cが装置本体1a側に向けて突出するよう形成されている。
【0076】
なお、本実施の形態において、給紙カセット5は、反転ユニットカバー41と同一の装置本体1aの側面(図中、右側)から引き出す構成としたが、これに限らず、例えば外装カバー42が配置された側面(図中、手前側)、または上カバー40の回動支点がある装置本体1aの側面(図中、左側)など、いずれの側面から引き出す構成のものであってもよい。
【0077】
上カバー40は、装置本体1aの上部側に開閉可能に設けられ、図1中、矢印で示すように、図中反時計回り方向に回動することにより、装置本体1aに対して開いた状態(以下、単に開状態という)とすることができる。
この上カバー40の裏面側であって、一方の側端部(図中、手前側)には、上カバー用ストライカー40aが装置本体1a側に向けて突出するよう形成されている。
【0078】
また、この上カバー40には、光書込ユニット3が保持されるようになっており、光書込ユニット3は、上カバー40とともに本体に対して回動するようになっている。なお、これに限らず、光書込ユニット3が上カバー40に保持されることなく、装置本体1a内に配置され、上カバー40のみが装置本体1aに対して開閉可能な構成としてもよい。
【0079】
このように、上カバー40が装置本体1aに対して開状態とされた際には、プリンタ1の上部開口を外部に向けて大きく露出するようになっている。これにより、例えば4つのプロセスユニット2Y、2M、2C、2Kは、それぞれ、その上部開口より容易に着脱することができる。
【0080】
反転ユニットカバー41は、給紙カセット5と同一の側面側で装置本体1aに対して開閉可能に設けられ、図1中、矢印で示すように、図中時計回り方向に回動することにより、装置本体1aに対して開状態とすることができる。
【0081】
この反転ユニットカバー41の裏面であって、一方の側端部(図中、手前側)には、反転ユニットカバー用ストライカー41aが装置本体1a側に向けて突出するよう形成されている。
【0082】
外装カバー42は、図中手前側の装置本体1aの側面側で装置本体1aに対して開閉可能に設けられ、図中手前側に回動することにより、装置本体1aに対して開状態とすることができる。
この外装カバー42の裏面であって、一方の側端部(図中、左側)には、外装カバー用ストライカー42aが装置本体1a側に向けて突出するよう形成されている。
【0083】
なお、本実施の形態において、外装カバー42は、図中手前側の装置本体1aの側面に設けられているが、これに限らず、例えば図中手前側の側面以外の側面に設けられるものであってもよい。また、1つの外装カバー42に限らず、その他の装置本体1aの側面にも同様の外装カバーが設けられていてもよい。
【0084】
また、装置本体1aには、上述の各開閉部材が閉状態とされたとき、カセット用ストライカー5c、上カバー用ストライカー40a、反転ユニットカバー用ストライカー41aおよび外装カバー用ストライカー42aを装置本体1a内部に引き入れるためのストライカー用孔2a、2b、2c、2dが形成されている。このストライカー用孔2a、2b、2c、2dは、それぞれカセット用ストライカー5c、上カバー用ストライカー40a、反転ユニットカバー用ストライカー41aおよび外装カバー用ストライカー42aに対応する位置に形成されている。
【0085】
なお、本実施の形態において、上述のセット用ストライカー5c、上カバー用ストライカー40a、反転ユニットカバー用ストライカー41aおよび外装カバー用ストライカー42aは、本発明に係る係合部を構成している。
【0086】
次いで、図4〜図6を参照して、これら開閉部材を有するプリンタ1に設けられるインターロック装置50について、説明する。
本実施の形態において、このインターロック装置50は、いわゆるパスカルの原理を応用したもので、シリンダ部材と複数のピストンとによって構成されるものである。
【0087】
まず、パスカルの原理を応用したインターロック装置50のシリンダ部材と複数のピストンの作用について、シリンダ部材100と、出力ピストン101と、複数の入力ピストン102、103、104とから構成される装置を例に挙げて、説明する。
【0088】
