説明

インピーダンス変換器

【課題】 従来のインピーダンス変換器では、インピーダンス変換用の電気部品(例えば、可変コンデンサ)が厚みのある銅板に接続されていたので、電気部品の熱膨張、搬送時の衝撃等によって、可変コンデンサが変形したり、可変コンデンサの変形度合いが大きくなる場合があった。
【解決手段】 可変コンデンサVC2と厚みのある銅板32との間に、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置を変位させようとする力が生じた場合、銅板32の接続部32aの位置を変位させようとする力が生じた場合等に、生じた力を吸収させる銅板31を設けて、可変コンデンサVC2の変形を最小限に抑え、可変コンデンサVC2の電気的特性を可能な限り保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、電力の伝送経路に設けられ、インピーダンス変換用の電気部品を備えたインピーダンス変換器に関するものであり、特には、高周波電力の伝送経路に設けられるインピーダンス変換器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図9は、インピーダンス変換器が用いられる高周波電力供給システムの一例を示す図であり、インピーダンス変換器は、例えば、インピーダンス整合装置3内に設けられている。
【0003】
この高周波電力供給システムは、半導体ウエハや液晶基板等の被加工物に、例えばプラズマエッチング、プラズマCVDといった加工処理を行うためのシステムであり、高周波電源装置1、伝送線路2、インピーダンス整合装置3、負荷接続部4及び負荷5(プラズマ処理装置5)で構成されている。
【0004】
高周波電源装置1は、高周波電力を出力して負荷となるプラズマ処理装置5に供給するための装置である。なお、高周波電源装置1から出力された高周波電力は、同軸ケーブルからなる伝送線路2及びインピーダンス整合装置3及び遮蔽された銅板からなる負荷接続部4を介してプラズマ処理装置5に供給される。また、一般にこの種の高周波電源装置1では、無線周波数帯域の周波数(例えば、数百kHz以上の周波数)を有する高周波電力を出力している。
【0005】
プラズマ処理装置5は、加工部を備え、その加工部の内部に搬入したウエハ、液晶基板等の被加工物を加工(エッチング、CVD等)するための装置であり、被加工物を加工するために、加工部にプラズマ放電用ガスを導入し、そのプラズマ放電用ガスに高周波電源装置1から供給された高周波電力(電圧)を印加することによって、上記のプラズマ放電用ガスを放電させて非プラズマ状態からプラズマ状態にしている。そして、プラズマを利用して被加工物を加工している。
【0006】
インピーダンス整合装置3は、高周波電源装置1とプラズマ処理装置5とのインピーダンスを整合させるものである。インピーダンス整合装置3には、例えば、コンデンサやインダクタ、抵抗といったインピーダンス変換するための電気部品が備えられ、この電気部品のインピーダンス(コンデンサの場合はキャパシタンス、インダクタの場合はインダクタンス、抵抗の場合は抵抗値)を変化させることによって、インピーダンス整合を行っている。より具体的には、例えば高周波電源装置1の出力端から高周波電源装置1側を見たインピーダンス(出力インピーダンス)が例えば50Ωに設計され、高周波電源装置1が、特性インピーダンス50Ωの伝送線路2でインピーダンス整合装置3の入力端子3aに接続されているとすると、インピーダンス整合装置3は、当該インピーダンス整合装置3の入力端子からプラズマ処理装置5側を見たインピーダンスを50Ωに変換させるものである。
【0007】
インピーダンス整合装置3に備えられるコンデンサやインダクタといったインピーダンス変換するための電気部品によって構成される整合回路は、例えば、図10に示す回路構成をしている。
【0008】
図10は、インピーダンス整合装置3の整合回路の回路構成の一例である。
図10において、入力端子3aは、インピーダンス整合装置3の入力端に設けられるものであり、例えば、同軸コネクタが用いられる。出力端子3bは、インピーダンス整合装置3の出力端に設けられるものであり、例えば、銅板または銅板に金メッキあるいは銀メッキを施したものによって構成されている。第1の可変コンデンサVC1および第2の可変コンデンサVC2は、静電容量を可変できるコンデンサである。また、第1の可変コンデンサVC1および第2の可変コンデンサVC2は、電極間の誘電体がほぼ真空になっているか、大気圧よりも減圧された空間になっている。インダクタL1は、第2の可変コンデンサVC2と出力端子3bとの間に設けられたインダクタンス固定のインダクタである。また、各電気部品間の配線には、出力端子3bと同様に銅板等が用いられている。なお、入力端子3aの直後には、通常、高周波電力の電気的情報を検出するための検出器が設けられているが、説明を簡略化するために図示を省略している(後述する図12でも同様に省略している)。
【0009】
インピーダンス整合装置3の場合、入力端子3aから供給される高周波電力の条件(電流、電圧等)、整合回路の回路定数、出力端に接続する負荷の負荷インピーダンスとの関係で、インピーダンス整合装置3内部は、高電圧になったり、大電流が流れる。
【0010】
このような高周波電流が電気部品および電気部品間の配線に流れると、電気部品及び電気部品間の配線が持っている抵抗成分により熱が発生する。そのため、電気部品および電気部品間の配線は、発熱を許容する構造、すなわち発熱に耐えることができる構造にする必要がある。また、高電圧であるために、電気部品および配線において、絶縁破壊を起こさないようにする必要がある。他方、インピーダンス整合装置3を小型化、軽量化させる必要がある。
【0011】
そのために、例えば、電気部品としての第1の可変コンデンサVC1および第2の可変コンデンサVC2は、電極を複数設けて電流経路の断面積を増やすことで電流容量の増大化を図るとともに、電極間の誘電体を単位距離当たりの耐電圧が大きい真空または大気圧よりも減圧された空間にすることで電極間距離を短くして小型化を図るという工夫がされている。すなわち、大電流、高電圧にも関わらず、電極間距離が短い構造になっている。このような可変コンデンサVC1、可変コンデンサVC2としては、例えば、特許文献2のようなものがある。また、発熱を許容する構造にするために、電気部品間の配線には、厚みのある銅板(例えば3〜5t程度の板厚)が用いられている。そのために、銅板といえども比較的硬くて強固なものとなる。
【0012】
図11は、第1の可変コンデンサVC1および第2の可変コンデンサVC2の電極の構造を示すイメージ図である。この図11において、同図(a)は、電極の構造を示す斜視図である。この図に示すように、第1の可変コンデンサVC1および第2の可変コンデンサVC2の電極は、固定電極および可動電極が設けられ、それぞれの電極は、円筒形状の複数の電極が同心円上に配置されていて、電流経路の断面積を増やすことによって電流容量の増大化を図っている。なお、固定電極側は、図面の関係上、円筒形状の複数の電極が同心円上に配置されている状態を図示していない。また、同図(b)は、可動電極が固定電極に対して電極の対向面積が少なくなるように変位した場合の電極断面のイメージ図である。この場合に、静電容量が小さくなる。また、同図(c)は、可動電極が固定電極に対して電極の対向面積が多くなるように変位した場合の電極断面のイメージ図である。この場合に、静電容量が大きくなる。
【0013】
これまで説明したような整合回路は、例えば、整合回路の外部にある制御回路等に高周波電力の影響を与えないように導電体(例えば、アルミニウム)で構成された筐体内に分離されて、インピーダンス整合装置3内部に備えられている。
【0014】
なお、本明細書では、第1の可変コンデンサVC1、第2の可変コンデンサVCおよびインダクタL1のようなインピーダンス変換用の電気部品と、インピーダンス変換用の電気部品に接続される銅板等とを総称して、インピーダンス変換器という。また、インピーダンス変換器は、インピーダンス整合装置3内だけに設けられるものではなく、例えば、高周波電源装置1に設けられてもよい。
【0015】
