ウェブを漸増的に伸張させるための方法及び装置
低ひずみ速度でウェブを漸増的に伸張させるための駆動部材を使用する、方法及び装置が提供される。駆動部材は、駆動ベルト(114)及び単一の駆動部材(112)を包含しており、駆動ベルト及び単一の駆動部材が、互いに補完し、及び変形域(120)においてある係合深さで係合する、複数の歯(124)及び溝(126)を含む。係合深さは、変形域の少なくとも一部にわたって直線的に増加するように制御可能であり、変形域内で駆動ベルトと単一の駆動部材との間に挿入されたウェブ(116)が、低ひずみ速度で漸増的に伸張されるようになっている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ウェブを漸増的に伸張させるための方法及び装置が提供される。本方法及び装置は、特に、最小限のウェブ損傷しか有さない改善されたウェブ特性という結果を得る、低いひずみ速度に制御されたウェブの漸増的伸張を目的とする。
【背景技術】
【0002】
不織布地又はウェブは、単独で又は他の不織布若しくはフィルムとのラミネートとして、数多くの市販製品の全体又はその部分を構成しており、それらには、成人用失禁製品、生理用ナプキン、使い捨ておむつ、及びトレーニングパンツなどの、使い捨て吸収性製品が挙げられる。他の市販製品には、拭き布、保護衣類、手術ガウンが挙げられる。不織布がそのようなパーソナルケア製品の製造に使用されてきたのは、所望の布様美観を有し低コストでそれらの製品を生産できるからである。幾つかの不織布の弾性特性によって、体にぴったり合う衣類の中で使用可能となり、それらの柔軟性により、制限の無い通常の仕方で着用者は動くことが可能になる。
【0003】
不織布地又はウェブは、相互配置された個々の繊維、ストランド、又は糸からなる物理構造を有するが、編み布地又は織り布地におけるような規則的で識別可能な方式ではない。繊維は、連続的であっても不連続であってもよく、及び往々にして、一般クラスのポリオレフィン類、ポリエステル類、及びポリアミド類、並びに多数の他のポリマー類からの、熱可塑性のポリマー又はコポリマー樹脂から生産される。ポリマーのブレンドからの繊維又は複合多成分繊維も使用されてもよい。繊維を形成するための、更に合成繊維から不織布ウェブを生産するための方法及び装置には、メルトブローイング、スパンボンディング、及びカーディングが挙げられる。強度、柔軟性、弾性、吸収性、可撓性、及び通気性などの物理特性は、不織布を製造する際に、容易に調整される。しかしながら、ある特性が、他に対してバランスされなければならないことが多い。一例には、ほどよい強度を維持しながら、布地坪量を低減させることによってコストを下げる試みがある。
【0004】
フィルムは、ごみ袋、おむつバックシート、梱包材料、弾性構成要素、及びトップシートなどの孔あきフィルムのような多数の市販製品において、もう1つの一般的な構成要素である。その他のフィルムが、快適性を増すための通気性バリア層として使用されている。通気性の微多孔性フィルムは、熱可塑性ポリマーと充填剤を包含する、充填材入りフィルムを含む。これら及び他のフィルムは、当該技術分野において既知の様々なフィルム形成プロセスのいずれか1つにより形成可能であり、押し出し、成型、及びブローイングなどが挙げられる。
【0005】
不織布及びフィルムの強度、柔軟性、伸張性、及び/又は伸展性に関係する特性は、多数の用途に対して望ましいものであることが広く認められている。柔軟性は、様々な機械的工程により改善可能であり、不織布を伸張して、材料を堅くする傾向がある二次接着を破壊することなどが挙げられる。材料の伸張又は伸展性は、ウェブが駆動ロールの間を通る時に伸張することによっても改善可能である。駆動ロールは、歯及び溝を有しており、駆動パス長さを有するニップにおいて、相互に噛み合う。典型的なロールオンロール式駆動工具は、1.3cm(0.5インチ)以下の範囲の駆動パス長さを有する。市販のフィルム、不織布、及び製品の製造プロセスは、より安価な製造コストを作り出すために、可能な最高ライン速度での運転を所望されることが多い。その結果、高いひずみ速度で駆動に起因する伸張が生じる場合もあり、これが、材料の性質次第によっては、最終製品の損傷という結果になる可能性もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
