説明

インダセノジチオフェンおよびインダセノジセレノフェンポリマーおよび有機半導体としてのそれらの使用

【課題】インダセノジチオフェンおよびインダセノジセレノフェンポリマーおよび有機半導体としてのそれらの使用を提供する。
【解決手段】本発明は、インダセノジチオフェンまたはインダセノセレノフェン単位またはそれらの誘導体を含む共役ポリマーと、それらの調製方法と、そこで使用される新規なモノマー単位と、有機電子(OE:organic electronic)装置における該ポリマーの使用と、該ポリマーを含むOE装置とに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インダセノジチオフェンまたはインダセノセレノフェン単位またはそれらの誘導体を含む共役ポリマーと、それらの調製方法と、そこで使用される新規なモノマー単位と、有機電子(OE:organic electronic)装置における該ポリマーの使用と、該ポリマーを含むOE装置とに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、より多目的で、より低コストな電子装置を製造するために、有機半導体(OSC:organic semiconducting)材料が開発されてきた。そのような材料の用途が広範囲の装置または機構において見出されており、有機電界効果トランジスタ(OFET:organic field effect transistor)、有機発光ダイオード(OLED:organic light emitting diode)、光検出器、有機光起電(OPV:organic photovoltaic)セル、センサー、記憶素子および論理回路が、数例として挙げられる。有機半導体材料は、典型的には、電子装置中で、例えば、1ミクロン厚未満の薄層の形態で存在している。
【0003】
OFET装置の性能は、主として、半導体材料の電荷キャリア移動度および電流オン/オフ比に基づいており、よって、理想的な半導体は、高い電荷キャリア移動度(1×10−3cm−1−1より高い)と組み合わされて、オフ状態で低い導電率を有していなければならない。加えて、半導体材料が酸化に対して比較的安定であること、即ち、酸化が装置性能の低下につながるので、半導体材料が高いイオン化ポテンシャルを有することが重要である。半導体材料に対する更なる要求は、特に、薄膜および所望のパターンを大規模に製造するための良好な加工性、および、有機半導体層の高い安定性、フィルムの均一性および完全性である。
【0004】
先行技術では、OFETにおいてOSCとして使用するために各種の材料が提案されており、例えば、ペンタセンなどの小分子、および、例えば、ポリヘキシルチオフェンなどのポリマーが挙げられる。しかしながら、これまで検討されてきた材料および装置は依然として幾つかの欠点を有しており、それらの特性、特に、加工性、電荷キャリア移動度、オン/オフ比および安定性は依然として更なる改良の余地を有する。
【0005】
共役ポリマーのなかでも有望な部類はインデノフルオレン単位を基礎としてきた。最初に、インデノフルオレンのホモポリマーがエレクトロルミネセント用途における青色発光用の候補材であることが、Mullenおよび共同研究者らによって報告された[S.Setayesh、D.MarsitzkyおよびK.Mullen、Macromolecules、2000年、33巻、2016頁(非特許文献1)]。また、インデノフルオレンコポリマーも、トランジスタ装置におけるOSCとしての用途が示唆されてきた(国際特許出願公開第2007/131582号パンフレット(特許文献1))。
【0006】
しかしながら、先行技術において開示されるOSC材料の性能は、依然として、これらの材料における現在の要求を常に満足するものではなく、更なる改良の余地を有する。
【0007】
特に、高い電荷キャリア移動度を示すOSC材料に対する要求が依然としてある。更に、OFETにおいて使用するためには、ソース−ドレイン電極からポリマー半導体層中への電荷注入を改良できるOSC材料に対する要求がある。OPVセルにおいて使用するためには、光活性層による集光性の改良が可能となり、より高いセル効率に至ることができ、低いバンドギャップを有するOSC材料に対する要求がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際特許出願公開第2007/131582号パンフレット
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】S.Setayesh、D.MarsitzkyおよびK.Mullen、Macromolecules、2000年、33巻、2016頁
【非特許文献2】K−T.Wong、T−C.Chao、L−C.Chi、Y−Y.Chu、A.Balaiah、S−F.Chiu、Y−H.LiuおよびY.Wang、Org.Lett.、2006年、8巻、5033頁
【非特許文献3】X.M.HongおよびD.M.Collard、Polymer Preprints、2000年、41巻(1号)、189頁
【非特許文献4】C.Zhao、X.Chen、Y.ZhangおよびM−K、Ng、J.Polym.Sci.、Part A:Polym.Chem.、2008年、46巻、2680頁
【非特許文献5】S−H.Chan、C−P.Chen、T−C.Chao、C.Ting、C−S.LinおよびB−T Ko、Macromolecules、2008年、オンライン発行
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の一つの目的は、上記の望ましい特性を有し、特に、良好な加工性、高い電荷キャリア移動度、高いオン/オフ比、高い酸化安定性および電子装置において長い寿命を示し、電子装置において使用するための新たなOSC材料を提供することである。もう一つの目的は、専門家が入手可能なOSC材料の蓄積を広げることである。本発明の他の目的は、以下の詳細な記載より専門家には直ちに明らかである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
これらの目的は以下に記載される通りの材料を提供することにより達成できることを、本発明の発明者らは見出した。これらの材料は、以下の式によって表される通りの、1個以上のs−インダセノジチオフェンまたはs−インダセノジセレノフェン単位またはそれらの誘導体を含むポリマーを基礎とする。
【0012】
【化1】

(式中、XはSまたはSeであり、R1〜4は、例えば、ヒドロカルビル基を表す。)
【0013】
これらのポリマーは良好な加工性を有すると同時に、高い電荷キャリア移動度および高い酸化安定性を示すため、電子装置、特に、OFETおよびOPVセルにおけるOSC材料として、および、ポリマー発光ダイオード(PLED:polymer light emitting diode)における電荷輸送層または中間層材料として使用することに、これらのポリマーが適していることが見出された。
【0014】
また、インデノフルオレンにおける末端フェニル環をチオフェン環で置き換えることにより、共役核の電子に富む性質が増加し、従って、結果として生じるホモポリマーであるポリ(2,7−s−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェン)のHOMOのエネルギーレベルが増加することも見出された。ポリ(2,8−インデノフルオレン)において、HOMOのエネルギーレベルは低置である(サイクリックボルタンメトリーによる測定では、EHOMO=−5.49eV)。この低いHOMOのエネルギーレベルを増加すれば、電界効果トランジスタに適用した場合、ソース−ドレイン電極(典型的には金より作製され、ほぼ5.1eVの仕事関数を有する)からポリマー半導体層中への電荷注入を改良できる。
【0015】
加えて、光起電用途のための新規な低いバンドギャップのポリマーを調製するために、このように電子の豊富度を追加することを開発できる。電子が豊富なs−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェン単位と、電子が不足している単位(例えば、ベンゾチアジアゾール)とを組み合わせることで、結果として生じるコポリマーは低いバンドギャップ(2eV未満のE)を有する。低いバンドギャップの半導体ポリマーは、光活性層による集光性の改良が可能となり、より高いセル効率に至ることができるため、バルクヘテロ接合光起電セルにおいて有利である。
【0016】
先行技術において、s−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェンの報告があるが、小型分子の材料としてのみである[K−T.Wong、T−C.Chao、L−C.Chi、Y−Y.Chu、A.Balaiah、S−F.Chiu、Y−H.LiuおよびY.Wang、Org.Lett.、2006年、8巻、5033頁(非特許文献2)]。また、s−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェンのホモポリマーの報告もあるが[X.M.HongおよびD.M.Collard、Polymer Preprints、2000年、41巻(1号)、189頁(非特許文献3)]、しかしながら、これは、以下に記載する通りの末端2,7−位においてではなく、4,9−位の架橋において重合されている。
【0017】
更に、バルクヘテロ接合光起電における用途向けに、4,9−ジヒドロ−s−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェン−4,9−ジオンのコポリマーの報告がある[C.Zhao、X.Chen、Y.ZhangおよびM−K、Ng、J.Polym.Sci.、Part A:Polym.Chem.、2008年、46巻、2680頁(非特許文献4)]。しかしながら、当該文献で報告されたコポリマーは、本発明において望まれる通りの低いバンドギャップのポリマーを生成するはずである電子が不足のコモノマーの代わりに、電子が豊富なチオフェン系のコモノマーを含んでいる。
【0018】
加えて、再び、バルクヘテロ接合光起電における用途向けに、4,4,9,9−テトラアリール−s−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェンのホモポリマーおよびコポリマーの報告がある[S−H.Chan、C−P.Chen、T−C.Chao、C.Ting、C−S.LinおよびB−T Ko、Macromolecules、2008年、オンライン発行(非特許文献5)]。しかしながら、報告された該コポリマーも、より低いバンドギャップのポリマーを生成するはずである電子が不足のコモノマーの代わりに、電子が豊富なチオフェン系のコモノマーを含んでいる。更に、4−および9−架橋位置におけるテトラアリール置換基では、直鎖状または分岐鎖状のアルキル置換基ほどは、ポリマーを可溶化する効果がないはずである。加えて、テトラアリール置換基では、ポリマー鎖の固体状態における充填に劣る結果となるはずである。これは、立体相互作用のために、これらのアリール環がポリマー骨格の面をツイストすることとなり、従って、ポリマー鎖が密に充填されることが妨げられ、電荷キャリア移動度が低下する結果となるはずだからである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<発明の概要>
本発明は、式Iの1個以上の同一または異なるモノマー単位を含む共役ポリマーに関する。
【0020】
【化2】

