説明

ウェハー上の欠陥検出

ウェハー上の欠陥を検出するための方法およびシステムが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2009年2月13日に出願された、「Methods and Systems for Detecting Defects on a Wafer」を発明の名称とする、米国仮特許出願第61/152,477号の優先権を主張するものであり、米国仮特許出願第61/152,477号は、参照することにより本明細書にあたかも完全に説明されているかのように援用される。
【0002】
本発明は、全般的には、ウェハー上の欠陥検出に関する。特定の実施形態は、検査システムにより生成されたウェハーに対する未処理出力(raw output:ロー(生の)出力)における個別出力を異なるセグメントに割り当てることに関する。
【背景技術】
【0003】
以下の説明および例は、関連技術であり先行技術ではない。
【0004】
光学技術または電子ビーム技術を用いるウェハー検査は、半導体産業において、半導体製造プロセスのデバッグ、処理変動の監視、および製造歩留まりの改善のための重要な技術である。製造プロセスが次第に複雑化していく他にも、現代の集積回路(IC:integrated circuit)の規模が常に縮小化するに伴って、検査の難度が大きくなりつつある。
【0005】
半導体ウェハー上で実施される各処理工程においては、同一の回路パターンがウェハー上の各ダイにプリントされる。ウェハー検査システムの大部分は、この事実を利用して、比較的簡単なダイ対ダイの比較を行うことにより、ウェハー上の欠陥を検出する。しかし、各ダイのプリント回路は、DRAM、SRAM、またはFLASHのエリア等の、x方向およびy方向において反復するパターン化された特徴の多数のエリアを含み得る。この種のエリアは、一般に、アレイエリアと称される(他のエリアは、ランダムエリアまたは論理エリアとよばれる)。よりよい感度を達成するために、高度な検査システムにおいては、アレイエリアおよびランダムエリアまたは論理エリアを検査するために異なる戦略が用いられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
アレイ検査のためのウェハー検査プロセスを設定するためには、多数の現在用いられる検査システムにおいては、ユーザが関心領域(ROI:region of interest)を手作業で設定すること、および同一ROIにおける欠陥検出を検出するために同一セットのパラメータを適用することが要求される。しかし、この設定方法は、いくつかの理由により不利である。例えば、設計ルールが縮小されると、領域の定義は、はるかに複雑なものとなり、面積がさらに小さくなる。ステージ精度および検査システムの解像度に制限があるために、ROIの手動設定は、次第に不可能になるであろう。一方、フーリエフィルタリングが実施可能となる以上にページブレーク間の距離が大きい場合、そのアレイ領域において、ページブレークは抑制されないであろう。
【0007】
他の方法においては、強度が、同様強度のピクセルを同じグループに分類するセグメント化の特徴として用いられる。次いで、同一セットのパラメータが(強度に基づく)同一グルーブのピクセルに適用される。しかし、この方法もいくつかの不利を有する。例えば、強度に基づくセグメント化アルゴリズムは、幾何学的特徴が均等に分散する場合に使用可能である。しかし、これだけでは不十分な場合も多々ある。したがって、他の属性に基づくセグメント化が必要とされる。
【0008】
したがって、注目する欠陥および妨害/ノイズが幾何学的に別のセグメントに属するという知識を利用することにより、より優れた欠陥検出を達成することを可能とする、ウェハー上の欠陥検出のための方法およびシステムを開発することは有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
様々な実施形態に関する以下の説明は、添付の請求項の主題を制限するものであると解釈してはならない。
【0010】
1つの実施形態は、ウェハー上の欠陥を検出するための、コンピュータにより実施される方法に関する。このコンピュータにより実施される方法は、検査システムにより生成されたウェハーに対する未処理出力(raw output:ロー(生の)出力)を取得することを含む。このコンピュータにより実施される方法は、ウェハー上に形成されたパターン化された特徴の1つまたは複数の幾何学的特性に対応する、未処理出力の1つまたは複数の特性を特定することも含む。加えて、このコンピュータにより実施される方法は、異なるセグメントのそれぞれに対応するパターン化された特徴の1つまたは複数の幾何学的特性が異なるものとなるよう、未処理出力の特定された1つまたは複数の特性に基づいて、未処理出力における個別出力を異なるセグメントに割り当てることを含む。さらに、このコンピュータにより実施される方法は、1つまたは複数の欠陥検出パラメータを異なるセグメントに別々に割り当てることを含む。このコンピュータにより実施される方法は、割り当てられた1つまたは複数の欠陥検出パラメータを、異なるセグメントに割り当てられた個別出力に適用することにより、ウェハー上の欠陥を検出することも含む。
【0011】
上述の、コンピュータにより実施される方法の各ステップは、本明細書でさらに説明されるように、実行されてもよい。このコンピュータにより実施される方法は、本明細書に記載の、他の任意の方法(単数または複数)の他の任意のステップ(単数または複数)を含んでもよい。上述のコンピュータにより実施される方法は、本明細書に記載の任意のシステムを用いて実施されてもよい。
【0012】
他の実施形態は、ウェハー上の欠陥を検出するための方法を実施するコンピュータシステム上で実行可能なプログラム命令を含むコンピュータ可読媒体に関する。この方法は、上述のコンピュータにより実施される方法のステップを含む。コンピュータ可読媒体は、本明細書に説明されるよう、さらに構成されてもよい。この方法のステップは、本明細書においてさらに説明されるよう実行されてもよい。加えて、プログラム命令が実行可能である方法は、本明細書に記載の他の任意の方法(単数または複数)の他の任意のステップ(単数または複数)を含んでもよい。
【0013】
追加的な実施形態は、ウェハー上の欠陥を検出するよう構成されたシステムに関する。このシステムは、ウェハーをスキャンすることによりウェハーに対する未処理出力を生成するよう構成された検査サブシステムを備える。このシステムは、未処理出力を取得するよう構成されたコンピュータサブシステムも備える。このコンピュータサブシステムは、ウェハー上に形成されたパターン化された特徴の1つまたは複数の幾何学的特性に対応する、未処理出力の1つまたは複数の特性を特定するよう、構成される。加えて、このコンピュータサブシステムは、異なるセグメントのそれぞれに対応するパターン化された特徴の1つまたは複数の幾何学的特性が異なるものとなるよう、未処理出力の特定された1つまたは複数の特性に基づいて、未処理出力における個別出力を異なるセグメントに割り当てるよう構成される。このコンピュータサブシステムは、1つまたは複数の欠陥検出パラメータを異なるセグメントに別々に割り当てるよう、さらに構成される。さらに、このコンピュータサブシステムは、割り当てられた1つまたは複数の欠陥検出パラメータを、異なるセグメントに割り当てられた個別出力に割り当てることにより、ウェハー上の欠陥を検出するよう構成される。このシステムは、本明細書に説明されるよう、さらに構成されてもよい。
【0014】
本発明の他の目的および特長は、以下の詳細な説明を読み、以下の添付の図面を参照すれば、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本明細書に記載の1つまたは複数の方法の実施形態を実行するコンピュータシステム上で実行可能なプログラム命令を含むコンピュータ可読媒体の1つの実施形態を示すブロック図である。
