ウインドパークの運転方法
【課題】風力発電装置(ウインドパーク)が電力網に接続された時に、電力網の周波数が急速に変化すること排除する。
【解決手段】ウインドパークおよび/又は、ウインドパークの風力発電装置の少なくとも1つは、制御入力部を有し、その制御入力部を用いて、ウインドパークまたは一つ以上の風力発電装置の電力が、利用できる個々の電力、特に定格出力の0から100%の範囲内に設定でき、そして、制御入力部に接続されたデータ処理装置を備え、ウインドパーク全体がその出力部にて電力網に供給する電力の大きさに応じて、そのデータ処理装置を用いて0から100%の間の範囲に設定値が設定され、そして、ウインドパークが接続される電力網の管理者(PSUないしEVU)は、制御入力部を用いて、ウインドパークにより供給される電力を調整できる。
【解決手段】ウインドパークおよび/又は、ウインドパークの風力発電装置の少なくとも1つは、制御入力部を有し、その制御入力部を用いて、ウインドパークまたは一つ以上の風力発電装置の電力が、利用できる個々の電力、特に定格出力の0から100%の範囲内に設定でき、そして、制御入力部に接続されたデータ処理装置を備え、ウインドパーク全体がその出力部にて電力網に供給する電力の大きさに応じて、そのデータ処理装置を用いて0から100%の間の範囲に設定値が設定され、そして、ウインドパークが接続される電力網の管理者(PSUないしEVU)は、制御入力部を用いて、ウインドパークにより供給される電力を調整できる。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
この発明はウインドパークの運転方法およびそのようなウインドパークに関する。
【0002】
本発明は、第1の視点において、複数の風力発電装置を備えたウインドパークの運転方法であり、ウインドパークは、電力網に接続され、ウインドパークにより生じた電力はその出力部を介して電力網に供給され、ウインドパークは、制御入力部を有し、その制御入力部を用いて、ウインドパークから電力網に供給されるべき電力の大きさが、ウインドパークの定格出力の0から100%の範囲内に設定でき、そして、制御入力部に接続されたデータ処理装置を備え、ウインドパーク全体がその出力部にて電力網に供給する電力の大きさに応じて、そのデータ処理装置を用いて前記複数の風力発電装置に対し夫々その定格出力の0から100%の間の範囲に設定値が設定され、そして、ウインドパークが接続される電力網の管理者(PSU)は、制御入力部を用いて、ウインドパークから電力網に供給される電力を前記定格出力の0から100%の範囲内で調整する、その際、前記設定値は、風上の風力発電装置の設定値が風下の風力発電装置の設定値よりも大きくなるよう設定される、ウインドパークの運転方法を提供する(第1基本構成・形態1)。
上記形態1の運転方法においては、更に、前記電力網の周波数が基準値より高いかまたは低いとき、又は、前記電力網の電圧が基準値より高いかまたは低いとき、前記ウインドパークから電力網に供給される電力を低減することができる(形態2)。
上記形態1の運転方法においては、更に、前記電力網に供給される電流と電圧の間の位相角φを、前記電力網の電圧に依存して変更することができる(形態3)。
本発明は、更に、第2の視点において、複数の風力発電装置を備えたウインドパークであり、ウインドパークは、電力網に接続され、ウインドパークにより生じた電力はその出力部を介して電力網に供給され、ウインドパークは、制御入力部を有し、その制御入力部を用いて、ウインドパークから電力網に供給されるべき電力の大きさが、ウインドパークの定格出力の0から100%の範囲内に設定でき、そして、制御入力部に接続されたデータ処理装置を備え、ウインドパーク全体がその出力部にて電力網に供給する電力の大きさに応じて、そのデータ処理装置を用いて前記複数の風力発電装置に対し夫々その定格出力の0から100%の間の範囲に設定値が設定でき、そして、ウインドパークが接続される電力網の管理者(PSU)は、制御入力部を用いて、ウインドパークから電力網に供給される電力を前記定格出力の0から100%の範囲内で調整でき、前記設定値は、風上の風力発電装置の設定値が風下の風力発電装置の設定値よりも大きくなるよう設定される、ウインドパークを提供する(第2基本構成・形態4)。
上記形態4のウインドパークにおいては、更に、前記電力網の周波数が基準値より高いかまたは低いとき、又は、前記電力網の電圧が基準値より高いかまたは低いとき、前記ウインドパークから電力網に供給される電力を低減することができる。
上記形態4のウインドパークにおいては、更に、前記電力網に供給される電流と電圧の間の位相角φを、前記電力網の電圧に依存して変更することができる。
以下は、本発明の好ましい実施の態様である。
【0003】
風力発電装置は、最初は一般的に個別のユニットの形態で建設され、ごく最近では、行政官庁および建築制限による理由から、風力発電装置は、ウインドパーク(風力発電所基地)にしばしば設置される。最小ユニットのウインドパークについては、少なくとも2基の風力発電機が設置され、しばしば、非常に多数の風力発電装置が設置される。Holtriem(East Frisia)でのウインドパークの建設例の例では、50基以上の風力発電装置がアレイ状に設置されている。ユニットの個数および設置された風力発電装置の電力も、数年の内に飛躍的に増大すると期待されている。最も一般的なケースでは、風力発電装置は、短絡パワーが低レベルで、低い人口密度の電力網の地域で多く設置されている。風力発電装置の技術的な接続限界がまもなく到来する。その結果、別の風力発電装置をそのような地域にもはや設置できなくなる。
【0004】
例えば50MW変圧器の変電所に接続される一般的なウインドパークは、それ故、最大50MWの合計電力しか持つことができず、つまり、たとえば各々が定格1MWの風力発電装置なら50基が限界となる。
【0005】
風力発電装置は必ずしも定格モードで動作しておらず、そのため、ウインドパーク全体は必ずしもその最大電力(定格電力)に達していないことを念頭におくと、風力発電装置の定格電力が、供給され得る最大可能合計電力に相当するなら、ウインドパークは必ずしも最適な使用状態となっていない。
【0006】
従ってこの発明は、ウインドパークが最大可能電力網供給電力よりも大きい電力合計出力を有する場合の解決を提案する。上述の例に適用すると、電力を50MW以上の値、例えば53MWに上げることができる。50MWの限界出力を生成するほど風速が十分に大きくなると、この発明によるウインドパーク調整システムが作動し、総計の最大電力出力が超過した時に、この総計最大電力出力が維持されるように、個々のまたはすべての発電装置の出力を抑制制御する。このことは、風速が定格風速(風力発電装置の出力が定格出力に達する速度)を上回る場合、少なくとも一つ、またはすべての風力発電装置が(僅かに)絞られた出力で(例えば1MWの代わりに940kWの出力で)運転されることを意味する。
【0007】
この発明の利点は明白である。給電電力網の電力網コンポーネント(例えば変圧器や送電線)が、全体として、適切に使用ないし負荷されることが可能になる(温度限界までの使用も可能である)。そのため、最大限可能な数の風力発電装置を設置することにより、既存のウインドパークのエリアをより良好に利用することが可能になる。この場合、その個数は既存の電力網の容量によってはもはや(それ程強度には)限定されない。
【0008】
風力発電装置を制御/調整するために、該風力発電装置がデータ入力部を有し、該データ入力部によって/を介してその電気出力が(定格電力に対して)0〜100%の範囲に設定できることが望ましい。例えば350KWの基準値(目標値)がこのデータ入力部に設定されれば、この風力発電装置の最大電力出力は、350KWの基準値を超過しない。0から定格電力までの(例えば0から1MWまでの)いずれかの値が基準値として可能である。
【0009】
前記データ入力部は直接に、電力制限目的のために用いることができる。しかし、(ウインドパーク電力網におけるまたは給電電力網における)電力網電圧に依存して発電機の電力出力をレギュレータによって調整することも可能である。
【0010】
ウインドパークの調節に基づき、別の重要な機能を以下述べる。ウインドパークが、それぞれ600KWの定格出力を有する10基の風力発電装置を備えると仮定する。更に、電力網のコンポーネントの容量(送電網容量)または変電所変圧器内の制限された容量のために、供給可能な最大電力(限界出力)は、5200KWに制限されると仮定する。
【0011】
基準値(データ入力部)によって、今や風力発電装置すべてを520KWの最大電力に制限することができる。これによって、供給可能な電力を制限するための要求は常に満たされる。
【0012】
別の可能性は、すべての発電装置の合計としての最大電力は超過させずに、同時に最大エネルギー量(KW-H(仕事))を生成することである。
【0013】
それに関して、ウインドパーク内での風速が弱〜中程度の場合、有利(良好)な箇所(ウインドパーク内で風が最初に流入する箇所)にある風力発電装置が多くの風量を受けることがしばしば発生することを認識すべきである。ここですべての風力発電装置が同時に絞られた値(たとえばすべてが520KW)に降下されたなら、この生成出力は、良好な箇所に設置されたいくつかの風力発電装置によっては達成されるが、良好に配置された風力発電装置の「風下」にある(2列目及び3列目の)他のいくつかの風力発電装置は、より少ない風を受け、そのため例えば、460KWでしか運転できず、絞られた最大電力の520KWに達しない。ウインドパークの全体の出力は、許可された制限出力電力の5200KWを実質的に下回る。
【0014】
この発明によりウインドパークの電力調節は、上記のケースでは、最大可能エネルギー出力が設定されるように、個々の装置を調節する。このことは、特定の条件では、たとえば、第1列の(つまり良好な場所にある)装置は、より高い電力(たとえば定格電力(従って全く絞られていない))に調整される。そのため、ウインドパーク内の全体の電力は上昇する。パーク調整装置はしかしながら、同時に生成される電力量(KHh)が最大値に達する一方、許可された最大の電気的接続電力を超過しないように、個々の装置を調整する。
【0015】
この発明に基づくウインドパークの管理は、生じるそれぞれの状況に対応できる。その結果、例えば、もし、ウインドパーク内の個々の一つ又は複数の風力発電装置が電力網から切り離される(必要がある)場合、保守の理由であれ他の理由であれ、個々のまたは複数の風力発電装置を一時的に停止させる必要がある場合、個々の風力発電装置の電力に対して異なって絞ることが極めて簡単に行える。
【0016】
ウインドパークまたは個々の風力発電装置を制御/調整するために、データ/制御処理装置(これは、風力発電装置(複数)のデータ入力部(複数)に接続され、個々の風力発電装置で得られた風速データから、個々の風力発電装置またはウインドパーク全体に対する、それぞれの最も有利な電力絞り値を得る)を用いることができる。
【0017】
図1は、多相交流電流を電力網に供給可能にするインバータ装置(PWR)に接続されたマイクロプロセッサ(μP)の手段による、風力発電装置の制御を示すブロック図を示す。このマイクロプロセッサは、電力Pの入力のための入力部、電力ファクタないし力率(cosφ)を入力するための入力部および電力勾配(dp/dt)を入力するための入力部を持つ。
【0018】
整流器、整流中間回路およびインバータを有するインバータ装置は、風力発電装置の発電機に接続され、回転速度が可変(つまり、風力発電装置のロータの回転速度に依存)の発電機により生じたエネルギーを風力発電装置から受け取る。
【0019】
図示した設計は、風力発電装置により供給される電力が、その値の範囲内で電力網の最大可能供給値にいかに制限されるかを示すのに役立つ。
【0020】
図2は、例えば風力発電装置1、2、3(これらは風向き方向から眺めており、2機は並置されており、第3のものは最初の2機の背後に位置する)を備える基本的なウインドパークを示す。個々の風力発電装置は、図1の個々の装置の電力を設定するための電力入力部を有するので、個々の風力発電装置の電力レベルは、データ処理装置の手段により所望の値に設定でき、そのデータ処理装置の手段により、ウインドパーク全体が制御される。風力発電装置に対する有利な箇所は、風が最初に当たる箇所のものであり、図2では、風力発電装置1、2である。
【0021】
また、この発明は、風力発電装置が接続された電力網に電力を供給するために、ロータにより駆動される発電機を備える少なくとも一つの風力発電装置を有するウインドパークの運転方法に関する。この発明はさらに、電気の消費者、特に電力網に電力を供給するために、ロータ、そのロータに結合された発電機を備えた風力発電装置に関する。
【0022】
低電力の(孤立の)電力網の場合、比較的大きな消費者が電力網から切り離されたなら、電力網の周波数が急速(突然に)に上昇する。たとえばディーゼルエンジン、水車などのごとき駆動機構は、それらの電気的および機械的な電力を減じるのにいくらかの時間を要する。その間に、これらの発電機は、電力網から引き出される電力よりも多くのエネルギーを発生する。そのエネルギーは発電機を加速するために消費される。このことは、回転速度、つまり、同時に電力網の周波数が上昇することを意味する。
【0023】
電力網に接続されているので、多くの電気的なデバイス、例えばコンピュータ、電気モータなどは、しかしながら、電力網の周波数の変化およびそれの急速な変化に対して設計されていないので、電気的デバイスに損傷を生じ、破壊に至ることもある。
【0024】
この発明の目的は、風力発電装置(ウインドパーク)が電力網に接続された時に、上述した問題を排除することにある。
【0025】