材料コストを低減させるという要因が絶えず増大するに伴って、産業界は、強度、柔軟性、弾性、吸収性、可撓性、及び通気性などの望ましい特性を維持しながら、消費者製品における坪量の低減又はより低コストの材料への置き換えの方法を探し続けている。通常は、そのような特性を欠く材料では、駆動によって獲得することができるが、幾種かのポリプロピレン類、ポリエチレン類、ポリエステル類、及びセルロース類を含めて、幾種類かの材料は、商業生産に必要とされる高速ひずみに耐えることができない。それ故に、比較的早い加工ライン速度で低コスト材料に機械的駆動を実行可能な、プロセス及び設備が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、比較的低いひずみ速度でウェブを漸増的に伸張させるための駆動部材を使用する、方法及び装置を提供する。駆動部材は、駆動ベルト及び単一の駆動部材を包含し、駆動ベルト及び単一の駆動部材が、補完し変形域においてある係合深さで相互に係合する、複数の歯及び溝を含む。係合深さは、変形域にわたって直線的に増加可能である。代表的な実施形態では、変形域は、変形域内で駆動ベルトと単一の駆動部材との間に挿入されたウェブが低ひずみ速度で漸増的に伸張されるように、変形域の少なくとも一部にわたって直線的に増加するように制御することができる。駆動部材は、機械方向に限定された空間しか占有しないのに、比較的より長いパス長さを有する変形域を形成可能である。
【0008】
一実施形態では、単一の駆動部材は、複数の周囲の歯及び溝を有する単一の駆動ロールである。この実施形態では、変形域は、ある係合深さで相互に係合する、駆動ベルトの第一区域の複数の歯及び溝と単一の駆動ロールの複数の周囲の歯及び溝の弧区域との間に形成される。一連のバックアップローラーが、変形域に沿って配置されて、駆動ベルトの第一区域の複数の歯及び溝を単一の駆動ロールの複数の周囲の歯及び溝の弧区域と強制的に係合させるように、及びそれらの間の係合深さを制御する。代替実施形態では、バックアップローラーの少なくとも2つが、係合深さを制御するように独立に調節可能である。別の実施形態では、バックアップローラーは、係合深さを制御して変形域の少なくとも一部にわたって直線的に増加させるように配置されて、変形域内で駆動ベルトと単一の駆動ロールとの間に挿入されたウェブが、一定のひずみ速度で漸増的に伸張されるようになっている。
【0009】
別の実施形態では、駆動ベルトは第一の駆動ベルトであり、更に単一の駆動部材は、第一の駆動ベルトの複数の歯及び溝を補完する複数の歯及び溝を含む、第二の駆動ベルトである。パス長さを有する変形域が、第一の駆動ベルトの第一区域の複数の歯及び溝と第二の駆動ベルトの第二区域の複数の歯及び溝との間に形成される。この実施形態の場合、第一の駆動ベルトの第一区域を支持する第一組のローラー及び第二の駆動ベルトの第二区域を支持する第二組のローラーが、変形域のパス長さに沿って配置されて、第一の駆動ベルトの複数の歯及び溝を第二の駆動ベルトの複数の歯及び溝と強制的に係合させるように、及びそれらの間の係合深さを制御する。一実施形態では、パス長さに沿って異なる場所に配置された少なくとも2つのローラーが、変形域の係合深さを変化させるように独立に調節可能である。別の実施形態では、第一組のローラー及び第二組のローラーは、変形域の少なくとも一部にわたって係合深さの直線増加を提供するように配置されて、変形域内で第一の駆動ベルトと第二の駆動ベルトとの間に挿入されたウェブが、一定のひずみ速度で漸増的に伸張されるようなふうになっている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】高ひずみ速度の駆動により駆動されたフィルムの写真。
【図1B】低ひずみ速度の駆動により駆動されたフィルムの写真。
【図2】単一の駆動ロール及び駆動ベルトを含む、本発明によりウェブを漸増的に伸張させるための装置の平面図。
【図3】図2に示される装置の斜視図。
【図4】第一の駆動ベルト及び第二の駆動ベルトを含む、本発明によりウェブを漸増的に伸張させるための装置の平面図。
【図5A】図4に示される装置の斜視図。
【図5B】図5Aに示される装置の一部の拡大図であって、第一及び第二の駆動ベルトの歯及び溝。
【図6】図2〜5Bに示される装置で使用される駆動ベルトの断面図。
【図7A】本発明による駆動部材の一部を示す斜視図であって、ウェブを機械横方向に漸増的に伸張させるための、機械方向に配置された歯及び溝。
【図7B】本発明による駆動部材の一部を示す斜視図であって、ウェブを機械方向に漸増的に伸張させるための、機械横方向に配置された歯及び溝。
