説明

ウイルスの固定化及び安定化

【課題】ウイルスの生物学的活性を保持しつつ、当該ウイルスを固定化する、細菌感染の予防及び/又は処置に使用されるデバイス及びその使用方法の提供。
【解決手段】コロナ放電により固相物質に固定化されたバクテリオファージを含む、細菌感染の予防及び/又は処置における使用のためのデバイスであって、該バクテリオファージが、該バクテリオファージと該固相物質との間に形成した共有結合を介して該固相物質へ固定化されており、該バクテリオファージが感染性を保持しているデバイス及びその使用方法。該デバイスとしては、絆創膏、縫合糸、圧定布又は創傷包帯、インプラント、ビーズ又は硬膏剤の形態であることが好ましい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療における使用、特に抗生物質(殺菌剤)又は静菌剤(bacteriostatic agent)としての使用、抗菌物質耐性表在性感染の処置における使用及びワクチン接種における使用のための、バクテリオファージを含むウイルスを、好ましくは固相基材(solid phase substrate)へ固定化する方法及び適宜安定化する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
細菌は、新規な抗微生物剤に対する耐性の開発が巧いことが示されており、いわゆる「スーパーバグ(super-bugs)」は、世界中の病院においてスーパーバグに関連する感染及び致死率と戦うための手段に費やされるコスト上昇の原因である。例えば、個人患者(individual patient)又は特別な環境及び微生物のカタログを有する病院における抗生物質の使用は、抗生物質感受性細菌を破壊するが、固有に耐性のある細菌又は染色体外耐性を獲得した細菌の増殖を許容する。したがって、多数の抗生物質を使用すればする程、より多くの耐性菌が生じる。
【0003】
細菌は、綿及び/又はポリエステル製の白衣、プライバシー・カーテン及びあらゆる物に対するポリエチレン製のはねよけエプロン(splash apron)を含む一般的な病院の素材において7週間まで生存することができるので、感染が蔓延するチャンスが増加する。実際、病室及び診療器具を殺菌するために使用される一般的な殺菌薬は、「スーパーバグ」の蔓延を抑制するのには不十分である。
【0004】
更に、本質的に新しい抗生物質は少なくとも30年間開発されておらず、また、次の10年間で抗生物質の新しいクラスが発見されることはおろか、開発されるという保証もない。
【0005】
「スーパーバグ」との戦いにおける抗生物質に対する代替はバクテリオファージの使用である。バクテリオファージは、特定の細菌に感染する水系ウイルス(water-borne virus)である。ウイルス粒子は、形状及び0.02〜0.3μmの大きさにおいて異なり、かつ、ウイルスゲノムを形成するRNA又はDNAを、二本鎖又は一本鎖のいずれかで含む。ウイルスは異なる構造を有するが、核酸はタンパク質コート(キャプシド又はシェル)によって囲まれたウイルス粒子内に常に位置している。核酸とタンパク質との複合体(ヌクレオキャプシド)はウイルスの全体構造(例えば、RNA細菌ウイルスであるφ6又は、DNA細菌ウイルスであるφX174)であってもよいが、より複雑な構造が生じることもある。エンベロープウイルスは、キャプシドの周りに脂質及びタンパク質の膜を有するだろう。一方、複合ウイルス(complex virus)は正二十面体の頭部だけでなく、20までのタンパク質を有するヘリカル尾部(helical tail)を尾部内に有する。
【0006】
宿主に感染したバクテリオファージは、溶菌(lytic)又は溶原(lysogenic)経路のいずれかにより増殖することができる。自己のDNAを細菌の染色体へ組み込むことができるバクテリオファージは、溶原性バクテリオファージとして知られ、組み込まれたウイルスDNAは、宿主の染色体とともに複製されて新しい組み込み型のウイルスDNAコピーを生成する。あるいは、ウイルスは自由に複製して数百の子孫粒子を生成するだろう。細胞の溶解により多数の遊離ウイルスが放出され、これらのウイルスは隣接する細菌に感染することができる。バクテリオファージは1917年に最初に同定されたけれども、西洋では、バクテリオファージの医薬における応用への研究はほとんどなかったが、ロシアでは研究が持続して、成功が証明されていた。それでも、バクテリオファージ療法についての種々の問題が残っている。例えば、バクテリオファージは容易に増殖するが、特に不安定であるため、保存が困難である。
【0007】
Bennett等(1997)は、サルモネラ特異的バクテリオファージの吸着による固定化を言及している。彼等はポリスチレン固相へのバクテリオファージの受動的吸着を詳述している。しかしながら、この方法は、「頭部」基及び「尾部」基を経て固定化される複合バクテリオファージ(complex bacteriophage)が原因で役に立たない。尾部基は、特定の細菌を認識しかつ感染するために遊離型であることが要求される。更に、吸着方法は、吸着したバクテリオファージを脱着してかつ遊離のバクテリオファージを放出するように可逆的である。この方法の生成物は、食物から特定の細菌を除去するための分離システムとしての使用についてのみ記載されており、バクテリオファージが生存可能であることは要求していない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、前述の不利益の少なくとも幾つかを除去及び/又は軽減することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
概して、本発明は、ウイルスの生物学的活性を維持しながら当該ウイルスを固定化及び適宜安定化する方法を最初に記述するものである。更に、本発明は、当該方法の治療における使用、例えば、特定の耐性細菌が存在するとき及び存在するときにのみ当該細菌を破壊する能力を有する固定化ウイルス(例えばバクテリオファージ)を含む医療用デバイスの製造における使用を実証する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、創傷モデル1のグラフ表示である。このグラフは、外科的創傷をシミュレートした生豚肉の表面に存在する細菌スタフィロコッカス・アウレウスを殺すバクテリオファージを有する又は有しないナイロンストリップの3日間の活性を示す。活性は3つの複製の平均値を示す。スコア+は細菌の透明化を示し、スコア-は細菌が濁ったままであることを示す。
【図2】図2は、創傷モデル2のグラフ表示である。活性は9日間の測定であり、図1と同様にスコア付けをした。ナイロン+/-バクテリオファージを新鮮生豚肉の創傷へ挿入し、3日毎に新鮮組織と交換した。
【図3】図3は、タンパク質分解活性に対する固定化バクテリオファージの耐性のグラフ表示である。シリーズ1:対照。シリーズ2:0.1g/lトリプシン。シリーズ3:0.5g/lトリプシン。シリーズ4:2.5g/lトリプシン。
【図4】図4は、活性化ナイロンに固定化したバクテリオファージ数のグラフ表示である。経時的なファージ数の減少を示す。
【図5】図5は、図4について、活性化ナイロン(5×1cm)の大きなストリップを用いて繰り返したものである。
【図6】図6は、創傷モデル1及び2(それぞれ、図1及び図2に示す)の概略図である。
