説明

ウイルスファイバー

長桿状M13ウイルスがジョロウグモのスピニング工程を真似て一次元(1D)マイクロ−およびナノサイズの直径のファイバーを加工するために用いられた。液晶ウイルス懸濁液が架橋溶液(グルタールアルデヒド)中にマイクロメーターの直径のキャピラリーチューブを通して押し出された。得られたファイバーはキャピラリーチップの内径により数十マイクロメーターであった。AFMイメージから、ウイルスファイバーの分子長軸がファイバー長軸に匹敵することが確かめられた。水性M13ウイルス懸濁液はエレクトロスピニングによりスピンされないが、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールに懸濁したM13ウイルスはファイバーにスピンされた。高水溶性ポリマーのポリビニル 2−ピロリドン(PVP)と混合後、M13ウイルスは連続する単一形態のウイルス混合PVP(ウイルス−PVP)ファイバーにスピンされた。得られたウイルス−PVPエレクトロスピンファイバーは、緩衝溶液中に懸濁後に、細菌宿主への完全な感染能を示した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連特許出願の相互参照
本出願は、参照してその全体が本開示に取り込まれる、2003年10月15日出願、ベルヒャー(Belcher)らの米国仮出願第60/510,862号に対し、便益を主張する。
【0002】
本発明は連邦政府の以下の助成金:助成金番号 局)の下、開発された。政府は発明に関し一定の権利を有する。
【0003】
イントロダクション
イントロダクションの項は、明細書の最後にあり、本発明を実施するために当業者のガイドとして用いることができる多くの技術的刊行物を引用する。これらの引例のいずれかが実際に従来技術であるわけではない。
【背景技術】
【0004】
天然系の独特の構造や特異的な機能を真似る努力から、ナノサイエンスにおいて各種の有用なツールや材料が提供されてきた[1−14]。生物系は、高度にプログラムされた、自己組織化した、自己鋳型化構造を産生する[6−11]。例えば、アワビの殻にある少数のタンパク質は、純粋なCaCO3よりも3000倍強いCaCO3タンパク質複合体を核形成する[1]。現実にバイオミネラリゼーション(biomineralization)工程を真似ることにより、ベンチトップで遺伝子操作されたウイルスライブラリーの速い進化を通して選択されたタンパク質配列が所望の材料に特異的に結合し、所望の材料を核にすることができることが示されている[3−7]。これらの遺伝的にプログラムされたウイルスにより提供されたワンポット合成経路は自己組織化された、高次のナノ結晶複合材料を結果として生じる[4]。
【0005】
生体物質の独特な特性はそれらの構造と機能に限定されない。ジョロウグモとカイコは、水性液晶タンパク質(フィブロン)溶液にそれらの出糸突起(spinneret)を通過させることにより、高度に設計された連続ファイバーをスピンする[15−18]。フィブロン溶液が空気中に放出されると、どのような他のポリマーファイバースパンより強い、柔軟で高度に指向性の半結晶ファイバーに硬化する[17]。
【0006】
最近、多くの研究が、ナノロッド、ナノワイヤーおよびナノファイバーのようなナノサイズの一次元材料[19−24]、ならびに二次元および三次元の材料を生産することに集中している。なかでも、エレクトロスピニングを用いるナノファイバーの製造は、高感度センサー、機能膜、組織修復用途、および機械構造として使われるかもしれない、高い表面積対堆積率の材料を生成する効率的な手段であった。エレクトロスピニングは、数十ナノメーターからマイクロメーターの範囲の直径を有する精密なファイバーを作るために高電場を用いる工程である[23−27]。電場が狭い出糸突起を通して押し出された懸濁液にかけられると、出糸突起の先端で静電気的にチャージされた半球の液体表面は伸びて、テーラー円錐(cone)として知られている錐面を形成する[27]。電場が臨界値に増大すると、懸濁液は錐面から接地コレクティングプレートに激しく押し出される。噴出されたファイバーは無作為に分離し、急速に乾燥して細い直径のファイバーを成形する。適用された電場、先端とコレクターの距離、および懸濁液の粘度と伝導度などのパラメータに依存して、マイクロメーター、またはナノメーターのスケールのファイバーを製造できる。先端と接地コレクティングプレートの距離は、おおよそファイバーの直径に反比例している。なぜなら、ファイバー分離のより大きい機会は、飛び出している間に存在するからである[28,29]。 直接的に懸濁液の粘度に影響する濃度は、エレクトロスピニングにおいて重要な役割を果たす。特定の濃度以下で、このような場合の懸濁液はエレクトロスプレイされ、エレクトロスピンされず、沈殿する小滴を結果として生じる。この濃度に近づくと、ビーズ/ストリング形状のファイバーが形成される[29−30]。濃度を増大することにより、連続ファイバーが結果として生じる。しかし、上限以上の濃度では、このような場合の溶液は、粘度が高くなり、静電気力によって引かれるようになる。連続ファイバーを不織布に変換することができ、表面積対体積率が高いので、新規の膜を合成するために有益であるかもしれない。
【0007】
無機および/または有機材料のコンジュゲート部分を結合する、または核形成する一方で、繊維状構造最終産物を維持するような粒子組成と機能が容易に遺伝的に修飾されるナノメートルスケールの液晶ウイルス粒子懸濁液を用いて、ウェットスピンまたはエレクトロスピンしたファイバーを製造する必要性がある。コンジュゲート材料が無機であるならば、これは制御された電子的、磁性体の、または機械的特性を有する布を提供する。コンジュゲート粒子が一つまたはそれ以上の結合機能を有するならば、ファイバー/布を空中浮遊した、または溶解した分析物の濾過検出器として用いることができる。材料組成物とナノ粒子機能の組み合わせは、検出のより複雑な用途または単一の柔軟なデバイスに用いることができる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
要約
本発明は、一般的に、大まかには、ジョロウグモのスピニング工程の擬態である、ウイルスに基づくマイクロメーターおよびナノメータースケールのファイバーを製造する複数の方法を提供する。発明のいくつかの態様において、ウェットスピニングとエレクトロスピニングが、それぞれウイルスに基づくマイクロファイバーとナノファイバーを製造するために用いられた。いくつかの態様において、結果として得られたファイバーは流体力のためネマティック秩序をもつ形態を示した。さらなる態様において、ウイルスを、その処理能力を高めるために、合成キャリアポリマー、ポリ(ビニールピロリドン)(PVP)と混合した。結果として得られたウイルス混合PVPファイバーは連続的で、細菌宿主を感染させる能力を保持している不織布マットに作り上げることができた。
【0009】
特に本発明は、ファイバースピニング組成物中にウイルス粒子と溶媒を準備し、その後繊維材料を形成するためにウイルス粒子をファイバースピンする工程を含有する、複数のファイバーを含有するウイルス繊維材料を形成する方法を提供する。スピニングは、ウェットスピニング、エレクトロスピニング、マイクロファイバースピニング、またはナノファイバースピニングであってよい。ファイバースピニング組成物は、リオトロピック液晶溶液であってよい。ウイルス粒子は、バクテリオファージのウイルス粒子であってよい。ウイルス粒子は、リオトロピック液晶溶液を形成できる。ウイルス粒子はその粒子表面に特異的な結合領域をもつことができる。ウイルス粒子はその表面に選択的な結合領域を有することができ、コンジュゲート材料と結合できる。コンジュゲート材料は、有機物、微粒子材料、または核形成したナノ微粒子材料であってよい。ウイルス粒子は、コンジュゲート材料と選択的に結合するために、遺伝子操作され、発現したペプチド配列を有することができる。ファイバースピニングは、架橋ファイバーを成形するためにウイルス粒子の架橋を用いて実施できる。スピニング後、繊維材料はセミ・ドライの、または乾燥した、固体状態中で、液晶であってよい。材料は複屈折で、ネマティック相を示す。ウイルス粒子は、コンジュゲート材料と特異的結合、または核形成するための遺伝子操作され、発現したペプチド配列を有することができ、一方、繊維材料は回収、増幅できるウイルス核酸を含有する。
【0010】
さらに本発明は、繊維材料を形成するために、遺伝子操作されたウイルス粒子をファイバースピニングする工程を含有する、複数のファイバーを含有する遺伝子操作された繊維材料を形成する方法を提供する。ここで、繊維材料のウイルス粒子は、ファイバースピニングの後、コンジュゲート材料に特異的に結合し、またはファイバースピニングの後、コンジュゲート材料に特異的に結合でき、繊維材料のウイルス粒子はファイバースピニングの後もウイルス構造を保持する。ウイルス粒子は繊維状ウイルスの粒子であってよい。ウイルス粒子は、ウイルス粒子の一端の表面またはウイルス表面の全長に沿って特異的結合領域を有することができる。ウイルス粒子はまた、ウイルス粒子の一端の表面およびウイルス表面の全長に沿って特異的核形成領域を有することができる。該方法は、繊維材料を一つまたはそれ以上の他の材料と混合する工程をさらに含有できる。
【0011】
本発明はさらに、複数のファイバーを含有する繊維材料を提供し、該ファイバーは固体状態においてウイルス構造を保持している一つまたはそれ以上のウイルス粒子を含有する。繊維材料は、合成ポリマー混合材料を含むポリマー混合材料を含む、非ウイルス混合材料をさらに含有できる。混合材料は水溶性ポリマー混合材料であってよい。
【0012】
また、発明者らは複数のファイバーを含有する繊維材料を見出した。ここで、該ファイバーは、ファイバー状態でウイルス構造を保持し、コンジュゲート材料に結合するための特異的結合部位を有する、一つまたはそれ以上の、ファイバースピンした、遺伝子操作されたウイルス粒子を含有する。粒子はコンジュゲート材料と特異的に結合できる。粒子は、特異的にではなく、コンジュゲート材料と結合することができる。繊維材料は少なくとも50重量%のウイルス粒子を含有できる。あるいは、繊維材料は50重量%未満のウイルス粒子を含有できる。繊維材料は少なくとも50重量%の合成ポリマー材料を含有できる。繊維材料は少なくとも二つの異なる型のウイルス粒子を含有できる。繊維材料は少なくとも一つの水溶性ポリマーを含有できる。繊維材料は少なくとも一つの生分解性ポリマーを含有できる。繊維材料はその生体成分に再分解できる。
