説明

インパクトレンチの空気圧調整方法及び管理方法

【課題】車輪の脱落事故の軽減に大きく寄与するインパクトレンチの空気圧調整方法及び管理方法を提供する。
【解決手段】調整用ハブ4に突設した調整用ハブボルト3と調整用ナット5を使用する。所定の空気圧に設定したインパクトレンチ1により調整用ハブボルト3に螺合させた調整用ナット5を締め付けてホイールWを調整用ハブ4に締結する。締結時の調整用ハブボルト3に発生した軸力を測定する。測定した軸力の値が予め決められた所定の軸力の範囲外にある場合にはインパクトレンチ1の空気圧を調整し、測定される軸力の値が予め決められた所定の軸力の範囲内に入るようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハブボルトに螺合させたナットを締め付けて車輪をハブに締結する際に、該ナットを空気圧を利用して締め付けるインパクトレンチの空気圧調整方法と管理方法に関し、更に詳しくは、車輪の脱落事故の減少に寄与するインパクトレンチの空気圧調整方法及び管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大型トラックやバス、トレーラなどの車輪(タイヤ付きホイール)が脱落する事故の発生要因の一つとして、タイヤ交換時の車輪の締結不良が指摘されている。車輪の締結は、ハブボルトに車輪のボルト用孔を係合させ、ハブボルトに螺合させたナットを締め付けることにより、車輪をハブに締結するが、その際にナットを締め付ける工具として、空気圧を利用してナットを締め付けるインパクトレンチ(例えば、特許文献1参照)が使用されている。
【0003】
自動車工業会や日本自動車タイヤ協会等で規定された締め付けトルクに従って、インパクトレンチにより車輪の締結を行っているが、それにも係わらず車輪の脱落事故が後を絶たず、その対策が強く求められていた。
【特許文献1】特開平5−4173公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、車輪の脱落事故低下に大きく寄与するインパクトレンチの空気圧調整方法及び管理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成する本発明のインパクトレンチの空気圧調整方法は、車両の車軸側のハブに突設したハブボルトに螺合させたナットを締め付けて車輪を前記ハブに締結する際に、前記ナットを空気圧を利用して締め付けるインパクトレンチの空気圧を調整する方法であって、調整用ハブに突設した調整用ハブボルトと該調整用ハブボルトに螺合する調整用ナットを使用し、所定の空気圧に設定した前記インパクトレンチにより前記調整用ハブボルトに螺合させた前記調整用ナットを締め付けて前記車輪のホイールまたは同じタイプのホイールを前記調整用ハブに締結した時に該調整用ハブボルトに発生した軸力を測定し、測定した軸力の値が予め決められた所定の軸力の範囲外にある場合には前記インパクトレンチの空気圧を調整し、測定される軸力の値が予め決められた所定の軸力の範囲内に入るようにすることを特徴とする。
【0006】
本発明のインパクトレンチの管理方法は、上記したインパクトレンチの空気圧調整方法により空気圧を調整した複数のインパクトレンチを減圧弁を介して1つの圧縮空気供給源に接続したタイヤホイール締結装置において、車輪を車両の車軸側のハブに締結する作業中に、前記圧縮空気供給源からインパクトレンチに供給される圧縮空気の圧力が所定の空気圧より低下した場合には、警報により知らせるまたは低下したインパクトレンチの使用を停止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
上述した本発明のインパクトレンチの空気圧調整方法によれば、調整用ハブボルトと調整用ナットを使用して軸力が予め決められた適正の範囲となるようにインパクトレンチを調整することができるので、実際の車両に車輪を取り付ける際に、調整したインパクトレンチにより車輪の締結に大きく影響するハブボルトの軸力を適正な値にすることができる。従って、締結不良の発生を防ぎ、車輪の脱落事故を減少することが可能になる。