この発明によれば、前記目的は請求項7で述べた特徴を持つ方法、および請求項10で述べた特徴の風力発電装置により達成される。有利な展開は、従属請求項に対応して述べられている。
【0026】
この発明によれば、風力発電装置が低電力の電力網上で動作しているなら、それらの(機械的および)電気的な電力が、上昇する電力網の周波数に依存して制御されるべきであると提案している。電力網の周波数のさらなる増大を防止すること、または電力網の周波数を低下させることを目的とする。この発明の態様は実施例を用いて更に詳しく述べる。
【0027】
図11は、電力網の周波数fに依存して、出力電力Pを減じるために(ウインドパークの)風力発電装置での要求を示す。この場合、100%の値は、電力網の基準または目標とする周波数(50Hz,60Hz)を示す。100.6%および102%の値は電力網の周波数fのより高い値に対応する。
【0028】
例えば電力網周波数に0.6%の上昇があった時(つまり100.6%)、(ウインドパークの)風力発電装置の電気的なパワーは、まだ低減されない。もしその後、電力網周波数が更に上昇すると、風力発電装置の電気的なパワーが低減される。図示した例では、風力発電装置の電気的なパワーは、電力網周波数が102%まで上昇した時、電力が0に低減される。
【0029】
図13は、前記要求を満たす風力発電装置の実施例を示す。その風力発電装置は、それの機械的なパワーを低減できるように、調整可変のロータブレード(ロータブレードのピッチ調整)を有する。もし、たとえば、風に対するロータブレードの入射角が調節されると、ロータブレードへの力も所望の値に低減できる。ロータブレードを担うロータに結合された発電機(不図示)からの交流電流の整流器2を用いて整流され、そして、コンデンサ3により平滑化される。インバータ4は、つぎに、直流電圧を交流電流に変換し、それは電圧網L1、L2、L3に供給される。出力電流の周波数は電力網によって決定される。マイクロプロセッサを備える調整装置5は、電力網の周波数を計測し、出力周波数が電力網周波数に一致するように、インバータのパワースイッチを制御する。上述したようにもし、電力網周波数が上昇すると、図11に示されるように、電気的パワーが低減される。
【0030】
図14はこの発明による調整装置を示す。風力発電装置の図形的に示されたロータ4は、風速、つまり風力に応じて電気的パワーを出力する発電機Gに結合される。発電機Gで発生された交流電圧は、まず、インバータによって整流され、そして、電力網周波数に一致する周波数の交流電圧に変換される。電力網の給電ポイントでの電力網電圧は、電力網周波数検出器を用いて確かめられる。電力網周波数が所定値を超過するや否や、図11にあるように、電力網周波数の更なる上昇を打ち消すために、電気的パワー出力が低減される。その結果、調整装置の手段によって、電力網周波数は望ましい電力網周波数の値に調節されるか、更なる周波数の上昇が抑止される。
【0031】
風力発電装置により供給される電力をそのようにして調節することにより、電力網周波数の変動を回避でき、あるいはかなりに低減できる。
【0032】
図15は、電力網への風力発電装置の接続を示し、風力発電装置により生成された電気的パワーは電力網の給電ポイントにて与えられる。例えば家の形で図形的に示した多数の消費者は、その電力網に接続されている。
【0033】
図16は、図13と少し異なった制御調整装置の本質的な要素を示す。制御および調整の構成は、発電機で生じた交流電圧を整流する整流器を有する。整流器に接続された周波数変換器は、元々、中間回路によって整流された直流電圧を交流電圧に変換し、ラインL1、L2、L3の3相交流電圧の形態の電力網に供給する。その周波数変換器は、調整装置全体の一部であるマイクロコンピュータを用いて制御される。前記目的のために、マイクロプロセッサは、周波数変換器に接続される。電圧調整のための入力パラメータ(そのパラメータを用いて、風力発電装置2により利用できる電気的パワーが電力網に供給される)は、電力の傾きdP/dtとともに、現在の一般的な電圧網電圧、電力網周波数f、発電機の電気的パワーP、リアクタンスのパワーファクタcos_である。そのマイクロプロセッサは、この発明に基づき、望ましい電力網周波数にて、供給されるべき電圧に関して調整できる。
【0034】
また、この発明は、電力網に電力を供給し、そしてそれに接続された消費者に供給するために、ロータにより駆動できる発電機を有する少なくとも一つの風力発電装置を含むウインドパークの運転方法に関する。
【0035】
また、この発明は、風力発電装置(ウインドパーク)に関し、特にそのような方法を実行するために、ロータ、電力網に電力を供給するためにロータに結合された発電機を備えた風力発電装置(ウインドパーク)に関し、ウインドパークは少なくとも二つの風力発電装置を含む。
【0036】
風力エネルギーから電気エネルギーを生成するための公知の風力発電装置では、発電機は、電気の消費者、しばしば電力網とパラレルの関係で動作する。風力発電装置の運転中、発電機で生じた電気的な有効電力は、現在に起こっている風速に依存して変化する。その結果、電力網の電圧(大きさおよび/又は位相)も、現在起こっている風速に依存して、例えば給電ポイントで変化する。給電される電流についても同様である。
【0037】
電力網、例えば公衆の電力メインに供給される電気的パワーを供給することを含む状況では、電力網電圧に変化が起きる。しかしながら、接続された消費者の信頼できる動作の観点では、そのような変化は、極めて接近した限界内でのみ許可される。
【0038】
特に中間電圧レベルの、給電網での電力網電圧の、基準値からの比較的大きなずれは、例えば、ステップ変圧器(タップ切換式変圧器)のようなスイッチデバイスを動作させることにより、所定の限界値を超過するか下回った時に、該スイッチデバイスが作動されることによって、補償することができる。このようにして、電力網電圧は、所定の許容範囲内において実質的に一定に維持される。
【0039】
この発明の目的は、有効電力の供給に変動があっても、風力発電装置がない状態と比べた場合の電力網の所定のポイントにおける望まれない電圧変動を減じるか、少なくとも大きく増大させないことが可能な、風力発電装置ないしウインドパーク並びに風力発電装置の運転方法を提供することである。
【0040】
この発明(請求項15)は、この明細書の冒頭で述べた種類の方法で、風力発電装置により生成された電気的パワーの位相角φまたは装置が電力網で検出した少なくとも一つの電圧に依存して変化させるようにして、この目的を達成する。
【0041】
この明細書の冒頭で述べた種類の風力発電装置では、上記目的は、この発明に基づく方法を実行できる装置により達成される。
【0042】
この明細書の冒頭で述べた種類の風力発電装置では、上記目的は、ウインドパークの調整可能な部分を各々個別に調整するために、この発明に基づく方法を実行するのに適した個々の装置の少なくとも一つ、および個々の電圧検出装置により達成される。
【0043】
この発明は、供給される電力の位相角を消費者または電力網の電圧に依存して変化させることにより、消費者での印加電圧、特に電力網での電圧での望まれない変動を回避する。このことが、風力発電装置により供給された有効電力の変化により起こる、望ましくない電圧変動、および/または消費者により電圧網から取り出される電力を補償する。
【0044】
特に好ましい特徴として、電力網内の少なくとも1カ所のポイントでの電圧が実質的に一定となるように、位相角が変えられる。このような状況では、要求された調節用のパラメータを得るために、電力網の少なくとも1ポイントでの電圧が検出される。
【0045】
特に前記ポイントは、給電ポイント以外のポイントである。電圧の大きさおよび風力発電装置により与えられた電気的パワーの位相角での適した変化の検出は、迅速な応答および効果的な調整システムを提供できる。
【0046】
特に好ましい実施例では、位相角として設定されるべき値は、予め設定された特性値から与えられる。これらの特性値は、好ましくはテーブルの形態で提供でき、そのテーブルには、予め決定された特性カーブの一群が個別の値の形態で表されており、このテーブルが設定されるべき位相角を推定することを可能にする。
【0047】
この発明の好ましい実施例では、調整システムが直接にまたは間接的に上記特性値を与え、もし電圧変動が所定の限界値を超過するなら、電力網内のスイッチデバイス、例えばステップ変圧器の動作により、電圧が許容範囲内に再度戻される。位相角に適した変化を与えることにより、その後に発生する電圧変動を再度補償できるように、同時に、またはそれに関連して、位相角が所定の時間の間に、一定値、好ましくは平均値、例えば0に設定される。
【0048】
この発明の特に好ましい展開では、電力網の電気的に離れた部位を調整して、各部位の電圧が実質的に一定となるように、適した電圧決定手順および位相角に対する設定操作も前記各部位にて個別に実行できる。
【0049】
この発明による風力発電装置の別の展開は、デジタル調整を実行できるようにマイクロプロセッサを有する調整装置を有利に提供する。
【0050】
この明細書の冒頭で述べたウインドパークの好ましい展開は、この発明に基づく方法を実行するのに適した個々の装置および、ウインドパークの電気的に分離した箇所も個別に調整して、電力網のそれぞれの部位で実質的に一定となるように、ウインドパークのそれぞれ個別に調整できる部分に対する個々の電圧検出装置を備える。
【0051】
この発明は、風力発電装置の運転方法の実施例を添付図を参照して以下述べる。図21に図形的に示した風力発電装置2は、ロータ4を有し、電力網6(例えば公衆またはメインの電力網)に接続される。多数の電気消費者8が電力網に接続される。風力発電装置2の発電機(図21では不図示)は、電気的制御および調節装置10に接続され、この調整装置10は、まず、発電機で生じた交流電流を整流し、次にそれを、電力網の周波数と等しい周波数の交流電流に変換する。その制御および調整装置10は、この発明に基づく調整デバイスを有する。
【0052】
電圧検出デバイス22は、電力網6の任意のポイント22に備えることができ、その電圧検出デバイスは、(位相に加えて)特に電力網の電圧の大きさを測定し、そしてその測定値を適した調整パラメータとして調整装置10に戻す。
【0053】
図22は、この発明に基づく調整装置を示す。図形化したロータ4は、風速に応じた電力を発生する発電機12に結合される。発電機12で生じた交流電圧は、まず、整流され、次に電力網の周波数に一致する周波数の交流電圧に変換する。
【0054】
回路網の電圧は、電力網6の位置22にて電圧検出器(不図示)を用いて測定される。おそらくは図4に示したマイクロプロセッサを用いて、確定された電力網電圧に依存して、最適な位相角φが計算される。電力網電圧Uは次に調整装置を用いて所望の値Usollに調整される。
【0055】
発電機12により電力網6に供給される電力は、位相角の変化により調整される。
【0056】
図23は、電力網の電圧と位相角との間の関係を示す。もし、電圧が、電圧値UminとUmaxの間にある基準値Usollからずれると、該ずれの符号に応じて誘導性または容量性の無効電力が電力網に供給されるように、図中の特性曲線に従って、位相角φが変更され、このようにして、電圧検出ポイント(図21の22)での電圧が安定化される。
【0057】
図24は、図21に示した制御および調整装置10の本質的な構成要素を示す。その制御および調整装置10は、発電機で生じた交流電流が整流される整流器を有する。整流器16に接続された周波数変換器18は、最初に整流された直流電流を交流電流に変換し、ラインL1、L2、L3の3相交流電流の形態で電力網に給電される。
【0058】
周波数変換器18は、調整装置全体の一部であるマイクロプロセッサ20を用いて制御される。その目的のために、マイクロプロセッサ20は、周波数変換器18に結合される。マイクロプロセッサ20に対する入力パラメータは、現在用いている電力網の電圧、発電機の電力P、電力網電圧の基準値Usollおよび電力勾配dP/dtである。供給されるべき電力のこの発明に基づく変更は、マイクロプロセッサ20で実行される。
【0059】
この発明によるウインドパークの中央の調整は、ウインドパークが公衆給電網(ないし公衆電力網)に電気エネルギーを供給するだけでなく、好ましくは公衆電力網のオペレータ(公衆電力網管理者ないし電力供給事業者:EVU)により、同時に電力網をサポートするように制御される。この出願にて、記述がウインドパークに対してなされる限り、この出願は、個々の風力発電装置も記述するようにしており、常に複数の風力発電装置のみを記述していない。その点に関し、ウインドパークを常に形成しているのは正確には多数の風力発電装置である。
【0060】
ウインドパークの中央制御のために、本発明によれば、公衆電力網の管理者は、適した制御ライン(バスシステム)によるウインドパーク/風力発電装置への制御アクセス手段を持つのみならず、ウインドパーク/風力発電装置から、例えば、測定された風力データ、ウインドパークの状態についてのデータ、および、例えばウインドパークの利用できる電力(現在発生している電力(有効電力))についてのデータのごときデータを収集することもできる。
【0061】
また、このような中央制御は、ウインドパークはある状況では、電力網全体から切り離されることを意味する。例えば、もし、公衆電力網の管理者により予め規定された電力網接続規則(条件)をウインドパーク側で遵守できない場合である。
【0062】
もし例えば、電力網の電圧が予め設定された所定値を下回り、例えば電力網電圧の70から90%の値に低下した場合、ウインドパークは、所定の時間(例えば2から6秒の間)、電力網から切り離さなくてはならない。
【0063】
