説明

インドール誘導体、またはその薬理学的に許容される塩の医薬用途

【課題】EP受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩の医薬用途、およびEP受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩を含有する医薬組成物の提供。
【解決手段】EP受容体拮抗作用を有する、一般式(I)


〔式中、Aはベンゼン環等であり、YはC1−6アルキレン基等であり、Rは水素原子等であり、Rは水素原子等であり、Rは置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよい5員環である芳香族複素環基等であり、Rはハロゲン原子、C1−6アルコキシ基等であり、Rは水素原子等であり、Rは水素原子等を表す〕で表される化合物またはその薬理学的に許容される塩を含有する、EP受容体拮抗薬。EP受容体拮抗薬は、LUTS、特にOABsの諸症状の治療薬または予防薬として利用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬品として有用なEP受容体拮抗作用を有するインドール誘導体、またはその薬理学的に許容される塩を含有する医薬組成物およびその医薬用途に関する。
【背景技術】
【0002】
高齢化社会・ストレス社会の伸展に伴い、下部尿路機能障害(LUTD)の患者数が増加している。LUTDとは蓄尿障害と排尿障害の総称であり、LUTDから発症する症状が下部尿路症状(LUTS)である。LUTSの1つとして、過活動膀胱症候群(OABs)がある。OABsは一般に過活動膀胱(OAB)とも呼ばれることもある。いずれにせよ、「尿意切迫感を必須とした症状症候群であり、通常は頻尿と夜間頻尿を伴うものである。切迫性尿失禁は必須ではない。」と定義されている疾患である。OABsに伴うこれらの症状は、仕事、日常生活、精神活動等の生活全般に支障をきたし、生活の質(QOL)を低下させる。現在、OABsの治療薬としては、抗コリン薬が第一選択薬である。しかし、抗コリン薬は口渇や残尿のような抗ムスカリン様作用にも十分に配慮して使用する必要がある上、必ずしも全ての患者に対して有効とは限らない(例えば、非特許文献1参照)。このような状況下、抗コリン薬とは異なるメカニズムの治療薬の開発が望まれている(例えば、非特許文献1参照)。
【0003】
近年、LUTS、特にOABsにおいて、尿路上皮の役割が注目されている。LUTSにおいて尿路上皮細胞では、種々の化学伝達物質が放出され、膀胱知覚神経終末の受容体を介して、排尿反射を引き起こす事が明らかになってきた。中でも、化学伝達物質の1つであるプロスタグランジンE(PGE)は尿路上皮における求心性神経(特にC線維)のプロスタグランジンE受容体1(EP受容体)に結合することにより排尿反射を亢進させる。また、PGEは膀胱平滑筋に存在するEP受容体に結合することにより膀胱を収縮させる。実際に、EP受容体拮抗薬が、PGEによる排尿反射の亢進および求心性神経活動の亢進の何れをも抑制することが報告されている(例えば、非特許文献2および非特許文献3参照)。これらから、PGEがEP受容体を介して膀胱平滑筋の収縮および膀胱知覚神経の亢進に関与していると示唆される。さらに、EP受容体拮抗薬は残尿量を増加させること無く、膀胱容量を増加させることも報告されている(例えば、非特許文献4参照)。
【0004】
PGEの受容体としては、EPのほか、EP、EPおよびEPの4つのサブタイプが存在する。EP受容体は、膀胱および尿路上皮のほか、肺、骨格筋および腎集合管等に存在する(例えば、非特許文献2参照)。然るに、PGE受容体サブタイプの選択性、薬物の標的臓器や標的組織を変えることにより、所望の疾患に対する治療薬を開発することができると期待される。
【0005】
さて、古典的補体経路阻害薬として一般式(A)で示される化合物が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
【化1】


〔式中、R’、R”は独立して水素原子または低級アルキル基を表す。〕
しかし、これら化合物がEP受容体拮抗作用を有することは、記載も示唆も一切ない

【0007】
EP受容体拮抗作用を有するインドール誘導体としては、化学構造式(B)で表される化合物(6−(6−クロロ−3−イソブチルインドール−1−イル)ピリジン−2−カルボン酸ナトリウム)およびその類縁体が開示されている(例えば、非特許文献5参照)。
【0008】
【化2】

【0009】
しかし、これら化合物は、本発明の化合物とは置換基の位置、種類等において化学構造式が異なっている。また、下部尿路症状の治療のために有用であるとの記載もない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許4510158号
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】関成人, 「日本薬理学雑誌」, 2007年, 129巻, p. 368-373
【非特許文献2】Xiaojun Wang, et al., 「Biomedical Research」, 2008年, 29巻, p. 105-111
【非特許文献3】Masahito Kawatani, 「PAIN RESEARCH」, 2004年, 19巻, p. 185-190
【非特許文献4】前川正信, 「日本排尿機能学会誌」, 2008年, 19巻, p. 169
【非特許文献5】Adrian Hall, et al., 「Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters」, 2008年, p.2684-2690
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、EP受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩の医薬用途、およびEP受容体拮抗作用を有する化合物またはその薬理学的に許容される塩を含有する医薬組成物を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、EP受容体拮抗作用を有する化合物を見出すべく鋭意検討した。その結果、本発明の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩が強力なEP受容体拮抗作用があることを見出し、本発明をなすに至った。
【0014】
即ち、前記課題を解決する為の手段は下記の通りである。
〔1〕一般式(I)で表される化合物、またはその薬理学的に許容される塩を含有する、EP受容体拮抗薬
【化3】

〔式中、
Aは、以下のa)〜h):
【化4】

からなる群から選択される基であり;
およびWは、一方が窒素原子であり、他方が=CH−または窒素原子であり;
は、酸素原子または硫黄原子であり;
は、=CH−または窒素原子であり;
Xは、水素原子またはハロゲン原子であり;
Yは、C1−6アルキレン基またはハロC1−6アルキレン基であり;
は、水素原子またはC1−6アルキル基であり;
は、水素原子、C1−6アルキル基またはC7−10アラルキル基であり;
は、以下のi)〜m):
i)分枝鎖のC3−6アルキル基、
j)C3−6シクロアルキル基、
k)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、ヒドロキシC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基およびシアノ基から独立して選択される1〜5個の基で環が置換されるフェニル基、
l)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、ヒドロキシC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基およびシアノ基から独立して選択される1〜4個の基で環が置換される6員環の芳香族複素環基,および
m)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、ヒドロキシC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基およびシアノ基から独立して選択される1〜3個の基で環が置換される5員環の芳香族複素環基
からなる群から選択される基であり;
は、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、ヒドロキシC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロC1−6アルコキシ基、C1−6アルキルスルファニル基、C1−6アルキルスルフィニル基、C1−6アルキルスルホニル基、
3−6シクロアルキル基、シアノ基、アミノ基またはニトロ基であり;
は、水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基またはC1−6アルコキシ基であり;
は、水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基またはC1−6アルコキシ基を表す。ただし、(*)を付された結合はYと結合し、(**)を付された結合はCOと結合することを表す。〕。
〔2〕Aが、以下のa)〜d):
【化5】

からなる群から選択される基である、(1)記載のEP受容体拮抗薬。
〔3〕Aが、以下のa)〜c):
【化6】

からなる群から選択される基であり、
が、窒素原子であり;
が、=CH−あり;
Xが、水素原子である、(2)記載のEP受容体拮抗薬。
〔4〕Rが、以下のa)〜c):
a)分枝鎖のC3−6アルキル基、
b)フェニル基、および
c)5員環の芳香族複素環基もしくは6員環の芳香族複素環基
からなる群から選択される基であり;
が、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、C1−6アル
コキシ基、ハロC1−6アルコキシ基またはシアノ基であり;
が水素原子であり;
が水素原子である、(3)記載のEP受容体拮抗薬。
〔5〕Rが水素原子である、(4)記載のEP受容体拮抗薬。
〔6〕Yがメチレン基であり、Rが水素原子である、(5)記載のEP受容体拮抗薬。
〔7〕Rが、フェニル基、5員環の芳香族複素環基または6員環の芳香族複素環である、(6)記載のEP受容体拮抗薬。
〔8〕Rがハロゲン原子またはC1−6アルコキシ基である、(7)記載のEP受容体拮抗薬。
〔9〕Rが、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基である、(6)記載のEP受容体拮抗薬。
〔10〕Rがハロゲン原子またはC1−6アルコキシ基である、(9)記載のEP受容体拮抗薬。
〔11〕Aが、以下の式
【化7】

で表される基である、(2)記載のEP受容体拮抗薬。
〔12〕Rが、水素原子である、(11)記載のEP受容体拮抗薬。
〔13〕Rが、以下のa)〜d):
【化8】

からなる群から選択される基であり;
は、窒素原子または−CR9c=であり;
6a、R6b、R6c、R6d、R6e、R7a、R7b、R7c、R7d、R8a、R8b、R8c、R9a、R9bおよびR9cは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、ヒドロキシC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基またはシアノ基である、(3)記載のEP受容体拮抗薬。
〔14〕Rが、水素原子である、(13)記載のEP受容体拮抗薬。
〔15〕(1)〜(14)の何れか一項に記載のEP受容体拮抗薬を含有する、下部尿路症状の治療または予防薬。
〔16〕以下からなる群:抗コリン薬、αアンタゴニスト、βアゴニスト、5α−リダクターゼ阻害薬、PDE阻害薬、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬、抗男性ホルモン、プロゲステロン系ホルモン、LH−RHアナログ、ニューロキニン阻害薬、抗利尿薬、カルシウムチャネルブロッカー、平滑筋直接作用薬、三環系抗うつ薬、Kチャネル調節薬、ナトリウムチャネルブロッカー、Hブロッカー、セロトニン再取り込み阻害薬、ノルエピネフリン再取り込み阻害薬、ドーパミン再取り込み阻害薬、GABAアゴニスト、TRPV1調節薬、エンドセリン拮抗薬、5−HT1Aアンタゴニスト、αアゴニスト、オピオイドアゴニスト、PXアンタゴニスト、COX阻害薬、σアゴニストおよびムスカリンアゴニストから選択される少なくとも1種の薬剤とを組み合わせて使用する、(15)記載の下部尿路症状の治療または予防薬。
〔17〕(1)〜(14)の何れか一項に記載のEP受容体拮抗薬を含有する医薬組成物。
〔18〕以下からなる群:抗コリン薬、αアンタゴニスト、βアゴニスト、5α−リダクターゼ阻害薬、PDE阻害薬、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬、抗男性ホルモン、プロゲステロン系ホルモン、LH−RHアナログ、ニューロキニン阻害薬、抗利尿薬、カルシウムチャネルブロッカー、平滑筋直接作用薬、三環系抗うつ薬、Kチャネル調節薬、ナトリウムチャネルブロッカー、Hブロッカー、セロトニン再取り込み阻害薬、ノルエピネフリン再取り込み阻害薬、ドーパミン再取り込み阻害薬、GABAアゴニスト、TRPV1調節薬、エンドセリン拮抗薬、5−HT1Aアンタゴニスト、αアゴニスト、オピオイドアゴニスト、PXアンタゴニスト、COX阻害薬、σアゴニストおよびムスカリンアゴニストから選択される少なくとも1種の薬剤とを組み合わせて使用する、(17)記載の医薬組成物。
〔19〕下部尿路症状の予防または治療用の医薬組成物を製造するための、(1)〜(14)の何れか一項に記載の化合物、またはその薬理学的に許容される塩の使用。
【発明の効果】
【0015】
本発明の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩は、例えば、EP受容体拮抗作用確認試験において、強力なEP受容体拮抗作用を示した。よって、本発明の化合物(I)、またはその薬理学的に許容される塩は、EP受容体拮抗作用に基づき、下部尿路症状(LUTS)、特に過活動膀胱症候群(OABs)等の治療薬または予防薬として有用である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書における用語について説明する。
【0017】
「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子を意味する。好ましくは、フッ素原子または塩素原子である。
【0018】
「C1−6アルキル基」とは、炭素数1〜6の分枝していても良いアルキル基を意味する。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基等が挙げられる。Rにおいては、メチル基、エチル基またはプロピル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましく、メチル基がさらに好ましい。Rにおいては、メチル基が好ましい。
【0019】
「分枝鎖のC3−6アルキル基」とは、炭素数3〜6の分枝鎖状のアルキル基を意味する。例えば、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、1,2−ジメチルプロピル基、1−エチルプロピル基、イソヘキシル基等が挙げられる。好ましくは、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基または1−エチルプロピル基である。より好ましくは、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基である。さらに好ましくはtert−ブチル基である。
【0020】
「C1−6アルコキシ基」とは、炭素数1〜6の分枝していても良いアルコキシ基を意味する。例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられる。Rにおいては、メトキシ基またはエトキシ基が好ましく、メトキシ基がより好ましい。
【0021】
「ハロC1−6アルキル基」とは、1〜5個の同種または異種のハロゲン原子で置換されたC1−6アルキル基を意味する。例えば、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−クロロエチル基、2−フルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、1,2−ジフルオロエチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、3−フルオロプロピル基、2−フルオロプロピル基、1−フルオロプロピル基、3,3−ジフルオロプロピル基、2,2−ジフルオロプロピル基、1,1−ジフルオロプロピル基、1−フルオロブチル基、1−フルオロペンチル基または1−フルオロヘキシル基等が挙げられる。好ましくは、モノフルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、2,2−ジフルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、1,2−ジフルオロエチル基または2,2,2−トリフルオロエチル基である。より好ましくは、モノフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、2−フルオロエチル基、1,1−ジフルオロエチル基、1,2−ジフルオロエチル基または2,2,2−トリフルオロエチル基である。さらに好ましくは、モノフルオロメチル基またはトリフルオロメチル基である。
【0022】
「ヒドロキシC1−6アルキル基」とは、水酸基で置換されたC1−6アルキル基を意味する。例えば、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシ−1,1−ジメチルメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
【0023】
「C1−6アルキルスルファニル基」とは、(C1−6アルキル)−S−で表される基を意味する。例えば、メチルスルファニル基、エチルスルファニル基、プロピルスルファニル基、ブチルスルファニル基、ペンチルスルファニル基、ヘキシルスルファニル基等が挙げられる。
【0024】
「C1−6アルキルスルフィニル基」とは、(C1−6アルキル)−S(=O)−で表される基を意味する。例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、ペンチルスルフィニル基、ヘキシルスルフィニル基等が挙げられる。
【0025】
「C1−6アルキルスルホニル基」とは、(C1−6アルキル)−SO−で表される基を意味する。例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、プロパンスルホニル基、ブタンスルホニル基、ペンタンスルホニル基、ヘキサンスルホニル基等が挙げられる。
【0026】
「C3−6シクロアルキル基」とは、炭素数3〜6個の単環性飽和脂環式炭化水素基を意味する。例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。好ましくは、シクロプロピル基またはシクロペンチル基である。Rにおいて、より好ましくは、シクロプロピル基である。
【0027】
「ハロC1−6アルコキシ基」とは、1〜5個の同種または異種のハロゲン原子で置換されたC1−6アルコキシ基を意味する。例えば、モノフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2−クロロエトキシ基、2−フルオロエトキシ基、2,2−ジフルオロエトキシ基、1,1−ジフルオロエトキシ基、1,2−ジフルオロエトキシ基、2,2,2−トリフルオロエトキシ基、1,1,2,2,2−ペンタフルオロエトキシ基、2,2,2−トリクロロエトキシ基、3−フルオロプロポキシ基、2−フルオロプロポキシ基、1−フルオロプロポキシ基、3,3−ジフルオロプロポキシ基、2,2−ジフルオロプロポキシ基、1,1−ジフルオロプロポキシ基、4−フルオロブトキシ基、5−フルオロペンチルオキシ基、6−フルオロヘキシルオキシ基等が挙げられる。好ましくは、モノフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2−フルオロエトキシ基、2,2−ジフルオロエトキシ基、1,1−ジフルオロエトキシ基、1,2−ジフルオロエトキシ基または2,2,2−トリフルオロエトキシ基である。より好ましくは、モノフルオロメトキシ基、ジフルオロメトキシ基、トリフルオロメトキシ基、2−フルオロエトキシ基、1,1−ジフルオロエトキシ基、1,2−ジフルオロエトキシ基または2,2,2−トリフルオロエトキシ基である。さらに好ましくは、ジフルオロメトキシ基またはトリフルオロメトキシ基である。
【0028】
「C7−10アラルキル基」とは、アリール基で置換された炭素数1〜4個のアルキル基を意味する。例えば、ベンジル基、フェネチル基、1−フェニルエチル基、3−フェニルプロピル基、4−フェニルブチル基等が挙げられる。
【0029】
「5もしくは6員環の芳香族複素環基」とは、酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を環内に含む5または6員環の基を意味する。例えば、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、フリル基、ピロリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、1,2,4−トリアゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、1,3,4−オキサジアゾリル基、1,2,4−オキサジアゾリル基等が挙げられる。好ましくは、5員環の芳香族複素環基である。より好ましくは2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基または3−チエニル基である。さらに好ましくは、3−フリル基または3−チエニル基である。
【0030】
「5員環の芳香族複素環基」とは、酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選択される1〜4個のヘテロ原子を環内に含む5員環の基を意味する。例えば、フリル基、ピロリル基、チエニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、1,2,4−トリアゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、1,3,4−オキサジアゾリル基、1,2,4−オキサジアゾリル基等が挙げられる。好ましくは、2−フリル基、3−フリル基、2−チエニル基または3−チエニル基である。より好ましくは、3−フリル基または3−チエニル基である。
【0031】
「6員環の芳香族複素環基」とは、1〜4個の窒素原子を環内に含む6員環の基を意味する。例えば、ピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基等が挙げられる。好ましくは、ピリジル基であり、より好ましくは、3−ピリジル基である。
【0032】
「C1−6アルキレン基」とは、炭素数1〜6の2価の直鎖または分枝鎖状の飽和炭化水素鎖を意味する。例えば、−CH−、−CHCH−、−CH(CH)−、−(CH−、−CH(CH)CH−、−CHCH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−(CH−、−CH(CH)−(CH−、−(CH−CH(CH)−、−CH(CHCH)−CH−、−C(CHCH−、−CH−C(CH−、−CH(CH)−CH(CH)−、−(CH−、−CH(CH)−(CH−、−C(CHCHCH−、−(CH−、−C(CH(CH−等が挙げられる。
【0033】
「C1−5アルキレン基」とは、炭素数1〜5の2価の直鎖または分枝鎖状の飽和炭化水素鎖を意味する。例えば、−CH−、−(CH−、−CH(CH)−、−(CH−、−CH−CH(CH)−、−C(CH−、−(CH−、−(CH−等が挙げられる。
【0034】
「ハロC1−6アルキレン基」とは、C1−6アルキレン基の水素原子が1〜4個のハロゲン原子で置換された基を意味する。水素原子を置換するためのハロゲン原子としてはフッ素原子または塩素原子が好ましく、より好ましくはフッ素原子である。このようなハロC1−6アルキレン基としては、例えば、−CHF−、−CF−、−CFCH−、CHCF−、CFCF−、−CCl−、−CClCH−、−CHCCl−、−CClCCl−、等が挙げられる。
【0035】
以下、本発明をより詳細に説明する。
【0036】
本発明の化合物(I)において1つまたはそれ以上の不斉炭素原子が存在する場合、本発明は各々の不斉炭素原子がR配置の化合物、S配置の化合物、およびそれらの任意の組み合せの化合物のいずれも包含する。またそれらのラセミ化合物、ラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物が本発明の範囲に含まれる。本発明の化合物(I)において幾何学異性が存在する場合、本発明はその幾何学異性体のいずれも包含する。
【0037】
本発明の化合物(I)は、必要に応じて常法に従い、その薬理学的に許容される塩とすることができる。このような塩としては、酸付加塩または塩基との塩とすることができる。
【0038】
このような酸付加塩としては、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸との酸付加塩、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、プロピオン酸、クエン酸、コハク酸、酒石酸、フマル酸、酪酸、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、乳酸、リンゴ酸、炭酸、グルタミン酸、アスパラギン酸等の有機酸との酸付加塩を挙げることができる。
【0039】
塩基との塩としては、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等の無機塩基との塩、ピペリジン、モルホリン、ピロリジン、アルギニン、リジン等の有機塩基等との塩を挙げることができる。
【0040】
さらに本発明の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩には、水和物、エタノール等の医薬品として許容される溶媒との溶媒和物も含まれる。
【0041】
本発明でいう「EP受容体拮抗作用」とは、プロスタグランジンE(PGE)のプロスタグランジンE受容体1(EP受容体)への結合を阻害する作用を意味する。
EP受容体拮抗作用は、細胞内へのカルシウムの流入量を減少させ、細胞内カルシウム濃度を低下または抑制させる。この結果、EP受容体拮抗作用は平滑筋弛緩および知覚神経刺激抑制等の作用を示す。特に、EP受容体拮抗作用薬は、膀胱、尿路上皮等において作用することにより、LUTS、中でもOABs等の症状の治療薬または予防薬として有用である。
また、EP受容体拮抗作用は、PGEによる細胞内へのカルシウム流入量を阻害する効力によって評価できる。この効力は、特開2008−214224号記載の「薬理試験例」に準ずるin vitro試験またはin vivo試験によって、評価することができる。
【0042】
本発明の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩において、好ましい置換基は次の通りである。
【0043】
(I−1)Aは、好ましくはベンゼン環、ピリジン環またはチアゾール環である。
(I−2)Yは、好ましくはメチレン基、−CH(CH)−または−C(CH−であり、より好ましくはメチレン基である。
(I−3)Rは、好ましくは水素原子またはC1−6アルキル基であり、より好ましくは水素原子である。
(I−4)Rは、好ましくはtert−ブチル基、フェニル基または5員環の芳香族複素環基もしくは6員環の芳香族複素環基、以下からなる群:ハロゲン原子、C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、ヒドロキシC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基およびシアノ基から独立して選択される1〜3個の基で環が置換されるフェニル基、以下からなる群:ハロゲン原子、C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、ヒドロキシC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基およびシアノ基から独立して選択される1〜2個の基で環が置換される6員環の芳香族複素環基、あるいは以下からなる群:ハロゲン原子、C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、ヒドロキシC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基およびシアノ基から独立して選択される1〜2個の基で環が置換される5員環の芳香族複素環基である。より好ましくはtert−ブチル基、フェニル基、3−フリル基、3−チエニル基、あるいは以下のa)〜d):
【0044】
【化9】

