説明

インドールコアを含有する複素環化合物

開示されているのは、RSKを阻害する新規な化合物、このような化合物およびこのような化合物を含む医薬組成物を作製する方法である。また開示されているのは、本発明の化合物を使用したRSK2によってレギュレートされる障害を治療する方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RSKを阻害する新規な化合物、このような化合物の作製方法、および医薬品としてのそれらの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
p90リボソームs6キナーゼ(RSK)は、ヒトキノームにおけるAGCサブファミリーの構成成分であるセリン/トレオニンキナーゼの群である。4つのRSKアイソフォームの各々は別々の遺伝子の産物であり、75%〜80%の配列同一性によって特徴付けられる。RSKアイソフォームはヒトの組織において広範に分布している一方、それらの可変の組織発現パターンは、これらが別個の生理学的/病理学的役割を有し得ることを示す。RSKアイソフォームは、Ras−ERK経路を刺激する増殖因子、サイトカイン、ペプチドホルモンおよび神経伝達物質によって活性化する。
RSKは、細胞基質のそのリン酸化によって多数の生物学的過程をレギュレートする。RSKの1つの重要な心血管の標的は、Na+/H+交換輸送体アイソフォーム1(NHE1)である。S703におけるRSKが媒介するNHE1のリン酸化は、Ang II刺激、酸化ストレス、および心筋損傷に続くNHE1活性の増加に関与する。NHE1は、虚血再灌流(I/R)傷害およびうっ血性心不全の両方におけるその役割のために非常に有効な標的である。NHE1活性の増加は、I/Rの後の心筋損傷の程度に相関し、一方予防的なやり方で投与されるNHE1阻害剤はI/Rの後に心機能を保つことができる。さらに、NHE1活性の増加は、ヒトの心不全の心臓から単離した筋細胞および肥大の動物モデルにおいて観察され、これは心血管の病態におけるこの交換輸送体の慢性活性化を示唆する。NHE1活性と心血管機能障害とを関連付ける確固とした前臨床データに関わらず、市場には現在承認されたNHE1阻害剤がない。頭痛、眼痛、および知覚異常などの有害事象が臨床試験において報告されたが、これらの事象は細胞内pHを維持するその生理機能を損なう直接的で完全なNHE1阻害によるものと仮定される。この安全性の懸念に基づいて、基礎NHE1活性を阻害しないが、心血管ストレスの間の活性をレギュレートする代わりのアプローチはさらなる安全域を提供し得る。
【0003】
心筋細胞において、RSKは、NHE1のC末端調節領域をリン酸化し、かつI/R、酸化ストレス、ならびにAng IIおよびフェニレフリンによる受容体活性化に反応するNHE1活性化に必要である主なキナーゼとして認識されてきた。Maekawaらによる最近の研究(Naoya Maekawa、Jun−ichi Abe、Tetsuro Shishido、Seigo Itoh、Bo Ding、Virendra K.Sharma、Shey−Shing Sheu、Burns C.BlaxallおよびBradford C.Berk、Circulation、113:2516〜2523、2006)は、RSKがI/Rに曝露された心臓組織において急激に活性化したことを示した。さらに、ドミナントネガティブなRSKの心筋細胞特異的発現は、心筋細胞アポトーシスを防止し、かつ心筋梗塞後のリモデリングおよび左心室機能を改善した。重要なことに、ドミナントネガティブなRSKタンパク質の過剰発現によるRSK活性の阻害は、基礎のホメオスタシスのNHE1機能に影響を与えることなく、アゴニスト活性化NHE1機能を減少させた。同様に、RSK阻害剤であるfmkは、基礎活性に影響を与えることなく、NHE1のリン酸化およびフェニレフリンが誘発する増強されたNHE1活性を阻害することが示されてきた(Friederike Cuello、Andrew K.Snabaitis、Michael S.Cohen、Jack TauntonおよびMetin Avkiran、Mol Pharmacol 71:799〜806、2007)。これらの知見は、RSK活性を阻害することが、それによって基礎機能を効果的に保ち、かつ安全性ウィンドウを増加させながら、NHE1活性を異なってレギュレートできる代わりの治療方針であり得ることを示唆する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態において、本発明は、下記の表1における例1〜239として同定されたものから選択される化合物、および任意のこれらの組合せ、および薬学的に許容されるその塩に関する。
【0005】
【表1】



































































【0006】
本出願において上記で開示されている全ての化合物について、命名法が構造と矛盾する場合、化合物は構造によって定義されると理解すべきである。
【0007】
一実施形態において、本発明は、
N−(2−メトキシピリジン−4−イル)−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−(1−エチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−4,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
N−(1−エチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−cis−3,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
4R)−N−{1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−4−メチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
N−(1−エチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−5−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
5−メチル−1−オキソ−N−[1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
(4R)−N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−4−メチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−4,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
(3S,4R)−N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−3,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−4−メチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
4,4−ジメチル−N−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
N−{1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−4,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
4−メチル−N−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
(5R)−5−メチル−1−オキソ−N−[1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−(1−エチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−4−メチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−5−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
(5R)−N−{1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−5−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−{1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−1’−オキソ−2’,3’−ジヒドロ−1’H−スピロ[シクロプロパン−1,4’−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール]−8’−カルボキサミド;
(5R)−N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−5−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−cis−3,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
N−{1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−cis−3,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
(3S,4R)−N−{1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−3,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
N−{1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−5−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−(1−エチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−(5−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−5−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−(1−エチル−5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
cis−3,4−ジメチル−1−オキソ−N−[1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−4,4−ジフルオロ−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
4,4−ジメチル−1−オキソ−N−[1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
からなる群から選択される化合物、および薬学的に許容されるその塩に関する。
【0008】
別の実施形態において、本発明は、
5−メチル−N−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド; N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−4,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
N−[2−(シクロペンチルカルバモイル)−1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル]−5−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−(1H−インドール−2−イル)−4−メチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
N−(5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
1−オキソ−N−[1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
(4S)−4−メチル−1−オキソ−N−[1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
N−{1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−4−メチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
5−メチル−N−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−[2−(シクロペンチルカルバモイル)−1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル]−4,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
N−{1−[3−(ジメチルアミノ)ベンジル]−1H−ピラゾール−4−イル}−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
cis−4,5−ジメチル−1−オキソ−N−[1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−(5−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−[2−(tert−ブチルカルバモイル)−1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル]−4,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
N−(6−メトキシピリミジン−4−イル)−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−(1−エチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−trans−3,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
(3S,4R)−3,4−ジメチル−N−(5−メチル−1,2−オキサゾール−3−イル)−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
4−メチル−1−オキソ−N−[1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−cis−4,5−ジメチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−(2−カルバモイルフェニル)−4,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−4,4−ジメチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−(3−エチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル)−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−1’−オキソ−2’,3’−ジヒドロ−1’H−スピロ[シクロプロパン−1,4’−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール]−8’−カルボキサミド;
1−オキソ−N−[5−(プロパン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
cis−3,4−ジメチル−1−オキソ−N−[1−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
4,4−ジメチル−1−オキソ−N−(3−フェニル−1,2−オキサゾール−5−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
N−{1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−cis−4,5−ジメチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−(6−クロロ−1−エチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
1−オキソ−N−[1−(ピリジン−4−イルメチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
(5S)−N−{1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−5−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
からなる群から選択される化合物、および薬学的に許容されるその塩に関する。
本発明はまた、通常の賦形剤および/または担体と任意選択で合わせた、活性物質として1種もしくは複数の本発明の化合物、または薬学的に許容されるその誘導体を含有する医薬調製物に関する。
本発明の化合物にはまた、それらの同位体標識された形態が含まれる。本発明の組合せの活性剤の同位体標識された形態は前記活性剤と同一であるが、前記活性剤の1個または複数の原子が、天然で通常見出される原子の原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する前記原子(複数可)によって置き換えられているという事実がある。商業的に容易に入手可能であり、かつ確立した手順によって本発明の組合せの活性剤に組み込むことができる同位体の例には、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素および塩素の同位体、例えば各々、2H、3H、13C、14C、15N、18O、17O、31P、32P、35S、18F、および36Clが含まれる。上記の同位体および/または他の原子の他の同位体の1つまたは複数を含有する本発明の組合せの活性剤、そのプロドラッグ、または薬学的に許容される塩は、本発明の範囲内であることが意図される。
【0009】
本発明には、ラセミ化合物およびラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物、および個々のジアステレオマーとして生じ得る、1個または複数の不斉炭素原子を含有する上記の任意の化合物の使用が含まれる。異性体は、エナンチオマーおよびジアステレオマーであると定義すべきである。これらの化合物の全てのこのような異性体形態は、本発明に明確に含まれる。各不斉炭素は、R配置またはS配置、または配置の組合せでよい。
本発明の化合物のいくつかは、複数の互変異性型で存在することができる。本発明には、全てのこのような互変異性体を使用した方法が含まれる。
【0010】
本発明には、表1に示された化合物の薬学的に許容される誘導体が含まれる。「薬学的に許容される誘導体」とは、患者への投与によって、(直接的または間接的に)本発明に有用な化合物、またはその薬理学的活性代謝物もしくは薬理学的活性残基を提供することができる任意の薬学的に許容される塩もしくはエステル、または任意の他の化合物を意味する。薬理学的活性代謝物は、酵素的または化学的に代謝されることができる任意の本発明の化合物を意味すると理解すべきである。これには、例えば、本発明のヒドロキシル化または酸化誘導体化合物が含まれる。
【0011】
薬学的に許容される塩には、薬学的に許容される無機酸および有機酸および塩基に由来するものが含まれる。適切な酸の例には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、過塩素、フマル酸、マレイン酸、リン酸、グリコール酸、乳酸、サリチル酸、コハク酸、トルエン−p−硫酸、酒石酸、酢酸、クエン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、安息香酸、マロン酸、ナフタレン−2−硫酸およびベンゼンスルホン酸が含まれる。シュウ酸などの他の酸は、それら自体が薬学的に許容されるものではないが、化合物およびそれらの薬学的に許容される酸付加塩を得ることにおいて中間体として有用な塩の調製において用いてもよい。適当な塩基に由来する塩には、アルカリ金属(例えば、ナトリウム)、アルカリ土類金属(例えば、マグネシウム)、アンモニウムおよびN−(C1−C4アルキル)4+塩が含まれる。
さらに、本発明の範囲内であるのは、本発明の化合物のプロドラッグの使用である。プロドラッグには、単純な化学転換によって修飾され、本発明の化合物を生成するそれらの化合物が含まれる。単純な化学転換には、加水分解、酸化および還元が含まれる。具体的には、プロドラッグが患者に投与されたとき、プロドラッグは、本明細書の上記で開示した化合物に転換され、それによって所望の薬理効果を与え得る。
【発明を実施するための形態】
【0012】
合成例
表1に示されている化合物は、下記の例によって例示されるように調製する。化合物についての保持時間は、下記の表2に示される条件を使用したHPLCシステムで得る。
【表2】

【0013】
中間体A:ジエチル1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート:
【化1】

ステップ1:エチル4−メチル−3−ニトロベンゾエートの合成
4−メチル−3−ニトロ安息香酸(71g、0.39mol)を乾燥エタノール(600mL)に溶解し、乾燥HClガスを、溶液中に5分間泡立たせる。反応混合物をN2下で90℃に20時間加熱する。溶媒を真空下で除去し、表題化合物を麦わら色の液体(80.0g、98%)として得る。
ステップ2:エチル4−(3−エトキシ−2,3−ジオキソプロピル)−3−ニトロベンゾエートの合成
エチル4−メチル−3−ニトロベンゾエート(80g、0.38mol)およびシュウ酸ジエチルエステル(57mL、0.42mol)のエタノール(1000mL)溶液に、ナトリウムエトキシド(430mL、1.15mol、エタノール中21%)を加える。このように得られた茶色の溶液を室温で16時間撹拌する。反応物を3NのHClで中性pHにクエンチし、水(2000mL)で希釈する。このように得られた白色の沈殿物を濾過し、真空中で乾燥させ、表題化合物(91g、77%)を得る。
ステップ3:ジエチル1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートの合成
エチル4−(3−エトキシ−2,3−ジオキソプロピル)−3−ニトロベンゾエート(91g、0.29mol)を800mLの酢酸に懸濁させ、これを撹拌しながら75℃に加熱する。固体が溶解すると、水(600mL)を加える。ジンクダスト(189g、2.9mol)を少しずつ注意深く加え、反応温度を85℃未満に維持する。次いで、添加後、混合物を1時間激しく撹拌する。EtOAc(1500mL)を加え、セライトを通して混合物を濾過した。固体をさらなるEtOAc(1500mL)で洗浄し、濾液を合わせ、水(1500mL)で2回、飽和NaHCO3(1000mL)で4回、およびブライン(1000mL)で1回洗浄する。濾液を乾燥させ(Na2SO4)、濾過し、濃縮し、粗化合物を得て、これをトルエンから再結晶させ、表題化合物(44.6g、58%)を黄色の粉末として得た。
【0014】
中間体B:4−メチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−α]インドール−7−カルボン酸
【化2】

ステップ1:ジエチル1−(1−シアノエチル)−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートの合成
DMF(30mL)中のK2CO3(7.9g、57.4mmol)およびジエチル1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(中間体A、5.0g、19.1mmol)の混合物を、室温で30分間撹拌する。2−ブロモ−プロピオニトリル(3.4mL、38.3mmol)のDMF(10mL)溶液を加える。反応混合物を80℃に6時間温め、次いで室温に冷却し、さらに16時間撹拌する。溶媒を除去し、残渣をEtOAcおよび水に分配する。有機層を分離し、乾燥させ、濃縮し、粗化合物を得て、これをヘキサン中のEtOAcを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、続いてアセトニトリルによって粉砕し、表題化合物(5.5g、91%)を得る。
ステップ2:エチル4−メチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキシレートの合成
ジエチル1−(1−シアノエチル)−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(3.9g、12.4mmol)のエタノール(500mL)溶液に、酸化白金(2.0g、8.8mmol)を加える。次いで、反応混合物を50psiのH2下で4時間振盪する。さらなる酸化白金(700mg、3.1mmol)をさらなるエタノール(10mL)と共に加え、混合物を50psiのH2下でさらに16時間振盪する。反応混合物を、セライトを通してN2流下で濾過し、セライトをEtOAcですすぐ。濾液を合わせ、濃縮し、表題化合物(3.2g、95%)を得て、これを次のステップにおいてそれ以上精製することなく使用する。
ステップ3:4−メチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−α]インドール−7−カルボン酸の合成
エチル4−メチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキシレート(3.2g、11.8mmol)のTHF:エタノール(1:1、50mL)懸濁液に、1NのNaOH溶液(43mL、43mmol)を加える。反応混合物を、75℃で18時間加熱する。溶媒を除去し、残渣を水に溶解する。水溶液をエーテルで洗浄し、3NのHCl溶液を使用してpH4に酸性化する。このように得られた白色の固体を濾過し、さらなるエーテルですすぎ、表題化合物(2.2g、76%)を得る。
【0015】
中間体C:(4R)−4−メチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−α]インドール−7−カルボン酸
【化3】

【0016】
ステップ1:tert−ブチル[(2S)−2−ヒドロキシプロピル]カルバメートの合成
撹拌した(2S)−1−アミノプロパン−2−オール(2.0g、26.6mmol)のCH2Cl2(50mL)溶液に、ジ−tert−ブチルジカーボネート(6.1g、28mmol)のCH2Cl2(50mL)溶液を加える。反応混合物を18時間撹拌する。溶液をクエン酸およびNaHCO3で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させ、表題化合物(5.1g、粗製物)を無色の油として得る。
【0017】
ステップ2:tert−ブチル(5S)−5−メチル−1,2,3−オキサチアゾリジン−3−カルボキシレート2−オキシドの合成
撹拌した塩化チオニル(4.8mL、66.3mmol)のアセトニトリル(30mL)溶液を、−45℃に冷却し、tert−ブチル[(2S)−2−ヒドロキシプロピル]カルバメート(5.1g、26.6mmol)のアセトニトリル(40mL)溶液を、内部温度を−40℃未満に維持しながら添加漏斗によって約20分に亘り加える。次いで、4−ジメチルアミノピリジン(324mg、2.6mmol)を加え、続いて温度を−40℃未満に維持しながらピリジン(10.7mL、133.7mmol)を滴下で添加する。添加は1.5時間かかる。酢酸エチル(100mL)を懸濁液に加える。混合物を−35℃で濾過し、固体を取り出し、固体をEtOAcで洗浄し、その後これを廃棄する。飽和Na2HPO4溶液(40mL)を濾液に加え、混合物を激しく30分間撹拌する。有機層を分離し、1MのNaHSO4で洗浄し、残留したピリジンを除去し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、透明な油を得る。残渣をジエチルエーテルに溶解し、少量の不溶性物質を除去し、濾液を濃縮し、表題化合物(5.7g、粗製物)を油として得た。
【0018】
ステップ3:tert−ブチル(5S)−5−メチル−1,2,3−オキサチアゾリジン−3−カルボキシレート2,2−ジオキシドの合成
tert−ブチル(5S)−5−メチル−1,2,3−オキサチアゾリジン−3−カルボキシレート2−オキシド(5.7g、25.8mmol)のアセトニトリル(60mL)および水(30mL)溶液に、過ヨウ素酸ナトリウム(8.3g、38.7mmol)を一度に加える。5分後、RuCl3のいくつかの結晶を加える。反応物を3時間撹拌し、このように得られた濃厚なスラリーを水(100mL)および酢酸エチル(20mL)で希釈し、さらなるEtOAcですすぎながらセライトのベッドを通過させる。濾液を濃縮し、有機溶媒を除去し、このように得られた固体を濾過によって単離し、表題化合物(6.0g、97%)を得る。
【0019】
ステップ4:ジエチル1−{(2R)−1−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロパン−2−イル}−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートの合成
撹拌した60%NaH(371mg、9.3mmol)のDMF(10mL)懸濁液を、氷浴中冷却し、ジエチル1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(中間体A、2.6g、10.1mmol)のDMF(10mL)溶液を加える。混合物を20分間撹拌し、次いでtert−ブチル(5S)−5−メチル−1,2,3−オキサチアゾリジン−3−カルボキシレート2,2−ジオキシド(2.0g、8.4mmol)のDMF(10mL)溶液を加える。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで室温に温め、48時間撹拌する。反応物を氷冷水に注ぎ、生成した固体を濾過によって除去する。濾液を1NのHCl水溶液でpH3に酸性化し、EtOAcで抽出する。合わせた抽出物を水、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、表題化合物(2.7g、粗製物)を油として得る。
【0020】
ステップ5:エチル(4R)−4−メチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−α]インドール−7−カルボキシレートの合成
ジエチル1−{(2R)−1−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]プロパン−2−イル}−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(2.7g、6.4mmol)のCH2Cl2(10mL)溶液に、TFA(10mL)を加える。反応混合物を2時間撹拌し、溶媒を真空下で除去する。残渣のエタノール(30mL)溶液に、K2CO3(4.5g、32.3mmol)を加え、反応混合物を室温で16時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、残渣を水に溶解する。混合物に、少量のジエチルエーテル、続いてヘプタン(100mL)を加える。懸濁液を濾過し、表題化合物(1.3g、2ステップについて57%)を固体として得る。
【0021】
ステップ6:(4R)−4−メチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−α]インドール−7−カルボン酸の合成
エチル(4R)−4−メチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキシレート(1.3g、4.8mmol)のエタノール(60mL)溶液に、1MのNaOH溶液(12mL、12mmol)を加える。反応混合物を1.5時間還流させる。次いで、反応混合物を1MのHClで酸性化し、エタノールを真空下で除去する。このように得られた固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥させ、表題化合物(1.1g、98%)を固体として得る。
【0022】
中間体D:(4S)−4−メチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボン酸
【化4】