図4(a)、(b)に示すように、シリンダ部材100は、出力側シリンダ部100aと、複数の入力側シリンダ部100b、100c、100dとを含んで構成されており、出力側シリンダ部100aには、出力ピストン101が摺動可能に設けられている。
【0089】
また、複数の入力側シリンダ部100b、100c、100dは、それぞれ独立(並列)に設けられ、これら各入力側シリンダ部100b、100c、100dには、それぞれ入力ピストン102、103、104が摺動可能に設けられている。
また、シリンダ部材100の内部には、非圧縮性流体が液密状態で封入されている。
【0090】
このような装置において、入力ピストン102、103、104がそれぞれ図4(b)中矢印で示す外力により摺動距離Lだけシリンダ部材100の内部側に押圧されると、これに応じて非圧縮性流体が押圧されることにより、出力ピストン101が摺動距離Lだけシリンダ部材100の外部に向けて突出するよう摺動する。
【0091】
ここで、非圧縮性流体の圧力を受圧する出力ピストン101の受圧面の面積、非圧縮性流体を押圧する入力ピストン102、103、104の各ピストンの押圧面の面積は、いずれも同一の面積に設定されている。したがって、出力ピストン101の摺動距離Lは、入力ピストン102、103、104の各ピストンの摺動距離Lに応じた各入力側シリンダ部100b、100c、100dの容積V、V、Vの総和を、出力ピストン101の受圧面の面積Aで除算した値となる(L=(V+V+V)/A)。
【0092】
次いで、このような原理を利用した本実施の形態に係るインターロック装置50の具体的構成について、図5および図6を参照して説明する。なお、本実施の形態においては、上カバー40および反転ユニットカバー41に対応するインターロック装置50について説明を行うが、給紙カセット5および外装カバー42についても、同様の構成のインターロック装置が適用可能である。また、これに限らず、例えば後述する第2の実施の形態に係るインターロック装置のように、給紙カセット5、上カバー40、反転ユニットカバー41および外装カバー42の全てについて、1つのインターロック装置で対応することも可能である。
【0093】
図5に示すように、インターロック装置50は、インターロックスイッチ51と、シリンダ部材52と、出力ピストン53と、複数の入力ピストン54、55と、複数の付勢バネ57、58と、を含んで構成されている。なお、本実施の形態においては、シリンダ部材52と、出力ピストン53と、複数の入力ピストン54、55と、複数の付勢バネ57、58とによりスイッチ作動装置59が構成され、このスイッチ作動装置59は、本発明に係るスイッチ作動手段を構成している。また、複数の付勢バネ57、58が、本発明に係る付勢部材を構成している。
【0094】
インターロックスイッチ51は、いわゆるマイクロスイッチで構成されており、装置本体1aにブラケットなどを介して固定されている。また、インターロックスイッチ51は、可動レバー51aを有しており、この可動レバー51aは、出力ピストン53によって押圧、あるいはその押圧が解除されることにより、オン位置とオフ位置との間で回動可能になっている。これにより、インターロックスイッチ51は、可動レバー51aの回動に応じてインターロックスイッチ51のオンとオフとを切り換えるようになっている。すなわち、インターロックスイッチ51は、可動レバー51aが出力ピストン53によって押圧されると、オンとなるよう構成されている。これにより、プリンタ1が動作可能な状態となる。
【0095】
なお、可動レバー51aは、先端を自由端とした片持梁状のものであり、可撓性を有し、屈曲変形によって破損しない程度の機械的強度を有するもので構成されている。そして、この可動レバー51aの反力、すなわち戻り力は、所定の戻り力Fに設定されている。
【0096】
一方、インターロックスイッチ51は、出力ピストン53による可動レバー51aの押圧が解除されると、オフとなるよう構成されている。これにより、図示しない電源と装置本体1a内部に配置された電気機器との接続を電気回路上において遮断し、プリンタ1の動作が停止されるようになっている。
【0097】
