説明

ウェイト計量式充填装置

【課題】ロードセルに付加される余分な外力を回避することができるウェイト計量式充填装置を提供する。
【解決手段】内部に液通路を有し、液通路を開閉する液弁1c及び液弁駆動部1bを有する充填バルブ1と、充填バルブ1と構造体B間に設置した充填液用及び液弁駆動用の接続配管8,7と、構造体Bに設置したロードセル4によって構成されたウェイト計量式充填装置20において、容器把持装置5とその基盤部5aを鉛直に昇降させるためのガイドを備えた駆動エアシリンダ3と、充填バルブ1下方に取付けられた容器シール部材と、容器6を加減圧するためのガス通路1eを加えて充填バルブ1をロードセル4の荷重印加部4bに剛接し、接続配管8,7に加圧ガス兼リターンガス用の配管9を加えて全ての接続配管7〜9に可撓性を持たせて、加圧充填下で液充填量をロードセル4で測定することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壜、PETボトル、缶等の容器に、炭酸飲料等のガス入り液体の充填重量を計測しつつ、充填する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
清涼飲料には、コーヒー・紅茶・緑茶及び天然果汁等のノンガス飲料と、サイダー及びコーラ等のガス入り飲料とがあるが、ガス入り液体を、容器に充填する際には、ガス入り液体の供給手段と該容器の注液部を密着し外界から遮断しておき、且つ溶解ガスの飽和圧力より高い圧力で加圧しておく必要がある。これは、充填液中の溶解ガスが容器内で発泡することなく、容器に流入するために必要な条件である。
従って、ガス入り液体の供給手段(給液配管並びに充填バルブ)と、容器の支持若しくは把持手段を備えたガス入り液体の充填装置においては、前記充填バルブと容器口とを密着させ外界から遮断するシール力が容器に加えられ、且つ溶解ガスの飽和圧力よりも高い圧力(カウンタ圧力)が容器内に作用するため、該容器に垂直外力がかかるので、重量を基に充填量(入味)の測定と制御を行うことが困難であった。
【0003】
このため、従来技術では、ガス入り液体の給液配管部分にタービン式流量計若しくは超音波渦流量計(特許文献1参照)或いは電磁流量計を設置しておき、流量を積算することにより、入味を測定・制御する方法が一般的であった。
前記タービン式、超音波渦式、或いは電磁流量計等の流量計は、給液配管の計測部を通過する液体の流量を積算することにより、充填量として算出しているために、測定精度は良好とは言い得ないものである。
【0004】
一方、充填液の供給手段(充填バルブ)と容器口を密着・シールする必要が無いノンガス飲料用充填装置においては、当該容器の支持若しくは把持手段の下部或いは近辺に計重手段(ロードセル)を備えた、入味精度の良い重量計測式充填装置が使用されている。
特許文献2は、ノンガス飲料の重量計測式充填装置の構成概要及び問題点と、その解決手段を紹介している。
即ち、垂直方向の荷重を検出するように設置されたロードセルと、このロードセルから水平に突出させた荷重印加部と、この荷重印加部に取り付けられ、荷重印加部のロードセルからの突出方向と逆の方向から押し込まれた容器の首部を弾力性により把持するグリップ手段と、グリップ手段に把持されている容器内に液体を充填する充填ノズルを備え、前記ロードセルによって荷重を検出しつつ、グリップ手段に把持されている容器内に所定量の液体の充填を行うウエイトフィラである。
【0005】
本特許文献においては、グリップ手段にかかる水平方向の力を問題として、過大な水平方向力を回避する構造を紹介しているが、ガス入り液体充填装置特有の充填バルブと容器口とを密着させるシール力、及びカウンタ圧力等の容器にかかる垂直外力の問題について全く触れておらず、本発明者を含む関係者の調査範囲においては、前記シール力及びカウンタ圧力等の容器にかかる垂直力の影響を排除した重量計測式充填装置の公知技術は発見できなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3540428号公報(図1、図3、図4)
【特許文献2】特開2001−39493号公報(図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の技術(特許文献2)において、ノンガス飲料の重量計測式充填の場合は、大気圧中で容器に液を充填中に、充填容器の支持若しくは把持手段に連結されたロードセルを介して、当該容器の充填液を含めた全重量を計測し、その重量が所定の値に達した時点で充填を停止する方式を提案している。即ち、前記全重量から空容器重量(風袋)を差し引いた値が、充填したノンガス液の重量である。