式中、
およびAの一方は単結合であり、他方はCRであり、
およびAの一方は単結合であり、他方はCRであり、
およびUの一方は−CH=または=CH−であり、他方は−X−であり、
およびUの一方は−CH=または=CH−であり、他方は−X−であり、
ただし、Aが単結合の場合、対応するUはXであり(ただし、iは、1〜4の添え字であり)、
Xは、それぞれの出現において独立に、−S−および−Se−より選択され、
1〜4は、それぞれ互いに独立に、H、ハロゲン、−CN、−NC、−NCO、−NCS、−OCN、−SCN、−C(=O)NR00、−C(=O)X、−C(=O)R、−NH、−NR00、−SH、−SR、−SOH、−SO、−OH、−NO、−CF、−SF、P−Sp−、置換されていてもよいシリル、または、1〜40個のC原子のカルビルまたはヒドロカルビル(該基は置換されていてもよく、1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよい)より選択される同一または異なる基であり、
Pは重合性基であり、
Spは、スペーサー基または単結合であり、
はハロゲンであり、
およびR00は、それぞれ互いに独立に、H、または1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよく置換されていてもよいカルビルまたはヒドロカルビル基であり、
ArおよびArは、それぞれ互いに独立に、置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリール基、−CY=CY−または−C≡C−であり、
およびYは、それぞれ互いに独立に、H、F、ClまたはCNであり、
m1およびm2は、それぞれ互いに独立に、0または1、2、3または4である。
【0021】
本発明は、更に、本発明による1種類以上のポリマーまたはポリマーブレンドと、1種類以上の溶媒(好ましくは、有機溶媒より選択される。)とを含む配合物に関する。
【0022】
本発明は、更に、本発明による1種類以上のポリマーと、1種類以上のポリマー(好ましくは、半導体性、電荷輸送、ホール/電子輸送、ホール/電子ブロック、導電性、光導電性または発光特性を有するポリマーより選択される。)とを含むポリマーブレンドに関する。
【0023】
本発明は、更に、光学的、電気光学的、電子的、エレクトロルミネセントまたはフォトルミネセント部品または装置における、電荷輸送、半導体、導電性、光導電性または発光材料としての、本発明によるポリマー、ポリマーブレンドおよび配合物の使用に関する。
【0024】
本発明は、更に、本発明による配合物の1種類以上のポリマー、ポリマーブレンドを含む電荷輸送、半導体、導電性、光導電性または発光材料または成分に関する。
【0025】
本発明は、更に、本発明による1種類以上のポリマー、ポリマーブレンド、配合物、成分または材料を含む光学的、電気光学的または電子的部品または装置に関する。
【0026】
光学的、電気光学的、電子的、エレクトロルミネセントおよびフォトルミネセント部品または装置としては、限定することなく、有機電界効果トランジスタ(OFET:organic field effect transistor)、薄膜トランジスタ(TFT:thin film transistor)、集積回路(IC:integrated circuit)、論理回路、キャパシタ、無線識別(RFID:radio frequency identification)タグ、装置または部品、有機発光ダイオード(OLED:organic light emitting diode)、有機発光トランジスタ(OLET:organic light emitting transistor)、フラットパネルディスプレイ、ディスプレイのバックライト、有機光起電装置(OPV:organic photovoltaic device)、ソーラーセル、レーザーダイオード、光導電体、光検出器、電子写真装置、電子写真記録装置、有機記憶装置、センサー装置、ポリマー発光ダイオード(PLED:polymer light emitting diode)における電荷注入層、電荷輸送層または中間層、ショットキーダイオード、平坦化層、帯電防止フィルム、ポリマー電解質膜(PEM:polymer electrolyte membrane)、導電性基板、導電性パターン、電池における電極材料、配向層、バイオセンサー、バイオチップ、セキュリティーマーク、セキュリティー装置、および、DNA配列を検出および区別するための部品または装置が挙げられる。
【0027】
<発明の詳細な記載>
本発明によるポリマーは、幾つかの有利な特性を示す。
【0028】
−文献3に記載される小型分子例のX線結晶学的解析により確認される通り、s−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェン単位は同一平面構造を示す。また更に、2個の末端チオフェン上の3位に置換基がなければ(置換基があると、ポリマー骨格のツイストが立体的に誘発される結果となる)、ホモポリマーであるポリ(2,7−s−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェン)の個々のポリマー鎖も、固体状態において高度に同一平面構造をとっているはずである。ホモポリマーは、より容易に形成でき、溶液より加工できる利点を有し、電荷輸送に好都合な密に充填された薄膜のモルフォロジーを構築できる。
【0029】
−ポリ(2,8−インデノフルオレン)(PIF:poly(2,8−indenofluorene))(それのHOMOレベルは低置である(サイクリックボルタンメトリーによる測定では、EHOMO=−5.49eV)。)と比較して、ホモポリマーであるポリ(2,7−s−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェン)のHOMOレベルが僅かに上昇する。このため、電界効果トランジスタ装置に適用した場合、ソース−ドレイン電極(典型的には金より作製され、ほぼ5.1eVの仕事関数を有する)からポリマー半導体層中への電荷注入が改良される結果となる。加えて、該ポリマーが改良された酸化安定性を有するように、該ホモポリマーのHOMOレベルは、本質的に、P3HTおよび他のポリチオフェン材料のものより低い。
【0030】
−電子供与性または電子求引性の置換基を介して、s−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェン核の電子エネルギーを更に直接改変するか、または、適切な電子が不足のコモノマー(例えば、ベンゾチアジアゾール)と共重合するかのいずれかにより、電子エネルギー(HOMOおよびLUMOレベル)を追加して精密に調整することで、低いバンドギャップのポリマー(該ポリマーは、集光性が改良されているため、バルクヘテロ接合光起電セルにおいて有利である。)が可能となる。これにより、より高いバルクヘテロ接合セル効率への手段が与えられる。
【0031】
共役ポリマーは、好ましくは、式IIより選択される。
【0032】
【化3】

式中、U1〜4、A1〜4、Ar1、2、m1およびm2は式Iの意味を有し、nは1より大きい整数である。
【0033】
式IIaのポリマーが特に好ましい。
【0034】
【化4】

式中、U1〜4、A1〜4、Ar1、2、m1、m2およびnは式IIの意味を有し、および
およびRは、それぞれ互いに独立に、Rの意味の1つを有するか、または、H、ハロゲン、−CHCl、−CHO、−CH=CH、−SiR’R”R”’、−SnR’R”R”’、−BR’R”、−B(OR’)(OR”)、−B(OH)またはP−Spを表し、ただし、PおよびSpは上で定義される通りであり、R’、R”およびR”’は、それぞれ互いに独立に、上で与えられるRの意味の1つを有し、また、R’およびR”は、それらが接続されているヘテロ原子と共に環を形成していてもよい。
【0035】
以下の式Iの単位および式IIのポリマーが特に好ましい。
【0036】
−XはSである。
【0037】
−R1〜4は、それぞれ互いに独立に、好ましくは、直鎖状または分岐状のC〜C20−アルキル、C〜C20−アルコキシ、C〜C20−アルケニル、C〜C20−アルキニル、C〜C20−チオアルキル、C〜C20−シリル、C〜C20−エステル、C〜C20−アミノおよびC〜C20−フルオロアルキルより選択される。
【0038】
−R1〜4はHである。
【0039】
−m1およびm2は0である。
【0040】
−m1およびm2は1または2である。
【0041】
−m2は0であり、m1は1または2である。
【0042】
−ArおよびArは、それぞれ互いに独立に、好ましくは、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4,7−ジイル、2,1,3−ベンゾセレナジアゾール−4,7−ジイル、2,3−ジシアノ−1,4−フェニレン、2,5−ジシアノ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレン、3,4−ジフルオロチオフェン−2,5−ジイル、チエノ[3,4−b]ピラジン−2,5−ジイル、キノキサリン−5,8−ジイル、セレノフェン−2,5−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル、チエノ[3,2−b]チオフェン−2,5−ジイル、チエノ[2,3−b]チオフェン−2,5−ジイル、セレノフェノ[3,2−b]セレノフェン−2,5−ジイル、セレノフェノ[2,3−b]セレノフェン−2,5−ジイル、セレノフェノ[3,2−b]チオフェン−2,5−ジイル、セレノフェノ[2,3−b]チオフェン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、p−p’−ビフェニル、ナフタレン−2,6−ジイル、ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン−2,6−ジイル、2,2−ジチオフェン、2,2−ジセレノフェン、チアゾールおよびオキサゾールから成る群より選択されるアリールまたはヘテロアリールであり、該基の全ては無置換であるか、好ましくは、上で定義される通りのRで一置換または多置換されており、特に好ましくは、mは1または2である。
【0043】
−nは、2〜5,000、好ましくは、10〜5,000、非常に好ましくは、100〜1000の整数である。
【0044】
−分子量(Mw)は、5,000〜300,000、特には、20,000〜200,000である。
【0045】
−RおよびRは、H、ハロゲン、−CHCl、−CHO、−CH=CH、−SiR’R”R”’、−SnR’R”R”’、−BR’R”、−B(OR’)(OR”)、−B(OH)、P−Sp、C〜C20−アルキル、C〜C20−アルコキシ、C〜C20−アルケニル、C〜C20−フルオロアルキル、および、置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリールより選択される。
【0046】
−少なくとも1個、好ましくは、1個または2個のR1〜4は、P−Sp−を表す。
【0047】
式Iのモノマー単位は、好ましくは、以下のサブ式から成る群より選択される。
【0048】
【化5】

【0049】
【化6】

【0050】
【化7】

【0051】
【化8】


式中、R1〜4は式Iにおいて定義される通りであり、Arは上および下で与えられるArの意味の1つを有する。
【0052】
Arが2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4,7−ジイルまたは2,1,3−ベンゾセレナジアゾール−4,7−ジイルであるこれらのサブ式、特に、式I2、I4、I13およびI14のサブ式のモノマー単位が特に好ましい。
【0053】
本発明のポリマーは、サブ式I1〜I16から成る群より選択される1種類以上の同一または異なるモノマー単位を好ましくは含み、非常に好ましくは、これらより成る。
【0054】
本発明のポリマーとしては、統計またはランダムコポリマー、交互コポリマーおよびブロックコポリマー、ならびに、それらの組み合わせなどのホモポリマーおよびコポリマーが挙げられる。
【0055】
式IIのポリマーは、好ましくは、以下のサブ式から成る群より選択される。
【0056】
【化9】

【0057】
【化10】

【0058】
【化11】

【0059】
【化12】


式中、R1〜4およびnは式IIにおいて定義される通りであり、Arは上および下で与えられるArの意味の1つを有する。
【0060】
Arが2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4,7−ジイルまたは2,1,3−ベンゾセレナジアゾール−4,7−ジイルであるこれらのサブ式、特に、式I2、I4、I13およびI14のサブ式のポリマーが特に好ましい。
【0061】
以下の式のポリマーが特に好ましい。
【0062】
【化13】

式中、Rは上で与えられる通りのRの意味の1つを有し、好ましくは、C〜C20−アルキル、C〜C20−アルコキシ、C〜C20−アルケニル、C〜C20−アルキニル、C〜C20−チオアルキル、C〜C20−シリル、C〜C20−エステル、C〜C20−アミノおよびC〜C20−フルオロアルキルから成る群より選択され、それら全ては直鎖状または分岐状である。
【0063】
式IIa1のポリマーが更に好ましい。
【0064】
【化14】

