説明

インピーダンス自動整合回路

【課題】アンテナと受信回路との間のインピーダンスを整合させるインピーダンス自動整合回路を提供する。
【解決手段】アンテナ11と受信回路21との間に配設されるインピーダンス自動整合回路1であって、アンテナ11と受信回路21との間に存在し、両者のインピーダンスを整合させる整合回路12と、反射量測定用の基準信号を、受信回路21が受信する受信信号と干渉しないように送信する基準信号送信部16と、アンテナ11からの信号のうち、基準信号に対する反射の信号である反射信号を用いて、受信回路21の受信周波数における反射量を取得し、取得した反射量を用いて整合回路12を制御することにより、アンテナ11と受信回路21との間のインピーダンスを整合させる制御部17と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナと受信回路との間に配設されるインピーダンス自動整合回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の地上デジタルテレビ放送などの車載受信機では、固定整合回路により、アンテナとRFアンプとの間のインピーダンス整合をとっていた。しかしながら、地上デジタルテレビ放送の受信周波数は、470〜770MHzと帯域が広いため、受信周波数によりアンテナの出力インピーダンスが変化する。このため、受信周波数によっては、従来の固定整合回路では整合を合わせきれない周波数帯が発生し、このインピーダンス不整合により受信電力の損失が生じ、受信機の受信性能を劣化させるという問題点があった。携帯電話のように送信機能を有する装置であれば、送信信号のSパラメータを観測することなどにより、外部の影響を受けることなく動的に整合をとることができると考えられるが、送信機能を有さない装置でインピーダンス整合用の送信を行う場合には、微弱無線局の電界強度が3メートル離隔時に35μV/m以下であることや、送信することによる受信側への回り込みの影響を考慮する必要がある。そのため、地上波デジタル放送用帯域で自ら送信して、Sパラメータを観測する手法を簡単に採用することはできない。それに対し、例えば、特許文献1,2にあるように、受信周波数帯域情報により、固定的に誘導性・容量性可変素子の値を変化させ、整合を行う提案も行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−306428号公報
【特許文献2】特開2008−236020号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1,2のように、受信周波数帯域情報に応じて固定的に整合を行うとすると、車載アンテナの場合、雨や雪、汚れなどの環境変動や、取り付け位置、アンテナの個体差などの違いにより、複合的に動的インピーダンス変化が生じることに加えて、移動中など実際の運用状況では外部の影響により受信電力も安定しないことから、受信品質の最適点に整合を行うことは困難と考えられる。
【0005】
また、車載無線機(受信機)においてアンテナでの自動整合は必須であるが、単に受信電力をモニタして自動整合を行う場合には、インピーダンス変動以外の要因による受信信号強度(RSSI:Received Signal Strength Indication)レベル変動が大きいため、最適な整合は困難である。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、動的なインピーダンス変化に対して適切なインピーダンス整合を行うことができるインピーダンス自動整合回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明によるインピーダンス自動整合回路は、アンテナと受信回路との間に配設されるインピーダンス自動整合回路であって、アンテナと受信回路との間に存在し、両者のインピーダンスを整合させる整合回路と、反射量測定用の基準信号を、受信回路が受信する受信信号と干渉しないように送信する基準信号送信部と、アンテナからの信号のうち、基準信号に対する反射の信号である反射信号を用いて、受信回路の受信周波数における反射量を取得し、取得した反射量を用いて整合回路を制御することにより、アンテナと受信回路との間のインピーダンスを整合させる制御部と、を備えたものである。
【0008】
このような構成により、基準信号を送信し、その反射信号を用いることによって、アンテナと受信回路との間のインピーダンスを整合させることができるようになる。したがって、動的なインピーダンス変化が生じたとしても、その変化に応じたインピーダンス整合を行うことができる。また、受信信号と干渉しないように基準信号を送信することによって、受信品質を劣化させることなく、インピーダンス整合を行うことができるようになる。
【0009】
また、本発明によるインピーダンス自動整合回路では、アンテナからの信号のうち、基準信号に対する反射信号のみを抜き出すフィルタをさらに備え、基準信号送信部は、受信周波数と異なる2以上の周波数の基準信号を送信し、制御部は、フィルタが抜き出した反射信号を用いて取得した基準信号の周波数における反射量を用いて、受信周波数における反射量を取得してもよい。
このような構成により、受信周波数と異なる周波数の基準信号が送信されることになり、受信信号と基準信号とが干渉することを回避できる。
【0010】
また、本発明によるインピーダンス自動整合回路では、制御部は、基準信号の周波数における反射量と、あらかじめ記録媒体で保持されている反射量特性とを比較することにより、受信周波数における反射量を取得してもよい。