【図2】ウェハー上の欠陥を検出するよう構成されたシステムの1つの実施形態を示す側面概略図である。
【0016】
本発明においては様々な変更例および代替形態の余地があるが、本発明に係る特定の実施形態が、図面において例示により示され、本明細書において詳細に説明されるであろう。しかし、本発明に関する図面および詳細な説明は、開示された特定の形態に本発明を制限することを意図するものではなく、むしろ逆に、添付の請求項により定められる本発明の精神および範囲に属するすべての変更例、等価物、および代替物を含むことを意図するものであることを理解すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本明細書においては、ウェハーに関する実施形態が開示されるが、これらの実施形態は、一般にマスクまたはフォトマスクと称され得るレチクル等の他の試料上の欠陥を検出するために用いられ得ることを理解すべきである。多数の異なる種類のレチクルが当該技術分野において既知であり、本明細書で用いる用語「レチクル」、「マスク」および「フォトマスク」は、当該技術分野において既知であるレチクルの全部を含むことを意図することを理解すべきである。
【0018】
1つの実施形態は、ウェハー上の欠陥を検出するための、コンピュータにより実施される方法に関する。このコンピュータにより実施される方法は、検査システムにより生成されたウェハーに対する未処理出力を取得することを含む。ウェハーに対する未処理出力を取得することは、検査システムを用いて実施されてもよい。例えば、未処理出力の取得は、検査システムを用いてウェハー上で光をスキャンし、スキャンを実施する間に、検査システムにより検出されたウェハーから散乱した光および/または反射した光に反応する未処理出力を生成することを含み得る。このようにして、未処理出力を取得することは、ウェハーをスキャンすることを含んでもよい。しかし、未処理出力を取得することは、必ずしもウェハーのスキャンを含むとは限らない。例えば、未処理出力を取得することは、未処理出力が(例えば、検査システムにより)記憶された記憶媒体から未処理出力を取得することを含み得る。記憶媒体から未処理出力を取得することは、任意の好適な方法で実施されてもよく、出力が取得される記憶媒体は、本明細書に記載の任意の記憶媒体を含んでもよい。いずれにせよ、この方法は、未処理出力(例えば、未処理データ)の収集を含む。
【0019】
1つの実施形態において、未処理出力は、ウェハーから散乱する光に反応する。特に、未処理出力は、ウェハーから散乱され検査システムにより検出された光に反応してもよい。あるいは、未処理出力は、ウェハーから反射され検査システムにより検出された光に反応してもよい。未処理出力は、任意の好適な未処理出力を含んでもよく、検査システムの構成に応じて、変動してもよい。例えば、未処理出力は、信号、データ、画像データ、その他を含んでもよい。加えて、未処理出力は、検査システムによりウェハーに対して生成された全出力のうちの少なくとも1部分(例えば、複数のピクセル)に対する出力であると全般的に定義され得る。さらに、未処理出力は、未処理出力がウェハー上の欠陥に対応するか否かに関わらず、検査システムによりウェハー全体に対して生成された未処理出力の全部、検査システムによりスキャンされたウェハーの全部分に対して生成された未処理出力の全部、検査システムの1つのチャンネルによりウェハーに対して生成された未処理出力の全部、その他を含んでもよい。
【0020】
それに対して、個別出力は、検査システムによりウェハーに対して生成された出力全体のうちの個別ピクセルに対する出力として、全般的に定義され得る。したがって、未処理出力は、複数の個別出力を含み得る。換言すると、個別出力は、ウェハー上の異なる位置に対して別々に生成された出力であり得る。例えば、個別出力は、ウェハー上の異なる位置に対して生成された個別の分離した出力を含み得る。特に、異なる位置は、ウェハー上の異なる「検査点」に対応し得る。換言すると、異なる位置は、出力が検査システムにより別々に生成されたウェハー上の位置に対応し得る。このようにして、異なる位置は、検査システムにより「測定」が実施されたウェハー上の各位置に対応し得る。したがって、異なる位置は、検査システムの構成(例えば、検査システムがウェハーに対する出力を生成する方法)に応じて変化し得る。個別出力は、ウェハー上の欠陥に対応する個別出力および対応しない個別出力を含む。
【0021】
この検査システムは、本明細書に説明されるよう構成されてもよい。例えば、この検査システムは、ウェハーの暗視野(DF:dark field)検査用に構成されてもよい。このように、検査システムは、DF検査システムを含んでもよい。この検査システムは、本明細書にさらに説明されるよう構成されてもよい。他の例において、この検査システムは、ウェハーの明視野(BF:bright field)検査用に構成されてもよい。このように、検査システムは、BF検査システムを含んでもよい。BF検査システムは、当該技術分野において既知である任意の好適な構成を有してもよい。この検査システムは、BFまたはDF検査用に構成されてもよい。さらに、検査システムは、走査電子顕微鏡法(SEM:scanning electron microscopy)検査および観察システムとして構成されてもよく、係る検査システムは、当該技術分野において既知の任意の好適な構成を有してもよい。加えて、この検査システムは、パターン化されたウェハーの検査用に構成されてもよく、また、あるいはパターン化されていないウェハーの検査用に構成されてもよい。
【0022】
このコンピュータにより実施される方法は、ウェハー上に形成されたパターン化された特徴の1つまたは複数の幾何学的特性に対応する、未処理出力の1つまたは複数の特性を特定することも含む。1つの実施形態において、未処理出力の特定された1つまたは複数の特性は、未処理出力内の線に沿う射影を含む。射影とは、未処理出力内における何らかのパターンを有する個別出力のグループ、集団、またはまとまりであるとして全般的に定義され得る。例えば、未処理出力の水平線および円直線に沿う射影を集めてもよい。このようにして、パターン化された特徴の1つまたは複数の幾何学的特性を定義する、またはそれに対応する未処理出力内のx射影およびy射影が特定され得る。そのように、未処理出力の1つまたは複数の特性を特定することは、未処理出力の2次元(2D)射影を実施することを含み得る。しかし、ウェハー上に形成されたパターン化された特徴の1つまたは複数の幾何学的特性に対応する、未処理出力の1つまたは複数の特性は、未処理出力の他の任意の特性(単数または複数)を含んでもよい。上述のように未処理出力の1つまたは複数の特性を特定することは、任意の好適な方法および/またはアルゴリズムを用いて任意の好適な方法で行われてもよい。
【0023】
1つの実施形態において、パターン化された特徴の1つまたは複数の幾何学的特性は、端部、形状、質感、パターン化された特徴の幾何学的形状を定義する数学的演算、またはこれらの何らかの組合せを含む。例えば、幾何学的形状に基づくセグメント化に用いられ得る特性は、本明細書でさらに説明されるように実施され得、端部、形状、質感、幾何学的形状を定義する任意の数学的演算/変換、またはこれらの何らかの組合せを含む。ウェハー上に形成されたすべてのパターン化された特徴は、何らかの粗さを有するものであり、したがって何らかの「質感」を有するが、質感が、全般的に、パターン化された特徴の全体的な質感(例えば、そのように設計されたもの、またはそのように設計されていないもの)を指すのに対し、粗さは、パターン化された特徴の周縁部上の粗さのみを指し、および説明するという意味において、質感と粗さは異なるものである。パターン化された特徴の幾何学的形状を定めるために用いられ得る数学的演算/変換の1例はフーリエフィルタアルゴリズムであり、このフーリエフィルタアルゴリズムを用いると、幾何学的形状および光散乱の間の関係を記述することができる。例えば、フーリエフィルタアルゴリズムを用いると、パターン化された特徴の1つまたは複数の幾何学的特性に対応するであろう、未処理出力における射影を予測することができる。