【0008】
上述した本発明のインパクトレンチの管理方法によれば、調整したインパクトレンチを適正な圧縮空気圧の範囲で作動させることができるので、1つの圧縮空気供給源に複数のインパクトレンチを接続して使用する場合であっても、締結不良の発生を確実に防ぎ、車輪の脱落事故を低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
【0010】
図1は、本発明のインパクトレンチの空気圧調整方法の一実施形態を示し、1は圧縮空気供給源2に接続されるインパクトレンチ、3は調整用ハブ4に突設した調整用ハブボルト、5は調整用ハブボルト3に螺合する調整用ナットである。
【0011】
本発明のインパクトレンチの空気圧調整方法は、交換や修理時に車輪(タイヤ付きホイール)を車両の車軸側のハブに取り付ける前に予め行うものであり、インパクトレンチ1は、車両の車軸側のハブに突設したハブボルトに螺合させたナットを締め付けて車輪をハブに締結する際に、該ナットを圧縮空気供給源2から供給される圧縮空気の圧力(空気圧)を利用して締め付けるものである。このインパクトレンチ1は、ダイヤル1aを切り換えることにより、締め付け力(締め付けトルク)を所定の設定値に調整できるようになっている。即ち、ダイヤル1aの切り換えにより、インパクトレンチ1に内蔵された回転体(ハンマー)を回転させる空気圧(圧縮空気の流量)を調整し、インパクトレンチ1内でハンマーに作用する空気圧を所定の空気圧に調整できるようになっている。
【0012】
調整用ハブボルト3は、予め収集した経時劣化した種々のハブボルトから選択されるものであり、上記車両で使用されるハブボルトと同じ条件のもの(同じ程度に経時劣化した同種のもの)が選択される。調整用ナット5も、調整用ハブボルト3と同様に、予め収集した経時劣化した種々のナットから選択されるものであり、上記車両で使用されるナットと同じ条件のもの(同じ程度に経時劣化した同種のもの)が選択される。
【0013】
各調整用ハブボルト3には、該ボルト3の軸力を測定するための歪みゲージ6がそれぞれ埋設されている。各歪みゲージ6はリード線7を介してプロセッサ8に接続されている。調整用ハブボルト3に軸方向の歪みが発生すると、歪みゲージ6の抵抗変化により歪みゲージ6で発生する電圧が変化する。その変化した電圧をプロセッサ8により軸力に換算し、その軸力がプロセッサ8に接続された表示手段9に表示されるようになっている。
【0014】
図1では、ISO方式に準拠したものを示し、シングルナットからなる調整用ナット5を使用し、10本の調整用ハブボルト3を調整用ハブ4に取り付けた例を示している。
【0015】
本発明のインパクトレンチの空気圧調整方法は、上記のような調整用ハブボルト3と調整用ナット5を使用して、以下のようにして行う。なお、図では2本のホイールWを取り付ける複輪(後輪)の例を示す。
【0016】
先ず、各10本の調整用ハブボルト3と調整用ナット5を選択し、各調整用ハブボルト3を調整用ハブ4に取り付ける。次いで、各調整用ハブボルト3及び調整用ナット5の所定位置に潤滑用のオイルを塗布する。塗布後、上記車輪のホイールまたは同じタイプのホイールWのボルト用孔を調整用ハブボルト3に挿通させ、2本のホイールWを10本の調整用ハブボルト3に係合させる。各調整用ナット5を調整用ハブボルト3に螺合させ、ホイールWを仮止めする。
【0017】
続いて、所定の締め付け力(空気圧)に設定したインパクトレンチ1により各調整用ナット5をそれぞれ締め付け、ホイールWを調整用ハブ3に締結する。この際に各調整用ハブボルト3に発生した軸力を測定する。即ち、各調整用ハブボルト3の軸方向の歪みにより歪みゲージ6の変化した電圧をプロセッサ8により軸力に換算し、それを表示手段9に表示する。表示手段9には、10本の調整用ハブボルト3の軸力がそれぞれ表示される。
【0018】
この測定した各軸力の値が予め決められた所定(適正)の軸力の範囲内であれば、そのまま車輪を車両の車軸側のハブに締結する作業でインパクトレンチ1を使用する。10本の調整用ハブボルト3の軸力の値が適正な軸力に入るものと、入らないものが存在する場合には、以下のようにして判断する。
