インプリンター
【課題】 インプリンターにおいて、転写時には、剛体のローラがカード表面に形成された凸状のエンボス表面を点接触状態に維持しながら転動することでクリアーな印字品質を提供し、使用者による調整作業をなくす。
【解決手段】 カード及び被印刷用紙を所定の位置に載置する印刷用ベースAと、該印刷用ベースA上に移動するキャリッジBと、前記印刷用ベースAのカード載置面から所定の高さに設けたローラ軸6と、該ローラ軸6に回転可能に挿入されるローラボス部と、該ローラボスと同心位置に設けた剛体のローラ外周部と、該ローラ外周部と前記ローラボス部の間に設けた弾体変形部からなるローラCとを備える。前記キャリッジBが移動する際、前記ローラ軸6の軸心に対して前記ローラ外周部が前記弾性変形部の変形により偏心することでカード表面に形成されたエンボス情報を被印刷用紙に転写するよう構成する。
【解決手段】 カード及び被印刷用紙を所定の位置に載置する印刷用ベースAと、該印刷用ベースA上に移動するキャリッジBと、前記印刷用ベースAのカード載置面から所定の高さに設けたローラ軸6と、該ローラ軸6に回転可能に挿入されるローラボス部と、該ローラボスと同心位置に設けた剛体のローラ外周部と、該ローラ外周部と前記ローラボス部の間に設けた弾体変形部からなるローラCとを備える。前記キャリッジBが移動する際、前記ローラ軸6の軸心に対して前記ローラ外周部が前記弾性変形部の変形により偏心することでカード表面に形成されたエンボス情報を被印刷用紙に転写するよう構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードに形成された凸状のエンボスで表わされた情報を被印刷用紙(帳票)に転写するインプリンターにおいて、転写時には、剛体のローラがカード表面に形成された凸状のエンボス表面を点接触状態に維持しながら転動することで、クリアーな印字品質を提供すると共に使用者による調整作業をなくすことができるインプリンターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1や特許文献2のように、エンボス加工されたカードが載置されたベースと、そのベースを挟むように、コ字状の形状で、ベースの上方でインクローラを回転可能に保持され、そのインクローラの軸方向に平行でベースの下方でバックアップローラを回転可能に保持するキャリッジと、キャリッジに設けられたインクローラとバックアップローラの軸間距離を調整する調整機構を設け、出荷時に、最適な印字圧となるように所定のエンボス高さになるよう前記調整機構によって調整し、さらに、実際の使用段階で、使用者が取り扱うカードに合わせて微調整を前記調整機構によって調整することで、最適な印字品質を得ていた。
【0003】
また、硬質ゴムなどの弾性部材のインクローラを採用して、調整作業を容易にしていた。また、特許文献4における印刷ローラ22は、高さの調整可能に構成されているために、その印刷ローラ22の印刷圧はその調整によって印刷しあがりを良好に選べるものである。特許文献3の印刷ローラ30は、インク含浸又は無含浸であって、弾性部材37を介して上下方向に調整可能に設けられている。
【特許文献1】特開2006−150828
【特許文献2】特開2002−370438
【特許文献3】特開昭57−138975
【特許文献4】実開昭56−104963
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような調整機構による調整作業は、煩雑であると共に、カードに加工されたエンボスの高さには、必ず高さ誤差が含まれており、全てのエンボスの高さに対応し、高い印字品質を得ることは不可能であった。この問題に対応するため、インクローラの材質を硬質ゴムなどに採用して対応するが、ゴムの柔らかさのために転写の際にエンボスがインクローラに食い込むことによって、転写した文字がボケてしまうような問題もあった。また、調整機構によって最適なエンボスの高さに調整することは、使用者には困難な作業であった。このため、本発明が解決しようとする課題(技術的課題又は目的等)は、転写時において、剛体のローラがカード表面に形成された凸状のエンボス表面を点接触状態を維持しながら転動することで、被印刷用紙(帳票)に対してクリアーな印字品質を提供すると共に、使用者による調整作業をなくすことを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、発明者は上記課題を解決すべく鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、カード及び被印刷用紙を所定の位置に載置する印刷用ベースと、該印刷用ベース上に移動するキャリッジと、該キャリッジ内に収納された前記印刷用ベースのカード載置面から所定の高さに設けられたローラ軸と、該ローラ軸に回転可能に挿入されるローラボス部と、該ローラボスと同心位置に設けられる剛体のローラ外周部と、該ローラ外周部と前記ローラボス部の間に設けられた弾体変形部からなるローラとを備え、前記キャリッジが前記印刷用ベース上を移動する際、前記印刷用ベースのカード載置面から所定の高さに維持される前記ローラ軸の軸心に対して前記ローラ外周部が前記弾性変形部の変形により偏心することで、前記カード表面に形成されたエンボス情報を被印刷用紙に転写するよう構成されたことを特徴とするインプリンターとしたことにより、前記課題を解決した。
