Notice: Undefined variable: fterm_desc_sub in /mnt/www/biblio_conv.php on line 353
インプリント用組成物及びそれを用いて形成された無機薄膜
説明

インプリント用組成物及びそれを用いて形成された無機薄膜

【課題】賦形された無機薄膜、パターン化無機薄膜を形成するためのインプリント用組成物であって、凹凸の転写性に優れ、且つ、焼成による凹凸(パターン)の崩れを抑制できるインプリント用組成物を提供する。
【解決手段】シリコーンゴムで形成された樹脂製の型を用いて無機薄膜を形成するためのインプリント用組成物は、金属酸化物粒子と樹脂とを含み、金属酸化物粒子の含有率は、不揮発成分中10質量%〜99質量%であり、樹脂の含有率は、不揮発成分中0.05質量%〜10質量%である。樹脂は含フッ素樹脂を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インプリント用組成物に関し、特に、賦形された無機薄膜、パターン化された無機薄膜を形成するためのインプリント用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
インプリント法は、被賦形物に、凹凸(パターン)が形成された型を押圧して、力学的に変形させることにより微細パターンを精密に転写する技術である。インプリント法は、所望とする形状を転写するための型を作製すれば、この型を押圧するだけで微細構造が容易に、且つ、繰り返し形成できる。よって、非常に経済的であるため、様々な分野への応用が期待されている。
【0003】
インプリント法では、基板上に、インプリント用組成物を成膜し、この膜に型を押圧して賦形、パターン化する。そのため、インプリント用組成物には、成膜性、凹凸の転写性が求められる。このようなインプリント用組成物として、例えば、特許文献1〜3には、樹脂と無機粒子とを含むものが提案されている(引用文献1(実施例1)、引用文献2(実施例1)、引用文献3(実施例1)参照)。なお、これらの組成物は、いずれも樹脂を主成分とする有機薄膜を形成するものである。
【0004】
また、近年、金属酸化物薄膜が形成できるインプリント用組成物も提案されている。例えば、特許文献4には、シクロペンタシランを光重合した高次シラン化合物を含む高次シラン組成物をインプリント用組成物として用いることが提案されている(特許文献4(実施例1)参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−314238号公報
【特許文献2】国際公開第2008/105309号
【特許文献3】特開2008−202022号公報
【特許文献4】特開2010−263202号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献4に記載されているような、高次シラン化合物を含むインプリント用組成物では、型を押圧した際の凹凸の転写性に改良の余地があった。また、このような高次シラン化合物からなる塗膜は、焼成した際の収縮率が大きく、凹凸(パターン)が崩れてしまうという問題がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、賦形された無機薄膜、パターン化無機薄膜を形成するためのインプリント用組成物であって、凹凸の転写性に優れ、且つ、焼成による凹凸(パターン)の崩れを抑制できるインプリント用組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決することができた本発明の樹脂製の型を用いて無機薄膜を形成するためのインプリント用組成物は、金属酸化物粒子と樹脂とを含むことを特徴とする。前記金属酸化物粒子の含有率は、不揮発成分中10質量%〜99質量%であることが好ましい。前記樹脂の含有率は、不揮発成分中0.05質量%〜10質量%であることが好ましい。前記樹脂は、含フッ素樹脂を含むことが好ましい。
前記樹脂製の型は、シリコーンゴムで形成された型であることが好ましい。
本発明には、前記インプリント用組成物を用いて形成された無機薄膜も含まれる。
【発明の効果】
【0008】
本発明のインプリント用組成物は、樹脂を含むため、凹凸の転写性が優れている。また、金属酸化物粒子を含むため、焼成時の収縮が抑制される。よって、本発明のインプリント用組成物を用いることにより、得られる無機薄膜に形成される凹凸(パターン)の精度を向上できる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のインプリント用組成物は、樹脂製の型を用いて無機薄膜を形成するために用いられるものである。本発明のインプリント用組成物は、金属酸化物粒子と樹脂とを含むことを特徴とする。
本発明のインプリント用組成物は、基材上に塗布し、所望とする凹凸又はパターンを転写した後、焼成することで、賦形された無機薄膜、パターン化無機薄膜が形成できる。ここで、本発明のインプリント用組成物は、前記樹脂を含むため、塗膜の柔軟性が向上し、型を押圧する際の凹凸の転写性が向上する。また、前記金属酸化物粒子を含むため、焼成時の収縮が抑制される。よって、本発明のインプリント用組成物を用いれば、無機薄膜に形成される凹凸(パターン)の精度が向上する。
【0010】
1.金属酸化物粒子
