説明

インテグリン阻害剤として用いるシクロブテン基を有するフェニルアラニンエナミド誘導体

【課題】インテグリンのリガンドへの結合を阻害することができ、細胞の不適切な増殖又は遊走に関わる免疫又は炎症性疾患の予防及び治療に有用な化合物の提供。
【解決手段】式(1)で表される化合物であり、例えば、3−オキソシクロブト−1−エニルアミノ基を有するメチル(2S)−2−{(3−オキソスピロ[3,5]ノン−1−エン−1−イル)アミノ}−3−(2,6−ジメトキシ[1,1’−ビフェニル]−4−イル)プロパノエートである。


Notice: Undefined index: DEJ in /mnt/www/gzt_disp.php on line 298

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(1)の化合物、或いはその塩、溶媒和物又は水和物
【化1】


「式(1)中、
は、ArArAlk−の基
{式中、
Arは、任意に置換された、ピリジル、ピリミジニル、ナフチリジニル、キノリニル、又はイソキノリニルの基であり、その任意の置換基は、ハロゲン原子、並びにC1〜6アルキル、ハロC1〜6アルキル、−OR、−SR、−NR、−COH、COCH、−NO、−N(R)COR及び−CNの基から選択される1、2又は3の置換基であり、Rは、水素原子、或いはC1〜6アルキル又はC3〜8シクロアルキルの基であり、Rは、Rで定義した通りであり、
は、共有結合、或いは−O−、−NH−又は−CONH−であり、
Arは、任意に置換されたフェニレン基、又は以下の式に示す任意に置換されたピリジンジイル基
【化3】