更に、ウインドパークの電力変化(dP)が、風速により予め設定されるのみならず、所定の時間間隔全体において更に変化可能であるよう考慮する必要がある。従って、この電力パラメーターは電力勾配とも呼ばれ、予め設定された時間内において(例えば1分当りに)許される、その都度利用可能な電力の変化の割合(パーセント)を規定する。その結果、例えば、ウインドパークの電力勾配は、1分当り電力網接続容量の最大で5〜15%、好ましくは10%にされることができる。
【0064】
ウインドパークのこのような調整は、パークのすべての風力発電装置のために同時に、あるいは、所定の電力勾配でそれらの電力供給を一様に増大させることにより実行できる。10から20基の範囲の例に対するウインドパークの場合、最初に、1または2基が最初に(それぞれの電力勾配の大きさで)電力網に最大電力で給電し、次いで、ウインドパークの利用できる電力のすべてが電力網に給電されるまで、それぞれの所定の電力勾配に基づき、別の装置が所定の時間内で割り込むことも可能である。
【0065】
この発明に基づくウインドパークの調整の別の態様は、ウインドパークの実際に利用可能な出力の所定のパーセンテージ、例えば10%のレベルで、または、固定値、例えばウインドパーク当り500kWから1MW又はそれ以上のレベルで、予備電力を備えることである。この予備電力は、ウインドパークの電力網接続電力を超過するウインドパークの電力と混同してはならない。予備電力について決定的に重要なことは、電力網接続電力の範囲を超過しない電力の予備(これは有効電力にも無効電力にも関係する)である。この予備電力は、公衆給電網の管理者によって(予め)規定することができる。つまり、電力網接続電力をウインドパークから電力網に給電するのに十分な風が利用可能である場合、電力供給事業者は、(予め)規定されたウインドパークへの制御介入により、この理論的に可能な電力を完全には電力網に供給せず、この電力の一部を予備電力として自由に使用可能な状態に留めることも可能である。この予備電力の特別な態様は、(電力が電力網に給電される別の箇所にて)発電所出力に予期しない不足が生じたときに、電力網は相応の予備電力を呼び出すことにより安定化できることである。
【0066】
従って、ウインドパークに上記の中央制御を備えることで、電力網に供給される電力は、正常な場合において、電力網におけるその都度の電力要求に依存して、ウインドパークにより利用できる電力(最大の利用可能電力)より小さい。
【0067】
この上述した電力制御を実行できるように、電力網管理者は、更に、風速、ウインドパークの風力発電装置状態(いくつの風力発電装置が稼働しているか、いくつの風力発電装置が非動作または故障か)および、好ましくは更に最大可能な有効電力の供給のごとき、既述のデータを必要とする。それに関して、最大可能な有効電力の供給については、風速および風力発電装置状態から決定できない場合にのみ、データの形態で提供される必要があるという制約がある。
【0068】
通常のバスシステム、例えば、標準化されたバスシステムも、ウインドパークの制御のために、および、電力供給事業者に対するデータ供給にも用いることができる。そのような標準化されたバスシステム、例えば、プロフィバスシステム(Profibussystem)に対して既に標準化されたインタフェイスが存在する。そのため、中央のウインドパーク制御も適した制御コマンドを用いて実行できる。
【0069】
上記に加えて、ウインドパークは、予め設定された電力以降、例えば合計出力が50MWを超える場合、大規模発電所として取り扱われ、この場合、大規模発電所に対する条件を満たす必要があるように構成することも可能である。
【0070】
更に、ウインドパークは、電力網の接続値(電力網の接続容量)が超過されないように、調整されるよう構成することも可能である。
【0071】
更に、ウインドパーク内でスイッチオン(Zuschalten)/切断(Einschalten)があった時、不所望の電力網反作用が起きないようにすることが必要である。例えば、ウインドパーク内でスイッチオン/切断があった時、電流が、接続能力に対応する定格電流に対して所定値よりも大きくならないようにする。そのような値は、例えば1.0から1.4の間の範囲である。
【0072】
公衆電力網の周波数が上昇する場合、既述したように、所定の周波数値以降、例えば(定格周波数が50Hzの場合)50.25Hz以降、電力網周波数が再び記述した値に安定化するまで、ウインドパークの供給有効電力が自動的に低減されるよう構成すべきであろう。
【0073】
従って、ウインドパークは、電力網(接続)条件を遵守できるように、常に、電力供給を減じたレベルで作動可能である必要がある。このウインドパーク調整は、また、いかなる動作状況においても、およびいかなる動作ポイントであっても、電力供給(とりわけ有効電力)が所望の値に低減できることを意味する。
【0074】
従って、たとえば、安全なシステム動作に対して危険がある場合、上流に位置する電力網におけるボトルネック(Engpaesse)または過負荷の危険が処理されるべき場合、孤立した電力網の形成の危険性がある場合、静的又は動的な電力網安定性が危険にさらされている場合、周波数上昇が電力網システム全体を危険にさらし得る場合、及び、例えば、電力供給事業者において修理作業又はその他の運転に起因する停止を実行する必要がある場合、供給電力を利用可能な供給電力未満に制限することができる。
【0075】
必要な場合に調整可能な既述の有効電力の供給に加えて、所定の無効電力も利用可能である必要があるが、その場合、無効電力は、電力供給事業者の希望に応じ、誘導性および容量性の範囲内の双方で、つまり、弱め励磁(untererregt)及び強め励磁(uebererregt)されるよう調整することも可能である。これに関連して、それぞれの値は、電力供給事業者により予め決定できる。
【0076】
前記接続時に、無効電力供給に対する基準値を可変に設定でき、その基準値のプリセットは、電力ファクタ(cosφ)または電圧の大きさに対して、電力網の接続ノードにて達成される。固定基準値を予め設定することも可能である。
【0077】
既述したように、電力網内の周波数があるレベルを超過するか、下回ると、電力供給が低減されるか、および/または、ウインドパークが電力網から切り離される。この結果、例えば、電力網が、50Hzの周波数を有する電力網がおよそ48Hzに降下した時、または、51Hzから52Hzになった時、ウインドパークは電力網から切り離される。これについて、目的とした範囲以下の値で、範囲の制限内で、例えば現在利用できる電力の80から95%の範囲内で、現在利用できる電力の一部を電力網にまだ供給できる。
【0078】
たとえば、電力網の電圧が所定値以下に低下したなら、電力網周波数がそれた場合のように、同じことが言える。言い換えれば、電圧が、与えられた電圧内の所定の電力網電圧から降下または超過した時、まず、電力供給が低減され、そして、電力網電圧が与えられた制限値から降下、または超過した時、装置は完全に電力網から切り離されるか、または少なくとも電力網への給電が0にセットされる。
【0079】
更に、電力網の与えられた電圧および/又は周波数に達した時、電力供給の低減を予め実行することなく、ウインドパークの実証済みの(安全が確認された)シャット・ダウン(Abschaltung)を行うことも可能である。
【0080】
電力網周波数/電力網電圧での所定の範囲内に対する所定範囲内の与えられた周波数変移/電圧変移では、電力網からのウインドパークの自動分離は、実行されないということも意味する。
【0081】
最後に、電力網保護目的のために、電圧値が超過した時、シャットダウン時間は、電圧低減保護の場合(1秒以上、好ましくは2から6秒の間のシャットダウン時間)に比べ、著しくより短くなる(例えば50から200ミリセカンドの間の範囲)ことも提供されている。上側周波数又は下側周波数の値が、所定値からの超過または下降した時のシャットダウン時間については、更に許容できる制限値は、電圧が(所定の電圧値を)超過している時のシャットダウン時間にほぼ等しい。
【0082】
最後に、電力網の故障時に、例えば短絡時に、電力網からのウインドパークの自動分離は、常にすぐに起きるのではなく、ウインドパークは、個々の電力網接続に応じて、更に短絡パワー(Kurzschlussleistung)に対する寄与を皮相電力として電力網に供給し、それによってある程度に電力網のサポートを与えることができるように、制御されることもできる。このことは、ウインドパークが、少なくとも短絡期間のある程度の時間の間に、尤も最大でも高々数秒間、最大可能な皮相電流(皮相電力)を供給することを意味し、これは電力網接続能力に対応する電流の1倍または1.5倍に対応する。
【0083】
上述した挙動も、例えば、50KV以上の所定の値を超過するなら、その定格電圧のレベルに依存してなされる。
【0084】
上述のシャットダウン手順は、適した時間で行うことができ、例えば、それを実行するために保護リレー(距離保護リレー)を電力網の接続ノードに設ける。
【0085】
ウインドパークが再度、起動される時、非同期の電圧が敏感に、電力網を乱してそれをシャットダウンさせるので、最後に、ウインドパークの始動時に、電力網内の電圧とウインドパークの電圧とを同期させための手段も備えるべきである。
【0086】
本発明に基づく限り、電力は、ウインドパークにより現在利用できる電力(種々の測定により行われる)の値以下に調整される。
【0087】
例えば、出力は個々の風力発電装置に対して全体的に低減できるので、ウインドパーク全体を所望の低減した出力値にすることができる。それに対する代替として、いくつかの風力発電装置のみがそれらの出力供給値に関して低減され、ウインドパークの合計の供給値を所望の値にすることもできる。
【0088】
最後に、ウインドパークにより利用できる与えられた電力が、中間的な格納器、いわゆるダンプ負荷(抵抗)または他のエネルギー格納手段に格納されるか、あるいは、他の形態のエネルギーに変換されるかして、ウインドパークの供給値が所望の値になるようにしてもよい。
【0089】
電力出力の低減も、一つの風力発電所装置または与えられた風力発電装置が全体的に電力網から切り離され、それにより、ウインドパークの全体電力(特にそれの有効電力)が所望の値に、および/または所望の値以下にセットできる手順によって行える。
【0090】
ウインドパークについてのデータ(風データ、位置データ、電力データなど)またはウインドパークの制御のためのデータ伝送のために、ワイヤレス通信構成を提供することも可能であり、それにより、制御データまたは情報データはワイヤレスで伝送および処理ができる。
【0091】
上述したウインドパークの調整の場合、ウインドパーク内にて、手順が最大エネルギーとして利用できる値を確定する手順をも含み、また、更にどれだけのエネルギーを電力網に供給できるかを確定する手順を含み、それにより、給電事業者側において、ウインドパークの制御に基づき実質的に異なる量を取り込み、必要なら補償される給電補填量の計算を可能にする。
【0092】
既述したように、制御ラインによるアクセスにより、種々の理由(電力網保護、電力制御)のために、給電網を運転する給電事業者が、ウインドパークまたは個々の風力発電装置の出力の制限または規制する可能性を持つことを可能にすることだけでなく、給電網の管理者が、同時に、ウインドパークの現状についてのデータ(例えば最大利用可能電力、風速などについてのデータ)を取得することも可能にする。出力が現在利用できる電力以下に制限された時、ウインドパークまたはウインドパークの風力発電装置が最適な使用状態にセットされていないので、そのため、風力発電装置の管理者側に給電ロスを招く。したがって、ここで、この発明も、規則システムを企てる給電側では、この発明で取り除かれない、それに関する違いを検知する仮想電流計の準備、およびしたがって、ウインドパークまたは風力発電装置の出力に関する制限を提案する。そのような“仮想の電流計”は、一方で風速から利用されるべき電力を確定し、そして、同時に、給電者あるいは誰か他の人が個々の風力発電装置の電力出力あるいは、利用できる電力出力以下にウインドパーク全体を低減する場合、運転を統合することにより、電力網に給電されないエネルギー量を確定(カウント)することを可能にする。この仮想の電流計は、風力発電装置の管理者が“仮想電流”(つまり、電力供給の規制時実施のために電力網に供給されない電流)に対しても報酬を得ることを可能にする。この“仮想電流計”は、風力発電装置の管理者において、ウインドパーク内のそれぞれの風力発電装置内に、給電者側において、または、風力発電装置の製造者において設置できる。
【0093】
この発明が用語、風力発電装置を用いる限りでは、それは用語、ウインドパークと同意語である。この発明が述べている発明の種々の態様の限りでは、それらを包含したもので風力発電装置またはそれらの制御に実施できる。しかしながら、さらに、この出願が常に発明の様々な態様と共に記述しているが、発明の更なる態様がなくても、発明による異なるアプローチが実行され、個別にクレーム化されることをも可能にする。しかしながら、この発明の種々の態様が実行され、個別にクレーム化され、かつ、それの一般的な記述は従って、共に実行され、クレーム化されるものと常に等価ではないことが当業者なら容易に理解できる。
【0094】
以下に、当初請求項1〜25の記載を示す:
[請求項1]
複数の風力発電装置を備えたウインドパークの運転方法であり、ウインドパークは、電力網に接続され、ウインドパークにより生じた電力はその電力網に供給され、ウインドパークおよび/又は、ウインドパークの風力発電装置の少なくとも1つは、制御入力部を有し、その制御入力部を用いて、ウインドパークまたは一つ以上の風力発電装置の電力が、利用できる個々の電力、特に定格出力の0から100%の範囲内に設定でき、そして、制御入力部に接続されたデータ処理装置を備え、ウインドパーク全体がその出力部にて電力網に供給する電力の大きさに応じて、そのデータ処理装置を用いて0から100%の間の範囲に設定値が設定され、そして、ウインドパークが接続される電力網の管理者(PSUないしEVU)は、制御入力部を用いて、ウインドパークにより供給される電力を調整できる、ウインドパークの運転方法。