図12は、筐体内に収められた整合回路の一例の平面図である。なお、実際には、筐体は略箱形状となっていて、高周波電力の電磁波が外部に漏れないように遮蔽されているが、図12は、説明の都合上、筐体の天板(上側の板)を省略して、筐体内部を図示している。また、制御回路等の図示を省略している。図13は、可変コンデンサVC2と銅板との接続状態を示す図である。この図13は、図12において、A−A’断面から第2の可変コンデンサVC2側を見た図である。なお、図13では後述する銅板12、第1の可変コンデンサVC1等の図示を省略している。以下、図12、図13を参照して整合回路の接続関係を説明する。
【0016】
図12、図13において、インピーダンス変換用の電気部品は、可変コンデンサVC1、可変コンデンサVC2およびインダクタL1である。可変コンデンサVC1には、一端の電気的端子に接続部VC1a、他端の電気的端子に接続部VC1bが設けられている。また、可変コンデンサVC2には、一端の電気的端子に接続部VC2a、他端の電気的端子に接続部VC2bが設けられている。また、インダクタL1には、一端の電気的端子に接続部L1a、他端の電気的端子に接続部L1bが設けられている。そして、これらの電気部品等が下記のように接続されている。
【0017】
筐体10に固定された入力端子3aは、銅板11を介して可変コンデンサVC1の接続部VC1aに接続されている。また、可変コンデンサVC1の接続部VC1bは、銅板12を介して電気的グランドとなる筐体10のベース面10aに接続されている。また、可変コンデンサVC1の接続部VC1a(銅板12に接続される部分と電気的に同じなので同符号にしている)は、銅板13を介して可変コンデンサVC2の接続部VC2bVC2aに接続されている。また、可変コンデンサVC2の接続部VC2bは、銅板14を介してインダクタL1の接続部L1aに接続されている。また、この銅板14の他端側の接続部14bおよびインダクタL1の接続部L1aは、絶縁体21に固定されている(図13参照)。
【0018】
また、インダクタL1の他端に設けられた接続部L1bには、銅板15が接続されている。この銅板15は、図12に示すように、筐体10の外部まで突出しており、この突出した部分が出力端子3bとして機能する。そして、この出力端子3bが、遮蔽された銅板からなる負荷接続部4を介してプラズマ処理装置5と接続される。なお、銅板15が筐体10の外部まで突出する部分は、絶縁板16によって筐体との絶縁状態が保たれている。
【0019】
また、可変コンデンサVC1の一端は、カップリング17を介して静電容量を変化させるための駆動用モータ18が接続されている。同様に、可変コンデンサVC2の一端は、カップリング19を介して静電容量を変化させるための駆動用モータ20が接続されている。これらのカップリング17,19は、可変コンデンサVC1,可変コンデンサVC2の各回転軸と各モータの回転軸とを接続して、モータの回転を可変コンデンサVC1,可変コンデンサVC2に伝達させるためのものである。そして、モータの回転によって、図11に示したように可動電極を変位させて、可変コンデンサVC1,可変コンデンサVC2の静電容量を変化させている。
【0020】
なお、カップリング17及び駆動用モータ18の少なくともいずれか、及びカップリング19及び駆動用モータ20の少なくともいずれかは、筐体10の側面10bに固定されている。そして、可変コンデンサVC1はカップリング17に固定され、可変コンデンサVC2はカップリング19に固定されている。そのために、可変コンデンサVC1および可変コンデンサVC2は、それぞれカップリング17,19を介して筐体に固定されていることになる。また、上述したように、可変コンデンサVC1の一端は銅板11に接続され、可変コンデンサVC2の一端は銅板13に接続されているので、可変コンデンサVC1および可変コンデンサVC2の位置が定まることになる。
【特許文献1】特開2003−302431号公報
【特許文献2】特開平5−190387号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0021】
前述したように、電気部品間の配線には、厚みのある銅板(例えば3〜5t程度の板厚、tは板厚の単位でmmと同意)が用いられている。そのために、銅板といえども比較的硬くて強固なものとなる。その結果、電気部品には下記のような問題が生じていた。以下、可変コンデンサVC2をインピーダンス変換用の電気部品の一例として説明する。
【0022】
(1)可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置を変位させようとする力が生じた場合の問題:
図12のように接続されている状態では、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置を変位させようとする力が生じる場合がある。例えば、上述したように、可変コンデンサVC2に大電流が流れると、可変コンデンサVC2の導電体が発熱し、その発熱した熱によって導電体が膨張したり、反対に放熱によって収縮するので、可変コンデンサVC2が変形しようとする。その結果として、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置を変位させようとする力が生じる。また、搬送時には、衝撃によって、電気部品としての可変コンデンサVC2を変位させようとする力が生じる。その結果として、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置を変位させようとする力が生じる。そして、生じた力が、銅板14の接続部14aに伝達されることになる。
【0023】
この際、銅板14の接続部14aに伝達される力よりも、銅板14の接続部14aの位置を変位させるために必要な力の方が大きい場合は、銅板14の接続部14aに力が伝達されても、銅板14の接続部14aの位置は変位しない。すなわち、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置を変位させようとする力が、銅板14側に吸収されない。そのため、可変コンデンサVC2の接続部VC2bには反作用による力が作用する。そして、この力によって、可変コンデンサVC2が変形したり、可変コンデンサVC2の変形度合いが大きくなる場合がある。
【0024】
例えば、可変コンデンサVC2の導電体が発熱し、その発熱した熱によって導電体が熱膨張し、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置を銅板14側に変位させようとする力が生じた場合でも、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置を変位できないので、可変コンデンサVC2を圧縮するように作用する力が生じる。そして、この力が大きいと、可変コンデンサVC2を圧縮するように作用する力によって、可変コンデンサVC2が変形する。このときの変形は、可変コンデンサVC2の接続部VC2bが自由に変位できるときに熱膨張が生じた場合の変形度合いよりも大きくなることがある。
【0025】
また、例えば、衝撃によって、可変コンデンサVC2を銅板14側に変位させようとする力が生じた場合でも、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置を変位できないので、可変コンデンサVC2を圧縮するように作用する力が生じる。そうなると、可変コンデンサVC2を圧縮するように作用する力によって、可変コンデンサVC2が変形したり、可変コンデンサVC2の変形度合いが大きくなる場合がある。
【0026】
上記では、銅板14の接続部14aの位置が変位しない場合について説明したが、銅板14の接続部14aの位置が少し変位する場合も有り得る。この理由は、可変コンデンサVC2や銅板14は、単体としてみると、比較的硬くて強固なものであるので、銅板14の接続部14aに外力を加えても、その位置を変位させ難い。しかし、図12のように、固定されている箇所からの距離が長い場合には、接続部14aに加える力を大きくすると、多少の位置変位が可能であるためである。そこで、銅板14の接続部14aの位置が変位する場合についても説明する。
