説明

インデノ縮合フォトクロミックナフトピラン、ナフトールおよびフォトクロミック物品

インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン構造のフォトクロミック材料が記載される。このフォトクロミック材料は、11位の環原子に窒素含有置換基または硫黄含有置換基を有し、13位にスピロ置換基を実質的に含まず、そしてインデノナフトピランフォトクロミック性能試験において測定される場合、感受性、可視λmaxまたはそれらの組み合わせの増大を提供するように適合されていることを特徴とする。任意の置換基が、インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン構造のもう1つの位置に存在し得る。新規フォトクロミック材料、または他のフォトクロミック材料とのこれらの組み合わせのうちの少なくとも1つを含有するコーティングを含むかもしくは有する、フォトクロミック材料およびフォトクロミック物品を製造するために使用されるナフトールもまた、記載される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の背景)
本発明は、新規ナフトピラン材料に関する。より詳細には、本発明は、インデノ縮合フォトクロミックナフトピラン材料、ならびにこのようなナフトピラン材料を含有する組成物および物品に関する。本発明はまた、新規ナフトピランの生成において使用されるナフトールに関する。紫外線を含有する光の放射(例えば、太陽光または水銀ランプの光における紫外線放射)に曝露される場合、多くのフォトクロミック材料がその呈色において可逆的な変化を示す。紫外線放射が終了する場合、このようなフォトクロミック材料は、その元の色または無色状態に戻る。
【背景技術】
【0002】
フォトクロミック材料の種々のクラスが、合成されており、太陽光誘導の可逆的な色の変化が所望される適用における使用が提唱されている。インデノ縮合フォトクロミックナフトピランは公知であるが、最大可視λの深色移動および/またはその感度の増加(光学密度の経時的な変化として測定される)を示す材料が調製され得ることが、予想外に発見された。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(発明の詳細な説明)
本明細書および添付された特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、明確かつはっきりと一つの対象に制限される場合を除いて、複数の対象を含むことが留意される。
【0004】
本明細書の目的について、他のように示されない限り、成分、反応条件ならびに本明細書および特許請求の範囲で使用される他のパラメータの量を表す。全ての数の表現量は、全ての例において用語「約」により修飾されると理解される。従って、反対のように示されない限り、以下の明細書、および添付された特許請求の範囲において示される数的パラメータは、本発明により得られることが求められる所望の特性に依存して変化し得る近似である。少なくとも各々の数的パラメータは、本特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限するような試みとしてではなく、報告される有効数字を考慮して、および通常の切捨て技術により少なくとも構築されるべきである。
【0005】
本発明の広範な範囲を示す数的範囲およびパラメータが、近似であるにもかかわらず、特定の例に示される数値は、できるだけ正確に報告される。しかし、任意の数値は、それらのそれぞれの実験の測定において見出される標準偏差から必然的に特定の誤差を、固有に含む。
【0006】
語句「少なくとも部分的なコーティング」は、基材の表面の一部から完全までを覆うコーティングの量を意味する。語句「少なくとも部分的に硬化したコーティング」とは、硬化可能な成分または架橋可能な成分が、少なくとも部分的に治療され、架橋されおよび/または反応するコーティングをいう。本発明の代替の非限定的な実施形態において、反応する成分の程度は、大きく変化し得る(例えば、可能な治療可能成分、架橋可能成分および/または反応可能成分全体の5%〜100%)。語句「13位のスピロ置換基が実質的に存在しない」は、スピロ置換基(例えば、フルオレン−9−イリデン、アダマンチリデン、ボルニリデンまたはシクロオクチリデン)が、13位に存在しないことを意味する。
【0007】
語句「少なくとも部分的に磨耗耐性のコーティングまたはフィルム」とは、ASTM F−735 Standard Test Method for Abrasion Resistance of Transparent Plastics and Coating Using the Oscillating Sand Methodにおいて少なくとも1.3〜10.0のBayer Abrasion Resistance Indexを示すコーティングまたはフィルムをいう。語句「少なくとも部分的に反射防止性のコーティング」とは、非コーティングの表面と比較としてパーセント透過率を増加することにより、コーティングが適用される表面の反射防止性質を少なくとも部分的に改善するコーティングをいう。パーセント透過率における改善は、未処理の表面上で1〜9%の範囲であり得る。言い方を変えると、処置された表面のパーセント透過率は、未処置の表面よりも大きいパーセントから99.9までの範囲であり得る。
【0008】
本発明の一つの非限定的な実施形態において、深色移動した可視波長および/または改善された感度を有するインデノ縮合フォトクロミックナフトピランが提供される。これらの材料は、環原子の11位に窒素または硫黄を含む置換基を有し、13位においてスピロ置換基が実質的に存在せず、そして本明細書中の実施例9において記載されるインデノナフトピランフォトクロミック性能試験において計測される感度、最大可視λまたはその組み合わせにおける増加を提供するように適応されていインデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン構造のフォトクロミック材料として記載され得る。
【0009】
環原子は、ピラン環の酸素原子に対してパラである炭素原子である環原子の1位から開始され、そこから時計回りに番号を付ける命名法である国際純正・応用化学連合の命名規則(International Union of Pure and Applied Chemistry rule)に従って、番号を付けられる。一つの非限定的な実施形態において、本発明のインデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン構造は、11位において置換基を含む窒素または硫黄を有し、他の利用可能な位置に置換基が実質的に存在しない。別の非限定的な実施形態において、種々の置換基は、ピラン環の3位に位置し得る。さらなる非限定的な実施形態において、他の置換基は、この物質の6,7,8,9,10,12および/または13番の炭素原子に存在し得る。
【0010】
一つの非限定的な実施形態において、本発明のナフトピラン材料は、以下の構造式Iにより表され得、aからnまでの文字は、ナフトピラン環の辺を示し、そして数字は、ナフトピランの環原子の番号を示し、そして置換基の定義において他のように規定されない限り、同じ記号は同じ意味を有する。
【0011】
【化56】

代替の非限定的な実施形態において、構造式IのRは以下によって表される:
(i)−SRであって、Rは、C〜Cアルキル、アリール、一置換アリール、二置換アリールから選択され、アリール基はフェニルまたはナフチルであり、そしてアリール置換基の各々は、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシまたはハロゲンから選択される;
(ii)−N(R15)R16であって、R15およびR16は、各々水素s、C〜Cアルキル、アリール、フラニル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−3−イル、チエニル、ベンゾチエン−2−イル、ベンゾチエン−3−イル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニル、ベンゾピリジル、フルオレニル、C〜Cアルキルアリール、C〜C20シクロアルキル、C〜C20ジシクロアルキル、C〜C20トリシクロアルキルまたはC〜C20アルコキシアルキルから独立して選択され、ならびにフェニルまたはナフチルであるアリール基;
(iii)以下の構造式IIAにより表される窒素を含む環:
【0012】
【化57】

ここで、各Yは、各出現について、−CH−、−CH(R17)−、−(R17)(R17)−、−CH(アリール)−、−C(アリール)−または−C(R17)(アリール)−から独立して選択され;Xは、−Y−、−O−、−S−、−N(R17)−、および−N(アリール)−であり;R17は、C−Cアルキルから選択され;このアリール基は、フェニルまたはナフチルであり、mは、整数1、2、または3であり、そしてpは、整数0、1、2または3から選択され;ただしpが0である場合、XはYである;
(iv)以下の構造式IIBまたは構造式IICの1つにより表される基:
【0013】
【化58】

ここで、各R19、R20、R21は、各々の式における各出現について、水素、C〜Cアルキル、フェニルまたはナフチルから独立して選択され;またはR19基およびR20基は、一緒になって5〜8個の炭素原子の環を形成し、例えば、R19およびR20が、一緒になって構造式IIBにより表される基上で6個の炭素原子の環を形成する場合、生じた不飽和基は、カルバゾール−9−イルであり、飽和基は、テトラヒドロカルバゾール−9−イルであり、R18は、各出現について、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フルオロ、またはクロロから選択され、そしてnは、整数0、1、または2から選択される;
(v)非置換のスピロ二環式アミン、一置換C〜C18または二環換C〜C18スピロ二環式アミン;または
(vi)非置換のスピロ三環式アミン一置換C〜C18スピロ三環式アミンまたは二環換C〜C18スピロ三環式アミン。
【0014】
(v)および(vi)についての置換基は、各出現について、アリール、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、またはフェニル(C〜C)アルキルから独立して選択される。一置換の二環式アミンまたは二環換の二環式アミンの非限定的な例としては:2−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−イル;3−アザビシクロ[3.2.1]オクタ−3−イル;2−アザビシクロ[2.2.2]オクタ−2−イル;6−アザビシクロ[3.2.2]ノナン−6−イルが挙げられ;そして三環式アミンとしては:2−アザトリシクロ[3.3.1.1(3,7)]デカン−2−イル;4−ベンジル−2−アザトリシクロ[3.3.1.1(3,7)]デカン−2−イル;4−メトキシ−6−メチル−2−アザトリシクロ[3.3.1.1(3,7)]デカン−2−イル;4−アザトリシクロ[4.3.1.1(3,8)]ウンデカン−4−イル;および7−メチル−4−アザトリシクロ[4.3.1.1(3,8)]ウンデカン−4−イルが挙げられる。
【0015】
一つの非限定的な実施形態において、構造式Iにおける各R’は、各出現についてC〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシから独立して選択され、そしてnは、整数0、1または2から選択される。
【0016】
およびRは、以下の代替の非限定的な実施形態から各々独立して選択される:
(i)水素、ヒドロキシ、アミノ、一置換または二環換アミノ、C〜C12アルキル、C〜C12アルキリデン、C〜C12アルキリデン、ビニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロアルキル、アリル、ベンジル、一置換ベンジル、クロロ、フルオロ、または−C(O)W基であり、ここで、Wは、ヒドロキシ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フェニル、一置換フェニル、アミノ、モノ(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、モルホリノ、ピペリジノ、またはピロリジニルであり;このアミノ置換基は、C〜Cアルキル、フェニル、ベンジルまたはナフチルであり;このベンジル置換基およびフェニル置換基の各々はC〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシである;
(ii)フェニル、ナフチル、フェナントリル、ピレニル、キノリル、イソキノリル、ベンゾフラニル、チエニル、ベンゾチエニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニル、カルバゾリルまたはインドリルから選択される非置換、一置換基、二環換基、または三置換基;(ii)におけるこの置換基の各々は、各出現について、クロロ、フルオロ、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシから独立して選択される;
(iii)一置換フェニルであって、このフェニルは、パラ位に存在する置換基を有すし、この置換基は、連結基、−(CH−または−O−(CH−であり、別のフォトクロミック材料のメンバーであるアリール基(例えば、ナフトピランまたはベンゾフラン)に接続され、そしてtは整数1,2,3,4,5または6から選択される。
【0017】
(iv)−ORであって、Rは、C〜Cアルキル、C〜Cアシル、フェニル(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルキル置換フェニル(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルコキシ置換フェニル(C〜C)アルキル、C〜Cアルコキシ(C〜C)アルキル、C〜Cシクロアルキル、モノ(C〜C)アルキル置換C〜Cシクロアルキル、C〜Cクロロアルキル、C〜Cフルオロアルキル、アリル、トリ(C〜C)アルキルシリル、トリ(C〜C)アルコキシシリル、ジ(C〜C)アルキル(C〜Cアルコキシ)シリル、ジ(C〜C)アルコキシ(C〜Cアルキル)シリル、ベンゾイル、一置換ベンゾイル、ナフトイルまたは一置換ナフトイルから選択され;このベンゾイル置換基およびナフトイル置換基の各々は、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシから独立して選択され;またはRは、−CH(R)Qであり、ここで、Rは、水素またはC〜Cアルキルから選択され、Qは、−CN、−CF、または−COOR10から選択され、そしてR10は、水素またはC〜Cアルキルから選択され;あるいは、Rは−C(O)Vであり、ここでVは、水素、C〜Cアルコキシ、フェノキシ、一置換または二環換の(C〜C)アルキル置換フェノキシ、一置換(C〜C)アルコキシまたは二環換(C〜C)アルコキシ、非置換アリール基、一置換アリール基または二環換アリール基、フェニルまたはナフチル、アミノ、モノ(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、フェニルアミノ、モノ(C〜C)アルキル置換フェニルアミノまたはジ(C〜C)アルキル置換フェニルアミノ、あるいはモノ(C〜C)アルコキシ置換フェニルアミノまたはジ(C〜C)アルコキシ置換フェニルアミノから選択され;このアリール基の置換基の各々は、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシから独立して選択され;
(v)−CH(Q’)であって、Q’は、−CNまたは−COOR11から選択され、R11は、水素、C〜Cアルキル、フェニル(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルキル置換フェニル(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルコキシ置換フェニル(C〜C)アルキル、または非置換アリール基、一置換アリール基もしくは二環換アリール基、フェニルまたはナフチルから選択され;このアリール基置換基の各々が、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシから独立して選択される;
(vi)−CH(R12)Gであって、R12は、水素、C〜Cアルキル、または非置換アリール基、一置換アリール基もしくは二環換アリール基、フェニルまたはナフチルから選択され、そしてGは、−COOR11、−COR13または−CHOR14から選択され、ここでR13は、水素、C〜Cアルキル、非置換アリール基、一置換アリール基または二環換アリール基、フェニルまたはナフチル、アミノ、モノ(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ(例えば、ジメチルアミノ、メチルプロピルアミノなど)、フェニルアミノ、モノ(C〜C)アルコキシ置換フェニルアミノまたはジ(C〜C)アルコキシ置換フェニルアミノ(例えば、各フェニルが1つまたは2つのC〜Cアルキル置換基を有する)、モノ(C〜C)アルコキシ置換フェニルアミノまたはジ(C〜C)アルコキシ置換フェニルアミノ、ジフェニルアミノ、モノ(C〜C)アルキル置換ジフェニルアミノまたはジ(C〜C)アルキル置換ジフェニルアミノ、モノ(C〜C)アルコキシ置換ジフェニルアミノまたはジ(C〜C)アルコキシ置換ジフェニルアミノ、モルホリノ、またはピペリジノから選択され、R14は、水素、−C(O)R11、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ(C〜C)アルキル、フェニル(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルコキシ置換フェニル(C〜C)アルキル、または非置換アリール基、一置換アリール基もしくは二環換アリール基、フェニルまたはナフチルから選択され、このアリール基の置換基の各々が、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシから独立して選択され;あるいは
(vii)式により表されるT基:
【0018】
【化59】

ここで、−Zは、−C(O)−または−CH−から選択され、Z’は、C〜Cアルコキシまたは重合可能な基(重合反応に関与可能な任意の官能基として本明細書中に規定された)から選択される。
【0019】
1つの非限定的な実施形態において、フォトクロミックの重合可能な材料の重合は、Hawley’s Condensed Chemical Dictionary 第13版,1997,John Wiley & Sons,901−902頁において「重合」の定義に記載された機構により起こり得、この開示は、本明細書中で参考として援用される。これらの機構は、フリーラジカルが、モノマーに片側で付加し、同時に他の側へ新しい自由電子を産生することによりモノマーの二重結合と反応する開始剤である「付加」、二つの反応するモノマーにより水分子を分割することを包含する「縮合」、そしていわゆる「酸化カップリング」を含む。
【0020】
重合可能な基の非限定的な例は、ヒドロキシ、(メタ)アクリルオキシ、2−(メタクリルオキシ)エチルカルバミル、またはエポキシ(例えば、オキシラニルメチル)である。ナフトピラン上に二つ以上の重合可能な基が存在する場合、これらは、同じかまたは異なり得る。
【0021】
代替の非限定的な実施形態において、T式の基において、−(OC−基は、ポリ(エチレンオキシド)を表し得;−(OC−はポリ(プロピレンオキシド)を表し得;そして、−(OCは、ポリ(ブチレンオキシド)を表し得る。組み合せて使用される場合、Tのポリ(エチレンオキシド)基、ポリ(プロピレンオキシド)基、ポリ(ブチレンオキシド)基は、T部分内でランダムな順序であり得るかまたはブロックの順序であり得る。これらの文字x、yおよびzは各々、0と50との間の数であり、そしてx、yおよびzの合計は、2と50との間である。x、yおよびzの合計は、2〜50の範囲内に入る任意の数(例えば、2、3、4...50)であり得る。この合計はまた、2〜50の範囲内で任意の低い数から任意の高い数までの範囲であり得る(例えば、6〜50、31〜50)。x、yおよびzについての数は、平均値であり、小数であり得る(例えば、9.5)。
【0022】
さらなる非限定的な実施形態において、RおよびRは、一緒になってオキソ基を形成し得る。
【0023】
構造式IにおけるRは、一つの非限定的な実施形態において、水素、C〜CアルキルまたはR基から選択されこのR基は、以下:
(i)−OR’(R’はフェニル(C〜C)アルキル、C〜Cアルキル、モノ(C〜C)アルキル置換フェニル(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルコキシ置換フェニル(C〜C)アルキル、C〜Cアルコキシ(C〜C)アルキル、C〜Cシクロアルキル、モノ(C〜C)アルキル置換C〜Cシクロアルキル、C〜Cクロロアルキル、C〜Cフルオロアルキル、アリル、または−CH(R)Qから選択され、Rは、水素またはC〜Cアルキルから選択される);あるいは
(ii)以下:
(1) −N(R15)R16(ここでR15およびR16は、Rについて本明細書の前部に記載されるものと同じである);
(2)構造式IIAにより表されるような窒素含有環(Y、X、mおよびpは、Rについて本明細書の前部に記載されるものと同じである);あるいは
(3)構造式IIBまたは構造式IICにより表される基(ここでR18、R19、R20、R21およびnは、Rについて本明細書の前部に記載されるものと同じである);
から選択される基から選択される。
【0024】
1つの非限定的な実施形態においてRおよびRは各々、水素、C〜Cアルキル、またはRから各々独立して選択され、このRは、Rについて本明細書の前部に記載されるものと同じである。代替の非限定的な実施形態において、RおよびRは一緒になって以下の構造式IIDまたは構造式IIEの一つを形成し得る:
【0025】
【化60】

ここで、JおよびKは、各々の式における各出現について酸素または−N(R15)−から独立して選択され、R15、R19およびR20は、それぞれRについて本明細書の前部に記載されるものと同じである。
【0026】
一つの非限定的な実施形態において、構造式IにおけるBおよびB’は以下:
(i)モノT置換フェニル(このT基は、RおよびRについて本明細書中の前部で記載されるものと同じである);
(ii)非置換アリール基、一置換アリール基、二置換アリール基あるいは三置換アリール基、フェニルまたはナフチル;
(iii)9−ジュロリジニル基、または、ピリジル、フラニル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−3−イル、チエニル、ベンゾチエン−2−イル、ベンゾチエン−3−イル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニル、カルバゾイル、ベンゾピリジル、インドリニルもしくはフルオレニルから選択される、非置換複素芳香族基、一置換複素芳香族基、もしくは二置換複素芳香族基((ii)および(iii)におけるこのアリール基の置換基および複素芳香族基の置換基のうちの各々が、ヒドロキシ、RおよびRについて本明細書中で以前に記載される−C(O)W基、アリール、モノ(C〜C)アルコキシアリール、ジ(C〜C)アルコキシアリール、モノ(C〜C)アルキルアリール、ジ(C〜C)アルキルアリール、クロロアリール、フルオロアリール、C〜Cシクロアルキルアリール、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルキルオキシ、C〜Cシクロアルキルオキシ(C〜C)アルキル、C〜Cシクロアルキルオキシ(C〜C)アルコキシ、アリール(C〜C)アルキル、アリール(C〜C)アルコキシ、アリールオキシ、アリールオキシ(C〜C)アルキル、アリールオキシ(C〜C)アルコキシ、モノ(C〜C)アルキルアリール(C〜C)アルキルもしくはジ(C〜C)アルキルアリール(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルコキシアリール(C〜C)アルキルもしくはジ(C〜C)アルコキシアリール(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルキルアリール(C〜C)アルコキシもしくはジ(C〜C)アルキルアリール(C〜C)アルコキシ、モノ(C〜C)アルコキシアリール(C〜C)アルコキシもしくはジ(C〜C)アルコキシアリール(C〜C)アルコキシ、アミノ、モノ(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、ジアリールアミノ、ピペラジノ、N−(C〜C)アルキルピペラジノ、N−アリールピペラジノ、アジリジノ、インドリノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロキノリノ、テトラヒドロイソキノリノ、ピロリジル、C〜Cアルキル、C〜Cクロロアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cアルコキシ、モノ(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、アクリルオキシ、メタクリルオキシ、ブロモ、クロロまたはフルオロから独立して選択され、このアリールが、フェニルもしくはナフチルから選択される);
(iv)ピラゾリル、イミダゾリル、ピラゾリニル、イミダゾリニル、ピロリニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フェナジニル、またはアクリジニルから選択される、非置換もしくは一置換の基(この置換基のうちの各々が、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フェニル、フルオロ、クロロまたはブロモから独立して選択される);
(v)一置換フェニル(パラ位に存在する置換基を有するフェニルは、別のフォトクロミック材料のメンバーであるアリール基(例えば、ナフトピランまたはベンゾピラン)に接続される結合基−(CH−または−O−(CH−であり、そしてtは整数1、2、3、4、5または6から選択される);
(vi)以下の構造式IIFまたは構造式IIG:
【0027】
【化61】

のうちの1つによって表される基(Aが、各式において、メチレンまたは酸素から独立して選択され、Dが、各式において、酸素または置換窒素から独立して選択され、ただし、Dが置換窒素である場合、Aはメチレンであり;この窒素置換基が、水素、C〜Cアルキル、またはC〜Cアシルから選択され;各R24が、各式における各出現についてC〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、クロロまたはフルオロから独立して選択され;R22およびR23が各々、各式において、水素またはC〜Cアルキルから独立して選択され;そしてqが、整数0、1または2から選択される);
(vii)C〜Cアルキル、C〜Cクロロアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cアルコキシ(C〜C)アルキル、C〜Cシクロアルキル、モノ(C〜C)アルコキシ(C〜C)シクロアルキル、モノ(C〜C)アルキル(C〜C)シクロアルキル、クロロ(C〜C)シクロアルキル、フルオロ(C〜C)シクロ−アルキル、またはC〜C12ビシクロアルキル;あるいは
(viii)以下の構造式IIH:
【0028】
【化62】

によって表される基(Lは、水素もしくはC〜Cアルキルから選択され、そしてMが、ナフチル、フェニル、フラニル、もしくはチエニルから選択される、非置換、一置換、もしくは二置換の基から選択され;この基置換基のうちの各々が、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フルオロ、もしくはクロロから独立して選択される);
から独立して選択される。
【0029】
あるいは、一つの非限定的な実施形態において、BおよびB’が、一緒になって、フルオレン−9−イリデン、一置換もしくは二置換のフルオレン−9−イリデン、あるいは飽和C〜C12スピロ単環式炭化水素環(例えば、シクロプロピリデン、シクロブチリデン、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロへプチリデン、シクロオクチリデン、シクロノニリデン、シクロデシリデン、シクロドデシリデン、シクロウンデシリデンまたはシクロドデシリデン)、飽和C〜C12スピロ二環式炭化水素環(例えば、ビシクロ[2.2.1]ヘプチリデン(すなわち、ノルボルニリデン)、1,7,7−トリメチルビシクロ[2.2.1]ヘプチリデン(すなわち、ボルニリデン)、ビシクロ[3.2.1]オクチリデン、ビシクロ[3.3.1]ノナン−9−イリデン、またはビシクロ[4.3.2]ウンデカン)、または飽和C〜C12スピロ三環式炭化水素環(例えば、トリシクロ[2.2.1.02,6]ヘプチリデン、トリシクロ[3.3.1.13.7]デシリデン、(すなわち、アダマンチリデン)およびトリシクロ[5.3.1.12,6]ドデシリデン)から独立して選択される基を形成し得;上記フルオレン−9−イリデン置換基のうちの各々は、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フルオロもしくはクロロから独立して選択される。
【0030】
代替の非限定的な実施形態において、本発明のナフトピランの置換基は、以下:
(a)R(このRは、以下:
(i)−SR(Rは、C〜Cアルキルまたはアリールから選択され、このアリール基は、フェニルである);
(ii)−N(R15)R16(R15およびR16は各々、水素、C〜Cアルキル、フェニルまたはC〜C20シクロアルキルから独立して選択される);
(iii)構造式IIAにより表される窒素含有環(各Yは、−CH−であり;Xは、−Y−、−O−、−S−、−S(O)−、−N(R17)−および−N(フェニル)−から独立して選択され、R17は、C〜Cアルキルであり、mは、整数1、2または3から選択され、そしてpは、整数0、1、2または3から選択される);
(iv)構造式IIBまたは構造式IICのうちの1つによって表される基(R19、R20およびR21の各々は、水素、またはC〜Cアルキルから独立して選択され、R18は、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フルオロまたはクロロから独立して選択され、そしてnは、整数0、または1から選択される);
(v)非置換または一置換のC〜C18スピロ二環式アミン;あるいは
(vi)非置換または一置換のC〜C18スピロ三環式アミン;
によって表される);
(b)R’(これは、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシから独立して選択され、そしてnは、整数0、1または2から選択される);
(c)RおよびR(これらは各々、以下:
(i)水素、ヒドロキシ、C〜Cシクロアルキル、アリル、ベンジルまたは−C(O)W基(Wは、C〜Cアルキル、またはC〜Cアルコキシである);
(ii)非置換または一置換のフェニル(この置換基は、クロロ、フルオロ、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシから選択される);
(iii)−(CH−または−O−(CH−から選択される連結基である置換基をパラ位に有する一置換フェニル(tは、整数2または3から選択され、別のフォトクロミックナフトピランのメンバーであるアリール基に結合されている);
(iv)−OR(Rは、C〜Cアルキル、C〜Cアシル、もしくはフェニル(C〜C)アルキルから選択されるか;または、Rは、−CH(R)Q基である(Rは水素であり、そしてQは−COOR10であり、そしてR10は、C〜Cアルキルである)か;またはRは−C(O)V基である(VはC〜Cアルコキシである));
(v)−CH(Q’)(Q’は−COOR11であり、R11はC〜Cアルキルである);
(vi)−CH(R12)G(R12は、水素またはC〜Cアルキルであり、Gは−COOR11または−CHOR14であり、R14は水素、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシ(C〜C)アルキルである);
(vii)式:
【0031】
【化63】