【図7】図7は、アデノウイルスによる動物細胞感染のグラフ表示である。このグラフは、遊離アデノウイルス及びナイロンに固定化したアデノウイルスのHEK293細胞への感染性を示す。
【0011】
第一の側面において、本発明は、基材に固定化されたウイルスを含む医療用途用デバイスを提供することである。
【0012】
本発明の更なる側面では、抗生物質(殺菌剤)又は 静菌剤として使用するための、基材に固定化されたウイルスを含むデバイスが提供される。好ましくは、前記ウイルスはバクテリオファージである。
【0013】
固定化は、例えば化学結合による特定の物理的固定化に関するものであると理解される。それゆえ、固定化は、ウイルスの基材へのあらゆる受動的付着(passive adherence)とは区別される。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明にしたがう用語「ウイルス」は、細菌、植物及び/又は動物の細胞へ感染する二本鎖又は一本鎖のRNA又はDNAウイルスを含む。これらには、以下に示す科:イリドビリダエ(Iridoviridae)、アフリカブタコレラウイルス(African swine fever virus)、ポキシビリダエ(Poxiviridae)、パルボビリダエ(Parvoviridae)、レオビリダエ(Reoviridae)、ビルナビリダエ(Birnaviridae)、ピコルナビリダエ(Picornaviridae)、トガビリダエ(Togaviridae)、フラビビリダエ(Flaviviridae)、ラブドビリダエ(Rhabdoviridae)、ブンヤビリダエ(Bunyaviridae)、ヘルペスビリダエ(Herpesviridae)、アデノビリダエ(Adenoviridae)、パポバビリダエ(Papovaviridae)、ヘパドナビリダエ(Hepadnaviridae)、コロナビリダエ(Coronaviridae)、カリシウイルス(Calicivirus)、アレナビリダエ(Arenaviridae)、パラミクソビリダエ(Paramyxoviridae)、オルトミクソビリダエ(Orthomyxoviridae)、フィロビリダエ(Filoviridae)、レトロビリダエ(Retroviridae)、バキュロビリダエ(Baculoviridae)、ポリドナビリダエ(Polydnaviridae)、ヌダウレリア(Nudaurelia)β群、ノダビリダエ(Nodaviridae)、カウリモウイルス(Caulimovirus)、ジェミニウイルス(Geminivirus))、トマト黄化えそウイルス群(Tomato spotted wilt virus group)、ルテオウイルス(Luteovirus)、マクロウイルス(Machlovirus)、ネクロウイルス(Necrovirus)、ソベモウイルス(Sobemovirus)、トンバスウイルス(Tombusvirus)、チモウイルス(Tymovirus)、ブロモウイルス(Bromovirus)、ククモウイルス(Cucumovirus)、イラウイルス(Ilarvirus)、アルファファモザイクウイルス群(Alfafa mosaic virus group)、コモウイルス(Comovirus)、ディアンソウイルス(Dianthovirus)、ネポウイルス(Nepovirus)、エンドウマメ隆起モザイクウイルス群(Pea enation mosaic virus group)、トバモウイルス(Tobamovirus)、トブラウイルス(Tobravirus)、ホルデイウイルス(Hordeivirus)、ポテックスウイルス(Potexvirus)、ポチウイルス(Potyvirus)、カルラウイルス(Carlavirus)、クロステロウイルス(Closterovirus)、トチビリダエ(Totiviridae)、パルティティビリダエ(Partitiviridae)、ミオビリダエ(Myoviridae)、スチロビリダエ(Styloviridae)、ポドビリダエ(Podoviridae)、テクチビリダエ(Tectiviridae)、プラズマビリダエ(Plasmaviridae)、コルチコビリダエ(Corticoviridae)、マイクロビリダエ(Microviridae)、イノビリダエ(Inoviridae)、シストビリダエ(Cystoviridae)及びレビビリダエ(Leviviridae)由来のウイルスが含まれる。
【0015】
ウイルスには、前記の科に分類されないウイルス又は感染性因子、例えば植物サテライトウイルス(plant satellite viruses)、プリオン、バキュロウイルス及びバクテリオファージがそれぞれ含まれることが理解されるべきである。
【0016】
本発明にしたがう用語「バクテリオファージ」は、特定の細菌株に感染するバクテリオファージ、例えばサルモネラ、大腸菌(Escherichia coli)、スタフィロコッカス又はシュードモナスバクテリオファージの表示である。
【0017】
本発明にしたがう用語「医療」とは、ヒト、動物又は植物におけるウイルス、細菌又はプリオンの感染及び/又はコンタミネーションの処置又は予防を意味すると理解されるべきである。例えば、細菌の感染及び/又はコンタミネーションの場合、処置又は予防は、基材上に固定化したバクテリオファージにより達成されるだろう。当業者は、バクテリオファージが細菌の特定株を認識して感染することができることを理解するだろう。したがって、本発明にしたがい基材へ固定化されたバクテリオファージは、細胞溶解を経た細菌の選択的殺菌を誘導することによる「殺菌剤」として、又は、細菌の増殖を阻害することによる「静菌剤」として、株特異的細菌感染と戦うために利用されるだろう。基材へ固定化されたバクテリオファージは、細菌がコンタミネートした材料を「殺菌」するために抗菌剤/消毒薬としても利用されるだろう。
【0018】
本発明にしたがう用語「基材」とは、ウイルスが固定化されるあらゆる固相物質を意味すると理解される。例えば、基材は、有利に活性化されて、例えば複合バクテリオファージ等のウイルスの頭部基特異的結合(head-group specific binding)を許容する物質であってもよい。基材は、多数の形態、例えばナイロン及びアミノ表面基(amino surface group)又はカルボキシル表面基(carboxyl surface group)を有するその他のポリマー、セルロース又はその他のヒドロキシル含有ポリマー、ポリスチレン又はその他の類似のポリマー、種々のプラスチック又はマイクロビーズ(磁性粒子を含む)、生物学的物質の形態を採ってもよい。より好ましくは、基材は、治療/医薬に一般的に使用される物質からなる。例えば、外科手術で使用するナイロン糸、開放創を手当てするために使用するプラスチック、リント布又はガーゼ材料、摂取することができるマイクロビーズ、シアノアクリレート等の接着剤及び/又はコラーゲン又はヒアルロン酸等の生物学的物質である。
【0019】
基材へのウイルスの固定化は、多数の方法により達成されるだろう。好ましくは、バクテリオファージ等のウイルスは、結合を介して、典型的にはバクテリオファージのコートタンパク質と基材との間に形成する共有結合を介して固定化される。
【0020】
より好ましくは、バクテリオファージは、当該バクテリオファージの添加及びカップリングの前に基材を活性化することにより、頭部基又はヌクレオカプシドを介して当該基材へ固定化される。
【0021】
