説明

ウイルスポリメラーゼの阻害剤としてのヌクレオシド誘導体

構造式(I):


(式中、R、R、R、Q及びQは本願明細書に定義する通りである。)の化合物とその医薬的に許容可能な塩、その製造方法、前記化合物を含有する医薬組成物及び特にHCV感染症の治療又は予防用医薬におけるその使用を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はヌクレオシド及びヌクレオチド誘導体、その合成並びにRNA依存性RNAウイルスポリメラーゼの阻害剤としてのその使用に関する。本発明の化合物はRNA依存性RNAウイルス複製の阻害剤であるため、RNA依存性RNAウイルス感染症の治療に有用である。これらは特にC型肝炎ウイルス(HCV)NS5Bポリメラーゼの阻害剤として、HCV複製の阻害剤として、及びC型肝炎感染症の治療用として有用である。
【背景技術】
【0002】
C型肝炎ウイルス(HCV)感染症は肝硬変や肝細胞癌等の慢性肝疾患につながる重要な健康上の問題であり、感染者は相当数に及び、世界人口の2〜15%と推定される。米国疾病対策センター(U.S.Center for Disease Control)によると、米国だけで450万人が感染していると推定される。世界保健機構(World Health Organization)によると、全世界の感染者数は2億人を上回り、毎年少なくとも300万人から400万人が感染している。感染者の約20%からはウイルスが消えるが、残りの感染者は終生HCVを保有し続ける。慢性感染者の10から20%は肝臓を破壊する肝硬変又は癌を最終的に発症する。このウイルス性疾患は汚染した血液及び血液製剤、汚染した注射針により非経口感染するか又は性感染し、感染母体又は担体母体からその子孫へと垂直感染する。HCV感染症の現行治療法は組換えインターフェロンαの単独使用又はヌクレオシドアナログリバビリンとの併用による免疫療法に限られており、臨床効果も限られている。更に、HCVのワクチンは確立されていない。従って、慢性HCV感染症を有効に抑制する改良型治療剤が緊急に必要とされている。HCV治療のアプローチとしてはウイルスセリンプロテイナーゼ(NS3プロテアーゼ)、ヘリカーゼ及びRNA依存性RNAポリメラーゼ(NS5B)の阻害やワクチンの開発等の種々のアプローチが取られている。
【0003】
HCVビリオンはエンベロープをもつプラス鎖RNAウイルスであり、約3,010アミノ酸のポリプロテインをコードする約9600塩基の単一オリゴリボヌクレオチドゲノム配列からなる。HCV遺伝子の蛋白産物は構造蛋白質C、E1及びE2と、非構造蛋白質NS2、NS3、NS4A及びNS4B、並びにNS5A及びNS5Bから構成される。非構造(NS)蛋白質はウイルス複製の触媒機構を提供すると考えられている。NS3プロテアーゼはRNA依存性RNAポリメラーゼであるNS5Bをポリプロテイン鎖から遊離させる。HCV NS5BポリメラーゼはHCVの複製サイクルにおいて鋳型として機能する1本鎖ウイルスRNAから2本鎖RNAを合成するために必要である。従って、NS5BポリメラーゼはHCV複製複合体の必須成分であるとみなされる[K.Ishi,et al.,“Expression of Hepatitis C Virus NS5B Protein:Characterization of Its RNA Polymerase Activity and RNA Binding,”Hepatology,29:1227−1235(1999)及びV.Lohmann,et al.,“Biochemical and Kinetic Analyses of NS5B RNA−Dependent RNA Polymerase of the Hepatitis C Virus,”Virology,249:108−118(1998)参照]。HCV NS5Bポリメラーゼの阻害は2本鎖HCV RNAの形成を防止するので、HCV特異的抗ウイルス治療の開発の魅力的なアプローチとなる。
【0004】
HCV感染症の治療用として有望なHCV NS5Bポリメラーゼ阻害剤の開発についてはM.P.Walker et al.,“Promising candidates for the treatment of chronic hepatitis C,”Expert Opin.Invest.Drugs.12:1269−1280(2003)及びP.Hoffmann et al.,“Recent patents on experimental therapy for hepatitis C virus infection(1999−2002),”Expert Opin.Ther.Patents.13:1707−1723(2003)に記載されている。HCVポリメラーゼに対するプリンリボヌクレオシドの活性はA.E.Eldrup et al.,“Structure−Activity Relationship of Purine Ribonucleosides for Inhibition of HCV RNA−Dependent RNA Polymerase,”J.Med.Chem.,47:2283−2295(2004)により報告されている。HCV治療用の治療アプローチとして、HCVポリメラーゼ阻害剤としての構造的に多様なヌクレオシド誘導体が引き続き必要とされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】K.Ishi,et al.,“Expression of Hepatitis C Virus NS5B Protein:Characterization of Its RNA Polymerase Activity and RNA Binding,”Hepatology,29:1227−1235(1999)
【非特許文献2】V.Lohmann,et al.,“Biochemical and Kinetic Analyses of NS5B RNA−Dependent RNA Polymerase of the Hepatitis C Virus,”Virology,249:108−118(1998)
【非特許文献3】M.P.Walker et al.,“Promising candidates for the treatment of chronic hepatitis C,”Expert Opin.Invest.Drugs.12:1269−1280(2003)
【非特許文献4】P.Hoffmann et al.,“Recent patents on experimental therapy for hepatitis C virus infection(1999−2002),”Expert Opin.Ther.Patents.13:1707−1723(2003)
【非特許文献5】A.E.Eldrup et al.,“Structure−Activity Relationship of Purine Ribonucleosides for Inhibition of HCV RNA−Dependent RNA Polymerase,”J.Med.Chem.,47:2283−2295(2004)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はRNA依存性RNAウイルス複製、特にHCV複製の強力な阻害剤である新規類のヌクレオシド及びヌクレオチドを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は構造式(I):
【0008】
【化1】

の化合物とその医薬的に許容可能な塩に関し、式中、
Xはヌクレオシド及びヌクレオチドアナログに存在する任意に置換された塩基環系であり、Xは塩基環系のN原子を介して糖鎖環と結合しており;
Zは1から3個のヘテロ原子を含み、任意にオキソ、S(O)、S(O)、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、CHOR、CO、CONR、NRC(O)R又はNR基で置換された5又は6員複素環であり、ここで、R及びRは独立して水素及びC1−4アルキルから選択され、ZはXを糖鎖環と結合するN原子から2個の環原子であるXの環原子と結合しており;
は水素、ヒドロキシ、ハロ又は任意にフルオロで置換されたC1−6アルキルであり;
はヒドロキシ、ハロ、OMe,C−C16アルキルカルボニル又は水素であり;
は水素又は任意にフルオロで置換されたアジド、エチニル、シアノもしくはC1−6脂肪族基であり;
は水素、一、二もしくは三リン酸基又は保護基Qであり;
は水素又は保護基Qである。
【0009】
Xは任意にハロ、1個以上のオキソもしくはヒドロキシ基、又は任意にCOR(式中、RはC1−6脂肪族基又はフェニルである。)で置換された1個以上のアミノ基で置換されたプリン、ピロロピリミジン、ピラゾロピリミジン又はピリミジン環が適切である。Xはアミノ基で置換されたピロロピリミジン環又はアミノ基で置換されたピラゾロピリミジン環が最も適切である。Xは4位をアミノ基で置換されたピロロピリミジン環が好ましい。
【0010】
Zは酸素、硫黄及び窒素から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含み、任意にオキソ、アミノ、C1−4アルコキシル基(例えばメトキシ)又はC1−4アルキル基(例えばメチル)で置換された5又は6員複素環が適切である。ZはX上の置換基における水素原子と水素結合することが可能な環原子をもつものが適切である。Zは酸素及び窒素から選択される2又は3個のヘテロ原子を含む5員複素環であり、前記ヘテロ原子の最大1個が酸素であるものが最も適切である。好ましくは、Zは3−オキサジアゾール、5−ピラゾール及び2−オキサゾールから選択される。
【0011】
は水素、ハロ又はC1−4アルキルが適切である。RはC1−4アルキル又はハロがより適切である。Rはメチル又はフッ素がより適切である。Rはメチルが最も適切である。
【0012】
はヒドロキシ、水素、クロロ又はフルオロが適切である。Rはヒドロキシ又はハロがより適切である。Rはヒドロキシ又はフルオロが最も適切である。
【0013】
は水素、アジド又はメチルが適切である。Rは水素がより適切である。
【0014】
適切なQ及びQ基は当業者に周知であり、例えば本願に組込まれるWO2006/065335及びPCT/EP2008/056128に記載されているものが挙げられる。例えば、QはC1−16アルキルカルボニル、C2−18アルケニルカルボニル、C1−10アルキルオキシカルボニル、C3−6シクロアルキルカルボニル、C3−6シクロアルキルオキシカルボニル又は一リン酸プロドラッグ残基
【0015】
【化2】

とすることができ、上記式中、Rは水素、任意にフルオロ、ヒドロキシ、メトキシ、アミノ、カルボキシ、カルバモイル、グアニジノ、メルカプト、メチルチオ、1H−イミダゾリル及び1H−インドール−3−イルから構成される群から選択される1個の置換基で置換されたC1−6アルキルであり、あるいはRは各々独立してハロゲン、ヒドロキシ及びメトキシから構成される群から選択される1から2個の置換基で任意に置換されたフェニル、ベンジル又はフェネチルであり;
は水素又はメチルであり;
あるいはRとRはそれらが結合している炭素原子と共に3から6員の脂肪族スピロ環系を形成し;
はアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール又は
【0016】
【化3】

であり、上記式中、R11は各々独立してハロゲン、ヒドロキシ、カルボキシ、C1−4アルコキシ、トリフルオロメチル及び(CH0−4NR1516(式中、R15及びR16は独立して水素及びC1−6アルキルから選択され、あるいはR15とR16はそれらが結合している窒素原子と共に、N、O及びSから選択される1又は2個以上のヘテロ原子を含み、任意にC1−6アルキルで置換された4から7員の複素環を形成する。)から選択される1から3個の置換基で任意に置換されたC1−16アルキル、C2−20アルケニル、(CH0−47−9シクロアルキル、(CH0−43−9シクロアルケニル又はアダマンチルであり;
10はヒドロキシ又はOR16基であり、ここで、R16はCHOC(O)R17又はCHCHSR17であり、ここで、R17は任意にヒドロキシル基で置換されたC1−6アルキルカルボニルであり、あるいはR16は(CH2−4−O−(CH1−17CH又はフェニル、ナフチル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリル、キノリニル又はイソキノリニルから選択される芳香環であり、前記芳香環は独立してハロゲン、C1−4アルキル、C1−4アルコキシ、C1−4アルキルチオ、シアノ、ニトロ、アミノ、カルボキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、C1−4アルキルアミノ、ジ(C1−4アルキル)アミノ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルカルボニルオキシ及びC1−4アルキルオキシカルボニルから構成される群から選択される1から5個の置換基で任意に置換されており、あるいはR10とQは結合を形成し、環状リン酸基を形成し;
12はC6−16アルキル、C2−20アルケニル、(CH0−27−9シクロアルキル、(CH0−23−9シクロアルケニル、OC1−6アルキル又はアダマンチルであり;
13及びR14は独立して水素及びC1−6アルキルから選択され;
あるいはR13とRl4はそれらが結合している炭素原子と共に3から6員の脂肪族スピロ環系を形成し;
及び/又はQはメチル、C1−16アルキルカルボニル、C2−18アルケニルカルボニル、C1−10アルキルオキシカルボニル、C3−6シクロアルキルカルボニル、C3−6シクロアルキルオキシカルボニル及び構造式:
【0017】
【化4】

のアミノアシル残基でもよく、ここで、R18は水素、C1−5アルキル又はフェニルC0−2アルキルであり、R19は水素、C1−4アルキル、C1−4アルキルスルホニルもしくはフェニルC0−2アルキルスルホニル、又はCOR20基であり、ここで、R20は任意にフェニルで置換されたC1−4アルキル、任意にフェニルで置換されたC1−4アルコキシ、任意にフェニルで置換されたC1−4アルキルで任意に置換されたC1−4アルキルアミノである。
【0018】
適切にはQは水素、一リン酸、二リン酸もしくは三リン酸、C−C16アルキルカルボニル又は上記構造の一リン酸プロドラッグであり、ここで、Rは水素、メチル又はベンジルであり、より適切には水素又はメチルであり、Rは水素又はメチルであり、より適切には水素であり、RはPh、CO11又はCR1314OC(O)R12であり、R10はヒドロキシル又はOR16であり、ここで、R16は芳香環もしくは複素芳香環又はCHCHSR17であり、ここで、R17は任意にヒドロキシル基で置換されたC−Cアルキルカルボニルであり、より適切にはR10はヒドロキシル、O−フェニル又は任意にヒドロキシル基で置換されたCHCHS−C−Cアルキルカルボニルであり、最も適切には、R10はヒドロキシル又はCHCHS S−tert−ブチルカルボニル又はCHCHS−ヒドロキシ−tert−ブチルカルボニルである。
【0019】
適切にはR11はC−C16アルキル、好ましくはC−C16アルキルであり、R12はC−C16アルキル、好ましくはC−C16アルキルであり、R13及びR14は同時に水素である。
【0020】
は水素又はトリホスホリルが最も適切である。
【0021】
適切には、Qは水素、C−C16アルキルカルボニル又は上記構造のアミノアシル残基から選択され、ここで、R18は水素又はC−Cアルキル、より適切にはメチルであり、R19は水素である。Qは水素が最も適切である。
【0022】
式(I)の化合物は指定の立体化学配置をとる。
【0023】
式(I)の化合物の好ましい実施形態としては、式(II)、(III)、(IV)及び(V):
【0024】
【化5】