このような構成により、反射量特性を用いることによって、受信周波数における反射量を適切に予測できるようになる。
【0011】
また、本発明によるインピーダンス自動整合回路では、基準信号送信部は、ガードインターバルのタイミングで受信周波数と同じ周波数の基準信号を送信し、制御部は、反射信号を含まない受信信号の電力と、反射信号を含む受信信号の電力とを用いることによって、受信周波数における反射量を取得してもよい。
このような構成により、ガードインターバルのタイミングで基準信号を送信するため、受信するデータに干渉することなく、基準信号を送信できることになる。
【0012】
また、本発明によるインピーダンス自動整合回路では、基準信号送信部は、受信周波数と同じ線スペクトラムの基準信号を送信し、制御部は、反射信号を含まない受信信号の電力と、反射信号を含む受信信号の電力とを用いることによって、受信周波数における反射量を取得してもよい。
このような構成により、線スペクトラムの基準信号を送信するため、受信信号と基準信号との干渉を受信信号の受信上問題のないレベルに抑えることができるようになる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によるインピーダンス自動整合回路によれば、受信信号との干渉を回避しながら、動的なインピーダンス変化に対して自動インピーダンス整合を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1によるインピーダンス自動整合回路の構成を示すブロック図
【図2】同実施の形態によるインピーダンス自動整合回路の動作を示すフローチャート
【図3】同実施の形態によるインピーダンス自動整合回路の動作を示すフローチャート
【図4】同実施の形態におけるS11特性の一例を示す図
【図5】同実施の形態における基準信号の周波数の一例について説明するための図
【図6】本発明の実施の形態2によるインピーダンス自動整合回路の構成を示すブロック図
【図7】同実施の形態によるインピーダンス自動整合回路の動作を示すフローチャート
【図8】同実施の形態によるインピーダンス自動整合回路の動作を示すフローチャート
【図9】同実施の形態における基準信号の送信タイミングについて説明するための図
【図10】同実施の形態における基準信号の周波数について説明するための図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明によるインピーダンス自動整合回路について、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素及びステップは同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。
【0016】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1によるインピーダンス自動整合回路について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態によるインピーダンス自動整合回路は、受信信号との干渉を回避しながら、動的なインピーダンス変化に対してインピーダンス整合を行うものである。
【0017】
図1は、本実施の形態によるインピーダンス自動整合回路1の構成を示すブロック図である。本実施の形態によるインピーダンス自動整合回路1は、アンテナ11と、受信回路21との間に配設されるものであり、整合回路12と、方向性結合器13と、フィルタ14と、サーキュレータ15と、基準信号送信部16と、制御部17とを備える。なお、インピーダンス自動整合回路1は、受信回路21を備える受信機に含まれるものである。その受信機は、送信機能を有さないものであってもよい。送信機能を有さないとは、例えば、ユーザが操作可能な機能として、送信機能を有さないことであってもよい。また、その受信機は、例えば、デジタルテレビの受信機であってもよく、その他の受信機であってもよい。また、その受信機は、例えば、車載の受信機であってもよく、その他の状況で用いられる受信機であってもよい。
【0018】
整合回路12は、アンテナ11と受信回路21との間に存在し、両者のインピーダンスを整合させるものである。整合回路12は、制御部17による制御に応じて、受信インピーダンスを連続的、または、段階的に変化させる。整合回路12は、例えば、可変容量ダイオード等によって実現される可変容量やインダクタンス等を有するものであってもよく、複数のインピーダンスにそれぞれ応じた複数の整合回路をスイッチによって切り替えることによって受信インピーダンスを変化させるものであってもよく、あるいは、受信インピーダンスを変化させるその他の構成を有するものであってもよい。
【0019】
方向性結合器13は、整合回路12からの信号をフィルタ14とサーキュレータ15とに伝搬し、サーキュレータ15からの信号を整合回路12に伝搬するものである。
【0020】
フィルタ14は、アンテナ11からの信号のうち、基準信号に対する反射信号のみを抜き出す。本実施の形態では、後述するように、反射信号は、受信回路21の受信周波数とは異なる周波数であるため、フィルタ14は、受信周波数を除去する帯域除去フィルタ(BEF:Band Elimination Filter)であってもよい。本実施の形態では、フィルタ14が帯域除去フィルタである場合について説明する。なお、フィルタ14は、結果として反射信号のみを通せばよいため、例えば、反射信号の周波数に応じたバントパスフィルタであってもよい。なお、受信回路21が受信しているチャンネルが変更されると、それに応じて受信回路21の受信周波数も変更される。したがって、フィルタ14の特性は、受信回路21が受信しているチャンネルに応じて変更されてもよい。その変更は、例えば、後述する制御部17によって行われてもよい。