によって表されるT基(−Zは−CH−であり、Z’は、C〜Cアルコキシまたは重合可能基であり、x、yおよびzは各々、0と30との間の数から独立して選択され、そしてx、yおよびzの合計は、2と30との間である);あるいは、
(viii)RとRとは一緒になってオキソ基を形成する;
から独立して選択される);
(d)R(これは、水素、C〜CアルキルまたはRであり、このRは、以下:
(i)−OR’(R’は、フェニル(C〜C)アルキルまたはC〜Cアルキルである);あるいは
(ii)−N(R15)R16(R15およびR16は各々、水素、C〜Cアルキル、フェニルまたはC〜C20シクロアルキルから独立して選択される);
(iii)構造式IIAによって表される窒素含有環(各Yは、−CH−であり、Xは、−Y−、−O−、−S−、−N(R17)−または−N(アリール)−から独立して選択され(R17は、C〜Cアルキルであり)、このアリールは、フェニルまたはナフチルから選択され、mは、整数1、2または3から選択され、そしてpは、整数0、1、2または3から選択され、ただし、pが0である場合、XはYである);あるいは
(iv)構造式IIBまたは構造式IICの一つによって表される基(R19、R20およびR21は各々、水素、C〜Cアルキル、またはフェニルから独立して選択される);
から選択される);
(e)R(これは、水素、C〜CアルキルまたはRから選択され、このRは、本明細書中で以前に(d)において記載される);
(f)R(これは、水素、C〜CアルキルまたはRから選択され、このRは、本明細書中で以前に(d)において記載される);あるいは
(g)RおよびR(これらは、一緒になって構造式IIDまたは構造式IIEのうちの1つを形成し、JおよびKは各々、酸素であり;R19およびR20は、本明細書中で以前に(d)(iv)において記載されるものと同じである);
(h)BおよびB’(これらは各々、以下:
(i)モノT置換フェニル;
(ii)非置換、一置換、二置換または三置換のアリール基(このアリール基は、フェニル基またはナフチル基である);
(iii)9−ジュロリジニル基、またはピリジル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−3−イル、チエニル、ベンゾチエン−2−イル、ベンゾチエン−3−イル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニルもしくはカルバゾイルから選択される、非置換、一置換、もしくは二置換の複素芳香族基((h)(ii)および(h)(iii)におけるこのアリール基の置換基および複素芳香族基の置換基のうちの各々は、ヒドロキシ、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルキルオキシ、アリール(C〜C)アルキル、アリールオキシ、アリールオキシ(C〜C)アルコキシ、アミノ、モノ(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、ジアリールアミノ、ピペラジノ、N−アリールピペラジノ、インドリノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、ピロリジニル、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシまたはフルオロから独立して選択される);
(iv)フェノチアジニルまたはフェノキサジニルから選択される、非置換もしくは一置換の基(この置換基のうちの各々は、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシから独立して選択される);
(v)一置換フェニル(このフェニルは、本明細書中で以前に(c)(iii)において記載されるようにパラ位に置換基を有する);
(vi)構造式IIFまたは構造式IIGのうちの1つによって表される基(Aは、各式においてメチレンもしくは酸素から独立して選択され、Dは各式において、酸素または置換窒素から独立して選択され、ただし、Dが置換窒素である場合、Aはメチレンであり、この窒素置換基は、水素またはC〜Cアルキルから選択され;各R24は、C〜Cアルキルであり;R22およびR23は各々、水素であり;そしてqは、整数0、1もしくは2から選択される);
(vii)C〜Cアルキル、(C〜C)シクロアルキル、またはC〜C12ビシクロアルキル;
(viii)構造式IIHにより表される基(Lは、水素もしくはC〜Cアルキルから選択され、Mは、非置換、一置換、もしくは二置換のフェニルから選択され;このフェニル置換基のうちの各々が、C〜CアルキルもしくはC〜Cアルコキシから独立して選択される);
より独立して選択される);
(i)BおよびB’(これらは、一緒になって、フルオレン−9−イリデン、一置換のフルオレン−9−イリデン、または、飽和C〜C12スピロ単環式炭化水素環、飽和C〜C12スピロ二環式炭化水素環、もしくは飽和C〜C12スピロ三環式炭化水素環から独立して選択される基を形成し;このフルオレン−9−イリデン置換基は、C〜CアルキルもしくはC〜Cアルコキシから選択される);
より選択され得る。
【0032】
さらなる代替の非限定的な実施形態において、上記ナフトピランの置換基は、以下:
(a)R(このRは:
(i)−N(R15)R16(R15およびR16は各々、C〜Cアルキル、もしくはフェニルから独立して選択される);
(ii)構造式IIAによって表される窒素含有環(各出現について各Yは、−CH−であり、Xは、−Y−、−O−および−N(R17)−から独立して選択され、R17は、C〜Cアルキルであり、mは、整数1もしくは2から選択され、そしてpは、整数0、1もしくは2から選択される);あるいは
(iii)構造式IICまたは構造式IIBによって表される基(R19、R20およびR21は各々、水素であり、そしてnは0である);
によって表され);
(b)R’(これは、C〜CアルキルもしくはC〜Cアルコキシである);
(c)RおよびR(これらは各々、以下:
(i)水素、ヒドロキシもしくはC〜Cシクロアルキル;
(ii)フェニルもしくはモノ(C〜Cアルコキシ)置換フェニル;
(iii)一置換フェニル(このフェニルは、置換基をパラ位に有し、この置換基は、連結基−O−(CH−であり、tは、整数2または3から選択され、別のフォトクロミックナフトピランのメンバーであるアリール基に結合されている);
(iv)−OR(Rは、C〜Cアルキルもしくは−CH(R)Qであり、Rは水素であり、Qは、−COOR10であり、そしてR10は、C〜Cアルキルである);
(v)−CH(R12)G(R12は、水素であり;Gは、−COOR11であり、R10は、C〜CアルキルもしくはC〜Cアルコキシ(C〜C)アルキルである);あるいは
(vi)以下の式:
【0033】
【化64】

によって表されるT基(−Zは、−CH−であり、Z’は、C〜Cアルコキシであり、x、yおよびzは各々、0と20との間の数から独立して選択され、そしてx、yおよびzの合計は、2と20との間である);
から独立して選択される);
(d)R(これは、水素、C〜CアルキルもしくはRであり、このRは、以下:
(i)−OR’(R’は、C〜Cアルキルである);
(ii)−N(R15)R16(R15およびR16は各々、C〜Cアルキルもしくはフェニルから独立して選択される);あるいは
(iii)構造式IIAによって表される窒素含有環(各Yは、−CH−であり、Xは、−Y−、−O−、−S−および−N(R17)−から独立して選択され、R17は、C〜Cアルキルであり、mは、整数1、2または3から選択され、そしてpは、整数0、1、2または3から選択される);
から選択される);
(e)R(これは、水素またはC〜Cアルキルであり);
(f)R(これは、水素である);
(g)BおよびB’(これらは各々、以下:
(i)一置換、二置換および三置換のフェニル;
(ii)ベンゾフラン−2−イルもしくはジベンゾフラニルから選択される、非置換、一置換、二置換または三置換の複素芳香族基((g)(i)および(g)(ii)におけるこのアリール基置換基および複素芳香族の置換基のうちの各々は、C〜Cシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシ(C〜C)アルコキシ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、ピペラジノ、インドリノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピロリジル、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、もしくはフルオロから独立して選択される);
(iii)一置換フェニル(このフェニルが、本明細書中で以前に(c)(iii)において記載されるようなパラ位に置換基を有する);
(iv)以下の構造式:
【0034】
【化65】

のうちの1つによって表される基(Aは、メチレンであり、Dは、各式において、酸素または置換窒素から独立して選択され、この窒素置換基は、C〜Cアルキルであり;各R24は、C〜Cアルキルであり;R22およびR23は各々、水素であり;そしてqは、整数0、1または2から選択される);
(v)C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキル;
(vi)構造式IIHによって表される基(Lは、水素であり、Mは、非置換、一置換、もしくは二置換のフェニルから選択され、このフェニル置換基のうちの各々は、C〜Cアルコキシである;
から独立して選択される);あるいは、
(i)BおよびB’(これらは、一緒になって、フルオレン−9−イリデン、一置換フルオレン−9−イリデン、もしくは飽和C〜C12スピロ二環式炭化水素環を形成し;このフルオレン−9−イリデン置換基のうちの各々は、C〜Cアルコキシである);
から選択され得る。
【0035】
本明細書中で以前に記載される置換基R〜R、R’、BおよびB’を有する構造式Iにより表される物質は、以下の反応A〜Hの方法により調製され得る。置換基R〜R、R’、BおよびB’を有する構造式Iの物質を調製するためのさらなる方法が、米国特許6,296,785B1、10段の52行目〜29段の18行目に開示され、この開示は、本明細書中で参考として援用される。
【0036】
以下の反応に関して、構造式V、構造式VAもしくは構造式VBにより表される化合物は、当業者に公知の方法(例えば、構造式IIIの市販の置換ベンゼン化合物もしくは非置換ベンゼン化合物とともに、構造式IVの適切に置換されたベンゾイルクロリドもしくは非置換ベンゾイルクロリドを使用した、反応Aにおいて示されるFriedel−Crafts方法)によって調製される。刊行物Friedel−Crafts and Related Reactions George A.Olah,Interscience Publishers,1964,Vol.3,第31章,(Aromatic Keton Synthesis),ならびにIshihara,Yugiらによる「Regioselective Friedel−Crafts Acylation of 1,2,3,4−Tetrahydroquinoline and Related Nitrogen Heterocycles:Effect on NH Protective Groups and Ring Size」,J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1,3401−3406頁,1992を参照のこと。
【0037】
反応Aにおける非限定的な例として、構造式IIIおよび構造式IVにより表される化合物は、溶媒(例えば、二硫化炭素もしくは塩化メチレン)に溶解し、そしてルイス酸(例えば、塩化アルミニウムまたは四塩化スズ)の存在下で反応し、構造式Vにより表される対応する置換ベンゾフェノンを形成する(反応BにおけるVAまたは反応CにおけるVB)。RおよびR’は、構造式IのBおよびB’に関して本明細書中で以前に記載されるとおりの、可能な置換基を表す。
【0038】
【化66】

さらに反応Bにおける非限定的な例として、構造式VAにより表される置換ケトンまたは非置換ケトン(BおよびB’は、構造式Vにおいて示されるように、置換フェニルまたは非置換フェニル以外の基を表し得る)は、適切な溶媒(例えば、無水テトラヒドロフラン(THF))中でナトリウムアセチリドと反応し、構造式VIにより表される対応するプロパルギルアルコールを形成する。置換フェニルおよび非置換フェニル以外のB基またはB’基を有するプロパルギルアルコールは、例えば、市販のケトンから、あるいはハロゲン化アシルと、置換もしくは非置換の、ベンゼン、ナフタレン、または複素芳香族化合物(例えば9−ジュロリジニル)との反応を介して調製されるケトン、から調製され得る。構造式IIHにより表されるB基もしくはB’基を有するプロパルギルアルコールは、当業者に公知の方法(例えば、米国特許第5,274,132号、2段の40〜68行目に記載される)により生成され得る。
【0039】
【化67】

さらに反応Cにおける非限定的な例として、R置換基としてSRを有する構造式VBにより表される置換ベンゾフェノンは、コハク酸のエステル(例えば、構造式VIIにより表されるコハク酸ジメチル)と反応する。反応物の溶媒(例えば、塩基としてカリウムt−ブトキシドもしくは水素化ナトリウムを含有するトルエン)への添加は、構造式VIIIにより表されるStobbe縮合の半エステルを生成する。シス半エステル形態およびトランス半エステル形態の混合物は次いで、無水酢酸中で脱水環化(cyclodehidration)を受け、アセトキシナフタレンの混合物を形成する。構造式IXにより表される別の異性体を単離するためのさらなる精製が望ましくあり得る。この生成物は、塩基の水性アルコール溶液(例えば、水酸化ナトリウム)中で加水分解され、次いで水性塩酸(H)で処理され、構造式Xにより表わされるカルボキシナフトールを形成する。
【0040】
【化68】

反応Dにおいて構造式Xにより表される化合物を調製するさらに非限定的な代替の方法が、開示される。構造式XIにより表される置換ナフトールは、酸(H)(例えば、パラ−トルエンスルホン酸(pTSA)もしくはパラトルエンスルホン酸ピリジウム(pPTS))の存在下、メチレンクロリド中にジヒドロピラン(DHP)と反応し、構造式XIIにより表されるテトラヒドロフラン(THP)置換ナフトールを形成する。構造式XIIにより表される化合物は、適切な溶媒(例えば無水アセトン)中、無水カルボン酸カリウムの存在下で、ヨウ素化メチルと反応し、構造式XIIIにより表される化合物を形成する。アルキル化反応は、「Organic Sythesis」.31巻,90−93頁,John Wiley & Sons,Inc.,New.York.,N.Y.においてさらに記載される。
【0041】
エステルおよびメトキシ基が、構造式XIIIの化合物上でそれ自体配置される場合、メトキシ置換基は、Grignald試薬と反応することにより、R’’MgX’により表される種々の異なる基に転換され、ここで、R’’は、有機基であり、そしてX’は、ハロゲンもしくは、有機リチウム試薬との反応による。例えば、構造式XIIIの化合物は、適切な溶媒(例えば、無水テトラヒドロフラン)中でR置換基としてのSRならびに(Rを有するベンゼンと反応し、構造式Xにより表される化合物を形成する。このエステル媒介性求核芳香族置換反応は、当業者に公知の方法(例えば、Synthesis,1995年1月,41−43頁;The Journal of Chemical Society Perkin Transaction I,1995,235−241頁にさらに記載される)によりなされる。
【0042】
【化69】

反応Eにおけるさらなる非限定的な例として、R位においてフルオロ置換基(または任意の他のハロもしくは類似の置換型置換基)を有する、構造式XAにより表される化合物は、沸騰したエタノール/水中で水酸化ナトリウムで処理され、構造式XVのカルボキシナフトールを形成する。構造式XVにより表される化合物は、酸(例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸(DBSA))の存在下で加熱(例えば、約110℃〜約200℃)することにより、構造式XVIにより表されるヒドロキシ置換ベンゾ縮合フルオレノンへ環化される。F.G.Baddarらによる文献、J.Chem.Soc.,986頁、1958を参照のこと。
【0043】
構造式XVIにより表される化合物は、溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)中で、構造式XVIIにより表されるN(R15)R16(もしくは任意のアミン型置換基)のリチウム塩と反応し、構造式XVIIIにより表される化合物上のRのようなアミン置換基を生成する。
【0044】
【化70】

反応Fにおける、R置換基もしくはR置換基ならびにRのようなアミノ基を有する物質を調製するための非限定的な方法が、開示される。R置換基(もしくはR置換基)を有する、構造式XBにより表される化合物は、Grignard試薬(例えば、RMgX’(もしくはRMgX’))またはR置換基(もしくはR置換基)を有するリチウム試薬と反応し、構造式XBにより表される化合物を生成する。化合物XBは、トルエン中、環化されるまで酸で処理され構造式XVIAの化合物を生成する。構造式XVIAにより表される化合物は、フッ素を有するが、一つの非限定的な実施形態において、任意の脱離基(例えば、種々のハロゲン、アルコキシまたはスルホン酸塩(例えば、p−トルエンスルホン酸塩または、トシル、ブロシルもしくはトリフル))を有し得る。構造式XVIAにより表される化合物は、溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)中で構造式XVIIにより表されるアミンのリチウム塩と反応し、構造式XVIIIAにより表される化合物上のRのようなアミノ置換基を生成する。
【0045】
【化71】

反応Gにおけるさらなる非限定的な例として、構造式IXXにより表される化合物は、適切な溶媒(例えば、トリクロロメタン)中で、酸(例えば、DBSAもしくはpTSA)の触媒量の存在下、構造式VIにより表されるプロパルギルアルコールと共役する。この共役反応は、構造式IAにより表されるインデノ縮合ナフトピランを生じる。構造式IAにより表される化合物は、Grignard試薬(例えば、RMgX’(もしくはRMgX’))またはR置換基(もしくはR置換基)を有するリチウム試薬と反応し、構造式IBにより表される化合物を生成する。酸(例えば、塩酸)の存在下、構造式IBにより表される化合物の、置換基Rを有するアルコールとの次の反応は、構造式ICにより表される化合物を生じる。
【0046】
【化72】

反応Hにおけるさらなる非限定的な例として、構造式IXXAにより表される化合物は、適切な溶媒(例えば、トリクロロメタン)中で、酸(例えば、DBSA)の触媒量の存在下、構造式VIにより表されるプロパルギルアルコールと共役する。この共役反応は、構造式IDにより表されるインデノ縮合ナフトピランを生じる。
【0047】
【化73】

反応Iにおけるさらなる非限定的な例として、R置換基としてメトキシ、およびインデノ縮合ナフトピランの11位になる位に位置するR’を有する構造式VCにより表される置換ベンゾフェノンは、構造式VIIにより表されるコハク酸のエステル(例えば、コハク酸ジメチル)と反応する。反応物の溶媒(例えば、塩基としてカリウムt−ブトキシドもしくは水素かナトリウムを含有するトルエン)への添加は、構造式VIIIAにより表されるStobbe縮合の半エステルを生成する。シス半エステル形態およびトランス半エステル形態の混合物は次いで、無水酢酸の存在下で脱水環化を受け、アセトキシナフタレンの混合物を形成する。構造式IXAにより表される別の異性体を単離するためのさらなる精製が望ましくあり得る。この生成物は、アルコール溶液中で加水分解され、次いで水性塩酸(H)で処理され、構造式XCにより表わされるカルボキシナフトールを形成する。
【0048】
【化74】

反応Jにおいて、R置換基(もしくはR置換基)ならびにRのようなアミノ基を有する材料を調製するための非限定的な方法が、開示される。構造式XCにより表される化合物は、Grignard試薬(例えば、RMgX’もしくはRMgX’)またはR置換基(もしくはR置換基)を有するリチウム試薬と反応し、構造式XDに表される化合物を生成する。このような反応は、Wolter ten Hoeveらによる文献「Direct Substitution of Aromatic Ethers by Lithium Amides.A New Aromatic Amination Reaction」、J.Org.Chem.1993,58,5101−5106にさらに記載される(この文献は、本明細書中で参考として援用される)。化合物XDは、トルエン中で環化されるまで酸で処理され、構造式XVIBの化合物を生成する。構造式XVIBにより表される化合物は、溶媒(例えば、テトラヒドロフラン)中で、構造式XVIIにより表されるアミンのリチウム塩と反応し、構造式XVIIIBにより表される化合物上のRのようなアミノ置換基を生成する。
【0049】
【化75】

さらに反応Kにおける非限定的な例を通して、構造式XVIIIBにより表される化合物は、適切な溶媒(例えば、トリクロロメタン)中で、酸(例えば、DBSA)の触媒量の存在下において構造式VIにより表されるプロパルギルアルコールと共役する。この共役反応は、構造式IEにより表されるインデノ縮合ナフトピランを生じる。
【0050】
【化76】