【0006】
請求項2の発明を、前述の構成において、前記弾性変形部は、前記ローラボス部の外周に複数設けられたバネ状リブとして形成されてなることを特徴とするインプリンターとしたことにより、前記課題を解決した。また、請求項3の発明を、前述の構成において、前記弾性変形部は、前記ローラボス部と前記ローラ外周部との間にゴムなどの弾性材が充填されてなることを特徴とするインプリンターとしたことにより、前記課題を解決した。さらに、請求項4の発明は、前述の構成において、前記バネ状リブは、前記ローラボス部と前記ローラ外周部とが合成樹脂又は金属製の同一材質で一体形成されてなることを特徴とするインプリンターとしたことにより、前記課題を解決した。
【0007】
請求項5の発明を、カード及び被印刷用紙を所定の位置に載置する印刷用ベースと、該印刷用ベース上を移動するキャリッジと、該キャリッジ内に収納された被印刷用紙に転写するエンボス情報を転写するための剛体のローラと、該ローラを固定するローラ軸と、前記印刷用ベースのカード載置面から所定の高さに設けられた前記ローラ軸を回転可能に支えるための軸受け部と、該軸受け部と前記ローラ軸の間に弾性部材を備え、前記キャリッジが前記印刷用ベース上を移動する際、前記ローラが前記軸受け部と前記ローラ軸の間に設けられた前記弾性部材の変形により前記軸受け部に対して偏心することで、前記カード表面に形成されたエンボス情報を被印刷用紙に転写するよう構成されたことを特徴とするインプリンターとしたことにより、前記課題を解決した。
【0008】
また、請求項6の発明を、前述の構成において、前記弾性部材は、コイルバネとして形成されてなることを特徴とするインプリンターとしたことにより、前記課題を解決した。また、請求項7の発明を、前述の構成において、前記弾性部材は、軟質合成ゴムとしてなることを特徴とするインプリンターとしたことにより、前記課題を解決した。
請求項8の発明を、前述の構成において、前記印刷用ベースに対する前記キャリッジ内のローラの高さ微調整可能の濃淡調整部を設けてなることを特徴とするインプリンターとしたことにより、前記課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明においては、エンボス高さ及び、エンボス高さ誤差を吸収しながら、剛体のローラがカード表面上を転動することが可能になり、高い印字品質を得ることができる最大の利点がある。また、エンボス高さ及び、エンボス高さの誤差をローラ側で吸収する構造のため、使用者による再調整の作業が不要にできる。さらに、ローラとカード表面までの調整作業について、調整幅が従来に比べ広がったために調整作業が極めて容易にできる。特に、請求項1乃至3の発明においては、ローラ軸の軸心に対してローラ外周部が弾性部材を介して偏心可能に設けられているため、従来と同様な簡易な取付にて構成できるのに関わらず、調整幅の広がったクリアーなインプリンターを提供できる。また、請求項4乃至6の発明においては、請求項1と同様に調整幅の広がったクリアーなインプリンターを提供できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1乃至図2は本発明の第1の実施形態である。本発明のインプリンターの主要部材は、カードを所定の位置に載置する印刷用ベースAと、該印刷用ベースAの上面を移動するキャリッジBと、該キャリッジBに収納されたローラCとで構成され、前記キャリッジBが手動にて前記印刷用ベースA上に載置したカード及び被印刷用紙(帳票)S上を移動することで、前記カードP表面に形成されたエンボス情報を被印刷用紙(帳票)Sに転写できるように構成されている。なお、図2において、21は伝票押え、22は店名プレート押さえネジ、23はキャリッジストッパである。
【0011】
前記印刷用ベースAは、上面平坦状部1に、カード受け部2及び店名プレート受け部3が設けられ、前記上面平坦状部1の両側に設けられたキャリッジガイドレール4,4とで構成されている。前記キャリッジBは、前記ローラCを回転可能に保持すると共に、カードP上面からのローラCの中心までの距離を保持するための両側のガイド板5,5と、該ガイド板5,5に回転可能に設けられたローラ軸6と、前記ローラCとカードとの距離を調整可能な調整部7と、前記ガイド板5,5及びローラ軸6,前記ローラCなどを覆うキャリッジカバー8と、該キャリッジカバー8両側のキャリッジ側板部9,9とから構成されている。
【0012】
該キャリッジ側板部9,9の下方の両対向側には、前記キャリッジガイドレール4,4を外側から抱えるようにしつつ摺動する溝部9a,9aが設けられている。該溝部9a,9aを前記キャリッジガイドレール4,4に嵌めることで前記キャリッジBは前記印刷用ベースA上を適宜摺動させることができる。また、前記調整部7は、前記キャリッジカバー8に設けられ、前記ローラCが被印刷用紙(帳票)Sを介してカードP表面に形成されたエンボス表面を所定の印字圧力にて点接触状態で転動するように、前記ローラCとカードPとの距離を濃淡調整ネジ7aを適宜回転させることで、前記ガイド板5,5に設けた支持部5a,5aを僅かに昇降調整できる。