(式中、RからR、Z、Q及びQは上記の通りである。)から選択される化合物とその医薬的に許容可能な塩が挙げられる。
【0025】
本発明の好ましい化合物としては、
5−(2−メトキシ−1,3−チアゾール−4−イル)−7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−ピリミジン−2−イル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1,3−オキサゾール−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1H−ピラゾール−5−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(2−チエニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−(1,3−オキサゾール−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
5−(2−メトキシ−1,3−チアゾール−4−イル)−7−(2−C−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−(1H−ピラゾール−5−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−(1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−デオキシ−2−フルオロ−2−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−(1H−ピラゾール−5−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−デオキシ−2−フルオロ−2−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−(1,3−オキサゾール−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−ピリミジン−2−イル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−デオキシ−2−フルオロ−2−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−デオキシ−2−フルオロ−2−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1H−ピラゾール−5−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(6−メトキシピリジン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−デオキシ−2−フルオロ−2−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−デオキシ−2−フルオロ−2−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1,3−オキサゾール−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
1−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−3−(1H−ピラゾール−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン、
1−[5−O−(ヒドロキシ{[ヒドロキシ(ホスホノオキシ)ホスホリル]オキシ}ホスホリル)−2−C−メチル−β−D−リボフラノシル]−3−(1H−ピラゾール−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
2−{[(R)−({(2R,3S,4R,5R)−5−[4−アミノ−5−(1H−ピラゾール−5−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−3,4−ジヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル}メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル]アミノ}プロパン酸エチル、
2−{[(R)−({(2R,3S,4R,5R)−5−[4−アミノ−5−(1,3−オキサゾール−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−3,4−ジヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル}メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル]アミノ}プロパン酸エチル
及びその医薬的に許容可能な塩が挙げられる。
【発明の効果】
【0026】
式(I)の化合物はRNA依存性RNAウイルスポリメラーゼ、特にHCV NS5Bポリメラーゼの阻害剤として有用である。これらはRNA依存性RNAウイルス複製、特にHCV複製の阻害剤でもあり、RNA依存性RNAウイルス感染症の治療、特にHCV感染症の治療に有用である。Q及びQが夫々5’−三リン酸及びヒドロキシル以外のものである式(I)の化合物はプロドラッグとして作用することができ、あるいは、RNA依存性RNAウイルス感染症の治療、特にHCV感染症の治療に有用な式(I)の化合物に変換することができる。
【0027】
その作用メカニズムに関して限定するものではないが、本明細書に記載する本発明の化合物のプロドラッグは対応するヌクレオシド5’−一リン酸の前駆体として作用する。内在キナーゼ酵素は5’−一リン酸をRNA依存性RNAウイルスポリメラーゼの阻害剤であるその5’−三リン酸誘導体に変換する。従って、前記プロドラッグはヌクレオシド自体よりも効率的な標的細胞透過を実現し、代謝分解しにくく、肝臓等の特定組織を標的とすることができ、その結果、治療指数を高め、抗ウイルス薬の総用量を低減できると考えられる。
【0028】
上記化合物を単独で含有する医薬組成物又はRNA依存性RNAウイルス、特にHCVに対して活性な他の作用剤と共に含有する医薬組成物と、RNA依存性RNAウイルス複製の阻害方法及びRNA依存性RNAウイルス感染症の治療方法も本発明に含まれる。
【0029】
本発明の1実施形態において、本発明の化合物はプラスセンス1本鎖RNA依存性RNAウイルスポリメラーゼ阻害剤、プラスセンス1本鎖RNA依存性RNAウイルス複製阻害剤の前駆体として、及び/又はプラスセンス1本鎖RNA依存性RNAウイルス感染症の治療用として有用である。この実施形態の1分類において、プラスセンス1本鎖RNA依存性RNAウイルスはフラビウイルス科ウイルス又はピコルナウイルス科ウイルスである。この分類の1サブ分類において、ピコルナウイルス科ウイルスはライノウイルス、ポリオウイルス又はA型肝炎ウイルスである。この分類の第2のサブ分類において、フラビウイルス科ウイルスはC型肝炎ウイルス、黄熱病ウイルス、デングウイルス、西ナイルウイルス、日本脳炎ウイルス、バンジウイルス及びウシウイルス性下痢ウイルス(BVDV)から構成される群から選択される。このサブ分類の1サブ分類において、フラビウイルス科ウイルスはC型肝炎ウイルスである。
【0030】
本発明の別の態様は該当処置を必要とする哺乳動物におけるRNA依存性RNAウイルスポリメラーゼの阻害方法、RNA依存性RNAウイルス複製の阻害方法、及び/又はRNA依存性RNAウイルス感染症の治療方法として、治療有効量の構造式(I)の化合物を前記哺乳動物に投与する段階を含む方法に関する。
【0031】
本発明のこの態様の1実施形態において、RNA依存性RNAウイルスポリメラーゼはプラスセンス1本鎖RNA依存性RNAウイルスポリメラーゼである。この実施形態の1分類において、プラスセンス1本鎖RNA依存性RNAウイルスポリメラーゼはフラビウイルス科ウイルスポリメラーゼ又はピコルナウイルス科ウイルスポリメラーゼである。この分類の1サブ分類において、ピコルナウイルス科ウイルスポリメラーゼはライノウイルスポリメラーゼ、ポリオウイルスポリメラーゼ又はA型肝炎ウイルスポリメラーゼである。この分類の第2のサブ分類において、フラビウイルス科ウイルスポリメラーゼはC型肝炎ウイルスポリメラーゼ、黄熱病ウイルスポリメラーゼ、デングウイルスポリメラーゼ、西ナイルウイルスポリメラーゼ、日本脳炎ウイルスポリメラーゼ、バンジウイルスポリメラーゼ及びウシウイルス性下痢ウイルス(BVDV)ポリメラーゼから構成される群から選択される。このサブ分類の1サブ分類において、フラビウイルス科ウイルスポリメラーゼはC型肝炎ウイルスポリメラーゼである。
【0032】
本発明のこの態様の第2の実施形態において、RNA依存性RNAウイルス複製はフラビウイルス科ウイルス複製やピコルナウイルス科ウイルス複製等のプラスセンス1本鎖RNA依存性RNAウイルス複製である。1サブ分類において、ピコルナウイルス科ウイルス複製はライノウイルス複製、ポリオウイルス複製又はA型肝炎ウイルス複製である。第2のサブ分類において、フラビウイルス科ウイルス複製はC型肝炎ウイルス複製,黄熱病ウイルス複製、デングウイルス複製、西ナイルウイルス複製、日本脳炎ウイルス複製、バンジウイルス複製及びウシウイルス性下痢ウイルス複製から構成される群から選択され、C型肝炎ウイルス複製が好ましい。
【0033】
本発明のこの態様の第3の実施形態において、RNA依存性RNAウイルス感染症はフラビウイルス科ウイルス感染症やピコルナウイルス科ウイルス感染症等のプラスセンス1本鎖RNA依存性ウイルス感染症である。この分類の1サブ分類において、ピコルナウイルス科ウイルス感染症はライノウイルス感染症、ポリオウイルス感染症又はA型肝炎ウイルス感染症である。この分類の第2のサブ分類において、フラビウイルス科ウイルス感染症はC型肝炎ウイルス感染症、黄熱病ウイルス感染症、デングウイルス感染症、西ナイルウイルス感染症、日本脳炎ウイルス感染症、バンジウイルス感染症及びウシウイルス性下痢ウイルス感染症から構成される群から選択される。フラビウイルス科ウイルス感染症はC型肝炎ウイルス感染症が好ましい。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本願明細書全体を通して以下の用語は以下の意味である。
【0035】
上記アルキル基は直鎖又は分岐構造の指定長のアルキル基を意味する。このようなアルキル基の例はメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、1−プロピルブチル、オクチル、2−プロピルペンチル等である。
【0036】
「アダマンチル」なる用語は1−アダマンチルと2−アダマンチルの両者を包含する。
【0037】
「アルケニル」なる用語は総炭素原子数2から20又はこの範囲内の任意数の直鎖又は分岐鎖アルケン(例えばエテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、オレイル等)を意味する。
【0038】
「シクロアルキル」なる用語は指定炭素原子数又はこの範囲内の任意数の環状アルカン(例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はシクロオクチル)を意味する。
【0039】
「シクロアルケニル」なる用語は指定炭素原子数又はこの範囲内の任意数の環状アルケン(即ちシクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル又はシクロオクテニル)を意味する。
【0040】
「C1−6脂肪族基」なる用語は炭素原子数1から6のアルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル又はシクロアルキニル基を意味する。
【0041】
「アルコキシ」なる用語は指定炭素原子数(例えばC1−4アルコキシ)又はこの範囲内の任意数の直鎖又は分岐鎖アルコキシド[即ちメトキシ、エトキシ、イソプロポキシ等]を意味する。
【0042】
「アルキルアミノ」なる用語は指定炭素原子数(例えばC1−4アルキルアミノ)又はこの範囲内の任意数の直鎖又は分岐鎖アルキルアミン[即ちメチルアミノ、エチルアミノ、イソプロピルアミノ、t−ブチルアミノ等]を意味する。
【0043】
「アルキルスルホニル」なる用語は指定炭素原子数(例えばC1−6アルキルスルホニル)又はこの範囲内の任意数の直鎖又は分岐鎖アルキルスルホン[即ちメチルスルホニル(MeSO−)、エチルスルホニル、イソプロピルスルホニル等]を意味する。
【0044】
「アルキルオキシカルボニル」なる用語は本発明の化合物に存在する指定炭素原子数(例えばC1−8アルキルオキシカルボニル)又はこの範囲内の任意数のカルボン酸又はカルバミン酸基の直鎖又は分岐鎖エステル[即ちメチルオキシカルボニル(MeOCO−)、エチルオキシカルボニル又はブチルオキシカルボニル]を意味する。
【0045】
「アルキルカルボニル」なる用語は指定炭素原子数(例えばC1−8アルキルカルボニル)又はこの範囲内の任意数の直鎖又は分岐鎖アルキルアシル基[即ちメチルオキシカルボニル(MeOCO−)、エチルオキシカルボニル又はブチルオキシカルボニル]を意味する。
【0046】
「ハロ」なる用語はフルオロ、クロロ、ブロモ及びヨード[即ちクロロ又はフルオロ]を意味する。
【0047】
「一リン酸」なる用語は−P(O)(OH)を意味する。「二リン酸」なる用語は構造:
【0048】
【化6】

をもつ基を意味し、「三リン酸」なる用語は構造:
【0049】
【化7】

をもつ基を意味する。
【0050】
「置換」なる用語は指定置換基による多重度の置換を含むものとする。複数の置換基部分を開示又は特許請求の範囲に記載する場合には、置換される化合物は開示又は特許請求の範囲に記載する置換基部分の1種以上を独立して1個又は複数個使用して置換することができる。
【0051】
「5’−三リン酸」なる用語は下記一般構造式:
【0052】
【化8】