【0021】
サーキュレータ15は、方向性結合器13からの信号を受信回路21に伝搬し、基準信号送信部16からの信号を方向性結合器13に伝搬する。
【0022】
基準信号送信部16は、反射量測定用の基準信号を、受信回路21が受信する受信信号と干渉しないように送信する。ここで、基準信号を受信信号と干渉しないように送信する方法として、(1)受信周波数と異なる周波数の基準信号を送信する方法、(2)受信周波数と同じ周波数の基準信号を、ガードインターバルのタイミングで送信する方法、(3)受信周波数と同じ線スペクトラムの基準信号を送信する方法等がある。本実施の形態では、(1)について説明し、実施の形態2において、(2)、(3)について説明する。なお、「基準信号を、受信回路21が受信する受信信号と干渉しないように送信する」とは、例えば、両信号の干渉が全く起こらないように基準信号を送信することであってもよく、あるいは、両信号の干渉が受信信号の受信上、問題のないレベルに抑えることができるように基準信号を送信することであってもよい。また、受信回路21が受信する受信信号が所定の周波数帯域に応じたものである場合には、受信周波数は、その幅を有するものであってもよく、あるいは、その周波数帯域を代表する周波数(例えば、中心の周波数や、端の周波数等)であってもよい。
【0023】
本実施の形態による基準信号送信部16は、受信周波数と異なる2以上の周波数の基準信号を送信するものである。基準信号送信部16は、受信回路21が受信するチャンネルを示すチャンネル情報(CH情報)を受け取り、そのチャンネル情報に対応する受信周波数を特定する。その特定は、例えば、チャンネル情報と、受信周波数とを対応付ける情報(テーブル)等を用いて行われてもよい。そして、基準信号送信部16は、複数の基準信号を受信周波数からあらかじめ決められた値だけ離れた周波数にそれぞれ設定し、それぞれタイミングをずらして送信する。例えば、基準信号の周波数を、受信周波数±n×Aとしてもよい。ここで、nは1以上の整数であり、Aはあらかじめ決められた値である。例えば、Aは、受信回路21が受信中の受信信号の周波数帯域と同じか、あるいは、それよりも大きい値であってもよい。そのようにすることで、基準信号の周波数が、受信信号の周波数帯域に含まれないようにすることができるからである。なお、送信する基準信号の個数も、あらかじめ決められているものとする。また、基準信号送信部16は、受信周波数よりも周波数の高い基準信号と、受信周波数よりも周波数の低い基準信号とを少なくとも送信することが好適であるが、そうでなくてもよい。
【0024】
制御部17は、アンテナ11からの信号のうち、基準信号に対する反射の信号である反射信号をフィルタ14から受け取り、その反射信号を用いて、受信回路21の受信周波数における反射量を取得する。ここで、反射量は、例えば、電圧定在波比(VSWR:Voltage Standing Wave Ratio)であってもよく、反射率や反射係数であってもよい。反射係数は、例えば、電圧反射係数(SパラメータのS11)であってもよく、あるいは、電力反射係数であってもよい。そして、制御部17は、その取得した反射量を用いて整合回路12を制御することにより、アンテナ11と受信回路21との間のインピーダンスを整合させる。すなわち、制御部17は、反射が少なくなるように整合回路12のインピーダンスを調整する。その結果、整合回路12によって、アンテナ11と受信回路21とのインピーダンスが整合することになる。なお、反射量がVSWRである場合には、制御部17は、そのVSWRが1に近くなるように整合回路12を調整するようにしてもよい。制御部17は、例えば、反射量がしきい値よりも小さくなるように整合回路12を制御してもよく、あるいは、反射量が最小となるように整合回路12を制御してもよい。例えば、制御部17は、整合回路12を一方向に制御し、反射量が少なくならない場合には、他方向に制御することによって、反射量が少なくなるように制御を行ってもよい。また、整合回路12の制御方法は、例えば、整合回路12に印加する制御電圧を調整することによってなされてもよい。
【0025】
本実施の形態では、制御部17は、フィルタ14が抜き出した反射信号を用いて取得した基準信号の周波数における反射量を取得する。そして、制御部17は、その基準信号の周波数における反射量を用いて、受信周波数における反射量を取得する。具体的には、制御部17は、反射信号を用いることによって受信周波数以外における反射量を取得できるため、その反射量について、内挿または外挿を行うことによって、受信周波数における反射量を取得してもよい。また、制御部17は、基準信号の周波数における反射量と、あらかじめ記録媒体で保持されている反射量特性とを比較することにより、受信周波数における反射量を取得してもよい。反射量特性は、例えば、受信信号の取り得る周波数帯域における反射量を示すものであってもよい。例えば、取り付け時と、周囲環境変化時の反射量(S11)特性変化の実測結果は、図4で示されるようになる。反射量特性は、例えば、図4で示される取り付け時のS11の実測結果であってもよい。図4から分かるように、周囲環境が変化したとしても、取り付け時のS11特性とほぼ同様の特性となっていることが分かる。