この化合物は、ステップ1における(2S)−1−アミノプロパン−2−オールを(2R)−1−アミノプロパン−2−オールと置き換えて、(4R)−4−メチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボン酸(中間体C)を調製するために使用した同様の手順を使用して合成する。
【0023】
中間体E:4,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボン酸
【化5】

ステップ1:ジエチル1−(シアノメチル)−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートの合成
ジエチル1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(中間体A、4.0g、15.3mmol)の乾燥DMF(50mL)溶液に、K2CO3(6.3g、45.9mmol)を加える。反応混合物をN2下で30分間撹拌する。ブロモアセトニトリル(2.1mL、30.6mmol)を加え、反応混合物を80℃に4時間加熱する。冷却後、反応混合物をEtOAc(300mL)に溶解し、水、次いでブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮する。残渣をエタノールから再結晶させ、表題化合物(3.9g、84%)を微細なオフホワイトの針状物として得る。
ステップ2:ジエチル1−(2−シアノプロパン−2−イル)−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートの合成
ジエチル1−(シアノメチル)−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(2.0g、6.8mmol)のTHF(60mL)溶液に、ヨウ化メチル(1.7mL、27.2mmol)を0℃で加える。1.0Mのナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドのTHF(20.4mL、20.4mmol)溶液を0℃で加える。反応混合物を室温に温め、24時間撹拌する。反応物を飽和NH4Cl水溶液でクエンチし、EtOAc(100mL)で希釈し、水相を分離し、EtOAcで2回抽出する。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮し、粗化合物を得て、これをヘキサン中のEtOAcを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(1.4g、61%)を得る。
【0024】
ステップ3:エチル4,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキシレートの合成
ジエチル1−(2−シアノプロパン−2−イル)−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(9.3g、23.3mmol)およびラネーニッケル(4gの50%湿った触媒)および水(5mL)水の混合物を、250psiのH2下で50℃に加熱する。混合物を18時間撹拌する。LCMSは、高純度を伴う完全な反応を示す。適切に処理されるまで触媒を湿ったまま維持しながら、セライトを通して混合物を濾過する。溶媒を減圧下で除去し、表題化合物(7.7g、95%)を白色の固体として得た。
ステップ4:4,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボン酸の合成
エチル4,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキシレート(2.7g、9.3mmol)のメタノール(30mL)懸濁液に、3NのNaOH溶液(15.5mL、46.5mmol)を加える。反応混合物を、65℃で16時間加熱する。反応混合物を水で希釈し、0℃で2NのHCl溶液を使用してpH2に酸性化する。このように得られた白色の固体を濾過し、水ですすぎ、乾燥させ、表題化合物(2.1g、88%)を白色の固体として得る。
【0025】
中間体F:cis−3,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボン酸
中間体G:trans−3,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボン酸
【化6】

【0026】
ステップ1:3−アミノブタン−2−オールの合成
ギ酸アンモニウム(9.0g、142.9mmol)を、3−ニトロブタン−2−オール(2.5g、21.0mmol)のメタノール(20mL)溶液に加える。次いで、パラジウム担持カーボン(250mg)を、メタノール中のスラリーとして加える。反応混合物を室温で18時間撹拌する。セライトを加え、混合物をさらなるセライトのプラグを通して濾過する。固体をメタノールで洗浄し、濾液を合わせ、濃縮し、表題化合物(2.42g、129%)を得て、これを次のステップで精製することなく使用する。
【0027】
ステップ2:tert−ブチル(3−ヒドロキシブタン−2−イル)カルバメートの合成
前の反応からの撹拌した粗3−アミノ−ブタン−2−オール(2.42g)のCH2Cl2(20mL)溶液に、ジ−tert−ブチルジカーボネート(4.7g、21.4mmol)のCH2Cl2(20mL)溶液を加える。反応混合物を18時間撹拌し、次いで溶液を1MのNaHSO4およびNaHCO3で洗浄する。有機層を分離し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮し、表題粗化合物を無色の油(4.33g、2ステップに亘り105%)として得る。
【0028】
ステップ3:tert−ブチル4,5−ジメチル−1,2,3−オキサチアゾリジン−3−カルボキシレート2−オキシドの合成
−45℃に冷却した撹拌した塩化チオニル(4.1mL、56.8mmol)のアセトニトリル(30mL)溶液に、内部温度を−40℃未満に維持しながらtert−ブチル(3−ヒドロキシブタン−2−イル)カルバメート(4.30g、22.7mmol)のアセトニトリル(40mL)溶液をシリンジによって10分に亘り加える。添加が完了すると、4−ジメチルアミノピリジン(277.5mg、2.3mmol)を加え、続いて温度を−40℃未満に維持しながらピリジン(9.2mL、113.6mmol)を滴下で添加する。反応混合物を、−40℃で1時間撹拌する。酢酸エチル(70mL)を懸濁液に加え、混合物を−35℃で濾過する。固体をEtOAcで洗浄し、濾液を合わせる。飽和Na2HPO4溶液(40mL)を加え、混合物を激しく30分間撹拌する。有機層を分離し、1MのNaHSO4で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮し、表題粗化合物(4.83g、90%)を油として得る。
【0029】
ステップ4:tert−ブチル4,5−ジメチル−1,2,3−オキサチアゾリジン−3−カルボキシレート2,2−ジオキシドの合成
0℃に冷却したtert−ブチル4,5−ジメチル−1,2,3−オキサチアゾリジン−3−カルボキシレート2−オキシドのアセトニトリル(50mL)および水(30mL)溶液に、過ヨウ素酸ナトリウム(6.4g、30.0mmol)を加える。5分後、飽和Na2HPO4溶液を加えることによって混合物のpHを7〜8に調節する。次いで、RuCl3(41.5mg、0.2mmol)の水(0.5mL)溶液を加える。反応混合物のpHを、Na2HPO4溶液を加えることによって6〜9に維持する。2時間撹拌した後、水(100mL)を加え、2MのHCl溶液を加えることによってpHを6に調節する。混合物をEtOAcで抽出し、有機層を分離し、NaHCO3およびブラインで洗浄する。水性洗浄層を、EtOAcで1回逆抽出する。合わせた有機層を乾燥させ(MgSO4)、濃縮し、粗化合物を得て、これをヘキサン中のEtOAcを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(4.48g、4ステップについて85%)を得る。
【0030】
ステップ5:ジエチル1−{3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ブタン−2−イル}−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートの合成
撹拌した鉱油中の60%NaH分散物(596mg、14.9mmol)のDMF(14mL)懸濁液に0℃で、ジエチル1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(中間体A、3.9g、14.9mmol)のDMF(14mL)溶液を加える。混合物を40分間撹拌し、次いでtert−ブチル4,5−ジメチル−1,2,3−オキサチアゾリジン−3−カルボキシレート2,2−ジオキシド(3.8g、14.9mmol)のDMF(7mL)溶液を加える。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、次いで室温に温め、65時間撹拌する。水を加え、混合物を15分間撹拌し、その後EtOAc(50mL)を加える。次いで、有機層を分離し、NH4Cl水溶液、水、およびブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮し、粗表題化合物を得て、これを次の反応において直接使用した。
【0031】
ステップ6:エチルcis−3,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−α]インドール−7−カルボキシレートおよびエチルtrans−3,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−α]インドール−7−カルボキシレートの合成
前の反応からの粗ジエチル1−{3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ブタン−2−イル}−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートのCH2Cl2(10mL)溶液に、TFA(10mL)を加える。混合物を室温で1時間撹拌する。溶媒を除去し、残渣を真空中で1時間乾燥させる。残渣のエタノール(100mL)溶液に、K2CO3(6.2g、44.8mmol)を加える。反応混合物を1時間還流させる。室温に冷却した後に、溶媒を真空下で除去し、残渣をEtOAcおよび水に分配する。有機層を分離し、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮し、粗化合物を得て、これをヘプタン中のEtOAcを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、エチルtrans−3,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−α]インドール−7−カルボキシレート(870mg、2ステップについて20%)およびエチルcis−3,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキシレート(1.9g、2ステップについて45%)を得る。
【0032】
ステップ7a:cis−3,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−α]インドール−7−カルボン酸の合成
エチルcis−3,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−α]インドール−7−カルボキシレート(2.1g、7.3mmol)のエタノール(60mL)懸濁液に、1MのNaOH溶液(20mL、20mmol)を加える。反応混合物を、80℃で1時間加熱し、次いで室温に冷却する。反応混合物を、濃HClを使用して酸性化し、エタノールを真空下で除去する。このように得られた固体を濾過し、水ですすぎ、乾燥させ、表題化合物(1.8g、96%)を得る。
ステップ7b:trans−3,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボン酸の合成
エチルtrans−3,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−α]インドール−7−カルボキシレート(930mg、3.2mmol)のエタノール(40mL)懸濁液に、1MのNaOH溶液(10mL、10mmol)を加える。反応混合物を、80℃で1時間加熱し、次いで室温に冷却する。反応混合物を、濃HClを使用して酸性化し、エタノールを真空下で除去する。このように得られた固体を濾過し、水ですすぎ、乾燥させ、表題化合物(782mg、93%)を得る。
【0033】
中間体H:(3S,4R)−3,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボン酸
中間体I:(3R,4S)−3,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボン酸
【化7】

【0034】
ステップ1:エチル(3R,4S)−3,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキシレートおよびエチル(3S,4R)−3,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキシレートの分離
ラセミのcis−3,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボン酸(中間体F、1.9g、6.7mmol)を、Gilson分取HPLC(移動相:ヘプタン中12%イソプロパノール;流量:100mL/分)を使用して、分取キラルカラム(Chiralpak AD、5cm×50cm、20u、Chiral Technologies、West Chester、PA)上で分離し、エチル(3S,4R)−3,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキシレート(870mg、46%)およびエチル(3R,4S)−3,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキシレート(852mg、45%)を得る。
ステップ2a:(3R,4S)−3,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボン酸の合成
エチル(3R,4S)−3,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキシレート(851mg、3.0mmol)のエタノール(20mL)溶液に、1MのNaOH溶液(7.0mL、7.0mmol)を加える。反応混合物を、70℃で2時間加熱する。溶媒を除去し、1MのHCl溶液を使用してpHが5となるまで残渣を酸性化する。このように得られた白色の固体を濾過し、乾燥させ、表題化合物(697mg、91%)を得る。
ステップ2b:(3S,4R)−3,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロ−ピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボン酸の合成
エチル(3S,4R)−3,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキシレート(870mg、3.0mmol)を、エタノール(25mL)に懸濁させ、1MのNaOH溶液(7.6mL、7.6mmol)を加える。反応混合物を、80℃で1時間加熱し、次いで室温に冷却する。混合物を1MのHCl溶液で酸性化し、エタノールを除去する。このように得られた固体を濾過し、水ですすぎ、乾燥させ、表題化合物(760mg、97%)を得る。
【0035】
中間体J:1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボン酸
【化8】

【0036】
ステップ1:ジエチル1−(2−シアノエチル)−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートの合成
メタノール中のTriton Bの40%溶液(0.50mL、1.1mmol)を、ジエチル1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(中間体A、2.6g、10.0mmol)およびアクリロニトリル(2.2mL、33.4mmol)の1,4−ジオキサン(25mL)懸濁液に加える。反応混合物を55℃に30分間温め、次いでこれを室温で18時間撹拌する。水(30mL)を加え、混合物をEtOAcで抽出する。有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、表題粗化合物(3.0g、96%)を黄色の固体として得て、これを次のステップで精製することなく使用する。
ステップ2:エチル1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキシレートの合成
ジエチル1−(2−シアノエチル)−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(1.5g、4.8mmol)のTHF(12mL)およびメタノール(16mL)懸濁液に、CoCl2(1.3g、9.6mmol)を加える。明るい青色の懸濁液/溶液を0℃に冷却し、NaBH4(1.8g、48.0mmol)を少しずつ注意深く加える。各部分が加えられると、H2が激しく形成され、懸濁液は黒色となる。NaBH4の添加が完了した後、混合物を室温まで60分間温め、次いで16時間加熱還流させる。混合物を室温に冷却し、EtOAcで希釈する。セライトを通して混合物を濾過し、ゴム状固体をEtOAcで洗浄する。合わせたEtOAc濾液を3MのHCl、水、NaHCO3、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、表題粗化合物(1.1g、85%)を得て、これを次のステップで精製することなく使用する。
ステップ3:1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボン酸の合成
エチル1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキシレート(900mg、3.3mmol)のTHF:メタノール(1:1、20mL)懸濁液に、1NのNaOH(9.0mL、9.0mmol)を加える。反応混合物を、70℃で2時間加熱する。反応混合物を室温に冷却し、水(80mL)で希釈し、3NのHClでpH2〜3に酸性化する。このように得られた黄色の沈殿物を濾過し、水で洗浄し、真空乾燥機中で60℃にて乾燥させ、表題化合物(540mg、67%)を得る。
【0037】
中間体K:5−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボン酸
【化9】

【0038】
ステップ1:tert−ブチル(3−ヒドロキシブチル)カルバメートの合成
撹拌した4−アミノブタン−2−オール(1.0g、11.2mmol)のCH2Cl2(20mL)溶液に、ジ−tert−ブチルジカーボネート(2.45g、11.2mmol)のCH2Cl2(20mL)溶液を加える。反応混合物を18時間撹拌する。溶液をクエン酸およびNaHCO3で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、蒸発させ、表題化合物(2.1g、99%)を無色の油として得る。
【0039】
ステップ2:tert−ブチル6−メチル−1,2,3−オキサチアジナン−3−カルボキシレート2−オキシドの合成
−45℃に冷却した撹拌した塩化チオニル(2.0mL、27.9mmol)のアセトニトリル(15mL)溶液に、内部温度を−40℃未満に維持しながらtert−ブチル(3−ヒドロキシブチル)カルバメート(2.1g、11.2mmol)のアセトニトリル(20mL)溶液をシリンジによって10分に亘り加える。4−ジメチルアミノピリジン(136mg、1.1mmol)を加え、続いて温度を−40℃未満に維持しながらピリジン(4.5mL、55.8mmolを滴下で添加する。添加は90分かかる。酢酸エチル(50mL)を懸濁液に加え、混合物を−35℃で濾過し、固体を取り出し、固体をEtOAcで洗浄し、その後これを廃棄する。濾液を合わせ、飽和Na2HPO4溶液(20mL)を加える。混合物を激しく30分間撹拌し、有機層を分離し、1MのNaHSO4で洗浄し、残留したピリジンを除去し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮し、表題化合物(2.52g、96%)を油として得る。
【0040】
ステップ3:tert−ブチル6−メチル−1,2,3−オキサチアジナン−3−カルボキシレート2,2−ジオキシドの合成
0℃に冷却したtert−ブチル6−メチル−1,2,3−オキサチアジナン−3−カルボキシレート2−オキシド(2.52g、10.7mmol)のアセトニトリル(25mL)および水(15mL)溶液に、過ヨウ素酸ナトリウム(3.4g、16.1mmol)を一度に加える。5分後、飽和Na2HPO4溶液を加えることによってpHを7〜8に調節する。RuCl3(22mg、0.11mmol)の水(0.5mL)溶液を加え、Na2HPO4溶液を加えることによってpHを6〜9に維持する。2時間後、水(100mL)を加え、2MのHCl溶液を加えることによってpHを6に調節する。反応混合物をEtOAcで抽出し、有機層をNaHCO3およびブラインで洗浄し、洗浄液をEtOAcで1回逆抽出する。次いで、合わせた有機層を乾燥させ(MgSO4)、濾過し、濃縮する。粗化合物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(1.63g、61%)を得る。
【0041】
ステップ4:ジエチル1−{4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ブタン−2−イル}−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートの合成
0℃に冷却した撹拌した鉱油中の60%NaH分散物(78.8mg、2.0mmol)のDMF(2.5mL)懸濁液に、ジエチル1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(中間体A、561mg、2.1mmol)のDMF(3mL)溶液を加える。混合物を20分間撹拌し、tert−ブチル6−メチル−1,2,3−オキサチアジナン−3−カルボキシレート2,2−ジオキシド(450mg、1.8mmol)のDMF(2.5mL)溶液を加える。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、これを室温に温め、48時間撹拌する。飽和NH4Cl溶液を加え、反応混合物をEtOAcで抽出する。有機層を分離し、水、次いでブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮し、表題化合物(1.04g、50%純度)を油として得る。
【0042】
ステップ5:エチル5−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキシレートの合成
ジエチル1−{4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ブタン−2−イル}−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(1.04g、1.8mmol)のCH2Cl2(4mL)溶液に、TFA(4mL)を加える。反応混合物を1時間撹拌し、溶媒を真空下で除去する。残渣のエタノール(10mL)溶液に、トリエチルアミン(0.75mL、5.4mmol)およびK2CO3(742mg、5.4mmol)を加える。反応混合物を3時間還流させる。次いで、溶媒を蒸発させ、残渣をEtOAcおよび水に分配する。次いで、有機層を分離し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮し、粗化合物を得て、これをフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(300mg、2ステップについて59%)を得る。
【0043】
ステップ6:5−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボン酸の合成
NaOH溶液(60mL、60mmol)を、エチル5−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキシレート(7.0g、24mmol)のエタノール(75mL)溶液に加える。反応混合物を1.5時間還流させる。次いで、反応混合物を1MのHClで酸性化し、エタノールを真空下で除去する。このように得られた固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥させ、表題化合物(5.8g、92%)を固体として得る。
【0044】
中間体L:(5R)−5−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボン酸
【化10】