式中、RおよびRは式IIaにおいて定義される通りであり、「chain」は、サブ式II1〜II10およびII2aから成る群より選択されるポリマー鎖である。
【0065】
本発明によるポリマーにおいて、繰り返し単位の総数nは、好ましくは10以上、非常に好ましくは20以上、最も好ましくは50以上であり、好ましくは500まで、非常に好ましくは1,000まで、最も好ましくは2,000までであり、nの前述の下限および上限の任意の組み合わせを含む。
【0066】
一般に、用語「ポリマー」は高い相対分子量の分子を意味し、その構造は低い相対分子量の分子より実際または概念上で誘導される単位の複数の繰返しを本質的に含む(PAC、1996、68、2291)。一般に、用語「オリゴマー」は中程度の相対分子量の分子を意味し、その構造は、より低い相対分子量の分子より実際または概念上で誘導される少数の複数の単位を本質的に含む(PAC、1996、68、2291)。本発明に従った好ましい意味において、ポリマーは、1個より多い、好ましくは10個より多い繰り返し単位を有する化合物を意味し、オリゴマーは、1個より多く、および20個未満、好ましくは10個以下の繰り返し単位の化合物を意味する。
【0067】
用語「繰り返し単位」は構造上の繰返し単位(CRU:constitutional repeating unit)を意味し、規則的な巨大分子、規則的なオリゴマー分子、規則的なブロックまたは規則的な鎖を構成する繰り返しの最小の構造上の単位である(PAC、1996、68、2291)。
【0068】
用語「脱離基」は、特定の反応に関与する分子の残基部または主要部だと考えられるものの中の原子より分離することになる原子または基(荷電または非荷電)を意味する(PAC、1994、66、1134も参照)。
【0069】
用語「共役」は、sp−混成(またはsp−混成でもよい)のC原子を主に含有する化合物を意味し、ヘテロ原子により置き換えられていてもよい。最も単純な場合で、これは、例えば、C−C単結合と二重結合(または三重結合)とが交互に存在する化合物であるが、1,3−フェニレンなどの単位の化合物も含む。この文意において、「主に」は、共役の中断に至る場合もある自然に(自発的に)生じる欠陥を有する化合物を依然として共役化合物と見なすことを意味する。
【0070】
他に明言しない限り、分子量は、ポリスチレン標準に対してゲル透過クロマトグラフィー(GPC:gel permeation chromatography)により決定される数平均分子量Mnまたは重量平均分子量Mwとして与えられる。重合度(n)は重合の数平均重合度を意味し、n=Mn/Muとして与えられ、式中、Muは単一の繰り返し単位の分子量である。
【0071】
上および下で使用する場合、用語「カルビル基」は、非炭素原子を一切有していない(例えば、−C≡C−など)か、または、N、O、S、P、Si、Se、As、TeまたはGeなどの少なくとも1個の非炭素原子と組み合わされていてもよい(例えば、カルボニルなど)かのいずれかで少なくとも1個の炭素原子を含む、任意の一価または多価の有機基部分を表す。用語「ヒドロカルビル基」は、1個以上のH原子を追加的に含有しており、例えば、N、O、S、P、Si、Se、As、TeまたはGeなどの1個以上のヘテロ原子を含有していてもよいカルビル基を表す。
【0072】
また、3個以上のC原子の鎖を含むカルビルまたはヒドロカルビル基は、スピロおよび/または縮合環を含めて、直鎖状であっても、分枝状であっても、および/または環状であってもよい。
【0073】
好ましいカルビルおよびヒドロカルビル基としては、アルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシおよびアルコキシカルボニルオキシ(それぞれの該基は置換されていてもよく、1〜40個、好ましくは1〜25個、非常に好ましくは1〜18個のC原子を有する。)、更に、6〜40個、好ましくは6〜25個のC原子を有する置換されていてもよいアリールまたはアリールオキシ、更に、アルキルアリールオキシ、アリールカルボニル、アリールオキシカルボニル、アリールカルボニルオキシおよびアリールオキシカルボニルオキシ(それぞれの該基は置換されていてもよく、6〜40個、好ましくは7〜40個のC原子を有する。)が挙げられる。
【0074】
カルビルまたはヒドロカルビル基は、飽和または不飽和の非環式基、または、飽和または不飽和の環式基でよい。不飽和非環式または環式基、特に、アリール、アルケニルおよびアルキニル基(特に、エチニル)が好ましい。C〜C40カルビルまたはヒドロカルビル基が非環式の場合、該基は直鎖状または分枝状のいずれでもよい。C〜C40カルビルまたはヒドロカルビル基としては、例えば:C〜C40アルキル基、C〜C40アルケニル基、C〜C40アルキニル基、C〜C40アリル基、C〜C40アルキルジエニル基、C〜C40ポリエニル基、C〜C18アリール基、C〜C18ヘテロアリール基、C〜C40アルキルアリール基、C〜C40アリールアルキル基、C〜C40シクロアルキル基、C〜C40シクロアルケニル基などが挙げられる。前述の基の中で、C〜C20アルキル基、C〜C20アルケニル基、C〜C20アルキニル基、C〜C20アリル基、C〜C20アルキルジエニル基、C〜C12アリール基、C〜C12ヘテロアリール基およびC〜C20ポリエニル基がそれぞれ好ましい。また、炭素原子を有する基と、例えば、シリル基、好ましくはトリアルキルシリル基で置換されているアルキニル基、好ましくはエチニルなどのヘテロ原子を有する基との組み合せも挙げられる。
【0075】
更に好ましいカルビルおよびヒドロカルビル基としては、1〜40個、好ましくは1〜25個のC原子の直鎖状、分枝状または環状のアルキルが挙げられ、該基は無置換であるか、F、Cl、Br、IまたはCNによって単置換または多置換されており、ただし、1個以上の隣接していないCH基は、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しないようにして、それぞれの場合で互いに独立に、−O−、−S−、−NH−、−NR−、−SiR00−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−CO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−SO−、−CO−NR−、−NR−CO−、−NR−CO−NR00−、−CY=CY−または−C≡C−によって置き換えられていてもよく、式中、YおよびYは、それぞれ互いに独立に、H、F、ClまたはCNであり、RおよびR00は、それぞれ互いに独立に、Hまたは置換されていてもよい1〜20個のC原子の脂肪族または芳香族炭化水素である。
【0076】
およびR00は、好ましくは、H、1〜12個のC原子の直鎖状または分岐状のアルキルまたは6〜12個のC原子のアリールより選択される。
【0077】
−CY=CY−は、好ましくは、−CH=CH−、−CF=CF−または−CH=C(CN)−である。
【0078】
ハロゲンは、F、Cl、BrまたはIである。
【0079】
好ましいアルキル基としては、限定することなく、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、s−ブチル、t−ブチル、2−メチルブチル、n−ペンチル、s−ペンチル、シクロペンチル、n−ヘキシル、シクロヘキシル、2−エチルヘキシル、n−ヘプチル、シクロヘプチル、n−オクチル、シクロオクチル、ドデカニル、テトラデシル、ヘキサデシル、トリフルオロメチル、ペルフルオロ−n−ブチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペルフルオロオクチル、ペルフルオロヘキシルなどが挙げられる。
【0080】
好ましいアルケニル基としては、限定することなく、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、シクロペンテニル、ヘキセニル、シクロヘキセニル、ヘプテニル、シクロヘプテニル、オクテニル、シクロオクテニルなどが挙げられる。
【0081】
好ましいアルキニル基としては、限定することなく、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、オクチニルなどが挙げられる。
【0082】
好ましいアルコキシ基としては、限定することなく、メトキシ、エトキシ、2−メトキシエトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブトキシ、i−ブトキシ、s−ブトキシ、t−ブトキシ、2−メチルブトキシ、n−ペントキシ、n−ヘキソキシ、n−ヘプトキシ、n−オクトキシなどが挙げられる。
【0083】
好ましいアミノ基としては、限定することなく、ジメチルアミノ、メチルアミノ、メチルフェニルアミノ、フェニルアミノなどが挙げられる。
【0084】
アリール基は、単核、即ち、芳香環を1個のみ有するもの(例えば、フェニルまたはフェニレンなど)、または、多核、即ち、2個以上の芳香環を有するもの(該基は縮合していてもよく(例えば、ナフチルまたはナフチレンなど)、個々に共有結合で連結されていてもよく(例えばビフェニルなど)、および/または、縮合および個々に連結された芳香環の両者の組み合わせでもよい。)のいずれでも構わない。好ましくは、アリール基は、実質的に基全体にわたって実質的に共役している芳香族基である。
【0085】
アリールおよびヘテロアリールは、好ましくは、25個までのC原子の単環式、二環式または三環式の芳香族またはヘテロ芳香族基を表し、また、該基は縮合環を含んでいてもよく、置換されていてもよい。
【0086】
好ましいアリール基としては、限定することなく、ベンゼン、ビフェニレン、トリフェニレン、[1,1’:3’,1”]ターフェニル−2’−イルエン、ナフタレン、アントラセン、ビナフチレン、フェナントレン、ピレン、ジヒドロピレン、クリセン、ペリレン、テトラセン、ペンタセン、ベンズピレン、フルオレン、インデン、インデノフルオレン、スピロビフルオレンなどが挙げられる。
【0087】
好ましいヘテロアリール基としては、限定することなく、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、1,2,3−トリアゾール、1,2,4−トリアゾール、テトラゾール、フラン、チオフェン、セレノフェン、オキサゾール、イソオキサゾール、1,2−チアゾール、1,3−チアゾール、1,2,3−オキサジアゾール、1,2,4−オキサジアゾール、1,2,5−オキサジアゾール、1,3,4−オキサジアゾール、1,2,3−チアジアゾール、1,2,4−チアジアゾール、1,2,5−チアジアゾール、1,3,4−チアジアゾールなどの5員環、ピリジン、ピリダジン、ピリミジン、ピラジン、1,3,5−トリアジン、1,2,4−トリアジン、1,2,3−トリアジン、1,2,4,5−テトラジン、1,2,3,4−テトラジン、1,2,3,5−テトラジンなどの6員環、および、カルバゾール、インドール、イソインドール、インドリジン、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、プリン、ナフトイミダゾール、フェナントロイミダゾール、ピリジイミダゾール、ピラジンイミダゾール、キノキサリンイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ナフトオキサゾール、アントロオキサゾール、フェナントロオキサゾール、イソオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾフラン、イソベンゾフラン、ジベンゾフラン、キノリン、イソキノリン、プテリジン、ベンゾ−5,6−キノリン、ベンゾ−6,7−キノリン、ベンゾ−7,8−キノリン、ベンゾイソキノリン、アクリジン、フェノチアジン、フェノキサジン、ベンゾピリダジン、ベンゾピリミジン、キノキサリン、フェナジン、ナフチリジン、アザカルバゾール、ベンゾカルボリン、フェナントリジン、フェナントロリン、チエノ[2,3b]チオフェン、チエノ[3,2b]チオフェン、ジチエノチオフェン、ジチエノピリジン、イソベンゾチオフェン、ジベンゾチオフェン、ベンゾチアジアゾチオフェンなどの縮合系、または、それらの組み合わせが挙げられる。ヘテロアリール基は、アルキル、アルコキシ、チオアルキル、フルオロ、フルオロアルキル、または、更なるアリールまたはヘテロアリール置換基で置換されていてもよい。
【0088】
好ましいアリールアルキル基としては、限定することなく、2−トリル、3−トリル、4−トリル、2,6−ジメチルフェニル、2,6−ジエチルフェニル、2,6−ジ−i−プロピルフェニル、2,6−ジ−t−ブチルフェニル、o−t−ブチルフェニル、m−t−ブチルフェニル、p−t−ブチルフェニル、4−フェノキシフェニル、4−フルオロフェニル、3−カルボメトキシフェニル、4−カルボメトキフェニルなどが挙げられる。
【0089】
好ましいアルキルアリール基としては、限定することなく、ベンジル、エチルフェニル、2−フェノキシエチル、プロピルフェニル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、または、ナフタリニルメチルが挙げられる。
【0090】
好ましいアリールオキシ基としては、限定することなく、フェノキシ、ナフトキシ、4−フェニルフェノキシ、4−メチルフェノキシ、ビフェニルオキシ、アントラセニルオキシ、フェナントレニルオキシなどが挙げられる。
【0091】
アリール、ヘテロアリール、カルビルおよびヒドロカルビル基は、好ましくは、シリル、スルホ、スルホニル、ホルミル、アミノ、イミノ、ニトリロ、メルカプト、シアノ、ニトロ、ハロゲン、C1〜12アルキル、C6〜12アリール、C1〜12アルコキシ、ヒドロキシ、および/または、それらの組み合わせより選択される1個以上の置換基を含んでいてもよい。任意成分としての置換基は、同一の基、および/または、複数の(好ましくは2個の)上述の基における化学的に可能な全ての組み合わせを含むことができる(例えば、アミノおよびスルホニルで、互いに直接結合している場合、スルホアモイル基を表す)。
【0092】
好ましい置換基としては、限定することなく、F、Cl、Br、I、−CN、−NO、−NCO、−NCS、−OCN、−SCN、−C(=O)NR00、−C(=O)X、−C(=O)R、−NR00、置換されていてよいシリル、6〜40個、好ましくは6〜20個のC原子のアリール、2〜40個、好ましくは2〜20個のC原子のヘテロアリール、および、直鎖状または分岐状で、1〜20個、好ましくは1〜12個のC原子のアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシ−カルボニル、アルキルカルボニルオキシまたはアルコキシカルボニルオキシが挙げられ、ただし、1個以上のH原子は、FまたはClで置き換えられていてもよく、式中、RおよびR00は、上で定義される通りであり、Xは、ハロゲンである。
【0093】
特に好ましい置換基は、好ましい基R1、2に対して下に定義される通りの、アルキル、アルコキシ、アルケニル、オキサアルキル、チオアルキル、フルオロアルキルおよびフルオロアルコキシ基より選択される。
【0094】
1〜4の1つがアルキルまたはアルコキシ基、即ち、末端のCH基が−O−で置き換えられている場合、これは直鎖状でも分岐状でもよい。それは、好ましくは直鎖状で2〜8個の炭素原子を有しており、従って、好ましくは、例えば、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ヘキシルオキシ、ヘプトキシまたはオクトキシであり、更に、メチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ノノキシ、デコキシ、ウンデコキシ、ドデコキシ、トリデコキシまたはテトラデコキシである。n−ヘキシルおよびn−ドデシルが特に好ましい。
【0095】
1〜4の1つが、1個以上のCH基が−CH=CH−で置き換えられているアルキル基の場合、これは直鎖状でも分岐状でもよい。それは、好ましくは直鎖状で2〜12個のC原子を有しており、従って、好ましくは、ビニル、プロパ−1−またはプロパ−2−エニル、ブタ−1−、2−またはブタ−3−エニル、ペンタ−1−、2−、3−またはペンタ−4−エニル、ヘキサ−1−、2−、3−、4−またはヘキサ−5−エニル、ヘプタ−1−、2−、3−、4−、5−またはヘプタ−6−エニル、オクタ−1−、2−、3−、4−、5−、6−またはオクタ−7−エニル、ノナ−1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−またはノナ−8−エニル、デカ−1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−またはデカ−9−エニル、ウンデカ−1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−、9−またはウンデカ−10−エニル、ドデカ−1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−、−9、−10またはウンデカ−11−エニルである。アルケニル基は、E−またはZ−立体配置のいずれのC=C−結合を含んでよく、または、それらの混合物でもよい。
【0096】
1〜4の1つがオキサアルキル、即ち、1個のCH基が−O−で置き換えられている場合、好ましくは、例えば、直鎖状の2−オキサプロピル(即ち、メトキシメチル)、2−(即ち、エトキシメチル)または3−オキサブチル(即ち、2−メトキシエチル)、2−、3−または4−オキサペンチル、2−、3−、4−または5−オキサヘキシル、2−、3−、4−、5−または6−オキサヘプチル、2−、3−、4−、5−、6−または7−オキサオクチル、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−オキサノニル、または、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−または9−オキサデシルである。
【0097】
1〜4の1つがチオアルキル、即ち、1個のCH基が−S−で置き換えられている場合、好ましくは、直鎖状のチオメチル(−SCH)、1−チオエチル(−SCHCH)、1−チオプロピル(即ち、−SCHCHCH)、1−(チオブチル)、1−(チオペンチル)、1−(チオヘキシル)、1−(チオヘプチル)、1−(チオオクチル)、1−(チオノニル)、1−(チオデシル)、1−(チオウンデシル)、または、1−(チオドデシル)であり、ただし、好ましくは、sp混成のビニルの炭素原子に隣接するCH基が置き換えられている。
【0098】
1〜4の1つがフルオロアルキルまたはフルオロアルコキシの場合、それは、好ましくは、直鎖状の基(O)C2i+1(式中、iは1〜15の整数である。)、特に、CF、C、C、C、C11、C13、C15またはC17、非常に好ましくは、C13、または、対応するフルオロアルコキシ基である。
【0099】
また、ポリマーは、ポリマーを形成するプロセスの間、保護されていてもよい重合性または反応性基で置換されてもよい。このタイプの特に好ましいポリマーは、RがP−Spを表す式Iのポリマーである。高い電荷キャリア移動度および高い熱的、機械的および化学的安定性の架橋されたポリマーフィルムを生成するために、半導体部品用の薄膜中にポリマーを加工する最中または加工後に、例えば、その場重合によって、基Pを介して架橋できるため、これらのポリマーは半導体または電荷輸送材として特に有用である。
【0100】
好ましくは、重合性または反応性基Pは、CH=CW−COO−、CH=CW−CO−、
【0101】
【化15】