【0019】
10本の調整用ハブボルト3の軸力の最大値と最小値を除く8つの軸力の値の平均値を求め、その平均値が適正な軸力の範囲であれば、インパクトレンチ1の締め付け力が適正な範囲にあると判断し、そのまま車輪を車両の車軸側のハブに締結する作業でインパクトレンチ1を使用する。
【0020】
例えば、測定した10本の調整用ハブボルト3の軸力が、17.2tf(略168kN)、15.7tf(略154kN)、15.6tf(略153kN)、15.5tf(略152kN)、15.3tf(略150kN)、15.2tf(略149kN)、15.2tf(略149kN)、15.0tf(147kN)、14.3tf(略140kN)、13.3tf(略130kN)であったとすると、最大値17.2tf(略168kN)と最小値13.3tf(略130kN)を除く8つの軸力の平均値15.2tf(略149kN)が適正な軸力の範囲に入っているか否か判断するのである。
【0021】
このようにするのは、使用する10本の調整用ハブボルト3と調整用ナット5の状態が全く同じ状態にないからである。10本の調整用ハブボルト3の軸力の値が極端に違う場合には、偏芯取り付け(一か所だけを先に締め込んでしまって均等な力がかかっていない取り付け状態)の可能性があるので、全調整用ナット5を一旦緩めてから再度締め込み直すようにする。
【0022】
この平均値が適正な軸力の範囲外である場合には、あるいは10本の調整用ハブボルト3の軸力の値がそれぞれ適正な軸力の範囲外である場合には、インパクトレンチ1の締め付け力を調整し、測定される軸力の値が予め決められた適正の軸力の範囲内に入るようにする。
【0023】
即ち、各調整用ナット5を緩め、インパクトレンチ1のダイアル1aを回して締め付け力を調整した後、再度調整用ナット5を締め付け、その時の各調整用ハブボルト3の軸力を測定する。その測定値が上記した判断基準により適正な軸力の範囲内に入るまで繰り返し上記工程を行い、測定される軸力の値が適正な軸力の範囲内に入るように、インパクトレンチ1の締め付け力を調整するのである。
【0024】
図2は、本発明のインパクトレンチの空気圧調整方法の他の実施形態の要部を示す。この実施形態では、車輪を締結するのに使用されるナットがハブボルトに螺合するインナーナットと、このインナーナットの外側に螺合するアウターナットとから構成され、ハブボルトを8本としたJIS方式に準拠するものである。他の構成は図1の実施形態と同様である。
【0025】
調整用インナーナット5Aと調整用アウターナット5Bが、予め収集した経時劣化した種々のインナーナットとアウターナットナットの中から選択され、車輪を取り付ける車両で使用されるインナーナットとアウターナットナットと同じ条件のもの(同じ程度に経時劣化した同種のもの)が使用される。
【0026】
この実施形態の方法では、先ず、各8本の調整用ハブボルト3、調整用インナーナット5A及び調整用アウターナット5Bを選択し、調整用ハブボルト3を調整用ハブ4に取り付ける。次いで、各調整用ハブボルト3、調整用インナーナット5A及び調整用アウターナット5Bの所定位置に潤滑用のオイルを塗布する。塗布後、車両に装着する車輪のホイールまたは同じタイプのホイールW1のボルト用孔を調整用ハブボルト3に挿通させ、ホイールW1を8本の調整用ハブボルト3に係合させる。各調整用インナーナット5Aを調整用ハブボルト3に螺合させ、ホイールW1を仮止めする。
【0027】
続いて、所定の締め付け力(空気圧)に設定したインパクトレンチ1により各調整用インナーナット5Aを締め付け、ホイールW1を調整用ハブ3に締結する。この際に各調整用ハブボルト3に発生した軸力を上記と同様にして測定する。
【0028】
この測定した軸力が極端に違う場合には、偏芯取り付けの可能性があるので、全調整用インナーナット5Aを一旦緩めてから再度締め込み直す。測定した軸力が極端に違わない場合には、もう1本のホイールW2を取り付ける。即ち、ホイールW2のボルト用孔を調整用インナーナット5Aに挿通させ、ホイールW2を調整用インナーナット5Aを介して調整用ハブボルト3に係合させる。調整用アウターナット5Aを調整用インナーナット5Aに螺合させ、ホイールW2を仮止めする。