ガス入り飲料の充填の場合には、前記全重量に容器口のシール力並びにカウンタ圧力による荷重が加わり、それを含めた全重量は、充填液を含めた容器の重量よりも大きな値になることが多く、またカウンタ圧力の変動、シール力の変動などによっても変化してしまい、そのままでは安定したウェイト計量式充填装置を構成することが困難であった。従って、容器口のシール力、並びにカウンタ圧による荷重を充填バルブと容器の保持手段との間の内力とし、前記両者を一体物として、その重量のみをロードセルに付加し得る構成を発明する必要がある。
また高速の状態や圧力の変動が激しい状態で条件が悪い場合には、ロードセルに付加される余分な外力を回避する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の各課題を解決する本発明の第一の構成は、内部に液通路を有し、液通路を開閉する液弁及び液弁駆動部を有する充填バルブと、充填バルブと構造体間に設置した充填液用及び液弁駆動用の接続配管と、構造体に設置したロードセルによって構成されたウェイト計量式充填装置において、容器把持装置とその基盤部を鉛直に昇降させるためのガイドを備えた駆動エアシリンダと、充填バルブ下方に取付けられた容器シール部材と、容器を加減圧するためのガス通路を加えて充填バルブをロードセルの荷重印加部に剛接し、接続配管に加圧ガス兼リターンガス用の配管を加えて全ての接続配管に可撓性を持たせて、加圧充填下で液充填量をロードセルで測定することを特徴とする。
【0009】
上記の各課題を解決する本発明の第二の構成は、
前記充填バルブの「定位置非分解洗浄(CIP)」工程に連係して、ガイドを介して所定範囲内の上下動を許容するように洗浄用キャップを弾性的に支持するキャップホルダーを、水平方向に進退動させるエアシリンダが前記構造体に固定してあり、前記充填バルブの「定位置非分解洗浄(CIP)」工程に連係して、前記容器把持装置とその基盤部が、前記ガイド並びに駆動エアシリンダの作用により鉛直に昇降して、前記洗浄用キャップを、前記充填バルブ口に密封蓋をするように圧着可能に構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に係る効果は、容器のシール時及びカウンタ圧力印加時に容器に作用する鉛直方向荷重を、全て構造体から独立した充填バルブの内力として吸収し、容器のシール手段、加減圧通路を含む充填バルブ、容器及び充填液等の重量のみをロードセルによって計測可能にすることと、空容器の供給時並びに充填容器の解放時に、ロードセルに付加される余分な外力を回避することと、充填バルブに接続されるガス配管と液配管に関しては、配管に可撓性を持たせることで、定常運転時におけるガス及び充填液から作用する外力を一定に保ち、前記重量への一定バイアスと見なし得るよう構成しておくことにより、ロードセルによる液充填中の計測重量が、目標充填重量に液充填前の計測重量を加算し、さらに落差量を減算した値に達したときに充填を停止する方法によって、加圧充填下で液充填量をロードセルで測定することによりウェイト計量式充填装置を提供する効果がある。
【0011】
請求項2に係る効果は、請求項1のウェイト計量式充填装置において、前記充填バルブの「定位置非分解洗浄(CIP)」を行なう際に、ロードセルに付加される余分な外力を回避する効果がある。
【0012】
また、本発明に係る△△によれば、ができる
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係るウェイト計量式充填装置の概略側面断面図であり、ガス入り液体を容器に充填中の状態を示す。
【図2】本発明に係るウェイト計量式充填装置の概略側面断面図であり、空容器を該充填装置に受け渡し(装着或いは排出)中の状態を示す。
【図3】本発明に係るウェイト計量式充填装置の計量器負荷低減機構の概略側面断面図であり、当該充填装置の液充填作業が全て完了した後の充填バルブ「定位置非分解洗浄(CIP)」工程の準備中の状態を示す。
【図4】本発明に係るウェイト計量式充填装置の計量器負荷低減機構の概略側面断面図であり、充填バルブに「定位置非分解洗浄(CIP)」用キャップを装着した状態を示す。
【図5】ロータリー式充填機械の充填工程を示した概略機能説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、この発明の実施の形態につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。また、下記の実施の形態における構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、或いは実質的に同一のものが含まれる。