本発明にしたがう用語「活性化した/活性化する/活性化」とは、基材と種々の化学基とを反応させる(界面化学(surface chemistry)を、バクテリオファージの頭部及びキャプシド基等のウイルスへ結合可能のままにしておく)ことによる基材の活性化を意味すると理解される。
【0022】
基材の活性化は、例えば酸、好ましくはHClによる予備的な加水分解工程、続く水及びアルカリによる洗浄工程による酸の除去により達成されるだろう。好ましくは、アルカリは炭酸水素ナトリウムである。ウイルス、例えばバクテリオファージの、その頭部基を介した結合は重要である。複合バクテリオファージの場合、例えば、頭部基を介した結合は尾部基を残す。尾部基は、細菌を特異的に認識して、自由に感染するため、すなわち、宿主細菌細胞に結合して侵入するために必要である。この宿主細胞への感染のメカニズムは、細菌にのみ感染し増殖するウイルス以外のその他多数のウイルスに類似すると理解されるだろう。複数のウイルス、例えば種々の株特異的バクテリオファージを、どの時点においても基材へと固定化することができるだろう。
【0023】
ウイルスの基材へのカップリングは、ウイルスのコートタンパク質と基材との間の共有結合、例えばペプチド中のアミノ基を経た、例えばペプチド結合が形成した結果である。この工程を補助する「カップリング剤」は、使用する基材に依存して異なる。例えば、基材であるナイロン又はアミノ表面基又はカルボキシル表面基を有するその他のポリマーへカップリングするためには、カップリング剤であるカルボジイミド又はグルタルアルデヒドが使用されるだろう。基材であるセルロース又はその他のヒドロキシル含有ポリマーへカップリングするためには、カップリング剤であるビニルスルホニルエチレンエーテル又はトリアジンが使用されるだろう。ウイルスを基材であるポリシーン(polythene)又はその他の類似のポリマーへカップリングするためのカップリング剤には、コロナ放電又は過マンガン酸塩酸化が含まれる。一般的に、バクテリオファージを基材へカップリングするためのカップリング剤には、S-アセチルメルカプトコハク酸無水物; S-アセチルチオグリコール酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル; アジピン酸ジヒドラジド; 4-アジド安息香酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル; N-(5-アジド-2- ニトロベンジルオキシ) スクシンイミド;6-(4-アジド-2- ニトロフェニルアミノ)ヘキサン酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;p-アジドフェナシルブロミド; 4-アジドサリチル酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル; ブロモ酢酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル; 1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル;2-ジアゾ-3,3,3-トリフルオロプロピオン酸 p-ニトロフェニルエステル; ジエチルマロニミデート(diethyl malonimidate); 4,4'-ジイソチオシアネートスチルベン-2, 2'-ジスルホン酸; ジメチルアジピミデート(dimethyl adipimidate);ジメチル 3,3'-ジチオビスプロピオンイミデート(dimethyl 3,3'-dithiobispropionimidate);ジメチルピメルイミデート(dimethyl pimelimidate);ジメチルスベルイミデート(dimethyl suberimidate); 4,4'-ジチオビスフェニルアジド; ジチオビス(プロピオン酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル); エチレングリコールビス- (コハク酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル); 4-フルオロ-3-ニトロフェニルアジド; p-ホルミル安息香酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル; グルタルアルデヒド; 2-イミノチオラン(2-Iminothiolane);6- (ヨードアセトアミド)カプロン酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル; ヨード酢酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;3-マレイミド酢酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル; 3-マレイミド安息香酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;4- (N. マレイミド) ベンゾフェノン; γ-マレイミド酪酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル; ε-マレイミドカプロン酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル; 4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキセンカルボン酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル; 4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサンカルボン酸 3-スルホ-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル; β-マレイミドプロピオン酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル; N,N'-ビス(3-マレイミドプロピオニル)-2-ヒドロキシ-1,3-プロパンジアミン; 1,4-フェニレンジイソチオシアネート; N,N'-o-フェニレンジマレイミド; ポリオキシエチレンビス(グリシジルエーテル); ビス(ポリオキシエチレンビス(グリシジルエーテル); ポリオキシエチレンビス(イミダゾリルカルボニル)1; ビス(ポリオキシエチレンビス[イミドリルカルボニル]); ポリオキシエチレンビス(p-ニトロフェニ)カーボネート); 3-(2-ピリジルジチオ)プロピオン酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル; スベリン酸ビス(N-ヒドロキシスクシンイミド)エステル; コハク酸マレイミドエチル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル; 1,5-ビス(スクシンイミドオキシカルボニルオキシ)-ペンテン; ビス(N-スクシンイミジル)カーボネートが含まれる。
【0024】