【0027】
銅板14の接続部14aに伝達される力よりも、銅板14の接続部14aの位置を変位させるために必要な力の方が小さい場合は、銅板14の接続部14aの位置が変位する。すなわち、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置を変位させようとする力の少なくとも一部が、銅板14側に吸収されることになる。
【0028】
このとき、銅板14の少なくとも一部が変形することによって、銅板14の接続部14aの位置を変位させることができる。すなわち、銅板14の弾性限界を超えるまでは、変形するにつれて弾性力が大きくなるので、銅板14の接続部14aの位置を変位させるために必要な力も大きくなっていく。
【0029】
反対に、銅板14の接続部14aに伝達される力は、銅板14の接続部14aの位置が変位するにつれて小さくなる。
【0030】
そのため、銅板14の接続部14aに伝達される力よりも、銅板14の接続部14aの位置を変位させるために必要な力の方が小さく、銅板14の接続部14aの位置が変位する場合であっても、変位するにつれて力の関係が変化する。そして、銅板14の接続部14aに伝達される力と、銅板14の接続部14aの位置を変位させるために必要な力とが平衡したときに変位が止まる。
【0031】
このとき、上述したように、銅板14は、比較的硬くて強固なものであるために、銅板14の接続部14aの位置を変位させ難い。そのために、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置を変位させようとする力が、銅板14側に吸収される前に力が平衡する場合が多い。したがって、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置を変位させようとする力の全てが、銅板14側に吸収されないために、可変コンデンサVC2を圧縮するように作用する力が生じて、可変コンデンサVC2が変形したり、可変コンデンサVC2の変形度合いが大きくなる場合がある。
【0032】
上述したように、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置を変位させようとする力が生じたことが原因となって、可変コンデンサVC2が変形すると、可変コンデンサVC2の内部にある電極が、変形に伴って傾いたり、電極自体が変形する場合がある。このような状態で、図11のように、静電容量を変化させるために可動電極が動作すると、可変コンデンサVC2の電極間距離が短くなったり、場合によっては電極が短絡してしまうことがある。この様子を図14、図15を参照して説明する。
【0033】
図14は、可変コンデンサVC2が変形した場合の一例のイメージ図である。また、図15は、図14のように可変コンデンサVC2が変形した場合に、可変コンデンサVC2の内部にある電極が、変形に伴って傾いた場合の電極断面を示すイメージ図であり、同図(a)は、可動電極が固定電極に対して電極の対向面積が少なくなるように変位した場合のイメージ図であり、同図(b)は、可動電極が固定電極に対して電極の対向面積が多くなるように変位した場合のイメージ図である。また、図14、図15では、説明を分かりやすくするために、可変コンデンサVC2を多少極端に変形させて図示している。
【0034】
図15(a)のような状態で、高周波電力が可変コンデンサVC2に供給されると、電極は短絡していなものの、電極が傾いているために、電極間距離が短くなっているために、絶縁破壊を起こして、短絡状態になる危険性が高まる。また、図15(b)のように可動電極が固定電極に近づくと、電極間距離がさらに短くなり、場合によっては短絡してしまう。短絡すると可変コンデンサVC2が破損するだけでなく、短絡が原因となって、他の素子等を破損させてしまうこともある。
【0035】
また、短絡の問題だけでなく、可変コンデンサVC2の変形に伴って、静電容量が変化してしまうという問題も生じる。
【0036】
また、上記では、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置を銅板14側に変位させようとする力が生じたことが原因となって、可変コンデンサVC2を圧縮するように作用する力が生じた場合を一例として説明したが、他の場合も有り得る。例えば、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置を銅板14側とは反対方向に変位させようとする力が生じた場合は、可変コンデンサVC2を引き伸ばすように力が生じる。このような場合は、図14のように、可変コンデンサVC2の内部にある電極が変形に伴って傾くことは少ないと考えられるが、電極の位置関係が変化するので、静電容量が変化してしまうという問題が生じる可能性がある。
【0037】
このように、可変コンデンサVC2が変形すると、電極が短絡したり、静電容量が変化するといった電気的特性の変化が生じるので問題であった。
【0038】
(2)銅板14の接続部14aの位置を変位させようとする力が生じた場合の問題:
図12のように接続されている状態では、上記(1)とは逆に、銅板14の接続部14aの位置を変位させようとする力が生じたことが原因となって、銅板14側から可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置を変位させようとする力(外力)が加わる場合がある。例えば、銅板14に衝撃が加えられた場合が該当し、その結果として、可変コンデンサVC2の接続部VC2bに力が伝達されることになる。
【0039】
このような場合は、上記(1)の場合と異なり、可変コンデンサVC2の接続部VC2bに伝達される力と、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置を変位させるために必要な力との関係で、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置が変位するか否かが定まる。そして、可変コンデンサVC2の接続部VC2bに伝達される力よりも、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置を変位させるために必要な力が小さい状態のときに、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置が変位するので、可変コンデンサVC2が変形したり、可変コンデンサVC2の変形度合いが大きくなる場合がある。
【0040】
この際、銅板14は、単体としてみると、比較的硬くて強固なものであるので、銅板14を変形させ難い。すなわち、銅板14の接続部14aの位置を変位させようとする力を銅板14で吸収し難いので、銅板14の接続部14aの位置を変位させようとする力の多くが、可変コンデンサVC2の接続部VC2bに伝達されて、可変コンデンサVC2が変形したり、可変コンデンサVC2の変形度合いが大きくなる場合が多い。したがって、このような場合も上記(1)と同様の問題が生じる。
【0041】
(3)可変コンデンサVC2を取り付ける際の問題:
可変コンデンサVC2と銅板14とを接続する際に、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置と銅板14の接続部14aの位置とに位置ずれが生じていると、可変コンデンサVC2の接続部VC2bには位置ずれが原因となって力が加わる場合がある。
【0042】
例えば、図12のように、可変コンデンサVC2の一端側がカップリング19や銅板13に接続されて固定され、且つ銅板14が絶縁体21に接続されて固定されている状態で、螺子等を用いて銅板14と可変コンデンサVC2とを接続するときに、銅板14の接続部14aの位置と、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置とに位置ずれが生じていない場合は、螺子が両者の接続部に設けられた螺子穴にスムースに進入することができるので、可変コンデンサVC2の接続部VC2bには余分な力が生じない。
【0043】