(式中、R、R、R、X、Q及びZは上記の通りである。)をもつ本発明のヌクレオシド化合物の5’−ヒドロキシル基の三リン酸エステル誘導体を意味する。
【0053】
「医薬組成物」等における「組成物」なる用語は活性成分と担体を構成する不活性成分を含有する製剤に加え、成分の任意2種以上の配合、錯化もしくは凝集、成分の1種以上の解離、又は成分の1種以上の他の型の反応もしくは相互作用により直接又は間接的に得られる任意製剤を包含するものとする。従って、本発明の医薬組成物は本発明の化合物と医薬的に許容可能な担体を混合することにより製造される任意組成物を包含する。
【0054】
化合物「の投与」及び「を投与する」なる用語は必要とする個体に本発明の化合物又は本発明の化合物のプロドラッグを提供することを意味するものとする。
【0055】
本発明の別の態様はHCV感染症を治療するために有用な1種以上の作用剤と本発明の化合物の併用によるHCV NS5Bポリメラーゼの阻害方法、HCV複製の阻害方法又はHCV感染症の治療方法に関する。HCVに対して活性なこのような作用剤としては限定されないが、リバビリン、レボビリン、ビラミジン、ニタゾキサニド、チモシンα1、インターフェロンβ、インターフェロンα、ペグ化インターフェロンα(ペグインターフェロンα)、インターフェロンαとリバビリンの併用剤、ペグインターフェロンαとリバビリンの併用剤、インターフェロンαとレボビリンの併用剤、及びペグインターフェロンαとレボビリンの併用剤が挙げられる。インターフェロンαとしては限定されないが、組換えインターフェロンα2a(例えばHoffmann−LaRoche,Nutley,NJから市販されているRoferonインターフェロン)、ペグ化インターフェロンα2a(Pegasys(登録商標))、インターフェロンα2b(例えばSchering Corp.,Kenilworth,NJから市販されているIntron−Aインターフェロン)、ペグ化インターフェロンα2b(PegIntron(登録商標))、組換えコンセンサスインターフェロン(例えばインターフェロンαcon−1)、及び精製インターフェロンα製剤が挙げられる。Amgen社の組換えコンセンサスインターフェロンは商品名Infergen(登録商標)である。レボビリンはリバビリンのLエナンチオマーであり、リバビリンと同様の免疫調節活性を示している。ビラミジンはWO01/60379(譲受人ICN Pharmaceuticals)に開示されているリバビリンの類似体である。本発明のこの方法によると、併用剤の個々の成分を治療期間中の異なる時点で別々に投与してもよいし、分割又は単独併用剤として同時に投与してもよい。従って、本発明はこのような同時又は交互投与の全レジメンを含むものとし、「投与する」なる用語は相応に解釈すべきである。当然のことながら、HCV感染症の治療に有用な他の作用剤と本発明の化合物の併用の範囲は原則として任意のHCV感染症治療用医薬組成物との任意併用を含む。本発明の化合物又はその医薬的に許容可能な塩をHCVに対して活性な第2の治療剤と併用する場合には、各化合物の用量は化合物を単独で使用する場合の用量と同一でもよいし、異なる量でもよい。
【0056】
HCV感染症の治療には、HCV NS3セリンプロテアーゼの阻害剤である作用剤と本発明の化合物を併用投与してもよい。HCV NS3セリンプロテアーゼは必須ウイルス酵素であり、HCV複製阻害の優れたターゲットであると記載されている。HCV NS3プロテアーゼ阻害剤の基質型及び非基質型の両者の阻害剤がWO98/22496、WO98/46630、WO99/07733、WO99/07734、WO99/38888、WO99/50230、WO99/64442、WO00/09543、WO00/59929、GB−2337262、WO02/18369、WO02/08244、WO02/48116、WO02/48172、WO05/037214及び米国特許第6,323,180号に開示されている。HCV複製阻害剤の開発とHCV感染症治療のターゲットとしてのHCV NS3プロテアーゼはB.W.Dymock,“Emerging therapies for hepatitis C virus infection,”Emerging Drugs,6:13−42(2001)に記載されている。本発明の化合物と併用可能な特定のHCV NS3プロテアーゼ阻害剤としてはBILN2061、VX−950、SCH6、SCH7及びSCH−503034が挙げられる。
【0057】
リバビリン、レボビリン及びビラミジンは細胞内酵素イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ(IMPDH)の阻害を介してグアニンヌクレオチドの細胞内プールを調節することによりその抗HCV作用を発揮すると思われる。IMPDHは新規グアニンヌクレオチド生合成における生合成経路の律速酵素である。リバビリンは容易に細胞内リン酸化され、一リン酸誘導体はIMPDHの阻害剤である。従って、IMPDHの阻害はHCV複製阻害剤の発見に有用な別のターゲットである。従って、本発明の化合物はWO97/41211及びWO01/00622(譲受人Vertex)に開示されているVX−497等のIMPDH阻害剤;WO00/25780(譲受人Bristol−Myers Squibb)に開示されているもの等の別のIMPDH阻害剤;又はミコフェノール酸モフェチル[A.C.Allison and E.M.Eugui,Agents Action,44(Suppl.):165(1993)参照]と併用投与してもよい。
【0058】
HCV感染症の治療には、抗ウイルス剤アマンタジン(1−アミノアダマンタン)と本発明の化合物を併用投与してもよい[この薬剤の包括的記載についてはJ.Kirschbaum,Anal.Profiles Drug Subs.12:1−36(1983)参照]。
【0059】
HCV感染症の治療には、各々その開示内容全体が本願に組込まれるR.E.Harry−O’kuru,et al.,J.Org.Chem.,62:1754−1759(1997);M.S.Wolfe,et al.,Tetrahedron Lett.,36:7611−7614(1995);米国特許第3,480,613号(1969年11月25日);米国特許第6,777,395号(2004年8月17日);米国特許第6,914,054号(2005年7月5日);国際公開WO01/90121(2001年11月29日);WO01/92282(2001年12月6日);WO02/32920(2002年4月25日);WO02/057287(2002年7月25日);WO02/057425(2002年7月25日);WO04/002422(2004年1月8日);WO04/002999(2004年1月8日);WO04/003000(2004年1月8日);WO04/002422(2004年1月8日);米国特許出願公開第2005/0107312号;US2005/0090463;US2004/0147464;及びUS2004/0063658に開示されている抗ウイルス2’−C−分岐型リボヌクレオシドと本発明の化合物を併用してもよい。このような2’−C−分岐型リボヌクレオシドとしては限定されないが、2’−C−メチルシチジン、2’−フルオロ−2’−C−メチルシチジン、2’−C−メチルウリジン、2’−C−メチルアデノシン、2’−C−メチルグアノシン及び9−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−2,6−ジアミノプリン;フラノースC−2’、C−3’及びC−5’ヒドロキシルの対応するアミノ酸エステル(例えば3’−O−(L−バリル)−2’−C−メチルシチジン二塩酸塩、別称バロピシタビン二塩酸塩ないしNM−283及び3’−O−(L−バリル)−2’−フルオロ−2’−C−メチルシチジン)、並びにその5’リン酸誘導体の任意に置換された対応する環状1,3−プロパンジオールエステルが挙げられる。
【0060】
HCV感染症の治療には、米国特許第6,864,244号(2005年3月8日);WO02/51425(2002年7月4日),譲受人Mitsubishi Pharma Corp.;WO01/79246、WO02/32920及びWO02/48165(2002年6月20日),譲受人Pharmasset,Ltd.;WO01/68663(2001年9月20日),譲受人ICN Pharmaceuticals;WO99/43691(1999年9月2日);WO02/18404(2002年3月7日),譲受人Hoffmann−LaRoche;U.S.2002/0019363(2002年2月14日);WO02/100415(2002年12月19日);WO03/026589(2003年4月3日);WO03/026675(2003年4月3日);WO03/093290(2003年11月13日):US2003/0236216(2003年12月25日);US2004/0006007(2004年1月8日);WO04/011478(2004年2月5日);WO04/013300(2004年2月12日);US2004/0063658号(2004年4月1日);並びにWO04/028481(2004年4月8日)に開示されているもの等の抗HCV特性をもつ他のヌクレオシドと本発明の化合物を併用してもよい。
【0061】
1実施形態において、本発明のヌクレオシド誘導体と併用可能なヌクレオシドHCV NS5Bポリメラーゼ阻害剤は以下の化合物から選択される:4’−アジドシチジン;4−アミノ−7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;4−アミノ−7−(2−C−ヒドロキシメチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;4−アミノ−7−(2−C−フルオロメチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;4−アミノ−5−フルオロ−7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;2−アミノ−7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4(3H)−オン;4−アミノ−7−(2−C,2−O−ジメチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン;β−D−2’−デオキシ−2’−フルオロ−2’−C−メチルシチジン並びにその医薬的に許容可能な塩及びプロドラッグ。
【0062】
HCV感染症の治療には、各々その開示内容全体が本願に組込まれるWO01/77091(2001年10月18日)、譲受人Tularik,Inc.;WO01/47883(2001年7月5日)、譲受人Japan Tobacco,Inc.;WO02/04425号(2002年1月17日)、譲受人Boehringer Ingelheim;WO02/06246(2002年1月24日)、譲受人Istituto di Ricerche di Biologia Moleculare P.Angeletti S.p.A.;WO02/20497(2002年3月3日);WO2005/016927(特にJTK003)、譲受人Japan Tobacco,Inc.に開示されているもの;及びHCV−796(Viropharma Inc.)等のHCVポリメラーゼの非ヌクレオシド阻害剤と本発明の化合物を併用してもよい。
【0063】
1実施形態において、本発明のヌクレオシド誘導体と併用可能な非ヌクレオシドHCV NS5Bポリメラーゼ阻害剤は以下の化合物から選択される:14−シクロヘキシル−6−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−7−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;14−シクロヘキシル−6−(2−モルホリン−4−イルエチル)−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;14−シクロヘキシル−6−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;14−シクロヘキシル−3−メトキシ−6−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;({[(14−シクロヘキシル−3−メトキシ−6−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−イル)カルボニル]アミノ}スルホニル)酢酸メチル;({[(14−シクロヘキシル−3−メトキシ−6−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−イル)カルボニル]アミノ}スルホニル)酢酸;14−シクロヘキシル−N−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−3−メトキシ−6−メチル−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボキサミド;3−クロロ−14−シクロヘキシル−6−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−7−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;N’−(11−カルボキシ−14−シクロヘキシル−7,8−ジヒドロ−6H−インドロ[1,2−e][1,5]ベンゾオキサゾシン−7−イル)−N,N−ジメチルエタン−1,2−ジアミニウムビス(トリフルオロアセテート);14−シクロヘキシル−7,8−ジヒドロ−6H−インドロ[1,2−e][1,5]ベンゾオキサゾシン−11−カルボン酸;14−シクロヘキシル−6−メチル−7−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;14−シクロヘキシル−3−メトキシ−6−メチル−7−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;14−シクロヘキシル−6−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−3−メトキシ−7−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;14−シクロヘキシル−6−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−7−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;14−シクロヘキシル−7−オキソ−6−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;14−シクロヘキシル−6−(2−モルホリン−4−イルエチル)−7−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;14−シクロヘキシル−6−[2−(ジエチルアミノ)エチル]−7−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;14−シクロヘキシル−6−(1−メチルピペリジン−4−イル)−7−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;14−シクロヘキシル−N−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−7−オキソ−6−(2−ピペリジン−1−イルエチル)−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボキサミド;14−シクロヘキシル−6−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−N−[(ジメチルアミノ)スルホニル]−7−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボキサミド;14−シクロペンチル−6−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−7−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;14−シクロヘキシル−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;6−アリル−14−シクロヘキシル−3−メトキシ−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;14−シクロペンチル−6−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;14−シクロヘキシル−6−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−5,6,7,8−テトラヒドロインドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾシン−11−カルボン酸;13−シクロヘキシル−5−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロフロ[3’,2’:6,7][1,4]ジアゾシノ[1,8−α]インドール−10−カルボン酸;15−シクロヘキシル−6−[2−(ジメチルアミノ)エチル]−7−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−インドロ[2,1−a][2,6]ベンゾジアゾニン−12−カルボン酸;15−シクロヘキシル−8−オキソ−6,7,8,9−テトラヒドロ−5H−インドロ[2,1−a][2,5]ベンゾジアゾニン−12−カルボン酸;13−シクロヘキシル−6−オキソ−6,7−ジヒドロ−5H−インドロ[1,2−d][1,4]ベンゾジアゼピン−10−カルボン酸;及びその医薬的に許容可能な塩。
【0064】
「医薬的に許容可能」とは担体、希釈剤又は賦形剤が製剤の他の成分と適合可能でなければならず且つその受容者に有害であってはならないことを意味する。
【0065】
医薬的に許容可能な担体と共に本発明の化合物を含有する医薬組成物も本発明に含まれる。本発明の別の例は上記化合物のいずれかと医薬的に許容可能な担体を配合することにより製造される医薬組成物である。本発明の別の例は上記化合物のいずれかと医薬的に許容可能な担体を配合する段階を含む医薬組成物の製造方法である。
【0066】
RNA依存性RNAウイルスポリメラーゼ、特にHCV NS5Bポリメラーゼを阻害するために有用な医薬組成物として、有効量の本発明の化合物と医薬的に許容可能な担体を含有する組成物も本発明に含まれる。RNA依存性RNAウイルス感染症、特にHCV感染症の治療に有用な医薬組成物と、RNA依存性RNAウイルスポリメラーゼ、特にHCV NS5Bポリメラーゼの阻害方法及びRNA依存性ウイルス複製、特にHCV複製の治療方法も本発明に含まれる。更に、本発明はRNA依存性RNAウイルス、特にHCVに対して活性な治療有効量の別の作用剤と共に治療有効量の本発明の化合物を含有する医薬組成物にも関する。HCVに対して活性な作用剤としては限定されないが、リバビリン、レボビリン、ビラミジン、チモシンα1、HCV NS3セリンプロテアーゼの阻害剤、インターフェロンα、ペグ化インターフェロンα(ペグインターフェロンα)、インターフェロンαとリバビリンの併用剤、ペグインターフェロンαとリバビリンの併用剤、インターフェロンαとレボビリンの併用剤、及びペグインターフェロンαとレボビリンの併用剤が挙げられる。インターフェロンαとしては限定されないが、組換えインターフェロンα2a(例えばHoffmann−LaRoche,Nutley,NJから市販されているRoferonインターフェロン)、インターフェロンα2b(例えばSchering Corp.,Kenilworth,NJから市販されているIntron−Aインターフェロン)、コンセンサスインターフェロン及び精製インターフェロンα製剤が挙げられる。リバビリンとHCVに対するその活性については、J.O.Saunders and S.A.Raybuck,“Inosine Monophosphate Dehydrogenase:Consideration of Structure,Kinetics,and Therapeutic Potential,”Ann.Rep.Med.Chem.,35:201−210(2000)参照。
【0067】
本発明の別の態様はRNA依存性RNAウイルス複製、特にHCV複製の阻害用医薬、及び/又はRNA依存性RNAウイルス感染症、特にHCV感染症の治療用医薬の製造における本発明の化合物及びその医薬組成物の使用を提供する。本発明の更に別の態様はRNA依存性RNAウイルス複製、特にHCV複製の阻害用医薬、及び/又はRNA依存性RNAウイルス感染症、特にHCV感染症の治療用医薬として使用するための本発明の化合物及びその医薬組成物を提供する。
【0068】
本発明の医薬組成物は式(I)の化合物又はその医薬的に許容可能な塩を活性成分として含み、更に医薬的に許容可能な担体と必要に応じて他の治療成分を含むことができる。
【0069】
前記組成物としては、経口、直腸、局所、非経口(皮下、筋肉内及び静脈内を含む)、眼球(点眼薬)、肺(鼻腔又は口腔吸入)、又は鼻腔内投与に適した組成物が挙げられるが、任意所定症例に最適な経路は治療する病態の種類及び重篤度と活性成分の種類によって異なる。組成物は単位用量形態にすると簡便であり、製薬分野で周知の任意方法により製造することができる。
【0070】
実際の使用では、式(I)の化合物を活性成分として慣用医薬配合技術により医薬担体と混和することができる。担体は例えば経口又は非経口(静脈内を含む)等の投与に望ましい製剤形態に応じて多種多様の形態をとることができる。経口剤形用組成物を製造するには、通常の医薬媒体の任意のものを使用することができ、例えば、懸濁液剤、エリキシル剤及び溶液剤等の経口液体製剤の場合には、例えば、水、グリコール、油類、アルコール類、香味剤、防腐剤、着色剤等を使用することができ、あるいは、例えば散剤、ハード及びソフトカプセル剤並びに錠剤等の経口固体製剤の場合には、澱粉、糖類、微結晶セルロース、希釈剤、顆粒化剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤等の担体を使用することができ、固体経口製剤のほうが液体製剤よりも好ましい。
【0071】
投与し易いという理由から、錠剤とカプセル剤が最も有利な経口用量単位形態であり、その場合には当然固体医薬担体が使用される。必要に応じて、標準水性又は非水性技術により錠剤にコーティングしてもよい。このような組成物及び製剤は少なくとも0.1%の活性成分を含有すべきである。これらの組成物中の活性化合物の百分率は当然のことながら変動させることができ、用量単位の重量の約2%から約60%にすると適切である。このような治療に有用な組成物中の活性化合物の量は有効用量が得られるように選択される。活性化合物は例えば点鼻液やスプレー等として鼻腔内投与することもできる。
【0072】
錠剤、ピル、カプセル等には更に結合剤(例えばトラガカントガム、アラビアガム、コーンスターチ又はゼラチン)、賦形剤(例えばリン酸2カルシウム)、崩壊剤(例えばコーンスターチ、ジャガイモ澱粉、アルギン酸)、滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム)、及び甘味剤(例えばスクロース、ラクトース又はサッカリン)を添加してもよい。用量単位形態がカプセルである場合には、上記種の材料に加えて脂肪油等の液体担体を添加してもよい。
【0073】
コーティングとして又は用量単位の物理的形状を変えるために他の各種材料を使用してもよい。例えば、錠剤はシェラック、糖又は両者でコーティングしてもよい。シロップ又はエリキシル剤には活性成分以外に、甘味剤としてスクロース、防腐剤としてメチル及びプロピルパラベン、色素並びにフレーバー(例えばチェリー又はオレンジフレーバー)を添加してもよい。
【0074】
式Iの化合物は非経口投与してもよい。ヒドロキシプロピルセルロース等の界面活性剤と適切に混合した水中でこれらの活性化合物の溶液又は懸濁液を製造することができる。グリセロール、液体ポリエチレングリコール及びその油中混合物中で分散液を製造することもできる。通常の保存及び使用条件下では、微生物の増殖を防ぐためにこれらの製剤に防腐剤を添加する。
【0075】
注射用に適した剤形としては滅菌水溶液又は分散液と、注射用滅菌水溶液又は分散液の即席調製用滅菌粉末が挙げられる。いずれの場合も、剤形は無菌でなければならず、容易に注射針を通過できる程度まで流動性でなければならない。剤形は製造及び保存条件下で安定でなければならず、細菌や真菌等の微生物の汚染作用から防腐しなければならない。担体は例えば、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール)、適切なその混合物及び植物油を含む溶媒又は分散媒とすることができる。
【0076】
哺乳動物、特にヒトに有効用量の本発明の化合物を提供するのに適した任意投与経路を利用することができる。例えば、経口、直腸、局所、非経口、眼球、肺、鼻腔等の経路を利用できる。剤形としては錠剤、トローチ、分散液、懸濁液、溶液、カプセル、クリーム、軟膏、エアゾール等が挙げられる。構造式Iの化合物を経口投与することが好ましい。構造式Iの化合物を非経口投与することも好ましい。
【0077】
ヒトに経口投与する場合、用量範囲は0.01から1000mg/kg体重を分割投与する。1実施形態において、用量範囲は0.1から100mg/kg体重を分割投与する。別の実施形態において、用量範囲は0.5から20mg/kg体重を分割投与する。経口投与では、治療する患者の症状に用量を調節して活性成分1.0から1000mg、特に活性成分1、5、10、15、20、25、50、75、100、150、200、250、300、400、500、600、750、800、900及び1000mgを含有する錠剤又はカプセルとして組成物を提供することが好ましい。
【0078】
使用する活性成分の有効用量は使用する特定化合物、投与方法、治療する病態及び治療する病態の重篤度により変動させることができる。このような用量は当業者が容易に確定することができる。最適治療応答が得られるようにこの用量レジメンを調節することができる。
【0079】
本発明の化合物は1個以上の不斉中心を含み、従って、ラセミ化合物及びラセミ混合物、単一エナンチオマー、ジアステレオ異性体混合物及び個々のジアステレオ異性体として存在することができる。Qのアミノアシル残基実施形態におけるR18が式:
【0080】
【化9】