CH=CW−(O)k1−、CH−CH=CH−O−、(CH=CH)CH−OCO−、(CH=CH−CHCH−OCO−、(CH=CH)CH−O−、(CH=CH−CHN−、(CH=CH−CHN−CO−、HO−CW−、HS−CW−、HWN−、HO−CW−NH−、CH=CW−CO−NH−、CH=CH−(COO)k1−Phe−(O)k2−、CH=CH−(CO)k1−Phe−(O)k2−、Phe−CH=CH−、HOOC−、OCN−およびWSi−より選択され、ただし、Wは、H、F、Cl、CN、CF、フェニルまたは1〜5個のC原子のアルキル、特に、H、ClまたはCHであり、WおよびWは、それぞれ互いに独立に、Hまたは1〜5個のC原子のアルキル、特に、H、メチル、エチルまたはn−プロピルであり、W、WおよびWは、それぞれ互いに独立に、Cl、1〜5個のC原子のオキサアルキルまたはオキサカルボニルアルキルであり、WおよびWは、それぞれ互いに独立に、H、Clまたは1〜5個のC原子のアルキルであり、Pheは1,4−フェニレン(該基は、上で定義される通りの1個以上の基Lで置換されていてもよい。)であり、kおよびkは、それぞれ互いに独立に、0または1である。
【0102】
あるいは、Pは、これらの基の保護された誘導体(本発明によるプロセスのために記載される条件下において非反応性である。)である。適切な保護基、例えば、アセタール類またはケタール類などは通常の専門家に既知であり、文献、例えば、Green、「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley and Sons、New York(1981年)に記載されている。
【0103】
特に好ましい基Pは、CH=CH−COO−、CH=C(CH)−COO−、CH=CH−、CH=CH−O−、(CH=CH)CH−OCO−、(CH=CH)CH−O−、
【0104】
【化16】

または、それらの保護された誘導体である。
【0105】
基Pの重合は、通常の専門家に既知で、文献、例えば、D.J.Broer;G.Challa;G.N.Mol、Macromol.Chem,1991年、192巻、59頁に記載される方法に従って行うことができる。
【0106】
用語「スペーサー基」は先行技術において既知であり、適切なスペーサー基Spは通常の専門家に既知である(例えば、Pure Appl.Chem.75巻(5号)、888頁(2001年)参照)。スペーサー基Spは、好ましくは、P−Sp−がP−Sp’−X’−となる式Sp’−X’のもので、式中、
Sp’は、無置換であるか、または、F、Cl、Br、IまたはCNで一置換または多置換されている30個までのC原子のアルキレンであり、また、1個以上の隣接していないCH基は、それぞれの場合で互いに独立に、Oおよび/またはS原子が互いに直接結合しないようにして、−O−、−S−、−NH−、−NR−、−SiR00−、−CO−、−COO−、−OCO−、−OCO−O−、−S−CO−、−CO−S−、−CH=CH−または−C≡C−で置き換えられていることも可能であり、
X’は、−O−、−S−、−CO−、−COO−、−OCO−、−O−COO−、−CO−NR−、−NR−CO−、−NR−CO−NR00−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR−、−CY=CY−、−C≡C−、−CH=CH−COO−、−OCO−CH=CH−または単結合であり、
およびR00は、それぞれ互いに独立に、Hまたは1〜12個のC原子のアルキルであり、および
およびYは、それぞれ互いに独立に、H、F、ClまたはCNである。
【0107】
X’は、好ましくは、−O−、−S−、−OCH−、−CHO−、−SCH−、−CHS−、−CFO−、−OCF−、−CFS−、−SCF−、−CHCH−、−CFCH−、−CHCF−、−CFCF−、−CH=N−、−N=CH−、−N=N−、−CH=CR−、−CY=CY−、−C≡C−または単結合、特には、−O−、−S−、−C≡C−、−CY=CY−または単結合である。もう一つの好ましい実施形態において、X’は、−C≡C−または−CY=CY−などの共役系を形成できる基、または、単結合である。
【0108】
典型的な基Sp’は、例えば、−(CH−、−(CHCHO)−CHCH−、−CHCH−S−CHCH−または−CHCH−NH−CHCH−または−(SiR00−O)−であり、ただし、pは2〜12の整数、qは1〜3の整数、およびRおよびR00は上で与えられる意味を有する。
【0109】
好ましい基Sp’は、例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレン、ヘキシレン、ヘプチレン、オクチレン、ノニレン、デシレン、ウンデシレン、ドデシレン、オクタデシレン、エチレンオキシエチレン、メチレンオキシブチレン、エチレン−チオエチレン、エチレン−N−メチル−イミノエチレン、1−メチルアルキレン、エテニレン、プロペニレンおよびブテニレンである。
【0110】
本発明のポリマーは、当業者に既知で文献に記載される方法に従うか類似して合成することができる。他の調製方法は、例より分かる。例えば、山本カップリング、鈴木カップリング、スティルカップリング、薗頭カップリングまたはヘックカップリングなどのアリール−アリールカップリング反応によって適切にポリマーを調製することができる。鈴木カップリングおよび山本カップリングが、特に好ましい。
【0111】
ポリマーの繰り返し単位を形成するために重合されるモノマーは、当業者に既知の方法に従って調製できる。
【0112】
好ましくは、式Iaのモノマーよりポリマーを調製する。
【0113】
【化17】

式中、U1〜4、A1〜4、Ar1、2、m1およびm2は上で与えられる意味を有し、RおよびRは、好ましくは、それぞれ互いに独立に、Cl、Br、I、O−トシラート、O−トリフラート、O−メシラート、O−ノナフラート、−SiMeF、−SiMeF、−O−SOZ、−B(OZ、−CZ=C(Z、−C≡CHおよび−Sn(Zから成る群より選択され、ただし、ZおよびZ1〜3はアルキルおよびアリールから成る群より選択され、それぞれ置換されていてもよく、また、2個の基Zは環式基を形成していてもよい。
【0114】
式Iaの新規なモノマーは、本発明のもう一つの態様である。
【0115】
本発明のもう一つの態様は、重合反応において、式Iの単位を基礎とする1種類以上の同一または異なるモノマーをそれぞれ互いにカップリングすることによってポリマーを調製する方法である。
【0116】
本発明のもう一つの態様は、重合反応、好ましくは、アリール−アリールカップリング反応において、式I、好ましくは、式Iaから選択される単位を基礎とする1種類以上の同一または異なるモノマーを、それぞれ互いに、および/または、1種類以上のコモノマーとカップリングすることによってポリマーを調製する方法である。
【0117】
適切で好ましいコモノマーは、以下の式のものである。
【0118】
【化18】

式中、Ar、Ar、RおよびRは、式Iaにおいて定義される通りである。
【0119】
重合のための好ましい方法は、例えば、国際特許出願公開第00/53656号パンフレットに記載される通りの鈴木重合、例えば、T.Yamamotoら、Progress in Polymer Science 1993年、17巻、1153〜1205頁または国際特許出願公開第2004/022626号パンフレットに記載される通りの山本重合、およびスティルカップリングなどのC−CカップリングまたはC−Nカップリングに至るものである。例えば、山本重合により直鎖状ポリマーを合成する場合、好ましくは、2個の反応性ハライド基R7、8を有する上記の通りのモノマーを使用する。鈴木重合により直鎖状ポリマーを合成する場合、好ましくは、少なくとも一方の反応性基R7、8がボロン酸またはボロン酸誘導体基である上記の通りのモノマーを使用する。
【0120】
ホモポリマーならびに統計、交互およびブロックランダムコポリマーを調製するために、鈴木重合を使用できる。反応性基RおよびRの一方がハロゲンで、他方の反応性基がボロン酸またはボロン酸誘導体基である式IIの上のモノマーより、統計またはブロックコポリマーを調製できる。統計、交互およびブロックコポリマーの合成は、例えば、国際特許出願公開第03/048225号パンフレットまたは国際特許出願公開第2005/014688号パンフレットに詳細に記載されている。
【0121】
鈴木重合は、Pd(0)錯体またはPd(II)塩を用いる。好ましいPd(0)錯体は、Pd(PhP)などの少なくとも1個のホスフィン配位子を持つものである。もう一つの好ましいホスフィン配位子は、トリス(オルト−トリル)ホスフィン、即ち、Pd(o−Tol)である。好ましいPd(II)塩としては、酢酸パラジウム、即ち、Pd(OAc)が挙げられる。鈴木重合は、塩基、例えば、炭酸ナトリウム、リン酸カリウムまたは炭酸テトラエチルアンモニウムなどの有機塩基の存在下において実行される。山本重合は、Ni(0)錯体、例えば、ビス(1,5−シクロオクタジエニル)ニッケル(0)を用いる。
【0122】
上記の通りのハロゲンの代替として、式−O−SOZ(式中、Zは上記の通りである。)の脱離基を使用できる。そのような脱離基の特別な例は、トシラート、メシラートおよびトリフラートである。
【0123】
式IおよびIaのモノマー単位およびモノマーと、それらのホモポリマーと、式IIおよびIIaのコポリマーの特に適切で好ましい合成方法を、以下に示す合成スキームにおいて図解する。そこにおいて、Rは、式Iにおいて与えられるRの意味の1つを有する。
【0124】
4,4,9,9−テトラアルキルs−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェンの好ましい合成を、スキーム1において例示的に図解する。
【0125】
【化19】