【図8】図7A及び図7Bに示されるような駆動部材の歯と溝の相互係合を示す、断片的な拡大断面図。
【図9】図7A及び図7Bに示される駆動部材の更なる拡大図であって、相互に係合した幾つかの歯と溝をそれらの間の材料ウェブと共に示している。
【図10A】本発明による駆動ベルト及び噛み合うリングロールについて、時間に対する係合深さの増加を比較するグラフ。
【図10B】本発明による駆動ベルト及び噛み合うリングロールについて、係合に対する係合の速度変化を比較するグラフ。
【図11】SELFプロセスで使用するための、本発明による駆動部材の一部を示す斜視図。
【図12】相互に噛み合っている対のSELFロールの間を通った後のウェブの略図。
【図13】相互に噛み合っている対のSELF駆動部材の間にウェブを通すことによって、ウェブに作り出すことができるパターン。
【図14】相互に噛み合っている対のSELF駆動部材の間にウェブを通すことによって、ウェブに作り出すことができるパターン。
【図15】マイクロSELF装置において使用するための駆動部材の斜視図。
【図16】マイクロSELF駆動部材上の歯の拡大斜視図。
【図17】マイクロSELF駆動中の変形域内で、低から高まで変化するひずみ速度を示すグラフ。
【図18A】図17のグラフにより示されるひずみ速度によるマイクロSELF駆動によって、ラミネート内に形成されたタフト。
【図18B】高ひずみ速度の駆動ロールを使用するマイクロSELF駆動中に形成されたタフト。
【図19】マイクロSELF駆動中の変形域内で、高から低まで変化するひずみ速度を示すグラフ。
【図20A】図19のグラフにより示されるひずみ速度によるマイクロSELF駆動によって、ラミネート内に形成されたタフト。
【図20B】高ひずみ速度の駆動ロールを使用するマイクロSELF駆動中に形成されたタフト。
【図21】回転ナイフ穿孔のために構成された駆動部材の略図。
【図22】回転ナイフ穿孔用駆動部材の斜視図。
【図23A】図22に示される回転ナイフ穿孔用駆動部材の拡大図。
【図23B】図22に示される回転ナイフ穿孔用駆動部材上の歯の拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
定義:
本明細書及び請求項中で使用するとき、用語「含む」は、包括的又は非制限的であって、列挙されていない追加の要素、構成要素、又は方法の段階を排除しない。
【0012】
本明細書で使用するとき、「機械方向」は、ウェブなどの材料が製造プロセス中に通って進む経路を意味する。
【0013】
本明細書で使用するとき、「横方向」は、ウェブの平面内で機械方向に垂直な経路を意味する。
【0014】
本明細書で使用するとき、用語「駆動」は、いずれかのプロセスを意味しており、これによって、噛み合う歯と溝により作り出される引張りひずみが、中間のウェブ区域を伸張させる又は引き伸ばす。そのようなプロセスは、通気性フィルム、伸張性複合材料、孔あき材料、及び非平坦材料を包含する多数の物品の生産に有用であることが見出されている。不織布ウェブの場合、伸張は、中間のウェブ区域内で、繊維の再配向、坪量の低下、及び/又は制御された繊維破壊を引き起こすことができる。一般的な駆動方法は、例えば、リングロール加工として当該技術分野において既知のプロセスである。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「駆動部材」は、駆動を実行するための歯及び溝を包含する装置を意味する。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語「変形域」は、対向する駆動部材の歯と溝が噛み合って駆動を引き起こす区域を意味する。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「パス長さ」は、対向する駆動部材の噛み合っている歯と溝により形成される変形域の長さを意味する。
【0018】
本明細書で使用するとき、「係合深さ」は、対向する駆動部材の噛み合っている歯と溝が相互の中へ延びる程度を意味する。
【0019】