【0013】
本発明はさらに、整列し、架橋された桿状粒子を含有する繊維材料を提供し、該粒子は約5 nmから約20 nmの切断面の直径および約60 nmから約6,000 nmの全長を有する。全長は約250 nmから約1,000 nmであってよい。粒子は少なくとも25:1、少なくとも75:1、または少なくとも100:1の縦横比を有する。粒子は遺伝子操作されたウイルス粒子であってよく、タンパク質および核酸成分を含有できる。
【0014】
本発明はさらに、ウイルス材料で宿主を感染する工程を含有する方法を提供する。ここで、ウイルス材料は、ファイバー形状中にウイルス粒子を含有する繊維材料から提供される。
【0015】
本発明はさらに、スピニング後にファイバー形状をコントロールし、ウイルス構造を保持するために、濃度、粘度、および電場と混合剤の任意の使用をコントロールしながら、ウイルス粒子をファイバー形状へスピニングする工程を含有し、ウイルス粒子が固体状態でウイルス構造を保持する、ウイルス粒子のファイバー形状への変換方法を提供する。液晶相がスピニングのために形成されるように、濃度はコントロールされる。濃度は、エレクトロスプレイを避けるために、スピニングの間、十分に高くてもよい。
【0016】
本発明はまた、例えば、ファイバースピニング後にコンジュゲート材料に特異的に結合する能力のような有用な特性を有するファイバーを提供し、またはファイバースピニング後にコンジュゲート材料に特異的に結合する能力、ならびにファイバースピニング後に宿主に感染する能力を保持する実験条件を提供する。例えば、濃度が調整され、粘度が調整され、溶媒を変更、または置換でき、電場を適用でき、混合材料の使用を変えることができる。
【0017】
別の態様では、本発明は複数のファイバーを含有する織物を提供する。ここで、ファイバーのそれぞれは、ファイバーの形状に配置された複数のウイルス粒子を含有する。
【0018】
別の態様では、本発明は平面シートに配置された複数のファイバーを含有する不織布を提供する。ここで、ファイバーのそれぞれは、ファイバーの形状に配置された複数のウイルス粒子を含有する。
【0019】
別の態様では、本発明はウイルス粒子を含有する繊維材料を含む不織材料または織物材料を提供する。また、ウイルス粒子を含有する繊維材料を含むセンサーが提供される。また、ウイルス粒子を含有する繊維材料を含む生体医学デバイスが提供される。また、ウイルス粒子を含有する繊維材料を含む薬剤送達デバイスが提供される。該デバイスは、繊維材料が溶解して組織または細胞へ挿入される際に、制御速度で送達されるコンジュゲート材料をさらに含有する繊維材料を有してもよい。本発明はまた、互いに特異的に結合するように遺伝子操作されたウイルス粒子を含有する複数のファイバーを含有する製品を提供する。
【0020】
別の態様では、本発明は、結合が衣類に検出できる変化を引き起こす特定の分子と結合する、ウイルス外面に一つまたはそれ以上のアミノ酸オリゴマーを発現するように操作されたウイルスを含有するファイバーを用いて製造された衣類を含有する、少なくとも一つの刺激を検出するセンサーをもつ衣類を提供する。
【0021】
さらに本発明は、ファイバースピニング組成物中にウイルス粒子と溶媒を準備し、繊維材料を形成するためにウイルス粒子をスピンする工程を含有する、複数のファイバーを含有するウイルス繊維材料を形成する方法を提供する。ここで、繊維材料中にナノ結晶を形成するために、組成物がスピニング前に核形成反応にかけられるか、または繊維材料がスピニング後に核形成反応にかけられる。
【発明の効果】
【0022】
本発明は、従来技術に対し非常に多くの利点をもたらす。例えば本発明は、軍事用から生物医学わたる多種多様な異なる用途を含め、特定の用途のために操作されたマイクロメーターまたはナノメータースケールのファイバーを形成する方法を提供する。遺伝子操作をナノスケールにまで及んでいる構造制御の先例のないレベルでのアプリケーションを操作するために用いることができる。別の利点として、本発明のファイバーを作るために用いられるウイルスは、ウイルス外面に一つまたはそれ以上のアミノ酸オリゴマーを有するポリペプチドを発現するように操作される。これらのアミノ酸オリゴマーは、各種機能を果たす。例えばアミノ酸オリゴマーは、細胞接着因子、抗体であるか、あるいは無機分子に対する特異性を有する。本発明により提供されるファイバーは、以下に限定はされないが、組織工学のための足場、環境毒性を検出するためのセンサー、化学反応のための反応部位、およびフィルターを含む各種用途を有する。ナノファイバーに関し、特にファイバー直径が約100 nm以下である場合に、材料は、ファイバー表面の高い割合の原子を使用可能にする非常に高レベルの比表面積を有する。このことは、量子効率、異常に高い表面エネルギー、表面反応性、高熱と電気伝導率、および高強度のナノスケール効果を提供できる。
【0023】
要約すれば、ウイルスに基づくマイクロファイバーおよびナノファイバーは、ウェットスピニングおよびエレクトロスピニング工程を用いて製造できる。ウェットスピンしたファイバー中のM13ウイルスは、ファイバー長軸に平行に配置していた。M13ウイルスおよびそのサブユニットから構成される、エレクトロスピンしたファイバーはまた、HFPにM13ウイルスを懸濁することにより製造された。ウイルス構造は部分的に壊れていたが、これらの結果は、新規生体材料が、操作されたウイルスの特性を、有益な半導体ナノファイバーを核形成するため、または選択的に所望する材料に結合するために用いることができる無限のファイバーに拡大するために用いられたことを示した。さらに、M13ウイルスをPVPと混合することにより製造された均一なナノファイバーは、未来の生物医学用途およびバイオセンサーに有益な生物学的機能と高感度の触媒作用の機能を提供するかもしれない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
詳細な説明
I.イントロダクション
本発明において、ウイルスに基づくマイクロファイバーおよびナノファイバーを、例えばウェットスピニングおよびエレクトロスピニング工程を用いて製造できる。ファイバーは、新規生体材料を、操作されたウイルスの寸法を、例えば半導体ナノファイバーを核にする、または各種の異なる型の所望の材料に選択的に結合することについて有益なファイバーに拡張するようにプログラムされた生物から製造できることを示している。さらに、一態様において、均一なナノファイバーを、有益な生物学的機能および高感度の触媒機能を提供するために、ナノマテリアルを結合したM13ウイルスを水溶性合成ポリマー、PVPと混合することにより製造できる。本発明は生物医学用途およびバイオセンサーに用いることができる。
【0025】
本発明の実施において、その全体が参照して本明細書に取り込まれる、論文、Lee S. -W.の博士論文(テキサス大学(オースチン))、2003、特にファイバーに焦点を当てた章と記載が参照される。さらに、その開示全体が参照して本明細書に取り込まれる、その図面を含む以下の論文、(i)「生育、組織および材料のアセンブリーのための媒体としてのウイルス」という題名のC. E. Flynnら、Acta Materiala, 51,5867-5880 (2003)、(ii)「エレクトロスピニングを用いたマイクロファイバーおよびナノファイバーのウイルスに基づく製造」という題名のSeung-Wuk Lee etal., Nanoletters, 4, (3), 387- 390 2004が参照される。さらに、Belcherらの2003年10月15日に出願された優先権仮出願第60/510,862号が、その全体が参照して本明細書に取り込まれる。
【0026】
さらに、当業者は、ウイルスの選択、遺伝子操作法、および遺伝子操作されたウイルスと共に用いられる材料に関する以下の特許文献を参照できる:ファージディスプレイライブラリーとバイオパニングにそれらを用いる実験方法は、例えば、その全体が参照して本明細書に取り込まれる、Belcherらの以下の米国特許公報:(1)「ナノ粒子核形成、形状および結晶相の生物学的コントロール」;2003年4月10日公開の2003/0068900;(2)「遺伝子操作された中規模ウイルスを用いたハイブリッド材料のナノスケール秩序化」;2003年4月17日公開の2003/0073104;(3)「ナノ粒子の生物学的コントロール」;2003年6月19日公開の2003/0113714;(4)「材料の分子認識」;2003年8月7日公開の2003/0148380;(5)「二機能性生体材料の組成物、方法および使用」;2003年9月4日公開の2004/0127640;(6)「ペプチドを介した金属および磁性体材料」;2003年9月22日公開のシリアル番号10/665,721;および(7)「加工バイオフィルム保存デバイス」;2003年9月24日公開の2004/0171139にさらに記載される。これらの参考文献は、コンジュゲート構造へ結合、ならびに特異的結合のために修飾された材料の存在下でコンジュゲート構造を形成することができる各種の特異的結合修飾について記載している。特に、ポリペプチドとアミノ酸オリゴマー配列を、pIIIおよびpVIII発現ならびにpIX、pVIIおよびpVi発現、およびそれらの組合わせを含む、M13バクテリオファージのような伸長したウイルス粒子の端およびその全長に沿って、ウイルス粒子の表面に発現できる。
【0027】
当業者は、図面、請求の範囲および実施例を含んで、その全体を残照してそれぞれが取り込まれる、(i)Namら、Nano Lett.、2003、4、23-27;(ii)Belcherらによる2003年10月15日に出願された仮出願「電子的、光学的、磁性体の、半導体の、および生物工学的用途のための足場としての多機能生体材料」、60/511,102および(iii)Belcherらの本願と同日出願された、通常出願、シリアル番号 、「電子的、光学的、磁性体の、半導体の、および生物工学的用途のための足場としての多機能生体材料」を参照することができる。
【0028】
さらに、アニールしたナノワイヤーを形成し、場合に応じて、基礎をなすウイルス部分を除去するための熱処理によるナノ結晶ナノワイヤーのアニーリングについては、図面、請求の範囲、および実施例を含み、それぞれがその全体を参照して取り込まれる、例えば、(i)2003年9月22日出願、シリアル番号10/665,721の「金属材料および磁性体材料のペプチドを介した合成」; (ii)2004年1月5日出願、Belcherらの米国仮出願第60/534,102の「無機ナノワイヤー」;および(iii)Belcherら、Science、303, 213 (2004)に記載されている。