【0126】
対応するs−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジセレノフェン化合物は、上に示す第2の反応工程において、2−置換チオフェンの代わりに2−置換セレノフェン遊離体を使用することにより、類似の方法で調製できる。
【0127】
従って、1種類のチオフェン環および1種類のセレノフェン環の対応する「混合された」インダセノ化合物、例えば、式I9またはI13のものなどを、2つの個々の段階においてではなく、スキーム1における第2の反応工程に従って調製できる。第1に、2−置換チオフェン遊離体の反応および中間体生成物の単離、続いて、2−置換セレノフェンの第2の反応により、「混合された」生成物を生じる。
【0128】
4,4,9,9−テトラアルキルs−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェンの官能化を、スキーム2において例示的に図解する。
【0129】
【化20】

【0130】
4,4,9,9−テトラアルキルs−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェンのホモ重合を、スキーム3において例示的に図解する。
【0131】
【化21】

【0132】
4,4,9,9−テトラアルキルs−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェンの共重合を、スキーム4において例示的に図解する。
【0133】
【化22】

【0134】
s−インダセノ[1,2−b:7,6−b’]ジチオフェン/セレノフェン化合物を、スキーム5において図解する通りに調製できる。
【0135】
【化23】

【0136】
上および下に記載される通りのポリマーの新規な調製方法は、本発明のもう一つの態様である。
【0137】
本発明によるポリマーは、光学的、電気光学的、電子的、エレクトロルミネセントまたはフォトルミネセント部品または装置における、電荷輸送、半導体、導電性、光導電性または発光材料として有用である。
【0138】
特に好ましい装置は、OFET、TFT、IC、論理回路、キャパシタ、RFIDタグ、OLED、OLET、OPV、ソーラーセル、レーザーダイオード、光導電体、光検出器、電子写真装置、電子写真記録装置、有機記憶装置、センサー装置、電荷注入層、ショットキーダイオード、平坦化層、帯電防止フィルム、導電性基板、導電性パターンである。これらの装置において、本発明のポリマーは、典型的には、薄層またはフィルムとして適用される。
【0139】
有機半導体(OSC:organic semiconducting)材料がゲート誘電体とドレインおよびソース電極との間に薄膜として配置されているOFETは、一般的に既知で、例えば、米国特許第5,892,244号明細書、国際特許出願公開広報第00/79617号パンフレット、米国特許第5,998,804号明細書、および、背景技術の章において引用される文献に記載されている。本発明によるポリマーの溶解特性を用いて低コストで生産できること、それによって大面積の加工を可能にしていることなどの利点があるため、これらのFETの好ましい用途は、集積回路、TFTディスプレイおよびセキュリティー用途などである。
【0140】
また、本発明によるポリマーは、OLED装置において中間体層または電荷ブロック層として使用するために、例えば、電荷輸送、半導体性、導電性、光導電性および/または発光半導体特性を有する他のポリマーと共に、または、例えば、ホールブロックまたは電子ブロック特性を有するポリマーと共にポリマーブレンド中でも使用できる。よって、本発明のもう一つの態様は、本発明による1種類以上のポリマーと、1つ以上の上述の特性を有する1種類以上の更なるポリマーとを含むポリマーブレンドに関する。これらのブレンドは、先行技術において記載され専門家に既知である従来法によって調製できる。典型的には、ポリマーを互いに混合するか、または、適切な溶媒に溶解し、溶液を混合する。
【0141】
本発明のもう一つの態様は、上および下で記載される通りの1種類以上のポリマーまたはポリマーブレンドと、1種類以上の有機溶媒とを含む配合物に関する。
【0142】
適切で好ましい有機溶媒の例としては、限定することなく、ジクロロメタン、トリクロロメタン、モノクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、テトラヒドロフラン、アニソール、モルホリン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、1,4−ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラリン、デカリン、インダン、安息香酸メチル、安息香酸エチル、メシチレンおよび/またはそれらの混合物が挙げられる。
【0143】
溶液中におけるポリマーの濃度は、好ましくは、0.1〜10重量%、より好ましくは、0.5〜5重量%である。また、例えば、国際特許出願公開第2005/055248号パンフレットに記載される通り、レオロジー特性を調整するために、1種類以上のバインダーを溶液は含んでもよい。
【0144】
適切に混合およびエージングを行った後、溶液を次のカテゴリーの1つとして評価する:完全な溶液、可溶性および不溶性の境界上の溶液または不溶性。コントア線を、可溶性および不溶性を分ける溶解性パラメータ−水素結合の限界の輪郭を得るために描く。可溶性領域内に収まる「完全な」溶媒は、「Crowley、J.D.、Teague、G.S.JrおよびLowe、J.W.Jr.、Journal of Paint Technology、38巻、496号、296頁(1966年)」で刊行されているなどの文献値より選択できる。また、溶媒ブレンドも用いることができ、「Solvents、W.H.Ellis、Federation of Societies for Coatings Technology、9〜10頁、1986年」中に記載されるように特定できる。ブレンド中に少なくとも1種類の真性溶媒を有するのが望ましいが、そのような手順によって、本発明のポリマーの両者を溶解する「非」溶媒のブレンドに至る場合もある。
【0145】
また、本発明によるポリマーは、上および下に記載される通りの装置におけるパターン化OSC層においても使用できる。最新のマイクロエレクトロニクスにおける用途のためには、一般に、コスト(単位面積当たり、より多くの装置)および電力消費を低減するために、小さな構造またはパターンを生成することが望ましい。本発明によるポリマーを含む薄膜のパターン化は、例えば、フォトリソグラフィー、電子ビームリソグラフィーまたはレーザーパターン化によって行うことができる。
【0146】
電子または電気光学的装置における薄膜として使用するためには、本発明のポリマー、ポリマーブレンドまたは配合物を任意の適切な方法によって堆積して構わない。装置を液体塗工する方が真空蒸着技術よりも好ましい。溶液堆積法が特に好ましい。本発明の配合物によって、多くの液体塗工技術の使用が可能となる。好ましい堆積技術としては、限定することなく、浸漬塗工、スピン塗工、インクジェット印刷、レタープレス印刷、スクリーン印刷、ドクターブレード塗工、ローラー印刷、逆ローラー印刷、オフセットリソグラフィー印刷、フレキソ印刷、ウェブ印刷、噴霧塗工、はけ塗り塗工またはパッド印刷が挙げられる。高解像度の層および装置を調製できるため、インクジェット印刷が特に好ましい。
【0147】
本発明の選択された配合物は、インクジェット印刷またはミクロディスペンシングによって既製の装置基板に塗布できる。有機半導体層を基板に塗布するには、好ましくは、限定することなく、Aprion社、Hitachi−Koki社、InkJet Technology社、、On Target Technology社、Picojet社、Spectra社、Trident社、Xaar社によって供給されるものなどの工業的圧電印刷ヘッドを使用できる。加えて、Brother社、Epson社、Konica社、Seiko Instruments Toshiba TEC社によって製造されるものなどの半工業的ヘッドまたはMicrodrop社およびMicrofab社によって生産されるものなどの単一ノズルミクロディスペンサーを使用してもよい。
【0148】
インクジェット印刷またはミクロディスペンシングによって塗布するためには、第一に、ポリマーは適切な溶媒に溶解しなければならない。溶媒は上述の要件を満足していなければならず、選択された印刷ヘッドに対して一切有害な効果を有していてはならない。加えて、溶媒は、印刷ヘッドの内側で溶媒が乾燥することによって生ずる操作上の問題を防ぐために、100℃を超える、好ましくは140℃を超える、より好ましくは150℃を超える沸点を有していなければならない。上述の溶媒は別とし、適切な溶媒としては、置換および無置換のキシレン誘導体、ジ−C1〜2−アルキルホルムアミド、置換および無置換のアニソール類および他のフェノール−エーテル誘導体、置換されたピリジン類、ピラジン類、ピリミジン類、ピロリジノン類などの置換されたヘテロ環類、置換および無置換のN,N−ジ−C1〜2−アルキルアニリン類および他のフッ素化または塩素化された芳香族類が挙げられる。
【0149】
インクジェット印刷によって本発明によるポリマーを堆積するために好ましい溶媒は、1個以上の置換基中の炭素原子の総数が少なくとも3個である1個以上の置換基によって置換されたベンゼン環を有するベンゼン誘導体を含む。例えば、ベンゼン誘導体はプロピル基または3個のメチル基で置換されていてもよく、いずれの場合も、全部で少なくとも3個の炭素原子が存在する。そのような溶媒によって、噴霧の際にジェットの目詰まりおよび成分の分離を低減または防止し、ポリマーと共に溶媒を含むインクジェット流体の形成が可能となる。溶媒(1種類または多種類)としては、以下の例のリストより選択されるものが挙げられる:ドデシルベンゼン、1−メチル−4−tert−ブチルベンゼン、テルピネオールリモネン、イソジュレン、テルピノレン、シメン、ジエチルベンゼン。溶媒は、2種類以上の溶媒の組み合わせである溶媒混合物でもよく、それぞれの溶媒は、好ましくは100℃を超え、より好ましくは140℃を超える沸点を有している。また、そのような溶媒(1種類または多種類)は、堆積された層中の膜形成を促進し、層中の欠陥を減少させる。
【0150】
インクジェット流体(即ち、溶媒、バインダーおよび半導体化合物の混合物)は、好ましくは、20℃で、1〜100mPa・s、より好ましくは1〜50mPa・s、最も好ましくは1〜30mPa・sの粘度を有する。
【0151】
加えて、本発明によるポリマーまたは配合物は、例えば、表面活性化合物、潤滑剤、湿潤剤、分散助剤、疎水化剤、接着剤、流動性改良剤、消泡剤、脱気剤、反応性または非反応性のいずれでも構わない希釈剤、補助剤、着色剤、色素または顔料、増感剤、安定剤、ナノ粒子または禁止剤などの1種類以上の更なる成分を含んでよい。
【0152】
本発明によるOFET装置は、好ましくは、
−ソース電極と、
−ドレイン電極と、
−ゲート電極と、
−有機半導体(OSC:organic semiconducting)層と、
−1つ以上ゲート絶縁体層と、
−任意構成として基板と、
を含み、
ただし、OSC層は、本発明による1種類以上のポリマーを含む。
【0153】
ソースおよびドレイン電極が絶縁体層によってゲート電極より分離されており、ゲート電極および半導体層の両者が絶縁体層とコンタクトしており、ソース電極およびドレイン電極の両者が半導体層とコンタクトしているのであれば、OFET装置におけるゲート、ソースおよびドレイン電極および絶縁体および半導体層は、どのような順序で配置してもよい。OFET装置は、トップゲート装置またはボトムゲート装置のいずれでも構わない。OFET装置の適切な構造および製造方法は当業者に既知であり、文献、例えば、国際特許出願公開第03/052841号パンフレットに記載されている。
【0154】