前記金属酸化物粒子とは、金属酸化物よりなる粒子である。前記金属酸化物を構成する金属としては、例えば、チタン、マンガン、鉄、コバルト、銅等の第一遷移元素、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン等の第二遷移元素、セリウム、ホルミウム等のランタノイド、ハフニウム、タンタル、タングステン等の第三遷移元素等の遷移金属、亜鉛、アルミニウム、ガリウム、インジウム、錫、鉛、ビスマス等の非遷移金属等の金属元素;珪素、ゲルマニウム、アンチモン等の半金属元素;等が挙げられる。これらの元素は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、チタン、亜鉛、インジウムが好ましい。
【0011】
前記金属酸化物粒子の個数平均粒子径は、500nm以下が好ましく、より好ましくは300nm以下、さらに好ましくは100nm以下である。前記個数平均粒子径が小さい程、無機薄膜に形成される凹凸の精度が向上する。また、個数平均粒子径が小さければ、得られる無機薄膜の透明性が向上する。前記個数平均粒子径の下限は特に限定されないが、通常1nm程度である。金属酸化物粒子の個数平均粒子径は、例えば、粒度分布測定装置により測定できる。
【0012】
前記金属酸化物粒子の含有率は、不揮発成分中10質量%以上が好ましく、より好ましくは15質量%以上、さらに好ましくは20質量%以上であり、99質量%以下が好ましく、より好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは85質量%以下である。金属酸化物粒子の含有率が、10質量%以上であれば、焼成時の収縮をより抑制でき、焼成後の凹凸(パターン)の保持性がより向上する。また、前記含有率が99質量%以下であれば、組成物から形成される塗膜の柔軟性がよくなり、凹凸の転写性がより良好となる。また、塗膜にした際、粒子の凝集や白化が抑えられる。なお、不揮発成分とは、インプリント用組成物に含まれる成分のうち、溶剤を除く成分である。
【0013】
2.樹脂
前記樹脂は、組成物中に相溶するものであれば、特に限定されない。前記樹脂としては、室温(25℃)で固体状の樹脂も、液体状の樹脂も使用することができる。樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル;環状オレフィン開環重合/水素添加体(COP)や環状オレフィン共重合体(COC)等の環状オレフィン系樹脂;ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル樹脂;エポキシ樹脂;AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ビニルエーテル、ポリアセタール(POM)、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリアリールエーテル、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリスルホン(PS)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PEK)、ポリイミド(PI)、ポリアミド酸(PAA)、ポリアミドイミド等が挙げられる。これらの中でも、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアリールエーテルケトンが好ましい。
また、これらの他に、含フッ素樹脂(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、フッ素化ポリアリールエーテルケトン(FPEK)、フッ素化ポリイミド(FPI)、フッ素化ポリアミド酸(FPAA)、フッ素含有オリゴマー)等が挙げられる。含フッ素樹脂を用いることにより、賦形後に型を剥離しやすくなり、また、組成物中における金属酸化物粒子の分散性が向上する。フッ素含有オリゴマーを用いれば、型押し後の離型性を向上させることができる。前記フッ素含有オリゴマーとしては、市販品を用いることができ、例えば、DIC株式会社製の「メガファック(登録商標) F−430、F−472SF、F−477、F−552、F−553、F−554、F−555、R−94、RS−72−K、RS−75、EXP.TF−1366、EXP.TF−1367、EXP.TF−1437、EXP.TF−1535,EXP.TF−1537」が挙げられる。
【0014】
前記樹脂のガラス転移温度は、80℃以上が好ましく、より好ましくは90℃以上、さらに好ましくは100℃以上であり、350℃以下が好ましく、より好ましくは300℃以下、さらに好ましくは250℃以下である。ガラス転移温度が80℃以上であれば、塗膜の柔軟性が向上するとともに、離型時に賦形された型を維持し易くなり、350℃以下であれば、塗膜の柔軟性が向上し、凹凸の転写性がより向上する。前記ガラス転移温度は走査型熱分析器により測定できる。
【0015】
前記樹脂の質量平均分子量は、1000以上が好ましく、より好ましくは1万以上、さらに好ましくは2万以上であり、30万以下が好ましく、より好ましくは20万以下、さらに好ましくは15万以下である。質量平均分子量が1000以上であれば、インプリント時の組成物の柔軟性がより向上し、30万以下であれば、組成物の粘度が高くなり過ぎず、凝集を抑えることができる。前記樹脂の質量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(基準物質:ポリスチレン)により測定できる。
【0016】