【0045】
ステップ1:(3S)−3−ヒドロキシブタンアミドの合成
エチル(3S)−3−ヒドロキシブタノエート(200g、1.5mol)を、密封したチューブ中で25%NH4OH水溶液(2.0L)に加える。反応混合物を、60℃で16時間加熱する。溶媒をトルエンと共に共沸的に除去し、表題粗化合物(176g、82%)を白色の結晶性固体として得て、これを次のステップで精製することなく使用する。
【0046】
ステップ2:tert−ブチル[(3S)−3−ヒドロキシブチル]カルバメートの合成
水素化ホウ素ナトリウム(220g、5.9mol)を、(3S)−3−ヒドロキシブタンアミド(200g、1.9mol)の乾燥THF(1.0L)溶液に0℃で少しずつ添加する。50%BF3OEt2(755mL、6.0mol)のエーテル溶液を加え、反応混合物を室温に温め、16時間撹拌する。pHが約8となるまで2MのNaOH溶液を、続いてさらなるTHF(320mL)を0℃で加える。ジ−tert−ブチルジカーボネート(940mL、3.9mol)を加え、反応混合物を室温でさらに16時間撹拌する。反応混合物をEtOAcおよび水で希釈する。有機層を分離し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、粗化合物を得て、これをヘキサン中の20%EtOAcを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(100g、28%)を淡黄色の液体として得る。
【0047】
ステップ3:tert−ブチル(6S)−6−メチル−1,2,3−オキサチアジナン−3−カルボキシレート2−オキシドの合成
塩化チオニル(192mL、2.6mol)のアセトニトリル(1.0L)溶液に−40℃で、tert−ブチル[(3S)−3−ヒドロキシブチル]カルバメート(200g、1.1mol)のアセトニトリル(2.5L)溶液を滴下で添加する。混合物を10分間撹拌し、4−ジメチルアミノピリジン(12.9g、105.66mmol)を加える。さらに10分間撹拌した後、温度を−40℃未満に維持しながらピリジン(427mL、5.3mol)を90分に亘り加える。EtOAcを−40℃で加え、懸濁液を濾過し、固体を除去する。濾液に、飽和Na2HPO4溶液を加え、混合物を室温で30分間激しく撹拌する。有機層を分離し、1MのNaHSO4溶液で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、表題粗化合物(250g)を油として得て、これを次のステップで精製することなく使用する。
【0048】
ステップ4:tert−ブチル(6S)−6−メチル−1,2,3−オキサチアジナン−3−カルボキシレート2,2−ジオキシドの合成
過ヨウ素酸ナトリウム(341g、1.6mol)を、tert−ブチル(6S)−6−メチル−1,2,3−オキサチアジナン−3−カルボキシレート2−オキシド(250g、1062mmol)のアセトニトリル(2.5L)および水(1.5L)溶液に0℃で加える。飽和Na2HPO4溶液を加えることによって、混合物のpHを7に調節する。RuCl3・3H2O(2.20g、10.62mmol)の溶液を5℃で加え、飽和Na2HPO4溶液を加えることによって混合物のpHを7で維持する。反応物を室温で2時間撹拌する。水を加え、2.0MのHCl溶液を加えることによってpHを6に調節する。EtOAc(1.0L)を加え、水層を分離し、EtOAc(2×500mL)で抽出する。有機層を合わせ、飽和NaHCO3溶液およびブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、粗化合物を得て、これをヘキサン中のEtOAcを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(140g、52%)を淡黄色の油として得る。
【0049】
ステップ5:ジエチル1−{(2R)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ブタン−2−イル}−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートの合成
撹拌した60%NaH(840mg、21mmol)のNMP(40mL)懸濁液を、氷浴中で冷却し、ジエチル1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(中間体A、5.8g、22mmol)のNMP(20mL)溶液を加える。混合物を20分間撹拌し、次いでtert−ブチル(6S)−6−メチル−1,2,3−オキサチアジナン−3−カルボキシレート2,2−ジオキシド(5.0g、20mmol)のNMP(20mL)溶液を加える。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、室温に温め、48時間撹拌する。反応物を氷冷水に注ぎ、生成した固体を濾過によって単離する。濾液を1NのHCl水溶液でpH3に酸性化し、EtOAcで抽出する。合わせた抽出物を水で4回、次いでブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、表題化合物(6.0g、粗製物)を油として得て、これを次のステップで精製することなく使用する。
【0050】
ステップ6:エチル(5R)−5−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキシレートの合成
1−((R)−3−tert−ブトキシカルボニルアミノ−1−メチル−プロピル)−1H−インドール−2,6−ジカルボン酸ジエチルエステル(6.0g、粗製物)のCH2Cl2(27mL)溶液に、TFA(18.1mL)を加える。反応混合物を1時間撹拌し、溶媒を真空下で除去する。残渣のエタノール(90mL)溶液に、K2CO3(4.6g、33.3mmol)を加え、反応混合物を2時間加熱還流させる。冷却した反応混合物を氷冷水に注ぎ、EtOAcで抽出する。合わせた抽出物を水、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、表題化合物(3.65g、粗製物)を茶色の油として得る。
【0051】
ステップ7:(5R)−5−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボン酸の合成
(5R)−5−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキシレート(3.65g、粗製物)のエタノール(30mL)溶液に、1MのNaOH溶液(13.8mL、13.8mmol)を加える。反応混合物を2時間還流させる。反応混合物を1MのHClで酸性化し、エタノールを真空下で除去する。このように得られた固体を濾過によって集め、水で洗浄し、乾燥させ、表題化合物(2.1g、3ステップについて41%)を固体として得る。
【0052】
中間体M:(5S)−5−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボン酸
【化11】

【0053】
ステップ1:(3R)−3−ヒドロキシブタンアミドの合成
水酸化アンモニウム28%水溶液(25mL)を、ねじ蓋式フラスコ中でエチル(3R)−3−ヒドロキシブタノエート(4.4g、33.5mmol)と混合する。フラスコを密封し、混合物を、60℃で7時間加熱し、室温で48時間撹拌する。溶媒を除去し、残渣を乾燥させ、表題粗化合物(4.0g)を得て、これを次のステップで精製することなく使用する。
ステップ2:tert−ブチル[(3R)−3−ヒドロキシブチル]カルバメートの合成
(3R)−3−ヒドロキシブタンアミド(2.0g、19.4mmol)のTHF(30mL)懸濁液に、未希釈のボラン−硫化メチル(9.2mL、97.0mmol)を加える。反応混合物を2時間還流させる。室温に冷却した後に、6MのHCl溶液(3mL)を注意深く加える。反応混合物を2時間還流させ、次いでNa2CO3溶液を添加することによってpH9に塩基性化する。ジ−tert−ブチルジカーボネート(4.7g、21.3mmol)のTHF(10mL)溶液を加え、反応混合物を室温で48時間撹拌する。次いで、反応混合物をEtOAcおよびNa2CO3水溶液に分配する。有機層を分離し、水およびブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮し、粗化合物を得て、これをヘキサン中のEtOAcを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(1.6g、2ステップについて43%)を得る。
ステップ3:tert−ブチル(6R)−6−メチル−1,2,3−オキサチアジナン−3−カルボキシレート2−オキシドの合成
−45℃に冷却した撹拌した塩化チオニル(2.9g、24.3mmol)のアセトニトリル(15mL)溶液に、内部温度を−40℃未満に維持しながらtert−ブチル[(3R)−3−ヒドロキシブチル]カルバメート(1.8g、9.7mmol)のアセトニトリル(20mL)溶液をシリンジによって10分に亘り加える。4−ジメチルアミノピリジン(119mg、0.97mmol)を加え、続いて温度を−40℃未満に維持しながらピリジン(3.9mL、48.6mmol)をゆっくり加える。酢酸エチル(50mL)を懸濁液に加え、混合物を−35℃で濾過する。固体をEtOAcで洗浄し、濾液を合わせる。飽和Na2HPO4溶液(20mL)を濾液に加え、混合物を30分間激しく撹拌する。有機層を分離し、1MのNaHSO4で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮し、表題化合物(2.3g、99%)を得て、これを次のステップで精製することなく使用する。
【0054】
ステップ4:tert−ブチル(6R)−6−メチル−1,2,3−オキサチアジナン−3−カルボキシレート2,2−ジオキシドの合成
0℃に冷却したtert−ブチル(6R)−6−メチル−1,2,3−オキサチアジナン−3−カルボキシレート2−オキシド(2.3g、9.6mmol)のアセトニトリル(25mL)および水(15mL)溶液に、過ヨウ素酸ナトリウム(3.1g、14.3mmol)を一度に加える。5分後、混合物のpHを、飽和Na2HPO4溶液を加えることによって7〜8に調節する。RuCl3(9.9mg、0.05mmol)の水(0.5mL)溶液を加え、Na2HPO4溶液を加えることによってpH6〜9を維持しながら反応混合物を2時間撹拌する。水(100mL)を加え、2MのHCl溶液を加えることによってpHを6に調節する。EtOAcを加え、有機層を分離し、NaHCO3およびブラインで洗浄する。合わせた水層を、EtOAcで1回逆抽出する。合わせた有機相を乾燥させ(MgSO4)、濃縮し、粗化合物を得て、これをヘキサン中のEtOAcを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(1.13g、47%)を得る。
【0055】
ステップ5:ジエチル1−{(2S)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ブタン−2−イル}−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートの合成
DMF(2.5mL)中の鉱油(91mg、2.3mmol)中のヘキサンで洗浄した60%水素化ナトリウムの懸濁液に窒素雰囲気下で0℃にて、ジエチル1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(619mg、2.4mmol)のDMF(4mL)溶液を加える。混合物を0℃で20分間撹拌し、tert−ブチル(6R)−6−メチル−1,2,3−オキサチアジナン−3−カルボキシレート2,2−ジオキシド(518mg、2.1mmol)のDMF(2.5mL)溶液を加える。反応混合物を0℃で30分間撹拌し、室温に温め、72時間撹拌する。水およびNH4Cl溶液を加え、混合物を15分間撹拌する。水性混合物をEtOAc(50mL)で抽出し、有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮し、表題粗化合物(1.1g)を得て、これを次のステップで精製することなく使用する。
【0056】
ステップ6:エチル(5S)−5−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキシレートの合成
ジエチル1−{(2S)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ブタン−2−イル}−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(891mg、2.1mmol)のCH2Cl2(4mL)溶液に、TFA(3mL)を加える。混合物を室温で1時間撹拌し、次いで溶媒を蒸発させる。残渣のエタノール(10mL)溶液に、K2CO3(854mg、6.2mmol)を加える。反応混合物を激しく撹拌しながら4時間還流させる。EtOAcを加え、有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮し、粗化合物を得て、これをヘキサン中のEtOAc、次いでCH2Cl2中のメタノールを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(269mg、46%)を得る。
ステップ7:(5S)−5−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボン酸の合成
エチル(5S)−5−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキシレート(1.9g、6.7mmol)のエタノール(75mL)溶液に、1NのNaOH溶液(16mL、16mmol)を加える。反応混合物を1.5時間還流させ、室温に冷却する。エタノールを真空下で除去し、残渣を水で希釈する。混合物を1NのHCl水溶液で酸性化し、このように得られた固体を濾過によって集め、水ですすぎ、乾燥させ、表題化合物(1.7g、99%)を得る。
【0057】
中間体N:4−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボン酸
【化12】

【0058】
ステップ1:tert−ブチル(3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)カルバメートの合成
撹拌した3−アミノ−2−メチルプロパン−1−オール塩酸塩(2.0g、15.9mmol)のCH2Cl2(100mL)溶液に、トリエチルアミン(3.3mL、23.9mmol)およびジ−tert−ブチルジカーボネート(3.8g、17.5mmol)を加える。混合物を36時間撹拌し、次いで飽和NH4Cl溶液(150mL)を加える。混合物を10分間撹拌し、有機層を分離し、飽和NaHCO3で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、表題化合物を得て、これを次のステップにおいて精製することなく使用する。
ステップ2:ジエチル1−{3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチルプロピル}−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートの合成
ジエチル1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(中間体A、1.9g、7.4mmol)、tert−ブチル(3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)カルバメート(2.8g、14.8mmol)およびトリフェニルホスフィン(4.9g、18.5mmol)のTHF(35mL)溶液に0℃で、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(3.8mL、18.5mmol)を加える。混合物を室温で16時間撹拌し、次いで溶媒を除去する。残渣を、ヘプタン中の30%EtOAcを使用してシリカのパッド(300g、240〜400メッシュ)を通して濾過し、表題化合物およびジエチル1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(3.2g)の混合物を得て、これを次のステップにおいてそれ以上精製することなく使用する。
ステップ3:エチル4−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキシレートの合成
CH2Cl2(70mL)中のジエチル1−{3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2−メチルプロピル}−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートおよびジエチル1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(3.2g、7.4mmol)の混合物に、TFA(30mL)を加える。混合物を室温で2時間撹拌する。反応物を濃縮し、残渣を真空中で1時間乾燥させる。残渣のエタノール(150mL)溶液に、トリエチルアミン(3.1mL、22.2mmol)およびK2CO3(6.1g、44.2mmol)を加える。混合物を、80℃で5時間加熱する。水(300mL)を加え、混合物をEtOAc(3×200mL)で抽出する。有機層を合わせ、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、粗化合物をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(1.4g、3ステップについて66%)を得る。
ステップ4:4−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボン酸の合成
エチル4−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキシレート(1.4g、4.9mmol)のエタノール(50mL)溶液に、1MのNaOH(12.5mL、12.5mmol)を加え、混合物を、80℃で2時間加熱する。酢酸(10mL)および水(650mL)を加え、このように得られた固体を濾過し、水ですすぎ、表題化合物(751mg、58%)を白色の固体として得る。
【0059】
中間体O:trans−4,5−ジメチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボン酸
【化13】

【0060】
ステップ1:2−メチル−3−オキソブタンアミドの合成
エチル2−メチル−3−オキソブタノエート(72g、499mmol)の水酸化アンモニウム(300mL)の懸濁液を室温で4日間激しく撹拌する。このように得られた結晶性沈殿物を濾過し、廃棄する。濾液を真空下で濃縮し、油を得るが、これは静置すると結晶化する。固体を集め、乾燥させ、表題化合物(26.7g、46%)を得る。
【0061】
ステップ2:4−アミノ−3−メチルブタン−2−オールの合成
窒素雰囲気下にて−60℃に冷却した固体LiAlH4(4.9g、130mmol)のエーテル(150mL)懸濁液に、2−メチル−3−オキソブタンアミド(3.0g、26.1mmol)のTHF(30mL)溶液を加える。添加が完了した後、反応混合物を室温に1時間ゆっくりと温める。次いで、混合物を3時間還流させ、室温に冷却し、さらに16時間撹拌する。水(4.9mL)を注意深く加え、続いて15%NaOH溶液(4.9mL)を加える。ガス発生が鎮まった後、さらなる水(14.7mL)を加える。混合物を1時間撹拌し、このように得られた固体を濾過し、エーテルでよく洗浄する。濾液を濃縮し、表題化合物(2.38g、89%)を無色の油として得る。
【0062】
ステップ3:tert−ブチル(3−ヒドロキシ−2−メチルブチル)カルバメートの合成
撹拌した4−アミノ−3−メチルブタン−2−オール(2.4g、23.1mmol)のCH2Cl2(30mL)溶液に、ジ−tert−ブチルジカーボネート(5.0g、23.1mmol)のCH2Cl2(20mL)溶液を加える。反応物を室温で18時間撹拌する。溶液を1MのNaHSO4で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮する。ヘキサン中のEtOAcを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによる残渣の精製によって、表題化合物(3.4g、73%)を無色の油として得る。
【0063】
ステップ4:tert−ブチル5,6−ジメチル−1,2,3−オキサチアジナン−3−カルボキシレート2−オキシドの合成
−45℃に冷却した撹拌した塩化チオニル(5.4g、45.4mmol)のアセトニトリル(25mL)溶液に、内部温度を−40℃未満に維持しながらtert−ブチル(3−ヒドロキシ−2−メチルブチル)カルバメート(3.7g、18.1mmol)のアセトニトリル(35mL)溶液をシリンジによって約15分に亘り加える。添加が完了したとき、固体4−ジメチルアミノピリジン(222mg、1.8mmol)を1回で、続いて温度を−40℃未満に維持しながらピリジン(7.3mL、90.8mmol)を加える。混合物を−40℃〜−35℃で1時間撹拌する。酢酸エチル(100mL)を加え、混合物を−35℃で濾過する。固体をEtOAcで洗浄し、廃棄する。濾液に、飽和Na2HPO4溶液(20mL)を加え、混合物を激しく3時間撹拌する。有機層を分離し、1MのNaHSO4で洗浄し、乾燥させ(MgSO4)、濃縮し、表題化合物(4.4g)を得て、これを次のステップで精製することなく使用する。
【0064】
ステップ5:tert−ブチルcis−5,6−ジメチル−1,2,3−オキサチアジナン−3−カルボキシレート2,2−ジオキシドの合成
0℃に冷却したtert−ブチル5,6−ジメチル−1,2,3−オキサチアジナン−3−カルボキシレート2−オキシド(4.4g、17.6mmol)のアセトニトリル(45mL)および水(25mL)溶液に、過ヨウ素酸ナトリウム(5.6g、26.4mmol)を一度に加える。5分後、飽和Na2HPO4溶液を加えることによってpHを7〜8に調節する。RuCl3(36mg、0.18mmol)の水(0.5mL)溶液を加え、Na2HPO4溶液を加えることによってpHを6〜9に維持する。2時間後、水(100mL)を加え、2MのHCl溶液を加えることによってpHを6に調節する。混合物をEtOAcで抽出し、有機層を分離し、NaHCO3およびブラインで洗浄する。水層をEtOAcで1回逆抽出する。合わせた有機層を乾燥させ(MgSO4)、濃縮する。残渣を、ヘキサン中のEtOAcを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、tert−ブチル−5,6−ジメチル−1,2,3−オキサチアジナン−3−カルボキシレート2,2−ジオキシドのジアステレオ異性体(Trans:530mg、11%、第1の溶出物;Cis:1.2g、25%、第2の溶出物;混合した画分(0.70g、15%)を得る。帰属は、1H NMRの帰属および結合定数に基づいている。
【0065】
ステップ6:ジエチル1−{(2,3−syn)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−メチルブタン−2−イル}−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートの合成
60%水素化ナトリウム(119mg、3.0mmol)のDMF(3mL)の懸濁液を0℃に冷却し、ジエチル1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(中間体A、934mg、3.6mmol)の溶液を加える。混合物を0℃で20分間撹拌した後、tert−ブチルcis−5,6−ジメチル−1,2,3−オキサチアジナン−3−カルボキシレート2,2−ジオキシド(790mg、3.0mmol)のDMF(2.0mL)溶液を加える。反応混合物を室温に温め、16時間撹拌する。水を加え、混合物をEtOAcで抽出する。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、表題粗化合物(1.6g)を得て、これを次のステップで精製することなく使用する。
ステップ7:エチルtrans−4,5−ジメチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキシレートの合成
ジエチル1−{(2,3−syn)−4−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−メチルブタン−2−イル}−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(1.6g)のCH2Cl2(10mL)溶液に、TFA(1.0mL)を加える。混合物を室温で4時間撹拌し、溶媒を真空下で除去する。残渣をエタノール(10mL)に溶解し、Na2CO3(1.63g、12mmol)を加え、混合物を3時間還流させる。次いで、反応混合物を濾過し、固体をCH2Cl2で洗浄する。合わせた濾液を濃縮し、粗化合物を、CH2Cl2中のメタノールを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(592mg、3ステップについて66%)を得る。
ステップ8:trans−4,5−ジメチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボン酸の合成
ジオキサン:水(1:1、10mL)中のエチルtrans−4,5−ジメチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキシレート(363mg、1.2mmol)およびLiOH一水和物(76mg、1.8mmol)の混合物を、室温で6時間撹拌する。溶媒を除去し、水を加える。溶液を1MのHClでpH5に酸性化し、このように得られた白色の固体を濾過し、乾燥させ、表題化合物(201mg、61%)を白色の固体として得る。
【0066】
中間体P:cis−4,5−ジメチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボン酸
【化14】

