説明

インドリノン誘導体及び癌等の症状を治療する際のそれらの使用

【課題】インドリノン誘導体及び癌等の症状を治療する際のそれらの使用を提供する。
【解決手段】本発明は一般式(1)
【化1】


(式中、R1 〜R4 は請求項1に定義されたとおりである)
の化合物(これらは過度又は異常な細胞増殖を特徴とする疾患の治療に適している)、及び上記性質を有する医薬組成物を調製するためのそれらの使用を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般式(1)
【0002】
【化1】

【0003】
(式中、基R1 〜R4 は特許請求の範囲及び明細書に示された意味を有する)
の新規インドリノン、これらの異性体、これらのインドリノンの調製方法及び薬物としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0004】
インドリノンは、例えば、受容体チロシンキナーゼ及びサイクリン/CDK-複合体抑制化合物として記載されており、6位でメチルカルボキシレート(WO02/081445)、カルバモイル(WO01/27081)又はハロゲン(WO2004/026829)で置換されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は過度又は異常な細胞増殖を特徴とする疾患の予防及び/又は治療に使用し得る新規活性物質を発見することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
驚くことに、一般式(1)の化合物(式中、基R1 〜R4 は以下に示される意味を有する)は特定の細胞サイクルキナーゼのインヒビターとして作用することが今わかった。こうして、本発明の化合物は、例えば、特定の細胞サイクルキナーゼの活性と関連し、かつ過度又は異常な細胞増殖を特徴とする疾患の治療に使用し得る。
本発明は一般式(1)の化合物(必要によりこれらのプロドラッグ、互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及びこれらの混合物、並びに必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩の形態であってもよく、但し、6-ベンゾイルアミノ-3-(Z)-{1-[4-(ピペリジン-1-イル-メチル)-アニリノ]-1-フェニル-メチリデン}-2-インドリノン、3-(Z)-{1-[4-(ピペリジン-1-イル-メチル)-アニリノ]-1-フェニル-メチリデン}-6-(ピロール-1-イル)-2-インドリノン及び3-(Z)-{1-[4-(ピペリジン-1-イル-メチル)-アニリノ]-1-フェニル-メチリデン}-6-(ピロリジン-1-イル)-2-インドリノンが含まれないことを条件とする)に関する。
【0007】
【化2】

【0008】
式中、
R1 は水素又はC3-10シクロアルキル、3-8員ヘテロシクロアルキル、C6-15アリール及び5-15 員ヘテロアリールの中から選ばれた基(必要により1個以上のR5により置換されていてもよい)を表し、かつ
R2 はC6-15アリール及び5-15員ヘテロアリールの中から選ばれた基(必要により1個以上のR5により置換されていてもよい)を表し、かつ
R3 は3-8 員ヘテロシクロアルキル及び5-12 員ヘテロアリールの中から選ばれた基(必要により1個以上のR5により置換されていてもよい)、又は-N(Rg)C(O)Rc、-N(Rg)S(O)2Rc、-N(Rg)S(O)2NRcRc、-N(Rg)[C(O)]2NRcRc、-N(Rg)C(O)ORcを表し、かつ
R4 は水素又はハロゲン、-CN、-ORe、-NReRe 及びC1-6アルキルの中から選ばれた基を表し、かつ
R5 は夫々の場合に互いに独立にRa、Rb 及び1個以上の同じ又は異なるRb 及び/又はRc により置換されたRa の中から選ばれた基を表し、かつ
夫々のRa は互いに独立にC1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、C4-16シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、2-6 員ヘテロアルキル、3-8 員ヘテロシクロアルキル、4-14 員ヘテロシクロアルキルアルキル、5-12 員ヘテロアリール及び 6-18 員ヘテロアリールアルキルの中から選ばれ、
【0009】
夫々のRb は好適な基であり、かつ夫々が独立に=O、-ORc、C1-3ハロアルキルオキシ、-OCF3、=S、-SRc、=NRc、=NORc、=NNRcRc、=NN(Rg)C(O)NRcRc、-NRcRc、-ONRcRc、-N(ORc)Rc、-N(Rg)NRcRc、ハロゲン、-CF3、-CN、-NC、-OCN、-SCN、-NO、-NO2、=N2、-N3、-S(O)Rc、-S(O)ORc、-S(O)2Rc、-S(O)2ORc、-S(O)NRcRc、-S(O)2NRcRc、-OS(O)Rc、-OS(O)2Rc、-OS(O)2ORc、-OS(O)NRcRc、-OS(O)2NRcRc、-C(O)Rc、-C(O)ORc、-C(O)SRc、-C(O)NRcRc、-C(O)N(Rg)NRcRc、-C(O)N(Rg)ORc、-C(NRg)NRcRc、-C(NOH)Rc、-C(NOH)NRcRc、-OC(O)Rc、-OC(O)ORc、-OC(O)SRc、-OC(O)NRcRc、-OC(NRg)NRcRc、-SC(O)Rc、-SC(O)ORc、-SC(O)NRcRc、-SC(NRg)NRcRc、-N(Rg)C(O)Rc、-N[C(O)Rc]2、-N(ORg)C(O)Rc、-N(Rg)C(NRg)Rc、-N(Rg)N(Rg)C(O)Rc、-N[C(O)Rc]NRcRc、-N(Rg)C(S)Rc、-N(Rg)S(O)Rc、-N(Rg)S(O)ORc、-N(Rg)S(O)2Rc、-N[S(O)2Rc]2、-N(Rg)S(O)2ORc、-N(Rg)S(O)2NRcRc、-N(Rg)[S(O)2]2Rc、-N(Rg)C(O)ORc、-N(Rg)C(O)SRc、-N(Rg)C(O)NRcRc、-N(Rg)C(O)NRgNRcRc、-N(Rg)N(Rg)C(O)NRcRc、-N(Rg)C(S)NRcRc、-[N(Rg)C(O)]2Rc、-N(Rg)[C(O)]2Rc、-N{[C(O)]2Rc}2、-N(Rg)[C(O)]2ORc、-N(Rg)[C(O)]2NRcRc、-N{[C(O)]2ORc}2、-N{[C(O)]2NRcRc}2、-[N(Rg)C(O)]2ORc、-N(Rg)C(NRg)ORc、-N(Rg)C(NOH)Rc、-N(Rg)C(NRg)SRc 及び-N(Rg)C(NRg)NRcRcの中から選ばれ、
【0010】
夫々のRcは互いに独立に水素又はC1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、C4-11シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、2-6 員ヘテロアルキル、3-8 員ヘテロシクロアルキル、4-14 員ヘテロシクロアルキルアルキル、5-12 員ヘテロアリール及び6-18 員ヘテロアリールアルキルの中から選ばれた基(必要により1個以上の同じ又は異なるRd 及び/又はReにより置換されていてもよい)を表し、
夫々のRdは好適な基であり、かつ夫々が独立に=O、-ORe、C1-3ハロアルキルオキシ、-OCF3、=S、-SRe、=NRe、=NORe、=NNReRe、=NN(Rg)C(O)NReRe、-NReRe、-ONReRe、-N(Rg)NReRe、ハロゲン、-CF3、-CN、-NC、-OCN、-SCN、-NO、-NO2、=N2、-N3、-S(O)Re、-S(O)ORe、-S(O)2Re、-S(O)2ORe、-S(O)NReRe、-S(O)2NReRe、-OS(O)Re、-OS(O)2Re、-OS(O)2ORe、-OS(O)NReRe、-OS(O)2NReRe、-C(O)Re、-C(O)ORe、-C(O)SRe、-C(O)NReRe、-C(O)N(Rg)NReRe、-C(O)N(Rg)ORe、-C(NRg)NReRe、-C(NOH)Re、-C(NOH)NReRe、-OC(O)Re、-OC(O)ORe、-OC(O)SRe、-OC(O)NReRe、-OC(NRg)NReRe、-SC(O)Re、-SC(O)ORe、-SC(O)NReRe、-SC(NRg)NReRe、-N(Rg)C(O)Re、-N[C(O)Re]2、-N(ORg)C(O)Re、-N(Rg)C(NRg)Re、-N(Rg)N(Rg)C(O)Re、-N[C(O)Re]NReRe、-N(Rg)C(S)Re、-N(Rg)S(O)Re、-N(Rg)S(O)ORe、-N(Rg)S(O)2Re、-N[S(O)2Re]2、-N(Rg)S(O)2ORe、-N(Rg)S(O)2NReRe、-N(Rg)[S(O)2]2Re、-N(Rg)C(O)ORe、-N(Rg)C(O)SRe、-N(Rg)C(O)NReRe、-N(Rg)C(O)NRgNReRe、-N(Rg)N(Rg)C(O)NReRe、-N(Rg)C(S)NReRe、-[N(Rg)C(O)]2Re、-N(Rg)[C(O)]2Re、-N{[C(O)]2Re}2、-N(Rg)[C(O)]2ORe、-N(Rg)[C(O)]2NReRe、-N{[C(O)]2ORe}2、-N{[C(O)]2NReRe}2、-[N(Rg)C(O)]2ORe、-N(Rg)C(NRg)ORe、-N(Rg)C(NOH)Re、-N(Rg)C(NRg)SRe及び-N(Rg)C(NRg)NReReの中から選ばれ、
【0011】
夫々のRe は互いに独立に水素又はC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C4-11シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、2-6 員ヘテロアルキル、3-8 員ヘテロシクロアルキル、4-14 員ヘテロシクロアルキルアルキル、5-12 員ヘテロアリール及び6-18 員ヘテロアリールアルキルの中から選ばれた基(必要により1個以上の同じ又は異なるRf 及び/又はRgにより置換されていてもよい)を表し、
夫々のRf は好適な基であり、かつ夫々が独立にハロゲン及び-CF3の中から選ばれ、かつ
夫々のRg は互いに独立に水素、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C4-11シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、2-6 員ヘテロアルキル、3-8 員ヘテロシクロアルキル、4-14 員ヘテロシクロアルキル、5-12 員ヘテロアリール又は6-18 員ヘテロアリールアルキルを表す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
一局面において、本発明はR4 が水素である一般式(1)の化合物に関する。
別の局面において、本発明はR1 がフェニルを表す一般式(1)の化合物に関する。
別の局面において、本発明はR2 がフェニルを表す一般式(1)の化合物に関する。
別の局面において、本発明はR2 が未置換フェニルを表す一般式(1)の化合物に関する。
別の局面において、本発明はR3 が-N(Rg)C(O)Rcを表す一般式(1)の化合物に関する。
別の局面において、本発明は医薬組成物としての一般式(1)の化合物に関する。
別の局面において、本発明は抗増殖活性を有する医薬組成物を調製するための一般式(1)の化合物に関する。
別の局面において、本発明は必要により通常の賦形剤及び/又は担体と組み合わせて活性物質として一般式(1)の一種以上の化合物又はその生理学上許される塩を含む、医薬製剤に関する。
別の局面において、本発明は癌、感染症、炎症及び自己免疫疾患の治療及び/又は予防のための医薬組成物を調製するための一般式(1)の化合物の使用に関する。
別の局面において、本発明は一般式(1)の化合物及び式(1)とは異なる、少なくとも一種の更に別の細胞増殖抑制性又は細胞傷害性の活性物質(必要によりこれらの互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及びこれらの混合物、そして必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩の形態であってもよい)を含む医薬製剤に関する。
【0013】
定義
本明細書に使用されるように、特にことわらない限り、以下の定義が適用される。
アルキルはサブグループ飽和炭化水素鎖及び不飽和炭化水素鎖から構成されるが、後者は二重結合を有する炭化水素鎖(アルケニル)及び三重結合を有する炭化水素鎖(アルキニル)に更に細分されてもよい。アルケニルは少なくとも一つの二重結合を含み、アルキニルは少なくとも一つの三重結合を含む。炭化水素鎖が少なくとも一つの二重結合及び少なくとも一つの三重結合の両方を有するべきである場合、定義によればそれはアルキニルサブグループに属する。全ての上記サブグループは直鎖(非分岐)及び分岐に更に細分されてもよい。アルキルが置換されている場合、それは全ての水素を有する炭素原子の位置で互いに独立に一置換又は多置換されていてもよい。
個々のサブグループの例が以下にリストされる。
直鎖(非分岐)又は分岐、飽和炭化水素鎖:
メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル(1-メチルエチル)、n-ブチル、1-メチルプロピル、イソブチル(2-メチルプロピル)、sec.-ブチル(1-メチルプロピル)、tert.-ブチル(1,1-ジメチルエチル)、n-ペンチル、1-メチルブチル、1-エチルプロピル、イソペンチル(3-メチルブチル)、ネオペンチル(2,2-ジメチル-プロピル)、n-ヘキシル、2,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、2-メチル-ペンチル、3-メチルペンチル、n-ヘプチル、2-メチルヘキシル、3-メチルヘキシル、2,2-ジメチルペンチル、2,3-ジメチルペンチル、2,4-ジメチルペンチル、3,3-ジメチルペンチル、2,2,3-トリメチルブチル、3-エチルペンチル、n-オクチル、n-ノニル、n-デシル等。
【0014】
直鎖(非分岐)又は分岐アルケニル
ビニル(エテニル)、プロプ-1-エンイル(prop-1-enyl)、アリル(プロプ-2-エンイル)、イソプロペニル、ブト-1-エンイル(but-1-enyl)、ブト-2-エンイル、ブト-3-エンイル、2-メチル-プロプ-2-エンイル、2-メチル-プロプ-1-エンイル、1-メチル-プロプ-2-エンイル、1-メチル-プロプ-1-エンイル、1-メチリデンプロピル、ペント-1-エンイル(pent-1-enyl)、ペント-2-エンイル、ペント-3-エンイル、ペント-4-エンイル、3-メチル-ブト-3-エンイル、3-メチル-ブト-2-エンイル、3-メチル-ブト-1-エンイル、ヘキサ-1-エンイル(hex-1-enyl)、ヘキサ-2-エンイル、ヘキサ-3-エンイル、ヘキサ-4-エンイル、ヘキサ-5-エンイル、2,3-ジメチル-ブト-3-エンイル、2,3-ジメチル-ブト-2-エンイル、2-メチリデン-3-メチルブチル、2,3-ジメチル-ブト-1-エンイル、ヘキサ-1,3-ジエンイル、ヘキサ-1,4-ジエンイル、ペンタ-1,4-ジエンイル、ペンタ-1,3-ジエンイル、ブタ-1,3-ジエンイル(buta-1,3-dienyl)、2,3-ジメチルブタ-1,3-ジエン等。
【0015】
直鎖(非分岐)又は分岐アルキニル
エチニル、プロプ-1-インイル(prop-1-ynyl)、プロプ-2-インイル、ブト-1-インイル(but-1-ynyl)、ブト-2-インイル、ブト-3-インイル、1-メチル-プロプ-2-インイル等。
用語プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等は、特にことわらない限り、相当する数の炭素原子を有する飽和炭化水素基(全ての異性体形態を含む)を意味する。
用語プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル等は、特にことわらない限り、相当する数の炭素原子及び二重結合を有する不飽和炭化水素基(全ての異性体形態、また適用可能な場合には、(Z)/(E)-異性体を含む)を意味する。
用語ブタジエニル、ペンタジエニル、ヘキサジエニル、ヘプタジエニル、オクタジエニル、ノナジエニル、デカジエニル等は、特にことわらない限り、相当する数の炭素原子及び二つの二重結合を有する不飽和炭化水素基(全ての異性体形態、また適用可能な場合には、(Z)/(E)-異性体を含む)を意味する。
用語プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル等は、特にことわらない限り、相当する数の炭素原子及び三重結合を有する不飽和炭化水素基(全ての異性体形態を含む)を意味する。
ヘテロアルキルという用語はその最も広い意味で先に定義されたアルキルから、炭化水素鎖中で、1個以上の基-CH3を互いに独立に基-OH、-SH又は-NH2により置換し、1個以上の基-CH2-を互いに独立に基-O-、-S-又は-NH-により置換し、1個以上の基
【0016】
【化3】