【0029】
本明細書に参照して取り込まれる、「有向性ナノ結晶アセンブリに対して半導体結合特異性を有するペプチドの選択」; Whaleyら、Nature、第405巻、2000年6月8日、ページ665-668は、組合せライブラリーを用いた、結合特異性を有するペプチドを選択する方法は示す。具体的には論文は、109の異なるペプチドの組合せライブラリーを用いた、半導体材料への結合特異性を有するペプチドを選択する方法は示す。それぞれ12アミノ酸を含むランダムペプチドの組合せライブラリーは、M13大腸菌ファージのpIIIコートタンパク質と融合し、結晶半導体構造に曝された。半導体材料に結合したペプチドは、溶出、増幅され、より厳格な条件下で、半導体材料に再び曝された。5回の選択の後、半導体特異的ファージを単離し、結合ペプチドを決定するために配列決定した。この方法において、ペプチドを結晶構造および半導体材料の構成に依存した高結合特異性を用いて選択した。半導体材料だけでなく、有機材料および無機材料の両方の範囲に対する結合特異性を有するペプチドを得るための技術は容易に改良できた。
【0030】
下記の参考文献4-7はまた、その全体が参照して本明細書に取り込まれる。例えば、Lee, S. -W. ; Mao, C.; Flynn, C. E. , Belcher, A. M., Science, (2002) 296,892-895は、ハイブリッドウイルス材料のリオトロピックおよび固体状態の液晶相を形成する方法を記述し;Lee, S. -W. ; Lee, S. K.; Belcher, A. M., Adv. Mat.(2003), 15, 689 は、ハイブリッドウイルス材料の液晶挙動について記述し;Flynn, E. C. , Mao, C.; Hayhurst, A.; Williams, J. L.; Georgiou, G.; Iverson, B.; Belcher A. M., J. Mater.Chem., (2003) 13,2414は、ハイブリッドウイルス材料を形成するための核形成工程について記載し、 describes nucleation processes to form hybrid viral materials; and Mao, Chuanbin; Flynn, Christine E.; Hayhurst, Andrew; Sweeney,Rozamond ; Qi, Jifa; Georgiou, George; Iverson, Brent; Belcher,Angela M, PNAS, (2003), 100(12), 6946 also describes hybrid viral materials prepared by nucleation.はまた、核形成により調製されたハイブリッドウイルス材料を記載している。
【0031】
II.ウイルス
本発明において、各種のファイバー構造を伸長構造から作ることができる。構造は生体分子の巨大分子を含む生体分子、およびペプチド部分と核酸部分を含むオリゴマーを含有できる。構造は天然に存在する材料、ならびに合成材料および混合し、合成処置における遺伝子操作された材料を含有できる。好ましい態様において、これらの構造はタンパク質とDNA部分の両方を含有し、より具体的には、ウイルスである。
【0032】
例えば、ファイバー成分として整列し、架橋された、桿状粒子を含有する繊維材料を形成でき、粒子は約5 nmから約20 nmの切断面の直径および約60 nmから約6,000 nmの長さを有する。より具体的には、長さは約250 nmから約1,000 nmである。
【0033】
ウイルスは、ファイバーが調製される限り、特には限定されない。一般に、長いウイルス粒子、繊維状構造を用いることができる。例えば、Genetically Engineered Viruses, Christopher Ring (編), Bios Scientific, 2001を参照せよ。柔軟なロッドとして機能できるウイルス粒子を用いることができる。
【0034】
一態様において、遺伝子操作されていないウイルス粒子が用いられる。しかし、一般に、ウイルスを遺伝子操作すると、所望の特性を達成できる。特に、バイオパニングされるウイルスを用いることができ、ウイルス粒子は、バイオパニングの対象材料を特異的に認識し、結合することができる。ウイルスを、コンジュゲート部分の有無にかかわらず、ファイバー形状に変換できる。
【0035】
いわゆる有向進化(directed evolution)またはバイオパニングにおける繊維状ウイルスの使用については、例えばLadnerらへの米国特許第5,223,409号および第5,571,698号(「斬新結合タンパク質の有向進化」)を含む特許文献においてさらに記載されている。
【0036】
ウイルス粒子の大きさと規模(size and dimensions)は、粒子が引き伸ばされた状態であってよい。例えば整列し、架橋された、桿状粒子を含有する繊維状ウイルス材料を形成でき、ウイルス粒子は約5 nmから約20 nmの切断面の直径および約60 nmから約6,000 nmの長さを有する。より具体的には、長さは約250 nmから約1,000 nmである。
【0037】
二つまたはそれ以上の異なる種類のウイルスの混合物を用いることができる。非ウイルス材料をもつウイルス粒子の混合物を用いることができる。
【0038】
ウイルス粒子は完全なウイルスおよび少なくともウイルスカプシドを含むウイルスの一部の両方を含むことができる。用語「ウイルス」は、ウイルスとファージの両方を意味する。完全なウイルスは、核酸ゲノム、カプシドを含むことができ、任意にエンベロープを含んでもよい。本発明に記載されるようなウイルスは、細胞接着因子などの固有の、および異種のアミノ酸オリゴマーをさらに含んでもよい。核酸ゲノムは固有のゲノムまたは操作されたゲノムのいずれかである。「ウイルス粒子」は、少なくともカプシドを含有するウイルスの一部をさらに含む。
【0039】
一般に、ウイルス粒子は天然の構造を有し、ウイルスのペプチドおよび核酸部分がファイバー形状にスピンされると保存されるべき特定の配列で配置される。ウイルスおよび/または核酸は、ファイバー形状に組み立てられた後に複製することができる。ファイバー形成の間に、ウイルスの再感染性が失われるならば、情報は、ウイルスファイバー中のタンパク質およびDNAオリゴマーを含む操作された核酸に保存され、プログラムされ、伝達(propagate)され、アドレス可能となるかもしれない。
【0040】
特異的結合部位としてアミノ酸オリゴマーを発現するウイルスが好ましい。ウイルス固有であるか、異種であるかにかかわらず、アミノ酸オリゴマーにはアミノ酸のいかなる配列をも含む。アミノ酸オリゴマーはどのような長さでもよいし、非アミノ酸成分を含んでもよい。約5から約100、より具体的には約5から約30アミノ酸単位を特異的結合部位として有するオリゴマーを用いることができる。非アミノ酸成分としては、電子材料、半導体材料、磁性体、光学材料を含む、糖、脂質、薬剤、酵素、または無機分子が含まれるが、これらに限定されない。
【0041】
本発明のファイバーは、ファイバーを含有するウイルスおよびファイバーを製造するために用いられた方法に依存して、多様な特性を有する。本開示のために、ファイバーは、限定はされないが、ナノファイバー、微小繊維、ナノ細小繊維、フィラメント、またはナノフィラメントを含む異なる名前で通用している、一般にシリンダー構造をいう。長さ、直径、および縦横比(直径に対する長さの比率)は、かなりの範囲で変化する。一般に、ファイバーは少なくとも25、少なくとも50、少なくとも75、少なくとも100、または少なくとも250または500の縦横比によって特徴付けられる。ファイバーの直径は一般的には、ファイバーを含有する個々のウイルス粒子の直径の最小直径を有する、約50 nmまで含めて、約20ミクロン、より具体的には約1ミクロン未満である。平均直径は例えば、約50 nmから約20ミクロン、または約100 nmから約500 nmであってよい。ファイバーの長さはかなり変化するが、一般に、少なくとも10ミクロンで、好ましくは少なくとも50ミクロンである。Mm、cmおよびメートルのオーダーの長さを有する繊維状物質を用いてスピンした肉眼で見えるファイバーも発明の範囲内である。技術分野で知られているように、これらの肉眼で見えるファイバーはより小さな細小繊維ユニットから製造できる。
【0042】
多種多様なウイルスを、本発明を実施するために用いることができる。ファイバーは、単一の型のウイルス複数、または複数の異なる型のウイルスを含むことができる。好ましくは、本発明のファイバーを含有するウイルス粒子はらせんウイルスである。らせんウイルスの例としては、タバコモザイクウイルス(TMV)、ファージpf1、ファージfd1、CTXファージ、およびファージM13があげられる。これらのウイルスは一般に桿状であり、堅いか、柔軟である。当業者は、所望のファイバーの使用目的および特性に応じて、ウイルスを選択できる。
【0043】
好ましくは、本発明のウイルスは、ウイルス表面にアミノ酸オリゴマーを含む一つまたはそれ以上のペプチド配列を発現するように操作されている。アミノ酸オリゴマーは、ウイルス固有の、または他の生物由来の、または特定の必要性を満たすために設計された異種の配列であってよい。アミノ酸オリゴマーの発現は、限定はされないが、細胞接着因子、栄養因子、有機または無機分子もしくは粒子の結合部位、または有機または無機分子もしくは粒子の核形成部位を含む多くの機能を提供できる。アミノ酸オリゴマーの発現により、ウイルスとファイバーが具体的な用途に操作されることを可能となる。例えば、操作されたファイバーを含有するファイバーは、組織工学用途および骨再生における使用のための細胞増殖を開始する、または促進するアミノ酸オリゴマーを含む。別の例において、特定の無機分子に対する特異性をもつアミノ酸オリゴマーが、化学反応の効率を上げるための無機分子に結合する、または核形成するように発現される。また別の例において、発現されたアミノ酸オリゴマーは、細菌戦エージェントなどの有機分子を結合し、検出する。そのようなファイバーは、軍人またはセンサーシステムの一部としての最初の応答者の衣類に組み入れられた。別の態様は、ウイルスの遺伝子コード内の情報の暗号化である。これらは遺伝子操作されたウイルスから作られたファイバーのほんのわずかの利用例であり、他の用途は当業者には容易に明らかである。