[請求項2]
ウインドパークが接続されている電力網への供給が可能な/許可される出力より大きい定格出力を有するウインドパーク。
[請求項3]
最大可能電力網供給電力値に達した時に、ウインドパークの少なくとも1又は2以上の又はすべての風力発電装置の出力が抑制される請求項2記載のウインドパーク。
[請求項4]
前記出力の抑制は、すべての風力発電装置に対し同じ大きさであるか又は異なっている請求項2又は3に記載のウインドパーク。
[請求項5]
ウインドパークは一つ以上の風力発電装置を備え、風力発電装置により供給される電力は、その大きさが、供給可能な電力の最大可能値(定格出力)よりも低い最大可能電力網供給値に制限され、及び、前記最大可能(電力網)供給値は、エネルギーが供給される電力網の受電容量(電力容量)により、および/または、風力発電装置によって生成される電力の電力網への供給に介在する電力伝送ユニットまたは変圧器の電力容量により決定される請求項2から4のいずれかに記載のウインドパーク。
[請求項6]
ウインドパーク内で最初に風が当たる風力発電装置は、その出力が、風方向で当該風力発電装置の背後に位置する風力発電装置にくらべて、より少なく制限される請求項2から5のいずれかに記載のウインドパーク。
[請求項7]
電力網に電力を供給するための発電機を有する、少なくとも一つの風力発電装置を備えるウインドパークの運転方法であり、ウインドパークにより電力網に供給される電力は、電力網の周波数に依存して調整ないし設定される方法。
[請求項8]
電力網の周波数が所定値を上回ったとき又は下回ったとき、ウインドパークによって生成され電力網に供給される電力は低減される請求項7に記載の方法。
[請求項9]
風力発電装置の供給電力は、電力網の周波数がそれの基準値より凡そ0.3%好ましくは0.6%上回ったときまたは下回ったとき、低減される請求項8記載の方法。
[請求項10]
請求項1、7から9のいずれかに基づく方法を実行するための、少なくとも1つの風力発電装置を備えるウインドパークであり、前記風力発電装置は、ロータと、電力網に電力を供給するために前記ロータに結合した発電機を備え、電力網に印加された電圧(電流)の周波数を測定するための周波数検出器を有する調整装置を備え、及び、ウインドパークにより電流網に供給される電力は、周波数検出器により測定された電力網の周波数に依存して調整可能、または、外部(PSUないしEVU)から調整可能である、ウインドパーク。
[請求項11]
前記調整装置はマイクロプロセッサを有する請求項4記載のウインドパーク。
[請求項12]
前記風力発電装置(ウインドパーク)はマイクロプロセッサに結合したインバータを有する請求項11記載のウインドパーク。
[請求項13]
風力発電装置の機械的パワーは、(ピッチ)調節可能なロータブレードが風の作用を受けることにより生成(低減)される請求項10〜12のいずれかに記載のウインドパーク。
[請求項14]
電力網の周波数が、その基準値に対する所定値、好ましくは基準値の2%を上回ったときまたは下回ったとき、風力発電装置は電力を供給しない請求項10〜13のいずれかに記載のウインドパーク。
[請求項15]
電力を電力網に供給するために、風力発電装置のロータにより駆動される発電機を備える風力発電装置を有するウインドパークの運転方法であり、
電力網に供給される電力の電圧および/又は電流を制御する制御装置を備え、電力網の少なくとも一箇所での電圧を測定するための手段を備え、その測定値は、制御装置に供給され、その制御装置は、測定値に基づき位相角の変更を行い、前記位相角φは、供給される電流と供給される電圧との間の位相差を決定する運転方法。
[請求項16]
前記位相角φは、電力網の少なくとも一つの所定ポイントで電圧が実質的に変化しないように変更される請求項15記載の方法。
[請求項17]
前記電圧は、電力網内の少なくとも一つの所定ポイント(22、27)で検出される請求項15又は16に記載の方法。
[請求項18]
前記電圧は、給電ポイントとは異なるポイント(22、27)で検出される請求項15〜17のいずれかに記載の方法。
[請求項19]
前記位相角φとして設定されるべき値は、所定の特性値から導出される請求項15〜18のいずれかに記載の方法。
[請求項20]
前記調整は、電力網内のスイッチング装置を直接的または間接的に作動可能である請求項15〜19のいずれかに記載の方法。
[請求項21]
電力網の複数の部分(6、7)に対し、相応の電圧検出及び位相角φによる調整が別々に実行される請求項15〜20のいずれかに記載の方法。
[請求項22]
請求項15〜21に基づく方法を実行する装置(10)を有する風力発電装置。
[請求項23]
少なくとも二つの風力発電装置を有するウインドパークであって、先行請求項の何れかに基づく方法を実行するための装置(10)および、ウインドパークの個別に調整可能な各部分のために夫々1つ設けられた電圧検出装置(22、27)を備えるウインドパーク。
[請求項24]
電力網の電圧が定格電圧より小さい所定の値、例えば電力網の電圧値の70から90%の間の値に降下した場合、ウインドパークは、所定の極めて短い時間、例えば2から6秒の間、電力網から切り離される先行請求項の何れかに記載のウインドパーク。
[請求項25]
ウインドパークの電力の増大または低下が、1分あたり、ウインドパークの電力網接続容量の凡そ5から15%の間の値に、好ましくは10%の値に制限される先行請求項の何れかに記載のウインドパーク。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】風力発電装置のブロック回路図。
【図2】ウインドパークの原理を示す。
【図3】(原文に記載なし)
【図4】(原文に記載なし)
【図5】(原文に記載なし)
【図6】(原文に記載なし)
【図7】(原文に記載なし)
【図8】(原文に記載なし)
【図9】(原文に記載なし)
【図10】(原文に記載なし)
【図11】風力発電装置の周波数/電力の時間グラフを示す。
【図12】風力発電装置の側面図を示す。
【図13】風力発電装置のインバータ(これはマイクロプロセッサで制御される)のブ ロック回路図を示す。
【図14】風力発電装置の調整装置の図である。
【図15】電力網への風力発電装置の接続を示す。
【図16】図13に関連した別のブロック回路図を示す。
【図17】(原文に記載なし)
【図18】(原文に記載なし)
【図19】(原文に記載なし)
【図20】(原文に記載なし)
【図21】電力網に給電する風力発電装置の単純化した図である。
【図22】風力発電装置の運転のための、この発明に基づく調整装置を示す。
【図23】電力網の電圧と位相角の関係を示す図である。
【図24】図22で示した調整装置の本質的な要素を示す図である。
【符号の説明】
【0096】
1 風力発電装置
4 ロータ
6 電力網
10 調整装置
12 発電機
18 周波数変換器
20 マイクロプロセッサ
22 電圧検出装置
23 スイッチングデバイス
【発明の詳細な説明】
【0001】
この発明はウインドパークの運転方法およびそのようなウインドパークに関する。
【0002】
本発明は、第1の視点において、複数の風力発電装置を備えたウインドパークの運転方法であり、ウインドパークは、電力網に接続され、ウインドパークにより生じた電力はその出力部を介して電力網に供給され、ウインドパークは、制御入力部を有し、その制御入力部を用いて、ウインドパークから電力網に供給されるべき電力の大きさが、ウインドパークの定格出力の0から100%の範囲内に設定でき、そして、制御入力部に接続されたデータ処理装置を備え、ウインドパーク全体がその出力部にて電力網に供給する電力の大きさに応じて、そのデータ処理装置を用いて前記複数の風力発電装置に対し夫々その定格出力の0から100%の間の範囲に設定値が設定され、そして、ウインドパークが接続される電力網の管理者(PSU)は、制御入力部を用いて、ウインドパークから電力網に供給される電力を前記定格出力の0から100%の範囲内で調整する、その際、前記設定値は、風上の風力発電装置の設定値が風下の風力発電装置の設定値よりも大きくなるよう設定される、ウインドパークの運転方法を提供する(第1基本構成・形態1)。
上記形態1の運転方法においては、更に、前記電力網の周波数が基準値より高いかまたは低いとき、又は、前記電力網の電圧が基準値より高いかまたは低いとき、前記ウインドパークから電力網に供給される電力を低減することができる(形態2)。
上記形態1の運転方法においては、更に、前記電力網に供給される電流と電圧の間の位相角φを、前記電力網の電圧に依存して変更することができる(形態3)。
本発明は、更に、第2の視点において、複数の風力発電装置を備えたウインドパークであり、ウインドパークは、電力網に接続され、ウインドパークにより生じた電力はその出力部を介して電力網に供給され、ウインドパークは、制御入力部を有し、その制御入力部を用いて、ウインドパークから電力網に供給されるべき電力の大きさが、ウインドパークの定格出力の0から100%の範囲内に設定でき、そして、制御入力部に接続されたデータ処理装置を備え、ウインドパーク全体がその出力部にて電力網に供給する電力の大きさに応じて、そのデータ処理装置を用いて前記複数の風力発電装置に対し夫々その定格出力の0から100%の間の範囲に設定値が設定でき、そして、ウインドパークが接続される電力網の管理者(PSU)は、制御入力部を用いて、ウインドパークから電力網に供給される電力を前記定格出力の0から100%の範囲内で調整でき、前記設定値は、風上の風力発電装置の設定値が風下の風力発電装置の設定値よりも大きくなるよう設定される、ウインドパークを提供する(第2基本構成・形態4)。
上記形態4のウインドパークにおいては、更に、前記電力網の周波数が基準値より高いかまたは低いとき、又は、前記電力網の電圧が基準値より高いかまたは低いとき、前記ウインドパークから電力網に供給される電力を低減することができる。
上記形態4のウインドパークにおいては、更に、前記電力網に供給される電流と電圧の間の位相角φを、前記電力網の電圧に依存して変更することができる。
以下は、本発明の好ましい実施の態様である。
【0003】
風力発電装置は、最初は一般的に個別のユニットの形態で建設され、ごく最近では、行政官庁および建築制限による理由から、風力発電装置は、ウインドパーク(風力発電所基地)にしばしば設置される。最小ユニットのウインドパークについては、少なくとも2基の風力発電機が設置され、しばしば、非常に多数の風力発電装置が設置される。Holtriem(East Frisia)でのウインドパークの建設例の例では、50基以上の風力発電装置がアレイ状に設置されている。ユニットの個数および設置された風力発電装置の電力も、数年の内に飛躍的に増大すると期待されている。最も一般的なケースでは、風力発電装置は、短絡パワーが低レベルで、低い人口密度の電力網の地域で多く設置されている。風力発電装置の技術的な接続限界がまもなく到来する。その結果、別の風力発電装置をそのような地域にもはや設置できなくなる。
【0004】
例えば50MW変圧器の変電所に接続される一般的なウインドパークは、それ故、最大50MWの合計電力しか持つことができず、つまり、たとえば各々が定格1MWの風力発電装置なら50基が限界となる。
【0005】
風力発電装置は必ずしも定格モードで動作しておらず、そのため、ウインドパーク全体は必ずしもその最大電力(定格電力)に達していないことを念頭におくと、風力発電装置の定格電力が、供給され得る最大可能合計電力に相当するなら、ウインドパークは必ずしも最適な使用状態となっていない。
【0006】
従ってこの発明は、ウインドパークが最大可能電力網供給電力よりも大きい電力合計出力を有する場合の解決を提案する。上述の例に適用すると、電力を50MW以上の値、例えば53MWに上げることができる。50MWの限界出力を生成するほど風速が十分に大きくなると、この発明によるウインドパーク調整システムが作動し、総計の最大電力出力が超過した時に、この総計最大電力出力が維持されるように、個々のまたはすべての発電装置の出力を抑制制御する。このことは、風速が定格風速(風力発電装置の出力が定格出力に達する速度)を上回る場合、少なくとも一つ、またはすべての風力発電装置が(僅かに)絞られた出力で(例えば1MWの代わりに940kWの出力で)運転されることを意味する。
【0007】
この発明の利点は明白である。給電電力網の電力網コンポーネント(例えば変圧器や送電線)が、全体として、適切に使用ないし負荷されることが可能になる(温度限界までの使用も可能である)。そのため、最大限可能な数の風力発電装置を設置することにより、既存のウインドパークのエリアをより良好に利用することが可能になる。この場合、その個数は既存の電力網の容量によってはもはや(それ程強度には)限定されない。
【0008】
風力発電装置を制御/調整するために、該風力発電装置がデータ入力部を有し、該データ入力部によって/を介してその電気出力が(定格電力に対して)0〜100%の範囲に設定できることが望ましい。例えば350KWの基準値(目標値)がこのデータ入力部に設定されれば、この風力発電装置の最大電力出力は、350KWの基準値を超過しない。0から定格電力までの(例えば0から1MWまでの)いずれかの値が基準値として可能である。
【0009】
前記データ入力部は直接に、電力制限目的のために用いることができる。しかし、(ウインドパーク電力網におけるまたは給電電力網における)電力網電圧に依存して発電機の電力出力をレギュレータによって調整することも可能である。