この化合物は、ステップ6におけるtert−ブチルcis−5,6−ジメチル−1,2,3−オキサチアジナン−3−カルボキシレート2,2−ジオキシドをtert−ブチルtrans−5,6−ジメチル−1,2,3−オキサチアジナン−3−カルボキシレート2,2−ジオキシドと置き換えて、trans−4,5−ジメチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボン酸(中間体O)を調製するために使用した同様の手順を使用して合成する。
【0067】
中間体Q:4,4−ジメチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボン酸
【化15】

【0068】
ステップ1:tert−ブチル(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)カルバメートの合成
撹拌した3−アミノ−2,2−ジメチルプロパン−1−オール(10g、96.9mmol)のCH2Cl2(700mL)溶液に、ジ−tert−ブチルジカーボネート(23.3g、106.6mmol)を加える。混合物を40時間撹拌し、次いで300mLの飽和NH4Cl溶液を加える。混合物をさらに10分間撹拌し、有機層を分離する。次いで、これを飽和NaHCO3で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、表題粗化合物(19g)を得て、これを次のステップで精製することなく使用する。
ステップ2:ジエチル1−{3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,2−ジメチルプロピル}−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートの合成
ジエチル1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(25.3g、97mmol)、tert−ブチル(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピル)カルバメート(19.7、97mmol)およびトリフェニルホスフィン(50.9g、194mmol)のTHF(200mL)溶液に、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(40.2mL、194mmol)を加える。混合物を室温で60時間撹拌し、次いで溶媒を除去する。残渣を2回に分け、これらの各々を、ヘプタン中の20%EtOAcを使用してシリカゲルの短いプラグ(400g)を通して濾過する。ジエチル1−{3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,2−ジメチルプロピル}−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートおよびジエチル1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(55g)の混合物を得て、混合物を次のステップにおいてそれ以上精製することなく使用する。
ステップ3:エチル4,4−ジメチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキシレートの合成
CH2Cl2(400mL)中のジエチル1−{3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−2,2−ジメチルプロピル}−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートおよびジエチル1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(中間体A、21.9g、49mmol)の混合物に、TFA(100mL)を加える。混合物を室温で2時間撹拌し、次いで全ての溶媒を蒸発させる。残渣をEtOAc(300mL)に溶解し、pHが約7となるまで飽和NaHCO3溶液で洗浄する。水層をEtOAc(100mL)で抽出し、有機層を合わせ、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮する。残渣のエタノール(1000mL)溶液に、トリエチルアミン(20.5mL、147mmol)およびK2CO3(20.3g、147mmol)を加える。混合物を、80℃で2時間加熱し、次いで室温に冷却し、16時間撹拌する。固体が形成され、反応混合物を濾別し、取り分ける。濾液を濃縮し、残渣を、CH2Cl2中のメタノールを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(7.6g、3ステップについて66%)を得る。
ステップ4:4,4−ジメチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボン酸の合成
エチル4,4−ジメチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキシレート(7.6g、25.3mmol)をエタノール(250mL)に溶解し、1MのNaOH溶液(88.6mL、88.6mmol)を加える。反応混合物を、80℃で2時間加熱する。酢酸(40mL)および水(350mL)を加え、このように得られた固体を濾過し、水ですすぎ、表題化合物(3.1g、45%)をオフホワイトの固体として得る。
【0069】
中間体R:4,4−ジフルオロ−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボン酸
【化16】

【0070】
ステップ1:2,2−ジフルオロプロパン−1,3−ジオールの合成
ジエチルジフルオロプロパンジオエート(5.0g、24.7mmol)のTHF(150mL)溶液に0℃で、1.0MのLiAlH4・THF溶液(39.5mL、39.5mmol)を加える。反応混合物を室温に温め、16時間撹拌する。水(300mL)を注意深く加え、1MのHCl溶液を加えることによってpHを3に調節する。水を真空中で除去し、残渣をEtOAc(3×300mL)で抽出する。有機層を合わせ、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、表題化合物(2.5g、89%)を得る。
ステップ2:2,2−ジフルオロプロパン−1,3−ジイルビス(4−メチルベンゼンスルホネート)の合成
2,2−ジフルオロプロパン−1,3−ジオール(2.5g、22.3mmol)のCH2Cl2(100mL)溶液に、トリエチルアミン(14.3mL、111.5mmol)、続いて4−メチル−ベンゼンスルホニルクロリド(12.8g、66.9mmol)を加える。反応混合物を室温で16時間撹拌する。水(35mL)を加え、有機層を分離し、さらなる水(2×35mL)で洗浄する。有機層を濃縮し、粗化合物を、ヘプタン中のEtOAcを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(6.7g、71%)を得る。
【0071】
ステップ3:ジエチル1−(2,2−ジフルオロ−3−{[(4−メチルフェニル)スルホニル]オキシ}プロピル)−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートの合成
ジエチル1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(中間体A、3.5g、13.6mmol)、2,2−ジフルオロプロパン−1,3−ジイルビス(4−メチルベンゼンスルホネート)(6.0g、14.3mmol)およびK2CO3(3.9g、28.5mmol)をDMF(36mL)中で混合し、反応混合物を3つの画分に分離する。各画分を、マイクロ波反応器中で135℃にて1時間加熱する。3つの画分を合わせ、水(300mL)およびEtOAc(300mL)を加える。水層を分離し、EtOAc(3×100mL)で抽出する。有機層を合わせ、水(3×200mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮する。粗化合物を、ヘプタン中のEtOAcを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(4.7g、59%純度、38%収率)を得る。
ステップ4:ジエチル1−(3−アジド−2,2−ジフルオロプロピル)−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートの合成
ジエチル1−(2,2−ジフルオロ−3−{[(4−メチルフェニル)スルホニル]オキシ}プロピル)−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(4.7g、59%純度、5.5mmol)のDMF(40mL)溶液に、アジ化ナトリウム(908mg、13.8mmol)を加える。混合物を、95℃で40時間加熱する。水(250mL)を加え、混合物をEtOAc(3×250mL)で抽出する。有機層を合わせ、水(3×250mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、表題粗化合物(2.5g)を得て、これを次のステップで精製することなく使用する。
【0072】
ステップ5:ジエチル1−(3−アミノ−2,2−ジフルオロプロピル)−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートの合成
ジエチル1−(3−アジド−2,2−ジフルオロプロピル)−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(2.5g、7.8mmol)のメタノール:CH2Cl2(1:1、60mL)溶液に、10%パラジウム担持カーボン(1.4g、1.3mmol)を加える。反応混合物をH2雰囲気下で3.5時間撹拌する。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮し、表題粗化合物(2.3g)を得て、これを次のステップで精製することなく使用する。
ステップ6:エチル4,4−ジフルオロ−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキシレートの合成
ジエチル1−(3−アミノ−2,2−ジフルオロプロピル)−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(2.3g)のエタノール(160mL)溶液に、トリエチルアミン(2.7mL、19.0mmol)およびK2CO3(1.3g、9.5mmol)を加える。混合物を、80℃で16時間加熱する。エタノールを真空下で除去し、水(100mL)を加える。このように得られた淡黄色の固体を濾過し、乾燥させ、表題化合物(1.2g、3ステップについて70%)を得る。
【0073】
ステップ7:4,4−ジフルオロ−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボン酸の合成
エチル4,4−ジフルオロ−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキシレート(470mg、1.5mmol)をエタノール(17mL)に懸濁させ、1MのNaOH溶液(4.8mL、4.8mmol)を加える。反応混合物を、60℃で1時間50分間加熱する。酢酸(15mL)および水(100mL)を加え、このように得られた白色の固体を濾過し、水ですすぎ、表題化合物(350mg、82%)を得る。
【0074】
中間体S:1’−オキソ−2’,3’−ジヒドロ−1’H−スピロ[シクロプロパン−1,4’−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール]−8’−カルボン酸
【化17】

【0075】
ステップ1:[1−(アミノメチル)シクロプロピル]メタノールの合成
水素化アルミニウムリチウム(34g、899mmol)のTHF(400mL)懸濁液に、エチル1−(シアノメチル)シクロプロパンカルボキシレート(25g、179mmol)のTHF(100mL)溶液を0℃で加える。反応混合物を室温で4時間撹拌する。反応混合物を0℃に冷却し、氷冷水(60mL)を加える。混合物をEtOAc(2×300mL)で抽出する。有機層を合わせ、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、表題粗化合物(20g)を得て、これを次のステップで精製することなく使用する。
ステップ2:tert−ブチル{[1−(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチル}カルバメートの合成
ジ−tert−ブチルジカーボネート(40.5mL、197mmol)を、撹拌した[1−(アミノメチル)シクロプロピル]メタノール(20g、198mmol)のCH2Cl2(600mL)溶液に室温で加える。反応混合物を同じ温度で40時間撹拌する。次いで、飽和NH4Cl溶液(250mL)を加え、反応混合物をさらに10分間撹拌する。有機層を分離し、飽和NaHCO3溶液(100mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、表題化合物(20g、2ステップについて56%)を白色の固体として得る。
ステップ3:ジエチル1−[(1−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}シクロプロピル)メチル]−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートの合成
tert−ブチル{[1−(ヒドロキシメチル)シクロプロピル]メチル}カルバメート(20g、99.5mmol)、ジエチル1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(26g、99.5mmol)およびトリフェニルホスフィン(52g、199mmol)のTHF(300mL)溶液に、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(31mL、199mmol)を室温で加える。反応混合物を60時間撹拌し、溶媒を蒸発させる。残渣を、石油エーテル中の12%EtOAcを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、ジエチル1−[(1−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}シクロプロピル)メチル]−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートおよびジエチル1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(36g)の混合物を白色の固体として得る。混合物を次のステップにおいてそれ以上精製することなく使用する。
【0076】
ステップ4:ジエチル1−{[1−(アミノメチル)シクロプロピル]メチル}−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートの合成
TFA(120mL)を、粗ジエチル1−[(1−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}シクロプロピル)メチル]−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(36g、81mmol)のCH2Cl2(700mL)溶液に室温で加える。反応混合物を2時間撹拌し、溶媒を蒸発させる。残渣をEtOAc(600mL)に溶解し、pHが約7となるまで飽和NaHCO3で洗浄する。水層をEtOAc(2×100mL)で抽出し、合わせた有機層を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、表題化合物(30g、>99%)を淡黄色の油として得て、これを次のステップで精製することなく使用する。
ステップ5:エチル1’−オキソ−2’,3’−ジヒドロ−1’H−スピロ[シクロプロパン−1,4’−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール]−8’−カルボキシレートの合成
トリエチルアミン(36.3mL、260.8mmol)を、エタノール(800mL)中の粗ジエチル1−{[1−(アミノメチル)シクロプロピル]メチル}−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(30g、86.9mmol)およびK2CO3(36g、260.8mmol)の混合物に加える。反応混合物を、80℃で2時間加熱し、これを室温に冷却し、さらに16時間撹拌する。固体K2CO3を濾過によって除去し、濾液を濃縮し、粗化合物を得て、これをCH2Cl2中の3%メタノールを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(9.2g、3ステップについて31%)を白色の固体として得る。
ステップ6:1’−オキソ−2’,3’−ジヒドロ−1’H−スピロ[シクロプロパン−1,4’−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール]−8’−カルボン酸の合成
NaOH(3g、75mmol)の水(75mL)溶液を、エチル1’−オキソ−2’,3’−ジヒドロ−1’H−スピロ[シクロプロパン−1,4’−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール]−8’−カルボキシレート(9g、30.2mmol)のエタノール(300mL)懸濁液に加える。反応混合物を、80℃で2時間加熱する。酢酸(48mL)および水(250mL)を加え、このように得られた固体を濾過し、水ですすぎ、乾燥させ、表題化合物(5.4g、66%)を白色の固体として得る。
【0077】
中間体T:1’−オキソ−2’,3’−ジヒドロ−1’H−スピロ[シクロブタン−1,4’−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール]−8’−カルボン酸
【化18】

【0078】
ステップ1:tert−ブチル{[1−(ヒドロキシメチル)シクロブチル]メチル}カルバメートの合成
ジ−tert−ブチルジカーボネート(23.19mL、104mmol)を、撹拌した[1−(アミノメチル)シクロブチル]メタノール(12g、104mmol)のCH2Cl2(700mL)溶液に加え、反応混合物を室温で40時間撹拌する。飽和NH4Cl(300mL)を加え、混合物をさらに10分間撹拌する。有機層を分離し、飽和NaHCO3(100mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、表題化合物(20g、89%)を白色の固体として得る。
【0079】
ステップ2:ジエチル1−[(1−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}シクロブチル)メチル]−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートの合成
tert−ブチル{[1−(ヒドロキシメチル)シクロブチル]メチル}カルバメート(12g、55.76mmol)、ジエチル1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(14.56g、55.76mmol)およびトリフェニルホスフィン(29.2g、111.5mmol.)のTHF(110mL)溶液に、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(22.41mL、111.5mmol)を室温で加え、反応混合物を60時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、残渣を、石油エーテル中の12%EtOAcを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、未反応のジエチル1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートで汚染されたジエチル1−[(1−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}シクロブチル)メチル]−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートを得る。混合物を次のステップにおいてそれ以上精製することなく使用する。
【0080】
ステップ3:ジエチル1−{[1−(アミノメチル)シクロブチル]メチル}−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートの合成
TFA(100mL)を、前のステップからの粗ジエチル1−[(1−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}シクロブチル)メチル]−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートのCH2Cl2(450mL)溶液に加える。反応混合物を室温で2時間撹拌し、溶媒を真空中で除去する。残渣をEtOAc(300mL)に溶解し、これをpHが約7となるまで飽和NaHCO3で洗浄する。次いで、水層を分離し、EtOAc(3×100mL)で抽出する。有機層を合わせ、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、表題化合物を得て、これを次のステップで精製することなく使用する。
【0081】
ステップ4:エチル1’−オキソ−2’,3’−ジヒドロ−1’H−スピロ[シクロブタン−1,4’−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール]−8’−カルボキシレートの合成
トリエチルアミン(23.3mL、167.5mmol)を、エタノール(1.2L)中の前のステップからの粗1−(1−アミノメチル−シクロブチルメチル)−1H−インドール−2,6−ジカルボン酸ジエチルエステルおよびK2CO3(23.16g、167.5mmol)の混合物に加える。反応混合物を、80℃で2時間加熱し、次いで室温に冷却し、さらに16時間撹拌する。固体K2CO3を濾過によって除去し、濾液を濃縮し、粗化合物を得て、これをCH2Cl2中の3%メタノールを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(7g、3ステップについて40%)を白色の固体として得る。
ステップ5:1’−オキソ−2’,3’−ジヒドロ−1’H−スピロ[シクロブタン−1,4’−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール]−8’−カルボン酸の合成
エチル1’−オキソ−2’,3’−ジヒドロ−1’H−スピロ[シクロブタン−1,4’−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール]−8’−カルボキシレート(7g、22.4mmol)のエタノール(240mL)溶液に、NaOH(2.24g、56mmol)の水(56mL)溶液を加える。反応混合物を、80℃で2時間加熱する。酢酸(35.8mL)および水(314mL)を加え、このように得られた固体を濾過し、水ですすぎ、乾燥させ、表題化合物(4g、64%)を白色の固体として得る。
【0082】
中間体U:1−オキソ−2,2’,3,3’,5’,6’−ヘキサヒドロ−1H−スピロ[1,4−ジアゼピノ[1,2−a]インドール−4,4’−ピラン]−8−カルボン酸
【化19】