前記樹脂の含有率は、不揮発成分中0.05質量%以上が好ましく、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.2質量%以上であり、10質量%以下が好ましく、より好ましくは8質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。樹脂の含有率が、0.05質量%以上であれば、塗膜の柔軟性が向上し、凹凸の転写性がより良好となる。また、前記含有率が10質量%以下であれば、焼成時の収縮をより抑制でき、焼成後の凹凸(パターン)の保持性がより向上する。
【0017】
前記金属酸化物粒子と樹脂との質量比(粒子/樹脂)は、5以上が好ましく、より好ましくは8以上、さらに好ましくは10以上であり、100以下が好ましく、より好ましくは90以下、さらに好ましくは80以下である。前記質量比が5以上であれば、焼成時の収縮をより抑制でき、焼成後の凹凸(パターン)の保持性がより向上する。前記質量比が100以下であれば、塗膜の柔軟性がより向上し、凹凸の転写性がより良好となる。
【0018】
3.溶剤
本発明のインプリント用組成物は、溶剤を含むことが好ましい。溶剤を含ませることで、組成物の粘度を低減することができ、成膜性と操作性がより向上する。
前記溶剤としては、前記樹脂を溶解し得るものであれば特に限定されず、例えば、炭化水素溶剤、アルコール溶剤、ケトン溶剤、エーテル溶剤、エステル溶剤、極性溶剤等の有機溶剤が挙げられる。
【0019】
前記炭化水素溶剤としては、例えば、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン、n−デカン、ジシクロペンタン、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。前記アルコール溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブタノール等の脂肪族アルコール;ダイアセトンアルコール等のケトン系アルコール;エチレングリコール等の多価アルコールが挙げられる。前記ケトン溶剤としては、例えば、アセチルアセトン等のジケトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、シクロヘキサノン、が挙げられる。前記エーテル溶剤としては、例えば、ジプロピルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(2−メトキシエタノール)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,2−ジメトキシエタン、p−ジオキサン等が挙げられる。前記エステル溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル等が挙げられる。前記極性溶剤としては、例えば、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。これらの溶剤は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0020】
前記溶剤の沸点(101.3kPa)は、60℃以上が好ましく、より好ましくは80℃以上、さらに好ましくは100℃以上であり、250℃以下が好ましく、より好ましくは200℃以下、さらに好ましくは180℃以下である。
【0021】
前記溶剤の含有率は、適宜調整すればよいが、不揮発成分100質量部に対して、30質量部以上が好ましく、より好ましくは50質量部以上、さらに好ましくは100質量部以上であり、600質量部以下が好ましく、より好ましくは550質量部以下、さらに好ましくは500質量部以下である。
【0022】
4.他の成分
本発明のインプリント用組成物は、上記成分に加えて、金属酸化物前駆体、添加剤を含んでもよい。
【0023】
前記金属酸化物前駆体は、焼成によってメタロキサン結合を形成する。金属酸化物前駆体を含有すれば、基板上に塗布、乾燥した際に、得られる塗布膜が白化したりクラックを有するのを抑制できる。また、塗布膜の柔軟性を一層高めることができ、当該塗布膜への型押しによってパターンを一層精度よく転写できる。
【0024】
前記金属酸化物前駆体を構成する金属としては、例えば、前記金属酸化物粒子を構成するものとして例示したものが挙げられる。
前記金属酸化物前駆体としては、例えば、金属アルコキシド、金属塩、金属ハロゲン化物、金属キレート等が挙げられる。金属酸化物前駆体は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
金属ハロゲン化物としては、フッ化亜鉛、フッ化インジウム、フッ化アルミニウム、フッ化ハフニウム、フッ化ジルコニウム、フッ化タンタル等のフッ化物;塩化亜鉛、塩化インジウム、塩化アルミニウム、塩化ハフニウム、塩化ジルコニウム、塩化タンタル等の塩化物;臭化亜鉛、臭化アルミニウム、臭化インジウム、臭化ハフニウム、臭化ジルコニウム、臭化タンタル等の臭化物;ヨウ化アルミニウム、ヨウ化亜鉛、ヨウ化インジウム、ヨウ化ハフニウム、ヨウ化ジルコニウム、ヨウ化タンタル等のヨウ化物が挙げられる。
金属塩としては、例えば、硝酸亜鉛、硝酸インジウム、硝酸アルミニウム、硝酸ハフニウム、硝酸ジルコニウム、硝酸タンタル等の硝酸塩;硫酸亜鉛、硫酸インジウム、硫酸アルミニウム、硫酸ハフニウム、硫酸ジルコニウム、硫酸タンタル等の硫酸塩;炭酸ジルコニウム等の炭酸塩;過塩素酸インジウム、過塩素酸ジルコニウム等の過塩素酸塩等の無機酸塩;酢酸亜鉛、酢酸アルミニウム、酢酸ハフニウム、酢酸ジルコニウム、酢酸タンタル等の酢酸塩;シュウ酸ジルコニウム等のシュウ酸塩等の有機酸塩が挙げられる。