【0024】
1つの実施形態において、未処理出力の1つまたは複数の特性を特定することは、パターン化された特徴のデザインレイアウトがどうように未処理出力の1つまたは複数の特性に影響するかに基づいて実施される。例えば、本明細書で説明するように実施され得るセグメント化に用いられる特性は、デザインレイアウトである。特に、デザインレイアウトは、デザインレイアウトにおけるパターン化された特徴の1つまたは複数の幾何学的特性を特定するために用いられてもよい。次いで、1つまたは複数の特定された幾何学的特性に対応するであろう未処理出力の1つまたは複数の特性(例えば、射影)が、(例えば、経験的に、理論的に、その他の方法により)判定され得る。このようにして、パターン化された特徴の1つまたは複数の幾何学的特性に対応するであろう未処理出力の1つまたは複数の期待される特性が判定され得る。これらの1つまたは複数の期待される特性は、次いで、任意の好適な方法で、未処理出力の1つまたは複数の特性と比較されることにより、パターン化された特徴の1つまたは複数の幾何学的特徴に対応する未処理出力の1つまたは複数の特性が特定される。このステップにおいて用いられるデザインレイアウトは、任意の好適な方法で取得されてもよく、任意の好適な形式を有し得る。
【0025】
他の実施形態においては、未処理出力の1つまたは複数の特性を特定することは、未処理出力の取得が実施される間に、実施される。このようにして、未処理出力の1つまたは複数の特性を特定することは、検査システムによるウェハーのスキャンが実行中に、実施されてもよい。例えば、未処理出力の1つまたは複数の特徴を特定することは、ウェハーに対する基準未処理出力を用いて実施されてもよい。この基準未処理出力は、未処理出力と比較することにより、ウェハー上の欠陥が検出され、また、この基準未処理出力は、未処理出力と同じスキャンにおいてウェハーに対して取得される。基準未処理出力は、本明細書に記載の任意の基準を含んでもよい。そのようにして、未処理出力の1つまたは複数の特定された特性を用いて実施される、本明細書に説明する他のステップ(例えば、セグメント化)も、ウェハーに対する未処理出力の取得が実行される間に実施されてもよい。
【0026】
コンピュータにより実施される方法は、異なるセグメントのそれぞれに対応するパターン化された特徴の1つまたは複数の特性が異なるものとなるよう、未処理出力の特定された1つまたは複数の特性に基づいて、未処理出力における個別出力を異なるセグメントに割り当てることを含む。このように、本明細書に記載の実施形態は、幾何学的形状に基づくセグメント化のために構成される。さらに詳細には、本明細書に記載の実施形態は、ウェハーパターンの幾何学的特性(単数または複数)(例えば、形状)が未処理出力にどのように影響を与え、未処理出力に異なる影響を与えるパターンを異なるセグメントにどのように分離するかを利用する。換言すれば、本明細書に記載の実施形態は、ウェハー上のパターンの幾何学的特性(多数または複数)(例えば、形状)が未処理出力にどのように影響を与え、未処理出力における個別出力を異なるセグメントにどのように分離するかを利用する。例えば、1つまたは複数の異なる幾何学的特性を有するパターン化された特徴は、ウェハーから散乱された光に異なる影響を与え得、その結果、ウェハーに対して生成された未処理出力上に異なる影響を与え得る。これらのパターン化された特徴は、本明細書に記載の実施形態により、異なるセグメントに効果的に分離され得る。本明細書に記載するように未処理出力における個別出力を異なるセグメントに割り当てることは、任意の好適な方法および/またはアルゴリズムを用いて任意の好適な方法で実施され得る。
【0027】
「セグメント」は、個別出力に対する可能な値の範囲全体の異なる部分と全般的に定義され得る。セグメントは、セグメントを用いる欠陥検出アルゴリズムに応じて、個別出力の異なる特性に対する値に基づいて定義され得る。例えば、複数ダイ自動詞閾値設定(MDAT:multiple die auto−thresholding)アルゴリズムにおいては、セグメントを定義するために用いられる個別出力の特性に対する値は、強度中央値を含んでもよい。1つの係る例示的且つ非限定的な例において、強度中央値の範囲全体が0から255である場合、第1セグメントは、0から100までの強度中央値を含み得、第2セグメントは、101から255までの強度中央値を含み得る。このように、第1セグメントは、未処理出力のより暗いエリアに対応し、第2セグメントは、未処理出力のより明るいエリアに対応する。いくつかの例において、セグメントは、1つのウェハーを用いて定義され得、前述の1つのウェハーと同じ幾何学的形状を要するウェハーに対して、予め定義されたセグメントが用いられ得る。
【0028】
1つの実施形態においては、未処理出力の前述の1つまたは複数の特性を特定し、個別出力を異なるセグメントに割り当てることは、ユーザによる入力なしに自動的に行われる。例えば、本明細書に記載の実施形態は、ウェハー上のパターンの幾何学的特性(単数または複数)(例えば、形状)および射影を利用して、未処理出力における個別出力を異なるセグメントに自動的に分離することができる。このように、関心領域(ROI)を手作業で設定し、同一セットのパラメータを同一ROIにおける欠陥検出のために適用することを含む方法とは異なり、設計ルールが縮小し、セグメント化されるウェハー上の異なるエリアが小さくなるにしたがって、セグメント化は、本明細書に記載の実施形態を用いることにより、より複雑なものとはならないであろう。加えて、手作業による方法とは異なり、ユーザによる入力なしに、未処理出力の1つまたは複数の特性を自動的に特定し、個別出力を異なるセグメントに割り当てることは、検査システムのステージ精度および解像度の制限により影響されない。したがって、本明細書に記載の、セグメント化のための実施形態を用いることにより、検査システムのステージ精度および解像度の制限は、セグメント化を不可能にすることはないであろう。
【0029】
他の実施形態において、個別出力を異なるセグメントに割り当てることは、パターン化された特徴に関するデザインデータに関わりなく実施される。例えば、デザインレイアウトが、パターン化された特徴の1つまたは複数の幾何学的特徴に対応するであろう1つまたは複数の期待される幾何学的特性を判定するために、上述のように用いられたとしても、セグメント化はデザインデータそのものに基づいて実施されない。換言すれば、セグメント化は、パターン化された特徴の1つまたは複数の幾何学的特徴がどのように未処理出力に影響するかに基づくものであって、パターン化された特徴の1つまたは複数の幾何学的特徴そのものに基づくものではない。このように、パターン化された特徴に関するデザインデータに基づいて未処理出力をセグメント化する他の方法およびシステムとは異なり、パターン化された特徴の1つまたは複数の幾何学的特性がどのように未処理出力に影響を与えるかに基づいてセグメント化を実施することにより、異なる設計データ、異なる電気的機能、異なる電気的特性、パターン化された特徴を用いて形成された装置の性能に対する異なる臨界、その他に関する、パターン化された特徴は、これらのパターン化された特徴が未処理出力に対して同様の方法で影響を与える限り、同一のセグメントに割り当てられる。例えば、どのように未処理出力の幾何学的特性(単数または複数)が幾何学的形状そのものではなく未処理出力の特性(単数または複数)(例えば、強度)に影響を与えるかに基づいてセグメント化を実施することにより、未処理出力において顕著なノイズを生成するパターン化された特徴は、これらのパターン特徴に関するデザインデータに関わらず、同一のセグメントに割り当てられ得、未処理出力において無視可能なノイズを生成する他のパターン化された特徴は、再びこれらの他のパターン化された特徴に関するデザインデータに関わらず、異なるセグメントに割り当てられ得る。このように、高ノイズのパターン化された特徴は、同じくセグメント化され、低ノイズのパターン化された特徴は、同じくセグメント化される。