【0029】
続いて、上記インパクトレンチ1により各調整用アウターナット5Bを締め付け、ホイールW2を調整用ハブ3に締結する。この際に各調整用ハブボルト3に発生した軸力を上記と同様にして測定する。
【0030】
この測定した軸力が適正な軸力の範囲内であれば、インパクトレンチ1の締め付け力を設定状態に維持する。判断の手法は、上記と同様である。適正な軸力の範囲外である場合には、インパクトレンチ1の締め付け力を調整し、測定される軸力の値が適正な軸力の範囲内に入るようにする。
【0031】
即ち、各調整用アウターナット5BとホイールW2を取り外し、各調整用インナーナット5Aを緩め、インパクトレンチ1の締め付け力を調整した後、再度各調整用インナーナット5Aを締め付け、各調整用ハブボルト3の軸力を測定する。この測定した軸力が極端に違う場合には、再度締め込み直し、測定した軸力が極端に違わない場合には、ホイールW2を上記と同様にして調整用アウターナット5Bで調整用ハブ3に締結し、各調整用ハブボルト3の軸力を測定する。その測定値が適正な軸力の範囲内に入るまで繰り返し上記工程を行い、測定される軸力の値が適正な軸力の範囲内に入るように、インパクトレンチ1の締め付け力を調整する。
【0032】
本発明者は、自動車工業会や日本自動車タイヤ協会等で規定された締め付けトルクに従って、インパクトレンチにより車輪を締結しているにも係わらず、車輪の脱落事故が発生する点について鋭意検討し、実験を繰り返し行ったところ、以下のことを知見した。
【0033】
即ち、車輪の締結性は、ハブボルトの軸力が大きく影響する。このハブボルトの軸力をF、インパクトレンチの締め付けトルクをT、ハブボルトの呼び径をd、塗布するオイルにより規定されるトルク係数をKとすると、軸力FはF=T/(K×d)で表され、インパクトレンチの締め付けトルクTが決まると、ハブボルトの軸力Fが決まり、両者は相関する関係にある。
【0034】
しかしながら、使用により経時劣化したハブボルトの場合には、締め付けトルクTとハブボルトの軸力Fが上記式で表す相関を示さないことがわかった。例えば、呼び径2cmの経時劣化したハブボルトを使用し、エンジンオイル(トルク係数0.2)を塗布して締め付けトルク56kgf・m(略550N・m)でナットを締め付けると、上記式による計算上のハブボルトの軸力Fは14tf(略137kN)となるが、実際にその軸力を測定してみると10tf(98kN)程度しかなく、上記式で表す相関関係が成立しないのである。
【0035】
同じ締め付けトルクで締め付けても、塗布するオイルの種類や量の違いでハブボルトの軸力Fが左右される面はあるが、車輪の脱落事故の発生を低減するには、従来のように締め付けトルクを管理するのではなく、ハブボルトの軸力を管理するのが重要であることがわかった。
【0036】
そこで、本発明では、上記のように調整用ハブボルト3と調整用ナット5を使用して軸力を測定し、その測定した値が予め決められた適正の範囲となるようにインパクトレンチ1の締め付け力(空気圧)を調整するようにしたのである。これにより、実際の車両に車輪を取り付ける際に、締め付け力を調整したインパクトレンチ1により、車輪の締結に大きく影響するハブボルトの軸力を適正な値にすることができる。そのため、締結不良の発生が抑制され、車輪の脱落事故を減少させることが可能になる。
【0037】
図3は、本発明のインパクトレンチの管理方法を示す。上記のように締め付け力を調整した複数のインパクトレンチ1を、減圧弁11を介して1つの圧縮空気供給源12に接続した構成の車輪締結装置10で使用する場合、車輪の脱落事故を軽減するため、以下のように管理する。なお、図中、13は各インパクトレンチ1に取り付けた圧力計であり、この圧力計13を見て、インパクトレンチ1に供給される圧縮空気の圧力を確認できるようにしている。
【0038】
