説明

ウェハレンズユニットおよびウェハレンズユニットの製造方法

【課題】複数枚のウェハレンズアレイを適切なギャップで貼り合わせたウェハレンズモジュールを提供する。
【解決手段】一次元または二次元に配列される複数のレンズ部と、該レンズ部を相互に連結する基板部とを有するウェハレンズアレイ1を複数枚重ね合わせたウェハレンズユニットであって、前記ウェハレンズアレイ1の隣接する2枚同士が、球状粒子であるスペーサー3を含有した接着層2を介して、基板部表面同士のみで接合している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明はウェハレンズユニットおよびウェハレンズユニットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などの電子機器の携帯端末には、小型で薄型な撮像ユニットが搭載されている。このような撮像ユニットは、一般に、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの固体撮像素子と、固体撮像素子上に被写体像を形成するためのレンズと、を備えている。携帯端末の小型化・薄型化に伴って撮像ユニットの小型化・薄型化が要請されている。また、携帯端末のコストの低下を図るため、製造工程の効率化が望まれている。このような小型かつ多数のレンズを製造する方法としては、基板部に複数のレンズ部を成形した構成であるウェハレンズアレイを製造し、基板部を切断して複数のレンズ部をそれぞれ分離させることでレンズモジュールを量産する方法が知られている。また、複数のレンズ部が形成された基板部と複数の固体撮像素子が形成されたセンサ基板とを一体に組み合わせ、レンズと固体撮像素子をセットとして含むように基板とともにセンサ基板を切断することで撮像ユニットを量産する方法が知られている。
従来、ウェハレンズに関する文献としては、例えば、特許文献1〜4が知られている。特許文献1には、複数のレンズが成形された基板を重ね合わせた多層のウェハレンズの構成が記載されている。特許文献2には、基板上に成形材料を供給し、型によって該基板上にレンズを成形する方法が記載されている。また、複数のレンズを有するものとして、上述のウェハレンズとは別に、基板と一体でない構成を有するマイクロレンズアレイが知られている。例えば特許文献3には、基板の片面に形成された樹脂層を、孔付き基板に圧着硬化させることで、型を不要としている。また特許文献4においては、2層構造のマイクロレンズアレイを製造するにあたり、層の光軸を合わせる技術が掲載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2005−539276号公報
【特許文献2】国際公開第07/107025号
【特許文献3】特開平7−248404
【特許文献4】特開2003−294912
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、携帯電話で使用されているような2枚または3枚のウェハレンズアレイからなるウェハレンズユニットを作製する場合、複数のウェハレンズアレイを適切なギャップで貼り合せることが必要である。ウェハレンズアレイを貼り合わせた際のギャップの変動は、レンズユニットとしての光学性能に大きな問題を引き起こすからである。例えば、設計値に対して5μm程度のギャップの増減があると偏芯が大きく低下する。また、レンズの外周部のギャップに分布が生じるとレンズに傾きが生じて偏芯が大きく低下してしまう。
ここで、特許文献1では、接着層と接着層の間にスペーサーを形成してギャップを調整している。しかしながら、この方法では、作業工程が多くなってしまう。
また、ウェハレンズアレイの全面に接着剤を適用した方が、レンズ同士が安定し、ギャップの調整がしやすいが、レンズ部分に接着層が存在するとレンズ性能に問題が生じる可能性がある。
すなわち、ウェハ状態のレンズを貼り合わせる際には、基板部のみに接着層を設け、かつ、所望のギャップを高精度に調整した状態で貼れることが求められる。本願発明はかかる要求に答えるものであって、複数枚のウェハレンズアレイを適切なギャップで貼り合わせる方法およびかかる方法により得られるウェハレンズユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題の下、本願発明者は、接着層中にスペーサーを分散させ、接着層自体によって、ギャップを調整することを検討した。そして、この方法では、レンズ間のギャップが高精度に調整されるため、基板部のみに接着層を設けても十分に高性能なウェハレンズモジュールが得られることが分かった。具体的には以下の手段により達成された。
【0006】
