説明

ウィッグとその製造方法、並びにウィッグの染毛方法

【課題】 着用者の頭髪のうち利用できるものは残存させ、薄くなっている部分のみを補填する、いわゆる部分ウィッグと称されるものであって、人毛を素材とするウィッグと、そのようなウィッグを製造する方法、並びにそのような人毛を素材とするウィッグを染毛する方法に関し、染毛後の毛髪の色が暗くなることがなく、自髪に染毛する場合と同様の明るさの色に染毛することができ、たとえば美容室等でウィッグを顧客に施術するような場合でも、顧客である着用者の頭髪の色に適合するような染毛剤を選択して染毛することができ、着用者の要望に合致した毛髪の色のウィッグを提供することを課題とする。
【解決手段】 使用者の頭髪に着脱自在に取り付けられるウィッグにおいて、毛髪2が人毛で構成され、且つ前記毛髪2は、L*a*b*表色系(JIS Z 8729)のL*値が20.0〜45.0となるように脱色されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はウィッグ(かつら)とその製造方法、並びにウィッグの染毛方法、特に着用者の頭髪のうち利用できるものは残存させ、薄くなっている部分のみを補填する、いわゆる部分ウィッグと称されるものであって、人毛を素材とするウィッグと、そのようなウィッグを製造する方法、並びにそのような人毛を素材とするウィッグを染毛する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ウィッグとしては種々のものが市販されている。そのようなウィッグのほとんどは、着用者の頭髪のうち利用できるものは残存させ、薄くなっている部分のみを補填する、いわゆる部分ウィッグと称されるものである。美容室等で既製品として販売されている増毛用部分ウィッグのほとんどは化学繊維からなるものである。
【0003】
このような化学繊維からなるウィッグは、そもそも自髪のように染毛することができないため、着用者は、既に着色されたウィッグであって色の限られた既製品の中から選ばなければならないこととなる。たとえば、通信販売で流通しているウィッグは、色や形が2種類程度に限定されており、購入者の選択の余地がない状況となっている。
【0004】
また通信販売に限らず、一般の店舗でもウィッグを購入することはでき、通信販売に比べて種類が多少増えることはあるが、いずれにしても着用者が何件もの店舗へ行って自分に合う色のウィッグを探して購入することは、容易ではない。
【0005】
一方美容室等では、顧客の要望に応じる必要があるため、通信販売や店舗等よりも多い数種類のものが準備されている場合もあるが、顧客の要望に応じることを重視すると、常に数種類の色のウィッグを準備しておかなければならないことになる。これは美容室にとってもコスト面での採算を考慮しなければならない等、負担がかかることになる。
【0006】
このような点に鑑み、下記特許文献1のような出願もなされている。この特許文献1に記載された発明は、透明なプラスチック繊維を用いてかつらを作製し、利用者の好みに合わせて自由に染色できるかつらを提供することを目的とするものである。しかしながら、実際上、透明なプラスチック繊維に染色を施すことは困難であり、その点でこの特許文献1に記載の発明は着想段階のもので、実現性に乏しいものである。
【0007】
またウィッグの毛髪を着色することに関しては、下記特許文献2のような出願もなされている。しかし、この特許文献2の発明は、着色糊剤を塗布する工程、半乾きさせる工程、蒸気供給部材を巻く工程、蒸気供給部材を加熱する工程等、多くの工程からなり、作業が非常に煩雑なものである。しかもそれぞれの工程が、染毛のような一般的なものではなく、特殊なかつらを製造するための特殊な方法にすぎない。従って、現在市販されているウィッグに適用するような汎用性もなく、また美容院等で施術することも到底できない。
【0008】
【特許文献1】特開2000−192314号公報
【特許文献2】特開平11−247016号公報
【0009】
いずれにしても、化学繊維からなるウィッグに染毛することは困難であり、上述のような問題点を解決することはできなかったのである。
【0010】
一方、人毛を素材とした部分ウィッグは開発されていないものの、全ウィッグについては一部ではあるが、人毛を素材とするウィッグも販売されている。このような人毛からなるウィッグについては、自髪を染毛するのと同様にウィッグを染毛することも要望される。
【0011】
