説明

ウィザード装置及びウィザード形式ユーザ設定方法

【課題】車両搭載のナビゲーション装置及びオーディオ機器に係るユーザ設定ウィザードを改善する。
【解決手段】ナビゲーション装置及びオーディオ機器のユーザ設定についての個々のウィザードを単一の統合ウィザードに統合する。ユーザは該統合ウィザードを実行する。該統合ウィザードでは、ナビ関連設定Navi1,Navi2,・・・(S11,S13,・・・)がその順番に実行された後、オーディオ設定Aud1,Aud2,・・・(S21,S23,・・・)がその順番に実行されるようになっている。車載電子機器用統合ウィザード10は、ユーザがナビゲーション装置やオーディオ機器を最初に使用する時だけでなく、使用開始後も適宜、実行できるようになっている。車載電子機器用統合ウィザード10は、また、実行中、ユーザが適宜、途中終了自在になっている(S12,S14,・・・,S22,S24,・・・の「Yes」)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電子機器についてのユーザ設定を共通の表示器から行うウィザード装置及びウィザード形式ユーザ設定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1はナビゲーション装置において個人情報(例:年齢、性別、住所、「高速優先」入力、「時間優先」入力、・・・。特許文献1の図3参照)をナビゲーション装置の初期電源投入時に設定することを開示する(特許文献1の図2参照)。
【0003】
特許文献1のナビゲーション装置では、個人情報は、初期電源投入時しか設定できない、また、初期電源投入時には、個人情報の内、一部のもののみの入力で済ませ、その後の別の時に、残りの部分を入力すること、あるいは、個人情報を一旦、初期設定した後、該個人情報を変更することには言及していない。
【0004】
特許文献2は、カーオーディオ装置におけるチューナユニットのAM放送の周波数間隔、イコライザアンプの有無の設定、アンテナダイバーシティーの有無の設定、・・・等(特許文献2の段落0004参照)の初期設定について、該オーディオ装置への最初の電源投入時だけでなく、その後に、電源が投入されるつど、初期設定が行えるようにしている(特許文献2の図2の102→110→121Y→122Y→123→110→・・・)。
【0005】
一方、ナビゲーション装置及びAV装置(特にスピーカ)を搭載する自動車では、地図や推奨経路を表示するナビゲーション装置の表示器上で、ナビゲーション装置のユーザ設定だけでなく、AV装置のユーザ設定も、ウィザードにより行うようにしている。
【特許文献1】特開2003−232647号公報
【特許文献2】特開平9−83397号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ナビゲーション装置の表示器上で、ナビゲーション装置及びAV装置のユーザ設定をウィザードにより行うようになっている従来のウィザード装置の問題点は次のとおりである。
【0007】
(a)ナビゲーション装置のウィザードとAV装置のウィザードとが別々に存在し、ユーザは、各ウィザードを1個ずつ起動させて、各ウィザードのユーザ設定においてそれぞれナビゲーション装置及びAV装置のユーザ設定を行う必要があり、手間がかかる。
【0008】
(b)前述の各ウィザードは、ナビゲーション装置及びAV装置の使用開始時に1回、実行されて、終了すると、2度と実行されず、ユーザは、ナビゲーション装置及びAV装置の使用開始後、ウィザードを用いて、ユーザ設定し直すことができなかった。
【0009】
(c)前述の各ウィザードは、途中終了すると、その後、再実行が不可能であり、ユーザは、ウィザードの1回目の実行で一部のユーザ設定を行い、2回目以降の実行で残りのユーザ設定を行うというウィザードの使い方が困難となっている。
【0010】
本発明の目的は、複数の電子機器についてのユーザ設定を共通の表示器から実施可能にしているウィザード装置及びウィザード形式ユーザ設定方法において、上述の問題点を克服することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明のウィザード装置は、複数の電子機器についてのユーザ設定を共通の表示器から実施可能にしている。該ウィザード装置は次の各手段を備えている。
各電子機器のユーザ設定に係る各ウィザードを単一のウィザードに統合した統合ウィザードを実行する統合ウィザード実行手段、
統合ウィザードを開始させるユーザ指示を受付ける開始指示受付け手段、及び