金属キレートとしては、ジンクアセチルアセトネート、インジウムアセチルアセトネート、アルミニウムアセチルアセトネート、ハフニウムアセチルアセトネート、ジルコニウムアセチルアセトネート、タンタルアセチルアセトネート等の金属アセチルアセトネート等が挙げられる。
【0025】
前記金属アルコキシドとしては、下記式(1)で表されるものが挙げられる。
mMXl-m (1)
[式(1)中、Rは、水素原子、又は、炭素数1〜18のアルキル基を表す。Xは炭素数1〜18のアルコキシ基を表す。Mは、金属元素、半金属元素を表す。lは3から5までの整数である。mは0から3までの整数である。ただし、l−mは1以上である。R、Xが複数存在する場合、それぞれ同一でも異なっていてもよい。]
【0026】
Rで表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が挙げられる。
Xで表されるアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、2−ペンチルオキシ基、3−ペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基等が挙げられる。
前記アルキル基、アルコキシ基は置換基を有していてもよい。置換基としては、水酸基、エステル基、ケトン基、エーテル基、アミノ基等が挙げられる。
Mで表される金属元素、半金属元素金属としては、例えば、前記金属酸化物粒子を構成するものとして例示したものが挙げられる。これらの中でも、チタン、亜鉛、インジウムが好ましい。
lは、4が好ましい。
mは、0又は1が好ましく、より好ましくは0である。
【0027】
前記金属アルコキシドとしては、具体的には、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリブトキシシラン等のアルコキシシラン;チタンイソプロポキシド、チタンブトキシド、テトラメトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラブトキシチタン、テトライソブトキシチタン、テトラ−(sec−ブトキシ)チタン、テトラ−(tert−ブトキシ)チタン、テトラペンチルオキシチタン、テトラ(ペンチル−2−オキシ)チタン、テトラ(ペンチル−3−オキシ)チタン、テトラ−(tert−ペンチルオキシ)チタン等のアルコキシチタン;スズブトキシド等のアルコキシスズ;ジンクイソプロポキシド、ジンクブトキシド等のアルコキシジンク;インジウムイソプロポキシド、インジウムブトキシド等のアルコキシインジウム;アルミニウムイソプロポキシド等のアルコキシアルミニウム;ハフニウムイソプロポキシド等のアルコキシハフニウム;ジルコニウムエトキシド、ジルコニウムイソプロポキシド、ジルコニウムブトキシド等のアルコキシジルコニウム;タンタルメトキシド、タンタルエトキシド、タンタルイソプロポキシド、タンタルブトキシド等のアルコキシタンタル;等が挙げられる。
【0028】
前記金属アルコキシドとしては、オリゴマーとしても使用することができる。前記金属アルコキシドのオリゴマーとしては式(2)で表される化合物が挙げられる。
【0029】
【化1】

[式(2)中、Rは、水素原子、又は、炭素数1〜18のアルキル基を表す。Xは炭素数1〜18のアルコキシ基を表す。Mは、金属元素、半金属元素を表す。kは0から2までの整数である。nは、50以下の整数である。R、Xが複数存在する場合、それぞれ同一でも異なっていてもよい。]
【0030】
前記アルキル基、アルコキシ基としては、上記式(1)で例示したものが挙げられる。
Mで表される金属元素、半金属元素金属としては、例えば、前記金属酸化物粒子を構成するものとして例示したものが挙げられる。これらの中でも、チタン、亜鉛、インジウムが好ましい。
kは0が好ましい。
nは、50以下の整数であるのが好ましく、30以下の整数であるのがより好ましい。nが50を超える整数では、溶解性が悪くなり、成膜できなくなる場合がある。
【0031】
前記金属酸化物前駆体の含有率は、不揮発成分中5質量%以上が好ましく、より好ましくは7質量%以上、さらに好ましくは10質量%以上であり、95質量%以下が好ましく、より好ましくは90質量%以下、さらに好ましくは85質量%以下である。金属酸化物前駆体の含有率が、5質量%以上であれば、組成物の粘度が低減し、凹凸の転写性がより良好となる。また、前記含有率が95質量%以下であれば、焼成時の収縮をより抑制でき、焼成後の凹凸(パターン)の保持性がより向上する。
【0032】
前記金属酸化物粒子と金属酸化物前駆体との質量比(粒子/前駆体)は、0.2以上が好ましく、より好ましくは0.25以上、さらに好ましくは0.3以上であり、4以下が好ましく、より好ましくは3以下、さらに好ましくは2以下である。前記質量比が0.2以上であれば、焼成時の収縮をより抑制でき、焼成後の凹凸(パターン)の保持性がより向上する。前記質量比が4以下であれば、組成物の粘度が低減し、凹凸の転写性がより良好となる。
【0033】
前記金属酸化物粒子と金属酸化物前駆体に含まれる(半)金属元素量を、所望とする無機薄膜の組成に応じて、適宜調整することで容易に複合酸化物や、ドープした膜を得ることができる。複合酸化物としては、例えば、ITO(インジウム錫酸化物)薄膜、ATO(アンチモン錫酸化物)薄膜、IGZO(InGaZnOx)、ZuO、Sb−SnO2、SnO2、RuO2、LNO(LaNiO3)、BPO(BaPbO3)等が挙げられる。ドープ膜としては、ITO、ATO、GZO(ZnO:Ga23)、AZO(ZnO:Al23)を形成することができる。また、使用する用途に応じては、前記金属酸化物粒子と、金属酸化物前駆体とは、共通する(半)金属を含むことも好ましい。すなわち、金属酸化物粒子の金属酸化物を構成する(半)金属と、金属酸化物前駆体に含まれる(半)金属とが、同一であることが好ましい。こうすることで、得られる無機薄膜において、金属酸化物粒子に由来する部分と金属酸化物前駆体に由来する部分との組成がほぼ同一となり、無機薄膜中の組成が均一となる。