【0013】
前記ローラCは、剛体としてのローラ外周部15と、ローラボス部16と、前記ローラ外周部15と前記ローラボス部16との間に設けられた弾性変形部17とで構成されている。該弾性変形部17は、複数の弾性変形する形状を持つバネ状リブ17a,17a,…として構成され、前記ローラ外周部15内に、前記ローラボス部16が同心状に取り付けられている。さらに、前記バネ状リブ17aは、少なくとも3箇所等分されている。該バネ状リブ17aは、形成加工にて、前記ローラ外周部15とローラボス部16とで、合成樹脂材にて一体的に形成されている。図5では、前記ローラCの一側に、4箇所等分されたバネ状リブ17aが一体的に設けられ、前記ローラCの他側には、90度位相がズレていると共に、4箇所等分されたバネ状リブ17aが一体的に設けられている。この合成樹脂製の材質にて弾性変形する弾性係数は変わるものであるが、その肉厚などを考慮して適宜決定される。該バネ状リブ17aによる弾性変形を介してローラ外周部15の圧力にて、エンボス情報を被印刷用紙(帳票)に転写する役割をなす。
【0014】
特に、発明の第1の実施形態では、前記ローラ軸6の軸心(取付高さ)が前記キャリッジBに対して一定の場合である。なお、前記ガイド板5,5には、平行な長孔と上向き傾斜長孔とからなる長孔部5b,5bが左右対称的に形成されている。これは、往路(図1において左から右側)では、店名プレート受け部3の転写ができ、復路(図1において右から左側)では、カードPの転写ができるように構成されている。
【0015】
次に、作用について説明する。前記キャリッジBが、カードP及び被印刷用紙を所定の位置に載置された前記印刷用ベースA上を摺動(移動)することで、前記ローラCのローラ外周部15もカードP表面上を転動する。このとき、前記ローラCのローラ外周部15は剛体であるため、変形することなくカードP表面上を転動することで所定の印字圧力が発生し、被印刷用紙(帳票)への転写ができる。
【0016】
このとき、エンボスの高さHだけ前記ローラ外周部15は上方に移動するが、前記ローラ軸6の取付け高さは変わらずに所定の高さとなっている。すなわち、前記ローラ外周部15と前記ローラボス部16に設けられた複数の弾性変形する形状を持つバネ状リブ17a,17a,…の弾性変形により、エンボス高さH及び、エンボス高さ誤差ΔTを吸収して、所定の印字圧力による高い印字品質の転写ができるものである。すなわち、ローラ外周部15とカード表面に形成された凸状のエンボス表面とを点接触状態を可能にすることで、所定の印字圧力による高い印字品質の転写ができるものである。つまり、潰れたような印字には確実にならないようにできる。また、前記弾性変形部17の変形例として、前記ローラボス部16と前記ローラ外周部15との間にゴムなどの弾性材が充填されることもある。
【0017】
また、本発明の第2の実施形態について説明する。本発明の第2の実施形態では、前記ローラ軸6の軸心(取付高さ)が前記キャリッジBに対して適宜偏心(昇降又は変化)する場合である。つまり、ローラ軸6を含むローラCが剛体とした場合であって、該ローラ軸Cを支える軸受け部10が弾性部材11を介して支持されている。この場合、エンボス高さH及び、エンボス高さ誤差ΔTは、前記軸受け部10を支持する弾性部材11により吸収されることで、前記ローラCがカードP表面上を転動して、高印字品質の転写ができる。
【0018】
前記弾性部材11としては、図7,図8及び図9(A)に示すように、軸受け部10をコイルバネ11aとして構成されることもある。図7,図8では、上側のコイルバネ11aのみで昇降可能に構成され、前記ローラ軸6の端部軸受け部20が長穴状に形成されている。また、図9(A)の軸受け部10は上下ピンにそれぞれコイルバネ11a,11aが介在されて昇降可能に設けられている。この場合の前記ローラ軸6の両端も図8(B)と同様である。
【0019】
また、図9(B)に示すように、前記軸受け部10の前記弾性部材11として、軟質合成ゴム材11bとして構成されることもある。該軟質合成ゴム材11bの存在により、ローラCの軸心の偏心量ΔTを得ることができる。以上のように、ローラ軸6を含むローラCを剛体とした場合であっても、前記ローラ軸6を支える軸受け部10がコイルバネ11a又は軟質合成ゴム材11bとしての弾性部材11にて支持される構成であっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0020】
これらの作用の点を詳述すると、ローラCに弾性を持たせることで、カードPの高さにばらつきがあっても、印字品質は一定に保たれる。特に、本発明のように、前記ローラ外周部15は、剛体として構成されており、表面は硬度があるため、ローラ外周部15を、伝票などの紙に押し付ける圧力を適宜加えることができる。このために、本発明の作用図の図10(B)のように、ローラ外周部15とカード表面に形成された凸状のエンボス表面とを、食い込みもなく、点接触状態にできることで、高い印字品質の転写(感圧)ができる。
【0021】