統合ウィザードを開始させるユーザ指示を受付けると統合ウィザード実行手段を作動させる実行制御手段。
【0012】
本発明のウィザード形式ユーザ設定方法は、複数の電子機器についてのユーザ設定を共通の表示器から実施可能にしている。該ウィザード形式ユーザ設定方法は次のステップを備えている。
各電子機器のユーザ設定に係る各ウィザードを単一のウィザードに統合した統合ウィザードを開始させるユーザ指示を繰り返し受付け可能になっているステップ、及び
統合ウィザードを開始させるユーザ指示を受付けるごとに、統合ウィザードを実行するステップ。
【0013】
本発明は、プログラムとしても実現可能である。本発明のプログラムは、本発明のウィザード装置の各手段としてコンピュータを機能させるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、従来、各電子機器ごとにそのユーザ設定用に実行していた各ウィザードを単一の統合ウィザードによりまとめて実行できるので、ユーザによるユーザ設定作業を合理化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図8は車載電子機器システム50のハードウェア構成図である。車載電子機器システム50は、車載電子機器として、カーナビゲーション装置、TVチューナ56、ラジオチューナ57、及びプレーヤとしてのCD/DVDドライブ58を含んでいる。
【0016】
カーナビゲーション装置の関連部位では、GPSモジュール55は、GPS衛星からの電波に基づき自車位置を検出する。VICS(Vehicle Information and Communication System)モジュール56は、FM多重放送等から道路渋滞情報を受信する。ハードディスク装置54は、地図データベース55を含むとともに、CD等からダビングした楽曲データ等を適宜書き込み及び読み出し自在になっている。
【0017】
カーナビゲーション装置以外の電子機器部位では、TVチューナ56は、VHFやUHFのテレビ放送電波に係るビデオ及びオーディオ信号を出力する。ラジオチューナ57は、AMやFMのラジオ放送電波に係るオーディオ信号を出力する。CD/DVDドライブ58は、所定のCD−ROMから地図データベース55用のデータを読み取り自在になっているとともに、音楽CDやDVD等から楽曲や映画の再生用データを読み取り可能になっている。
【0018】
処理及び制御装置60は、CPUを含み、GPSモジュール55、VICSモジュール56、ハードディスク装置54、TVチューナ56、ラジオチューナ57及びCD/DVDドライブ58からのデータ及び信号を受け取り、各種の処理を実行する。画像生成器62は、処理及び制御装置60から入力されるデータに基づき画像表示信号を生成して、モニタ63に出力する。該モニタ63はタッチパネルを装備し、タッチ位置検出器64は、タッチパネル上のユーザタッチ位置を検出し、処理及び制御装置60へ出力する。処理及び制御装置60へのユーザ指示は、タッチパネル上の所定位置へのユーザタッチにより行われるほか、図示していないリモートコントローラを介しても行えるようになっている。
【0019】
処理及び制御装置60が搭載される自動車は、車室内の前後左右に4個のスピーカ66a〜66dを配備されている。D/A変換器65a〜65dは、処理及び制御装置60からデジタルオーディオ信号を受け、それをアナログオーディオ信号へ変換して、それぞれスピーカ66a〜66dへ出力する。この車載電子機器システム50は、TVチューナ56やラジオチューナ57からの音声をスピーカ66a〜66dから出力するようになっているとともに、楽曲CDをCD/DVDドライブ58にセットして、該音楽CDに記録されている楽曲を再生して、スピーカ66a〜66dから放音するようになっている。この車載電子機器システム50は、また、映画DVDをCD/DVDドライブ58にセットして、該映画DVDに記録されている映画を再生して、モニタ63に映像を表示し、かつスピーカ66a〜66dから放音するようになっている。
【0020】
図1は車載電子機器用統合ウィザード10のフローチャートである。該車載電子機器用統合ウィザード10は車載電子機器システム50に実装されている。車載電子機器用統合ウィザード10は、各車載電子機器のユーザ設定ウィザードをまとめたにものとなっている。
【0021】