したがって、制御部17は、単純に内挿や外挿を行う代わりに、あらかじめ保持されている反射量特性(例えば、取り付け時のS11特性)を用いて、受信周波数における反射量を取得してもよい。具体的には、基準信号の周波数がB1,B2であり、それぞれに対応するS11特性がC1,C2であるとする。すると、制御部17は、図4において、取り付け時のS11特性のグラフが、(B1,C1)、(B2,C2)の最も近くを通るように、S11特性方向(図4の上下方向)に移動させる。この処理は、例えば、最小自乗法を用いて行ってもよい。そして、制御部17は、その移動後のグラフの受信周波数におけるS11特性を、受信周波数における反射量として取得してもよい。その後、制御部17が、その反射量を用いて整合回路12を制御することは前述の通りである。なお、受信周波数における反射量が要求値を満たすまで、制御部17は、反射量の取得と、整合回路12の制御とを繰り返して行ってもよい。
【0026】
次に、インピーダンス自動整合回路1の動作について図2のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS101)制御部17は、インピーダンスの自動整合の制御を行うタイミングであるかどうか判断する。そして、その制御を行うタイミングである場合には、ステップS102に進み、そうでない場合には、その制御を行うタイミングになるまで、ステップS101の処理を繰り返す。なお、制御部17は、定期的(例えば、1分ごと、5分ごと、10分ごと等)にその制御を行うタイミングであると判断してもよく、あるいは、所定の条件(例えば、受信のクオリティーが下がったこと等)が満たされた場合にその制御を行うタイミングであると判断してもよい。
【0027】
(ステップS102)制御部17は、基準信号送信部16を制御することによって、基準信号を送信させ、それに応じた反射量を取得する。この処理の詳細については、図3のフローチャートを用いて後述する。
【0028】
(ステップS103)制御部17は、反射量に応じて、整合の処理を終了するかどうか判断する。そして、終了する場合には、ステップS101に戻り、そうでない場合には、ステップS104に進む。制御部17は、受信回路21の受信周波数における反射量が、アンテナ11と受信回路21との間のインピーダンスが整合したと考えられるほど小さい場合には、整合の処理を終了すると判断してもよい。
【0029】
(ステップS104)制御部17は、整合回路12を制御することによって、アンテナ11と受信回路21とのインピーダンスの整合の制御を行う。この制御は、例えば、あらかじめ定められた値だけインピーダンスが変更されるように整合回路12を制御することであってもよい。そして、ステップS102に戻る。
【0030】
なお、図2のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。また、インピーダンスを少しずつ変更しながら反射量が最も少なくなる箇所を探索する場合において、現在の設定よりも1個前の設定の方が、反射量が少ないときには、制御部17は、整合終了(ステップS103)と判断した後に、整合回路12の設定を1個前のものに戻す処理を行ってもよい。また、図2のフローチャートは、基準信号送信部16、制御部17に関する処理を示すものであり、受信回路21や、その他のフィルタ14、サーキュレータ15等で行われる処理は省略している。
【0031】
図3は、図2のフローチャートにおける反射量の取得の処理(ステップS102)の詳細を示すフローチャートである。
(ステップS201)制御部17は、基準信号送信部16に基準信号を送信するように指示する。それに応じて、基準信号送信部16は、基準信号を送信する。なお、この基準信号は、受信回路21の受信周波数と異なる周波数の基準信号である。基準信号送信部16は、受信回路21の受信に関するチャンネル情報を受け取り、そのチャンネル情報に応じた受信周波数でない周波数の基準信号を送信するものとする。なお、基準信号送信部16が、基準信号を複数回送信する場合には、それらの基準信号の周波数は、それぞれ異なっていてもよい。例えば、1回目に送信する基準信号の周波数は、「受信周波数+A」(MHz)であり、2回目に送信する基準信号の周波数は、「受信周波数−A」(MHz)であり、3回目に送信する基準信号の周波数は、「受信周波数+2×A」(MHz)であってもよい。
【0032】
基準信号送信部16から送信された基準信号は、サーキュレータ15を介してアンテナ11の方に送信される。そして、アンテナ11からの反射信号は、方向性結合器13によってフィルタ14とサーキュレータ15とに渡される。フィルタ14は、入力された反射信号のうち、基準信号の周波数の帯域以外を除去して制御部17渡す。
【0033】
(ステップS202)制御部17は、反射信号を受信したかどうか判断する。そして、反射信号を受信した場合には、ステップS203に進み、そうでない場合には、受信するまでステップS202の処理を繰り返す。
【0034】
(ステップS203)制御部17は、基準信号の周波数における反射量を取得し、その反射量を図示しない記録媒体において一時的に記憶する。その際に、基準信号の周波数に対応付けて反射量を記憶してもよい。
【0035】
(ステップS204)制御部17は、基準信号の送信を終了するかどうか判断する。そして、終了する場合には、ステップS205に進み、そうでない場合には、ステップS201に戻る。制御部17は、例えば、あらかじめ定められた回数だけ基準信号が送信された場合に、基準信号の送信を終了すると判断してもよい。
【0036】