構造式IXXAおよび構造式XVIAにより表されるナフトール(本明細書中で以前に議論されたように、フルオロ置換基を、ハロ基、アルコキシ基もしくはスルホネート基を含む脱離基で置換させることにより改変される)は、一つの非限定的な実施形態において、本発明のフォトクロミック材料の調製における中間体として有用である。前述の構造式により記載された材料の範囲内に含まれる特定のナフトールは、一つの非限定的な実施形態において、構造式XVIA、構造式XVIIIAおよび構造式XVIIIBのナフトールである。
【0051】
本発明の範囲内のナフトールの非限定的な例は、以下から選択される:
(a)7,7−ジメチル−5−ヒドロキシ−9−フルオロ−7H−ベンゾ[C]フルオレン;
(b)7−ジメチル−7−メトキシ−5−ヒドロキシ−9−フルオロ−7H−ベンゾ[C]フルオレン;
(c)7,7−ジメチル−5−ヒドロキシ−9−モルホリノ−7H−ベンゾ[C]フルオレン;
(d)7,7−ジメチル−5−ヒドロキシ−10−メトキシ−9−モルホリノ−7H−ベンゾ[C]フルオレン;
(e)7−ジメチル−7−メトキシ−5−ヒドロキシ−9−ジメチルアミノ−7H−ベンゾ[C]フルオレン;
(f)7−エチル−7−メトキシ−5−ヒドロキシ−9−ピペリジノ−7H−ベンゾ[C]フルオレン;
(g)7,7−ジメチル−5−ヒドロキシ−9−ピペリジノ−7H−ベンゾ[C]フルオレン;
(h)7,7−ジメチル−3−メトキシ−5−ヒドロキシ−9−モルホリノ−7H−ベンゾ[C]フルオレン;
(i)7,7−ジメチル−3,4−ジメトキシ−5−ヒドロキシ−9−モルホリノ−7H−ベンゾ[C]フルオレン;
(j)7,7−ジメチル−3−メトキシ−4−メチル−5−ヒドロキシ−9−モルホリノ−7H−ベンゾ[C]フルオレン;
(k)7,7−ジメチル−5−ヒドロキシ−9−フェニルチオ−7H−ベンゾ[C]フルオレン;
(l)7−フェニル−7−ヒドロキシ−3−メトキシ−4−メチル−5−ヒドロキシ−9−モルホリノ−7H−ベンゾ[C]フルオレン;
(m)7−エチル−7−メトキシ−5−ヒドロキシ−9−フェニルチオ−7H−ベンゾ[C]フルオレン;あるいは
(n)それらの混合物。
【0052】
本発明の範囲内にあるナフトピランの非限定的な例は、以下から選択される:
(a)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−11−モルホリノ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(b)3−フェニル−3−(4−モルホリノ−フェニル)−11−モルホリノ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(c)3,3−ジ(4−(2−メトキシエトキシフェニル))−11−モルホリノ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(d)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−11−モルホリノ−13−ヒドロキシ−13−エチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(e)3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−10−メトキシ−11−モルホリノ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(f)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−モルホリノフェニル)−10−メトキシ−11−モルホリノ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(g)3−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−11−モルホリノ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;あるいは
(h)3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−モルホリノフェニル)−11−モルホリノ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
から選択される;
本明細書中に記載される他のフォトクロミックを有するかもしくは有さないナフトピラン材料の各々は、広範に変化し得る量で(または比で)使用され得る。一般に、量は、フォトクロミック材料が結合するホスト材料もしくは基材が、所望の、結果として生じる色(例えば、フィルターを通さない太陽光で活性化される場合、実質的な中間色(例えば、活性化したフォトクロミック物質の色を与えられた可能な限り中間色に近い色)を示すように、使用され得る。このフォトクロミック材料は、広範な範囲の色(例えば、桃色)を有する物品を生成するために使用され得る。中間色、および色を表すための手段のさらなる議論は、米国特許第5,645,767号、12段の66行目〜13段の19行目に見出され得る。
【0053】
一つの非限定的な実施形態において、本発明のフォトクロミック材料が、単独で、もしくは本発明の他のこのような材料と組み合せて、または一つ以上の他の有機フォトクロミック材料(例えば、約400nmと700nmとの間の範囲内に少なくとも一つの活性吸収極大を有するフォトクロミック材料)と組み合せて使用され得ることが、検討される。
【0054】
別の非限定的な実施形態において、他のフォトクロミック物質としては、以下の分類の物質が挙げられ得る:クロメン(例えば、ナフトピラン、ベンゾピラン、インデノナフトピラン、フェナントロピラン、もしくはその混合物);スピロピラン(例えば、スピロ(ベンズインドリン)ナフトピラン、スピロ(インドリン)ベンゾピラン、スピロ(インドリン)ナフトピラン、スピロ(インドリン)キノピランおよびスピロ(インドリン)ピラン);オキサジン(例えば、スピロ(インドリン)ナフトキサジン、スピロ(インドリン)ピリドベンゾキサジン、スピロ(ベンズインドリン)ピリドベンゾキサジン、スピロ(ベンズインドリン)ナフトキサジンおよびスピロ(インドリン)ベンゾキサジン;ジチゾネート水銀、フルギド(fulgide)、フルギミド(fulgimide)およびこのようなフォトクロミック化合物の混合物。
【0055】
このようなフォトクロミック材料および相補的なフォトクロミック材料は、米国特許第4,931,220号、8段の52行目〜22段の40行目;同第5,645,767号、1段の10行目〜12段の57行目;同第5,658,501号、1段の64行目〜13段の17行目;同第6,153,126号、2段の18行目〜8段の60行目;同第6,296,785号、2段の47行目〜31段の5行目;同第6,348,604号、3段の26行目〜17段の15行目;および同第6,353,102号、1段の62行目〜11段の64行目に記載され、上述の特許の開示は、本明細書中において参考として援用される。スピロ(インドリン)ピランはまた、テキスト「Techniques in Chemistry」、第3巻、「Photochromism」、第3章、Glenn H.Brown編、John Wiley and Sons、Inc.、New York、1971において開示される。
【0056】
さらなる非限定的な実施形態において、他のフォトクロミック材料は、重合可能フォトクロミック材料(例えば、米国特許5,166,345号、3段の36行目〜14段の3行目に開示される重合可能なナフトキサジン;米国特許第5,236,958号、1段の45行目〜6段の65行目において開示される重合可能なスピロベンゾピラン;米国特許第5,252,742号、1段の45行目〜6段の65行目において開示される重合可能なスピロベンゾピランおよび重合可能なスピロベンゾチオピラン;米国特許第5,359,085号、5段の25行目〜19段の55行目において開示される重合可能なフルギド;米国特許5,488,119号、1段の29行目〜7段の65行目において開示される重合可能なナフタセンジオン;米国特許5,821,287号、3段の5行目〜11段の39行目において開示される重合可能スピロオキサジン;米国特許6,113,814号、2段の23行目〜23段の29行目において開示される重合可能なポリアルコキシ化ナフトピラン;およびWO97/05213において開示され、2001年4月6日に出願された米国出願第09/828,260号で許可された重合可能なフォトクロミック化合物)であり得る。重合可能なフォトクロミック材料に関する上述の特許の開示は、本明細書中で参考として援用される。
【0057】
使用され得るフォトクロミック材料の他の非限定的な実施形態としては、有機金属ジチゾネート(例えば、(アリールアゾ)−チオ蟻酸アリールヒドラジデート、例えば、米国特許第3,361,706号、2段の27行目〜8段の43行目に記載される水銀ジチゾネート)、ならびにフルギドおよびフルギミド(例えば、米国特許第4,931,220号、1段の39行目〜22段の41行目に記載される3−フリルフルギドおよびフルギミドならびに3−チエニルフルギドおよびフルギミド)が挙げられ、これらの開示は、本明細書中で参考として援用される。
【0058】
他のフォトクロミック材料のさらなる非限定的な実施形態は、本発明のフォトクロミック物品においてもまた使用され得る重合開始剤の効果に対して抵抗性の有機フォトクロミック材料の形態である。このような有機フォトクロミック材料は、粒子を形成し、そして金属酸化物中に被包されている樹脂性物質との混合物中のフォトクロミック化合物を含む。これは、米国特許第4,166,043号、および同第4,367,170号、1段の36行目〜7段の12行目に記載され、この開示は、本明細書中で参考として援用される。
【0059】
本明細書中に記載されるフォトクロミック材料(例えば、本発明のフォトクロミックナフトピランおよび他のフォトクロミック材料)は、種々の材料から選択され得る。非限定的な例としては、以下が挙げられる:当然、単一のフォトクロミック化合物;フォトクロミック化合物の混合物;少なくとも一つのフォトクロミック化合物を含む材料(例えば、プラスチックの重合樹脂または有機モノマー溶液もしくは有機オリゴマ−溶液);少なくとも一つのフォトクロミック化合物が化学的に結合したモノマーもしくはポリマーのような材料;その材料に化学的結合する少なくとも一つのフォトクロミック化合物を含みおよび/または有する材料、この物質のフォトクロミック材料と、外部物質(例えば、酸素、水分および/もしくはフォトクロミック材料にマイナスの影響を与える化学物質)との接触を防ぐ外表面は被包され(被包は、コーティングの形態である)例えば、フォトクロミック材料にマイナスの影響を与えるポリマー樹脂または保護コーティング(例えば、金属酸化物により、このような材料は、米国特許第4,166,043号および同第4,367,170号に記載されるとおりに保護コーティングを塗布する前に粒子へと形成され得る;フォトクロミックポリマー(例えば、一緒に結合したフォトクロミック化合物を含むフォトクロミックポリマー;あるいはそれらの混合物;が挙げられる。
【0060】
一つの非限定的な実施形態において、ポリマーコーティング組成物および/またはポリマーホスト物質へ取り込まれるべきフォトクロミック材料の量は、広範に変化し得る。一般に、十分な量が、活性化の際に裸眼に認識可能なフォトクロミック効果を生じるように使用される。一般に、このような量は、フォトクロミック量として記載され得る。使用される特定の量は、しばしばその照射の際に所望される色の強度、およびフォトクロミック材料を取り込むために使用される方法に依存する。代表的には、一つの非限定的な実施形態において、フォトクロミックが取り込まれるほど、特定の限界まで色の強度は大きくなる。所望される場合、より物質が添加され得ても、これ以上の物質の添加が、顕著な効果を有さない点が存在する。
【0061】
使用される上記ナフトピラン材料またはナフトピラン材料の化合物、および他のフォトクロミック材料の相対量は、このような材料の活性化種の色の相対強度、所望される最終的な色、ならびにホスト材料および/またはホスト基材に塗布する方法によってある程度変化し、そして依存する。非限定的な一実施形態では、フォトクロミックな光学ホスト材料中への吸収により組み込まれるフォトクロミック材料(ナフトピラン材料、他のフォトクロミック材料またはその両方を含む)の全量は、大幅に変化し得る。例えば、それは、約0.01〜約2.0の範囲であり得、例えば、上記フォトクロミック材料が組み込まれるか、または塗布される表面の平方センチメートルあたり0.05mg〜約1.0mgの範囲であり得る。上記ホスト材料に組み込まれるか、または塗布されるフォトクロミック材料の全量は、これらの値のいずれかの組み合わせの間の範囲(引用範囲、例えば、平方センチメートルあたり0.015mg〜1.999mgの範囲を含む)であり得る。
【0062】
別の非限定的な実施形態では、コーティングまたは重合物(polymerizate)を形成するための重合可能な組成物中に組み込まれるフォトクロミック材料の全量は、大幅に変化し得る。例えば、それは、0.01重量パーセント〜40重量パーセント(重合可能な組成物中の固体の重量に基づく)の範囲であり得る。代わりの非限定的な実施形態では、フォトクロミック材料の濃度は、0.1重量パーセント〜30重量パーセントの範囲であり得るか、1重量パーセント〜20重量パーセントの範囲であり得るか、5重量パーセント〜15重量パーセントの範囲であり得るか、または7重量パーセント〜14重量パーセントの範囲であり得る。上記コーティングにおけるフォトクロミック材料の量は、これらの値のいずれかの組み合わせの間の範囲(例えば、0.011重量パーセントア〜39.99重量パーセントの引用範囲を含む)の間であり得る。
【0063】
非限定的な一実施形態では、適合性の(化学的におよび色あい的に)固定された毛染染料が、医学的な理由、または流行の理由のために、より審美的な結果を達成するためのフォトクロミック物品を生産するのに用いられるホスト材料(例えば、重合性基材、重合性コーティングおよび/または重合性フィルム)に添加されるか、または塗布され得る。選択された特定の染料は、達成されるべき必要性および結果により変化し、そして依存する。非制限の一実施形態では、例えば、より中性の色の入射光を達成するため、または特定の波長の入射光を吸収するために、上記染料は、活性化フォトクロミック材料から生じる色を補完するために、選択され得る。別の非限定的な実施形態では、上記染料は、上記フォトクロミック材料が不活化状態にある場合、ホスト材料に対する所望の色合いを提供するために選択され得る。
【0064】
種々の非限定的な実施形態では、アジュバント材料もまた、フォトクロミック物品を生産するために、使用されるホスト材料へと組み込まれ得る。このようなアジュバントは、フォトクロミック材料の塗布または組み込みの前、同時、または後に使用され得る。例えば、組成物へのフォトクロミック材料の添加の前に紫外線吸収剤が、そのフォトクロミック材料と混合され得るか、またはこのような紫外線吸収剤は、フォトクロミック物品と入射光との間のコーティングとして重ねられ得る(例えば重ね合わせる)。
【0065】
さらに、上記フォトクロミック材料を組成物に添加する前に、このような安定化剤が、このフォトミック材料と混合されて、このフォトクロミック材料の光疲労抵抗(light fatigue resistance)を改善し得る。ただし、このような安定化剤は、フォトクロミック材料が活性化するのを妨げない。安定化剤の非限定的な例としては、ヒンダードアミン光安定化剤(HALS)、不斉ジアリールオキサルアミド(オキサニリド)化合物および一重項酸素のクエンチャーが挙げられる(例えば、有機リガンドを有するニッケルイオン錯体、ポリフェノール酸化防止剤またはこのような安定化剤の混合物が検討される)。非限定的な一実施形態では、これらは、単独でまたは組み合わせて使用され得る。このような安定化剤は、米国特許第4,720,356号、同第5,391,327号および同第5,770,115号に記載される。
【0066】
本発明のナフトピラン材料、他のフォトクロミック材料、またはこれらの組み合わせは、当該分野において記載される種々の方法により、上記ホスト材料と会合し得る。種々の非限定的な実施形態において、フォトクロミック材料の総量は、種々の方法により(例えば、上記フォトクロミック材料を、上記ホスト材料を形成するのに使用される一種以上の材料に添加することにより)このフォトクロミック物品を、形成するために使用されるホスト材料中に組み込まれ得る。非限定的な一実施形態では、上記ホスト材料がポリマーコーティングまたはポリマーフィルムである場合、上記フォトクロミック材料は、このコーティングまたはフィルムを形成するのに使用される組成物の一以上の構成成分中に組み込まれる前に、水性溶媒または有機溶媒中に溶解および/または分散され得る。あるいは、上記フォトクロミック材料は、吸収、浸透、または当業者に公知の他の移行方法により、少なくとも部分的に硬化されたコーティング中に取り込まれ得る。
【0067】
少なくとも部分的に硬化されたポリマーまたは重合体が、フォトクロミック材料のためのホスト材料として使用される場合、種々の非限定的な実施形態としては、例えば、当該分野で一般に現場鋳造プロセス(cast−in−place process)と呼ばれるものによる、重合可能な組成物を重合可能な置換基を含むかまたは含まないフォトクロミック材料と共に鋳型に注入し、そしてそれを重合化することによるフォトクロミック物品の調製が挙げられる。別の非限定的な実施形態では、フォトクロミック材料が、押出しまたは当業者に公知の他の方法によってポリマーフィルムを生産するために使用される材料と共に、添加され得る。重合体(例えば、当該分野で認められた方法によってフォトクロミック材料をこの重合体に塗布するか、または組み込むことによって、フォトクロミック量のフォトクロミック材料の非存在下で鋳造重合により調製されたレンズ)は、フォトクロミック物品を調製するために使用され得る。
【0068】
このような非限定的な、当該分野で認められた方法としては、以下が挙げられる:
(a)重合可能な置換基を有するかまたは有さないフォトクロミック材料を、重合体を形成するために使用される材料と共に、溶解、分散、そして/または反応させる工程(例えば、フォトクロミック材料を重合可能な組成物への添加、またはフォトクロミック材料の熱い溶液中に、重合体を浸すことによるか、もしくは熱転写による、フォトクロミック材料の重合体中への吸収);(b)フォトクロミック材料を、重合体の隣接層の間の別個の層として(例えば、ポリマーフィルムの一部として)提供する工程;および(c)フォトクロミック材料を、重合体の表面に設置されるかまたは積層されたコーティングまたはフィルムの一部として塗布する工程。用語「吸収」または「吸収する」は、フォトクロミック材料が個々にまたは他の非フォトクロミック材料とともに重合体へと浸透すること、フォトクロミック材料の重合体への溶媒補助移行吸収、蒸気相移行、および他のこのような移行機序を意味し、そして包含することが意図される。
【0069】
本発明の状況において、ポリマー基層、ポリマーフィルム、またはポリマーコーティング(まとめてポリマー組成物と称される)の性質は、大きく変動し得る。一般的に、このポリマー組成物は、非常に化学的性質が変化するので、本発明のナフトピラン材料および他のフォトクロミック材料が、その「開いた」形態と「閉じた」形態との間で可逆的に転換するのを可能にするようなポリマー組成物である。非限定的な一実施形態では、本発明のフォトクロミック物品を生産するために用いられるポリマー組成物は、Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology、第4版、第6巻、669頁〜760頁(その開示は、本明細書中に参考として援用される)に記載される熱可塑性または熱硬化性の有機ポリマー材料を提供するように適合された組成物を包含する。このようなポリマーホスト材料は、透明、半透明、または不透明であり得る;しかし、望ましくは、透明であるか、または光学的に透明である。検討される別の非限定的な実施形態では、効果によりポリウレタン、アミノプラスト樹脂、ポリ(メタ)アクリルレート(例えば、ポリアクリルレートおよびポリメタクリレート)、ポリ無水物、ポリアクリルアミド、エポキシ樹脂、ならびにポリシランから選択される少なくとも部分的に硬化されたポリマーコーティングを形成するポリマー材料である。
【0070】
以下に記載される種々のコーティング組成物は周知であり、そして当業者に十分に理解され、かつ評価されている構成成分を用いて、当業者に十分に理解され、かつ評価されている方法に従って製造される。ナフトピラン材料、またはナフトピラン材料の他のフォトクロミック材料との混合物を含有するコーティングの塗布に適切な基層としては、任意の型の基層が挙げられる。非限定的な例としては、紙、ガラス、セラミクス、木材、石工建築、織物、金属およびポリマー性有機ホスト材料が挙げられる。
【0071】
非限定的な一実施形態では、本発明のフォトクロミックコーティング物品を調製するために使用され得るフォトクロミックポリウレタンコーティングは、フォトクロミック化合物の存在下における有機ポリオオール成分およびイソシアネート塩成分の触媒反応によっても非触媒反応によっても生成され得る。ポリウレタンの調製のための材料および方法が、Ullmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、1992、A21巻、665頁〜716頁に記載されている。方法および材料の非限定的な例(例えば、ポリウレタンコーティングを調製するために使用され得る有機ポリオール、イソシアネートおよび他の成分)が、米国特許第4,889,413号および同第6,187,444B1号に開示されている。
【0072】
非限定的な一実施形態では、本発明のフォトクロミックコーティング物品を生産するために使用され得るフォトクロミックアミノプラスト樹脂コーティング組成物は、フォトクロミック材料を、ヒドロキシル、カルバメート、尿素、またはそれらの混合物から選択される少なくとも2個の官能基を有する官能性成分とアミノプラスト樹脂(例えば、米国特許第4,756,973号、同第6,432,544B1号、および同第6,506,488号に記載される架橋剤)との反応生成物にあわせる工程により、調製され得る。
【0073】
非限定的な一実施形態では、本発明のフォトクロミックコーティング物品の調製においての使用が検討されているフォトクロミックポリシランコーティング組成物は、少なくとも一種のシランモノマー(例えば、グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、および/またはメチルトリメトキシシラン)の加水分解、ならびにその加水分解物と米国特許第4,556,605号に記載されるような少なくとも一種のフォトクロミック材料との合わせにより調製され得る。
【0074】
非限定的な一実施形態では、本発明のフォトクロミックコーティング物品の調製においての使用が検討されるフォトクロミックポリ(メタ)アクリレートコーティング組成物は、フォトクロミック化合物を、米国特許第6,025,026号および同第6,150,430号ならびにWO公報 01/02449 A2に記載されるようなモノ官能性(メタ)アクリレート、ジ官能性(メタ)アクリレート、またはマルチ官能性(メタ)アクリレートと合わせることにより調製され得る。
【0075】
非限定的な一実施形態では、本発明のフォトクロミックコーティング物品を調製するために使用され得るポリ無水物フォトクロミックコーティング組成物が、米国特許第6,432,544B1号に記載される少なくとも一種の有機フォトクロミック材料を含有する組成物中におけるヒドロキシル官能性成分とポリマー性無水物官能性成分との反応により調製され得る。ポリ無水物フォトクロミックコーティングを調製するために使用され得るヒドロキシル官能性成分、無水物官能性成分、および他の成分の非限定的な例が、米国特許第4,798,745号、同第4,798,746号、および同第5,239,012号に開示される。
【0076】
本発明のフォトクロミックコーティング物品を調製する際に使用が企図されるフォトクロミックポリアクリルアミドコーティング組成物は、非限定的な一実施形態では、フォトクロミック構成要素を、N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミドおよび米国特許第6,060,001号に記載される他の共重合可能なエチレン性不飽和なモノマーを少なくとも一種含有する、重合可能なエチレン性不飽和な組成物のフリーラジカル開始反応生成物と結合させることにより調製され得る。N−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド官能性ポリマーを調製するための方法が、米国特許第5,618,586号に記載されている。
【0077】
本発明のフォトクロミックコーティング物品を調製するのに使用され得るフォトクロミックエポキシ樹脂コーティング組成物は、非限定的な一実施形態において、米国特許第4,756,973号および同第6,268,055B1号に記載されるフォトクロミック化合物、エポキシ樹脂、またはポリエポキシドおよび硬化剤を混ぜ合わせることにより、調製され得る。
【0078】
別の非限定的な実施形態では、本発明のフィルム形成ポリマーおよび上記ナフトピラン材料を含み、そして他のフォトクロミック化合物を含むかまたは含まないフォトクロミック重合性コーティングの型としては、ペイント(例えば、基層の修飾、保護および/または識別表示のために使用される着色された液体またはペースト剤);およびインク(例えば、基層上に文字を書くことおよび絵を描くこと(例えば、紙幣、パスポート、および自動車運転免許証のような)に照合印を作成する際において)のために使用される染色された液体またはペースト剤鑑定または証明の信憑性が所望され得る安全文書(security document)が挙げられる。
【0079】
重合性コーティングの塗布は、コーティング技術において使用される任意の方法によるものであってもよく、非限定的な例としては、スプレーコーティング、スピンコーティング、スピンおよびスプレーコーティング、スプレッドコーティング(spread coating)、カーテンコーティング、浸漬コーティング、キャストコーティング、またはロールコーティングならびにオーバーレイ(overlay)を調製するのに使用される方法(例えば、米国特許第4,873,029号に記載される型の方法)が挙げられる。選択される塗布方法はまた、所望されるコーティングの厚さにも依存する。
【0080】
本発明のフォトクロミック物品に対するコーティングの厚さは、大きく変動し得る。1ミクロン〜50ミクロンの範囲の厚さを有するコーティングは、コーティング技術に使用される方法により塗布され得る。50ミクロンより厚い厚さのコーティングは、複層コーティングの塗布または成形法(代表的には、オーバーレイに対して使用される)を必要とし得る。代替的な非限定的な実施形態では、上記コーティングは、1ミクロン〜10,000ミクロン、5ミクロン〜1,000ミクロン、8ミクロン〜400ミクロン、または10ミクロン〜250ミクロンの厚さの範囲であり得る。重合性コーティングの厚さは、列挙した範囲を含めてこれらの値のいずれかの組み合わせの間の範囲(例えば、20ミクロン〜200ミクロンの厚さの引用範囲を含む)であり得る。
【0081】
非限定的な一実施形態では、基層の表面へのポリマー性コーティングの塗布の後、上記コーティングが少なくとも部分的に硬化される。別の非限定的な実施形態では、フォトクロミック重合性コーティングを硬化するために使用される方法としては、少なくとも部分的に硬化されるポリマーを形成するために用いられる方法が挙げられる。このような方法としては、ラジカル重合、熱重合、光重合、またはこれらの組み合わせが挙げられる。触媒または反応開始剤の有無に関わらず、重合可能な構成要素の重合化反応を開始するための、非限定的なさらなる方法としては、コーティングされた基層、または少なくとも部分的に硬化されたポリマーに、赤外線、紫外線、γ線、もしくは電子線を照射する工程を包含する。この工程の後に、加熱工程が続き得る。
【0082】
非限定的な一実施形態では、必要であり、かつ適切な場合、本発明のフォトクロミック物品を製造する前に、コーティングされるべき基層の表面が浄化され、その後、フォトクロミック重合性コーティングが塗布される。これは、コーティングの接着を洗浄し、そして/または促進する目的でなされ得る。プラスチックおよびガラスに関して有効な処理技術は、当業者に公知である。
【0083】
非限定的ないくつかの実施形態では、フォトクロミック重合性コーティングを塗布する前に、上記基層の表面にプライマーを塗布することが必要であり得る。上記プライマーは、上記コーティング成分と基層との相互作用を防止するための保護コーティングとして役立ち得、そして逆もまた同様であり、そして/または上記フォトクロミック重合性コーティングを基層に接着させる接着性層として役立ち得る。プライマーの塗布は、コーティング技術(例えば、スプレーコーティング、スピンコーティング、スピンおよびスプレーコーティング、スプレッドコーティング、浸漬コーティング、キャストコーティング、またはロールコーティング)において使用される方法のいずれによってであってもよい。
【0084】
保護コーティング(そのいくつかはポリマー形成有機シランを後に塗布されるコーティングの接着を改善するためのプライマーとして含有し得る)の使用は、米国特許第6,150,430号に記載され、その開示は、本明細書中で参考として援用される。非限定的な一実施形態では、染色可能なコーティングが使用される。市販のコーティング製品の非限定的な例としては、SILVUE(商標登録)124およびHI−GARD(商標登録)コーティング(それぞれ、SDC Coating,Inc.およびPPG Industries,Inc.から入手可能である)が挙げられる。さらに、上記コーティング物品の意図された用途に応じて、非限定的な一実施形態では、適切な防護コーティング(例えば、酸素防壁として役立ち得る耐磨耗性コーティング)を、コーティング組成物の露出した表面上に塗布し、摩擦および磨耗の効果ならびに酸素のフォトクロミック材料との相互作用に由来する傷をそれぞれ防止することが必要であり得る。
【0085】
いくつかの場合、プライマーおよび保護コーティングは、互換性であり、例えば、同一のコーティングが、プライマーおよび保護コーティングとして使用され得る。非限定的なハードコート(hardcoat)の例としては、無機材料(例えば、シリカ、チタニアおよび/またはジルコニウム)ならびに紫外線光硬化性の型の有機ハードコートに基づくものが挙げられる。非限定的な一実施形態では、このような保護コーティングは、少なくとも部分的に硬化されたポリマー(フォトクロミック材料を含む)を含有するフォトクロミック物品の表面に塗布され得る。
【0086】
別の非限定的な実施形態では、本発明の物品は、プライマーが塗布されて、その後、フォトクロミック重合性コーティングおよび保護ハードコートが塗布される基層を含む。さらなる非限定的な実施形態では、上記保護ハードコートは、ポリシラン(例えば、オルガノシランハードコート)である。
【0087】
さらに非限定的な実施形態では、他のコーティングまたは表面の処理(例えば、染色可能なコーティング、少なくとも部分的に反射防止性のコーティングなど)は、本発明のフォトクロミック物品にもまた塗布され得る。反射防止性のコーティング(例えば、金属酸化物、金属フッ化物、または他のこのような金属物質の単層または多層)が、フォトクロミック物品(例えば、真空エバポレーション、スパッタリング、または他のいくつかの方法を介した本発明のレンズ)上に設置され得る。
【0088】
非限定的なさらなる実施形態では、少なくとも部分的に硬化されたポリマーおよびフォトクロミック量の少なくとも一種のインデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピランを含むフォトクロミック物品は、他のフォトクロミック材料の有無にかかわらず、さらに上層(例えば、少なくとも一種の有機重合性材料を含むフィルムまたはシート)を含む。上記フォトクロミック材料は、上記上層の中か、少なくとも部分的に硬化されたポリマーの中か、またはその両方の中に局在し得る。上層の上記有機重合性材料は、基層またはホスト材料として本明細書中で後に記載される有機重合性材料と同一である。有機重合性材料の非限定的な例としては、熱硬化性または熱可塑性の材料(例えば、熱可塑性のポリウレタン上層)が挙げられる。
【0089】
さらになお非限定的な実施形態では、上層は、ポリマー表面に直接結合され得るが、上記基質に熱的に融合されない。非限定的な別の実施形態では、基層の表面に熱的に融合されることにより、上層は基層に粘着的に結合され得る。上層が粘着的に基層に結合される一般的な条件が、当業者に知られている。粘着的に上層を基層に積層させるための非限定的な条件としては、250〜350°F(121〜177℃)の温度にまで加熱する工程、および1平方インチあたり150〜400ポンド(psi)(1034kPa〜2758kPa)の圧力を与える工程が挙げられる。当業者に公知であるように、上層を基層の形状まで引き下げて適合させるために、大気圧以下の圧力(例えば、真空)もまた適用され得る。非限定的な例としては、0.001mmHg〜20mmHg(0.13Pa〜2.7kPa)の範囲内の大気圧以下の圧力で適用する工程が挙げられる。
【0090】
基層の少なくとも一つの表面に塗布された上層を含む積層が形成された後、積層は、上層の上に重ねられた保護コーティングまたは保護フィルムをさらに含み得る。非限定的な一実施形態では、このような保護コーティングまたは保護フィルムは、少なくとも部分的に耐磨耗性コーティングまたは耐磨耗性フィルムとして役立つ。非限定的な型の保護コーティングの型としては、紫外線照射により硬化可能な上記ハードコートおよび/または有機シランを含有するハードコートが挙げられる。保護コーティングの厚さは、大きく変動し得、そしてフォトクロミックポリマーコーティングに関する上述の範囲を含み得る。非限定的な型の保護フィルムの型としては、有機ポリマー材料(例えば、熱硬化性の材料および熱可塑性の材料)で出来ている保護フィルムが挙げられる。別の非限定的な実施形態では、保護フィルムは、ポリカーボネートで出来ている熱可塑性フィルムである。保護フィルムまたは保護シートの厚さは、大きく変動し得る。代表的には、このようなフィルムは、1ミル〜20ミル(0.025mm〜0.5mm)の厚さを有する。
【0091】
本発明のナフトピラン材料に対するホスト材料は、他のフォトクロミック材料の有無に関わらず、通常は透明であるが、しかし半透明または不透明でさえあり得る。ホスト材料は、フォトクロミック材料を活性化する電磁スペクトルの一部(例えば、上記フォトクロミックの開いた形態または色づけされた状態を生み出す紫外(UV)光の波長、およびUV活性化形態(例えば、開いた形態)のフォトクロミックの吸収最大波長を含む可視スペクトル部分)にのみ透過性であればよい。企図された非限定的な一実施形態において、ホスト色は、活性化形態のフォトクロミック材料の色を隠すようであってはならず、例えば、色の変化が容易に観察者に明らかであるようにすべきである。適合性の色合いが、米国特許第5,645,767号の13段59行目〜14段3行目に記載されるホスト材料に適用され得る。
【0092】
企図された非限定的な一実施形態では、ポリマー有機ホスト材料は、固体の透明な材料または光学的に透明な材料(例えば、少なくとも70%の視感透過率を有し、そして光学的適用に適した材料(例えば、平面のレンズおよび眼用レンズから選択された光学素子)、眼用デバイス(例えば、コンタクトレンズおよび眼内レンズなどの眼中または眼上に物理的に存在する眼科用デバイス、窓、自動式透明物(例えば、ウィンドシールド、航空機透明物、プラスチックシート、ポリマーフィルムなど)から選択される光学エレメントであり得る。
【0093】
他のフォトクロミック材料を有するかもしくは有さない本発明のナフトロピラン材料に対するホスト材料として、またはフォトクロミックポリマーコーティングに対する基層として使用され得るポリマー有機材料の非限定的な例としては、以下:ポリ(メタ)アクリレート、ポリウレタン、ポリチオウレタン、ポリ(尿素−ウレタン)、熱可塑性ポリカーボネート、ポリエステル、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリスチレン、ポリ(αメチルスチレン)、コポリ(スチレン−メチルメタクリレート)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、ポリビニルブチラール、ポリ(酢酸ビニル)、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、ポリスチレンまたはポリマー(例えば、ビス(アリルカーボネート)モノマー、スチレンモノマー、ジイソプロフェニルベンゼンモノマー、ビニルベンゼンモノマー(例えば、米国特許第5,475,074号に記載されるもの)、ジアリリデンペンタエリスリトールモノマー、ポリオール(アリルカーボネート)モノマー(例えば、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート))、酢酸ビニルモノマー、アクリロニトリルモノマー、モノ官能基または多官能基(例えば、ジ官能基もしくは多官能基)、(メタ)アクリレートモノマー(例えば、(C〜C12)アルキル(メタ)アクリレート(例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートなど))から選択される重合用モノマーにより調製されるホモポリマーおよびコポリマー、ポリ(オキシアルキレン)(メタ)アクリレート、ポリ(アルコキシル化フェノール(メタ)アクリレート)、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシル化ビスフェノールA(メタ)アクリレート、エチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール)(メタ)アクリレート、エトキシル化フェノール(メタ)アクリレート、アルコキシル化ポリ水素化アルコール(メタ)アクリレート(例えば、エトキシル化トリメチルロールプロパントリアクリレートモノマー)、ウレタン(メタ)アクリレートモノマー(例えば、米国特許第5,373,033号に記載されるもの)、あるいはこれらの混合物が挙げられる。ポリマー有機ホスト材料のさらなる例は、米国特許第5,753,146号の8段62行目〜10段34行目において開示される。
【0094】
別の非限定的な実施形態では、透明なコポリマーおよび透明なポリマーの混合物もまた、ポリマー材料として適切である。ホスト材料は、熱可塑性ポリカーボネート樹脂(例えば、ビスフェノールAおよび商標LEXANのもとで販売されているホスゲンに由来するカーボネート連結樹脂;ポリエステル(例えば、商標MYLARのもとで販売されている材料);ポリ(メチルメタクリレート)(例えば、商標PLEXIGLASのもとで販売されている材料);そのモノマーが商標CR−39のもとで販売されているポリオール(アリル炭酸塩)モノマー、特にジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)の重合体、および他の共重合可能なモノマー材料を有するポリオール(アリルカーボネート)(例えば、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート))のコポリマーの重合体;ならびに米国特許第4,360,653号および同第4,994,208号に記載される末端ジアクリレート官能性を有するポリウレタンを含むコポリマー;ならびに、脂肪族ウレタン、米国特許第5,200,483号に記載されるアリル官能基またはアクリリル官能基を含む末端部分を有するコポリマー、から調製される光学的に透明なポリマー有機材料であり得る。
【0095】
さらなる非限定的な実施形態は、光学的に透明なコーティングおよび重合体を生成するために使用される、光学有機樹脂モノマーを有する本発明のナフトピラン材料および他のフォトクロミック材料(例えば、光学的適用に適切な材料(例えば、平面のレンズおよび眼用レンズ、窓、ならびに自動式透明物))の使用である。非限定的な実施形態の例としては、TRIVEXモノマーとして、そしてCR−表示(例えば、CR−307、CR−407、およびCR−607)のもとでPPG Industries,Inc.により販売されている光学樹脂、ならびにハードコンタクトレンズまたはソフトコンタクトレンズを作製するために使用される樹脂の重合体が挙げられる。両方の型のコンタクトレンズを製造するための方法が、米国特許第5,166,345号11段52行目〜12段52行目に開示されている。
【0096】
光学樹脂のさらなる非限定的な実施例としては、米国特許第5,965,630号に記載される高水分含量を有するソフトなコンタクトレンズおよび米国特許第5,965,631号に記載される連続装用コンタクトレンズを形成するために使用される樹脂が挙げられる。
【0097】
本発明は、例示としてのみ意図される以下の実施形態において、より詳細に記載される。なぜなら、本明細書中の多くの改変および変化が当業者に明白であるからである。
【0098】
実施例1〜実施例8は、本発明のフォトクロミック材料に関する。比較例(CE)1〜5は、米国特許第5,645,767号および同第6,296,785B1号に開示される方法により調製されるフォトクロミック材料を表す。実施例9は、インデノナフトピランフォトクロミック性能試験を記載する。
【実施例】
【0099】
(実施例1)
(工程1)
塩化メチレン(2リットル(L))、1,4−ジヒドロキシ−2−フェノキシカルボニル−ナフタレン(384g)および152gのジヒドロピランを3Lの多口フラスコ(multi−necked flask)に室温にて添加した。その混合物を、電磁攪拌機上に配置し、ドデシルベンゼンスルホン酸(塩化メチレン15mL中に1.4g)を攪拌しながら添加した。1時間の混合の後、完了した反応をトリエチルアミン(2.7g)および炭酸カリウム(2.7g)を添加することによりクエンチした。懸濁液を、減圧濾過し、そしてその溶媒を、ロータリーエバポレーションにより除去した。回収した生成物は、重厚な油であった。それの全てを、精製せずに、次の工程において使用した。
【0100】
(工程2)
工程1からの油状生成物を、フラスコに添加し、アセトン(750mL)中に溶解した。炭酸カリウム(200g)およびヨードメタン(220mL)を添加し、そしてその反応物を攪拌し、40℃に加熱した。その反応物を、徐々に加熱し、還流し、ヨードメタンを、反応が完了するまで、各回1当量で4回添加した。その混合物を、減圧濾過し、そして溶媒をロータリーエバポレーターにより除去し、高濃度の液体を得た。その溶液を、2Lの水中へと注ぎ、そして茶色の沈殿物を形成した。その茶色の沈殿物を減圧濾過し、2.5Lの酢酸エチル中に溶解し、そしてその溶媒をロータリーエバポレーションにより除去し、200mLの溶液を得た。この溶液を、3:1のヘキサン:酢酸エチル中に注ぎ、結晶化を誘導した。生成物の茶色の結晶(420g)を収集した。核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、この生成物が、4−テトラヒドロピラニルオキシ−1−メトキシ−2−フェノキシカルボニルナフタレンと一致した構造を有することを示した。
【0101】
(工程3)
工程2の生成物、4−テトラヒドロピラニルオキシ−1−メトキシ−2−フェノキシカルボニルナフタレン(200g)およびテトラヒドロフラン(800mL)を、3Lの多口フラスコに添加し、そして0℃にて窒素ブランケット下で攪拌した。その反応混合物に、1モル濃度(M)のフルオロフェニルマグネシウムブロミド溶液(690mL)を1時間にわたって滴下した。4.5時間のさらなる攪拌の後、その反応混合物を1.5Lの水中に注ぎ、そしてpH2にまで酸性化した。個々の層の形成後、これらの層を分離し、水層を2回抽出し、各々を200mLの酢酸エチルで抽出した。有機層を水と合わせ、水で洗浄し、そして溶媒をロータリーエバポレーションにより除去し、湿性の赤色固体を生じた。この赤色固体を、メタノール(500mL)および12.1Mの塩酸(5mL)の入ったフラスコに添加し、そして生じた溶液を加熱して1時間還流した。一晩冷まして置いた後、形成された結晶を減圧濾過により収集し、そしてヘキサンで洗浄し、赤みがかったオレンジ色の結晶102gを生じた。NMRスペクトルは、この生成物が、4−ヒドロキシ−1−(4−フルオロフェニル)−2−フェノキシカルボニルナフタレンと一致した構造を有することを示した。
【0102】
(工程4)
工程3の生成物、4−ヒドロキシ−1−(4−フルオロフェニル)−2−フェノキシカルボニルナフタレン(148g)および無水THF(500mL)を、3Lの多口フラスコに添加し、そして窒素下で電磁攪拌機上に配置し、攪拌した。この溶液を、0℃に冷却し、そして1.6Mのメチルリチウム溶液(1.05L)を攪拌しながら1時間にわたって添加した。1.5時間のさらなる攪拌の後、反応完了物を、2Lの氷水中に注ぎ、そして一晩置いておいた。生じた混合物を、pH4にまで酸性化し、そして層中に形成した相を分離した。水層を各200mLの酢酸エチルで3回抽出した。有機層を水と合わせ、水で洗浄し、そして溶媒をロータリーエバポレーションにより除去し、132gの黒色の油(dark oil)を得た。この材料を、直接次の工程に使用した。
【0103】
(工程5)
工程4からの生成物(132g)、キシレン(1.5L)、およびドデシルベンゼンスルホン酸(9.2g)を、フラスコに添加し、加熱して還流した。5時間後、この反応混合物を、室温まで冷却し、そして5重量パーセントの炭酸水素ナトリウム(300mL)溶液で洗浄した。生じたエマルジョンを、一晩置いておき、そして形成された相の層を分離した。この有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、そして溶媒をロータリーエバポレーションにより除去し、高濃度の液体を生じた。この高濃度の液体を、30:1のヘキサン:酢酸エチルを用いて小シリカプラグカラムを通して溶出した。溶媒を、ロータリーエバポレーションにより、生じた溶離液から除去し、油を得た。結晶化を、トルエンおよびヘキサンを用いて誘導し、28gの光tam生成物(light tam product)を得た。NMRスペクトルは、この生成物が、7,7−ジメチル−5−ヒドロキシ−9−フルオロ−7H−ベンゾ[C]フルオレンと一致した構造を有することを示した。
【0104】
(工程6)
無水テトラヒドロフラン(600mL)およびモルフォリン(70mL)を、窒素下で電磁攪拌機上に配置した3Lの多口フラスコに添加し、そして0℃に冷却した。1.6Mのメチルリチウム溶液(450mL)を、滴下状に1時間にわたって攪拌しながら滴下した。さらに2時間の攪拌の後、氷を除去し、そしてこの懸濁液を室温にまで温めた。無水テトラヒドロフラン250mL中の、工程5からの7,7−ジメチル−5−ヒドロキシ−9−フルオロ−7H−ベンゾ[C]フルオリン(20g)の溶液を徐々にこのフラスコに添加し、65℃で攪拌した。13時間後、反応物を室温まで冷却し、2Lの脱イオン水中へ注いだ。酢酸エチル(500mL)を添加し、相分離を誘導した。形成された層を分離した。この水層を、5重量パーセントの水性水酸化ナトリウム溶液を用いてpH8にまで塩基性化し、各回200mLの酢酸エチルを用いて2回抽出した。この有機層を合わせ、水で洗浄し、溶媒をロータリーエバポレーターで除去し、油を得た。この油を、酢酸エチル中で結晶化を誘導した。茶色の沈殿物(13g)を、減圧濾過によって収集した。NMRスペクトルは、この生成物が7,7−ジメチル−5−ヒドロキシ−9−モルホリノ−7H−ベンゾ[C]フルオレンと一致した構造を有することを示した。
(工程7)
工程6からの7,7−ジメチル−5−ヒドロキシ−9−モルホリノ−7H−ベンゾ[C]フルオレン(2g)、1,1−ジ(4−メトキシフェニル)−2−プロピン−1−オル(2g)、2滴のドデシルベンゼンスルホン酸およびクロロホルム(50mL)を反応容器中で合わせ、一晩室温で攪拌した。水(100mL)を反応混合物に添加し、30分間攪拌した。この有機層を、10重量パーセントの水酸化ナトリウム溶液で分離し、洗浄し、続いて水で洗浄した。有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥し、この溶媒をロータリーエバポレーションで除去し、そして残渣を得た。クロロホルムを溶離液として用いて、この残渣をシリカゲル上で色層分析した。フォトクロミック画分を収集し、ロータリーエバポレーションにより濃縮し、生じた固体をジエチルエーテルから再結晶化し、258℃〜261℃の融点を有する結晶1.3gを得た。NMRスペクトルは、この生成物が3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−11−モルホリノ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピランと一致した構造を有することを示した。
【0105】
(実施例2)
工程7において、1−フェニル−1−(4−モルホリノフェニル)−2−プロピン−1−オールを1,1−ジ(4−メトキシフェニル)−2−プロピン−1−オールの代わりに使用した点以外は、実施例1のプロセスに従った。回収した生成物は、163℃〜164℃の融点を有していた。NMR解析は、この生成物が、3−フェニル−3−(4−モルホリノ−フェニル)−11−モルホリノ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト−[1,2−b]ピランと一致した構造を有していることを示した。
【0106】
(実施例3)
工程7において、1,1−ジ(4−(2−メトキシエトキシフェニル)−2−プロピン−1−オールを、1,1−ジ(4−メトキシフェニル))−2−プロピン−1−オールの代わりに使用した点以外は、実施例1のプロセスに従った。回収した生成物は、153℃〜155℃の融点を有していた。NMR解析は、この生成物が、3,3 ジ(4−(2−メトキシエトキシフェニル))−11−モルホリノ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピランと一致した構造を有していることを示した。
【0107】
(実施例4)
(工程1)
実施例1の工程3の生成物である4−ヒドロキシ−1−(4−フルオロフェニル)−2−フェノキシカルボニルナフタレン(10grm)、10重量パーセントの水酸化ナトリウム水溶液(50mL)およびメタノール(50mL)を、反応フラスコに添加し、そして3時間加熱還流し、そしてその後室温にまで冷ました。この反応混合物を、4Nの塩酸水溶液/氷の混合物(約400mL)上へ注いだ。白色沈殿が形成され、そして減圧濾過によりその白色沈殿を収集し、水で洗浄し、そして風乾した。エタノール(95重量パーセント)からの再結晶は、1−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(7g)を与えた。
【0108】
(工程2)
工程1からの1−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(7g)およびドデシルベンゼンスルホン酸(1g)をキシレン(1L)の入った反応フラスコに添加し、加熱還流し、そしてその温度を36時間維持した。この反応物を冷まし、そして得られた赤色沈殿を減圧濾過によって収集し、そしてトルエンで洗浄した。この赤色固体を風乾し、4gの生成物を得た。NMRスペクトルは、この生成物が、9−フルオロ−5−ヒドロキシ−7H−ベンゾ[C]フルオレン−7−オンと一致した構造を有することを示した。
【0109】
(工程3)
上記の工程2からの9−フルオロ−5−ヒドロキシ−7H−ベンゾ−[C]フルオレン−7−オンを、7,7−ジメチル−5−ヒドロキシ−9−フルオロ−7H−ベンゾ[C]フルオリンの代わりに使用した点以外、実施例1の工程6のプロセスに従った。NMR解析は、この生成物が、9−モルホリノ−5−ヒドロキシ−7H−ベンゾ[C]フルオレン−7−オンと一致した構造を有することを示した。
【0110】
(工程4)
この工程3からの9−モルホリノ−5−ヒドロキシ−7H−ベンゾ[C]フルオレン−7−オンを、7,7−ジメチル−5−ヒドロキシ−9−モルホリノ−7H−ベンゾ[C]フルオリンの代わりに使用した点以外、実施例1の工程7のプロセスに従った。NMR解析は、この生成物が、3,3 ジ(4−メトキシフェニル)−11−モルホリノ−13−オキソ−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピランと一致した構造を有することを示した。
【0111】
(工程5)
工程4の生成物である、3,3 ジ(4−メトキシフェニル)−11−モルホリノ−13−オキソ−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン(2g)を、テトラヒドロフラン(50mL)の入った反応フラスコに添加した。0℃での窒素雰囲気下で、過剰のエチルマグネシウムクロライド(テトラヒドロフラン中の2M溶液10mL)をこの反応フラスコに添加した。得られた反応物を、0℃で30分間攪拌し、次いで室温にまで温めた。この反応混合物を、氷水200mL上に注ぎ、次いで、2Nの塩酸水溶液を用いてpH3にまで酸性化した。ジエチルエーテル(100mL)を添加し、そして有機相を分離した。この溶媒を、ロータリーエバポレーションにより除去し、そして溶離液としてヘキサン:酢酸エチル(2:1)を用いて、得られた油をシリカカラム上で色層分析した。フォトクロミック画分を濃縮し、そして残渣を、メタノールから結晶化し、222℃〜225℃の融点を有する1gの白色固体を得た。NMRスペクトルは、この生成物が、3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−13−ヒドロキシ−13−エチル−11−モルホリノ−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピランと一致した構造を有することを示した。
【0112】
(実施例5)
(工程1)
1,2−ジメトキシベンゼン(292g)および塩化ベンゾイル溶液(500mLの塩化メチレン中に297gの塩化ベンゾイル)を窒素雰囲気下で反応フラスコに添加した。固形無水塩化アルミニウム(281g)を、反応混合物に少量ずつ添加し、時折この反応混合物を氷/水バス中で冷却した。添加が完了した後、この反応物を室温で3時間攪拌した。この反応混合物を、1:1の氷/1Nの塩酸混合物(300mL)上に注ぎ、そして15分間激しく攪拌した。種々の層の形成後、水層を分離し、塩化メチレン(100mL)中に3回抽出した。この有機層を合わせ、そして10重量パーセントの水酸化ナトリウム(各回100mL)で2回洗浄し、次いで、水(各回100mL)で2回洗浄した。この溶媒を、ロータリーエバポレーションにより除去し、黄色個体を得た。95%エタノールからの再結晶は、490gのベージュ針状物(103℃〜105℃の融点を有する)を生じた。NMR解析は、この生成物が、3,4−ジメトキシベンゾフェノンと一致する構造を有することを示した。
【0113】
(工程2)
工程1の生成物である、3,4−ジメトキシベンゾフェノン(490g)およびジエチルコハク酸(354g)を、窒素雰囲気下で600mLのトルエンの入った反応フラスコ中で、合わせた。この混合物を、45℃まで加熱し、その後、t−ブトキシドカリウム(248g)を、1時間にわたって少量ずつ添加した。添加が完了した後、この反応混合物を45℃まで加熱し、そしてその温度で5時間維持し、その後室温まで冷ました。水(500mL)を反応混合物に添加し、そしてその相を、層に分離した。水層を収集し、そして4NのHClを用いてpH2にまで酸性化した。得られた酸性溶液を、塩化メチレン(各回50mL)中に5回抽出した。これらの有機抽出物を合わせ、そしてロータリーエバポレーターで濃縮し、濃い茶色の油を得た。NMRスペクトルは、所望の生成物が、4−(3,4−ジメトキシフェニル)−4−フェニルメトキシカルボニル−3−ブタン酸と一致した構造を有することを示した。この材料を、さらなる精製はせず、次に工程に直接的に使用した。
【0114】
(工程3)
工程2からの生成物(620g)を、窒素雰囲気下で、酢酸無水物(2.1L)の入った反応フラスコ中に加え、加熱還流した。この反応混合物を、還流温度で6時間維持し、室温に冷まし、そしてこの溶媒(酢酸無水物)をロータリーエバポレーションで除去し、厚いガムを得た。この固体を、反応フラスコに添加し、そして沸騰メタノール(3L)中に溶解した。一晩冷ました後、形成された結晶(249g)を、減圧濾過により収集し、メタノールで洗浄し、そして風乾した。NMRスペクトルは、この結晶が、1−フェニル−2−メトキシカルボニル−4−アセトキシ−6,7−ジメトキシナフタレンと一致した構造を有することを示した。異性体1−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−メトキシカルボニル−4−アセトキシ−ナフタレンは、メタノール中の1−フェニル−2−メトキシカルボニル−4−アセトキシ−6,7−ジメトキシナフタレンを有する濃縮混合物として、濾液中に残存した。
【0115】
(工程4)
1−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−メトキシカルボニル−4−アセトキシ−ナフタレンを含有する工程3からの濾液および5mLの高濃度のHClを、反応フラスコ中で合わせ、そして1時間加熱還流した。この反応物を冷まし、そしてこの形成された沈殿を、減圧濾過により収集し、冷メタノールで洗浄し、27gのベージュ針状物を得た。NMR解析は、この生成物が、1−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−メトキシカルボニル−4−ヒドロキシナフタレンと一致した構造を有することを示した。
【0116】
(工程5)
無水テトラヒドロフラン(100mL)を、窒素雰囲気下で、工程4からの1−(3,4−ジメトキシフェニル)−2−メトキシカルボニル−4−ヒドロキシナフタレン(25g)の入った反応フラスコに添加した。反応混合物を、氷バス中で冷却し、その後、264mLのメチルリチウム溶液(テトラヒドロフラン中に1.4M)を40分にわたって滴下した。得られた黄色反応混合物を、0℃で2時間攪拌し、その後、徐々に室温にまで温め、そして一晩攪拌した。反応混合物を、200mLの氷/水混合物上に注意深く注いだ。酢酸エチル(100mL)を添加し、そしてこれらの層を分離した。水層を収集し、酢酸エチル75mLずつ4回用いて抽出した。有機抽出物を合わせ、そして水50mLずつ2回洗浄した。有機層を収集し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、そして次いで、ロータリーエバポレーションで濃縮した。その得られた油を、500mLのキシレンおよび200mgのドデシルベンゼンスルホン酸と共に、反応容器(Dean−Stark防臭弁がはめ込まれた)中に移した。この反応混合物を2時間加熱還流し、冷却し、そしてキシレンをロータリーエバポレーションにより除去した。得られた黒い油を、還流温度でエタノール(95%)から結晶化し、そして得られた結晶を、減圧濾過により収集し、そしてエタノールで洗浄した。ベージュ固体、14gを得た。NMR解析は、この生成物が、7,7−ジメチル−5−ヒドロキシ−9,10−ジメトキシ−7H−ベンゾ[C]−フルオレンと一致した構造を有することを示した。
【0117】
(工程6)
モルフォリン(3.4g)を、乾燥反応フラスコ中に計り取った。無水テトラヒドロフラン(50mL)を、反応フラスコに添加し、得られた混合物を窒素雰囲気下で室温で攪拌した。メチルリチウム(25.1mLのジエチルエーテル中の1.4M溶液)を10分間にわたって反応混合物に滴下状に添加した。反応混合物の温度が上昇し、そして白色固体が沈殿した。工程5からの7,7−ジメチル−5−ヒドロキシ−9,10−ジメトキシ−7H−ベンゾ[C]−フルオレン(2.5g)を5分間にわたって、反応混合物に添加した。得られた黄色がかった茶色の溶液を、一晩還流温度で加熱した。室温にまで冷却した後、反応混合物を200mLの水中に注いだ。水層を収集し、そして10重量パーセントの塩酸を、pHが6になるまで添加した。飽和塩化ナトリウム溶液(200mL)を、水層に添加した。得られた混合物を、酢酸エチル200mLずつで3回抽出した。有機層を収集し、合わせ、飽和塩化ナトリウム溶液(300mL)で一回洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥させた。溶媒(酢酸エチル)を、ロータリーエバポレーションで除去し、乾燥する際に泡立った黄色がかった茶色の油を得た。この物質(質量分析により7,7−ジメチル−5−ヒドロキシ−9−モルホリノ−10−メトキシ−7H−ベンゾ[C]−フルオレンとして同定されている)を、さらに精製はせず、次の工程で直接に使用した。
【0118】
(工程7)
工程6からの7,7−ジメチル−5−ヒドロキシ−9−モルホリノ−10−メトキシ−7H−ベンゾ[C]−フルオレン(1.30g)、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−2−プロピン−1−オール(1.16g)、ドデシルベンゼンスルホン酸(約10mg)および塩化メチレン(200mL)を反応容器中で合わせて、そして周囲の温度で、窒素雰囲気下で2時間攪拌した。この反応混合物を、飽和炭酸水素ナトリウム(各回300mL)で二回洗浄し、そして無水硫酸ナトリウムで乾燥した。この溶媒(塩化メチレン)を、ロータリーエバポレーションで除去した。得られた黒茶色の固体をカラムクロマトグラフィーにより精製し、ジエチルエーテルから結晶化させ、1.0gの明るい黄色固体を得た。NMR解析は、この生成物が、3,3−ジ−(4−メトキシフェニル)−10−メトキシ−11−モルホリノ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピランと一致した構造を有することを示した。
【0119】
(実施例6)
工程6において、1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−モルホリノフェニル)−1−(4−モルホリノフェニル)−2−プロピン−1−オール(1.6g)を、1,1−ビス(4−メトキシフェニル)−2−プロピン−1−オール(1.16g)の代わりに用いたという点以外、実施例6のプロセスに従った。得られた黒茶色の固体を、カラムクロマトグラフィーで精製し、ジエチルエーテルから結晶化を誘導し、0.8gの明るい茶色固体を得た。NMR解析は、3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−モルホリノフェニル)−10−メトキシ−11−モルホリノ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピランと一致した構造を有することを示した。
【0120】
(実施例7)
工程7において、197℃〜199℃の融点を有する固体を生産するため、1−(3,4−ジメトキシフェニル)−1−(4−メトキシフェニル)−2−プロピン−1−オールを、1,1−ジ(4−メトキシフェニル)−2−プロピン−1−オールの代わりに使用したという点以外、実施例1のプロセスに従った。NMR解析は、この生成物が、3−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−11−モルホリノ−13−,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピランと一致した構造を有することを示した。
【0121】
(実施例8)
工程7において、1−(4−メトキシフェニル)−1−(4−モルホリノフェニル)−2−プロピン−1−オールを、1,1−ジ(4−メトキシフェニル)−2−プロピン−1−オールの代わりに使用したという点以外、実施例1のプロセスに従った。NMR解析は、この生成物が、3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−モルフォニリノフェニル)−11−モルホリノ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピランと一致した構造を有することを示した。回収した生成物の一部分を、ジエチレングリコールジメチルエーテル中に溶解し、紫外線に曝露した場合、この溶液は、色が青緑になった。紫外線に対する曝露を中断した場合、この溶液は無色になった。
【0122】
(比較例1〜5)
比較例(CE)1〜5を、米国特許第5,645,767号および同第6,296,785号B1の手順に従って調製した。NMR解析は、この生成物が、以下の名称と一致した構造を有することを示した。
【0123】
CE−1 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン。
【0124】
CE−2 3−フェニル−3−(4−モルホリノ−フェニル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト−[1,2−b]ピラン。
【0125】
CE−3 3,3−ジ(4−(2−メトキシエトキシフェニル))−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン。
【0126】
CE−4 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−13−ヒドロキシ−13−エチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン。
【0127】
CE−5 3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−モルホリノフェニル)−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン。
【0128】
(実施例9)
インデノナフトピランフォトクロミック性能試験は、本発明の実施例およびパートAの比較例を用いて、そしてパートBに記載されるようなフォトクロミック性能を試験して、フォトクロミックポリマー試験サンプルを調製することを包含する。
【0129】
(パートA)
実施例1〜実施例7および比較例1〜6に記載されたフォトクロミック材料を用いて、以下の様式で試験を行った。1.5×10−3モル溶液を生成するように計算した量のフォトクロミック化合物を、50gのモノマーブレンド(4部のエトキシル化ビスフェノールAジメタクリレート(BPA 2EO DMA)、1部分のポリ(エチレングリコール)600ジメタクリレート、および0.033重量パーセントの2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN))の入ったフラスコに添加した。このフォトクロミック化合物を、必要であれば攪拌および穏やかな加熱により、モノマーブレンド中に溶解した。透明な溶液を得た後、これを2.2mm×6インチ(15.24cm)×6インチ(15.24cm)の内部寸法を有する平らなシート鋳型に注いだ。この鋳型に封をした。40℃〜95℃で5時間間隔で温度上昇させ、この温度を95℃で3時間維持し、2時間間隔にわたって60℃に低下させ、その後、60℃にて16時間にわたってこの温度を保持するようにプログラムされた、プログラム可能なオーブン内の水平気流中にこの鋳型を設置した。この鋳型を開いた後、ダイアモンドブレードのこぎりを用いてこのポリマーシートを2インチ(5.1cm)のテストスクウェア(test square)に切った。
【0130】
(パートB)
パートAのフォトクロミックテストスクウェア(photochromic test square)を、光学ベンチ上のフォトクロミック反応に関して試験した。光学ベンチでの試験の前に、フォトクロミックテストスクウェアを、ランプから約14cmの距離で365nmの紫外線に約10分間曝露し、このフォトクロミック化合物を活性化し、そしてその後、フォトクロミック化合物を熱漂白させるために、75℃のオーブン内に15分間置いた。サンプルへのUVA(315〜380nm)照射度を、Licor Model Li−1800分光放射計を用いて測定し、そして1平方メートルあたり22.2ワットであることを見出した。その後、テストスクウェアを室温に冷まし、約1000Luxの蛍光室内照明に少なくとも2時間曝しつつ、その後、光学ベンチでの試験の前に、さらに2時間遮蔽した。
【0131】
光学ベンチに、Oriel Model #66011の300ワットのXenonのアークランプ、リモートコントロール式シャッター、平行レンズ(collimating lens)、アークランプに対するヒートシンクとして作動する硫酸銅バス、短い波長の照射を除去するためのSchott WG−320nmカットオフフィルター;ニュートラルデンシティーフィルター(Neutral Density filter)およびサンプルホルダーを取り付けた。試験が行われたエアチャンバを、72°Fすなわち22℃に維持した。サンプルの照射度を、Licor Model Li−1800分光放射計を用いて測定し、そして1平方メートルUVA(315〜380nm)あたり2.5ワット、および2.78Kluxであることを見出した。実験間の照射度の一貫性を、GRASEBY Optronics Model S−371携帯可能光度計を用いることにより、そしてサンプルの試験を行う前に、予備的反応試験をフォトクロミックテストスクウェア参考標準で行うことにより立証した。
【0132】
Sorensen,Model SRL 20−50,DC電源装置により、フォトクロミック反応測定器に対するモニタリング光源として使用した6ボルトのタングステンランプを備えるNicolas照明器を制御した。このタングステンランプからの平行モニタリングビーム光は、サンプルスクウェア(sample square)に対して垂直方向に、小さな角度(約30°)でサンプルスクウェアを通過し、そしてSpectral Energy Corporation社製のModel GM−200単色光分光器に垂直に入った。この単色分光器を、試験したフォトクロミック化合物の予め決定した可視λ最大値に設定した。設定された波長の光を、単色光分光器を抜け出る際、ハイゲイン(high gain)検出器、Model SHD033を取り付けた付属の国際光研究放射計システム、Model IL1700により測定した。LabTech Notebookデータの獲得およびコントロールソフトウェアバージョン11.0を、データの処理および光学ベンチの操作の制御をするのに使用した。
【0133】
不活化状態または漂白状態から活性化状態または暗化状態への光学密度(ΔOD)の変化という観点から、最初の不活化透過率を確定すること、Xenonランプからシャッターを開き、そして選択された時間間隔(例えば、30秒および15分)での活性化により透過率を測定すること、活性化状態における透過率を測定すること、ならびに光学密度の変化を、以下の式:
ΔOD=log(%Tb/%Ta)
に従って計算することにより反応測定値を決定した。ここで、%Tbは、漂白した状態での透過度のパーセントであり、%Taは、活性化状態での透過率のパーセントであり、そしてこの対数は、10を底にしている。
【0134】
紫外線に対するフォトクロミック化合物の反応の感受性を表すΔOD/分を、最初の5秒間のUV曝露後に測定し、その後、1分あたりにして表した。紫外線の領域におけるλの最大値(λ最大値(UV))は、可視スペクトルに最も近い紫外線の領域における主要な吸収ピークである。可視光の範囲におけるλの最大値(λmax(Vis))は、フォトクロミック化合物の活性化形態の最大吸収が生じる可視スペクトルにおける波長である。Varian Cary3のUV−可視光分光光度計において、パートAのフォトクロミックテストスクウェア重合体を試験することにより、このλの最大値(可視光およびUV)を決定した。
【0135】
消失半減期(Fade Half Life)(T1/2)は、(例えば、シャッターを閉じることにより)活性化光源の取り除いた後に、テストスクウェアにおいて、フォトクロミック材料の活性化形態のΔODが、72°F、22℃での活性化の15分後に測定されたΔODの半分に到達するまでの秒単位の時間間隔である。インデノナフトピランフォトクロミック性能試験の結果を、表1に含めた。
【0136】
【表1】