図2はメニューセットの中のセットアップ画面部分を示している。セットアップ画面部分はモニタ63に表示される。メニューセットには、セットアップ画面部分の他に、ナビメニュー画面部分、サウンド調整画面部分が含まれ、ユーザは、それらの画面部分を、「ナビメニュー」、「サウンド調整」及び「セットアップ」の各タグへのタッチ又はリモコンの所定キーの押下により、切り替えるようになっている。これら画面部分は、モニタ63のタッチパネル内にポップアップ形式で表示される。「しまう」ボタンは、ポップアップ画面部分の右下隅に表示され、ユーザは、該ボタンにタッチすることによりポップアップ画面部分を閉じることができる。
【0022】
メニューセットの呼び出しは、モニタ63に配備されている所定のハードキー又はリモコンのキーを押下したり、タッチパネル上の所定のボタンにタッチしたりして、行うことができる。すなわち、ユーザは、図2の「起動ウィザード」のボタン付きのセットアップ画面部分を、車両の停止中でかつ車載電子機器システム50の作動中において任意の時に呼び出すことができる。
【0023】
以下、説明の便宜上、車載電子機器用統合ウィザード10の実行中における各ユーザ操作は、タッチパネルへのタッチにより行うものとする。セットアップ画面部分は、図2に示されるように、「画面部分設定」及び「ナビ機能設定」等のボタンのほか、「起動ウィザード」のボタンを含んでいる。ユーザは、「起動ウィザード」のボタンにタッチすることにより、車載電子機器用統合ウィザード10を起動させる。
【0024】
車載電子機器用統合ウィザード10は、ナビ関連設定のウィザードとオーディオ設定のウィザードとを含んでいる。さらに、ナビ関連設定は、Navi1,Navi2,Navi3,Navi4,・・・の複数の設定部分を含む。同様に、オーディオ設定には、Aud1,Aud2,Aud3,Aud4,・・・の複数の設定部分を含んでいる。該車載電子機器用統合ウィザード10では、先に、ナビ関連設定が行われ、その後に、オーディオ設定が行われるようになっているが、順番は逆であってもよい。
【0025】
車載電子機器用統合ウィザード10において、S11,S13,・・・では、それぞれナビ関連設定Navi1,Navi2,Navi3,・・・が実行される。S21,S23,・・・では、それぞれオーディオ設定Aud1,Aud2,Aud3,・・・が実行される。
【0026】
ナビ関連設定Navi1,Navi2はそれぞれ例えばナビゲーション装置の表示器の仰角の設定及び自宅位置の設定である。図3及び図4はそれぞれナビゲーション装置の表示器の仰角の設定及び自宅位置の設定に係るウィザード画面部分を示している。また、オーディオ設定Aud1は例えば車種の設定である。前後左右の各スピーカ66a〜66dからのオーディオ出力が車種に基づき制御される。図5は車種の設定に係るウィザード画面部分を示している。
【0027】
図3において、表示器の仰角は−1から+5まで1の刻みで計7段階に設定できるようになっている。ユーザは、−1,0,1,・・・,5と記入されたボタンの内、所望の仰角に対応する1個のボタンにタッチして、仰角を設定する。設定した仰角ボタンは色が変化する。ユーザは、間違った仰角ボタンを選択してしまったと気付いたときには、正しい仰角ボタンにタッチし直すことにより、設定を変更することができる。「次へ」等のボタンの機能については図5の説明の後に述べる。
【0028】
図4のウィザード画面部分には、「現在地」及び「探す」のボタンが表示される。ユーザが「現在地」のボタンにタッチした場合には、右半部に、現在地に所定のマークが付いた地図が表示される。現在地以外の地点を自宅として登録する場合には、「探す」のボタンにタッチし、推奨経路探索の目的地設定の場合とほぼ同一の探索方式で、自宅位置を含む地図を右半部に表示させ、マークが自宅位置になるようにする。
【0029】
図5の画面部分には、車種としての「コンパクト」、「セダン」、「ワゴン」、「ミニバン」、「SUV」、「ワンボックス」、「選択しない」のボタンが表示される。ユーザは、自車の車種に対応するボタン又は「選択しない」のボタンにタッチして、車種を設定する。
【0030】
「Pit確認」、「前へ」、「次へ」及び「終了」のボタンは、車載電子機器用統合ウィザード10の実行中の各ウィザード画面部分のすべてに表示される。ユーザは、各ウィザード画面部分において設定を終了し、次の項目設定を行うウィザード画面部分へ移る場合には、「次へ」のボタンにタッチする。ユーザは、前のウィザード画面部分へ戻って、該前のウィザード画面部分に係る設定を変更したい場合には、「前へ」のボタンにタッチする。さらに、ユーザは、今回のユーザ設定は現在の画面部分のタッチパネルまでとして、車載電子機器用統合ウィザード10を途中終了したい場合には、「終了」のボタンにタッチする。
【0031】