【0034】
前記添加剤としては、反応調整剤、レベリング剤等が挙げられる。
前記反応調整剤は、前記金属酸化物前駆体の反応速度を調整するものであり、成膜時のクラック、白化を抑制できる。
前記反応調整剤としては、アミン、有機酸、無機酸、アルコール、ジケトン等が挙げられる。なお、アルコール、ジケトンは、溶剤としても用いられる。
前記アミンとしては、例えば、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、tert−アミルアミン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、セチルアミン等の第一級アミン;ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジセチルアミン等の第二級アミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリペンチルアミン、トリシクロペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミン、トリセチルアミン等の第三級アミン等のモノアミンが挙げられる。
【0035】
アミノ基を複数持つアミン類としては、エチレンジアミン、1,2−ジアミノプロパン、1,3−ジアミノプロパン、1,2−ジアミノ−2−メチルプロパン、N−メチルエチレンジアミン、N−エチルエチレンジアミン、N−イソプロピルエチレンジアミン、N−ヘキシルエチレンジアミン、N−シクロヘキシルエチレンジアミン、N−オクチルエチレンジアミン、N−デシルエチレンジアミン、N−ドデシルエチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルエチレンジアミン、N,N’−ジエチルエチレンジアミン、N,N’−ジイソプロピルエチレンジアミン、N,N,N’−トリメチルエチレンジアミン等のジアミン;ジエチレントリアミン、N−イソプロピルジエチレントリアミン、N−(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン等のトリアミン;トリエチレンテトラミン、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N’−ビス(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン、トリス(2−アミノエチル)アミン等のテトラアミン;テトラエチレンペンタミン等のペンタアミン;ペンタエチレンヘキサミン等のヘキサアミン;等が挙げられる。
【0036】
水酸基を持つアミン類としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2,2’−イミノジエタノール、2−アミノエタノ−ル、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール等が挙げられる。
アルコキシ基を持つアミン類としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン等のモノアミン類;N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン等のジアミン類;又はこれらの加水分解物が挙げられる。
【0037】
前記有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、乳酸、アセト酢酸等の有機酸が挙げられる。前記無機酸としては、例えば、リン酸;リン酸トリメチル等のリン酸エステル;亜リン酸ジメチル等の亜リン酸エステル;ホウ酸;ホウ酸トリメチル等のホウ酸エステル;等が挙げられる。前記アルコールとしては、例えば、ダイアセトンアルコール、エチレングリコール等が挙げられる。前記ジケトンとしては、例えば、アセチルアセトン等が挙げられる。
【0038】
前記反応調整剤の添加量は、前記金属酸化物前駆体1モルに対して0.5モル以上が好ましく、より好ましくは0.8モル以上であり、2モル以下が好ましく、より好ましくは1.5モル以下である。
【0039】
前記インプリント用組成物は、上記の各成分を混合することで調製できる。混合方法は特に限定されず、例えば、通常攪拌装置、高速攪拌装置、コロイドミル又はホモジナイザーのような剪断分散装置等従来公知の分散手段を採用すればよく、必要に応じて超音波を併用してもよい。
【0040】
以下、本発明のインプリント用組成物を用いた無機薄膜の形成方法の一例について説明する。無機薄膜の形成は、塗布工程、型押し工程、焼成工程を含むことが好ましい。
【0041】
前記塗布工程では、インプリント用組成物を基材に塗布する。