本発明によるOPV装置は、好ましくは、
−低仕事関数電極(例えば、アルミニウム)と、
−一方は透明である高仕事関数電極(例えば、ITO)と、
−ホール輸送および電子輸送材料から成る二重層と;ただし、該二重層は、2つの別個の層として、または、ブレンドされた混合物としてのいずれで存在しても構わず(例えば、Coakley、K.M.およびMcGehee、M.D.Chem.Mater.2004年、16巻、4533頁を参照)、
−任意の構成要素として、ホールに対するオーミックコンタクトを与えるために高仕事関数電極の仕事関数を改変するための導電性ポリマー層(例えば、PEDOT:PSSなど)と、
−任意の構成要素として、電子に対するオーミックコンタクトを与えるための高仕事関数電極上の被覆(LiFなど)と
を含む。
【0155】
ブレンド中のホール輸送ポリマーは、本発明のポリマーの1種で存在する。電子輸送材料は、酸化亜鉛またはセレン化カドミウムなどの無機材料、または、フラーレン誘導体(例えば、PCBM、[(6,6)−フェニルC61−酪酸メチルエステル]、または、ポリマー、例えば、Coakley、K.M.およびMcGehee、M.D.Chem.Mater.2004年、16巻、4533頁を参照)などの有機材料でよい。二重層がブレンドの場合、装置性能を最適化するために、任意工程としてアニール工程が必要となることがある。
【0156】
セキュリティー用途において、本発明によるOFETおよび半導体材料を有する他の装置、トランジスタまたはダイオードなどは、例えば、貨幣、クレジットカードまたはIDカード、国の身分証明書類、免許証または金銭的価値を有する任意の製品、例えば、切手、チケット、株券、小切手などの有価証券を証明し、偽造を防止するためのRFIDタグまたはセキュリティーマーキング用に使用できる。
【0157】
あるいは、本発明による材料は、有機発光装置またはダイオード(OLED:organic light emitting diode)において、例えば、ディスプレイ用途において、または、例えば、液晶ディスプレイのバックライトとして使用できる。一般的なOLEDは、多層構造を用いて実現される。発光層は、一般的に、1つ以上の電子輸送および/またはホール輸送層の間に挟まれている。電圧を印加することにより、電荷キャリアとしての電子およびホールは発光層の方向に移動し、そこで、それらの組み替えにより励起、よって発光層中に含まれるルモフォア単位のルミネセンスに至る。本発明の化合物、材料およびフィルムは、それらの電気的および/または光学的特性に対応して、1つ以上の電荷輸送層および/または発光層において用いることができる。更に、発光層内でのそれらの使用は、本発明による化合物、材料およびフィルムが、それら自体エレクトロルミネセント特性を示すか、またはエレクトロルミネセント基または化合物を含む場合に、特に有利である。OLEDにおいて使用するための好適なモノマー、オリゴマーおよびポリマー化合物または材料の選択、特性解析ならびに加工は、一般的に、当業者に知られており、例えば、Meerholz、Synthetic Materials、111〜112巻、2000年、31〜34頁、Alcala、J.Appl.Phys.、88巻、2000年、7124〜7128頁およびそこで引用されている文献を参照。
【0158】
他の使用によれば、本発明による材料、特に、フォトルミネセント特性を示すものは、例えば、欧州特許出願公開第0 889 350号公報またはC.Wederら、Science、279巻、1998年、835〜837頁に記載されるなどのディスプレイ装置の光源の材料として用いることができる。
【0159】
本発明の更なる態様は、本発明によるポリマーの酸化形態および還元形態の両者に関する。電子の損失または獲得の結果、高い導電性で高度に非局在化されたイオン性形態が形成される。このことは、一般的なドーパントへの暴露で生じさせることができる。適切なドーパントおよびドーピング方法は、例えば、欧州特許第0 528 662号明細書、米国特許第5,198,153号明細書または国際特許出願公開第96/21659号パンフレットより当業者に既知である。
【0160】
ドーピングプロセスは、典型的には、半導体材料を酸化剤または還元剤で酸化還元反応において処理することを意味し、適用されたドーパントに由来する対応する対イオンで、材料中に非局在化されたイオン性中心部を形成する。適切なドーピング方法は、例えば、大気圧または減圧下においてドーピング蒸気に暴露すること、ドーパントを含有する溶液中で電気化学的にドーピングすること、ドーパントを熱的に拡散されるべき半導体材料と接触させること、およびドーパントを半導体材料中にイオン注入することを含む。
【0161】
電子をキャリアとして使用する場合、適切なドーパントは、例えば、ハロゲン(例えば、I、Cl、Br、ICl、ICl、IBrおよびIF)、ルイス酸(例えば、PF、AsF、SbF、BF、BCl、SbCl、BBrおよびSO)、プロトン酸、有機酸またはアミノ酸(例えば、HF、HCl、HNO、HSO、HClO、FSOHおよびClSOH)、遷移金属化合物(例えば、FeCl、FeOCl、Fe(ClO、Fe(4-CHSO、TiCl、ZrCl、HfCl、NbF、NbCl、TaCl、MoF、MoCl、WF、WCl、UFおよびLnCl(ただし、Lnは、ランタノイドである)、アニオン(例えば、Cl-、Br-、I-、I-、HSO-、SO2-、NO-、ClO-、BF-、PF-、AsF-、SbF-、FeCl-、Fe(CN)3-および、アリール-SO-などの種々のスルホン酸のアニオン)である。ホールをキャリアとして使用する場合、ドーパントの例は、カチオン(例えば、H、Li、Na、K、RbおよびCs)、アルカリ金属(例えば、Li、Na、K、RbおよびCs)、アルカリ土類金属(例えば、Ca、SrおよびBa)、O、XeOF、(NO)(SbF-)、(NO)(SbCl-)、(NO)(BF-)、AgClO、HIrCl、La(NO・6HO、FSOOOSOF、Eu、アセチルコリン、R(Rは、アルキル基である)、R(Rは、アルキル基である)、RAs(Rは、アルキル基である)およびR(Rは、アルキル基である)である。
【0162】
本発明のポリマーの導電性形態は、OLED用途における電荷注入層およびITO平坦化層、フラットパネルディスプレイおよびタッチスクリーン用のフィルム、帯電防止フィルム、印刷された導電性基板、印刷回路基板およびコンデンサなどの電子的用途におけるパターンまたは区域を含む(ただし、限定されない。)用途において、有機「金属」として使用できる。
【0163】
もう一つの使用によれば、本発明による材料は、例えば、米国特許出願公開第2003/0021913号公報に記載される通り、単独または他の材料と共に、LCDまたはOLED装置における配向層において、または配向層として使用できる。本発明による電荷輸送化合物を使用することにより、配向層の導電性を増大させることができる。LCDにおいて使用する場合、この増大された導電性によって、スイッチ可能なLCDセルにおける不都合な残留dc効果を減少させることができ、画像の固着を抑制でき、または、例えば、強誘電性LCDにおいて、強誘電性LCの自発的な分極電荷のスイッチにより生じる残留電荷を減少させることができる。配向層上に設けられた発光材料を含むOLED装置において使用する場合、この増大された導電性によって、発光材料のエレクトロルミネセンスを増大することができる。メソゲン特性または液晶特性を有する本発明による化合物または材料は、上記の通り配向した異方性フィルムを形成することができ、これは、配向層として、前記異方性フィルム上に設けられた液晶媒体における配向を誘発または増大するのに、特に有用である。また、本発明による材料は、米国特許出願公開第2003/0021913号公報に記載される通り、光配向層において、または光配向層として使用するための光異性化可能な化合物および/または発色団と組み合わせることもできる。
【0164】
もう一つの使用によれば、本発明による材料、特に、それらの水溶性誘導体(例えば、極性またはイオン性側鎖で)またはイオン的にドープされた形態は、DNA配列を検出および区別するための化学的センサーまたは材料として用いることができる。そのような使用は、例えば、L.Chen、D.W.McBranch、H.Wang、R.Helgeson、F.WudlおよびD.G.Whitten、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.1999年、96巻、12287頁;D.Wang、X.Gong、P.S.Heeger、F.Rininsland、G.C.BazanおよびA.J.Heeger、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.2002年、99巻、49頁;N.DiCesare、M.R.Pinot、K.S.SchanzeおよびJ.R.Lakowicz、Langmuir 2002年、18巻、7785頁;D.T.McQuade、A.E.Pullen、T.M.Swager、Chem.Rev.2000年、100巻、2537頁に記載されている。
【0165】
文脈が明らかに他を示さない限り、本明細書で用いられる場合、本明細書における用語の複数形は単数形を含むものと解釈されることとし、逆もまた同様である。
【0166】
本明細書の記載および請求項を通して、「含む(comprise)」および「含有する(contain)」という言葉および該言葉の活用形、例えば、「含む(comprising)」および「含む(comprises)」は、「限定せず挙げられる」を意味し、他の成分を排除することを意図としない(排除しない)。
【0167】
本発明の前述の実施形態は、本発明の範囲内にありながら変更できると理解されるであろう。他に明言しない限り、本明細書において開示されるそれぞれの特徴を、同一、同等または同様の目的に働く代替の特徴で置き換えても構わない。よって、他に明言しない限り、開示されるそれぞれの特徴は、包括的で一連の同等または同様な特徴の一例に過ぎない。
【0168】
本明細書において開示される特徴の全ては、その様な特徴および/または工程の少なくとも幾つかが互いに排他的である組み合せを除いて、任意の組み合わせで組み合わせて構わない。特に、本発明の好ましい特徴は本発明の全ての態様に適用可能であり、任意の組み合わせにおいて使用できる。同様に、本質的でない組み合わせで記載される特徴は、個別に(組み合わせずに)使用できる。
【0169】
ここで、本発明を、以下の例(単に解説するのみで、本発明の範囲を一切限定しない。)を参考にして更に詳細に説明する。
【実施例】
【0170】
<例1>
<2,5−ジチエン−2−イルテレフタル酸ジメチルエステルの調製>
ジメチル2,5−ジブロモテレフタレート(6.09g、17.30mmol)をTHF(無水、100cm)中に溶解し、次いで、2−チエニル亜鉛ブロミド(THF中0.50M、90cm、45.0mmol)およびPd(PPh(0.50g、0.43mmol)を加える。混合物を67℃において2時間加熱する。冷却後、反応混合物を水中に注ぐ。濾過によって沈殿を回収し、水、メタノールおよびジエチルエーテルで洗浄し、次いで、真空中で乾燥し、淡黄色の固体として生成物を生じる(5.41g、87%)。
【0171】
【表1】

【0172】
<2,5−ジチエン−2−イルテレフタル酸の調製>
【0173】
【化24】

水酸化ナトリウム(4.80g、120.0mmol)を水中(30cm)に溶解し、次いでエタノール(250cm)および2,5−ジチエン−2−イルテレフタル酸ジメチルエステル(5.30g、14.8mmol)を加える。この混合物を78℃で一晩加熱する。溶媒を元の体積の約半分まで減圧下で蒸発させ、次いで水を加える。結果として生じる混合物を濃塩酸で中和する。濾過によって沈殿を回収し、水およびメタノールで洗浄し、次いで、真空中で乾燥し、黄色味がかった白色の固体として生成物を生じる(4.13g、84%)。
【0174】
【表2】