車載電子機器用統合ウィザード10に係る各ユーザ設定画面部分が、全設定部分中、何番目の設定であるかの情報が、「前へ」のボタンと「次へ」のボタンとの間に表示される。この例では、車載電子機器用統合ウィザード10における設定部分の総数は11となっており、各設定部分に対応する画面部分はNavi1,Navi2,Navi3,Navi4,・・・Aud1,Aud2,Aud3,Aud4,・・・の順番に頁付けされている。
【0032】
車載電子機器用統合ウィザード10において、S12,S14,・・・,S22,S24・・・では、ユーザによる車載電子機器用統合ウィザード10の終了アクションがなされたか否かを判定する。具体的には、各ウィザード画面部分において、ユーザが「終了」ボタンにタッチしたときには、S12,S14,・・・,S22,S24・・・における判定は「正」として、車載電子機器用統合ウィザード10を終了する。また、ユーザが「次へ」ボタンにタッチしたときには、S12,S14,・・・,S22,S24・・・における判定は「否」として、次のステップへ進む。
【0033】
図6及び図7はそれぞれナビメニュー画面部分及びサウンド調整画面部分を示している。ナビメニュー画面部分及びサウンド調整画面部分におけるユーザ設定は、従来技術のものと同一である。ナビメニュー画面部分及びサウンド調整画面部分共に、セットアップ画面部分と同様に、ユーザは任意の時に呼び出し可能になっている。
【0034】
ナビメニュー画面部分では、ナビ設定、地図表示設定及び案内設定を個々に選択するようになっている。また、サウンド調整画面部分では、ポジション、イコライザー、CS Automotive、バランス/フェダー、ソースレベル及び基本設定を個々に選択するようになっている。
【0035】
図9はウィザード装置70の機能ブロック図である。ウィザード装置70は、複数の電子機器についてのユーザ設定を共通の表示器から実施可能にしている。
【0036】
統合ウィザード実行手段71は、各電子機器のユーザ設定に係る各ウィザードを単一のウィザードに統合した統合ウィザードを実行する。開始指示受付け手段72は、統合ウィザードを開始させるユーザ指示を受付ける。実行制御手段73は、統合ウィザードを開始させるユーザ指示を受付けると、統合ウィザード実行手段71を作動させる。
【0037】
ウィザード装置70における統合ウィザードの一例は図2の「起動ウィザード」ボタンへのタッチにより実行される車載電子機器用統合ウィザード10である。ウィザード装置70における統合ウィザードが統合しているウィザードには、例えば、カーナビゲーション装置のユーザ設定に係るウィザード、及びCD等のオーディオ機器のユーザ設定に係るウィザードが含まれている。統合ウィザードがユーザ設定にかかわっている電子機器は、車載用ウィザードに限定されない。家庭に配備される録画機、ホームAVシステム等の家庭用電子機器、さらには炊事や洗濯等の家事用電気機器も含むものとする。
【0038】
表示器は、典型的には、図8のモニタ63のようなタッチパネル式表示器であり、ユーザ指示はタッチパネルの所定部位へのタッチにより行われる。しかし、表示器は、タッチパネル式でなくてもよく、その場合、ユーザ指示は、例えば、表示器に付属するハードキーへの操作や、リモコンのキーへの操作により行われる。
【0039】
ユーザは、統合ウィザードを使用することにより、多数のユーザ設定作業を、個々のウィザードを使用する場合に比して、合理化することができる。
【0040】
開始指示受付け手段72は、統合ウィザードを開始させるユーザ指示を繰り返し受付け可能にしている。これにより、ユーザは、ユーザ設定をまとめて一気に実施するほか、ユーザ設定を適宜変更したり、ユーザ設定を徐々に蓄積して行くこともできる。
【0041】
途中終了指示受付け手段77は、統合ウィザード実行手段71の作動中、統合ウィザードを途中終了させるユーザ指示を受付ける。途中終了制御手段78は、統合ウィザード実行手段71の作動中、統合ウィザードを途中終了させるユーザ指示を受付けると、統合ウィザード実行手段71の作動を途中終了させる。
【0042】
統合ウィザードは、各ウィザードを個々に起動する手間を排除して、全体のユーザ設定作業を能率化する利点があるが、反面、統合ウィザードの全部を実行するユーザ作業時間は、該統合ウィザードが統合したウィザードの個数の増大に連れて、長くなる不利が生じる。しかし、ウィザード装置70では、ユーザが統合ウィザードを繰り返し実行可能にしたことと、途中終了可能にしたこととにより、該不利を抑制することができる。
【0043】
