説明

インテリアコーディネートシミュレーションキット

【課題】造作材も含めた施主が選択できる室内の建築要素を全て、壁面に配置することができ、2つの壁面を有する空間も簡単に構成できるインテリアコーディネートシミュレーションキットKを確立する。
【解決手段】板状の基部2、及びこの基部2の一側に基部2と直交するように連続する板状の縦部3からなり、基部2において自立可能なL字型の室内面構成基板1と、建築構成要素を表す複数種類の建築構成要素サンプルとしてのドア枠サンプル10、ドア面材サンプル12、幅木サンプル13及び床材サンプル17とを備えてなり、この複数種類の建築構成要素サンプル10,12,13,17のうちドア枠サンプル10、ドア面材サンプル12及び幅木サンプル13は、上記基板1の内側面に裏面で磁石20により着脱可能に固定されるものとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インテリアを模擬的にコーディネートするためのシミュレーションキットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
インテリアのコーディネートを検討する際に、展示会場やショールーム等で部屋に見立てた空間を設けて、その空間に実際の製品を施工することでコーディネートのイメージを確認する方法がある。しかし、この方法では、スペース、コスト、時間、手間等がかかる上、複数の色柄の組み合わせを同時に検討することは困難である。
【0003】
一方、近年では、CG画像(コンピュータグラフィックス画像)を用いることが知られており、この方法では、パソコン画面上で簡単に自分の思い通りのシミュレーションを行うことができる。しかし、あくまでも平面的なイメージしか得られず、微妙な色合いや素材感からなる質感までは再現できないという問題がある。
【0004】
そこで、従来、これら両者のメリット及びデメリットを勘案したものとして、ミニチュア模型を用いたものが提案されている。例えば特許文献1には、前部を開放し後部に壁面を配置した室内模型を構成し、床面に該当する床パターンを複数枚取換可能に用意し、壁面にはドアパターンを複数枚取換可能に用意したインテリアコーディネート体験装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−91320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、この特許文献1のものでは、部屋自体は床とドアだけによる概略のイメージが決まるだけであり、むしろ家具とのコーディネートが主体となっており、部屋全体に関してのコーディネートを検討することに難がある。
【0007】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、造作材も含めた施主が選択できる室内の建築要素を全て壁面に配置することができ、2つの壁面を有する空間も簡単に構成できるインテリアコーディネートシミュレーションキットを確立することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するために、この発明では、L字型の基板を利用してその内側空間を室内空間と模し、その基板の内側面に、建築構成要素を表す建築構成要素サンプルを着脱可能に固定できるようにした。
【0009】
具体的には、請求項1の発明に係るインテリアコーディネートシミュレーションキットは、板状の基部、及びこの基部の一側に基部と直交するように連続する板状の縦部からなっていて、該基部及び縦部間の内側空間が室内空間を表し、基部において自立可能なL字型の室内面構成基板と、建築構成要素を表す複数種類の建築構成要素サンプルとを備えている。そして、この複数種類の建築構成要素サンプルの少なくとも一部は、上記基板の内側面に裏面で着脱可能に固定されるものとする。
【0010】
この請求項1の発明では、インテリアコーディネートシミュレーションキットを用いてインテリアをコーディネートする場合、L字型の基板の基部及び縦部の各内側面にそれぞれ建築構成要素サンプルを配置することで、基部及び縦部間の内側空間が例えば縮小された室内空間として表される。そして、建築構成要素サンプルは基板の基部及び縦部の各内側面に着脱可能であるので、その建築構成要素サンプルを他の異なる色柄や材質のものに取り換え、各サンプル同士間又はその基板との組み合わせを交換することによってインテリアコーディネートのイメージを容易に確認することができる。すなわち、簡単なキットでインテリアコーディネートシミュレーションが可能となる。
【0011】
また、基板を複数枚使用し、それらを基部同士が重なりかつ縦部同士が直角に交差するように配置することで、室内の複数の面を簡単に表現することができる。また、基部を上側になるように配置すれば、室内空間の天井面と壁面との間のインテリアコーディネートもシミュレーションすることができる。