【0030】
追加的な実施形態において、個別出力を異なるセグメントに割り当てることは、個別出力の強度を考慮せずに実施される。換言すれば、セグメント化は、未処理出力における複数の個別出力の強度に基づいて特定される、未処理出力の1つまたは複数の特定された特性に基づいて実施されるが、セグメント化は個別出力強度自体に基づいて実施されるものではない。例えば、未処理出力内の線に沿う射影は、多様な値を有し得る個別出力を含み得、場合によっては劇的に異なる強度を含む。それにも関わらず、個別出力の全部は、ページブレーク等の、パターン化された特徴の同一の1つまたは複数の幾何学的特性に対応し得る。そのため、パターン化された特徴の同一の1つまたは複数の幾何学的特性に対応する個別出力の全部は、たとえ個別出力の全部が劇的に異なる強度を有したとしても、同一のセグメントに割り当てられ得る。このように、個別ピクセルの強度に基づいてセグメント化を実施する方法とは異なり、本明細書に記載の実施形態により実施されるセグメント化は、パターン化された特徴からの不均一な分散により影響されないであろう。
【0031】
いくつかの実施形態において、個別出力を異なるセグメントに割り当てることは、未処理出力の特定された1つまたは複数の特性を分析し、閾値を個別出力に適用することを含む。例えば、上述のように、未処理出力における水平線および鉛直線に沿う射影が収集されてもよい。次いで、射影が分析され得、未処理出力における個別出力を異なる関心エリア(セグメント)に分離するために、閾値が設定される。未処理出力の1つまたは複数の特性を分析し、閾値を個別出力に適用することは、境界領域に対応する個別出力の個数を、前述のセグメントに不適切に割り当てられることから減少させ得る。
【0032】
1つの実施形態において、異なるセグメントのうちの1つのセグメントに対応する1つまたは複数の幾何学的特性は、ページブレークの1つまたは複数の幾何学的特性を含み得、異なるセグメントのうちの他の1つのセグメントに対応する1つまたは複数の幾何学的特性は、アレイエリアの1つまたは複数の幾何学的特性を含む。ページブレークは、当該技術分野において、物理メモリの実質的に連続する領域を分離するダイの領域として全般的に定義される。物理メモリの連続領域のそれぞれは、一般に、ページフレームと称され得る。本明細書に記載するようにセグメント化を実施すると、アレイエリアにおけるページブレークに対する幾何学的形状を定義する未処理出力の1つまたは複数の特性(例えば、x射影および/またはy射影)は、特定され得、ページブレークに対応する個別出力を1つのセグメントに割り当てるために、およびアレイエリアに対応する個別出力を異なるセグメントに割り当てるために、用いられ得る。
【0033】
他の実施形態において、パターン化された特徴のうちのいくつかの特徴の1つまたは複数の幾何学的特徴に対応する、未処理出力の1つまたは複数の特性は、フーリエフィルタにより抑制され得ない。例えば、セグメント化のためのいくつかの方法とは異なり、ページブレーク間の距離がフーリエフィルタが実施可能であるより大きいとしても、ページブレークはアレイエリアにおいて抑制され得る。1つの係る例において、いくつかの検査システムに対して、ページブレークの幅が約5マイクロメートルであり、ページブレーク間の間隔が約5マイクロメートルである場合、ROIの手作業による設定は不可能ではないにせよ実際的ではなくなるのに対し、フーリエフィルタは不可能ではないにせよ実際的ではなくなる。したがって、ページブレークにより未処理出力において生成される信号(ノイズ)は、抑制され得ず、したがって、未処理出力を使用して達成され得る欠陥検出感度を低下させ得る。しかし、本明細書に記載の実施形態を用いると、ページブレークに対応する個別出力が(例えば、未処理出力内の射影に基づいて)特定されることが可能であり、前述のページブレークに対応する個別出力は1つのセグメントに割り当てられ、他の個別出力は他のセグメントに割り当てられ得る。その結果、本明細書においてさらに説明されるように、異なる感度を用いて、異なるセグメントにおいて異なる欠陥を検出することができる。
【0034】
コンピュータにより実施される方法は、1つまたは複数の欠陥検出パラメータを異なるセグメントに別々に割り当てることをさらに含む。1つまたは複数の欠陥検出パラメータは、異なるセグメントの全部に別々に割り当てられ得る。したがって、個別出力のうちのいくつかは、欠陥検出に関しては、無視され得ない。そのかわり、欠陥は、異なるセグメントの全部に割り当てられた個別出力を用いて検出され得る。換言すると、欠陥は、未処理出力の全セグメントを用いて検出され得る。このように、異なるセグメントは、異なる検出法を用いて、異なる処理が施され得る。異なる検出法は、異なるセグメントに割り当てられた欠陥検出アルゴリズムにおいて異なり得る。あるいは、異なる検出法は、異なるセグメントに割り当てられた同じ欠陥検出アルゴリズムの1つまたは複数のパラメータにおいて異なり得る。異なるセグメントに割り当てられた欠陥検出アルゴリズム、または異なるセグメントに割り当てられた1つまたは複数のパラメータは、任意の好適な欠陥検出アルゴリズムを含み得る。例えば、欠陥検出アルゴリズムは、セグメント化自動閾値設定(SAT:segmented auto−thresholding)アルゴリズムまたはMDATアルゴリズムであり得る。係る検出アルゴリズムは、特にBF検査に対して好適である。しかし、欠陥検出アルゴリズムは、DF検査に好適な欠陥検出アルゴリズムであってもよい。例えば、欠陥検出アルゴリズムは、FASTアルゴリズムまたはHLATアルゴリズムであってもよい。
【0035】
異なる検出法は、ウェハーに対する未処理出力を取得するために用いられる検査システムの1つまたは複数の光学パラメータにおいて異なってもよい。例えば、複数パス検査においては、検査システムの少なくとも1つの光学パラメータ(例えば、偏光、波長、照明角度、収束角、その他)に対する異なる値を用いて、異なるパスが実施されてもよく、異なるパスにおいて生成された未処理出力は、1つまたは複数の異なる幾何学的特性を有するパターン化された特徴が形成されるウェハーの異なる領域において欠陥を検出するために用いられてもよい。このように、1つまたは複数の異なる幾何学的特性を有するパターン化された特徴を含むウェハーの領域は、1つまたは複数の異なる光学パラメータを用いて実施される複数パス検査の異なるパスにおいて生成された未処理出力を用いて検査され得る。
【0036】
1つの実施形態において、1つまたは複数の欠陥検出パラメータは、個別出力と基準との間の差異に対して適用される閾値を含む。このように、異なる閾値は、個別出力が割り当てられたセグメントに応じて、個別出力および基準との間の差異に対して適用され得る。例えば、基準(例えば、8ビット基準画像)が、個別出力が割り当てられたセグメントに関わらず、未処理出力における個別出力(8ビットテスト画像等)から引かれ得る。基準は、基準が引かれる個別出力が生成されたダイとは異なるウェハー上のダイに対応する個別出力、基準が引かれる個別出力が生成されたセルとは異なるウェハー上のセルに対応する個別出力、その他、等の、任意の好適な基準を含んでもよい。割り当てられた閾値を超す差異を有する任意の個別出力は、欠陥と特定され得る。このように、欠陥は、個別出力が割り当てられたセグメントに応じて、異なる閾値を用いて、検出され得る。
【0037】
