説明

ウェイト計量式充填装置

【課題】容器口のシール力、並びにカウンタ圧による荷重を充填バルブと容器の保持手段との間の内力とし、前記両者を一体物として、その重量のみをロードセルに付加し得る構成を提供する。
【解決手段】内部に液通路1gを有し、同液通路1gを開閉する液弁1e及び液弁駆動部1dを有する充填バルブ1と、同充填バルブ1とロータリー式充填機械の構造体間に設置した充填液用及び液弁駆動用の接続配管7,8と、同構造体に設置したロードセル4によって構成されたウェイト計量式充填装置10において、充填バルブ1に容器6を密封するための容器シール手段1fと、容器6を加減圧するためのガス通路1hを加えて充填バルブ1をロードセル4の荷重印加部4bに固定し、接続配管7,8に加圧ガス兼リターンガス用の配管9を加えて全ての接続配管に可撓性を持たせて、加圧充填下で液充填量をロードセル4で測定することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壜、PETボトル、缶等の容器に、充填重量を計測しつつ、液体を充填する装置に関し、詳しくは、炭酸飲料等のガス入り液体のガス圧力並びにシール力等の影響を受けずに精度の良い充填重量が得られる液体の充填装置に関する。
【背景技術】
【0002】
清涼飲料には、コーヒー・紅茶・緑茶及び天然果汁等のノンガス飲料と、サイダー及びコーラ等のガス入り飲料とがあるが、ガス入り液体を、容器に充填する際には、ガス入り液体の供給手段と該容器の注液部を密着し外界から遮断しておき、且つ溶解ガスの飽和圧力より高い圧力で加圧しておく必要がある。これは、充填液中の溶解ガスが容器内で発泡することなく、容器に流入するために必要な条件である。
従って、ガス入り液体の供給手段(給液配管並びに充填バルブ)と、容器の支持若しくは把持手段を備えたガス入り液体の充填装置においては、前記充填バルブと容器口とを密着させ外界から遮断するシール力が容器に加えられ、且つ溶解ガスの飽和圧力よりも高い圧力(カウンタ圧力)が容器内に作用するため、該容器に垂直外力がかかるので、重量を基に充填量(入味)の測定と制御を行うことが困難であった。
【0003】
このため、従来技術では、ガス入り液体の給液配管部分にタービン式流量計若しくは超音波渦流量計(特許文献1参照)或いは電磁流量計を設置しておき、流量を積算することにより、入味を測定・制御する方法が一般的であった。
前記タービン式、超音波渦式、或いは電磁流量計等の流量計は、給液配管の計測部を通過する液体の流量を積算することにより、充填量として算出しているために、測定精度は良好とは言い得ないものである。
【0004】
一方、充填液の供給手段(充填バルブ)と容器口を密着・シールする必要が無いノンガス飲料用充填装置においては、当該容器の支持若しくは把持手段の下部或いは近辺に計重手段(ロードセル)を備えた、入味精度の良い重量計測式充填装置が使用されている。
特許文献2は、ノンガス飲料の重量計測式充填装置の構成概要及び問題点と、その解決手段を紹介している。
即ち、垂直方向の荷重を検出するように設置されたロードセルと、このロードセルから水平に突出させた荷重印加部と、この荷重印加部に取り付けられ、荷重印加部のロードセルからの突出方向と逆の方向から押し込まれた容器の首部を弾力性により把持するグリップ手段と、グリップ手段に把持されている容器内に液体を充填する充填ノズルを備え、前記ロードセルによって荷重を検出しつつ、グリップ手段に把持されている容器内に所定量の液体の充填を行うウェイトフィラである。
【0005】
本特許文献においては、グリップ手段にかかる水平方向の力を問題として、過大な水平方向力を回避する構造を紹介しているが、ガス入り液体充填装置特有の充填バルブと容器口とを密着させるシール力、及びカウンタ圧力等の容器にかかる垂直外力の問題について全く触れておらず、本発明者を含む関係者の調査範囲においては、前記シール力及びカウンタ圧力等の容器にかかる垂直力の影響を排除した重量計測式充填装置の公知技術は発見できなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第3540428号公報(図1、図3、図4)