【0044】
多くの従来技術文献は、アミノ酸オリゴマーを発現するためのウイルスの遺伝子操作を教示し、本発明の実施に関して補助するために用いられる。例えば、Ladnerらによる米国特許第5,403,484号は、ウイルス表面の異種の結合ドメインの選択と発現を開示する。Studierらによる米国特許第5,766,905号は、外来DNA配列の挿入のためのクローニング部位に続く、カプシドタンパク質の少なくとも一部をコードするDNAを含有するディスプレイベクターを開示する。記載された組成物は、興味のタンパク質またはペプチドを表示するウイルスを産生するために有益である。Spoonerらによる米国特許第5,885,808号は、アデノウイルスおよび改良された細胞結合部分をもつアデノウイルスを改良する方法を開示する。Valerioらによる米国特許第6,261,554号は、興味の遺伝子および特定の結合対の一員を運ぶウイルスカプシドまたはエンベロープを含有する、遺伝子操作された遺伝子運搬媒体を示す。Liによる米国公開特許出願第2001/0019820号は、ポリペプチド、細胞、受容体、およびチャネルタンパク質などの分子の検出のためにそれらの表面にリガンドを発現するように操作されたウイルスを示す。
【0045】
III.コンジュゲート
本発明において、ウイルスをファイバースピニング前、またはファイバースピニング後にコンジュゲート材料と結合することができる。
【0046】
コンジュゲート材料は特に限定されない。一般に、特定用途のために選択される。コンジュゲート材料をウイルス粒子に、コンジュゲート材料に対するバイオパニング(biopanning)を受けさせることにより結合でき、コンジュゲート材料はウイルス粒子と特異的に結合し、ファイバーが形成される。あるいは、ファイバーが形成された後、例えば表面処理においてコンジュゲートが実施される。コンジュゲート材料が予備形成された後ウイルスと結合する、またはウイルス上で直接形成されるか、核形成される。ウイルスはウイルス上のコンジュゲート材料の形成またはバイオミネラリゼーション(biomineralization)の触媒として作用する。
【0047】
コンジュゲート材料の一般的な型の例としては、ポリマー材料、発光材料、リン光発光材料、有機磁性材料、発色団、タンパク質、ペプチド、核酸、DNA、RNA、オリゴヌクレオチド、薬剤、酵素、および蛍光材料を導く無機物、有機物、微粒子、ナノ微粒子、小分子、単一結晶、多結晶、非結晶、金属、磁性体、半導体、ポリマー、ブロック共重合体、機能ポリマーをあげることができる。コンジュゲート材料はさらに、例えば本明細書に引用されたAngela Belcherと共働者に対する特許公報および技術文献に記載されている。
【0048】
コンジュゲート材料はウイルスと直接結合できる、あるいは、ウイルスとコンジュゲート材料の両方に結合できる中間結合部分によりウイルスと結合できる。
【0049】
好ましい態様において、コンジュゲート材料はナノマテリアル(nanomaterial)である。例としては、量子閉じ込め効果を提供するのに十分に小さい平均直径を有する半導体ナノ結晶または量子ドットが含まれる。平均直径は約10 nm以下、より具体的には5 nm以下であってよい。ナノワイヤーがまた、ウイルスの全長に沿ったナノ結晶材料のコンジュゲーションおよびナノワイヤーへのナノ結晶のアニーリングにより形成される。結晶は単結晶であってもよく、同一方向に正しく配置することもできる。
【0050】
IV.ウェットスピニングを含むファイバースピニング
単独または、一つまたはそれ以上の混合材料とともに、ウイルスをファイバー形状に変換する多くの方法を用いることができる。発明は、マイクロファイバーおよびナノファイバーを含むさまざまな繊維構造を包含する。例えば、Spinning, Extruding, and ProcessingofFibers : RecentAdvances, J. S. Robinson, Noyes, 1980 ;および Advanced Fiber Spinning Technology, Toshinari Nakajima (編), Woodhead Pub., 1994を参照せよ。スピニングを一般に、開口部を通して溶液を押し出し、場合に応じて、より長いファイバーを形成するために続いて架橋するファイバー生産において用いることができる。縦横比50以上、100以上、500以上、および1000以上を有するファイバーをスピンできる。
【0051】
織物特性、スピニング、ファイバー後処理、およびファイバー特性を含むファイバースピニングは一般的に、その全体が参照して本明細書に取り込まれる、Textbook of Polymer Science、第3版、F. Billmeyer, 1984、第18章、ページ486-505に記載されている。後処理は、防しわ性、柔軟性、撥水性、滑り具合、寸法安定性、収縮性、等のコントロールのための洗浄、汚れのこすり落とし、寸法決め、潤滑化、着色、および特性調整を含めて、織る前に取られる処理を含む。不織布において、ファイバーは熱、圧力および結合剤によりフラットシートに接合できる。仕上げをファイバーに適用できる。当該技術分野における従来の方法を、不織布を製造するために用いることができる。ファイバーとファイバースピニングはまた、the Concise, Encyclopedia of Polymer Science and Engineering, J.Kroschwitz, 編. 1990, "Fibers", ページ374-395に記載されている。
【0052】
本発明は、複数の溶媒を含有する溶液または懸濁液を準備し、溶液または懸濁液をスピンする工程を含有するファイバーを形成する方法を教示する。前に記載したように、溶液中のウイルス粒子は、各種基準に基づいて選択される。選択される溶媒はウイルス粒子の選択に依存する。しばしば、溶媒は単に、TRIS-HClのような緩衝剤を含む水である。溶液はさらなる成分を含んでもよい。そのようなさらなる成分としては、粘度調整剤、イオン強度調整剤、調整剤および緩衝剤があげられるが、これらに限定されない。スピニング工程はファイバー製造技術においては周知であり、ウェットスピニング、ドライスピニング、およびエレクトロスピニングを含む。スピニング工程は、得られるファイバーの具体的な用途に応じて選択することができる。一般に、スピニングの組成物は、ファイバー形成工程を阻害するのに十分に大量の成分を避けるように選択される。
【0053】
本発明の好ましい態様において、ウイルスおよび溶媒を含有する溶液はリオトロピック溶液を含む液晶溶液であろう。液晶溶液から形成されるファイバーは、高強度と均質性のような望ましい物理特性を有することが示されている。「サーモトロピック液晶ポリマーのスピニングについてのモデル研究:ファイバー性能の予測と処理能力の限界」;Forestら、Advances in Polymer Technology、第18巻、第4号、ページ314-35は、液晶溶液のスピニングに関する予備知識を提供し、本明細書に参照して取り込まれる。
【0054】
多くのウイルスは、溶液中で液晶相を形成することが示されている。典型的には、ウイルスは一般に桿状であり、堅いか、柔軟である。構造は堅い部分を持つことができ、堅い部分は柔軟な部分に連結し、その結果、ウイルス粒子が全体に半剛体である。溶液中の液晶相を形成しているウイルスの例としては、限定はされないが、タバコモザイクウイルス(TMV)、ファージpf1、ファージfd、およびファージM13があげられる。液晶ウイルスの相を、溶液濃度、溶液のイオン強度を変化させること、または外部磁界または流速を変化させることにより変えることができる。相を変化させる方法は、当業者には容易に明らかとなるであろう。以下の文献は、本発明を実施するために用いられる、一般的に液晶ウイルス溶液と相の調整に関する予備知識を提供し、これらは本明細書に参照して取り込まれる:(1)「セミフレキシブルのウイルス粒子のコロイド懸濁液におけるスメクティック相」;Dogicら、Physical Review Letters、第78巻、第12号、ページ2417-20、および「遺伝子操作されたウイルスを用いた量子ドットの秩序化」;Leeら、Science、第296巻、ページ892-95。ファイバーをスピンするために、ウイルスを含む溶液が特定の相にある必要はない。
【0055】
本発明で用いられるスピニング工程は、当業者には周知であり、ドライスピニング、ウェットスピニングおよびエレクトロスピニングを含むが、これらに限定されない。ドライスピニングにおいて、ウイルス粒子と溶媒を含有する溶液は、出糸突起から、溶媒が急速に蒸発して、巻きつくファイバーとなるゾーンに通過する。ウェットスピニングにより産生されたファイバーは、ウイルス粒子と溶媒を含有する溶液を出糸突起からウイルス粒子を凝集する非溶媒へ通すことにより形成される。ファイバーを形成する化学反応は、この工程を用いている。架橋を生じることができる。スピニング工程の具体的なパラメーターを、当業者が容易に決定できる。
【0056】
好ましい態様としては、ウェットファイバースピニング、エレクトロファイバースピニング、およびリオトロピック液晶ファイバースピニングをあげることができる。
【0057】
繊維、ミクロ繊維およびナノ繊維材料を形成するためのウェットスピニングの使用を含むウェットスピニングが当業者に既知である。
【0058】
使われた溶媒および懸濁剤は特に制限されない。ウェットスピニングは例えば、水溶液および懸濁液を用いて実行できる。スメクティックおよびネマティック溶液を含むリオトロピック液晶溶液が形成されるように、濃度を使用できる。濃度は例えば、約10から約1,000 mg/mL、より具体的には、約50 mg/MLから約250 mg/mLであってよい。pHは必要に応じて調整される。
【0059】
キャピラリーチューブを押し出しのために用いることができる。サイズは例えば、約1ミクロンから約100ミクロン、より具体的には約5ミクロンから約50ミクロンであってよい。
【0060】
繊維構造の架橋を実施できる。架橋剤は特に制限されないが、例えばグルタルアルデヒド溶液などのカルボニル部分を含む求電子剤であってよい。架橋剤の濃度は例えば、約10%から約60%、より具体的には約25%から約50%であってよい。
【0061】
マイクロファイバーを製造する際に、マイクロファイバーの直径は例えば、約1ミクロンから約100ミクロン、より具体的には約5ミクロンから約50ミクロン、より具体的には約10ミクロンから約20ミクロンであってもよい。