表1は、インデノナフトピランフォトクロミック性能試験において、各々の比較例の化合物と比較した場合、実施例の各化合物が、可視λ最大値における深色シフトおよび感受性の増加を実証することを示す。
【0137】
本発明は、これらの特定の実施形態の詳細な説明を参照して記載される。このような説明が、添付の特許請求の範囲に包含される範囲を除いて、本発明の範囲を限定するようにみなされることは意図されていない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン構造のフォトクロミック材料であって、該フォトクロミック材料は、11位の環原子に窒素含有置換基または硫黄含有置換基を含有し、該環原子は、ピラン環の酸素原子に対してパラ位の炭素原子である1位環原子で始まり、そしてそこから時計回りに番号を付ける、国際純正・応用化学連合の命名規則に従って番号を付けられ、該フォトクロミック材料は、13位にスピロ置換基を実質的に含まず、そして該フォトクロミック材料は、インデノナフトピランフォトクロミック性能試験において測定される場合、感受性、可視λmaxまたはそれらの組み合わせの増大を提供するように適合されることを特徴とする、フォトクロミック材料。
【請求項2】
前記11位環原子の前記硫黄含有置換基が、基−SRであり、Rが、C〜Cアルキル、アリール、一置換または二置換アリールから選択され、該アリール基が、フェニルまたはナフチルであり、そして該アリール置換基のうちの各々が、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシまたはハロゲンから独立して選択される、請求項1に記載のフォトクロミック材料。
【請求項3】
が、C〜Cアルキルまたはフェニルから選択される、請求項2に記載のフォトクロミック材料。
【請求項4】
請求項1に記載のフォトクロミック材料であって、ここで、前記11位環原子の前記窒素含有置換基が、以下:
(i)−N(R15)R16であって、R15およびR16が各々、水素、C〜Cアルキル、アリール、フラニル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−3−イル、チエニル、ベンゾチエン−2−イル、ベンゾチエン−3−イル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニル、ベンゾピリジル、フルオレニル、C〜Cアルキルアリール、C〜C20シクロアルキル、C〜C20ビシクロアルキル、C〜C20トリシクロアルキルまたはC〜C20アルコキシアルキルから独立して選択され、そして該アリール基が、フェニルまたはナフチルである、−N(R15)R16
(ii)以下の構造式:
【化1】