からなる群から選択される基である(式中、
6a、R6b、R6c、R6dおよびR6eは以下のe)〜g):
e)R6a、R6b、R6c、R6dおよびR6eの内の1つの基はハロゲン原子、C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、ヒドロキシC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基もしくはシアノ基であり、その他の4つの基は水素原子、
f)R6a、R6b、R6c、R6dおよびR6eの内の2つの基は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、ヒドロキシC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基もしくはシアノ基であり、その他の3つの基は水素原子、および
g)R6a、R6b、R6c、R6dおよびR6eの内の3つの基は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、ヒドロキシC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基もしくはシアノ基であり、その他の2つの基は水素原子からなる群から選択される基であり、
7a、R7b、R7cおよびR7dは以下のh)およびi):
h)R7a、R7b、R7cおよびR7dの内の1つの基はハロゲン原子、C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、ヒドロキシC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基もしくはシアノ基であり、その他の3つの基は水素原子、および
i)R7a、R7b、R7cおよびR7dの内の2つの基は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、ヒドロキシC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基もしくはシアノ基であり、その他の2つの基は水素原子
からなる群から選択される基であり、
8a、R8b、およびR8cは以下のj)およびk):
j)R8a、R8bおよびR8cの内の1つの基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル基
、ハロC1−6アルキル基、ヒドロキシC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基もしくはシアノ基であり、その他の2つの基は水素原子、および
k)R8a、R8bおよびR8cの内の2つの基は、それぞれ独立して、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、ヒドロキシC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基もしくはシアノ基であり、その他は水素原子
からなる群から選択される基であり、
9aおよびR9bは、wが−CR9c=である場合、R9a、R9bおよびR9cの内の1つの基が、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、ヒドロキシC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基もしくはシアノ基であり、その他の2つの基が水素原子であり、wが窒素原子である場合、R9aおよびR9bの内の1つの基が、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、ヒドロキシC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基もしくはシアノ基であり、他方の基が水素原子である)。さらに好ましくはtert−ブチル基またはフェニル基である。
(I−5)Rは、好ましくは塩素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基またはトリフルオロメトキシ基であり、より好ましくは塩素原子、フッ素原子、メチル基、メトキシ基、エトキシ基またはトリフルオロメトキシ基であり、さらに好ましくは塩素原子またはメトキシ基であり、特に好ましくはメトキシ基である。
(I−6)Rは、好ましくは水素原子またはメチル基であり、より好ましくは水素原子である。
【0045】
本発明の化合物(I)、またはその薬理学的に許容される塩の好ましい実施態様としては、(I−1)〜(I−6)に記載の好ましい置換基の組み合わせからなる化合物である。
【0046】
実施態様1
本発明の好ましい実施態様としては、
Yがメチレン基であり;
Aがベンゼン環またはピリジン環であり;
が水素原子であり;
がフェニル基または5員環の芳香族複素環基であり;
がメトキシ基またはエトキシ基であり;
が水素原子である。
【0047】
本実施態様に包含される具体的化合物としては、以下の化合物が挙げられる。
6−(6−メトキシ−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例4−1)、3−(6−メトキシ−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)安息香酸(実施例4−2)、3−(6−メトキシ−2−チオフェン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)安息香酸(実施例4−12)、6−(6−エトキシ−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例4−34)、6−(6−メトキシ−2−チオフェン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例11−1)、6−〔2−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシ−1H−インドール−3−イルメチル〕ピリジン−2−カルボン酸(実施例11−5)、6−(2−フラン−3−イル−6−メトキシ−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例11−10)、6−〔2−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−1H−インドール−3−イルメチル〕ピリジン−2−カルボン酸(実施例11−13)、3−(2−フラン−3−イル−6−メトキシ−1H−インドール−3−イルメチル)安息香酸(実施例11−15)、6−(6−メトキシ−2−チオフェン−2−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例11−17)、6−〔6−メトキシ−2−(5−メチルチオフェン−3−イル)−1H−インドール−3−イルメチル〕ピリジン−2−カルボン酸(実施例11−20)、6−〔2−(3−クロロフェニル)−6−メトキシ−1H−インドール−3−イルメチル〕ピリジン−2−カルボン酸(実施例11−21)、6−(6−メトキシ−2−チアゾール−5−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例11−24)、6−〔6−メトキシ−2−(3−メトキシフェニル)−1H−インドール−3−イルメチル〕ピリジン−2−カルボン酸(実施例11−34)、6−〔2−(3,4−ジフルオロフェニル)−6−メトキシ−1H−インドール−3−イルメチル〕ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−2)、6−〔6−メトキシ−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)−1H−インドール−3−イルメチル〕ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−6)、2−フルオロ−3−(6−メトキシ−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)安息香酸(実施例16−9)、6−(6−メトキシ−5−メチル−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−12)、6−(5−クロロ−6−メトキシ−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−13)、6−(5−フルオロ−6−メトキシ−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−16)、2−フルオロ−5−(6−メトキシ−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)安息香酸(実施例16−18)、6−(6−メトキシ−5−メチル−2−チオフェン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−24)、6−(5−フルオロ−6−メトキシ−2−チオフェン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−28)、6−(5−クロロ−6−メトキシ−2−チオフェン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−29)、6−〔6−エトキシ−2−(4−フルオロフェニル)−1H−インドール−3−イルメチル〕ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−60)、6−(6−エトキシ−2−チオフェン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−61)、6−(6−エトキシ−5−フルオロ−2−チオフェン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−79)、6−(6−エトキシ−5−メチル−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−84)、6−〔2−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−5−メチル−1H−インドール−3−イルメチル〕ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−85)、6−(6−エトキシ−5−メチル−2−チオフェン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−93)。
【0048】
実施態様2
本発明の別の好ましい実施態様としては、
Yがメチレン基であり;
Aがベンゼン環またはピリジン環であり;
が水素原子であり;
が非置換フェニル基であり;
がメトキシ基であり;
が水素原子である。
【0049】
本実施態様に包含される具体的化合物としては、以下の化合物が挙げられる。
6−(6−メトキシ−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例4−1)、3−(6−メトキシ−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)安息香酸(実施例4−2)、2−フルオロ−3−(6−メトキシ−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)安息香酸(実施例16−9)、6−(6−メトキシ−5−メチル−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−12)、6−(5−クロロ−6−メトキシ−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−13)、6−(5−フルオロ−6−メトキシ−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−16)、2−フルオロ−5−(6−メトキシ−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)安息香酸(実施例16−18)。
【0050】
実施態様3
本発明の別の好ましい実施態様としては、
Yがメチレン基であり;
Aがベンゼン環またはピリジン環であり;
が水素原子であり;
が置換フェニル基であり;
がメトキシ基であり;
が水素原子である。
【0051】
本実施態様に包含される具体的化合物としては、以下の化合物が挙げられる。
6−〔2−(3−フルオロフェニル)−6−メトキシ−1H−インドール−3−イルメチル〕ピリジン−2−カルボン酸(実施例11−5)、6−〔2−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−1H−インドール−3−イルメチル〕ピリジン−2−カルボン酸(実施例11−13)、6−〔2−(3−クロロフェニル)−6−メトキシ−1H−インドール−3−イルメチル〕ピリジン−2−カルボン酸(実施例11−21)、6−〔6−メトキシ−2−(3−メトキシフェニル)−1H−インドール−3−イルメチル〕ピリジン−2−カルボン酸(実施例11−34)、6−〔2−(3,4−ジフルオロフェニル)−6−メトキシ−1H−インドール−3−イルメチル〕ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−2)、6−〔6−メトキシ−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)−1H−インドール−3−イルメチル〕ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−6)、6−〔2−(5−フルオロピリジン−3−イル)−6−メトキシ−1H−インドール−3−イルメチル〕ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−11)、6−〔2−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−5−メチル−1H−インドール−3−イルメチル〕ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−85)。
【0052】
実施態様4
本発明の別の好ましい実施態様としては、
Yがメチレン基であり;
Aがベンゼン環またはピリジン環であり;
が水素原子であり;
が置換基を有してもよい5員環の芳香族複素環基であり;
がメトキシ基であり;
が水素原子である。
【0053】
本実施態様に包含される具体的化合物としては、以下の化合物が挙げられる。
3−(6−メトキシ−2−チオフェン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)安息香酸(実施例4−12)、6−(6−メトキシ−2−チオフェン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例11−1)、6−(2−フラン−3−イル−6−メトキシ−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例11−10)、3−(2−フラン−3−イル−6−メトキシ−1H−インドール−3−イルメチル)安息香酸(実施例11−15)、6−(6−メトキシ−2−チオフェン−2−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例11−17)、6−〔6−メトキシ−2−(5−メチルチオフェン−3−イル)−1H−インドール−3−イルメチル〕ピリジン−2−カルボン酸(実施例11−20)、6−(6−メトキシ−5−メチル−2−チオフェン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−24)、6−(5−フルオロ−6−メトキシ−2−チオフェン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−28)、6−(5−クロロ−6−メトキシ−2−チオフェン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−29)。
【0054】
実施態様5
本発明の別の好ましい実施態様としては、
Yがメチレン基であり;
Aがベンゼン環またはピリジン環であり;
が水素原子であり;
が置換基を有してもよい6員環の芳香族複素環基であり;
がメトキシ基であり;
が水素原子である。
【0055】
本実施態様に包含される具体的化合物としては、以下の化合物が挙げられる。
6−(6−メトキシ−2−ピリジン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例11−11)、6−〔2−(5−フルオロピリジン−3−イル)−6−メトキシ−1H−インドール−3−イルメチル〕ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−11)、6−(6−メトキシ−5−メチル−2−ピリジン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−66)。
【0056】
実施態様6
本発明の別の好ましい実施態様としては、
Yがメチレン基であり;
Aがベンゼン環またはピリジン環であり;
が水素原子であり;
が置換基を有してもよいフェニル基または置換基を有してもよい5員環の芳香族複素環基であり;
がハロゲン原子であり;
が水素原子である。
【0057】
本実施態様に包含される具体的化合物としては、以下の化合物が挙げられる。
6−(6−クロロ−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例4−17)、6−(6−クロロ−5−メトキシ−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−23)、6−(6−クロロ−5−フルオロ−2−チオフェン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−52)、6−(6−クロロ−5−メチル−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−59)、6−(6−クロロ−5−メトキシ−2−チオフェン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−86)、6−(6−クロロ−5−メチル−2−チオフェン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−92)、6−(6−クロロ−2−フラン−3−イル−5−メトキシ−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−105)。
【0058】
実施態様7
本発明の別の好ましい実施態様としては、
Yがメチレン基であり;
Aがベンゼン環またはピリジン環であり;
が水素原子であり;
がイソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基であり;
がメトキシ基またはエトキシ基であり;
が水素原子である。
【0059】
本実施態様に包含される具体的化合物としては、以下の化合物が挙げられる。
6−(2−tert−ブチル−5−クロロ−6−メトキシ−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−89)、6−(2−tert−ブチル−5−フルオロ−6−メトキシ−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−97)、6−(2−tert−ブチル−6−メトキシ−5−メチル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−98)、6−(2−sec−ブチル−5−クロロ−6−メトキシ−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−107)、6−(5−クロロ−2−イソプロピル−6−メトキシ−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−109)、6−(5−フルオロ−2−イソプロピル−6−メトキシ−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例18−1)。
【0060】
実施態様8
本発明の別の好ましい実施態様としては、
Yがメチレン基であり;
Aがベンゼン環またはピリジン環であり;
が水素原子であり;
がtert−ブチル基、フェニル基または5員環の芳香族複素環基であり;
が塩素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基またはトリフルオロメトキシ基であり;
がメチル基である。
【0061】
実施態様9
本発明の別の好ましい実施態様としては、
Yがメチレン基であり;
Aがベンゼン環またはピリジン環であり;
がC1−6アルキル基であり;
がtert−ブチル基、フェニル基または5員環の芳香族複素環基であり;
が塩素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基またはトリフルオロメトキシ基であり;
が水素原子またはメチル基である。
【0062】
実施態様10
本発明の別の好ましい実施態様としては、
Yがメチレン基であり;
Aがベンゼン環またはピリジン環であり;
が水素原子であり;
が置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよい5員環の芳香族複素環基または置換基を有してもよい6員環の芳香族複素環基であり;
がシクロプロピル基であり;
が水素原子である。
【0063】
本実施態様に包含される具体的化合物としては、以下の化合物が挙げられる。
6−(6−シクロプロピル−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−8)、6−〔6−シクロプロピル−2−(4−フルオロフェニル)−1H−インドール−3−イルメチル〕ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−62)、6−(6−シクロプロピル−2−チオフェン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−65)、6−(6−シクロプロピル−2−ピリジン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−67)、6−(6−シクロプロピル−5−フルオロ−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−68)、6−〔6−シクロプロピル−5−フルオロ−2−(4−フルオロフェニル)−1H−インドール−3−イルメチル〕ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−74)、6−(6−シクロプロピル−5−フルオロ−2−チオフェン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−75)、6−(6−シクロプロピル−5−フルオロ−2−ピリジン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−76)、6−(6−シクロプロピル−5−メチル−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−100)、6−(6−シクロプロピル−5−メチル−2−ピリジン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−101)、6−(6−シクロプロピル−5−メチル−2−チオフェン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−102)。
【0064】
実施態様11
本発明の別の好ましい実施態様としては、
Yがメチレン基であり;
Aがベンゼン環またはピリジン環であり;
が水素原子であり;
が置換基を有してもよいフェニル基、置換基を有してもよい5員環の芳香族複素環基または置換基を有してもよい6員環の芳香族複素環基であり;
がメチル基であり;
が水素原子である。
【0065】
本実施態様に包含される具体的化合物としては、以下の化合物が挙げられる。
6−(6−メチル−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例4−35)、6−(6−メチル−2−チオフェン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−21)、6−(5,6−ジメチル−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−44)、6−〔2−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−1H−インドール−3−イルメチル〕ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−48)、6−(5,6−ジメチル−2−チオフェン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−51)、6−(5−フルオロ−6−メチル−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−53)、6−〔5−フルオロ−2−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−1H−インドール−3−イルメチル〕ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−54)、6−(5−フルオロ−6−メチル−2−チオフェン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−56)、6−(5,6−ジメチル−2−ピリジン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−58)、6−(5−メトキシ−6−メチル−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−78)、6−(5−メトキシ−6−メチル−2−チオフェン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸(実施例16−108)。
【0066】
本発明の化合物(I)の製造方法
【0067】
本発明の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩は、以下のスキーム1〜2または4に示した方法もしくはそれに準じた方法、またはその他文献記載の方法もしくはそれらに準じた方法等に従って製造することができる。
【0068】
〔A〕化合物(Ia)〜(Id)の合成
本発明の化合物(I)は、スキーム1〜2または4に示す方法で、化合物(Ia)〜(Id)として、製造することができる。なお、保護基が必要な場合は、常法に従い適宜導入及び除去の操作を組み合わせて実施することができる。
【0069】
【化10】