【0010】
ウインドパークの調節に基づき、別の重要な機能を以下述べる。ウインドパークが、それぞれ600KWの定格出力を有する10基の風力発電装置を備えると仮定する。更に、電力網のコンポーネントの容量(送電網容量)または変電所変圧器内の制限された容量のために、供給可能な最大電力(限界出力)は、5200KWに制限されると仮定する。
【0011】
基準値(データ入力部)によって、今や風力発電装置すべてを520KWの最大電力に制限することができる。これによって、供給可能な電力を制限するための要求は常に満たされる。
【0012】
別の可能性は、すべての発電装置の合計としての最大電力は超過させずに、同時に最大エネルギー量(KW-H(仕事))を生成することである。
【0013】
それに関して、ウインドパーク内での風速が弱〜中程度の場合、有利(良好)な箇所(ウインドパーク内で風が最初に流入する箇所)にある風力発電装置が多くの風量を受けることがしばしば発生することを認識すべきである。ここですべての風力発電装置が同時に絞られた値(たとえばすべてが520KW)に降下されたなら、この生成出力は、良好な箇所に設置されたいくつかの風力発電装置によっては達成されるが、良好に配置された風力発電装置の「風下」にある(2列目及び3列目の)他のいくつかの風力発電装置は、より少ない風を受け、そのため例えば、460KWでしか運転できず、絞られた最大電力の520KWに達しない。ウインドパークの全体の出力は、許可された制限出力電力の5200KWを実質的に下回る。
【0014】
この発明によりウインドパークの電力調節は、上記のケースでは、最大可能エネルギー出力が設定されるように、個々の装置を調節する。このことは、特定の条件では、たとえば、第1列の(つまり良好な場所にある)装置は、より高い電力(たとえば定格電力(従って全く絞られていない))に調整される。そのため、ウインドパーク内の全体の電力は上昇する。パーク調整装置はしかしながら、同時に生成される電力量(KHh)が最大値に達する一方、許可された最大の電気的接続電力を超過しないように、個々の装置を調整する。
【0015】
この発明に基づくウインドパークの管理は、生じるそれぞれの状況に対応できる。その結果、例えば、もし、ウインドパーク内の個々の一つ又は複数の風力発電装置が電力網から切り離される(必要がある)場合、保守の理由であれ他の理由であれ、個々のまたは複数の風力発電装置を一時的に停止させる必要がある場合、個々の風力発電装置の電力に対して異なって絞ることが極めて簡単に行える。
【0016】
ウインドパークまたは個々の風力発電装置を制御/調整するために、データ/制御処理装置(これは、風力発電装置(複数)のデータ入力部(複数)に接続され、個々の風力発電装置で得られた風速データから、個々の風力発電装置またはウインドパーク全体に対する、それぞれの最も有利な電力絞り値を得る)を用いることができる。
【0017】
図1は、多相交流電流を電力網に供給可能にするインバータ装置(PWR)に接続されたマイクロプロセッサ(μP)の手段による、風力発電装置の制御を示すブロック図を示す。このマイクロプロセッサは、電力Pの入力のための入力部、電力ファクタないし力率(cosφ)を入力するための入力部および電力勾配(dp/dt)を入力するための入力部を持つ。
【0018】
整流器、整流中間回路およびインバータを有するインバータ装置は、風力発電装置の発電機に接続され、回転速度が可変(つまり、風力発電装置のロータの回転速度に依存)の発電機により生じたエネルギーを風力発電装置から受け取る。
【0019】
図示した設計は、風力発電装置により供給される電力が、その値の範囲内で電力網の最大可能供給値にいかに制限されるかを示すのに役立つ。
【0020】
図2は、例えば風力発電装置1、2、3(これらは風向き方向から眺めており、2機は並置されており、第3のものは最初の2機の背後に位置する)を備える基本的なウインドパークを示す。個々の風力発電装置は、図1の個々の装置の電力を設定するための電力入力部を有するので、個々の風力発電装置の電力レベルは、データ処理装置の手段により所望の値に設定でき、そのデータ処理装置の手段により、ウインドパーク全体が制御される。風力発電装置に対する有利な箇所は、風が最初に当たる箇所のものであり、図2では、風力発電装置1、2である。
【0021】
また、この発明は、風力発電装置が接続された電力網に電力を供給するために、ロータにより駆動される発電機を備える少なくとも一つの風力発電装置を有するウインドパークの運転方法に関する。この発明はさらに、電気の消費者、特に電力網に電力を供給するために、ロータ、そのロータに結合された発電機を備えた風力発電装置に関する。
【0022】
低電力の(孤立の)電力網の場合、比較的大きな消費者が電力網から切り離されたなら、電力網の周波数が急速(突然に)に上昇する。たとえばディーゼルエンジン、水車などのごとき駆動機構は、それらの電気的および機械的な電力を減じるのにいくらかの時間を要する。その間に、これらの発電機は、電力網から引き出される電力よりも多くのエネルギーを発生する。そのエネルギーは発電機を加速するために消費される。このことは、回転速度、つまり、同時に電力網の周波数が上昇することを意味する。
【0023】
電力網に接続されているので、多くの電気的なデバイス、例えばコンピュータ、電気モータなどは、しかしながら、電力網の周波数の変化およびそれの急速な変化に対して設計されていないので、電気的デバイスに損傷を生じ、破壊に至ることもある。
【0024】
この発明の目的は、風力発電装置(ウインドパーク)が電力網に接続された時に、上述した問題を排除することにある。
【0025】
この発明によれば、前記目的は請求項7で述べた特徴を持つ方法、および請求項10で述べた特徴の風力発電装置により達成される。有利な展開は、従属請求項に対応して述べられている。
【0026】
この発明によれば、風力発電装置が低電力の電力網上で動作しているなら、それらの(機械的および)電気的な電力が、上昇する電力網の周波数に依存して制御されるべきであると提案している。電力網の周波数のさらなる増大を防止すること、または電力網の周波数を低下させることを目的とする。この発明の態様は実施例を用いて更に詳しく述べる。
【0027】
図11は、電力網の周波数fに依存して、出力電力Pを減じるために(ウインドパークの)風力発電装置での要求を示す。この場合、100%の値は、電力網の基準または目標とする周波数(50Hz,60Hz)を示す。100.6%および102%の値は電力網の周波数fのより高い値に対応する。
【0028】
例えば電力網周波数に0.6%の上昇があった時(つまり100.6%)、(ウインドパークの)風力発電装置の電気的なパワーは、まだ低減されない。もしその後、電力網周波数が更に上昇すると、風力発電装置の電気的なパワーが低減される。図示した例では、風力発電装置の電気的なパワーは、電力網周波数が102%まで上昇した時、電力が0に低減される。
【0029】
図13は、前記要求を満たす風力発電装置の実施例を示す。その風力発電装置は、それの機械的なパワーを低減できるように、調整可変のロータブレード(ロータブレードのピッチ調整)を有する。もし、たとえば、風に対するロータブレードの入射角が調節されると、ロータブレードへの力も所望の値に低減できる。ロータブレードを担うロータに結合された発電機(不図示)からの交流電流の整流器2を用いて整流され、そして、コンデンサ3により平滑化される。インバータ4は、つぎに、直流電圧を交流電流に変換し、それは電圧網L1、L2、L3に供給される。出力電流の周波数は電力網によって決定される。マイクロプロセッサを備える調整装置5は、電力網の周波数を計測し、出力周波数が電力網周波数に一致するように、インバータのパワースイッチを制御する。上述したようにもし、電力網周波数が上昇すると、図11に示されるように、電気的パワーが低減される。
【0030】
図14はこの発明による調整装置を示す。風力発電装置の図形的に示されたロータ4は、風速、つまり風力に応じて電気的パワーを出力する発電機Gに結合される。発電機Gで発生された交流電圧は、まず、インバータによって整流され、そして、電力網周波数に一致する周波数の交流電圧に変換される。電力網の給電ポイントでの電力網電圧は、電力網周波数検出器を用いて確かめられる。電力網周波数が所定値を超過するや否や、図11にあるように、電力網周波数の更なる上昇を打ち消すために、電気的パワー出力が低減される。その結果、調整装置の手段によって、電力網周波数は望ましい電力網周波数の値に調節されるか、更なる周波数の上昇が抑止される。
【0031】
風力発電装置により供給される電力をそのようにして調節することにより、電力網周波数の変動を回避でき、あるいはかなりに低減できる。
【0032】
図15は、電力網への風力発電装置の接続を示し、風力発電装置により生成された電気的パワーは電力網の給電ポイントにて与えられる。例えば家の形で図形的に示した多数の消費者は、その電力網に接続されている。
【0033】
図16は、図13と少し異なった制御調整装置の本質的な要素を示す。制御および調整の構成は、発電機で生じた交流電圧を整流する整流器を有する。整流器に接続された周波数変換器は、元々、中間回路によって整流された直流電圧を交流電圧に変換し、ラインL1、L2、L3の3相交流電圧の形態の電力網に供給する。その周波数変換器は、調整装置全体の一部であるマイクロコンピュータを用いて制御される。前記目的のために、マイクロプロセッサは、周波数変換器に接続される。電圧調整のための入力パラメータ(そのパラメータを用いて、風力発電装置2により利用できる電気的パワーが電力網に供給される)は、電力の傾きdP/dtとともに、現在の一般的な電圧網電圧、電力網周波数f、発電機の電気的パワーP、リアクタンスのパワーファクタcos_である。そのマイクロプロセッサは、この発明に基づき、望ましい電力網周波数にて、供給されるべき電圧に関して調整できる。
【0034】
また、この発明は、電力網に電力を供給し、そしてそれに接続された消費者に供給するために、ロータにより駆動できる発電機を有する少なくとも一つの風力発電装置を含むウインドパークの運転方法に関する。
【0035】
また、この発明は、風力発電装置(ウインドパーク)に関し、特にそのような方法を実行するために、ロータ、電力網に電力を供給するためにロータに結合された発電機を備えた風力発電装置(ウインドパーク)に関し、ウインドパークは少なくとも二つの風力発電装置を含む。
【0036】
風力エネルギーから電気エネルギーを生成するための公知の風力発電装置では、発電機は、電気の消費者、しばしば電力網とパラレルの関係で動作する。風力発電装置の運転中、発電機で生じた電気的な有効電力は、現在に起こっている風速に依存して変化する。その結果、電力網の電圧(大きさおよび/又は位相)も、現在起こっている風速に依存して、例えば給電ポイントで変化する。給電される電流についても同様である。
【0037】
電力網、例えば公衆の電力メインに供給される電気的パワーを供給することを含む状況では、電力網電圧に変化が起きる。しかしながら、接続された消費者の信頼できる動作の観点では、そのような変化は、極めて接近した限界内でのみ許可される。
【0038】
特に中間電圧レベルの、給電網での電力網電圧の、基準値からの比較的大きなずれは、例えば、ステップ変圧器(タップ切換式変圧器)のようなスイッチデバイスを動作させることにより、所定の限界値を超過するか下回った時に、該スイッチデバイスが作動されることによって、補償することができる。このようにして、電力網電圧は、所定の許容範囲内において実質的に一定に維持される。
【0039】
この発明の目的は、有効電力の供給に変動があっても、風力発電装置がない状態と比べた場合の電力網の所定のポイントにおける望まれない電圧変動を減じるか、少なくとも大きく増大させないことが可能な、風力発電装置ないしウインドパーク並びに風力発電装置の運転方法を提供することである。
【0040】
この発明(請求項15)は、この明細書の冒頭で述べた種類の方法で、風力発電装置により生成された電気的パワーの位相角φまたは装置が電力網で検出した少なくとも一つの電圧に依存して変化させるようにして、この目的を達成する。
【0041】
この明細書の冒頭で述べた種類の風力発電装置では、上記目的は、この発明に基づく方法を実行できる装置により達成される。
【0042】
この明細書の冒頭で述べた種類の風力発電装置では、上記目的は、ウインドパークの調整可能な部分を各々個別に調整するために、この発明に基づく方法を実行するのに適した個々の装置の少なくとも一つ、および個々の電圧検出装置により達成される。
【0043】
この発明は、供給される電力の位相角を消費者または電力網の電圧に依存して変化させることにより、消費者での印加電圧、特に電力網での電圧での望まれない変動を回避する。このことが、風力発電装置により供給された有効電力の変化により起こる、望ましくない電圧変動、および/または消費者により電圧網から取り出される電力を補償する。
【0044】
特に好ましい特徴として、電力網内の少なくとも1カ所のポイントでの電圧が実質的に一定となるように、位相角が変えられる。このような状況では、要求された調節用のパラメータを得るために、電力網の少なくとも1ポイントでの電圧が検出される。
【0045】
特に前記ポイントは、給電ポイント以外のポイントである。電圧の大きさおよび風力発電装置により与えられた電気的パワーの位相角での適した変化の検出は、迅速な応答および効果的な調整システムを提供できる。
【0046】
特に好ましい実施例では、位相角として設定されるべき値は、予め設定された特性値から与えられる。これらの特性値は、好ましくはテーブルの形態で提供でき、そのテーブルには、予め決定された特性カーブの一群が個別の値の形態で表されており、このテーブルが設定されるべき位相角を推定することを可能にする。