車輪締結装置10では、1つの圧縮空気供給源12で複数のインパクトレンチ1を同時に使用すると、減圧弁11を介してインパクトレンチ1に供給される圧縮空気の圧力が、インパクトレンチ1の使用に適した圧力より低くなる場合がある。このようにインパクトレンチ1に供給する圧縮空気の圧力が低下すると、インパクトレンチ1が設定した締め付けトルクを発生することができなくなり、その結果、折角インパクトレンチ1の締め付け力(空気圧)を上記のように調整してハブボルトの軸力を適正な値にするようにしたにも係わらず、締め付けトルクの低下によりハブボルトの軸力が不足し、車輪の脱落事故が軽減できなくなる。
【0039】
そこで、車輪13を車両14の車軸側のハブに締結する作業中に、圧縮空気供給源12からインパクトレンチ1に供給される圧縮空気の圧力が使用に適した所定の空気圧より低下した場合には、各インパクトレンチ1に設置した警報手段15が音などの警報を発し、作業者にインパクトレンチ1に供給される圧縮空気の圧力が使用に適した所定の空気圧より低下したことを知らせるのである。
【0040】
警報により圧縮空気の圧力の低下を作業者が知ることができるので、低下したインパクトレンチの使用を即座に停止できる。そのため、締め付け力を調整したインパクトレンチ1を常に適正な圧縮空気圧の範囲で作動させることができるようになり、1つの圧縮空気供給源12で複数のインパクトレンチ1を作動させる場合であっても、締結不良の発生を確実に防ぎ、車輪の脱落事故を効果的に減らすことが可能になる。
【0041】
このように警報手段15を設置するのが好ましいが、それに代えて、作業者が圧力計13を見て、圧縮空気の圧力が低下したインパクトレンチの使用を停止するようにしてもよい。
【0042】
車輪の脱落事故は単輪からなる前輪よりも複輪からなる後輪で多発するため、上記実施形態では複輪の例を示したが、単輪からなる前輪を車両の車軸側のハブに締結する場合にも本発明の方法を好適に用いることができることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明のインパクトレンチの空気圧調整方法の一実施形態を示す説明図である。
【図2】本発明のインパクトレンチの空気圧調整方法の他の実施形態の要部を示す説明図である。
【図3】本発明のインパクトレンチの管理方法の一実施形態を示す説明図である。
【符号の説明】
【0044】
1 インパクトレンチ
3 調整用ハブボルト
4 調整用ハブ
5 調整用ナット
5A 調整用インナーナット
5B 調整用アウターナット
13 車輪
14 車両
W ホイール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の車軸側のハブに突設したハブボルトに螺合させたナットを締め付けて車輪を前記ハブに締結する際に、前記ナットを空気圧を利用して締め付けるインパクトレンチの空気圧を調整する方法であって、
調整用ハブに突設した調整用ハブボルトと該調整用ハブボルトに螺合する調整用ナットを使用し、所定の空気圧に設定した前記インパクトレンチにより前記調整用ハブボルトに螺合させた前記調整用ナットを締め付けて前記車輪のホイールまたは同じタイプのホイールを前記調整用ハブに締結した時に該調整用ハブボルトに発生した軸力を測定し、測定した軸力の値が予め決められた所定の軸力の範囲外にある場合には前記インパクトレンチの空気圧を調整し、測定される軸力の値が予め決められた所定の軸力の範囲内に入るようにするインパクトレンチの空気圧調整方法。
【請求項2】
請求項1の方法により空気圧を調整した複数のインパクトレンチを減圧弁を介して1つの圧縮空気供給源に接続した車輪締結装置において、車輪を車両の車軸側のハブに締結する作業中に、前記圧縮空気供給源からインパクトレンチに供給される圧縮空気の圧力が所定の空気圧より低下した場合には、警報により知らせるまたは低下したインパクトレンチの使用を停止するインパクトレンチの管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−173706(P2008−173706A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−8058(P2007−8058)
【出願日】平成19年1月17日(2007.1.17)
【出願人】(000006714)横浜ゴム株式会社 (4,905)
【Fターム(参考)】