【0012】
そして、キットを使用しないときには、複数の基板がある場合にそれらを同じ向きにして重ねることにより、容易にかつ小さくして省スペース空間に片付けることができる。
【0013】
請求項2の発明では、上記基板が磁性体からなる一方、上記基板の内側面に裏面で着脱可能に固定される建築構成要素サンプルには、上記磁性体に磁力で吸着する磁石が設けられていることを特徴とする。
【0014】
この請求項2の発明では、基板の内側面に裏面で着脱可能に固定される建築構成要素サンプルに設けられている磁石を、磁性体からなる基板に磁力で吸着させることで、建築構成要素サンプルを容易に基板内側面に吸着させて固定することができる。また、その建築構成要素サンプルを基板内側面から取り外して交換することも容易となる。
【0015】
請求項3の発明では、上記基板の基部上面に建築構成要素サンプルとしての床材サンプルが載置される一方、上記縦部の内側面に少なくともドア、造作材、壁材、壁厚収納を含む建築構成要素サンプルが着脱可能に固定されることを特徴とする。
【0016】
この請求項3の発明では、基板の基部上面が床面となって床材サンプルが載置され、縦部の内側面が壁面となってドア、造作材、壁材、壁厚収納を含む建築構成要素サンプルが着脱可能に固定される。このことで、部屋の室内空間における床面の床材と、壁面のドア、造作材、壁材、壁厚収納を含む建築構成要素との間のインテリアコーディネートを容易にシミュレーションすることができる。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、請求項1の発明によると、インテリアコーディネートシミュレーションキットとして、板状の基部及び縦部間の内側空間が室内空間を表すL字型の室内面構成基板と、建築構成要素を表す複数種類の建築構成要素サンプルとを備え、この複数種類の建築構成要素サンプルの少なくとも一部が基板の内側面に裏面で着脱可能に固定されるようにしたことにより、建築構成要素サンプルを他の異なる色柄や材質のものに取り換えることによってインテリアコーディネートのイメージを容易に確認して、簡単なキットでインテリアコーディネートシミュレーションを行うことができる。また、複数枚の基板を使用して室内の複数の面を簡単に表現することができるとともに、基部を上側になるように配置して、室内空間の天井面と壁面との間のインテリアコーディネートもシミュレーションすることができる。
【0018】
請求項2の発明によると、基板を磁性体からなす一方、基板の内側面に裏面で着脱可能に固定される建築構成要素サンプルに磁石を設けたことにより、建築構成要素サンプルを容易に基板内側面に吸着させて固定することができ、その建築構成要素サンプルを基板内側面から容易に取り外して交換することもできる。
【0019】
請求項3の発明によると、基板の基部上面に床材サンプルを載置し、縦部の内側面にドア、造作材、壁材、壁厚収納を含む建築構成要素サンプルを着脱可能に固定するようにしたことにより、部屋の室内空間における床面の床材と、壁面のドア、造作材、壁材、壁厚収納を含む建築構成要素との間のインテリアコーディネートを容易にシミュレーションすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1はインテリアコーディネートシミュレーションキットの使用状態を示す斜視図である。
【図2】図2はインテリアコーディネートシミュレーションキットの使用状態を示す正面図である。
【図3】図3はインテリアコーディネートシミュレーションキットの使用状態を示す側面図である。
【図4】図4(a)はドア枠サンプルを裏面側から見た正面図、図4(b)はドア面材サンプルを裏面側から見た正面図、図4(c)は幅木サンプルの拡大断面図である。
【図5】図5は床材サンプルの拡大平面図である。
【図6】図6は、各サンプルを基板に固定する状態を示す斜視図である。
【図7】図7は、2つの基板を用いて室内の2つの壁面を再現するときの状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0022】
図1〜図3は本発明の実施形態に係るインテリアコーディネートシミュレーションキットK(以下、単にキットともいう)を示し、このキットKは室内面構成基板1と複数種類の建築構成要素サンプル10,12,13,17とを備えている。
【0023】
(室内面構成基板)
上記室内面構成基板1は、所定厚さ(例えば2mm)の矩形状の鉄板を長さ方向の中間部で直角にL字状に折り曲げた持ち運び可能なL字型のものであり、例えば幅が303mで奥行きが255mmの板状の基部2と、この基部2の奥行き側の一側に基部2と直交するように連続し、例えば幅が303mで高さが357mmの板状の縦部3とからなる。
【0024】