【0047】
この発明の好ましい実施例では、調整システムが直接にまたは間接的に上記特性値を与え、もし電圧変動が所定の限界値を超過するなら、電力網内のスイッチデバイス、例えばステップ変圧器の動作により、電圧が許容範囲内に再度戻される。位相角に適した変化を与えることにより、その後に発生する電圧変動を再度補償できるように、同時に、またはそれに関連して、位相角が所定の時間の間に、一定値、好ましくは平均値、例えば0に設定される。
【0048】
この発明の特に好ましい展開では、電力網の電気的に離れた部位を調整して、各部位の電圧が実質的に一定となるように、適した電圧決定手順および位相角に対する設定操作も前記各部位にて個別に実行できる。
【0049】
この発明による風力発電装置の別の展開は、デジタル調整を実行できるようにマイクロプロセッサを有する調整装置を有利に提供する。
【0050】
この明細書の冒頭で述べたウインドパークの好ましい展開は、この発明に基づく方法を実行するのに適した個々の装置および、ウインドパークの電気的に分離した箇所も個別に調整して、電力網のそれぞれの部位で実質的に一定となるように、ウインドパークのそれぞれ個別に調整できる部分に対する個々の電圧検出装置を備える。
【0051】
この発明は、風力発電装置の運転方法の実施例を添付図を参照して以下述べる。図21に図形的に示した風力発電装置2は、ロータ4を有し、電力網6(例えば公衆またはメインの電力網)に接続される。多数の電気消費者8が電力網に接続される。風力発電装置2の発電機(図21では不図示)は、電気的制御および調節装置10に接続され、この調整装置10は、まず、発電機で生じた交流電流を整流し、次にそれを、電力網の周波数と等しい周波数の交流電流に変換する。その制御および調整装置10は、この発明に基づく調整デバイスを有する。
【0052】
電圧検出デバイス22は、電力網6の任意のポイント22に備えることができ、その電圧検出デバイスは、(位相に加えて)特に電力網の電圧の大きさを測定し、そしてその測定値を適した調整パラメータとして調整装置10に戻す。
【0053】
図22は、この発明に基づく調整装置を示す。図形化したロータ4は、風速に応じた電力を発生する発電機12に結合される。発電機12で生じた交流電圧は、まず、整流され、次に電力網の周波数に一致する周波数の交流電圧に変換する。
【0054】
回路網の電圧は、電力網6の位置22にて電圧検出器(不図示)を用いて測定される。おそらくは図4に示したマイクロプロセッサを用いて、確定された電力網電圧に依存して、最適な位相角φが計算される。電力網電圧Uは次に調整装置を用いて所望の値Usollに調整される。
【0055】
発電機12により電力網6に供給される電力は、位相角の変化により調整される。
【0056】
図23は、電力網の電圧と位相角との間の関係を示す。もし、電圧が、電圧値UminとUmaxの間にある基準値Usollからずれると、該ずれの符号に応じて誘導性または容量性の無効電力が電力網に供給されるように、図中の特性曲線に従って、位相角φが変更され、このようにして、電圧検出ポイント(図21の22)での電圧が安定化される。
【0057】
図24は、図21に示した制御および調整装置10の本質的な構成要素を示す。その制御および調整装置10は、発電機で生じた交流電流が整流される整流器を有する。整流器16に接続された周波数変換器18は、最初に整流された直流電流を交流電流に変換し、ラインL1、L2、L3の3相交流電流の形態で電力網に給電される。
【0058】
周波数変換器18は、調整装置全体の一部であるマイクロプロセッサ20を用いて制御される。その目的のために、マイクロプロセッサ20は、周波数変換器18に結合される。マイクロプロセッサ20に対する入力パラメータは、現在用いている電力網の電圧、発電機の電力P、電力網電圧の基準値Usollおよび電力勾配dP/dtである。供給されるべき電力のこの発明に基づく変更は、マイクロプロセッサ20で実行される。
【0059】
この発明によるウインドパークの中央の調整は、ウインドパークが公衆給電網(ないし公衆電力網)に電気エネルギーを供給するだけでなく、好ましくは公衆電力網のオペレータ(公衆電力網管理者ないし電力供給事業者:EVU)により、同時に電力網をサポートするように制御される。この出願にて、記述がウインドパークに対してなされる限り、この出願は、個々の風力発電装置も記述するようにしており、常に複数の風力発電装置のみを記述していない。その点に関し、ウインドパークを常に形成しているのは正確には多数の風力発電装置である。
【0060】
ウインドパークの中央制御のために、本発明によれば、公衆電力網の管理者は、適した制御ライン(バスシステム)によるウインドパーク/風力発電装置への制御アクセス手段を持つのみならず、ウインドパーク/風力発電装置から、例えば、測定された風力データ、ウインドパークの状態についてのデータ、および、例えばウインドパークの利用できる電力(現在発生している電力(有効電力))についてのデータのごときデータを収集することもできる。
【0061】
また、このような中央制御は、ウインドパークはある状況では、電力網全体から切り離されることを意味する。例えば、もし、公衆電力網の管理者により予め規定された電力網接続規則(条件)をウインドパーク側で遵守できない場合である。
【0062】
もし例えば、電力網の電圧が予め設定された所定値を下回り、例えば電力網電圧の70から90%の値に低下した場合、ウインドパークは、所定の時間(例えば2から6秒の間)、電力網から切り離さなくてはならない。
【0063】
更に、ウインドパークの電力変化(dP)が、風速により予め設定されるのみならず、所定の時間間隔全体において更に変化可能であるよう考慮する必要がある。従って、この電力パラメーターは電力勾配とも呼ばれ、予め設定された時間内において(例えば1分当りに)許される、その都度利用可能な電力の変化の割合(パーセント)を規定する。その結果、例えば、ウインドパークの電力勾配は、1分当り電力網接続容量の最大で5〜15%、好ましくは10%にされることができる。
【0064】
ウインドパークのこのような調整は、パークのすべての風力発電装置のために同時に、あるいは、所定の電力勾配でそれらの電力供給を一様に増大させることにより実行できる。10から20基の範囲の例に対するウインドパークの場合、最初に、1または2基が最初に(それぞれの電力勾配の大きさで)電力網に最大電力で給電し、次いで、ウインドパークの利用できる電力のすべてが電力網に給電されるまで、それぞれの所定の電力勾配に基づき、別の装置が所定の時間内で割り込むことも可能である。
【0065】
この発明に基づくウインドパークの調整の別の態様は、ウインドパークの実際に利用可能な出力の所定のパーセンテージ、例えば10%のレベルで、または、固定値、例えばウインドパーク当り500kWから1MW又はそれ以上のレベルで、予備電力を備えることである。この予備電力は、ウインドパークの電力網接続電力を超過するウインドパークの電力と混同してはならない。予備電力について決定的に重要なことは、電力網接続電力の範囲を超過しない電力の予備(これは有効電力にも無効電力にも関係する)である。この予備電力は、公衆給電網の管理者によって(予め)規定することができる。つまり、電力網接続電力をウインドパークから電力網に給電するのに十分な風が利用可能である場合、電力供給事業者は、(予め)規定されたウインドパークへの制御介入により、この理論的に可能な電力を完全には電力網に供給せず、この電力の一部を予備電力として自由に使用可能な状態に留めることも可能である。この予備電力の特別な態様は、(電力が電力網に給電される別の箇所にて)発電所出力に予期しない不足が生じたときに、電力網は相応の予備電力を呼び出すことにより安定化できることである。
【0066】
従って、ウインドパークに上記の中央制御を備えることで、電力網に供給される電力は、正常な場合において、電力網におけるその都度の電力要求に依存して、ウインドパークにより利用できる電力(最大の利用可能電力)より小さい。
【0067】
この上述した電力制御を実行できるように、電力網管理者は、更に、風速、ウインドパークの風力発電装置状態(いくつの風力発電装置が稼働しているか、いくつの風力発電装置が非動作または故障か)および、好ましくは更に最大可能な有効電力の供給のごとき、既述のデータを必要とする。それに関して、最大可能な有効電力の供給については、風速および風力発電装置状態から決定できない場合にのみ、データの形態で提供される必要があるという制約がある。
【0068】
通常のバスシステム、例えば、標準化されたバスシステムも、ウインドパークの制御のために、および、電力供給事業者に対するデータ供給にも用いることができる。そのような標準化されたバスシステム、例えば、プロフィバスシステム(Profibussystem)に対して既に標準化されたインタフェイスが存在する。そのため、中央のウインドパーク制御も適した制御コマンドを用いて実行できる。
【0069】
上記に加えて、ウインドパークは、予め設定された電力以降、例えば合計出力が50MWを超える場合、大規模発電所として取り扱われ、この場合、大規模発電所に対する条件を満たす必要があるように構成することも可能である。
【0070】
更に、ウインドパークは、電力網の接続値(電力網の接続容量)が超過されないように、調整されるよう構成することも可能である。
【0071】
更に、ウインドパーク内でスイッチオン(Zuschalten)/切断(Einschalten)があった時、不所望の電力網反作用が起きないようにすることが必要である。例えば、ウインドパーク内でスイッチオン/切断があった時、電流が、接続能力に対応する定格電流に対して所定値よりも大きくならないようにする。そのような値は、例えば1.0から1.4の間の範囲である。
【0072】
公衆電力網の周波数が上昇する場合、既述したように、所定の周波数値以降、例えば(定格周波数が50Hzの場合)50.25Hz以降、電力網周波数が再び記述した値に安定化するまで、ウインドパークの供給有効電力が自動的に低減されるよう構成すべきであろう。
【0073】
従って、ウインドパークは、電力網(接続)条件を遵守できるように、常に、電力供給を減じたレベルで作動可能である必要がある。このウインドパーク調整は、また、いかなる動作状況においても、およびいかなる動作ポイントであっても、電力供給(とりわけ有効電力)が所望の値に低減できることを意味する。
【0074】
従って、たとえば、安全なシステム動作に対して危険がある場合、上流に位置する電力網におけるボトルネック(Engpaesse)または過負荷の危険が処理されるべき場合、孤立した電力網の形成の危険性がある場合、静的又は動的な電力網安定性が危険にさらされている場合、周波数上昇が電力網システム全体を危険にさらし得る場合、及び、例えば、電力供給事業者において修理作業又はその他の運転に起因する停止を実行する必要がある場合、供給電力を利用可能な供給電力未満に制限することができる。
【0075】
必要な場合に調整可能な既述の有効電力の供給に加えて、所定の無効電力も利用可能である必要があるが、その場合、無効電力は、電力供給事業者の希望に応じ、誘導性および容量性の範囲内の双方で、つまり、弱め励磁(untererregt)及び強め励磁(uebererregt)されるよう調整することも可能である。これに関連して、それぞれの値は、電力供給事業者により予め決定できる。
【0076】
前記接続時に、無効電力供給に対する基準値を可変に設定でき、その基準値のプリセットは、電力ファクタ(cosφ)または電圧の大きさに対して、電力網の接続ノードにて達成される。固定基準値を予め設定することも可能である。
【0077】
既述したように、電力網内の周波数があるレベルを超過するか、下回ると、電力供給が低減されるか、および/または、ウインドパークが電力網から切り離される。この結果、例えば、電力網が、50Hzの周波数を有する電力網がおよそ48Hzに降下した時、または、51Hzから52Hzになった時、ウインドパークは電力網から切り離される。これについて、目的とした範囲以下の値で、範囲の制限内で、例えば現在利用できる電力の80から95%の範囲内で、現在利用できる電力の一部を電力網にまだ供給できる。
【0078】
たとえば、電力網の電圧が所定値以下に低下したなら、電力網周波数がそれた場合のように、同じことが言える。言い換えれば、電圧が、与えられた電圧内の所定の電力網電圧から降下または超過した時、まず、電力供給が低減され、そして、電力網電圧が与えられた制限値から降下、または超過した時、装置は完全に電力網から切り離されるか、または少なくとも電力網への給電が0にセットされる。
【0079】
更に、電力網の与えられた電圧および/又は周波数に達した時、電力供給の低減を予め実行することなく、ウインドパークの実証済みの(安全が確認された)シャット・ダウン(Abschaltung)を行うことも可能である。
【0080】
電力網周波数/電力網電圧での所定の範囲内に対する所定範囲内の与えられた周波数変移/電圧変移では、電力網からのウインドパークの自動分離は、実行されないということも意味する。
【0081】
最後に、電力網保護目的のために、電圧値が超過した時、シャットダウン時間は、電圧低減保護の場合(1秒以上、好ましくは2から6秒の間のシャットダウン時間)に比べ、著しくより短くなる(例えば50から200ミリセカンドの間の範囲)ことも提供されている。上側周波数又は下側周波数の値が、所定値からの超過または下降した時のシャットダウン時間については、更に許容できる制限値は、電圧が(所定の電圧値を)超過している時のシャットダウン時間にほぼ等しい。
【0082】