によって表される窒素含有基であって、
ここで、各Yが、各出現について、−CH−、−CH(R17)−、−C(R17)(R17)−、−CH(アリール)−、−C(アリール)−または−C(R17)(アリール)−から独立して選択され;Xが、−Y−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−NH−、−N(R17)−または−N(アリール)−であり;R17が、C〜Cアルキルであり;該アリール基が、フェニルまたはナフチルであり、mが、整数1、2または3から選択され、そしてpが、整数0、1、2または3から選択され;ただし、pが0の場合、XはYである、窒素含有基;
(iii)以下の構造式:
【化2】

のうちの1つによって表される基であって、
ここで、各R19、R20およびR21が、各式の各出現について、水素、C〜Cアルキル、フェニルもしくはナフチルから独立して選択されるか;または該基R19およびR20が、5個〜8個の炭素原子の環を一緒に形成し;R18が、各出現について、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フルオロまたはクロロから独立して選択され、そしてnが、整数0、1または2から選択される、基;
(iv)非置換、一置換または二置換のC〜C18スピロ二環式アミン;または
(v)非置換、一置換または二置換のC〜C18スピロ三環式アミンであって、(iv)および(v)についての該置換基が、各出現について、アリール、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシまたはフェニル(C〜C)アルキルから独立して選択される、C〜C18スピロ三環式アミン、
によって表される、フォトクロミック材料。
【請求項5】
請求項4に記載のフォトクロミック材料であって、ここで、前記11位環原子の前記窒素含有置換基が、以下:
(i)−N(R15)R16であって、R15およびR16が各々、C〜Cアルキルまたはフェニルから独立して選択される、−N(R15)R16
(ii)以下の構造式:
【化3】

によって表される窒素含有基であって、
ここで、各Yが、−CH−であり、そしてXが、−Y−、−O−、−S−、−N(R17)−および−N(フェニル)−から独立して選択され、R17が、C〜Cアルキルであり、mが、整数1、2または3から選択され、そしてpが、整数0、1、2または3から選択される、窒素含有基;
(iii)以下の構造式:
【化4】

のうちの1つによって表される基であって、
ここで、R19、R20およびR21が各々、水素またはC〜Cアルキルから独立して選択され、R18が、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フルオロまたはクロロから独立して選択され、そしてnが、整数0または1から選択される、基;
(iv)非置換または一置換のC〜C18スピロ二環式アミン;あるいは
(v)非置換または一置換のC〜C18スピロ三環式アミンであって;(iV)および(v)についての該置換基が、各出現について、フェニル、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシまたはフェニル(C〜C)アルキルから独立して選択される、C〜C18スピロ三環式アミン、
によって表される、フォトクロミック材料。
【請求項6】
請求項5に記載のフォトクロミック材料であって、ここで、前記11位環原子の前記窒素含有置換基が、以下:
(i)−N(R15)R16であって、R15およびR16が各々、C〜Cである、−N(R15)R16
(ii)以下の構造式:
【化5】

によって表される窒素含有基であって、
ここで、各Yが、−CH−であり、そしてXが、−Y−、−O−、および−N(R17)−から独立して選択され、R17が、C〜Cアルキルであり、mが、整数1もしくは2から選択され、そしてpが、整数0、1もしくは2から選択される、窒素含有基;または
(iii)以下の構造式:
【化6】

によって表される基であって、
ここで、R19、R20およびR21が各々、水素であり、そしてnが0である、基、
によって表される、フォトクロミック材料。
【請求項7】
請求項1に記載のフォトクロミック材料であって、ここで、該フォトクロミック材料が、以下:
(a)単一のフォトクロミック化合物;
(b)フォトクロミック化合物の混合物;
(c)少なくとも1つのフォトクロミック化合物を含む材料;
(d)少なくとも1つのフォトクロミック化合物が、化学的に結合される、材料;
(e)少なくとも1つのフォトクロミック化合物と外部材料との接触を実質的に防止するためにコーティングをさらに含む、材料(c)もしくは材料(d);
(f)フォトクロミックポリマー;または
(g)これらの混合物、
から選択される、フォトクロミック材料。
【請求項8】
少なくとも部分的に硬化されるポリマー、および少なくともフォトクロミック量の少なくとも1つの、インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン構造のフォトクロミック材料を含むフォトクロミック物品であって、該フォトクロミック材料は、11位の環原子に窒素含有置換基または硫黄含有置換基を含有し、該環原子は、ピラン環の酸素原子に対してパラ位の炭素原子である1位環原子で始まり、そしてそこから時計回りに番号を付ける、国際純正・応用化学連合の命名規則に従って番号を付けられ、該フォトクロミック材料は、13位にスピロ置換基を実質的に含まず、そして該フォトクロミック材料は、インデノナフトピランフォトクロミック性能試験において測定される場合、感受性、可視λmaxまたはそれらの組み合わせの増大を提供するように適合されることを特徴とする、フォトクロミック物品。
【請求項9】
400〜700ナノメーターの範囲内の少なくとも1つの活性化吸収極大を含む、少なくとも1つの他のフォトクロミック材料をさらに含む、請求項8に記載のフォトクロミック物品。
【請求項10】
前記少なくとも部分的に硬化されるポリマーが、熱硬化性有機ポリマー材料または熱可塑性有機ポリマー材料から選択される、請求項8に記載のフォトクロミック物品。
【請求項11】
請求項8に記載のフォトクロミック物品であって、該フォトクロミック物品が、前記少なくとも部分的に硬化されるポリマーの少なくとも一部分に結合された上層をさらに含み、該上層が、少なくとも1つの有機ポリマー材料を含む、フォトクロミック物品。
【請求項12】
前記上層が、有機ポリマー材料であり、そして熱硬化性材料または熱可塑性材料から選択される、請求項11に記載のフォトクロミック物品。
【請求項13】
前記上層の少なくとも一部分上に重ねられる、少なくとも部分的に耐摩耗性のフィルムをさらに含む、請求項11に記載のフォトクロミック物品。
【請求項14】
前記少なくとも部分的に耐摩耗性のフィルムが、熱可塑性材料および熱硬化性材料から選択される有機ポリマー材料である、請求項13に記載のフォトクロミック物品。
【請求項15】
基層およびフォトクロミックポリマーコーティングの少なくとも部分的なコーティングを含むフォトクロミック物品であって、該フォトクロミックポリマーコーティングは、フィルム形成ポリマーおよび少なくともフォトクロミック量の少なくとも1つのインデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン構造のフォトクロミック材料を含み、該フォトクロミック材料は、11位の環原子に窒素含有置換基または硫黄含有置換基を含有し、該環原子は、ピラン環の酸素原子に対してパラ位の炭素原子である1位環原子で始まり、そしてそこから時計回りに番号を付ける、国際純正・応用化学連合の命名規則に従って番号を付けられ、該フォトクロミック材料は、13位にスピロ置換基を実質的に含まず、そして該フォトクロミック材料は、インデノナフトピランフォトクロミック性能試験において測定される場合、感受性、可視λmaxまたはそれらの組み合わせの増大を提供するように適合されることを特徴とする、フォトクロミック物品。
【請求項16】
前記基層が、紙、ガラス、セラミック、木材、メーソンリー、織物、金属またはポリマー性有機材料である、請求項15に記載のフォトクロミック物品。
【請求項17】
前記基層が、ポリマー性有機材料であり、そして熱硬化性有機ポリマー材料または熱可塑性有機ポリマー材料から選択される、請求項16に記載のフォトクロミック物品。
【請求項18】
前記フィルム形成ポリマーが、熱硬化性有機ポリマー材料または熱可塑性有機ポリマー材料から選択される、請求項15に記載のフォトクロミック物品。
【請求項19】
前記フィルム形成ポリマーが、熱硬化性であり、そしてポリウレタン、アミノプラスト樹脂、ポリシラン、ポリ無水物、ポリアクリルアミドまたはエポキシ樹脂から選択される、請求項18に記載のフォトクロミック物品。
【請求項20】
前記フォトクロミックポリマーコーティングが、400〜700ナノメーターの範囲内の少なくとも1つの活性化吸収極大を含む、少なくとも1つの他のフォトクロミック材料をさらに含む、請求項15に記載のフォトクロミック物品。
【請求項21】
前記基層が、光学素子である、請求項15に記載のフォトクロミック物品。
【請求項22】
以下の構造式:
【化7】

によって表されるナフトピランであって、
ここで、
(a)Rが、以下:
(i)−SRであって、Rが、C〜Cアルキル、アリール、一置換または二置換のアリールから選択され、該アリール基が、フェニルまたはナフチルであり、そして該アリール置換基のうちの各々が、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシまたはハロゲンから独立して選択される、−SR
(ii)−N(R15)R16であって、R15およびR16が各々、水素、C〜Cアルキル、アリール、フラニル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−3−イル、チエニル、ベンゾチエン−2−イル、ベンゾチエン−3−イル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニル、ベンゾピリジル、フルオレニル、C〜Cアルキルアリール、C〜C20シクロアルキル、C〜C20ビシクロアルキル、C〜C20トリシクロアルキルまたはC〜C20アルコキシアルキルから独立して選択され、そして該アリール基が、フェニルまたはナフチルである、−N(R15)R16
(iii)以下の構造式:
【化8】

によって表される窒素含有基であって、
ここで、各Yが、各出現について、−CH−、−CH(R17)−、−C(R17)(R17)−、−CH(アリール)−、−C(アリール)−または−C(R17)(アリール)−から独立して選択され;Xが、−Y−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−NH−、−N(R17)−または−N(アリール)−であり;R17が、C〜Cアルキルであり;該アリール基が、フェニルまたはナフチルであり、mが、整数1、2または3から選択され、そしてpが、整数0、1、2または3から選択され;ただし、pが0の場合、XはYである、窒素含有基;
(iv)以下の構造式:
【化9】