【0070】
(式中、R、R、R、R、A、およびYは、前記と同義であり、RはC1−6アルキル基またはC7−10アラルキル基であり、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、p−トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基などの脱離基を表し、Yは単結合またはC1−5アルキレン基を表し、RはC1−6アルキル基を表す。)
【0071】
工程1−1
化合物(1)と化合物(2)とを、溶媒中、還元剤および酸存在下反応させることにより、化合物(Ia)が得られる。用いられる溶媒としては、塩化メチレン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。還元剤としてはトリエチルシランなどが挙げられ、酸としては、トリフルオロ酢酸、酢酸、トリメチルシリル=トリフルオロメタンスルホナート、ボロントリフルオリド・エチルエーテル錯体などが挙げられる。その反応温度は、通常−70℃〜50℃であり、反応時間は、使用する原料物質、溶媒、反応温度により異なるが、通常30分間〜3日間である。
また、本工程で用いられる化合物(2)は市販品を用いることができるほか、その他文献記載の方法またはそれらに準じた方法等に従い製造することもできる。
【0072】
工程1−2
化合物(Ia)を有機合成において一般的に使用されるアルカリ加水分解等の方法に従い処理することにより、化合物(Ib)が得られる。用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、水、それらの混合溶媒などが挙げられる。塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどが挙げられる。その反応温度は通常室温〜溶媒還流温度であり、反応時間は使用する原料物質、溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分間〜3日間である。なお、本工程は、酸加水分解、加水素化分解による方法も考えられ、Theodra W. Greene & Peter G. M. Wuts著編、「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」, fourth edition, Wiley−Interscience, 2006年に記載の方法に従って、行うこともできる。
【0073】
工程1−3
化合物(1)と化合物(3)とを、塩基存在下溶媒中反応させることにより、化合物(4)が得られる。用いられる溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、1−メチル−2−ピロリドン、テトラヒドロフラン、それらの混合溶媒などが挙げられる。塩基としては、水素化ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム、カリウムtert−ブトキシド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド等が挙げられる。その反応温度は通常−20℃〜溶媒還流温度であり、反応時間は用いる原料物質、溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分〜3日間である。なお、本工程は必要に応じてヨウ化ナトリウムなどの添加剤を用いてもよい。
また、本工程で用いられる化合物(3)は市販品を用いることができるほか、その他文献記載の方法またはそれらに準じた方法等に従い製造することもできる。
【0074】
工程1−4
工程1−3と同様にして、化合物(Ia)と化合物(3)から化合物(Ic)を得ることができる。
【0075】
工程1−5
工程1−1と同様にして、化合物(4)と化合物(2)から化合物(Ic)を得ることができる。
【0076】
工程1−6
化合物(Ic)を、工程1−2と同様にして、加水分解することにより、化合物(Id)が得られる。
【0077】
なお、化合物(1)は、下記スキーム3に示す方法によって得られる。
【0078】
【化11】

【0079】
(式中、R、R、R、R、R、AおよびYは、前記と同義であり、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、p−トルエンスルホニルオキシ基、メタンスルホニルオキシ基などの脱離基を表す。)
【0080】
工程2−1
化合物(5)と化合物(6)とを、塩基存在下溶媒中反応させることにより、化合物(7)が得られる。用いられる溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルイミダゾリジノン、1−メチル−2−ピロリドン、テトラヒドロフランなどが挙げられ、塩基としては、水素化ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸カリウム、カリウムtert−ブトキシド、1,8−ジアザビシクロウンデカ[5.4.0]−7−エン(DBU)、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド等が挙げられる。その反応温度は通常−20℃〜溶媒還流温度であり、反応時間は用いる原料物質、溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分〜3日間である。なお、本工程は必要に応じてヨウ化ナトリウムなどの添加剤を用いてもよい。
【0081】
工程2−2
化合物(7)を、溶媒中または無溶媒で、酸性条件下に反応させることにより、化合物(Ia)が得られる。用いられる溶媒としては、塩化メチレン、テトラヒドロフランなどが挙げられ、酸としては、トリフルオロ酢酸、酢酸、塩化水素、硫酸等が挙げられる。その反応温度は、通常0℃〜溶媒還流温度であり、反応時間は用いる原料物質、溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分〜24時間である。
【0082】
工程2−3
化合物(Ia)を、工程1−2と同様にして、加水分解することにより、化合物(Ib)が得られる。
【0083】
なお、化合物(5)は、下記スキーム3に示した工程3−6〜3−8に従って得ることができる。
【0084】
〔B〕化合物(1)および化合物(5)の合成
【0085】
スキーム1において用いられる化合物(1)、およびスキーム2において用いられる化合物(5)は、スキーム3に示す方法によって得られる。
【0086】
【化12】

【0087】
(式中、R、R、RおよびRは、前記と同義であり、Xは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基などの脱離基を表し、X、Xは塩素原子、臭素原子などのハロゲン原子を表す。)
【0088】
工程3−1
化合物(8)を、トリフルオロ酢酸無水物を用いてアシル化することにより化合物(9)が得られる。このようなアシル化反応は、当業者には周知であり、Theodra W. Greene & Peter G. M. Wuts著編、「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」, fourth edition, Wiley−Interscience, 2006年に記載の方法に従って、行うこともできる。
また、本工程で用いられる化合物(8)は市販品を用いることができるほか、その他文献記載の方法またはそれらに準じた方法等に従い製造することもできる。
【0089】
工程3−2
化合物(9)と化合物(10)とを、溶媒中、塩基、銅触媒、パラジウム触媒の存在下に反応させることにより、化合物(1)が得られる。用いられる溶媒としては、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミドなどが挙げられる。塩基としては、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、炭酸カリウム、リン酸カリウムなどが挙げられる。パラジウム触媒としては、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)などが挙げられ、銅触媒としては、ヨウ化銅(I)などが挙げられる。その反応温度は、通常室温〜溶媒還流温度であり、反応時間は用いる原料物質、溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分〜3日間である。なお、本工程は、パラジウム触媒非存在下でもおこなうことができ、その場合、添加剤として、N、N−ジメチルグリシンやL−プロリンなどのアミノ酸誘導体を用いてもよい。
【0090】
工程3−3
化合物(11)とハロメタンとを、溶媒中、塩基、トリフェニルホスフィン存在下で反応させることにより化合物(12)が得られる。用いられる溶媒としては、塩化メチレン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。用いられるハロメタンとしては、四臭化炭素、四塩化炭素、クロロホルムなどが挙げられる。塩基としては、カリウムtert−ブトキシドなどが挙げられる。その反応温度は、通常室温〜溶媒還流温度であり、反応時間は用いる原料物質、溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分〜24時間である。なお、本工程は、ハロメタンとして四臭化炭素を用いた場合、塩基非存在下で行うことができる。
なお、本工程で用いられる化合物(11)は市販品を用いることができるほか、その他文献記載の方法またはそれらに準じた方法等に従い製造することもできる。
【0091】
工程3−4
化合物(12)を、一般的な接触還元法、または金属もしくは金属塩を用いる還元法などにより還元することにより、化合物(13)が得られる。
1)接触還元法は、化合物(12)を水素雰囲気下、溶媒中、触媒を用いることにより行うことができる。用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、酢酸などが挙げられる。触媒としてはパラジウム炭素粉末、ロジウム炭素粉末、白金炭素粉末、バナジウムでドープされた白金炭素粉末などが挙げられ、好ましくは、バナジウムでドープされた白金炭素粉末である。その反応温度は通常室温〜溶媒還流温度であり、反応時間は用いる原料物質、溶媒、反応温度などにより異なるが、1時間から3日間処理すればよい。
2)金属または金属塩を用いる還元法は、化合物(12)を溶媒中、酸性条件下、還元剤を用いることにより行うことができる。用いられる溶媒としては、メタノール、エタノール、テトラヒドロフランなどなどが挙げられる。酸としては酢酸、塩化アンモニウム、塩酸、硫酸などが挙げられる。還元剤としては塩化すず(II)・2水和物、鉄、亜鉛などが挙げられる。その反応温度は通常室温〜溶媒還流温度であり、反応時間は用いる原料物質、溶媒、反応温度などにより異なるが、30分間〜3日間処理すればよい。
【0092】
工程3−5
化合物(13)と化合物(14)とを、溶媒中、塩基、パラジウム触媒の存在下で反応させることにより、化合物(1)が得られる。用いられる溶媒としては、トルエン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、エタノール、水、それらの混合溶媒などが挙げられる。塩基としては、リン酸カリウム、リン酸カリウム・一水和物、炭酸カリウム、炭酸セシウム、フッ化セシウム、炭酸ナトリウムなどが挙げられる。パラジウム触媒としては、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)などが挙げられる。その反応温度は通常室温〜溶媒還流温度であり、反応時間は用いる原料物質、溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分〜3日間である。なお、本工程は、必要に応じて2−ジシクロヘキシルホスフィノ-2’,6’-ジメトキシビフェニル、ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンなどの配位子を添加して行ってもよい。
【0093】
工程3−6
化合物(15)とN,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩とを、溶媒中、塩基性条件下にて反応させることにより、化合物(16)が得られる。用いられる溶媒としては、テトラヒドロフラン、塩化メチレンなどが挙げられ、塩基としては、トリエチルアミン、ピリジン、N,N−ジイソプロピルエチルアミンなどが挙げられる。その反応温度は通常−20℃〜室温であり、反応時間は用いる原料物質、溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分〜24時間である。
なお、本工程で用いられる化合物(15)は市販品を用いることができるほか、その他文献記載の方法またはそれらに準じた方法等に従い製造することもできる。
【0094】
工程3−7
化合物(17)を、二炭酸ジ−tert−ブチルを用いてtert−ブトキシカルボニル化することにより、化合物(18)が得られる。このような反応は、当業者には周知であり、Theodra W. Greene & Peter G. M. Wuts著編、「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」, fourth edition, Wiley−Interscience, 2006年に記載の方法に従って、行うこともできる。
なお、本工程で用いられる化合物(17)は市販品を用いることができるほか、その他文献記載の方法またはそれらに準じた方法等に従い製造することもできる。
【0095】
工程3−8
化合物(18)を溶媒中、アルキルリチウムを用いてリチオ化後、化合物(16)を加えることで、化合物(5)が得られる。用いられる溶媒としては、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジエチルエ−テルなどが挙げられ、アルキルリチウムとしては、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウムなどが挙げられ、好ましくは、sec−ブチルリチウムがよい。その反応温度は通常−78℃〜室温であり、反応時間は用いる原料物質、溶媒、反応温度などにより異なるが、通常30分〜6時間である。
【0096】
工程3−9
工程2−2と同様にして、化合物(5)から化合物(1)を得ることができる。
【0097】
なお、化合物(Ia)は下記スキーム4に示す方法によっても得られる。
【0098】
【化13】