【0083】
ステップ1:エチル4−シアノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボキシレートの合成
NaH(22.11g、552.1mmol)のDMF(350mL)懸濁液に、シアノ酢酸エチル(23.5mL、195mmol)を0℃で25分に亘り加える。反応混合物を室温に2時間温め、これを0℃に再び冷却する。1−クロロ−2−(2−クロロエトキシ)エタン(31.1mL、265.4mmol)のDMF(50mL)溶液を加え、反応混合物を室温に1時間温める。次いで、反応混合物を、90℃で16時間加熱し、その後反応物を氷冷水(180mL)でクエンチする。混合物をEtOAc(2×200mL)で抽出し、有機層を合わせ、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮する。粗化合物を高真空下にて分留によって精製し、表題化合物(10g、25%)を無色の油として得る。
ステップ2:[4−(アミノメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]メタノールの合成
エチル4−シアノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−カルボキシレート(10g、54.64mmol)のTHF(50mL)溶液を、水素化アルミニウムリチウム(8.26g、218.5mmol)のTHF(100mL)懸濁液に0℃にて滴下で添加する。反応混合物を室温に温め、4時間撹拌する。混合物を0℃に冷却し、氷冷水(30mL)をゆっくりと加える。混合物をEtOAc(2×200mL)で抽出し、有機層を合わせ、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、表題粗化合物(8g、>99%)を得て、これを次のステップで精製することなく使用する。
【0084】
ステップ3:tert−ブチル{[4−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]メチル}カルバメートの合成
ジ−tert−ブチルジカーボネート(12.27mL、55.17mmol)を、撹拌した[4−(アミノメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]メタノール(8g、55.17mmol)のCH2Cl2(350mL)溶液に室温で加える。反応混合物を40時間撹拌し、その後飽和NH4Cl溶液(150mL)を加える。混合物をさらに10分間撹拌し、有機層を分離し、飽和NaHCO3(60mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、表題化合物(13g、96%)を白色の固体として得る。
ステップ4:ジエチル1−[(4−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートの合成
tert−ブチル{[4−(ヒドロキシメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]メチル}カルバメート(10g、40.81mmol)、ジエチル1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(中間体A、10.65g、40.81mmol)およびトリフェニルホスフィン(21.3g、81.63mmol)のTHF(110mL)溶液に室温で、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(16mL、81.63mmol)を加える。反応混合物を60時間撹拌し、溶媒を真空下で除去する。残渣を、石油エーテル中の12%EtOAcを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、ジエチル1−[(4−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートおよび未反応のジエチル1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートの混合物を白色の固体として得る。混合物を次のステップにおいてそれ以上精製することなく使用する。
【0085】
ステップ5:ジエチル1−{[4−(アミノメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]メチル}−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートの合成
TFA(60mL)を、前のステップからの粗ジエチル1−[(4−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートのCH2Cl2(400mL)溶液に加える。反応混合物を室温で2時間撹拌する。次いで、溶媒を真空下で除去し、残渣をEtOAc(300mL)に溶解し、pHが約7となるまで飽和NaHCO3溶液で洗浄する。水層を分離し、これをEtOAc(100mL)で抽出する。有機層を合わせ、Na2SO4上で乾燥させ、濃縮し、粗表題化合物を得て、これを次のステップで精製することなく使用する。
【0086】
ステップ6:エチル1−オキソ−2,2’,3,3’,5’,6’−ヘキサヒドロ−1H−スピロ[1,4−ジアゼピノ[1,2−a]インドール−4,4’−ピラン]−8−カルボキシレートの合成
前のステップからの粗ジエチル1−{[4−(アミノメチル)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル]メチル}−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートのエタノール(800mL)溶液に、トリエチルアミン(16.16mL、115.9mmol)およびK2CO3(16.1g、115.9mmol)を加える。反応混合物を、80℃で2時間加熱し、室温に冷却し、さらに16時間撹拌する。固体K2CO3を濾過によって除去し、濾液を濃縮する。粗化合物を、CH2Cl2中の3%メタノールを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(4.2g、3ステップについて30%)を白色の固体として得る。
ステップ7:1−オキソ−2,2’,3,3’,5’,6’−ヘキサヒドロ−1H−スピロ[1,4−ジアゼピノ[1,2−a]インドール−4,4’−ピラン]−8−カルボン酸の合成
エチル1−オキソ−2,2’,3,3’,5’,6’−ヘキサヒドロ−1H−スピロ[1,4−ジアゼピノ[1,2−a]インドール−4,4’−ピラン]−8−カルボキシレート(4.2g、12.2mmol)のエタノール(120mL)懸濁液に、NaOH(1.22g、30.5mmol)および水(30mL)を加える。反応混合物を、80℃で2時間加熱する。酢酸(19mL)および水(180mL)を加え、このように得られた固体を濾過によって集め、水で洗浄し、乾燥させ、表題化合物(2.42g、64%)を白色の固体として得る。
【0087】
中間体V:1’−(tert−ブトキシカルボニル)−1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[1,4−ジアゼピノ[1,2−a]インドール−4,4’−ピペリジン]−8−カルボン酸
【化20】

【0088】
ステップ1:tert−ブチル4−シアノピペリジン−1−カルボキシレートの合成
ジ−tert−ブチルジカーボネート(26.4mL、109.0mmol)を、ピペリジン−4−カルボニトリル(10g、90.9mmol)のCH2Cl2(120mL)溶液に0℃にて滴下で添加する。反応混合物を室温に温め、1時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、少量のn−ヘキサンを加え、混合物を0℃に1時間冷却する。このように得られた固体を濾過によって集め、乾燥させ、表題化合物(14g、73.6%)を白色の固体として得る。
【0089】
ステップ2:tert−ブチル4−[(ベンジルオキシ)メチル]−4−シアノピペリジン−1−カルボキシレートの合成
0℃に冷却したtert−ブチル4−シアノピペリジン−1−カルボキシレート(4g、19mmol)のTHF(70mL)溶液に、トルエン中の0.5MのKHMDS(57mL、28.5mmol)を滴下で添加する。反応混合物を室温に温め、1時間撹拌する。クロロメトキシメチル−ベンゼン(4.46g、28.5mmol)を加え、反応混合物を室温でさらに1時間撹拌する。水および酢酸エチルを加え、水層を分離し、酢酸エチル(2×50mL)で抽出する。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、表題化合物(3g、48.3%)を淡黄色の液体として得る。
【0090】
ステップ3:tert−ブチル4−(アミノメチル)−4−[(ベンジルオキシ)メチル]ピペリジン−1−カルボキシレートの合成
ラネーニッケル(1g、10%w/w)のメタノールスラリーに、tert−ブチル4−[(ベンジルオキシ)メチル]−4−シアノピペリジン−1−カルボキシレート(10g、30.3mmol)およびメタノール/NH3(1mL)を加える。反応混合物を室温にて60psiのH2下で16時間撹拌する。次いで、反応混合物をセライトのパッドを通して濾過し、濾液を濃縮し、表題化合物(8g、79%)を無色の液体として得る。
【0091】
ステップ4:tert−ブチル4−[(ベンジルオキシ)メチル]−4−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−カルボキシレートの合成
ジ−tert−ブチルジカーボネート(3.4mL、14.28mmol)を、tert−ブチル4−(アミノメチル)−4−[(ベンジルオキシ)メチル]ピペリジン−1−カルボキシレート(4g、11.9mmol)のCH2Cl2(130mL)溶液に0℃にて滴下で添加する。反応混合物を室温に温め、1時間撹拌する。混合物を濃縮し、残渣を、20%EtOAc/石油エーテルを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(3g、65%)を白色の固体として得る。
ステップ5:tert−ブチル4−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}−4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−カルボキシレートの合成
10%パラジウム担持カーボン(700mg、0.66mmol)のメタノールスラリーに、tert−ブチル4−[(ベンジルオキシ)メチル]−4−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}ピペリジン−1−カルボキシレート(7g、16.1mmol)を加える。反応混合物を室温にて60psiのH2下で16時間撹拌する。次いで、反応混合物をセライトのパッドを通して濾過し、濾液を濃縮し、表題化合物(4g、73%)を白色の固体として得る。
【0092】
ステップ6:ジエチル1−{[1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}ピペリジン−4−イル]メチル}−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートの合成
トリフェニルホスフィン(19.4g、74.1mmol)およびDIAD(14.05mL、74.1mmol)のTHF(700mL)溶液を0℃に冷却し、10分間撹拌する。ジエチル1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(15.47g、59.3mmol)を加え、反応混合物をさらに10分間撹拌する。tert−ブチル4−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}−4−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−カルボキシレート(17g、49.4mmol)を加え、反応混合物を室温で48時間撹拌する。混合物を水および酢酸エチルに分配し、有機層を分離する。水層を酢酸エチル(2×200mL)で抽出する。合わせた有機層を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮する。残渣を、石油エーテル中の15%EtOAcを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(17g、32%)を濃褐色の油として得る。
ステップ7:エチル1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[1,4−ジアゼピノ[1,2−a]インドール−4,4’−ピペリジン]−8−カルボキシレートの合成
トリフルオロ酢酸(13.4mL、173.8mmol)を、ジエチル1−{[1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−{[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]メチル}ピペリジン−4−イル]メチル}−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(17g、29.0mmol)のCH2Cl2(200mL)溶液に0℃にて滴下で添加する。反応混合物を室温で3時間撹拌し、次いでK2CO3水溶液でpHが8となるまで塩基性化する。水層を分離し、CH2Cl2(2×250mL)で抽出する。有機層を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮する。粗材料を、ジエチルエーテルを使用して再結晶させ、表題化合物(6g、61%)を白色の固体として得る。
【0093】
ステップ8:1’−tert−ブチル8−エチル1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H,1’H−スピロ[1,4−ジアゼピノ[1,2−a]インドール−4,4’−ピペリジン]−1’,8−ジカルボキシレートの合成
エチル1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[1,4−ジアゼピノ[1,2−a]インドール−4,4’−ピペリジン]−8−カルボキシレート(8g、23.5mmol)のTHF(150mL)溶液に0℃で、トリエチルアミン(5.07mL、35.19mmol)を加える。10分間撹拌した後、ジ−tert−ブチルジカーボネート(8.5mL、35.2mmol)を加え、反応混合物を室温に1時間温める。混合物を水および酢酸エチルに分配する。水層を分離し、酢酸エチル(2×100mL)で抽出する。有機層を合わせ、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、表題化合物(4g、38.8%)を白色の固体として得る。
ステップ9:1’−(tert−ブトキシカルボニル)−1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[1,4−ジアゼピノ[1,2−a]インドール−4,4’−ピペリジン]−8−カルボン酸の合成
1’−tert−ブチル8−エチル1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H,1’H−スピロ[1,4−ジアゼピノ[1,2−a]インドール−4,4’−ピペリジン]−1’,8−ジカルボキシレート(5.0g、11.3mmol)のエタノール(120mL)溶液に0℃で、1MのNaOH溶液(34mL、34mmol)を加える。反応混合物を室温に温め、16時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、水を残渣に加える。混合物を0℃に冷却し、10%酢酸で酸性化する。このように得られた固体を濾過によって集め、水で洗浄し、乾燥させ、表題化合物(3.3g、72%)をオフホワイトの固体として得る。
【0094】
中間体W:3−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボン酸
【化21】

【0095】
ステップ1:tert−ブチル(4−ヒドロキシブタン−2−イル)カルバメートの合成
3−アミノブタン−1−オール(1.0g、11.2mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(137.0mg、1.1mmol)およびトリエチルアミン(1.7mL、12.3mmol)のアセトニトリル(20mL)溶液に、ジ−tert−ブチルジカーボネート(2.9g、13.5mmol)を加える。反応混合物を室温で40時間撹拌する。溶媒を除去し、残渣をCH2Cl2および飽和NaHCO3に分配する。水溶液をCH2Cl2で抽出し、合わせた有機層を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮する。粗残渣を、CH2Cl2中のメタノールを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(680mg、32%)を得る。
ステップ2:ジエチル1−{3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ブチル}−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートの合成
0℃に冷却したジエチル1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(中間体A、729mg、2.8mmol)、トリフェニルホスフィン(879mg、3.3mmol)およびtert−ブチル(4−ヒドロキシブタン−2−イル)カルバメート(634mg、3.3mmol)のCH2Cl2(10mL)溶液に、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.69mL、3.3mmol)を加える。反応混合物を室温に温め、16時間撹拌する。溶媒を除去し、残渣を、CH2Cl2中のメタノールを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、ジエチル1−{3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ブチル}−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートおよび未反応のジエチル1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(604mg)の混合物を得る。混合物を次のステップにおいてそれ以上精製することなく使用する。
ステップ3:エチル3−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキシレートの合成
CH2Cl2(10mL)中のジエチル1−{3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]ブチル}−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートおよびジエチル1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(600mg)の混合物に、TFA(5mL)を加える。反応混合物を室温で2時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、残渣を真空中で乾燥させる。残渣のエタノール(10mL)溶液に、K2CO3(500mg、3.6mmol)およびトリエチルアミン(0.02mL、0.14mmol)を加える。反応混合物を80℃に36時間加熱する。混合物を水(10mL)で希釈し、EtOAcで抽出する。有機層を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、残渣を、ヘプタン中のEtOAcを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(120mg、3ステップについて15%)を得る。
ステップ4:3−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボン酸の合成
エチル3−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキシレート(120mg、0.42mmol)のエタノール(10mL)溶液に、1MのNaOH溶液(1.0mL、1.0mmol)を加える。反応混合物を、80℃で2時間加熱する。酢酸(3mL)および水(60mL)を加え、混合物を濃縮する。残渣を、分取HPLCによって精製し、表題化合物(63mg、58%)を得る。
【0096】
中間体X:3,3−ジメチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボン酸
【化22】

【0097】
ステップ1:tert−ブチル(4−ヒドロキシ−2−メチルブタン−2−イル)カルバメートの合成
3−アミノ−3−メチルブタン−1−オール(1.0g、9.7mmol)のEtOAc(5mL)溶液に、ジ−tert−ブチルジカーボネート(2.1g、9.7mmol)を加える。混合物を16時間撹拌し、溶媒を蒸発させ、粗表題化合物を得て、これを次のステップで精製することなく使用する。
ステップ2:ジエチル1−{3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−メチルブチル}−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートの合成
ジエチル1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(中間体A、100mg、0.38mmol)、粗tert−ブチル(4−ヒドロキシ−2−メチルブタン−2−イル)カルバメート(155mg、0.76mmol)およびトリフェニルホスフィン(triphenylphospine)(251mg、0.96mmol)のTHF(1.5mL)溶液に、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.20mL、0.96mmol)を加える。混合物を室温で16時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、ジエチル1−{3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−メチルブチル}−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートおよびジエチル1H−インドール−2,6−ジカルボキシレート(131mg)の混合物を得て、これを次のステップで精製することなく使用する。
ステップ3:1−(3−アミノ−3−メチルブチル)−1H−インドール−2,6−ジカルボン酸の合成
CH2Cl2(3mL)中の前のステップからの粗ジエチル1−{3−[(tert−ブトキシカルボニル)アミノ]−3−メチルブチル}−1H−インドール−2,6−ジカルボキシレートの混合物に、TFA(1.5mL)を加える。混合物を室温で2時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、残渣を真空中で乾燥させる。残渣のエタノール(8mL)溶液に、トリエチルアミン(0.13mL、0.90mmol)およびK2CO3(124mg、0.90mmol)を加える。混合物を、80℃で2時間、100℃で64時間加熱する。水(20mL)および酢酸(1mL)を加え、混合物をEtOAcで抽出する。有機層を乾燥させ(Na2SO2)、濃縮し、表題化合物を得て、これを次のステップで精製することなく使用する。
ステップ4:3,3−ジメチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボン酸の合成
前のステップからの粗1−(3−アミノ−3−メチルブチル)−1H−インドール−2,6−ジカルボン酸のTHF(9.0mL)溶液に、1,1’−カルボニルジイミダゾール(162mg、0.90mmol)、続いて1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.14mL、0.90mmol)を加える。混合物を室温で2時間撹拌する。酢酸(0.3mL)および水(50mL)を加え、混合物をEtOAcで抽出する。有機層を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮する。粗化合物を、CH2Cl2中の10%メタノールを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(17mg、3ステップについて16%)を得る。
【0098】
中間体Y:5−フェニル−1,2−オキサゾール−3−アミン
【化23】

【0099】
ステップ1:(2−フェニル−1,3−ジオキソラン−2−イル)アセトニトリルの合成
3−オキソ−3−フェニルプロパンニトリル(10g、68.8mmol)およびPTSA(0.027g、1.37mmol)のトルエン(120mL)溶液に、エチレングリコール(120mL、2057mmol)を加える。混合物を、150℃で14時間加熱する。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣を10%NaOH溶液で洗浄する。水層をジエチルエーテル(2×100mL)で抽出し、合わせた有機層を乾燥させ(Na2SO4)、蒸発させ、粗化合物を得る。粗材料を、1%の酢酸エチル/ヘキサンで溶出する中性アルミナ上で精製し、表題化合物をオフホワイトの固体(10g、77%)として得る。
ステップ2:N−ヒドロキシ−2−(2−フェニル−1,3−ジオキソラン−2−イル)エタンイミドアミドの合成
水酸化ナトリウム(3.1g、77mmol)をヒドロキシルアミン塩酸塩(5.2g、75mmol)に0℃で加え、15分間撹拌する。(2−フェニル−1,3−ジオキソラン−2−イル)アセトニトリル(7g、37mmol)のメタノール(25mL)溶液を、反応混合物に0℃にて滴下で添加する。反応混合物を室温に温め、90℃で16時間加熱する。溶媒を減圧下で蒸発させ、表題化合物を茶色の固体(7g、85%)として得て、これを次のステップで精製することなく使用する。
ステップ3:5−フェニル−1,2−オキサゾール−3−アミンの合成
エタノール(125mL)および水(25mL)を、N−ヒドロキシ−2−(2−フェニル−1,3−ジオキソラン−2−イル)エタンイミドアミド(7g、32mmol)に加える。濃HClを加えてpHを1に調節し、反応混合物を90℃で2時間加熱する。溶媒を乾燥するまで蒸発させ、このように得られた残渣を、リン酸緩衝液を使用して中和する。混合物を酢酸エチルで抽出し、合わせた有機相を乾燥させ(Na2SO4)、真空中で濃縮する。粗残渣を、30%酢酸エチル/ヘキサンで溶出する中性アルミナ上で精製し、表題化合物をオフホワイトの固体(1.7g、34%)を得る。
【0100】
下記の表における中間体Z〜ADを、適当な市販の試薬を置き換えて、中間体Yのための手順に従って合成する。
【化24】