のうちの1つによって表される基であって、
ここで、各R19、R20およびR21が、各式の各出現について、水素、C〜Cアルキル、フェニルもしくはナフチルから独立して選択されるか;または基R19およびR20が、5個〜8個の炭素原子の環を一緒に形成し;R18が、各出現について、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フルオロまたはクロロから独立して選択され、そしてnが、整数0、1または2から選択される、基;
(v)非置換、一置換または二置換のC〜C18スピロ二環式アミン;または
(vi)非置換、一置換または二置換のC〜C18スピロ三環式アミンであって;(v)および(vi)についての該置換基が、各出現について、アリール、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシまたはフェニル(C〜C)アルキルから独立して選択される、C〜C18スピロ三環式アミン;
によって表され;
(b)R’が、各出現について、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシから独立して選択され、そしてnが、整数0、1または2から選択され;
(c)RおよびRが各々、以下:
(i)水素、ヒドロキシ、アミノ、一置換または二置換のアミノ、C〜C12アルキル、C〜C12アルキリデン、C〜C12アルキリデン、ビニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロアルキル、アリル、ベンジル、一置換ベンジル、クロロ、フルオロ、または−C(O)Wであって、ここで、Wが、ヒドロキシ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フェニル、一置換フェニル、アミノ、モノ(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、モルホリノ、ピペリジノまたはピロリジルであり;該アミノ置換基が、C〜Cアルキル、フェニル、ベンジルまたはナフチルであり;該ベンジル置換基およびフェニル置換基のうちの各々が、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシである、水素、ヒドロキシ、アミノ、一置換または二置換のアミノ、C〜C12アルキル、C〜C12アルキリデン、C〜C12アルキリデン、ビニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロアルキル、アリル、ベンジル、一置換ベンジル、クロロ、フルオロ、または−C(O)W;
(ii)フェニル、ナフチル、フェナントリル、ピレニル、キノリル、イソキノリル、ベンゾフラニル、チエニル、ベンゾチエニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニル、カルバゾリルまたはインドリルから選択される、非置換、一置換、二置換または三置換の基であって、(c)(ii)における該基置換基のうちの各々が、各出現について、クロロ、フルオロ、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシから独立して選択される、基;
(iii)一置換フェニルであって、該フェニルが、パラ位に位置して−(CH−または−O−(CH−である置換基を有し、別のフォトクロミック材料のメンバーであるアリール基に結合され、ここでtが、整数1、2、3、4、5または6から選択される、一置換フェニル;
(iv)−ORであって、Rが、C〜Cアルキル、C〜Cアシル、フェニル(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルキル置換フェニル(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルコキシ置換フェニル(C〜C)アルキル、C〜Cアルコキシ(C〜C)アルキル、C〜Cシクロアルキル、モノ(C〜C)アルキル置換C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cフルオロアルキル、アリル、トリ(C〜C)アルキルシリル、トリ(C〜C)アルコキシシリル、ジ(C〜C)アルキル(C〜C)アルコキシシリル、ジ(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキルシリル、ベンゾイル、一置換ベンゾイル、ナフトイルもしくは一置換ナフトイルから選択され;該ベンゾイル置換基およびナフトイル置換基のうちの各々が、C〜CアルキルもしくはC〜Cアルコキシから独立して選択されるか;またはRが、−CH(R)Qであり、ここでRが、水素もしくはC〜Cアルキルから選択され、そしてQが、−CN、−CF、もしくは−COOR10から選択され、そしてR10が、水素もしくはC〜Cアルキルから選択されるか;またはRが、−C(O)Vであり、ここでVが、水素、C〜Cアルコキシ、フェノキシ、モノ(C〜C)アルキル置換もしくはジ(C〜C)アルキル置換のフェノキシ、モノ(C〜C)アルコキシ置換もしくはジ(C〜C)アルコキシ置換のフェノキシ、非置換、一置換もしくは二置換のアリール基、フェニルもしくはナフチル、アミノ、モノ(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、フェニルアミノ、モノ(C〜C)アルキル置換もしくはジ(C〜C)アルキル置換のフェニルアミノ、またはモノ(C〜C)アルコキシ置換もしくはジ(C〜C)アルコキシ置換のフェニルアミノから選択され;該アリール基置換基のうちの各々が、C〜CアルキルもしくはC〜Cアルコキシから独立して選択される、−OR
(v)−CH(Q’)であって、Q’が、−CNまたは−COOR11から選択され、そしてR11が、水素、C〜Cアルキル、フェニル(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルキル置換フェニル(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルコキシ置換フェニル(C〜C)アルキル、または非置換、一置換もしくは二置換のアリール基、フェニルもしくはナフチルから選択され;該アリール基置換基のうちの各々が、C〜CアルキルもしくはC〜Cアルコキシから独立して選択される、−CH(Q’)
(vi)−CH(R12)Gであって、R12が、水素、C〜Cアルキル、または非置換、一置換もしくは二置換のアリール基、フェニルもしくはナフチルから選択され、そしてGが、−COOR11、−COR13もしくは−CHOR14から選択され、ここでR13が、水素、C〜Cアルキル、非置換、一置換もしくは二置換のアリール基、フェニルもしくはナフチル、アミノ、モノ(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、フェニルアミノ、モノ(C〜C)アルキル置換もしくはジ(C〜C)アルキル置換のフェニルアミノ、モノ(C〜C)アルコキシ置換もしくはジ(C〜C)アルコキシ置換のフェニルアミノ、ジフェニルアミノ、モノ(C〜C)アルキル置換もしくはジ(C〜C)アルキル置換のジフェニルアミノ、モノ(C〜C)アルコキシ置換もしくはジ(C〜C)アルコキシ置換のジフェニルアミノ、モルホリノまたはピペリジノから選択され、R14が、水素、−C(O)R11、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ(C〜C)アルキル、フェニル(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルコキシ置換フェニル(C〜C)アルキル、または非置換、一置換もしくは二置換のアリール基、フェニルもしくはナフチルから選択され、該アリール基置換基のうちの各々が、C〜CアルキルもしくはC〜Cアルコキシから独立して選択される、−CH(R12)G;
(vii)式:
【化10】

によって表される基Tであって、−Zが、−C(O)−または−CH−から選択され、Z’が、C〜Cアルコキシまたは重合可能な基から選択され、x、yおよびzが各々、0と50との間の数から独立して選択され、そしてx、yおよびzの合計が、2と50との間である、基T;または
(viii)オキソ基を一緒に形成する、RおよびR
から独立して選択され、
(d)Rが、水素、C〜Cアルキルまたは基Rから選択され、該基Rが、以下:
(i)−OR’であって、R’が、フェニル(C〜C)アルキル、C〜Cアルキル、モノ(C〜C)アルキル置換フェニル(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルコキシ置換フェニル(C〜C)アルキル、C〜Cアルコキシ(C〜C)アルキル、C〜Cシクロアルキル、モノ(C〜C)アルキル置換C〜Cシクロアルキル、C〜Cクロロアルキル、C〜Cフルオロアルキル、アリルまたは−CH(R)Qから選択され、Rが、水素またはC〜Cアルキルから選択される、−OR’;
(ii)以下:
(1)−N(R15)R16であって、R15およびR16が、本請求項中の(a)(ii)において記載されるものと同じである、−N(R15)R16
(2)以下の構造式:
【化11】

によって表される窒素含有基であって、ここで、Y、X、mおよびpが、本請求項中の(a)(iii)において記載されるものと同じである、窒素含有基;または
(3)以下の構造式
【化12】

によって表される基であって、ここで、R18、R19、R20、R21およびnが、本請求項中の(a)(iv)において記載されるものと同じである、基;
から選択される、基、
から選択され、
(e)Rが、水素、C〜CアルキルまたはRから選択され、該Rが、本請求項中の(d)において記載されるものと同じであるか;
(f)Rが、水素、C〜CアルキルまたはRから選択され、該Rが、本請求項中の(d)において記載されるものと同じであるか;または
(g)RおよびRが、以下の構造式:
【化13】

のうちの1つを一緒に形成し、ここで、JおよびKが、各式の各出現について、酸素または−N(R15)−から独立して選択され、R15が、本請求項中の(a)(ii)において記載されるものと同じであり、R19およびR20が各々、本請求項中の(a)(iv)において記載されるものと同じであり;
(h)BおよびB’が各々、以下:
(i)モノT置換フェニル;
(ii)非置換、一置換、二置換または三置換の、アリール基、フェニル基またはナフチル基;
(iii)9−ジュロリジニル基、または、ピリジル、フラニル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−3−イル、チエニル、ベンゾジエン−2−イル、ベンゾチエン−3−イル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニル、カルバゾイル、ベンゾピリジル、インドリニルもしくはフルオレニルから選択される、非置換、一置換、もしくは二置換の複素芳香族基であって、(h)(ii)および(h)(iii)における該アリール基の置換基および複素芳香族基の置換基のうちの各々が、ヒドロキシ、本請求項中の(c)(i)において記載される、−C(O)W、アリール、モノ(C〜C)アルコキシアリール、ジ(C〜C)アルコキシアリール、モノ(C〜C)アルキルアリール、ジ(C〜C)アルキルアリール、クロロアリール、フルオロアリール、C〜Cシクロアルキルアリール、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルキルオキシ、C〜Cシクロアルキルオキシ(C〜C)アルキル、C〜Cシクロアルキルオキシ(C〜C)アルコキシ、アリール(C〜C)アルキル、アリール(C〜C)アルコキシ、アリールオキシ、アリールオキシ(C〜C)アルキル、アリールオキシ(C〜C)アルコキシ、モノ(C〜C)アルキルアリール(C〜C)アルキルもしくはジ(C〜C)アルキルアリール(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルコキシアリール(C〜C)アルキルもしくはジ(C〜C)アルコキシアリール(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルキルアリール(C〜C)アルコキシもしくはジ(C〜C)アルキルアリール(C〜C)アルコキシ、モノ(C〜C)アルコキシアリール(C〜C)アルコキシもしくはジ(C〜C)アルコキシアリール(C〜C)アルコキシ、アミノ、モノ(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、ジアリールアミノ、ピペラジノ、N−(C〜C)アルキルピペラジノ、N−アリールピペラジノ、アジリジノ、インドリノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロキノリノ、テトラヒドロイソキノリノ、ピロリジル、C〜Cアルキル、C〜Cクロロアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cアルコキシ、モノ(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、アクリルオキシ、メタクリルオキシ、ブロモ、クロロまたはフルオロから独立して選択され、該アリールが、フェニルもしくはナフチルから選択される、複素芳香族基;
(iv)ピラゾニル、イミダゾリル、ピラゾリニル、イミダゾリニル、ピロリニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フェナジニル、またはアクリジニルから選択される、非置換もしくは一置換の基であって、該置換基のうちの各々が、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フェニル、フルオロ、クロロまたはブロモから独立して選択される、基;
(v)一置換フェニルであって、該フェニルが、本請求項中の(c)(iii)において記載されるようにパラ位に位置する置換基を有する、一置換フェニル;
(vi)以下の構造式:
【化14】

のうちの1つによって表される基であって、
ここで、Aが、各式において、メチレンまたは酸素から独立して選択され、Dが、各式において、酸素または置換窒素から独立して選択され、ただし、Dが置換窒素である場合、Aはメチレンであり;該窒素置換基が、水素、C〜Cアルキル、またはC〜Cアシルから選択され;各R24が、各式の各出現について、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、クロロまたはフルオロから独立して選択され;R22およびR23が各々、各式において、水素またはC〜Cアルキルから独立して選択され;そしてqが、整数0、1または2から選択される、基;
(vii)C〜Cアルキル、C〜Cクロロアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cアルコキシ(C〜C)アルキル、C〜Cシクロアルキル、モノ(C〜C)アルコキシ(C〜C)シクロアルキル、モノ(C〜C)アルキル(C〜C)シクロアルキル、クロロ(C〜C)−シクロアルキル、フルオロ(C〜C)シクロ−アルキル、またはC〜C12ビシクロアルキル;
(viii)以下の構造式:
【化15】

によって表される基であって、
ここで、Lが、水素もしくはC〜Cアルキルから選択され、そしてMが、ナフチル、フェニル、フラニル、もしくはチエニルから選択される、非置換、一置換、もしくは二置換の基から選択され;該基置換基のうちの各々が、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フルオロ、もしくはクロロから独立して選択される、基;
から独立して選択されるか、または、
(i)BおよびB’が、一緒になって、フルオレン−9−イリデン、一置換もしくは二置換のフルオレン−9−イリデン、または、飽和C〜C12スピロ単環式炭化水素環、飽和C〜C12スピロ二環式炭化水素環、もしくは飽和C〜C12スピロ三環式炭化水素環から独立して選択される基を形成し;該フルオレン−9−イリデン置換基のうちの各々が、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フルオロもしくはクロロから独立して選択される、
ナフトピラン。
【請求項23】
請求項22に記載のナフトピランであって、ここで:
(a)Rが、以下:
(i)−SRであって、Rが、C〜Cアルキルまたはアリールから選択され、該アリール基が、フェニルである、−SR
(ii)−N(R15)R16であって、R15およびR16が各々、水素、C〜Cアルキル、フェニル、またはC〜C20シクロアルキルから独立して選択される、−N(R15)R16
(iii)以下の構造式:
【化16】

によって表される窒素含有環であって、
ここで、各Yが、−CH−であり、そしてXが、−Y−、−O−、−S−、−N(R17)−または−N(フェニル)−から独立して選択され、R17が、C〜Cアルキルであり、mが、整数1、2または3から選択され、そしてpが、整数0、1、2または3から選択される、窒素含有環;
(iv)以下の構造式:
【化17】

のうちの1つによって表される基であって、
ここで、R19、R20およびR21が各々、水素、C〜Cアルキルまたはフェニルから独立して選択され、R18が、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フルオロまたはクロロから独立して選択され、そしてnが、整数0または1から選択される、基;
(vii)非置換もしくは一置換のC〜C18スピロ二環式アミン;または
(viii)非置換もしくは一置換のC〜C18スピロ三環式アミン;
によって表され;
(b)R’が、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシから独立して選択され、そしてnが、整数0または1から選択され;
(c)RおよびRが各々、以下:
(i)水素、ヒドロキシ、C〜Cシクロアルキル、アリル、ベンジル、または基−C(O)Wであって、ここで、Wが、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシである、−C(O)W;
(ii)非置換または一置換のフェニルであって、該置換基が、クロロ、フルオロ、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシから選択される、フェニル;
(iii)一置換フェニルであって、該フェニルは、パラ位に位置する−(CH−または−O−(CH−である置換基を有し、別のフォトクロミックナフトピランのメンバーであるアリール基に結合され、ここでtが、整数2または3から選択される、一置換フェニル;
(iv)−ORであって、Rが、C〜Cアルキル、C〜Cアシル、もしくはフェニル(C〜C)アルキルから選択されるか;またはRが、基−CH(R)Qであり、ここでRが、水素であり、そしてQが、−COOR10であり、R10が、C〜Cアルキルであるか;またはRが、基−C(O)Vであり、ここでVが、C〜Cアルコキシである、−OR
(v)−CH(Q’)であって、Q’が、−COOR11であり、ここでR11が、C〜Cアルキルである、−CH(Q’)
(vi)−CH(R12)Gであって、R12が、水素もしくはC〜Cアルキルであり;Gが、−COOR11もしくは−CHOR14であり、ここでR14が、水素、C〜Cアルキル、もしくはC〜Cアルコキシ(C〜C)アルキルである、−CH(R12)G;
(vii)式:
【化18】

によって表される基Tであって、ここで−Zが、−CH−であり、Z’が、C〜Cアルコキシもしくは重合可能な基であり、x、yおよびzが各々、0と30との間の数から独立して選択され、そしてx、yおよびzの合計が、2と30との間である、基T;または
(viii)一緒になってオキソ基を形成する、RおよびR
から独立して選択され、
(d)Rは、水素、C〜CアルキルまたはRであり、該Rが、以下:
(i)−OR’であって、R’が、フェニル(C〜C)アルキルまたはC〜Cアルキルである、−OR’;
(ii)−N(R15)R16であって、R15およびR16が各々、本請求項中の(a)(ii)において記載されるものと同じである、−N(R15)R16
(iii)以下の構造式:
【化19】

によって表される窒素含有環であって、ここで、各Yが、−CH−であり、そしてXが、−Y−、−O−、−S−、−NH−、−N(R17)−または−N(アリール)−から独立して選択され、ここでR17が、C〜Cアルキルであり、該アリールが、フェニルもしくはナフチルから選択され、mが、整数1、2または3から選択され、そしてpが、整数0、1、2または3から選択され、ただし、pが0である場合、XがYである、窒素含有環;または
(iv)以下の構造式
【化20】

のうちの1つによって表される基であって、ここで、R19、R20およびR21が、水素、C〜Cアルキルまたはフェニルから独立して選択される、基;
から選択され、
(e)Rが、水素、C〜CアルキルまたはRであり、該Rが、本請求項中の(d)において記載されるものであり;
(f)Rが、水素、C〜CアルキルまたはRであり、該Rが、本請求項中の(d)において記載されるものであるか;または
(g)RおよびRが一緒になって、以下の構造式:
【化21】

のうちの1つを形成し、ここで、JおよびKが各々、酸素であり;R19およびR20が、本請求項中の(d)(iv)において記載されるものと同じであり;
(h)BおよびB’が各々、以下:
(i)モノT置換フェニル;
(ii)非置換、一置換、二置換または三置換のアリール基であって、該アリールが、フェニルまたはナフチルである、アリール基;
(iii)9−ジュロリジニル基、または、ピリジル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−3−イル、チエニル、ベンゾジエン−2−イル、ベンゾチエン−3−イル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニル、もしくはカルバゾイルから選択される、非置換、一置換、もしくは二置換の複素芳香族基であって、(h)(ii)および(h)(iii)における該アリールの置換基および複素芳香族の置換基の各々が、ヒドロキシ、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルキルオキシ、アリール(C〜C)アルキル、アリールオキシ、アリールオキシ(C〜C)アルコキシ、アミノ、モノ(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、ジアリールアミノ、ピペラジノ、N−アリールピペラジノ、インドリノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、ピロリジル、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、もしくはフルオロから独立して選択される、9−ジュロリジニル基または複素芳香族基;
(iv)フェノチアジニルまたはフェノキサジニルから選択される、非置換もしくは一置換の基であって、該置換基のうちの各々が、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシから独立して選択される、基;
(v)一置換フェニルであって、該フェニルが、本請求項中の(c)(iii)において記載されるようなパラ位の置換基を有する、一置換フェニル;
(vi)以下の構造式:
【化22】

のうちの1つによって表される基であって、
ここで、Aが、各式において、メチレンまたは酸素から独立して選択され、そしてDが、各式において、酸素または置換窒素から独立して選択され、ただし、Dが置換窒素である場合、Aはメチレンであり、該窒素置換基が、水素またはC〜Cアルキルから選択され;各R24が、C〜Cアルキルであり;R22およびR23が各々、水素であり;そしてqが、整数0、1または2である、基;
(vii)C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、またはC〜C12ビシクロアルキル;
(viii)以下の構造式:
【化23】

によって表される基であって、
ここで、Lが、水素もしくはC〜Cアルキルから選択され、そしてMが、非置換、一置換、もしくは二置換のフェニルから選択され;該フェニル置換基の各々が、C〜CアルキルもしくはC〜Cアルコキシから独立して選択される、基;
から独立して選択されるか、または、
(i)BおよびB’が、一緒になって、フルオレン−9−イリデンもしくは一置換フルオレン−9−イリデン、または、飽和C〜C12スピロ単環式炭化水素環、飽和C〜C12スピロ二環式炭化水素環、もしくは飽和C〜C12スピロ三環式炭化水素環から独立して選択される基を形成し;該フルオレン−9−イリデン置換基が、C〜CアルキルもしくはC〜Cアルコキシから選択される、
ナフトピラン。
【請求項24】
請求項23に記載のナフトピランであって、ここで:
(a)Rが、以下:
(i)−N(R15)R16であって、R15およびR16が各々、C〜Cアルキル、またはフェニルから独立して選択される、−N(R15)R16
(ii)以下の構造式:
【化24】

によって表される窒素含有環であって、
ここで、各Yが、各出現について−CH−であり、そしてXが、−Y−、−O−、もしくは−N(R17)−から独立して選択され、R17が、C〜Cアルキルであり、mが、整数1もしくは2から選択され、そしてpが、整数0、1もしくは2から選択される、窒素含有環;または
(iii)以下の構造式:
【化25】

によって表される基であって、
ここで、R19、R20およびR21が各々、水素であり、そしてnが0である、基;
によって表され;
(b)R’が、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシであり;
(c)RおよびRが各々、以下:
(i)水素、ヒドロキシまたはC〜Cシクロアルキル;
(ii)フェニルまたはモノ(C〜Cアルコキシ)置換フェニル;
(iii)一置換フェニルであって、該フェニルが、パラ位に位置して−O−(CH−である置換基を有し、別のフォトクロミックナフトピランのメンバーであるアリール基に結合され、tが、整数2または3から選択される、一置換フェニル;
(iv)−ORであって、Rが、C〜Cアルキルもしくは−CH(R)Qであり、Rは水素であり、Qが、−COOR10であり、そしてR10が、C〜Cアルキルである、−OR
(v)−CH(R12)Gであって、R12が、水素であり;Gが、−COOR11であり、ここでR10が、C〜CアルキルもしくはC〜Cアルコキシ(C〜C)アルキルである、−CH(R12)G;または
(vi)式:
【化26】

によって表される基Tであって、ここで−Zが、−CH−であり、Z’が、C〜Cアルコキシであり、x、yおよびzが各々、0と20との間の数から独立して選択され、そしてx、yおよびzの合計が、2と20との間である、基T;
から独立して選択され、
(d)Rが、水素、C〜CアルキルまたはRであり、該Rが、以下:
(i)−OR’であって、R’が、C〜Cアルキルである、−OR’;
(ii)−N(R15)R16であって、R15およびR16が各々、本請求項中の(a)(i)において記載されるものと同じである、−N(R15)R16;または
(iii)以下の構造式:
【化27】

によって表される窒素含有環であって、ここで、各Yが、−CH−であり、そしてXが、−Y−、−O−、−S−、または−N(R17)−から独立して選択され、R17が、C〜Cアルキルであり、mが、整数1、2または3から選択され、そしてpが、整数0、1、2または3から選択される、窒素含有環;
から選択され、
(e)Rが、水素またはC〜Cアルキルであり;
(f)Rが、水素であり;
(g)BおよびB’が各々、以下:
(i)一置換、二置換および三置換のフェニル;
(ii)ベンゾフラン−2−イルまたはジベンゾフラニルから選択される、非置換、一置換、または二置換の複素芳香族基であって、(g)(i)および(g)(ii)における該アリールの置換基および複素芳香族の置換基の各々が、C〜Cシクロアルキル、アリールオキシ、アリールオキシ(C〜C)アルコキシ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、ピペラジノ、インドリノ、ピペリジノ、モルホリノ、ピロリジル、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、もしくはフルオロから独立して選択される、複素芳香族基;
(iii)一置換フェニルであって、該フェニルが、本請求項中の(c)(iii)において記載されるようなパラ位の置換基を有する、一置換フェニル;
(iv)以下の構造式:
【化28】

のうちの1つによって表される基であって、
ここで、Aが、メチレンであり、そしてDが、各式において、酸素または置換窒素から独立して選択され、該窒素置換基は、C〜Cアルキルであり;各R24は、C〜Cアルキルであり;R22およびR23が各々、水素であり;そしてqが、整数0、1または2から選択される、基;
(v)C〜CアルキルまたはC〜Cシクロアルキル;
(vi)以下の構造式:
【化29】

によって表される基であって、
ここで、Lが、水素であり、そしてMが、非置換、一置換、もしくは二置換のフェニルから選択され;該フェニル置換基の各々が、C〜Cアルコキシである、基;
から独立して選択されるか、または、
(i)BおよびB’が、一緒になって、フルオレン−9−イリデン、一置換フルオレン−9−イリデン、もしくは飽和C〜C12スピロ二環式炭化水素環を形成し;該フルオレン−9−イリデン置換基の各々が、C〜Cアルコキシである、
ナフトピラン。
【請求項25】
請求項22に記載のナフトピランであって、該ナフトピランが、以下:
(a) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−11−モルホリノ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(b) 3−フェニル−3−(4−モルホリノ−フェニル)−11−モルホリノ−13,13−ジメチル−3H,13H− インデノ[2’,3’:3,4]ナフト−[1,2−b]ピラン;
(c) 3,3−ジ(4−(2−メトキシエトキシフェニル))−11−モルホリノ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(d) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−11−モルホリノ−13−ヒドロキシ−13−エチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(e) 3,3−ジ(4−メトキシフェニル)−10−メトキシ−11−モルホリノ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(f) 3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−モルホリノフェニル)−10−メトキシ−11−モルホリノ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(g) 3−(3,4−ジメトキシフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)−11−モルホリノ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;
(h) 3−(4−メトキシフェニル)−3−(4−モルホリノフェニル)−11−モルホリノ−13,13−ジメチル−3H,13H−インデノ[2’,3’:3,4]ナフト[1,2−b]ピラン;または
(i)これらの混合物
から選択される、ナフトピラン。
【請求項26】
請求項22に記載のフォトクロミック材料であって、該フォトクロミック材料が、以下:
(a)単一のフォトクロミック化合物;
(b)フォトクロミック化合物の混合物;
(c)少なくとも1つのフォトクロミック化合物を含む材料;
(d)少なくとも1つのフォトクロミック化合物が、化学的に結合されている材料;
(e)該少なくとも1つのフォトクロミック化合物と外部材料との接触を実質的に防ぐためのコーティングをさらに含む、材料(c)もしくは材料(d);
(f)フォトクロミックポリマー;または
(g)これらの混合物
から選択される、フォトクロミック材料。
【請求項27】
少なくとも部分的に硬化されたポリマー、およびフォトクロミック量の以下の構造式:
【化30】