(ステップS205)制御部17は、ステップS203で一時的に記憶した基準信号の周波数ごとの反射量を用いて、前述のように受信周波数の反射量を取得する。受信周波数は、例えば、制御部17が受け付けたチャンネル情報に応じた受信周波数であってもよい。そして、図2のフローチャートに戻る。
【0037】
次に、本実施の形態によるインピーダンス自動整合回路1の動作について、具体例を用いて説明する。なお、この具体例では、基準信号を3回送信すると決められているものとする。また、この具体例では、受信周波数における反射量があらかじめ定められたしきい値「T」以下となった場合に、インピーダンスを整合させる制御が終了するものとする。
【0038】
例えば、ユーザがチャンネルNの放送を受信する旨の指示を入力し、それに応じて、チャンネル情報「N」が、受信回路21、基準信号送信部16、制御部17に渡され、受信回路21において、チャンネル情報「N」に応じた受信周波数f1の受信信号の受信が行われているとする。また、受信周波数帯域は、6MHzであるとする。
【0039】
その状況において、制御部17が、制御のタイミングであると判断し(ステップS101)、基準信号送信部16に基準信号を送信する旨を指示したとする。すると、基準信号送信部16は、図5で示されるように、周波数が「f1−6」(MHz)の基準信号を送信する(ステップS201)。制御部17は、その基準信号の送信に応じた反射信号を受信したかどうか判断し、受信した場合には、その反射信号の反射量「R11」を取得し、周波数「f1−6」(MHz)に対応付けて図示しない記録媒体に蓄積する(ステップS202,S203)。
【0040】
その後、制御部17は、基準信号を1回しか送信していないため、送信を継続すると判断し(ステップS204)、次の基準信号を送信する旨を基準信号送信部16に指示する。その指示に応じて、図5で示されるように、基準信号送信部16は、周波数が「f1+6」(MHz)の基準信号を送信する(ステップS201)。制御部17は、その基準信号の送信に応じた反射信号を受信し、その反射信号の反射量「R12」を取得し、周波数「f1+6」(MHz)に対応付けて図示しない記録媒体に蓄積する(ステップS202,S203)。
【0041】
その後、制御部17は、基準信号を2回送信しただけであるため、送信を継続すると判断し(ステップS204)、次の基準信号を送信する旨を基準信号送信部16に指示する。その指示に応じて、図5で示されるように、基準信号送信部16は、周波数が「f1−12」(MHz)の基準信号を送信する(ステップS201)。制御部17は、その基準信号の送信に応じた反射信号を受信し、その反射信号の反射量「R13」を取得し、周波数「f−12」(MHz)に対応付けて図示しない記録媒体に蓄積する(ステップS202,S203)。
【0042】
そして、制御部17は、3回の基準信号の送信が終了したため、送信を終了すると判断し、反射量R11〜R13を用い、受信周波数f1に応じた反射量R14を取得する(ステップS205)。また、制御部17は、その反射量R14を、図示しない記録媒体であらかじめ記憶されているしきい値Tと比較する。この場合には、R14>Tであったとする。すると、制御部17は、整合の処理を継続すると判断し(ステップS103)、整合回路12への制御電圧を変更する(ステップS104)。なお、このステップS102〜S104の処理が繰り返され、受信周波数における反射量が要求値を満たすようになると、この制御の処理が終了されることになる。
【0043】
以上のように、本実施の形態によるインピーダンス自動整合回路1によれば、基準信号送信部16を備えたことにより、送信機能を有しない受信装置においても、基準信号を送信することによってインピーダンスの整合を行うことができるようになる。その結果、雨や雪、汚れなどの環境変動があったとしても、アンテナ11と受信回路21とのインピーダンスを適切に整合させることができるようになる。また、受信周波数と異なる周波数の基準信号を送信することによって、受信回路21の受信に影響を与えることなく、インピーダンスの整合を行うことができる。したがって、受信回路21が受信中に、インピーダンスの整合の処理を行うことができる。
【0044】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2によるインピーダンス自動整合回路について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態によるインピーダンス自動整合回路は、受信回路の受信周波数と同じ周波数の基準信号を送信するものである。
【0045】
図6は、本実施の形態によるインピーダンス自動整合回路2の構成を示すブロック図である。本実施の形態によるインピーダンス自動整合回路2は、整合回路12と、方向性結合器13と、サーキュレータ15と、基準信号送信部16と、制御部17とを備えるものである。本実施の形態によるインピーダンス自動整合回路2は、フィルタ14を備えなくなり、また基準信号の送信や反射量の取得に関する処理が異なる以外、実施の形態1のインピーダンス自動整合回路1と同様の構成を有するものであり、それらの説明を省略する。
【0046】
本実施の形態では、前述のように、基準信号を受信信号と干渉しないように送信する方法として、(2)受信周波数と同じ周波数の基準信号を、OFDM(Orthogonal Frequency−Division Multiplexing)のガードインターバルのタイミングで送信する方法、(3)受信周波数と同じ線スペクトラムの基準信号を送信する方法について説明する。
【0047】