しかし、位置ずれが全く無いことは少なく、少なからず位置ずれが生じていることが多い。位置ずれが大きく、そのままでは接続できない場合は、可変コンデンサVC2やその周辺の部品を取り外して位置ずれ量が小さくなるように組み立て直す等の処置を行ってから接続を行わざるを得ないが、位置ずれ量が小さい場合、例えば、数mmの場合は、そのまま接続できる場合が多い。
【0044】
すなわち、作業者が、可変コンデンサVC2と銅板14のどちらか、または両者に力を加えて、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置と、銅板14の接続部14aの位置とに位置ずれが生じていない状態にした後、螺子やボルト等を用いて両者を接続する。このとき、作業者によって力が加えられた方は、少なくとも一部が変形する。そのために、弾性限界を超えない範囲であれば、その変形を元に戻そうとする弾性力が生じる。
【0045】
このときに重要なのは、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置が、可変コンデンサVC2の接続部VC2bと銅板14の接続部14aとを接続する前の状態に戻ることである。しかし、銅板14の接続部14aの位置を変位させるために必要な外力が大きい場合や、銅板14の弾性力が大きい場合は、可変コンデンサVC2の接続部VC2bと銅板14の接続部14aとを接続する前の状態に戻らないことがある。そうなると、可変コンデンサVC2が変形するので、上記(1)と同様の問題が生じる。
【0046】
例えば、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置を銅板14の接続部14aの位置に近づけるように力を加えて、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置を変位させ、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置と銅板14の接続部14aの位置とに位置ずれが生じない状態にする場合は、可変コンデンサVC2の変形を元に戻そうとする弾性力が生じる。このとき、生じた弾性力よりも銅板14の接続部14aの位置を変位させるために必要な外力が大きい場合は、可変コンデンサVC2が変形したままとなってしまうので問題が生じる。
【0047】
また、銅板14の接続部14aの位置を可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置に近づけるように力を加えて、銅板14の接続部14aの位置を変位させ、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置と銅板14の接続部14aの位置とに位置ずれが生じていない状態にする場合は、銅板14の変形を元に戻そうとする弾性力が生じる。このとき、生じた弾性力よりも可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置を変位させるために必要な外力が小さい場合は、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置が変位して、可変コンデンサVC2が変形してしまうので問題が生じる。
【0048】
また、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置と、銅板14の接続部14aの位置とを近づけるように両者に力を加えて、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置および銅板14の接続部14aの位置を変位させ、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置と銅板14の接続部14aの位置とに位置ずれが生じていない状態にする場合は、可変コンデンサVC2の変形を元に戻そうとする弾性力および銅板14の変形を元に戻そうとする弾性力が生じる。このとき、銅板14の変形を元に戻そうとする弾性力の方が大きい場合は、可変コンデンサVC2が変形したままとなってしまうので問題が生じる。
【0049】
上記では、電気部品として可変コンデンサVC2を例にして説明したが、可変コンデンサVC1でも同様の問題がある。また、電気部品がインダクタでも問題が生じる。なお、電気部品がインダクタの場合は、インダクタが変形すると、インダクタンスが変化してしまうという問題が生じる。
【0050】
例えば、インダクタL1と銅板とを接続する際に、インダクタL1の接続部L1bの位置と銅板の接続部の位置とに位置ずれが生じていると、インダクタL1の接続部には位置ずれが原因となって力が加わる場合がある。その結果、インダクタL1が変形すると、インダクタンスが変化してしまうという問題が生じる。
【0051】
本発明は、上記事情のもとで考え出されたものであって、インピーダンス変換用の電気部品の変形を最小限に抑えて、電気部品の電気的特性を可能な限り保持することができるインピーダンス変換器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0052】
第1の発明によって提供されるインピーダンス変換器は、電力の伝送経路に設けられ、インピーダンス変換用の電気部品を備えたインピーダンス変換器において、
接続部が設けられた複数の電気的端子を有し、前記複数の電気的端子の1つに設けた第1接続部と異なる箇所において少なくとも一部分が固定されたインピーダンス変換用の電気部品と、
電力の伝送経路の一部分となる導電体であって、第2接続部を有し、且つ少なくとも一部分が固定された固定導電体と、
第3接続部および第4接続部を有し、前記第3接続部を前記第1接続部に接続し、且つ前記第4接続部を前記第2接続部に接続することによって電力の伝送経路の一部分となるように構成した導電体であって、前記第1接続部の位置を変位させようとする力が生じたことが原因となって、前記第1接続部に接続される前記第3接続部に対して前記第3接続部の位置を変位させるために必要な外力以上の外力が加えられた場合は、前記第3接続部の位置を変位させることによって前記第1接続部の位置変位を可能とし、前記第2接続部の位置を変位させようとする力が原因となって、前記第2接続部に接続される前記第4接続部に対して前記第4接続部の位置を変位させるために必要な外力以上の外力が加えられた場合は、前記第4接続部の位置を変位させると共に前記第3接続部を介して前記第1接続部に伝達する力を前記第1接続部の位置を変位させるために必要な外力よりも小さい力にすることによって前記第1接続部の位置を殆ど変位させない機能を有する接続用導電体とを備えたことを特徴としている。
【0053】
第2の発明によって提供されるインピーダンス変換器は、前記接続用導電体は、前記第3接続部の位置および前記第4接続部の位置の少なくとも一方が変位した場合に、少なくとも一部が変形することを特徴としている。
【0054】
第3の発明によって提供されるインピーダンス変換器は、前記接続用導電体は、少なくとも一部が変形して、その変形を元に戻そうとする弾性力が生じた場合、前記第1接続部に対して働く力が、前記第1接続部の位置を変位させるために必要な外力よりも小さく、前記第1接続部の位置を殆ど変位させない機能をさらに有することを特徴としている。
【0055】
第4の発明によって提供されるインピーダンス変換器は、前記接続用導電体は、流れる電流によって生じる発熱を許容する構造であることを特徴としている。
【0056】
第5の発明によって提供されるインピーダンス変換器は、前記接続用導電体の少なくとも一部分は、非平面形状を含む略板形状の導電体であることを特徴としている。
【0057】
第6の発明によって提供されるインピーダンス変換器は、前記接続用導電体は、少なくとも1つの導電体によって構成されることを特徴としている。
【0058】
第7の発明によって提供されるインピーダンス変換器は、前記電気部品が、コンデンサであることを特徴としている。
【0059】
第8の発明によって提供されるインピーダンス変換器は、前記電気部品は、静電容量を形成するための電極を複数有し、これら複数の電極の夫々が静電容量を形成するために他の電極の少なくとも一部分と対向するように配置され、且つ対向する電極の間の誘電体が空間であり、コンデンサとしての電気的端子を有する構造のコンデンサであることを特徴としている。