によって表される少なくとも1つのナフトピランを含むフォトクロミック物品であって、
ここで、
(a)Rが、以下:
(i)−SRであって、Rが、C〜Cアルキル、アリール、一置換または二置換のアリールから選択され、該アリール基が、フェニルまたはナフチルであり、そして該アリール置換基の各々が、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシまたはハロゲンから独立して選択される、−SR
(ii)−N(R15)R16であって、R15およびR16が各々、水素、C〜Cアルキル、アリール、フラニル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−3−イル、チエニル、ベンゾチエン−2−イル、ベンゾチエン−3−イル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニル、ベンゾピリジル、フルオレニル、C〜Cアルキルアリール、C〜C20シクロアルキル、C〜C20ビシクロアルキル、C〜C20トリシクロアルキルまたはC〜C20アルコキシアルキルから独立して選択され、そして該アリール基が、フェニルまたはナフチルである、−N(R15)R16
(iii)以下の構造式:
【化31】

によって表される窒素含有環であって、
ここで、各Yが、各出現について、−CH−、−CH(R17)−、−C(R17)(R17)−、−CH(アリール)−、−C(アリール)−または−C(R17)(アリール)−から独立して選択され;Xが、−Y−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−NH−、−N(R17)−または−N(アリール)−であり;R17は、C〜Cアルキルであり;該アリール基が、フェニルまたはナフチルであり、mは、整数1、2または3から選択され、そしてpが、整数0、1、2または3から選択され;ただし、pが0の場合、XはYである、窒素含有環;
(iv)以下の構造式:
【化32】

のうちの1つによって表される基であって、
ここで、各R19、R20およびR21が、各出現について、各式において、水素、C〜Cアルキル、フェニルもしくはナフチルから独立して選択されるか;または基R19およびR20が一緒になって、5個〜8個の炭素原子の環を形成し;R18が、各出現について、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フルオロまたはクロロから独立して選択され、そしてnが、整数0、1または2から選択される、基;
(v)非置換、一置換または二置換のC〜C18スピロ二環式アミン;または
(vi)非置換、一置換または二置換のC〜C18スピロ三環式アミンであって;(v)および(vi)について該置換基が、各出現について、アリール、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシまたはフェニル(C〜C)アルキルから独立して選択される、C〜C18スピロ三環式アミン;
によって表され;
(b)R’が、各出現について、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシから独立して選択され、そしてnが、整数0、1または2から選択され;
(c)RおよびRが各々、以下:
(i)水素、ヒドロキシ、アミノ、一置換または二置換のアミノ、C〜C12アルキル、C〜C12アルキリデン、C〜C12アルキリジン、ビニル、C〜Cシクロアルキル、アリル、C〜Cハロアルキル、ベンジル、一置換ベンジル、クロロ、フルオロ、または−C(O)Wであって、ここで、Wが、ヒドロキシ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フェニル、一置換フェニル、アミノ、モノ(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、モルホリノ、ピペリジノまたはピロリジルであり;該アミノ置換基が、C〜Cアルキル、フェニル、ベンジルまたはナフチルであり;該ベンジル置換基およびフェニル置換基のうちの各々が、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシである、水素、ヒドロキシ、アミノ、一置換または二置換のアミノ、C〜C12アルキル、C〜C12アルキリデン、C〜C12アルキリジン、ビニル、C〜Cシクロアルキル、アリル、C〜Cハロアルキル、ベンジル、一置換ベンジル、クロロ、フルオロ、または−C(O)W;
(ii)フェニル、ナフチル、フェナントリル、ピレニル、キノリル、イソキノリル、ベンゾフラニル、チエニル、ベンゾチエニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニル、カルバゾリルまたはインドリルから選択される、非置換、一置換、二置換または三置換の基であって、(c)(ii)における該基の置換基の各々が、各出現について、クロロ、フルオロ、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシから独立して選択される、基;
(iii)一置換フェニルであって、該フェニルが、パラ位に位置する−(CH−または−O−(CH−である置換基を有し、別のフォトクロミック材料のメンバーであるアリール基に結合され、そしてtが、整数1、2、3、4、5または6から選択される、一置換フェニル;
(iv)−ORであって、Rが、C〜Cアルキル、C〜Cアシル、フェニル(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルキル置換フェニル(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルコキシ置換フェニル(C〜C)アルキル、C〜Cアルコキシ(C〜C)アルキル、C〜Cシクロアルキル、モノ(C〜C)アルキル置換C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cフルオロアルキル、アリル、トリ(C〜C)アルキルシリル、トリ(C〜C)アルコキシシリル、ジ(C〜C)アルキル(C〜C)アルコキシシリル、ジ(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキルシリル、ベンゾイル、一置換ベンゾイル、ナフトイルもしくは一置換ナフトイルから選択され;該ベンゾイル置換基およびナフトイル置換基の各々が、C〜CアルキルもしくはC〜Cアルコキシから独立して選択されるか;またはRが、−CH(R)Qであり、ここでRが、水素もしくはC〜Cアルキルから選択され、そしてQが、−CN、−CF、もしくは−COOR10から選択され、そしてR10が、水素もしくはC〜Cアルキルから選択されるか;またはRが、−C(O)Vであり、ここでVが、水素、C〜Cアルコキシ、フェノキシ、モノ(C〜C)アルキル置換もしくはジ(C〜C)アルキル置換のフェノキシ、モノ(C〜C)アルコキシ置換もしくはジ(C〜C)アルコキシ置換のフェノキシ、非置換、一置換もしくは二置換のアリール基、フェニルもしくはナフチル、アミノ、モノ(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、フェニルアミノ、モノ(C〜C)アルキル置換もしくはジ(C〜C)アルキル置換のフェニルアミノ、またはモノ(C〜C)アルコキシ置換もしくはジ(C〜C)アルコキシ置換のフェニルアミノから選択され;該アリール基の置換基の各々が、C〜CアルキルもしくはC〜Cアルコキシから独立して選択される、−OR
(v)−CH(Q’)であって、Q’が、−CNまたは−COOR11から選択され、そしてR11が、水素、C〜Cアルキル、フェニル(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルキル置換フェニル(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルコキシ置換フェニル(C〜C)アルキル、または非置換、一置換もしくは二置換のアリール基、フェニルもしくはナフチルから選択され;該アリール基の置換基の各々が、C〜CアルキルもしくはC〜Cアルコキシから独立して選択される、−CH(Q’)
(vi)−CH(R12)Gであって、R12が、水素、C〜Cアルキル、または非置換、一置換もしくは二置換のアリール基、フェニルもしくはナフチルから選択され、そしてGが、−COOR11、−COR13もしくは−CHOR14から選択され、ここでR13が、水素、C〜Cアルキル、非置換、一置換もしくは二置換のアリール基、フェニルもしくはナフチル、アミノ、モノ(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、フェニルアミノ、モノ(C〜C)アルキル置換もしくはジ(C〜C)アルキル置換のフェニルアミノ、モノ(C〜C)アルコキシ置換もしくはジ(C〜C)アルコキシ置換のフェニルアミノ、ジフェニルアミノ、モノ(C〜C)アルキル置換もしくはジ(C〜C)アルキル置換のジフェニルアミノ、モノ(C〜C)アルコキシ置換もしくはジ(C〜C)アルコキシ置換のジフェニルアミノ、モルホリノまたはピペリジノから選択され、R14が、水素、−C(O)R11、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ(C〜C)アルキル、フェニル(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルコキシ置換フェニル(C〜C)アルキル、または非置換、一置換もしくは二置換の、アリール基、フェニルもしくはナフチルから選択され、該アリール基の置換基の各々が、C〜CアルキルもしくはC〜Cアルコキシから独立して選択される、−CH(R12)G;
(vii)式:
【化33】

によって表される基Tであって、−Zが、−C(O)−または−CH−から選択され、Z’が、C〜Cアルコキシまたは重合可能な基から選択され、x、yおよびzが各々、0と50との間の数から独立して選択され、そしてx、yおよびzの合計が、2と50との間である、基T;または
(viii)一緒になってオキソ基を形成する、RおよびR
から独立して選択され、
(d)Rが、水素、C〜Cアルキルまたは基Rから選択され、該基Rが、以下:
(i)−OR’であって、R’が、フェニル(C〜C)アルキル、C〜Cアルキル、モノ(C〜C)アルキル置換フェニル(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルコキシ置換フェニル(C〜C)アルキル、C〜Cアルコキシ(C〜C)アルキル、C〜Cシクロアルキル、モノ(C〜C)アルキル置換C〜Cシクロアルキル、C〜Cクロロアルキル、C〜Cフルオロアルキル、アリルまたは−CH(R)Qから選択され、Rが、水素またはC〜Cアルキルから選択される、−OR’;
(ii)以下:
(1)−N(R15)R16であって、R15およびR16が、本請求項中の(a)(ii)において記載されるものと同じである、−N(R15)R16
(2)以下の構造式:
【化34】

によって表される窒素含有環であって、ここで、Y、X、mおよびpが、本請求項中の(a)(iii)において記載されるものと同じである、窒素含有環;または
(3)以下の構造式
【化35】

によって表される基であって、ここで、R18、R19、R20、R21およびnが、本請求項中の(a)(iv)において記載されるものと同じである、基;
から選択される、基、
から選択され、
(e)Rが、水素、C〜CアルキルまたはRから選択され、該Rが、本請求項中の(d)において記載されるものと同じであり;
(f)Rが、水素、C〜CアルキルまたはRから選択され、該Rが、本請求項中の(d)において記載されるものと同じであるか;または
(g)RおよびRが一緒になって、以下の構造式:
【化36】

のうちの1つを形成し、ここで、JおよびKが、各出現について、各式において、酸素または−N(R15)−から独立して選択され、R19およびR20が各々、本請求項中の記載されるものと同じであり;
(h)BおよびB’が各々、以下:
(i)モノT置換フェニル;
(ii)非置換、一置換、二置換または三置換の、アリール基、フェニル基またはナフチル基;
(iii)9−ジュロリジニル基、または、ピリジル、フラニル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−3−イル、チエニル、ベンゾジエン−2−イル、ベンゾチエン−3−イル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニル、カルバゾイル、ベンゾピリジル、インドリニルもしくはフルオレニルから選択される、非置換、一置換、もしくは二置換の複素芳香族基であって、(h)(ii)および(h)(iii)における該アリール置換基および複素芳香族置換基の各々が、ヒドロキシ、本請求項中の記載される基−C(O)W、アリール、モノ(C〜C)アルコキシアリール、ジ(C〜C)アルコキシアリール、モノ(C〜C)アルキルアリール、ジ(C〜C)アルキルアリール、クロロアリール、フルオロアリール、C〜Cシクロアルキルアリール、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルキルオキシ、C〜Cシクロアルキルオキシ(C〜C)アルキル、C〜Cシクロアルキルオキシ(C〜C)アルコキシ、アリール(C〜C)アルキル、アリール(C〜C)アルコキシ、アリールオキシ、アリールオキシ(C〜C)アルキル、アリールオキシ(C〜C)アルコキシ、モノ(C〜C)アルキルアリール(C〜C)アルキルもしくはジ(C〜C)アルキルアリール(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルコキシアリール(C〜C)アルキルもしくはジ(C〜C)アルコキシアリール(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルキルアリール(C〜C)アルコキシもしくはジ(C〜C)アルキルアリール(C〜C)アルコキシ、モノ(C〜C)アルコキシアリール(C〜C)アルコキシもしくはジ(C〜C)アルコキシアリール(C〜C)アルコキシ、アミノ、モノ(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、ジアリールアミノ、ピペラジノ、N−(C〜C)アルキルピペラジノ、N−アリールピペラジノ、アジリジノ、インドリノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロキノリノ、テトラヒドロイソキノリノ、ピロリジル、C〜Cアルキル、C〜Cクロロアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cアルコキシ、モノ(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、アクリルオキシ、メタクリルオキシ、ブロモ、クロロまたはフルオロから独立して選択され、該アリールが、フェニルもしくはナフチルから選択される、9−ジュロリジニル基または複素芳香族基;
(iv)ピラゾニル、イミダゾリル、ピラゾリニル、イミダゾリニル、ピロリニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フェナジニル、またはアクリジニルから選択される、非置換もしくは一置換の基であって、該置換基のうちの各々が、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フェニル、フルオロ、クロロまたはブロモから独立して選択される、基;
(v)一置換フェニルであって、該フェニルが、本請求項中の(c)(iii)において記載されるようなパラ位の置換基を有する、一置換フェニル;
(vi)以下の構造式:
【化37】

のうちの1つによって表される基であって、
ここで、Aが、各式において、メチレンまたは酸素から独立して選択され、そしてDが、各式において、酸素または置換窒素から独立して選択され、ただし、Dが置換窒素である場合、Aはメチレンであり;該窒素置換基が、水素、C〜Cアルキル、またはC〜Cアシルから選択され;各R24が、各出現について、各式において、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、クロロまたはフルオロから独立して選択され;R22およびR23が各々、各式において、水素またはC〜Cアルキルから独立して選択され;そしてqが、整数0、1または2から選択される、基;
(vii)C〜Cアルキル、C〜Cクロロアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cアルコキシ(C〜C)アルキル、C〜Cシクロアルキル、モノ(C〜C)アルコキシ(C〜C)シクロアルキル、モノ(C〜C)アルキル(C〜C)シクロアルキル、クロロ(C〜C)−シクロアルキル、フルオロ(C〜C)シクロ−アルキル、またはC〜C12ビシクロアルキル;
(viii)以下の構造式:
【化38】

によって表される基であって、
ここで、Lが、水素もしくはC〜Cアルキルから選択され、そしてMが、ナフチル、フェニル、フラニル、もしくはチエニルから選択される、非置換、一置換、もしくは二置換の基から選択され;該基の置換基の各々が、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フルオロ、もしくはクロロから独立して選択される、基;
から独立して選択されるか、または、
(i)BおよびB’が、一緒になって、フルオレン−9−イリデン、一置換もしくは二置換のフルオレン−9−イリデン、または、飽和C〜C12スピロ単環式炭化水素環、飽和C〜C12スピロ二環式炭化水素環、もしくは飽和C〜C12スピロ三環式炭化水素環から独立して選択される基を形成し;該フルオレン−9−イリデン置換基の各々が、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フルオロもしくはクロロから独立して選択される、
フォトクロミック物品。
【請求項28】
400〜700ナノメーターの範囲内の少なくとも1つの活性化吸収極大を含む、少なくとも1つの他のフォトクロミック材料をさらに含む、請求項27に記載のフォトクロミック物品。
【請求項29】
前記少なくとも1つの他のフォトクロミック材料が、クロメン、スピロピラン、オキサジン、有機金属ジチオゾネート、フルギド、フルギミド、またはこれらの混合物から選択される、請求項28に記載のフォトクロミック物品。
【請求項30】
前記少なくとも部分的に硬化されるポリマーが、熱硬化性有機ポリマー材料または熱可塑性有機ポリマー材料から選択される、請求項27に記載のフォトクロミック物品。
【請求項31】
請求項30に記載のフォトクロミック物品であって、ここで、前記少なくとも部分的に硬化されるポリマーが、ポリ(C〜C12アルキルメタクリレート)、ポリ(オキシアルキレンジメタクリレート)、ポリ(アルコキシル化フェノールメタクリレート)、セルロースアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(塩化ビニリデン)、熱可塑性ポリカーボネート、ポリエステル、ポリウレタン、ポリチオウレタン、ポリ(尿素ウレタン)、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリスチレン、ポリ(αメチルスチレン)、コポリ(スチレン−メチルメタクリレート)、コポリ(スチレン−アクリロニトリル)、ポリビニルブチラルから選択される熱硬化性有機ポリマー材料または熱可塑性有機ポリマー材料であるか、あるいは、前記少なくとも部分的に硬化されるポリマーが、ビス(アリルカーボネート)モノマー、多官能性アクリレートモノマー、多官能性メタクリレートモノマー、ジエチレングリコールジメタクリレートモノマー、ジイソプロペニルベンゼンモノマー、エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレートモノマー、エチレングリコールビスメタクリレートモノマー、ポリ(エチレングリコール)ビスメタクリレートモノマー、エトキシル化フェノールビスメタクリレートモノマー、アルコキシル化多価アルコールポリアクリレートモノマー、スチレンモノマー、ウレタンアクリレートモノマー、グリシジルアクリレートモノマー、グリシジルメタクリレートモノマー、ジアリリデンペンタエリスリトールモノマーもしくはこれらの混合物より選択されるモノマーから重合化される、フォトクロミック物品。
【請求項32】
前記少なくとも部分的に硬化されるポリマーが、光学素子である、請求項27に記載のフォトクロミック物品。
【請求項33】
請求項32に記載されるフォトクロミック物品であって、前記少なくとも部分的に硬化されるポリマーが、光学素子であり、そして該光学素子が、眼レンズである、フォトクロミック物品。
【請求項34】
請求項27に記載のフォトクロミック物品であって、該フォトクロミック物品が、前記少なくとも部分的に硬化されるポリマーの少なくとも一部分に結合される上層をさらに含み、該上層が、少なくとも1つの有機ポリマー材料を含む、フォトクロミック物品。
【請求項35】
前記上層が、前記少なくとも部分的に硬化されるポリマーの少なくとも一部分に接着して結合される、請求項34に記載のフォトクロミック物品。
【請求項36】
前記上層が、熱硬化性材料または熱可塑性材料から選択される有機ポリマー材料である、請求項34に記載のフォトクロミック物品。
【請求項37】
前記上層が、熱可塑性材料であり、そしてポリウレタンである、請求項36に記載のフォトクロミック物品。
【請求項38】
前記上層の少なくとも一部分に重ねられる少なくとも部分的に耐摩耗性のフィルムをさらに含む、請求項30に記載のフォトクロミック物品。
【請求項39】
前記少なくとも部分的に耐摩耗性のフィルムが、熱可塑性材料または熱硬化性材料から選択される有機ポリマー材料である、請求項38に記載のフォトクロミック物品。
【請求項40】
前記少なくとも部分的に耐摩耗性のフィルムが、熱可塑性材料であり、そしてポリウレタンである、請求項39に記載のフォトクロミック物品。
【請求項41】
請求項38に記載のフォトクロミック材料であって、該フォトクロミック材料が、少なくとも部分的に反射防止性のコーティングの少なくとも部分的なコーティングをさらに含み、該少なくとも部分的に反射防止性のコーティングが、前記上層の少なくとも一部分に重ねられる前記少なくとも部分的に耐摩耗性のフィルムに適用される、フォトクロミック材料。
【請求項42】
基層およびフォトクロミックポリマーコーティング組成物の少なくとも部分的なコーティングを含むフォトクロミック物品であって、該フォトクロミックポリマーコーティング組成物が、フィルム形成ポリマー、および少なくともフォトクロミック量の以下の構造式:
【化39】

によって表される少なくとも1つのナフトピランを含み、
ここで、
(a)Rが、以下:
(i)−SRであって、Rが、C〜Cアルキル、アリール、一置換または二置換のアリールから選択され、該アリール基が、フェニルまたはナフチルであり、そして該アリール置換基のうちの各々が、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシまたはハロゲンから独立して選択される、−SR
(ii)−N(R15)R16であって、R15およびR16が各々、水素、C〜Cアルキル、アリール、フラニル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−3−イル、チエニル、ベンゾチエン−2−イル、ベンゾチエン−3−イル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニル、ベンゾピリジル、フルオレニル、C〜Cアルキルアリール、C〜C20シクロアルキル、C〜C20ビシクロアルキル、C〜C20トリシクロアルキルまたはC〜C20アルコキシアルキルから独立して選択され、そして該アリール基が、フェニルまたはナフチルである、−N(R15)R16
(iii)以下の構造式:
【化40】

によって表される窒素含有環であって、
ここで、各Yが、各出現について、−CH−、−CH(R17)−、−C(R17)(R17)−、−CH(アリール)−、−C(アリール)−または−C(R17)(アリール)−から独立して選択され;Xが、−Y−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−NH−、−N(R17)−または−N(アリール)−であり;R17が、C〜Cアルキルであり;該アリール基が、フェニルまたはナフチルであり、mが、整数1、2または3から選択され、そしてpが、整数0、1、2または3から選択され;ただし、pが0の場合、XはYである、窒素含有環;
(iv)以下の構造式:
【化41】

のうちの1つによって表される基であって、
ここで、各R19、R20およびR21が、各出現について、各式において、水素、C〜Cアルキル、フェニルもしくはナフチルから独立して選択されるか;または基R19およびR20が一緒になって、5個〜8個の炭素原子の環を形成し;R18が、各出現について、C〜Cアルキル、C1〜6アルコキシ、フルオロまたはクロロから独立して選択され、そしてnが、整数0、1または2から選択される、基;
(v)非置換、一置換または二置換のC〜C18スピロ二環式アミン;あるいは
(vi)非置換、一置換または二置換のC〜C18スピロ三環式アミンであって、(v)および(vi)について該置換基が、各出現について、アリール、C〜Cアルキル、C1〜6アルコキシまたはフェニル(C〜C)アルキルから独立して選択される、C〜C18スピロ三環式アミン;
によって表され;
(b)R’が、各出現について、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシから独立して選択され、そしてnが、整数0、1または2から選択され;
(c)RおよびRが各々、以下:
(i)水素、ヒドロキシ、アミノ、一置換または二置換のアミノ、C〜C12アルキル、C〜C12アルキリデン、C〜C12アルキリデン、ビニル、C〜Cシクロアルキル、アリル、C〜Cハロアルキル、ベンジル、一置換ベンジル、クロロ、フルオロ、または−C(O)Wであって、ここで、Wが、ヒドロキシ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フェニル、一置換フェニル、アミノ、モノ(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、モルホリノ、ピペリジノまたはピロリジルであり;該アミノ置換基が、C〜Cアルキル、フェニル、ベンジルまたはナフチルであり;該ベンジル置換基およびフェニル置換基のうちの各々が、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシである、水素、ヒドロキシ、アミノ、一置換または二置換のアミノ、C〜C12アルキル、C〜C12アルキリデン、C〜C12アルキリデン、ビニル、C〜Cシクロアルキル、アリル、C〜Cハロアルキル、ベンジル、一置換ベンジル、クロロ、フルオロ、または−C(O)W;
(ii)フェニル、ナフチル、フェナントリル、ピレニル、キノリル、イソキノリル、ベンゾフラニル、チエニル、ベンゾチエニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニル、カルバゾリルまたはインドリルから選択される、非置換、一置換、二置換または三置換の基であって、(c)(ii)における該基置換基のうちの各々が、各出現について、クロロ、フルオロ、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシから独立して選択される、基;
(iii)一置換フェニルであって、該フェニルが、パラ位に位置して−(CH−または−O−(CH−である置換基を有し、別のフォトクロミック材料のメンバーであるアリール基に結合され、そしてtが、整数1、2、3、4、5または6から選択される、一置換フェニル;
(iv)−ORであって、Rが、C〜Cアルキル、C〜Cアシル、フェニル(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルキル置換フェニル(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルコキシ置換フェニル(C〜C)アルキル、C〜Cアルコキシ(C〜C)アルキル、C〜Cシクロアルキル、モノ(C〜C)アルキル置換C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cフルオロアルキル、アリル、トリ−C〜Cアルキルシリル、トリ−C〜Cアルコキシシリル、ジ−C〜Cアルキル(C〜C)アルコキシ)シリル、ジ−C〜Cアルコキシ(C〜C)アルキル)シリル、ベンゾイル、一置換ベンゾイル、ナフトイルもしくは一置換ナフトイルから選択され;該ベンゾイル置換基およびナフトイル置換基のうちの各々が、C〜CアルキルもしくはC〜Cアルコキシから独立して選択されるか;またはRが、−CH(R)Qであり、ここでRが、水素もしくはC〜Cアルキルから選択され、そしてQが、−CN、−CF、もしくは−COOR10から選択され、そしてR10が、水素もしくはC〜Cアルキルから選択されるか;またはRが、−C(O)Vであり、ここでVが、水素、C〜Cアルコキシ、フェノキシ、モノ(C〜C)アルキル置換もしくはジ(C〜C)アルキル置換のフェノキシ、モノ(C〜C)アルコキシ置換もしくはジ(C〜C)アルコキシ置換のフェノキシ、非置換、一置換もしくは二置換のアリール基、フェニルもしくはナフチル、アミノ、モノ(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、フェニルアミノ、モノ(C〜C)アルキル置換もしくはジ(C〜C)アルキル置換のフェニルアミノ、またはモノ(C〜C)アルコキシ置換もしくはジ(C〜C)アルコキシ置換のフェニルアミノから選択され;該アリール基置換基のうちの各々が、C〜CアルキルもしくはC〜Cアルコキシから独立して選択される、−OR
(v)−CH(Q’)であって、Q’が、−CNまたは−COOR11から選択され、そしてR11が、水素、C〜Cアルキル、フェニル(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルキル置換フェニル(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルコキシ置換フェニル(C〜C)アルキル、または非置換、一置換もしくは二置換のアリール基、フェニルもしくはナフチルから選択され;該アリール基置換基のうちの各々が、C〜CアルキルもしくはC〜Cアルコキシから独立して選択される、−CH(Q’)
(vi)−CH(R12)Gであって、R12が、水素、C〜Cアルキル、または非置換、一置換もしくは二置換のアリール基、フェニルもしくはナフチルから選択され、そしてGが、−COOR11、−COR13もしくは−CHOR14から選択され、ここでR13が、水素、C〜Cアルキル、非置換、一置換もしくは二置換のアリール基、フェニルもしくはナフチル、アミノ、モノ(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、フェニルアミノ、モノ(C〜C)アルキル置換もしくはジ(C〜C)アルキル置換のフェニルアミノ、モノ(C〜C)アルコキシ置換もしくはジ(C〜C)アルコキシ置換のフェニルアミノ、ジフェニルアミノ、モノ(C〜C)アルキル置換もしくはジ(C〜C)アルキル置換のジフェニルアミノ、モノ(C〜C)アルコキシ置換もしくはジ(C〜C)アルコキシ置換のジフェニルアミノ、モルホリノまたはピペリジノから選択され、R14が、水素、−C(O)R11、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ(C〜C)アルキル、フェニル(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルコキシ置換フェニル(C〜C)アルキル、または非置換、一置換もしくは二置換のアリール基、フェニルもしくはナフチルから選択され、該アリール基置換基のうちの各々が、C〜CアルキルもしくはC〜Cアルコキシから独立して選択される、−CH(R12)G;
(vii)式:
【化42】