有利には、本発明者は、ウイルスを基材に固定化した場合、その固定化が安定性を与えることを見いだした。例えば、固定化ウイルスは、当該ウイルスを不活性化する作用物質、例えばプロテアーゼと接触したとき、同様に当該ウイルスを不活性化する脱水、温度又はpH等の物理的ストレスへ暴露したときに、当該ウイルスの生存度及び感染性を維持される方法で安定化される。更なる安定性が、脱水、長期間の保存及びその他のストレスに対してタンパク質を保護する既知化合物を使用して、固定化ウイルスへと与えられる。そのような化合物の例は、トレハロースである。
【0025】
トレハロース及び機能性類似体を含むその他の類似物質は、多数の化学物質、生組織及びウイルスを含む生物に対する安定化剤として知られる(Colaco等, 1992; Crowe 及び Crowe 2000)。二糖であるトレハロースは、乾燥動物(dry animal)及びその他の無水生物(anhydrobiotic organism)における膜及びタンパク質の安定化に関与することが証明されている。前記の動物には、例えば乾燥パン酵母であるサッカロミセス・セレビシアエ(Sacchoromyces cerevisiae)、テマリカタヒバ(resurrection plant)、特定の甲殻類のシスト(塩水エビであるアルテミア(brine shrimp Artemia)を含む)及び多数の細菌が含まれる(Crowe 及び Crowe, 2000, Nature Biotech., 18, pp 145-146)。トレハロースは、凍結している間の哺乳類細胞(Beattie等, 1997, Diabetes, 46,pp519-523)及び乾燥している間のタンパク質(Colaco等 , 1992, Biotechnology, 10,ppl007-1011)を保存することも示されている。更にトレハロースは、自然状態におけるウイルスの安定化に関与することも証明されている(Bieganski等 , 1998, Biotechnol. Prog. , 14,615-620)。
【0026】
「トレハロースを用いた、無定形(amorphos)乾燥状態における活性組換えレトロウイルスの安定化」
本発明は、トレハロースを使用して天然状態のウイルスを安定化することを示すだけではなく、共有結合によって基材へ固定化したウイルスのトレハロース処理による更なる安定化を初めて示すものである。したがって、本発明の更なる側面において、本発明にしたがい基材へ固定化されたウイルスを含むデバイスを更に安定化するためのトレハロースの使用が提供され、本明細書で以下に説明される。既知のタンパク質の共有結合による固定化(化学結合の形成)は安定性を実質的に増加させる。本発明者等は、このことがバクテリオファージに対しても真実であることを、かなりの分子量を有する不溶性ナイロン/バクテリオファージ共重合体の安定性について本明細書に記載することによって示す。
【0027】
したがって、本発明にしたがい、基材に固定化されたウイルスを、乾燥及び貯蔵の前に、例えばトレハロースで被覆し、例えばトレハロース溶液に浸漬して、当該ウイルスがその生存度及び感染力を維持するようにしてもよい。
【0028】
本発明の更なる適用には、MRSAの処置、食中毒(この場合、バクテリオファージは、摂取することができるマイクロビーズの懸濁液等の基材に固定化される)、診療器具/表面の汚染除去、例えば縫合糸又は創傷包帯へ適切なバクテリオファージを固定化することによるメチシリン耐性スタフィロコッカス・アウレウス (Staphylococcus aureus)又はVISA (バンコマイシン非感受性スタフィロコッカス・アウレウス)の感染予防、カテーテル及び類似のデバイスの表面へ適切なバクテリオファージを固定化することによる当該デバイスを経た特定の病原体侵入の予防、例えば適切なバクテリオファージを固定化した直径約10μmの微粒子を吸入することによる結核等の肺感染の治療、例えば適切なバクテリオファージ株を固定化した微粒子を注射することによる髄膜炎等の感染の治療、例えば適切な固定化バクテリオファージを含む粒子又はゲルによる消化管感染の治療、細菌性植物病の処置、例えば適切なバクテリオファージを食餌へ組み込むことによるウシにおける大腸菌(E.coli)の除去、食中毒を引き起こす生物のコンタミネーションを予防又は除去するための食物包装材料への適切なバクテリオファージの組み込み、例えば病院又は農場における表面(surface)のコンタミネーションを予防するための塗料への適切なバクテリオファージの組み込み、例えばレジオネラ(legionella)のコンタミネーションを予防するための、適切な固定化バクテリオファージを用いた空調ユニット表面の処理が含まれるだろう。
【0029】
本発明は、ワクチン接種目的で使用してもよい。例えば、本発明を使用してあらゆる生きている感染性ウイルスを固定化し、これを用いて危険にさらされている個体群へ予防接種してもよい。かかる使用は、特定のウイルスについてワクチンが存在しない場合に特に有用であり、あらゆる形態のウイルス感染予防が有用であろう。したがって、前記のウイルスを固定化し、直接ワクチン接種に使用して、より標準的な弱毒ウイルスの開発にかかる時間を低減してもよい。前記のワクチン接種は、極端な場合、特にヒトに関してのみ行われることが理解されるだろう。理論に束縛されることを望むものではないが、ワクチン接種に使用された固定化ウイルスの作用は、当該固定化ウイルスがワクチン接種部位から標的細胞へ到達することができず、固定化ウイルスの患者への感染が妨げられていることにあるだろう。それゆえ、この点に関し、固定化HIVウイルスをワクチン接種に使用することができないことが理解されるだろう。好ましくは、固定化ウイルスは通常のワクチンよりも長く接種部位に維持されて、良好な免疫反応が生じることを許容する。有利には、本発明者は、本発明のウイルス固定化が、遊離の固定化されていないウイルスを実質的に低減又は除去することを示した。
【0030】
更なる側面において、本発明は、そこに固定化されたウイルスを有する基材を含むデバイスを製造する方法であって、
a)基材を活性化して、ウイルスが該基材へ結合することを許容する工程、
b)該修飾された基材と、ウイルスと、該ウイルスの該基材への結合を補助するカップリング剤とを混合する工程
を含む方法を提供する。
【0031】
更なる側面において、本発明の方法は、c)該デバイスと、該修飾基材が脱水、長期間の保存及び/又はその他のストレスに暴露されたときに該修飾基材に結合したウイルスの生存度及び感染性を維持する安定化剤とを混合する工程を更に含む。
【0032】
用語「活性化する」は、本明細書で定義されたとおりであることが理解されるべきである。
【0033】
好ましくは、本発明にしたがう安定化剤は、トレハロース、又は、脱水、長期間の保存及びその他のストレスに対してタンパク質又はウイルスを保護することが当該技術分野で知られている既知の熱ショックタンパク質等のその他の物質である。
【0034】
本発明の好ましい態様では、前記の安定化剤と混合したデバイスを乾燥して、ウイルスの感染性及び生存度を維持しつつ長期間の保存を許容する。
【0035】
本発明を、以下の方法及び図面を参照して実施例により詳述する。
【0036】
方法
増殖:細菌の一晩の継代培養を、1.5×109 細胞/mlの細胞濃度へ調節した。これの0.1mlを1×105 pfu(プラーク形成単位)のバクテリオファージと混合した。37℃で20分間のインキュベーション後、混合物を1.5% LB寒天へ注いだ。これの上に0.7% LB寒天を積み重ねて固化させた。プレートを37℃で12時間インキュベートした。ほとんどコンフルエントなバクテリオファージプラークが形成した。
【0037】
