説明

ウインドパークの運転方法

【課題】ウインドパークの電力はその接続する系統の変電所の容量に制限される。
【解決手段】本発明は数個の風力発電装置からなるウインドパークの運転方法に関する。ウインドパークは電力網に接続され、発生電力を供給する。ウインドパークは、ウインドパークの電力を0から100%の範囲で調整するために用いられる制御入力部が備えられる。データ処理装置は制御入力部に接続され、電力網に給電される出力部にて、全体のウインドパークから利用できる電力量に基づき、0から100%の制御値を調整するために用いられる。ウインドパークが接続される電力供給網の管理者(EVU)は、制御入力部を通じてウインドパークで生じた電力を調整できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はウインドパークの運転方法およびそのようなウインドパークに関する。
風力発電装置は、最初は一般的に個別のユニットの形態で建設され、ごく最近では、行政官庁および建築制限による理由から、風力発電装置は、ウインドパーク(風力発電所基地)にしばしば設置される。最小ユニットのウインドパークについては、少なくとも2基の風力発電機が設置され、しばしば、非常に多数の風力発電装置が設置される。Holtriem(East Frisia)でのウインドパークの建設例の例では、50基以上の風力発電装置がアレイ状に設置されている。ユニットの個数および設置された風力発電装置の電力も、数年の内に飛躍的に増大すると期待されている。最も一般的なケースでは、風力発電装置は、短絡パワーが低レベルで、低い人口密度の電力網の地域で多く設置されている。風力発電装置の技術的な接続限界がまもなく到来する。その結果、別の風力発電装置をそのような地域にもはや設置できなくなる。
【0002】
例えば50MW変圧器の変電所に接続される一般的なウインドパークは、それ故、最大50MWの合計電力しか持つことができず、つまり、たとえば各々が公称1MWの風力発電装置なら50基が限界となる。
【0003】
風力発電装置は定格モードで常に動作しておらず、そのため、ウインドパーク全体は常にその最大電力(定格電力)に達していないことを念頭におくと、風力発電装置の定格電力が、供給され得る最大可能合計電力に相当するなら、ウインドパークは最適な使用状態となっていない。
【0004】
従ってこの発明は、ウインドパークが最大可能供給電源よりも大きい電力合計出力を有する場合の解決を提案する。上述の例に適用すると、電力を50MW以上の値、例えば53MWに上げることができる。風力が突然に高くなり、50MWの限界を発生するや否や、この発明によるウインドパーク調整システムは、常時計測している最大電力出力が超過した時に、作動して個々のまたはすべての発電所の出力を抑制する。このことは、公称の風速(風力発電装置の出力が定格出力に達する速度)を上回る風速にて、少なくとも一つ、またはすべての風力発電装置が(次第に)電力出力が絞られる(たとえば、1MWから940KWの電力レベルにされる)。
【0005】
この発明の利点は明白である。給電回路網全体の回路網要素(例えば変圧器や電源ライン)を適切な使用状態にでき、あるいは、最適な方法(温度限界までの使用も可能)で調和した負荷を持つことができる。風力発電装置の設置数を最大な個数に設定できるため、既存のウインドパークのエリアでより多く設置できる。その個数は既存の電源網の能力によりもはや(そのように厳密に)制限されない。
【0006】
風力発電装置を制御し調節するため、それがデータ入力の出力/方法部を有するなら、電気出力が(公称電力に対して)0〜100%の範囲に設定できることが望ましい。もし、例えば350KWの基準値がデータ入力部に印加されるなら、風力発電装置の最大電力出力は、350KWの基準値を超過しない。0から公称電力のいずれかの値(例えば0から1MW)が参考値として可能である。
【0007】
前記データ入力部は直接に、電力制限目的のために用いることができる。しかし、回路網(ウインドパークの回路網または給電回路網)の電圧に依存して発電機の電力出力を調節するためのレギュレータの出力によっても可能である。
【0008】
ウインドパークの調節に基づき、別の重要な機能を以下述べる。ウインドパークが、それぞれ600KWの公称出力を有する10基の風力発電装置を備えると仮定する。回路網の要素であるキャパシタンス(ラインキャパシタンス)または変電所変圧器内の制限されたキャパシタンスのために、供給されるべき最大電力は、5200KWに制限される。
【0009】
(データ入力される)基準値の手段により、今や風力発電装置すべてを520KWの最大電力に制限することができる。このことは、供給されるべき電力を制限するための要求に常に迎合させる。
【0010】
別の可能性は、すべての装置の合計での最大電力を許可するのではなく、一時に最大エネルギー量(KW-H)を出力することである。
【0011】
それに関して、低い時に、ウインドパーク内で風速を適切にするために、有利(良好)な箇所にある風力発電装置(ウインドパーク内で最初に風を受ける箇所)が最大の風量を受けることがしばしば発生する。ここですべての風力発電装置が同時に絞られた値(たとえばすべてが520KW)に降下されたなら、生成される前記出力は、良好な箇所に設置のいくつかの風力発電装置により確実に達成されるが、他のいくつかの風力発電装置は、風量が少なく、そのため例えば、460KWでしか運転できず、最大に絞られた電力の520KWに達しない。ウインドパークの全体の出力は、許可された制限出力電力の5200KWを実質的に下回る。
【0012】
この発明によりウインドパークの電力調節は、上記のケースでは、最大可能エネルギー出力が設定されるように、個々の装置を調節する。このことは、特定の条件では、たとえば、第1列の(つまり良好な場所にある)装置は、より高い電力(たとえば公称電力(従って全く絞られていない))に調整される。そのため、ウインドパーク内の全体の電力は上昇する。パーク調整装置はしかしながら、同時に生成される電力量(KHh)が最大値に達する一方、許可された最大の電気的接続電力を超過しないように、個々の装置を調整する。
【0013】
この発明に基づくウインドパークの管理は、生じるそれぞれの状況に対応できる。その結果、例えば、もし、ウインドパーク内の個々の一つ又は複数が弱められるなら(弱めるべきなら)、もし、保守または他の理由のために、個々の装置または多数の装置を一時的に呈しさせなければならないなら、個々の装置の電力に対して異なって絞ることが極めて簡単に行える。