前記基材としては、例えば、石英;ホウ珪酸ガラス、ソーダガラス等の無機ガラス;カーボン;金、銀、銅、シリコン、ニッケル、チタン、アルミニウム、タングステン等の金属;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル;環状オレフィン開環重合/水素添加体(COP)、環状オレフィン共重合体(COC)等の環状オレフィン系樹脂;ポリメタクリル酸メチル(PMMA)等のアクリル樹脂;エポキシ樹脂;AS樹脂(アクリロニトリル−スチレン共重合体)、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン樹脂、ポリ酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリカーボネート樹脂、ビニルエーテル、ポリアセタール(POM)、ポリアミド、ポリフェニレンエーテル(PPE)、ポリアリールエーテル、ポリフェニレンスルファイド(PPS)、ポリスルホン(PS)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリアリールエーテルケトン(PEK)、ポリイミド(PI)、ポリアミド酸(PAA)、ポリアミドイミドアクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、フェノール樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルニトリル(PEN)樹脂等の樹脂;上記金属、又はその酸化物若しくは混合酸化物等を表面に有するガラス、金属、樹脂等が挙げられる。前記混合酸化物としては、例えば、ITO(酸化インジウムスズ)等の透明導電性酸化物、SiO2等が挙げられる。混合酸化物等を表面に有する金属としては、SiO2付きSi基板等が挙げられる。基材は、板状、フィルム状のいずれも使用できる。
基材に塗布する方法は、特に限定されず、例えば、スピンコート法、ロールコート法、カーテンコート法、ディップコート法、スプレー法等が挙げられる。なお、基材上へのインプリント用組成物の塗布量は、所望とする無機薄膜の厚さに応じて、適宜調整すればよい。
【0042】
なお、塗布工程後、インプリント用組成物に含まれる溶剤に応じて、乾燥工程を設けても良い。特に高沸点の溶剤を使用した場合には、平滑な塗膜を得るためや、インプリント後の収縮を低減させるために、乾燥工程を設けてもよい。なお、塗膜を乾燥させ過ぎると、塗膜が硬くなりすぎ、型押し工程においてパターンの転写が不十分となるおそれがある。
【0043】
本発明のインプリント用組成物は、成膜性、パターン転写性が優れているため、薄膜であっても、凹凸(パターン)の精度が高い無機膜が形成できる。そのため、乾燥塗膜の厚さは、100μm以下が好ましく、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。なお、厚さの下限は特に限定されないが、5nm以上が好ましく、より好ましくは10nm以上、さらに好ましくは50nm以上である。
【0044】
前記型押し工程では、上記塗布工程を経て得られた塗膜に、型を押圧した状態で溶剤を除去して、賦形、パターン化された膜を形成する。
【0045】
前記樹脂製の型としては、例えば、パターン状モールドが挙げられる。パターン状モールドの材質としては、柔軟性を有する樹脂であれば特に限定されないが、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、ポリメチルエチルシロキサン、ポリメチルビニルシロキサン、ポリメチルフェニルビニルシロキサン等のシリコーンゴム、アクリルゴム(ACM)、ニトリルゴム(NBR)、イソプレンゴム(IR)、ウレタンゴム(U)、エチレンプロピレンゴム(EPM,EPDM)、クロロスルホン化ポリエチレン(CSM)、エピクロルヒドリンゴム(CO,ECO)、クロロプレンゴム(CR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、ブタジエンゴム(BR)、フッ素ゴム(FKM)、ポリイソブチレン(ブチルゴム IIR)等の熱硬化性エラストマー;塩ビ系、スチレン系、オレフィン系、エステル系、ウレタン系、アミド系の熱可塑性エラストマー;等が挙げられる。柔軟性を有する樹脂製の型を用いれば、ロール・ツー・ロール方式によるフィルムインプリントが容易に行える。
【0046】
前記型を構成する樹脂は溶剤を吸収できるものが好ましい。このような樹脂から形成された型を用いれば、型押し工程に塗膜中の溶剤が型に吸収されるため、型押し前の塗膜の乾燥が不要となる。よって、塗膜に溶剤が多量に残存した状態(つまり、塗膜が非常に柔軟な状態)で型押し工程を行えるため、簡易な装置を用いて、弱い圧力により転写が行える。また、成膜することなく、インプリント用組成物を基材上に滴下した直後に、型押しすることも可能となるため、低沸点溶剤にしか溶解しない材料や成膜が困難である材料も使用できる。
また、特にシリコーン樹脂から形成された型は、離型性に優れるため、インプリント用組成物に離型性の悪い材料が含まれている場合でも、精度よくパターンを転写できる。特に、微細なパターンの形成が可能であること、加工性等の観点から、ポリジメチルシロキサン樹脂が好ましい。
【0047】
前記パターン状モールドの有するパターンとしては、特に限定されるものではなく、例えば、配線状パターン;ラインアンドスペースパターン;モスアイ状パターン;円柱状、円錐状、円錐台状、多角柱状(例えば四角柱状)、多角錐状(例えば四角錐状)、多角錐台状(例えば四角錐台状)の突起又は窪みからなるパターン;等が挙げられる。
【0048】
前記型(パターン状モールド)には、予め離型処理を施しておくのが好ましい。ここで使用することのできる離型剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤等の界面活性剤、フッ素含有ダイヤモンドライクカーボン等が挙げられる。
【0049】