バクテリオファージを、5mlの滅菌バクテリオファージ懸濁緩衝液の添加及び振盪によって集めた。緩衝液中に懸濁したバクテリオファージを、遠心分離及び100kDaカットオフフィルターを通した濾過により精製して、細菌タンパク質を除去した。収率はl×109 pfu/mlであった。
【0038】
プラークアッセイ:バクテリオファージの存在について、「増殖」の項に記載した2層プレートアッセイにより、行った。
【0039】
固定化:ナイロンストリップ8×1cmを使用した。
【0040】
活性化:ナイロンを、4M HClを用いた70℃で2.5分に予備的な加水分解により活性化し、蒸留水及び0.1M炭酸水素ナトリウム中で洗浄して、酸を除去した。
【0041】
ナイロン又はアミノ表面基又はカルボキシル表面基を有するその他のポリマーへのカップリング
i)カップリング剤としてのカルボジイミド
ナイロン表面を短い酸加水分解に付した後、サンプルをジメチルホルムアミド(DMF)で洗浄し、20mM 1-シクロヘキシル-3-[2-モルホリノエチル]-カルボジイミドメチル-p-トルエンスルホネートを添加する。溶液を90分間攪拌し、次いでナイロンをDMFで洗浄する。
活性化ナイロンを、適切な緩衝液中でバクテリオファージと共に一晩攪拌し、次いで洗浄して非結合性のバクテリオファージを除去する。
【0042】
ii)カップリング剤としてのグルタルアルデヒド
ナイロン表面を短時間の酸加水分解に付した後、サンプルを0.1M炭酸水素塩緩衝液(pH9.4)で洗浄し、0.1M炭酸水素塩緩衝液中、10%グルタルアルデヒドと共にインキュベートした。次いで表面を炭酸水素塩緩衝液及び水の中で洗浄し、その後、適切な緩衝液中のバクテリオファージと共に一晩インキュベートした。
【0043】
セルロース又はその他のヒドロキシル含有ポリマーへのカップリング
i)ビニルスルホニルエチレンエーテル
ヒドロキシル含有ポリマーをビニルスルホンでpH11で処理することにより、ビニルスルホニル基を当該ポリマーへ導入することができる。活性化したポリマーを、適切な緩衝液中、バクテリオファージと共に一晩攪拌し、次いで洗浄して非結合性のバクテリオファージを除去する。
【0044】
ii)トリアジン添加
セルロース又は修飾セルロース(約10g)を、1gの2-アミノ-4,6-ジクロロ-s-トリアジンを含むアセトン/水(1:1)の50mlへ5°で添加し、5分間攪拌する。次いで、0.6容量の1M HClを添加した15%(w/v)水性炭酸ナトリウム 20mlを反応混合物へ注ぐ。次いで濃HClを添加して混合物のpHを7未満にする。アミノ-クロロ-s-トリアジン置換セルロースをアセトン/水で洗浄し、次いで水で洗浄し、最後にpH7.0としての0.05Mリン酸緩衝液で洗浄する。バクテリオファージとのカップリング反応を、pH8.0下、0.05Mリン酸緩衝液中、12〜18時間攪拌することにより行う。
【0045】
ポリシーン又はその他の類似ポリマーへのカップリング
1.コロナ放電
ポリシーンを約1秒間のコロナ放電に暴露した。トレハロースの存在下で脱水したバクテリオファージを、当該処理表面へ直ちにまぶした(dust)。
【0046】
2.過マンガン酸塩酸化
ポリシーンを、濃過マンガン酸カリウム溶液へ数時間暴露し、蒸留水で洗浄し、直ちにトレハロース又はその他の安定化剤中、バクテリオファージで処理した。
【0047】
実施例1
1.大腸菌(Escherichia coli)11291を有するバクテリオファージP1
ナイロン/バクテリオファージ調製物へ、約1×108細胞/mlの50mlの細菌培養物で挑戦した。インキュベーション後、培養物を2層プラークアッセイによりアッセイした。
【0048】
実施例2
大腸菌(E. coli)に対するバクテリオファージλ
本実験では、固定化系の調製で使用したpfuの数と、当該固定化系へ細菌で挑戦したときに観察されたpfuの数とを比較する。
【0049】

このバクテリオファージ-細菌の組み合わせを有する固定化系から生じたバクテリオファージプラーク数は、固定化バクテリオファージが生存可能でありかつ感染性であること、及び、調製で使用した遊離バクテリオファージ数と固定化系により生成したバクテリオファージとの関係を示す。
【0050】
実施例3
スタフィロコッカス・アウレウスに対する未知のバクテリオファージ
スタフィロコッカス・アウレウスのローン(lawn)を、0.18μのフィルターで濾過して細菌を除去した汚染水と共にインキュベートすることによりバクテリオファージを分離した。プラークが形成した場所は、溶菌性バクテリオファージの存在を示した。これを、前記と同様にして分離して、増殖させた。
【0051】

【0052】
実施例4
生存度に対するトレハロースの影響
実験系は、ナイロン/バクテリオファージ調製物を種々の濃度のトレハロース溶液へ浸漬し、乾燥後にアッセイに付したことを除いて前記と同様であった(前記のナイロン/バクテリオファージ調製物は、使用前に24〜48時間緩衝液中で保存した)。乾燥した調製物は72時間後に使用した。
【0053】

【0054】
データは、固定化バクテリオファージが生存度及び感染性の有意な損失なしに少なくとも72時間の乾燥(dessication)及び保存に耐えることをトレハロースが可能にすることを示す。遊離バクテリオファージ、バクテリオファージなし及び固定化バクテリオファージサンプルは、乾燥及び保存のために処理していない対照であった。
【0055】

【0056】
データは、有意な数の生存可能かつ感染性のバクテリオファージがナイロンシートに固定化されたことを示す。推定の固定化バクテリオファージ数と固定化系から形成したプラーク数との間に容量/反応関係がある。
【0057】
洗浄の検証:
ナイロン/バクテリオファージ反応からの洗浄を、2層プラークアッセイによりアッセイして、遊離バクテリオファージ(化学反応の結果として共有結合性付着を形成しなかったバクテリオファージ)の除去速度及び除去効率を決定した。
【0058】

【0059】
実施例5
組織存在下におけるスタフィロコッカス・アウレウスに対するバクテリオファージNCIMB 9563(ATCC6538-B)
バクテリオファージ9563を、前記と同様にして増殖させ、ナイロン膜へ固定化し、洗浄して非結合性バクテリオファージを除去し、2つの実験状況でスタフィロコッカス・アウレウス株に対して試験した。
【0060】
1.動物組織の存在は固定化バクテリオファージの反応に影響するか?
固定化バクテリオファージを有するナイロン膜を、50mlのスタフィロコッカス・アウレウス増殖培地及び10gの浸漬牛肉(macerated beef)(創傷状況の模範となる)を有するフラスコ中に置き、当該フラスコへ2×108細菌細胞を接種し、37℃で24時間インキュベートした。サンプルを、前記の2層アッセイによって、バクテリオファージの存在について試験した。結果は、浸漬組織が固定化バクテリオファージ9536によるスタフィロコッカス・アウレウスへの感染へ有意に影響しなかったことを示した。
【0061】

【0062】
「予想プラーク数」は、固定化され、その後細菌培養物中で増殖することが予想されるバクテリオファージの推定数に基づいている。結果は、実験条件下、約10%の固定化バクテリオファージが細菌に感染したこと、それどころか、接種細菌の10%がナイロン膜と接触する状態になったことを意味している。
【0063】
2.固定化バクテリオファージは創傷モデルにおいて効果を有するか?