(2)の場合について
(2)の場合には、基準信号送信部16は、ガードインターバルのタイミングで受信周波数と同じ周波数の基準信号を送信する。この場合には、ガードインターバルのタイミングで基準信号を短時間パルスにより送信するため、受信回路21が受信する受信信号、及び、近隣の受信機が受信する受信信号に干渉することなく、基準信号を送信することができるようになる。例えば、直接波、反射波におけるガードインターバル(GI)、有意なデータの範囲(DATA)が図9で示されるようになっている場合には、基準信号送信部16は、直接波及び反射波のガードインターバルの共通部分(相関)において、基準信号を送信するようにする。すると、そのガードインターバルにおいて、基準信号の送信と、反射信号の受信とを行うことができるため、有意なデータの範囲(DATA)に影響を与えることなく、受信周波数における反射量の取得を行うことができるようになる。また、基準信号を送信していない期間が長いため、基準信号の平均の送信電力が低くなり、免許不要な送信電力であっても十分な瞬時送信電力となるため、不整合時の反射信号が検出可能なレベルとなる。
【0048】
制御部17は、反射信号を含まない受信信号の電力をあらかじめ図示しない記録媒体に保持しておくものとする。この反射信号を含まない受信信号の電力は、基準信号を送信する直前の受信信号の電力であってもよい。また、制御部17は、反射信号を含まない受信信号の電力と、反射信号を含む受信信号の電力とを用いることによって、受信周波数における反射量を取得する。具体的には、制御部17は、反射信号を含む受信信号の電力から、反射信号を含まない受信信号の電力を減算することによって、反射信号の電力を算出することができる。また、その反射信号の電力等を用いてVSWR等の反射量を算出できることはすでに知られており(例えば、反射波の電力と進行波の電力とを用いてVSWRを算出する式を用いてもよい)、その詳細な説明を省略する。
【0049】
(3)の場合について
(3)の場合には、基準信号送信部16は、受信周波数と同じ線スペクトラムの基準信号を送信する。この場合には、線スペクトラムの基準信号を送信するため、基準信号の送信によって、受信回路21が受信する受信信号に干渉することを極力少なくすることができるようになる。例えば、図10で示されるように、基準信号送信部16は、受信周波数帯域において、線スペクトラムの基準信号を送信する。
なお、(3)の場合において制御部17が受信周波数における反射量を取得する方法も、(2)の場合と同じであり、その説明を省略する。
【0050】
次に、インピーダンス自動整合回路2の動作について説明する。本実施の形態によるインピーダンス自動整合回路2の動作は、ステップS102の処理以外、図2のフローチャートと同様であり、その説明を省略する。
【0051】
図7は、(2)の場合における反射量の取得の処理(ステップS102)の詳細を示すフローチャートである。
(ステップS301)制御部17は、その時点における受信信号の電力を取得する。すなわち、制御部17は、反射信号を含まない受信信号の電力を取得する。そして、制御部17は、その電力の値を図示しない記録媒体に蓄積しておく。
【0052】
(ステップS302)制御部17は、基準信号を送信するタイミングであるかどうか判断する。そして、基準信号を送信するタイミングであれば、ステップS303に進み、そうでない場合には、基準信号を送信するタイミングとなるまでステップS302の処理を繰り返す。前述のように、制御部17は、ガードインターバルのタイミングで基準信号を送信すると判断し、基準信号送信部16に、基準信号を送信する旨を指示する。なお、制御部17は、ガードインターバルのタイミングであることを、受信回路21等から受け取り、それに応じてこの判断を行ってもよく、ガードインターバルのタイミングであることを、方向性結合器13からの受信信号を用いて自ら判断してもよく、あるいは、その他の方法でガードインターバルのタイミングであることを検知してもよい。
【0053】
(ステップS303)基準信号送信部16は、受信回路21の受信周波数と同じ周波数における基準信号を送信する。なお、前述のように、基準信号送信部16は、チャンネル情報によって、受信周波数を知得してもよい。なお、受信周波数に幅がある場合には、その受信周波数帯域に含まれる特定の周波数の基準信号を送信してもよく、あるいは、その受信周波数帯域に含まれる幅を持った周波数帯域の基準信号を送信してもよい。
【0054】
(ステップS304)制御部17は、反射信号を受信したかどうか判断する。そして、反射信号を受信した場合には、ステップS305に進み、そうでない場合には、受信するまでステップS304の処理を繰り返す。
【0055】
(ステップS305)制御部17は、反射信号を含む受信信号の電力を取得する。そして、制御部17は、その電力の値を図示しない記録媒体に蓄積する。
【0056】
(ステップS306)制御部17は、反射信号を含まない受信信号の電力と、反射信号を含む受信信号の電力とを用いて、受信周波数における反射量を取得する。そして、図2のフローチャートに戻る。
【0057】
図8は、(3)の場合における反射量の取得の処理(ステップS102)の詳細を示すフローチャートである。図8のフローチャートにおいて、ステップS302の処理を行わず、反射信号を含まない受信信号の電力を取得した後にすぐに基準信号を送信する以外、図7のフローチャートの各処理と同じであり、その詳細な説明を省略する。なお、ステップS303における基準信号の送信では、線スペクトラムの基準信号が送信されるものとする。
【0058】
