説明

ウインドブレーカーの背面通気口

【課題】アウトドアスポーツに用いる透湿性を持たない軽量雨具やウインドブレーカーは天候、運動量による蒸れが著しい。
【解決手段】ウインドブレーカーの背面に上下縦に向けてファスナーを取り付ける。
前ファスナーに吸気口、背面ファスナーに排気口の役割を持たせ夫々のファスナーの開閉量に依って体を通過する風量を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はアウトドアスポーツ時に風や少量の雨の影響から上体を守るウインドブレーカーや携帯用レインジャケットに発生する蒸れを解消する為の通気に関する。
【背景技術】
【0002】
凡そ山や海でのアウトドアスポーツには風から体温を守る為にウインドブレーカージャケットや簡素なレインウエアーを携行する。
雨具を兼ねた透湿性機能を持つ3層構造の生地素材から単にゴムやウレタン、アクリル樹脂をコーテイングしたライトな素材まで多種多様な商品が市場に出回っている。
【発明の開示】

【課題が解決しようとする課題】
【0003】
釣りやハイキングの様にウインドブレーカーをバックやザックに携行しても不使用時に収納すべき場所が有るアウトドアスポーツは厚手の透湿性機能を持った3層構造のウインドブレーカーでも問題ない。
しかしマラソンや自転車ツーリングの様に不使用時に収納する場所の無いスポーツには携行する為に薄手の生地で極力コンパクトに収める必要がある。
この為ウインドブレーカーの素材は30デニールクラスの極薄な生地となり通常は通気性能を有しない。
その結果ウインドブレーカー内は運動に依る体温の上昇に伴った蒸れが発生しアスリートに大きな不快感を与える。
従来の背中に開口部を持つレインウエアーはフラップを付けることで雨の浸入は防げるが通気性は減少する。また加工が増しこの結果価格が増えるばかりで無く肝心なコンパクト性が失われてしまう。
何かを背負う目的で背面にファスナーを持つ形状も有るが本発明のように線状開口を持って微妙な通風量の制御はできない。
【問題を解決するための手段】
【0004】
本発明はウインドブレーカージャケットの脱着用前ファスナーに呼応して背面の天地縦方向にファスナーを取り付けたことに依り前ファスナーの開放距離の長短に依って吸気される吸気量と背面のファスナーから排気される排気量をファスナーの開放距離に依り連携させ体の周囲を通過する空気量を状況に合わせて適宜無段階に調節することができる。
【発明の効果】
【0005】
例えばウインドブレーカージャケットを畳んだ時のコンパクト度が要求される自転車の山岳ツーリングを例にとってみると、早朝のスタート時の気温は極めて低いが走行開始後走行運動と日照に依り急激に体感温度が上昇する。 更に登りの勾配が増すと温度は上昇する。
この逆に高地で天候が曇った下り坂走行での体感温度は急激に低下する。 ツーリング中の体感温度はこの二極間の温度差の間を環境、走行状態、気温に依って上下頻繁に繰り返される。
背面排気口を有する本発明のジャケットを上記例に沿って説明するとスタート時前後共にファスナーを閉めた状態で装着し、やや温度が上がるに伴って段階的に以下、前ファスナーだけ空けて体に空気をはらむ、背面ファスナーのみ開けて前からの冷気を遮断し少量の排気を促す、前ファスナー背ファスナー共少し開けて空気の流通量を制限しジャケット内の空気温度を適正に維持する、前後のファスナー共全開にして通気効果を上げる、等の操作を前後のファスナーを開閉操作することで簡単に素早く適正な快適性を得ることができる。
またゴルフの霧雨条件でのプレーでは背面ファスナアーを開けたままでも縦に装着してあるので小雨は入りにくく、ウエイテイング中体温の放出も抑えられ、スイング時も背面ファスナー口が大きく開き動作を妨げることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
ウインドブレーカーや簡易雨具の背中部分に縦向すなわち天地方向にわたって止水ファスナーを取り付けこのファスナーの開閉操作がし易いようにスライダーに引っ張り用のコードタブを取り付ける。
前ファスナーと背面ファスナーの開口状態の連携により外気の頻繁な変化にも敏速かつ簡単に対応できる。
【実施例】
【0007】
本発明を例えるなら空冷式エンジンに送風する風量を制御できるジャケットと解釈できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明のジャケットの背面図である。
【図2】本発明の使用時風向図である。
【符号の説明】
【0009】
1. 背面ファスナー
2. 本発明装着ジャケット
3. ファスナースライダー
4. スライダータブコード
5. フロントファスナー
6. 吸気の流れ
7. 排気の流れ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯用雨具、ウインドブレーカー等の上着の背面に天地縦方向に向けたファスナーを取り付け前ファスナーとの開口口の大きさに依って体を通過する空気の量を制御し上着内の温度を調節可能にしたことを特徴とするウインドブレーカーの背面通気口。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−180520(P2010−180520A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−51347(P2009−51347)
【出願日】平成21年2月9日(2009.2.9)
【出願人】(592156851)有限会社金野縫製 (13)
【Fターム(参考)】