シリンダ部材52は、装置本体1aに固定されており、シリンダ本体52aと、出力側シリンダ部52bと、複数の入力側シリンダ部52c、52dとを含んで構成されている。出力側シリンダ部52bおよび複数の入力側シリンダ部52c、52dは、いずれもシリンダ本体52aに対して突出するよう形成されている。なお、入力側シリンダ部52c、52dの他に入力側シリンダ部を増設することにより、3つ以上の入力側シリンダ部を備えることも可能である。
【0098】
出力側シリンダ部52bには、出力ピストン53が摺動可能に設けられている。また、複数の入力側シリンダ部52c、52dは、シリンダ本体52aに対して独立(並列)に設けられ、入力ピストン54、55がそれぞれ摺動可能に設けられている。
また、シリンダ本体52aの内部には、非圧縮性流体56が液密状態で封入されている。
【0099】
出力ピストン53は、非圧縮性流体56の押圧状態に応じて出力側シリンダ部52b内を図中、左右方向に摺動するようになっている。図5においては、出力ピストン53が非圧縮性流体56の押圧を受けていない状態であり、出力側シリンダ部52bに引き込まれた状態にある。このとき、出力ピストン53は、その先端がインターロックスイッチ51から最も離隔した位置にある。このときの出力ピストン53の位置を非作動位置(待機位置)とする。このため、インターロックスイッチ51は、可動レバー51aが押圧されることなく、オフとなっている。
【0100】
一方、図6に示すように、出力ピストン53が非圧縮性流体56の押圧を受けて押し出された状態においては、出力ピストン53の先端がインターロックスイッチ51の可動レバー51aを押圧するようになっている。このとき、インターロックスイッチ51は、可動レバー51aが押圧されることにより、オンとなる。このときの出力ピストン53の位置を作動位置とする。
【0101】
入力ピストン54は、非圧縮性流体56を押圧する押圧面と上カバー用ストライカー40aの押圧を受ける被押圧面部とを有しており、この被押圧面部が、上カバー40の開閉に応じて上カバー用ストライカー40aによって押圧されることにより、付勢バネ57の付勢力Fに抗して入力側シリンダ部52c内をシリンダ本体52a内に向けて摺動するようになっている。これにより、非圧縮性流体56が押圧され、この押圧に応じて出力ピストン53が押し出されるようになっている。
【0102】
また、入力ピストン55は、非圧縮性流体56を押圧する押圧面と反転ユニットカバー用ストライカー41aの押圧を受ける被押圧面部とを有しており、この被押圧面部が、反転ユニットカバー41の開閉に応じて反転ユニットカバー用ストライカー41aによって押圧されることにより、付勢バネ58の付勢力Fに抗して入力側シリンダ部52d内をシリンダ本体52a内に向けて摺動するようになっている。これにより、非圧縮性流体56が押圧され、この押圧に応じて出力ピストン53が押し出されるようになっている。
【0103】
複数の付勢バネ57、58は、それぞれ入力側シリンダ部52c、52dと入力ピストン54、55の被押圧面部との間に設けられ、入力ピストン54、55が入力側シリンダ部52c、52dに対して最も引き出された位置(待機位置)に保持するよう入力ピストン54、55を常時付勢している。すなわち、複数の付勢バネ57、58は、上カバー40および反転ユニットカバー41の開閉に連動して入力ピストン54、55が非圧縮性流体56を押圧する方向と反対の方向に入力ピストン54、55をそれぞれ付勢するようになっている。
なお、付勢バネ57、58の付勢力Fは、上述の可動レバー51aの反力、すなわち戻り力Fよりも大きく設定されている。
【0104】
次に、本実施の形態に係るインターロック装置50の動作について、説明する。
図6に示すように、上カバー40および反転ユニットカバー41のいずれもが装置本体1aに対して閉状態とされている場合には、上カバー用ストライカー40a、反転ユニットカバー用ストライカー41aにより各入力ピストン54、55が押圧を受け、付勢バネ57、58の付勢力Fに抗してシリンダ本体52aに向けて最も引き込まれた位置にある。
【0105】
このとき、出力ピストン53は、非圧縮性流体56の押圧あるいはシリンダ本体52a内での移動により、作動位置にある。したがって、インターロックスイッチ51は、オンとされている。
【0106】