【特許文献2】特開2001−39493号公報(図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来の技術(特許文献2)において、ノンガス飲料の重量計測式充填の場合は、大気圧中で容器に液を充填中に、充填容器の支持若しくは把持手段に連結されたロードセルを介して、当該容器の充填液を含めた全重量を計測し、その重量が所定の値に達した時点で充填を停止する方式を提案している。即ち、前記全重量から空容器重量(風袋)を差し引いた値が、充填したノンガス液の重量である。
ガス入り飲料の充填の場合には、前記全重量に容器口のシール力並びにカウンタ圧力による荷重が加わり、それを含めた全重量は、充填液を含めた容器の重量よりも大きな値になることが多く、またカウンタ圧力の変動、シール力の変動などによっても変化してしまい、そのままでは安定したウェイト計量式充填装置を構成することが困難であった。従って、容器口のシール力、並びにカウンタ圧による荷重を充填バルブと容器の保持手段との間の内力とし、前記両者を一体物として、その重量のみをロードセルに付加し得る構成を発明する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の各課題に対し、本発明は以下の各手段により課題の解決を図る。
(1)第1の手段のウェイト計量式充填装置は、内部に液通路を有し、同液通路を開閉する液弁及び液弁駆動部を有する充填バルブと、同充填バルブとロータリー式充填機械の構造体間に設置した充填液用及び液弁駆動用の接続配管と、同構造体に設置したロードセルによって構成されたウェイト計量式充填装置において、前記充填バルブに容器を密封するための容器シール手段と、同容器を加減圧するためのガス通路を加えて前記充填バルブをロードセルの荷重印加部に固定し、前記接続配管に加圧ガス兼リターンガス用の配管を加えて全ての接続配管に可撓性を持たせて、加圧充填下で液充填量をロードセルで測定することを特徴とする。
【0009】
(2)第2の手段のウェイト計量式充填装置は、第1の手段のウェイト計量式充填装置において、前記容器シール手段が容器把持装置を有する容器昇降手段と、前記充填バルブ下方に取り付けられた容器シール部材と、前記容器を容器シール部材に押し付けるための付勢手段から構成されることを特徴とする。
【0010】
(3)第3の手段のウェイト計量式充填装置は、第1の手段のウェイト計量式充填装置において、前記容器シール手段が前記充填バルブと密封を保ちながら鉛直方向に昇降可能なセンタリングベルと、同ベルの昇降手段と、同ベルの下方に取り付けられた容器シール部材と、前記ロードセルの荷重印加部に固定した容器把持装置或いは容器保持装置から構成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の効果は、容器のシール時及びカウンタ圧力印加時に容器に作用する鉛直方向荷重を、全て構造体から独立した充填バルブの内力として吸収し、容器のシール手段、加減圧通路を含む充填バルブ、容器及び充填液等の重量のみをロードセルによって計測可能にすることと、充填バルブに接続されるガス配管と液配管に関しては、配管に可撓性を持たせることで、定常運転時におけるガス及び充填液から作用する外力を一定に保ち、前記重量への一定バイアスと見なし得るよう構成しておくことにより、ロードセルによる液充填中の計測重量が、目標充填重量に液充填前の計測重量を加算し、さらに落差量を減算した値に達したときに充填を停止する方法によって、加圧充填下で液充填量をロードセルで測定することによりウェイト計量式充填装置を提供する効果がある。
【0012】
請求項2に係る効果は、容器シール手段として容器を昇降して密封・開放をする構成を採用しているため、充填バルブの構造が比較的簡単で、洗浄性が良い効果がある。
請求項3に係る効果は、容器シール手段としてセンタリングベルを昇降して開放・密封をする構成を採用しているため、セルフシール構造が可能となり、付勢手段が小さな力でよく、液充填後の容器は水平移動のみで、液こぼれの少ない充填装置を提供する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るウェイト計量式充填装置の充填時の状態を示す側面断面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るウェイト計量式充填装置の容器導入時若しくは容器排出時の状態を示す側面断面図である。