(1)一次元または二次元に配列される複数のレンズ部と、該レンズ部を相互に連結する基板部とを有するウェハレンズアレイを複数枚重ね合わせたウェハレンズユニットであって、前記ウェハレンズアレイの隣接する2枚同士が、スペーサーを含有した接着層を介して、基板部表面同士のみで接合していることを特徴とするウェハレンズユニット。
(2)前記スペーサーが、球状粒子である、(1)に記載のウェハレンズユニット。
(3)接着層が、紫外光、可視光および赤外光の少なくともいずれかの光を遮光する層であることを特徴とする、(1)または(2)に記載のウェハレンズユニット。
(4)接着層が、パターニングにより形成されていることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれか1項に記載のウェハレンズユニット。
(5)接着層が、インクジェットまたはスクリーン印刷により形成されていることを特徴とする、(4)に記載のウェハレンズユニット。
(6)接着層が、基板部のみに対応するように成形された接着シートである、(1)〜(3)のいずれか1項に記載のウェハレンズユニット。
(7)前記ウェハレンズアレイの材料と接着層を構成する材料の70重量%が共通することを特徴とする、(1)〜(6)のいずれか1項に記載のウェハレンズユニット。
(8)(1)〜(7)のいずれか1項に記載のウェハレンズユニットをダイジングしてレンズ部毎に分断してなるレンズモジュール。
(9)(8)に記載のレンズモジュールを備えた撮像ユニットであって、撮像素子と、前記撮像素子が設けられた半導体基板とを備え、前記基板部と前記半導体基板とが、スペーサを介して一体に接合している撮像ユニット。
(10)一次元または二次元に配列される複数のレンズ部と、該レンズ部を相互に連結する基板部とを有するウェハレンズアレイ同士を、スペーサーを含有した接着層を介して、基板部表面同士のみで接合させることを含む、ウェハレンズユニットの製造方法。
(11)前記スペーサーとして、球状粒子を用いることを特徴とする、(10)に記載のウェハレンズユニットの製造方法。
(12)ウェハレンズアレイ同士を真空下で接合させることを特徴とする、(10)または(11)に記載のウェハレンズユニットの製造方法。
【発明の効果】
【0007】
本願発明により、ウェハレンズアレイ同士のギャップを基板部のみで高精度に制御可能となった。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、本願発明における、ウェハレンズアレイを貼り合わせて、ウェハレンズユニットを形成する工程の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下において、本願発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
【0010】
本願発明のウェハレンズユニットは、一次元または二次元に配列される複数のレンズ部と、該レンズ部を相互に連結する基板部とを有するウェハレンズアレイを複数枚重ね合わせたウェハレンズユニットであって、前記ウェハレンズアレイの隣接する2枚同士が、スペーサーを含有した接着層を介して、基板部表面同士のみで接合していることを特徴とする。このように、スペーサーを含有した接着層を採用し、かつ、基板部表面同士のみを接合させることにより、ウェハレンズユニット間のギャップを適切に維持し、かつ、レンズ部の光学特性に影響を与えずにウェハレンズアレイ同士を重ね合わせることが可能になる。また、基板部の表面同士を接合させることにより、レンズ部にゴミ等が侵入できなくなり、より光学特性を高めることが可能になる。尚、本発明では、前記ウェハレンズアレイの隣接する2枚同士が、スペーサーを含有した接着層を介して、基板部表面同士のみで接合していることを特徴とするが全てのウェハレンズアレイが、スペーサーを含有した接着層を介して、基板部表面同士のみで接合していてもよい。以下、本願発明の詳細について説明する。
【0011】
ウェハレンズアレイ
本願発明では、一次元または二次元に配列される複数のレンズ部と、該レンズ部を相互に連結する基板部とを有するウェハレンズアレイを用いる。ウェハレンズアレイ上のレンズ部と基板部とは実質的に同等の光学特性を有する硬化型樹脂から構成され、該基板部とレンズ部は一体に成形されたものである。レンズ部の形状は特に限定されず、用途などによって適宜変形される。実質的に同等の光学特性を有する硬化型樹脂とは、基板部とレンズ部のそれぞれの樹脂が硬化したときに、光学特性が実質的に同じになる樹脂の意味である。ここで実質的に同等の光学特性とは、屈折率の差が0.01以下であって、かつ、アッベ数の差が5以下である範囲のものをいう。屈折率の差は0.005以下がより好ましく、0.003以下がさらに好ましい。アッベ数の差は、2以下がより好ましく、1以下がよりに好ましく、0がさらに好ましい。