この状態で、図7に示すように、例えばユーザにより上カバー40および反転ユニットカバー41のうち、反転ユニットカバー41が開状態とされると、入力ピストン55が付勢バネ58の付勢力Fによって入力側シリンダ部52dから最も引き出された位置まで摺動する。このとき、非圧縮性流体56の移動に応じて、出力ピストン53が、入力ピストン55が入力側シリンダ部52d内を摺動した摺動量に応じた入力側シリンダ部52dの容積に応じた分だけ、出力側シリンダ部52b内をシリンダ本体52a側に向けて摺動する。このときの出力ピストン53の摺動量は、出力ピストン53の受圧面および入力ピストン54、55の押圧面の面積を同一とした場合、入力ピストン54、55の摺動量に応じた入力側シリンダ部52c、52dの容積の総和を、出力ピストン53の受圧面の面積で除算した値となる。ここでは、入力ピストン54の摺動量は、0であるため、入力ピストン55の摺動量に応じた入力側シリンダ部52dの容積を、出力ピストン53の受圧面の面積で除算した値が、出力ピストン53の摺動量となる。
【0107】
これにより、出力ピストン53によるインターロックスイッチ51の可動レバー51aの押圧が解除され、インターロックスイッチ51がオフとなる。すなわち、インターロックスイッチ51は、上カバー40および反転ユニットカバー41のうち、少なくともいずれかのカバーが開状態とされると、可動レバー51aの押圧が解除される位置まで出力ピストン53が摺動する。したがって、上述した出力ピストン53の非作動位置は、図7に示すOFF領域に相当する。
【0108】
その後、図5に示すように、反転ユニットカバー41に加えて上カバー40が開状態とされると、入力ピストン55と同様に、入力ピストン54が摺動する。そして、出力ピストン53が、入力ピストン54、55の摺動量に応じた分だけ、出力側シリンダ部52b内をシリンダ本体52a側に向けて摺動する。このときの出力ピストン53の摺動量は、入力ピストン54、55の摺動量に応じた入力側シリンダ部52c、52dの容積の総和を、出力ピストン53の受圧面の面積で除算した値となる。
【0109】
以上のように、本実施の形態では、上カバー40および反転ユニットカバー41のそれぞれに設けられた上カバー用ストライカー40a、反転ユニットカバー用ストライカー41aが、上カバー40、反転ユニットカバー41の開閉に連動して各入力ピストン54、55を押圧、あるいは各入力ピストン54、55への押圧を解除することにより、出力ピストン53を作動させる構成であるので、簡素、かつ低コストな構成で、単一のインターロックスイッチ51を用いて上カバー40および反転ユニットカバー41など、複数の開閉部材の開閉を検知することができる。
【0110】
また、従来、単一のインターロックスイッチで検知可能な開閉部材が2つに限られていたのに対して、複数の開閉部材の数に応じた数の入力ピストンをシリンダ部材52に設けるだけで、単一のインターロックスイッチ51で検知可能な開閉部材の数が例えば3つ以上の多数に及ぶ場合にも対応することができる。
【0111】
また、本実施の形態では、各入力側シリンダ部52c、52dにおける各入力ピストン54、55の摺動量に応じた各入力側シリンダ部52c、52dの容積の総和が、出力側シリンダ部52bにおける出力ピストン53の摺動量として作用するようにしたので、各入力ピストン54、55の作動状態に応じて出力ピストン53の作動量が決定される。したがって、単一のインターロックスイッチ51で、上カバー40および反転ユニットカバー41など複数の開閉部材全ての開閉を検知できることはもとより、上カバー40および反転ユニットカバー41のうち、いずれか1つの開閉部材の開閉についても確実に検知することができる。
【0112】
また、本実施の形態では、各入力ピストン54、55が各入力側シリンダ部52c、52dにおける摺動により非圧縮性流体56を押圧する方向と反対の方向に、各入力ピストン54、55を付勢する複数の付勢バネ57、58が設けられている。このため、上カバー40および反転ユニットカバー41の開閉に連動して上カバー用ストライカー40a、反転ユニットカバー用ストライカー41aによる各入力ピストン54、55への押圧が解除されたときには、各入力側シリンダ部52c、52dにおいて各入力ピストン54、55を速やかに摺動させることができる。その結果、各入力ピストン54、55の速やかな摺動に応じて、出力ピストン53を速やかに作動させることができる。