【0062】
架橋剤、濃度、押出速度、およびキャピラリーのサイズなどの実験変数は、所望のファイバーを提供するために調整できる。
【0063】
ウェットスピニングを図4に示す。
【0064】
V.エレクトロスピニング
ファイバーのエレクトロスピニングは当業者に既知であり、およびそれの特許文献、例えば、Scandinoらへの米国特許第6,106,913号および第6,308,509号(「ナノ繊維および他の織物ファイバーを含む繊維構造」);Zarkoobらへの米国特許第6,110,590号(「ナノファイバーおよび該ナノファイバーを製造する工程」);Renekerらへの米国特許第6,382,526号および第6,520, 425号(「ナノファイバーの生産のための工程と装置」);およびLeeらへの米国特許第6,616,435号(「エレクトロスピニング工程によるポリマーウェッブの装置」)に記載されている。さらに、エレクトロスピニング技術における背景材料を含む以下の参考文献が、本発明を実施するために用いられ、本明細書に参照して取り込まれる:(1)「エレクトロスピニングを介したナノ構造ファイバー」; Bognitzkiら、Adv. Mater.、第13巻、第70号、ページ70-XX(2001)、および「ナノスケールの形態をもつファイバーの調製:ポリマー混合のエレクトロスピニング」; Bognitzkiら、Polym. Eng. Sci.、印刷中(2001)。
【0065】
エレクトロスピニングを図4および5(装置の写真を含む)に示す。
【0066】
揮発性有機溶媒を、エレクトロスピニングに用いることができる。溶媒中にウイルスを懸濁するための条件を、所望のファイバーを提供するために調整できる。均質なウイルス懸濁液を提供する溶媒が好ましい。また溶媒は、ウイルスの感染能を保持することを可能にするべきである。スメクティックおよびネマティック溶液を含むリオトロピック液晶溶液を形成するような濃度を用いることができる。濃度は例えば、約10から約1,000 mg/mL、より具体的には約50 mg/MLから約250 mg/mLであってよい。
【0067】
スピニング条件、例えばポンプ供給スピード、加電圧、コレクションプレート、およびキャピラリーとコレクタープレートの距離をまた、調整できる。他のパラメーターとしては、ポリマーおよびウイルスの濃度、分子量、溶液の粘度、ベリーナンバー(Berry Number)、沸点、距離、電圧、および開口部の直径をあげることができる。
【0068】
VI.混合材料
ウイルス粒子のファイバースピニングを、ポリマー混合材料を含むウイルス粒子のための非ウイルス性混合材料を用いて実施できる。これはまたキャリアでありうる。混合材料は、合成ポリマー混合材料であってよい。水溶性ポリマー混合材料であってよい。例えば、場合に応じて、水溶性を提供する極性側鎖基を有するビニルポリマーであってよい。例としては、ポリカーボネート、DNA、絹、アラミド、ポリスチレン、ポリブタジエン、ナイロン、ポリエステル、PLGA、PLAGA、ポリアクリロニトリル、ポリアニリンおよび他のコンジュゲートポリマー、およびPVDFがあげられる。好ましい例はPVPである。室温でガラス質であり、25℃より高いガラス遷移温度を有するポリマーを選ぶことができる。混合材料の分子量は、よい繊維特性を提供するために十分に高くなるように選択される。例えば、少なくとも100,000の、または少なくとも500,000の、または少なくとも1,000,000の分子量(Mn)が選ばれる。
【0069】
PVPを混合したM13ウイルスファイバーの感染能は、生体医学用途および組織工学に有用である。当業者は、用途に応じたレベルまで感染能を調整できる。ある用途において、感染能は望まれない。ある用途では、DNAに保存される情報を含むウイルスの単なる保存が、感染能の必要性なしに有用である。他の用途においては、高レベルの感染能が重要なパラメーターである。
【0070】
ウイルスと混合材料の相対的濃度は所望するウイルス構造を提供するように調整することができる。ある態様において、混合材料はファイバーの50重量%以上であり、一方他の態様では、混合材料はファイバーの50重量%未満である。
【0071】
ファイバーの直径は、例えば約10 nmから約1000 nm、またはより具体的には、約25 nmから約500 nm、さらに具体的には、約50 nmから約250 nmとすることができる。
【0072】
ファイバーを要望どおりに、さらにアニールおよび正しく配置できる。
【0073】
VII.用途
ファイバーをマスクを用いて、パターン化することにより、所望の形状に配置することができる。編み工程を含むファイバーを処理する方法を用いることができる。
【0074】
発明の用途は多く、以下を含む。
1)診断(医用または環境):流入診断アッセイ(例えば、サンドイッチアッセイ Ab-Ag-Ag-ラベル、または標識リガンドが置換されている競合アッセイ)で有用な特異的結合部位を含む水性試料(ウイルスは先天的に水を好むので)に最適化されるフィルター材料。流入は空気中でもよい。続く標識は液体中で起きる。
2)上記1)における診断用途は、複数の検体試験のための複数のウイルス型を用い、一つの膜材料に試験「カクテル」を作ることにより拡張することができる。
3)バイオリアクター(治療または他の産物):ファイバーメッシュまたはファイバーの束を、ウイルス成分が特定の細胞に結合、および/または細胞が刺激剤と接触するようにデザインされ、ウイルスコンジュゲート成分またはウイルス架橋が化学変化が流入媒体で生じた後のみ、細胞を放出または細胞を刺激するようにデザインされている、流入バイオリアクターに用いることができる。
4)センサー、検出器およびモニターとして繊維製品中に取り込まれる、特異的な光学、電気的、または磁性特性を有するファイバーまたは繊維材料を含有する不織布。
5)膜。
6)センサー。
【0075】
ウイルスファイバー、ならびにフィルム構造をさらに図6に示す。多くの用途に有用な他のウイルス構造を示す(明細書に引用されるBelcherの特許公報および他の論文参照)。
【0076】
必要に応じて、ファイバーを熱処理し、アニールすることができる。必要に応じて、ファイバーの有機相を十分高温で熱処理することにより除去でき、その結果、有機成分は消散し、高温に安定な、ナノワイヤーのような無機コンジュゲート成分が残る。加えて、ファイバーを修飾および遺伝子操作でき、その結果、ファイバーをその端で、または側面に沿って互いに認識、および結合できる。
【0077】
ファイバーを表面にファイバーのパターンを形成するために予めパターン化した表面に接着し、表面にパターン化した配置を取ることができる。
【0078】
ウイルスファイバーは非ウイルスファイバーと混合することができる。
【実施例】
【0079】
本発明を以下の限定されない実施例を用いてさらに記述する。
【0080】
A.ウイルス
そのpIIIコートタンパク質(ウイルス)に遺伝子操作されたペプチド配列、N'-TRP ASP PRO TYR SER HIS LEU LEU GLN HIS PRO GLN-C'を有する抗ストレプトアビジンM13バクテリオファージをマイクロおよびナノスケールのファイバーを製造するために、基本的な構築要素として用いた。ウイルスをストレプトアビジンへの親和性でPhD-12ファージディスプレイライブラリー(ニューイングランド・バイオラボ、ビバリー、MA)から選択した(5)。ウイルスをファージライブラリーの製品使用説明書に従って増幅および精製し、トリス緩衝化生理的食塩水(TBS:50 mM Tris, 150 mM NaCl, pH7.5)に懸濁した。
【0081】
B.コンジュゲート材料
バクテリオファージを[5]に報告されたR-フィコエリスリン(eバイオサイエンス、CA)とのコンジュゲーションあり、またはコンジュゲーションなしで用いた。コンジュゲーションはpIIIサブユニットで行った。
【0082】
C.ウェットスピニング
〜20 umのキャピラリーチューブから37.3%グルタールアルデヒド水溶液に押し出したM13ウイルス懸濁液(〜100 mg/ml)を架橋し、マイクロファイバーを形成した。ファイバーを取り出し、空気中で乾燥した。交差偏光の条件下でオリンパスIX51偏光光学顕微鏡(POM;オリンパス、日本)を用いて撮影した偏光光学顕微鏡像(図1A)は複屈折を示し、この結果はファイバーの液晶秩序構造を示すものであった。JEOL 6320 FEGSEM 電界放射型走査電子顕微鏡(FE-SEM;JEOL、日本)を用いて撮影したファイバーのSEM像(図1B)は、ファイバーが10-20マイクロメートルの直径を有し、ファイバーの長軸方向へ拡がった数本の束のようなファイバーからなることを示した。ウイルス構築要素の個々の高さ(individual stand)の平行の位置づけ(parallel orientation)をAFMで観察した。AFM像(図1C)は、長軸がファイバーの長軸に平行な密集したM13ウイルスを示した。スメクティック懸濁液がウイルスファイバーを製造するためにスピンされるが、スメクティック層構造はPOMおよびAFMからは観察されなかった。流れる場(flowing field)のために、懸濁液中のスメクティック秩序構造は壊れ、スメクティックからネマティックへの移行が起きた。キャピラリーから放出された後、懸濁液を直ちに架橋溶液に曝すので、ネマティック秩序のウイルスは互いに架橋し、ネマティック秩序のファイバーが形成された。ウイルスと、ストレプトアビジンと共有結合したR-フィコエリスリン[5]とのコンジュゲーションの後、ファイバーをスピンすることにより、開花(florescent)ウイルスマイクロファイバーを製造した。ネマティック秩序構造をサポートするファイバーを介した均一な蛍光がPOMおよびAFMで観察された(図1D)。
【0083】
ウェットスピンファイバーをさらに図7および図8に示す。
【0084】
D.エレクトロスピニング