前記型を押し付ける際の押圧力は、弱過ぎると型のパターンの転写が不十分となり、強過ぎると型が変形するおそれがあるため、使用する型の材質に応じて適宜調整すればよい。前記押圧力は、通常0.01MPa以上が好ましく、より好ましくは0.05MPa以上であり、20MPa以下が好ましく、より好ましくは10MPa以下である。
そして、前記型を押圧した状態で、インプリント用組成物に含まれる溶剤を除去する。溶剤の除去は室温で行ってもよいし、加温してもよい。
前記型を押圧した状態での保持時間は、1分以上が好ましく、より好ましくは2分以上であり、60分以下が好ましく、より好ましくは50分以下、さらに好ましくは30分以下である。
【0050】
前記焼成工程では、型押し工程により賦形又はパターン化された塗膜を焼成する。焼成することにより、樹脂が分解、除去され、微細加工された無機薄膜が得られる。また、組成物が金属酸化物前駆体を含む場合には、焼成により金属酸化物前駆体によるメタロセン結合が形成される。
焼成温度は、200℃以上が好ましく、より好ましくは300℃以上であり、800℃以下が好ましく、より好ましくは700℃以下である。焼成温度が200℃未満であると、樹脂が除去されず残留するおそれがある。焼成温度が800℃を超えると、転写したパターンが崩れる場合がある。
焼成時間は、5分以上が好ましく、より好ましくは10分以上であり、240分以下が好ましく、より好ましくは120分以下である。
焼成は、一段階で行ってもよいが、異なる温度で2段階以上の多段階で行ってもよい。また、焼成中に焼成温度を連続的に変化させてもよい。
【0051】
前記インプリント用組成物を用いて形成された無機薄膜は、必要に応じて、エッチングを施してもよい。なお、エッチング方法は特に限定されず、従来の方法を採用できる。
【0052】
本発明のインプリント用組成物を用いることにより、パターン精度が高く、かつクラック等のない耐熱性、耐溶剤性等、耐久性に優れた無機酸化物の成型体(無機薄膜)を形成できる。
得られた無機薄膜は、半導体デバイス、光学デバイス、表示デバイス等における各種部材として好適に用いることができる。上記半導体デバイスとしては、例えば、太陽電池、トランジスタ、発光ダイオード、メモリ、IC、LSI、CPU、RFID、CMOS、CCD、プリント配線板、半導体用実装基板等が挙げられる。光学デバイスとしては、例えば、光導波路、光学フィルター、反射防止膜、レンズ、プリズム、ミラー、レーザー、共振器等が挙げられる。表示デバイスとしてはLCD、有機EL、PDP、電子ペーパー、FED等が挙げられる。その他の用途としては、μ―TAS、バイオチップ、MEMS等が挙げられる。
【実施例】
【0053】
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記実施例によって限定されるものではなく、前・後記の趣旨に適合しうる範囲で適宜変更して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0054】
1.評価方法
先ず、本発明で用いた成膜性、パターン転写性、及びパターン保持性の評価方法について説明する。
1−1.成膜性
インプリント用組成物を、SiO2付きSi基板(2cm角)上に、スピンコーター(ミカサ社製)を用いて、塗布した(スピン条件:slope 5sec→2000rpm 20sec)。得られた塗布基板を、150℃のホットプレート上で3分乾燥し、薄膜を形成した。薄膜について、目視にて観察し、下記のように評価した。
◎:塗布膜に欠陥なし。
○:塗布膜に若干の荒れあり。
△:塗布膜に荒れあり。
×:塗布膜が白化、あるいは塗布膜にクラック発生。
【0055】
1−2.パターン転写性
転写工程後の膜を、走査型電子顕微鏡(SEM、日本電子社製)及び原子間力顕微鏡(AFM、ビーコ社製)で観察し、下記のように評価した。
◎:パターンに欠陥なし。
○:パターンの端に若干の崩れあり。
△:パターンの転写はあるものの、クラック発生。
×:パターンの転写なし。
【0056】
1−3.パターン保持性
焼成工程後の膜を、SEMおよびAFMで観察し、下記のように評価した。
◎:パターンに変化なし。
○:パターン端部に若干のクラック発生。
△:パターンにクラック発生。
×:パターンに著しくクラックが発生し、パターンの認識が困難。
【0057】
2.シリコーン樹脂製型の作製
ナノパターンが施された型(NTTアドバンステクノロジ社製、NIM−PHシリーズ)の表面に、前記スピンコーターを用いて離型剤(フロロテクノロジー社製、「フロロサーフ(登録商標) FG5020」)を塗布製膜(塗布条件:slope 5sec→1500rpm 30sec)した後、80℃のホットプレート上で5分乾燥した。
【0058】
上記で得られた離型処理したナノパターンが形成された型をマスターとして、ポリジメチルシロキサン(PDMS)製の型を作製した。具体的には、ポリジメチルシロキサン(信越シリコーン社製、「SIM−360」)と触媒(信越シリコーン社製、「CAT−360」)を10:1(質量比)で混合し、脱泡を行った。この混合物を、上記マスター上へ流し込み、上からモールド用の支持基板(石英板)を設置した。そのまま、室温にて24時間放置した後、オーブンにて150℃で3分間保持した。その後、マスターを離型し、PDMS製の型を作製した。
【0059】
3.無機薄膜の成形
3−1.製造例1
酸化チタン粒子(個数平均粒子径20nm)を分散したスラリー(CIKナノテック株式会社製、「NanoTek(登録商標) Slurry RTIMIBK」、メチルイソブチルケトン溶剤(以下、「MIBK」)、固形分濃度15質量%)98.2g、ポリメチルメタクリレート樹脂(PMMA)(住友化学株式会社製、「スミペックス(登録商標) LG35」(溶剤希釈品、MIBK溶剤・濃度20%)、ガラス転移温度85℃、質量平均分子量8.4万)1.8gを攪拌混合し、インプリント用組成物1を調製した。