【0060】
第9の発明によって提供されるインピーダンス変換器は、前記コンデンサは、対抗する電極の面積を変化させることによって静電容量を可変できる可変コンデンサであることを特徴としている。
【0061】
第10の発明によって提供されるインピーダンス変換器は、前記コンデンサの対向する電極の間の誘電体が、真空又は大気圧よりも減圧された空間であることを特徴としている。
【0062】
第11の発明によって提供されるインピーダンス変換器は、前記電気部品が、インダクタであることを特徴としている。
【0063】
第12の発明によって提供されるインピーダンス変換器は、前記伝送経路によって伝送される電力は、無線周波数帯域の周波数を有する高周波電力であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0064】
第1の発明によれば、電気部品と固定導電体とを直接接続するのではなく、電気部品と固定導電体との間に接続用導電体を介そうするので、インピーダンス変換用の電気部品の変形を最小限に抑えて、インピーダンス変換用の電気部品の電気的特性を可能な限り保持することができる。
【0065】
第2の発明に示すように、接続用導電体の第3接続部の位置および第4接続部の位置の少なくとも一方が変位した場合に、少なくとも一部が変形するようにすれば、第3接続部および第4接続部の少なくとも一方に加わった外力の少なくとも一部を接続用導電体に吸収させることができる。換言すれば、加わった外力の少なくとも一部を吸収できるような箇所を設けておくことを意味する。例えば、接続用導電体の全体を比較的薄い板状の導電体にしてもよいし、接続用導電体の一部を比較的薄い板状の導電体にすれば、加わった外力の少なくとも一部を吸収できるようになる。
【0066】
接続用導電体の少なくとも一部が変形した場合、弾性限界を超えない範囲では、その変形を元に戻そうとする弾性力が生じる。このとき、第3の発明に示すように、第1接続部に対して働く力が、第1接続部の位置を変位させるために必要な外力よりも小さいと、第1接続部の位置を変位させずにすむので、電気部品の電気的特性を保持させることができる。例えば、第2接続部と第4接続部とを接続した状態で、第1接続部と第3接続部とを接続するときに、第1接続部と第3接続部とに位置ずれが生じている場合に、第3接続部の位置を第1接続部の位置に近づけた後に接続すると、接続用導電体の少なくとも一部が変形することになる。この場合、その変形を元に戻そうとする弾性力が大きくて、第1接続部に対して働く力が、第1接続部の位置を変位させるために必要な外力よりも大きくなると、前記第1接続部の位置を変位させてしまう。そのために、第3の発明に示すようにする効果は大きい。なお、接続用導電体の少なくとも一部が変形した場合に、弾性限界を超えて、その変形を元に戻そうとする弾性力が生じなくてもよい。
【0067】
接続用導電体は電力の伝送経路の一部分となるように構成されるので、第4の発明では、接続用導電体は、流れる電流によって生じる発熱を許容する構造にしている。これによって、接続用導電体が上述したような効果を生じさせるとともに、電力の伝送経路としての役割を果たすことができる。接続用導電体は、例えば、銅または銅に金メッキあるいは銀メッキを施したものとすることで、導電性、耐熱性に優れ、且つ適度な硬さを有する接続用導電体を実現させることができる。また、場合によっては、銅合金等を使用してもよい。なお、大きさ、長さ、形状、材質等は、接続用導電体が用いられる状況に応じて決定すればよい。
【0068】
第5の発明で言う略板形状とは、平面形状だけでなく、例えば、蛇腹形状、曲面形状、屈折形状であってもよい。すなわち、導電体の幅よりも厚さが薄い形状であればよい。そのために、接続用導電体の少なくとも一部分を略板形状の導電体にすると、例えば、円筒形状に比べて曲げやすくなる。また、曲がる方向をほぼ特定できる。よって、第1接続部または第2接続部が変位すると予想される方向を考慮して、接続用導電体の形状等を設計すれば、より効率的に接続用導電体の機能を実現させることができる。また、略板形状とすることで、断面積が大きくなって放熱性が向上する。すなわち、流れる電流によって生じる発熱を許容する構造に適している。
【0069】
第6の発明では、接続用導電体は、少なくとも1つの導電体によって構成されるとしている。例えば、電気部品と固定導電体とを1つの導電体で直接取り付けることが可能な場合は、接続用導電体を1つにしてもよい。しかし、そうでない場合は、複数の導電体を組み合わせて構成したものを接続用導電体としてもよい。もちろん、電気部品と固定導電体とを1つの導電体で直接取り付けることが可能な場合であっても、複数の導電体を組み合わせて構成したものを接続用導電体としてもよい。これによって、その状況に合わせて、接続用導電体の構成を選定できるので、例えば、組み立て易くなるように設計することが可能となる。なお、複数によって構成される場合は、ロウ付け、螺子またはボルト等で固定すればよい。
【0070】
第7〜9の発明のように、電気部品がコンデンサであると、コンデンサの形状が変化した場合に、電極間の距離が、コンデンサの変形によって増減することがある。そうなると静電容量が変化するので、本発明によって、電気部品の形状変化を最小限に抑えると、コンデンサの電気的特性を保持させることができる。特に、電極間の距離が短くなると、電気的特性の変化だけでなく、絶縁破壊が生じる可能性もあるので、電気部品の形状変化を最小限に抑える効果は大きい。
また、第8の発明のように、電気部品が静電容量を形成するための電極を複数有するコンデンサであると、電極の数が多くなるほど、上記問題が生じる可能性が高まるので、電気部品の形状変化を最小限に抑える効果は大きい。
また、第9の発明のように、対抗する電極の面積を変化させることができるコンデンサであると、電極の位置関係が変化するので、絶縁破壊が生じる可能性が高まるので、電気部品の形状変化を最小限に抑える効果は大きい。
【0071】
真空又は大気圧よりも減圧された空間の方が、通常の大気圧の場合よりも単位距離当たりの耐電圧が大きいという特性がある。この特性を利用して、第10の発明のように、コンデンサの大きさをできるだけ小さくする目的で、コンデンサの対向する電極の間の誘電体を真空又は大気圧よりも減圧された空間にして、通常の大気圧の場合よりも電極間距離を短くしたコンデンサがある。このようなコンデンサでは、電極間距離が短いので、変形による影響が大きく、静電容量の変化だけでなく、絶縁破壊が生じる可能性もあるので、電気部品の形状変化を最小限に抑える効果は大きい。
【0072】
第11の発明のように、電気部品がインダクタであると、インダクタの形状が変化した場合に、インダクタの長さ等が通常よりも変化することがある。そうなるとインダクタンスが変化するので、電気部品の形状変化を最小限に抑えると、インダクタの電気的特性を保持させることができる。
【0073】
第12の発明では、伝送経路によって伝送される電力は、無線周波数帯域の周波数を有する高周波電力としている。このような場合、インピーダンス変換用の電気部品の特性は、電気部品の形状変化による影響を大きく受ける。例えば、周波数が高くなるほど必要な絶縁距離が長くなる。そのために、電極間の距離が短くなると、周波数が低い場合に比べて、絶縁破壊が生じる可能性が高くなるので、電気部品の形状変化を最小限に抑える効果は大きい。また、周波数が高くなるほど、コンデンサの静電容量の変化や、インダクタのインダクタンスの変化が、電気部品のインピーダンスに大きく影響を与える。そのために、電気部品の形状変化を最小限に抑える効果は大きい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0074】
以下、本発明の詳細を図面を参照して説明する。
【0075】