このような点について本発明者等が鋭意研究したところ、人毛からなるウィッグを染毛する場合、次のような問題点があることを見出した。すなわち、美容室で一般に使用されている染毛剤(ヘアカラー)や、店頭で販売されている染毛剤等は、髪を暗く染める染料と黒髪を明るくするための脱色剤(ブリーチ剤)が一緒に配合されて、色と明るさを調節している。
【0012】
しかしながら、脱色剤は温度に大きく左右され、温度が高くなると明るくなりやすく、低いと明るくなりにくい。一般の染毛剤は、体温を考慮した上で色を調整しているため、ウィッグを染毛剤で染毛しようとすると、実際に人体に植毛されている毛髪を染毛する場合よりも染毛後の毛髪の色が暗くなるという問題があった。
【0013】
従って、人毛を素材としたウィッグといえども、ウィッグ自体に染毛を施すことは困難となっていたのである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上述のような問題を解決するためになされたもので、染毛後の毛髪の色が暗くなることがなく、自髪に染毛する場合と同様の明るさの色に染毛することができ、たとえば美容室等でウィッグを顧客に施術するような場合でも、顧客である着用者の頭髪の色に適合するような染毛剤を選択して染毛することができ、着用者の要望に合致した毛髪の色のウィッグを提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、ウィッグに係る請求項1記載の発明は、使用者の頭髪に着脱自在に取り付けられるウィッグにおいて、毛髪2が人毛で構成され、且つ前記毛髪2は、L*a*b*表色系(JIS Z 8729)のL*値が20.0〜45.0となるように脱色されていることを特徴とする。
【0016】
また請求項2記載の発明は、使用者の頭髪に着脱自在に取り付けられるウィッグにおいて、毛髪2が人毛で構成され、且つ前記毛髪2は、L*a*b*表色系(JIS Z 8729)のL*値が23.0〜38.0となるように脱色されていることを特徴とする。
【0017】
さらにウィッグの製造方法に係る請求項3記載の発明は、使用者の頭髪に着脱自在に取り付けられ、毛髪2が人毛で構成されたウィッグの製造方法において、前記人毛からなる毛髪2の色がL*a*b*表色系(JIS Z 8729)のL*値で20.0〜45.0の色となるように脱色することを特徴とする。
【0018】
さらに請求項4記載の発明は、使用者の頭髪に着脱自在に取り付けられ、毛髪2が人毛で構成されたウィッグの製造方法において、前記人毛からなる毛髪2の色がL*a*b*表色系(JIS Z 8729)のL*値で23.0〜38.0の色となるように脱色することを特徴とする。
【0019】
さらにウィッグの染毛方法に係る請求項5記載の発明は、使用者の頭髪に着脱自在に取り付けられ、毛髪2が人毛で構成されたウィッグの染毛方法において、前記人毛からなる毛髪2の色がL*a*b*表色系(JIS Z 8729)のL*値で20.0〜45.0の色となるように脱色剤で脱色した後、脱色後の毛髪2を染毛剤で染毛することを特徴とする。
【0020】
さらに請求項6記載の発明は、使用者の頭髪に着脱自在に取り付けられ、毛髪2が人毛で構成されたウィッグの染毛方法において、前記人毛からなる毛髪2の色がL*a*b*表色系(JIS Z 8729)のL*値で23.0〜38.0の色となるように脱色剤で脱色した後、脱色後の毛髪2を染毛剤で染毛することを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、上述のように、L*a*b*表色系(JIS Z 8729)のL*値が20.0〜45.0、より好ましくは23.0〜38.0となるように、人毛で構成された毛髪を予め脱色したものであるため、染毛後の毛髪の色が暗くなるようなことがなく、自髪に染毛する場合と同様の明るさの色に染毛することができ、その結果、使用者(着用者)の要望に合致した毛髪の色の人毛からなるウィッグを提供することが可能になるという効果がある。
【0022】
また、たとえば美容室等で人毛からなるウィッグを着用者に施術するような場合でも、頭髪の色に適合するような染毛剤を選択して染毛することができ、その結果、美容室等において従来のように数種類の色のウィッグを準備する必要がない。
【0023】