なお、図7,図8のフローチャートにおいて、基準信号を1回だけ送信する場合について示しているが、そうでなくてもよい。あらかじめ決められた回数だけ基準信号を繰り返し送信し、その反射量の平均や中間値等を最終的な反射量としてもよい。
【0059】
次に、本実施の形態によるインピーダンス自動整合回路2の動作について、具体例を用いて説明する。この具体例でも、受信周波数における反射量があらかじめ定められたしきい値以下となった場合に、インピーダンスを整合させる制御が終了するものとする。また、例えば、ユーザがチャンネルNの放送を受信する旨の指示を入力し、それに応じて、チャンネル情報「N」が、受信回路21、基準信号送信部16、制御部17に渡され、受信回路21において、チャンネル情報「N」に応じた受信周波数f1の受信信号の受信が行われているとする。
【0060】
まず、(2)の場合について説明する。制御部17が、制御のタイミングであると判断し(ステップS101)、基準信号送信部16に基準信号を送信する旨を指示したとする。すると、制御部17は、その時点の受信信号の電力P1を取得し、図示しない記録媒体に蓄積する(ステップS301)。また、制御部17は、図9で示されるように、基準信号の送信タイミングとなるのを待ち、送信タイミングとなった時点で基準信号送信部16に、基準信号を送信する旨を指示する。すると、基準信号送信部16は、その指示に応じて、受信周波数f1の基準信号を送信する(ステップS302,S303)。
【0061】
制御部17は、その基準信号の送信に応じた反射信号を含む受信信号を受信し、その受信信号の電力P2を取得し、図示しない記録媒体に蓄積する(ステップS304,S305)。そして、制御部17は、反射信号の電力P3(=P2−P1)を取得し、それらの電力を用いて、反射量(VSWR)R21を取得する(ステップS306)。また、制御部17は、その反射量R21を、図示しない記録媒体であらかじめ記憶されているしきい値Tと比較する。この場合には、反射量R21>Tであったとする。すると、制御部17は、整合の処理を継続すると判断し(ステップS103)、整合回路12への制御電圧を変更する(ステップS104)。なお、このステップS102〜S104の処理が繰り返されることによって、受信周波数における反射量が要求値を満たすようになると、この制御の処理が終了されることになる。
【0062】
次に、(3)の場合について説明する。制御部17が、制御のタイミングであると判断し(ステップS101)、基準信号送信部16に基準信号を送信する旨を指示したとする。すると、制御部17は、その時点の受信信号の電力P4を取得し、図示しない記録媒体に蓄積する(ステップS301)。また、制御部17は、基準信号送信部16に基準信号を送信する旨を指示する。すると、基準信号送信部16は、その指示に応じて、図10で示されるように、受信周波数f1の線スペクトラムの基準信号を送信する(ステップS303)。
【0063】
制御部17は、その基準信号の送信に応じた反射信号を含む受信信号を受信し、その受信信号の電力P5を取得し、図示しない記録媒体に蓄積する(ステップS304,S305)。そして、制御部17は、反射信号の電力P6(=P5−P4)を取得し、それらの電力を用いて、反射量(VSWR)R22を取得する(ステップS306)。また、制御部17は、その反射量R22を、図示しない記録媒体であらかじめ記憶されているしきい値Tと比較する。この場合には、反射量R22>Tであったとする。すると、制御部17は、整合の処理を継続すると判断し(ステップS103)、整合回路12への制御電圧を変更する(ステップS104)。なお、このステップS102〜S104の処理が繰り返されることによって、受信周波数における反射量が要求値を満たすようになると、この制御の処理が終了されることになる。
【0064】
以上のように、本実施の形態によるインピーダンス自動整合回路2によれば、基準信号送信部16による基準信号を送信によってインピーダンスの整合を行うことができるようになる。特に、(2)の場合には、基準信号を短時間、送信するだけであるため、その基準信号の送信によって近隣受信機に干渉を与える心配が少なくなると考えられる。また、短時間の送信であるため、基準信号の信号電力が免許不要な電波出力を超えないようにすることができ、テレビやラジオの受信機であっても、基準信号送信部16を搭載することができるようになる。また、受信周波数と同じ周波数の基準信号であるが、その基準信号をガードインターバルに送信したり、線スペクトラムで送信したりすることによって、受信回路21の受信に大きな影響を与えることなく、インピーダンスの整合を行うことができる。
【0065】
また、上記各実施の形態で説明した基準信号の送信方法を組み合わせてもよい。例えば、受信周波数と異なる周波数の基準信号を送信する場合にも、ガードインターバルのタイミングで基準信号を送信してもよく、線スペクトラムの基準信号を送信してもよい。また、例えば、ガードインターバルのタイミングで基準信号を送信する場合にも、線スペクトラムの基準信号を送信してもよい。
【0066】
また、上記各実施の形態において、各処理または各機能は、単一の装置または単一のシステムによって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置または複数のシステムによって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0067】