【0017】
を基
【0018】
【化4】

【0019】
により置換し、1個以上の基=CH-を基=N-により置換し、1個以上の基=CH2を基=NHにより置換し、又は1個以上の基≡CHを基≡Nにより置換することにより誘導される基を意味し、合計で3個以下のヘテロ原子が1個のヘテロアルキル中に存在してもよいが、2個の酸素原子の間また2個の硫黄原子の間又は1個の酸素原子と1個の硫黄原子の間に少なくとも1個の炭素原子がある必要があり、全体としての基が化学安定性を有する必要がある。
アルキルからの間接的な定義/誘導体化の直接の結果はヘテロアルキルがサブグループ1個以上のヘテロ原子を有する飽和炭化水素鎖、ヘテロアルケニル及びヘテロアルキニルから構成されることであり、それは直鎖(非分岐)及び分岐に更に細分されてもよい。ヘテロアルキルが置換されている場合、それは全ての水素を有する酸素原子、硫黄原子、窒素原子及び/又は炭素原子の位置で互いに独立に一置換又は多置換されていてもよい。置換基としてのヘテロアルキルそれ自体は炭素原子及びヘテロ原子の両方を介して分子に結合されてもよい。
下記の基が例としてリストされる:
ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル(1-ジメチルアミノエチル、2-ジメチルアミノエチル)、ジメチルアミノプロピル(1-ジメチルアミノプロピル、2-ジメチルアミノプロピル、3-ジメチルアミノプロピル)、ジエチルアミノメチル、ジエチルアミノエチル(1-ジエチルアミノエチル、2-ジエチルアミノエチル)、ジエチルアミノプロピル(1-ジエチルアミノプロピル、2-ジエチルアミノプロピル、3-ジエチルアミノプロピル)、ジイソプロピルアミノエチル(1-ジイソプロピルアミノエチル、2-ジイソプロピルアミノエチル)、ビス-2-メトキシエチルアミノ、[2-(ジメチルアミノ-エチル)-エチル-アミノ]-メチル、3-[2-(ジメチルアミノ-エチル)-エチル-アミノ]-プロピル、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、メトキシメチル、2-メトキシエチル等。
【0020】
ハロゲンはフッ素原子、塩素原子、臭素原子及び/又はヨウ素原子を含む。
ハロアルキルはその最も広い意味で先に定義されたアルキルから、炭化水素鎖の1個以上の水素原子を互いに独立にハロゲン原子(これらは同じであってもよく、また異なっていてもよい)により置換することにより誘導される。アルキルからの間接的な定義/誘導体化の直接の結果はハロアルキルがサブグループ飽和水素ハロゲン鎖、ハロアルケニル及びハロアルキニルから構成されることであり、それは直鎖(非分岐)及び分岐に更に細分されてもよい。ハロアルキルが置換されている場合、それは全ての水素を有する炭素原子の位置で互いに独立に一置換又は多置換されていてもよい。
典型例として、例えば、
-CF3、-CHF2、-CH2F、-CF2CF3、-CHFCF3、-CH2CF3、-CF2CH3、−CHFCH3、-CF2CF2CF3、-CF2CH2CH3、-CF=CF2、-CCl=CH2、-CBr=CH2、-CI=CH2、-C≡C-CF3、-CHFCH2CH3、-CHFCH2CF3が挙げられる。
シクロアルキルはサブグループ単環式炭化水素環、二環式炭化水素環及びスピロ炭化水素環から構成され、夫々のサブグループは飽和及び不飽和(シクロアルケニル)に更に細分されてもよい。不飽和は環系中に少なくとも一つの二重結合があることを意味するが、芳香族系が形成されない。二環式炭化水素環中で、二つの環はそれらが少なくとも二つの炭素原子を共有するように結合される。スピロ炭化水素環中で、1個の炭素原子(スピロ原子)が二つの環により共有される。シクロアルキルが置換されている場合、それは全ての水素を有する炭素原子の位置で互いに独立に一置換又は多置換されていてもよい。置換基としてのシクロアルキルそれ自体は環系のあらゆる好適な位置を介して分子に結合されてもよい。
【0021】
下記の個々のサブグループが例としてリストされる。
単環式飽和炭化水素環:
シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル等。
単環式不飽和炭化水素環:
シクロプロプ-1-エンイル、シクロプロプ-2-エンイル、シクロブト-1-エンイル、シクロブト-2-エンイル、シクロペント-1-エンイル、シクロペント-2-エンイル、シクロペント-3-エンイル、シクロヘキサ-1-エンイル、シクロヘキサ-2-エンイル、シクロヘキサ-3-エンイル、シクロヘプト-1-エンイル、シクロヘプト-2-エンイル、シクロヘプト-3-エンイル、シクロヘプト-4-エンイル、シクロブタ-1,3-ジエンイル、シクロペンタ-1,4-ジエンイル、シクロペンタ-1,3-ジエンイル、シクロペンタ-2,4-ジエンイル、シクロヘキサ-1,3-ジエンイル、シクロヘキサ-1,5-ジエンイル、シクロヘキサ-2,4-ジエンイル、シクロヘキサ-1,4-ジエンイル、シクロヘキサ-2,5-ジエンイル等。
飽和及び不飽和二環式炭化水素環:
ビシクロ[2.2.0]ヘキシル、ビシクロ[3.2.0]ヘプチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[4.3.0]ノニル(オクタヒドロインデニル)、ビシクロ[4.4.0]デシル(デカヒドロナフタレン)、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル(ノルボルニル)、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-2,5-ジエンイル(ノルボルナ-2,5-ジエンイル)、ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-エンイル(ノルボルネニル)、ビシクロ[4.1.0]ヘプチル(ノルカラニル)、ビシクロ[3.1.1]ヘプチル(ピナニル)等。
飽和及び不飽和スピロ炭化水素環:
スピロ[2.5]オクチル、スピロ[3.3]ヘプチル、スピロ[4.5]デカ-2-エン等。
【0022】
シクロアルキルアルキルは、夫々の場合にそれらの最も広い意味で、先に定義されたアルキル基及びシクロアルキル基の組み合わせを表す。置換基としてのアルキル基は分子に直接結合され、順にシクロアルキル基により置換される。両方の基中のアルキル及びシクロアルキルの結合はあらゆる好適な炭素原子により行なわれてもよい。アルキル及びシクロアルキルのサブグループがまたその二つの基の組み合わせ中に含まれる。
アリールは少なくとも一つの芳香族環を含む単環式炭素環、二環式炭素環又は三環式炭素環を表す。アリールが置換されている場合、その置換は夫々の場合に、全ての水素を有する炭素原子の位置で、互いに独立に一置換又は多置換であってもよい。アリールそれ自体は環系のあらゆる好適な位置を介して置換基として分子に結合されてもよい。
典型例として、
フェニル、ナフチル、インダニル(2,3-ジヒドロインデニル)、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル及びフルオレニルが挙げられる。
アリールアルキルは、夫々の場合にそれらの最も広い意味で、先に定義されたアルキル基及びアリール基の組み合わせを表す。置換基としてのアルキル基は分子に直接結合され、順にアリール基により置換される。アルキル及びアリールは両方の基中でこの目的に適したあらゆる炭素原子を介して結合されてもよい。アルキル及びアリールの夫々のサブグループがまたその二つの基の組み合わせ中に含まれる。
典型例として、ベンジル、1-フェニルエチル、2-フェニルエチル、フェニルビニル、フェニルアリル等が挙げられる。
【0023】
ヘテロアリールは単環式芳香族環又は少なくとも一つの芳香族環を含む多環式環を表し、これらは、相当するアリール又はシクロアルキルと比較して、1個以上の炭素原子に代えて互いに独立に窒素、硫黄及び酸素の中から選ばれた、1個以上の同じ又は異なるヘテロ原子を含むが、得られる基は化学的に安定である必要がある。ヘテロアリールが置換されている場合、その置換は夫々の場合に、全ての水素を有する炭素原子及び/又は窒素原子の位置で、互いに独立に一置換又は多置換であってもよい。置換基としてのヘテロアリールそれ自体は環系のあらゆる好適な位置(炭素及び窒素の両方)を介して分子に結合されてもよい。
典型例が以下にリストされる。
単環式ヘテロアリール:
フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、ピリジル-N-オキサイド、ピロリル-N-オキサイド、ピリミジニル-N-オキサイド、ピリダジニル-N-オキサイド、ピラジニル-N-オキサイド、イミダゾリル-N-オキサイド、イソオキサゾリル-N-オキサイド、オキサゾリル-N-オキサイド、チアゾリル-N-オキサイド、オキサジアゾリル-N-オキサイド、チアジアゾリル-N-オキサイド、トリアゾリル-N-オキサイド、テトラゾリル-N-オキサイド等。
多環式ヘテロアリール:
インドリル、イソインドリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、イソキノリニル、キノリニル、キノキサリニル、シノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、ベンゾトリアジニル、インドリジニル、オキサゾロピリジル、イミダゾピリジル、ナフチリジニル、インドリニル、イソクロマニル、クロマニル、テトラヒドロイソキノリニル、イソインドリニル、イソベンゾテトラヒドロフリル、イソベンゾテトラヒドロチエニル、イソベンゾチエニル、ベンゾオキサゾリル、ピリドピリジル、ベンゾテトラヒドロフリル、ベンゾテトラヒドロチエニル、プリニル、ベンゾジオキソリル、フェノキサジニル、フェノチアジニル、プテリジニル、ベンゾチアゾリル、イミダゾピリジル、イミダゾチアゾリル、ジヒドロベンゾイソオキサジニル、ベンゾイソオキサジニル、ベンゾオキサジニル、ジヒドロベンゾイソチアジニル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、クマリニル、イソクマリニル、クロモニル、クロマノニル、テトラヒドロキノリニル、ジヒドロキノリニル、ジヒドロキノリノニル、ジヒドロイソキノリノニル、ジヒドロクマリニル、ジヒドロイソクマリニル、イソインドリノニル、ベンゾジオキサニル、ベンゾオキサゾリノニル、キノリニル-N-オキサイド、インドリル-N-オキサイド、インドリニル-N-オキサイド、イソキノリル-N-オキサイド、キナゾリニル-N-オキサイド、キノキサリニル-N-オキサイド、フタラジニル-N-オキサイド、インドリジニル-N-オキサイド、インダゾリル-N-オキサイド、ベンゾチアゾリル-N-オキサイド、ベンゾイミダゾリル-N-オキサイド、ベンゾチオピラニル-S-オキサイド及びベンゾチオピラニル-S,S-ジオキサイド等。
【0024】
ヘテロアリールアルキルは、夫々の場合にそれらの最も広い意味で、先に定義されたアルキル基及びヘテロアリール基の組み合わせを表す。置換基としてのアルキル基は分子に直接結合され、順にヘテロアリール基により置換される。アルキル及びヘテロアリールの結合はこの目的に適したあらゆる炭素原子を介してアルキル側で、またこの目的に適したあらゆる炭素原子又は窒素原子によりヘテロアリール側で達成されてもよい。アルキル及びヘテロアリールの夫々のサブグループがまたその二つの基の組み合わせ中に含まれる。
ヘテロシクロアルキルという用語は炭化水素環中で1個以上の基-CH2-が互いに独立に基-O-、-S-もしくは-NH-により置換され、又は1個以上の基=CH-が基=N-により置換される場合に先に定義されたシクロアルキルから誘導される基を意味し、合計で5個以下のヘテロ原子が存在してもよく、2個の酸素原子の間また2個の硫黄原子の間又は1個の酸素原子と1個の硫黄原子の間に少なくとも1個の炭素原子がある必要があり、また全体としての基が化学的に安定である必要がある。ヘテロ原子は全ての可能な酸化段階で同時に存在してもよい(硫黄→スルホキシド-SO-、スルホン-SO2-;窒素→N-オキサイド)。ヘテロシクロアルキルはサブグループ単環式ヘテロ環、二環式ヘテロ環及びスピロヘテロ環から構成されることがシクロアルキルからの間接的定義/誘導体化から直ちに明らかであり、夫々のサブグループはまた飽和及び不飽和(ヘテロシクロアルケニル)に更に細分し得る。不飽和という用語は当該環系中に少なくとも一つの二重結合があることを意味するが、芳香族系は形成されない。二環式ヘテロ環では、二つの環はそれらが共有して少なくとも2個の原子を有するように結合される。スピロヘテロ環では、1個の炭素原子(スピロ原子)が二つの環により共有される。ヘテロシクロアルキルが置換されている場合、置換は全ての水素を有する炭素原子及び/窒素原子の位置で、互いに独立に、夫々の場合に一置換又は多置換であってもよい。置換基としてのヘテロシクロアルキルそれ自体は環系のあらゆる好適な位置を介して分子に結合されてもよい。
【0025】
個々のサブグループの典型例が以下にリストされる。
単環式ヘテロ環(飽和及び不飽和):
テトラヒドロフリル、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、チアゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジニル、ピペラジニル、オキシラニル、アジリジニル、アゼチジニル、1,4-ジオキサニル、アゼパニル、ジアゼパニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ホモモルホリニル、ホモピペリジニル、ホモピペラジニル、ホモチオモルホリニル、チオモルホリニル-S-オキサイド、チオモルホリニル-S,S-ジオキサイド、1,3-ジオキソラニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、[1,4]-オキサゼパニル、テトラヒドロチエニル、ホモチオモルホリニル-S,S-ジオキサイド、オキサゾリジノニル、ジヒドロピラゾリル、ジヒドロピロリル、ジヒドロピラジニル、ジヒドロピリジル、ジヒドロピリミジニル、ジヒドロフリル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロチエニル-S-オキサイド、テトラヒドロチエニル-S,S-ジオキサイド、ホモチオモルホリニル-S-オキサイド、2,3-ジヒドロアゼト、2H-ピロリル、4H-ピラニル、1,4-ジヒドロピリジニル等。
【0026】
二環式ヘテロ環(飽和及び不飽和):
8-アザビシクロ[3.2.1]オクチル、8-アザビシクロ[5.1.0]オクチル、2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプチル、8-オキサ-3-アザ-ビシクロ[3.2.1]オクチル、3.8-ジアザ-ビシクロ[3.2.1]オクチル、2.5-ジアザ-ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、1-アザ-ビシクロ[2.2.2]オクチル、3.8-ジアザ-ビシクロ[3.2.1]オクチル、3.9-ジアザ-ビシクロ[4.2.1]ノニル、2.6-ジアザ-ビシクロ[3.2.2]ノニル、ヘキサヒドロ-フロ[3,2-b]フリル等。
スピロヘテロ環(飽和及び不飽和):
1,4-ジオキサ-スピロ[4.5]デシル、1-オキサ-3.8-ジアザ-スピロ[4.5]デシル、及び2,6-ジアザ-スピロ[3.3]ヘプチル、2,7-ジアザ-スピロ[4.4]ノニル、2,6-ジアザ-スピロ[3.4]オクチル、3,9-ジアザ-スピロ[5.5]ウンデシル、2,8-ジアザ-スピロ[4.5]デシル等。
ヘテロシクロアルキルアルキルは、夫々の場合にそれらの最も広い意味で、先に定義されたアルキル基及びヘテロシクロアルキル基の組み合わせを表す。置換基としてのアルキル基は分子に直接結合され、順にヘテロシクロアルキル基により置換される。アルキル及びヘテロシクロアルキルの結合はこの目的に適したあらゆる炭素原子を介してアルキル側で、またこの目的に適したあらゆる炭素原子又は窒素原子によりヘテロシクロアルキル側で達成されてもよい。アルキル及びヘテロシクロアルキルの夫々のサブグループがまたその二つの基の組み合わせ中に含まれる。
【0027】
“好適な置換基”という用語は一方ではその原子価のために好適であり、他方では化学的に安定である系をもたらす置換基を意味する。
“プロドラッグ”は前駆体代謝産物の形態の活性物質を意味する。区別が部分的にマルチ-パートのキャリヤー-プロドラッグ系と生物変換系の間でなされるかもしれない。後者は化学的又は生物学的代謝を必要とする形態の活性物質を含む。当業者はこの種のプロドラッグ系を良く知っているであろう(Sloan, Kenneth B.; Wasdo, Scott C. “浸透増進におけるプロドラッグの役割 経皮浸透増進剤”(第二編) (2006), 51-64; Lloyd, Andrew W. “プロドラッグ 薬物デザイン及び作用の原理についてのSmith 及びWilliamsの序論”(第四編) (2006), 211-232; Neervannan, Seshadri.“薬物誘導最適化中の溶解性及び溶解速度に影響するための戦略:塩選択及びプロドラッグデザインアプローチ” American Pharmaceutical Review (2004), 7(5), 108.110-113)。好適なプロドラッグは、例えば、酵素開裂可能なリンカー(例えば、カルバメート、ホスフェート、N-グリコシド)又はジスルフィド基を介して溶解改良物質(例えば、テトラエチレングリコール、サッカリド、アミノ酸)に結合されている一般式の物質を含む。キャリヤー-プロドラッグ系は最も簡単な可能な制御し得るメカニズムにより開裂し得るマスキング基に結合された、活性物質そのものを含む。本発明の化合物における本発明のマスキング基の機能は細胞摂取を改良するために電荷を中和することである。本発明の化合物がマスキング基とともに使用される場合、これらはまた更にその他の薬理学的パラメーター、例えば、経口生物利用能、組織分布、薬物速度論及び非特異性ホスファターゼに対する安定性に影響し得る。活性物質の遅延放出はまた持続放出作用にかかわり得る。加えて、改質された代謝が生じ、こうして活性物質の一層高い有効性又は器官特異性をもたらし得る。プロドラッグ製剤化の場合、マスキング基又はマスキング基を活性物質に結合するリンカーはプロドラッグが血液血清に溶解されるのに充分に親水性であり、活性部位に到達するのに充分な化学安定性及び酵素安定性を有し、そしてまたそれが拡散制御された膜輸送に適することを確実にするのに充分に疎水性であるように選ばれる。更に、それは妥当な期間内の活性物質の化学的又は酵素的に誘導される放出を可能にすべきであり、そして言うまでもなく、放出される補助成分は無毒性であるべきである。しかしながら、本発明の範囲内で、マスク又はリンカーを有しない化合物、及びマスクは、最初に酵素プロシュス及び生化学的プロシュスにより摂取された化合物から細胞中で調製されるべきであるプロドラッグと見なされるかもしれない。
【実施例】
【0028】
本発明の化合物の調製
6-ニトロインドリノン
【0029】
【化5】