記憶手段81は、統合ウィザードが途中終了した場合に、統合ウィザードにおける途中終了位置を記憶する。実行制御手段73は、統合ウィザードの途中終了後、統合ウィザードを開始させるユーザ指示を受付けると、記憶した途中終了位置から統合ウィザードが再開するように、統合ウィザード実行手段71を作動させる。
【0044】
ユーザは、統合ウィザードにおけるユーザ設定を飛び飛びに済ませる場合がある。そのような場合には、記憶手段81は、設定済みのユーザ設定又は未設定のユーザ設定のウィザード部分を記憶し、次の統合ウィザードの再開時では、未設定のユーザ設定のウィザード部分のみを順番に又は優先して実行するようにしてもよい。
【0045】
図9では、記憶手段81に記憶された途中終了位置は統合ウィザード実行手段71が読み出すように、記載されているが、実行制御手段73が統合ウィザード実行手段71における統合ウィザードの再開位置を制御できるようにして、実行制御手段73が、途中終了位置を記憶手段81から読み出すようになっていてもよい。
【0046】
実行制御手段73は、統合ウィザードの途中終了後、統合ウィザードを開始させるユーザ指示を受付けると、該ユーザ指示を受付け時にユーザが使用していた電子機器に係るウィザードから統合ウィザードが再開するように、統合ウィザード実行手段71を作動させるようにしてもよい。
【0047】
具体的に説明すると、例えば、ユーザは、前回の統合ウィザードの実行では、オーディオ設定のウィザードを途中終了していて、現在、CDプレーヤ等のオーディオ機器ではなく、カーナビゲーション装置を使用していたとする。この状態で、ユーザが、統合ウィザードを開始する指示を出すと、ウィザード装置70は、前回はオーディオ設定のウィザードが途中終了であったもかかわらず、ナビ関連設定に係るウィザードから統合ウィザードを再開する。こうして、ユーザは、統合ウィザードにおいて自分の希望に沿った設定を速やかに開始することができる。
【0048】
さらに、統合ウィザードの再開位置は、各電子機器における各ユーザ設定を単位とすることなく、統合ウィザードにおいて各電子機器に対応付けられているウィザードを単位としてもよい。すなわち、例えば、統合ウィザードの前回の実行では、図1のNavi2までの設定項目を済ませて、そこで途中終了したとし、ユーザが次に統合ウィザードの実行指示を出した時は、Navi3からではなく、Aud1からとしたり、再び、Navi1から再開するようになっていてもよい。
【0049】
ユーザ指示を受付け時にユーザが使用していた電子機器に係るウィザードから統合ウィザードを再開させることと、統合ウィザードの再開位置を、統合ウィザードにおいて各電子機器に対応付けられているウィザードを単位とすることとの組み合わせでは、例えば、ユーザは、前回の統合ウィザードの実行では、ナビ関連設定に係るウィザードの中の或る設定項目まで設定を済ませ、そこで途中終了していて、現在、カーナビゲーション装置を使用していたとする。この状態で、ユーザが、統合ウィザードを開始する指示を出すと、ウィザード装置70は、ナビ関連設定に係るウィザードにおいて該或る設定項目の次の設定項目から統合ウィザードを再開させてもよいが、その代わりに、ナビ関連設定に係るウィザードの最初の設定項目から再開させることもできる。
【0050】
本発明の最良の形態としてのウィザード形式ユーザ設定方法は、複数の電子機器についてのユーザ設定を共通の表示器から実施可能にしている。そして、各電子機器のユーザ設定に係る各ウィザードを単一のウィザードに統合した統合ウィザードを開始させるユーザ指示を繰り返し受付け可能になっているステップと、統合ウィザードを開始させるユーザ指示を受付けるごとに、統合ウィザードを実行するステップとを備えている。
【0051】
ウィザード形式ユーザ設定方法における電子機器の具体例はウィザード装置70の場合と同様である。また、ウィザード形式ユーザ設定方法において、ウィザード装置70と同様に、統合ウィザードの途中終了を可能にすることが好ましい。そして、途中終了時には、その途中終了位置を記憶し、その後の次の統合ウィザード実行時では、記憶した途中終了位置から統合ウィザードを再開することが有利である。
【0052】
本発明を実施するための最良の形態としてのプログラムは、前述したウィザード装置70の各手段としてコンピュータを機能させる。
【0053】
本発明を装置、方法及びプログラムの最良の形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で最良の形態における各構成要素を変形して具体化できる。また、最良の形態に開示されている複数の構成要素の便宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、最良の形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる最良の形態に係る構成要素同士を組み合わせることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】車載電子機器用統合ウィザードのフローチャートである。