また、上記各実施の形態において、各構成要素間で行われる情報の受け渡しは、例えば、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に異なるものである場合には、一方の構成要素による情報の出力と、他方の構成要素による情報の受け付けとによって行われてもよく、あるいは、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に同じものである場合には、一方の構成要素に対応する処理のフェーズから、他方の構成要素に対応する処理のフェーズに移ることによって行われてもよい。
【0068】
また、上記各実施の形態において、各構成要素が実行する処理に関係する情報、例えば、各構成要素が受け付けたり、取得したり、選択したり、生成したり、送信したり、受信したりした情報や、各構成要素が処理で用いるしきい値や数式等は、上記説明で明記していない場合であっても、図示しない記録媒体において、一時的に、あるいは長期にわたって保持されていてもよい。また、その図示しない記録媒体への情報の蓄積を、各構成要素、あるいは、図示しない蓄積部が行ってもよい。また、その図示しない記録媒体からの情報の読み出しを、各構成要素、あるいは、図示しない読み出し部が行ってもよい。
【0069】
また、上記各実施の形態において、各構成要素等で用いられる情報、例えば、各構成要素が処理で用いるしきい値や各種の設定値等の情報がユーザによって変更されてもよい場合には、上記説明で明記していない場合であっても、ユーザが適宜、それらの情報を変更できるようにしてもよく、あるいは、そうでなくてもよい。それらの情報をユーザが変更可能な場合には、その変更は、例えば、ユーザからの変更指示を受け付ける図示しない受付部と、その変更指示に応じて情報を変更する図示しない変更部とによって実現されてもよい。その図示しない受付部による変更指示の受け付けは、例えば、入力デバイスからの受け付けでもよく、通信回線を介して送信された情報の受信でもよく、所定の記録媒体から読み出された情報の受け付けでもよい。
【0070】
また、上記各実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、基準信号送信部16や制御部17が実現され得る。
【0071】
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0072】
以上より、本発明によるインピーダンス自動整合回路によれば、受信信号に大きな干渉を与えることなくインピーダンスの整合を自動的に行うことができる効果が得られ、例えば、インピーダンスを自動的に整合する回路等として有用である。
【符号の説明】
【0073】
1、2 インピーダンス自動整合回路
11 アンテナ
12 整合回路
13 方向性結合器
14 フィルタ
15 サーキュレータ
16 基準信号送信部
17 制御部
21 受信回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナと受信回路との間に配設されるインピーダンス自動整合回路であって、
前記アンテナと前記受信回路との間に存在し、両者のインピーダンスを整合させる整合回路と、
反射量測定用の基準信号を、前記受信回路が受信する受信信号と干渉しないように送信する基準信号送信部と、
前記アンテナからの信号のうち、前記基準信号に対する反射の信号である反射信号を用いて、前記受信回路の受信周波数における反射量を取得し、当該取得した反射量を用いて前記整合回路を制御することにより、前記アンテナと前記受信回路との間のインピーダンスを整合させる制御部と、を備えたインピーダンス自動整合回路。
【請求項2】
前記アンテナからの信号のうち、前記基準信号に対する反射信号のみを抜き出すフィルタをさらに備え、
前記基準信号送信部は、受信周波数と異なる2以上の周波数の基準信号を送信し、
前記制御部は、前記フィルタが抜き出した反射信号を用いて取得した基準信号の周波数における反射量を用いて、受信周波数における反射量を取得する、請求項1記載のインピーダンス自動整合回路。
【請求項3】
前記制御部は、基準信号の周波数における反射量と、あらかじめ記録媒体で保持されている反射量特性とを比較することにより、受信周波数における反射量を取得する、請求項2記載のインピーダンス自動整合回路。
【請求項4】
前記基準信号送信部は、ガードインターバルのタイミングで受信周波数と同じ周波数の基準信号を送信し、
前記制御部は、反射信号を含まない受信信号の電力と、反射信号を含む受信信号の電力とを用いることによって、受信周波数における反射量を取得する、請求項1記載のインピーダンス自動整合回路。
【請求項5】
前記基準信号送信部は、受信周波数と同じ線スペクトラムの基準信号を送信し、
前記制御部は、反射信号を含まない受信信号の電力と、反射信号を含む受信信号の電力とを用いることによって、受信周波数における反射量を取得する、請求項1記載のインピーダンス自動整合回路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−138659(P2012−138659A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−287892(P2010−287892)
【出願日】平成22年12月24日(2010.12.24)
【出願人】(393031586)株式会社国際電気通信基礎技術研究所 (905)
【出願人】(502087460)株式会社トヨタIT開発センター (232)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】