【0030】
方法 A - tert. ブチル 2-クロロ-4-ニトロベンゼンカルボキシレート (Z1)
2-クロロ-5-ニトロ安息香酸 (22 g, 109.1 ミリモル) 及びDMF (500 μL) をトルエン(50mL)/塩化チオニル(8.5 mL) 中で撹拌しながら1.5時間還流する。その反応混合物を蒸発させ、残渣を無水THF (200 mL)に吸収させる。カリウム-tert.-ブトキシド (12.5 g, 111.4 ミリモル) を0℃で添加し、次いで冷却を止め、その混合物を30分間撹拌する。溶媒を蒸留して除き、残渣を水とEtOAcの間に分ける。有機相を水及び0.1 N NaOHで洗浄し、乾燥させ、濾過し、蒸発させる。収率: 24 g (85 %)
方法 B - ジメチル 2-(2-カルボキシ-4-ニトロフェニル)マロネート (Z2)
カリウム-tert.-ブトキシド (50 g, 446 ミリモル) を20℃で無水DMSO(300mL)に溶解し、この温度でジメチルマロネート (67 mL, 586 ミリモル) を添加し、その混合物を20分間撹拌する。Z1 (45.7 g, 177 ミリモル) を添加し、その混合物を100℃で30分間撹拌する。それを水(800 mL)に注ぎ、濃HCl (30 mL) で酸性にし、CH2Cl2で徹底的に抽出する。有機相を水洗し、乾燥させ、濾過し、蒸発させる。残渣を72℃でギ酸(300 mL) 中で1.5時間撹拌する。その混合物を蒸発させ、残渣をEtOAcに吸収させ、NaCl溶液で洗浄し、希薄なNaHCO3 溶液で徹底的に抽出する。合わせた水相を濃HClで酸性にし、CH2Cl2で徹底的に抽出する。合わせた有機相を水洗し、乾燥させ、濾過し、蒸発させる。収量: 38.4 g (73 %)
【0031】
方法 C - ジメチル 6-ニトロ-2-オキソ-1,2-ジヒドロインドール-3,3-ジカルボキシレート (Z3)
トリエチルアミン(9.4 mL, 67.8 ミリモル) を無水THF (40 mL) 中のZ2 (20 g, 67.3 ミリモル) 及びDPPA (14.5 mL, 67.4 ミリモル) に添加し、その混合物を沸騰温度で1.25時間撹拌する。その反応混合物を蒸発させ、残渣をCH2Cl2 に吸収させ、1 N HClで洗浄する。有機相をエーテルと合わせ、沈殿を濾過する。収量: 9.89 g (50 %)
方法 D - 6-ニトロ-1,3-ジヒドロインドール-2-オン (Z4)
Z3 (5.30 g, 10 ミリモル) を80℃でMeOH (10 mL)/2 N NaOH (10 mL) 中で30分間撹拌する。その反応混合物を1 N HClで酸性にし、沈殿を濾過し、酢酸(10 mL) 中で沸騰温度で1時間撹拌する。その混合物を室温に冷却し、沈殿を濾過により単離し、水で蒸解する。収量: 2.18 g (68 %)
フェニレンジアミン成分
【0032】
【化6】

【0033】
方法 I - 求核的芳香族置換
4-フルオロニトロベンゼン (3 g, 21.3 ミリモル)、1-(1-メチルピペリジン-4-イル)ピペラジン (3.90 g, 21.2 ミリモル) 及びトリエチルアミン(3.30 mL, 23.7 ミリモル) をマイクロウェーブ中で無水イソプロパノール(10mL) 中で160℃で10分間撹拌する。その反応混合物を水(10 mL)で希釈し、沈殿を濾過し、イソプロパノール中の50%の水で洗浄し、真空で45℃で乾燥させる。収量: 5.14 g (79 %)
結晶性生成物が得られない場合、粗混合物を蒸発させ、抽出により処理し、必要によりクロマトグラフィーにより精製してもよい。
【0034】
【化7】

【0035】
【化8】

【0036】
方法 R - boc-保護基の開裂
【0037】
【化9】

【0038】
Z18 (2.80 g, 8.77 ミリモル) をCH2Cl2 (5 mL)/TFA (5 mL) 中で50℃で30分間撹拌する。その反応溶液をCH2Cl2 で希釈し、K2CO3で中和する。その混合物を水で希釈し、EtOAcで徹底的に抽出する。合わせた有機相を乾燥させ、濾過し、蒸発させる。収量: 1.60 g (83 %)
方法 S - 還元アミン化
CH2Cl2 (5mL)中のZ15 (1.60 g, 7.30 ミリモル) 及び水(5mL)中の37%のホルムアルデヒドを室温で1時間撹拌する。NaBH(OAc)3 (4.95g, 23.3 ミリモル) を0℃で回分添加し、次いでその混合物を室温で3時間撹拌する。その反応溶液をCH2Cl2 と飽和K2CO3 溶液の間に分け、有機相を飽和K2CO3 溶液で洗浄し、乾燥させ、濾過し、蒸発させる。収量: 1.60 g (94 %)
【0039】
【化10】

【0040】
方法 J -ニトロ基の還元
1-(1-メチルピペリジン-4-イル)-4-(4-ニトロフェニル)ピペラジン (5.14 g, 16.8 ミリモル) を無水THF (10 mL)に溶解し、10%のパラジウム/活性炭と合わせ、17時間にわたって3バールの水素圧力で室温で水素化する。所望により、更に多くの触媒を計量して入れ、水素圧力が低下するならばそれを再度調節する。その反応混合物を濾過し、蒸発させ、トルエン(3 x 200 mL) と合わせ、再度蒸発させる。収量: 4.52 g (定量的)
【0041】
【化11】

【0042】
【化12】

【0043】
方法 T - 求核的芳香族置換
【0044】
【化13】

【0045】
2-クロロ-4-ニトロピリジン (2 g, 12.6 ミリモル)、1-メチル-4-メチルアミノピペリジン(1.83 mL, 12.6ミリモル) 及びK2CO3 (2.62 g, 18.9 ミリモル) をジオキサン (10 mL) 中で50℃で16時間撹拌する。その反応混合物を水で希釈し、飽和NH4Cl 溶液と合わせる。水相をCH2Cl2で徹底的に抽出し、合わせた有機相を乾燥させ、濾過し、蒸発させる。収量: 2.65 g (84%)
【0046】
【化14】

【0047】
ニトロ基の還元を方法Jに従ってTHF中の50%のMeOH中で行なう。
【0048】
【化15】

【0049】
ベンジルアミン成分の調製
【0050】
【化16】

【0051】
方法 E - 1-(4-ニトロベンジル)ピロリジン(Z38)
無水THF (50 mL) 中のピロリジン(24 mL, 290 ミリモル) の溶液を4-ニトロベンジルブロミド (25.00 g, 115 ミリモル) と回分式で合わせ、室温で16時間撹拌する。その反応混合物を蒸発させ、EtOAc (300 mL)に吸収させ、飽和NH4Cl 溶液、水及び飽和食塩溶液で洗浄し、乾燥させ、濾過し、蒸発させる。収量: 16.96 g (71 %)
また、炭酸カリウムを塩基として使用してもよい。
【0052】
【化17】

【0053】
方法 F -ニトロ基の還元
無水THF (50 mL)中の1-(4-ニトロベンジル)ピロリジン(16.96 g, 82.2 ミリモル) をラネーニッケル(5 g) と合わせ、21時間にわたって7.5バールの水素圧力で室温で水素化する。所望により、更に多くの触媒を計量して入れ、水素圧力が低下するならばそれを再度調節する。その反応混合物を濾過し、蒸発させ、トルエン(3 x 200 mL) と合わせ、再度蒸発させる。収量: 14.46 g (定量的)
【0054】
【化18】

【0055】
方法 G - (2-クロロ-4-ニトロフェニル)メタノール (Z47)
【0056】
【化19】

【0057】
N,N’−カルボニルジイミダゾール(19.91 g, 122 ミリモル) を室温で無水THF (420 mL)中の2-クロロ-4-ニトロ安息香酸 (25 g, 純度90 %, 111 ミリモル) に回分添加し、1時間撹拌する。15-20℃で、水(85mL)中のNaBH (13.09 g, 346 ミリモル) をそれに滴下して添加し、その混合物を室温で16時間撹拌する。その反応混合物を6 N HCl でpH1に調節し、EtOAcで徹底的に抽出する。合わせた有機相を15%の炭酸カリウム溶液 (2 x 150 mL) 及び飽和食塩溶液 (150 mL)で洗浄し、乾燥させ、濾過し、蒸発させる。
収量: 20.60 g (98 %)
【0058】
【化20】

【0059】
方法 H - 2-クロロ-1-クロロメチル-4-ニトロベンゼン (Z50)
(2-クロロ-4-ニトロフェニル)メタノール (19 g, 101 ミリモル)を無水DCM (400 mL)、塩化チオニル(15 mL) 及びDMF (1 mL) の混合物中で沸騰温度で2時間撹拌する。その反応混合物を蒸発させ、残渣をEtOAc (250 mL)に吸収させ、水(5 x 150 mL) 及び飽和食塩溶液(150 mL)で洗浄し、乾燥させ、濾過し、蒸発させる。収量: 20.40 g (98%)
【0060】
【化21】

【0061】
1-(2-クロロ-4-ニトロベンジル)ピロリジンを方法 Eに従って調製する。
【0062】
【化22】

【0063】
ニトロ基の還元を方法 Fに従って行なう。
【0064】
【化23】

【0065】
方法 U - 還元アミン化
【0066】
【化24】

【0067】
無水CH2Cl2 (2 mL)及びピロリジン(391 μL, 4.73 ミリモル)中の6-ニトロピリジン-2-カルボアルデヒド(600 mg, 3.95 ミリモル) を室温で15分間撹拌する。AcOH (371 μL) 及びNaBH(OAc)3 (1.17 g, 5.52 ミリモル) を添加し、その混合物を室温で30分間撹拌する。その反応溶液をCH2Cl2 と飽和NaHCO3 溶液の間に分け、有機相を飽和NaHCO3 溶液で洗浄し、乾燥させ、濾過し、蒸発させる。収量: 850 mg (90 %)
ニトロ基の還元をMeOH中で方法 Jに従って行なう。
【0068】
【化25】

【0069】
方法 V - ホルムアルデヒドによる還元アミン化
【0070】
【化26】

【0071】
37%のホルムアルデヒド水溶液 (1.3mL) 及びHCOOH (1.55 mL) 中のベンジルアミン(750mg, 3.70ミリモル)の溶液を100℃で16時間撹拌する。その反応溶液をCH2Cl2 と飽和K2CO3 溶液の間に分け、有機相を飽和K2CO3 溶液で洗浄し、乾燥させ、濾過し、蒸発させる。収量: 682 mg (95 %)
方法 W - ジブロモブタンによるアルキル化
ベンジルアミン (2 g, 9.87 ミリモル)、1,4-ジブロモブタン(1.40 mL, 11.8 ミリモル)、 K2CO3 (4 g, 28.9 ミリモル) 及びKI (819 mg, 4.93 ミリモル) を無水MeCN 中で撹拌しながら16時間還流する。その混合物を濾過し、蒸発させ、残渣を水とCH2Cl2の間に分ける。水相をCH2Cl2で徹底的に抽出する。合わせた有機相を乾燥させ、濾過し、蒸発させる。収量: 2.60 g (84 %)
ニトロ基の還元をTHF中で方法 Jに従って行なう。
【0072】
【化27】

【0073】
アルコキシアニリン成分の調製
【0074】
【化28】

【0075】
方法 X - 求核的芳香族置換(Z61)
4-フルオロニトロベンゼン (2 mL, 18.9 ミリモル) を無水DMSO(25mL)中の4-ヒドロキシ-1-メチルピペリジン(2.17 g, 18.9 ミリモル) 及びKOtBu (3.0 g, 26.7 ミリモル) の溶液に添加し、室温で2時間撹拌する。水を添加し、沈殿を濾過により単離し、固体を真空で乾燥させる。収量: 2.45 g (55 %).
結晶性生成物が得られない場合、粗混合物を抽出により処理し、必要によりクロマトグラフィーにより精製してもよい。
【0076】
【化29】