懸濁液の粘度が低くスピンできなかったので、M13ウイルスの水性懸濁液はエレクトロスピンできず、エレクトロスプレイした。しかし、揮発性有機溶媒に懸濁したM13ウイルスは、エレクトロスピニングを用いてスピンできた。各種有機溶媒について、スピンの溶媒の可能性を試験した。しかし、殆どの試験したエレクトロスピニング溶媒、例えばメタノール、エタノール、DMF、アセトン、およびトリフルオロエタノールは、ウイルスペレットおよび懸濁液に添加すると、スラリー様の凝集を形成した。1,1,1,3,3,3,ヘキサフルオロ-2-プロパノール(HFP;アルファ・イーサー(Alpha Aeser)、MA)が、ウイルスペレットを溶解した際に均一のウイルス懸濁液を形成する最良の溶媒であった。ナノファイバーを製造するために、キャピラリーチューブ(容量20 μl、直径〜0.5 mm、長さ6.5 cm、ドラモンド・サイエンティフィック、PA)をウイルス懸濁液(HFP中〜92 mg/ml)で満たし、カーボンロッド(直径0.5 mm)をキャピラリーチューブの一端に、シリンジポンプ(ハーバード・アパラタス、MA)により、供給スピード3-6 μl/分で挿入した。20-30 kVの電位を空気を介した高電圧供給装置(グラスマン・ハイボルテージ、NJ)によりかけた。エレクトロスピンしたファイバーを接地した金属プレート(直径10 cm)に集め、アルミフォイルでカバーした。キャピラリーとコレクターの距離を10-15センチメーターとした。偏光光学顕微鏡像(図2A)から、これらの連続エレクトロスピンしたファイバーは、交差偏光下では高度に複屈折していることが確認され、このことはファイバーに高度な結晶秩序構造があることを示している。直径の相対的に広い分布が数マイクロメーターから数十ナノメーターの範囲の直径で観察された。SEM像(図2B)は、ファイバーの殆どが大きなファイバーの束から小さなファイバーに分離した枝分かれした形状を有することを示している。HFPがM13ウイルスに対して毒性を示すために、HFP溶液中のM13ウイルスの感染性は劇的に減少し、感染性を示さなかった。完全なウイルス構造が稀にしかTEM観察で観察されないので、HFPを用いてスピンしたウイルスファイバーは、ウイルスおよびごまかしのサブユニットの断片からなる。
【0085】
エレクトロスピンしたファイバーをさらに図9および10に示す。
【0086】
E.混合材料を用いたエレクトロスピニング
工程の能力を改善し、完全なウイルス構造と感染能を保持するために、M13ウイルス懸濁液を高水溶性ポリマーであるポリビニル 2-ピロリドン(PVP;分子量1,300,000;アルファ・イーサー、MA)と混合した。懸濁液をTBS中ウイルス懸濁液(〜100 mg/ml)とPVP水溶液(25%(w/w))の比率1:1、1:2、1:3および1:4で混合した。水性懸濁液の低粘度と高表面張力のために、1:1および1:2の懸濁液はエレクトロスピンできなかったが、ウイルス−PVP懸濁液の液滴を溶着した。1:3の懸濁液は散発的にスピンされ、エレクトロスピニング工程において低粘度または低濃度の溶液で通常観察されるビーズ/ストリング型ファイバーを形成した[29-31]。しかし、多くのエレクトロスプレイされた液滴がやはり観察された。PVPを混合したM13ウイルスの連続ファイバーを1:4懸濁液から製造した。エレクトロスピンしたファイバーの写真(図3A)から、エレクトロスピンしたファイバーはいかなる形状の不織布にも形状変化できることが示された。マスクをコレクタープレート上のガラス基質の上に置かれた簡単な紙切り細工から作製した。SEM像は、生じたファイバーが連続的で、均質なロープ型であることを示した(図3B)。ファイバーの方向性に対する駆動力、例えば回転主軸[32、33]または導電ギャップを付けたコレクター[26]を欠くため、ファイバーの好ましい方向性は観察されなかった。数マイクロメートルがまだ観察されたが、直径の分布は相対的に狭かった。ファイバーのほとんどは100-200ナノメーターの範囲の直径を有していた。偏光光学顕微鏡を用いて観察されたエレクトロスピニングファイバーは、ネマティック様複屈折を示した(図3C)。ファイバーが交差偏光に対して〜45度にある場合、ファイバーは最大輝度を示し、ファイバーが交差偏光に対して平行である場合に、消光した。ウイルスがR-フィコエリスリンとストレプトアビジンリンカーを用いて結合した時に、蛍光像を蛍光顕微鏡を用いて観察できた(図3D)。エレクトロスピンファイバーを3 mlのトリス緩衝化生理食塩水(pH: 7.5)に溶解後、懸濁液をM13ウイルスの感染能をテストするために採取した。再懸濁したウイルス懸濁液は、ウイルスがバクテリアの宿主を感染するのにまだ活性があることを示した。
【0087】
図11から13はさらに、PVPウイルスファイバーシステムのデータを示す。
【0088】
不織ファイバーは自立不織布を合成するために、高濃度で配置できる。不織ファイバー布の配置の間に用いられる基質をさらに自立方向性のシステムを導入するためにさらに最適化することができる。
【0089】
当業者は、その全体が参照して本明細書に取り込まれる以下の引用文献を参照して、本発明をさらに実施できる。
【0090】
1. Belcher, A. M. etal. Nature 381,56-58 (1996).
2. Mann, S. Biomimetic Materials Chemistry ; VCH: New York, 1996.
3. Whaley, S. R. , English, D. S. , Hu, E. L. Barbara, P. F. Belcher, A. M. Nature 2000, 405, 665-668.
4. Lee, S. -W. ; Mao, C.; Flynn, C. E. , Belcher, A. M., Science, (2002) 296,892-895.
5. Lee, S. -W. ; Lee, S. K.; Belcher, A. M., Adv. Mat.(2003), 15, 689
6. Flynn, E. C. , Mao, C.; Hayhurst, A.; Williams, J. L.; Georgiou, G.; Iverson,B. ;Belcher A. M. , J. Mater.Chem., (2003) 13,2414.
7. Mao, Chuanbin; Flynn, Christine E.; Hayhurst, Andrew; Sweeney, Rozamond; Qi,
Jifa; Georgiou, George; Iverson, Brent; Belcher, Angela M, PNAS, (2003), 100 (12),
6946.
8. Douglas, T. , Young, M. Nature 1998, 393, 152-155.
9. Alivisatos A. P. etal., Nature 381,56-58 (1996).
10. Mirkin C. A.,Letsinger R. L. , MucicR : C., Storhoff J. J., Nature 382, 607-609(1996).
11. Ball, P. Nature 2001, 413, 667-668.
12. Seeman, N. C. Nature 2003, 421,427-431.
13. Brown, S. NatureBiotechnol. 1997,15, 269-272.
14. Nygaard, S. , Wendelbo, R. , Brown, S. Adv. Mat. 2002, 14, 1853-1856.
15. Vollrath, F., Knight, D. P., Nature, (2001) 410,541-548.
16. Hayashi, C.; Lewis R. V., Science, (2002) 287,1477-1479.
17. Hayashi, C.; Lewis R. V., J. Mol. Biol., (1998) 275,773-784.
18. Valluzzi, R.; Winkker, S.; Wilson, D.; Kaplan, D. L;Phil. Trans. R. Soc. Lond. B (2002) 357,165-167.
19. Li, L. S. , Alivisatos, A. P., Advanced Materials (2003) 15 (5): 408-411.
20. Yao, Z. , Henk, Postma W. C. , Balents L. , Dekker C., Nature, 402,273-276.
21. Rueckes, T. , Kim K., Joselevich, E. , Tseng G.. Y. , Cheung, C. L. , and Lieber, C. M., Science 289,94-97 (2000).
22. Bergshoef., M. M. , Vancso, G. J., Advanced Materials, (1999), 11,1362-1365.
23. Jin, . H. , Fridrikh, S. V. , Rutledge, G. C. , Kaplan, D. L, Biomacromolecules (2002) 3,1233-1239.
24. Hohman, M. M. , Shin, M. , Rutledge, G. , Brenner, M. P. Physics of Fluids, (2001), 13,2201-2220.
25. Li, D. , Xia, Y., Nano Letters, (2003) 3,555-560.
26. Li, D. , Wang, Y. , Xia, Y.,Nano Letters, (2003) 3,1167-1171.
27. Taylor, G., Proc. Roy. Soc. Lond. A. (1969), 313,453-475.
28. Doshi, J.; Reneker, D. H.; J. of Electrostatics 1995,35, 151-160.
29. Megelski, S. , Stephens, J. S. , Chase, D. B. , Rabolt, J. F., Macromolecules, (2002), 35,8456-8466.
30. Huang, L. , McMillan, R. A. , Apkarian, R. P. , Rourdeyhimi, B. , Conticello, V.,P.,Chaikof, E. L., Macromolecules (2000), 33,2989-2997.
31. Wang, X. , Drew, C. , Lee, S. , Senecal, K. J.,Kumar, J. , Samuelson, L. A., Nano Letters, (2002), 2,1273-1275.
32. Matthews, J. A.; Wnek, G. E.; Simpson, D. G.; Bowlin, G. L. Biomacromolecules
2002,3, 232-238.