において水素以外の置換基であるとき、アミノアシル残基は不斉中心を含み、個々のR及びS立体異性体とRSジアステレオ異性体混合物を含むものとする。1実施形態において、不斉炭素の立体配置はS−アミノ酸の立体配置に対応し、即ち、式:
【0081】
【化10】

に示すような天然α−アミノ酸立体配置に対応する。
【0082】
更に、R
【0083】
【化11】

であり、R13とR14が同時に水素でないとき、カルボキシ残基は不斉中心を含み、個々のR及びS立体異性体とRS立体異性体混合物を含むものとする。従って、RとRも同時に水素でないとき、アミノアルコール残基は2個の不斉中心を含み、個々のR,R−、R,S−、S,R−及びS,S−ジアステレオ異性体とその混合物を含むものとする。
【0084】
本発明は構造式に示すような5員フラノース環のβ−D立体化学配置をもつ化合物、即ち5員フラノース環のC−1及びC−4位の置換基がβ立体化学配置(太線で示す「上向き」方向)をもつヌクレオシドホスホロアミデートを含むものとする。本明細書に記載する化合物のうちにはオレフィン二重結合を含むものもあり、特に指定しない限り、E及びZ幾何異性体を含むものとする。
【0085】
本明細書に記載する化合物にはケト−エノール互変異性体等の互変異性体として存在するものもある。個々の互変異性体とその混合物も構造式(I)の化合物に含まれる。
【0086】
構造式(I)の化合物は例えば適切な溶媒(例えばメタノール又は酢酸エチル又はその混液)からの分別結晶や、光学活性固定相を使用するキラルクロマトグラフィーによりその個々のジアステレオ異性体に分離することができる。
【0087】
あるいは、既知配置の光学的に純粋な出発材料又は試薬を使用して立体特異的合成により構造式(I)の化合物の任意立体異性体を得ることもできる。
【0088】
本発明の化合物は医薬的に許容可能な塩として投与することができる。「医薬的に許容可能な塩」なる用語は無機又は有機塩基と無機又は有機酸を含む医薬的に許容可能な非毒性塩基又は酸から製造される塩を意味する。「医薬的に許容可能な塩」なる用語に含まれる塩基性化合物の塩とは遊離塩基を適切な有機又は無機酸と反応させることにより一般に製造される本発明の化合物の非毒性塩を意味する。本発明の塩基性化合物の代表的な塩としては限定されないが、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、重酒石酸塩、硼酸塩、臭化物、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クラブラン酸塩、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストル酸塩、エシル酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、ヒドラバミン、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル臭化物、メチル硝酸塩、メチル硫酸塩、粘液酸塩、ナプシル酸塩、硝酸塩、N−メチルグルカミンアンモニウム塩、オレイン酸塩、蓚酸塩、パモ酸塩(エンボン酸塩)、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロン酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、塩基性酢酸塩、琥珀酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、トリエチオジド及び吉草酸塩が挙げられる。更に、本発明の化合物が酸性部分をもつ場合には、適切なその医薬的に許容可能な塩としては限定されないが、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、三価鉄、二価鉄、リチウム、マグネシウム、三価マンガン、二価マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛等の無機塩基から誘導される塩が挙げられる。アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム及びナトリウム塩が特に好ましい。医薬的に許容可能な非毒性有機塩基から誘導される塩としては第一、第二、及び第三アミン、環状アミン、並びに塩基性イオン交換樹脂(例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等)の塩が挙げられる。
【0089】
更に、本発明の化合物にカルボン酸(−COOH)又はヒドロキシル基が存在する場合には、カルボン酸誘導体の医薬的に許容可能なプロドラッグエステル(例えばメチル、エチル又はピバロイルオキシメチルエステル)又はリボースC−2’、C−3’及びC−5’ヒドロキシルのプロドラッグアシル誘導体(例えばO−アセチル、O−ピバロイル、O−ベンゾイル及びO−アミノアシル)を使用することができる。徐放又はプロドラッグ製剤として使用するように生体利用性、組織分布、溶解度及び加水分解特性を改変するために当分野で公知のエステル及びアシル基が含まれる。考えられる誘導体は必要な化合物に容易にインビボ変換可能である。従って、本発明の治療方法において、「投与する」及び「投与」なる用語は具体的に開示する化合物又は具体的に開示しないとしても、ヒト患者を含む哺乳動物に投与後に特定化合物にインビボ変換する化合物で指定ウイルス感染症を治療することを意味する。適切なプロドラッグ誘導体の従来の選択及び製造法は例えばその開示内容全体が本願に組込まれる“Design of Prodrugs,”H.Bundgaard編,Elsevier,1985に記載されている。
【0090】
本発明の化合物は下記スキームに概説する一般方法により製造することができる。Wが炭素又は窒素であり、RからR、Z、Q及びQが上記の通りであり、R及びRが上記のようなXの置換基である構造1−2(スキーム1)のヌクレオシドアナログは、官能基化され、任意に保護されたヌクレオシド誘導体(例えば1−1)と適切な複素環誘導体の金属触媒クロスカップリング反応により得ることができる。Aがハロゲン、(好ましくは臭素又はヨウ素)、トリアルキル錫、ボロン酸及びボロン酸エステルであり、Bが水素、ハロゲン、トリアルキル錫、ボロン酸及びボロン酸エステルである誘導体を含む各種反応パートナーを利用することができる。ヌクレオシド成分は既存合成法を利用することにより任意に適切な酸素及び窒素保護基で保護することができる(例えばGreene,T.W.and Wuts,P.G.M,Protective Groups in Organic Synthesis,Wiley−Interscience参照)。反応はPd(PPh、PdCl(PPh、CuI/トランス−1,2−ジアミンシクロヘキサン又は当業者に公知の他の触媒を含む適切な金属触媒/リガンドの存在下で実施され、適切な非求核塩基(例えばトリアルキルアミン又は炭酸ナトリウム又は炭酸セシウム等)も利用してもよい。カップリング反応はジメチルホルムアミドやジオキサン等の溶媒中にて80〜120℃の温度でマイクロ波照射の使用下又は非使用下に実施することができる。クロスカップリング段階と任意の脱保護段階後に更にO部分とN部分の官能基化が必要な場合もある。
【0091】
【化12】

【0092】
同様に、RからR、Z、Q及びQが上記の通りであり、Rが上記のようなXの置換基である構造2−3及び2−5(スキーム2)の化合物は、適切に官能基化されたシチジン誘導体2−2又はウリジン誘導体2−4と適切な複素環成分の金属触媒クロスカップリング反応により製造することができる。他方、中間体2−2は任意に保護されたシチジン誘導体2−1又は官能基化され、任意に保護されたウリジン誘導体2−4から既存合成法に従ってカルボニル活性化とアミン誘導体(好ましくはNH)との反応により得ることができる(Chemistry of Nucleosides and Nucleotides,Vol.1,2,3,Townsend編,Plenum press)。更に、構造2−3の化合物は、官能基化され、任意に保護されたウリジン誘導体2−5からカルボニル活性化、アミン誘導体(好ましくはNH)との反応、及び場合により脱保護により得ることもできる。クロスカップリング段階と任意の脱保護段階後に更にO部分とN部分の官能基化が必要な場合もある。
【0093】
【化13】

【0094】
本発明の化合物のうちにはスキーム3に示すように製造できるものもある。Wが炭素又は窒素であり、RからR、Z、Q及びQが上記の通りであり、R及びRが上記のようなXの置換基であり、Eが窒素、CH,C−Alk又はC−Arであり得る構造3−1のヌクレオシド誘導体を適切な有機アジド(R’=トリアルキルシリルメチル、トリアルキル錫)と反応させると、更に官能基化(例えば窒素アルキル化)、任意のO/N脱保護及び更に任意のO/N官能基化後に化合物3−2及び3−3が得られる。
【0095】
【化14】