そして、このように人毛の素材からなるウィッグに、着用者の要望に適合するような色の染毛を施すことが可能となる結果、人毛の素材からなるウィッグの特性、すなわち上記のように色が制限されることがないことの他に、カールが付与されているなどの制限がないこと、自分の好みのヘアスタイルに適合させ易いこと、毛髪が不自然であると着用者に感じさせないこと、動いたり風が吹いたりした場合でも、ヘアスタイルが乱れるのを繰り返しても、自髪との髪のなじみが良いこと等、種々の特性を生かすことができるという利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
本発明のウィッグは、上述のように毛髪が人毛で構成され、その毛髪が、L*a*b*表色系(JIS Z 8729)のL*値が20.0〜45.0となるように脱色された構成からなるものである。
【0025】
上述のように、一般の染毛剤は、髪を暗く染める染料と黒髪を明るくするための脱色剤が一緒に配合されて、色と明るさを調節している。しかし脱色剤は温度に大きく左右され、温度が高くなると明るくなりやすく、低いと明るくなりにくい。一般の染毛剤は体温がある状態で使うように調整しているため、ウィッグに染毛剤を使うと、人体髪に使うより暗くなってしまう。そこで、本発明では予め人毛からなる毛髪の色が明るくなるように脱色することで、染毛後のウィッグの色が暗くなりすぎることがなく、着用者の要望に合致するような色に調整できるようにしたものである。
【0026】
L*a*b*表色系(JIS Z 8729)のL*値が20.0〜45.0となるように脱色したのは、L*値が20.0未満になると、その後に染毛する際に染毛剤を使ったときに暗くなりすぎ、着用者の要望に合致した髪の明るさが出せない。一方、45.0を超えると、一色の染毛剤では不自然な色合いとなり、何色もの染毛剤を混ぜる必要が生じ、また失敗する可能性が高いので1回ではなく何回も染める必要が生ずることとなる。この観点からは、23.0〜38.0とするのがより好ましい。
【0027】
このようにして所望の色に脱色された毛髪2は、図1に示すように、ベース1に取り付けられてウィッグとして構成される。ベース1は、図1及び図2に示すように、大きさが異なる1対の基材3a、3bと、該1対の基材3a、3bに同方向に掛け渡された複数の紐材4とで構成されている。基材3a、3bは、ポリアミド、ポリエステル等の合成繊維を素材として網状の生地からなる。紐材4は、図3に示すように、ポリエステルからなる芯材4aに、綿の被覆材4bで被覆した構成からなる。さらに、前記基材3a、3bには、それぞれ左右に1対の固定ピン5、5が取り付けられている。この固定ピン5、5には、使用者の毛髪に取付可能な櫛状部6が形成されている。
【0028】
上記のようなウィッグを製造する方法の一例について説明すると、先ず人毛で構成されたウィッグの毛髪を、脱色剤で脱色する。脱色剤としては、2剤タイプのものが用いられ、そのうちの1剤は、たとえばアンモニア水、モノエタノールアミンの他にペースト基材を配合したものが用いられる。また脱色剤の2剤としては、たとえば過酸化水素と乳液状の基剤を配合したものが用いられる。
【0029】
このような脱色剤の1剤と2剤とを混合して、上記人毛からなる毛髪に塗布し、30分後に洗浄する。そして洗浄後に乾燥する。乾燥は通常ドライヤーによってなされるが、自然乾燥することも可能である。このようにして、L*a*b*表色系(JIS Z 8729)のL*値が20.0〜45.0となるように脱色されたウィッグの毛髪が得られることとなる。
【0030】
このようにして得られた毛髪を、上記のようなベース1に取り付けることによって、ウィッグの製造が完成する。
【0031】
次に、上記のようにして製造されたウィッグの毛髪を染毛剤で染毛する場合について説明する。染毛剤としては、2剤タイプのものが用いられ、そのうちの1剤は、たとえば酸化染料、アンモニア水、モノエタノールアミンの他にペースト基材を配合したものが用いられる。また染毛剤の2剤としては、たとえば過酸化水素と乳液状の基剤を配合したものが用いられる。
【0032】
このような染毛剤の1剤と2剤とを混合して、上記脱色後の毛髪に塗布し、30分後に洗浄する。そして洗浄後、乾燥する。
【0033】
本実施形態のウィッグは、上述のように、L*a*b*表色系(JIS Z 8729)のL*値が20.0〜45.0となるように脱色された毛髪を具備して構成されたものであるため、その後に染毛剤で染毛しても、色が暗くなることがなく、着用者の要望する色の人毛からなる毛髪のウィッグを提供することができる。
【0034】
この結果、数限りない色のウィッグを、たとえば美容院等で特殊な技術を要することなく、美容師の通常の技術で作製してもらうことができ、顧客は色に制限されずに、自分の好みにぴったり適合した自然に見えるウィッグを、既製品と同等の価格で入手することが可能となる。