【0060】
SiO2付Si基板上に、インプリント用組成物1を滴下し、室温(25℃)でPDMS製型を設置し、簡易インプリント装置を用いて荷重0.1MPaで押圧した。PDMS製型を押圧した状態で、室温(25℃)で3分間放置し溶剤を揮発させた。その後、型を基板から剥離した。型を剥離した後の薄膜について、パターン転写性を評価し、結果を表1に示した。
【0061】
型を剥離した後、卓上型ランプ加熱装置(アルバック理工社製、「MILA−5000」)を用いて、薄膜を焼成した。焼成は、600℃まで昇温し、600℃で10分保持し、その後、徐冷した。焼成後の無機薄膜について、パターン保持性を評価し、結果を表1に示した。
【0062】
3−2.製造例2
酸化チタン粒子(個数平均粒子径20nm)を分散したスラリー(CIKナノテック株式会社製、「NanoTek(登録商標) Slurry RTIMIBK」、MIBK溶剤、固形分濃度15質量%)98.2g、樹脂として、フッ素化ポリアリールエーテルケトン樹脂(FPEK)(ビスペンタフルオロベンゾイルジフェニルエーテルと4,4’−(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ビスフェノールとの共重合体)(ガラス転移温度193℃、質量平均分子量6万)(溶剤希釈品、MIBK溶剤・濃度20%)1.8g、を攪拌混合し、インプリント用組成物2を調製した。
得られたインプリント用組成物2を用いて、製造例1と同様にして、無機薄膜を形成した。
【0063】
3−3.製造例3
酸化チタン粒子(個数平均粒子径20nm)を分散したスラリー(CIKナノテック株式会社製、「NanoTek(登録商標) Slurry RTIMIBK」、MIBK溶剤、固形分濃度15質量%)76.4g、酸化チタン前駆体(チタニウムジ−2−エチルヘキソキシビス(2−エチル−3−ヒドロキシヘキソキシド)、マツモトファインケミカル株式会社製、「オルガチックス(登録商標) TC−200」)19.1g、樹脂としてのフッ素含有オリゴマー(DIC株式会社製、「メガファック(登録商標) F−477」(溶剤希釈品、MIBK溶剤・濃度20%、質量平均分子量1万))4.5gを攪拌混合し、インプリント用組成物3を調製した。
得られたインプリント用組成物3を用いて、製造例1と同様にして、無機薄膜を形成した。
【0064】
3−4.製造例4
樹脂として、PMMA20g、MIBK溶剤80gを攪拌混合し、インプリント用組成物4を調製した。
得られたインプリント用組成物4を用いて、製造例1と同様にして、無機薄膜を形成した。
【0065】
3−5.製造例5
酸化チタン粒子(個数平均粒子径20nm)を分散したスラリー(CIKナノテック株式会社製、「NanoTek(登録商標) Slurry RTIMIBK」、MIBK溶剤、固形分濃度15質量%)をインプリント用組成物5とした。
インプリント用組成物5を用いて、製造例1と同様にして、無機薄膜を形成した。
【0066】
3−6.製造例6
インプリント用組成物1を用いて、PDMS製の型に換えて、金属製の型を用いたこと以外は、製造例1と同様にして、無機薄膜を形成した。
【0067】
【表1】

【0068】
インプリント用組成物1〜3を使用し、PDMS製の型を用いた場合、成膜性、パターン転写性、パターン保持性のいずれも優れていた。
インプリント用組成物4を用いた場合、パターン保持性が劣っていた。また、インプリント用組成物4では、無機成分を含まないため、焼成工程で膜が消失した。
インプリント用組成物5を用いた場合、成膜性が劣っていた。これは、インプリント用組成物5では、樹脂を含まないため、薄膜の柔軟性が悪いためと考えられる。
製造例6は、金属製の型を用いた場合であるが、型押し後に、溶剤の除去が不十分となり、パターン転写性、保持性が劣っていた。
【産業上の利用可能性】
【0069】
本発明のインプリント用組成物は、賦形された無機薄膜、パターン化された無機薄膜を形成するために好適に使用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂製の型を用いて無機薄膜を形成するためのインプリント用組成物であって、
金属酸化物粒子と樹脂とを含むことを特徴とするインプリント用組成物。
【請求項2】
前記金属酸化物粒子の含有率が、不揮発成分中10質量%〜99質量%である請求項1に記載のインプリント用組成物。
【請求項3】
前記樹脂の含有率が、不揮発成分中0.05質量%〜10質量%である請求項1又は2に記載のインプリント用組成物。
【請求項4】
前記樹脂が、含フッ素樹脂を含む請求項1〜3のいずれか1項に記載のインプリント用組成物。
【請求項5】
前記樹脂製の型が、シリコーンゴムで形成された型である請求項1〜4のいずれか1項に記載のインプリント用組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載のインプリント用組成物を用いて形成されたことを特徴とする無機薄膜。

【公開番号】特開2013−100210(P2013−100210A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−245932(P2011−245932)
【出願日】平成23年11月9日(2011.11.9)
【出願人】(000004628)株式会社日本触媒 (2,292)
【Fターム(参考)】