図1は、本発明に係るインピーダンス変換器の接続状態の一例を示す図である。この図1は、図13の銅板14を銅板32に置き換え、さらに、可変コンデンサVC2と銅板32との間に銅板31を設けたものである。また、可変コンデンサVC2、銅板31および銅板32によってインピーダンス変換器30が構成される。なお、銅板31および銅板32以外は、図13等と同じなので、説明を諸略する。また、図2は、図1のインピーダンス変換器の一部を拡大した図であり、同図(a)は、可変コンデンサVC2と銅板31との接続、および銅板31と銅板32との接続をボルト(ナットを用いる場合も含む)で行った場合の図であり、同図(b)は、可変コンデンサVC2と銅板31との接続、および銅板31と銅板32との接続をロウ付けで行った場合の図である。ただし、ロウの図示は省略している。なお、ボルトの代わりに螺子等を用いてもよい。また、以降の図では、図示を簡略化するために、ロウ付けの場合を示す。
【0076】
銅板31は、比較的薄い銅板を、図1に示すように、屈折形状にしたものであり、一端には可変コンデンサVC2の接続部VC2bと接続するための接続部31aが設けられている。また、他端には、銅板32の接続部32aと接続するための接続部31bが設けられている。また、この銅板31は、例えば、板厚0.5t程度の板厚である。
【0077】
銅板32は、銅板14と同様に、厚みのある銅板(例えば3〜5t程度の板厚)である。そのために、銅板といえども比較的硬くて強固なものとなる。また、一端には銅板31の接続部31bと接続するための接続部32aが設けられ、他端にはインダクタL1および絶縁体21と接続するための接続部32bが設けられている。
【0078】
なお、可変コンデンサVC2は、本発明のインピーダンス変換用の電気部品の一例である。銅板31は、本発明の接続用導電体の一例である。また、可変コンデンサVC2の接続部VC2bは、本発明の第1接続部の一例である。また、銅板31の一端に設けられた接続部31aは、本発明の第2接続部の一例である。また、続銅板31の他端に設けられた接続部31bは、本発明の第3接続部の一例である。また、銅板32は、本発明の固定導電体の一例である。また、銅板32の一端に設けられた接続部32aは、本発明の第4接続部の一例である。
【0079】
また、図1等で、各接続部の位置を示しているが、例えば、接続するために用いるボルトや螺子が複数ある場合等、接続部が一点ではない場合があるので、図1等では、概略的な位置を示している。
【0080】
次に、本発明に係るインピーダンス変換器の機能を説明する。
(1)可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置を変位させようとする力が生じた場合の機能:
従来のように、可変コンデンサVC2が硬い銅板14に接続されている状態では、例えば、可変コンデンサVC2の熱膨張等が原因となって、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置を変位させようとする力が生じた場合、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置を変位させようとする力の全てが、銅板14側に吸収されないために、可変コンデンサVC2を圧縮するように作用する力が生じて、可変コンデンサVC2が変形する、または、可変コンデンサVC2の変形度合いが大きくなる場合があった。
【0081】
これに対して本発明では、図1に示すように、比較的薄く柔らかい銅板を屈折形状にした銅板31を設けているので、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置を変位させようとする力を銅板31に吸収させることができる。
【0082】
そのために、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置変位が可能となるので、可変コンデンサVC2を圧縮するように作用する力が生じて、可変コンデンサVC2が変形する、または、可変コンデンサVC2の変形度合いが大きくなることを防止することができる。したがって、可変コンデンサVC2の電気的特性を可能な限り保持することができる。
【0083】
図3は、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置を変位させようとする力が生じた場合に、銅板31がどのように機能するかの一例を示した図である。この図3において、同図(a)は、紙面に対して右向きの力が生じた場合の図であり、同図(b)は、紙面に対して左向きの力が生じた場合の図であり、同図(c)は、紙面に対して下向きの力が生じた場合の図であり、同図(d)は、紙面に対して上向きの力が生じた場合の図である。
【0084】
同3(a)〜(d)に示すように、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置を変位させようとする力が生じても、銅板31が比較的薄く柔らかいために、力を吸収させることができる。すなわち、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置を変位させようとする力が生じたことが原因となって、銅板31の接続部31aに対して接続部31aの位置を変位させるために必要な外力以上の外力が加えられた場合は、接続部31aの位置を変位させることによって可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置変位を可能としている。そのために、インピーダンス変換用の電気部品の変形を最小限に抑えることができ、ひいては、インピーダンス変換用の電気部品の電気的特性を可能な限り保持することができる。例えば、同図(a)の場合には、可変コンデンサVC2を圧縮するように作用する力が生じないように、銅板31に力を吸収させることができる。
【0085】
なお、銅板31は、銅板のままでもよいが、金メッキあるいは銀メッキを施したものにしてもよい。これによって、導電性等が向上する。また、場合によっては、アルミニウム等の導電体を使用してもよい。
【0086】
また、図2のように、銅板31が比較的短い場合は、銅板31が比較的薄い銅板であっても、流れる電流によって生じる発熱を許容できるが、長くなる等すると発熱を許容できない場合がある。この長さ等の限界値は、高周波電力値、周波数、負荷のインピーダンス等によって異なるために、銅板31の大きさ、長さ、形状、材質等は、銅板31が用いられる状況に応じて決定すればよい。
【0087】
(2)銅板32の接続部32aの位置を変位させようとする力が生じた場合の機能:
従来のように、可変コンデンサVC2が硬い銅板14に接続されている状態では、銅板14の接続部14aの位置を変位させようとする力が生じたことが原因となって、可変コンデンサVC2の接続部VC2bに外力が加わった場合、銅板14の接続部14aの位置を変位させようとする力を銅板14で吸収し難いので、銅板14の接続部14aの位置を変位させようとする力の多くが、可変コンデンサVC2の接続部VC2bに伝達されて、可変コンデンサVC2が変形したり、可変コンデンサVC2の変形度合いが大きくなる場合があった。
【0088】
これに対して本発明では、比較的薄い銅板を屈折形状にした銅板31を設けているので、従来の銅板14に相当する銅板32の接続部32aの位置を変位させようとする力が生じても、銅板31に力を吸収させることができる。
【0089】
そのために、可変コンデンサVC2が変形したり、可変コンデンサVC2の変形度合いが大きくなることを防止することができる。したがって、可変コンデンサVC2の電気的特性を可能な限り保持することができる。
【0090】
図4は、銅板32の接続部32aの位置を変位させようとする力が生じた場合に、銅板31がどのように機能するかの一例を示した図である。この図4において、同図(a)は、紙面に対して左向きの力が生じた場合の図であり、同図(b)は、紙面に対して右向きの力が生じた場合の図であり、同図(c)は、紙面に対して上向きの力が生じた場合の図であり、同図(d)は、紙面に対して下向きの力が生じた場合の図である。
【0091】
同4(a)〜(d)に示すように、銅板32の接続部32aの位置を変位させようとする力が生じても、銅板31が比較的薄く柔らかいために、力を吸収させることができる。
【0092】
