説明

インテークマニホールドの締結構造

【課題】カラーを併用する締結構造であっても、バルブ本体を確実に圧締保持することができる構造を提供する。
【解決手段】インテークマニホールド2をバルブ3とともにフランジ部2a側から挿入されるボルト8にてシリンダヘッド1側の取付面1aに共締め固定する構造である。バルブ3は樹脂製のハウジング6に内挿したバルブ本体5が取付面1aに着座するようにハウジング6で圧締保持される。ハウジング6の取付穴9に金属製のカラー7を挿入するととに、取付穴9の開口部周縁には凸状座部10を予め形成するる。凸状座部10がカラー7の端面と面一状態となるまでボルト8を締め込むことにより、フランジ部2aがハウジング6およびバルブ本体5とともに共締め固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は内燃機関におけるインテークマニホールドの締結構造に関し、特にインテークマニホールドを当該インテークマニホールドのポートを開閉するためのバルブとともにインテークマニホールドのフランジ部側から挿入されるボルトにてシリンダヘッド側の取付面に共締め固定するようにした構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図4に示すように、内燃機関のシリンダヘッド1にインテークマニホールド2をボルト締めにて締結するにあたり、シリンダヘッド1側の取付面1aとインテークマニホールド2側のフランジ部2aとの間にスワールコントロールバルブのほか、タンブルコントロールバルブと称されるバルブ3が介装されることがある。
【0003】
なお、タンブルコントロールバルブ3は図示外のタンブルコントロールモータにより後述する弁体4を開閉し、特に低回転域から中速回転域において弁体4を閉じることにより燃焼室内に強いタンブル流(縦旋回流)を発生させて、特にEGRを導入したときでも安定した燃焼が得られるようにするためのものである。
【0004】
例えば上記タンブルコントロールバルブ3は、図5に示すように弁体4を有するバルブ本体5を樹脂製のハウジング6に内挿したものであり、ハウジング6の厚み寸法Hよりもその長さCをわずかに大きく設定した金属製のカラー7にインテークマニホールド2のフランジ部2a側からボルト8を挿入して締め込むことにより、フランジ部2aとともにハウジング6を共締めし、同時に取付面1aとハウジング6とでバルブ本体5のフランジ部5aを圧締保持してそのバルブ本体5を取付面1aに着座させるようにしてある。なお、このようなカラー7を用いた締結構造は特許文献1,2に記載されている。
【特許文献1】特開平8−100705号公報
【特許文献2】特開2002−276489号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このような従来の構造では、カラー7がボルト締結力を直接受けることになるので、そのボルト締結力を受けて撓みを生じたカラー7とハウジング6とが共に同じ高さ(長さ)寸法(H=C)になるのが理想的であるにもかかわらず、寸法ばらつき等の影響で両者が同じ寸法にならずにカラー7の長さ寸法Cがなおも大きい場合がある。このような場合には、シリンダヘッド1側の取付面1aとハウジング6との間に隙間Gが生じ、その結果としてバルブ本体5を確実に圧締保持することが困難となり、タンブルコントロールバルブ3本来の機能を十分に発揮できなくなるおそれがある。
【0006】
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、上記のようなカラーを併用する締結構造であっても、バルブ本体を確実に圧締保持することができるようにした構造を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、インテークマニホールドを当該インテークマニホールドのポートを開閉するためのバルブとともにインテークマニホールドのフランジ部側から挿入されるボルトにてシリンダヘッド側の取付面に共締め固定するようにした構造であって、上記バルブは樹脂製のハウジングに内挿したバルブ本体が取付面に着座するようにハウジングで圧締保持されるようになっている一方、上記ハウジングの取付穴にはボルト穴を有する金属製のカラーが挿入されているととに、取付穴のうちフランジ部または取付面と接触する側の開口部周縁にはカラーの端面よりも突出する凸状座部が予め形成されていて、この凸状座部がカラーの端面と面一状態となるまでボルトを締め込むことにより、インテークマニホールドのフランジ部がバルブを形成しているハウジングおよびバルブ本体とともに共締め固定されていることを特徴とする。
【0008】
この場合、上記凸状座部はカラー側のボルト穴の開口部の周囲に環状に形成されていることが望ましい。
【0009】
したがって、本発明では、ボルト締結力をもって凸状座部を押し潰すことで、そのボルト締結後においてカラーの高さ寸法とハウジングの高さ寸法を同じにすることができる。それによって、ハウジングはシリンダヘッド側の取付面とインテークマニホールドのフランジ部との間に圧締保持され、同時にバルブ本体もまたシリンダヘッド側の取付面とハウジングとで堅固に圧締保持されることになる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、ボルト締結力をもって凸状座部を押し潰すことでカラーの高さとハウジングの高さを同じにすることができるため、シリンダヘッド側の取付面とハウジングとの間に隙間が生じることがなく、バルブ本体を確実に圧締保持することができるとともに、その信頼性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1〜3は本発明のより具体的な実施の形態を示す図であり、図1はインテークマニホールド2をシリンダヘッド1側の取付面1aに締結する前の状態を、図2は図1の要部拡大図を、図3はインテークマニホールド2をシリンダヘッド1側の取付面1aにボルト8にて締結した後の状態をそれぞれ示している。なお、これらの図1〜3において図5と共通する部分には同一符号を付してある。