一連の2cm切れ目を牛肉又は豚肉切片に作成し、それぞれに2×108細菌細胞を接種した。固定化バクテリオファージ9536を有するナイロン膜切片を10の肉片へ挿入し、バクテリオファージを有しないナイロン膜切片を別の10の肉片へ挿入し、更に別の10の肉片は未処理のままとした。
【0064】
24時間後、未処理の肉片及びナイロンのみで処理した肉片において可視できる増殖が明らかになったが、固定化バクテリオファージで処理した肉片では観察されなかった。このことは、固定化バクテリオファージが筋組織存在下における細菌増殖予防に有効であることを示している。
【0065】
実施例6
1.創傷モデル:
固定化バクテリオファージを有する縫合糸を使用した仮想の臨床状況下において、ファージが活性である期間が長い程、より大きな保護が与えられる。コンタミネーションの主要期間は外科手術中及び外科手術直後であるが、標的細菌と縫合糸との接触が起こるまで物質は活性化されないだろう。
【0066】
初期の実験は、新鮮な生豚肉との表面接触を使用して、外科手術的創傷をシミュレートした。図6a参照。
【0067】
アッセイは、暴露ナイロン/ファージストリップを標的スタフィロコッカス・アウレウス(8588)培養物と共にインキュベートすることを含んでいた。暴露したストリップは、クロロホルム(2.5%)で滅菌して、豚肉表面に存在するその他の細菌のコンタミネーションを予防した。標的細菌は透明化(+結果)又は濁ったまま(-結果)のいずれかであった。
【0068】
結論:
活性は、「創傷」と接触した3日間は実質的に保持された。図1参照。
【0069】
創傷モデル2
本試験では、ストリップ(ナイロン/ファージ)を、新鮮生豚肉の創傷へ挿入し、3日毎に新鮮な組織で交換した。図6b参照。
結果を図2に示す。
【0070】
結論:
活性は、高レベルで6〜7日間保持された。この期間後、複製ストリップの1以上がスタフィロコッカス・アウレウス培養物を透明化することに失敗した。この結果は、単一の提供が、縫合糸が使用される見込みのある期間よりも長く、かつ、創傷包帯が交換されないままである期間よりも長く保護を提供することを示唆している。
【0071】
トリプシン消化
本試験の目的は、特定状況下での可能性のあるストレスであるタンパク質分解性分解に対し、ファージがどの程度耐えるかを決定することにあった。2つの実験アプローチを使用した。1つの実験アプローチでは、遊離バクテリオファージを試験して、トリプシンによって生じた不活性化に対する当該ファージの感受性を測定した。もう一つの実験アプローチでは、固定化バクテリオファージを試験して、固定化によるあらゆる保護効果を測定した。
【0072】
遊離ファージ試験1
3つの濃度のトリプシンを使用した。
0.1g/l
0.5g/l
2.5g/l
【0073】
試験は、5mlのストックファージを用い汎用チューブ中で行った。
サンプルを希釈し、標準プラークアッセイによって生存可能ファージについてアッセイした。
結果を図3に示す。
【0074】
結論:
これらの濃度及び時間のトリプシンは、遊離ファージに対して影響を与えなかった。
この実験を3回繰り返したが、同様の結果であった。
固定化ファージは、タンパク質分解性不活性化に対し、少なくとも遊離ファージと同等の耐性を示した。
この結果は、バクテリオファージの可能性のある経口投与についての暗示を有する。
【0075】
固定化されたファージの数
2つのアプローチを採用した。一方のアプローチでは、固定化後の残留ファージを測定した。他方のアプローチは電子顕微鏡検であった。
1.活性化ナイロンを、既知濃度のファージ溶液へ添加し、経時的なファージ数減少をプラークアッセイにより測定した。
結果を図5に示す。
ストリップの面積は5×1cmであり、固定化ファージの数はストリップあたり7×107であった。これは、15μ2あたり1つのファージという密度を与える。電子顕微鏡法も同様の密度(7〜15μの間隔)を与える。ファージの大きさは約0.3μであり、そのため、表面密度は増加するだろう。
【0076】
実施例7
スタフィロコッカス・アウレウスの疾病株に対し活性な溶菌性バクテリオファージの製造方法
環境ソースから分離した溶菌性バクテリオファージを、変異原性化学物質で処理して、その標的細菌に対する結合能力を変化させた。ランダム突然変異誘発は、あらゆる標準法により行うことができる。以下で報告する場合において、これはヒドロキシルアミン(4%)処理であった。
【0077】
結果

【0078】
結論
PF15a及びbは、院内感染の約70%の原因であるEMRSAタイプ15に対応する。PF16a及びMは、同感染の約20%の原因であるEMRSAタイプ16に対応する。このファージは、英国における全院内感染の90%に対して有効であろう。
【0079】
実施例8
固定化アデノウイルスの活性
背景
方法
ナイロンサンプルを、カルボジイミドを用いて前記と同様にして活性化し、Adeno-X-LacZ(登録商標)ウイルスストック(BD Biosciences Palo Alta, USA)と反応させた。サンプルを5回洗浄し、次いで12ウェルアッセイプレートのウェルへ導入した。健康なHEK293細胞(5×105細胞/ml)を、ポジティブコントロール及びネガティブコントロールと共に各ウェルへまいた。ポジティブコントロールは、固定化していないAdeno-X LacZウイルス(「遊離ウイルス」)からなっていた。細胞を、DMEM+10%ウシ胎仔血清培地中で培養した。ストックのいくつかの希釈物(10-2〜10-6)を使用した。プレートを、5%CO2/空気中、37℃で48時間インキュベートした。培地を除去し、細胞を5分間空気乾燥し、次いで1ml氷冷メタノールを各細胞へ添加することにより固定した。10分後、メタノールを除去し、ウェルを1mlリン酸緩衝生理食塩水(PBS)+1%ウシ血清アルブミン(BSA)で3回すすいだ。
【0080】
抗-ヘキソン抗体(BD Biosciences Palo Alta, USA)を1:1000に希釈し、0.5mlを各ウェルへ添加し、振盪しながら37℃で1時間インキュベートした。
【0081】
抗体を除去し、PBS+1%BSAで3回すすいだ。ラット抗-マウス抗体(ワサビペルオキシダーゼコンジュゲート)を1:500に希釈し、各ウェルに添加(0.5ml)し、振盪しながら37℃で更に1時間インキュベートし、PBS=1%BSA(1ml)で3回すすいだ。DAB検量線用溶液(DAB working solution)は、10×濃縮物を安定ペルオキシダーゼ緩衝液(BD Biosciences Palo Alta, USA)で希釈することにより調製した。
【0082】
0.5mlのDAB検量線用溶液を各ウェルへ添加し、室温下で10分間インキュベートした。DAB溶液を除去し、1ml PBSを添加した。
【0083】
免疫化プロトコール
Adeno-X-LacZ(登録商標)ウイルスを、前述のカルボジイミドプロトコール及び5回の洗浄を使用して直径約10ミクロンのナイロン球へ固定化した。固定化アデノウイルスを有するナイロン球の完全フロイントアジュバント中の懸濁液約0.25mlをBalb Cマウスへ注射し、3週間後更に0.3mlを注射した。
【0084】
最終の注射後、マウスを飼育(bled)し、アデノウイルスに対する抗体の存在について血清を試験した。
【0085】
ナイロンへ固定化したAdeno-X-LacZ(登録商標)を、抗-ヘキソン抗体の代わりにマウス由来希釈血清で処理した。その他のプロトコールは前節と同様であった。
【0086】
サンプリング
細胞層を有するウェルを、明視野及び位相差で10×、20×及び40×対物の下、倒立顕微鏡を使用して見た。ナイロンスクウェア(nylon square)をスライドにマウントし、明視野及び位相差顕微鏡を用いて10×、20×及び40×対物の下で見た。暗褐色に染まった細胞を感染あり(+)として解釈した。染まらなかった細胞を感染なし(-)として解釈した。
【0087】
結果
固定化アデノウイルスは、HEK293細胞へ感染することができなかった。遊離のウイルスは感染性であった。これは、固定化が、動物細胞によるウイルス粒子のファゴサイトーシスを妨げ、それゆえウイルスによる感染が妨げられたことを示している。
【0088】
固定化アデノウイルスは、マウスに注射したときに、免疫反応を与えた。このことは、アデノウイルスタンパク質がナイロン表面に存在していることを示している。
【0089】
参照文献
Bennett, A. R. , Davids, FGC. , Vlahodimou, S. , Banks, J. G. 及び Betts, R. P. , 1997. Journal of Applied Microbiology, . 83, 259-265.