【0099】
(式中、R、R、R、R、A、R、YおよびYは、前記と同義である。)
【0100】
工程4−1
化合物(1)と化合物(2)とを、溶媒中、塩基存在下反応させることにより、化合物(19)が得られる。用いられる溶媒としては、塩化メチレン、テトラヒドロフラン、アセトニトリルなどが挙げられる。塩基としては、1,8−ジアザビシクロウンデカ[5.4.0]−7−エン(DBU)、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなどが挙げられる。その反応温度は、通常−20℃〜50℃であり、反応時間は、使用する原料物質や溶媒、反応温度により異なるが、通常30分間〜3日間である。
また、本工程で用いられる化合物(2)は市販品を用いることができるほか、その他文献記載の方法またはそれらに準じた方法等に従い製造することもできる。
【0101】
工程4−2
化合物(19)を溶媒中、還元剤と反応させることにより、化合物(Ia)が得られる。用いられる溶媒としては、アセトニトリル、酢酸エチル、テトラヒドロフランなどが挙げられる。還元剤としては、ヨウ化ナトリウム/トリアルキルクロロシラン(例えば、トリメチルクロロシラン、トリエチルクロロシラン、t−ブチルジメチルクロロシラン)等が挙げられる。その反応温度は、−30℃〜室温であり、反応時間は使用する原料物質、溶媒、反応温度により異なるが、通常10分間〜24時間である。
また、化合物(19)を溶媒中、酸性条件下、還元剤と反応させることによっても化合物(Ia)が得られる。用いられる溶媒としては、テトラヒドロフラン、塩化メチレン、それらの混合溶媒などが挙げられる。還元剤としてはトリエチルシランなどが挙げられ、酸としては、トリフルオロ酢酸、酢酸、トリメチルシリル=トリフルオロメタンスルホナート、ボロントリフルオリド・エチルエーテル錯体などが挙げられる。その反応温度は、通常−70℃〜50℃であり、反応時間は、使用する原料物質、溶媒、反応温度により異なるが、通常30分間〜3日間である。
【0102】
上記に示したスキームは、本発明の化合物(I)またはその製造中間体を製造する為の方法の例示である。これらは、当業者の容易に理解され得るようなスキームへの様々な改変が可能である。
【0103】
また、官能基の種類により保護基が必要な場合は、常法に従って適宜導入および脱離の操作を組み合わせて実施することができる。保護基の種類、導入、除去に関しては、例えば、Theodra W. Greene & Peter G. M. Wuts著編、「Greene’s Protective Groups in Organic Synthesis」, fourth edition, Wiley−Interscience, 2006年の記載を参照することができる。
【0104】
本発明の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩、および当該化合物を製造する為に使用される中間体は、必要に応じて、当該分野における当業者にとって周知の単離・精製手段である溶媒抽出、晶析・再結晶、クロマトグラフィー、分取高速液体クロマトグラフィー等により、単離・精製することができる。
【0105】
本発明の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を含有する医薬組成物
【0106】
本発明の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を含有する医薬組成物は、用法に応じ種々の剤形のものが使用される。このような剤形としては、例えば、散剤、顆粒剤、細粒剤、ドライシロップ剤、錠剤、カプセル剤、注射剤、液剤、軟膏剤、坐剤、貼付剤、舌下剤等を挙げることができ、経口または非経口的に投与される。
【0107】
これらの医薬組成物は、その剤形に応じて公知の手法により、適切な賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、希釈剤、緩衝剤、等張化剤、防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解補助剤等の医薬品添加物と適宜混合または希釈・溶解することにより調剤することができる。また、EP受容体拮抗薬以外の薬剤と組み合わせて使用する場合は、それぞれの活性成分を同時または別々に、前述と同様に製剤化することにより製造することができる。
【0108】
本発明の医薬組成物の製造方法
【0109】
本発明の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を有効成分として含有する医薬組成物の製造例を以下に示すが、本発明の医薬組成物はこれらに限定されるものではない。
【0110】
本発明の医薬組成物は、例えば、有効成分が、0.01〜1000mgの一般式(I)で表される化合物、またはその薬理学的に許容される塩であり、以下の組成:
a)有効成分の含有量:医薬組成物の全重量に対して1〜20%(wt/wt);
b)ステアリン酸マグネシウムの含有量:医薬組成物の全重量に対して0.1〜2.0%(wt/wt);および
c)トウモロコシデンプンの含有量:医薬組成物の全重量に対して78〜98.9%(wt/wt);
からなる。a)〜c)の混合物を、室温下に混合し、硬質ゼラチンカプセルに充填し、硬カプセル剤を製造することができる。
【0111】
本発明の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩の医薬用途
【0112】
本発明の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩は、EP受容体拮抗作用確認試験等において強力なEP受容体拮抗作用を示す。ゆえに、本発明の化合物(I)は、細胞内カルシウム濃度を抑制または低下させることができる。したがって、本発明の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を含有する医薬組成物は、PGE刺激作用によるEP受容体の活性化に起因する疾患もしくは症状の治療薬、または予防薬として使用することができる。
【0113】
また、PGE刺激作用によるEP受容体を活性化させる疾患としては下部尿路症状(LUTS)、炎症性疾患、疼痛性疾患、骨粗鬆症、癌等が挙げられる。本発明の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩を含有する医薬組成物は、LUTS、炎症性疾患もしくは疼痛性疾患の治療薬または予防薬として使用されることが好ましい。より好ましくは、LUTSである。
【0114】
下部尿路症状の原因疾患としては、過活動膀胱(OAB)、前立腺肥大症(BPH)、間質性膀胱炎等の膀胱炎、前立腺炎等が挙げられる。
【0115】
「下部尿路症状」とは、蓄尿症状、排尿症状、排尿後症状等を意味する。本発明の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩は、蓄尿症状の治療または予防のために使用するのが好ましい。
【0116】
「蓄尿症状」としては、尿意切迫感、昼間頻尿、夜間頻尿、尿失禁(腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁、混合性尿失禁、遺尿、夜間遺尿、持続性尿失禁等)、および膀胱知覚(膀胱知覚亢進、膀胱知覚低下、膀胱知覚欠如、非特異的膀胱知覚等)が含まれる。本発明の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩は、尿意切迫感、昼間頻尿、夜間頻尿、切迫性尿失禁、混合性尿失禁、遺尿、夜間遺尿、膀胱知覚亢進もしくは非特異的膀胱知覚の治療または予防のために使用するのが好ましい。より好ましくは、尿意切迫感、昼間頻尿、夜間頻尿、切迫性尿失禁または膀胱知覚亢進である。また、本発明の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩は、OABsの治療または予防には特に好ましい。
【0117】
本発明の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩の併用、または合剤
【0118】
本発明の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩は、EP受容体拮抗薬以外の少なくとも1種の薬剤と適宜組み合わせて使用することもできる。
【0119】
本発明の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩と組み合わせて使用できる薬剤としては、EP受容体拮抗薬とは異なる作用機序の過活動膀胱(OAB)、前立腺肥大症(BPH)、間質性膀胱炎等の膀胱炎、前立腺炎等の治療薬が挙げられる。このような薬剤としては、抗コリン薬、αアンタゴニスト、βアゴニスト、5α−リダクターゼ阻害薬、PDE阻害薬、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬、抗男性ホルモン、プロゲステロン系ホルモン、LH−RHアナログ、ニューロキニン阻害薬、抗利尿薬、カルシウムチャネルブロッカー、平滑筋直接作用薬、三環系抗うつ薬、Kチャネル調節薬、ナトリウムチャネルブロッカー、Hブロッカー、セロトニン再取り込み阻害薬、ノルエピネフリン再取り込み阻害薬、ドーパミン再取り込み阻害薬、GABAアゴニスト、TRPV1調節薬、エンドセリン拮抗薬、5−HT1Aアンタゴニスト、αアゴニスト、オピオイドアゴニスト、PXアンタゴニスト、COX阻害薬、σアゴニスト、ムスカリンアゴニスト等が挙げられる。好ましくは、抗コリン薬、αアンタゴニスト、βアゴニスト、5α−リダクターゼ阻害薬、PDE阻害薬、プロゲステロン系ホルモン、抗利尿薬、平滑筋直接作用薬または三環系抗うつ薬である。より好ましくは、抗コリン薬、αアンタゴニスト、βアゴニスト、平滑筋直接作用薬または三環系抗うつ薬である。さらに好ましくは、抗コリン薬、αアンタゴニストまたは三環系抗うつ薬である。最も好ましくは、抗コリン薬である。
【0120】
また、組み合わせて使用される薬剤については以下の通り具体的に例示するが、本発明の内容はこれらに限定されるものではない。また、具体的な化合物においてはそのフリー体、およびその他の薬理学的に許容される塩を含む。
【0121】
「抗コリン薬」としては、オキシブチニン、プロピベリン、ソリフェナシン、トルテロジン、イミダフェナシン、テミベリン、ダリフェナシン、フェソテロジン、トロスピウム、プロパンテリン等を挙げることができる。好ましくは、オキシブチニン、プロピベリン、ソリフェナシン、トルテロジンまたはイミダフェナシンである。より好ましくは、オキシブチニン、プロピベリン、ソリフェナシン、トルテロジンまたはイミダフェナシンである。さらに好ましくは、ソリフェナシンまたはイミダフェナシンである。
【0122】
「αアンタゴニスト」としては、ウラピジル、ナフトピジル、タムスロシン、シロドシン、プラゾシン、テラゾシン、アルフゾシン、ドキサゾシン、CR−2991、フェデュキソシン等を挙げることができる。好ましくは、ウラピジル、ナフトピジル、タムスロシン、シロドシン、プラゾシン、テラゾシンまたはフェデュキソシンである。より好ましくは、タムスロシン、シロドシンまたはプラゾシンである。さらに好ましくはタムスロシンまたはシロドシンである。最も好ましくは、、シロドシンである。。
【0123】
「βアゴニスト」としては、ミラベグロン、KUC−7483、KRP−204、SM−350300、TRK−380、アミベグロン、クレンブテロール、SAR−150640、ソラベグロン等を挙げることができる。好ましくは、ミラベグロンまたはKUC−7483である。より好ましくは、ミラベグロンである。
【0124】
「5α―リダクターゼ阻害剤」としては、デュタステリド、TF−505、フィナステリド、イゾンステリド等を挙げることができる。好ましくは、デュタステリドまたはイゾンステリドである。
【0125】
「PDE阻害薬」としては、タダラフィル、バルデナフィル、シルデナフィル、アバナフィル、UK−369003、T−0156、AKP−002、エタゾラート等を挙げることができる。好ましくは、タダラフィル、バルデナフィル、シルデナフィルまたはアバナフィルである。
【0126】
「アセチルコリンエステラーゼ阻害薬」としては、ジスチグミン、ドネペジル、Z−338、リバスチグミン、ガンスチグミン、BGC−20−1259、ガランタミン、イトプリド、NP−61、SPH−1286、トルセリン、ZT−1等を挙げることができる。
【0127】
「抗男性ホルモン」としては、ゲストロノン、オキセンドロン、ビカルタミド、BMS−641988、CB−03−01、CH−4892789、フルタミド、MDV−3100、ニルタミド、TAK−700、YM−580等を挙げることができる。
【0128】
「プロゲステロン系ホルモン」としては、クロマジノン、アリルエストレノール等を挙げることができる。
【0129】
「LH−RHアナログ」としては、AEZS−108、ブセレリン、デスロレリン、ゴセレリン、ヒストレリン、リュープロレリン、ルトロピン、ナファレリン、トリプトレリン、AEZS−019、セトロレリクス、デガレリクス、エラゴリクス、ガニリレクス、オザレリクス、PTD−634、TAK−385、テベレリクス、TAK−448、TAK−683等を挙げることができる。
【0130】
「ニューロキニン阻害薬」としては、KRP−103、アプレピタント、AV−608、カソピタント、CP−122721、DNK−333、フォスアプレピタント、LY−686017、ネツピタント、オルベピタント、ロラピタント、TA−5538、T−2328、ヴェスチピタント、AZD−2624、Z−501、1144814、MEN−15596、MEN−11420、SAR−102779、SAR−102279、サレデュタント、SSR−241586等を挙げることができる。
【0131】
「抗利尿薬」としては、デスモプレシン、VA−106483等を挙げることができる。
【0132】
「カルシウムチャネルブロッカー」としては、アムロジピン、シルニジピン、プロピベリン、テミベリン、PD−299685、アラニジピン、アゼルニジピン、バルニジピン、ベニジピン、ベバントロール、クレビジピン、CYC−381、ジルチアゼム、エホニジピン、ファスジル、フェロジピン、ギャバペンチン、ガロパミル、イスラジピン、ラシジピン、レルカニジピン、ロメリジン、マニジピン、MEM−1003、ニカルジピン、ニフェジピン、ニルバジピン、ニモジピン、ニソルジピン、SB−751689、ベラパミル、YM−58483、ジコノタイド等を挙げることができる。
【0133】
「平滑筋直接作用薬」としては、フラボキサート等を挙げることができる。
【0134】
「三環系抗うつ薬」としては、イミプラミン、クロミプラミン、アミトリプチリン等を挙げることができる。好ましくは、イミプラミンである。
【0135】
「Kチャネル調節薬」としては、ニコランジル、NIP−141、NS−4591、NS−1643、アンドラスト、ジアゾキシド、ICA−105665、ミノキシジル、ピナシジル、チリソロール、VRX−698等を挙げることができる。
【0136】
「ナトリウムチャネルブロッカー」としては、ベプリジル、ドロネダロン、プロパフェノン、サフィナミド、SUN−N8075、SMP−986、1014802、552−02、A−803467、ブリバラセタム、シベンゾリン、エスリカルバゼピン、F−15845、フレカイニド、ホスフェニトイン、ラコサミド、ラモトリギン、レボブピバカイン、M−58373、メキシレチン、モラシジン、ネリスピリジン、NW−3509、オクスカルバゼピン、ピルジカイニド、ピルメノール、プロパフェノン、NW−1029、ロピバカイン、バナカラント等を挙げることができる。
【0137】
「Hブロッカ−」としては、アクリバスチン、アルカフタジン、ベポスタチン、ベラスチン、セチリジン、デスロラタジン、エバスチン、エフレチリジン、エピナスチン、フェキソフェナジン、GSK−835726、レボカバスチン、レボセチリジン、ロラタジン、メキタジン、ミゾラスチン、NBI−75043、ReN−1869、テルフェナジン、UCB−35440、バピタジン、YM−344484、ジフェンヒドラミン、クロルフェニラミン等を挙げることができる。
【0138】
「セロトニン再取り込み阻害剤」としては、UCB−46331、424887、AD−337、BGC−20−1259、BMS−505130、シタロプラム、ダポキセチン、デスベンラファキシン、DOV−102677、DOV−216303、DOV−21947、デュロキセチン、エスシタロプラム、F−2695、F−98214―TA、フルオキセチン、フルボキサミン、IDN−5491、ミルナシプラン、ミナプリン、NS−2359、NSD−644、パロキセチン、PF−184298、SD−726、SEP−225289、SEP−227162、SEP−228425、SEP−228432、セルトラリン、シブトラミン、テソフェンシン、トラマドール、トラゾドン、UCB−46331、ベンラファキシン、ビラゾドン、WAY−426、WF−516等を挙げることができる。
【0139】
「ノルエピネフリン再取り込み阻害剤」としては、AD−337、デスベンラファキシン、DOV−102677、DOV−216303、DOV−21947、デュロキセチン、F−2695、F−98214―TA、ミルナシプラン、NS−2359、NSD−644、PF−184298、SD−726、SEP−225289、SEP−227162、SEP−228425、SEP−228432、シブトラミン、テソフェンシン、トラマドール、ベンラファキシン、ブプロピオン、ラダファキシン、アトモキセチン、DDP−225、LY−2216684、ネボグラミン、NRI−193、レボキセチン、タペンタドール、WAY−256805、WAY−260022等を挙げることができる。
【0140】
「ドーパミン再取り込み阻害剤」としては、DOV−102677、DOV−216303、DOV−21947、IDN−5491、NS−2359、NSD−644、SEP−225289、SEP−228425、SEP−228432、シブトラミン、テソフェンシン、トラマドール、ブラソフェンシン、ブプロピオン、NS−27100、ラダファキシン、サフィナミド等を挙げることができる。
【0141】
「GABAアゴニスト」としては、レチガビン、エスゾピクロン、インディプロン、パゴクロン、SEP−225441、アカンプロセート、バクロフェン、AZD−7325、BL−1020、ブロチゾラム、DP−VPA、プロガバイド、プロプフォール、トピラマート、ゾピクロン、EVT−201、AZD−3043、ガナキソロン、NS−11394、アルバクロフェン、AZD−3355、GS−39783、ADX−71441、ADX−71943等を挙げることができる。
【0142】
「TRPV1調節薬」としては、カプサイシン、レジニフェラトキシン、DE−096、GRC−6211、AMG−8562、JTS−653、SB−705498、A−425619、A−784168、ABT−102、AMG−628、AZD−1386、JNJ−17203212、NGD−8243、PF−3864086、SAR−115740、SB−782443等を挙げることができる。
【0143】
「エンドセリン拮抗薬」としては、SB−234551、ACT−064992、アンブリセンタン、アトラセンタン、ボセンタン、クラゾセンタン、ダルセンタン、ファンドセンタン、S−0139、TA―0201、TBC−3711、ジボテンタン、BMS−509701、PS−433540等を挙げることができる。
【0144】
「5−HT1Aアンタゴニスト」としては、エスピンドロール、レコゾタン、ルラシドン、E−2110、REC−0206、SB−649915、WAY−426、WF−516等を挙げることができる。
【0145】
「α1アゴニスト」としては、CM−2236、アルモダフィニル、ミドドリン、モダフィニル等を挙げることができる。
【0146】
「オピオイドアゴニスト」としては、モルヒネ、TRK−130、DPI−125、DPI−3290、フェンタニル、LIF−301、ロペラミド、ロペラミドオキサイド、レミフェンタニル、タペンタドール、WY−16225、オキシコドン、PTI−202、PTI−721、ADL−5747、ADL−5859、DPI−221、DPI−353、IPP−102199、SN−11、ADL−10−0101、ADL−10−0116、アシマドリン、ブプレノルフィン、CR−665、CR−845、エプタゾシン、ナルブフィン、ナルフラフィン、ペンタゾシン、XEN−0548、W−212393、ZP−120、ナルメフェン等を挙げることができる。
【0147】
「PXアンタゴニスト」としては、A−740003、AZ−11657312、AZD−9056、GSK−1482160、GSK−31481A等を挙げることができる。
【0148】
「COX阻害薬」としては、アセクロフェナク、ST−679、アスピリン、ブロムフェナク、デキスケトプロフェン、フルルビプロフェン、FYO−750、イブプロフェン、ケトプロフェン、ケトロラック、リコフェロン、ロルノキシカム、ロキソプロフェン、LT−NS001、ジクロフェナク、モフェゾラク、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、ピロキシカム、プラノプロフェン、スプロフェン、テノキシカム、チアプロフェン酸、トルフェナム酸、ザルトプロフェン、644784、ABT−963、アジュレミン酸、アプリコキシブ、セレコキシブ、シミコキシブ、エトリコキシブ、イグラチモド、ルミラコキシブ、メロキシカム、ニメスリド、パレコキシブ、RO−26−2198、バルデコキシブ等を挙げることができる。
【0149】
「σアゴニスト」としては、ANAVEX−27−1041、PRS−013、SA−4503、ANAVEX−2−73、シラメシン、ANAVEX−7−1037、ANAVEX−1−41等を挙げることができる。
【0150】
「ムスカリンアゴニスト」としては、AC−260584、セビメリン、MCD−386、NGX−267、NGX−292、サブコメリン、ピロカルピン、ベタネコール等を挙げることができる。
【0151】
本発明の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩と上記薬剤の1種類またはそれ以上とを組み合わせて使用する場合、本発明は、以下の1)〜5):
1)配合剤による同時投与、
2)別個の製剤として、同一投与経路による同時投与、
3)別個の製剤として、異なる投与経路による同時投与、
4)別個の製剤として、同一投与経路による異なる時間での投与、または
5)別個の製剤として、異なる投与経路による異なる時間での投与
から選択される何れか1つの投与方法を含む。また、4)または5)のような別個の製剤として異なる時間に投与する場合、本発明の化合物(I)と上記の薬剤との投与順序については特に制限されない。
【0152】
また、本発明の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩は、1種類またはそれ以上の上記薬剤とを適宜組み合わせて使用することにより、上記疾患の予防または治療上における相加効果以上の有利な効果を得ることができる。または、同様に、単独に使用する場合と比較してその使用量を減少させたり、もしくは併用する薬剤の副作用を減少させたり、もしくは併用する薬剤の副作用を回避または軽減させることができる。
【0153】
本発明の化合物(I)の用法・用量
【0154】
本発明の医薬は、全身的または局所的に、経口または非経口(経鼻、経肺、静脈内、直腸内、皮下、筋肉内、経皮等)により、投与することができる。
【0155】
本発明の医薬組成生物を実際の治療に用いる場合、その有効成分である本発明のEP受容体拮抗薬の有効成分である化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩の投与量は、患者の年齢、性別、体重、疾患および治療の程度等により適宜決定される。例えば、経口投与の場合、成人(体重60kgとする)1日当たり概ね0.01〜1000mgの範囲で、非経口投与の場合、成人1日当たり概ね0.001〜300mgの範囲で、一回または数回に分けて適宜投与することができる。また、本発明の化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩の投与量は、EP受容体拮抗薬以外の薬剤の投与量に応じて減量することができる。
【0156】
以下、本発明を実施例および製造例にて更に詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらに限定されるものではない。
【実施例】
【0157】
各製造例、各実施例、各表中で用いている記号のうち、Ref.No.は製造例番号、Ex.No.は実施例番号、Strcは化学構造式、Physical dataは物性値、1H−NMRは水素核核磁気共鳴スペクトルを意味し、CDCl3はクロロホルム−d、DMSO−d6はジメチルスルホキシド−dを意味する。また、MSは質量分析を意味し、ESIはエレクトロスプレーイオン化法により測定したことを意味する。
【0158】
(製造例1−1)
N−(2−ブロモ−5−トリフルオロメトキシフェニル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド
【0159】
【化14】

【0160】
氷冷下、2−ブロモ−5−トリフルオロメトキシアニリン(0.98g)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液にトリフルオロ酢酸無水物(0.79mL)、およびピリジン(0.61mL)を加えた。その溶液を室温にて16時間攪拌した。減圧下反応混合物を濃縮した。残渣に酢酸エチルを加え、その有機層を10%クエン酸水溶液、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和食塩水にて順次洗浄したのち、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:へキサン−酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(1.30g)を得た。
【0161】
1H-NMR (CDCl3) δ ppm: 8.60-8.30 (2H, m), 7.65 (1H, d, J=8.9Hz), 7.10-7.00 (1H, m)
【0162】
対応するアニリン誘導体を用い、製造例1−1と同様にして、以下の製造例1−2〜1−3を得た。これらの構造式および物性値を表1に示した。
【0163】
【表1】