【0113】
また、本実施の形態では、付勢バネ57、58の付勢力Fが、インターロックスイッチ51の可動レバー51aの戻り力Fより大きく設定されているので、可動レバー51aの戻り力Fが抵抗となって各入力ピストン54、55が入力側シリンダ部52c、52d内を摺動できなくなることを防止することができる。
【0114】
すなわち、インターロックスイッチ51の配置によっては、可動レバー51aの戻り力Fが各入力ピストン54、55の摺動に対して抵抗となることがある。このような場合、各入力ピストン54、55が入力側シリンダ部52c、52d内を摺動できなくなるおそれがあるが、付勢バネ57、58の付勢力Fが可動レバー51aの戻り力Fより大きく設定されているので、各入力ピストン54、55が摺動できなくなることを防止することができる。
【0115】
さらに、本実施の形態では、シリンダ部材52の内部に封入された流体が、非圧縮性流体56であるので、圧縮性流体(例えば気体)を使用する場合に比べて、各入力ピストン54、55による押圧力が流体の圧縮に消費されることがなく、各入力ピストン54、55および出力ピストン53の作動の応答性を向上させることができる。これにより、上カバー40および反転ユニットカバー41など複数の開閉部材の開閉を確実に検知することができる。
【0116】
(第2の実施の形態)
次に、図8を参照して、本発明の第2の実施の形態に係るインターロック装置70について説明する。
【0117】
本実施の形態に係るインターロック装置70においては、本発明の第1の実施の形態に係るインターロック装置50とはシリンダ部材に管部材を介して入力側シリンダ部が増設されている点で異なるが、他の構成は同様に構成されている。したがって、図1から図7に示した第1の実施の形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点についてのみ詳述する。
【0118】
図8に示すように、本実施の形態に係るインターロック装置70は、単一のインターロックスイッチ51を用いて、給紙カセット5、上カバー40、反転ユニットカバー41および外装カバー42の全ての開閉を検知可能に構成されている。
【0119】
ここで、上カバー40および反転ユニットカバー41のそれぞれの開閉に対応する入力ピストン74、75、入力側シリンダ部72c、72dは、第1の実施の形態に係るインターロック装置50における構成と同一であるため、その説明を省略する。
【0120】
インターロック装置70において、シリンダ部材72には、シリンダ本体72aに対して屈曲可能な管部材80、81を介して入力側シリンダ部80a、81aが接続されている。これら入力側シリンダ部80a、81aには、それぞれ入力ピストン84、85が摺動可能に設けられている。このような管部材80、81を配設することにより、特に、本実施の形態においては、外装カバー42の開閉方向がその他の開閉部材の開閉方向と直交する方向である場合にも、好適に適用でき、さらに外装カバー用ストライカー42aおよびカセット用ストライカー5cがシリンダ部材72から離隔した位置で係合する場合であっても、これらストライカーの位置に拘わらず、好適に適用することができる。
【0121】
また、入力側シリンダ部80a、81aと入力ピストン84、85との間には、付勢バネ77、78と同様の付勢バネ87(図示、省略)、88がそれぞれ設けられている。
【0122】
また、入力ピストン84は、外装カバー42の開閉に連動して外装カバー用ストライカー42aにより押圧されるようになっている。一方。入力ピストン85は、給紙カセット5の開閉、すなわち出し入れに連動してカセット用ストライカー5cにより押圧されるようになっている。
【0123】
このように構成された本実施の形態に係るインターロック装置70においては、出力ピストン73が4つの開閉部材として給紙カセット5、上カバー40、反転ユニットカバー41および外装カバー42の開閉に連動してインターロックスイッチ51の可動レバー51aを押圧する。
【0124】
このときの出力ピストン73の出力側シリンダ部72bにおける摺動量は、出力ピストン73の受圧面および入力ピストン74、75、84、85の押圧面の面積を同一とした場合、入力ピストン74、75、84、85の摺動量に応じた入力側シリンダ部72c、72d、80a、81aの容積の総和を、出力ピストン73の受圧面の面積で除算した値となる。