【0101】
中間体AE:1−(ピリジン−4−イルメチル)−1H−ピラゾール−4−アミン
【化25】

【0102】
ステップ1.4−[(4−ニトロ−1H−ピラゾール−1−イル)メチル]ピリジンの合成
撹拌した4−ニトロ−1H−ピラゾール(211mg、1.87mmol)、ピリジン−4−メタノール(0.28mL、2.56mmol)、およびトリフェニルホスフィン(538mg、2.05mmol)のTHF(10mL)溶液に窒素下で、ジ−t−ブチルアゾジカルボキシレート(472mg、2.05mmol)を3分に亘り加える。反応混合物を、室温で16時間撹拌した。混合物を濃縮し、CH2Cl2中の0〜3%メタノールの勾配を使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物を黄色の油(247mg、65%)として得る。
ステップ2.1−(ピリジン−4−イルメチル)−1H−ピラゾール−4−アミンの合成
4−[(4−ニトロ−1H−ピラゾール−1−イル)メチル]ピリジン(247mg、1.21mmol)のメタノール(10mL)溶液を、10%パラジウム担持カーボン(30mg)上でバルーン圧力下にて3時間水素化する。セライトを通して混合物を濾過し、濾液を濃縮する。残渣を、CH2Cl2中の0〜10%メタノールの勾配を使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物を茶色の油(198mg、94%)として得る。
【0103】
下記の表における中間体AF〜AQを、適当な市販の試薬を置き換えて、中間体AEのための手順に従って合成する。
【化26】



【0104】
中間体AR:1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミン
【化27】

【0105】
ステップ1:1−メチル−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジンの合成
1−メチル−1H−ピラゾール−5−アミン(291mg、3.00mmol)の酢酸(3mL)溶液に、ニトロマロンアルデヒドナトリウム塩(474mg、3.00mmol)を加え、反応混合物を108℃に1時間加熱する。反応混合物を室温に冷却し、16時間撹拌する。溶媒を減圧下で蒸発させ、残渣を、ヘプタン中の0〜100%酢酸エチルの勾配を使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物を固体(100mg、19%)として得る。
ステップ2:1−メチル−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−アミンの合成
1−メチル−5−ニトロ−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン(90mg、0.51mmol)のCH2Cl2(1mL)溶液に、亜鉛(200mg、3.06mmol)および酢酸(250μL)を加える。混合物を、45℃で5時間加熱する。亜鉛を濾過によって除去し、濾液を減圧下で蒸発させた。残渣を、CH2Cl2中の0〜10%メタノールの勾配を使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製する。エーテル中の1NのHClを残渣に加え、表題化合物を塩酸塩(43mg、46%)として得る。
【0106】
中間体AS:3−エチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−アミン
【化28】

ステップ1.6−クロロ−N2−エチルピリジン−2,3−ジアミンの合成
6−クロロ−N−エチル−3−ニトロピリジン−2−アミン(1.82g、9.04mmol)のエタノール(20mL)溶液に、鉄粉(2.52g、45.2mmol)、続いて塩化アンモニウム(2.42g、45.2mmol)の水(8mL)溶液を加える。混合物を、マイクロ波反応器中で140℃にて30分間加熱する。混合物をEtOAcで希釈し、濾過し、蒸発させ、表題化合物を茶色の油(1.55g、100%)として得て、これを次のステップで精製することなく使用した。
ステップ2.5−クロロ−3−エチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−アミンの合成
6−クロロ−N2−エチルピリジン−2,3−ジアミン(401mg、2.34mmol)のエタノール(10mL)溶液に、臭化シアンのDCM(0.93mL、2.8mmol)溶液(3M)を加える。溶液を室温で6時間撹拌する。溶液をメタノール中のアンモニアで塩基性化し、蒸発させる。残渣を、1%NH4OHを含有するCH2Cl2中の0〜15%メタノールの勾配を使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(212mg、46%)を得る。
ステップ3.3−エチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−アミンの合成
ギ酸アンモニウム(1.55g、24.6mmol)を、10%パラジウム担持カーボン(40mg)を含有する5−クロロ−3−エチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−アミン(410mg、2.09mmol)のエタノール(10mL)溶液に加える。混合物を16時間撹拌し、濾過し、濃縮する。残渣をCH2Cl2中の0〜10%メタノールの勾配を使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(192mg、57%)を得る。
【0107】
中間体AT:1−メチル−5−フェニル−1H−イミダゾール−2−アミン
【化29】

ステップ1:N−メチルピリミジン−2−アミンの合成
2−クロロピリミジン(1g、8.7mmol)のメタノール(10mL)溶液に、メチルアミン(13.2mL、26.2mmol)のメタノール溶液(2M)、続いてK2CO3(2.5g、18mmol)を加える。反応フラスコを密封し、80℃に一晩加熱する。次いで、反応物を室温に冷却し、濃縮し、揮発性物質を除去する。残渣を水およびCH2Cl2に分配する。有機層を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、表題化合物(290mg、30%)を茶色の油として得る。
ステップ2:1−メチル−5−フェニル−1H−イミダゾール−2−アミンの合成
N−メチルピリミジン−2−アミン(290mg、2.7mmol)のアセトニトリル(5mL)溶液を含有するマイクロ波バイアルに、2−ブロモ−1−フェニルエタノン(714mg、3.6mmol)を加える。バイアルを密封し、マイクロ波反応器中で130℃にて20分間加熱し、室温に冷却する。混合物をヒドラジン水和物(0.65mL、13.3mmol)で処理し、次いでマイクロ波反応器中で100℃にて5分間加熱する。反応物を水(30mL)に注ぎ、濾過し、表題化合物(192mg、42%)を固体として得る。
【0108】
中間体AU:1−メチル−1H−イミダゾール−2−アミン
【化30】

ステップ1:1−メチル−2−ニトロ−1H−イミダゾールの合成
2−ニトロ−1H−イミダゾール(500mg、4.4mmol)のDMF(50mL)溶液に、炭酸セシウム(1.7g、5.3mmol)を加え、混合物を50℃に30分間加熱する。このように得られた懸濁液を室温に冷却し、MeI(0.33mL、5.3mmol)を加える。反応物を50℃に2時間加熱し、次いで室温に冷却し、セライトのベッドを通して濾過する。濾液を氷水上に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、表題化合物(485mg、86%)を黄色の固体として得る。
ステップ2:1−メチル−1H−イミダゾール−2−アミンの合成
1−メチル−2−ニトロ−1H−イミダゾール(485mg、3.8mmol)のエタノール(10mL)溶液に窒素雰囲気下にて、20%パラジウム担持カーボン(50mg、Degussaタイプ)、続いてギ酸アンモニウム(1.4g、23mmol)を注意深く加える。反応物を16時間撹拌する。懸濁液をセライトのベッドを通して注意深く濾過し、濾液をさらなるエタノール(10mL)ですすぐ。濾液を濃縮し、残渣を水および酢酸エチルに分配する。有機層を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、残渣をCH2Cl2中の5%メタノールを使用するシリカゲルの短いベッドを通したクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(552mg、80%)を油として得る。
【0109】
中間体AV:5−tert−ブチル−1,3−オキサゾール−2−アミン
【化31】

【0110】
ステップ1:1−アジド−3,3−ジメチルブタン−2−オンの合成
1−ブロモ−3,3−ジメチルブタン−2−オン(50g、279mmol)のアセトン(400mL)溶液に、NaN3(22g、335mmol)を0℃で加える。反応混合物を室温に7時間温める。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮する。残渣をEtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄する。有機層を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、表題粗化合物を得て、これを次のステップで精製することなく使用する。
ステップ2:1−アミノ−3,3−ジメチルブタン−2−オンの合成
前のステップからの粗1−アジド−3,3−ジメチルブタン−2−オンのメタノール(500mL)溶液に、濃HCl(30mL)および5%パラジウム担持カーボン(4.0g、1.9mmol)を加える。反応混合物を、室温にて400psiの水素雰囲気下で14時間撹拌する。セライトを通して反応混合物を濾過し、濾液を濃縮する。粗材料をジエチルエーテルで洗浄し、表題化合物(35.8g、2ステップについて85%)を塩酸塩として得る。
【0111】
ステップ3:エチル[(3,3−ジメチル−2−オキソブチル)アミノ](オキソ)アセテートの合成
CH2Cl2(500mL)中の1−アミノ−3,3−ジメチルブタン−2−オン塩酸塩(35g、231mmol)の混合物に0℃で、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(74g、577mmol)およびエチルクロロ(オキソ)アセテート(31.5g、231mmol)を15分の期間に亘ってゆっくりと加える。反応混合物を室温で2時間撹拌し、セライトを通して濾過する。濾液を濃縮し、表題化合物(40g、81%)を得る。
ステップ4:エチル5−tert−ブチル−1,3−オキサゾール−2−カルボキシレートの合成
トルエン(350mL)中のエチル[(3,3−ジメチル−2−オキソブチル)アミノ](オキソ)アセテート(40g、162mmol)の混合物に、オキシ塩化リン(75g、488mmol)を加える。反応混合物を、120℃で14時間加熱する。次いで、溶媒を除去し、残渣をエーテルで希釈する。エーテル層を飽和NaHCO3水溶液、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、表題化合物(28g、87%)を得る。
【0112】
ステップ5:5−tert−ブチル−1,3−オキサゾール−2−カルボヒドラジドの合成
エタノール(200mL)中のエチル5−tert−ブチル−1,3−オキサゾール−2−カルボキシレート(28g、142mmol)の混合物に、ヒドラジン水和物(7.1g、142mmol)を加える。反応混合物を、85℃で3時間加熱する。溶媒を蒸発させ、残渣をn−ペンタンで洗浄し、表題化合物(25g、96%)を白色の固体として得る。
ステップ6:ベンジル(5−tert−ブチル−1,3−オキサゾール−2−イル)カルバメートの合成
ジエチルエーテル(250mL)中の5−tert−ブチル−1,3−オキサゾール−2−カルボヒドラジド(15g、82mmol)の混合物に0℃で、6NのHCl水溶液(210mL、1.26mol)およびNaNO2(9.6g、139mmol)水溶液を15分の期間に亘り加える。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、飽和NaHCO3溶液を加え、反応をクエンチする。混合物をジエチルエーテル(3×100mL)で抽出し、エーテル層を合わせ、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮する。残渣をキシレン(70mL)で希釈し、ベンジルアルコール(27g、246mmol)を加える。反応混合物をさらに3時間還流させ、溶媒を真空下で除去する。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(5.0g、22%)を得る。
ステップ7:5−tert−ブチル−1,3−オキサゾール−2−アミンの合成
ベンジル(5−tert−ブチル−1,3−オキサゾール−2−イル)カルバメート(5.0g、18.2mmol)のメタノール(100mL)溶液に、10%パラジウム担持カーボン(500mg、0.5mmol)を加える。反応物を室温で水素雰囲気下にて3時間撹拌する。セライトを通して反応混合物を濾過し、濾液を濃縮する。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(1.7g、68%)を薄茶色の固体として得る。
【0113】
中間体AW:1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−アミン;ヒドロブロミド
【化32】

【0114】
ステップ1:2−ニトロ−N−(プロパン−2−イル)アニリンの合成
1−フルオロ−2−ニトロベンゼン(0.5mL、4.7mmol)のDMSO(10mL)溶液に、イソプロピルアミン(0.6mL、7.1mmol)、続いてヒューニッヒ塩基(1.2mL、7.1mmol)を加える。反応フラスコを密封し、80℃に16時間加熱する。反応物を室温に冷却し、氷水上に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、表題化合物(828mg、97%)をオレンジ油として得る。
ステップ2:N−(プロパン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミンの合成
2−ニトロ−N−(プロパン−2−イル)アニリン(828mg、4.6mmol)のエタノール(10mL)溶液に窒素雰囲気下にて、20%パラジウム担持カーボン(50mg、Degussaタイプ)、続いてギ酸アンモニウム(1.4g、23mmol)を注意深く加え、反応物を一晩撹拌する。懸濁液をセライトのベッドを通して注意深く濾過し、濾液をさらなるエタノール(10mL)ですすぐ。濾液を濃縮し、残渣を水および酢酸エチルに分配する。有機層を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮する。粗材料をCH2Cl2中の5%メタノールを使用したシリカゲルの短いベッドを通したクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(552mg、80%)を油として得る。
【0115】
ステップ3:1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−アミン;ヒドロブロミドの合成
N−(プロパン−2−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン(552mg、3.4mmol)のエタノール(10mL)溶液に、臭化シアン(1.35mL、4.04mmol)のCH2Cl2溶液(3M)を加える。反応物を16時間撹拌し、次いで濃縮する。粗残渣をジエチルエーテルで粉砕し、懸濁液を濾過し、表題化合物(870mg、92%)を紫色の固体として得る。
【0116】
下記の表における中間体AX〜BEを、適当な市販の試薬を置き換えて、中間体AXのための手順に従って合成する。
【化33】

【0117】
中間体BG:5−クロロ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−アミン;ヒドロブロミド
【化34】

ステップ1:4−クロロ−N−メチル−2−ニトロアニリンの合成
4−クロロ−1−フルオロ−2−ニトロベンゼン(832mg、4.7mmol)のDMSO(10mL)溶液に、メチルアミン(3.56mL、7.1mmol)のテトラヒドロフラン溶液(2M)、続いてヒューニッヒ塩基(1.2mL、7.1mmol)を加える。反応フラスコを密封し、80℃に16時間加熱する。反応物を室温に冷却し、氷水上に注ぐ。このように得られた固体を濾過によって単離し、表題化合物(713mg、81%)を得る。
ステップ2:4−クロロ−N1−メチルベンゼン−1,2−ジアミンの合成
4−クロロ−N−メチル−2−ニトロアニリン(713mg、3.8mmol)のエタノール(10mL)溶液に、ギ酸アンモニウム(1.2g、19mmol)、続いてジンクダスト(745mg、11.5mmol)を加える。反応物を50℃に2時間加熱する。室温で懸濁液をセライトのベッドを通して濾過し、濾液をさらなるメタノール(10mL)ですすぐ。濾液を濃縮し、表題化合物(592mg、89%)を油として得て、これを次のステップにおいて精製することなく使用した。
ステップ3:5−クロロ−1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−アミン;ヒドロブロミドの合成
4−クロロ−N1−メチルベンゼン−1,2−ジアミン(592mg、3.4mmol)のエタノール(10mL)溶液に、臭化シアン(1.35mL、4.04mmol)のCH2Cl2溶液(3M)を加える。反応物を数日間撹拌し、ジエチルエーテルで希釈する。このように得られた固体を濾過によって集め、表題化合物(663mg、66%)を得る。
【0118】
下記の表における中間体BH〜BJを、適当な市販の試薬を置き換えて、中間体BGのための手順に従って合成する。
【化35】

【0119】
中間体BK:1−[3−(ジメチルアミノ)−2,2−ジメチルプロピル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−アミン;ジヒドロブロミド
【化36】

【0120】
ステップ1:N,N,2,2−テトラメチル−N’−(2−ニトロフェニル)プロパン−1,3−ジアミンの合成
1−フルオロ−2−ニトロベンゼン(353mg、2.5mmol)のDMSO(5mL)溶液に、2,2,N**,N**−テトラメチル−プロパン−1,3−ジアミン(391mg、3mmol)、続いてヒューニッヒ塩基(0.65mL、3.8mmol)を加える。反応フラスコを密封し、80℃に16時間加熱する。反応物を室温に冷却し、氷水上に注ぎ、CH2Cl2で抽出する。有機層を水、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、表題粗化合物(635mg、粗製物)をオレンジ油として得る。
ステップ2:N−[3−(ジメチルアミノ)−2,2−ジメチルプロピル]ベンゼン−1,2−ジアミンの合成
塩化スズ(II)脱水物(1.71g、7.6mmol)の濃HCl(5mL)溶液を含有するフラスコに、N,N,2,2−テトラメチル−N’−(2−ニトロフェニル)プロパン−1,3−ジアミン(635mg、2.5mmol)の溶液を加える。反応物を16時間撹拌し、4MのNaOH水溶液を加えることによって中和させる。混合物をCH2Cl2で抽出し、有機層を分離し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、表題化合物(504mg、90%)を油として得る。
ステップ3:1−[3−(ジメチルアミノ)−2,2−ジメチルプロピル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−アミン;ジヒドロブロミドの合成
N−[3−(ジメチルアミノ)−2,2−ジメチルプロピル]ベンゼン−1,2−ジアミン(504mg、2.3mmol)のエタノール(5mL)溶液に、48%HBr水溶液(0.26mL、2.3mmol)、続いて臭化シアン(1.14mL、3.4mmol)のCH2Cl2溶液(3M)を加える。反応物を48時間撹拌し、次いでジエチルエーテルで希釈する。このように得られた固体を濾過によって単離し、表題化合物(885mg、95%)を得る。
【0121】
下記の表における中間体BL〜BRを、適当な市販の試薬を置き換えて、中間体BKのための手順に従って合成する。
【化37】

【0122】
中間体BS:5−(4−メチルピペラジン−1−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−アミン;ビストリフルオロアセテート
【化38】

4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ベンゼン−1,2−ジアミン(206mg、1mmol)のエタノール(5mL)溶液に、臭化シアン(0.5mL、1.5mmol)のCH2Cl2溶液(3M)を加える。反応物を一晩撹拌し、次いでジエチルエーテルで希釈する。このように得られた固体を濾過によって単離し、次いで0.1%TFAを有する5〜90%アセトニトリル/水を使用する分取HPLCによって精製し、表題化合物(60mg、13%)を得る。
【0123】
中間体BT:5−クロロ−7−(モルホリン−4−イルメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−アミン;ジヒドロブロミド
【化39】