【0015】
本発明に係るウェイト計量式充填装置の計量器負荷低減機構の実施形態を図1,図2,図3,図4及び図5の各図に基づいて説明する。
図1は、本発明に係るウェイト計量式充填装置の計量器負荷低減機構の概略側面断面図であり、ガス入り液体を容器に充填中の状態を示しているが、充填機械の構造体Bに固定されたロードセル4は、ロードセル函体4aと水平に延びるロードセル荷重印加部4bから構成され、当該荷重印加部4bの先端部には、バルブ保持部材2の取り付け脚2aが水平に固定されている。前記取り付け脚2aの前部には、昇降用エアシリンダ3が垂直に取り付けられており、該エアシリンダ3の出力ロッド3aは、ガイド(図示せず)により案内されているので、相当の曲げモーメントが掛けられても円滑に昇降するように構成されている。
【0016】
前記エアシリンダの出力ロッド3aの上端には、容器の把持装置5の基盤部5aが水平に固着されており、前記把持装置5を水平且つ前記荷重印加部4bの中心と同芯に保持するよう構成されているので、把持された容器6の口は常に前記荷重印加部4bの中心と同芯に保持される。なお、容器把持装置5の上面の一部には凸部5bが形成されており、上端部は水平面に加工されている。
また、前記バルブ保持部材2は、その取り付け脚2aから斜め上方に平行して延びる2本のアームを、上部の横方向部材2bで結合した門型構造を形成しており、該横方向部材2bを用いて、充填バルブ1を垂直に且つその中心が把持される容器口の中心に一致するように保持する。
また、充填バルブ1と構造体Bとの間は、可撓部を有する接続配管である充填液供給配管8、ガスライン用配管9、液弁駆動エア用配管7とそれぞれ接続されている。
【0017】
かかる構成において、容器把持装置5に容器6を把持し、昇降用エアシリンダ3に圧縮空気を供給(圧縮空気接続配管は図示せず)して該容器把持装置5を垂直に上昇させれば、容器口は充填バルブ1の開口に合致するので、さらに該エアシリンダが圧接力を加えれば、該容器口と充填バルブ開口は容器シール手段(図示せず)を介して密着するので、ガスライン用配管9及びガス通路1eを通して容器にガス圧力を加え、さらに液弁駆動エア用配管7を通して液弁駆動部1bを制御し液弁1cを開き、充填液供給配管8中に充満する液体を加圧下で充填しても液漏れは起こらない。
この時に、ロードセル荷重印加部4bにかかる荷重を吟味すると、昇降用エアシリンダ3が発生する圧接力をfとすれば、容器口を介して充填バルブ1を上方に押し上げる力になるが、当該充填バルブ1はバルブ保持部材2に保持されているので、圧接力fは前記バルブ保持部材の取り付け脚2aに引き上げ力として伝達されることとなる。一方、同じく前記取り付け脚2aに取り付けられている昇降用エアシリンダ3には、出力ロッド3aを押し上げる力の反力fが下方向に向かう押し下げ力として作用するので、両者が相殺しあって、圧接力fはロードセル荷重印加部4bには全く影響しないこととなる。
従って当該荷重としては、充填バルブ1の重量、容器6(充填液が内在すればそれを含める)の重量、並びに前記各配管7,8,9の重量の一部(ほぼ、二分の一で一定量)である。なお、充填バルブ1の重量と充填液供給配管8の重量には、ロータリー式充填機械Fが稼動中は常に液で満たされていることから、満杯の液重量の所定割合を加えておく必要がある。
この他に、ロードセル荷重印加部4bにかかる荷重としては、充填液が持つ液圧及びガス圧、カウンタ圧力等が考えられるが、これらは充填バルブ1とそれに密着した容器6で形成する閉空間内の内力となり、ロードセル荷重印加部4bにかかる鉛直方向荷重にはなり得ない。前記各種の圧力が、ロードセル荷重印加部4bにかかる鉛直方向荷重にはなり得るのは、前記各配管7,8,9の曲げ剛性による鉛直方向の力であるが、この力は充填中には変化しない。
【0018】
上記のロードセル荷重印加部4bにかかる鉛直方向荷重の吟味から、ガス入り液体の充填量を当該ロードセル4の重量計測により把握するためには、
液充填中の計測重量=充填バルブ1の重量+充填バルブ1内の液の重量+各配管7,8,9の部分重量+充填液供給配管8内の液の部分重量+各配管7,8,9の曲げ剛性による鉛直力
+容器6の重量+容器6内の充填液の重量
から、
液充填前の計測重量=充填バルブ1の重量+充填バルブ1内の液の重量+各配管7,8,9の部分重量+充填液供給配管8内の液の部分重量+各配管7,8,9の曲げ剛性による鉛直力
+容器6の重量
を差し引けば良いことになる。
【0019】