【0012】
また、本願発明では、複数枚のウェハレンズアレイを接合するが、それぞれのウェハレンズアレイの光学特性及びレンズ形状は異なっていることが好ましい。特に高−低2種以上のアッベ数の異なるウェハレンズアレイを接合することが好ましい。高アッベ数側のウェハレンズアレイは、アッベ数が50以上であることが好ましく、より好ましくは55以上であり、さらに好ましくは60以上である。屈折率は1.52以上であることが好ましく、より好ましくは1.55以上であり、さらに好ましくは1.57以上である。低アッベ数側のウェハレンズアレイは、アッベ数が30以下であることが好ましく、より好ましくは25以下であり、さらに好ましくは20以下である。屈折率は1.60以上であることが好ましく、より好ましくは1.63以上であり、さらに好ましくは1.65以上である。ウェハレンズアレイの枚数は、好ましくは2枚または3枚である。
また、レンズ形状はこれらの光学特性に応じて適宜設定される。レンズ部は、ウェハレンズアレイの裏表に所定のレンズ面が形成されている。レンズ裏表の形状は同一であっても異なっていてもよい。また、レンズ形状は凸の球面に限らず、凹の球面や非球面であってもよく、凸または凹の球面、または非球面を種々に組み合わせることができる。
【0013】
接着層
本願発明では、接着層を介して、ウェハレンズアレイ同士が接合している。
ここで、接着層の材料については、本願発明の趣旨を逸脱しない限り、特に定めるものではなく、液状であってもシート状であってもよい。接着層の材料はウェハレンズアレイ材料との密着性が良いことが好ましく、ウェハレンズアレイを構成する材料の主成分と接着層を構成する成分の主要成分が同一であることが好ましく、ウェハレンズアレイを構成する材料の主成分と接着層を構成する成分の70重量%以上が共通することがより好ましく、90重量%以上が共通することがさらに好ましい。ウェハレンズアレイを構成する材料の主成分と接着層を構成する成分の70重量%以上が共通することにより、基板部の密着性が良好になり、さらに形成したレンズユニットを高温下で保存しても接着層の剥離および歪みが発生することがない。
接着層として、液状の材料を用いる場合、接着層を基板部に適用した後硬化させるが、この場合の硬化方法としては、紫外線硬化、熱硬化、常温硬化、圧着等の公知の方法を採用できる。
【0014】
本願発明では、接着層を、紫外光、可視光および赤外光の少なくともいずれかの光を遮光する層とすることができる。このような手段を採用することにより、レンズ内部での反射が抑制され、さらに絞りとしての機能を果たすため、所望の光線のみセンサに受光することができ、ゴースト等の不具合を解消できる。また、紫外光、可視光および赤外光のうち、可視光および紫外光の少なくとも一方を遮光する層とすることがより好ましく、可視光を少なくとも遮光できる層とすることがさらに好ましい。このように光を遮光する手段としては、接着層を構成する材料として、カーボンブラック等の黒色色素を含めることができる。カーボンブラックの添加量は、接着層の0.1〜1.0重量%であることが好ましい。
【0015】
本願発明では、接着層がスペーサーを含む。本願発明におけるスペーサーとはギャップの間隔を調整するために接着層に添加されるものである。図1は、本願発明におけるウェハレンズアレイを接合させた状態を示す図であって、1はウェハレンズアレイを、2は接着層を、3はスペーサーをそれぞれ示している。そして、接着層2にスペーサー3を添加(通常は、分散)した状態で、ウェハレンズアレイを接合させることにより、接着層の厚みが一定の厚さに保たれる。すなわち、ウェハレンズアレイ間のギャップを一定の厚さとなる。
【0016】
スペーサーの種類は特に定めるものではないが、好ましくは、球状粒子である。球状粒子の粒子径は、ウェハレンズアレイ間の距離に応じて適宜定められるが、50μm以下が好ましく、40μm以下がより好ましい。スペーサーとしての球状粒子はその性質上、粒子径が一定であることが求められ、粒径分布値(CV値)が10%以下であることが好ましい。
スペーサーの材料としては特に定めるものではないが、例えば、シリカが例示される。
また、球状粒子は、紫外光、可視光および赤外光の少なくともいずれかの光を遮光できることが好ましい。球状粒子自体が、紫外光、可視光および赤外光の少なくともいずれかの光を遮光できる材料から構成されていてもよいし、表面に遮光材料が適用された球状粒子であってもよい。