この基板1において基部2と縦部3との間の内側空間4は、縮小された室内空間を表すものとし、その基部2は床面(基板1の自立状態)又は天井面(基板1の倒立状態)となり、縦部3の内側面は室内の壁面となる。その壁面(縦部3の内側面)には所定の色柄や質感の壁紙5が接着剤によって貼られており、この壁紙5は標準的な色柄等のものが標準品として複数種類用意されている。尚、この壁紙5は、後述するドア枠サンプル10及びドア面材サンプル12を固定する部位が刳り抜かれたものを用いてもよい。また、標準品以外のオプション的な壁紙として、磁石や粘着シート等によって基板1の縦部3に着脱可能にしたものも用いられ、この標準品以外の壁紙は必要に応じてその都度付け外しする。
【0025】
そして、基板1は基部2において該基板1裏面(外側面)が載置面に当接した状態で自立可能となっている。
【0026】
(建築構成要素サンプル)
一方、上記複数種類の建築構成要素サンプルは、実際の建築構成要素のミニチュアを表すものである。すなわち、この実施形態では、建築構成要素サンプルとして、左右のドア縦枠部10a,10aの上端部間にドア上枠部10bを掛け渡してなり実際のドア枠を表すドア枠サンプル10と、そのドア枠サンプル10内に配置され、実際のドア面材を表すドア面材サンプル12と、上記ドア枠の下端両側に配置される造作材であり実際の幅木を表す左右の幅木サンプル13,13と、実際の床材を表す床材サンプル17とが例として設けられている。上記ドア面材サンプル12には、その幅方向の一側(図示例では左側)にドアハンドルを示すハンドルサンプル12aが、また幅方向の他側(図示例では右側)に上下2つの蝶番を示す蝶番サンプル12b,12bがそれぞれ取付固定されている。これらの各サンプル10,12,13,17(建築構成要素サンプル)は、実際の建築構成要素の例えば1/7のスケールの寸法のものとされており、実際の建築構成要素と同じ色柄及び素材感を有するものとされている。
【0027】
例えば、ドア枠サンプル10は、4mm×4mmの断面矩形状の樹脂材の表面全体に実際のドア枠の表面材に用いられるシート材が巻き付けられたものであり、その色柄及び素材感は実際のドア枠と同じとされている。また、ドア面材サンプル12は、厚さ3mmのMDFの表面に実際のドア面材の表面材に用いられるシート材が貼り付けられたものであり、その色柄及び素材感は実際のドア面材と同じとされている。さらに、幅木サンプル13は、図4(c)に示すように、厚さ2mmで幅8mmの断面矩形状の樹脂材14の表裏面にそれぞれ後述する厚さ1mmで幅8mmのシート状磁石20,20を積層一体化し、その積層体の表面全体に実際の幅木の表面材に用いられるシート材15が巻き付けられたものであり、その色柄及び素材感は実際の幅木と同じとされている。尚、上記各実際のシート材に代え、外観がシート材と同等となるように印刷を施したシート材を用いてもよい。
【0028】
また、床材サンプル17は、図5に示すように、厚さ12mmで幅及び長さが共に基板1における基部2の幅と同じ303mmの尺角サンプルであり、実際の化粧床材のカットサンプルが用いられる。17aは床材表面の溝部である。これによって床材サンプル17は、別途専用のサンプルを作ることなく製品をカットするだけで簡単に作ることができる。
【0029】
上記ドア面材サンプル12のハンドルサンプル12aは、例えば厚紙に実際のドアハンドルの色柄及び素材に近い印刷を施したものが用いられている。また、蝶番サンプル12bは、ほぼ縮尺寸法に合った市販品が用いられている。
【0030】
尚、建築構成要素サンプルとしては、上記の他に、造作材としての回り縁、見切、額縁、窓枠等の各サンプル、壁材や壁厚収納等のサンプルを加えてもよい。
【0031】
上記複数種類の建築構成要素サンプル10,12,13,17のうち、ドア枠サンプル10、ドア面材サンプル12及び各幅木サンプル13は、各々の裏面にて上記基板1の縦部3の内側面に着脱可能に固定されるようになっている。一方、床材サンプル17は、基板1の基部2の内側面(上面)に裏面にて当接して載置される。
【0032】
上記裏面にて基板1の縦部3内側面に着脱可能に固定されるサンプル10,12,13には、その裏面又は内部に、上記基板1の材料である鉄板(磁性体)に磁力で吸着する永久磁石からなるシート状磁石20が設けられている。
【0033】
具体的には、図4(a)に示すように、上記ドア枠サンプル10の裏面には、その上端部、上下中間部及び下端部においてドア縦枠部10a,10a間に亘り3枚のシート状磁石20,20,…が掛け渡されて接着により一体的に取付固定されている。この各シート状磁石20は、樹脂に磁石材料を混入して磁化した例えば厚さ1mmのシート状のものであり、若干の可撓性を有する。そして、この3枚のシート状磁石20,20,…によりドア枠サンプル10を基板1の縦部3内側面に着脱可能に固定するようにしている。
【0034】