ここで、前記ローラC又はローラ外周部15に対して弾性を持たせる理由も述べておく。印字圧力はある範囲内のときに印字品質が良いが、高さで調整する場合、軸や印刷ベース面の弾性変形により圧力が決まってしまうため、バネ定数が高い中で調整する必要があった。ローラC又はローラ外周部15に対して弾性を持たせることで、本発明では、技術的には一般にバネ定数を下げることが可能となり印字圧調整の幅が大きくなり、調整しやすくできるものである。
【0022】
また、転写についても述べておく。カード情報を被印刷用紙(帳票)Sに転写する場合、圧力を加えることで転写が行われる。また、その圧力は工場で出荷調整を行った後で、客先調整が必要となっていたが、本発明では、ローラC又はローラ外周部15に対して弾性を持たせることで客先調整が不要となった。さらに、出荷時に行われる濃淡調整ねじによる調整作業は、従来の剛体のインクローラに比べ、弾性部材11の存在により、バネ定数が低減され、従来に比べたわみ量が増え、調整幅が広がって、調整作業が容易にできる利点もある。
【0023】
以上の説明において、被印刷用紙(帳票)Sは、感圧紙の場合であり、樹脂または金属製の剛体のローラCを使用するものである。図10及び図11においては、感圧紙の場合を記述し、上側用紙の下面に、発色剤が、下側用紙の表面に顕色剤が塗布されており、ローラCの圧力にて発色剤と顕色剤とが反応して、下側用紙の表面に、エンボスで表わされた情報を帳票に所定の色として転写する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】キャリッジの一部を外した本発明の第1実施形態の斜視図である。
【図2】本発明の斜視図である。
【図3】(A)は本発明の第1実施形態の作用開始前の断面図、(B)は本発明の第1実施形態の作用状態の断面図である。
【図4】(A)は本発明の第1実施形態の要部断面図、(B)は(A)の要部断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態のローラの一部切除した斜視図である。
【図6】(A)は本発明の第1実施形態のローラの偏心前後のそれぞれの正面図、(B)は本発明の第1実施形態のローラの偏心前後のそれぞれの模式状態図である。
【図7】(A)は本発明の第2実施形態の作用開始前の断面図、(B)は本発明の第2実施形態の作用状態の断面図である。
【図8】(A)は本発明の第2実施形態の要部断面図、(B)は端部軸受け部、(C)は本発明の第2実施形態のローラの偏心前後のそれぞれの模式状態図である。
【図9】(A)は本発明の別の第2実施形態のローラの偏心前後のそれぞれの状態図、(B)は本発明のさらに別の第2実施形態のローラの偏心前後のそれぞれの状態図である。
【図10】(A)は本発明におけるローラ個所の作用状態の要部断面図、(B)は(A)の(イ)個所拡大断面図である。
【図11】(A)は従来技術におけるローラ個所の作用状態の要部断面図、(B)は(A)の(ロ)個所拡大断面図である。
【符号の説明】
【0025】
P…カード、A…印刷用ベース、B…キャリッジ、C…ローラ、6…ローラ軸、
7…調整部、10…軸受け部、11…弾性部材、11a…コイルバネ、
15…ローラ外周部、16…ローラボス部、17…弾性変形部、17a…バネ状リブ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、カードに形成された凸状のエンボスで表わされた情報を被印刷用紙(帳票)に転写するインプリンターにおいて、転写時には、剛体のローラがカード表面に形成された凸状のエンボス表面を点接触状態に維持しながら転動することで、クリアーな印字品質を提供すると共に使用者による調整作業をなくすことができるインプリンターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1や特許文献2のように、エンボス加工されたカードが載置されたベースと、そのベースを挟むように、コ字状の形状で、ベースの上方でインクローラを回転可能に保持され、そのインクローラの軸方向に平行でベースの下方でバックアップローラを回転可能に保持するキャリッジと、キャリッジに設けられたインクローラとバックアップローラの軸間距離を調整する調整機構を設け、出荷時に、最適な印字圧となるように所定のエンボス高さになるよう前記調整機構によって調整し、さらに、実際の使用段階で、使用者が取り扱うカードに合わせて微調整を前記調整機構によって調整することで、最適な印字品質を得ていた。
【0003】
また、硬質ゴムなどの弾性部材のインクローラを採用して、調整作業を容易にしていた。また、特許文献4における印刷ローラ22は、高さの調整可能に構成されているために、その印刷ローラ22の印刷圧はその調整によって印刷しあがりを良好に選べるものである。特許文献3の印刷ローラ30は、インク含浸又は無含浸であって、弾性部材37を介して上下方向に調整可能に設けられている。
【特許文献1】特開2006−150828
【特許文献2】特開2002−370438
【特許文献3】特開昭57−138975
【特許文献4】実開昭56−104963