本願発明で用いるスペーサーは、吸水率が1%以下であることが好ましく、0.5%以下であることがより好ましい。また、球状粒子としては、粒径または組成の異なる複数の粒子を使用していてもよい。粒径の異なる複数の粒子を用いる場合、一方を透明なギャップ調整用の粒子、他方をそれに比して粒径の小さい遮光機能を有した粒子を選択することで遮光性とギャップ調整能を両立することができる。さらにギャップより小さい粒子を併用することで接着層への粒子含有量えが上がり、熱膨張を抑制することができる。
本願発明では、接着層中にスペーサーが1〜10重量%の範囲で分散していることが好ましい。
【0017】
本願発明では、ウェハレンズアレイ同士が、接着層を介して基板部表面同士のみで接合している。本願発明では、このように基板部表面にのみ接着層を設けることにより、レンズ部の光学特性に影響を与えずに、ウェハレンズアレイ同士を貼り合わせることが可能になる。
【0018】
接着層の形成手法
接着層を基板部に形成する手法としては、レンズ部への接着層のはみ出しがない手法であれば適宜選択できる。具体的には、パターニングにより形成する方法や接着シートを用いて形成する方法が挙げられる。
パターニングにより、形成する方法としては、インクジェットまたはスクリーン印刷が挙げられる。パターニングの場合、通常、液状の接着剤が用いられる。液状の接着剤を採用する場合、接着剤の収縮を考慮して接着剤を含む層を形成することが好ましい。具体的には、最終的に形成したいギャップの厚さより10〜30%程度分厚い接着剤を含む層を設けて、乾燥・硬化させることが好ましい。例えば、40μmのギャップを形成したい場合は、硬化前で50μm程度の膜厚で形成することができる。このような手段を採用することにより、気泡を除去でき密着性の良い接着層を形成できる。
接着シートを用いて形成する場合、通常、接着シートは、基板部のみに対応するように成形されたものを用いる。
また、気泡混入を回避するために、ウェハレンズアレイの接合面の両方に接着剤が事前に適用されていることが好ましい。また、同様の目的から、真空下にて複数枚のウェハレンズアレイを貼り合せることが好ましい。さらに、貼り合せる際にはウェハレンズアレイ上に形成したアライメントマークにて位置合わせを行った後に、熱または紫外光にて硬化反応を開始することが好ましい。
【0019】
ウェハレンズアレイの材料
本願発明で用いるウェハレンズアレイは、好ましくは、硬化型樹脂組成物を硬化させてなるものである。該樹脂組成物としては、熱により硬化する樹脂組成物、あるいは活性エネルギー線の照射(例えば紫外線、電子線照射)により硬化する樹脂組成物のいずれであってもよい。型形状の転写適性等、成形性の観点から硬化前に適度な流動性を有していることが好ましい。具体的には常温で液体であり、粘度が1000〜50000mPa・s程度であるものが好ましい。一方、硬化後にはリフロー工程を通しても熱変形及び着色しない程度の耐熱性を有していることが好ましい。該観点から、硬化物のガラス転移温度は200℃以上であることが好ましく。250℃以上であることがより好ましく、300℃以上であることが特に好ましい。樹脂組成物にこのような高い耐熱性を付与するためには、分子レベルで運動性を束縛することが必要であり、有効な手段としては、(1)単位体積あたりの架橋密度を上げる手段、(2)剛直な環構造を有する樹脂を利用する手段(例えば、シクロヘキサン、ノルボルナン、テトラシクロドデカン等の脂環構造、ベンゼン、ナフタレン等の芳香環構造、9,9−ビフェニルフルオレン等のカルド構造、スピロビインダン等のスピロ構造を有する樹脂、例えば、特開平9−137043号公報、同10−67970号公報、特開2003−55316号公報、同2007−334018号公報、同2007−238883号公報等に記載の樹脂)、(3)無機微粒子など高いガラス転移温度(Tg)の物質を均一に分散させる手段(例えば、特開平5−209027号公報、同10−298265号公報等に記載)等が挙げられる。これらの手段は複数併用しなくてもよく、流動性、収縮率、屈折率特性など他の特性を損なわない範囲で調整することが好ましい。形状転写精度の観点から硬化反応による体積収縮率が小さい樹脂組成物が好ましい。本願発明に用いられる樹脂組成物の硬化収縮率としては10%以下であることが好ましく、5%以下であることがより好ましく、3%以下であることが特に好ましい。
【0020】
本願発明で用いるウェハレンズアレイは、通常、型を用いて製造する。ウェハレンズアレイを成形する型は、金属性であってもガラス性であってもよい。このような型の間に、成形材料として使用する硬化型樹脂を供給する。次に型と型を押圧することでウェハ形状にし、押圧した状態で硬化型樹脂に紫外線または熱を照射することで、硬化型樹脂を硬化させ、基板部とレンズ部を硬化させる。またこのとき複数枚のウェハレンズアレイを重ねるためのマーキングを同時に形成することが好ましい。
【0021】