[式中、a及びbは、それぞれL及びAlkの結合位置を表す]
であり、Arに存在することができる任意の置換基は、ハロゲン原子、並びにC1〜6アルキル、ハロC1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、ハロC1〜6アルコキシ、−CN、COCH、−NO、−NH、−NR及び−N(R)COCHの基から選択され、
Alkは、−CHCH(R)−鎖又は−CH(CHR)−鎖
[式中、Rは、カルボン酸(−COH)、或いはテトラゾール、ホスホン酸、ホスフィン酸、スルホン酸、スルフィン酸、ボロン酸、又はそれらのアシルスルホンアミドのバイオステール(biostere)、或いは−COAlk(式中、Alkは、C1〜8アルキル基、C3〜8シクロアルキル基、C3〜8ヘテロシクロアルキル基、1−メチルピロリジニル基、1−メチルピペリジニル基、2−オキソ−[1,3]ジオキソール−4−イル、C6〜10アリール基、C6〜10アリールC1〜6アルキル基、ヘテロC6〜10アリールC1〜6アルキル基、ヒドロキシC1〜6アルキル基、C3〜8ヘテロシクロアルキルC1〜6アルキル基、N−ジ−C1〜8アルキルアミノC1〜8アルキル基又はC1〜6アルキルオキシC1〜6アルキル基である)又は−CONRである]である}
であり;
Xは、N(R)−基{式中、Rは、水素原子又はC1〜6アルキル基である。}であり;
Vは、酸素(O)原子であり;
、R及びRは、同一でも異なっていてもよく、それぞれ、水素若しくはハロゲン原子、C1〜6アルキル基、又は
式L(Alkの基
{式中、
は、共有結合、又は−O−、−S−若しくは−Se−の原子、又は−S(O)−若しくは−N(R)−の基であり、
Alkは、C1〜6アルキレン鎖であり、
は、水素原子又はハロゲン原子、或いはOR3a[式中、R3aは、水素原子、或いは直鎖又は分枝鎖C1〜6アルキル基又はC3〜8シクロアルキル基である]、−SR3a、−CN、又は任意に置換されるC3〜10シクロ脂肪族基、任意に置換されるC3〜10ヘテロシクロ脂肪族基、又は任意に置換されるC6〜12芳香族基若しくはC1〜9ヘテロ芳香族基であり、
基Rによって表されるシクロ脂肪族基、又はヘテロシクロ脂肪族基に存在することのできる置換基には、それぞれ、ハロゲン原子、或いはC1〜6アルキル、ヒドロキシルで任意に置換されるハロメチル若しくはハロエチル、C1〜6アルコキシ、ハロC1〜6アルコキシ、チオール、C1〜6アルキルチオ、又は
−(Alk10基であり、
式中、Alkは直鎖又は分枝鎖C1〜3アルキレン鎖であり、gは0又は整数1であり、R10は−OH、−SH、−N(R11(式中、R11は、水素原子、或いはC1〜6アルキル基又はC3〜8シクロアルキル基である)、−CN、−CO11、−NO、−CON(R11、−CSN(R11、−COR11、−CSN(R11、−N(R11)COR11、−N(R11)CSR11、−SON(R11、−N(R11)SO11、−N(R11)CON(R11、−N(R11)CSN(R11)、N(R11)SON(R11、又はフェニル基であり、これらの置換基に2個のR11原子又は基が存在する場合、それらは同一でも異なっていてもよく、或いは結合して複素環を形成することができ、
基Rが1つ又は複数の窒素原子を含有するヘテロシクロ脂肪族基であるとき、それぞれの窒素原子は、基−(L(Alk12によって任意に置換することができ、式中、Lは−C(O)−、−C(O)O−、−C(S)−、−S(O)−、−CON(R)−、−CSN(R)−、又はSON(R)−であり、pは0又は整数1であり、Alkは直鎖又は分枝鎖のC1〜6アルキレンであり、qは0又は整数1であり、R12は水素原子、或いはC3〜10シクロ脂肪族基、C3〜10ヘテロシクロ脂肪族基、C6〜12芳香族基、又はC1〜9ヘテロ芳香族基であり、
基Rによって表される芳香族基又はヘテロ芳香族基に存在することのできる置換基には、1、2、3又は4の置換基であって、それぞれ、R13の原子若しくは基から選択され、このR13は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子、或いはC1〜6アルキル、フェニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリル、フリル、チアゾリル、チエニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、t−ブチルオキシカルボニルピペラジニル、ピロリジニル、ジオキソラニル、ジオキサニル、オキサゾリジニル、チアゾリジニル、イミダゾリジニル若しくはピペリジニル、C4〜7シクロアルキル、C5〜7シクロアルコキシ、ハロC1〜6アルキル、ハロC1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルアミノ、C6〜12アリールC1〜6アルキルアミノ、4−フルオロベンジルアミノ若しくは4−ヒドロキシフェニルエチルアミノ、アミノ(−NH)、アミノC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノ、アミノC1〜6アルキルアミノ、3−モルホリノプロピルアミノ、C1〜6アルキルアミノC1〜6アルキル、C1〜6ジアルキルアミノC1〜6アルキル、アミノC1〜6アルコキシ、C1〜6アルキルアミノC1〜6アルコキシ、C1〜6ジアルキルアミノC1〜6アルコキシ、ヒドロキシC1〜6アルキルアミノ、イミド、ニトロ、シアノ、アミジノ、ヒドロキシル(−OH)、ホルミル[HC(O)−]、カルボキシル(−COH)、−COAlk、C1〜6アルカノイル、ベンゾイル、チオール(−SH)、チオC1〜6アルキル、−SC(=NH)NH、スルホニル(−SOH)、−SOAlk、C1〜6アルキルスルフィニル、C1〜6アルキルスルホニル、アミノスルホニル(−SONH)、C1〜6アルキルアミノスルホニル、C1〜6ジアルキルアミノスルホニル、フェニルアミノスルホニル、カルボキサミド(−CONH)、C1〜6アルキルアミノカルボニル、C1〜6ジアルキルアミノカルボニル、アミノC1〜6アルキルアミノカルボニル、C1〜6アルキルアミノC1〜6アルキルアミノカルボニル、C1〜6ジアルキルアミノC1〜6アルキルアミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、C1〜6アルキルアミノカルボニルアミノ、C1〜6ジアルキルアミノカルボニルアミノ、C1〜6アルキルアミノカルボニルC1〜6アルキルアミノ、アミノチオカルボニルアミノ、C1〜6アルキルアミノチオカルボニルアミノ、C1〜6ジアルキルアミノチオカルボニルアミノ、C1〜6アルキルアミノチオカルボニルC1〜6アルキルアミノ、−CONHC(=NH)NH、C1〜6アルキルスルホニルアミノ、ハロC1〜6アルキルスルホニルアミノ、C1〜6ジアルキルスルホニルアミノ、フェニルスルホニルアミノ、アミノスルホニルアミノ(−NHSONH)、C1〜6アルキルアミノスルホニルアミノ、C1〜6ジアルキルアミノスルホニルアミノ、モルホリンスルホニルアミノ又はモルホリンスルホニルC1〜6アルキルアミノ、フェニルアミノスルホニルアミノ、C1〜6アルカノイルアミノ、アミノC1〜6アルカノイルアミノ、C1〜6ジアルキルアミノC1〜6アルカノイルアミノ、C1〜6アルカノイルアミノC1〜6アルキル、C1〜6アルカノイルアミノC1〜6アルキルアミノ、C1〜6アルコキシカルボニルアミノ、ベンジルオキシ、ピリジルメトキシ、チアゾリルメトキシ、ベンジルオキシカルボニルアミノ、ベンジルオキシカルボニルアミノC1〜6アルキル、チオベンジル、ピリジルメチルチオ、又はチアゾリルメチルチオの基を表し、