【0096】
本明細書に記載する化合物の別の製造方法をスキーム4に示す。Wが炭素又は窒素であり、RからR、Q及びQが上記の通りであり、R及びRが上記のようなXの置換基であり、Rが上記のようなZの置換基である構造4−1の任意に保護されたヌクレオシド誘導体をヒドロキシルアミンと反応させた後、オルトエステル又はカルボン酸誘導体で処理すると、任意の脱保護後に構造4−2の生成物が得られる。
【0097】
【化15】

【0098】
Wが炭素又は窒素であり、RからR、Z、Q及びQが上記の通りである本明細書に記載するヌクレオシドアナログは本発明の化合物のこの構造分類の1種についてスキーム5に示すように、公知方法を利用してその対応する一リン酸エステル、二リン酸エステル及び三リン酸エステルに変換することができる。
【0099】
【化16】

【0100】
本発明の他の化合物はスキーム6に示すように製造することもできる。任意に保護された構造6−1のヌクレオシド誘導体はWが炭素又は窒素であり、RからR、Q及びQ、R及びRが上記の通りである構造6−4の1,3,4−オキサジアゾールヌクレオシド誘導体に変換することができる。特に、(例えばt−ブタノール、2−メチル−2−ブテン及び一塩基性リン酸ナトリウムの共存下に亜塩素酸ナトリウムで処理することにより)当業者に公知の方法の1種により6−1を対応するカルボン酸に変換し、(例えば先に得られたカルボン酸とヒドラジンカルボン酸tert−ブチルのカップリング後にN−Boc保護基の除去により)更に構造6−2のヒドラジド誘導体とすることができる。ルイス酸(例えばCH(OEt),BF・EtO)の共存下にオルトエステルで処理後に必要に応じて脱保護し、官能基を操作すると、目的の構造6−4のオキサジアゾール誘導体が得られる。
【0101】
【化17】

【0102】
当業者に公知の方法を利用してスキーム7に示すように本明細書に記載するヌクレオシドアナログを対応するその一リン酸プロドラッグに変換することもできる(例えばUchiyama,M.et al.J.Org.Chem.,1993,373;Kamaike,K.et al.Nucleosides & Nucleotides,1987,6,699;Nishida,A.et al.J.Org.Chem.,1988,53,3386)。特に、Wが炭素又は窒素であり、Z、RからR及びRからR10が上記の通りである構造7−3のホスホロアミデートプロドラッグは、tert−ブチルマグネシウムクロリドで処理後に構造7−2の適切なホスホロクロリデート試薬で処理することにより任意に保護された式7−1のヌクレオシド誘導体(例えばP=テトラヒドロピラニル基)から得ることができる(例えばMcGuigan,C.et al.J.Med.Chem.,2005,48,3504)。目的の誘導体7−3を得るために保護基の除去が必要になる場合がある(例えば80%ギ酸水溶液による酸処理)。
【0103】
【化18】

【0104】
一般合成手順
全溶媒は市販品とし、それ以上精製せずに使用した。日常的な脱保護段階とカップリング段階を除き、反応はオーブン乾燥(110℃)したガラス容器で窒素雰囲気下に実施した。有機抽出層を硫酸ナトリウムで乾燥し、(乾燥剤の濾過後に)減圧下にロータリーエバポレーターで濃縮した。フラッシュクロマトグラフィーは公開手順(W.C.Still et al.,J.Org.Chem.,43:2923)に従ってシリカゲルで実施するか、又はプレパックカラムを利用する半自動フラッシュクロマトグラフィーシステムで実施した。
【0105】
試薬は通常通りに商業的供給業者から直接入手(及び供給状態で使用)したが、一部の化合物は社内調達した。後者の場合、試薬は科学文献に報告されているか又は当業者に公知の日常的合成段階を使用して容易に製造可能である。
【0106】
H、19F及び31P NMRスペクトルはBruker AMシリーズ分光計を周波数300から600MHz(報告値)で運転して記録した。交換不能なプロトン(及び検出される場合には交換可能なプロトン)に対応するシグナルの化学シフト(δ)をテトラメチルシランに対する百万分率(ppm)で記録し、残留溶媒ピークを基準として使用して測定する。シグナルは多重度(s,一重線;d,二重線;t,三重線;q,四重線;m,多重線;b,広幅,及びその組み合わせ);ヘルツ(Hz)で表したカップリング定数;プロトン数の順に示す。質量分析(MS)データはWaters Micromass ZMDを負(ES)又は正(ES)イオン化モードで運転して取得し、質量対電荷(m/z)比として結果を報告する。分取規模のHPLC分離は1)Waters 2487デュアルλ吸光度検出器を取付けたWaters Delta Prep 4000分取クロマトグラフィーシステム、2)LC−8A分取液体クロマトグラフィーモジュールと、SPD−10A UV−VIS検出器と、FRC−10Aフラクションコレクターモジュールを搭載した自動(紫外線励起)RP−HPLC Shimadzu Discovery VPシステムで実施した。どちらの場合も、利用した固定相はAtlantis Prep T3 5μm OBD(19×150mm)又はXBridge Prep C18 5μm OBD(19×150mm)とした。特に指定しない限り、移動相はMeCN(+0.1% TFA)と水(+0.1% TFA)、又はMeCNと水中5mM重炭酸ジメチルヘキシルアンモニウムの二元混液の直線勾配から構成し、15から25mL/分の流速を使用した。マイクロ波照射下の反応はPersonal Chemistry,Sweden製Emrys Optimizer反応器で実施した。
【0107】
スキーム及び実施例では以下の略語を使用する:
AcOH:酢酸;aq.:水溶液;bs:広幅一重線;bt:広幅三重線;DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン;DIAD:アゾジカルボン酸ジイソプロピル;DIPEA:ジイソプロピルエチルアミン;DMF:ジメチルホルムアミド;DMSO:ジメチルスルホキシド;eq.:当量;EtO:ジエチルエーテル;EtOAc:酢酸エチル;EtOH:エタノール;(HNBu:ピロリン酸ビストリブチルアンモニウム;h:時間;M:モル;MeCN:アセトニトリル;MeOH:メタノール;(MeO)PO:リン酸トリメチル;min:分;NaBHCN:シアノ水素化ホウ素ナトリウム;NBu:トリブチルアミン;NMP:1−メチル−2−ピロリジノン;Pd(PPh:テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0);PE:石油エーテル;P(O)Cl:オキシ塩化リン;RP−HPLC:逆相高性能液体クロマトグラフィー;RT:室温;SPE:固相抽出;TBDMS:tert−ブチルジメチルシリル;TEA:トリエチルアミン;TFA:トリフルオロ酢酸;THF:テトラヒドロフラン。
【0108】
三リン酸合成:一般手順
0℃又は室温で(シーブ上に保存しておいた)リン酸トリメチルに(ピリジンとトルエンの共蒸発により予め乾燥しておいた)適切なヌクレオシドを溶解した0.15M溶液に原液POCl(2.5eq)をシリンジで滴下した。得られた混合物を2時間0℃又は室温で撹拌後、ピロリン酸ビストリブチルアンモニウム(6.0eq)とトリブチルアミン(5.0eq)のDMF中0.5M溶液を反応混合物に激しい撹拌下に一度に加えた。1分間0℃又は室温で激しく撹拌後、炭酸水素トリエチルアンモニウムバッファー(1M水溶液,50eq,pH=7.5)を反応混合物に加えた後、更に3時間室温で撹拌し、減圧濃縮した(冷浴)。残渣を水に溶解し、0.5M TEAB(pH=7.5)のバッファー系とのアニオン交換SPE後にRP−HPLC精製(移動相:5mM重炭酸ジメチルヘキシルアンモニウム,pH=8.0/MeCN)により三リン酸エステルを回収し、標記化合物をトリスジメチルヘキシルアンモニウム塩(油状物)として得た。典型的な収率は2%から40%であった。
【実施例】
【0109】
代表的実施例
本発明の化合物の細胞毒性と抗ウイルス特異性も以下のカウンタースクリーニングで評価した。
【0110】
以上、本発明をその特定実施形態に関して記載及び例証したが、当業者に自明の通り、発明の趣旨と範囲を逸脱せずに種々の変更、変形及び置換を行うことができる。例えば、治療するヒトの応答はHCV感染症の重篤度により異なるので、上記のような好適用量以外の有効用量も適用可能な場合がある。同様に、観察される薬理応答は選択する特定活性化合物又は医薬担体の有無や、使用する製剤種及び投与方法により変動する可能性があり、考えられる結果のこのような変動又は相違は本発明の目的と実施に従って予想される。従って、本発明は以下の特許請求の範囲のみに限定され、特許請求の範囲は妥当な範囲で広義に解釈すべきである。
【0111】
実施例1(エントリー番号1,表1)
7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン(A)及び7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン(B)
【0112】
【化19】

【0113】
ステップA:7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1H−テトラゾール−5−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン
4−アミノ−7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−カルボニトリル(Ding Y.et al.,Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters 2005,15,725)をトルエンとDMFの6:1 v:v混液に溶解した0.15M溶液にアジドトリブチル錫(6eq)を加え、得られた混合物を30分間マイクロ波照射下で130℃に加熱した。溶液を室温まで冷却し、HClのMeOH中1.25M溶液で希釈し、減圧濃縮した。MeCN/水+0.1% TFAを溶離液として残渣を分取RP−HPLCにより精製し、標記化合物を固体として得た(77%)。H NMR(300MHz,DMSO−d)δ8.38(s,1H),8.28(s,1H),6.27(s,1H),3.98(m,1H),3.93−3.84(m,2H),3.78(m,1H),0.80(s,3H);MS(ES)C1316計算値:348,実測値:349[M+H]
【0114】
ステップB:7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン(A)及び7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン(B)
ステップAからの7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1H−テトラゾール−5−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンとKCO(1.05eq)をアセトンとDMFの1:1 v:v混液に溶解した0.1M溶液にヨードメタン(2.0eq)を加えた。得られた混合物を室温で3時間撹拌し、HClのMeOH中1.25M溶液で希釈し、揮発分を減圧除去した。MeCN/水+0.1% TFAを溶離液として残渣を分取RP−HPLCにより精製し、標記生成物A及びBを2:1混合物の固体として得た(22%)。H NMR(300MHz,DMSO−d)δ8.77(s,1HB),8.65(s,1HA)8.38(s,1HA),8.36(s,1HB),6.27(s,1HB),6.25(s,1HA),4.46(s,3HA),4.25(s,3HB),4.14(d,J=9.0Hz,1HB),4.04(d,J=9.0Hz,1HA),4.01−3.83(m,2HA+B),3.80−3.65(m,1HA+B),0.80(s,3HB),0.76(s,3HA);MS(ES)C1418計算値:362,実測値:363[M+H]
【0115】
実施例2(エントリー番号2,表1)
7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1,3−オキサゾール−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン
【0116】
【化20】

5−ヨード−7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンと2−(トリ−n−ブチルスタニル)オキサゾール(3.0eq)のDMF中0.1M溶液にPdCl(PPh(0.1eq)を加え、得られた混合物をマイクロ波照射下で120℃に3時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、水/ヘキサンに分配し、MeCN/水+0.1% TFAを溶離液として水相を分取RP−HPLCにより精製し、標記化合物を固体として得た(11%)。H NMR(300MHz,DMSO−d)δ9.88(bs,1H),8.60(s,1H),8.36(s,1H),8.33(bs,1H),8.23(s,1H),7.45(s,1H),6.21(s,1H),4.06(d,J=9.6Hz,1H),3.99−3.87(m,2H),3.73(m,1H),0.77(s,3H);MS(ES)C1517計算値:347,実測値:348[M+H]
【0117】
実施例3(エントリー番号3,表1)
7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−ピリミジン−2−イル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン
【0118】
【化21】

2−(トリ−n−ブチルスタニル)オキサゾールの代わりに2−トリブチルスタニルピリミジンを使用し、実施例3に記載したと同一の手順に従い、17%単離収率で標記化合物を得た。マイクロ波照射時間は40分間に短縮した。H NMR(300MHz,DMSO−d,300K)δ10.79(bs,1H),8.89(d,J=5.0Hz,2H),8.82(s,1H),8.48(bs,1H),8.40(s,1H),7.43(t,J=5.0Hz,1H),6.26(s,1H),4.04(d,J=9.1Hz,1H),3.99−3.86(m,2H),3.71(m,1H),0.78(s,3H);MS(ES)C1618計算値:358,実測値:359[M+H]
【0119】
実施例4(エントリー番号7,表1)
7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン
【0120】
【化22】