さらに本願発明では、上記ウェハレンズユニットをダイジングしてレンズ部毎に分断してなるレンズモジュールをも提供する。ダイジングの方法は公知の方法を採用できるが、例えば、WO2008/084646A1の記載を参酌することができる。
【0022】
本願発明のレンズモジュールは、撮像ユニットに好ましく用いることができる。撮像ユニットの詳細については、特許第3926380号公報、国際公開第08/102648号パンフレット、特願2007−97192号公報に記載がある。本願発明では、本願発明のレンズモジュールを備えた撮像ユニットであって、撮像素子と、撮像素子が設けられた半導体基板とを備え、基板部と半導体基板とが、スペーサーを介して一体に接合された撮像ユニットを開示する。
ここでのスペーサーには、上記ウェハレンズアレイで述べた技術を流用することも可能である。
【0023】
本願発明ではまた、一次元または二次元に配列される複数のレンズ部と、該レンズ部を相互に連結する基板部とを有するウェハレンズアレイ同士を、スペーサーを含有した接着層を介して、基板部表面同士のみで接合させることを含む、ウェハレンズユニットの製造方法についても開示する。これらの詳細は、上記ウェハレンズユニットについての記載を参酌することができる。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本願発明のウェハレンズユニットは、簡易に製造でき、かつ、高精度であるため、各種の精密機器に広く用いることができる。
【符号の説明】
【0025】
1 ウェハレンズアレイ
2 接着層
3 スペーサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一次元または二次元に配列される複数のレンズ部と、該レンズ部を相互に連結する基板部とを有するウェハレンズアレイを複数枚重ね合わせたウェハレンズユニットであって、前記ウェハレンズアレイの隣接する2枚同士が、スペーサーを含有した接着層を介して、基板部表面同士のみで接合していることを特徴とするウェハレンズユニット。
【請求項2】
前記スペーサーが、球状粒子である、請求項1に記載のウェハレンズユニット。
【請求項3】
接着層が、紫外光、可視光および赤外光の少なくともいずれかの光を遮光する層であることを特徴とする、請求項1または2に記載のウェハレンズユニット。
【請求項4】
接着層が、パターニングにより形成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のウェハレンズユニット。
【請求項5】
接着層が、インクジェットまたはスクリーン印刷により形成されていることを特徴とする、請求項4に記載のウェハレンズユニット。
【請求項6】
接着層が、基板部のみに対応するように成形された接着シートである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のウェハレンズユニット。
【請求項7】
前記ウェハレンズアレイの材料と接着層を構成する材料の70重量%が共通することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載のウェハレンズユニット。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1項に記載のウェハレンズユニットをダイジングしてレンズ部毎に分断してなるレンズモジュール。
【請求項9】
請求項8に記載のレンズモジュールを備えた撮像ユニットであって、撮像素子と、前記撮像素子が設けられた半導体基板とを備え、前記基板部と前記半導体基板とが、スペーサを介して一体に接合している撮像ユニット。
【請求項10】
一次元または二次元に配列される複数のレンズ部と、該レンズ部を相互に連結する基板部とを有するウェハレンズアレイ同士を、スペーサーを含有した接着層を介して、基板部表面同士のみで接合させることを含む、ウェハレンズユニットの製造方法。
【請求項11】
前記スペーサーとして、球状粒子を用いることを特徴とする、請求項10に記載のウェハレンズユニットの製造方法。
【請求項12】
ウェハレンズアレイ同士を真空下で接合させることを特徴とする、請求項10または11に記載のウェハレンズユニットの製造方法。

【図1】
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【公開番号】特開2011−186306(P2011−186306A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−53124(P2010−53124)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【出願人】(000005430)フジノン株式会社 (2,231)