最後に、電力網の故障時に、例えば短絡時に、電力網からのウインドパークの自動分離は、常にすぐに起きるのではなく、ウインドパークは、個々の電力網接続に応じて、更に短絡パワー(Kurzschlussleistung)に対する寄与を皮相電力として電力網に供給し、それによってある程度に電力網のサポートを与えることができるように、制御されることもできる。このことは、ウインドパークが、少なくとも短絡期間のある程度の時間の間に、尤も最大でも高々数秒間、最大可能な皮相電流(皮相電力)を供給することを意味し、これは電力網接続能力に対応する電流の1倍または1.5倍に対応する。
【0083】
上述した挙動も、例えば、50KV以上の所定の値を超過するなら、その定格電圧のレベルに依存してなされる。
【0084】
上述のシャットダウン手順は、適した時間で行うことができ、例えば、それを実行するために保護リレー(距離保護リレー)を電力網の接続ノードに設ける。
【0085】
ウインドパークが再度、起動される時、非同期の電圧が敏感に、電力網を乱してそれをシャットダウンさせるので、最後に、ウインドパークの始動時に、電力網内の電圧とウインドパークの電圧とを同期させための手段も備えるべきである。
【0086】
本発明に基づく限り、電力は、ウインドパークにより現在利用できる電力(種々の測定により行われる)の値以下に調整される。
【0087】
例えば、出力は個々の風力発電装置に対して全体的に低減できるので、ウインドパーク全体を所望の低減した出力値にすることができる。それに対する代替として、いくつかの風力発電装置のみがそれらの出力供給値に関して低減され、ウインドパークの合計の供給値を所望の値にすることもできる。
【0088】
最後に、ウインドパークにより利用できる与えられた電力が、中間的な格納器、いわゆるダンプ負荷(抵抗)または他のエネルギー格納手段に格納されるか、あるいは、他の形態のエネルギーに変換されるかして、ウインドパークの供給値が所望の値になるようにしてもよい。
【0089】
電力出力の低減も、一つの風力発電所装置または与えられた風力発電装置が全体的に電力網から切り離され、それにより、ウインドパークの全体電力(特にそれの有効電力)が所望の値に、および/または所望の値以下にセットできる手順によって行える。
【0090】
ウインドパークについてのデータ(風データ、位置データ、電力データなど)またはウインドパークの制御のためのデータ伝送のために、ワイヤレス通信構成を提供することも可能であり、それにより、制御データまたは情報データはワイヤレスで伝送および処理ができる。
【0091】
上述したウインドパークの調整の場合、ウインドパーク内にて、手順が最大エネルギーとして利用できる値を確定する手順をも含み、また、更にどれだけのエネルギーを電力網に供給できるかを確定する手順を含み、それにより、給電事業者側において、ウインドパークの制御に基づき実質的に異なる量を取り込み、必要なら補償される給電補填量の計算を可能にする。
【0092】
既述したように、制御ラインによるアクセスにより、種々の理由(電力網保護、電力制御)のために、給電網を運転する給電事業者が、ウインドパークまたは個々の風力発電装置の出力の制限または規制する可能性を持つことを可能にすることだけでなく、給電網の管理者が、同時に、ウインドパークの現状についてのデータ(例えば最大利用可能電力、風速などについてのデータ)を取得することも可能にする。出力が現在利用できる電力以下に制限された時、ウインドパークまたはウインドパークの風力発電装置が最適な使用状態にセットされていないので、そのため、風力発電装置の管理者側に給電ロスを招く。したがって、ここで、この発明も、規則システムを企てる給電側では、この発明で取り除かれない、それに関する違いを検知する仮想電流計の準備、およびしたがって、ウインドパークまたは風力発電装置の出力に関する制限を提案する。そのような“仮想の電流計”は、一方で風速から利用されるべき電力を確定し、そして、同時に、給電者あるいは誰か他の人が個々の風力発電装置の電力出力あるいは、利用できる電力出力以下にウインドパーク全体を低減する場合、運転を統合することにより、電力網に給電されないエネルギー量を確定(カウント)することを可能にする。この仮想の電流計は、風力発電装置の管理者が“仮想電流”(つまり、電力供給の規制時実施のために電力網に供給されない電流)に対しても報酬を得ることを可能にする。この“仮想電流計”は、風力発電装置の管理者において、ウインドパーク内のそれぞれの風力発電装置内に、給電者側において、または、風力発電装置の製造者において設置できる。
【0093】
この発明が用語、風力発電装置を用いる限りでは、それは用語、ウインドパークと同意語である。この発明が述べている発明の種々の態様の限りでは、それらを包含したもので風力発電装置またはそれらの制御に実施できる。しかしながら、さらに、この出願が常に発明の様々な態様と共に記述しているが、発明の更なる態様がなくても、発明による異なるアプローチが実行され、個別にクレーム化されることをも可能にする。しかしながら、この発明の種々の態様が実行され、個別にクレーム化され、かつ、それの一般的な記述は従って、共に実行され、クレーム化されるものと常に等価ではないことが当業者なら容易に理解できる。
【0094】
以下に、当初請求項1〜25の記載を示す:
[請求項1]
複数の風力発電装置を備えたウインドパークの運転方法であり、ウインドパークは、電力網に接続され、ウインドパークにより生じた電力はその電力網に供給され、ウインドパークおよび/又は、ウインドパークの風力発電装置の少なくとも1つは、制御入力部を有し、その制御入力部を用いて、ウインドパークまたは一つ以上の風力発電装置の電力が、利用できる個々の電力、特に定格出力の0から100%の範囲内に設定でき、そして、制御入力部に接続されたデータ処理装置を備え、ウインドパーク全体がその出力部にて電力網に供給する電力の大きさに応じて、そのデータ処理装置を用いて0から100%の間の範囲に設定値が設定され、そして、ウインドパークが接続される電力網の管理者(PSUないしEVU)は、制御入力部を用いて、ウインドパークにより供給される電力を調整できる、ウインドパークの運転方法。
[請求項2]
ウインドパークが接続されている電力網への供給が可能な/許可される出力より大きい定格出力を有するウインドパーク。
[請求項3]
最大可能電力網供給電力値に達した時に、ウインドパークの少なくとも1又は2以上の又はすべての風力発電装置の出力が抑制される請求項2記載のウインドパーク。
[請求項4]
前記出力の抑制は、すべての風力発電装置に対し同じ大きさであるか又は異なっている請求項2又は3に記載のウインドパーク。
[請求項5]
ウインドパークは一つ以上の風力発電装置を備え、風力発電装置により供給される電力は、その大きさが、供給可能な電力の最大可能値(定格出力)よりも低い最大可能電力網供給値に制限され、及び、前記最大可能(電力網)供給値は、エネルギーが供給される電力網の受電容量(電力容量)により、および/または、風力発電装置によって生成される電力の電力網への供給に介在する電力伝送ユニットまたは変圧器の電力容量により決定される請求項2から4のいずれかに記載のウインドパーク。
[請求項6]
ウインドパーク内で最初に風が当たる風力発電装置は、その出力が、風方向で当該風力発電装置の背後に位置する風力発電装置にくらべて、より少なく制限される請求項2から5のいずれかに記載のウインドパーク。
[請求項7]
電力網に電力を供給するための発電機を有する、少なくとも一つの風力発電装置を備えるウインドパークの運転方法であり、ウインドパークにより電力網に供給される電力は、電力網の周波数に依存して調整ないし設定される方法。
[請求項8]
電力網の周波数が所定値を上回ったとき又は下回ったとき、ウインドパークによって生成され電力網に供給される電力は低減される請求項7に記載の方法。
[請求項9]
風力発電装置の供給電力は、電力網の周波数がそれの基準値より凡そ0.3%好ましくは0.6%上回ったときまたは下回ったとき、低減される請求項8記載の方法。
[請求項10]
請求項1、7から9のいずれかに基づく方法を実行するための、少なくとも1つの風力発電装置を備えるウインドパークであり、前記風力発電装置は、ロータと、電力網に電力を供給するために前記ロータに結合した発電機を備え、電力網に印加された電圧(電流)の周波数を測定するための周波数検出器を有する調整装置を備え、及び、ウインドパークにより電流網に供給される電力は、周波数検出器により測定された電力網の周波数に依存して調整可能、または、外部(PSUないしEVU)から調整可能である、ウインドパーク。
[請求項11]
前記調整装置はマイクロプロセッサを有する請求項4記載のウインドパーク。
[請求項12]
前記風力発電装置(ウインドパーク)はマイクロプロセッサに結合したインバータを有する請求項11記載のウインドパーク。
[請求項13]
風力発電装置の機械的パワーは、(ピッチ)調節可能なロータブレードが風の作用を受けることにより生成(低減)される請求項10〜12のいずれかに記載のウインドパーク。
[請求項14]
電力網の周波数が、その基準値に対する所定値、好ましくは基準値の2%を上回ったときまたは下回ったとき、風力発電装置は電力を供給しない請求項10〜13のいずれかに記載のウインドパーク。
[請求項15]
電力を電力網に供給するために、風力発電装置のロータにより駆動される発電機を備える風力発電装置を有するウインドパークの運転方法であり、
電力網に供給される電力の電圧および/又は電流を制御する制御装置を備え、電力網の少なくとも一箇所での電圧を測定するための手段を備え、その測定値は、制御装置に供給され、その制御装置は、測定値に基づき位相角の変更を行い、前記位相角φは、供給される電流と供給される電圧との間の位相差を決定する運転方法。
[請求項16]
前記位相角φは、電力網の少なくとも一つの所定ポイントで電圧が実質的に変化しないように変更される請求項15記載の方法。
[請求項17]
前記電圧は、電力網内の少なくとも一つの所定ポイント(22、27)で検出される請求項15又は16に記載の方法。
[請求項18]
前記電圧は、給電ポイントとは異なるポイント(22、27)で検出される請求項15〜17のいずれかに記載の方法。
[請求項19]
前記位相角φとして設定されるべき値は、所定の特性値から導出される請求項15〜18のいずれかに記載の方法。
[請求項20]
前記調整は、電力網内のスイッチング装置を直接的または間接的に作動可能である請求項15〜19のいずれかに記載の方法。
[請求項21]
電力網の複数の部分(6、7)に対し、相応の電圧検出及び位相角φによる調整が別々に実行される請求項15〜20のいずれかに記載の方法。
[請求項22]
請求項15〜21に基づく方法を実行する装置(10)を有する風力発電装置。
[請求項23]
少なくとも二つの風力発電装置を有するウインドパークであって、先行請求項の何れかに基づく方法を実行するための装置(10)および、ウインドパークの個別に調整可能な各部分のために夫々1つ設けられた電圧検出装置(22、27)を備えるウインドパーク。
[請求項24]
電力網の電圧が定格電圧より小さい所定の値、例えば電力網の電圧値の70から90%の間の値に降下した場合、ウインドパークは、所定の極めて短い時間、例えば2から6秒の間、電力網から切り離される先行請求項の何れかに記載のウインドパーク。
[請求項25]
ウインドパークの電力の増大または低下が、1分あたり、ウインドパークの電力網接続容量の凡そ5から15%の間の値に、好ましくは10%の値に制限される先行請求項の何れかに記載のウインドパーク。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】風力発電装置のブロック回路図。
【図2】ウインドパークの原理を示す。
【図3】(原文に記載なし)
【図4】(原文に記載なし)
【図5】(原文に記載なし)
【図6】(原文に記載なし)
【図7】(原文に記載なし)
【図8】(原文に記載なし)
【図9】(原文に記載なし)
【図10】(原文に記載なし)
【図11】風力発電装置の周波数/電力の時間グラフを示す。
【図12】風力発電装置の側面図を示す。
【図13】風力発電装置のインバータ(これはマイクロプロセッサで制御される)のブ ロック回路図を示す。
【図14】風力発電装置の調整装置の図である。
【図15】電力網への風力発電装置の接続を示す。
【図16】図13に関連した別のブロック回路図を示す。
【図17】(原文に記載なし)
【図18】(原文に記載なし)
【図19】(原文に記載なし)
【図20】(原文に記載なし)
【図21】電力網に給電する風力発電装置の単純化した図である。
【図22】風力発電装置の運転のための、この発明に基づく調整装置を示す。
【図23】電力網の電圧と位相角の関係を示す図である。
【図24】図22で示した調整装置の本質的な要素を示す図である。
【符号の説明】
【0096】
1 風力発電装置
4 ロータ
6 電力網
10 調整装置
12 発電機
18 周波数変換器
20 マイクロプロセッサ
22 電圧検出装置
23 スイッチングデバイス
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の風力発電装置を備えたウインドパークの運転方法であり、ウインドパークは、電力網に接続され、ウインドパークにより生じた電力はその電力網に供給され、ウインドパークおよび/又は、ウインドパークの風力発電装置の少なくとも1つは、制御入力部を有し、その制御入力部を用いて、ウインドパークまたは一つ以上の風力発電装置の電力が、利用できる個々の電力、特に定格出力の0から100%の範囲内に設定でき、そして、制御入力部に接続されたデータ処理装置を備え、ウインドパーク全体がその出力部にて電力網に供給する電力の大きさに応じて、そのデータ処理装置を用いて0から100%の間の範囲に設定値が設定され、そして、ウインドパークが接続される電力網の管理者(PSUないしEVU)は、制御入力部を用いて、ウインドパークにより供給される電力を調整できる、ウインドパークの運転方法。