すなわち、銅板32の接続部32aの位置を変位させようとする力が原因となって、銅板31の接続部31bに対して接続部31bの位置を変位させるために必要な外力以上の外力が加えられた場合は、接続部31bの位置を変位させると共に銅板31の接続部31aを介して可変コンデンサVC2の接続部VC2bに伝達する力を接続部VC2bの位置を変位させるために必要な外力よりも小さい力にすることによって接続部VC2bの位置を殆ど変位させない。そのために、インピーダンス変換用の電気部品の変形を最小限に抑えることができ、ひいては、インピーダンス変換用の電気部品の電気的特性を可能な限り保持することができる。
【0093】
(3)可変コンデンサVC2を取り付ける際の機能:
従来のように、可変コンデンサVC2が銅板14に接続されるような構成では、可変コンデンサVC2と銅板14とを接続する際に、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置と銅板の接続部の位置とに位置ずれが生じていると、可変コンデンサVC2の接続部VC2bには位置ずれが原因となって力が加わる場合がある。
【0094】
これに対して本発明では、比較的薄い銅板を屈折形状にした銅板31を設けているので、位置ずれがあっても、その位置ずれ分を銅板31が補正できるので、可変コンデンサVC2や銅板32に無理な力を加えることが殆どない。したがって、可変コンデンサVC2の電気的特性を可能な限り保持することができる。
【0095】
図5は、可変コンデンサVC2と銅板31とを接続する際に、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置と銅板31の接続部31aの位置とに位置ずれが生じている場合に、銅板31がどのように機能するかの一例を示した図である。この図4において、同図(a)は、位置ずれの状態を示す図であり、同図(b)は、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置を銅板31の接続部31aの位置に近づけるように力を加えて接続した場合の図であり、同図(c)は、銅板31の接続部31aの位置を可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置に近づけるように力を加えて接続した場合の図であり、同図(d)は、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置と銅板31の接続部31aの位置とを近づけるように両者に力を加えて接続した場合の図である。
【0096】
同図(b)および同図(d)に示すように、位置ずれを補正するために、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置を変位させて、可変コンデンサVC2の接続部VC2bと銅板31の接続部31aとを接続した場合は、可変コンデンサVC2が変形するので、可変コンデンサVC2の変形を元に戻そうとする弾性力が生じる。このとき、可変コンデンサVC2の接続部VC2bには、比較的薄い銅板を屈折形状にした銅板31を接続しているので、弾性力を妨げることが殆どない。
【0097】
すなわち、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置を変位させようとする力が生じたことが原因となって、銅板31の接続部31aに対して接続部31aの位置を変位させるために必要な外力以上の外力が加えられた場合は、接続部31aの位置を変位させることによって可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置変位を可能としているので、可変コンデンサVC2の接続部VC2bが接続する前の位置に戻ることができる。そのために、インピーダンス変換用の電気部品の変形を最小限に抑えることができ、ひいては、インピーダンス変換用の電気部品の電気的特性を可能な限り保持することができる。
【0098】
また、同図(c)および同図(d)に示すように、位置ずれを補正するために、銅板31の接続部の位置を変位させて、可変コンデンサVC2の接続部VC2bと銅板31の接続部31aとを接続した場合は、銅板31が変形するので、弾性限界を超えない範囲では、銅板31の変形を元に戻そうとする弾性力が生じる。可変コンデンサVC2の接続部VC2bと銅板31の接続部とが接続されていなければ、生じた弾性力によって銅板31の形状は元に戻るが、両者が接続されているために、弾性力が可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置を変位させるために必要な力以上でないと元に戻ることができない。しかし、銅板31は、比較的薄い銅板を屈折形状にしたものであるために弾性力が小さいので、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置を変位させ難く、結果として、銅板31の形状は殆ど元に戻らない。
【0099】
すなわち、銅板31の少なくとも一部が変形して、その変形を元に戻そうとする弾性力が生じた場合、可変コンデンサVC2の接続部VC2bに対して働く力が、接続部VC2bの位置を変位させるために必要な外力よりも小さく、接続部VC2bの位置を殆ど変位させない。そのために、インピーダンス変換用の電気部品の変形を最小限に抑えることができ、ひいては、インピーダンス変換用の電気部品の電気的特性を可能な限り保持することができる。
【0100】
(銅板31の他の実施形態)
上記では、銅板31を屈折形状の銅板としたが、これに限定されるものではない。
【0101】
図6は、銅板31の他の一例を示す図である。図6において、同図(a)は、銅板31を平面形状とした場合の接続例であり、同図(b)は、銅板31を曲面形状とした場合の接続例であり、同図(c)は、銅板31を蛇腹形状とした場合の接続例である。この図6に示すように、銅板31は、略板形状の導電体であればよく、平面形状だけでなく、例えば、曲面形状、蛇腹形状であってもよい。すなわち、導電体の幅よりも厚さが薄い形状であればよい。
【0102】
ただし、図6(a)のように平面形状であると、曲がる方向が限定されるので、特定の方向に曲がる場合に有効である。また、図6(a)のような場合は、銅板31の一部及び銅板32の一部が下方に位置して、筐体10のベース面10aとの距離が短くなるので、絶縁破壊を起こさないように考慮する必要がある。絶縁破壊の面で支障があるならば、図6(a)とは逆に、銅板31を上側に向けて接続する等の処置を行うか、他の形状にすればよい。なお、図6において、銅板31および銅板32は、複数例を示したが、便宜上、同符号とした。
【0103】
図7は、銅板31のさらに他の一例を示す図である。図7において、同図(a)は、銅板31を2つの銅板311と銅板312とに分けた構成例である。すなわち、厚みのある銅板311(例えば3〜5t程度の板厚)と、比較的薄い銅板312(例えば0.5t程度の板厚)とで構成されている。同図(b)は、同図(a)のように2つに分割しないが、銅板31に厚みのある銅板部と比較的薄い銅板部とを設けた例である。この図7に示すように、銅板31を複数に分割してもよく、1つであってもよい。要は、比較的薄い部分を設けて、その部分が変形することによって力を吸収できるようにすればよい。
【0104】
(他の電気部品用の銅板)
上記では可変コンデンサVC2を例にして説明したが、本発明は、可変コンデンサVC1や他の電気部品にも適用できる。
【0105】
例えば、可変コンデンサVC1にも適用できる。この場合は、筐体10のベース面10aに固定される銅板12と可変コンデンサVC1との間に、比較的薄い銅板部を有する銅板を設ければよい。もちろん、その銅板の形状によって、銅板12の形状や取り付け位置を変更する必要がある。また、筐体10のベース面10aと可変コンデンサVC1との間に、比較的薄い銅板部を有する銅板を設けてもよい。この場合は、筐体10のベース面10aが本発明の固定導電体の一例となる。
【0106】
図8は、本発明をインダクタに適用した一例である。この図8に示すように、本発明はインダクタにも適用できる。すなわち、インダクタL2の接続部L2aと銅板34との間に、比較的薄い銅板33を設けてもよい。