【0164】
(製造例2−1)
2−フェニル−6−トリフルオロメトキシ−1H−インドール
【0165】
【化15】

【0166】
N−(2−ブロモ−5−トリフルオロメトキシフェニル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(0.513g)のアセトニトリル(10mL)溶液にビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(30.7mg)、ヨウ化銅(16.6mg)およびトリエチルアミン(0.51mL)を加え、その混合物をマイクロ波照射下、120℃で10分間撹拌した。室温まで冷ました後、反応混合物に炭酸カリウム(0.503g)を加え、その混合物をマイクロ波照射下、120℃で10分間撹拌した。反応混合物をセライト(登録商標)ろ過し、不溶物をろ去した。ろ液に酢酸エチルおよび飽和食塩水を加えた。その有機層を分別し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をアミノプロピル化シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:へキサン−酢酸エチル)で精製し、表題化合物(0.233g)を得た。
【0167】
1H-NMR (CDCl3) δ ppm: 8.50-8.35 (1H, br), 7.70-7.55 (3H, m), 7.50-7.30 (3H, m), 7.05-6.95 (1H, m), 6.85-6.80 (1H, m)
【0168】
対応するトリフルオロアセトアニリド誘導体を用い、製造例2−1と同様にして、以下の製造例2−2〜2−3を得た。これらの構造式および物性値を表2に示した。
【0169】
【表2】

【0170】
(製造例3−1)
tert−ブチル=(5−メトキシ−2−メチルフェニル)カルバマート
【0171】
【化16】

【0172】
室温下、5−メトキシ−2−メチルアニリン(2.74g)のテトラヒドロフラン(80mL)溶液に二炭酸ジ−tert−ブチル(4.80g)を加え、その溶液を75℃にて終夜加熱還流した。放冷後、その溶液を減圧下濃縮した。残渣をアミノプロピル化シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:へキサン−酢酸エチル)で精製し、表題化合物(4.00g)を得た。
【0173】
1H-NMR (CDCl3) δ ppm: 7.65-7.45 (1H, m), 7.02 (1H, d, J=8.4Hz), 6.55 (1H, dd, J=8.4, 2.7Hz), 6.27(1H, br s),3.80 (3H, s), 2.17 (3H, s), 1.53 (9H, s)
【0174】
対応する2−メチルアニリン誘導体を用い、製造例3−1と同様にして、以下の製造例3−2〜3−6を得た。これらの構造式および物性値を表3に示した。
【0175】
【表3】

【0176】
(製造例4−1)
tert−ブチル=〔5−メトキシ−2−(2−オキソ−2−フェニルエチル)フェニル〕カルバマート
【0177】
【化17】

【0178】
アルゴンガス雰囲気下、tert−ブチル=(5−メトキシ−2−メチルフェニル)カルバマート(3.87g)のテトラヒドロフラン(70mL)溶液に、内温を−50℃以下に維持して、sec−ブチルリチウム溶液(1.04mol/L n−ヘキサン−シクロヘキサン溶液、31.36mL)を19分間かけて滴下した。その溶液を内温−48℃に維持して20分間撹拌した。内温を−40℃以下に維持して、その溶液にN−メトキシ−N−メチルベンズアミド(2.69g)のテトラヒドロフラン(32mL)溶液を15分間かけて加えた。その溶液を、内温−40℃以下に維持して20分間撹拌し、さらに室温にて1時間20分間撹拌した。氷冷下、その混合物に2mol/L塩酸を加え、その混合物を室温にて5分間撹拌し、次いで酢酸エチルを加えた。その有機層を分別し、水および飽和食塩水にて順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:へキサン−酢酸エチル)、次いでアミノプロピル化シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:へキサン−酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(2.49g)を得た。
【0179】
1H-NMR (CDCl3) δ ppm: 8.10-8.00 (2H, m), 7.90-7.70 (1H, br), 7.65-7.40 (4H, m), 7.09 (1H, d, J=8.5Hz), 6.59 (1H, dd, J=8.5, 2.6Hz), 4.19 (2H, s), 3.79 (3H, s),
1.53 (9H, s)
【0180】
対応するtert−ブチル=(2−メチルフェニル)カルバマート誘導体を用い、製造例4−1と同様にして、以下の製造例4−2〜4−11を得た。これらの構造式および物性値を表4および5に示した。
【0181】
【表4】

【0182】
【表5】

【0183】
(製造例5−1)
6−メトキシ−2−フェニル−1H−インドール
【0184】
【化18】

【0185】
tert−ブチル=〔5−メトキシ−2−(2−オキソ−2−フェニルエチル)フェニル〕カルバマート(170mg)のトリフルオロ酢酸(0.80mL)−塩化メチレン(2.0mL)溶液を室温にて終夜撹拌した。減圧下溶媒を留去した。残渣に塩化メチレンを加え、次いで、その溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。その有機層を分別し、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をアミノプロピル化シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:へキサン−酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(80.1mg)を得た。
【0186】
1H-NMR (CDCl3) δ ppm: 8.30-8.10 (1H, br), 7.65-7.35 (5H, m), 6.91 (1H, d, J=2.0Hz), 6.85-6.70 (2H, m), 3.87 (3H, s)
【0187】
対応するケトンを用い、製造例5−1と同様にして、以下の製造例5−2〜5−10を得た。これらの構造式および物性値を表6および7に示した。
【0188】
【表6】

【0189】
【表7】

【0190】
(製造例6−1)
メチル=6−〔2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−メトキシフェニル)−3−オキソ−3−フェニルプロピル〕ピリジン−2−カルボキシラート
【0191】
【化19】

【0192】
氷冷下、tert−ブチル=〔5−メトキシ−2−(2−オキソ−2−フェニルエチル)フェニル〕カルバマート(2.39g)のN,N−ジメチルホルムアミド(50mL)溶液にアルゴンガス雰囲気下にて水素化ナトリウム(含有率約55%、321mg)を加えた。その懸濁液をアルゴンガス雰囲気下室温にて30分間撹拌した。室温下、メチル=6−クロロメチルピリジン−2−カルボン酸(1.37g)のN,N−ジメチルホルムアミド(15mL)溶液をアルゴンガス雰囲気下にて5分間かけて加え、その混合物を室温にてアルゴンガス雰囲気下3時間撹拌した。反応混合物に水を加え、次いで酢酸エチルを加え、その有機層を分別した。水層を酢酸エチルにて抽出し、有機層を合一した。集めた有機層を水および飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をアミノプロピル化シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:へキサン−酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(3.27g)を得た。
【0193】
MS(ESI, m/z) : 491(M+H)+
【0194】
対応するケトンを用い、製造例6−1と同様にして、以下の製造例6−2〜6−6を得た。これらの構造式および物性値を表8に示した。
【0195】
【表8】

【0196】
(製造例7)
2,2,2−トリフルオロ−N−(5−メトキシ−2−トリメチルシラニルエチニルフェニル)アセトアミド
【0197】
【化20】

【0198】
室温下、2,2,2−トリフルオロ−N−(2−ヨード−5−メトキシフェニル)アセトアミド(500mg)、エチニルトリメチルシラン(157mg)およびトリエチルアミン(0.403mL)のアセトニトリル溶液(8.0mL)にビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(25mg)およびヨウ化銅(14mg)を加え、その混合物をアルゴンガス雰囲気下、4時間攪拌した。反応混合物に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。その有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:へキサン−酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(361mg)を得た。
【0199】
1H-NMR (CDCl3) δ ppm: 9.00-8.80 (1H, br), 8.00 (1H, d, J=2.5Hz), 7.39 (1H, d, J=8.7Hz), 6.70 (1H, dd, J=8.7, 2.5Hz), 3.85 (3H, s), 0.28 (9H, s)
【0200】
(製造例8)
N−(2−エチニル−5−メトキシフェニル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド
【0201】
【化21】

【0202】
室温下、2,2,2−トリフルオロ−N−(5−メトキシ−2−トリメチルシラニルエチニルフェニル)アセトアミド(360mg)のテトラヒドロフラン(2.0mL)溶液にフッ化テトラブチルアンモニウム(1.0mol/L テトラヒドロフラン溶液、1.37mL)を加え、その混合物を30分間攪拌した。反応混合物を減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン−酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(210mg)を得た。
【0203】
1H-NMR (CDCl3) δ ppm: 8.90-8.65 (1H, br), 8.01 (1H, d, J=2.5Hz), 7.43 (1H, d, J
=8.7Hz), 6.73 (1H, dd, J=8.7, 2.5Hz), 3.85 (3H, s), 3.53 (1H, s)
【0204】
(製造例9−1)
6−メトキシ−2−チアゾール−4−イル−1H−インドール
【0205】
N−(2−エチニル−5−メトキシフェニル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド(209mg)、4−ブロモチアゾール(0.115mL)およびトリエチルアミン(0.298mL)のアセトニトリル溶液(5.0mL)にビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(18mg)およびヨウ化銅(10mg)を加え、その混合物をマイクロ波照射下、120℃で10分間撹拌した。室温まで冷ました後、その混合物に炭酸カリウム(297mg)を加え、その混合物をマイクロ波照射下、120℃で10分間撹拌した。反応混合物に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。その有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン−酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(60.0mg)を得た。
なお、標題化合物の構造式およびスペクトルデータを表9に示した。
【0206】
対応する出発物質を用い、製造例9−1と同様にして、以下の製造例9−2を得た。これらの構造式およびスペクトルデータを表9に示した。
【0207】
【表9】

【0208】
(製造例10−1)
エチル=6−〔(6−クロロ−2−ピリジン−3−イル−1H−インドール−3−イル)ヒドロキシメチル〕ピリジン−2−カルボキシラート
【0209】
室温下、6−クロロ−2−ピリジン−3−イル−1H−インドール(62.6mg)およびエチル=6−ホルミルピリジン−2−カルボキシラート(49.2mg)の塩化メチレン(2.7mL)懸濁液に1,8−ジアザビシクロウンデカ[5.4.0]−7−エン(0.004mL)を加え、その混合物を終夜攪拌した。反応混合物をアミノプロピル化シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン−酢酸エチル−メタノール)にて精製し、表題化合物(84.1mg)を得た。
なお、標題化合物の構造式およびスペクトルデータを表10に示した。
【0210】
対応する出発物質を用い、製造例10−1と同様にして、以下の製造例10−2〜10−3を得た。これらの構造式およびスペクトルデータを表10に示した。
【0211】
【表10】

【0212】
(製造例11−1)
5−メチルチオフェン−3−カルボン酸メトキシメチルアミド
【0213】
室温下、5−メチルチオフェン−3−カルボン酸(0.500g)のテトラヒドロフラン(10mL)溶液に2−クロロ−4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン(0.738g)およびN−メチルモルホリン(1.20mL)を加えた。その混合物を1時間撹拌した後、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン 塩酸塩(0.376g)を加えた。その混合物を23時間撹拌した。反応混合物に水およびジエチルエーテルを加え、有機層を分離した。水層をジエチルエーテルにて抽出し、有機層を合一した。集めた有機層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下留去した。得られた粗生成物をアミノプロピル化シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:へキサン−酢酸エチル)で精製し、表題化合物(0.626g)を得た。
なお、標題化合物の構造式およびスペクトルデータを表11に示した。
【0214】
対応する出発物質を用い、製造例11−1と同様にして、以下の製造例11−2を得た。これらの構造式およびスペクトルデータを表11に示した。
【0215】
【表11】

【0216】
(製造例12)
5−メチルフラン−2−カルボン酸メトキシメチルアミド
【0217】
【化22】

【0218】
氷冷下、5−メチルフラン−2−カルボニルクロリド(0.573g)とN,O−ジメチルヒドロキシルアミン 塩酸塩(0.426g)の塩化メチレン(15mL)懸濁液にピリジン(0.670mL)を加え、その溶液を室温にて終夜撹拌した。反応混合物に水を加え、酢酸エチルにて抽出した。その有機層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去し、表題化合物(0.670g)を得た。
【0219】
1H-NMR (CDCl3) δ ppm: 7.05 (1H, d, J=3.4Hz), 6.15-6.05 (1H, m), 3.75 (3H, s), 3.34 (3H, s), 2.39 (3H, s)
【0220】
(製造例13−1)
tert−ブチル=〔5−メトキシ−2−(2−オキソ−2−チオフェン−3−イル−エチル)フェニル〕カルバマート
【0221】
アルゴンガス雰囲気下、−43℃にてtert−ブチル=(5−メトキシ−2−メチルフェニル)カルバマート(0.596g)のテトラヒドロフラン(6.0mL)溶液にsec−ブチルリチウム溶液(1.07mol/L n−ヘキサン−シクロヘキサン溶液、4.7mL)を5分間かけて滴下した。同温にてその混合物を30分間撹拌し、その混合物に5−メチルチオフェン−3−カルボン酸メトキシメチルアミド(0.430g)のテトラヒドロフラン(4.0mL)溶液を滴下した。その混合物を−45℃にて30分間、室温にて1時間撹拌した。氷冷下、その反応混合物に1mol/L塩酸を加え、ジエチルエーテルにて抽出した。その水層をジエチルエーテルにて抽出し、有機層を合一した。集めた有機層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をアミノプロピル化シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:へキサン−酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(0.424g)を得た。
なお、標題化合物の構造式およびスペクトルデータを表12に示した。
【0222】
対応する出発物質を用い、製造例13−1と同様にして、以下の製造例13−2〜13−23を得た。これらの構造式およびスペクトルデータを表12〜16に示した。
【0223】
【表12】

【0224】
【表13】

【0225】
【表14】

【0226】
【表15】

【0227】
【表16】

【0228】
(製造例14−1)
エチル=6−〔2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−メトキシフェニル)−3−オキソ−3−チオフェン−3−イルプロピル〕ピリジン−2−カルボキシラート
【0229】
氷冷下、tert−ブチル=〔5−メトキシ−2−(2−オキソ−2−チオフェン−3−イル−エチル)フェニル〕カルバマート(0.387g)のN,N−ジメチルホルムアミド(5.5mL)溶液にアルゴンガス雰囲気下にて水素化ナトリウム(含有率55%、49.0mg)を加え、同条件下、その混合物を30分間撹拌した。氷冷下、その混合物にエチル=6−クロロメチルピリジンカルボキシラート(0.222g)を加え、その混合物を同条件下20分間、次いで室温にて6時間撹拌した。反応混合物を冷飽和塩化アンモニウム水溶液中に注ぎ込み、酢酸エチルにて抽出した。水層を酢酸エチルにて抽出し、有機層を合一した。集めた有機層を飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:へキサン−酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(0.425g)を得た。
なお、標題化合物の構造式およびスペクトルデータを表17に示した。
【0230】
対応する出発物質を用い、製造例14−1と同様にして、以下の製造例14−2〜14−24を得た。これらの構造式およびスペクトルデータを表17〜22に示した。
【0231】
【表17】

【0232】
【表18】

【0233】
【表19】

【0234】
【表20】

【0235】
【表21】

【0236】
【表22】

【0237】
(製造例15)
エチル=3−(6−メトキシ−2−ピリジン−3−イル−1H−インドール−3−カルボニル)ベンゾアート
【0238】
【化23】

【0239】
室温下、2,2,2−トリフルオロ−N−(2−ヨード−5−メトキシフェニル)アセトアミド(200mg)、3−エチニルピリジン(65.2mg)およびトリエチルアミン(0.161mL)のアセトニトリル(8.0mL)溶液に ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(12mg)およびヨウ化銅(7mg)を加え、その混合物をアルゴンガス雰囲気下、終夜攪拌した。その反応混合物に炭酸カリウム(240mg)およびエチル=3−ヨード安息香酸(0.106mL)を加え、その混合物を一酸化炭素ガス雰囲気下50℃にて終夜攪拌した。室温まで冷ました後、反応混合物に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで抽出した。その有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:へキサン−酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(128mg)を得た。
【0240】
1H-NMR (CDCl3) δ ppm: 9.00-6.70 (12H, m), 4.32 (2H, q, J=7.2Hz), 3.89 (3H, s), 1.36 (3H, t, J=7.2Hz)
MS(ESI, m/z) = 401 (M+H)+
【0241】
(製造例16)
(2−フェニル−1H−インドール−6−イル)メタノール
【0242】
【化24】

【0243】
氷冷下、水素化リチウムアルミニウム(含有率80%、96.0mg)のテトラヒドロフラン(5.0mL)懸濁液に2−フェニル−1H−インドール−6−カルボン酸のテトラヒドロフラン(5.0mL)溶液を加え、その混合物を同条件下で5分間、次いで室温下2時間攪拌した。氷冷下、反応混合物に水素化リチウムアルミニウム(含有率80%、48.0mg)を加え、その混合物を室温下2時間、次いで50℃で5時間、さらに室温下終夜攪拌した。室温まで冷ました後、反応混合物を冷やした1mol/L塩酸中に注ぎ、酢酸エチルで抽出した。水層を酢酸エチルにて抽出し、有機層を合一した。集めた有機層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:へキサン−酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(121mg)を得た。
【0244】
1H-NMR (CDCl3) δ ppm: 8.45-8.25 (1H, br), 7.75-7.55 (3H, m), 7.50-7.30 (4H, m), 7.13 (1H, dd, J=8.2, 1.4Hz), 6.85-6.80 (1H, m), 4.80 (2H, s)
【0245】
(製造例17)
2−フェニル−1H−インドール−6−イルメチル=アセタート
【0246】
【化25】

【0247】
室温下、(2−フェニル−1H−インドール−6−イル)メタノール(20.0mg)、ピリジン(0.058mL)の塩化メチレン(0.5mL)溶液に無水酢酸(0.034mL)を加え、その混合物を2時間攪拌した。反応混合物に0.5mol/L塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。その有機層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:へキサン−酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(18.7mg)を得た。
【0248】
1H-NMR (CDCl3) δ ppm: 8.39 (1H, s), 7.75-7.55 (3H, m), 7.55-7.30 (4H, m), 7.13 (1H, dd, J=8.1, 1.3Hz), 6.85-6.80 (1H, m), 5.22 (2H, s), 2.11 (3H, s)
MS(ESI, m/z) = 266 (M+H)+
【0249】
(製造例18)
エチル=6−(6−アセトキシメチル−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボキシラート
【0250】
【化26】