【0077】
ニトロ基の還元を方法 J に従って行なう。
【0078】
【化30】

【0079】
フェニルメチリデン-インドリノンの調製
【0080】
【化31】

【0081】
方法 K - オルトベンゾエートとの縮合
Z4 (2.18 g, 12.3 ミリモル) 及びトリエチルオルトベンゾエート(8 mL, 35.2 ミリモル) を無水酢酸(20 mL) 中で150℃で10分間撹拌する。その混合物を室温に冷却し、沈殿を濾過により単離し、水で蒸解する。収量: 3.25 g (75 %).
方法 L - アニリンによる置換
Z67 (2 g, 5.68 ミリモル) 及び4-ピロリジン-1-イルメチルフェニルアミン (1.05 g, 5.98 ミリモル) を無水DMF (10 mL) 中で100℃で2時間撹拌する。その混合物を室温に冷却し、H2O/iPrOH = 10/1 と合わせ、沈殿を濾過により単離する。
収量: 2.2 g (80 %).
【0082】
【化32】



【0083】
【化33】

【0084】
【化34】



【0085】
【化35】



【0086】
【化36】



【0087】
【化37】



【0088】
【化38】

【0089】
【化39】



【0090】
【化40】



【0091】
【化41】



【0092】
【化42】

【0093】
方法 M -ニトロ基の還元
MeOH (25 mL)/ CH2Cl2 (25 mL)中の(3Z)-1-アセチル-6-ニトロ-1,3-ジヒドロ-3-[フェニル[[4-(1-ピロリジニルメチル)フェニル]アミノ]-メチレン]-2H-インドール-2-オン (Z113) (1.20 g, 2.49 ミリモル) をラネーニッケル(500 mg) の存在下で9バールの水素圧力のもとに室温で16時間にわたって水素化する。その混合物を濾過し、蒸発させる。
収量: 1.10 g (98 %).
【0094】
【化43】



【0095】
【化44】



【0096】
【化45】



【0097】
【化46】

【0098】
【化47】



【0099】
【化48】



【0100】
方法 P -アセチル保護基の開裂
MeOH (10 mL)中のZ115 (1 g, 2.13 ミリモル) を2 N NaOH (5 mL) と合わせ、室温で1時間撹拌する。その混合物を蒸発させ、水と混合し、沈殿を濾過する。収量: 710 mg (78 %).
【0101】
【化49】




【0102】
【化50】



【0103】
【化51】

【0104】
ヘテロアリールメチリデン-インドリノンの調製
【0105】
【化52】

【0106】
方法 N -ヘテロアリールメチリデンフラグメントの導入
トリエチルアミン (3.91 mL, 28.0 ミリモル) 及びZ4 (1.0 g, 5.61 ミリモル) を無水DMF (5 mL) 中のフラン-2-カルボン酸 (1.32 g, 11.79 ミリモル) 及びTBTU (3.79 g, 11.79 ミリモル) に連続して添加し、その混合物を室温で24時間撹拌する。その反応混合物を1 N HCl: MeOH = 1 : 1に注ぎ、沈殿を吸引濾過し、iPrOHで蒸解する。収量: 1.60 g (78 %).
また、CH2Cl2 を溶媒として使用してもよい。結晶性生成物が得られない場合、その反応混合物を抽出により処理し、残渣を必要によりクロマトグラフィーにかけてもよい。
【0107】
【化53】



【0108】
方法 O - エノールとアニリン成分の反応
Z154 (700 mg, 1.91 ミリモル)、4-ピロリジン-1-イルメチルフェニルアミン (505 mg, 2.87 ミリモル)、TMSCl (1.0 mL, 7.88 ミリモル) 及びHMDS (0.81 mL, 3.82 ミリモル) を無水THF (8 mL) 中で沸騰温度で16時間撹拌する。沈殿した固体を濾過し、THFで洗浄し、乾燥させる。収量: 900 mg (92 %).
また、その反応をマイクロウェーブ中でTHF中で3当量のTMSCl の存在下でアニリン成分を用いて行なってもよい(160℃、15分間)。
その反応で、インドリノン窒素の位置で脱アセチル化された生成物が得られ、必要により主生成物として生じ、更に反応させられてもよい。収率を主生成物と副生物の合計として示す。
【0109】
【化54】



【0110】
【化55】



【0111】
【化56】



【0112】
【化57】

【0113】
ニトロ基の還元を方法 Mに従って行なう。
【0114】
【化58】



【0115】
【化59】

【0116】
【化60】

【0117】
【化61】

【0118】
NaOH又は濃アンモニアを使用して、インドリノン-窒素の位置のアミド保護基の開裂を方法 P に従って行なう。
【0119】
【化62】

【0120】
方法 Q - アミド生成
【0121】
【化63】

【0122】
トリエチルアミン (1.2 当量) を無水DMSO又はNMP (5 μL/1 mg アニリン) 中のカルボン酸 (1 当量) 及びTBTU (1.2 当量) の溶液に添加し、周囲温度で5分間振とうする。アニリン (1 当量) を無水DMSO又はNMP (5 μL/1 mg アニリン) に添加し、室温で30分間振とうする。その反応混合物を濾過し、分取HPLCにより精製する。
表1: フェニルメチリデン化合物
【0123】
【表1】

【0124】
【表2】

【0125】
【表3】

【0126】
【表4】

【0127】
【表5】

【0128】
【表6】

【0129】
【表7】

【0130】
【表8】

【0131】
【表9】

【0132】
【表10】

【0133】
【表11】

【0134】
【表12】

【0135】
【表13】

【0136】
【表14】

【0137】
表2: ヘテロアリールメチリデン化合物
【0138】
【表15】

【0139】
【表16】

【0140】
【表17】

【0141】
表3:アニリンにおける変化
【0142】
【表18】

【0143】
【表19】

【0144】
【表20】

【0145】
【表21】

【0146】
【表22】

【0147】
表4:ビスヘテロアリールインドリノン
【0148】
【表23】

【0149】
【表24】

【0150】
表5:ピリジルアミン
【0151】
【表25】

【0152】
【表26】

【0153】
【表27】

【0154】
置換アセトアミド誘導体の調製
【0155】
【化64】

【0156】
方法 Y - トリフルオロアセチル保護基の開裂
トリフルオロアセトアミド(4.39 g, 6.87 ミリモル) をMeOH (30 mL)/2 N NaOH (18 mL) 中で懸濁させ、2時間撹拌する。その混合物を25 % EtOH で希釈し、沈殿を濾過により単離し、水洗し、固体を真空で乾燥させる。
収量: 2.80g (81 %) (186).
方法 Z - クロロ酢酸クロリドとの反応
クロロ酢酸クロリド(300 μL) を無水CH2Cl2 (10 mL) 中の186 (800 mg, 1.60 ミリモル) 及びK2CO3(450mg、3.22ミリモル)に添加し、室温で16時間撹拌する。その反応混合物を飽和NaHCO3 溶液及び飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥させ、濾過し、蒸発させる。収量: 900 mg (98 %) (187).
方法 AA - 一級アミン及び二級アミンとの反応
187 (50 mg, 87 μmol)、ピロリジン(10.8 μL, 130 μmol) 及びEt3N (60 μL) をマイクロウェーブ中で無水NMP (0.5 mL) 中で150℃で6分間撹拌する。その反応混合物を濾過し、分取HPLCにより精製する。
【0157】
【化65】

【0158】
【化66】

【0159】
【化67】

【0160】
【化68】

【0161】
【化69】

【0162】
方法 AC - エステル開裂
エステル(200) (203 mg, 0.38 ミリモル) をギ酸(4 mL) 中で50℃で2時間撹拌する。その混合物を蒸発させ、残渣をMeOHから再結晶する。収量: 111 mg (61 %). 結晶性生成物が得られない場合、粗混合物を分取HPLCにより精製する。
【0163】
【化70】