また、図4(b)に示すように、上記ドア面材サンプル12は、その裏面の上下部において2枚のシート状磁石20,20が一体的に接着されて固定されており、これらのシート状磁石20,20によりドア面材サンプル12を基板1の縦部3内側面に着脱可能に固定するようにしている。尚、このドア面材サンプル12における2枚のシート状磁石20,20の位置は、ドア枠サンプル10の3枚のシート状磁石20,20,…の間に設定されており、ドア枠サンプル10内にドア面材サンプル12を配置した状態で両者を基板1の縦部3内側面に固定したときに、ドア面材サンプル12の磁石20,20がドア枠サンプル10の磁石20,20,…と重ならず、いずれも直接に基板1に当接して吸着されるようになっている。
【0035】
さらに、幅木サンプル13は、上記の構造により内部表裏側の磁石20,20により表裏面のいずれでも基板1の縦部3内側面に着脱可能に固定されるようになっている。
【0036】
そして、インテリアコーディネートをシミュレーションする際には、キットKの基板1における基部2上面を床面として、その上に建築構成要素サンプルとしての床材サンプル17が載置される一方、縦部3の内側面にドア枠サンプル10、ドア面材サンプル12、幅木サンプル13(建築構成要素サンプル)が各々の下端を床材サンプル17の上面に当接させた状態で着脱可能に固定されるようにしている。
【0037】
この実施形態におけるキットKの基板1は、壁紙5について色柄及び素材の異なる複数種類の標準品が接着されたもの(一般的なもの)が用意されており、オプションの色柄等については着脱可能としたシートが用いられる。また、ドア枠サンプル10、ドア面材サンプル12、幅木サンプル13及び床材サンプル17についても色柄及び素材の異なる複数種類のものが用意されている。
【0038】
尚、必要に応じて収納家具、机、椅子等のミニチュアサンプルを用意し、それらを床材サンプル17上に配置することもできる。
【0039】
この実施形態において、キットKを使用してインテリアコーディネートをシミュレーションする場合について説明する。壁紙5の色柄及び素材が異なる複数種類の基板1,1,…の中から、所定の色柄及び素材の壁紙5を有する基板1が選択される。また、ドア枠サンプル10、ドア面材サンプル12、幅木サンプル13及び床材サンプル17においても、色柄及び素材の異なる複数種類の中から所定の色柄及び素材を有するドア枠サンプル10、ドア面材サンプル12、幅木サンプル13及び床材サンプル17が選択される。そして、その選択された基板1、ドア枠サンプル10、ドア面材サンプル12、幅木サンプル13及び床材サンプル17を組み合わせ、図6に示すように、基板1の基部2内側面(上面)に床材サンプル17を載置するとともに、基板1の縦部3の内側面にドア枠サンプル10、ドア面材サンプル12、幅木サンプル13を各々の下端が床材サンプル17の上面に当接した状態で固定する。この状態で、キットKにより室内空間が再現されるので、その壁紙、ドア枠、ドア面材、幅木、床材についてのカラーコーディネートや質感等の検討を行えばよい。
【0040】
その際、ドア枠サンプル10及びドア面材サンプル12の各裏面側にはシート状磁石20が取付固定され、幅木サンプル13の内部にもシート状磁石20が収容されているので、そのシート磁石20を磁力によって基板1に吸着させることで、各サンプル10,12,13を基板1にワンタッチで固定することができる。また、これらの各サンプル10,12,13は磁石20により基板1に吸着保持されるので、基板1を持ち上げたり移動させたりしてもサンプル10,12,13が位置ずれすることはなく、安定してカラーコーディネート等を検討することができる。
【0041】
また、カラーコーディネート等に問題があって、他の色柄や質感に変えるときには、ドア枠、ドア面材、幅木、床材については、それらサンプル10,12,13,17の一部又は全部を基板1から取り外し、他の色柄及び素材を有するドア枠サンプル10、ドア面材サンプル12、幅木サンプル13又は床材サンプル17を選択して、それを基板1に固定する。また、壁紙5については、ドア枠、ドア面材、幅木、床材の各サンプル10,12,13,17を全て取り外した後、基板1自体を他のものに交換し、それに元のドア枠、ドア面材、幅木、床材の各サンプルサンプル10,12,13,17を固定すればよい。
【0042】
その際、各サンプル10,12,13,17を容易に基板1から取り外して交換することができる。
【0043】
したがって、この実施形態においては、インテリアを模擬的にコーディネートする場合、L字型の基板1の基部2及び縦部3の各内側面にそれぞれ建築構成要素としての各サンプル10,12,13,17を配置し、それらサンプル10,12,13,17は基板1の基部2及び縦部3の各内側面に着脱可能であるので、そのサンプル10,12,13,17を他の異なる色柄や材質のものに取り換え、それらの組み合わせを交換することによってインテリアコーディネートのイメージを容易に確認することができ、部屋の室内空間における床面の床材と、壁面のドア、造作材、壁材、壁厚収納を含む建築構成要素との間のインテリアコーディネートを簡単なキットKで容易にシミュレーションすることができる。