【0014】
ウインドパークまたは個々の装置を制御/調節するために、データ/制御の処理装置(これは、装置のデータ入力部に接続され、ここの装置で得られた風速データから、個々の装置またはウインドパーク全体に対する、それぞれの最も有利な電力絞り値を得る)を用いることができる。
【0015】
図1は、インバータ装置(PWR)に接続されたマイクロプロセッサ(μP)の手段による、風力発電装置の制御を示すブロック図を示し、そのマイクロプロセッサの手段により、多相交流電流を電源網に供給できる。そのマイクロプロセッサは、電力入力P、電力ファクタを入力するための入力(cosφ)および電力傾斜を入力するための入力(dp/dt)を持つ。
【0016】
整流器、整流中間回路およびインバータを有するインバータ装置は、風力発電装置の発電機に接続され、回転速度が可変(つまり、風力発電装置の回転速度に依存)の発電機により生じたエネルギーをそこから受け取る。
【0017】
図示した設計は、風力発電装置により供給された電力が、その値の範囲内で電源網の最大可能値にいかに制限されるかを示すのに役立つ。
【0018】
図2は、例えば風力発電装置1、2、3(これらは風向き方向から眺めており、2機は両側に位置し、第3のみのは2機の背後に位置する)を備える基本的なウインドパークを示す。個々の風力発電装置は、図1の個々の装置の電力を設定するための電力入力を有するので、個々の風力発電装置の電力レベルは、データ処理装置の手段により所望の値に設定でき、そのデータ処理装置の手段により、ウインドパーク全体が制御される。風力発電装置に対する有利な箇所は、風が最初に当たる箇所のものであり、図2では、風力発電装置1、2である。
【0019】
また、この発明は、風力発電装置が接続された電源網に電力を供給するために、ロータにより駆動される発電機を備える少なくとも一つの風力発電装置を有するウインドパークの運転方法に関する。この発明はさらに、電気の消費者、特に電源網に電力を供給するために、ロータ、そのロータに結合された発電機を備えた風力発電装置に関する。
【0020】
低電力の(孤立の)電力網の場合、比較的大きな消費者が電力網から切り離されたなら、電力網の周波数が急速(突然に)に上昇する。たとえばディーゼルエンジン、水車などのごとき駆動機構は、それらの電気的および機械的な電力を減じるのにいくらかの時間を要する。その間に、これらの発電機は、電力網から引き出される電力よりも多くのエネルギーを発生する。そのエネルギーは発電機を加速するために消費される。このことは、回転速度、つまり、同時に電力網の周波数が上昇することを意味する。
【0021】
電力網に接続されているので、多くの電気的なデバイス、例えばコンピュータ、電気モータなどは、しかしながら、電力網の周波数の変化およびそれの急速な変化に対して設計されていないので、電気的デバイスに損傷を生じ、破壊に至ることもある。
【0022】
この発明の目的は、風力発電装置(ウインドパーク)が電力網に接続された時に、上述した問題を排除することにある。
【0023】
この発明によれば、前記目的は請求項7で述べた特徴を持つ方法、および請求項10で述べた特徴の風力発電装置により達成される。有利な展開は、従属請求項に対応して述べられている。
【0024】
この発明によれば、風力発電装置が低電力の電力網上で動作しているなら、それらの(機械的および)電気的な電力が、上昇する電力網の周波数に依存して制御されるべきであると提案している。電力網の周波数のさらなる増大を防止すること、または電力網の周波数を低下させることを目的とする。この発明の態様は実施例を用いて更に詳しく述べる。
【0025】
図3は、電力網の周波数fに依存して、出力電力Pを減じるために(ウインドパークの)風力発電装置での要求を示す。この場合、100%の値は、電力網の基準または目標とする周波数(50Hz,60Hz)を示す。106.2%および102%の値は電力網の周波数fのより高い値に対応する。
【0026】
例えば電力網周波数に0.6%の上昇があった時(つまり100.6%)、(ウインドパークの)風力発電装置の電気的なパワーは、まだ低減されない。もしその後、電力網周波数が更に上昇すると、風力発電装置の電気的なパワーが低減される。図示した例では、風力発電装置の電気的なパワーは、電力網周波数が102%まで上昇した時、電力が0に低減される。
【0027】
図5は、前記要求を満たす風力発電装置の実施例を示す。その風力発電装置は、それの機械的なパワーを低減できるように、調整可変のロータブレード(ロータブレードのピッチ調整)を有する。もし、たとえば、風に対するロータブレードの入射角が調節されると、ロータブレードへの力も所望の値に低減できる。ロータブレードを担うロータに結合された発電機(不図示)からの交流電流の整流器2を用いて整流され、そして、コンデンサ3により平滑化される。インバータ4は、つぎに、直流電圧を交流電流に変換し、それは電圧網L1、L2、L3に供給される。出力電流の周波数は電力網によって決定される。マイクロプロセッサを備える調整装置5は、電力網の周波数を計測し、出力周波数が電力網周波数に一致するように、インバータのパワースイッチを制御する。上述したようにもし、電力網周波数が上昇すると、図3に示されるように、電気的パワーが低減される。
【0028】
図6はこの発明による調整装置を示す。風力発電装置の図形的に示されたロータ4は、風速、つまり風力に応じて電気的パワーを出力する発電機Gに結合される。発電機Gで発生された交流電圧は、まず、インバータによって整流され、そして、電力網周波数に一致する周波数の交流電圧に変換される。電力網の給電ポイントでの電力網電圧は、電力網周波数検出器を用いて確かめられる。電力網周波数が所定値を超過するや否や、図3にあるように、電力網周波数の更なる上昇を打ち消すために、電気的パワー出力が低減される。
その結果、調整装置の手段によって、電力網周波数は望ましい電力網周波数の値に調節されるか、更なる周波数の上昇が抑止される。
【0029】
風力発電装置により供給される電力をそのようにして調節することにより、電力網周波数の変動を回避でき、あるいはかなりに低減できる。
【0030】
図7は、電力網への風力発電装置の接続を示し、風力発電装置により生成された電気的パワーは電力網の給電ポイントにて与えられる。例えば家の形で図形的に示した多数の消費者は、その電力網に接続されている。