【0035】
尚、上記実施形態では、脱色剤として、アンモニア水、モノエタノールアミン、ペースト基材を配合した1剤と、過酸化水素と乳液状の基剤を配合した2剤からなる2剤タイプのものを用いたが、脱色剤の種類はこれに限定されるものではない。
【0036】
また該実施形態では、染毛剤として、アンモニア水、モノエタノールアミン、ペースト基材を配合した1剤と、過酸化水素と乳液状の基剤を配合した2剤からなる2剤タイプのものを用いたが、染毛剤の種類もこれに限定されるものではない。
【0037】
さらに、上記実施形態では、1対の基材3a、3bに複数の紐材4を掛け渡してベース1が構成されていたが、ベース1の構造も該実施形態に限定されるものではない。
【0038】
尚、本発明においては、毛髪2の全体を人毛で構成することを主眼とするが、100%人毛であることを厳格に要求する趣旨ではなく、たとえばウィッグの製造過程上において、微量の化学繊維が異物として或いは必要に応じて混入されることを排除することまで意図するものではない。また、本発明は主として部分ウィッグに用いることを主眼とするものではあるが、その適用は部分ウィッグに限定されない。
【実施例】
【0039】
(実施例1)
脱色剤として、次の1剤及び2剤からなるものを準備した。
【0040】
〔1剤〕
成分 配合量(重量%)
アンモニア水 7.0%
モノエタノールアミン 3.0%
セトステアリルアルコール 10.0%
ミリスチン酸イソプロピル 4.0%
塩化アルキルトリメチルアンモニウム 2.0%
エデト酸塩 0.2%
香料 0.2%
水 73.6%
【0041】
〔2剤〕
成分 配合量(重量%)
35%過酸化水素水 17.0%
セトステアリルアルコール 2.0%
ミリスチン酸イソプロピル 1.0%
パラベン 0.1%
水 79.9%
【0042】
上記脱色剤の1剤と2剤を1:1で混合して上記人毛からなる毛髪に塗布し、30分後に洗浄した。
【0043】
(実施例2)
上記のようにして脱色した後のウィッグの毛髪を、乾燥した後に染毛した。染毛剤としては、次の1剤及び2剤からなるものを用いた。
【0044】
〔1剤〕
成分 配合量(重量%)
酸化染料
パラフェニレンジアミン 1.0%
硫酸トルエン2,5−ジアミン 0.2%
メタアミノフェノール 0.2%
パラアミノオルトクレゾール 0.1%
レゾルシン 0.5%
アンモニア水 4.5%
モノエタノールアミン 3.0%
セトステアリルアルコール 10.0%
ミリスチン酸イソプロピル 4.0%
塩化アルキルトリメチルアンモニウム 2.0%
エデト酸塩 0.2%
香料 0.2%
水 74.1%
【0045】
〔2剤〕
35%過酸化水素水 17.0%
セトステアリルアルコール 2.0%
ミリスチン酸イソプロピル 1.0%
パラベン 0.1%
水 79.9%
【0046】
上記染毛剤の1剤と2剤を1:1で混合して上記脱色後の毛髪に塗布し、30分後に洗浄した。
【0047】
上記実施例1の脱色剤で脱色した後のウィッグの毛髪について、L*a*b*表色系(JIS Z 8729)のL*値、a*値、b*値を測定した。また脱色後、上記実施例2の染毛剤で染毛した後のウィッグの毛髪について、同様にL*値、a*値、b*値を測定した。また比較のために、脱色していないウィッグの毛髪について、染毛前(比較例3)及び染毛後(比較例4)のL*値、a*値、b*値を測定し、さらにウィッグではない人体の頭髪についても、染毛前(比較例1)及び染毛後(比較例2)のL*値、a*値、b*値を測定した。脱色していないウィッグの毛髪、及び人体の頭髪を染毛する染毛剤としては、実施例2の染毛剤と同じものを用いた。測定したL*a*b*表色系(JIS Z 8729)のL*値、a*値、b*値を表1に示す。
【0048】
【表1】

【0049】
表1からも明らかなように、人体の頭髪(比較例1)と脱色していないウィッグの毛髪(比較例3)とを比較した場合、染毛前においては、a*値に関してはウィッグの毛髪が人体の頭髪より若干高いものの、L*値及びb*値は同程度であった。従って、ウィッグの毛髪と人体の頭髪とは、色相、彩度等を含めた色の明るさや色の質がほぼ同質のものであったと認められる。