【0164】
使用した略号
【0165】
【表28】

【0166】
HPLC方法
HPLC: アギレント1100 シリーズ
MS: アギレントLC/MSD SL (LCMS1: 1100 シリーズLC/MSD)
カラム:ウォーターズ, Xterra MS C18, 2.5μm, 2.1x30 mm, 部品No.186000592
溶媒: A: 0.1 % HCOOH を含むH2O (ミリポア精製最純水)
B: アセトニトリル(HPLCグレード)
検出: MS: ポジチブ及びネガチブ
質量範囲: 120 - 900 m/z
フラグメンテーター: 120
ゲインEMV: 1
閾値: 150
ステップサイズ: 0.25
UV: 254 nm
バンド幅: 1 (LCMS1: 2)
基準: オフ
スペクトル:範囲: 250 - 400 nm
レンジステップ: 1.00 nm
閾値: 4.00 mAU
ピーク幅: < 0.01 分(LCMS1: >0.05分)
スリット: 1 nm (LCMS1: 2 nm)
注入:注入容積: 5 μL
注入モード: ニードル洗浄
分離:流量: 1.10 mL/分
カラム温度: 40℃
勾配: 0 分5 % 溶媒B
0 - 2.5 分5 % -> 95 % 溶媒B
2.50 - 2.80 分95 % 溶媒B
2.81 - 3.10 分95 % -> 5 % 溶媒B
【0167】
方法B
HPLC: アギレント1100 シリーズ
MS: 1100 シリーズLC/MSD (API-ES +/- 3000V, 四極子, G1946D)
MSD シグナルセッティング: スキャンpos 120-900, スキャンneg 120-900
カラム: フェノメネクス; 部品No.00M-4439-BO-CE; ジェミニ3μ C18 110Å; 20x2.0mm カラム
溶離剤:
A: 5mM NH4HCO3/ 20mM NH3 (pH=9.5)
B: アセトニトリルHPLCグレード
検出:
シグナル: UV 254 nm (バンド幅1, 基準オフ)
スペクトル:範囲: 250-400 nm;ステップ: 1nm
ピーク幅< 0.01分 (0.1s)
注入: 10 μl 標準注入
方法: LCMSBAS1
流量: 1.0 ml/分
カラム温度: 40℃
ポンプ勾配: 0.0 - 2.5分 5 % -> 95 % 溶媒B
2.5 - 2.8分 95 % 溶媒B
2.8 - 3.1分 95 % -> 5 % 溶媒B
【0168】
実施例は本発明の化合物の生物学的活性を記載するが、本発明をこれらの実施例に限定しない。
DNA染色、続いてFACS又はセロミクス・アレイ・スキャン分析により実証されるように、本発明の化合物によりもたらされる増殖の抑制はとりわけ染色体分離におけるエラーにより媒介される。不完全な分離の蓄積のために、大量の多倍数体が生じ、これが最終的に増殖の抑制又は更にはアポプトーシスをもたらし得る。それらの生物学的性質に基づいて、本発明の一般式(I)の化合物、それらの異性体及びこれらの生理学上許される塩は過度又は異常な細胞増殖を特徴とする疾患を治療するのに適している。
【0169】
実施例オーロラ-Bキナーゼアッセイ
N末端位置にツメガエルINCENP(アミノ酸790-847)との複合体中のGST 標識(アミノ酸60-361)を備えたE.coli発現組換えツメガエル・オーロラB野生型タンパク質(これは細菌から得られ、精製される)を使用する放射能酵素抑制アッセイを開発した。均等の様式で、ツメガエルINCENP790-847 との複合体中のツメガエル・オーロラB変異体 (G96V) をまた使用してもよい。
【0170】
発現及び精製
ツメガエルからのオーロラ-B60-361のコーディング配列をBamHI 及びSalI切断部位を介してpGEX-6T (アマシャム・バイオテク)の修飾バージョンにクローニングする。そのベクターはリボソーム結合部位により分離されている二つのクローニングカセットを含み、2シストロン発現を可能にする。この立体配置では、ツメガエル・オーロラBが第一のカセットにより発現され、ツメガエルINCENP790-847が第二のカセットにより発現される。得られるベクターはpAUB-IN847である。
最初に、E.coli株BL21 (DE3)をpUBS520ヘルパープラスミド及びpAUB-IN847で同時形質転換し、その後に0.45-0.7のOD600で0.3 mM IPTGを使用してタンパク質発現を誘導する。次いでその発現を約12-16時間にわたって23-25℃で撹拌しながら続ける。
次いで細菌を遠心分離により除去し、超音波を使用し、E.coli培養液1リットル当り溶解緩衝液20-30mLを使用してペレットを溶解緩衝液(50 mM Tris/Cl pH 7.6、300 mM NaCl、1 mM DTT、1 mM EDTA、5 % グリセロール、ロシュ完全プロテアーゼインヒビター錠剤)中で溶解する。溶解された物質を遠心分離(12000 rpm, 45-60分, JA20 ローター)によりデブリから除く。上澄みをE.coli培養液1リットル当り300 μL の平衡GST セファロース・ファースト・フロー (アマシャム・バイオサイエンシズ)とともに4℃で4-5時間インキュベートする。次いでカラム物質を30倍容の溶解緩衝液で洗浄し、次いで30倍容の開裂緩衝液(50 mM Tris/Cl pH 7.6, 150 mM NaCl, 1 mM DTT, 1 mM EDTA)で平衡にする。GST標識をオーロラBから開裂するために、10単位のプレシッション・プロテアーゼ(アマシャム・バイオサイエンシズ)を基質1mg当り使用し、その混合物を4℃で16時間インキュベートする。開裂生成物を含む上澄みをイオン交換緩衝液(50 mM Tris/Cl pH 7.6, 150 mM NaCl, 1 mM DTT, 1 mM EDTA)で平衡にされた6mLのリソースQカラム(アマシャム・バイオサイエンシズ)に装填する。オーロラB/INCENP 複合体を、それが流れる際に捕獲し、次いで濃縮し、SEC緩衝液(10 mM Tris/Cl pH 7.6, 150 mM NaCl, 1 mM DTT, 1 mM EDTA)で平衡にされたスーパーデックス200サイズ排除クロマトグラフィー(SEC) カラムに装填する。オーロラB /INCENP 複合体を含む画分を集め、ビバスピン濃縮機(分子量排除3000-5000 Da) を使用して12 mg/mLの最終濃度に濃縮する。キナーゼアッセイのためのアリコート(例えば、240ng/μL) をこの原液から凍結緩衝液(50 mM Tris/Cl pH 8.0, 150 mM NaCl, 0.1 mM EDTA, 0.03 % Brij-35, 10 %グリセロール, 1 mM DTT) に移し、-80 ℃で貯蔵する。
【0171】
キナーゼアッセイ
10 μM - 0.0001 μMの濃度枠をカバーするために、試験物質をポリプロピレン皿(96 ウェル、グレイナー#655 201)に入れる。そのアッセイにおけるDMSOの最終濃度は5%である。タンパク質ミックス(50 mM tris/Cl pH 7.5, 25 mM MgCl2, 25 mM NaCl, 167 μM ATP, 凍結緩衝液中10 ng のツメガエル・オーロラB/INCENP 複合体) 30μLを25%のDMSO中に用意された試験物質10μlにピペットで入れ、これを室温で15分間インキュベートする。次いでペプチドミックス(100 mM tris/Cl pH 7.5, 50 mM MgCl2, 50 mM NaCl, 5 μM NaF, 5 μM DTT, 1 μCi ガンマ-P33-ATP [アマシャム], 50 μM 基質ペプチド[ビオチン-EPLERRLSLVPDS もしくはその多量体、又はビオチン-EPLERRLSLVPKM もしくはその多量体、或いはビオチン-LRRWSLGLRRWSLGLRRWSLGL RRWSLG]) 10μLを添加する。その反応液を75分間インキュベートし(周囲温度)、6.4%のトリクロロ酢酸180μLの添加により停止し、氷の上で20分間インキュベートする。マルチスクリーン濾過プレート(ミリポア, MAIP NOB10) を最初に70%のエタノール100μL次いでトリクロロ酢酸180μLで平衡にし、好適な吸引装置を使用して液体を除く。次いで停止されたキナーゼ反応液を適用する。夫々の場合に1%のトリクロロ酢酸180μLによる5回の洗浄工程後に、皿の下半分を乾燥させ(55℃で10-20分)、シンチレーションカクテル(ミクロシント, パッカード# 6013611) 25μLを添加する。ワラック1450ミクロベータ液体シンチレーションカウンターを使用して、とり込まれたガンマ-ホスフェートを定量する。試験物質又は基質ペプチドを含まないサンプルを対照として使用する。グラフ・パッド・プリズムソフトウェアを使用してIC50 値を得る。
本発明の化合物の抗増殖活性を培養されたヒト腫瘍細胞についての増殖試験及び/又は例えば、NCI-H460腫瘍細胞についての細胞サイクル分析で測定する。両方の試験方法で、化合物1-205は良好〜非常に良好な活性、例えば、5μモル/L未満、一般に1μモル/L未満のNCI-H460 増殖試験におけるEC50値を示す。
【0172】
培養ヒト腫瘍細胞についての増殖の抑制の測定
培養ヒト腫瘍細胞についての増殖を測定するために、肺腫瘍細胞系NCI-H460 (アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)から得られた) をRPMI 1640 培地(ギブコ) 及び10 % ウシ胎児血清(ギブコ) 中で培養し、対数増殖期中に回収する。次いでNCI-H460 細胞をRPMI 1640 培地中のウェル当り1000の細胞の密度で96ウェル平底プレート(ファルコン)に入れ、インキュベーター中で一夜インキュベートする(37℃かつ5%のCO2で)。活性物質を種々の濃度(DMSOに溶解;DMSO最終濃度: 0.1 %)で細胞に加える。72時間のインキュベーション後に、アラマーブルー試薬(AccuMed International) 20μlを夫々のウェルに添加し、細胞を更に5-7時間インキュベートする。インキュベーション後に、アラマーブルー試薬の色の変化をワラック・ミクロベータ蛍光スペクトロフォトメーター中で測定する。標準レーベンブルグ・マーカードアルゴリズム(グラフパッドプリズム)を使用してEC50 値を計算する。
例えば、FACS分析(蛍光活性化細胞ソーター)を使用して、又はセロミクス・アレイ・スキャン(細胞サイクル分析)により、細胞サイクル分析を行なう。
【0173】
FACS分析
ヨウ化プロピジウム(PI)は二本鎖DNAに化学量論的に結合し、こうして細胞サイクルのG1期、S期、及びG2/M期の細胞の比率を細胞のDNA含量に基づいて測定するのに適している。G0期及びG1期の細胞は二倍体DNA含量(2N)を有し、一方、G2期又は有糸分裂期の細胞は4N DNA 含量を有する。
PI染色について、例えば、1.75x106 NCI-H460 細胞を75 cm2 の細胞培養フラスコに接種し、24時間後に0.1 % DMSO を対照として添加し、又は物質を種々の濃度(0.1 % DMSO中)で添加する。細胞を物質又はDMSOとともに42時間インキュベートする。次いで細胞をトリプシンで分離し、遠心分離する。細胞ペレットを食塩加リン酸溶液(PBS) で洗浄し、次いで細胞を少なくとも2時間にわたって-20℃で80% エタノールで固定する。PBSによる別の洗浄工程後に、細胞を5分間にわたって氷の上でトリトンX-100 (シグマ; PBS中0.25 %) で透過性にし、次いで少なくとも20分間にわたって暗所で9:1の比のPI (シグマ; 10 μg/ml)及び RNAse (セルバ; 1 mg/mLl) の溶液とともにインキュベートする。
DNA測定をベクトン・ディキンソンFACS 分析装置中で、アルゴンレーザー(500 mW, 放出488 nm)を用いて行ない、データを得、DNA 細胞クエスト・プログラム(BD)を使用して評価する。
セロミクス・アレイ・スキャン
NCI-H460 細胞をウェル当り2000の細胞の密度でRPMI 1640 培地(ギブコ)中で96ウェル平底皿(ファルコン)に接種し、インキュベーター中で一夜インキュベートする(37℃かつ5%のCO2で)。活性物質を種々の濃度(DMSOに溶解;DMSO最終濃度: 0.1 %)で細胞に加える。42時間のインキュベーション後に、培地を吸引濾過し、細胞を周囲温度で10分間にわたって4 % ホルムアルデヒド溶液及びトリトンX-100 (PBS中1:200) で固定し、同時に透過性にし、次いで0.3 % BSA 溶液 (カルビオケム)で2回洗浄する。次いでDNAを1時間にわたって周囲温度で暗所で300nMの最終濃度の50 μL/ウェルの4’,6−ジアミジノ-2-フェニルインドール(DAPI; モレキュラー・プローブズ)の添加により染色する。次いで製剤をPBSで慎重に2回洗浄し、プレートを黒色の接着剤フィルムでくっつけ、セルサイクル・バイオアプリケーションプログラムを使用してセロミクス・アレイスキャン中で分析し、スポットファイアーを使用して視覚化し、評価する。
【0174】
本発明の物質はオーロラキナーゼインヒビターである。本発明の一般式(I)の化合物、それらの異性体及びこれらの生理学上許される塩は、それらの生物学的性質に基づいて、過度又は異常な細胞増殖を特徴とする疾患を治療するのに適している。
このような疾患の例として、例えば、ウイルス感染症(例えば、HIV及びカポージ肉腫);炎症性疾患及び自己免疫疾患(例えば、大腸炎、関節炎、アルツハイマー病、腎炎及び創傷治癒);細菌、菌類及び/又は寄生虫感染症;白血病、リンパ腫及び充実性腫瘍(例えば、癌腫及び肉腫);皮膚疾患(例えば、乾癬);細胞(例えば、繊維芽細胞、肝細胞、骨及び骨髄細胞、軟骨細胞もしくは平滑筋細胞又は上皮細胞(例えば、子宮内膜過形成))の数の増大を特徴とする過形成に基づく疾患;骨疾患及び心血管疾患(例えば、再狭窄及び肥大)が挙げられる。