【図3】ロータリー式充填機械の充填工程を示した概略機能説明図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るウェイト計量式充填装置の充填時の状態を示す側面断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るウェイト計量式充填装置の容器導入時若しくは容器排出時の状態を示す側面断面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係るウェイト計量式充填装置の充填時の状態を示す側面断面図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態に係るウェイト計量式充填装置の容器導入時若しくは容器排出時の状態を示す側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施形態を図に基づいて説明する。図1は、ウェイト計量式充填装置の充填バルブと容器口が密着し、液体の充填が可能になっている状態を示す側面断面図、図2は、図1の充填バルブと容器口が分離・開放され、容器の受け渡しが可能になっている状態を示す側面断面図である。図3は、本発明の充填装置を図示せぬ垂直軸線(図1の右方向に位置する)を中心に水平面内で回転する旋回台(図示せず)周辺に複数配置した、ロータリー式充填機械の出入口装置を含めた模式平面配置図に、充填工程を記入した概略機能説明図である。
図3において、矢印S方向から入口スターホイールIの容器把持装置(図示せず)に供給された容器は、ロータリー式充填機械Fの旋回台周辺に複数配置されたウェイト計量式充填装置10(図1及び図2参照)の容器把持装置5に受け取られ、容器導入が行われる。
【0015】
図1において、前記ロータリー式充填機械Fの図示せぬ旋回台と一体の構造体Bに固定されたロードセル4は、ロードセル固定部4aと水平に延びる他端のロードセル荷重印加部4bから構成され、当該荷重印加部4bの上下には、上下方向の過大な荷重がかかった時の保護手段として、撓みストッパー4cが備えられている。
前記ロードセル荷重印加部4bの延長端には、充填バルブ1が固着されている。ウェイト計量式充填装置10は、ロードセル荷重印加部4bに固定するためのバルブ保持部材1b、内部に液通路1g、ガス通路1hを有するバルブ本体1a、液通路1gを開閉する液弁1e及び液弁駆動部1d、バルブ本体1a下部に取り付けた容器シール部材1fからなる充填バルブ1と、容器昇降手段2並びに圧縮ばね等の付勢手段3から構成されている。
【0016】
前記容器昇降手段2は、バルブ本体1aと一体のロッドガイド1cに案内され、前記バルブ本体1aに平行に昇降するロッド2aと、該ロッド2aの下端部に備えられた把持装置取り付け部材2c、並びに容器把持装置5により構成されている。把持装置取り付け部材2cは、バルブ本体1aに対して昇降可能に貫通穴2dを有している。把持装置取り付け部材2cは、二つ割りの構造でもよい。壜、缶等の容器6の口を前記容器シール部材1fの下端に密着、或いは開放・対峙させることが可能な構造になっている。容器把持装置5は、開閉動作する一対の把持アームからなる周知のグリッパ(例えば、特許第3881662号)で構成されている。また、容器昇降手段2のロッド2aの上端部は、水平に延びる平板部2eになっていて、その上面はロッド押え12aと対峙、或いは接触し得る位置に調整されており、該平板部2eの下面には付勢手段3の上端部の受け座2bが設けられている。当該付勢手段3の下端部は、前記バルブ本体1aの上端部に設けられた受け座に支持されている。
従って、図1に示すごとく、前記ロッド押え12aが前記平板部2eと対峙して、両者間に隙間があるときには、前記付勢手段3の伸張力がロッド2aを押し上げており、該ロッド2aの下端の把持装置取り付け部材2c及び容器把持装置5の引き上げにより、容器6の口は充填バルブ1の下端の容器シール部材1fに密着することになる。
【0017】
さらに図1において、構造体B内には充填液供給配管P、ガス配管及び閉止弁D、液弁駆動用配管Aが固定されている。
また、充填バルブ1と構造体Bとの間は、可撓部を有する接続配管である充填液供給配管8、ガスライン用配管9、液弁駆動エア用配管7とそれぞれ接続されている。