Alkは、直鎖又は分枝鎖のC1〜8アルキル基、C6〜12アリールC1〜8アルキル基、C6〜12アリール基、C6〜12アリールオキシC1〜8アルキル基、C1〜8アルカノイルオキシC1〜8アルキル基、又はC6〜12アリールオキシC1〜8アルキル基であり、
nは、0又は整数1であり、
vは整数1、2、又は3であり、
ただしnが0でありLが共有結合であるとき、vは整数1である}
である」。
【請求項2】
Rが、カルボン酸(−COH)基である請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Rが、式−COAlkのエステル化カルボキシル基である請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
が、水素原子である請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
Arが、1,4−フェニレンである、請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
Arが、2,7−ナフチリジニルである、請求項1に記載の化合物。
【請求項7】
が、ハロゲン原子である請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
が、臭素原子である請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
が、任意に置換されたC1〜8アルキル基である請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
が、基−L(Alk
「式中、Lは、−O−原子、−S−原子、又は−Se−原子、或いは−S(O)−基又は−N(R)−基である。」
である請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
が、基−L(Alk
「式中、Lは、共有結合である。」
である請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
nが、0である請求項12又は13に記載の化合物。
【請求項13】
nが、整数1であり、Alkが、任意に置換されたC1〜6アルキレン鎖である、請求項10又は11に記載の化合物。
【請求項14】
及びRが、それぞれ、任意に置換されたC1〜8アルキル基である請求項1に記載の化合物。
【請求項15】
(2S)−2−[(2−ブロモ−4,4−ジメチル−3−オキソ−1−シクロブテニル)アミノ]−3−{4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]フェニル}プロパン酸、
(2S)−2−{[4,4−ジメチル−2−(フェニルセレネニル)−3−オキソ−1−シクロブテニル]アミノ}−3−{4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]フェニル}プロパン酸、
(2S)−2−{[2−(フェニルスルファニル)−4,4−ジメチル−3−オキソ−1−シクロブテニル]アミノ}−3−{4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]フェニル}プロパン酸、
(2S)−2−[4,4−ジメチル−2−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イルスルファニル)−3−オキソ−シクロブト−1−エニルアミノ]−3−{4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]フェニル}プロパン酸、
(2S)−2−[(4,4−ジメチル−2−メチルスルファニル−3−オキソ−シクロブト−1−エニル)アミノ]−3−{4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]フェニル}プロパン酸、
(2S)−2−[(2−イソプロピルスルファニル−4,4−ジメチル−3−オキソ−シクロブト−1−エニル)アミノ]−3−{4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]フェニル}プロパン酸、
(2S)−2−[(2−イソプロピルスルファニル−4,4−ジメチル−3−オキソ−シクロブト−1−エニル)アミノ]−3−[4−([2,7]ナフチリジン−1−イルアミノ)フェニル]プロパン酸、
(2S)−2−[(4,4−ジメチル−3−オキソ−2−ペンタフルオロフェニルスルファニル−シクロブト−1−エニル)アミノ]−3−{4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]フェニル}プロパン酸、
(2S)−2−[(4,4−ジメチル−3−オキソ−2−ピラジン−2−イル−シクロブト−1−エニル)アミノ]−3−{4[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]フェニル}プロパン酸、
(2S)−3−{4−[(3,5−ジクロロ−1−オキシ−ピリジン−4−カルボニル)−アミノ]−フェニル}−2−(2−メタンスルフィニル−4,4−ジメチル−3−オキソ−シクロブト−1−エニルアミノ)プロパン酸、又は
(2S)−2−(2−ブロモ−4,4−ジメチル−3−オキソ−シクロブト−1−エニルアミノ)−3−[4−(3−メチル−[2,7]ナフチリジン−1−イルオキシ)フェニル]プロパン酸
である化合物、或いはこれら化合物の塩、溶媒和物又は水和物。
【請求項16】
(2S)−2−{[2−(フェニルスルファニル)−4,4−ジメチル−3−オキソ−1−シクロブテニル]−アミノ}−3−{4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]フェニル}プロパン酸、
(2S)−2−[(4,4−ジメチル−2−メチルスルファニル−3−オキソ−シクロブト−1−エニル)アミノ]−3−{4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]フェニル}プロパン酸、
(2S)−2−[(2−イソプロピルスルファニル−4,4−ジメチル−3−オキソ−シクロブト−1−エニル)アミノ]−3−{4−[(3,5−ジクロロイソニコチノイル)アミノ]フェニル}プロパン酸、又は
(2S)−2−[(2−イソプロピルスルファニル−4,4−ジメチル−3−オキソ−シクロブト−1−エニル)アミノ]−3−[4−([2,7]ナフチリジン−1−イルアミノ)フェニル]プロパン酸、
である化合物、或いはこれら化合物の塩、溶媒和物又は水和物。
【請求項17】
請求項1〜15の何れか1項に記載の化合物を含む薬剤組成物。
【請求項18】
請求項1〜15の何れか1項に記載の化合物を含む、慢性関節リウマチ、多発性硬化症、喘息、又は炎症性腸疾患を治療及び/又は予防するための医薬組成物。
【請求項19】
慢性関節リウマチ、多発性硬化症、喘息、又は炎症性腸疾患を治療及び/又は予防するための医薬を製造するための、請求項1〜16の何れか1項に記載の化合物の使用。

【公開番号】特開2009−57371(P2009−57371A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−188089(P2008−188089)
【出願日】平成20年7月22日(2008.7.22)
【分割の表示】特願2002−567907(P2002−567907)の分割
【原出願日】平成14年1月18日(2002.1.18)
【出願人】(501460693)セルテック アール アンド ディ リミテッド (29)
【Fターム(参考)】