【0251】
氷冷下、2−フェニル−1H−インドール−6−イルメチル=アセタート(87.0mg)とエチル=6−ホルミルピリジン−2−カルボキシラート(64.8mg)の塩化メチレン(3.3mL)懸濁液にトリエチルシラン(0.157mL)およびトリフルオロ酢酸(0.038mL)を順次加え、その混合物を同条件下で2時間、室温で4時間攪拌した。反応混合物をアミノプロピル化シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:へキサン−酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(66.9mg)を得た。
【0252】
1H-NMR (CDCl3) δ ppm: 8.24 (1H, s), 8.00-7.85 (1H, m), 7.70-7.55 (3H, m), 7.50-7.30 (5H, m), 7.20-7.10 (1H, m), 7.08 (1H, dd, J=8.2, 1.4Hz), 5.21 (2H, s), 4.57 (2H, s), 4.51 (2H, q, J=7.1Hz), 2.10 (3H, s), 1.47 (3H, t, J=7.1Hz)
MS(ESI, m/z) = 429 (M+H)+
【0253】
(製造例19)
4−シクロプロピル−1−ヨード−2−ニトロベンゼン
【0254】
氷冷下、4−シクロプロピル−2−ニトロアニリン(1.23g)の濃塩酸(5.0mL)懸濁液に、亜硝酸ナトリウム(522mg)の水(5.0mL)溶液をゆっくり加えた。同条件下、その混合物を30分間撹拌した。その混合物にヨウ化カリウム(2.28g)の水(10mL)溶液を滴下した。その混合物を室温下30分間、60℃で1.5時間撹拌した。室温まで冷ました後、反応混合物に酢酸エチルを加え、その有機層を分別した。その層を10%チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、表題化合物(1.66g)を得た。
なお、標題化合物の構造式およびスペクトルデータを表58に示した。
【0255】
(製造例20)
5−シクロプロピル−2−ヨードアニリン
【0256】
室温下、4−シクロプロピル−1−ヨード−2−ニトロベンゼン(1.65g)、塩化鉄(III)六水和物(77.2mg)、活性炭(27.4mg、wet)のメタノール(20mL)懸濁液にヒドラジン一水和物(0.83mL)を加えた。その混合物を70℃で終夜撹拌した。室温まで冷ました後、その混合物にヒドラジン一水和物(0.28mL)を加えた。その混合物を70℃で2時間撹拌した。室温まで冷ました後、反応混合物をセライト(登録商標)ろ過し、不溶物をろ去した。そのろ液を減圧下濃縮した。残渣に水を加え、酢酸エチルで抽出した。その有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮し、表題化合物(1.41g)を得た。
なお、標題化合物の構造式およびスペクトルデータを表58に示した。
【0257】
(製造例21)
3−エトキシ−4−フルオロアニリン
【0258】
氷冷下、2−エトキシ−1−フルオロ−4−ニトロベンゼン(2.25g)のテトラヒドロフラン(25mL)−エタノール(25mL)溶液に10%パラジウム−炭素(675mg、wet)を加え、その懸濁液を水素ガス雰囲気下、室温にて終夜撹拌した。その懸濁液をセライト(登録商標)ろ過し、不溶物をろ去した。ろ液を減圧下濃縮し、表題化合物(2.01g)を得た。
なお、標題化合物の構造式およびスペクトルデータを表58に示した。
【0259】
(製造例22−1)
2−ブロモ−4−メチル−5−トリフルオロメチルアニリン
【0260】
氷冷下、4−メチル−3−トリフルオロメチルアニリン(701mg)の塩化メチレン(13mL)溶液にテトラ−n−ブチルアンモニウム トリブロミド(1.93g)を加え、その懸濁液を室温にて1.5時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、その有機層を分別した。その層を減圧下濃縮して表題化合物(2.19g)を得た。
なお、標題化合物の構造式およびスペクトルデータを表58に示した。
【0261】
対応する出発物質を用い、製造例22−1と同様にして以下の製造例22−2〜22−4を得た。これらの構造式および物性値を表58に示した。
【0262】
(製造例23)
対応するアニリン誘導体を用い、製造例1−1と同様にして以下の製造例23−1〜23−18を得た。これらの構造式および物性値を表59〜61に示した。
【0263】
(製造例24)
対応するトリフルオロアセトアニリド誘導体を用い、製造例2−1と同様にして以下の製造例24−1〜24−49を得た。これらの構造式および物性値を表61〜68に示した。
【0264】
(製造例25−1)
5−メチル−2−フェニル−1H−インドール−6−オール
【0265】
氷冷下、6−メトキシ−5−メチル−2−フェニル−1H−インドール(197mg)の塩化メチレン(4.2mL)懸濁液に三臭化ホウ素(1mol/L 塩化メチレン溶液、3.3mL)を滴下した。その混合物を氷冷下、20分間、次いで室温下1時間撹拌した。反応混合物を氷中にゆっくり注いだ。その混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルを加え、その有機層を分別した。水層を酢酸エチルにて抽出し、有機層を合一した。その層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、表題化合物(180mg)を得た。
なお、標題化合物の構造式およびスペクトルデータを表69に示した。
【0266】
対応する出発物質を用い、製造例25−1と同様にして以下の製造例25−2〜25−4を得た。これらの構造式および物性値を表69に示した。
【0267】
(製造例26−1)
2−tert−ブチル−6−エトキシ−1H−インドール
【0268】
室温下、2−tert−ブチル−1H−インドール−6−オール(133mg)と炭酸カリウム(117mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(3.0mL)懸濁液にヨウ化エチル(0.085mL)を加え、その懸濁液を終夜撹拌した。反応混合物に水および酢酸エチルを加え、有機層を分別した。水層を酢酸エチルにて抽出し、有機層を合一した。その層を水、飽和食塩水にて順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、表題化合物(74.5mg)を得た。
なお、標題化合物の構造式およびスペクトルデータを表69に示した。
【0269】
対応する出発物質を用い、製造例26−1と同様にして以下の製造例26−2〜26−4を得た。これらの構造式および物性値を表69に示した。
【0270】
(製造例27)
6−ジフルオロメトキシ−2−フェニル−1H−インドール
【0271】
室温下、2−フェニル−1H−インドール−6−オール(250mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(2.0mL)溶液にクロロジフルオロ酢酸ナトリウム(182mg)、水酸化ナトリウム(47.8mg)、水(0.024mL)を加え、その混合物を125℃にて6.5時間撹拌した。放冷後、その混合物にクロロジフルオロ酢酸ナトリウム(364mg)、水酸化ナトリウム(95.6mg)、水(0.047mL)を加え、その混合物を125℃にて終夜撹拌した。室温まで冷ました後、反応混合物に水および酢酸エチルを加え、その有機層を分別し、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、表題化合物(7.2mg)を得た。
なお、標題化合物の構造式およびスペクトルデータを表70に示した。
【0272】
(製造例28)
3−(6−メトキシ−1H−インドール−2−イル)ベンズアミド
【0273】
室温下、6−メトキシ−1H−インドール(500mg)、酢酸パラジウム(II)(76.1mg)および酢酸セシウム(1.76g)のN,N−ジメチルアセトアミド(1.7mL)懸濁液に3−ヨードベンズアミド(1.05g)を加え、その混合物を130℃にてアルゴンガス雰囲気下20時間撹拌した。室温まで冷ました後、反応混合物を酢酸エチルにて希釈した。その混合物をセライト(登録商標)ろ過し、不溶物をろ去した。そのろ液を減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン−酢酸エチル−メタノール)で精製した。得られた粗生成物にヘキサン−ジイソプロピルエーテルの混合溶媒を加え、その懸濁液を室温下15分間撹拌した。析出物をろ取し、同混合溶媒にて洗浄後、減圧下乾燥し、表題化合物(169mg)を得た。
なお、標題化合物の構造式およびスペクトルデータを表70に示した。
【0274】
(製造例29)
3−(6−メトキシ−1H−インドール−2−イル)ベンゾニトリル
【0275】
氷冷下、3−(6−メトキシ−1H−インドール−2−イル)ベンズアミド(100mg)の塩化メチレン(1.0mL)−テトラヒドロフラン(1.0mL)懸濁液にアルゴンガス雰囲気下トリフルオロ酢酸無水物(0.068mL)、トリエチルアミン(0.117mL)を順次加え、その懸濁液を室温にて5.5時間撹拌した。室温にて、その懸濁液にトリフルオロ酢酸無水物(0.016mL)を加え、その混合物を1.5時間撹拌した。反応混合物に酢酸エチルおよび2mol/L塩酸を加え、その有機層を分別した。その層を水、飽和食塩水にて順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン−酢酸エチル−メタノール)で精製し、表題化合物(44.1mg)を得た。
なお、標題化合物の構造式およびスペクトルデータを表70に示した。
【0276】
(製造例30−1)
2−tert−ブチル−5,6−ジメチル−1H−インドール
【0277】
還流下、3,4−ジメチルアニリン(1.20g)のエタノール(3.0mL)溶液に1−ブロモ−3,3−ジメチル−2−ブタノン(0.405mL)を5分おきに4回に分けて加えた。 その混合物を終夜還流した。室温まで冷ました後、その混合物に2mol/L塩酸を加え、次いで水および酢酸エチルを加え、その有機層を分別した。その層を水、飽和食塩水にて順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をアミノプロピル化シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、表題化合物(38.1mg)を得た。
なお、標題化合物の構造式およびスペクトルデータを表70に示した。
【0278】
対応する出発物質を用い、製造例30−1と同様にして以下の製造例30−2〜30−3を得た。これらの構造式および物性値を表70に示した。
【0279】
(製造例31)
対応する出発物質を用い、製造例10−1と同様にして以下の製造例31−1〜31−40を得た。これらの構造式および物性値を表71〜78に示した。
【0280】
(製造例32)
対応する出発物質を用い、製造例11−1と同様にして以下の製造例32−1〜32−2を得た。これらの構造式および物性値を表79に示した。
【0281】
(製造例33)
対応する出発物質を用い、製造例12−1と同様にして以下の製造例33−1〜33−3を得た。これらの構造式および物性値を表79に示した。
【0282】
(製造例34)
N−メトキシ−N−メチル−3−プロピルベンズアミド
【0283】
室温にて、3−アリル−N−メトキシ−N−メチルベンズアミド(340mg)のテトラヒドロフラン(10.5mL)溶液に10%パラジウム−炭素(55.3mg、wet)を加え、その懸濁液を水素ガス雰囲気下終夜撹拌した。その懸濁液をセライト(登録商標)ろ過し、不溶物をろ去した。ろ液を減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、表題化合物(355mg)を得た。
なお、標題化合物の構造式およびスペクトルデータを表79に示した。
【0284】
(製造例35)
5−シクロプロピル−2−メチルアニリン
【0285】
室温下、5−ブロモ−2−メチルアニリン(372mg)、シクロプロピルボロン酸一水和物(270mg)、トリシクロヘキシルホスフィン(56.0mg)、リン酸カリウム(1.49g)のトルエン(8.0mL)−水(0.4mL)懸濁液に酢酸パラジウム(II)(22.4mg)を加え、その混合物をアルゴンガス雰囲気下100℃で6時間撹拌した。反応混合物に水および酢酸エチルを加え、その有機層を分別した。水層を酢酸エチルにて抽出し、有機層を合一した。その層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、表題化合物(256mg)を得た。
なお、標題化合物の構造式およびスペクトルデータを表79に示した。
【0286】
(製造例36)
対応する2−メチルアニリン誘導体を用い、製造例3−1と同様にして以下の製造例36−1〜36−4を得た。これらの構造式および物性値を表80に示した。
【0287】
(製造例37)
tert−ブチル=〔5−シクロプロピル−2−(2−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブチル)フェニル〕カルバマート
【0288】
アルゴンガス雰囲気下、tert−ブチル=(5−シクロプロピル−2−メチルフェニル)カルバマート(495mg)のテトラヒドロフラン(7.0mL)溶液に−40℃でsec−ブチルリチウム溶液(1.03mol/L n−ヘキサン−シクロヘキサン溶液、4.70mL)をゆっくり加えた。その混合物を−40℃で15分間撹拌した。その混合物にトリメチルアセトアルデヒド(純度90%、0.32mL)のテトラヒドロフラン(1.0mL)溶液を滴下した。その混合物を−40℃で15分間、室温で1時間撹拌した。反応混合物に水を加え、次いで1mol/L塩酸および酢酸エチルを加え、その有機層を分別した。その層を水、飽和食塩水で順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、表題化合物(544mg)を得た。
なお、標題化合物の構造式およびスペクトルデータを表80に示した。
【0289】
(製造例38)
1−(2−アミノ−4−シクロプロピルフェニル)−3,3−ジメチルブタン−2−オール
【0290】
室温下、tert−ブチル=〔5−シクロプロピル−2−(2−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブチル)フェニル〕カルバマート(540mg)の塩化メチレン(5.0mL)溶液にトリフルオロ酢酸(1.0mL)を加えた。その混合物を2時間撹拌した。反応混合物を5%炭酸水素ナトリウム水溶液中に注いた。その混合物に酢酸エチルを加え、その有機層を分別した。その層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮して表題化合物(351mg)を得た。
なお、標題化合物の構造式およびスペクトルデータを表80に示した。
【0291】
(製造例39)
2−tert−ブチル−6−シクロプロピル−1H−インドール
【0292】
室温下、1−(2−アミノ−4−シクロプロピルフェニル)−3,3−ジメチルブタン−2−オール(350mg)、2−ブロモ−1,3,5−トリメチルベンゼン(0.269mL)および炭酸カリウム(413mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(10mL)懸濁液にテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)(86.6mg)を加え、その混合物をアルゴンガス雰囲気下150℃で5時間撹拌した。反応混合物に水および酢酸エチルを加え、その有機層を分別した。その層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、表題化合物(286mg)を得た。
なお、標題化合物の構造式およびスペクトルデータを表80に示した。
【0293】
(製造例40)
対応するtert−ブチル=(2−メチルフェニル)カルバマート誘導体を用い、製造例4−1と同様にして以下の製造例40−1〜40−31を得た。これらの構造式および物性値を表81〜85に示した。
【0294】
(製造例41)
対応するケトンを用い、製造例5−1と同様にして以下の製造例41−1〜41−5を得た。これらの構造式および物性値を表86に示した。
【0295】
(製造例42)
エチル=2−クロロ−3−メチルベンゾアート
【0296】
氷冷下、2−クロロ−3−メチル安息香酸(147mg)のエタノール(4.3mL)溶液にアルゴンガス雰囲気下にて濃硫酸(0.43mL)を加えた。その混合物を6時間還流した。反応混合物を減圧下濃縮し、残渣に酢酸エチルおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、有機層を分別した。水層を酢酸エチルにて抽出し、有機層を合一した。その層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下留去した。得られた粗生成物シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、表題化合物(182mg)を得た。
なお、標題化合物の構造式およびスペクトルデータを表86に示した。
【0297】
(製造例43)
エチル=3−ブロモメチル−2−クロロベンゾアート
【0298】
室温にて、エチル=2−クロロー3−メチルベンゾアート(166mg)のテトラクロロメタン(4.2mL)溶液にN−ブロモこはく酸イミド(149mg)と過酸化ベンゾイル(含有率75%、13.0mg)を加え、その混合物を3時間還流した。室温まで冷ました後、反応混合物を減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、表題化合物(153mg)を得た。
なお、標題化合物の構造式およびスペクトルデータを表86に示した。
【0299】
(製造例44)
対応するケトンを用い、製造例6−1と同様にして以下の製造例44−1〜44−20を得た。これらの構造式および物性値を表87〜90に示した。
【0300】
(製造例45)
対応するケトンを用い、またアルキル化剤として対応するブロミドを用い、製造例6−1と同様にして以下の製造例45−1〜45−9を得た。これらの構造式および物性値を表91〜92に示した。
【0301】
(製造例46)
対応するケトンを用い、またアルキル化剤として対応するブロミドを用い、さらにヨウ化ナトリウムを添加剤として加え、製造例6−1と同様にして以下の製造例46−1〜46−5を得た。これらの構造式および物性値を表93に示した。
【0302】
(製造例47−1)
5−フルオロ−2−イソプロピル−6−メトキシ−1H−インドール
【0303】
対応する出発物質を用い、製造例30−1と同様にして表題化合物を得た。
【0304】
1H-NMR (CDCl3) δ ppm: 7.81 (1H, s), 7.20 (1H, d, J=11.6Hz), 6.89 (1H, d, J=7.1Hz), 6.14 (1H, s), 3.90 (3H, s), 3.15-2.95 (1H, m), 1.34 (6H, d, J=6.7Hz)
【0305】
(製造例47−2)
2−イソプロピル−6−メトキシ−5−メチル−1H−インドール
【0306】
対応する出発物質を用い、製造例30−1と同様にして表題化合物を得た。
【0307】
1H-NMR (CDCl3) δ ppm: 7.73 (1H, s), 7.25 (1H, s), 6.78 (1H, s), 6.09 (1H, s), 3.84 (3H, s), 3.10-2.95 (1H, m), 2.28 (3H, s), 1.33 (6H, d, J=6.9Hz)
【0308】
(実施例1−1)
メチル=6−(6−メトキシ−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボキシラート
【0309】
【化27】