【0031】
図8は、図5と少し異なった制御調整装置の本質的な要素を示す。制御および調整の構成は、発電機で生じた交流電圧を整流する整流器を有する。整流器に接続された周波数変換器は、元々、中間回路によって整流された直流電圧を交流電圧に変換し、ラインL1、L2、L3の3相交流電圧の形態の電力網に供給する。その周波数変換器は、調整装置全体の一部であるマイクロコンピュータを用いて制御される。前記目的のために、マイクロプロセッサは、周波数変換器に接続される。電圧調整のための入力パラメータ(そのパラメータを用いて、風力発電装置2により利用できる電気的パワーが電力網に供給される)は、電力の傾きdP/dtとともに、現在の一般的な電圧網電圧、電力網周波数f、発電機の電気的パワーP、リアクタンスのパワーファクタ cos_である。そのマイクロプロセッサは、この発明に基づき、望ましい電力網周波数にて、供給されるべき電圧に関して調整できる。
【0032】
また、この発明は、電力網に電力を供給し、そしてそれに接続された消費者に供給するために、ロータにより駆動できる発電機を有する少なくとも一つの風力発電装置を含むウインドパークの運転方法に関する。
【0033】
また、この発明は、風力発電装置(ウインドパーク)に関し、特にそのような方法を実行するために、ロータ、電力網に電力を供給するためにロータに結合された発電機を備えた風力発電装置(ウインドパーク)に関し、ウインドパークは少なくとも二つの風力発電装置を含む。
【0034】
風力エネルギーから電気エネルギーを生成するための公知の風力発電装置では、発電機は、電気の消費者、しばしば電力網とパラレルの関係で動作する。風力発電装置の運転中、発電機で生じた電気的な有効電力は、現在に起こっている風速に依存して変化する。その結果、電力網の電圧(大きさおよび/又は位相)も、現在起こっている風速に依存して、例えば給電ポイントで変化する。給電される電流についても同様である。
【0035】
電力網、例えば公衆の電力メインに供給される電気的パワーを供給することを含む状況では、電力網電圧に変化が起きる。しかしながら、接続された消費者の信頼できる動作の観点では、そのような変化は、極めて接近した限界内でのみ許可される。
【0036】
給電網での回路電圧に関し、特に中間電圧レベルにて、基準値から顧客的大きな変移は、所定の限界値を超過するか下回った時に、ステップ変圧器のようなスイッチデバイスを動作させる限り、その変移を補償できる。そのようにして、電力網電圧が実質的に所定の許容範囲内に維持される。
【0037】
この発明の目的は、風力発電装置やウインドパークのみでなく、風力発電装置の運転方法に関し、有効電力の供給に変動があっても、風力発電装置を設置することなく、電力網の所定のポイントにて、望まれない電圧変動を減じるか、少なくとも大きく増大させないことにある。
【0038】
この発明(請求項15)は、この明細書の冒頭で述べた種類の方法で、風力発電装置により生成された電気的パワーの位相角φまたは装置が電力網で検出した少なくとも一つの電圧に依存して変化させるようにして、この目的を達成する。
【0039】
この明細書の冒頭で述べた種類の風力発電装置では、上記目的は、この発明に基づく方法を実行できる装置により達成される。
【0040】
この明細書の冒頭で述べた種類の風力発電装置では、上記目的は、ウインドパークの調整可能な部分を各々個別に調整するために、この発明に基づく方法を実行するのに適した個々の装置の少なくとも一つ、および個々の電圧検出装置により達成される。
【0041】
この発明は、供給される電力の位相角を消費者または電力網の電圧に依存して変化させることにより、消費者での印加電圧、特に電力網での電圧での望まれない変動を回避する。このことが、風力発電装置により供給された有効電力の変化により起こる、望ましくない電圧変動、および/または消費者により電圧網から取り出される電力を補償する。
【0042】
特に好ましい特徴として、電力網内の少なくとも1カ所のポイントでの電圧が実質的に一定となるように、位相角が変えられる。このような状況では、要求された調節用のパラメータを得るために、電力網の少なくとも1ポイントでの電圧が検出される。
【0043】
特に前記ポイントは、給電ポイント以外のポイントである。電圧の大きさおよび風力発電装置により与えられた電気的パワーの位相角での適した変化の検出は、迅速な応答および効果的な調整システムを提供できる。
【0044】
特に好ましい実施例では、位相角として設定されるべき値は、予め設定された特性値から与えられる。これらの特性値は、好ましくはテーブルの形態で提供でき、そのテーブルには、予め決定された特性カーブの一群が個別の値の形態で表されており、このテーブルが設定されるべき位相角を推定することを可能にする。
【0045】
この発明の好ましい実施例では、調整システムが直接にまたは間接的に上記特性値を与え、もし電圧変動が所定の限界値を超過するなら、電力網内のスイッチデバイス、例えばステップ変圧器の動作により、電圧が許容範囲内に再度戻される。位相角に適した変化を与えることにより、その後に発生する電圧変動を再度補償できるように、同時に、またはそれに関連して、位相角が所定の時間の間に、一定値、好ましくは平均値、例えば0に設定される。
【0046】
この発明の特に好ましい展開では、電力網の電気的に離れた部位を調整して、各部位のの電圧が実質的に一定となるように、適した電圧決定手順および位相角に対する設定操作も前記各部位にて個別に実行できる。
【0047】
この発明による風力発電装置の別の展開は、デジタル調整を実行できるようにマイクロプロセッサを有する調整装置を有利に提供する。
【0048】
この明細書の冒頭で述べたウインドパークの好ましい展開は、この発明に基づく方法を実行するのに適した個々の装置および、ウインドパークの電気的に分離した箇所も個別に調整して、電力網のそれぞれの部位で実質的に一定となるように、ウインドパークのそれぞれ個別に調整できる部分に対する個々の電圧検出装置を備える。
【0049】
この発明は、風力発電装置の運転方法の実施例を添付図を参照して以下述べる。図9に図形的に示した風力発電装置2は、ロータ4を有し、電力網6(例えば公衆またはメインの電力網)に接続される。多数の電気消費者8が電力網に接続される。風力発電装置2の発電機(図9では不図示)は、電気的制御および調節装置10に接続され、この調整装置10は、まず、発電機で生じた交流電流を整流し、次にそれを、電力網の周波数と等しい周波数の交流電流に変換する。その制御および調整装置10は、この発明に基づく調整デバイスを有する。