【0175】
例えば、下記の癌が本発明の化合物で治療し得るが、これらに限定されない:脳腫瘍、例えば、聴神経鞘腫、星状細胞腫、例えば、毛様細胞性星状細胞腫、原線維性星状細胞腫、原形質性星状細胞腫、大円形細胞性星状膠腫、未分化星状細胞腫及びグリア芽細胞腫、脳リンパ腫、脳転移、下垂体腫瘍、例えば、プロラクチノーマ(prolactinoma)、HGH(ヒト成長ホルモン)産生腫瘍及びACTH産生腫瘍(副腎皮質刺激ホルモン)、頭蓋咽頭腫、髄芽細胞腫、髄膜腫及び乏突起膠腫;神経腫瘍、例えば、栄養神経系の腫瘍、例えば、交感神経芽細胞腫、神経節神経腫、パラガングリオーマ(クロム親和性細胞腫、クロム親和性腫瘍)及び頚動脈小体腫瘍、末梢神経系の腫瘍、例えば、切断神経腫、神経繊維腫、ノイリノーマ(神経鞘腫、シュワン鞘腫)及び悪性シュワン鞘腫だけでなく、中枢神経系の腫瘍、例えば、脳の腫瘍及び骨髄腫瘍;腸癌、例えば、直腸、結腸、肛門、小腸及び十二指腸の癌腫;眼瞼腫瘍、例えば、基底細胞腫又は基底細胞癌;膵臓癌又は膵臓の癌腫;膀胱癌又は膀胱の癌腫;肺癌(気管支癌)、例えば、小細胞気管支癌(燕麦細胞癌)及び非小細胞気管支癌、例えば、扁平上皮癌、腺癌及び大細胞気管支癌;胸部の癌、例えば、乳癌、例えば、浸潤性腺管癌、膠様癌、小葉侵食癌、管状癌、腺のう癌及び乳頭状癌;非ホジキンリンパ腫(NHL)、例えば、バーキットリンパ腫、低悪性非ホジキンリンパ腫(NHL)及び菌状息肉症;子宮癌もしくは子宮内膜癌又は子宮体癌;CUP症候群(未知の原発性の癌);卵巣癌又は卵巣癌腫、例えば、粘液性、子宮内膜の、又はしょう液性の癌;胆嚢癌;胆管癌、例えば、クラトスキン(Klatskin)腫瘍;精巣癌、例えば、精上皮腫及び非精上皮腫;リンパ腫(リンパ肉腫)、例えば、悪性リンパ腫、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫(NHL)、例えば、慢性リンパ性白血病、白血性細網内症、免疫細胞腫、プラスマ細胞腫(多発性ミエローマ)、免疫芽細胞腫、バーキットリンパ腫、T-ゾーン菌状息肉腫、大細胞退生リンパ芽細胞腫及びリンパ芽細胞腫;喉頭癌、例えば、声帯の腫瘍、声門上、声門及び声門下の咽頭腫瘍;骨の癌、例えば、骨軟骨腫、軟骨腫、軟骨芽細胞腫、軟骨粘液繊維腫、骨腫、類骨骨腫、骨芽細胞腫、好酸球性肉芽腫、巨細胞腫、軟骨肉腫、骨肉腫、ユーイング肉腫、細網肉腫、形質細胞腫、巨細胞腫瘍、線維性形成異常、若年性骨のう胞及び動脈瘤の骨のう胞;頭部及び首の腫瘍、例えば、唇、舌、口の床、口腔、歯肉、口蓋、唾液腺、喉、鼻腔、副鼻腔、喉頭及び中耳の腫瘍;肝臓癌、例えば、肝細胞癌(HCC);白血病、例えば、急性白血病、例えば、急性リンパ性/リンパ芽球性白血病(ALL)、急性骨髄性白血病(AML);慢性白血病、例えば、慢性リンパ性白血病(CLL)、慢性骨髄性白血病(CML);胃癌、例えば、乳頭状腺癌、管状腺癌及び粘液性腺癌、印環細胞癌腫、扁平腺癌、小細胞癌及び未分化癌腫;メラノーマ、例えば、表在性、結節性、悪性のほくろ性の、また末端性ほくろ性のメラノーマ;腎臓癌、例えば、腎臓細胞癌もしくは副腎腫又はグラービッツ腫瘍;食道癌又は食道の癌腫;陰茎癌;前立腺癌;咽頭癌又は咽頭の癌腫、例えば、鼻咽頭癌、中咽頭癌及び下咽頭癌;網膜芽細胞腫;膣癌又は膣癌腫;扁平上皮癌、腺癌、in situ癌腫、悪性メラノーマ及び肉腫;甲状腺癌、例えば、乳頭状、のう胞状また延髄の甲状腺癌だけでなく、退生癌腫;棘細胞癌、類表皮癌及び皮膚の扁平上皮癌;胸腺腫、尿道の癌及び外陰部の癌。
【0176】
新規化合物は、必要によりまた放射線治療又はその他の“技術水準”の化合物、例えば、細胞増殖抑制性物質もしくは細胞傷害性物質、細胞増殖インヒビター、坑脈管形成物質、ステロイド又は抗体と組み合わせて、上記疾患の予防、短期治療又は長期治療に使用し得る。
一般式(1)の化合物は、それら自体で、又は本発明のその他の活性物質と組み合わせて、必要によりまたその他の薬理学的活性物質と組み合わせて使用し得る。
本発明の化合物と組み合わせて投与し得る化学治療薬として、ホルモン、ホルモン類似体及び坑ホルモン(例えば、タモキシフェン、トレミフェン、ラロキシフェン、フルベストラント、メゲストロールアセテート、フルタミド、ニルタミド、ビカルタミド、アミノグルテチミド、シプロテロンアセテート、フィナステリド、ブセレリンアセテート、フルドロコルチンゾン、フルオキシメステロン、メドロキシプロゲステロン、オクトレオチド)、アロマターゼインヒビター(例えば、アナストロゾール、レトロゾール、リアロゾール、ボロゾール、エキセメスタン、アタメスタン)、LHRHアゴニスト及びアンタゴニスト(例えば、ゴセレリンアセテート、ルプロリド)、成長因子(成長因子、例えば、“血小板由来成長因子”及び“肝細胞成長因子”)のインヒビター(インヒビターは、例えば、“成長因子”抗体、“成長因子受容体”抗体及びチロシンキナーゼインヒビター、例えば、ゲフィチニブ、イマチニブ、ラパチニブ及びトラスツズマブである);坑代謝産物(例えば、坑葉酸塩、例えば、メトトレキセート、ラルチトレキセド、ピリミジン類似体、例えば、5-フルオロウラシル、カペシタビン及びゲムシタビン、プリン及びアデノシン類似体、例えば、メルカプトプリン、チオグアニン、クラドリビン及びペントスタチン、シタラビン、フルダラビン);坑腫瘍抗生物質(例えば、アントラサイクリン、例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシン及びイダルビシン、マイトマイシンC、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、プリカマイシン、ストレプトゾシン);白金誘導体(例えば、シスプラチン、オキサリプラチン、カルボプラチン);アルキル化剤(例えば、エストラムスチン、メクロレタミン、メルファラン、クロラムブシル、ブスルファン、ダカルバジン、シクロホスファミド、イフォスファミド、テモゾロミド、ニトロソ尿素、例えば、カルムスチン及びロムスチン、チオテパ)、坑有糸分裂剤(例えば、ビンカアルカロイド、例えば、ビンブラスチン、ビンデシン、ビノレルビン及びビンクリスチン;並びにタキサン、例えば、パクリタキセル、ドセタキセル);トポイソメラーゼインヒビター(例えば、エピポドフィロトキシン、例えば、エトポシド及びエトポフォス、テニポシド、アムサクリン、トポテカン、イリノテカン、ミトキサントロン)及び種々の化学治療薬、例えば、アミフォスチン、アナグレリド、クロドロナト、フィルグラスチン、インターフェロンアルファ、ロイコボリン、リツキシマブ、プロカルバジン、レバミソール、メスナ、ミトタン、パミドロネート及びポルフィマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0177】
好適な製剤として、例えば、錠剤、カプセル、座薬、溶液、特に注射用の溶液(s.c.、i.v.、i.m.)及び注入用の溶液、エリキシル剤、エマルション又は分散可能な粉末が挙げられる。一種以上の医薬上活性な化合物の含量は全体としての組成物の0.1〜90質量%、好ましくは0.5〜50質量%の範囲、即ち、以下に明記される用量範囲を得るのに充分である量であるべきである。明記された用量は、必要により、1日に数回与えられてもよい。
好適な錠剤は、例えば、一種以上の活性物質を既知の賦形剤、例えば、不活性希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はラクトース、崩壊剤、例えば、トウモロコシ澱粉又はアルギン酸、バインダー、例えば、澱粉又はゼラチン、滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム又はタルク及び/又は放出を遅延するための薬剤、例えば、カルボキシメチルセルロース、セルロースアセテートフタレート、又はポリ酢酸ビニルと混合することにより得られてもよい。錠剤はまた幾つかの層を含んでもよい。
従って、被覆錠剤は錠剤と同様にして製造されたコアーを錠剤被覆に通常使用される物質、例えば、コリドン又はセラック、アラビアゴム、タルク、二酸化チタン又は糖で被覆することにより調製されてもよい。遅延放出を得、又は不適合性を防止するために、コアーはまた幾つかの層からなってもよい。同様に、錠剤被覆物はおそらく錠剤について上記された賦形剤を使用して、遅延放出を得るために幾つかの層からなってもよい。
本発明の活性物質又はこれらの組み合わせを含むシロップ又はエリキシル剤は更に甘味料、例えば、サッカリン、シクラメート、グリセロール又は糖及び風味増強剤、例えば、風味料、例えば、バニリン又はオレンジエキスを含んでもよい。それらはまた懸濁アジュバント又は増粘剤、例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、湿潤剤、例えば、脂肪アルコールとエチレンオキサイドの縮合生成物、又は防腐剤、例えば、p-ヒドロキシベンゾエートを含んでもよい。
【0178】
注射溶液及び注入溶液は必要により乳化剤及び/又は分散剤を使用して、通例の方法で、例えば、等張剤、防腐剤、例えば、p-ヒドロキシベンゾエート、又は安定剤、例えば、エチレンジアミンテトラ酢酸のアルカリ金属塩を添加して調製され、例えば、水を希釈剤として使用する場合、有機溶媒が必要により可溶化剤又は溶解助剤として使用され、注射バイアルもしくはアンプル又は注入びんに移されてもよい。
一種以上の活性物質又は活性物質の組み合わせを含むカプセルは、例えば、活性物質を不活性担体、例えば、ラクトース又はソルビトールと混合し、それらをゼラチンカプセルに詰めることにより調製し得る。
好適な座薬は、例えば、この目的に用意された担体、例えば、中性脂肪もしくはポリエチレングリコール又はそれらの誘導体と混合することにより製造し得る。
使用し得る賦形剤として、例えば、水、医薬上許される有機溶媒、例えば、パラフィン(例えば、石油留分)、植物油(例えば、落花生油又はゴマ油)、一官能性又は多官能性アルコール(例えば、エタノール又はグリセロール)、担体、例えば、天然鉱物粉末(例えば、カオリン、クレー、タルク、チョーク)、合成鉱物粉末(例えば、高度に分散されたケイ酸及びケイ酸塩)、糖(例えば、蔗糖、ラクトース及びグルコース)、乳化剤(例えば、リグニン、使用済み亜硫酸塩液、メチルセルロース、澱粉及びポリビニルピロリドン)及び滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸及びラウリル硫酸ナトリウム)が挙げられる。
製剤は通例の方法により、好ましくは経口経路もしくは経皮経路、特に好ましくは経口経路により投与される。経口投与について、錠剤は、勿論、上記担体とは別に、種々の添加剤、例えば、澱粉、好ましくはジャガイモ澱粉、ゼラチン等と一緒に添加剤、例えば、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム及びリン酸二カルシウムを含んでもよい。更に、滑剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム及びタルクが錠剤形成プロシュスに同時に使用されてもよい。水性懸濁液の場合、活性物質が上記賦形剤に加えて種々の風味増強剤又は着色剤と合わされてもよい。
非経口使用のために、好適な液体担体とともに活性物質の溶液が使用されてもよい。
静脈内使用のための用量は時間当り1-1000mg、好ましくは時間当り5-500mgである。
しかしながら、体重、投与の経路、薬物に対する個々の応答、その製剤の性質及び薬物が投与される時間又は間隔に応じて、明記された量から逸脱することが時々必要であるかもしれない。こうして、或る場合には、先に示された最小用量より少ない量を使用することが充分であるかもしれず、一方、その他の場合には上限が超えられる必要があるかもしれない。多量を投与する場合、それらをその日にわたって引き延ばされる幾つかの一層少ない用量に分けることが推奨されるかもしれない。
下記の製剤実施例は本発明を説明するが、その範囲を限定しない。
【0179】
医薬製剤の実施例
A) 錠剤 錠剤当り
式(1)の活性物質 100mg
ラクトース 140mg
トウモロコシ澱粉 240mg
ポリビニルピロリドン 15mg
ステアリン酸マグネシウム 5mg
500mg
微粉砕された活性物質、ラクトース及びトウモロコシ澱粉の一部を一緒に混合する。その混合物を篩分け、次いで水中ポリビニルピロリドンの溶液で湿らせ、混錬し、湿式造粒し、乾燥させる。顆粒、残りのトウモロコシ澱粉及びステアリン酸マグネシウムを篩分け、一緒に混合する。その混合物を圧縮して好適な形状及びサイズの錠剤を製造する。
B) 錠剤 錠剤当り
式(1)の活性物質 80mg
ラクトース 55mg
トウモロコシ澱粉 190mg
微結晶性セルロース 35mg
ポリビニルピロリドン 15mg
ナトリウムカルボキシメチル澱粉 23mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
400mg
微粉砕された活性化合物、トウモロコシ澱粉の一部、ラクトース、微結晶性セルロース及びポリビニルピロリドンを一緒に混合し、その混合物を篩分け、残りのトウモロコシ澱粉及び水で処理して顆粒を生成し、これを乾燥させ、篩分ける。ナトリウムカルボキシメチル澱粉及びステアリン酸マグネシウムを添加し、混合し、その混合物を圧縮して好適なサイズの錠剤を形成する。
【0180】
C) アンプル溶液
式(1)の活性物質 50mg
塩化ナトリウム 50mg
注射用の水 5ml
活性物質を水にそれ自体のpH又は必要によりpH5.5〜6.5で溶解し、塩化ナトリウムを添加してそれを等張性にする。得られた溶液を濾過して発熱物質を除き、濾液を無菌条件下でアンプルに移し、次いでこれらを滅菌し、溶融によりシールする。アンプルは活性物質5mg、25mg及び50mgを含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