図5において、矢印S方向から入口スターホイールIの容器把持装置(図示せず)に供給された容器6は、ロータリー式充填機械Fの旋回台周辺に複数配置されたウェイト計量式充填装置20の容器把持装置5に受け取られ(図2参照)、前記旋回台が時計回りに旋回し、容器導入〜容器密封工程〔1〕を進むにしたがって、
昇降用エアシリンダ3に圧縮空気を供給(圧縮空気接続配管は図示せず)して容器把持装置5を垂直に上昇させて、容器口は充填バルブ1の開口に合致する、さらに昇降用エアシリンダ3が圧接力を加えることによって、該容器口と充填バルブ開口は容器シール手段(図示せず)を介して密着する。
次いで、当該容器6は旋回台の旋回とともにカウンタ加圧工程〔2〕へ搬送され、ガス配管及び閉止弁(図示せず)の作動によって、容器6内を加圧し、その後、空の容器6(液充填前)の重量計測工程〔3〕に入る。この工程〔3〕において、ロードセル4の発する重量信号は充填バルブ1の制御装置(図示せず)に記憶される。
【0020】
ロータリー式充填機械Fの旋回台はさらに時計回りに旋回し、充填工程〔4〕に入ると、前記充填バルブ1の制御装置(図示せず)は、指令を送って構造体B内の電磁弁(図示せず)を作動させ、ピストンからなる液弁駆動部1b及び液弁駆動エア用配管7内のエアを抜いて液弁1cを上昇させて開いて液体の充填を行い、その後、前記充填バルブ1の制御装置(図示せず)からの液弁閉止指令に対して即応可能な状態を維持する。
一方、前記充填バルブ1の制御装置(図示せず)は、空の容器6(液充填前)の重量計測工程〔3〕において、ロードセル4の発する重量信号を受信し記憶してから後も、当該ロードセル4の発する重量信号を引き続き監視しており、信号の値が下記の限界値に等しくなった時点で、指令を送って電磁弁(図示せず)を作動させ、液弁駆動エア用配管7を介して液弁駆動用エアを液弁駆動部1bに送り、液弁1cを閉じる。
限界値=所定の充填液重量−落差量+液充填前の計測重量
【0021】
次いで、ホールド工程〔5〕は充填液の波打ちや発泡を抑えるための静置であり、充填は停止したまま充填済み容器6は搬送される。
スニフト工程〔6〕は、カウンタ圧力の解除であり、ガス配管及び閉止弁(図示せず)の作動によって、容器6内のガスを排出し大気圧に戻す。
次の重量計測工程〔7〕において、あらためてロードセル4の計測重量データを品質管理用コンピュータ(図示せず)に伝送し、該コンピュータは前記液充填前の空の容器の重量計測工程〔3〕での計測重量と差し引き演算を行う。
なお、工程〔2〕〜〔7〕の充填装置の状態は、図1に示された通りである。
前記ロータリー式充填機械Fの旋回台最後の工程は、出口スターホイールOの直前の容器開放〜容器排出工程〔8〕である。この時には、図2に示されるように、図示しない制御装置により昇降用エアシリンダ3を介して、容器把持装置5を垂直に下降させれば、容器6は充填バルブ下端との密着を解除され下降する。
この状態では、充填バルブ1の液弁1cは閉じており、ガスライン用配管9も閉止されているので、充填バルブ1の開口は開放可能である。従って、図1の説明で述べた昇降用エアシリンダ3が発生する圧接力fが全くない状態と考えられるが、ロードセル荷重印加部4bには、充填重量と付帯構成部品(充填バルブ、バルブ保持部材、昇降用エアシリンダ、空容器、容器把持装置、諸配管等)の合計重量だけが付加されており、余分な外力が掛かることも無く、圧接力fも無いことが判る。
その後、該容器6は、出口スターホイールOの把持装置(図示せず)に受け渡されて、T方向に備えられた封栓機器に搬送されて行く。
【0022】
図3は、当該充填装置の液充填作業が全て完了した後の充填バルブの充填液等の汚れを落とす為の「定位置非分解洗浄(CIP)」工程の準備中の状態を示す。この状態では、昇降用エアシリンダの出力ロッド3aは下降しており、容器把持装置5にも容器は把持されていない。
この場合、図示しないが別途、洗浄液にて洗浄することとなるが、その場合、ダミー容器としてCIP洗浄カップにより充填バルブ1の開口部を塞いで洗浄回路を形成する。
一方、当該充填装置を備えた充填機械の構造体Bに固定されたキャップホルダー進退用エアシリンダ10には、ロッド前進用の圧縮空気が供給(圧縮空気接続配管は図示せず)されており、該ロッド先端に結合されたキャップホルダー11は、ガイド(図示せず)に案内されて水平且つ中心線が前記充填バルブ1の吐出口直下に入るように前進する。当該キャップホルダー11の先頭部は、洗浄用キャップ12を支持する二股フォーク構造となっており、且つ、洗浄用キャップ12の方形鍔のガイド孔に嵌入する、複数のガイドピン11aと戻りばね11bが設けられている。なお、洗浄用キャップ12の反方形鍔側には、前記充填バルブ1の開口に適応した円形平パッキン12aが嵌め込まれている。