33. Wnek, G. E.; Carr, M. E.; Simpson, D. G.; Bowlin, G. L. Nano Letters, 2003; 3 (2); 213-216.
34. Dogic, Z.; Fraden, S. Phys. Rev. Lett. (1997), 78,2417.
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】ウェットスピニング工程により製造されたM13ウイルスファイバーを示す。(A)POM像(スケールバー:100ミクロン)、(B)SEM像(スケールバー:20ミクロン)、(C)AFM像(スケールバー:20ミクロン)。(D)ウェットスピニングにより製造されたウイルス−フィコエリスリン結合ファイバーの蛍光顕微鏡写真。
【図2】(A)エレクトロスピンしたウイルスだけのファイバーのPOM像、(B)エレクトロスピンしたウイルスだけのファイバーのSEM像(スケールバー:5ミクロン)。
【図3】PVPを混合したM13ウイルスのエレクトロスピンしたファイバーを示す。(A)「ナノ(NANO)」という単語を記述したマスクを通してスピンした不織ファイバーの写真、(B)SEM像(スケールバー:1ミクロン)、(C)POM像、(D)エレクトロスピニングにより製造されたPVP結合ウイルス−フィコエリスリンファイバーの蛍光顕微鏡写真。
【図4】ウェットスピニングとエレクトロスピニングを用いたウイルスファイバー製造工程を示す該略図。
【図5】エレクトロスピニング装置の該略図(A)とその写真(B)。
【図6】有機−ウイルス・ハイブリッドファイバーおよびフィルム(右下)、ならびに他のウイルス関連構造を示す。
【図7】ウェットスピニングしたウイルスファイバーの特性解析を示す。(A)偏光光学顕微鏡像(スケールバー:100ミクロン)、(B-D)SEM像(スケールバー:100ミクロン(B)、スケールバー:20ミクロン(C))、および(E)ファイバーの表面形状(スケールバー:1ミクロン)。
【図8】R-フィクロエリスリン(R-phycroerythrin)ファイバーを結合したウェットスピニングによるウイルスの偏光光学顕微鏡写真(左)および蛍光顕微鏡写真(右)を示す。
【図9】エレクトロスピンしたウイルスファイバーの光学顕微鏡写真(A)および点で囲った領域(A)の相当する変更光学顕微鏡写真(スケールバー:100ミクロン)を示す。
【図10】エレクトロスピンしたウイルスファイバーのSEM範囲およびSEMで計測した直径の分布を表す(スケールバー:(A)10ミクロン、および(B)5ミクロン)。
【図11】PVPを混合したウイルスのエレクトロスピンしたファイバーの写真。不織ファイバーがいかなる形状にも変化できることを示した。
【図12】PVPを混合したウイルスの一連のSEM像およびSEMで計測した直径の分布(D)を示す(スケールバー:(A)、(B)10ミクロン、および(C)1ミクロン)。
【図13】フィトエリスリンを結合したPVP混合抗ストレプトアビジンウイルスの光学顕微鏡写真を表す。PVPを混合したフィトエリスリン結合ウイルスの蛍光顕微鏡写真(A)およびPVPを混合したウイルスの偏光光学顕微鏡写真(B)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ファイバースピニング組成物中にウイルス粒子と溶媒を供給し、ウイルス粒子をスピニングし繊維材料(fibrous material)を形成する工程を含有する、複数のファイバーを含有するウイルス繊維材料を形成する方法。
【請求項2】
スピニングがウェットファイバースピニングである、請求項1記載の方法。
【請求項3】
スピニングがエレクトロスピニングである、請求項1記載の方法。
【請求項4】
スピニングがマイクロファイバースピニングである、請求項1記載の方法。
【請求項5】
スピニングがナノファイバースピニングである、請求項1記載の方法。
【請求項6】
組成物がリオトロピック液晶組成物である、請求項1記載の方法。
【請求項7】
ウイルス粒子がバクテリオファージのウイルス粒子である、請求項1記載の方法。
【請求項8】
ウイルス粒子がリオトロピック液晶溶液を形成できる、請求項1記載の方法。
【請求項9】
ウイルス粒子がその粒子表面に特異的結合領域を有する、請求項1記載の方法。
【請求項10】
ウイルス粒子がその粒子表面に選択的結合領域を有し、結合材料(conjugate material)と結合する、請求項1記載の方法。
【請求項11】
結合材料が無機物質である、請求項10記載の方法。
【請求項12】
結合材料が有機物質である、請求項10記載の方法。
【請求項13】
結合材料が微粒子物質である、請求項10記載の方法。
【請求項14】
結合材料が有核ナノ粒子物質である、請求項10記載の方法。
【請求項15】
ウイルス粒子が結合材料に選択的に結合するための遺伝子操作により発現したペプチド配列を有する、請求項1記載の方法。
【請求項16】
ウイルス粒子のファイバースピニングがウイルス粒子に対する非ウイルス性混合材料(blending material)を用いて行われる、請求項1記載の方法。
【請求項17】
ウイルス粒子のファイバースピニングがウイルス粒子に対する非ウイルス性ポリマー混合材料を用いて行われる、請求項1記載の方法。
【請求項18】
ウイルス粒子のファイバースピニングがウイルス粒子に対する非ウイルス性合成ポリマー混合材料を用いて行われる、請求項1記載の方法。
【請求項19】
ウイルス粒子のファイバースピニングがウイルス粒子に対する水溶性ポリマー混合材料を用いて行われる、請求項1記載の方法。
【請求項20】
ファイバースピニングがウイルス粒子の架橋により行われ、架橋ファイバーが形成される、請求項1記載の方法。
【請求項21】
スピニング後の繊維材料が液晶である、請求項1記載の方法。
【請求項22】
スピニング後の繊維材料がネマチック液晶である、請求項1記載の方法。
【請求項23】
スピニング後の繊維材料がネマチック液晶であり、スピニングがウイルス粒子の架橋により行われ、架橋ファイバーが形成され、ウイルス粒子のスピニングがウイルス粒子に対する非ウイルス性合成ポリマー混合材料を用いて行われる、請求項1記載の方法。
【請求項24】
ウイルス粒子が結合材料に特異的に結合するための遺伝子操作により発現したペプチド配列を有する、請求項23記載の方法。
【請求項25】
ウイルス粒子が結合材料に特異的に結合するための遺伝子操作により発現したペプチド配列を有し、繊維材料が宿主に再感染できるウイルスを含有する、請求項1記載の方法。
【請求項26】
ウイルス粒子が結合材料に特異的に結合、または結合材料の核を形成するための遺伝子操作により発現したペプチド配列を有し、繊維材料が回収および増幅できるウイルス核酸を含有する、請求項1記載の方法。
【請求項27】
遺伝子操作したウイルス粒子をファイバースピニングし、繊維材料を形成する工程を含有する、複数のファイバーを含有する遺伝子操作した繊維材料を形成する方法であって、繊維材料のウイルス粒子がファイバースピニング後に結合材料に特異的に結合し、または特異的に結合でき、繊維材料のウイルス粒子がファイバースピニング後もウイルス構造を保持する、方法。
【請求項28】
ファイバースピニングがウェットファイバースピニングである、請求項27記載の方法。
【請求項29】
ファイバースピニングがエレクトロスピニングである、請求項27記載の方法。
【請求項30】
ファイバースピニングがマイクロファイバースピニングまたはナノファイバースピニングである、請求項27記載の方法。
【請求項31】
ファイバースピニングが液晶ファイバースピニングである、請求項27記載の方法。
【請求項32】
ウイルス粒子が繊維状ウイルス粒子である、請求項27記載の方法。
【請求項33】
ウイルス粒子がリオトロピック液晶溶液を形成できる、請求項27記載の方法。
【請求項34】
ウイルス粒子がウイルス粒子の一端の表面、またはウイルス表面の全長に沿って特異的結合領域を有する、請求項27記載の方法。
【請求項35】
ウイルス粒子がウイルス粒子の一端の表面、またはウイルス表面の全長に沿って特異的核形成領域を有する、請求項27記載の方法。
【請求項36】
結合材料が無機物質である、請求項27記載の方法。
【請求項37】
結合材料が有機物質である、請求項27記載の方法。
【請求項38】
結合材料が蛍光物質である、請求項27記載の方法。
【請求項39】
結合材料が金属材料、半導体材料、または磁性材料である、請求項27記載の方法。
【請求項40】
結合材料が薬剤または酵素である、請求項27記載の方法。
【請求項41】
ウイルス粒子が結合材料に特異的に結合するための遺伝子操作により発現したペプチド配列を有する、請求項27記載の方法。
【請求項42】
ウイルス粒子のファイバースピニングがウイルス粒子に対する非ウイルス性ポリマー混合材料を用いて行われる、請求項27記載の方法。
【請求項43】
ウイルス粒子のファイバースピニングがウイルス粒子に対する非ウイルス性合成ポリマー混合材料を用いて行われる、請求項27記載の方法。
【請求項44】
ウイルス粒子のファイバースピニングがウイルス粒子に対する水溶性ポリマー混合材料を用いて行われる、請求項27記載の方法。
【請求項45】
ファイバースピニングがウイルス粒子の架橋により行われ、架橋ファイバーが形成される、請求項27記載の方法。
【請求項46】
繊維材料が固体状態にある液晶である、請求項27記載の方法。
【請求項47】
繊維材料が固体状態のネマチック液晶であり、ファイバースピニングがウイルス粒子の架橋により行われ、架橋ファイバーが形成され、ウイルス粒子のファイバースピニングがウイルス粒子に対する非ウイルス性合成ポリマー混合材料を用いて行われる、請求項27記載の方法。
【請求項48】
ウイルス粒子が結合材料に特異的に結合するための遺伝子操作により発現したペプチド配列を有し、結合材料がウイルス粒子に結合する、請求項27記載の方法。
【請求項49】
ウイルス粒子が結合材料に特異的に結合するための遺伝子操作により発現したペプチド配列を有し、繊維材料が宿主に再感染できるウイルスを含有する、請求項27記載の方法。
【請求項50】
繊維材料を一つまたはそれ以上の他の材料と混合する工程をさらに含有する、請求項27記載の方法。
【請求項51】
ファイバーが固体状態でウイルス構造を保持する一つまたはそれ以上のウイルス粒子を含有する、複数のファイバーを含有する繊維材料。