本明細書で使用するとき、用語「不織布ウェブ」は、相互配置された個々の繊維又は糸からなる構造を有するが、ランダムに配向された繊維を通常は有さない織り布地又は編み布地中でのような繰り返しパターンのものではない、ウェブを指す。不織布ウェブ又は布地は、多数のプロセスで形成されており、例えば、メルトブロープロセス、スパンボンドプロセス、ハイドロエンタングリング、及びカード加工されて熱接着を包含するカードウェブ接着プロセスなどがある。不織布の坪量は通常、平方メートル当たりのグラム(gsm)で表される。ラミネートウェブの坪量は、構成要素層及びいずれか他の付加構成成分の組合せ坪量である。繊維直径は、大抵、ミクロンで表されるが、繊維寸法は、繊維の単位長さ当たりの重量の単位である、デニールでも表すことができる。本発明での使用に好適なラミネートウェブの坪量は、ウェブの最終用途に依存するが、6gsm〜400gsmの範囲にすることができる。例えば、ハンドタオルとして使用する場合、第一及び第二の両ウェブとも、18gsm〜500gsmの坪量を有する不織布ウェブにすることができる。
【0020】
不織布ウェブの構成繊維は、ポリマーの繊維にすることができ、並びに1コンポーネント、2コンポーネント、及び/又は2成分、非円形(例えば、毛管チャネル繊維)にすることができ、並びに0.1〜500マイクロメートルの範囲の断面長寸法(例えば丸繊維の場合、直径)を有することができる。不織布ウェブの構成繊維はまた、化学種(例えば、PE及びPP)、コンポーネント(例えば、1及び2)、デニール(マイクロデニール及び>20デニール)、形状(すなわち、毛管及び丸)などの機構が異なる、異なる繊維タイプの混合物であってもよい。構成繊維は、約0.1デニール〜約100デニールの範囲にすることができる。
【0021】
本明細書で使用するとき、「スパンボンド繊維」は、紡糸口金の微細で通常は円形の複数の毛管から溶融した熱可塑性材料をフィラメントとして押し出し、押し出されたフィラメントの直径をその後急激に縮径させることによって形成される、比較的小径の繊維を指す。スパンボンド繊維は、収集表面に沈着するとき、一般に粘着性が無い。スパンボンド繊維は、一般に連続しており、及び7マイクロメートルより大きい、より具体的には約10〜40マイクロメートルの(少なくとも10のサンプルからの)平均直径を有する。
【0022】
本明細書で使用するとき、用語「メルトブローイング」は、溶融した熱可塑性材料を、微細で通常は円形の複数の金型毛管を通して、通常は加熱された収束する高速気体(例えば空気)流の中へ、溶融糸又はフィラメントとして押し出し、この気体流により溶融した熱可塑性材料のフィラメントを細らせてその直径を縮小することによって、繊維が形成されるプロセスを指しており、直径がマイクロファイバー直径となることもある。その後、メルトブローン繊維は、高速気体流により運ばれて、多くはまだ粘着性であるうちに、収集表面上に沈着され、ランダムに分散されたメルトブローン繊維のウェブを形成する。メルトブローン繊維は、連続していても連続していなくてもよい、及び平均直径が一般に10マイクロメートルよりも小さい、マイクロファイバーである。
【0023】
本明細書で使用するとき、用語「ポリマー」には、一般に、ホモポリマー類、例えばブロックコポリマーやグラフトコポリマーやランダムコポリマー及び交互コポリマーのようなコポリマー類、ターポリマー類など、及びこれらのブレンド、並びに修飾物が挙げられるが、これらに限定されない。加えて、用語「ポリマー」は、特に限定しない限り、材料のあらゆる可能な幾何学的構成を包含する。その構成としては、アイソタクチック、アタクチック、シンジオタクチック、及びランダム対称が挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
本明細書で使用するとき、用語「1コンポーネント」繊維は、1つのポリマーのみを使用して1つ以上の押出成形機から形成される繊維を指す。これは、1つのポリマーから形成されているが、着色、静電気防止特性、潤滑、親水性などのために、少量の添加剤が添加された繊維を除外することを意味しない。これらの添加剤、例えば着色用の二酸化チタンは、一般に約5重量%未満、より通常には約2重量%未満の量で存在する。
【0025】
本明細書で使用するとき、用語「2コンポーネント繊維」は、別個の押出成形機から押し出されるが共に紡糸されて1つの繊維を形成する、少なくとも2つの異なるポリマーから形成された繊維を指す。2コンポーネント繊維はまた、複合繊維又は多コンポーネント繊維と呼ばれることもある。それらのポリマーは、2コンポーネント繊維の断面を横切って実質的に一定位置である異なる区域内に配置され、2コンポーネント繊維の長さに沿って連続して延びる。そのような2コンポーネント繊維の構成は、例えば、1種のポリマーが別のポリマーにより包囲されるシース/コア配置であってもよく、又はサイド・バイ・サイド配置、パイ型配置、又は「海島型」配置であってもよい。