【0107】
もちろん、本発明の範囲は上述した実施形態に限定されるものではない。
例えば、銅板31は、銅板のままでもよいが、金メッキあるいは銀メッキを施したものにしてもよい。また、場合によっては、アルミニウム等の導電体や、アルミニウム等の導電体に金メッキあるいは銀メッキを施したものを用いてもよい。
【0108】
また、コンデンサの一例として、可変コンデンサVC1、VC2のような構造のコンデンサを例にして説明したが、電極間の誘電体が空気になっている構造のコンデンサでもよい。また、静電容量を可変できない構造のコンデンサ(いわゆる固定コンデンサ)でもよい。
【0109】
また、接続用導電体の板厚等は、用いられる条件によって最適な板厚等が異なるので、その条件に適したものを用いればよい。
【図面の簡単な説明】
【0110】
【図1】図1は、本発明に係るインピーダンス変換器の接続状態の一例を示す図である。
【図2】図2は、図1のインピーダンス変換器の一部を拡大した図である。
【図3】図3は、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置を変位させようとする力が生じた場合に、銅板31がどのように機能するかの一例を示した図である。
【図4】図4は、銅板32の接続部32aの位置を変位させようとする力が生じた場合に、銅板31がどのように機能するかの一例を示した図である。
【図5】図5は、可変コンデンサVC2と銅板31とを接続する際に、可変コンデンサVC2の接続部VC2bの位置と銅板31の接続部31aの位置とに位置ずれが生じている場合に、銅板31がどのように機能するかの一例を示した図である。
【図6】図6は、銅板31の他の一例を示す図である。
【図7】図7は、銅板31のさらに他の一例を示す図である。
【図8】図8は、本発明をインダクタに適用した一例である。
【図9】図9は、インピーダンス変換器が用いられる高周波電力供給システムの一例を示す図である。
【図10】図10は、インピーダンス整合装置3の整合回路の回路構成の一例である。
【図11】図11は、第1の可変コンデンサVC1および第2の可変コンデンサVC2の電極の構造を示すイメージ図である。
【図12】図12は、筐体内に収められた整合回路の一例の平面図である。
【図13】図13は、可変コンデンサVC2と銅板との接続状態を示す図である。
【図14】図14は、可変コンデンサVC2が変形した場合の一例のイメージ図である。
【図15】図15は、図14のように可変コンデンサVC2が変形した場合に、可変コンデンサVC2の内部にある電極が、変形に伴って傾いた場合の電極断面を示すイメージ図である。
【符号の説明】
【0111】
1 高周波電源装置
2 伝送線路
3 整合器
4 負荷接続部
5 負荷(プラズマ処理装置)
31 銅板
31a 銅板31の接続部
31b 銅板31の接続部
32 銅板
32a 銅板32の接続部
32b 銅板32の接続部
L1 インダクタ
L1a インダクタL1の接続部
L1b インダクタL1の接続部
VC1 第1の可変コンデンサ
VC1a 第1の可変コンデンサVC1の接続部
VC1b 第1の可変コンデンサVC1の接続部
VC2 第2の可変コンデンサ
VC2a 第2の可変コンデンサVC2の接続部
VC2b 第2の可変コンデンサVC2の接続部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力の伝送経路に設けられ、インピーダンス変換用の電気部品を備えたインピーダンス変換器において、
接続部が設けられた複数の電気的端子を有し、前記複数の電気的端子の1つに設けた第1接続部と異なる箇所において少なくとも一部分が固定されたインピーダンス変換用の電気部品と、
電力の伝送経路の一部分となる導電体であって、第2接続部を有し、且つ少なくとも一部分が固定された固定導電体と、
第3接続部および第4接続部を有し、前記第3接続部を前記第1接続部に接続し、且つ前記第4接続部を前記第2接続部に接続することによって電力の伝送経路の一部分となるように構成した導電体であって、前記第1接続部の位置を変位させようとする力が生じたことが原因となって、前記第1接続部に接続される前記第3接続部に対して前記第3接続部の位置を変位させるために必要な外力以上の外力が加えられた場合は、前記第3接続部の位置を変位させることによって前記第1接続部の位置変位を可能とし、前記第2接続部の位置を変位させようとする力が原因となって、前記第2接続部に接続される前記第4接続部に対して前記第4接続部の位置を変位させるために必要な外力以上の外力が加えられた場合は、前記第4接続部の位置を変位させると共に前記第3接続部を介して前記第1接続部に伝達する力を前記第1接続部の位置を変位させるために必要な外力よりも小さい力にすることによって前記第1接続部の位置を殆ど変位させない機能を有する接続用導電体とを備えたインピーダンス変換器。
【請求項2】
前記接続用導電体は、前記第3接続部の位置および前記第4接続部の位置の少なくとも一方が変位した場合に、少なくとも一部が変形することを特徴とする請求項1に記載のインピーダンス変換器。
【請求項3】
前記接続用導電体は、少なくとも一部が変形して、その変形を元に戻そうとする弾性力が生じた場合、前記第1接続部に対して働く力が、前記第1接続部の位置を変位させるために必要な外力よりも小さく、前記第1接続部の位置を殆ど変位させない機能をさらに有することを特徴とする請求項2に記載のインピーダンス変換器。
【請求項4】
前記接続用導電体は、流れる電流によって生じる発熱を許容する構造であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインピーダンス変換器。
【請求項5】
前記接続用導電体の少なくとも一部分は、非平面形状を含む略板形状の導電体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のインピーダンス変換器。
【請求項6】
前記接続用導電体は、少なくとも1つの導電体によって構成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のインピーダンス変換器。
【請求項7】
前記電気部品が、コンデンサであることを特徴とする請求項項1〜6のいずれかに記載のインピーダンス変換器。
【請求項8】
前記電気部品は、静電容量を形成するための電極を複数有し、これら複数の電極の夫々が静電容量を形成するために他の電極の少なくとも一部分と対向するように配置され、且つ対向する電極の間の誘電体が空間であり、コンデンサとしての電気的端子を有する構造のコンデンサであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のインピーダンス変換器。
【請求項9】
前記コンデンサは、対抗する電極の面積を変化させることによって静電容量を可変できる可変コンデンサであることを特徴とする請求項8に記載のインピーダンス変換器。
【請求項10】
前記コンデンサの対向する電極の間の誘電体が、真空又は大気圧よりも減圧された空間であることを特徴とする請求項8または9に記載のインピーダンス変換器。
【請求項11】
前記電気部品が、インダクタであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のインピーダンス変換器。
【請求項12】
前記伝送経路によって伝送される電力は、無線周波数帯域の周波数を有する高周波電力であることを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載のインピーダンス変換器。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2007−158438(P2007−158438A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−346862(P2005−346862)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【出願人】(000000262)株式会社ダイヘン (990)
【Fターム(参考)】