【0050】
電圧検出デバイス22は、電力網6の任意のポイント22に備えることができ、その電圧検出デバイスは、(位相に加えて)特に電力網の電圧の大きさを測定し、そしてその測定値を適した調整パラメータとして調整装置10に戻す。
【0051】
図10は、この発明に基づく調整装置を示す。図形化したロータ4は、風速に応じた電力を発生する発電機12に結合される。発電機12で生じた交流電圧は、まず、整流され、次に電力網の周波数に一致する周波数の交流電圧に変換する。
【0052】
回路網の電圧は、電力網6の位置22にて電圧検出器(不図示)を用いて測定される。おそらくは図4に示したマイクロプロセッサを用いて、確定された電力網電圧に依存して、最適な位相角φが計算される。電力網電圧Uは次に調整装置を用いて所望の値Urefに調整される。
【0053】
発電機12により電力網6に供給される電力は、位相角の変化により調整される。
【0054】
図11は、電力網の電圧と位相角との間の関係を示す。もし、電圧が、電圧値UminとUmaxの間にある、基準値Urefからそれると、電圧検出ポイント(図9の22)での電圧を安定させるために、誘導性または容量性の無効電力が電力網に供給されたかによる、変位の軌跡に基づくように、図中の特性カーブに従って、位相角φが変更される。
【0055】
図12は、図9に示した制御および調整装置10の本質的な構成要素を示す。その制御および調整装置10は、発電機で生じた交流電流が整流される整流器を有する。整流器16に接続された周波数変換器18は、最初に整流された直流電流を交流電流に変換し、ラインL1、L2、L3の3相交流電流の形態で電力網に給電される。
【0056】
周波数変換器18は、調整装置全体の一部であるマイクロプロセッサ20を用いて制御される。その目的のために、マイクロプロセッサ20は、周波数変換器18に結合される。マイクロプロセッサ20に対する入力パラメータは、現在用いている電力網の電圧、発電機の電力P、電力網の電圧Urefの基準値および電力の傾斜dP/dtである。供給されるべき電力のこの発明に基づく変更は、マイクロプロセッサ20で実行される。
【0057】
図13は、ウインドパークの例として、2基の風力発電装置2を示す。調整装置10はこれらの風力発電装置2の各々に関係し、多くの個々の風力発電装置に対してシンボル的に立つ。その調整装置10は、電力網6、7の所定のポイント22、27で電圧を検出し、そして、ライン25、26により、電圧をそれぞれ関係する調整装置10へ送信する。
【0058】
電力網の部分6、7は、スイッチデバイス23により互いに一緒にまたは分離して接続できる。スイッチデバイス23と24がパラレルにされると、スイッチデバイス23のスイッチ状態に基づき、二つの調整装置10が互いに接続され、あるいは互いに分離される。
【0059】
電力網の二つの部分6、7が互いに接続されると、二つの調整装置10も互いに接続され、全体の電力網は、1つの結合とみなされ、一つの結合として、全体のウインドパークにより給電され、そのウインドパークは、検出ポイント22、27での電圧に依存して、統合された様式で再度、調整される。
【0060】
もし、二つの部分6、7がスイッチデバイス23により分離されると、調整装置10も互いに分離され、ウインドパークの一つの部分は、調整装置10によりライン25を通じて検出ポイント22にてモニターされ、ウインドパークの関係した部分が対応して調整される。一方、電力網の他の部分7は、調整装置10により、ライン26を通じて検出ポイント27にてモニターされ、ウインドパークの他の部分を調整して電力網の部分7での電圧を安定させる。この分割は二つの部分に限定されないことが理解される。
【0061】
この発明によるウインドパークの中央の調整は、ウインドパークが公衆電源網に電気エネルギーを供給するだけでなく、好ましくは公衆電力網のオペレータにより、同時に電力網をサポートするように制御される。この出願にて、記述がウインドパークに対してなされる限り、その出願は、個々の風力発電装置も記述するようにしており、常に複数の風力発電装置のみを記述していない。その点に関し、ウインドパークを常に形成しているのは正確には多数の風力発電装置である。
【0062】
ウインドパークの中央制御のために、本発明によれば、公衆電力網の管理者は、適した制御ラインの手段でウインドパーク/風力発電装置への制御アクセスを持つのみならず、彼は、ウインドパーク/風力発電装置から、例えば、測定された風力データ、ウインドパークの状態についてのデータ、および、例えばウインドパークの利用できる電力(現在発生している電力や有効電力)についてのデータのごときデータを収集することもできる。
【0063】
また、このような中央制御は、ウインドパークはある状況では、電力網全体から切り離すことを意味する。例えば、もし、公衆電力網の管理者によりプリセットされた電力網接続規則がウインドパーク側で観察できない時である。
【0064】
もし例えば、電力網の電圧が与えられた所定値(例えば回路電圧の70から90%の値)を下回ったなら、ウインドパークは、所定の時間(例えば2から6秒の間)、電力網から切り離さなくてはならない。
【0065】
最後に、ウインドパークの電力変化(dP)が、風速により予め設定されるのみならず、与えられた時間間隔を全体で変更もできることが必要である。その電力パラメーターもしたがって電力勾配と呼ばれ、それぞれの利用可能な電力のどれだけのパーセントを所定の時間内(例えば1分毎に)に変更してもよいかによって指定する。その結果、例えば、ウインドパークの電力傾斜が、1分毎の電力網接続能力の最大で5〜15%で好ましくは10%であることが与えられる。
【0066】
ウインドパークのこのような調整は、パークのすべての風力発電装置のために同時に、あるいは、所定の電力傾斜でそれらの電力供給を一様に増大させることにより実行できる。10から20基の範囲の例に対するウインドパークの場合、最初に、1または2基が最初に(それぞれの電力傾斜の大きさで)電力網に最大電力で給電し、次いで、ウインドパークの利用できる電力のすべてが電力網に給電されるまで、それぞれの所定の電力傾斜に基づき、別の装置が所定の時間内で割り込むことも可能である。