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような調整機構による調整作業は、煩雑であると共に、カードに加工されたエンボスの高さには、必ず高さ誤差が含まれており、全てのエンボスの高さに対応し、高い印字品質を得ることは不可能であった。この問題に対応するため、インクローラの材質を硬質ゴムなどに採用して対応するが、ゴムの柔らかさのために転写の際にエンボスがインクローラに食い込むことによって、転写した文字がボケてしまうような問題もあった。また、調整機構によって最適なエンボスの高さに調整することは、使用者には困難な作業であった。このため、本発明が解決しようとする課題(技術的課題又は目的等)は、転写時において、剛体のローラがカード表面に形成された凸状のエンボス表面を点接触状態を維持しながら転動することで、被印刷用紙(帳票)に対してクリアーな印字品質を提供すると共に、使用者による調整作業をなくすことを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、発明者は上記課題を解決すべく鋭意,研究を重ねた結果、請求項1の発明を、カード及び被印刷用紙を所定の位置に載置する印刷用ベースと、該印刷用ベース上に移動するキャリッジと、該キャリッジ内に収納された前記印刷用ベースのカード載置面から所定の高さに設けられたローラ軸と、該ローラ軸に回転可能に挿入されるローラボス部と、該ローラボスと同心位置に設けられる剛体のローラ外周部と、該ローラ外周部と前記ローラボス部の間に設けられた弾体変形部からなるローラとを備え、前記キャリッジが前記印刷用ベース上を移動する際、前記印刷用ベースのカード載置面から所定の高さに維持される前記ローラ軸の軸心に対して前記ローラ外周部が前記弾性変形部の変形により偏心することで、前記カード表面に形成されたエンボス情報を被印刷用紙に転写するよう構成されたことを特徴とするインプリンターとしたことにより、前記課題を解決した。
【0006】
請求項2の発明を、前述の構成において、前記弾性変形部は、前記ローラボス部の外周に複数設けられたバネ状リブとして形成されてなることを特徴とするインプリンターとしたことにより、前記課題を解決した。また、請求項3の発明を、前述の構成において、前記弾性変形部は、前記ローラボス部と前記ローラ外周部との間にゴムなどの弾性材が充填されてなることを特徴とするインプリンターとしたことにより、前記課題を解決した。さらに、請求項4の発明は、前述の構成において、前記バネ状リブは、前記ローラボス部と前記ローラ外周部とが合成樹脂又は金属製の同一材質で一体形成されてなることを特徴とするインプリンターとしたことにより、前記課題を解決した。
【0007】
請求項5の発明を、カード及び被印刷用紙を所定の位置に載置する印刷用ベースと、該印刷用ベース上を移動するキャリッジと、該キャリッジ内に収納された被印刷用紙に転写するエンボス情報を転写するための剛体のローラと、該ローラを固定するローラ軸と、前記印刷用ベースのカード載置面から所定の高さに設けられた前記ローラ軸を回転可能に支えるための軸受け部と、該軸受け部と前記ローラ軸の間に弾性部材を備え、前記キャリッジが前記印刷用ベース上を移動する際、前記ローラが前記軸受け部と前記ローラ軸の間に設けられた前記弾性部材の変形により前記軸受け部に対して偏心することで、前記カード表面に形成されたエンボス情報を被印刷用紙に転写するよう構成されたことを特徴とするインプリンターとしたことにより、前記課題を解決した。
【0008】
また、請求項6の発明を、前述の構成において、前記弾性部材は、コイルバネとして形成されてなることを特徴とするインプリンターとしたことにより、前記課題を解決した。また、請求項7の発明を、前述の構成において、前記弾性部材は、軟質合成ゴムとしてなることを特徴とするインプリンターとしたことにより、前記課題を解決した。
請求項8の発明を、前述の構成において、前記印刷用ベースに対する前記キャリッジ内のローラの高さ微調整可能の濃淡調整部を設けてなることを特徴とするインプリンターとしたことにより、前記課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明においては、エンボス高さ及び、エンボス高さ誤差を吸収しながら、剛体のローラがカード表面上を転動することが可能になり、高い印字品質を得ることができる最大の利点がある。また、エンボス高さ及び、エンボス高さの誤差をローラ側で吸収する構造のため、使用者による再調整の作業が不要にできる。さらに、ローラとカード表面までの調整作業について、調整幅が従来に比べ広がったために調整作業が極めて容易にできる。特に、請求項1乃至3の発明においては、ローラ軸の軸心に対してローラ外周部が弾性部材を介して偏心可能に設けられているため、従来と同様な簡易な取付にて構成できるのに関わらず、調整幅の広がったクリアーなインプリンターを提供できる。また、請求項4乃至6の発明においては、請求項1と同様に調整幅の広がったクリアーなインプリンターを提供できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。図1乃至図2は本発明の第1の実施形態である。本発明のインプリンターの主要部材は、カードを所定の位置に載置する印刷用ベースAと、該印刷用ベースAの上面を移動するキャリッジBと、該キャリッジBに収納されたローラCとで構成され、前記キャリッジBが手動にて前記印刷用ベースA上に載置したカード及び被印刷用紙(帳票)S上を移動することで、前記カードP表面に形成されたエンボス情報を被印刷用紙(帳票)Sに転写できるように構成されている。なお、図2において、21は伝票押え、22は店名プレート押さえネジ、23はキャリッジストッパである。