【0023】
図4は、図3の状態から昇降用エアシリンダ3が作動して、容器把持装置5を垂直に押し上げ、当該装置の上面の一部に形成された凸部5bが、洗浄用キャップ12を前記充填バルブ1の開口に圧接している状態を示している。この時に昇降用エアシリンダ3が発生する圧接力をPとすると、この力Pは、図1の項で説明した圧接力fと同様にロードセル荷重印加部4bにおいては相殺しあって、荷重として感知されない。
しかしながら、圧接力Pの一部は戻りばね11bを圧縮するために消費され、充填バルブ1に伝達される圧接力は(P−α)となる。通常、前記戻りばね11bのばね定数を比較的小にしても問題はないのでαの値も比較的小とすることができ、圧接力(P−α)は昇降用エアシリンダ3が発生する圧接力をPと大差が無く、前記説明とほぼ同様にロードセル荷重印加部4bにおいては荷重として感知されない。
【0024】
従って、本発明の構成によれば、昇降用エアシリンダ3が発生させる圧着力により、充填バルブ1の開口部を洗浄用キャップ12により塞いで、前記「定位置非分解洗浄(CIP)」作業を実施しても、ロードセル4にはほとんど外力は作用せず、余分な荷重が付加されることはない。
なお、洗浄用キャップ12に円形平パッキン12aを適用したのは、該洗浄用キャップ12が複数のガイドピン11aに案内されながら、円滑に昇降しなければならないので、充填バルブ1の開口部との同芯性に多少の余裕を持たせるためである。
【符号の説明】
【0025】
1 充填バルブ
1a バルブ本体
1b 液弁駆動部
1c 液弁
1e ガス通路
2 バルブ保持部材
2a バルブ保持部材の取り付け脚
2b 上部の横方向部材
3 昇降用エアシリンダ
3a 出力ロッド
4 ロードセル
4a ロードセル函体
4b ロードセル荷重印加部
5 容器把持装置
5a 基盤部
5b 凸部
6 容器
7 液弁駆動エア用配管
8 充填液供給配管
9 ガスライン用配管
10 キャップホルダー進退用エアシリンダ
11 キャップホルダー
11a ガイドピン
11b 戻りばね
12 洗浄用キャップ
12a 円形平パッキン
20 ウェイト計量式充填装置
α ばねの発生する反撥力
f 充填時昇降用エアシリンダの発生する圧接力
P 洗浄時昇降用エアシリンダの発生する圧接力
B 構造体
F ロータリー式充填機械
I 入口スターホイール
O 出口スターホイール
〔1〕 容器導入〜容器密封工程
〔2〕 カウンタ加圧工程
〔3〕 空容器重量計測工程
〔4〕 充填工程
〔5〕 ホールド工程
〔6〕 スニフト工程
〔7〕 重量計測工程
〔8〕 容器開放〜容器排出工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に液通路を有し、液通路を開閉する液弁及び液弁駆動部を有する充填バルブと、充填バルブと構造体間に設置した充填液用及び液弁駆動用の接続配管と、構造体に設置したロードセルによって構成されたウェイト計量式充填装置において、
容器把持装置とその基盤部を鉛直に昇降させるためのガイドを備えた駆動エアシリンダと、充填バルブ下方に取付けられた容器シール部材と、
容器を加減圧するためのガス通路を加えて充填バルブをロードセルの荷重印加部に剛接し、
接続配管に加圧ガス兼リターンガス用の配管を加えて全ての接続配管に可撓性を持たせて、加圧充填下で液充填量をロードセルで測定することを特徴とするウェイト計量式充填装置。
【請求項2】
前記充填バルブの「定位置非分解洗浄(CIP)Clean In Place」工程に連係して、ガイドを介して所定範囲内の上下動を許容するように洗浄用キャップを弾性的に支持するキャップホルダーを、水平方向に進退動させるエアシリンダが前記構造体に固定してあり、
前記充填バルブの「定位置非分解洗浄(CIP)」工程に連係して、前記容器把持装置とその基盤部が、前記ガイド並びに駆動エアシリンダの作用により鉛直に昇降して、
前記洗浄用キャップを、前記充填バルブ口に密封蓋をするように圧着可能に構成されることを特徴とするウェイト計量式充填装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−79567(P2011−79567A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−235431(P2009−235431)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【出願人】(505193313)三菱重工食品包装機械株式会社 (146)
【Fターム(参考)】