4−アミノ−7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−カルボニトリル(Ding Y.et al.,Bioorganic and Medicinal Chemistry Letters 2005,15,725)のエタノール中0.2M溶液に塩酸ヒドロキシルアミン(1.5eq)とトリエチルアミン(2.0eq)を加えた。得られた混合物を50℃に6時間加熱し、室温まで冷却し、減圧濃縮し、4−アミノ−N’−ヒドロキシ−7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−カルボキシイミドアミドを固体として得た[MS(ES)C1318計算値:338.1,実測値:339[M+H]]。固体残渣をオルトギ酸トリエチルに懸濁し(3.0eq)、BF・EtO(0.3eq)で処理し、100℃に15分間加熱した。室温まで冷却後、混合物を水で希釈し、減圧濃縮した。残渣をDCM(0.1M)で希釈し、0℃まで冷却し、BBrのDCM中1M溶液(6.0eq)で処理した。3時間室温で撹拌後、反応混合物を0℃にてMeOHで希釈し、アンモニアのMeOH中2M溶液で処理し、減圧濃縮した。MeCN/水+0.1% TFAを溶離液として残渣を分取RP−HPLCにより精製し、標記化合物を固体として得た(25%)。H NMR(300MHz,DMSO−d)δ9.78(s,1H),8.76(s,1H),8.62−8.04(m,2H),8.37(s,1H),6.23(s,1H),4.04(d,J=9.2Hz,1H),3.99−3.85(m,2H),3.72(m,1H),0.77(s,3H);MS(ES)C1416計算値:348,実測値:349[M+H]
【0121】
実施例5(エントリー番号5,表1)
7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1H−ピラゾール−5−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン
【0122】
【化23】

5−ヨード−7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンと、1H−ピラゾール−5−ボロン酸(1.5eq)と、NaCO(2M水溶液,15eq)をジオキサンに溶解した0.1M溶液にPd(PPh(0.1eq)を加えた。反応混合物をマイクロ波照射下で120℃に500秒間加熱後、セライトパッドで濾過した。濾液を減圧濃縮し、MeCN/水+0.1% TFAを溶離液として残渣を分取RP−HPLCにより精製し、標記化合物を固体として得た(65%)。H NMR(300MHz,DMSO−d)δ13.14(s,1H),10.65(bs,1H),8.60(bs,1H),8.40(s,1H),8.38(s,1H),7.93(bs,1H),6.63(bs,1H),6.20(s,1H),4.04(d,J=9.1Hz,1H),3.99−3.87(m,2H),3.75(m,1H),0.78(s,3H);MS(ES)C1518計算値:346,実測値:347[M+H]
【0123】
実施例6(エントリー番号4,表1)
5−(2−メトキシ−1,3−チアゾール−4−イル)−7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミントリフルオロ酢酸塩
【0124】
【化24】

1H−ピラゾール−5−ボロン酸の代わりに2−メトキシ−4−(トリブチルスタニル)チアゾールを使用し、実施例5に記載したと同一の手順に従い、16%単離収率で標記化合物を得た。H NMR(300MHz,DMSO−d)δ8.38(s,1H),8.36(s,1H),7.29(s,1H),6.22(s,1H),4.14(s,3H),4.02(d,J=9.8Hz,1H),3.98−3.86(m,2H),3.80−3.70(m,1H),0.78(s,3H);19F NMR(300MHz,DMSO−d)δ−73.88;MS(ES)C1619S計算値:393,実測値:394[M+H]
【0125】
実施例7(エントリー番号6,表1)
7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン
【0126】
【化25】

1H−ピラゾール−5−ボロン酸の代わりに1H−ピラゾール−5−ボロン酸を使用し、実施例5に記載したと同一の手順に従い、55%単離収率で標記化合物を得た。マイクロ波照射時間は1200秒間に延ばした。H NMR(300MHz,DMSO−d)δ8.44(s,1H),7.91,(s,1H),7.73(m,1H),7.80(s,1H),6.22(s,1H),4.02(d,J=9.3Hz,1H),3.96−3.81(m,2H),3.69(m,1H),0.78(s,3H);MS(ES)C1518計算値:346,実測値:347[M+H]
【0127】
実施例8(エントリー番号8,表1)
7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミントリフルオロ酢酸塩
【0128】
【化26】

L−アスコルビン酸ナトリウム塩(0.5eq)と硫酸銅(II)5水和物(0.05eq)を加えた水とBuOHの1:1 v:v混液に5−エチニル−7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンを溶解した0.25M溶液にトリメチルシリルメチルアジド(3.0eq)を加えた。不均一混合物を50℃で一晩撹拌し、室温まで冷却し、減圧濃縮した。NaOH(5.0eq)をMeOHとHOの1:1 v:v混液に溶解した1M水溶液で残渣を処理した。得られた混合物を50℃で2時間撹拌後、減圧濃縮した。MeCN/水+0.1% TFAを溶離液として分取RP−HPLCにより精製し、標記化合物を固体として得た(21%)。H NMR(300MHz,DMSO−d)δ8.48(s,1H),8.40(s,1H),8.20(s,1H),6.23(s,1H),4.17(s,3H),3.98−3.85(m,3H),3.75(m,1H),0.79(s,3H);19F NMR(300MHz,DMSO−d)δ−73.90;MS(ES)C1519計算値:361,実測値:362[M+H]
【0129】
実施例9(エントリー番号21,表1)
7−(2−デオキシ−2−フルオロ−2−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1H−ピラゾール−5−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン
【0130】
【化27】

【0131】
ステップA:7−(2−デオキシ−2−フルオロ−2−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン
DIAD(2.8eq)をPhP(3.0eq)のアセトニトリル中0.05M溶液に加え、得られた混合物を30分間0℃で撹拌した。次に溶液を4−クロロ−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン(2.2eq)と3,5−ジ−O−ベンゾイル−2−デオキシ−2−フルオロ−2−メチル−D−リボフラノース(1.0eq)のアセトニトリル中0.1M溶液に−40℃にてカニューレで加えた。得られた薄茶色懸濁液を室温で一晩撹拌した。反応混合物をAcOEtでクエンチし、有機相を水、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥した。揮発分を減圧除去し、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(0%→5% AcOEt/ヘキサンから勾配溶出後、5% AcOEt/ヘキサンからアイソクラチック溶出)により精製し、4−クロロ−7−(3,5−ジ−O−ベンゾイル−2−デオキシ−2−フルオロ−2−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジンを最初に溶出するアノマーとして得た。これをNHのMeOH(0.01M)中7M溶液に溶解し、得られた混合物を密閉容器にて一晩110℃で撹拌した。次に揮発分を減圧除去し、MeOH:DCM 1:9を溶離液として残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、標記化合物を白色泡状物として得た(24%)。H NMR(400MHz,CDCN/DO)δ8.14(s,1H),7.61(s,1H),6.35(d,J=18.5Hz,1H),4.20(dd,J=24.0,9.4Hz,1H),3.98−3.95(m,2H),3.78(dd,J=12.0,2.8Hz,1H),1.00(d,J=22.6Hz,3H);19F−NMR(400MHz,CDCN/DO)δ−160.89;MS(ES)C1214FIN計算値:408,実測値:409(M+H)。
【0132】
ステップB:7−(2−デオキシ−2−フルオロ−2−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1H−ピラゾール−5−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン
5−ヨード−7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンの代わりに7−(2−デオキシ−2−フルオロ−2−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンを使用し、実施例5に記載したと同一の手順に従い、標記化合物を得た(68%)。H NMR(400MHz,CDCN/DO)δ8.19(bd,J=17.1Hz,2H),7.72(bs,1H),6.63(bs,1H),6.47(d,J=17.1Hz,1H),4.26(bd,J=25.1Hz,1H),4.05(bs,2H),3.87(m,1H),1.08(d,J=22.4Hz,3H);19F−NMR(400MHz,CDCN/DO)δ−162.64;MS(ES)C1517FN計算値:348,実測値:349(M+H)。
【0133】
実施例10(エントリー番号22,表1)
7−(2−デオキシ−2−フルオロ−2−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1,3−オキサゾール−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン
【0134】
【化28】

5−ヨード−7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンの代わりに7−(2−デオキシ−2−フルオロ−2−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−ヨード−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミンを使用し、実施例2に記載したと同一の手順に従い、20%単離収率で標記化合物を得た。H NMR(300MHz,CDCN/DO)δ8.43(s,1H),8.26(s,1H),7.78(s,1H),7.27(s,1H),6.45(d,J=17.1Hz,1H),4.23(dd,J=24.0,9.5Hz,1H),4.06−3.99(m,2H),3.83(dd,J=12.0,2.4Hz,1H),1.06(d,J=22.8Hz,3H);19F−NMR(300MHz,CDCN/DO)δ−163.14;MS(ES)C1516FN計算値:349,実測値:350(M+H)。
【0135】
実施例11(エントリー番号23,表1)
7−(2−デオキシ−2−フルオロ−2−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン
【0136】
【化29】

4−アミノ−7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−カルボニトリルの代わりに4−アミノ−7−(2−デオキシ−2−フルオロ−2−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−カルボニトリルを使用し、実施例4に記載したと同一の手順に従い、27%単離収率で標記化合物を得た。H−NMR(400MHz,CDCN/DO)δ9.07(s,1H),8.53(s,1H),8.18(s,1H),6.38(d,J=16.9Hz,1H),4.13(dd,J=24.0,8.2Hz,1H),3.94−3.88(m,2H),3.71(m,1H),0.96(d,J=22.6Hz,1H);19F−NMR(400MHz,CDCN/DO)δ−163.26;MS(ES)C1415FN計算値:350,実測値:351(M+H)。
【0137】
実施例12(エントリー番号10,表1)
7−(2−C−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン及び7−(2−C−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン
【0138】
【化30】

A:B=2:1。
H NMR(300MHz,DO,300K)δ8.61−8.16(m,1HA+1HB),8.02(s,1HA),8.00(s,1HB),6.33(s,1HB),6.25(s,1HA),4.60(m,1HA or 1HB),4.55−4.39(m,1HA+1HB),4.38−4.27(m,1HA+1HB),4.17(m,1HA or 1HB),3.28−3.08(m,6H),3.05−2.76(m,18H),1.85−1.64(m,6H),1.50−1.25(m,18H),1.00−0.80(m,12H);31P NMR(121MHz,DO,300K)δ−10.08−−11.26(m,2PA+2PB),−22.70−−23.56(m,1PA+1PB);MS(ES)C142113計算値:602.0,実測値:601[M−H],623[M+Na−H]
【0139】
実施例13(エントリー番号11,表1)
7−(2−C−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−(1,3−オキサゾール−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン
【0140】
【化31】

H NMR(300MHz,DO,300K)δ8.37(m,1H),8.03−7.91(m,2H),7.18(s,1H),6.16(s,1H),4.67(m,1H),4.44(m,1H),4.32(m,1H),4.19(m,1H),3.26−3.10(m,6H),3.02−2.81(m,18H),1.86−1.66(m,6H),1.50−1.26(m,18H),1.00−0.86(m,9H),0.81(s,3H);31P NMR(121MHz,DO,300K)δ−10.49(d,J=19.4Hz,1P),−11.07(d,J=19.4Hz,1P),−23.08(t,J=19.4Hz,1P);MS(ES)C152014計算値:587.0,実測値:586[M−H],608[M+Na−H]
【0141】
実施例14(エントリー番号12,表1)
7−(2−C−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−ピリミジン−2−イル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン
【0142】
【化32】

H NMR(300MHz,DO,300K)δ8.66(bs,2H),8.35(bs,1H),8.06(s,1H),7.34(bs,1H),6.12(s,1H),4.61(m,1H),4.47(m,1H),4.32(m,1H),4.05(d,J=9.4Hz,1H),3.21−3.09(m,6H),2.99−2.81(m,18H),1.80−1.66(m,6H),1.46−1.25(m,18H),0.96−0.83(m,9H),0.74(s,3H);31P NMR(121MHz,DO,300K)δ−10.46(d,J=18.6Hz,1P),−10.75(d,J=19.6Hz,1P),−22.84(bt,J=19.1Hz,1P);MS(ES)C162113計算値:598.0,実測値:597[M−H],619[M+Na−H]
【0143】
実施例15(エントリー番号13,表1)
5−(2−メトキシ−1,3−チアゾール−4−イル)−7−(2−C−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン
【0144】
【化33】

H NMR(300MHz,DO,300K)δ8.30(s,1H),7.85(s,1H),7.66(s,1H),6.08(s,1H),4.78(m,1H),4.42(m,1H),4.29(d,J=9.1Hz,1H),4.17(d,J=9.1Hz,1H),4.06(s,3H),3.25−3.09(m,6H),2.92(s,18H),1.83−1.67(m,6H),1.48−1.26(m,18H),0.98−0.85(m,9H),0.72(s,3H);31P NMR(121MHz,DO,300K)δ−10.50(d,J=19.7Hz,1P),−11.26(d,J=19.7Hz,1P),−22.97(t,J=19.7Hz,1P);MS(ES)C162214S計算値:633.0,実測値:632[M−H],654[M+Na−H]
【0145】
実施例16(エントリー番号14,表1)
7−(2−C−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−(1H−ピラゾール−5−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン
【0146】
【化34】

H NMR(300MHz,DO,300K)δ8.25(bs,1H),7.79(s,1H),7.71(s,1H),7.00(s,1H),6.11(s,1H),4.71(m,1H),4.43(m,1H),4.25(m,2H),3.16(m,6H),2.91(m,18H),1.83−1.66(m,6H),1.47−1.27(m,18H),0.97−0.85(m,9H),0.77(s,3H);31P NMR(121MHz,DO,300K)δ−10.23(d,J=19.5Hz,1P),−11.13(d,J=19.5Hz,1P),−22.90(t,J=19.5Hz,1P);MS(ES)C152113計算値:586.0,実測値:585[M−H],607[M+Na−H]
【0147】
実施例17(エントリー番号15,表1)
7−(2−C−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン
【0148】
【化35】