【請求項52】
非ウイルス性混合材料をさらに含有する、請求項51記載の繊維材料。
【請求項53】
非ウイルス性ポリマー混合材料をさらに含有する、請求項51記載の繊維材料。
【請求項54】
非ウイルス性合成ポリマー混合材料をさらに含有する、請求項51記載の繊維材料。
【請求項55】
水溶性ポリマー混合材料をさらに含有する、請求項51記載の繊維材料。
【請求項56】
ファイバーがマイクロファイバーを含有する、請求項51記載の繊維材料。
【請求項57】
ファイバーがナノファイバーを含有する、請求項51記載の繊維材料。
【請求項58】
ウイルス粒子がバクテリオファージのウイルス粒子である、請求項51記載の繊維材料。
【請求項59】
ウイルス粒子が繊維状ウイルスの粒子である、請求項51記載の繊維材料。
【請求項60】
ウイルス粒子がリオトロピック液晶溶液を形成できる、請求項51記載の繊維材料。
【請求項61】
ウイルス粒子が末端機能型(end-functionalized)である、請求項51記載の繊維材料。
【請求項62】
ウイルス粒子が、特異的結合により結合材料に結合できる、あるいは結合しているその粒子表面上の特異的結合領域を有する、請求項51記載の繊維材料。
【請求項63】
ウイルス粒子がその粒子表面に特異的結合領域を有し、特異的結合により結合材料と結合する、請求項51記載の繊維材料。
【請求項64】
結合材料が無機物質である、請求項62記載の繊維材料。
【請求項65】
結合材料が有機物質である、請求項62記載の繊維材料。
【請求項66】
結合材料が微粒子物質である、請求項62記載の繊維材料。
【請求項67】
結合材料が薬剤または酵素である、請求項62記載の繊維材料。
【請求項68】
結合材料がナノ微粒子物質である、請求項62記載の繊維材料。
【請求項69】
ウイルス粒子が結合材料に特異的に結合するための遺伝子操作されたペプチド配列を有する、請求項51記載の繊維材料。
【請求項70】
繊維材料が固体状態の液晶である、請求項51記載の繊維材料。
【請求項71】
繊維材料が固体状態のネマチック液晶である、請求項51記載の繊維材料。
【請求項72】
繊維材料が架橋されている、請求項51記載の繊維材料。
【請求項73】
繊維材料が固体状態のネマチック液晶であり、繊維材料が架橋されており、繊維材料がウイルス粒子に対する非ウイルス性合成ポリマー混合材料をさらに含有する、請求項51記載の繊維材料。
【請求項74】
ウイルス粒子が結合材料に特異的に結合するための遺伝子操作されたペプチド配列を有し、ペプチド配列がすでに結合材料に結合しているか、または特異的物質に結合できる、請求項73記載の繊維材料。
【請求項75】
ウイルス粒子が結合材料に特異的に結合する、請求項74記載の繊維材料。
【請求項76】
繊維材料のウイルス粒子が宿主への感染能を保持している、請求項51記載の繊維材料。
【請求項77】
ウイルス粒子が繊維状ウイルスの粒子であり、液晶状態である、請求項76記載の繊維材料。
【請求項78】
ファイバーが、ファイバー状態でウイルス構造を保持し、結合材料と結合するための特異的結合部位を有する一つまたはそれ以上のファイバースピンした遺伝子操作されたウイルス粒子を含有する、複数のファイバーを含有する繊維材料。
【請求項79】
粒子が結合材料に特異的に結合する、請求項78記載の繊維材料。
【請求項80】
粒子が結合材料に特異的に結合できるが、結合していない、請求項78記載の繊維材料。
【請求項81】
結合材料が半導体材料、磁性材料、または金属材料である、請求項78記載の繊維材料。
【請求項82】
結合材料が結晶材料である、請求項78記載の繊維材料。
【請求項83】
結合材料が非結晶材料である、請求項78記載の繊維材料。
【請求項84】
結合材料が薬剤または酵素である、請求項78記載の繊維材料。
【請求項85】
ウイルス粒子が特異的結合を提供する発現オリゴペプチド配列を含有する、請求項78記載の繊維材料。
【請求項86】
ウイルス粒子が繊維状粒子である、請求項78記載の繊維材料。
【請求項87】
ウイルス粒子がその末端に特異的結合部位を有する、請求項78記載の繊維材料。
【請求項88】
ウイルス粒子がその全長に沿って特異的結合部位を有する、請求項78記載の繊維材料。
【請求項89】
ウイルス粒子がその末端、およびその全長に沿って特異的結合部位を有する、請求項78記載の繊維材料。
【請求項90】
繊維材料が金属材料、セラミック材料、またはガラス材料をさらに含有する、請求項78記載の繊維材料。
【請求項91】
繊維材料がポリマー材料をさらに含有する、請求項78記載の繊維材料。
【請求項92】
繊維材料が少なくとも50重量%のウイルス粒子を含有する、請求項78記載の繊維材料。
【請求項93】
繊維材料が50重量%未満のウイルス粒子を含有する、請求項78記載の繊維材料。
【請求項94】
繊維材料が少なくとも50重量%の合成ポリマー材料を含有する、請求項78記載の繊維材料。
【請求項95】
繊維材料が少なくとも二つの異なる型のウイルス粒子を含有する、請求項78記載の繊維材料。
【請求項96】
繊維材料が少なくとも一つの水溶性ポリマーを含有する、請求項78記載の繊維材料。
【請求項97】
繊維材料が少なくとも一つの生分解性ポリマーを含有する、請求項78記載の繊維材料。
【請求項98】
ウイルス粒子が繊維状ウイルスの粒子であり、繊維材料が混合材料をさらに含有する、請求項78記載の繊維材料。
【請求項99】
繊維材料のウイルス粒子が宿主への感染能を保持している、請求項98記載の繊維材料。
【請求項100】
繊維材料がその生存構成要素部分に再溶解しうる、請求項98記載の繊維材料。
【請求項101】
粒子が約5nmから約20nmの切断面の直径と約60nmから約6000nmの長さを有する、整列、架橋した、桿状粒子を含有する繊維材料。
【請求項102】
長さが約250nmから約1000nmである、請求項101記載の繊維材料。
【請求項103】
粒子が少なくとも25:1の縦横比を有する、請求項101記載の繊維材料。
【請求項104】
粒子が少なくとも75:1の縦横比を有する、請求項101記載の繊維材料。
【請求項105】
粒子が少なくとも100:1の縦横比を有する、請求項101記載の繊維材料。
【請求項106】
粒子が遺伝子操作された粒子である、請求項101記載の繊維材料。
【請求項107】
粒子がタンパク質および核酸成分を含有する、請求項101記載の繊維材料。
【請求項108】
繊維材料が混合材料をさらに含有する、請求項101記載の繊維材料。
【請求項109】
繊維材料が合成ポリマー混合材料をさらに含有する、請求項101記載の繊維材料。
【請求項110】
材料が固体状態の液晶である、請求項101記載の繊維材料。
【請求項111】
ウイルス性材料を宿主に感染する工程を含有する方法であって、該ウイルス性材料がファイバー形態中にウイルス粒子を含有する繊維材料から供給される、方法。
【請求項112】
繊維材料が混合剤をさらに含有する、請求項111記載の方法。
【請求項113】
繊維材料が合成ポリマー混合剤をさらに含有する、請求項111記載の方法。
【請求項114】
ウイルス粒子がバクテリオファージのウイルス粒子である、請求項111記載の方法。
【請求項115】
ウイルス粒子が繊維状ウイルスの粒子である、請求項111記載の方法。
【請求項116】
スピニング後にファイバー形態を制御しウイルス構造を保持するために、濃度、粘度、および電場、と混合剤の任意使用を制御しながら、ウイルス粒子をファイバー形態へスピニングする工程を有し、ウイルス粒子が固体状態でそのウイルス構造を保持する、ウイルス粒子をファイバー形態へ変換する方法。
【請求項117】
電場がスピニングの間に用いられる、請求項116記載の方法。
【請求項118】
混合剤が用いられる、請求項116記載の方法。
【請求項119】
濃度が制御された結果、スピニングの間に液晶相が形成される、請求項116記載の方法。
【請求項120】
エレクトロスプレイを回避するために、スピニングの間、濃度が十分に高い、請求項116記載の方法。
【請求項121】
ウイルス粒子を含有する繊維材料を含有する不織布材料。
【請求項122】
ウイルス粒子を含有する繊維材料を含有する織布材料。
【請求項123】
ウイルス粒子を含有する繊維材料を含有するセンサー。
【請求項124】
ウイルス粒子を含有する繊維材料を含有する生物医学用デバイス。
【請求項125】
ウイルス粒子を含有する繊維材料を含有する布地。
【請求項126】
ウイルス粒子を含有する繊維材料を含有する薬剤送達デバイス。
【請求項127】
繊維材料が挿入後、組織または細胞に溶解するにつれ、制御速度で送達される結合材料を前記繊維材料がさらに含有する、請求項126記載のデバイス。
【請求項128】
互いに特異的に結合するように遺伝子操作されたウイルス粒子を含有する複数のファイバーを含有する製品。
【請求項129】
ファイバースピニング組成物中にウイルス粒子と溶媒を供給し、ウイルス粒子をスピニングし繊維材料を形成する工程を含有する、複数のファイバーを含有するウイルス性繊維材料を形成する方法であって、前記組成物がスピニング前に核形成反応にかけられ、または繊維材料がスピニング後に核形成反応にかけられ、繊維材料中にナノ結晶が形成される方法。
【請求項130】
ファイバースピニング組成物中にウイルス粒子と溶媒を供給し、ウイルス粒子をスピニングしウイルスファイバーを形成することを含有する、ウイルスファイバーを形成する方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公表番号】特表2007−513261(P2007−513261A)
【公表日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−535662(P2006−535662)
【出願日】平成16年10月15日(2004.10.15)
【国際出願番号】PCT/US2004/033941
【国際公開番号】WO2005/038430
【国際公開日】平成17年4月28日(2005.4.28)
【出願人】(500039463)ボード・オブ・リージエンツ,ザ・ユニバーシテイ・オブ・テキサス・システム (115)
【出願人】(591013573)マサチューセッツ・インスティチュート・オブ・テクノロジー (26)
【氏名又は名称原語表記】MASSACHUSETTS INSTITUTE OF TECHNOLOGY
【Fターム(参考)】