【0124】
ステップ1:4−(5−クロロ−2−ニトロベンジル)モルホリンの合成
モルホリン(2.8mL、32.3mmol)のTHF(100mL)溶液に、5−クロロ−2−ニトロベンズアルデヒド(5g、26.9mmol)、続いてトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(11.4g、53.9mmol)およびHOAc(3.2mL、53.9mmol)を加える。反応物を16時間撹拌する。反応物を飽和Na2CO3水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。合わせた抽出物を水、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、透明な油を得る。残渣を1NのHCl水溶液に溶解し、不溶性物質を濾過によって除去する。濾液を2MのK2CO3水溶液で中和し、酢酸エチルに分配する。有機層を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、表題化合物(5.1g、74%)を油として得る。
【0125】
ステップ2:4−クロロ−2−(モルホリン−4−イルメチル)アニリンの合成
4−(5−クロロ−2−ニトロベンジル)モルホリン(5.1g、19.9mmol)のHOAc(75mL)溶液に、ジンクダスト(3.9g、59.6mmol)を注意深く加える。2時間後、反応物をセライトのベッドを通して濾過し、濾液を濃縮し、HOAcの大部分を除去する。次いで、残渣を2MのK2CO3水溶液に溶解し、酢酸エチルで抽出する。有機層を乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、茶色の油を得る。粗材料をCH2Cl2中の0〜5%メタノールの勾配を使用するフラッシュクロマトグラフィーによって部分的に精製し、表題化合物(4.0g、62%、70%純度)を得る。
【0126】
ステップ3:N−[4−クロロ−2−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]−2,2,2−トリフルオロアセトアミドの合成
氷浴中で冷却した4−クロロ−2−(モルホリン−4−イルメチル)アニリン(4.0g、12.4mmol)の1,4−ジオキサン(75mL)溶液に、無水トリフルオロ酢酸(2.4mL、17.4mmol)を加え、反応物を室温に一晩温める。反応物をジエチルエーテルで希釈し、不溶性物質を濾過によって除去する。濾液を濃縮し、2MのK2CO3水溶液およびジエチルエーテルに分配する。有機層を分離し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、表題化合物(3.8g、95%)をオレンジ油として得て、これを次のステップにおいて精製することなく使用した。
ステップ4:N−[4−クロロ−2−(モルホリン−4−イルメチル)−6−ニトロフェニル]−2,2,2−トリフルオロアセトアミドの合成
0℃に冷却した濃硫酸(35mL)中のN−[4−クロロ−2−(モルホリン−4−イルメチル)フェニル]−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(3.8g、11.8mmol)の混合物に、硝酸カリウム(1.4g、14.1mmol)を加える。反応物を2時間の期間に亘り室温にゆっくり温め、次いで氷水に注ぐ。混合物を飽和K2CO3水溶液で中和し、このように得られた固体を濾過によって単離し、表題化合物(3.6g、82%)を得る。
【0127】
ステップ5:4−クロロ−2−(モルホリン−4−イルメチル)−6−ニトロアニリンの合成
N−[4−クロロ−2−(モルホリン−4−イルメチル)−6−ニトロフェニル]−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(3.6g、9.6mmol)のエタノール(60mL)溶液に、10%NaOH水溶液(60mL、150mmol)を加え、反応物を80℃に3時間加熱する。混合物を室温に冷却し、さらに16時間撹拌する。エタノールの大部分を減圧下で蒸発させ、このように得られた固体を濾過によって単離し、表題化合物(2g、77%)を得る。
ステップ6:5−クロロ−3−(モルホリン−4−イルメチル)ベンゼン−1,2−ジアミンの合成
塩化スズ(II)(1.1g、6mmol)の濃HCl(1.5mL)溶液を含有するフラスコに、4−クロロ−2−(モルホリン−4−イルメチル)−6−ニトロアニリン(543mg、2mmol)の濃HCl(1mL)溶液を加える。反応物を1時間撹拌する。濃厚なスラリーを濾過し、濾過ケークをHClですすぐ。濾過ケークを水(10mL)に溶解し、2MのK2CO3水溶液で処理し、CH2Cl2で抽出する。有機層を分離し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮し、表題化合物(458mg、95%)を油として得る。
ステップ7:5−クロロ−7−(モルホリン−4−イルメチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−アミン;ジヒドロブロミドの合成
5−クロロ−3−(モルホリン−4−イルメチル)ベンゼン−1,2−ジアミン(458mg、1.9mmol)のエタノール(5mL)溶液に、48%HBr水溶液(0.21mL、1.9mmol)、続いて臭化シアン(0.95mL、2.8mmol)のCH2Cl2溶液(3M)を加える。48時間撹拌した後、混合物をジエチルエーテルで希釈する。このように得られた固体を濾過によって単離し、表題化合物(595mg、73%)を得る。
【0128】
[例1]
N−(3−クロロフェニル)−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド
【化40】

1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボン酸(中間体J、49mg、0.2mmol)のDMF(1mL)溶液に、[(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)−ジメチルアミノ−メチレン]−ジメチル−テトラフルオロホウ酸アンモニウム(TBTU)(77mg、0.24mmol)を加え、反応物を10分間撹拌する。次いで、反応物を3−クロロ−フェニルアミン(28mg、0.22mmol)、続いてトリエチルアミン(0.10mL、0.7mmol)で処理し、16時間撹拌する。反応物を水(20mL)に注ぎ、このように得られた固体を濾過する。固体を乾燥させ、MTBE(20mL)に懸濁させ、再び濾過し、表題化合物(40mg、56%)をオフホワイトの固体として得る。
例2〜156を、市販の試薬または上記の適当な中間体を置き換えて、例1のための手順に従って合成する。
【0129】
[例157]
4,4−ジメチル−N−(5−メチル−1,2−オキサゾール−3−イル)−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド
【化41】

4,4−ジメチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボン酸(100mg、0.37mmol)のTHF(2mL)溶液に、1,1’−カルボニルジイミダゾール(149mg、0.92mmol)を加える。反応混合物を、55℃で1時間加熱する。混合物を室温に冷却し、5−メチル−3−アミノイソオキサゾール(144mg、1.47mmol)を加える。10分撹拌した後、1,8−ジアザビシクロウンデカ−7−エン(0.14mL、0.92mmol)を加え、反応物を、60℃で16時間加熱する。室温に冷却した後に、溶媒を蒸発させ、残渣を、0.1%TFAを有する10〜85%アセトニトリル/水を使用する分取HPLCによって精製し、表題化合物(79mg、61%)を得る。LCMS(ESMS):m/z353.45(M+H+)。
例158〜173を、市販の試薬または上記の適当な中間体を置き換えて、例157のための手順に従って合成する。
【0130】
[例174]
4−メチル−N−(5−メチル−1,2−オキサゾール−3−イル)−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド
【化42】

4−メチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボン酸(50mg、0.21mmol)のDMF(1mL)溶液に、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(39mg、0.29mmol)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(61mg、0.32mmol)を加える。10分間撹拌した後、5−メチル−3−アミノイソオキサゾール(38mg、0.39mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.07mL、0.42mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(2.6mg、0.02mmol)を加える。反応混合物を、50℃で15時間加熱し、同時にN2流を反応混合物上に流し、DMFを除去する。残渣を室温に冷却し、EtOAc(4mL)および水(2mL)を加える。このように得られた白色の固体を濾過によって集め、表題化合物(32mg、48%)を得る。LCMS(ESMS):m/z325.61(M+H+)。
例175〜180を、市販の試薬または上記の適当な中間体を置き換えて、例174のための手順に従って合成する。
【0131】
[例181]
N−(5−エチル−1,2−オキサゾール−3−イル)−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド
【化43】

1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボン酸(中間体J、75mg、0.31mmol)のTHF(2mL)およびDMF(0.5mL)溶液に、HATU(128mg、0.34mmol)を加える。混合物を室温で1時間撹拌し、その後ポリスチレン結合2−tert−ブチルイミノ−1,3−ジメチルペルヒドロ−1,3,2−ジアザホスホリン(419mg、0.92mmol)を加える。混合物を室温で10分間撹拌し、5−エチル−3−アミノイソオキサゾール(103mg、0.92mmol)を加える。反応物を60℃で16時間撹拌し、次いで室温に冷却する。混合物をメタノールで洗浄しながら濾過し、濾液を減圧下濃縮する。0.1%TFAを有する10〜90%アセトニトリル/水の勾配溶離を使用する分取HPLCによって残渣を精製し、表題化合物(5mg、5%)を得る。LCMS:339.20(M+H+)。(システムV1)
例182〜206を、市販の試薬または上記の適当な中間体を置き換えて、例181のための手順に従って合成する。
【0132】
[例207]
1−オキソ−N−[3−(トリフルオロメチル)−1,2−オキサゾール−5−イル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド
【化44】

マイクロ波バイアル中のジクロロエタン(dichlorethane)(1mL)中のHATU(0.086g、0.225mmol)および1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボン酸(中間体J、0.050g、0.205mmol)の混合物を、マイクロ波反応器において60℃で60分間加熱する。ポリスチレン結合2−tert−ブチルイミノ−1,3−ジメチルペルヒドロ−1,3,2−ジアザホスホリン(0.307g、0.615mmol)および3−トリフルオロメチル−イソオキサゾール−5−イルアミン(0.094g、0.615mmol)を混合物に加え、バイアルをマイクロ波中で120℃にてさらに60分間加熱する。樹脂を濾別し、DMFで数回洗浄する。溶媒の除去後、残渣を、5%メタノール/ジクロロメタン(dichlorormethane)を使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(0.012g、15.5%)を白色の固体として得る。
例208〜210を、市販の試薬または上記の適当な中間体を置き換えて、例207のための手順に従って合成する。
【0133】
[例211]
1−オキソ−N−(5−フェニル−1,2−オキサゾール−3−イル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド
【化45】

2〜5mLのマイクロ波反応器バイアルに、1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボン酸(中間体J、25mg、0.10mmol)のNMP(2mL)溶液を充填する。HATU(47mg、0.12mmol)を加え、混合物を室温で30分間撹拌する。5−フェニル−3−アミノイソオキサゾール(66mg、0.41mmol)およびN−メチルモルホリン(41mg、0.41mmol)を加え、バイアルをTeflonで裏打したセプタムキャップで密封し、100℃で30分間、次いで150℃で90分間マイクロ波反応器中で照射する。0.1%TFAを有する10〜90%アセトニトリル/水の勾配溶離を使用する分取HPLCによって混合物を精製し、表題化合物(2mg、5%)を得る。LCMS:387.20(M+H+)。(システムV1)
【0134】
[例212]
N−(5−ベンジル−1,2−オキサゾール−3−イル)−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド
【化46】

0.5〜2mLのマイクロ波反応器バイアルに、ピリジン(500μL)中の1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボン酸(中間体J、100mg、0.41mmol)および5−ベンジル−3−アミノイソオキサゾール(107mg、0.61mmol)の混合物を充填し、バイアルをTeflonで裏打ちしたセプタムキャップで密封する。混合物を0℃に冷却し、オキシ塩化リン(40μL、0.43mmol)を加える。混合物を室温に温め、次いでマイクロ波反応器中で150℃にて60分間照射する。混合物を水に注ぎ、このように得られた固体を濾過によって集め、0.1%TFAを有する10〜75%アセトニトリル/水の勾配溶離を使用した分取HPLCによって精製し、表題化合物(87mg、53%)を得る。LCMS:401.20(M+H+)。(システムV1)
例213および214を、市販の試薬または上記の適当な中間体を置き換えて、例212のための手順に従って合成する。
【0135】
[例215]
N−(2−カルバモイルフェニル)−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド
【化47】

1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボン酸(中間体J、100mg、0.41mmol)のCH2Cl2(1.5mL)懸濁液に、1−クロロ−N,N,2−トリメチルプロペニルアミン(0.20mL、1.43mmol)を加える。反応混合物を5時間撹拌する。2−アミノベンズアミド(200mg、1.47mmol)およびピリジン(0.12mL、1.48mmol)を加え、反応混合物を室温でさらに16時間撹拌する。水(55mL)を加え、このように得られた白色の固体を濾過によって集め、CH2Cl2中のメタノールを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(40mg、27%)を得る。LCMS(ESMS):m/z363.61(M+H+)。
例216〜225を、市販の試薬または上記の適当な中間体を置き換えて、例215のための手順に従って合成する。
【0136】
[例226]
N−[3−(1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド
【化48】

【0137】
ステップ1:3−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)アニリンの合成
(3−アミノフェニル)ボロン酸(1.0g、7.3mmol)、4−ブロモ−1−トリチル−1H−イミダゾール(2.8g、7.3mmol)、トリ−t−テトラフルオロホウ酸ブチルホスホニウム(424mg、1.5mmol)およびKF(1.4g、24.1mmol)を、乾燥THF(20mL)に加え、アルゴンを混合物に10分間泡立てる。Tris−(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(669mg、0.7mmol)を加え、反応混合物を密封し、60℃で16時間加熱する。固体を濾過し、濾液をEtOAc(250mL)で希釈する。溶液を水(3×100mL)、ブライン(100mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、濃縮する。粗材料を、CH2Cl2中のメタノールを使用するフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(1.1g、36%)を得る。
【0138】
ステップ2:1−オキソ−N−[3−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミドの合成
1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボン酸(中間体J、61mg、0.25mmol)のDMF(1.5mL)溶液に、ベンゾトリアゾール−1−イル−オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(194mg、0.37mmol)を加える。反応混合物を10分間撹拌し、3−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)アニリン(100mg、0.25mmol)およびトリエチルアミン(0.07mL、0.50mmol)を加える。反応混合物を室温で16時間撹拌する。水(35mL)を加え、このように得られた固体を濾過によって集め、水ですすぎ、表題粗化合物を得て、これを次のステップで精製することなく使用する。
【0139】
ステップ3:N−[3−(1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミドの合成
前のステップからの粗1−オキソ−N−[3−(1−トリチル−1H−イミダゾール−4−イル)フェニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミドのCH2Cl2(1.5mL)およびメタノール(1.5mL)溶液に、TFA(1.0mL)を加える。反応物を室温で16時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、粗材料を、0.1%TFAを有する10〜80%アセトニトリル/水を使用する分取HPLCによって精製し、表題化合物(43mg、2ステップについて35%)を得る。LCMS(ESMS):m/z386.20(M+H+)。
【0140】
[例227]
1−オキソ−N−[3−(1H−ピラゾール−3−イル)フェニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド
【化49】

【0141】
ステップ1:1−オキソ−N−[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミドの合成
1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボン酸(中間体J、2.3g、9.2mmol)のDMF(30mL)溶液に、N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(3.7g、9.7mmol)およびN−メチルモルホリン(2.5mL、22.5mmol)を加える。反応混合物を室温で1時間撹拌し、3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)アニリン(2.4g、11.1mmol)を加える。反応混合物を室温で16時間撹拌し、水(200mL)に注ぐ。このように得られた固体を濾過によって集め、水ですすぎ、乾燥させ、表題化合物(3.8g、92%)を得る。
ステップ2:1−オキソ−N−[3−(1H−ピラゾール−3−イル)フェニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミドの合成
1−オキソ−N−[3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミドのDME:H2O:エタノール(7:3:2v/v/v、2.0mL)溶液に、K3PO4(34.3mg、0.162mmol)およびPd(dppf)Cl2・CH2Cl2付加体(11mg、0.0135mmol)を加える。溶液を、3−ブロモ−1H−ピラゾール(29.8mg、0.15mmol)を含有するマイクロ波バイアルに加える。このように得られた混合物をマイクロ波反応器中で150℃にて30分間加熱する。セライト(100mg)を通して混合物を濾過し、酢酸エチル(3×1mL)で洗浄し、真空中で濃縮する。残渣を質量トリガーHPLCによって精製し、表題化合物を(31mg、39%)として得る。
例228を、市販の試薬または上記の適当な中間体を置き換えて、例227のための手順に従って合成する。
【0142】
[例229]
N−[2−(メチルカルバモイル)フェニル]−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド
【化50】

【0143】
ステップ1:メチル2−{[(1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−イル)カルボニル]アミノ}ベンゾエートの合成
1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボン酸(中間体J、500mg、2.0mmol)のCH2Cl2(10mL)懸濁液に室温で、1−クロロ−N,N,2−トリメチルプロペニルアミン(0.98mL、7.2mmol)を加える。3時間撹拌した後、アントラニル酸メチル(1.3mL、10.2mmol)およびピリジン(0.66mL、8.2mmol)を加える。混合物を室温でさらに16時間撹拌する。水(100mL)を加え、混合物をEtOAc(3×100mL)で抽出する。有機層を合わせ、乾燥させ、蒸発させる。メタノール(50mL)を油性残渣に加え、白色の固体が形成される。固体を濾過し、表題化合物(503mg、65%)を得る。
ステップ2:2−{[(1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−イル)カルボニル]アミノ}安息香酸の合成
メタノール(7mL)および2MのNaOH溶液(2.0mL、4.0mmol)中のメチル2−{[(1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−イル)カルボニル]アミノ}ベンゾエート(503mg、1.3mmol)の懸濁液を、60℃で3時間加熱する。1MのHCl溶液(10mL)および水(80mL)を加える。このように得られた固体を濾過によって集め、乾燥させ、表題化合物(438mg、90%)を得る。
ステップ3:N−[2−(メチルカルバモイル)フェニル]−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミドの合成
2−{[(1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−イル)カルボニル]アミノ}安息香酸(100mg、0.28mmol)のDMF(1.0mL)溶液に、THF中の2Mのメチルアミン(0.69mL、1.38mmol)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(26mg、0.20mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.10mL、0.55mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(6.7mg、0.06mmol)を加える。反応混合物を10分間撹拌した後、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(158mg、0.83mmol)を加える。次いで、反応混合物を室温でさらに16時間撹拌する。粗反応混合物を、0.1%TFAを有する10〜85%アセトニトリル/水を使用した分取HPLCによって精製し、表題化合物(80mg、77%)を得る。LCMS(ESMS):m/z377.20(M+H+)。
【0144】
例230を、市販の試薬または上記の適当な中間体を置き換えて、例229のための手順に従って合成する。
【0145】
[例231]
N−[2−(tert−ブチルカルバモイル)−1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル]−4,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド
【化51】