【0125】
そして、本実施の形態においては、インターロックスイッチ51は、給紙カセット5、上カバー40、反転ユニットカバー41および外装カバー42が全て閉状態とされたとき、出力ピストン73により可動レバー51aが押圧されて、オンとなる。
【0126】
一方で、インターロックスイッチ51は、給紙カセット5、上カバー40、反転ユニットカバー41および外装カバー42のうち、いずれか1つでも開状態とされると、出力ピストン73による可動レバー51aの押圧が解除されて、オフとなる。
【0127】
以上のように、本実施の形態では、第1の実施の形態における効果に加えて、複数の入力側シリンダ部72c、72d、80a、81aのうち、入力側シリンダ部80a、81aが、シリンダ部材72に対して屈曲可能な管部材80、81を介してそれぞれ接続されるよう構成したので、インターロック装置70が設けられる装置本体1a内部の配置スペースや給紙カセット5、上カバー40、反転ユニットカバー41および外装カバー42などの開閉部材の開閉方向の制約に拘束されることなく、インターロック装置70を適用することができる。
【0128】
また、上述の各実施の形態において、入力側シリンダ部52cは、図9に示すように、付勢バネ57の付勢方向(図中、矢印Aで示す)への入力ピストン54の摺動を規制する係止部90を有するのが好ましい。なお、図9においては、入力側シリンダ部52cを例に挙げて説明したが、その他の入力側シリンダ部52d、72c、72d、80a、81aについても同様の係止部を有するのが好ましい。
【0129】
なお、上述の各実施の形態においては、出力ピストン53、73の受圧面および入力ピストン54、55、84、85の押圧面の面積を同一とした場合について説明したが、これに限らず、これら受圧面および押圧面の面積は、それぞれ設置スペースなどを考慮してそれぞれ異なる面積としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0130】
以上のように、本発明に係るインターロック装置および画像形成装置は、簡素、かつ低コストな構成で、単一のインターロックスイッチを用いて複数の開閉部材の開閉を検知することができるという効果を有し、例えば複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置の本体に設けられた開閉部材の開閉で作動させるインターロックスイッチ装置、およびこれを備えた画像形成装置として有用である。
【符号の説明】
【0131】
1 プリンタ(画像形成装置)
1a 装置本体
3 光書込ユニット(光走査手段)
4 転写ユニット(転写手段)
5 給紙カセット(開閉部材)
5c カセット用ストライカー(係合部)
40 上カバー(開閉部材)
40a 上カバー用ストライカー(係合部)
41 反転ユニットカバー(開閉部材)
41a 反転ユニットカバー用ストライカー(係合部)
42 外装カバー(開閉部材)
42 外装カバー用ストライカー(係合部)
50、70 インターロック装置
51 インターロックスイッチ
51a 可動レバー
52、72、100 シリンダ部材
52b、72b、100a 出力側シリンダ部
52c、52d、72c、72d、100b、100c、100d 入力側シリンダ部
53、73、101 出力ピストン
54、55、74、75、84、85、102、103、104 入力ピストン
56 非圧縮性流体
57、58、77、78、87、88 付勢バネ(付勢部材)
59、79 スイッチ作動装置(スイッチ作動手段)
80、81 管部材
90 係止部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0132】
【特許文献1】特開平09−292816号公報
【特許文献2】特開平07−314856号公報
【特許文献3】特開平05−165267号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の開閉部材の開閉に連動してインターロックスイッチをオン・オフさせるインターロック装置であって、