【0044】
そして、キットKを使用しないときには、複数の基板1,1,…を同じ向きにして重ねることにより容易にかつ小さくして省スペース空間に片付けることができる。
【0045】
以上の説明では、キットKを用いて、1面の壁面を有する室内空間を表すインテリアコーディネートシミュレーションについて行っている。これに対し、図7に示すように、2つの基板1,1を各々の基部2,2が上下に重なり、かつ縦部3,3が各々の一側部で互いに接した状態で直交するように配置して組み合わせれば、2面の壁面を有する空間を再現することができる。この空間の床面、つまり2つの基板1,1の重なった基部2,2上に床材サンプル17を載置し、各基板1の縦部3内側面にサンプルを吸着して固定すればよい。図示例では、一方の基板1の縦部3に、図1〜図3に示すものと同様にドア枠サンプル10、ドア面材サンプル12及び幅木サンプル13を固定し、他方の基板1の縦部3に、実際のクロークを表すドア枠サンプル10′、実際のクロークドアを表すドア面材サンプル12′及び幅木サンプル13,13を固定している。これらドア枠サンプル10′、ドア面材サンプル12′及び幅木サンプル13は、図示しないが、上記ドア枠サンプル10、ドア面材サンプル12及び幅木サンプル13と同様の構造により、裏面にて基板1の縦部3にシート状磁石20により吸着されて固定されるようになっている。
【0046】
こうすれば、2つの壁面の一方はドアを、また他方はクロークや収納等をそれぞれ配設して複数の建築構成要素を同時に検討することができる。
【0047】
また、上記キットKでは、基部2を下側にしてその上に床材サンプル17を配置しているが、基部2を上側にして倒立状態に配置し、その基部2内側面(下面)に実際の天井材を表す天井材サンプル(図示せず)を、その裏面(上面)に固定した磁石によって吸着保持するようにすれば、天井材を含むインテリアコーディネートをも容易にシミュレーションすることができる。この場合、基板1は自立しないので、傾倒不能に支持しておく必要がある。また、2枚の基板1,1を各々の縦部3,3同士が重なり、かつ各々の基部2,2が上下に対向するように配置して組み合わせれば、床面、壁面及び天井面を有する室内空間を再現することができる。
【0048】
尚、上記実施形態では、建築構成要素サンプルに磁石20を設けて、その磁力により建築構成要素サンプルを基板1に吸着させるようにしているが、その他の吸着固定手段、例えば粘着シート等を用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、インテリアコーディネートのイメージを容易に確認して、簡単なキットでインテリアコーディネートシミュレーションを行うことができるので、極めて有用であり、産業上の利用可能性が高い。
【符号の説明】
【0050】
K インテリアコーディネートシミュレーションキット
1 基板
2 基部
3 縦部
4 内側空間
5 壁紙
10,10′ ドア枠サンプル(建築構成要素サンプル)
12,12′ ドア面材サンプル(建築構成要素サンプル)
13 幅木サンプル(建築構成要素サンプル)
17 床材サンプル(建築構成要素サンプル)
20 シート状磁石

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の基部と、該基部の一側に基部と直交するように連続する板状の縦部とからなっていて、該基部及び縦部間の内側空間が室内空間を表し、基部において自立可能なL字型の室内面構成基板と、
建築構成要素を表す複数種類の建築構成要素サンプルとを備えてなり、
上記複数種類の建築構成要素サンプルの少なくとも一部は、上記基板の内側面に裏面で着脱可能に固定されるものであることを特徴とするインテリアコーディネートシミュレーションキット。
【請求項2】
請求項1において、
基板が磁性体からなる一方、
基板の内側面に裏面で着脱可能に固定される建築構成要素サンプルには、上記磁性体に磁力で吸着する磁石が設けられていることを特徴とするインテリアコーディネートシミュレーションキット。
【請求項3】
請求項1又は2において、
基板の基部上面に建築構成要素サンプルとしての床材サンプルが載置される一方、
縦部の内側面に少なくともドア、造作材、壁材、壁厚収納を含む建築構成要素サンプルが着脱可能に固定されることを特徴とするインテリアコーディネートシミュレーションキット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−103429(P2012−103429A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−251060(P2010−251060)
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【出願人】(000204985)大建工業株式会社 (419)
【Fターム(参考)】