によって表される基Tであって、−Zが、−C(O)−または−CH−から選択され、Z’が、C〜Cアルコキシまたは重合可能な基から選択され、x、yおよびzが各々、0と50との間の数から独立して選択され、そしてx、yおよびzの合計が、2と50との間である、基T;または
(viii)一緒になってオキソ基を形成する、RおよびR
から独立して選択され、
(d)Rが、水素、C〜Cアルキルまたは基Rから選択され、該基Rが、以下:
(i)−OR’であって、R’が、フェニル(C〜C)アルキル、C〜Cアルキル、モノ(C〜C)アルキル置換フェニル(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルコキシ置換フェニル(C〜C)アルキル、C〜Cアルコキシ(C〜C)アルキル、C〜Cシクロアルキル、モノ(C〜C)アルキル置換C〜Cシクロアルキル、C〜Cクロロアルキル、C〜Cフルオロアルキル、アリルまたは−CH(R)Qから選択され、Rが、水素またはC〜Cアルキルから選択される、−OR’;または
(ii)以下:
(1)−N(R15)R16であって、R15およびR16が、本請求項中の(a)(ii)において記載されるものと同じである、−N(R15)R16
(2)以下の構造式:
【化43】

によって表される窒素含有環であって、ここで、Y、X、mおよびpが、本請求項中の(a)(iii)において記載されるものと同じである、窒素含有環;または
(3)以下の構造式
【化44】

によって表される基であって、ここで、R18、R19、R20、R21およびnが、本請求項中の(a)(iv)において記載されるものと同じである、基;
から選択される、基、
から選択され、
(e)Rが、水素、C〜CアルキルまたはRから選択され、該Rが、本請求項中の(d)において記載されるものと同じであるか;
(f)Rが、水素、C〜CアルキルまたはRから選択され、該Rが、本請求項中の(d)において記載されるものと同じであるか;または
(g)RおよびRが一緒になって、以下の構造式:
【化45】

のうちの1つを形成し、ここで、JおよびKが、各出現について、各式において、酸素または−N(R15)−から独立して選択され、R19およびR20が各々、本請求項中の記載されるものと同じであり;
(h)BおよびB’が各々、以下:
(i)モノT置換フェニル;
(ii)非置換、一置換、二置換または三置換の、アリール基、フェニル基またはナフチル基;
(iii)9−ジュロリジニル基、または、ピリジル、フラニル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−3−イル、チエニル、ベンゾジエン−2−イル、ベンゾチエン−3−イル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニル、カルバゾイル、ベンゾピリジル、インドリニルもしくはフルオレニルから選択される、非置換、一置換、もしくは二置換の複素芳香族基であって、(h)(ii)および(h)(iii)における該アリール基の置換基および複素芳香族基の置換基のうちの各々が、ヒドロキシ、本請求項中の記載される、−C(O)W、アリール、モノ(C〜C)アルコキシアリール、ジ(C〜C)アルコキシアリール、モノ(C〜C)アルキルアリール、ジ(C〜C)アルキルアリール、クロロアリール、フルオロアリール、C〜Cシクロアルキルアリール、C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルキルオキシ、C〜Cシクロアルキルオキシ(C〜C)アルキル、C〜Cシクロアルキルオキシ(C〜C)アルコキシ、アリール(C〜C)アルキル、アリール(C〜C)アルコキシ、アリールオキシ、アリールオキシ(C〜C)アルキル、アリールオキシ(C〜C)アルコキシ、モノ(C〜C)アルキルアリール(C〜C)アルキルもしくはジ(C〜C)アルキルアリール(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルコキシアリール(C〜C)アルキルもしくはジ(C〜C)アルコキシアリール(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルキルアリール(C〜C)アルコキシもしくはジ(C〜C)アルキルアリール(C〜C)アルコキシ、モノ(C〜C)アルコキシアリール(C〜C)アルコキシもしくはジ(C〜C)アルコキシアリール(C〜C)アルコキシ、アミノ、モノ(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、ジアリールアミノ、ピペラジノ、N−(C〜C)アルキルピペラジノ、N−アリールピペラジノ、アジリジノ、インドリノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、テトラヒドロキノリノ、テトラヒドロイソキノリノ、ピロリジル、C〜Cアルキル、C〜Cクロロアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cアルコキシ、モノ(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキル、アクリルオキシ、メタクリルオキシ、ブロモ、クロロまたはフルオロから独立して選択され、該アリールが、フェニルもしくはナフチルから選択される、複素芳香族基;
(iv)ピラゾニル、イミダゾリル、ピラゾリニル、イミダゾリニル、ピロリニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、フェナジニル、またはアクリジニルから選択される、非置換もしくは一置換の基であって、該置換基のうちの各々が、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フェニル、フルオロ、クロロまたはブロモから独立して選択される、基;
(v)一置換フェニルであって、該フェニルが、本請求項中の(c)(iii)において記載されるようなパラ位の置換基を有する、一置換フェニル;
(vi)以下の構造式:
【化46】

のうちの1つによって表される基であって、
ここで、Aが、各式において、メチレンまたは酸素から独立して選択され、そしてDが、各式において、酸素または置換窒素から独立して選択され、ただし、Dが置換窒素である場合、Aはメチレンであり;該窒素置換基が、水素、C〜Cアルキル、またはC〜Cアシルから選択され;各R24が、各出現について、各式において、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、ヒドロキシ、クロロまたはフルオロから独立して選択され;R22およびR23が各々、各式において、水素またはC〜Cアルキルから独立して選択され;そしてqが、整数0、1または2から選択される、基;
(vii)C〜Cアルキル、C〜Cクロロアルキル、C〜Cフルオロアルキル、C〜Cアルコキシ(C〜C)アルキル、C〜Cシクロアルキル、モノ(C〜C)アルコキシ(C〜C)シクロアルキル、モノ(C〜C)アルキル(C〜C)シクロアルキル、クロロ(C〜C)シクロアルキル、フルオロ(C〜C)シクロ−アルキル、またはC〜C12ビシクロアルキル;
(viii)以下の構造式:
【化47】

によって表される基であって、
ここで、Lが、水素もしくはC〜Cアルキルから選択され、そしてMが、ナフチル、フェニル、フラニル、もしくはチエニルから選択される、非置換、一置換、もしくは二置換の基から選択され;該基置換基のうちの各々が、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フルオロ、もしくはクロロから独立して選択される、基;
から独立して選択される、
フォトクロミック物品。
【請求項43】
請求項42に記載のフォトクロミック物品であって、前記フォトクロミックポリマーコーティング組成物が、400〜700ナノメーターの範囲内の少なくとも1つの活性化吸収極大を含む少なくとも1つの他のフォトクロミック材料をさらに含む、フォトクロミック物品。
【請求項44】
請求項43に記載のフォトクロミック物品であって、前記少なくとも1つの他のフォトクロミック材料が、クロメン、スピロピラン、オキサジン、有機金属ジチオゾネート、フルギド、フルギミド、またはこれらの混合物から選択される、フォトクロミック物品。
【請求項45】
前記基層が、紙、ガラス、セラミック、木材、メーソンリー、織物、金属またはポリマー性有機材料である、請求項43に記載のフォトクロミック物品。
【請求項46】
前記基層が、ポリマー性有機材料であり、該ポリマー性有機材料が、熱硬化性有機ポリマー材料または熱可塑性有機ポリマー材料から選択される固体透明ポリマーである、請求項45に記載のフォトクロミック物品。
【請求項47】
前記基層が、光学素子である固体透明ポリマーである、請求項46に記載のフォトクロミック物品。
【請求項48】
前記基層が、眼レンズである光学素子である、請求項47に記載のフォトクロミック物品。
【請求項49】
前記フィルム形成ポリマーが、熱硬化性有機ポリマー材料または熱可塑性有機ポリマー材料から選択される、請求項42に記載のフォトクロミック物品。
【請求項50】
請求項49に記載のフォトクロミック物品であって、前記フィルム形成ポリマーが、熱硬化性であり、そして、ポリウレタン、ポリ(メタ)アクリレート、アミノプラスト樹脂、ポリシラン、ポリ無水物、ポリアクリルアミドまたはエポキシ樹脂から選択される、フォトクロミック物品。
【請求項51】
前記基層と前記フォトクロミックポリマーコーティング組成物の少なくとも部分的なコーティングとの間に少なくとも部分的に挿入されるプライマーをさらに含む、請求項42に記載のフォトクロミック物品。
【請求項52】
請求項51に記載のフォトクロミック物品であって、該フォトクロミック物品は、少なくとも部分的に耐摩耗性のコーティングをさらに含み、該少なくとも部分的に耐摩耗性のコーティングは、前記フォトクロミックポリマーコーティング組成物の少なくとも部分的なコーティングの表面の少なくとも一部分に適用される、請求項51に記載のフォトクロミック物品。
【請求項53】
請求項52に記載のフォトクロミック物品であって、該フォロクロミック物品は、少なくとも部分的に反射防止性のコーティングの少なくとも部分的なコーティングをさらに含み、該少なくとも部分的に反射防止性のコーティングは、前記少なくとも部分的に耐摩耗性のコーティングに適用され、該少なくとも部分的に耐摩耗性のコーティングは、前記フォトクロミックポリマーコーティング組成物の少なくとも部分的なコーティングの表面の少なくとも一部分に適用される、請求項52に記載のフォトクロミック物品。
【請求項54】
以下の構造式:
【化48】

のうちの1つによって表されるナフトールであって、
ここで、脱離基が、ハロゲン、トシル、ブロシル、メシルまたはトリフィルから選択され;
(a)Rが、以下:
(i)−SRであって、Rが、C〜Cアルキル、アリール、一置換または二置換のアリールから選択され、該アリール基が、フェニルまたはナフチルであり、そして該アリール置換基のうちの各々が、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシまたはハロゲンから独立して選択される、−SR
(ii)−N(R15)R16であって、R15およびR16が各々、水素、C〜Cアルキル、アリール、フラニル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−3−イル、チエニル、ベンゾチエン−2−イル、ベンゾチエン−3−イル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニル、ベンゾピリジル、フルオレニル、C〜Cアルキルアリール、C〜C20シクロアルキル、C〜C20ビシクロアルキル、C〜C20トリシクロアルキルまたはC〜C20アルコキシアルキルから独立して選択され、そして該アリール基が、フェニルまたはナフチルである、−N(R15)R16
(iii)以下の構造式:
【化49】

によって表される窒素含有環であって、
ここで、各Yが、各出現について、−CH−、−CH(R17)−、−C(R17)(R17)−、−CH(アリール)−、−C(アリール)−または−C(R17)(アリール)−から独立して選択され;Xが、−Y−、−O−、−S−、−S(O)−、−S(O)−、−NH−、−N(R17)−または−N(アリール)−であり;R17が、C〜Cアルキルであり;該アリール基が、フェニルまたはナフチルであり、mが、整数1、2または3から選択され、そしてpが、整数0、1、2または3から選択され;ただし、pが0の場合、XはYである、窒素含有環;
(iv)以下の構造式:
【化50】

のうちの1つによって表される基であって、
ここで、各R19、R20およびR21が、各出現について、各式において、水素、C〜Cアルキル、フェニルもしくはナフチルから独立して選択されるか;または基R19およびR20が一緒になって、5個〜8個の炭素原子の環を形成し;R18が、各出現について、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フルオロまたはクロロから独立して選択され、そしてnが、整数0、1または2から選択される、基;
(v)非置換、一置換または二置換のC〜C18スピロ二環式アミン;または
(vi)非置換、一置換または二置換のC〜C18スピロ三環式アミンであって;(v)および(vi)についての該置換基が、各出現について、アリール、C〜Cアルキル、C1〜アルコキシまたはフェニル(C〜C)アルキルから独立して選択される、C〜C18スピロ三環式アミン;
によって表され;
(b)R’が、各出現について、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシから独立して選択され、そしてnが、整数0、1または2から選択され;
(c)各Rおよび各Rが、各出現について、以下:
(i)水素、ヒドロキシ、アミノ、一置換または二置換のアミノ、C〜C12アルキル、C〜C12アルキリデン、C〜C12アルキリデン、ビニル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cハロアルキル、アリル、ベンジル、一置換ベンジル、クロロ、フルオロ、または−C(O)Wであって、ここで、Wが、ヒドロキシ、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、フェニル、一置換フェニル、アミノ、モノ(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、モルホリノ、ピペリジノまたはピロリジルであり;該アミノ置換基が、C〜Cアルキル、フェニル、ベンジルまたはナフチルであり;該ベンジル置換基およびフェニル置換基のうちの各々が、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシである、水素、ヒドロキシ、アミノ、一置換または二置換のアミノ、C〜C12アルキル、C〜C12アルキリデン、C〜C12アルキリデン、ビニル、C〜Cシクロアルキル、アリル、C〜Cハロアルキル、ベンジル、一置換ベンジル、クロロ、フルオロ、または−C(O)W;
(ii)フェニル、ナフチル、フェナントリル、ピレニル、キノリル、イソキノリル、ベンゾフラニル、チエニル、ベンゾチエニル、ジベンゾフラニル、ジベンゾチエニル、カルバゾリルまたはインドリルから選択される、非置換、一置換、二置換または三置換の基であって、(c)(ii)における該基置換基のうちの各々が、各出現について、クロロ、フルオロ、C〜CアルキルまたはC〜Cアルコキシから独立して選択される、基;
(iii)一置換フェニルであって、該フェニルが、パラ位に位置して−(CH−または−O−(CH−である置換基を有し、別のフォトクロミック材料のメンバーであるアリール基に結合され、そしてtが、整数1、2、3、4、5または6から選択される、一置換フェニル;
(iv)−ORであって、Rが、C〜Cアルキル、C〜Cアシル、フェニル(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルキル置換フェニル(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルコキシ置換フェニル(C〜C)アルキル、C〜Cアルコキシ(C〜C)アルキル、C〜Cシクロアルキル、モノ(C〜C)アルキル置換C〜Cシクロアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜Cフルオロアルキル、アリル、トリ(C〜C)アルキルシリル、トリ(C〜C)アルコキシシリル、ジ(C〜C)アルキル(C〜C)アルコキシシリル、ジ(C〜C)アルコキシ(C〜C)アルキルシリル、ベンゾイル、一置換ベンゾイル、ナフトイルもしくは一置換ナフトイルから選択され;該ベンゾイル置換基およびナフトイル置換基のうちの各々が、C〜CアルキルもしくはC〜Cアルコキシから独立して選択されるか;またはRが、−CH(R)Qであり、ここでRが、水素もしくはC〜Cアルキルから選択され、そしてQが、−CN、−CF、もしくは−COOR10から選択され、そしてR10が、水素もしくはC〜Cアルキルから選択されるか;またはRが、−C(O)Vであり、ここでVが、水素、C〜Cアルコキシ、フェノキシ、モノ(C〜C)アルキル置換もしくはジ(C〜C)アルキル置換のフェノキシ、モノ(C〜C)アルコキシ置換もしくはジ(C〜C)アルコキシ置換のフェノキシ、非置換、一置換もしくは二置換のアリール基、フェニルもしくはナフチル、アミノ、モノ(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、フェニルアミノ、モノ(C〜C)アルキル置換もしくはジ(C〜C)アルキル置換のフェニルアミノ、またはモノ(C〜C)アルコキシ置換もしくはジ(C〜C)アルコキシ置換のフェニルアミノから選択され;該アリール基置換基のうちの各々が、C〜CアルキルもしくはC〜Cアルコキシから独立して選択される、−OR
(v)−CH(Q’)であって、Q’が、−CNまたは−COOR11から選択され、そしてR11が、水素、C〜Cアルキル、フェニル(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルキル置換フェニル(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルコキシ置換フェニル(C〜C)アルキル、または非置換、一置換もしくは二置換のアリール基、フェニルもしくはナフチルから選択され;該アリール基置換基のうちの各々が、C〜CアルキルもしくはC〜Cアルコキシから独立して選択される、−CH(Q’)
(vi)−CH(R12)Gであって、R12が、水素、C〜Cアルキル、または非置換、一置換もしくは二置換のアリール基、フェニルもしくはナフチルから選択され、そしてGが、−COOR11、−COR13もしくは−CHOR14から選択され、ここでR13が、水素、C〜Cアルキル、非置換、一置換もしくは二置換のアリール基、フェニルもしくはナフチル、アミノ、モノ(C〜C)アルキルアミノ、ジ(C〜C)アルキルアミノ、フェニルアミノ、モノ(C〜C)アルキル置換もしくはジ(C〜C)アルキル置換のフェニルアミノ、モノ(C〜C)アルコキシ置換もしくはジ(C〜C)アルコキシ置換のフェニルアミノ、ジフェニルアミノ、モノ(C〜C)アルキル置換もしくはジ(C〜C)アルキル置換のジフェニルアミノ、モノ(C〜C)アルコキシ置換もしくはジ(C〜C)アルコキシ置換のジフェニルアミノ、モルホリノまたはピペリジノから選択され、R14が、水素、−C(O)R11、C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ(C〜C)アルキル、フェニル(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルコキシ置換フェニル(C〜C)アルキル、または非置換、一置換もしくは二置換のアリール基、フェニルもしくはナフチルから選択され、該アリール基置換基のうちの各々が、C〜CアルキルもしくはC〜Cアルコキシから独立して選択される、−CH(R12)G;
(vii)式:
【化51】

によって表される基Tであって、−Zが、−C(O)−または−CH−から選択され、Z’が、C〜Cアルコキシまたは重合可能な基から選択され、x、yおよびzが各々、0と50との間の数から独立して選択され、そしてx、yおよびzの合計が、2と50との間である、基T;または
(viii)一緒になってオキソ基を形成する、RとRまたはRとR
から独立して選択され、
(d)Rが、水素、C〜Cアルキルまたは基Rから選択され、該基Rが、以下:
(i)−OR’であって、R’が、フェニル(C〜C)アルキル、C〜Cアルキル、モノ(C〜C)アルキル置換フェニル(C〜C)アルキル、モノ(C〜C)アルコキシ置換フェニル(C〜C)アルキル、C〜Cアルコキシ(C〜C)アルキル、C〜Cシクロアルキル、モノ(C〜C)アルキル置換C〜Cシクロアルキル、C〜Cクロロアルキル、C〜Cフルオロアルキル、アリルまたは−CH(R)Qから選択され、Rが、水素またはC〜Cアルキルから選択される、−OR’;または
(ii)以下:
(1)−N(R15)R16であって、R15およびR16が、本請求項中の(a)(ii)において記載されるものと同じである、−N(R15)R16
(2)以下の構造式:
【化52】

によって表される窒素含有環であって、ここで、Y、X、mおよびpが、本請求項中の(a)(iii)において記載されるものと同じである、窒素含有環;または
(3)以下の構造式
【化53】

によって表される基であって、ここで、R18、R19、R20、R21およびnが、本請求項中の記載されるものと同じである、基;
から選択される、基、
から選択され、
(e)Rが、水素、C〜CアルキルまたはRから選択され、該Rが、本請求項中の(d)において記載されるものと同じであるか;
(f)Rが、水素、C〜CアルキルまたはRから選択され、該Rが、本請求項中の(d)において記載されるものと同じであるか;または
(g)RおよびRが一緒になって、以下の構造式:
【化54】

のうちの1つを形成し、ここで、JおよびKが、各出現について、各式において、酸素または−N(R15)−から独立して選択され、R15が、本請求項中の(a)(ii)において記載されるものと同じであり、R19およびR20が各々、本請求項中の(a)(iv)において記載されるものと同じである、
ナフトール。
【請求項55】
請求項54に記載のナフトールであって、該ナフトールが、以下の構造式:
【化55】

のうちの1つによって表される、ナフトール。
【請求項56】
請求項54に記載のナフトールであって、該ナフトールが、以下:
(a)7,7−ジメチル−5−ヒドロキシ−9−フルオロ−7H−ベンゾ[C]フルオレン;
(b)7−ジメチル−7−メトキシ−5−ヒドロキシ−9−フルオロ−7H−ベンゾ[C]フルオレン;
(c)7,7−ジメチル−5−ヒドロキシ−9−モルホリノ−7H−ベンゾ[C]フルオレン;
(d)7,7−ジメチル−5−ヒドロキシ−10−メトキシ−9−モルホリノ−7H−ベンゾ[C]フルオレン;
(e)7−ジメチル−7−メトキシ−5−ヒドロキシ−9−ジメチルアミノ−7H−ベンゾ[C]フルオレン;
(f)7−エチル−7−メトキシ−5−ヒドロキシ−9−ピペリジノ−7H−ベンゾ[C]フルオレン;
(g)7,7−ジメチル−5−ヒドロキシ−9−ピペリジノ−7H−ベンゾ[C]フルオレン;
(h)7,7−ジメチル−3−メトキシ−5−ヒドロキシ−9−モルホリノ−7H−ベンゾ[C]フルオレン;
(i)7,7−ジメチル−3,4−ジメトキシ−5−ヒドロキシ−9−モルホリノ−7H−ベンゾ[C]フルオレン;
(j)7,7−ジメチル−3−メトキシ−4−メチル−5−ヒドロキシ−9−モルホリノ−7H−ベンゾ[C]フルオレン;
(k)7,7−ジメチル−5−ヒドロキシ−9−フェニルチオ−7H−ベンゾ[C]フルオレン;
(l)7−フェニル−7−ヒドロキシ−3−メトキシ−4−メチル−5−ヒドロキシ−9−モルホリノ−7H−ベンゾ[C]フルオレン;
(m)7−エチル−7−メトキシ−5−ヒドロキシ−9−フェニルチオ−7H−ベンゾ[C]フルオレン;または
(n)これらの混合物
から選択される、ナフトール。

【公表番号】特表2006−525378(P2006−525378A)
【公表日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−518823(P2005−518823)
【出願日】平成16年3月16日(2004.3.16)
【国際出願番号】PCT/US2004/008156
【国際公開番号】WO2005/090327
【国際公開日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(504175051)トランジションズ オプティカル, インコーポレイテッド (65)
【Fターム(参考)】