【0067】
この発明に基づくウインドパークの調整の別の態様は、現在利用できるウインドパークの例えば10%のレベルで、または、ウインドパークにつき、例えば500KWから1MWの間の固定値で予備電力を備えることである。その予備電力は、ウインドパークの電力網接続電力を超過するパークの電力と混同してはならない。その予備電力は、決定的に、電力網接続電力の範囲を超過しない電力の予備(有効電力および無効電力の双方)を含む。その予備電力は、公衆給電網の管理者により指示できる。つまり、電力網接続電力をウインドパークから電力網に給電するのに利用できる十分な風力があるなら、電力供給事業者は、ウインドパークへの指令制御介入により、この理論的に可能な電力が電力網に完全に供給されず、利用できる電力の一部を予備電力として供給する。その予備電力特定の態様は、(電力が電力網に給電される別の箇所にて)電力所の予期しない故障発生時に、その電力網は対応する予備電力を呼び出すことにより安定化できる。
【0068】
従って、ウインドパークに上記の中央制御を備えることで、電力網に供給される電力は、正常な時を下回り、そのため、電力網でのぞれぞれの電力要求に依存して、ウインドパークにより利用できる電力以下となる。
【0069】
この上述した電力制御手順を実行できるように、電力網管理者は、電力網管理者も、風速、ウインドパークの設備状態(いくつの設備が稼働しているか、いくつが非動作または故障か)および、好ましくは最大可能な有効電力の供給のごとき、指示されたデータを要求する。それに関して、風速および設備状態から蹴ってできない時には、最大可能な有効電力の供給については、それがデータのみの形態で提供しなければならないという制約がある。
【0070】
通常のバスシステム、例えば、標準化されたバスシステムも、ウインドパークの制御のために、および、電力供給事業者に対するデータ供給にも用いることができる。そのような標準化されたバスシステム、例えば、プルーフバス システムに対して既に標準化されたインタフェイスが存在する。そのため、中央のウインドパーク制御も適した制御コマンドを用いて実行できる。
【0071】
上述への追記として、ウインドパークが、予め設計した電力からの時、つまり、50MW以上の合計出力で、大規模の電力所として処理され、そして、大規模の電力所に対する状態を安全にしなければならない。
【0072】
最後に、また、電力網の接続値(電力網の接続能力)が超過しないように、ウインドパークが調整される。
【0073】
最後に、ウインドパーク内でスイッチオン/切断があった時、要求されない電力網が反作用を起きないようにすることが必要である。例えば、ウインドパーク内でスイッチオン/切断があった時、電流が、接続能力に対応する公称電流に対して所定値よりも大きくならない。そのような値は、例えば1.0から1.4の間の範囲である。
【0074】
公衆電力網の周波数が上昇すると、既述したように、例えば正規の周波数50Hzに対して50.25Hzとなったなら、電力網周波数が記述した値に安定化するまで、ウインドパークの供給される有効電力は自動的に低減される。
【0075】
従って、電力網の要求を観察できるように、電力供給を減じたレベルでウインドパークを動作できるようにしなければならない。上記電力調整は、また、いかなる動作状況においても、およびいかなる動作ポイントであっても、電力供給(特定の有効電力)が所望の値に低減できることを意味する。
【0076】
従って、たとえば、安全な信頼できるシステム動作に対して危険があるなら、上流に位置する電力網で傷害または過負荷の危険は凍結されるべきであり、孤立した電力網の形成の危険性があるなら、静止したまたは流動的な安定性が危険性にさらされ、頻繁な上昇は全体の電力網システムに危険性にさらし、例えば、修理動作または他の操作的な調整された停止も給電事業者で起こる時には、利用できる給電電力に給電電力を制限することができる。
【0077】
既に上述され、必要な場合それは与えられることになっている有効電力の供給に加えて、与えられた無効電力を提供することも可能であり、その場合、電力供給事業者により希望された時、特に誘導性および容量性の範囲内の双方で、つまり、不足励磁および過励磁に無効電力の提供が可能である。これに関連して、それぞれの値は、電力供給事業者により前記目的のために予め決定できる。
【0078】
前記接続時に、無効電力供給に対する基準値を可変に設定でき、その基準値のプリセットは、電力ファクタ(cosφ)または電圧の大きさに対して、電力網の接続ノードにて達成される。固定基準値を予め設定することも可能である。
【0079】
既述したように、電力網内の周波数があるレベルを超過するか、下回ると、電力供給が低減されるか、および/または、ウインドパークが電力網から切り離される。この結果、例えば、電力網が、50Hzの周波数を有する電力網がおよそ48Hzに降下した時、または、51Hzから52Hzになった時、ウインドパークは電力網から切り離される。これについて、目的とした範囲以下の値で、範囲の制限内で、例えば現在利用できる電力の80から95%の範囲内で、現在利用できる電力の一部を電力網にまだ供給できる。
【0080】
たとえば、電力網の電圧が所定値以下に低下したなら、電力網周波数がそれた場合のように、同じことが言える。言い換えれば、電圧が、与えられた電圧内の所定の電力網電圧から降下または超過した時、まず、電力供給が低減され、そして、電力網電圧が与えられた制限値から降下、または超過した時、装置は完全に電力網から切り離されるか、または少なくとも電力網への給電が0にセットされる。
【0081】
最後に、電力網の与えられた電圧および/又は周波数に達した時、予め実行され既に低減されている、電力を供給することなく、試みられテストされた、ウインドパークのシャット・ダウンされることも提供される。
【0082】
電力網周波数/電力網電圧での所定の範囲内に対する所定範囲内の与えられた周波数変移/電圧変移では、電力網からのウインドパークの自動分離は、実行されないということも意味する。
【0083】
最後に、電力網保護目的のために、電圧値が超過した時、シャットダウン時間は、電圧低減保護の場合(1秒以上、好ましくは2から6秒の間のシャットダウン時間)に比べ、著しくより短くなる(例えば50から200ミリセカンドの間の範囲)ことも提供されている。上側周波数又は下側周波数の値が、所定値からの超過または下降した時のシャットダウン時間については、更に許容できる制限値は、電圧が(所定の電圧値を)超過している時のシャットダウン時間にほぼ等しい。