【請求項2】
ウインドパークが接続されている電力網への供給が可能な/許可される出力より大きい定格出力を有するウインドパーク。
【請求項3】
最大可能電力網供給電力値に達した時に、ウインドパークの少なくとも1又は2以上の又はすべての風力発電装置の出力が抑制される請求項2記載のウインドパーク。
【請求項4】
前記出力の抑制は、すべての風力発電装置に対し同じ大きさであるか又は異なっている請求項2又は3に記載のウインドパーク。
【請求項5】
ウインドパークは一つ以上の風力発電装置を備え、風力発電装置により供給される電力は、その大きさが、供給可能な電力の最大可能値(定格出力)よりも低い最大可能電力網供給値に制限され、及び、前記最大可能(電力網)供給値は、エネルギーが供給される電力網の受電容量(電力容量)により、および/または、風力発電装置によって生成される電力の電力網への供給に介在する電力伝送ユニットまたは変圧器の電力容量により決定される請求項2から4のいずれかに記載のウインドパーク。
【請求項6】
ウインドパーク内で最初に風が当たる風力発電装置は、その出力が、風方向で当該風力発電装置の背後に位置する風力発電装置にくらべて、より少なく制限される請求項2から5のいずれかに記載のウインドパーク。
【請求項7】
電力網に電力を供給するための発電機を有する、少なくとも一つの風力発電装置を備えるウインドパークの運転方法であり、ウインドパークにより電力網に供給される電力は、電力網の周波数に依存して調整ないし設定される方法。
【請求項8】
電力網の周波数が所定値を上回ったとき又は下回ったとき、ウインドパークによって生成され電力網に供給される電力は低減される請求項7に記載の方法。
【請求項9】
風力発電装置の供給電力は、電力網の周波数がそれの基準値より凡そ0.3%好ましくは0.6%上回ったときまたは下回ったとき、低減される請求項8記載の方法。
【請求項10】
請求項1、7から9のいずれかに基づく方法を実行するための、少なくとも1つの風力発電装置を備えるウインドパークであり、前記風力発電装置は、ロータと、電力網に電力を供給するために前記ロータに結合した発電機を備え、電力網に印加された電圧(電流)の周波数を測定するための周波数検出器を有する調整装置を備え、及び、ウインドパークにより電流網に供給される電力は、周波数検出器により測定された電力網の周波数に依存して調整可能、または、外部(PSUないしEVU)から調整可能である、ウインドパーク。
【請求項11】
前記調整装置はマイクロプロセッサを有する請求項4記載のウインドパーク。
【請求項12】
前記風力発電装置(ウインドパーク)はマイクロプロセッサに結合したインバータを有する請求項11記載のウインドパーク。
【請求項13】
風力発電装置の機械的パワーは、(ピッチ)調節可能なロータブレードが風の作用を受けることにより生成(低減)される請求項10〜12のいずれかに記載のウインドパーク。
【請求項14】
電力網の周波数が、その基準値に対する所定値、好ましくは基準値の2%を上回ったときまたは下回ったとき、風力発電装置は電力を供給しない請求項10〜13のいずれかに記載のウインドパーク。
【請求項15】
電力を電力網に供給するために、風力発電装置のロータにより駆動される発電機を備える風力発電装置を有するウインドパークの運転方法であり、
電力網に供給される電力の電圧および/又は電流を制御する制御装置を備え、電力網の少なくとも一箇所での電圧を測定するための手段を備え、その測定値は、制御装置に供給され、その制御装置は、測定値に基づき位相角の変更を行い、前記位相角φは、供給される電流と供給される電圧との間の位相差を決定する運転方法。
【請求項16】
前記位相角φは、電力網の少なくとも一つの所定ポイントで電圧が実質的に変化しないように変更される請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記電圧は、電力網内の少なくとも一つの所定ポイント(22、27)で検出される請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記電圧は、給電ポイントとは異なるポイント(22、27)で検出される請求項15〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記位相角φとして設定されるべき値は、所定の特性値から導出される請求項15〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記調整は、電力網内のスイッチング装置を直接的または間接的に作動可能である請求項15〜19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
電力網の複数の部分(6、7)に対し、相応の電圧検出及び位相角φによる調整が別々に実行される請求項15〜20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
請求項15〜21に基づく方法を実行する装置(10)を有する風力発電装置。
【請求項23】
少なくとも二つの風力発電装置を有するウインドパークであって、先行請求項の何れかに基づく方法を実行するための装置(10)および、ウインドパークの個別に調整可能な各部分のために夫々1つ設けられた電圧検出装置(22、27)を備えるウインドパーク。
【請求項24】
電力網の電圧が定格電圧より小さい所定の値、例えば電力網の電圧値の70から90%の間の値に降下した場合、ウインドパークは、所定の極めて短い時間、例えば2から6秒の間、電力網から切り離される先行請求項の何れかに記載のウインドパーク。
【請求項25】
ウインドパークの電力の増大または低下が、1分あたり、ウインドパークの電力網接続容量の凡そ5から15%の間の値に、好ましくは10%の値に制限される先行請求項の何れかに記載のウインドパーク。
【請求項1】
複数の風力発電装置を備えたウインドパークの運転方法であり、ウインドパークは、電力網に接続され、ウインドパークにより生じた電力はその電力網に供給され、ウインドパークおよび/又は、ウインドパークの風力発電装置の少なくとも1つは、制御入力部を有し、その制御入力部を用いて、ウインドパークまたは一つ以上の風力発電装置の電力が、利用できる個々の電力、特に定格出力の0から100%の範囲内に設定でき、そして、制御入力部に接続されたデータ処理装置を備え、ウインドパーク全体がその出力部にて電力網に供給する電力の大きさに応じて、そのデータ処理装置を用いて0から100%の間の範囲に設定値が設定され、そして、ウインドパークが接続される電力網の管理者(PSUないしEVU)は、制御入力部を用いて、ウインドパークにより供給される電力を調整できる、ウインドパークの運転方法。
【請求項2】
ウインドパークが接続されている電力網への供給が可能な/許可される出力より大きい定格出力を有するウインドパーク。
【請求項3】
最大可能電力網供給電力値に達した時に、ウインドパークの少なくとも1又は2以上の又はすべての風力発電装置の出力が抑制される請求項2記載のウインドパーク。
【請求項4】
前記出力の抑制は、すべての風力発電装置に対し同じ大きさであるか又は異なっている請求項2又は3に記載のウインドパーク。
【請求項5】
ウインドパークは一つ以上の風力発電装置を備え、風力発電装置により供給される電力は、その大きさが、供給可能な電力の最大可能値(定格出力)よりも低い最大可能電力網供給値に制限され、及び、前記最大可能(電力網)供給値は、エネルギーが供給される電力網の受電容量(電力容量)により、および/または、風力発電装置によって生成される電力の電力網への供給に介在する電力伝送ユニットまたは変圧器の電力容量により決定される請求項2から4のいずれかに記載のウインドパーク。
【請求項6】
ウインドパーク内で最初に風が当たる風力発電装置は、その出力が、風方向で当該風力発電装置の背後に位置する風力発電装置にくらべて、より少なく制限される請求項2から5のいずれかに記載のウインドパーク。
【請求項7】
電力網に電力を供給するための発電機を有する、少なくとも一つの風力発電装置を備えるウインドパークの運転方法であり、ウインドパークにより電力網に供給される電力は、電力網の周波数に依存して調整ないし設定される方法。
【請求項8】
電力網の周波数が所定値を上回ったとき又は下回ったとき、ウインドパークによって生成され電力網に供給される電力は低減される請求項7に記載の方法。
【請求項9】
風力発電装置の供給電力は、電力網の周波数がそれの基準値より凡そ0.3%好ましくは0.6%上回ったときまたは下回ったとき、低減される請求項8記載の方法。
【請求項10】
請求項1、7から9のいずれかに基づく方法を実行するための、少なくとも1つの風力発電装置を備えるウインドパークであり、前記風力発電装置は、ロータと、電力網に電力を供給するために前記ロータに結合した発電機を備え、電力網に印加された電圧(電流)の周波数を測定するための周波数検出器を有する調整装置を備え、及び、ウインドパークにより電流網に供給される電力は、周波数検出器により測定された電力網の周波数に依存して調整可能、または、外部(PSUないしEVU)から調整可能である、ウインドパーク。
【請求項11】
前記調整装置はマイクロプロセッサを有する請求項4記載のウインドパーク。
【請求項12】
前記風力発電装置(ウインドパーク)はマイクロプロセッサに結合したインバータを有する請求項11記載のウインドパーク。
【請求項13】
風力発電装置の機械的パワーは、(ピッチ)調節可能なロータブレードが風の作用を受けることにより生成(低減)される請求項10〜12のいずれかに記載のウインドパーク。
【請求項14】
電力網の周波数が、その基準値に対する所定値、好ましくは基準値の2%を上回ったときまたは下回ったとき、風力発電装置は電力を供給しない請求項10〜13のいずれかに記載のウインドパーク。
【請求項15】
電力を電力網に供給するために、風力発電装置のロータにより駆動される発電機を備える風力発電装置を有するウインドパークの運転方法であり、
電力網に供給される電力の電圧および/又は電流を制御する制御装置を備え、電力網の少なくとも一箇所での電圧を測定するための手段を備え、その測定値は、制御装置に供給され、その制御装置は、測定値に基づき位相角の変更を行い、前記位相角φは、供給される電流と供給される電圧との間の位相差を決定する運転方法。
【請求項16】
前記位相角φは、電力網の少なくとも一つの所定ポイントで電圧が実質的に変化しないように変更される請求項15記載の方法。
【請求項17】
前記電圧は、電力網内の少なくとも一つの所定ポイント(22、27)で検出される請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記電圧は、給電ポイントとは異なるポイント(22、27)で検出される請求項15〜17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記位相角φとして設定されるべき値は、所定の特性値から導出される請求項15〜18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記調整は、電力網内のスイッチング装置を直接的または間接的に作動可能である請求項15〜19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
電力網の複数の部分(6、7)に対し、相応の電圧検出及び位相角φによる調整が別々に実行される請求項15〜20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
請求項15〜21に基づく方法を実行する装置(10)を有する風力発電装置。
【請求項23】
少なくとも二つの風力発電装置を有するウインドパークであって、先行請求項の何れかに基づく方法を実行するための装置(10)および、ウインドパークの個別に調整可能な各部分のために夫々1つ設けられた電圧検出装置(22、27)を備えるウインドパーク。
【請求項24】
電力網の電圧が定格電圧より小さい所定の値、例えば電力網の電圧値の70から90%の間の値に降下した場合、ウインドパークは、所定の極めて短い時間、例えば2から6秒の間、電力網から切り離される先行請求項の何れかに記載のウインドパーク。
【請求項25】
ウインドパークの電力の増大または低下が、1分あたり、ウインドパークの電力網接続容量の凡そ5から15%の間の値に、好ましくは10%の値に制限される先行請求項の何れかに記載のウインドパーク。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【公開番号】特開2013−102684(P2013−102684A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−3301(P2013−3301)
【出願日】平成25年1月11日(2013.1.11)
【分割の表示】特願2003−533410(P2003−533410)の分割
【原出願日】平成14年9月21日(2002.9.21)
【出願人】(500017944)アロイス・ヴォベン (107)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成25年1月11日(2013.1.11)
【分割の表示】特願2003−533410(P2003−533410)の分割
【原出願日】平成14年9月21日(2002.9.21)
【出願人】(500017944)アロイス・ヴォベン (107)
【Fターム(参考)】
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