【0011】
前記印刷用ベースAは、上面平坦状部1に、カード受け部2及び店名プレート受け部3が設けられ、前記上面平坦状部1の両側に設けられたキャリッジガイドレール4,4とで構成されている。前記キャリッジBは、前記ローラCを回転可能に保持すると共に、カードP上面からのローラCの中心までの距離を保持するための両側のガイド板5,5と、該ガイド板5,5に回転可能に設けられたローラ軸6と、前記ローラCとカードとの距離を調整可能な調整部7と、前記ガイド板5,5及びローラ軸6,前記ローラCなどを覆うキャリッジカバー8と、該キャリッジカバー8両側のキャリッジ側板部9,9とから構成されている。
【0012】
該キャリッジ側板部9,9の下方の両対向側には、前記キャリッジガイドレール4,4を外側から抱えるようにしつつ摺動する溝部9a,9aが設けられている。該溝部9a,9aを前記キャリッジガイドレール4,4に嵌めることで前記キャリッジBは前記印刷用ベースA上を適宜摺動させることができる。また、前記調整部7は、前記キャリッジカバー8に設けられ、前記ローラCが被印刷用紙(帳票)Sを介してカードP表面に形成されたエンボス表面を所定の印字圧力にて点接触状態で転動するように、前記ローラCとカードPとの距離を濃淡調整ネジ7aを適宜回転させることで、前記ガイド板5,5に設けた支持部5a,5aを僅かに昇降調整できる。
【0013】
前記ローラCは、剛体としてのローラ外周部15と、ローラボス部16と、前記ローラ外周部15と前記ローラボス部16との間に設けられた弾性変形部17とで構成されている。該弾性変形部17は、複数の弾性変形する形状を持つバネ状リブ17a,17a,…として構成され、前記ローラ外周部15内に、前記ローラボス部16が同心状に取り付けられている。さらに、前記バネ状リブ17aは、少なくとも3箇所等分されている。該バネ状リブ17aは、形成加工にて、前記ローラ外周部15とローラボス部16とで、合成樹脂材にて一体的に形成されている。図5では、前記ローラCの一側に、4箇所等分されたバネ状リブ17aが一体的に設けられ、前記ローラCの他側には、90度位相がズレていると共に、4箇所等分されたバネ状リブ17aが一体的に設けられている。この合成樹脂製の材質にて弾性変形する弾性係数は変わるものであるが、その肉厚などを考慮して適宜決定される。該バネ状リブ17aによる弾性変形を介してローラ外周部15の圧力にて、エンボス情報を被印刷用紙(帳票)に転写する役割をなす。
【0014】
特に、発明の第1の実施形態では、前記ローラ軸6の軸心(取付高さ)が前記キャリッジBに対して一定の場合である。なお、前記ガイド板5,5には、平行な長孔と上向き傾斜長孔とからなる長孔部5b,5bが左右対称的に形成されている。これは、往路(図1において左から右側)では、店名プレート受け部3の転写ができ、復路(図1において右から左側)では、カードPの転写ができるように構成されている。
【0015】
次に、作用について説明する。前記キャリッジBが、カードP及び被印刷用紙を所定の位置に載置された前記印刷用ベースA上を摺動(移動)することで、前記ローラCのローラ外周部15もカードP表面上を転動する。このとき、前記ローラCのローラ外周部15は剛体であるため、変形することなくカードP表面上を転動することで所定の印字圧力が発生し、被印刷用紙(帳票)への転写ができる。
【0016】
このとき、エンボスの高さHだけ前記ローラ外周部15は上方に移動するが、前記ローラ軸6の取付け高さは変わらずに所定の高さとなっている。すなわち、前記ローラ外周部15と前記ローラボス部16に設けられた複数の弾性変形する形状を持つバネ状リブ17a,17a,…の弾性変形により、エンボス高さH及び、エンボス高さ誤差ΔTを吸収して、所定の印字圧力による高い印字品質の転写ができるものである。すなわち、ローラ外周部15とカード表面に形成された凸状のエンボス表面とを点接触状態を可能にすることで、所定の印字圧力による高い印字品質の転写ができるものである。つまり、潰れたような印字には確実にならないようにできる。また、前記弾性変形部17の変形例として、前記ローラボス部16と前記ローラ外周部15との間にゴムなどの弾性材が充填されることもある。
【0017】
また、本発明の第2の実施形態について説明する。本発明の第2の実施形態では、前記ローラ軸6の軸心(取付高さ)が前記キャリッジBに対して適宜偏心(昇降又は変化)する場合である。つまり、ローラ軸6を含むローラCが剛体とした場合であって、該ローラ軸Cを支える軸受け部10が弾性部材11を介して支持されている。この場合、エンボス高さH及び、エンボス高さ誤差ΔTは、前記軸受け部10を支持する弾性部材11により吸収されることで、前記ローラCがカードP表面上を転動して、高印字品質の転写ができる。
【0018】
前記弾性部材11としては、図7,図8及び図9(A)に示すように、軸受け部10をコイルバネ11aとして構成されることもある。図7,図8では、上側のコイルバネ11aのみで昇降可能に構成され、前記ローラ軸6の端部軸受け部20が長穴状に形成されている。また、図9(A)の軸受け部10は上下ピンにそれぞれコイルバネ11a,11aが介在されて昇降可能に設けられている。この場合の前記ローラ軸6の両端も図8(B)と同様である。