図1の状態で、ロードセル荷重印加部4bにかかる荷重を吟味すると、前記容器6の口と充填バルブ1の下端部の容器シール部材1fとの密着力は、付勢手段3が発生する内力であり、ロードセルへの荷重にはなり得ないことが判る。従って当該荷重としては、充填バルブ1の重量、容器6(充填液が内在すればそれを含める)の重量、並びに前記各配管7,8,9の重量の一部(ほぼ、二分の一で一定量)である。なお、充填バルブ1の重量と充填液供給配管8の重量には、ロータリー式充填機械Fが稼動中は常に液で満たされていることから、満杯の液重量の所定割合を加えておく必要がある。
この他に、ロードセル荷重印加部4bにかかる荷重としては、充填液が持つ液圧及びガス圧、カウンタ圧力等が考えられるが、これらは充填バルブ1とそれに密着した容器6で形成する閉空間内の内力となり、ロードセル荷重印加部4bにかかる鉛直方向荷重にはなり得ない。前記各種の圧力が、ロードセル荷重印加部4bにかかる鉛直方向荷重にはなり得るのは、前記各配管7,8,9の曲げ剛性による鉛直方向の力であるが、この力は充填中には変化しない。
【0018】
上記のロードセル荷重印加部4bにかかる鉛直方向荷重の吟味から、ガス入り液体の充填量を当該ロードセル4の重量計測により把握するためには、
液充填中の計測重量=充填バルブ1の重量+充填バルブ1内の液の重量+各配管7,8,9の部分重量+充填液供給配管8内の液の部分重量+各配管7,8,9の曲げ剛性による鉛直力
+容器6の重量+容器6内の充填液の重量
から、
液充填前の計測重量=充填バルブ1の重量+充填バルブ1内の液の重量+各配管7,8,9の部分重量+充填液供給配管8内の液の部分重量+各配管7,8,9の曲げ剛性による鉛直力
+容器6の重量
を差し引けば良いことになる。
【0019】
図3において、矢印S方向から入口スターホイールIの容器把持装置(図示せず)に供給された容器6は、ロータリー式充填機械Fの旋回台周辺に複数配置されたウェイト計量式充填装置10の容器把持装置5に受け取られ(図2参照)、前記旋回台が時計回りに旋回し、容器導入〜容器密封工程〔1〕を進むにしたがって、カムフォロワー12cを下方に押付けているカムCの作用を解除して、カムフォロワー12cと一体となって昇降するロッド押え12aを上昇させることによって容器口をバルブ下端の容器シール部材1fに密着・密封する。(図1参照)ロッド押え12aは、構造体Bに固定されたガイド12bによって昇降自在となっている。
次いで、当該容器6は旋回台の旋回とともにカウンタ加圧工程〔2〕へ搬送され、ガス配管及び閉止弁D(図1参照)の作動によって、容器6内を加圧し、その後、空の容器6(液充填前)の重量計測工程〔3〕に入る。この工程〔3〕において、ロードセル4の発する重量信号は充填バルブ1の制御装置(図示せず)に記憶される。
【0020】
ロータリー式充填機械Fの旋回台はさらに時計回りに旋回し、充填工程〔4〕に入ると、前記充填バルブ1の制御装置(図示せず)は、指令を送って構造体B内の電磁弁11を作動させ、ピストンからなる液弁駆動部1d及び液弁駆動エア用配管7内のエアを抜いて液弁1eを上昇させて開いて液体の充填を行い、その後、前記充填バルブ1の制御装置(図示せず)からの液弁閉止指令に対して即応可能な状態を維持する。
一方、前記充填バルブ1の制御装置(図示せず)は、空の容器6(液充填前)の重量計測工程〔3〕において、ロードセル4の発する重量信号を受信し記憶してから後も、当該ロードセル4の発する重量信号を引き続き監視しており、信号の値が下記の限界値に等しくなった時点で、指令を送って電磁弁11を作動させ、液弁駆動エア用配管7を介して液弁駆動用エアを液弁駆動部1dに送り、液弁1eを閉じる。
限界値=所定の充填液重量−落差量+液充填前の計測重量
【0021】
次いで、ホールド工程〔5〕は充填液の波打ちや発泡を抑えるための静置であり、充填は停止したまま充填済み容器6は搬送される。
スニフト工程〔6〕は、カウンタ圧力の解除であり、ガス配管及び閉止弁D(図1参照)の作動によって、容器6内のガスを排出し大気圧に戻す。
次の重量計測工程〔7〕において、あらためてロードセル4の計測重量データを品質管理用コンピュータ(図示せず)に伝送し、該コンピュータは前記液充填前の空の容器の重量計測工程〔3〕での計測重量と差し引き演算を行う。
なお、工程〔2〕〜〔7〕の充填装置の状態は、図1に示された通りである。