【0084】
最後に、電力網の故障時に、例えば短絡時に、電力網からのウインドパークの自動分離は、常にすぐに起きるのではなく、個々の電力網接続に依存して、ある程度に電力網のサポートを与えることができるように、更に電力網内に対して短絡回路への明白な電力として供給するようにして、ウインドパークも制御できる。このことは、ウインドパークが最大可能な皮相電流(皮相電力)を供給することを意味し、これは電力網接続能力に対応する電流の1倍または1.5倍に対応する。
【0085】
上述した挙動も、例えば、50KV以上の所定の値を超過するなら、その公称電圧のレベルに依存してなされる。
【0086】
上述のシャットダウン手順は、適した時間で行うことができ、例えば、それを実行するために保護リレー(距離保護リレー)を電力網の接続ノードに設ける。
【0087】
ウインドパークが再度、起動される時、非同期の電圧が敏感に、電力網を乱してそれをシャットダウンさせるので、最後に、ウインドパークの始動時に、電力網内の電圧とウインドパークの電圧とを同期させための手段も備えるべきである。
【0088】
本発明に基づく限り、電力は、ウインドパークにより現在利用できる電力(種々の測定により行われる)の値以下に調整される。
【0089】
例えば、出力は個々の装置に対して全体的に低減できるので、ウインドパーク全体を所望の低減した出力値にすることができる。それに対する代替として、個々の装置のみがそれらの出力供給値に関して低減され、ウインドパークの合計の供給値を所望の値にすることもできる。
【0090】
最後に、ウインドパークにより利用できる与えられた電力が、中間的な格納器、いわゆるダンプ負荷(抵抗)または他のエネルギー格納手段に格納されるか、あるいは、他の形態のエネルギーに変換されるかして、ウインドパークの供給値が所望の値になるようにしてもよい。
【0091】
電力出力の低減も、一つの風力発電所装置または与えられた風力発電装置が全体的に電力網から切り離され、それにより、ウインドパークの全体電力(特にそれの有効電力)が所望の値に、および/または所望の値以下にセットできる手順によって行える。
【0092】
ウインドパークについてのデータ(風データ、位置データ、電力データなど)またはウインドパークの制御のためのデータ伝送のために、ワイヤレス通信構成を提供することも可能であり、それにより、制御データまたは情報データはワイヤレスで伝送および処理ができる。
【0093】
上述したウインドパークの調整の場合、ウインドパーク内にて、手順が最大エネルギーとして利用できる値を確定する手順をも含み、また、更にどれだけのエネルギーを電力網に供給できるかを確定する手順を含み、それにより、給電事業者側において、ウインドパークの制御に基づき実質的に異なる量を取り込み、必要なら補償される給電補填量の計算を可能にする。
【0094】
既述したように、制御ラインによるアクセスにより、種々の理由(電力網保護、電力制御)のために、給電網を運転する給電事業者が、ウインドパークまたは個々の風力発電装置の出力の制限または規制する可能性を持つことを可能にすることだけでなく、給電網の管理者が、同時に、ウインドパークの現状についてのデータ(例えば最大利用可能電力、風速などについてのデータ)を取得することも可能にする。出力が現在利用できる電力以下に制限された時、ウインドパークまたはウインドパークの風力発電装置が最適な使用状態にセットされていないので、そのため、風力発電装置の管理者側に給電ロスを招く。したがって、ここで、この発明も、規則システムを企てる給電側では、この発明で取り除かれない、それに関する違いを検知する仮想電流計の準備、およびしたがって、ウインドパークまたは風力発電装置の出力に関する制限を提案する。そのような“仮想の電流計”は、一方で風速から利用されるべき電力を確定し、そして、同時に、給電者あるいは誰か他の人が個々の風力発電装置の電力出力あるいは、利用できる電力出力以下にウインドパーク全体を低減する場合、運転を統合することにより、電力網に給電されないエネルギー量を確定(カウント)することを可能にする。この仮想の電流計は、風力発電装置の管理者が“仮想電流”(つまり、電力供給の規制時実施のために電力網に供給されない電流)に対しても報酬を得ることを可能にする。この“仮想電流計”は、風力発電装置の管理者において、ウインドパーク内のそれぞれの風力発電装置内に、給電者側において、または、風力発電装置の製造者において設置できる。
【0095】
この発明が用語、風力発電装置を用いる限りでは、それは用語、ウインドパークと同意語である。この発明が述べている発明の種々の態様の限りでは、それらを包含したもので風力発電装置またはそれらの制御に実施できる。しかしながら、さらに、この出願が常に発明の様々な態様と共に記述しているが、発明の更なる態様がなくても、発明による異なるアプローチが実行され、個別にクレーム化されることをも可能にする。しかしながら、この発明の種々の態様が実行され、個別にクレーム化され、かつ、それの一般的な記述は従って、共に実行され、クレーム化されるものと常に等価ではないことが当業者なら容易に理解できる。
以下に、本発明の好ましい実施の形態を示す:
(形態1)本発明の第1の視点により、複数の風力発電装置を備えたウインドパークであって、当該ウインドパークによって生成された電力が供給される公衆電力網に結合されているウインドパークの運転方法が提供される。該運転方法において、
前記ウインドパークの制御入力部における該ウインドパークの予め決定された公称出力電力の0%〜100%の範囲内で該ウインドパークの外部設定の電力出力に応じて該ウインドパーク全体がその電力出力部において前記公衆電力網に供給する電力の0%〜100%の範囲内に設定値を設定することにより、該ウインドパークによって供給される電力を外部から調節可能とすることを特徴とする(第1基本構成)。
(形態2)上記の運転方法において、ウインドパークは、公衆電力網のオペレータによって、該公衆電力網をサポートするよう制御されることが好ましい。
(形態3)上記の運転方法において、公衆電力網のオペレータは、測定された風力データ、ウインドパークの状態についてのデータ、ウインドパークの現在利用可能な有効電力についてのデータ等のデータをウインドパークから収集することが好ましい。