【0019】
また、図9(B)に示すように、前記軸受け部10の前記弾性部材11として、軟質合成ゴム材11bとして構成されることもある。該軟質合成ゴム材11bの存在により、ローラCの軸心の偏心量ΔTを得ることができる。以上のように、ローラ軸6を含むローラCを剛体とした場合であっても、前記ローラ軸6を支える軸受け部10がコイルバネ11a又は軟質合成ゴム材11bとしての弾性部材11にて支持される構成であっても、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0020】
これらの作用の点を詳述すると、ローラCに弾性を持たせることで、カードPの高さにばらつきがあっても、印字品質は一定に保たれる。特に、本発明のように、前記ローラ外周部15は、剛体として構成されており、表面は硬度があるため、ローラ外周部15を、伝票などの紙に押し付ける圧力を適宜加えることができる。このために、本発明の作用図の図10(B)のように、ローラ外周部15とカード表面に形成された凸状のエンボス表面とを、食い込みもなく、点接触状態にできることで、高い印字品質の転写(感圧)ができる。
【0021】
ここで、前記ローラC又はローラ外周部15に対して弾性を持たせる理由も述べておく。印字圧力はある範囲内のときに印字品質が良いが、高さで調整する場合、軸や印刷ベース面の弾性変形により圧力が決まってしまうため、バネ定数が高い中で調整する必要があった。ローラC又はローラ外周部15に対して弾性を持たせることで、本発明では、技術的には一般にバネ定数を下げることが可能となり印字圧調整の幅が大きくなり、調整しやすくできるものである。
【0022】
また、転写についても述べておく。カード情報を被印刷用紙(帳票)Sに転写する場合、圧力を加えることで転写が行われる。また、その圧力は工場で出荷調整を行った後で、客先調整が必要となっていたが、本発明では、ローラC又はローラ外周部15に対して弾性を持たせることで客先調整が不要となった。さらに、出荷時に行われる濃淡調整ねじによる調整作業は、従来の剛体のインクローラに比べ、弾性部材11の存在により、バネ定数が低減され、従来に比べたわみ量が増え、調整幅が広がって、調整作業が容易にできる利点もある。
【0023】
以上の説明において、被印刷用紙(帳票)Sは、感圧紙の場合であり、樹脂または金属製の剛体のローラCを使用するものである。図10及び図11においては、感圧紙の場合を記述し、上側用紙の下面に、発色剤が、下側用紙の表面に顕色剤が塗布されており、ローラCの圧力にて発色剤と顕色剤とが反応して、下側用紙の表面に、エンボスで表わされた情報を帳票に所定の色として転写する。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】キャリッジの一部を外した本発明の第1実施形態の斜視図である。
【図2】本発明の斜視図である。
【図3】(A)は本発明の第1実施形態の作用開始前の断面図、(B)は本発明の第1実施形態の作用状態の断面図である。
【図4】(A)は本発明の第1実施形態の要部断面図、(B)は(A)の要部断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態のローラの一部切除した斜視図である。
【図6】(A)は本発明の第1実施形態のローラの偏心前後のそれぞれの正面図、(B)は本発明の第1実施形態のローラの偏心前後のそれぞれの模式状態図である。
【図7】(A)は本発明の第2実施形態の作用開始前の断面図、(B)は本発明の第2実施形態の作用状態の断面図である。
【図8】(A)は本発明の第2実施形態の要部断面図、(B)は端部軸受け部、(C)は本発明の第2実施形態のローラの偏心前後のそれぞれの模式状態図である。
【図9】(A)は本発明の別の第2実施形態のローラの偏心前後のそれぞれの状態図、(B)は本発明のさらに別の第2実施形態のローラの偏心前後のそれぞれの状態図である。
【図10】(A)は本発明におけるローラ個所の作用状態の要部断面図、(B)は(A)の(イ)個所拡大断面図である。
【図11】(A)は従来技術におけるローラ個所の作用状態の要部断面図、(B)は(A)の(ロ)個所拡大断面図である。
【符号の説明】
【0025】
P…カード、A…印刷用ベース、B…キャリッジ、C…ローラ、6…ローラ軸、
7…調整部、10…軸受け部、11…弾性部材、11a…コイルバネ、
15…ローラ外周部、16…ローラボス部、17…弾性変形部、17a…バネ状リブ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カード及び被印刷用紙を所定の位置に載置する印刷用ベースと、該印刷用ベース上に移動するキャリッジと、該キャリッジ内に収納された前記印刷用ベースのカード載置面から所定の高さに設けられたローラ軸と、該ローラ軸に回転可能に挿入されるローラボス部と、該ローラボスと同心位置に設けられる剛体のローラ外周部と、該ローラ外周部と前記ローラボス部の間に設けられた弾体変形部からなるローラとを備え、前記キャリッジが前記印刷用ベース上を移動する際、前記印刷用ベースのカード載置面から所定の高さに維持される前記ローラ軸の軸心に対して前記ローラ外周部が前記弾性変形部の変形により偏心することで、前記カード表面に形成されたエンボス情報を被印刷用紙に転写するよう構成されたことを特徴とするインプリンター。