他の実施形態において、1つまたは複数の欠陥検出パラメータを異なるセグメントに別々に割り当てることが実施され、その結果、欠陥は、異なる感度を有する異なるセグメントに割り当てられた個別出力を用いて検出される。したがって、本明細書に記載の実施形態は、関心欠陥(DOI:defect of interest)および妨害/ノイズが幾何学的に異なるセグメントに存在するという知識を利用することにより、よりよい欠陥の検出を達成することが可能である。例えば、異なる幾何学的形状は、異なる種類の欠陥を表し得る。1つの係る例では、アレイパターン領域において、未処理出力は、比較的明るい個別出力と比較的暗い個別出力とが交番する線状のパターンを含み得る。いくつかの係る例において、DOIは、比較的明るい個別出力を含む未処理出力の部分に配置され得る一方、妨害欠陥は、比較的暗い個別出力を含む未処理出力の領域に配置され得る。このように、幾何学的形状(例えば、アレイエリアにおけるページブレークに対するx射影またはy射影)を定義する特性(単数または複数)を用いるセグメント化により、検出アルゴリズムの感度は、アレイエリアにおける感度が改善されるよう、およびページブレークからの妨害がより低減されるよう、異なって設定され得る。したがって、本明細書に記載の実施形態は、ウェハーの異なる幾何学的パターンを異なるセグメントに分離する自動的方法を有利に可能にする。このセグメント化は、これらのエリアが異なって処理されることを可能にし、その結果、よりよい感度が達成され得る。異なる幾何学的形状も、光を異なる方法で散乱させる。このように、いくつかの幾何学的形状は、未処理出力のノイズを比較的大きいものとし得、他の幾何学的形状は、未処理出力のノイズを比較的小さいものとし得る。しかし、個別出力の強度のみをセグメント化のために用いると、未処理出力におけるノイズが比較的大きい領域およびノイズが比較的小さい領域に対応する個別出力が、(例えば、境界の定義が不十分であるため)同じくグループ化され得る。それに対して、本明細書に記載の実施形態においては、未処理出力におけるより小さいノイズに対応する1つまたは複数の幾何学的特性を有するウェハーのエリアに配置される欠陥のために、より高い感度が達成され得る。加えて、狭帯域の検査システムにおいては、パターンによりかなりの量の光も分散させられるため、欠陥はしばしばノイズの中に埋もれ得る。しかし、本明細書に記載の実施形態は、近接するパターンからのノイズにより減衰された欠陥の検出を可能にする。
【0038】
コンピュータにより実施される方法は、割り当てられた1つまたは複数の欠陥検出パラメータを、異なるセグメントに割り当てられた個別出力に適用し、それにより、ウェハー上の欠陥を検出することを含む。上述のように、異なるセグメントは、異なる検査法を用いて、異なるように処理され得る。このように、割り当てられた1つまたは複数の欠陥検出パラメータを個別出力に適用することは、異なる方法を用いて検査することを含み得、それにより、ウェハー上の欠陥を検出し得る。例えば、個別出力が割り当てられたセグメントは、個別出力と基準との間の差異に適用される閾値を判定するために用いられ得る。個別出力が割り当てられたセグメントを判定し、1つまたは複数の欠陥検出パラメータを異なるセグメントに割り当てた後、割り当てられた1つまたは複数の欠陥検出パラメータは、通常実施されるように、異なるセグメントに割り当てられた個別出力に割り当てられ得る。
【0039】
1つの実施形態において、未処理出力を取得することは、ウェハーの複数パス検査のうちの1つのパスにおいて実施され、コンピュータにより実施される方法は、複数パス検査の他のパスにおいて取得された未処理出力に対しては実施されない。このように、本明細書に記載のセグメント化は、複数パス検査の1つのパスに対してのみ実施され得る。他のパスにおいて取得された未処理出力は、他の目的のために用いられ得る。例えば、複数パス検査は、欠陥に対する最適な信号を有する1つのパスと、幾何学的形状に基づくセグメント化を提供する他のパスとを用いて、セグメント化の目的に適合する。特に、複数パス検査の異なるパスは、未処理出力および/または欠陥検出結果が異なるパスに対して異なるものとなるよう、1つまたは複数の異なる欠陥検出パラメータおよび/または1つまたは複数の異なる光学パラメータを用いて、実施されてもよい。1つの係る例において、複数パス検査の1つのパスにおいて用いられる1つの光学モードは、セグメント化を可能にし得る一方、複数パス検査の他のパスにおいて用いられる検査システムの他の光学モードは、DOIに対して最も高い感度を提供し得る。
【0040】
他の実施形態において、他のパスにおいて取得された未処理出力を用いることにより追加的欠陥が検出され、その方法は、欠陥および追加的欠陥を組み合わせることにより、ウェハーに対する検査結果を生成することを含む。例えば、上述のように、複数パス検査の1つのパスは、セグメント化のために用いられ、複数パス検査の他のパスは、最適信号を有するDOIを検出するために用いられてもよい。したがって、複数パス検査の異なるパスは、異なる種類の欠陥を検出し得る。このように、複数パス検査の異なるパスの結果は、ウェハーに対する全体的な検査結果を生成するために組み合わされてもよい。異なるパスにおいて取得された未処理出力を用いて検出された欠陥の結果は、異なるパスの全部において生成された未処理出力を用いる欠陥検出が実施された後、組み合わされてもよい。あるいは、異なるパスにおいて取得された未処理出力を用いて生成された欠陥検出結果は、実行中に、または未処理出力のいくつかがまだ取得されている間に、組み合わされてもよい。
【0041】
追加的な実施形態において、この方法は、1つまたは複数の所定の欠陥検出パラメータを未処理出力に適用することによりウェハー上の追加的欠陥を検出し、前述の欠陥と追加的欠陥とを組み合わせることによりウェハーに対する検査結果を生成することを含む。例えば、基準(例えば、8ビット基準画像)が、個別出力が割り当てられたセグメントに関わらず、未処理出力における個別出力(8ビットテスト画像等)から引かれ得る。基準は、上述したような任意の好適な参照を含み得る。加えて、同じ基準は、割り当てられた1つまたは複数の欠陥検出パラメータを個別出力に適用すること、および1つまたは複数の所定の欠陥検出パラメータを未処理出力に適用することにより、欠陥を検出するために用いられ得る。引いたことの結果は、絶対差となり得る。次いで、所定の直接差異閾値が絶対差に適用され、直接差異閾値を超える絶対差を有する任意の個別出力が欠陥と特定されてもよい。加えて、同じ所定の直接差異閾値が、個別出力が割り当てられたセグメントに関わらず、絶対差に適用されてもよい。次いで、このようにして検出された欠陥は、割り当てられた1つまたは複数の欠陥検出パラメータを個別出力に適用することにより検出された欠陥と組み合わせることにより、ウェハーに対する最終検査結果を生成してもよい。例えば、欠陥マスクが、任意の方法で検出されたすべての欠陥に対して、別々に生成されてもよい。領域「成長」が両方の異なる画像から実行され、その結果、すべての欠陥に対する最終マスクが生成され得る。
【0042】
上述のように、異なる方法で欠陥を検出することは、欠陥再検出を提供し得る。これは、いくつかの理由で有利となり得る。例えば、自動的2D射影および幾何学形状に基づくセグメント化は、堅牢な欠陥再検出および欠陥再検出に対する操作性の向上を提供する。加えて、本明細書に記載のセグメント化は、欠陥および基準画像を写像するための動的な方法を提供する。例えば、セグメントのノイズが大きい場合、その差異は、減衰され得る。それに対して、セグメントのノイズが小さい場合、差異は増大され得る。加えて、上述の二重検出は、いずれかの検出方法からの偽警報の可能性を低下させる。
【0043】