H NMR(300MHz,DO,300K)δ8.34(m,1H),7.82(bs,2H),7.51(s,1H),6.23(s,1H),4.56(m,1H),4.45−4.13(m,3H),3.14(m,6H),2.89(m,18H),1.83−1.61(m,6H),1.48−1.19(m,18H),0.98−0.86(m,9H),0.84(s,3H);31P NMR(121MHz,DO,300K)δ−10.50(d,J=19.3Hz,1P),−11.20(d,J=19.3Hz,1P),−23.02(t,J=19.3Hz,1P);MS(ES)C152113計算値:586.0,実測値:585[M−H],607[M+Na−H]
【0149】
実施例18(エントリー番号16,表1)
7−(2−C−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン
【0150】
【化36】

収率10%;純度50%。
H NMR(300MHz,DO,300K)δ9.33(s,1H),8.41(m,1H),8.09(s,1H),6.23(s,1H),4.61(m,1H),4.55(m,1H),4.33(m,1H),4.16(d,J=9.4Hz,1H),3.17(m,6H),2.92(m,18H),1.82−1.68(m,6H),1.48−1.29(m,18H),0.98−0.87(m,9H),0.84(s,3H);31P NMR(121MHz,DO,300K)δ−10.45−−11.15(m,2P),−22.92(t,J=19.6Hz,1P);MS(ES)C141914計算値:588.0,実測値:587[M−H]
【0151】
実施例19(エントリー番号17,表1)
7−(2−C−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−(1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン
【0152】
【化37】

H NMR(300MHz,DO,300K)δ8.63(s,1H),8.29(m,1H),7.88(s,1H),6.10(s,1H),4.71(m,1H),4.42(m,1H),4.31−4.14(m,2H),4.20(s,3H),3.26−3.06(m,6H),2.91(m,18H),1.82−1.64(m,6H),1.47−1.25(m,18H),0.96−0.84(m,9H),0.75(s,3H);31P NMR(121MHz,DO,300K)δ−9.46(d,J=19.9Hz,1P),−11.18(d,J=19.9Hz,1P),−22.70(t,J=19.9Hz,1P);MS(ES)C152213計算値:601.0,実測値:600[M−H]
【0153】
実施例20(エントリー番号18,表1)
7−(2−デオキシ−2−フルオロ−2−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン
【0154】
【化38】

H NMR(300MHz,DO,300K)δ9.29(s,1H),8.34(bs,1H),8.03(s,1H),6.42(d,J=18.6Hz,1H),4.61(m,1H),4.44(m,1H),4.31(m,1H),3.14(m,6H),2.89(m,18H),1.78−1.66(m,6H),1.43−1.27(m,18H),1.04(d,J=23.1Hz,3H),0.95−0.84(m,9H);31P NMR(121MHz,DO,300K)δ−10.60(d,J=19.4Hz,1P),−11.12(d,J=19.4Hz,1P),−22.99(t,J=19.4Hz,1H);19F NMR(282MHz,DO,300K)δ−161.35(s,1F);MS(ES)C1418FN13計算値:590.0,実測値:589[M−H],611[M+Na−H]
【0155】
実施例21(エントリー番号19,表1)
7−(2−デオキシ−2−フルオロ−2−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−(1,3−オキサゾール−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン
【0156】
【化39】

H NMR(300MHz,DO,300K)δ8.28(bs,1H),7.99(s,1H),7.92(s,1H),7.21(s,1H),6.43(d,J=17.8Hz,1H),4.63(m,1H),4.52−4.29(m,3H),3.22−3.07(m,6H),2.90(m,18H),1.80−1.64(m,6H),1.44−1.26(m,18H),1.06(d,J=22.8Hz,3H),0.96−0.83(m,9H);31P NMR(121MHz,DO,300K)δ−10.36(d,J=19.6Hz,1P),−11.23(d,J=19.6Hz,1P),−23.07(t,J=19.6Hz,1P);19F NMR(282MHz,DO,300K)δ−162.22(s,1F);MS(ES)C1519FN13計算値:589.0,実測値:588[M−H]
【0157】
実施例22(エントリー番号20,表1)
7−(2−デオキシ−2−フルオロ−2−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−(1H−ピラゾール−5−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン
【0158】
【化40】

H NMR(300MHz,DO,300K)δ8.23(bs,1H),7.74(s,1H),7.70(s,1H),6.96(s,1H),6.30(d,J=17.2Hz,1H),4.70(m,1H),4.50−4.25(m,3H),3.14(m,6H),2.89(m,18H),1.80−1.63(m,6H),1.45−1.26(m,18H),0.98(d,J=22.6Hz,3H),0.94−0.82(m,9H);31P NMR(121MHz,DO,300K)δ−9.88(d,J=19.4Hz,1P),−11.24(d,J=19.4Hz,1P),−22.82(t,J=19.4Hz,1P);19F NMR(282MHz,DO,300K)δ−162.93(s,1F);MS(ES)C1520FN12計算値:588.0,実測値:587[M−H]
【0159】
実施例23(エントリー番号25,表1)
1−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−3−(1H−ピラゾール−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン
【0160】
【化41】

(J.Med.Chem.1993,36(22),3424−3430に記載の手順に従って製造した)1−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−3−ヨード−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミンをジオキサン/CHCN/HOの1:1:1 v/v/v混液に溶解し、0.07M溶液を得た。1H−ピラゾール−5−イルボロン酸(2.0eq)と、KCO(2.6eq)と、Pd(PPh(0.06eq)をアルゴン下で加え、得られた反応混合物を10時間還流下に撹拌した。次に混合物を室温まで冷却し、水で希釈し、DCMで数回抽出した。有機抽出相を合わせて乾燥(NaSO)し、減圧濃縮した。残渣をMeOHに溶解し、0.07M溶液を得、2M NaOH水溶液(1.2eq)を加えた。室温で30分間撹拌後、pH7に達するまで2M HCl水溶液を加えることにより反応混合物を中和した。HPLC精製後に2段階を経て28%収率で標記化合物を得た。H NMR(400MHz,DMSO−d):13.34(1H,br s),9.28(1H,br s),8.22(1H,s),8.05(1H,br s),7.96(1H,d,J=2.4Hz),6.75(1H,d,J=2.4Hz),6.18(1H,s),5.17(1H,s),5.08(1H,d,J=7.3Hz),4.76−4.79(1H,m),4.26(1H,t,J=8.2Hz),3.97−4.01(1H,m),3.68−3.81(2H,m),0.80(3H,s)。MS(ES)C1417計算値:347,実測値:348(M+H)。
【0161】
実施例24(エントリー番号26,表1)
1−[5−O−(ヒドロキシ{[ヒドロキシ(ホスホノオキシ)ホスホリル]オキシ}ホスホリル)−2−C−メチル−β−D−リボフラノシル]−3−(1H−ピラゾール−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン
【0162】
【化42】

H NMR(300MHz,DO,300K)δ8.23(s,1H),7.83(bs,1H),7.01(bs,1H),6.32(s,1H),4.64−4.41(m,4H),0.98(s,3H);31P NMR(121MHz,DO,300K)δ−10.55(d,J=20.4Hz,1P),−10.95(d,J=20.4Hz,1P),−23.00(t,J=20.4Hz,1P);MS(ES)C142013計算値:587.3,実測値:586[M−H]。
【0163】
実施例25(エントリー番号27,表1)
7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン
【0164】
【化43】

【0165】
ステップ1:4−アミノ−7−(2,3,5−トリ−O−アセチル−2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−カルボン酸
2−メチル−2−ブテン(THF中2M,20eq)を加えたt−ブタノールに(Watanabe,S.et al.,Nucleosides and Nucleotides,1983,2,113及びSeela,F.et al.,Synthesis,1997,1067に報告されている手順に従って製造した)4−アミノ−7−(2,3,5−トリ−O−アセチル−2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−カルボアルデヒドを溶解した0.05M溶液に0℃で亜塩素酸ナトリウム(10eq)と一塩基性リン酸ナトリウム(7.5eq)の2.0M水溶液を滴下した。得られた反応混合物を室温で一晩撹拌した。揮発分を減圧除去し、残渣を水で希釈し、DCMで抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、NaSOで乾燥し、減圧下に濃縮乾涸した。DCM中0%→5% MeOHを溶離液として残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標記化合物を白色固体として得た(90%)。H NMR(300MHz,DMSO−d)δ8.19(s,1H),8.00(s,1H),6.61(s,1H),5.53(d,J=6.4Hz,1H),4.48−4.32(m,3H),2.16−2.06(m,9H),1.33(s,3H);MS(ES)C1922計算値:450.4,実測値:451[M+H]
【0166】
ステップ2:4−アミノ−7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−カルボヒドラジド
ヒドラジンカルボン酸tert−ブチル(1.0eq)と1H−ベンゾトリアゾール−1−オール水和物(2.0eq)を加えたTHFに4−アミノ−7−(2,3,5−トリ−O−アセチル−2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−カルボン酸を溶解した0.2M溶液を0℃に冷却し、撹拌下に4−メチルモルホリン(1.0eq)を加えた。0℃で5分間撹拌後、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(1.0eq)を加えた。反応混合物を0℃で1時間、室温で12時間撹拌後、0℃まで冷却し、セライトのショートパッドで濾過した。濾液をDCMで希釈し、飽和NaHCO水溶液、ブラインで洗浄し、NaSOで乾燥した。残渣を減圧下に蒸発乾涸し、4−アミノ−N’−(tert−ブトキシカルボニル)−7−(2,3,5−トリ−O−アセチル−2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−カルボヒドラジドをオフホワイト固体として得た。MS(ES+)C243210計算値:564.65,実測値:565[M+H]
【0167】
固体残渣をジオキサン中4M HClに溶解し(25eq)、室温で6時間撹拌した。反応混合物を減圧蒸発させ、水/EtOに分配した。飽和NaHCO水溶液でpHを中性にし、抽出した。水層を減圧蒸発させ、残渣を得、MeCN/水+0.1% TFAを溶離液としてRP−HPLC(Atlantis T3,19×150mm,5um)により精製し、標記化合物を白色固体として得た(67%)。H NMR(300MHz,DMSO−d)δ11.00−10.63(bs,1H),9.06−8.49(bs,1H),8.38(s,1H),8.22(s,1H),6.24(s,1H),4.01−3.81(m,3H),3.74(dd,J=5.1,12.6Hz,1H),0.79(s,3H);MS(ES)C1318計算値338.32,実測値339[M+H]
【0168】
ステップ3:7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン
オルトギ酸トリエチル(2.0eq)を加えたDMFに4−アミノ−7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−5−カルボヒドラジド(1.0eq)を溶解した0.5M溶液に撹拌下にBF・EtO(0.2eq)を滴下した。反応混合物を70℃に180分間加熱し、目的分子と7−[2,3−O−(エトキシメチリデン)−2−C−メチル−β−D−リボフラノシル]−5−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン中間体の1:1混合物を得た。次に反応混合物を室温まで冷却し、水で希釈し、1M HCl水溶液でおよそpH2まで20分間処理後、6M NHOH水溶液で(およそpH8まで)処理し、室温で30分間撹拌した。次に反応混合物を減圧蒸発させ、MeCN/水+0.1% TFAを溶離液として分取RP−HPLCにより精製し、標記化合物(25%)を白色綿毛状固体として得た。H NMR(300MHz,DMSO−d)δ9.34(s,1H),8.66(s,1H),8.31(s,1H),6.22(s,1H),4.17−3.82(m,3H),3.78−3.67(m,1H),0.78(s,3H);(MS(ES)C1416計算値348.31,実測値349[M+H]
【0169】
実施例26(エントリー番号28,表1)
7−(2−C−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン
【0170】
【化44】

H NMR(300MHz,DO,300K)δ9.02(s,1H),8.42−8.32(bs,1H),8.22(s,1H),6.28(s,1H),4.69−4.57(m,1H),4.53−4.40(m,1H),4.39−4.23(m,2H),3.24−3.12(m,6H),2.94(s,12H),1.85−1.67(m,6H),1.49−1.28(m,18H),0.99−0.84(m,12H);31P NMR(121MHz,DO,300K)δ−10.34(d,J=18.0Hz,1P),−11.14(d,J=20.6Hz,1P),−22.91(t,J=18.6Hz,1P);MS(ES)C141914計算値:588.0,実測値:587[M−H]
【0171】
実施例27(エントリー番号29,表1)
2−{[(R)−({(2R,3S,4R,5R)−5−[4−アミノ−5−(1H−ピラゾール−5−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−3,4−ジヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル}メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル]アミノ}プロパン酸エチル
【0172】
【化45】