前記ロータリー式充填機械Fの旋回台最後の工程は、出口スターホイールOの直前の容器開放〜容器排出工程〔8〕である。この時には、図2に示されるように、付勢手段3の伸張力に抗して、カムCがカムフォロワー12cを押し下げ、カムフォロワー12cと一体となって昇降するロッド押え12aがロッド2aの上端部に形成された水平に延びる平板部2eを介して、把持装置取り付け部材2c並びに容器把持装置5を押し下げるので、容器6は充填バルブ下端との密着を解除され下降する。その後、該容器6は、出口スターホイールOの把持装置(図示せず)に受け渡されて、T方向に備えられた封栓機器に搬送されて行く。
【0022】
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態の構成が、第1の実施の形態の構成と異なる点は、容器把持装置25並びに容器26は昇降せず、充填バルブ21に付設されたセンタリングベル22cが昇降して、壜、缶等の容器26の口を前記バルブ21から開放、或いは下端部に連結させる構成になっていることである。機能的には略同様である。
以下に図に基づいて第2の実施の形態を説明する。図4は、ウェイト計量式充填装置20の充填バルブ下部の容器シール部材22fと容器口が密着し、ガス入り液体の充填が可能になっている状態を示す側面断面図、図5は、図4の充填バルブ下部の容器シール部材22fと容器口が分離・開放され、容器26の受け渡しが可能になっている状態を示す側面断面図である。図3は、本発明の充填装置を図示せぬ垂直軸線(図4の右方向に位置する)を中心に水平面内で回転する旋回台(図示せず)周辺に複数配置した、ロータリー式充填機械の出入口装置を含めた模式平面配置図に、充填工程を記入した概略機能説明図であり、第2の実施の形態の作用と充填工程の関係を説明する際にも引用できるものである。
【0023】
図4において、前記ロータリー式充填機械Fの図示せぬ旋回台と一体の構造体Bに固定されたロードセル24は、図示せぬロードセル固定部と水平に延びる他端のロードセル荷重印加部24bから構成され、当該荷重印加部24bの上下には、上下方向の過大な荷重がかかった時の保護手段として、撓みストッパー(図示せず)が備えられている。
前記ロードセル荷重印加部24bの延長端には、充填バルブ21が固着されている。ウェイト計量式充填装置20は、ロードセル荷重印加部24bに固定するためのバルブ保持部材21b、内部に液通路21g、ガス通路21hを有するバルブ本体21a、液通路21gを開閉する液弁21e及び液弁駆動部21d、バルブ本体21aとベルシール部材22gによって密閉を保ちながら昇降可能なセンタリングベル22cの下部に取り付けられた容器シール部材22f、バルブ保持部材21bに取り付けられた容器把持装置25からなる充填バルブ21と、ベル昇降手段22並びに圧縮ばね等の付勢手段23から構成されている。
【0024】
前記ベル昇降手段22は、ロッドガイド21cに案内され、前記バルブ本体21aに平行に昇降するロッド22a及びベル取付部材22jから構成されており、ベル取付部材22jによってロッド22aにセンタリングベル22cが取り付けられている。
ロッド22aの上端部には、カムフォロワー32cと一体の昇降部材32aの下方に設けられたフックに係合する係合部材22bが設けてあり、また、該ロッド22aの中間部には水平に突出したロッド側付勢手段受け座22hが設けてあって、バルブ本体21aの上方に延びるバルブ端部材21fに備えられたバルブ端付勢手段受け座21iとの間に挟圧された付勢手段23の伸張力によって、該ロッド22a並びに下端部に付設されたセンタリングベル22cは、下方に付勢されている。昇降部材32aは、構造体Bに固定されたガイド32bによって昇降自在となっている。
一方、液体を充填される容器26は、前記バルブ保持部材21bの下面に、水平かつ把持中心が前記充填バルブ21の中心に一致するように、取り付けられた容器把持装置25によって保持されているので、下方に付勢されているセンタリングベル22cは、容器26の口に密着し、容器シール部材22fの作用で容器を密封する。
【0025】
図4の状態で、ロードセル荷重印加部24bにかかる荷重を吟味すると、前記容器口とセンタリングベル22cとの密着力は、付勢手段23が発生する内力であり、ロードセル24の荷重にはなり得ないことが判る。従って当該荷重並びに液体の充填量(重量ベース)については、第1の実施の形態の扱い方と同様になる。