【0012】
この実施の形態においては、樹脂製のハウジング6の取付穴9に、ボルト穴7aを有する金属製のカラー7を挿入してある点で従来と同様であるが、カラー7の長さCをハウジング6の一般部の厚みHよりもわずかに大きく設定してあるとともに、カラー7が挿入されたハウジング6側の取付穴9のうちインテークマニホールド2のフランジ部2aと対向する側の開口部の周縁部に一段高くなるように環状の凸状座部10を形成してある。そして、図2に示すようにその凸状座部10の高さmはカラー7の端面よりもわずかに大きく突出するように設定してある。すなわち、ハウジング6の一般部の厚み寸法Hとカラー7の長さCおよびハウジング6の凸状座部10を含む厚み寸法W+mとの関係はH<C<W+mの関係となっている。
【0013】
したがってこのような締結構造では、図1に示すようにバルブ本体5が挿入されたハウジング6をそのバルブ本体5とともにシリンダヘッド1側の取付面1aに着座させるとともに、ハウジング6の反対側の面にインテークマニホールド2のフランジ部2aを対向させた上で、図3に示すようにフランジ部2a側のボルト穴11およびハウジング6に予め挿入されているカラー7のボルト穴7aにボルト8を挿入して、これをシリンダヘッド1側のねじ穴12に対して締め込むことで締結する。
【0014】
この場合、図3に示すようにボルト締結力を受けた凸状座部10が押し潰されてその凸状座部10がカラー7の端面と面一状態となるまでボルト8を締め込むものとし、これよってハウジング6がカラー7とともにシリンダヘッド1側の取付面1aとインテークマニホールド2のフランジ部2aとの間に堅固に圧締保持される。そのため、従来のように取付面1aとハウジング6との間に隙間が発生する余地はなく、同時に、バルブ本体5のフランジ部5aが上記取付面1aとハウジング6側のショルダー部6aとによって堅固に圧締保持される。
【0015】
このように本実施の形態によれば、環状の凸状座部10を押し潰してカラー7と面一状態とすることで樹脂製のハウジング6を圧締保持し、もってバルブ本体5のフランジ部5aをシリンダヘッド1側の取付面1aとショルダー部6aとで圧締保持してそのバルブ本体5を取付面1aに着座させるようにしているので、バルブ本体5の保持に緩みが発生することがなく、その圧締保持状態を安定して且つ長期にわたって維持できるようになる。その結果としてバルブ本体5の保持の信頼性が高くなる。
【0016】
ここで、上記実施の形態では環状の凸状座部10をインテークマニホールド2のフランジ部2aと接触する部位に設けているが、反対側、すなわちシリンダヘッド1の取付面1aと接触する部位に設けても同等の効果が得られる。また、凸状座部10も必ずしも環状のものである必要はなく、例えば取付穴9の開口部の周囲の同心円上に独立した複数の凸状座部が等ピッチで形成されていても良い。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るインテークマニホールドの締結構造の実施の形態として、ボルト締結前の状態を示す要部断面説明図。
【図2】図1の要部の拡大斜視図。
【図3】図1の状態からボルト締結した状態を示す要部断面説明図。
【図4】シリンダヘッドに対するインテークマニホールドの締結状態を示す概略説明図。
【図5】従来の締結構造の一例を示す図で、図4の要部の断面説明図。
【符号の説明】
【0018】
1…シリンダヘッド
1a…取付面
2…インテークマニホールド
2a…フランジ部
3…タンブルコントロールバルブ
5…バルブ本体
5a…フランジ部
6…ハウジング
7…カラー
7a…ボルト穴
8…ボルト
9…取付穴
10…凸状座部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インテークマニホールドを当該インテークマニホールドのポートを開閉するためのバルブとともにインテークマニホールドのフランジ部側から挿入されるボルトにてシリンダヘッド側の取付面に共締め固定するようにした構造であって、
上記バルブは樹脂製のハウジングに内挿したバルブ本体が取付面に着座するようにハウジングで圧締保持されるようになっている一方、
上記ハウジングの取付穴にはボルト穴を有する金属製のカラーが挿入されているととに、取付穴のうちフランジ部または取付面と接触する側の開口部周縁にはカラーの端面よりも突出する凸状座部が予め形成されていて、
この凸状座部がカラーの端面と面一状態となるまでボルトを締め込むことにより、インテークマニホールドのフランジ部がバルブを形成しているハウジングおよびバルブ本体とともに共締め固定されていることを特徴とするインテークマニホールドの締結構造。
【請求項2】
上記凸状座部はカラー側のボルト穴の開口部の周囲に環状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のインテークマニホールドの締結構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−232039(P2008−232039A)
【公開日】平成20年10月2日(2008.10.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−73840(P2007−73840)
【出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(000151209)株式会社マーレ フィルターシステムズ (159)