【請求項2】
請求項1において、前記弾性変形部は、前記ローラボス部の外周に複数設けられたバネ状リブとして形成されてなることを特徴とするインプリンター。
【請求項3】
請求項1において、前記弾性変形部は、前記ローラボス部と前記ローラ外周部との間にゴムなどの弾性材が充填されてなることを特徴とするインプリンター。
【請求項4】
請求項2において、前記バネ状リブは、前記ローラボス部と前記ローラ外周部とが合成樹脂又は金属製の同一材質で一体形成されてなることを特徴とするインプリンター。
【請求項5】
カード及び被印刷用紙を所定の位置に載置する印刷用ベースと、該印刷用ベース上を移動するキャリッジと、該キャリッジ内に収納された被印刷用紙に転写するエンボス情報を転写するための剛体のローラと、該ローラを固定するローラ軸と、前記印刷用ベースのカード載置面から所定の高さに設けられた前記ローラ軸を回転可能に支えるための軸受け部と、該軸受け部と前記ローラ軸の間に弾性部材を備え、前記キャリッジが前記印刷用ベース上を移動する際、前記ローラが前記軸受け部と前記ローラ軸の間に設けられた前記弾性部材の変形により前記軸受け部に対して偏心することで、前記カード表面に形成されたエンボス情報を被印刷用紙に転写するよう構成されたことを特徴とするインプリンター。
【請求項6】
請求項5において、前記弾性部材は、コイルバネとして形成されてなることを特徴とするインプリンター。
【請求項7】
請求項5において、前記弾性部材は、軟質合成ゴムとしてなることを特徴とするインプリンター。
【請求項8】
請求項1又は5において、前記印刷用ベースに対する前記キャリッジ内のローラの高さ微調整可能の濃淡調整部を設けてなることを特徴とするインプリンター。
【請求項1】
カード及び被印刷用紙を所定の位置に載置する印刷用ベースと、該印刷用ベース上に移動するキャリッジと、該キャリッジ内に収納された前記印刷用ベースのカード載置面から所定の高さに設けられたローラ軸と、該ローラ軸に回転可能に挿入されるローラボス部と、該ローラボスと同心位置に設けられる剛体のローラ外周部と、該ローラ外周部と前記ローラボス部の間に設けられた弾体変形部からなるローラとを備え、前記キャリッジが前記印刷用ベース上を移動する際、前記印刷用ベースのカード載置面から所定の高さに維持される前記ローラ軸の軸心に対して前記ローラ外周部が前記弾性変形部の変形により偏心することで、前記カード表面に形成されたエンボス情報を被印刷用紙に転写するよう構成されたことを特徴とするインプリンター。
【請求項2】
請求項1において、前記弾性変形部は、前記ローラボス部の外周に複数設けられたバネ状リブとして形成されてなることを特徴とするインプリンター。
【請求項3】
請求項1において、前記弾性変形部は、前記ローラボス部と前記ローラ外周部との間にゴムなどの弾性材が充填されてなることを特徴とするインプリンター。
【請求項4】
請求項2において、前記バネ状リブは、前記ローラボス部と前記ローラ外周部とが合成樹脂又は金属製の同一材質で一体形成されてなることを特徴とするインプリンター。
【請求項5】
カード及び被印刷用紙を所定の位置に載置する印刷用ベースと、該印刷用ベース上を移動するキャリッジと、該キャリッジ内に収納された被印刷用紙に転写するエンボス情報を転写するための剛体のローラと、該ローラを固定するローラ軸と、前記印刷用ベースのカード載置面から所定の高さに設けられた前記ローラ軸を回転可能に支えるための軸受け部と、該軸受け部と前記ローラ軸の間に弾性部材を備え、前記キャリッジが前記印刷用ベース上を移動する際、前記ローラが前記軸受け部と前記ローラ軸の間に設けられた前記弾性部材の変形により前記軸受け部に対して偏心することで、前記カード表面に形成されたエンボス情報を被印刷用紙に転写するよう構成されたことを特徴とするインプリンター。
【請求項6】
請求項5において、前記弾性部材は、コイルバネとして形成されてなることを特徴とするインプリンター。
【請求項7】
請求項5において、前記弾性部材は、軟質合成ゴムとしてなることを特徴とするインプリンター。
【請求項8】
請求項1又は5において、前記印刷用ベースに対する前記キャリッジ内のローラの高さ微調整可能の濃淡調整部を設けてなることを特徴とするインプリンター。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−143006(P2008−143006A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−332279(P2006−332279)
【出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【出願人】(000002244)蛇の目ミシン工業株式会社 (79)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月8日(2006.12.8)
【出願人】(000002244)蛇の目ミシン工業株式会社 (79)
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