【0146】
ステップ1:エチル4−{[(4,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−イル)カルボニル]アミノ}−1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボキシレートの合成
4,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボン酸(336mg、1.3mmol、中間体E)のDMF(1mL)溶液に、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(351mg、2.6mmol)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(498mg、2.6mmol)を加える。10分間撹拌した後、4−アミノ−1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸エチルエステル(535mg、2.6mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.45mL、2.6mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(32mg、0.26mmol)を加える。反応混合物を、60℃で16時間加熱する。DMFをN2流下で40℃にて除去し、EtOAc(2mL)および水(2mL)を加える。15分間撹拌した後、白色の固体が形成され、これを濾過し、乾燥させ、表題化合物(490mg、92%)を得る。
ステップ2:4−{[(4,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−イル)カルボニル]アミノ}−1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸の合成
エチル4−{[(4,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−イル)カルボニル]アミノ}−1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボキシレート(540mg、1.3mmol)の3NのNaOH溶液(2.2mL、6.6mmol)およびメタノール(5mL)懸濁液を、60℃で2時間加熱する。pHが約2となるまで、混合物を2NのHCl溶液で酸性化する。溶液を撹拌しながら冷却する。2時間後、このように得られた固体を濾過によって集め、水で洗浄し、乾燥させ、表題化合物(350mg、70%)を得る。
ステップ3:N−[2−(tert−ブチルカルバモイル)−1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル]−4,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミドの合成
4−{[(4,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−イル)カルボニル]アミノ}−1−メチル−1H−イミダゾール−2−カルボン酸(104mg、0.27mmol)のDMF(2mL)溶液に、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(74mg、0.55mmol)および1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(105mg、0.55mmol)を加える。50℃で10分間撹拌した後、tert−ブチルアミン(0.06mL、0.55mmol)、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.10mL、0.55mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(6.7mg、0.06mmol)を加える。反応混合物を室温で8時間撹拌する。溶媒をN2流下で除去し、粗化合物を得て、これをフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し、表題化合物(61mg、51%)を得る。LCMS(ESMS):m/z437.78(M+H+)。
【0147】
例232〜235を、市販の試薬または上記の適当な中間体を置き換えて、例231のための手順に従って合成する。
【0148】
[例236]
N−{1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[1,4−ジアゼピノ[1,2−a]インドール−4,4’−ピペリジン]−8−カルボキサミド
【化52】

【0149】
ステップ1:tert−ブチル8−({1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}カルバモイル)−1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H,1’H−スピロ[1,4−ジアゼピノ[1,2−a]インドール−4,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレートの合成
1’−(tert−ブトキシカルボニル)−1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[1,4−ジアゼピノ[1,2−a]インドール−4,4’−ピペリジン]−8−カルボン酸(300mg、0.73mmol)のDMF(5mL)溶液に、N,N,N’,N’−テトラメチル−O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)ウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)(268mg、0.83mmol)を加える。反応混合物を室温で10分間撹拌する。1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−アミン(238mg、1.1mmol)およびトリエチルアミン(0.30mL、2.2mmol)を加える。反応混合物を室温でさらに16時間撹拌する。水(65mL)を加え、淡黄色の固体を形成させる。固体を濾過し、水ですすぎ、乾燥させ、表題化合物(361mg、81%)を得る。
ステップ2:N−{1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−スピロ[1,4−ジアゼピノ[1,2−a]インドール−4,4’−ピペリジン]−8−カルボキサミドの合成
tert−ブチル8−({1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}カルバモイル)−1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H,1’H−スピロ[1,4−ジアゼピノ[1,2−a]インドール−4,4’−ピペリジン]−1’−カルボキシレート(302mg、0.49mmol)のCH2Cl2(7mL)溶液に、TFA(1mL)を加える。混合物を室温で16時間撹拌する。メタノール(25mL)を加え、溶媒を蒸発させる。残渣を、0.1%TFAを有する10〜75%アセトニトリル/水を使用した分取HPLCによって精製し、表題化合物をビス−トリフルオロ酢酸塩(bis−trifluoracetate salt)(310mg、85%)として得る。LCMS(ESMS):m/z514.81(M+H+)。
【0150】
例237〜239を、市販の試薬または上記の適当な中間体を置き換えて、例236のための手順に従って合成する。
下記の表3は、例1〜239についての質量スペクトルデータおよび保持時間を一覧表示する。
【0151】
【表3】













【0152】
生物学的特性の評価
本発明の化合物の生物学的特性を、下記に記載したアッセイを使用して評価する。
【0153】
実験方法A:ヒトRSK2アッセイ
化合物を、RSK2による基質ペプチドのリン酸化を阻害するそれらの能力について評価する。
Invitrogenから購入したヒトRSK2タンパク質を使用して、キナーゼGlo Plus(Promega)ホモジニアスアッセイ技術(残留したATPを定量化するためのルシフェリン−ルシフェラーゼをベースとするATP検出試薬を使用する)を利用してキナーゼ活性を測定する。アッセイ緩衝液(25mMのHEPES(pH7.5)、10mMのMgCl2、5mMのMnCl2、50mMのKCl、0.2%BSA、0.01%CHAPS、100μMのNa3VO4、0.5mMのDTT、および1%DMSOからなる)中の、0.75nMのHis−RSK2、0.75μMのATPおよび1.0μMのS6キナーゼ/RSK基質ペプチド1(Upstate、カタログ#12−124)を使用してアッセイを行なう。化合物のDMSO溶液(1mM)の1:3倍段階希釈によって、様々な濃度の試験化合物の溶液を調製する。DMSO溶液を、アッセイ緩衝液で5%のDMSOの最終濃度までさらに希釈する。
【0154】
384ウェルの白色非結合プレート(Corning、カタログ#3574)中でアッセイを行う。試験化合物の溶液(10μL)を、乾燥したアッセイプレートに移し、続いて上記の20μLのキナーゼおよび20μLのATP+基質ペプチド1を加える。キナーゼ反応混合物を、28℃で90分間インキュベートし、続いて30μLのATP検出試薬を室温で15分間加える。相対光単位(RLU)シグナルを、384ウェルを使用して発光モードでLJL Analyst(Molecular Devices)で測定する。RLUシグナルを、式を使用して、対照のパーセント(POC)値に変換した。
POC=100*(BCTRL−シグナル)/(BCTRL−PCTRL)
式中、シグナルは試験ウェルRLUシグナルであり、BCTRLは、ATP+ペプチドおよび化合物バッファー、プレート上のウェルのシグナルからなるバックグラウンド(陰性対照)の平均であり、PCTRLは、キナーゼ、ATP+ペプチド、および化合物バッファー、プレート上のウェルのシグナルからなる陽性対照の平均である。濃度応答性化合物について、試験化合物の濃度に応じたPOCを、フォームの4パラメータロジスティック式にフィットさせる。
Y=A+(B−A)/[1+(x/C)D
式中、A、B、C、およびDは、フィットしたパラメータであり(パラメータBは、ゼロPOCで固定する)、xおよびyは、各々、独立変数および従属変数である。IC50(50%阻害濃度)は、屈曲点パラメータ、Cとして決定する。
【0155】
実験方法B:ヒトRSK2Trans−レポーターアッセイ
化合物を、細胞中のRSK2による転写因子CREB(cAMP応答配列結合タンパク質)のリン酸化を阻害するそれらの能力について評価する。
指数関数的に増殖するHLR−CREB細胞の細胞単層(PathDetect(登録商標)HeLaルシフェラーゼレポーターCREB細胞、Stratagene)を、下記の方法によって調製する。100mm培養皿中で、7.5×105個のHLR−CREB細胞を、RPMI−1640、10%熱失活FCS、2mMのグルタミン、および50μg/mLのゲンタマイシンからなる10mLの培地に加える。細胞を一晩接着させ、この時点で6mLの培地を除去する。
【0156】
Effectene(Quiagen)を使用して下記の方法によって、細胞単層にRSK2をトランスフェクトする。DNA、pCMV6−XL−RSK2(1.0μg)およびpCDNA3.1(1.0μg)の混合物を、300μLのDNA凝縮バッファーに加える。16μLのエンハンサーを加えることによって複合体が形成され、混合物を室温で5分間インキュベートする。次いで、60μLのEffecteneを加え、混合物を室温でさらに10分間インキュベートする。最終容量を完全培地で2.0mLに調節し、細胞単層に加える。
【0157】
トランスフェクションの5時間後、細胞を白色の96ウェル培養プレート(Greiner Bio−One655083)中に蒔く。トランスフェクションの20〜24時間後に、化合物を様々な濃度で細胞に加え、20nMのPhorbol12−ミリステート13−アセテート(PMA)で刺激する。ルシフェラーゼ発現の決定は、トランスフェクションの48時間後であった。ルシフェラーゼ活性を、Steady−Glo(Promega)によって提供されたプロトコルを使用して決定した。
結果は、阻害剤の非存在下で測定した対照に対するルシフェラーゼ活性パーセントとして表す(POC)。試験化合物の濃度に応じてPOCを表すデータは、フォームの4パラメータロジスティック式にフィットさせた。Y=A+(B−A)/[1+(x/C)D](式中、A、B、C、およびDは、フィットしたパラメータであり、xおよびyは、各々、独立変数および従属変数である)。IC50(50%阻害濃度)は、屈曲点パラメータ、Cとして決定した。各データポイントは、三連の観察の平均を表す。
併行して、化合物の細胞毒性を、AlamarBlue(Invitrogen)の減少によって評価した。トランスフェクションの5時間後、細胞を、透明な96ウェル培養プレート(Costar3595)に蒔き、ルシフェラーゼ発現のために上記の化合物と共に培養する。AlamarBlueを各ウェルにトランスフェクションの48時間後に加え、インキュベーターに37℃にてさらに3〜4時間戻した。蛍光単位は、励起について540nmおよび発光について590nmを使用して決定した。
【0158】
AlamarBlueの結果は、阻害剤の非存在下で測定した対照に対する蛍光単位パーセントとして表す(POC)。試験化合物の濃度に応じてPOCを表すデータを、フォームの4パラメータロジスティック式にフィットさせた。Y=A+(B−A)/[1+(x/C)D](式中、A、B、C、およびDは、フィットしたパラメータであり、xおよびyは、各々、独立変数および従属変数である)。各データポイントは、三連の観察の平均を表す。
【0159】
例1〜239のRSK2(IC50)活性を、下記の表4に示す。
【表4】











【0160】
使用方法
本発明の化合物は、RSK2の有効な阻害剤である。したがって、本発明の一実施形態において、本発明の化合物を使用したRSK2によってレギュレートされる障害を治療する方法を提供する。別の実施形態において、本発明の化合物を使用した心血管、炎症性、アレルギー性、肺および線維性の疾患、腎疾患ならびに癌を治療する方法を提供する。
【0161】
RSK2活性の阻害または調節は、RSKによって媒介される種々の疾患を予防および治療するための魅力的な手段である。これらには、
心血管疾患(アテローム性動脈硬化症、心筋梗塞、脳卒中、大動脈瘤、鎌状赤血球クリーゼ、虚血再灌流障害、肺動脈高血圧症および敗血症を含む);
アレルギー性疾患(喘息、アレルギー性鼻炎、鼻副鼻腔炎、アトピー性皮膚炎およびじんま疹を含む);
線維性疾患(喘息、特発性肺線維症、強皮症、石綿症における気道リモデリングを含む);
肺症候群(成人呼吸促迫症候群、ウイルス性細気管支炎、閉塞性睡眠時無呼吸、慢性閉塞性肺疾患、嚢胞性線維症、および気管支肺異形成症を含む);
炎症性疾患(関節リウマチ、骨関節炎、痛風、糸球体腎炎、間質性膀胱炎、乾癬、炎症性腸疾患、全身性エリテマトーデス、移植片拒絶を含む);ならびに
癌(固形腫瘍、白血病およびリンパ腫を含む)、
腎疾患(糸球体腎炎など)
が含まれる。
【0162】
上記の疾患および状態を治療するために、治療有効用量は一般に、本発明の化合物の投与量毎に約0.01mg〜約100mg/kg体重、好ましくは投与量毎に約0.1mg〜約20mg/kg体重の範囲である。例えば、70kgの人への投与のために、投与量範囲は、本発明の化合物の投与量毎に約0.7mg〜約7000mg、好ましくは投与量毎に約7.0mg〜約1400mgである。最適な投与レベルおよびパターンを決定するために、ある程度の通例の用量の最適化が必要であり得る。活性成分は、1日1〜6回投与し得る。
【0163】
一般投与および医薬組成物
医薬品として使用するとき、本発明の化合物は典型的には、医薬組成物の形態で投与される。このような組成物は、製薬技術において周知の手順を使用して調製することができ、少なくとも1種の本発明の化合物を含む。本発明の化合物はまた、単独で、あるいは本発明の化合物の安定性を増強し、特定の実施形態において本発明の化合物を含有する医薬組成物の投与を容易にし、溶解または分散の増加、アンタゴニスト活性の増加を実現し、補助療法などを実現するアジュバントと組み合わせて投与し得る。本発明による化合物は、それら自体で、または本発明による他の活性物質と併せて、他の薬理学的活性物質とまた併せて使用し得る。一般に、本発明の化合物は、治療有効量または医薬有効量で投与されるが、診断または他の目的のためにより低い量で投与し得る。
【0164】
純粋な形態での、または適当な医薬組成物中の本発明の化合物の投与は、医薬組成物の認められている投与方法のいずれかを使用して行なうことができる。したがって、投与は、固体、半固体、凍結乾燥粉末、または液体剤形の形態(例えば、錠剤、坐剤、丸剤、軟カプセル剤および硬カプセル剤、散剤、溶液剤、懸濁剤、またはエアゾール、または同様のものなど)で、好ましくは正確な投与量の単純な投与に適した単位剤形で、例えば、経口的、口腔(例えば、舌下)、経鼻、非経口的、局所的、経皮的、経膣的、または直腸でよい。医薬組成物には一般に、通常の医薬担体または賦形剤、および活性剤として本発明の化合物が含まれ、さらに、他の薬剤、医薬品、担体、アジュバント、希釈剤、ビヒクル、またはこれらの組合せが含まれてもよい。このような薬学的に許容される賦形剤、担体、または添加剤、ならびに様々なモードまたは投与のために医薬組成物を作製する方法は、当業者には周知である。現況技術は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第20版、A.Gennaro(編)、Lippincott Williams & Wilkins、2000;Handbook of Pharmaceutical Additives、Michael & Irene Ash(編)、Gower、1995;Handbook of Pharmaceutical Excipients、A.H.Kibbe(編)、American Pharmaceutical Ass’n,2000;H.C.AnselおよびN.G.Popovish、Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems、第5版、Lea and Febiger、1990(現況技術をより良好に記載するために、それらの各々が参照により本明細書中にその全体が組み込まれている)によって証明されている。
【0165】
当業者であれば予想するように、製剤が効果的であるために必要とされる適切な物理的特性(例えば、水溶性)を有する、特定の医薬製剤において利用される本発明の化合物の形態が選択される(例えば、塩)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
N−(2−メトキシピリジン−4−イル)−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−(1−エチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−4,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
N−(1−エチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−cis−3,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
4R)−N−{1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−4−メチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
N−(1−エチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−5−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
5−メチル−1−オキソ−N−[1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
(4R)−N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−4−メチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−4,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
(3S,4R)−N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−3,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−4−メチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
4,4−ジメチル−N−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
N−{1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−4,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
4−メチル−N−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
(5R)−5−メチル−1−オキソ−N−[1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−(1−エチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−4−メチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
N−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−5−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
(5R)−N−{1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−5−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−{1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−1’−オキソ−2’,3’−ジヒドロ−1’H−スピロ[シクロプロパン−1,4’−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール]−8’−カルボキサミド;
(5R)−N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−5−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−cis−3,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
N−{1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−cis−3,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
(3S,4R)−N−{1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−3,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
N−{1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−5−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−(1−エチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−(5−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−5−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−(1−エチル−5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
cis−3,4−ジメチル−1−オキソ−N−[1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−4,4−ジフルオロ−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
4,4−ジメチル−1−オキソ−N−[1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
からなる群から選択される化合物または薬学的に許容されるその塩。
【請求項2】
5−メチル−N−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−4,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
N−[2−(シクロペンチルカルバモイル)−1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル]−5−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−(1H−インドール−2−イル)−4−メチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
N−(5−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
1−オキソ−N−[1−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
(4S)−4−メチル−1−オキソ−N−[1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
N−{1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−4−メチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
5−メチル−N−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−[2−(シクロペンチルカルバモイル)−1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル]−4,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
N−{1−[3−(ジメチルアミノ)ベンジル]−1H−ピラゾール−4−イル}−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
cis−4,5−ジメチル−1−オキソ−N−[1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−(5−クロロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−[2−(tert−ブチルカルバモイル)−1−メチル−1H−イミダゾール−4−イル]−4,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
N−(6−メトキシピリミジン−4−イル)−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−(1−エチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−trans−3,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
(3S,4R)−3,4−ジメチル−N−(5−メチル−1,2−オキサゾール−3−イル)−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
4−メチル−1−オキソ−N−[1−(プロパン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−cis−4,5−ジメチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−(2−カルバモイルフェニル)−4,4−ジメチル−1−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
N−[1−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−4,4−ジメチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−(3−エチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル)−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−1’−オキソ−2’,3’−ジヒドロ−1’H−スピロ[シクロプロパン−1,4’−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール]−8’−カルボキサミド;
1−オキソ−N−[5−(プロパン−2−イル)−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
cis−3,4−ジメチル−1−オキソ−N−[1−(プロパン−2−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジン−5−イル]−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
4,4−ジメチル−1−オキソ−N−(3−フェニル−1,2−オキサゾール−5−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロピラジノ[1,2−a]インドール−7−カルボキサミド;
N−{1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−cis−4,5−ジメチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−(6−クロロ−1−エチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
1−オキソ−N−[1−(ピリジン−4−イルメチル)−1H−ピラゾール−4−イル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
N−(1−ベンジル−1H−ピラゾール−4−イル)−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
(5S)−N−{1−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル}−5−メチル−1−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−[1,4]ジアゼピノ[1,2−a]インドール−8−カルボキサミド;
からなる群から選択される化合物または薬学的に許容されるその塩。
【請求項3】
1種もしくは複数の賦形剤および/または担体と合わさっていてもよい、請求項1または2に記載の1種もしくは複数の化合物、または薬学的に許容されるその塩を含む、医薬組成物。
【請求項4】
それを必要としている患者に、医薬有効量の請求項1または2に記載の1種もしくは複数の化合物、または薬学的に許容されるその塩を投与することを含む、RSK2によってレギュレートされる障害を治療する方法。
【請求項5】
RSK2によってレギュレートされる障害が、心血管疾患、炎症性疾患、アレルギー性疾患、肺疾患、線維性疾患、腎疾患および癌からなる群から選択される、請求項4に記載の方法。

【公表番号】特表2013−512952(P2013−512952A)
【公表日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543144(P2012−543144)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/058271
【国際公開番号】WO2011/071716
【国際公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TEFLON
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【Fターム(参考)】