Colaco, C.,Sen, S., Thangavelu, M., Pinder, S., 及び Roser, B., 1992. Biotechnology, 10, 1007-1011.

Crowe, J. H., 及び Crowe, L. M., 2000. Nature Biotechnology, 18, 145.
【0090】
本発明の好ましい態様について以下で付言する。
1.基材に固定化されたウイルスを含むことを特徴とする、医療用途用デバイス。
2.前記ウイルスがバクテリオファージである、上記1に記載のデバイス。
3.抗生物質(殺菌剤)又は静菌剤として使用するための、上記1又は2に記載のデバイス。
4.固定化が前記ウイルスへ増加した安定性を与える、前記上記のいずれかに記載のデバイス。
5.前記デバイスが、該デバイスに固定化された複数の種々の株特異的ウイルスを有する、上記のいずれかに記載のデバイス。
6.前記基材が、活性化されてウイルスの頭部基特異的結合を許容する物質である、上記のいずれかに記載のデバイス。
7.ウイルスが、該ウイルスと基材との間に形成した共有結合を介して固定化されている、上記のいずれかに記載のデバイス。
8.前記ウイルスが、その頭部基を経て固定化され、その尾部基は遊離のままである、前記上記のいずれかに記載のデバイス。
9.前記ウイルスの共有結合を介した基材への固定化が、カップリング剤の添加により補助されている、上記のいずれかに記載のデバイス。
10.前記カップリング剤が、基材であるナイロン又はアミノ表面基又はカルボキシ表面基を有するその他のポリマーへカップリングするためのカルボジイミド又はグルタルアルデヒド、基材であるセルロース又はその他のヒドロキシル含有ポリマーへカップリングするためのビニルスルホニルエチレンエーテル又はトリアジン、又は、ウイルスを基材であるポリシーン又はその他の類似ポリマーへカップリングするためのコロナ放電又は過マンガン酸塩酸化である、上記のいずれかに記載のデバイス。
11.前記固定化ウイルスが、脱水、長期間の保存及びその他のストレスに対してタンパク質を保護する化合物で処理されており、かつ、該固定化ウイルスが、処理されたときに、未処理ウイルスと比較して増加した生存度及び感染性を示す、上記のいずれかに記載のデバイス。
12.前記化合物がトレハロースである、上記11に記載のデバイス。
13.細菌性植物病の処置用である、前記上記のいずれかに記載のデバイス。
14.固定化バクテリオファージを食餌へ組み込むことによるウシの大腸菌除去用である、前記上記のいずれかに記載のデバイス。
15.食品包装として使用するための、上記のいずれかに記載のデバイス。
16.塗料として使用するための、上記のいずれかに記載のデバイス。
17.ワクチンとして使用するための、上記のいずれかに記載のデバイス。
18.基材に固定化されたウイルスを有する当該基材を含むデバイスを製造する方法であって、
a)該基材を活性化して、ウイルスが該基材へ結合することを許容する工程、及び
b)該修飾された基材と、ウイルスと、該ウイルスの該基材への結合を補助するカップリング剤とを混合する工程
を含むことを特徴とする方法。
19.c)前記修飾基材が、脱水、長期間の保存及び/又はその他のストレスに暴露されたときに、該修飾基材へ結合したウイルスの生存度及び感染性を維持する安定化剤を添加する工程
を更に含む、上記18に記載の方法。
20.前記基材を安定化する工程が、
1)酸を用いた予備的な加水分解工程、
2)水を用いた洗浄工程、及び
3)アルカリを用いて洗浄して、該酸を除去する工程
を含む、上記18又は19に記載の方法。
21.前記安定化剤がトレハロース又は熱ショックタンパク質である、上記19に記載の方法。
22.前記デバイスを乾燥して、長期間の保存を許容し、該デバイスはウイルスの感染性及び生存度を維持している、上記19〜21のいずれかに記載の方法。
23.ウイルス、細菌又はプリオンの感染及び/又はコンタミネーションの処置又は予防における薬剤を製造するための、前記上記のいずれかに記載のデバイスの使用。
24.上記1〜18のいずれかに記載のデバイスの固定化ウイルスを更に安定化するための、トレハロース又はその機能性類似体の使用。
25.細菌の感染及び/又はコンタミネーションの予防及び/又は処置のための医療用デバイスであって、基材として固定化されたバクテリオファージを含むことを特徴とする医療用デバイス。
26.絆創膏、縫合糸、圧定布又は創傷包帯、インプラント、ビーズ、硬膏剤等の形態である、上記25に記載のデバイス。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コロナ放電により固相物質に固定化されたバクテリオファージを含む、細菌感染の予防及び/又は処置における使用のためのデバイスであって、
該バクテリオファージが、該バクテリオファージと該固相物質との間に形成した共有結合を介して該固相物質へ固定化されており、
該バクテリオファージが感染性を保持している
ことを特徴とするデバイス。
【請求項2】
細菌コンタミネーションの予防及び/又は処置のための、固相物質に固定化されたバクテリオファージを含むデバイスの使用(ヒトへの適用を除く)であって、
該バクテリオファージが、該バクテリオファージと該固相物質との間に形成した共有結合を介して該固相物質へ固定化されており、
該バクテリオファージが感染性を保持している
ことを特徴とする使用。
【請求項3】
殺菌剤又は静菌剤として使用するための請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記デバイスが、固相物質に固定化された複数種類の株特異的バクテリオファージを有する、請求項1若しくは3に記載のデバイス。
【請求項5】
前記バクテリオファージの共有結合を介した固相物質への固定化が、カップリング剤の添加により補助されている、請求項1、3若しくは4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記カップリング剤が以下の化合物:
S-アセチルメルカプトコハク酸無水物;
S-アセチルチオグリコール酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;
アジピン酸ジヒドラジド;
4-アジド安息香酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;
N-(5-アジド-2- ニトロベンジルオキシ) スクシンイミド;
6-(4-アジド-2- ニトロフェニルアミノ)ヘキサン酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;
p-アジドフェナシルブロミド;
4-アジドサリチル酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;
ブロモ酢酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;
1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル;
2-ジアゾ-3,3,3-トリフルオロプロピオン酸 p-ニトロフェニルエステル;
ジエチルマロニミデート;
4,4'-ジイソチオシアネートスチルベン-2, 2'-ジスルホン酸;
ジメチルアジピミデート;
ジメチル 3,3'-ジチオビスプロピオンイミデート;
ジメチルピメルイミデート;
ジメチルスベルイミデート;
4,4'-ジチオビスフェニルアジド;
ジチオビス(プロピオン酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル);
エチレングリコールビス- (コハク酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル);
4-フルオロ-3-ニトロフェニルアジド;
p-ホルミル安息香酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;
グルタルアルデヒド;
2-イミノチオラン;
6- (ヨードアセトアミド)カプロン酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;
ヨード酢酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;
3-マレイミド酢酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;
3-マレイミド安息香酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;
4- (N. マレイミド) ベンゾフェノン;
γ-マレイミド酪酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;
ε-マレイミドカプロン酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;