【0310】
メチル=6−〔2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−メトキシフェニル)−3−オキソ−3−フェニルプロピル〕ピリジン−2−カルボキシラート(3.27g)のトリフルオロ酢酸(10mL)−塩化メチレン(25mL)溶液を室温にて終夜撹拌した。減圧下溶媒を留去した。残渣を酢酸エチルにて希釈し、その混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。その有機層を分別し、水および飽和食塩水にて洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:へキサン−酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(1.49g)を得た。
【0311】
1H-NMR (CDCl3) δ ppm: 8.10 (1H, br s), 8.00-7.90 (1H, m) 7.65-7.15 (8H, m), 6.92 (1H, d, J=2.2Hz), 6.74 (1H, dd, J=8.7, 2.2Hz), 4.56 (2H, s), 4.04 (3H, s), 3.86 (3H, s)
【0312】
対応するケトンを用い、実施例1−1と同様にして、以下の実施例1−2〜1−6を得た。これらの構造式および物性値を表23に示した。
【0313】
【表23】

【0314】
(実施例2−1)
メチル=3−(6−メトキシ−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)ベンゾアート
【0315】
【化28】

【0316】
氷冷下、トリエチルシラン(0.204mL)とトリフルオロ酢酸(0.049mL)の塩化メチレン(1.5mL)溶液に、6−メトキシ−2−フェニル−1H−インドール(95.0mg)とメチル=m−ホルミルベンゾアート(76.9mg)の塩化メチレン(1.8mL)溶液を加えた。その溶液を同条件下0.5時間撹拌し、次いで室温にて終夜撹拌した。その溶液に2mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加え、次いで水を加えた。その有機層を分別し、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をアミノプロピル化シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:へキサン−酢酸エチル)で精製し、表題化合物(111mg)を得た。
【0317】
1H-NMR (CDCl3) δ ppm: 8.05-7.80 (3H, m), 7.55-7.15 (8H, m), 6.90 (1H, d, J=2.2Hz), 6.72 (1H, dd, J=8.7, 2.2Hz), 4.28 (2H, s), 3.88 (3H, s), 3.85 (3H, s)
【0318】
対応するインドール誘導体を用い、実施例2−1と同様にして、以下の実施例2−2〜2−26を得た。これらの構造式および物性値を表24〜28に示した。
【0319】
【表24】

【0320】
【表25】

【0321】
【表26】

【0322】
【表27】

【0323】
【表28】

【0324】
(実施例3−1)
メチル=3−(6−クロロ−1−メチル−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)ベンゾアート
【0325】
【化29】

【0326】
室温下、メチル=3−(6−クロロ−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)ベンゾアート(112mg)のN,N−ジメチルホルムアミド(15mL)溶液に水素化ナトリウム(含有率55%、13.6mg)をアルゴンガス雰囲気下にて加え、その混合物を室温にてアルゴンガス雰囲気下0.5時間撹拌した。室温下、その混合物にヨウ化メチル(0.030mL)を加え、その混合物を室温にてアルゴンガス雰囲気下終夜撹拌した。反応混合物に水および酢酸エチルを加え、その有機層を分別し、水および飽和食塩水にて順次洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧下溶媒を留去した。得られた粗生成物をアミノプロピル化シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:へキサン−酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(41.2mg)を得た。
【0327】
1H-NMR (CDCl3) δ ppm: 7.85-7.75 (2H, m), 7.50-7.20 (9H, m), 7.03 (1H, dd, J=8.4, 1.8Hz), 4.07 (2H, s), 3.87 (3H, s), 3.59 (3H, s)
【0328】
対応するインドール誘導体を用い、実施例3−1と同様にして、以下の実施例3−2〜3−12を得た。これらの構造式および物性値を表29〜31に示した。
【0329】
【表29】

【0330】
【表30】

【0331】
【表31】

【0332】
(実施例4−1)
6−(6−メトキシ−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸
【0333】
【化30】

【0334】
室温下、メチル=6−(6−メトキシ−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボキシラート(0.427g)のメタノール(3.0mL)−テトラヒドロフラン(1.5mL)溶液に2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(1.43mL)を加え、その溶液を65℃にて1時間撹拌した。室温まで冷ました後、その混合物に2mol/L塩酸を加えた。その混合物を減圧下濃縮した。残渣に水を加え、その混合物を超音波により粉砕し、次いで15分間撹拌した。析出物をろ取し、表題化合物(0.405g)を得た。
【0335】
1H-NMR (DMSO-d6) δ ppm: 11.18 (1H, br s), 7.90-7.70 (4H, m), 7.50-7.25 (5H, m), 6.87 (1H, d, J=2.1Hz), 6.62 (1H, dd, J=8.7, 2.1Hz), 4.38 (2H, s), 3.77 (3H, s)
MS(ESI, m/z) : 359 (M+H)+
【0336】
対応するエステルを用い、実施例4−1と同様にして、以下の実施例4−2〜4−44を得た。これらの構造式および物性値を表32〜40に示した。
【0337】
【表32】

【0338】
【表33】

【0339】
【表34】

【0340】
【表35】

【0341】
【表36】

【0342】
【表37】

【0343】
【表38】

【0344】
【表39】

【0345】
【表40】

【0346】
(実施例5−1)
エチル=6−(6−メトキシ−2−チオフェン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボキシラート
【0347】
室温下、エチル=6−〔2−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−メトキシフェニル)−3−オキソ−3−チオフェン−3−イルプロピル〕ピリジン−2−カルボキシラート(0.411g)の塩化メチレン(4.0mL)溶液にトリフルオロ酢酸(0.80mL)を加え、その溶液を1時間撹拌した。氷冷下、その反応混合物に1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加え、その混合物を撹拌した。その有機層を分別し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をアミノプロピル化シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン−酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(0.189g)を得た。
なお、標題化合物の構造式およびスペクトルデータを表41に示した。
【0348】
対応するケトンを用い、実施例5−1と同様にして、以下の実施例5−2〜5−24を得た。これらの構造式およびスペクトルデータを表41〜46に示した。
【0349】
【表41】

【0350】
【表42】

【0351】
【表43】

【0352】
【表44】

【0353】
【表45】

【0354】
【表46】

【0355】
(実施例6−1)
メチル=6−(6−フルオロ−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボキシラート
【0356】
氷冷下、6−フルオロ−2−フェニル−1H−インドール(88.9mg)、メチル=6−ホルミルピリジン−2−カルボキシラート(76.5mg)およびトリエチルシラン(0.200mL)の塩化メチレン(2.0mL)溶液にトリフルオロ酢酸(0.049mL)を滴下した。その混合物を同温にて5分間、次いで室温下14時間撹拌した。氷冷下、反応混合物に1mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加え、その混合物を撹拌した。その有機層を分別し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をアミノプロピル化シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン−酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(73.8mg)を得た。
なお、標題化合物の構造式およびスペクトルデータを表47に示した。
【0357】
対応するインドール誘導体を用い、実施例6−1と同様にして、以下の実施例6−2〜6−10を得た。これらの構造式およびスペクトルデータを表47および48に示した。
【0358】
【表47】

【0359】
【表48】

【0360】
(実施例7)
エチル=3−(6−メトキシ−2−ピリジン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ベンゾアート
【0361】
【化31】

【0362】
氷冷下、エチル=3−(6−メトキシ−2−ピリジン−3−イル−1H−インドール−3−カルボニル)ベンゾアート(0.12g)のテトラヒドロフラン(1.5mL)−エタノール(1.5mL)溶液に10%パラジウム−炭素(125mg、wet)を加え、その混合物を水素雰囲気下、室温で終夜撹拌し、次いで40℃で8時間撹拌した。反応混合物をセライト(登録商標)ろ過し、不溶物をろ去した。そのろ液を減圧下濃縮した。残渣に塩化メチレン(3mL)溶液を加え、次いで氷冷下、トリエチルシラン(0.105mL)およびトリフルオロ酢酸(0.277mL)を順次加え、その混合物を室温にて終夜攪拌した。反応混合物をアミノプロピル化シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン−酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(41.8mg)を得た。
【0363】
1H-NMR (CDCl3) δ ppm: 8.85-8.70 (1H, m), 8.65-8.50 (1H, m), 8.10 (1H, s), 8.00-7.70 (3H, m), 7.40-7.20 (4H, m), 6.93 (1H, d, J=2.2Hz), 6.75 (1H, dd, J=8.7, 2.2Hz), 4.35 (2H, q, J=7.1Hz), 4.28 (2H, s), 3.86 (3H, s), 1.37 (3H, t, J=7.1Hz)
MS(ESI, m/z) = 387 (M+H)+
【0364】
(実施例8−1)
エチル=6−(6−クロロ−2−ピリジン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボキシラート
【0365】
室温下、エチル=6−〔(6−クロロ−2−ピリジン−3−イル−1H−インドール−3−イル)ヒドロキシメチル〕ピリジン−2−カルボキシラート(72.0mg)の塩化メチレン(1.5mL)溶液にトリエチルシラン(0.034mL)およびトリフルオロ酢酸(0.163mL)を順次加え、その混合物を7時間攪拌した。反応混合物をアミノプロピル化シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン−酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(49.5mg)を得た。
なお、標題化合物の構造式およびスペクトルデータを表49に示した。
【0366】
対応するアルコールを用い、実施例8−1と同様にして、以下の実施例8−2を得た。これらの構造式およびスペクトルデータを表49に示した。
【0367】
【表49】

【0368】
(実施例9)
エチル=2−(6−メトキシ−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)チアゾール−4−カルボキシラート
【0369】
【化32】

【0370】
室温下、エチル=2−〔ヒドロキシ−(6−メトキシ−2−フェニル−1H−インドール−3−イル)メチル〕チアゾール−4−カルボキシラート(69.0mg)の塩化メチレン(1.7mL)溶液にトリエチルシラン(0.135mL)をアルゴンガス雰囲気下加えた。氷冷下、その混合物にボロントリフルオリド・エチルエーテル錯体(0.107mL)をゆっくり滴下した。その混合物を同条件下10分間、室温にて15分間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えた。その有機層を分離し、その層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をアミノプロピル化シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン−酢酸エチル)にて精製し、表題化合物(17.0mg)を得た。
【0371】
1H-NMR (CDCl3) ppm:8.13 (1H, br s), 7.99 (1H, s), 7.60-7.30 (6H, m), 6.93 (1H, d, J=2.1Hz), 6.79 (1H, dd, J=8.7, 2.1Hz), 4.61 (2H, s), 4.45 (2H, q, J=7.2Hz), 3.87 (3H, s), 1.43 (3H, t, J=7.2Hz)
MS(ESI, m/z) = 393 (M+H)+
【0372】
(実施例10)
6−(6−ヒドロキシメチル−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸
【0373】
【化33】

【0374】
室温下、エチル=6−(6−アセトキシメチル−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボキシラート(66.0mg)のテトラヒドロフラン(1mL)−エタノール(0.5mL)溶液に2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(0.31mL)を加え、その混合物を30℃で終夜攪拌した。その反応混合物を減圧下濃縮した。残渣に水を加えた後、2mol/L塩酸(0.31mL)を滴下し、その混合物を20分間攪拌した。析出物をろ取し、表題化合物(41.4mg)を得た。
【0375】
1H-NMR (CDCl3) δ ppm: 11.29 (1H, s), 7.90-7.70 (4H, m), 7.55-7.25 (6H, m), 6.95-6.85 (1H, m), 5.15-5.10 (1H, m), 4.60-4.50 (2H, m), 4.38 (2H, s)
MS(ESI, m/z) = 359(M+H)+
【0376】
(実施例11−1)
6−(6−メトキシ−2−チオフェン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボン酸
【0377】
エチル=6−(6−メトキシ−2−チオフェン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボキシラート(0.187g)のテトラヒドロフラン(3.6mL)−エタノール(1.8mL)溶液に1mol/L水酸化ナトリウム水溶液(1.4mL)を加え、その混合物を60℃にて2時間撹拌した。室温まで冷ました後、その反応混合物を減圧下留去した。残渣を水にて希釈した後、氷冷下、その混合物に1mol/L塩酸(1.4mL)を加えた。析出物をろ取し、表題化合物(0.171g)を得た。
なお、標題化合物の構造式およびスペクトルデータを表50に示した。
【0378】
対応するエステルを用い、実施例11−1と同様にして、以下の実施例11−2〜11−38を得た。これらの構造式およびスペクトルデータを表50〜57に示した。
【0379】
【表50】

【0380】
【表51】

【0381】
【表52】

【0382】
【表53】

【0383】
【表54】

【0384】
【表55】

【0385】
【表56】

【0386】
【表57】

【0387】
(実施例12)
対応するケトンを用い、実施例1−1と同様にして以下の実施例12−1〜12−34を得た。これらの構造式および物性値を表94〜99に示した。
【0388】
(実施例13)
対応するインドール誘導体を用い、実施例2−1と同様にして以下の実施例13−1〜13−35を得た。これらの構造式および物性値を表100〜106に示した。
【0389】
(実施例14−1)
エチル=6−(5−フルオロ−6−メトキシ−2−ピリジン−3−イル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボキシラート
【0390】
氷冷下、エチル=6−〔(5−フルオロ−6−メトキシ−2−ピリジン−3−イル−1H−インドール−3−イル)ヒドロキシメチル〕ピリジン−2−カルボキシラート(81.0mg)とトリエチルシラン(0.120mL)の塩化メチレン(1.9mL)溶液にトリフルオロ酢酸(0.059mL)をゆっくり加えた。その混合物を室温にて14時間撹拌した。反応混合物に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、有機層を分別した。その層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。粗生成物をアミノプロピル化シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:塩化メチレン−メタノール)で精製し、表題化合物(70.5mg)を得た。
なお、標題化合物の構造式およびスペクトルデータを表106に示した。
【0391】
対応する出発物質を用い、実施例14−1と同様にして以下の実施例14−2〜14−15を得た。これらの構造式および物性値を表106〜108に示した。
【0392】
(実施例15−1)
メチル=6−(6−メトキシ−5−メチル−2−フェニル−1H−インドール−3−イルメチル)ピリジン−2−カルボキシラート
【0393】
氷冷下、ヨウ化ナトリウムのアセトニトリル(0.30mL)懸濁液にアルゴンガス雰囲気下にてトリエチルシラン(0.063mL)を加え、その混合物を同条件下5分間撹拌した。その混合物にメチル=6−〔ヒドロキシ−(6−メトキシ−5−メチル−2−フェニル−1H−インドール−3−イル)メチル〕ピリジン−2−カルボキシラート(50.0mg)のアセトニトリル(1mL)懸濁液を加え、その混合物を同条件下1時間撹拌した。氷冷下、その混合物に酢酸エチルおよび水を加え、次いで炭酸水素ナトリウムを加えた。その有機層を分別し、その層を9%チオ硫酸ナトリウム水溶液、飽和食塩水にて順次洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出溶媒:ヘキサン−酢酸エチル)で精製し、表題化合物(40.9mg)を得た。
なお、標題化合物の構造式およびスペクトルデータを表109に示した。
【0394】
対応する出発物質を用い、実施例15−1と同様にして以下の実施例15−2〜15−25を得た。これらの構造式および物性値を表109〜113に示した。
【0395】
(実施例16)
対応するエステルを用い、実施例4−1と同様にして以下の実施例16−1〜16−109を得た。これらの構造式および物性値を表114〜135に示した。
【0396】
(実施例17)
対応する出発物質を用い、実施例2−1と同様にして以下の実施例17−1−17〜2を得た。これらの構造式および物性値を表136に示した。
【0397】
(実施例18)
対応する出発物質を用い、実施例4−1と同様にして以下の実施例18−1−18〜2を得た。これらの構造式および物性値を表136に示した。
【0398】
【表58】