【図2】メニューセットの中のセットアップ画面部分を示す図である。
【図3】ナビゲーション装置の表示器の仰角の設定に係るウィザード画面部分を示す図である。
【図4】ナビゲーション装置の自宅位置設定に係るウィザード画面部分を示す図である。
【図5】車種の設定に係るウィザード画面部分を示す図である。
【図6】ナビメニュー画面部分を示す図である。
【図7】サウンド調整画面部分を示す図である。
【図8】車載電子機器システムのハードウェア構成図である。
【図9】ウィザード装置の機能ブロック図である。
【符号の説明】
【0055】
10:車載電子機器用統合ウィザード、70:ウィザード装置、71:統合ウィザード実行手段、72:開始指示受付け手段、73:実行制御手段、77:途中終了指示受付け手段、78:途中終了制御手段、81:記憶手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電子機器についてのユーザ設定を共通の表示器から実施可能にしているウィザード装置において、
各電子機器のユーザ設定に係る各ウィザードを単一のウィザードに統合した統合ウィザードを実行する統合ウィザード実行手段、
前記統合ウィザードを開始させるユーザ指示を受付ける開始指示受付け手段、及び
前記統合ウィザードを開始させるユーザ指示を受付けると前記統合ウィザード実行手段を作動させる実行制御手段、
を備えることを特徴とするウィザード装置。
【請求項2】
前記開始指示受付け手段は、前記統合ウィザードを開始させるユーザ指示を繰り返し受付け可能にしていることを特徴とする請求項1記載のウィザード装置。
【請求項3】
前記統合ウィザード実行手段の作動中、前記統合ウィザードを途中終了させるユーザ指示を受付ける途中終了指示受付け手段、及び
前記統合ウィザード実行手段の作動中、前記統合ウィザードを途中終了させるユーザ指示を受付けると前記統合ウィザード実行手段の作動を途中終了させる終了制御手段、
を備えることを特徴とする請求項2記載のウィザード装置。
【請求項4】
前記統合ウィザードが途中終了した場合に、前記統合ウィザードにおける途中終了位置を記憶する記憶手段、及び
前記統合ウィザードの途中終了後、前記統合ウィザードを開始させるユーザ指示を受付けると、記憶した途中終了位置から前記統合ウィザードが再開するように、前記統合ウィザード実行手段を作動させる前記実行制御手段、
を備えていることを特徴とする請求項3記載のウィザード装置。
【請求項5】
前記統合ウィザードの途中終了後、前記統合ウィザードを開始させるユーザ指示を受付けると、該ユーザ指示を受付け時にユーザが使用していた電子機器に係るウィザードから前記統合ウィザードが再開するように、前記統合ウィザード実行手段を作動させる前記実行制御手段、
を備えていることを特徴とする請求項3記載のウィザード装置。
【請求項6】
前記統合ウィザードが統合しているウィザードには、カーナビゲーション装置のユーザ設定に係るウィザード、及びオーディオ機器のユーザ設定に係るウィザードが含まれていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のウィザード装置。
【請求項7】
複数の電子機器についてのユーザ設定を共通の表示器から実施可能にしているウィザード形式ユーザ設定方法において、
各電子機器のユーザ設定に係る各ウィザードを単一のウィザードに統合した統合ウィザードを開始させるユーザ指示を繰り返し受付け可能になっているステップ、及び
前記統合ウィザードを開始させるユーザ指示を受付けるごとに、前記統合ウィザードを実行するステップ、
を備えることを特徴とするウィザード形式ユーザ設定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−206938(P2007−206938A)
【公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−24482(P2006−24482)
【出願日】平成18年2月1日(2006.2.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000003595)株式会社ケンウッド (1,981)
【Fターム(参考)】