(形態4)上記の運転方法において、当該運転方法は、それぞれ利用可能な電力の所定時間内に変更可能なパーセントの大きさを指定する電力パラメータを与えることが好ましい。
(形態5)上記の運転方法において、ウインドパークのすべての風力発電装置が、同時に又は一様に、前記電力パラメータに応じて電力供給を増大することが好ましい。
(形態6)上記の運転方法において、公衆電力網に供給されている電力とウインドパークの現在利用可能な電力との間の差である予備電力を供給可能にするために、ウインドパークの現在利用可能な電力より少ない電力が公衆電力網に供給されることが好ましい。
(形態7)上記の運転方法において、異なる部位で公衆電力網に電力を供給する発電所の予期しない故障発生時に、該公衆電力網は、前記予備電力の呼び出しによって安定化されることが好ましい。
(形態8) 本発明の第2の視点により、上記の運転方法を実行するウインドパークが提供される。該ウインドパークにおいて、
該ウインドパークは、ロータと、該ロータに結合され電力網に電力を供給するための発電機とを有する少なくとも1つの風力発電装置を備え、該ウインドパークは、当該ウインドパークによって生成された電力が供給される電力網に接続されること、
前記ウインドパークは、更に、
前記風力発電装置の少なくとも1つの風力発電装置の電力を、該ウインドパークの公称出力電力の0%〜100%の間の範囲内に設定する制御入力部と、
該ウインドパーク全体がその出力部で前記電力網に給電する電力量に応じて0%〜100%の範囲内で前記設定値を設定するための、前記制御入力部に接続されたデータ処理装置とを有することを特徴とする(第2基本構成)。
(形態9)上記のウインドパークにおいて、公衆電力網の管理者に制御アクセスを可能にするための制御ラインとして、バスシステムを有することが好ましい。
更に、本発明の更なる実施の態様を示す:
(態様1) 複数の風力発電装置を備えたウインドパークであって、前記ウインドパークに結合されている電力網に、発生した電力を供給するウインドパークの運転方法は、
前記ウインドパークにより供給される電力を外部から調節可能として、ウインドパークの予め決定された公称出力電力の0から100%の範囲内での、前記ウインドパークの制御入力部での前記ウインドパークの外部設定の電力出力により、前記ウインドパーク全体がその電力出力部で前記電力網に供給する電力の0から100%の前記範囲内に設定値を設定するステップと、
前記電力網の周波数が基準値より高いかまたは低いとき、および、前記電力網の電圧が基準値より高いかまたは低いときの少なく一方であるとき、前記ウインドパークの供給電力を低減するステップと、
前記電力網に供給される電流と前記電力網の電圧の間の位相位置の位相角φを、前記電力網の電圧に依存して変更するステップと、
前記電力網内にて、スイッチング装置の駆動を直接的または間接的に実行するステップとからなる運転方法。
(態様2) 上記運転方法において、さらに、前記電力網の周波数がその基準値より3%より高いかまたは低いときに前記風力発電装置の供給電力を低減するステップを備えることが好ましい。
(態様3) 上記運転方法において、さらに、電力網内の少なくとも1つの予め決定された箇所で前記電圧を測定するステップを備えることが好ましい。
(態様4) 上記運転方法において、さらに、前記電力網の電圧を前記給電ポイントとは異なるポイントで検出するステップを備えることが好ましい。
(態様5) 上記運転方法において、さらに、前記電力網の前記少なくとも1つの箇所での電圧が実質的に変化しないように、前記位相角φを変更するステップを備えることが好ましい。
(態様6) 上記運転方法において、さらに、前記位相角φとして設定されるべき値を、予め決定された特性値から導出するステップを備えることが好ましい。
(態様7) 上記運転方法において、さらに、前記位相角φにより、前記電力網の複数の部分に対し、対応する電圧検出および調整を個別に行わせるステップを備えることが好ましい。
(態様8) 上記態様1から7のいずれかの方法を実行するウインドパークであり、
当該ウインドパークは、ロータおよび、前記ロータに結合された発電機を有する少なくとも1つの風力発電装置を備え、
当該ウインドパークは、当該ウインドパークによって発生された電力が供給される電力網に結合され、
当該ウインドパークは、さらに、
前記風力発電装置のなかの少なくとも1つの風力発電装置の電力を、当該ウインドパークの公称出力電力の0から100%の間の範囲内に設定する制御入力部であって、当該ウインドパークにより供給される電力を外部から調節可能とする制御入力部と、
前記制御入力部に接続され、当該ウインドパーク全体がその出力部で前記電力網に給電する電力量にしたがって0から100%の前記範囲内で設定値を設定するデータ処理装置と、
前記電力網に印加される電流の周波数を測定する周波数検出器を有する調整装置とを備え、
前記電力網の周波数の基準値より高いかまたは低いとき、および、前記電力網の電圧が規定値より高いかまたは低いときの少なくとも一方のときに、当該ウインドパークの供給電力は低減され、前記電力網に供給される電流と電力網の電圧の間の位相位置の位相角φが、電力網の電圧に依存して変更され、
前記電力網内のスイッチング装置の駆動が直接的または間接的に実行されることを特徴とするウインドパーク。
(態様9) 上記ウインドパークにおいて、当該ウインドパークに接続される前記電圧網に供給可能な電力よりも大きい公称電力を有することが好ましい。
(態様10) 上記ウインドパークにおいて、前記調整装置は、当該ウインドパークの前記風力発電装置の少なくとも1つの風力発電装置の電力が、可能な最大電力網供給電力値に達したときに、前記電力を絞ることが好ましい。
(態様11) 上記ウインドパークにおいて、前記電力の絞りが、すべての風力発電装置で同じ値または異なる値であることが好ましい。
(態様12) 上記ウインドパークにおいて、当該ウインドパークは、さらに一つ以上の風力発電装置を備え、前記風力発電装置により供給される電力は、前記少なくとも一つの風力発電装置の公称電力よりも低い可能な最大供給電力値に制限され、そして
前記可能な最大供給電力値は、電力が供給される前記電力網の電力受け入れ能力、および/または、前記風力発電装置により発生された電力が前記電力網に供給される電力送信ユニットまたは変圧器の電力供給能力により決定されることが好ましい。