これに対して、染毛後においては、ウィッグの毛髪(比較例4)は人体の頭髪(比較例2)に比べて、L*値、a*値、b*値のすべてが低くなっていた。これは、人体の頭髪の場合、染毛剤が本来有する色の明るさが体温によって維持されるのに対し、体温の影響のないウィッグの毛髪の場合は、染毛剤が本来有する色の明るさに染毛されないからと認められる。この結果は、一般の染毛剤が人体の頭髪を染毛する上で体温を考慮して調製されていることから、予測されていた事項ではあったが、今回のL*値、a*値、b*値の測定試験によってそのことが明らかとなった。
一方、実施例1のようにウィッグの毛髪を予め脱色剤で脱色した場合、脱色していないウィッグの毛髪(比較例3)や人体の頭髪(比較例1)に比べてL*値が非常に高いものであった。またa*値及びb*値も同様に高いものであった。これに対して、実施例1のウィッグの毛髪を、実施例2の染毛剤で染毛した後においては、染毛前に比べてL*値、a*値、b*値ともに大幅に低下した。これは、予め脱色剤で脱色していたとはいえ、体温の影響のないウィッグの毛髪に染毛した結果と推定される。
しかしながら、実施例2の染毛剤で染毛した後のL*値、a*値、b*値は、人体の頭髪に染毛した場合(比較例2)のL*値、a*値、b*値に非常に近い数値であった。この結果、人毛からなるウィッグを上記実施例1の脱色剤で脱色した後に実施例2の染毛剤で染毛すると、人体の頭髪に染毛した場合に非常に近い色に染毛することができることが分かった。
実施例1の脱色後に実施例2で染毛した結果が、脱色していないウィッグの毛髪に染毛した場合(比較例4)に比べてL*値、a*値、b*値ともに高く、暗い色にならなかったことは表1からも明らかであるが、本試験結果の意義は、むしろ上記実施例1を経た実施例2の結果が、人体の頭髪に染毛した場合(比較例2)のL*値、a*値、b*値に非常に近かったことであり、従来のウィッグの毛髪を染毛してこのような色を呈することが極めて困難であっただけに、今回の試験結果は画期的なものといえる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】一実施形態のウィッグを示す平面図。
【図2】ウィッグに具備されているベースを示す平面図。
【図3】図2のA−A線拡大断面図。
【符号の説明】
【0051】
1…ベース 2…毛髪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の頭髪に着脱自在に取り付けられるウィッグにおいて、毛髪(2)が人毛で構成され、且つ前記毛髪(2)は、L*a*b*表色系(JIS Z 8729)のL*値が20.0〜45.0となるように脱色されていることを特徴とするウィッグ。
【請求項2】
使用者の頭髪に着脱自在に取り付けられるウィッグにおいて、毛髪(2)が人毛で構成され、且つ前記毛髪(2)は、L*a*b*表色系(JIS Z 8729)のL*値が23.0〜38.0となるように脱色されていることを特徴とするウィッグ。
【請求項3】
使用者の頭髪に着脱自在に取り付けられ、毛髪(2)が人毛で構成されたウィッグの製造方法において、前記人毛からなる毛髪(2)の色がL*a*b*表色系(JIS Z 8729)のL*値で20.0〜45.0の色となるように脱色することを特徴とするウィッグの製造方法。
【請求項4】
使用者の頭髪に着脱自在に取り付けられ、毛髪(2)が人毛で構成されたウィッグの製造方法において、前記人毛からなる毛髪(2)の色がL*a*b*表色系(JIS Z 8729)のL*値で23.0〜38.0の色となるように脱色することを特徴とするウィッグの製造方法。
【請求項5】
使用者の頭髪に着脱自在に取り付けられ、毛髪(2)が人毛で構成されたウィッグの染毛方法において、前記人毛からなる毛髪(2)の色がL*a*b*表色系(JIS Z 8729)のL*値で20.0〜45.0の色となるように脱色剤で脱色した後、脱色後の毛髪(2)を染毛剤で染毛することを特徴とするウィッグの染毛方法。
【請求項6】
使用者の頭髪に着脱自在に取り付けられ、毛髪(2)が人毛で構成されたウィッグの染毛方法において、前記人毛からなる毛髪(2)の色がL*a*b*表色系(JIS Z 8729)のL*値で23.0〜38.0の色となるように脱色剤で脱色した後、脱色後の毛髪(2)を染毛剤で染毛することを特徴とするウィッグの染毛方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−39834(P2007−39834A)
【公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−225572(P2005−225572)
【出願日】平成17年8月3日(2005.8.3)
【出願人】(000112266)ピアス株式会社 (49)