図5の状態は、図3の容器導入〜容器密封工程〔1〕及び容器開放〜容器排出工程〔8〕のときのものである。
即ち、カムCが作用してカムフォロワー32cを押し上げており、カムフォロワー32cの下方に設けられたフックが、ロッド22aの上端に設けられた係合部材22bに係合して引き上げるため、センタリングベル22cは容器口から分離しており、容器26は容器把持装置25に受け渡されることも、また、容器把持装置25から分離し引き取られることも可能になっている。
【0026】
(第3の実施の形態)
第3の実施の形態の構成が、第2の実施の形態の構成と異なる点は、容器の把持装置は存在せず、壜、缶等の容器56は入口スターホイールI(図3参照)から送り込まれて、バルブ保持部材51bの下部に直接載置されていることである。機能的には略同様である。
以下に図に基づいて第3の実施の形態を説明する。図6は、ウェイト計量式充填装置30の充填バルブ下部の容器シール部材52fと容器口が密着し、ガス入り液体の充填が可能になっている状態を示す側面断面図、図7は、図6の充填バルブ下部の容器シール部材52fと容器口が分離・開放され、容器56の受け渡しが可能になっている状態を示す側面断面図である。図3は、本発明の充填装置を旋回台周辺に複数配置した、ロータリー式充填機械の出入口装置を含めた模式平面配置図に、充填工程を記入した概略機能説明図であり、第3の実施の形態の作用と充填工程の関係を説明する際にも引用できるものである。
【0027】
図6において、前記ロータリー式充填機械Fの図示せぬ旋回台と一体の構造体Bに固定されたロードセル54は、図示せぬロードセル固定部と水平に延びる他端のロードセル荷重印加部54bから構成され、当該荷重印加部54bの上下には、上下方向の過大な荷重がかかった時の保護手段として、撓みストッパー(図示せず)が備えられている。
前記ロードセル荷重印加部54bの延長端には、充填バルブ51が固着されている。ウェイト計量式充填装置30は、ロードセル荷重印加部54bに固定するためのバルブ保持部材51b、内部に液通路51g、ガス通路51hを有するバルブ本体51a、液通路51gを開閉する液弁51e、及び液弁駆動部51d、バルブ本体51aとベルシール部材52gによって密閉を保ちながら昇降可能なセンタリングベル52c、その下方に取り付けられた容器シール部材52f、バルブ保持部材51bに取り付けられた、例えば特許第3521816号等に開示されている加速アーム55等からなる充填バルブ51と、センタリングベル昇降手段52並びに付勢手段53から構成されている。
【0028】
前記センタリングベル昇降手段52は、ロッドガイド51cに案内され、前記バルブ本体51aに平行に昇降するロッド52a及びセンタリングベル取付部材52jから構成されており、センタリングベル取付部材52jによってロッド52aにセンタリングベル52cが取り付けられている。ロッド52aの上端部には、カムフォロワー62cと一体の昇降部材62aの下端に設けられたフックに係合する係合部材52bが設けてあり、また、該ロッド52aの中間部には水平に突出したロッド側付勢手段受け座52hが設けてあって、バルブ本体51aの上方に延びるバルブ端部材51fに備えられたバルブ端付勢手段受け座51iとの間に挟圧された付勢手段53の伸張力によって、該ロッド52a並びに下端部に付設されたセンタリングベル52cは、下方に付勢されている。昇降部材62aは、構造体Bに固定されたガイド62bによって昇降自在となっている。
一方、液体を充填される容器56は、前記バルブ保持部材51bの下部に水平、かつ容器中心が前記バルブ51の中心に一致するように載置されているので、下方に付勢されているセンタリングベル52cは、容器56の口に密着し、容器シール部材52fの作用で缶を密封する。
【0029】
図6の状態で、ロードセル荷重印加部54bにかかる荷重を吟味すると、前記容器口とセンタリングベル52cとの密着力は、付勢手段53が発生する内力であり、ロードセル54の荷重にはなり得ないことが判る。従って当該荷重並びに液体の充填量(重量ベース)については、第1の実施の形態の扱い方と同様になる。
図7の状態は、図3の容器導入〜容器密封工程〔1〕及び容器開放〜容器排出工程〔8〕のときのものである。