(態様13) 上記ウインドパークにおいて、当該ウインドパーク内で最初に風が当たる風力発電装置は、その風の方向で前記風力発電装置の背後に位置する風力発電装置にくらべて、電力に関してより少なく制限されることが好ましい。
(態様14) 上記ウインドパークにおいて、前記調整装置はマイクロプロセッサを有することが好ましい。
(態様15) 上記ウインドパークにおいて、前記風力発電装置の機械的パワーは、風に対して調節可能なロータブレードにより生成されることが好ましい。
(態様16) 上記ウインドパークにおいて、前記調整装置は、前記電力網の周波数が、その基準値に関して、予め決定した値より高いときまたは低いときに、当該ウインドパークが前記電力網に電力を供給しないように調整を行うことが好ましい。
(態様17) 上記ウインドパークにおいて、少なくとも二つの部分からなるウインドパークであって、各部分は、上記態様1から8のいずれかの方法を実施する装置、および、前記少なくとも二つの部分の各々について電圧検出装置を有する少なくとも1つの風力発電装置を備えることが好ましい。
(態様18) 上記ウインドパークにおいて、前記調整装置は、前記電力網の電圧が公称電圧より低い値に降下したとき、所定の時間の間、当該ウインドパークを前記電力網から切り離すことが好ましい。
(態様19) 上記ウインドパークにおいて、当該ウインドパークの出力電力の増大または低下が、1分あたり、当該ウインドパークの前記電力網への接続能力の5から15%の間の値に制限されることが好ましい。
(態様20) 上記態様1から7のいずれかの方法を実行するための装置により特徴づけられる風力発電装置。
【図面の簡単な説明】
【0096】
【図1】風力発電装置のブロック回路図。
【図2】ウインドパークの原理を示す。
【図3】風力発電装置の周波数/電力の時間グラフを示す。
【図4】風力発電装置の側面図を示す。
【図5】風力発電装置のインバータ(これはマイクロプロセッサで制御される)のブロック回路図を示す。
【図6】風力発電装置の調整装置の図である。
【図7】電力網への風力発電装置の接続を示す。
【図8】図5に関連した別のブロック回路図を示す。
【図9】電力網に給電する風力発電装置の単純化した図である。
【図10】風力発電装置の運転のための、この発明に基づく調整装置を示す。
【図11】電力網の電圧と位相角の関係を示す図である。
【図12】図10で示した調整装置の本質的な要素を示す図である。
【図13】複数の風力発電装置の調整を単純化した図であり、その調整は、個々の電力網の状況に基づき個別または共通である。
【符号の説明】
【0097】
1 風力発電装置
4 ロータ
6 電力網
10 調整装置
12 発電機
18 周波数変換器
20 マイクロプロセッサ
22 電圧検出装置
23 スイッチングデバイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の風力発電装置を備えたウインドパークであって、当該ウインドパークによって生成された電力が供給される公衆電力網に結合されているウインドパークの運転方法において、
前記ウインドパークの制御入力部における該ウインドパークの予め決定された公称出力電力の0%〜100%の範囲内で該ウインドパークの外部設定の電力出力に応じて該ウインドパーク全体がその電力出力部において前記公衆電力網に供給する電力の0%〜100%の範囲内に設定値を設定することにより、該ウインドパークによって供給される電力を外部から調節可能とすること
を特徴とする運転方法。
【請求項2】
ウインドパークは、公衆電力網のオペレータによって、該公衆電力網をサポートするよう制御されること
を特徴とする請求項1記載の運転方法。
【請求項3】
公衆電力網のオペレータは、測定された風力データ、ウインドパークの状態についてのデータ、ウインドパークの現在利用可能な有効電力についてのデータ等のデータをウインドパークから収集すること
を特徴とする請求項2に記載の運転方法。
【請求項4】
当該運転方法は、それぞれ利用可能な電力の所定時間内に変更可能なパーセントの大きさを指定する電力パラメータを与えること
を特徴とする請求項1に記載の運転方法。
【請求項5】
ウインドパークのすべての風力発電装置が、同時に又は一様に、前記電力パラメータに応じて電力供給を増大すること
を特徴とする請求項4に記載の運転方法。
【請求項6】
公衆電力網に供給されている電力とウインドパークの現在利用可能な電力との間の差である予備電力を供給可能にするために、ウインドパークの現在利用可能な電力より少ない電力が公衆電力網に供給されること
を特徴とする請求項1に記載の運転方法。
【請求項7】
異なる部位で公衆電力網に電力を供給する発電所の予期しない故障発生時に、該公衆電力網は、前記予備電力の呼び出しによって安定化されること
を特徴とする請求項6に記載の運転方法。
【請求項8】
請求項1から7のいずれかに記載の方法を実行するウインドパークにおいて、
該ウインドパークは、ロータと、該ロータに結合され電力網に電力を供給するための発電機とを有する少なくとも1つの風力発電装置を備え、該ウインドパークは、当該ウインドパークによって生成された電力が供給される電力網に接続されること、
前記ウインドパークは、更に、
前記風力発電装置の少なくとも1つの風力発電装置の電力を、該ウインドパークの公称出力電力の0%〜100%の間の範囲内に設定する制御入力部と、
該ウインドパーク全体がその出力部で前記電力網に給電する電力量に応じて0%〜100%の範囲内で前記設定値を設定するための、前記制御入力部に接続されたデータ処理装置と
を有すること
を特徴とするウインドパーク。
【請求項9】
公衆電力網の管理者に制御アクセスを可能にするための制御ラインとして、バスシステムを有すること
を特徴とする請求項8記載のウインドパーク。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−41931(P2012−41931A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−180595(P2011−180595)
【出願日】平成23年8月22日(2011.8.22)
【分割の表示】特願2008−182807(P2008−182807)の分割
【原出願日】平成14年9月21日(2002.9.21)
【出願人】(500017944)アロイス・ヴォベン (107)
【Fターム(参考)】