この方法は、この方法の任意のステップの結果を記憶媒体に記憶することも含む。この結果は、本明細書に記載の任意の結果を含み得、当該技術分野において既知の任意の方法で記憶され得る。例えば、個別出力が割り当てられたセグメント、および/または、異なるセグメントに割り当てられた1つまたは複数の欠陥検出パラメータは、検査システムに接続された記憶媒体上に記憶された参照テーブル等の、データ構造を生成するために用いられてもよい。記憶媒体は当該技術分野において既知の任意の好適な記憶媒体を含み得る。結果が記憶された後、結果は記憶媒体においてアクセスされ、ユーザに対して表示されるようフォーマットされ、他のソフトウェアモジュール、方法、またはシステム、その他により用いられて、本明細書に記載のように用いられ得る。さらに、結果は、「永久的」に、「半永久的」に、「一時的」に、または何らかの時間周期の間、記憶され得る。例えば、記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)であり得、結果は、記憶媒体内においていつまでも記憶されるとは限らない。結果を記憶することは、2008年9月19日に出願されたBhaskarらによる本出願人の米国特許出願整理番号第12/234,201号に記載されるよう、実施されてもよい。なお、この米国特許出願整理番号第12/234,201号は、2009年3月26日に米国特許出願公開第2009/0080759号として公開され、参照することにより、あたかも本明細書において完全に説明されているかのように本明細書に援用される。
【0044】
ここで図面を参照して、図面において縮尺率が一定ではないことに注意すべきである。特に、図面の要素のいくつかの縮尺率は、その要素の特性を強調するために、大きく誇張されている。すべての図面が同じ縮尺で描かれているとは限らない点に注意すべきである。複数の図面に示され同様の構成を有する要素は、同じ参照番号を用いて示される。
【0045】
他の実施形態は、ウェハー上の欠陥を検出するための方法(すなわち、コンピュータにより実施される方法)を実行するコンピュータシステム上で実行可能なプログラム命令を含むコンピュータ可読媒体に関する。1つの係る例が図1に示される。例えば、図1に示すように、コンピュータ可読媒体10は、上述のウェハー上の欠陥を検出する方法を実行するコンピュータシステム14上で実行可能なプログラム命令12を含む。前述のプログラム命令が実行可能であるコンピュータにより実施される方法は、本明細書に記載の任意の他の方法(単数または複数)の任意の他のステップ(単数または複数)を含んでもよい。
【0046】
本明細書に記載の方法等の方法を実装するプログラム命令12は、コンピュータ可読媒体10上に記憶され得る。このコンピュータ可読媒体は、読み出し専用メモリ、RAM、磁気または光学ディスク、磁気テープ、または当該技術分野で既知の任意の他のコンピュータ可読媒体等の、コンピュータ可読媒体であってもよい。
【0047】
プログラム命令は、数ある中でも、プロシージャベース技術、コンポーネントベース技術、および/またはオブジェクト指向技術を含む様々な任意の方法で実装されてもよい。例えば、プログラム命令は、所望により、Matlab、Visual Basic、ActiveXコントロール、C、C++オブジェクト、C#、Java(登録商標)Beans、Microsoft Foundation Classes(「MFC」)、または他の技術または方法体系を用いて実装され得る。
【0048】
コンピュータシステム14は、パーソナルコンピュータシステム、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、システムコンピュータ、撮像コンピュータ、プログラム可能な撮像コンピュータ、並列プロセッサ、または当該技術分野において既知の他の任意の装置を含む様々な形態をとり得る。一般に、用語「コンピュータシステム」は、1つまたは複数のプロセッサを有しメモリ媒体から命令を実行する任意の装置を含むものとして広義に定義され得る。
【0049】
追加的な実施形態は、ウェハー上の欠陥を検出するよう構成されたシステムに関する。1つの係るシステムが図2に示される。図2に示すように、システム16は検査サブシステム18およびコンピュータサブシステム20を備える。検査サブシステムは、ウェハーをスキャンすることによりウェハーに対する未処理出力を生成するよう構成される。例えば、図2に示すように、検査サブシステムは、レーザ等の光源22を備える。光源22は、偏光部品24に光を導くよう構成される。加えて、検査サブシステムは1つまたは複数の偏光部品(図示せず)を備え、これら偏光部品のそれぞれは、光源からの光路において独立的に配置されてもよい。偏光部品のそれぞれは、光源からの光の偏光を異なる方法で変更するよう構成されてもよい。検査サブシステムは、スキャン中にウェハーを照射するためにどの偏光設定が選択されたかに応じて、光源からの光路上に入るように、または光路から脱するように、偏光部品を移動させるよう、任意の好適な方法で構成される。スキャン中にウェハー照射に用いられる偏光設定は、P偏光(P)、S偏光(S)、または円偏光(C)を含み得る。
【0050】
偏光部品24を出た光は、任意の好適な鋭角的な入射角を含み得る、鋭角的な入射角でウェハー26に導かれる。検査サブシステムは、光を光源22から偏光部品24へ、または偏光部品24からウェハー26へ導くよう構成された、1つまたは複数の光学要素(図示せず)を備えてもよい。光学部品は、反射光学部品を含むがそれには限定されない、当該技術分野で既知の任意の好適な光学部品を含み得る。加えて、光源、偏光部品、および/または、1つまたは複数の光学部品は、1つまたは複数の入射角(例えば、鋭角的な入射角、または実質的に垂直な入射角)で、光をウェハーに導くよう構成され得る。検査サブシステムは、ウェハー上方で光を任意の好適な方法でスキャンすることにより、スキャンを実施するよう構成され得る。
【0051】
ウェハー26から散乱した光は、スキャン中、検査サブシステムの複数チャンネルにより収集および検出され得る。例えば、比較的直角に近い角度でウェハー26から散乱された光は、レンズ28により収集され得る。レンズ28は、図2に示す屈折光学要素を含み得る。加えて、レンズ28は1つまたは複数の屈折光学要素および/または1つまたは複数の反射光学要素を備え得る。レンズ28により収集された光は偏光部品30に導かれ得る。この偏光部品30は、当該技術分野で既知の任意の好適な偏光部品を含み得る。加えて、検査サブシステムは2つ以上の偏光部品(図示せず)を備え、これら偏光部品のそれぞれは、レンズにより集光された光源からの光路において独立的に配置されてもよい。偏光部品のそれぞれは、レンズにより集光された光の偏光を異なる方法で変更するよう構成されてもよい。検査サブシステムは、スキャン中にレンズ28により集光された光を検出するためにどの偏光設定が選択されたかに応じて、レンズにより集光された光路上に入るように、またはその光路から脱するように、偏光部品を移動させるよう、任意の好適な方法で構成され得る。スキャン中にレンズ28により集光された光を検出するために用いられる偏光設定は、本明細書に記載の、任意の偏光設定(例えば、P偏光、S偏光、および無偏光(N))を含み得る。
【0052】
偏光部品30を出た光は、検出器32に導かれる。検出器32は、電荷結合素子(CCD:charge coupled device)または他の種類の撮像検出器等の、当該技術分野で既知の任意の好適な検出器を含み得る。検出器32は、集光された散乱光の光路に配置された場合、レンズ28により集光され偏光部品30により伝達される散乱光に反応する未処理出力を生成するよう構成される。したがって、レンズ28、レンズ28により集光された光路に配置された場合の偏光部品30、検出器32は、検査サブシステムの1つのチャンネルを形成する。検査サブシステムのこのチャンネルは、フーリエフィルタ部品等の、当該技術分野で既知の任意の他の好適な光学部品(図示せず)を含み得る。
【0053】
異なる角度でウェハー26から散乱された光は、レンズ34により集光され得る。レンズ34は、上述のように構成されてもよい。レンズ34により集光された光は偏光部品36に導かれてもよい。この偏光部品36は、当該技術分野で既知の任意の好適な偏光部品を含んでもよい。加えて、検査サブシステムは2つ以上の偏光部品(図示せず)を備え、これら偏光部品のそれぞれは、レンズにより集光された光源からの光路において独立的に配置されてもよい。偏光部品のそれぞれは、レンズにより集光された光の偏光を異なる方法で変更するよう構成されてもよい。検査サブシステムは、スキャン中にレンズ34により集光された光を検出するためにどの偏光設定が選択されたかに応じて、レンズにより集光された光路上に入るように、またはその光路から脱するように、偏光部品を移動させるよう、任意の好適な方法で構成され得る。レンズ34により集光された光を検出するために用いられる偏光設定は、P、S、またはNを含み得る。