即ち、カムCが作用してカムフォロワー62cを押し上げており、カムフォロワー62cの下方に設けられたフックが、ロッド52aの上端に設けられた係合部材52bに係合して引き上げるため、センタリングベル52cは容器口から分離しており、容器56は容器搬送装置(図示せず)に受け渡されることも、また、容器搬送装置から分離し引き取られることも可能になっている。
【0030】
なお、第1及び第2の実施の形態の構成において、カムフォロワー12c、32cを機能させる手段として、カムCに代えて手動切替弁制御の空気圧シリンダを用いてもよい。
また、ロードセル4、24を固定する構造体も、ロータリー式充填機械の構造体Bに限定せず、本発明のガス入り液体充填装置一式を付設したスタンドに代えてもよい。
さらに、カムフォロワー12c、32cを機能させる手段として、作業者の発揮する直接的押し下げ力、あるいは位置のロックが可能な手動レバーを用いることも含めることができる。
【符号の説明】
【0031】
1、21、51 充填バルブ
1a、21a、51a バルブ本体
1b、21b,51b バルブ保持部材
1d、21d,51d 液弁駆動部
1e、21e、51e 液弁
1f、22f,52f 容器シール部材
1g、21g,51g 液通路
1h、21h,51h ガス通路
2 容器昇降手段
2a、22a,52a ロッド
2c 把持装置取り付け部材
3,23,53 付勢手段
4、24,54 ロードセル
4b、24b,54b ロードセル荷重印加部
5、25 容器把持装置
6,26,56 容器
7,27 液弁駆動エア用配管
8,28 充填液供給配管
9,29 ガスライン用配管
10,20,30ウェイト計量式充填装置
12c、32c,62c カムフォロワー
21b、51b バルブ保持部材
22、52 センタリングベル昇降手段
22g、52g ベルシール部材
22j、52j ベル取付部材
55 加速アーム
A 液弁駆動用配管
B 構造体
C カム
D ガス配管及び閉止弁
F ロータリー式充填機械
I 入口スターホイール
O 出口スターホイール
P 充填液供給配管
〔1〕容器導入〜容器密封工程
〔2〕カウンタ加圧工程
〔3〕空容器重量計測工程
〔4〕充填工程
〔5〕ホールド工程
〔6〕スニフト工程
〔7〕重量計測工程
〔8〕容器開放〜容器排出工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部に液通路を有し、同液通路を開閉する液弁及び液弁駆動部を有する充填バルブと、同充填バルブとロータリー式充填機械の構造体間に設置した充填液用及び液弁駆動用の接続配管と、同構造体に設置したロードセルによって構成されたウェイト計量式充填装置において、前記充填バルブに容器を密封するための容器シール手段と、同容器を加減圧するためのガス通路を加えて前記充填バルブをロードセルの荷重印加部に固定し、前記接続配管に加圧ガス兼リターンガス用の配管を加えて全ての接続配管に可撓性を持たせて、加圧充填下で液充填量をロードセルで測定することを特徴とするウェイト計量式充填装置。
【請求項2】
前記容器シール手段が容器把持装置を有する容器昇降手段と、前記充填バルブ下方に取り付けられた容器シール部材と、前記容器を容器シール部材に押し付けるための付勢手段から構成されることを特徴とする請求項1に記載のウェイト計量式充填装置。
【請求項3】
前記容器シール手段が前記充填バルブと密封を保ちながら鉛直方向に昇降可能なセンタリングベルと、同ベルの昇降手段と、同ベルの下方に取り付けられた容器シール部材と、前記ロードセルの荷重印加部に固定した容器把持装置或いは容器保持装置から構成されることを特徴とする請求項1に記載のウェイト計量式充填装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−206783(P2012−206783A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−172040(P2012−172040)
【出願日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【分割の表示】特願2008−311224(P2008−311224)の分割
【原出願日】平成20年12月5日(2008.12.5)
【出願人】(505193313)三菱重工食品包装機械株式会社 (146)
【Fターム(参考)】