7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1H−ピラゾール−5−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン(実施例5)の無水THF中0.1M溶液に−78℃でt−BuMgCl(THF中1.0M溶液,2.2eq.)を滴下した。反応混合物を−78℃で5分間撹拌後、0℃で更に30分間撹拌した。次にL−アラニン−N−クロロフェノキシホスフィニルエチルエステル(McGuigan,C.et al.,J.Med.Chem.,2005,48,3504)(無水THF中1.0M溶液,1.5eq.)を0℃で滴下し、得られた混合物を室温で60分間撹拌し、飽和NHCl溶液2mlでクエンチした。揮発分を減圧除去し、MeCN/HO+0.1% TFAを溶離液として残渣をRP−HPLC(Atlantis T3,19×150mm,5um)により精製し、標記化合物を得た。H NMR(600MHz,CDCN+DO,300K)δ11.86(bs,1H),10.87(bs,1H),8.96(s,1H),8.18(s,1H),7.86−7.82(m,1H),7.58−7.54(m,1H),7.36−7.31(m,2H),7.25−7.15(m,3H),6.81−6.76(m,1H),6.32−6.30(m,1H),4.55−4.49(m,1H),4.47−4.40(m,1H),4.18−4.13(m,1H),4.18−3.97(m,4H),3.96−3.90(m,1H),1.27−1.25(m,3H),1.14−1.12(m,3H),0.85(s,3H)。31P(243MHz.CDCN+DO)δ3.85,3.49。MS(ES)C2632P計算値601.2,実測値602[M+H]
【0173】
実施例28(エントリー番号30,表1)
2−{[(R)−({(2R,3S,4R,5R)−5−[4−アミノ−5−(1,3−オキサゾール−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−3,4−ジヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル}メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル]アミノ}プロパン酸エチル
【0174】
【化46】

標記化合物は7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1H−ピラゾール−5−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン(実施例5)の代わりに7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1,3−オキサゾール−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン(実施例2)を利用した以外は実施例27に記載したように製造した。H NMR(300MHz,CDCN+DO,300K)δ8.24(bs,1H),8.03−8.01(m,1H),7.60(s,0.5H),7.51(s,0.5H),7.36−7.33(m,2H),7.23−7.17(m,6H),6.29−6.28(m,1H),4.56−4.34(m,2H),4.19−4.06(m,5H),1.33−1.30(m,2H),1.26−1.24(m,2H),1.17−1.11(m,4H),0.85(s,1.5H),0.83(s,1.5H)。31P(300MHz.CDCN+DO,300K)δ3.72,3.64。MS(ES)C2731P計算値602.2,実測値603[M+H]
【0175】
下表1は本発明の特定化合物の一覧である。同表は各化合物の構造及び名称と、ES−MSにより測定した質量実測値を夫々正イオン化モードではその分子イオン+H(M+1)又は負イオン化モードではその分子イオン−H(M−1)として示す。観測された場合には、分子イオン+Na+H(M+22+1)及び分子イオン+Na−H(M+22−1)も報告する。化合物を製造するために利用したスキームを最終列に示す。
【0176】
【表1】




【0177】
(生物学的アッセイ)
HCV NS5BポリメラーゼとHCV複製の阻害を測定するために使用したアッセイについて以下に記載する。
【0178】
HCV NS5B RNA依存性RNAポリメラーゼ(RdRp)の阻害剤としての本発明の化合物の有効性を下記アッセイで測定した。
【0179】
A.HCV NS5Bポリメラーゼの阻害アッセイ:
本アッセイは本発明のヌクレオシド誘導体がヘテロマーRNA鋳型上のC型肝炎ウイルス(HCV)のRNA依存性RNAポリメラーゼ(NS5B)の酵素活性を阻害する能力を測定するために使用した。
【0180】
手順:
アッセイバッファー条件:(合計52.5μL/反応)
−20mM Tris,pH7.5
−45mM KCl
−2mM MgCl
−0.01% Triton X−100
−1μg BSA,DNase Free
−1mM DTT
−2nM DC55−1b.BK又は10nM DC55−2b.2
−20nM異種鋳型dCoh
−UTP 1uM
−ATP 1uM
−CTP 1uM
−GTP 1uM
−3H−UTP 1,000,000cpm
−HO中の阻害剤化合物2.5μl/反応。
【0181】
化合物を終濃度100μMまでの各種濃度で試験した。ヌクレオシド誘導体を96ウェルプレートのウェルにピペット注入した。反応バッファーで希釈した酵素をウェルにピペット注入し、室温で10分間温置後、鋳型dCohを加え、室温で10分間温置した。放射性標識UTPを加えたヌクレオチド三リン酸(NTP)混合物の添加により反応を開始し、室温で2時間進行させた。dCoh鋳型を加えないブランクサンプルを作製した。20%TCA(トリクロロ酢酸)/20mM NaPPi 50ulの添加により反応をクエンチし、プレートを5分間氷中に入れた。次に、混合物をUnifilter GF/B 96ウェルプレート(PerkinElmer)で濾過し、2.5% TCAで洗浄した。シンチレーション液(Microscint 20,PerkinElmer)50ul/ウェルを加え、プレートをシンチレーションカウンターで計数した。
【0182】
次式:阻害率%=[1−(試験反応液のcpm−ブランクのcpm)/(対照反応液のcpm−ブランクのcpm)]×100に従って阻害率百分率を計算した。
【0183】
代表的化合物をHCV NS5Bポリメラーゼアッセイで試験し、結果をIC50活性範囲として表2に報告する。
【0184】
【表2】


【0185】
B.HCV RNA複製の阻害アッセイ:
本発明の化合物がサブゲノムHCVレプリコンを含む培養肝癌(HuH−7)細胞中でC型肝炎ウイルスRNAの複製に作用する能力も評価した。アッセイの詳細を以下に記載する。このレプリコンアッセイはV.Lohmann,F.Korner,J−O.Koch,U.Herian,L.Theilmann,and R.Bartenschlager,“Replication of a Sub−genomic Hepatitis C Virus RNAs in a Hepatoma Cell Line,”Science 285:110(1999)に記載されているアッセイの変法である。
【0186】
プロトコール:
アッセイはin situリボヌクレアーゼ保護シンチレーション近接型プレートアッセイ(SPA)とした。96ウェルCytostarプレート(Amersham)で0.8mg/mL G418を添加した培地100〜200μLに細胞10,000〜40,000個を撒いた。0から18時間の時点で1%DMSO中100μMまでの各種濃度の化合物を細胞に添加後、24〜96時間培養した。細胞を固定し(20分,10%ホルマリン)、透過性にし(20分,0.25% Triton X−100/PBS)、RNAウイルスゲノムに含まれる(プラス)鎖NS5B(又は他の遺伝子)に相補的な1本鎖33P RNAプローブとハイブリダイズさせた(一晩,50℃)。細胞を洗浄し、RNAseで処理し、洗浄し、65℃まで加熱し、Top−Countで計数した。複製の阻害をカウント毎分(cpm)の低下として読取った。
【0187】
サブゲノムレプリコンを含むものを選択したヒトHuH−7肝癌細胞はHCV5’非翻訳領域(NTR)、ネオマイシン選択マーカー、EMCV IRES(内部リボソーム侵入部位)、及びHCV非構造蛋白質NS3からNS5Bとそれに続く3’NTRから構成される細胞質RNAをもつ。
【0188】
代表的化合物をHCV複製アッセイで試験し、結果をIC50活性範囲として表3に報告する。
【0189】
【表3】




【0190】
(医薬製剤の実施例)
本発明の化合物の経口組成物の1特定実施形態として、総量580から590mgを提供するために十分な微粉状ラクトースと実施例のいずれか1種の化合物50mgを配合し、サイズOハードゼラチンカプセルに充填する。
【0191】
以上、本発明をその特定実施形態に関して記載及び例証したが、当業者に自明の通り、発明の趣旨と範囲を逸脱せずに種々の変更、変形及び置換を行うことができる。例えば、治療するヒトの応答はHCV感染症の重篤度により異なるので、上記のような好適用量以外の有効用量も適用可能な場合がある。同様に、観察される薬理応答は選択する特定活性化合物又は医薬担体の有無や、使用する製剤種及び投与方法により変動する可能性があり、考えられる結果のこのような変動又は相違は本発明の目的と実施に従って予想される。従って、本発明は以下の特許請求の範囲のみに限定され、特許請求の範囲は妥当な範囲で広義に解釈すべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式(I):
【化1】

[式中、
Xはヌクレオシド及びヌクレオチドアナログに存在する任意に置換された塩基環系であり、Xは塩基環系のN原子を介して糖鎖環と結合しており;
Zは1から3個のヘテロ原子を含み、任意にオキソ、S(O)、S(O)、C1−4アルキル、C1−4ハロアルキル、CHOR、CO、CONR、NRC(O)R又はNR基で置換された5又は6員複素環であり、ここで、R及びRは独立して水素及びC1−4アルキルから選択され、ならびにZはXを糖鎖環と結合するN原子から2個の環原子であるXの環原子と結合しており;
は水素、ヒドロキシ、ハロ又は任意にフルオロで置換されたC1−6アルキルであり;
はヒドロキシ、ハロ、OMe,C−C16アルキルカルボニル又は水素であり;
は水素又は任意にフルオロで置換されたアジド、エチニル、シアノもしくはC1−6脂肪族基であり;
は水素、一、二もしくは三リン酸基又は保護基Qであり;ならびに
は水素又は保護基Qである。]
の化合物及びその医薬的に許容可能な塩。
【請求項2】
Xが任意にハロ、1個以上のオキソもしくはヒドロキシ基、又は任意にCOR(RはC1−6脂肪族基又はフェニルである。)で置換された1個以上のアミノ基で置換されたプリン、ピロロピリミジン、ピラゾロピリミジン又はピリミジン環である請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Zが酸素及び窒素から選択される2又は3個のヘテロ原子を含む5員複素環であり、前記ヘテロ原子の最大1個が酸素である請求項1又は2に記載の化合物。
【請求項4】
がメチル又はフッ素であり、Rがヒドロキシ又はフルオロであり、ならびにRが水素である請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項5】
が水素、一リン酸、二リン酸もしくは三リン酸、又はC−C16アルキルカルボニル又は一リン酸プロドラッグ残基
【化2】

[Rは水素、メチル又はベンジルであり、より適切には水素又はメチルであり、Rは水素又はメチルであり、より適切には水素であり、RはPh、CO11又はCR1314OC(O)R12であり、R10はヒドロキシル又はOR16であり、ここで、R16は芳香環もしくは複素芳香環又はCHCHSR17であり、ここで、R17は任意にヒドロキシル基で置換されたC−Cアルキルカルボニルである。]
から選択される請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
が水素又はトリホスホリルである請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項7】
が水素、C−C16アルキルカルボニル又は構造:
【化3】

(R18は水素又はC−Cアルキルであり、ならびにR19は水素である。)のアミノアシル残基から選択される請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
化合物が式(II)、(III)、(IV)及び(V):
【化4】

(式中、RからR、Z、Q及びQは上記の通りである。)から選択される請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物及びその医薬的に許容可能な塩。
【請求項9】
化合物が、
5−(2−メトキシ−1,3−チアゾール−4−イル)−7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−ピリミジン−2−イル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1,3−オキサゾール−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1H−ピラゾール−5−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(2−チエニル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−(1−メチル−1H−テトラゾール−5−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−(1,3−オキサゾール−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
5−(2−メトキシ−1,3−チアゾール−4−イル)−7−(2−C−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−(1H−ピラゾール−5−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−(1H−ピラゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−(1−メチル−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−デオキシ−2−フルオロ−2−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−(1H−ピラゾール−5−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−デオキシ−2−フルオロ−2−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−(1,3−オキサゾール−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−ピリミジン−2−イル−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−デオキシ−2−フルオロ−2−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−デオキシ−2−フルオロ−2−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1H−ピラゾール−5−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(6−メトキシピリジン−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−デオキシ−2−フルオロ−2−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−デオキシ−2−フルオロ−2−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1,3−オキサゾール−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
1−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−3−(1H−ピラゾール−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン、
1−[5−O−(ヒドロキシ{[ヒドロキシ(ホスホノオキシ)ホスホリル]オキシ}ホスホリル)−2−C−メチル− −D−リボフラノシル]−3−(1H−ピラゾール−3−イル)−1H−ピラゾロ[3,4−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−β−D−リボフラノシル)−5−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
7−(2−C−メチル−5−トリホスホ−β−D−リボフラノシル)−5−(1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−4−アミン、
2−{[(R)−({(2R,3S,4R,5R)−5−[4−アミノ−5−(1H−ピラゾール−5−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−3,4−ジヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル}メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル]アミノ}プロパン酸エチル、
2−{[(R)−({(2R,3S,4R,5R)−5−[4−アミノ−5−(1,3−オキサゾール−2−イル)−7H−ピロロ[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−3,4−ジヒドロキシ−4−メチルテトラヒドロフラン−2−イル}メトキシ)(フェノキシ)ホスホリル]アミノ}プロパン酸エチル
から選択される請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物及びその医薬的に許容可能な塩。
【請求項10】
医薬的に許容可能な担体と共に請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物を含有する医薬組成物。
【請求項11】
医薬用としての請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項12】
HCV感染症の治療又は予防用としての請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項13】
HCV感染症の治療又は予防用医薬の製造における請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項14】
有効量の請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物によりHCV NS5Bポリメラーゼを阻害する、HCV複製を阻害する又はHCV感染症を治療する方法。
【請求項15】
請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物とHCV感染症を治療するために有用な1種以上の作用剤を併用して、有効量の本発明の化合物によりHCV NS5Bポリメラーゼを阻害する、HCV複製を阻害する又はHCV感染症を治療する方法。

【公表番号】特表2012−501999(P2012−501999A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−525532(P2011−525532)
【出願日】平成21年9月2日(2009.9.2)
【国際出願番号】PCT/EP2009/061330
【国際公開番号】WO2010/026153
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(501209427)イステイチユート・デイ・リチエルケ・デイ・ビオロジア・モレコラーレ・ピ・アンジエレツテイ・エツセ・ピー・アー (90)
【Fターム(参考)】