【0026】
本明細書で使用するとき、用語「2成分繊維」は、同じ押出成形機からブレンドとして押し出される、少なくとも2種のポリマーから形成される繊維を指す。2成分繊維は、繊維の断面積を横切って比較的一定に位置付けされる異なる区域内に配置された様々なポリマー構成成分を有するものではなく、及び様々なポリマーは通常、繊維の全長に沿って連続ではなく、代わりに通常は、無作為に開始及び終了する繊維を形成する。2成分繊維はまた、多成分繊維と呼ばれることもある。
【0027】
本明細書で使用するとき、用語「非円形繊維」は、円形でない断面を持つ繊維を記述しており、「形作られた繊維」及び「毛管チャネル繊維」を包含する。そのような繊維は、中実にすることも中空にすることもでき、及び3葉(tri-lobal)、Δ形状にすることができ、更に好ましくは、外側表面上に毛管チャネルを有する繊維である。毛管チャネルは、「U字形」、「H字形」、「C字形」、及び「V字形」などの、様々な断面形状にすることができる。1つの好ましい毛管チャネル繊維には、テネシー州ジョンソンシティ(Johnson City, TN)のファイバーイノベーションテクノロジーズ(Fiber Innovation Technologies)から入手可能な4DG繊維と呼ばれるT−401がある。T−401繊維は、ポリエチレンテレフタレート(PETポリエステル)である。
【0028】
本明細書において開示される全ての数値範囲に関して、本明細書全体を通じて記載されるあらゆる最大数値限定は、それより小さいあらゆる数値限定を、そのような小さい数値限定が本明細書に明示的に記載されているかのように包含すると理解すべきである。加えて、本明細書全体を通じて記載されるあらゆる最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのような大きい数値限定が本明細書に明示的に記載されているかのように包含する。更に、本明細書全体を通じて与えられるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るあらゆるより狭い数値範囲を包含し、並びにその数値範囲内のそれぞれの個々の数値をも包含するものであり、そのようなより狭い数値範囲及び個々の数値が全て、あたかも本明細書に明示的に記載されているかの如くにである。
【0029】
ポリプロピレン類、ポリエチレン類、ポリエステル類、及びセルロース類のような材料は通常、駆動中に高ひずみ速度に曝されるとき、損傷を受ける、又はずたずたにさえもされる。例えば、図1Aは、駆動ロール群を用いて0.51m/s(毎分100フィート)で駆動された、クロペイ(Clopay)15gsmポリプロピレンフィルムを示す。図示されるように、そのフィルムは、フィルム中に存在する穴により実証される明らかな損傷の跡を示している。本発明は、ウェブの破壊が幾らか有るとしても最小限にしか引き起こさない駆動によってウェブを漸増的に伸張することにより、ウェブ材料を変形するための装置及び方法を提供する。その方法及び装置は、複数の歯及び溝を含む対向する駆動部材を包含しており、歯及び溝を補完する、あるパス長さを有する変形域において、ある係合深さで相互に係合する。変形域において駆動部材の間に挿入されたウェブが、既知のロールオンロール式駆動工具に関連して比較的低いひずみ速度で漸増的に伸張されるように、パス長さが寸法決めされて、係合深さが制御される。図1Bは、本発明の低ひずみ速度法により2.54m/s(毎分500フィート)で駆動された、図1Aに示されるクロペイ(Clopay)15gsmポリプロピレンフィルムを示す。図示されるように、ウェブは、より早いウェブ速度においてさえ、図1Aのウェブに比較して、目に見える損傷を経ていない。本発明による駆動に好適なウェブ材料には、高分子フィルム材料、不織布ウェブ材料、及び不織布ウェブと他の不織布ウェブ及び/又は高分子フィルム材料とのラミネートが挙げられるが、これらに限定されない。駆動に好適な他のウェブ材料には、紙、セルロース、織布、天然(環境にやさしい(sustainable))材料、金属箔、発泡体、弾性体、吸収性詰物などが挙げられる。
【0030】
本発明による低ひずみ速度駆動は、ある実施形態を示す以下の図を参照して説明される。本発明は、本明細書に付随する請求項により包含される可能性があるものなどの変形及び等価物の形態で広く適用可能であり、これらの実施形態が本発明の全範囲を代表するものではないことは、当業者にとって明らかであろう。更に、一実施形態の一部として説明は例示される機構は、別の実施形態に使用されて、更なる実施形態を生み出してもよい。特許請求の範囲は、そのような変形及び等価物の全てに及ぶことが意図されている。