【0054】
偏光部品36から出た光は検出器38に導かれる。この検出器38は上述のように構成されてもよい。検出器38も、散乱光の光路に配置された場合、偏光部品36を通過する集光された散乱光に反応する未処理出力を生成するよう構成される。したがって、レンズ34、レンズ34により集光された光路に配置された場合の偏光部品36、検出器38は、検査サブシステムの他のチャンネルを形成する。このチャンネルは、上述の任意の他の光学部品(図示せず)を含んでもよい。いくつかの実施形態において、レンズ34は、約20度から約70度の極角のウェハーからの散乱光を収集するよう構成されてもよい。加えて、レンズ34は、約360度の方位角でウェハーから散乱された光を収集するよう構成された反射光学部品(図示せず)として構成されてもよい。
【0055】
図2に示す検査サブシステムは、1つまたは複数の他のチャンネル(図示せず)を備えてもよい。例えば、検査サブシステムは、追加的チャンネルを含み、この追加的チャンネルは、サイドチャンネルとして構成された、レンズ、1つまたは複数の偏光部品、および検出器を含む本明細書に記載の任意の光学部品を備え得る。レンズ、1つまたは複数の偏光部品、および反射器は、さらに本明細書に説明するように構成されてもよい。1つの係る例において、サイドチャンネルは、入射面から出るように散乱する光を収集および検出するよう構成されてもよい(例えば、サイドチャンネルは、 レンズおよび反射器を備えるよう構成され、このレンズは、入射面に実質的に垂直な面の中心に配置され、この検出器は、レンズにより集光された光を検出するよう構成される)。
【0056】
ウェハーの検査が1つまたは複数のパスを含む場合、検査サブシステムの任意の光学パラメータの値は、もし必要であるならば、任意の好適な方法で、パスの間で変更されてもよい。例えば、パスの間で照射変更状態を変えるために、偏光部品24が除去され、および/または、本明細書で説明するように、異なる偏光部品と交換されてもよい。他の例において、パスの間で照射角を変えるために、光源および/またはウェハーに光を導くために用いられる他の任意の光学部品(例えば、偏光部品24)の位置が、任意の好適な方法でパスの間で変更されてもよい。
【0057】
コンピュータサブシステム20は、検査サブシステムにより生成された未処理出力を取得するよう構成される。例えば、スキャン中に検出器により生成された未処理出力が、コンピュータサブシステム20に提供されてもよい。特に、コンピュータサブシステムは、コンピュータサブシステムが検出器により生成された未処理出力を受信し得るよう、検出器のそれぞれに(例えば、当該技術分野で既知である任意の好適な伝送媒体を含み得る、図2において点線で示される1つまたは複数の伝送媒体により)接続されてもよい。コンピュータサブシステムは、検出器のそれぞれに、任意の好適な方法で接続されてもよい。ウェハーをスキャンする間に検出器により生成された未処理出力は、本明細書に記載の任意の未処理出力を含み得る。
【0058】
コンピュータサブシステムは、本明細書に記載の任意の実施形態にしたがって、ウェハー上に形成されたパターン化された特徴の1つまたは複数の幾何学的特性に対応する未処理出力の1つまたは複数の特性を特定するよう構成される。未処理出力の1つまたは複数の特性は、本明細書に記載の任意の係る特性を含んでもよい。1つまたは複数の幾何学的特性は、本明細書に記載の任意の係る特性を含んでもよい。パターン化された特徴は、本明細書に記載の任意のパターン化された特徴を含んでもよい。
【0059】
加えて、このコンピュータサブシステムは、異なるセグメントのそれぞれに対応するパターン化された特徴の1つまたは複数の幾何学的特性が異なるものとなるよう、未処理出力の、特定された1つまたは複数の特性に基づいて、未処理出力における個別出力を異なるセグメントに割り当てるよう構成される。コンピュータサブシステムは、本明細書に記載の任意の実施形態にしたがって、個別出力を異なるセグメントに割り当てるよう構成されてもよい。個別出力は、本明細書に記載の任意の個別出力を含んでもよい。異なるセグメントは、本明細書に説明するよう、構成されてもよい。未処理出力の特定された1つまたは複数の特性は、本明細書に記載の任意の係る特性を含んでもよい。
【0060】
コンピュータサブシステムは、本明細書に記載の任意の実施形態にしたがって、1つまたは複数の欠陥検出パラメータを異なるセグメントに別々に割り当てるよう、さらに構成される。1つまたは複数の欠陥検出パラメータは、本明細書に記載の任意の欠陥検出パラメータを含んでもよい。コンピュータサブシステムはまた、割り当てられた1つまたは複数の欠陥検出パラメータを、異なるセグメントに割り当てられた個別出力に割り当てることにより、ウェハー上の欠陥を検出するよう構成される。なお、この検出は、本明細書に記載の任意の実施形態にしたがって、実施され得る。割り当てられた1つまたは複数の欠陥検出パラメータは、本明細書に記載の任意の係るパラメータを含んでもよい。
【0061】
コンピュータサブシステムは、本明細書に記載の任意の方法の実施形態(単数または複数)の他の任意のステップ(単数または複数)を実行するよう構成されてもよい。コンピュータサブシステム、検査サブシステム、およびシステムは、本明細書に説明するよう、さらに構成されてもよい。
【0062】
図2は本明細書に記載のシステムの実施形態に含まれ得る検査サブシステムの1つの構成を全般的に示すために本明細書に提供されていることに注意すべきである。明らかに、本明細書に記載の検査サブシステム構成は、商業用検査システムを設計する際に通常行われるように、検査サブシステムの性能を最適化するために変更されてもよい。加えて、本明細書に記載のシステムは、米国カリフォルニア州ミルピタスのKLA−Tencor社から商業的に入手可能である、Puma90xx、91xx、および93xxシリーズの機器等の、既存の検査システムを用いて(例えば、既存の検査システムに本明細書に記載の機能を追加することにより)実装され得る。いくつかの係るシステムに対して、本明細書に記載の方法は、システムの(例えば、システムの他の機能に追加される)オプション機能として提供され得る。あるいは、本明細書に記載のシステムは、完全に新規のシステムを提供するために、「白紙状態」から設計されてもよい。
【0063】
本発明の様々な態様のさらなる変更例および代替的実施形態は、本記載を考慮すれば当業者に明らかになるであろう。例えば、ウェハー上の欠陥を検出するための方法およびシステムが提供される。したがって、本記載は、例示的なものとしてのみ解釈すべきであり、本発明を実施するための全般的な方法を当業者に教示するものである。本明細書において示され説明された本発明の形態は現時点における好適な実施形態であることを理解すべきである。本発明の説明の便宜を有した後、当業者に明らかであるように、要素および材料は本明細書において例示され説明されたものと取り替えられてもよく、部品およびプロセスは逆転されてもよく、本発明の特定の特徴は独立的に利用されてもよい。本明細書に記載の要素における変化は、以下の請求項に記載する発明の精神および範囲から逸脱することはなく、行い得る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査システムにより生成されたウェハーに対する未処理出力を取得し、
前記ウェハー上に形成されたパターン化された特徴の1つまたは複数の幾何学的特性に対応する前記未処理出力の1つまたは複数の特性を特定し、