前記インターロックスイッチの作動状態を切り換えるスイッチ作動手段を備え、
前記スイッチ作動手段は、
内部に流体が液密状態で封入されているシリンダ部材と、
前記シリンダ部材内に摺動可能に設けられ、前記インターロックスイッチのオン・オフを切り換え可能な出力ピストンと、
前記シリンダ部材内に摺動可能に設けられ、前記複数の開閉部材のそれぞれの開閉に連動して作動することにより前記出力ピストンを作動させる複数の入力ピストンと、を有し、
各開閉部材に設けられた係合部が、各開閉部材の開閉に連動して各入力ピストンを押圧、あるいは前記各入力ピストンへの押圧を解除することにより、前記出力ピストンを作動させることを特徴とするインターロック装置。
【請求項2】
前記シリンダ部材は、前記出力ピストンを摺動可能に保持する出力側シリンダ部と、前記各入力ピストンをそれぞれ独立して摺動可能に保持する複数の入力側シリンダ部と、を有し、
前記各入力側シリンダ部における前記各入力ピストンの摺動量に応じた前記各入力側シリンダ部の容積の総和が、前記出力側シリンダ部における前記出力ピストンの摺動量として作用することを特徴とする請求項1に記載のインターロック装置。
【請求項3】
前記スイッチ作動手段は、前記各入力ピストンが前記各入力側シリンダ部における摺動により前記流体を押圧する方向と反対の方向に、前記各入力ピストンを付勢する複数の付勢部材を有することを特徴とする請求項1または2に記載のインターロック装置。
【請求項4】
前記各入力側シリンダ部が、それぞれ前記付勢部材の付勢方向への前記各入力ピストンの摺動を規制する係止部を有することを特徴とする請求項3に記載のインターロック装置。
【請求項5】
前記インターロックスイッチは、前記出力ピストンの作動による押圧あるいは押圧の解除により、オン位置とオフ位置との間で回動可能に構成された可動レバーを備え、
前記付勢部材の付勢力が、前記可動レバーの戻り力より大きく設定されていることを特徴とする請求項3または4に記載のインターロック装置。
【請求項6】
前記複数の入力側シリンダ部のうち、少なくともいずれか1つが、前記シリンダ部材に対して屈曲可能な管部材を介して接続されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載のインターロック装置。
【請求項7】
前記シリンダ部材の内部に封入された前記流体が、非圧縮性流体であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載のインターロック装置。
【請求項8】
前記インターロックスイッチは、前記開閉部材が閉状態とされたとき、前記出力ピストンによって前記可動レバーが押圧されることにより、オンとされることを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載のインターロック装置。
【請求項9】
前記出力ピストンは、前記開閉部材の全てが閉状態とされたとき、前記可動レバーが前記オン位置に到達するよう前記可動レバーを押圧し、前記複数の開閉部材のうち、少なくともいずれか1つの開閉部材が開状態とされたとき、前記可動レバーが前記オフ位置となるよう前記可動レバーの押圧を解除することを特徴とする請求項5〜8のいずれか1項に記載のインターロック装置。
【請求項10】
複数の像担持体と、前記像担持体をそれぞれ個別に光走査して前記像担持体上に静電潜像を形成する光走査手段と、前記像担持体上に形成された静電潜像を個別に現像して可視像化する複数の現像手段と、前記現像によって前記像担持体上で得られた可視像をそれぞれ転写体に重ね合わせて転写する転写手段と、を備え、前記複数の開閉部材が装置本体に対して開閉可能に設けられた画像形成装置であって、
請求項1ないし9のいずれかに記載のインターロック装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−145340(P2011−145340A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−4020(P2010−4020)
【出願日】平成22年1月12日(2010.1.12)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】