【0175】
<2,5−ジチエン−2−イルテレフタル酸クロリドの調製>
【0176】
【化25】

2,5−ジチエン−2−イルテレフタル酸(4.06g、12.29mmol)およびオキサリルクロリド(3.12g、24.58mmol)のDCM(100cm)中の溶液にDMF(1cm)を0℃において加える。10分後、この混合物を放置して23℃まで温め、一晩撹拌する。溶媒を減圧下で除去し、黄色の油分として粗生成物を与える(4.38g、97%)。
【0177】
【表3】

更に精製することなく、この生成物を次の工程のために使用する。
【0178】
<4,9−ジヒドロ−s−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェン−4,9−ジオンの調製>
【0179】
【化26】

DCM(100cm)中の2,5−ジチエン−2−イルテレフタル酸クロリド(4.38 g、11.93mmol)の溶液を、DCM(100cm)中のAlCl(無水、5.0g、37.5mmol)の懸濁液に0℃で加える。結果として生じる混合物を更に30分、次いで23℃において一晩撹拌する。反応混合物を、氷冷の2MのHCl溶液中に注ぐ。沈殿を回収し、2MのHClおよび水で洗浄し、次いで真空中で乾燥し、藍色の固体として生成物を生じる(2.91g、83%)。
【0180】
【表4】

【0181】
<4,9−ジヒドロ−s−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェンの調製>
【0182】
【化27】

抱水ヒドラジン(11.9cm、245mmol)を、ジエチレングリコール(100cm)中の4,9−ジヒドロ−s−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェン−4,9−ジオン(9.6g、32.6mmol)およびKOH(5.5g、97.8mmol)の懸濁液に加える。混合物を180℃まで6時間加熱し、次いで放置して、23℃まで一晩冷却する。NH/HO(1:1,200cm)を加え、混合物を30分撹拌する。濾過によって固体を回収し、HO(2×300cm)およびIMS(2×300cm)で洗浄し、真空中で乾燥して、褐色の固体として生成物を生じる(6.89g、79%)。
【0183】
【表5】

【0184】
<4,9−ジヒドロ−4,4,9,9−テトラオクチル−s−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェンの調製>
【0185】
【化28】

4,9−ジヒドロ−s−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェン(3.0g、11.3mmol)およびDMSO(無水、60cm)を三口フラスコに加え、混合物を20分脱気する。この混合物に、ナトリウムtert−ブトキシド(6.69g、68.9mmol)を数回に分けて加え、混合物を80℃まで加熱する。確実に反応混合物の温度が90℃よりも上がらないようにして、1−ブロモオクタン(12cm、69.5mmol)を滴下により30分にわたって加える。次いで、混合物を85℃において3時間加熱する。混合物を放置して70℃まで冷却し、氷水(100cm)中に注ぐ。生成物をDCM(2×200cm)で抽出し、合わされた有機物を水(3×200cm)で洗浄し、硫酸マグネシウム(無水)上で乾燥し、濾過して、溶媒を真空中で除去する。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル40〜60)で精製し、黄色の油分として生成物を生じ、それを黄色の固体に結晶化する(2.83g、28%)。
【0186】
【表6】

【0187】
<2,7−ジブロモ−4,9−ジヒドロ−4,4,9,9−テトラオクチル−s−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェンの調製>
【0188】
【化29】

THF(無水、100cm)中の4,9−ジヒドロ−4,4,9,9−テトラオクチル−s−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェン(2.0g、2.2mmol)の溶液にNBS(0.98g、5.5mmol)を加え、溶液を50℃で2時間、次いで40℃で17時間加熱する。混合物を放置して冷却し、水(100cm)中に注ぐ。生成物をDCM(2×100cm)で抽出し、合わされた有機抽出物を硫酸マグネシウム(無水)上で乾燥し、濾過して、溶媒を真空中で除去する。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル40〜60)、続いてDCM/MeOHより再結晶して精製し、鮭肉色の結晶性固体として生成物を生じる(1.81g、93%)。
【0189】
【表7】

【0190】
<例2>
<4,9−ジヒドロ−4,4,9,9−テトラキス(ヘキサデシル)−s−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェンの調製>
【0191】
【化30】

1(3.00g、11.3mmol)およびDMSO(無水、60cm)を250cmの三口フラスコに加え、混合物を20分脱気(撹拌されている混合物中にNバブリングする)を行う。これに、ナトリウムtert−ブトキシド(6.69g、68.9mmol)を数回に分けて加え、次いで混合物を80℃まで加熱する。確実に反応混合物が90℃よりも上がらないようにして、1−ブロモヘキサデカン(21.9cm、69.5mmol)を滴下により30分にわたって加える。次いで、混合物を85℃において3時間加熱する。混合物を放置して70℃まで冷却し、氷水(100cm)中に注ぐ。生成物をDCM(2×200cm)で抽出し、合わされた有機物を水(3×200cm)で洗浄し、硫酸マグネシウム(無水)上で乾燥し、濾過して、溶媒を真空中で除去する。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル40〜60)、続いてDCMより再結晶して精製し、黄色味がかった白色の固体として生成物を生じる(1.45g、11%)。
【0192】
【表8】

【0193】
<2,7−ジブロモ−4,9−ジヒドロ−4,4,9,9−テトラキス(ヘキサデシル)−s−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェンの調製>
【0194】
【化31】

THF(無水、50cm)中の1(1.00g、0.86mmol)の溶液にNBS(0.32g、1.8mmol)を加え、溶液を50℃で2時間、次いで40℃で17時間加熱する。混合物を放置して冷却し、水(50cm)中に注ぎ、生成物をDCM(2×50cm)で抽出する。合わされた有機抽出物を硫酸マグネシウム(無水)上で乾燥し、濾過して、溶媒を真空中で除去する。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル40〜60からEtOAc)、続いてDCM/MeOHより再結晶して精製し、薄鮭肉色の固体として生成物を生じる(0.70g、62%)。
【0195】
【表9】

【0196】
<例3>
<2,7−ビス(2−チエニル)−4,9−ジヒドロ−4,4,9,9−テトラキス(ヘキサデシル)−s−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェンの調製>
【0197】
【化32】

DMF(無水、150cm)中の2,7−ジブロモ−4,9−ジヒドロ−4,4,9,9−テトラキス(ヘキサデシル)−s−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェン(4.81g、3.64mmol)および2−(トリブチルスタンニル)チオフェン(2.68cm、8.0mmol)の脱気された混合物に、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.13g、0.18mmol)を加え、混合物を更に脱気する。混合物を100℃において17時間加熱する。混合物を放置して冷却し、水(500cm)中に注ぎ、生成物をDCM(3×300cm)で抽出する。合わされた有機抽出物を硫酸マグネシウム(無水)上で乾燥し、濾過して、溶媒を真空中で除去する。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル40〜60)で精製し、黄色の固体として生成物を生じる(4.09g、85%)。
【0198】
【表10】

【0199】
<2,7−ビス(5−ブロモチエン−2−イル)−4,9−ジヒドロ−4,4,9,9−テトラキス(ヘキサデシル)−s−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェンの調製>
【0200】
【化33】

THF(無水、100cm)中の2,7−ビス(2−チエニル)−4,9−ジヒドロ−4,4,9,9−テトラキス(ヘキサデシル)−s−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェン(2.00g、1.5mmol)の溶液にNBS(0.54g、3.0mmol)を加え、溶液を23℃において17時間撹拌する。混合物を水(300cm)中に注ぎ、生成物をDCM(2×250cm)で抽出する。合わされた有機抽出物を硫酸マグネシウム(無水)上で乾燥し、濾過して、溶媒を真空中で除去する。粗生成物をカラムクロマトグラフィー(溶離液:石油エーテル40〜60)、続いてMeCN/トルエンより再結晶して精製し、黄色の固体として生成物を生じる(1.95g、87%)。
【0201】
【表11】

【0202】
<例4>
<ポリ[(2,7−(4,9−ジヒドロ−4,4,9,9−テトラキス(ヘキサデシル)−s−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェン))−alt−4,7−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール)](1)の調製>
【0203】
【化34】

2,7−ジブロモ−4,9−ジヒドロ−4,4,9,9−テトラキス(ヘキサデシル)−s−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェン(0.60g、0.45mmol)、4,7−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2,1,3−ベンゾチアジアゾール(0.176g、0.45mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(8.3mg、0.009mmol)、トリ(o−トリル)ホスフィン(11mg、0.04mmol)およびトルエン(15cm)の混合物にAliquat336(0.10g)を加え、混合物を脱気する。混合物に炭酸ナトリウムの脱気された水溶液(2.0M、0.7cm)を加え、混合物を更に脱気する。混合物を110℃において17時間加熱する。混合物を放置して冷却し、メタノール(100cm)中に注ぐ。濾過によって粗生成物を回収し、メタノール(100cm)、水(100cm)およびメタノール(100cm)で洗浄する。粗生成物を水(100cm)中で1時間撹拌し、濾過し、メタノール(200cm)で洗浄する。固体をトルエン(20cm)中に溶かし、撹拌されているメタノール(60cm)中に沈殿させる。濾過によって沈殿物を回収し、紫色の固体としてポリマー1を与える(0.52g、88%)。H NMRは期待される通りである。
【0204】
【表12】

【0205】
<例5>
<ポリ[(2,7−ビス(2−チエニル)−(4,9−ジヒドロ−4,4,9,9−テトラキス(ヘキサデシル)−s−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェン)−alt−4,7−(2,1,3−ベンゾチアジアゾール))(2)の調製>
【0206】
【化35】

2,7−ビス(5−ブロモチエン2−イル)−4,9−ジヒドロ−4,4,9,9−テトラキス(ヘキサデシル)−s−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェン(1.00g、0.67mmol)、4,7−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2,1,3−ベンゾチアジアゾール(0.26g、0.67mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(12mg、0.013mmol)、トリ(o−トリル)ホスフィン(16mg、0.05mmol)およびトルエン(25cm)の混合物にAliquat336(0.10g)を加え、混合物を脱気する。混合物に炭酸ナトリウムの脱気された水溶液(2.0M、1.0cm)を加え、混合物を更に脱気する。混合物を110℃において17時間加熱する。混合物を放置して冷却し、メタノール(100cm)中に注ぐ。濾過によって粗生成物を回収し、メタノール(100cm)、水(50cm)およびメタノール(50cm)で洗浄する。固体を温トルエン(75cm)中に溶かし、撹拌されているメタノール(250cm)中へ沈殿させる。濾過によって沈殿物を回収し、メタノール(50cm)、水(50cm)およびメタノール(50cm)で洗浄する。ヘプタンおよびアセトンでソックレー洗浄し、シクロヘキサンで抽出して、ポリマーを更に精製する。シクロヘキサン混合物を真空中で150cmに濃縮し、撹拌されているメタノール(600cm)中に沈殿させる。濾過によってポリマーを回収して、メタノール(100cm)で洗浄し、暗赤色の固体としてポリマー2を与える(0.86g、87%)。H NMRは期待される通りである。
【0207】
【表13】

【0208】
<例6>
<ポリ[(2,7−(4,9−ジヒドロ−4,4,9,9−テトラキス(オクチル)−s−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェン)−alt−4,4−(N,N−ジフェニル−N−(4−(1−メチルプロピル)フェニル)アミン))(3)の調製>
【0209】
【化36】