【0399】
【表59】

【0400】
【表60】

【0401】
【表61】

【0402】
【表62】

【0403】
【表63】

【0404】
【表64】

【0405】
【表65】

【0406】
【表66】

【0407】
【表67】

【0408】
【表68】

【0409】
【表69】

【0410】
【表70】

【0411】
【表71】

【0412】
【表72】

【0413】
【表73】

【0414】
【表74】

【0415】
【表75】

【0416】
【表76】

【0417】
【表77】

【0418】
【表78】

【0419】
【表79】

【0420】
【表80】

【0421】
【表81】

【0422】
【表82】

【0423】
【表83】

【0424】
【表84】

【0425】
【表85】

【0426】
【表86】

【0427】
【表87】

【0428】
【表88】

【0429】
【表89】

【0430】
【表90】

【0431】
【表91】

【0432】
【表92】

【0433】
【表93】

【0434】
【表94】

【0435】
【表95】

【0436】
【表96】

【0437】
【表97】

【0438】
【表98】

【0439】
【表99】

【0440】
【表100】

【0441】
【表101】

【0442】
【表102】

【0443】
【表103】

【0444】
【表104】

【0445】
【表105】

【0446】
【表106】

【0447】
【表107】

【0448】
【表108】

【0449】
【表109】

【0450】
【表110】

【0451】
【表111】

【0452】
【表112】

【0453】
【表113】

【0454】
【表114】

【0455】
【表115】

【0456】
【表116】

【0457】
【表117】

【0458】
【表118】

【0459】
【表119】

【0460】
【表120】

【0461】
【表121】

【0462】
【表122】

【0463】
【表123】

【0464】
【表124】

【0465】
【表125】

【0466】
【表126】

【0467】
【表127】

【0468】
【表128】

【0469】
【表129】

【0470】
【表130】

【0471】
【表131】

【0472】
【表132】

【0473】
【表133】

【0474】
【表134】

【0475】
【表135】

【0476】
【表136】

【0477】
(実施例19)
EP受容体拮抗作用確認試験
【0478】
(1)ラットEP発現ベクターの調製
Rat Kidney BD Marathon−Ready cDNA(日本ベクトン・ディッキンソン株式会社)を鋳型として、配列番号1に示したフォワードプライマーおよび配列番号2に示したリバースプライマーを使用し、KOD−Plus−Ver2.0(東洋紡績株式会社)を用いて1回目のPCRを行った。さらに、この増幅産物を鋳型とし、配列番号3に示したフォワードプライマーおよび配列番号4に示したリバースプライマーを使用し、さらに同様に2回目のPCRを行った。2回目のPCRで得られた増幅産物をベクター(pcDNA3.1 D/V5−His−TOPO(登録商標)、インビトロジェン株式会社)に組み込んだ。常法により、この増幅産物を組み込んだベクターを大腸菌(ワンショットTOP10コンピテントセル、インビトロジェン株式会社)に導入し形質転換した。この形質転換した大腸菌をLB寒天培地にて1日培養した。培養後、コロニーを選択し、50μg/mLのアンピシリンを含むLB液体培地にて培養した。培養後、QIAprep Spin Miniprep Kit(株式会社キアゲン)を用いてベクターを精製した。このベクターの挿入部位の塩基配列(配列番号5)を公知のデータベース(NCBI)のアクセッション番号NM_013100で登録されているラットEPの塩基配列(Ptger1)と比較したところ、1塩基以外全て一致していた。また、この塩基配列によって翻訳されたアミノ酸配列は、NCBIのアクセッション番号NP_037232で登録されているラットEP受容体のアミノ酸配列と完全に一致した。したがって、クローニングした遺伝子配列はラットEP受容体の塩基配列であり、得られたアミノ酸配列はラットEP受容体であることが確認された。配列番号5に示した核酸が挿入されたpcDNA3.1 D/V5−His−TOPO(登録商標)をラットEP発現ベクターとした。
【0479】
(2)ラットEP受容体発現細胞の調製
【0480】
(2−1)COS−1細胞培養
COS−1細胞(大日本住友製薬)は抗生物質としてペニシリン−ストレプトマイシン溶液(インビトロジェン株式会社、最終濃度:ベンジルペニシリンとして100U/mL;ストレプトマイシンとして100μg/mL)、MEM非必須アミノ酸(インビトロジェン株式会社、最終濃度:0.1mM)および胎児牛血清(三光純薬株式会社、最終濃度:10%)を添加したD−MEM液体培地(高グルコースおよびL−グルタミン含有、インビトロジェン株式会社)を用いて、5%COガス条件のインキュベーター内で37℃にてコンフルエントに達するまで培養した。
【0481】
(2−2)COS−1細胞の継代
コンフルエントに達した細胞を0.05%トリプシン/0.53mM EDTA・4Na(インビトロジェン株式会社)にて剥がし、上記液体培地にて再懸濁した。再懸濁した細胞を上記液体培地にてスプレットレシオが1:4から1:8になるように希釈し、培養した。
【0482】
(2−3)ラットEP発現ベクター導入用細胞の準備
コンフルエントに達した細胞を0.05%トリプシン/0.53mM EDTA・4Naにて剥がし、MEM非必須アミノ酸(最終濃度:0.1mM)及び胎児牛血清(最終濃度:10%)を添加したD−MEM液体培地(高グルコース及びL−グルタミン含有、インビトロジェン株式会社)にて再懸濁した。この再懸濁した細胞懸濁液をポリD−リジンコートした96ウェルマイクロプレート(BD BioCoat(登録商標)、日本ベクトン・ディッキンソン株式会社)の各ウェルに細胞数5×10個/ウェル、液体培地量が100μLになるように調製し、播種した。播種後、その細胞を5%COガス条件のインキュベーター内で37℃にて培養した。このラットEP発現ベクターの導入用細胞が接着した時点(播種後約2時間後)に下記に示す手順でラットEP発現ベクターの導入を行った。
【0483】
(2−4)ラットEP発現ベクター導入
【0484】
ラットEP発現ベクターの導入のために、リポフェクタミン2000(インビトロジェン株式会社)を使用した。ラットEP発現ベクターを200ng/25μL/ウェルになるようにOPTI−MEM(登録商標) I Reduced−Serum Medium(インビトロジェン株式会社)にて希釈した。同時に、リポフェクタミン2000(インビトロジェン株式会社)を0.5μL/25μL/ウェルになるように、OPTI−MEM(登録商標) I Reduced−Serum Medium(インビトロジェン株式会社)にて希釈し、室温にて5分間インキュベートした。5分間のインキュベート後、ラットEP発現ベクター/リポフェクタミン2000の複合体形成のために、希釈したラットEP発現ベクターと希釈したリポフェクタミン2000とを混合し、室温にて30分間インキュベートした。30分間のインキュベート後、ラットEP発現ベクター/リポフェクタミン2000の複合体を上記ラットEP発現ベクター導入用細胞に50μL/ウェルずつ分注した。このラットEP発現ベクター/リポフェクタミン2000の複合体が分注された細胞を5%COガス条件のインキュベーター内で37℃にて20時間培養した。20時間の培養後、この細胞をラットEP受容体発現細胞として、細胞内カルシウム濃度の測定に使用した。
【0485】
(3)細胞内カルシウム濃度上昇抑制作用の検討
【0486】
ラットEP受容体発現細胞を用いて、プロスタグランジンE誘発細胞内カルシウム濃度の上昇に対する各試験化合物の抑制効果を以下に示した方法A或いは方法Bにて検討した。
【0487】
方法A:
各試験化合物の10mMジメチルスルホキシド溶液をアッセイバッファー(20mM HEPES/Hank’s Balanced Salt Solution(HBSS)、pH7.2)にて希釈した。
ラットEP受容体発現細胞をアッセイバッファーにて洗浄した。蛍光カルシウム指示薬(Fluo−4 NW Calcium Assay Kit(Molecular Probes):同製品プロトコールで調製、インビトロジェン株式会社、2.5mMプロベネシドを含む)100μLを各ウェルに添加し、37℃にて60分間、インキュベーター内にてインキュベートした。その後、細胞上清を全て吸引し、アッセイバッファーにて洗浄した。洗浄後、2.5mMプロベネシドを含むアッセイバッファー100μLを各ウェルに添加し、速やかに細胞内カルシウム濃度を測定した。
細胞内カルシウム濃度は、FlexStation(登録商標)(モレキュラーデバイス社製)を用いて蛍光シグナルとして測定した。蛍光シグナル読み込み開始から20秒後にアッセイバッファーで希釈した上記各試験化合物50μL(最終濃度:1nM〜10μM)を各ウェルに添加し、60秒間蛍光シグナルを測定した。その後、50μLプロスタグランジンEバッファー溶液を各ウェルに添加し(最終濃度10nM)、60秒間蛍光シグナルを測定した。
【0488】
方法B:
各試験化合物の10mMジメチルスルホキシド溶液をアッセイバッファー(20mM HEPES/Hank’s Balanced Salt Solution(HBSS)、pH7.2)にて希釈した。
ラットEP受容体発現細胞をアッセイバッファーにて洗浄した。蛍光カルシウム指示薬(Calcium kit II,Fluo4(株式会社 同仁化学研究所):同製品プロトコールで調製、インビトロジェン株式会社、2.5mMプロベネシドを含む)100μLを各ウェルに添加し、37℃にて60分間、インキュベーター内にてインキュベートした。その後、速やかに細胞内カルシウム濃度を測定した。
細胞内カルシウム濃度は、FDSS(登録商標)7000(浜松ホトニクス社製)を用いて蛍光シグナルとして測定した。蛍光シグナル読み込み開始から20秒後に各試験化合物50μL(最終濃度:1nM〜10μM)を各ウェルに添加し、60秒間蛍光シグナルを測定した。その後、50μLプロスタグランジンEバッファー溶液を各ウェルに添加し(最終濃度10nM)、60秒間蛍光シグナルを測定した。
【0489】
方法A或いは方法Bにおいて、試験化合物の代わりにアッセイバッファーを添加したときのプロスタグランジンE添加時に得られた蛍光シグナルを100%、試験化合物およびプロスタグランジンEのいずれも添加しない時に得られたシグナルを0%とし、試験化合物の濃度−反応曲線から50%の阻害を示す濃度をIC50値とした。EP受容体拮抗作用の値として、得られた各試験化合物のIC50値を以下の表137〜138に示した。また、非特許文献5記載の6−(6−クロロ−3−イソブチルインドール−1−イル)ピリジン−2−カルボン酸ナトリウム(化合物12g)を比較例1として同様に試験した。その結果を表138に示した。
【0490】
【表137】

【0491】
【表138】

【0492】
表137および表138に示したように、本発明の化合物は、比較例1と比較して、強力なEP受容体拮抗作用を示すことが明らかとなった。
【0493】
(実施例20)
サルプロストン誘発膀胱収縮に対する化合物の抑制効果
【0494】
雌性SDラットを用いた。ウレタン麻酔下(1.25g/kg、皮下投与)に気管カニューレ(Size8、HIBIKI)、投薬用大腿静脈カニューレ(23G針付きPE50)を挿入した。膀胱頂部から膀胱カニューレ(PE50)を挿入した。膀胱カニューレを三方活栓に接続し、一方を圧トランスデューサーに接続し、他方を生理食塩水にて満たしたシリンジに接続した。生理食塩水を膀胱に注入速度3.6mL/時で注入し、注入時の膀胱収縮圧を記録計(RECTI−HORITZ−8K、日本電気株式会社)にて記録した。排尿時の膀胱収縮圧が安定してから10分後に、サルプロストンを皮下投与(0.3mg/kg)した。その後、膀胱収縮圧が一定になった時点で被験薬(1.0mg/kg)を静脈内投与した。サルプロストン投与前10分間の平均膀胱収縮圧を基準値(0%)とした。また、被験薬投与直前10分間の平均膀胱収縮圧を最高膀胱収縮圧(100%)とした。被験薬投与後15分および60分における前後5分間の平均膀胱収縮圧を測定した。最高膀胱収縮圧に対してのこの測定値の比を次式により算出し、被験薬投与後の平均膀胱収縮率とした:(被験薬投与後の平均膀胱収縮率(%))=(被験薬投与後の平均膀胱収縮圧)/(最高膀胱収縮圧)。さらに、最高膀胱収縮率(100%)と被験薬投与後の平均膀胱収縮率(%)との差分を次式により算出し、被験薬の膀胱収縮抑制率とした:(膀胱収縮抑制率)=100%−(被験薬投与後の平均膀胱収縮率(%))。この結果を表139に示した。
【0495】
【表139】

【0496】
(実施例21)サルプロストン誘発膀胱収縮に対する化合物の併用による抑制効果
【0497】
実施例20の被験薬の代わりに、化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩とEP受容体拮抗薬以外の薬剤とを、膀胱収縮圧が一定になる時点で、投薬用大腿静脈カニューレから、同時または別々に静脈内投与する。化合物(I)またはその薬理学的に許容される塩とEP受容体拮抗薬以外の薬剤とを併用した時の膀胱収縮抑制率は、実施例20と同様に算出することができる。
【0498】
以上の結果、本発明の化合物は、生体内に投与された場合においても膀胱収縮抑制が強力かつ持続的であることを示した。
【産業上の利用可能性】
【0499】
本発明の化合物は、強力なEP受容体拮抗作用を有するので、PGEの刺激作用によるEP受容体の活性化に起因する疾患または症状の治療薬または予防薬として有用である。中でも、下部尿路症状(LUTS)、特に過活動膀胱症候群(OABs)の治療薬または予防薬として有用である。
【配列表フリーテキスト】
【0500】
<配列表1>
配列番号1は、配列番号5のDNAを増幅するために使用されたフォワードプライマー(5’プライマー)の配列である。
<配列表2>
配列番号2は、配列番号5のDNAを増幅するために使用されたリバースプライマー(3’プライマー)の配列である。
<配列表3>
配列番号3は、配列番号5のDNAを増幅するために使用されたフォワードプライマー(5’プライマー)の配列である。
<配列番号4>
配列番号4は、配列番号5のDNAを増幅するために使用されたリバースプライマー(3’プライマー)の配列である。
<配列番号5>
配列番号5は、配列番号1、配列番号2、配列番号3および配列番号4のプライマーを用いて増幅された、ラットEP受容体を発現するためのDNA配列である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)で表される化合物、またはその薬理学的に許容される塩を含有する、EP受容体拮抗薬。
【化1】

〔式中、
Aは、以下のa)〜h):
【化2】

からなる群から選択される基であり;
およびWは、一方が窒素原子であり、他方が=CH−または窒素原子であり;
は、酸素原子または硫黄原子であり;
は、=CH−または窒素原子であり;
Xは、水素原子またはハロゲン原子であり;
Yは、C1−6アルキレン基またはハロC1−6アルキレン基であり;
は、水素原子またはC1−6アルキル基であり;
は、水素原子、C1−6アルキル基またはC7−10アラルキル基であり;
は、以下のi)〜m):
i)分枝鎖のC3−6アルキル基、
j)C3−6シクロアルキル基、
k)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、ヒドロキシC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基およびシアノ基から独立して選択される1〜5個の基で環が置換されるフェニル基、
l)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、ヒドロキシC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基およびシアノ基から独立して選択される1〜4個の基で環が置換される6員環の芳香族複素環基,および
m)非置換もしくは以下からなる群:ハロゲン原子、C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、ヒドロキシC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基およびシアノ基から独立して選択される1〜3個の基で環が置換される5員環の芳香族複素環基
からなる群から選択される基であり;
は、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、ヒドロキシC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロC1−6アルコキシ基、C1−6アルキルスルファニル基、C1−6アルキルスルフィニル基、C1−6アルキルスルホニル基、C3−6シクロアルキル基、シアノ基、アミノ基またはニトロ基であり;
は、水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基またはC1−6アルコキシ基であり;
は、水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基またはC1−6アルコキシ基を表す。〕
【請求項2】
Aが、以下のa)〜d):
【化3】

からなる群から選択される基である、請求項1記載のEP受容体拮抗薬。
【請求項3】
Aが、以下のa)〜c):
【化4】

からなる群から選択される基であり、
が、窒素原子であり;
が、=CH−あり;
Xが、水素原子である、請求項2記載のEP受容体拮抗薬。
【請求項4】
が、以下のa)〜c):
a)分枝鎖のC3−6アルキル基、
b)フェニル基、および
c)5員環の芳香族複素環基もしくは6員環の芳香族複素環基
からなる群から選択される基であり;
が、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基、ハロC1−6アルコキシ基またはシアノ基であり;
が水素原子であり;
が水素原子である、請求項3記載のEP受容体拮抗薬。
【請求項5】
が水素原子である、請求項4記載のEP受容体拮抗薬。
【請求項6】
Yがメチレン基であり、Rが水素原子である、請求項5記載のEP受容体拮抗薬。
【請求項7】
が、フェニル基、5員環の芳香族複素環基または6員環の芳香族複素環である、請求項6記載のEP受容体拮抗薬。
【請求項8】
がハロゲン原子またはC1−6アルコキシ基である、請求項7記載のEP受容体拮抗薬。
【請求項9】
が、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基またはtert−ブチル基である、請求項6記載のEP受容体拮抗薬。
【請求項10】
がハロゲン原子またはC1−6アルコキシ基である、請求項9記載のEP受容体拮抗薬。
【請求項11】
Aが、以下の式
【化5】

で表される基である、請求項2記載のEP受容体拮抗薬。
【請求項12】
が、水素原子である、請求項11記載のEP受容体拮抗薬。
【請求項13】
が、以下のa)〜d):
【化6】

からなる群から選択される基であり;
は、窒素原子または−CR9c=であり;
6a、R6b、R6c、R6d、R6e、R7a、R7b、R7c、R7d、R8a、R8b、R8c、R9a、R9bおよびR9cは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、ハロC1−6アルキル基、ヒドロキシC1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基またはシアノ基である、請求項3記載のEP受容体拮抗薬。
【請求項14】
が、水素原子である、請求項13記載のEP受容体拮抗薬。
【請求項15】
請求項1〜14の何れか一項に記載のEP受容体拮抗薬を含有する、下部尿路症状の治療または予防薬。
【請求項16】
以下からなる群:抗コリン薬、αアンタゴニスト、βアゴニスト、5α−リダクターゼ阻害薬、PDE阻害薬、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬、抗男性ホルモン、プロゲステロン系ホルモン、LH−RHアナログ、ニューロキニン阻害薬、抗利尿薬、カルシウムチャネルブロッカー、平滑筋直接作用薬、三環系抗うつ薬、Kチャネル調節薬、ナトリウムチャネルブロッカー、Hブロッカー、セロトニン再取り込み阻害薬、ノルエピネフリン再取り込み阻害薬、ドーパミン再取り込み阻害薬、GABAアゴニスト、TRPV1調節薬、エンドセリン拮抗薬、5−HT1Aアンタゴニスト、αアゴニスト、オピオイドアゴニスト、PXアンタゴニスト、COX阻害薬、σアゴニストおよびムスカリンアゴニストから選択される少なくとも1種の薬剤とを組み合わせて使用する、請求項15記載の下部尿路症状の治療または予防薬。
【請求項17】
請求項1〜14の何れか一項に記載のEP受容体拮抗薬を含有する医薬組成物。
【請求項18】
以下からなる群:抗コリン薬、αアンタゴニスト、βアゴニスト、5α−リダクターゼ阻害薬、PDE阻害薬、アセチルコリンエステラーゼ阻害薬、抗男性ホルモン、プロゲステロン系ホルモン、LH−RHアナログ、ニューロキニン阻害薬、抗利尿薬、カルシウムチャネルブロッカー、平滑筋直接作用薬、三環系抗うつ薬、Kチャネル調節薬、ナトリウムチャネルブロッカー、Hブロッカー、セロトニン再取り込み阻害薬、ノルエピネフリン再取り込み阻害薬、ドーパミン再取り込み阻害薬、GABAアゴニスト、TRPV1調節薬、エンドセリン拮抗薬、5−HT1Aアンタゴニスト、αアゴニスト、オピオイドアゴニスト、PXアンタゴニスト、COX阻害薬、σアゴニストおよびムスカリンアゴニストから選択される少なくとも1種の薬剤とを組み合わせて使用する、請求項17記載の医薬組成物。

【公開番号】特開2012−167085(P2012−167085A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−11732(P2012−11732)
【出願日】平成24年1月24日(2012.1.24)
【出願人】(000104560)キッセイ薬品工業株式会社 (78)
【Fターム(参考)】