異なるセグメントのそれぞれに対応する前記パターン化された特徴の前記1つまたは複数の幾何学的特性が異なるものとなるよう、前記未処理出力の前記特定された1つまたは複数の特性に基づいて、前記未処理出力における個別出力を異なるセグメントに割り当て、
1つまたは複数の欠陥検出パラメータを前記異なるセグメントに別々に割り当て、
前記1つまたは複数の欠陥検出パラメータを、前記異なるセグメントに割り当てられた前記個別出力に割り当てることにより、前記ウェハー上の欠陥を検出すること、
を含む、ウェハー上の欠陥を検出するためのコンピュータにより実施される方法。
【請求項2】
前記未処理出力は、前記ウェハーから散乱する光に反応する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記未処理出力の前記特定された1つまたは複数の特性は、前記未処理出力内の線に沿う射影を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記パターン化された特徴の前記1つまたは複数の幾何学的特性は、端部、形状、質感、前記パターン化された特徴の幾何学的形状を定義する数学的演算、またはこれらの何らかの組合せを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記特定は、前記パターン化された特徴のデザインレイアウトがどのように前記未処理出力の前記1つまたは複数の特性に影響を与えるかに基づいて実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記特定は、前記取得が実施される間に実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記特定、および前記個別出力の前記割り当ては、ユーザによる入力なしに自動的に実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記個別出力の前記割り当ては、前記パターン化された特徴に関するデザインデータに関わりなく実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記個別出力の前記割り当ては、前記個別出力の強度に関わりなく実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記個別出力の前記割り当ては、前記未処理出力の前記特定された1つまたは複数の特性を分析し、閾値を前記個別出力に適用することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記異なるセグメントのうちの1つに対応する前記1つまたは複数の幾何学的特性は、ページブレークの1つまたは複数の幾何学的特性を含み、前記異なるセグメントのうちの他の1つに対応する前記1つまたは複数の幾何学的特性は、アレイエリアの1つまたは複数の幾何学的特性を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記パターン化された特徴のうちのいくつか特徴の前記1つまたは複数の幾何学的特性に対応する前記未処理出力の前記1つまたは複数の特性は、フーリエフィルタにより抑制され得ない、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記1つまたは複数の欠陥検出パラメータは、前記個別出力と基準との間の差異に適用される閾値を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記1つまたは複数の欠陥検出パラメータを前記別々に割り当てることは、欠陥が、異なる感度を有する前記異なるセグメントに割り当てられた前記個別出力を用いて検出されるよう実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記取得は、前記ウェハーの複数パス検査の1つのパスにおいて実施され、前記コンピュータにより実施される方法は、前記複数パス検査の他のパスにおいて取得された未処理出力に対しては実施されない、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記取得は、前記ウェハーの複数パス検査の1つのパスにおいて実施され、前記コンピュータにより実施される方法は、前記複数パス検査の他のパスにおいて取得された未処理出力に対しては実施されず、追加的な欠陥は、前記他のパスにおいて取得された前記未処理出力を用いて検出され、前記方法は、前記欠陥と前記追加的欠陥とを組み合わせることにより、前記ウェハーに対する検査結果を生成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
1つまたは複数の所定の欠陥検出パラメータを前記未処理出力に適用することにより、前記ウェハー上の追加的欠陥を検出し、前記欠陥と前記追加的欠陥を組み合わせることにより前記ウェハーに対する検査結果を生成することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
ウェハー上の欠陥を検出するための方法を実行するコンピュータシステム上で実行可能なプログラム命令群を含むコンピュータ読み取り可能な媒体であって、前記方法は、
検査システムにより生成されたウェハーに対する未処理出力を取得し、
前記ウェハー上に形成されたパターン化された特徴の1つまたは複数の幾何学的特性に対応する前記未処理出力の1つまたは複数の特性を特定し、
異なるセグメントのそれぞれに対応する前記パターン化された特徴の前記1つまたは複数の幾何学的特性が異なるものとなるよう、前記未処理出力の前記特定された1つまたは複数の特性に基づいて、前記未処理出力における個別出力を異なるセグメントに割り当て、
1つまたは複数の欠陥検出パラメータを前記異なるセグメントに別々に割り当て、
前記1つまたは複数の欠陥検出パラメータを、前記異なるセグメントに割り当てられた前記個別出力に割り当てることにより、前記ウェハー上の欠陥を検出すること、
を含む、コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項19】
ウェハーをスキャンすることにより前記ウェハーに対する未処理出力を生成するよう構成された検査サブシステムと、
前記未処理出力を取得し、
前記ウェハー上に形成されたパターン化された特徴の1つまたは複数の幾何学的特性に対応する前記未処理出力の1つまたは複数の特性を特定し、
異なるセグメントのそれぞれに対応する前記パターン化された特徴の前記1つまたは複数の幾何学的特性が異なるものとなるよう、前記未処理出力の前記特定された1つまたは複数の特性に基づいて、前記未処理出力における個別出力を異なるセグメントに割り当て、
1つまたは複数の欠陥検出パラメータを前記異なるセグメントに別々に割り当て、
前記1つまたは複数の欠陥検出パラメータを、前記異なるセグメントに割り当てられた前記個別出力に割り当てることにより、前記ウェハー上の欠陥を検出すること
を行うよう構成された、コンピュータサブシステムと、
を備える、前記ウェハー上の欠陥を検出するよう構成されたシステム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公表番号】特表2012−518278(P2012−518278A)
【公表日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−550208(P2011−550208)
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【国際出願番号】PCT/US2010/023802
【国際公開番号】WO2010/093733
【国際公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【出願人】(500049141)ケーエルエー−テンカー コーポレイション (126)
【Fターム(参考)】