2,7−ジブロモ−4,9−ジヒドロ−4,4,9,9−テトラオクチル−s−インダセノ[1,2−b:5,6−b’]ジチオフェン(1.250g、1.432mmol)、4,4−ビス(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−N,N−ジフェニル−N−(4−(1−メチルプロピル)フェニル)アミン(0.792g、1.43mmol)、トリルボロンエステル(1.7mg、0.01mmol)およびリン酸カリウム一水和物(1.45g、6.3mmol)の混合物に、脱気されたトルエン(14cm)、脱気された1,4−ジオキサン(14cm)および脱気された水(14cm)を加える。混合物を更に脱気し、105℃で予め加熱された油浴に浸ける。混合物が還流し始めた時点で、脱気された1,4−ジオキサン(2cm)中の酢酸パラジウム(II)(2.6mg、0.01mmol)およびトリ(o−トリル)ホスフィン(20.9mg、0.07mmol)の脱気された溶液を加える。混合物を激しく2時間105℃において撹拌する。混合物に、トリルボロンエステル(5.5mg、0.03mmol)および脱気された1,4−ジオキサン(2cm)中の酢酸パラジウム(II)(2.6mg、0.01mmol)およびトリ(o−トリル)ホスフィン(20.9mg、0.07mmol)の脱気された溶液を加える。混合物を激しく1時間105℃において撹拌する。混合物を65℃まで冷却し、ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム三水和物の水溶液(14cm、10%)およびトルエン(14cm)を加える。混合物を65℃において17時間撹拌する。混合物を放置して冷却し、トルエン(20cm)を加え、有機層を水(3×200cm)で洗浄する。混合物を撹拌されているメタノール(150cm)中へ沈殿させ、濾過によって沈殿物を回収する。粗生成物をトルエン(40cm)中に30℃において溶解し、温トルエン(2×80cm)で洗浄しながらセライトパッドを通して濾過する。合わされた溶液を撹拌されているメタノール(500cm)中へ沈殿させ、濾過によってポリマーを回収し、メタノール(30cm)で洗浄して、橙色の固体としてポリマー3を与える(1.13g、78%)。H NMRは期待される通りである。
【0210】
【表14】

【0211】
<例7:トランジスタの製造および測定>
基板が共通ゲート電極として働く熱成長酸化ケイ素(SiO)絶縁層を有する高ドープシリコン基板上に薄膜有機電界効果トランジスタ(OFET:organic field effect transistor)を製造する。SiO層上に、トランジスタのソース−ドレイン金製電極をフォトリソグラフィーで規定する。有機半導体の堆積に先立ち、FET基板をオクチルトリクロロシラン(OTS)で処理する。次いで、ジクロロベンゼン中のポリマー溶液(1重量%)をスピンコートすることよって半導体薄膜をFET基板上に堆積する。次いで、サンプルを乾燥し、100℃において窒素下10分アニールする。乾燥窒素中および環境空気雰囲気中の両者において、コンピュータ制御Agilent 4155C Semiconductor Parameter Analyserを使用し、トランジスタ装置の電気的な特性解析を行う。
【0212】
例4および5のポリマー1および2に関するトランジスタ装置の特性を、それぞれ薄膜上で計測し、装置は、良好な電流変調、良好に規定される線形および飽和領域を有する典型的なp型挙動を示す。ポリマー1および2に関する飽和領域における電荷キャリア移動度(μsat)を計算し、表1に示す。電界効果移動度は、式(1)を使用し、飽和領域(V>(V−V))において計算した。
【0213】
【数1】

式中、Wはチャネル幅、Lはチャネル長、Cは絶縁層の静電容量、Iは飽和領域におけるソース−ドレイン電流、Vはソース−ドレイン電圧、Vはゲート電圧、Vは電源投入時電圧、μsatは飽和領域における電荷キャリア移動度である。電源投入時電圧(V)は、ソース−ドレイン電流の開始時に決定する。
【0214】
【表15】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの1種類以上の同一または異なるモノマー単位を含む共役ポリマー。
【化1】

(式中、
およびAの一方は単結合であり、他方はCRであり、
およびAの一方は単結合であり、他方はCRであり、
およびUの一方は−CH=または=CH−であり、他方は−X−であり、
およびUの一方は−CH=または=CH−であり、他方は−X−であり、
ただし、Aが単結合の場合、対応するUはXであり(ただし、iは、1〜4の添え字であり)、
Xは、それぞれの出現において独立に、−S−および−Se−より選択され、
1〜4は、それぞれ互いに独立に、H、ハロゲン、−CN、−NC、−NCO、−NCS、−OCN、−SCN、−C(=O)NR00、−C(=O)X、−C(=O)R、−NH、−NR00、−SH、−SR、−SOH、−SO、−OH、−NO、−CF、−SF、P−Sp−、置換されていてもよいシリル、または、1〜40個のC原子のカルビルまたはヒドロカルビル(該基は置換されていてもよく、1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよい)より選択される同一または異なる基であり、
Pは重合性基であり、
Spは、スペーサー基または単結合であり、
はハロゲンであり、
およびR00は、それぞれ互いに独立に、H、または1個以上のヘテロ原子を含んでいてもよく置換されていてもよいカルビルまたはヒドロカルビル基であり、
ArおよびArは、それぞれ互いに独立に、置換されていてもよいアリールまたはヘテロアリール基、−CY=CY−または−C≡C−であり、
およびYは、それぞれ互いに独立に、H、F、ClまたはCNであり、
m1およびm2は、それぞれ互いに独立に、0または1、2、3または4である。)
【請求項2】
式IIから選択されることを特徴とする請求項1に記載のポリマー。
【化2】

(式中、U1〜4、A1〜4、Ar1、2、m1およびm2は請求項1の意味を有し、nは1より大きい整数である。)
【請求項3】
式IIaから選択されることを特徴とする請求項2に記載のポリマー。
【化3】

(式中、U1〜4、A1〜4、Ar1、2、m1、m2およびnは請求項2の意味を有し、RおよびRは、それぞれ互いに独立に、Rの意味の1つを有するか、または、H、ハロゲン、−CHCl、−CHO、−CH=CH、−SiR’R”R”’、−SnR’R”R”’、−BR’R”、−B(OR’)(OR”)、−B(OH)またはP−Spを表し、ただし、PおよびSpは上で定義される通りであり、R’、R”およびR”’は、それぞれ互いに独立に、上で与えられるRの意味の1つを有し、また、R’およびR”は、それらが接続されているヘテロ原子と共に環を形成していてもよい。)
【請求項4】
以下のサブ式から成る群より選択されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリマー。
【化4】

【化5】

【化6】

(式中、R1〜4およびnは請求項1および2において定義される通りであり、Arは請求項1において与えられるArの意味の1つを有する。)
【請求項5】
以下の式から選択される請求項1〜4のいずれか一項に記載のポリマー。
【化7】

(式中、Rは請求項1において与えられる通りのRの意味の1つを有する。)
【請求項6】
式IIa1から選択される請求項1〜5のいずれか一項に記載のポリマー。
【化8】

(式中、RおよびRは請求項3において定義される通りであり、「chain」は、請求項4および5において定義される通りのサブ式II1〜II10およびII2aから成る群より選択されるポリマー鎖である。)
【請求項7】
1〜4は、それぞれ互いに独立に、直鎖状または分岐状のC〜C20−アルキル、C〜C20−アルコキシ、C〜C20−アルケニル、C〜C20−アルキニル、C〜C20−チオアルキル、C〜C20−シリル、C〜C20−エステル、C〜C20−アミノ、C〜C20−フルオロアルキルより選択されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項8】
ArおよびArは、それぞれ互いに独立に、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4,7−ジイル、2,1,3−ベンゾセレナジアゾール−4,7−ジイル、2,3−ジシアノ−1,4−フェニレン、2,5−ジシアノ−1,4−フェニレン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,3,5,6−テトラフルオロ−1,4−フェニレン、3,4−ジフルオロチオフェン−2,5−ジイル、チエノ[3,4−b]ピラジン−2,5−ジイル、キノキサリン−5,8−ジイル、セレノフェン−2,5−ジイル、チオフェン−2,5−ジイル、チエノ[3,2−b]チオフェン−2,5−ジイル、チエノ[2,3−b]チオフェン−2,5−ジイル、セレノフェノ[3,2−b]セレノフェン−2,5−ジイル、セレノフェノ[2,3−b]セレノフェン−2,5−ジイル、セレノフェノ[3,2−b]チオフェン−2,5−ジイル、セレノフェノ[2,3−b]チオフェン−2,5−ジイル、1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−2,5−ジイル、p−p’−ビフェニル、ナフタレン−2,6−ジイル、ベンゾ[1,2−b:4,5−b’]ジチオフェン−2,6−ジイル、2,2−ジチオフェン、2,2−ジセレノフェン、チアゾールおよびオキサゾールから成る群より選択され、該基の全ては無置換であるか、請求項1において定義される通りのRで一置換または多置換されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のポリマー。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の1種類以上のポリマーと、1種類以上のポリマー(好ましくは、半導体性、電荷輸送、ホール/電子輸送、ホール/電子ブロック、導電性、光導電性または発光特性を有するポリマーより選択される。)とを含むポリマーブレンド。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載の1種類以上のポリマーまたはポリマーブレンドと、1種類以上の溶媒(好ましくは、有機溶媒より選択される。)とを含む配合物。
【請求項11】
光学的、電気光学的、電子的、エレクトロルミネセントまたはフォトルミネセント部品または装置における、電荷輸送、半導体、導電性、光導電性または発光材料としての、請求項1〜10のいずれか一項に記載のポリマー、ポリマーブレンドおよび配合物の使用。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれか一項に記載の1種類以上のポリマー、ポリマーブレンドまたは配合物を含む光学的、電気光学的または電子的部品または装置。
【請求項13】
有機電界効果トランジスタ(OFET:organic field effect transistor)、薄膜トランジスタ(TFT:thin film transistor)、集積回路(IC:integrated circuit)、論理回路、キャパシタ、無線識別(RFID:radio frequency identification)タグ、装置または部品、有機発光ダイオード(OLED:organic light emitting diode)、有機発光トランジスタ(OLET:organic light emitting transistor)、フラットパネルディスプレイ、ディスプレイのバックライト、有機光起電装置(OPV:organic photovoltaic device)、ソーラーセル、レーザーダイオード、光導電体、光検出器、電子写真装置、電子写真記録装置、有機記憶装置、センサー装置、ポリマー発光ダイオード(PLED:polymer light emitting diode)における電荷注入層、電荷輸送層または中間層、ショットキーダイオード、平坦化層、帯電防止フィルム、ポリマー電解質膜(PEM:polymer electrolyte membrane)、導電性基板、導電性パターン、電池における電極材料、配向層、バイオセンサー、バイオチップ、セキュリティーマーク、セキュリティー装置、および、DNA配列を検出および区別するための部品または装置から成る群より選択されることを特徴とする請求項12に記載の部品または装置。
【請求項14】
バルクヘテロ接合OPV装置である請求項13に記載の部品または装置。
【請求項15】
式Iaの1種類以上のモノマーと、任意成分として、式R−Ar−Rおよび/またはR−Ar−Rの1種類以上のモノマーとを、アリール−アリールカップリング反応させることによる、請求項1〜8のいずれか一項に記載のポリマーを調製する方法。
【化9】

(式中、U1〜4、A1〜4、Ar1、2、m1およびm2は請求項1で与えられる意味を有し、RおよびRは、Cl、Br、I、O−トシラート、O−トリフラート、O−メシラート、O−ノナフラート、−SiMeF、−SiMeF、−O−SOZ、−B(OZ、−CZ=C(Z、−C≡CHおよび−Sn(Zから成る群より選択され、ただし、ZおよびZ1〜3はアルキルおよびアリールから成る群より選択され、それぞれ置換されていてもよく、また、2個の基Zは環式基を形成していてもい。)
【請求項16】
式Iaのモノマー。
【化10】

(式中、U1〜4、A1〜4、R7、8、Ar1、2、m1およびm2は、請求項15において定義される通りである。)

【公表番号】特表2012−500308(P2012−500308A)
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523322(P2011−523322)
【出願日】平成21年7月24日(2009.7.24)
【国際出願番号】PCT/EP2009/005374
【国際公開番号】WO2010/020329
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】