4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキセンカルボン酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;
4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサンカルボン酸 3-スルホ-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;
β-マレイミドプロピオン酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;
N,N'-ビス(3-マレイミドプロピオニル)-2-ヒドロキシ-1,3-プロパンジアミン;
1,4-フェニレンジイソチオシアネート;
N,N'-o-フェニレンジマレイミド;
ポリオキシエチレンビス(グリシジルエーテル);
ビス(ポリオキシエチレンビス(グリシジルエーテル);
ポリオキシエチレンビス(イミダゾリルカルボニル)1;
ビス(ポリオキシエチレンビス[イミドリルカルボニル]);
ポリオキシエチレンビス(p-ニトロフェニ)カーボネート);
3-(2-ピリジルジチオ)プロピオン酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;
スベリン酸ビス(N-ヒドロキシスクシンイミド)エステル;
コハク酸マレイミドエチル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;
1,5-ビス(スクシンイミドオキシカルボニルオキシ)-ペンテン; 及び
ビス(N-スクシンイミジル)カーボネート
からなる群より選ばれる、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記固相物質がポリシーンである、請求項1、3若しくは4に記載のデバイス。
【請求項8】
前記固定化バクテリオファージがトレハロースで処理されており、かつ、該固定化バクテリオファージが、未処理バクテリオファージと比較して増加した生存度及び感染性を示す、請求項1、3、4、5、6若しくは7に記載のデバイス。
【請求項9】
細菌性植物病の処置用である、請求項2に記載の使用。
【請求項10】
食品包装としての、請求項2又は9に記載の使用。
【請求項11】
細菌の感染及び/又はコンタミネーションの処置又は予防のための医薬を製造するための、コロナ放電により固相物質に固定化されたバクテリオファージを含むデバイスの使用であって、
該バクテリオファージが、該バクテリオファージと該固相物質との間に形成した共有結合を介して該固相物質へ固定化されており、
該バクテリオファージが感染性を保持している
ことを特徴とする使用。
【請求項12】
絆創膏、縫合糸、圧定布又は創傷包帯、インプラント、ビーズ又は硬膏剤の形態である、請求項1、3、4、5、6、7若しくは8に記載のデバイス。
【請求項13】
殺菌剤又は静菌剤としての請求項2に記載のデバイスの使用。
【請求項14】
前記デバイスが、固相物質に固定化された複数種類の株特異的バクテリオファージを有する、請求項2若しくは13に記載の使用。
【請求項15】
前記バクテリオファージの共有結合を介した固相物質への固定化が、カップリング剤の添加により補助されている、請求項2、13若しくは14に記載の使用。
【請求項16】
前記カップリング剤が以下の化合物:
S-アセチルメルカプトコハク酸無水物;
S-アセチルチオグリコール酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;
アジピン酸ジヒドラジド;
4-アジド安息香酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;
N-(5-アジド-2- ニトロベンジルオキシ) スクシンイミド;
6-(4-アジド-2- ニトロフェニルアミノ)ヘキサン酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;
p-アジドフェナシルブロミド;
4-アジドサリチル酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;
ブロモ酢酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;
1,4-ブタンジオールジグリシジルエーテル;
2-ジアゾ-3,3,3-トリフルオロプロピオン酸 p-ニトロフェニルエステル;
ジエチルマロニミデート;
4,4'-ジイソチオシアネートスチルベン-2, 2'-ジスルホン酸;
ジメチルアジピミデート;
ジメチル 3,3'-ジチオビスプロピオンイミデート;
ジメチルピメルイミデート;
ジメチルスベルイミデート;
4,4'-ジチオビスフェニルアジド;
ジチオビス(プロピオン酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル);
エチレングリコールビス- (コハク酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル);
4-フルオロ-3-ニトロフェニルアジド;
p-ホルミル安息香酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;
グルタルアルデヒド;
2-イミノチオラン;
6- (ヨードアセトアミド)カプロン酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;
ヨード酢酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;
3-マレイミド酢酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;
3-マレイミド安息香酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;
4- (N. マレイミド) ベンゾフェノン;
γ-マレイミド酪酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;
ε-マレイミドカプロン酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;
4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキセンカルボン酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;
4-(N-マレイミドメチル)シクロヘキサンカルボン酸 3-スルホ-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;
β-マレイミドプロピオン酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;
N,N'-ビス(3-マレイミドプロピオニル)-2-ヒドロキシ-1,3-プロパンジアミン;
1,4-フェニレンジイソチオシアネート;
N,N'-o-フェニレンジマレイミド;
ポリオキシエチレンビス(グリシジルエーテル);
ビス(ポリオキシエチレンビス(グリシジルエーテル);
ポリオキシエチレンビス(イミダゾリルカルボニル)1;
ビス(ポリオキシエチレンビス[イミドリルカルボニル]);
ポリオキシエチレンビス(p-ニトロフェニ)カーボネート);
3-(2-ピリジルジチオ)プロピオン酸 N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;
スベリン酸ビス(N-ヒドロキシスクシンイミド)エステル;
コハク酸マレイミドエチル-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル;
1,5-ビス(スクシンイミドオキシカルボニルオキシ)-ペンテン; 及び
ビス(N-スクシンイミジル)カーボネート
からなる群より選ばれる、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
前記固相物質がポリシーンである、請求項2、13若しくは14に記載の使用。
【請求項18】
前記固定化バクテリオファージがトレハロースで処理されており、かつ、該固定化バクテリオファージが、未処理バクテリオファージと比較して増加した生存度及び感染性を示す、請求項2、13、14、15、16若しくは17に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−211135(P2012−211135A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−108682(P2012−108682)
【出願日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【分割の表示】特願2004−501598(P2004−501598)の分割
【原出願日】平成15年4月28日(2003.4.28)
【出願人】(500480746)ユニヴァーシティー オヴ ストラスクライド (7)
【Fターム(参考)】