の化合物(必要によりこれらのプロドラッグ、互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及びこれらの混合物、並びに必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩の形態であってもよく、
但し、6-ベンゾイルアミノ-3-(Z)-{1-[4-(ピペリジン-1-イル-メチル)-アニリノ]-1-フェニル-メチリデン}-2-インドリノン、3-(Z)-{1-[4-(ピペリジン-1-イル-メチル)-アニリノ]-1-フェニル-メチリデン}-6-(ピロール-1-イル)-2-インドリノン及び3-(Z)-{1-[4-(ピペリジン-1-イル-メチル)-アニリノ]-1-フェニル-メチリデン}-6-(ピロリジン-1-イル)-2-インドリノンが含まれないことを条件とする)。
[式中、
R1 は水素又はC3-10シクロアルキル、3-8員ヘテロシクロアルキル、C6-15アリール及び5-15 員ヘテロアリールの中から選ばれた基(必要により1個以上のR5により置換されていてもよい)を表し、かつ
R2 はC6-15アリール及び5-15員ヘテロアリールの中から選ばれた基(必要により1個以上のR5により置換されていてもよい)を表し、かつ
R3 は3-8 員ヘテロシクロアルキル及び5-12 員ヘテロアリールの中から選ばれた基(必要により1個以上のR5により置換されていてもよい)、又は-N(Rg)C(O)Rc、-N(Rg)S(O)2Rc、-N(Rg)S(O)2NRcRc、-N(Rg)[C(O)]2NRcRc、-N(Rg)C(O)ORcを表し、かつ
R4 は水素又はハロゲン、-CN、-ORe、-NReRe 及びC1-6アルキルの中から選ばれた基を表し、かつ
R5 は夫々の場合に互いに独立にRa、Rb 及び1個以上の同じ又は異なるRb 及び/又はRc により置換されたRa の中から選ばれた基を表し、かつ
夫々のRa は互いに独立にC1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、C4-16シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、2-6 員ヘテロアルキル、3-8 員ヘテロシクロアルキル、4-14 員ヘテロシクロアルキルアルキル、5-12 員ヘテロアリール及び 6-18 員ヘテロアリールアルキルの中から選ばれ、
夫々のRb は好適な基であり、かつ夫々が独立に=O、-ORc、C1-3ハロアルキルオキシ、-OCF3、=S、-SRc、=NRc、=NORc、=NNRcRc、=NN(Rg)C(O)NRcRc、-NRcRc、-ONRcRc、-N(ORc)Rc、-N(Rg)NRcRc、ハロゲン、-CF3、-CN、-NC、-OCN、-SCN、-NO、-NO2、=N2、-N3、-S(O)Rc、-S(O)ORc、-S(O)2Rc、-S(O)2ORc、-S(O)NRcRc、-S(O)2NRcRc、-OS(O)Rc、-OS(O)2Rc、-OS(O)2ORc、-OS(O)NRcRc、-OS(O)2NRcRc、-C(O)Rc、-C(O)ORc、-C(O)SRc、-C(O)NRcRc、-C(O)N(Rg)NRcRc、-C(O)N(Rg)ORc、-C(NRg)NRcRc、-C(NOH)Rc、-C(NOH)NRcRc、-OC(O)Rc、-OC(O)ORc、-OC(O)SRc、-OC(O)NRcRc、-OC(NRg)NRcRc、-SC(O)Rc、-SC(O)ORc、-SC(O)NRcRc、-SC(NRg)NRcRc、-N(Rg)C(O)Rc、-N[C(O)Rc]2、-N(ORg)C(O)Rc、-N(Rg)C(NRg)Rc、-N(Rg)N(Rg)C(O)Rc、-N[C(O)Rc]NRcRc、-N(Rg)C(S)Rc、-N(Rg)S(O)Rc、-N(Rg)S(O)ORc、-N(Rg)S(O)2Rc、-N[S(O)2Rc]2、-N(Rg)S(O)2ORc、-N(Rg)S(O)2NRcRc、-N(Rg)[S(O)2]2Rc、-N(Rg)C(O)ORc、-N(Rg)C(O)SRc、-N(Rg)C(O)NRcRc、-N(Rg)C(O)NRgNRcRc、-N(Rg)N(Rg)C(O)NRcRc、-N(Rg)C(S)NRcRc、-[N(Rg)C(O)]2Rc、-N(Rg)[C(O)]2Rc、-N{[C(O)]2Rc}2、-N(Rg)[C(O)]2ORc、-N(Rg)[C(O)]2NRcRc、-N{[C(O)]2ORc}2、-N{[C(O)]2NRcRc}2、-[N(Rg)C(O)]2ORc、-N(Rg)C(NRg)ORc、-N(Rg)C(NOH)Rc、-N(Rg)C(NRg)SRc 及び-N(Rg)C(NRg)NRcRcの中から選ばれ、
夫々のRcは互いに独立に水素又はC1-6アルキル、C3-10シクロアルキル、C4-11シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、2-6 員ヘテロアルキル、3-8 員ヘテロシクロアルキル、4-14 員ヘテロシクロアルキルアルキル、5-12 員ヘテロアリール及び6-18 員ヘテロアリールアルキルの中から選ばれた基(必要により1個以上の同じ又は異なるRd 及び/又はReにより置換されていてもよい)を表し、
夫々のRdは好適な基であり、かつ夫々が独立に=O、-ORe、C1-3ハロアルキルオキシ、-OCF3、=S、-SRe、=NRe、=NORe、=NNReRe、=NN(Rg)C(O)NReRe、-NReRe、-ONReRe、-N(Rg)NReRe、ハロゲン、-CF3、-CN、-NC、-OCN、-SCN、-NO、-NO2、=N2、-N3、-S(O)Re、-S(O)ORe、-S(O)2Re、-S(O)2ORe、-S(O)NReRe、-S(O)2NReRe、-OS(O)Re、-OS(O)2Re、-OS(O)2ORe、-OS(O)NReRe、-OS(O)2NReRe、-C(O)Re、-C(O)ORe、-C(O)SRe、-C(O)NReRe、-C(O)N(Rg)NReRe、-C(O)N(Rg)ORe、-C(NRg)NReRe、-C(NOH)Re、-C(NOH)NReRe、-OC(O)Re、-OC(O)ORe、-OC(O)SRe、-OC(O)NReRe、-OC(NRg)NReRe、-SC(O)Re、-SC(O)ORe、-SC(O)NReRe、-SC(NRg)NReRe、-N(Rg)C(O)Re、-N[C(O)Re]2、-N(ORg)C(O)Re、-N(Rg)C(NRg)Re、-N(Rg)N(Rg)C(O)Re、-N[C(O)Re]NReRe、-N(Rg)C(S)Re、-N(Rg)S(O)Re、-N(Rg)S(O)ORe、-N(Rg)S(O)2Re、-N[S(O)2Re]2、-N(Rg)S(O)2ORe、-N(Rg)S(O)2NReRe、-N(Rg)[S(O)2]2Re、-N(Rg)C(O)ORe、-N(Rg)C(O)SRe、-N(Rg)C(O)NReRe、-N(Rg)C(O)NRgNReRe、-N(Rg)N(Rg)C(O)NReRe、-N(Rg)C(S)NReRe、-[N(Rg)C(O)]2Re、-N(Rg)[C(O)]2Re、-N{[C(O)]2Re}2、-N(Rg)[C(O)]2ORe、-N(Rg)[C(O)]2NReRe、-N{[C(O)]2ORe}2、-N{[C(O)]2NReRe}2、-[N(Rg)C(O)]2ORe、-N(Rg)C(NRg)ORe、-N(Rg)C(NOH)Re、-N(Rg)C(NRg)SRe及び-N(Rg)C(NRg)NReReの中から選ばれ、
夫々のRe は互いに独立に水素又はC1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C4-11シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、2-6 員ヘテロアルキル、3-8 員ヘテロシクロアルキル、4-14 員ヘテロシクロアルキルアルキル、5-12 員ヘテロアリール及び6-18 員ヘテロアリールアルキルの中から選ばれた基(必要により1個以上の同じ又は異なるRf 及び/又はRgにより置換されていてもよい)を表し、
夫々のRf は好適な基であり、かつ夫々が独立にハロゲン及び-CF3の中から選ばれ、かつ
夫々のRg は互いに独立に水素、C1-6アルキル、C3-8シクロアルキル、C4-11シクロアルキルアルキル、C6-10アリール、C7-16アリールアルキル、2-6 員ヘテロアルキル、3-8 員ヘテロシクロアルキル、4-14 員ヘテロシクロアルキル、5-12 員ヘテロアリール又は6-18 員ヘテロアリールアルキルを表す]
【請求項2】
R4 が水素である、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
R1 がフェニルを表す、請求項1又は2記載の化合物。
【請求項4】
R2 がフェニルを表す、請求項1から3に記載の化合物。
【請求項5】
R2 が未置換フェニルを表す、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
R3 が-N(Rg)C(O)Rcを表す、請求項1から5に記載の化合物。
【請求項7】
医薬組成物としての使用のための請求項1から6の1項記載の化合物又はこれらの医薬上有効な塩。
【請求項8】
抗増殖活性を有する医薬組成物を調製するための請求項1から6の1項記載の化合物又はこれらの医薬上有効な塩。
【請求項9】
必要により通常の賦形剤及び/又は担体と組み合わせて、請求項1から6の1項記載の一般式(1)の一種以上の化合物又はこれらの生理学上許される塩を活性物質として含むことを特徴とする、医薬製剤。
【請求項10】
癌、感染症、炎症及び自己免疫疾患の治療及び/又は予防のための医薬組成物を調製するための請求項1から6の1項記載の一般式(1)の化合物の使用。
【請求項11】
請求項1から6の1項記載の一般式(1)の化合物及び少なくとも一種の更なる細胞増殖抑制性活性物質又は細胞傷害性活性物質(必要によりこれらのプロドラッグ、互変異性体、ラセミ体、鏡像体、ジアステレオマー及び混合物、また必要によりこれらの薬理学上許される酸付加塩の形態であってもよい)を含むことを特徴とする医薬製剤。

【公表番号】特表2010−529161(P2010−529161A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−511604(P2010−511604)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【国際出願番号】PCT/EP2008/057149
【国際公開番号】WO2008/152013
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】