【0031】
図2は、本発明による駆動によってウェブを漸増的に伸張させるための代表的な装置を示す。装置110は、単一の駆動ロール112の形態の単一の駆動部材と、駆動ベルト114とを含む。単一の駆動ロール112は、円筒形のロールを含み、駆動ベルト114は、連続する無限バンドを含む。図2に示されるように、ウェブ116は、供給ロール118から引き出されて、矢印により表示される方向に進行する。ウェブ116は、単一の駆動ロール112と駆動ベルト114との間に形成された変形域120に送り込まれ、ここで、ウェブが、それらの間を通るとき、漸増的に伸張される。
【0032】
単一の駆動ロール112と駆動ベルト114の相対位置が、図3の斜視図に示される。単一の駆動ロール112は、動力駆動される回転可能なシャフト上に、回転可能に取り付けられている。単一の駆動ロール112は、円筒形の外表面122を含み、これは、そこに形成された軸方向に間隔が離れて並列し円周方向に延びる複数の同形状の歯124を包含する。歯124は、実質的に矩形断面の薄いフィンの形態にすることができ、又は断面を見るとき、三角形若しくは逆V字形状を有することができる。三角形である場合、歯124の頂点が、単一の駆動ロール112の円筒形外表面122に関して最も外側になる。いずれの形状においても、歯124の最外先端は、好ましくは、ウェブ材料の切断又は引き裂きを避けるために、丸みを付けられる。隣接する歯の間の間隔が、窪んで円周方向に延びる同形状の溝126を画定する。歯が実質的に矩形断面であるとき、溝126は、実質的に矩形断面であり得て、歯が三角形断面であるとき、逆三角形断面であり得る。
【0033】
駆動ベルト114は、単一の駆動ロール112に隣接して配置される。駆動ベルト114は、単一の駆動ロール112の周囲の複数の歯124及び溝126を補完する、軸方向に間隔が離れて並列し長手方向に延びる複数の同形状の歯128及び溝130を含む、外表面127を包含する。このように、駆動ベルト114及び単一の駆動ロール112には、間隔が離れた複数の歯と、それぞれの対の隣接する歯の間の交互する溝とが含まれる。以下で更に説明するように、歯及び溝は、相互に係合する駆動部材の間を通過する材料をそれぞれの溝の中に受け入れて局所的に伸張可能とするのに十分な隙間がある限り、それぞれが同一形状である必要はない。
【0034】
駆動ベルト114は、図6に示されるベルト輪郭仕様に研磨された、ジュロ硬度80A〜85Dの範囲のウレタン系の材料を包含することができ、それにおいては、駆動ベルトが、約30.48mm(1.200インチ)の幅Wと、約5.461mm(0.215インチ)の厚さTと、約2.286mm(0.090インチ)の歯高さTHと、約1.524mm(0.060インチ)の歯ピッチPとを有する。図2及び3に示される実施形態では、漸増的に伸張されるウェブの機械横方向長さによるが、並列に配置された2つ以上のベルトを使用することができる。この理由のために、図6に示されるベルトの縁部とそれぞれの縁部の内側の第一の歯との間の距離Dは、ピッチの半分すなわち0.762mm(0.030インチ)にされる。そのようなベルトが、41018ケンタッキー州エルランガー(1261 Jamike Drive Erlanger, Kentucky 41018)のFNシェパード社(F.N. Sheppard & Co.)により供給される。
【0035】
駆動ベルト114は、3つのプーリ上に、つまり第一のプーリ134a、第二のプーリ134b、及び第三のプーリ134c上にはめ込まれた、内表面132を包含する。3つのプーリは、三角形構成で単一の駆動ロール112の近辺に配置されている。第一のプーリ134aは、駆動ベルト114を3つのプーリ134a、134b、及び134cに沿って駆動するために、動力供給される。第二及び第三のプーリ134b及び134cはアイドラであって、駆動ベルト114の歯128及び溝130を単一の駆動ロール112の周囲の歯124及び溝126と係合させる画定された経路に沿って、駆動ベルト114を案内する。駆動ベルト114の対応する歯128及び溝130と単一の駆動ロール112とは、変形域120を形成する単一の駆動ロール112の弧区域142に沿って係合し、そこで、先の説明のように、ウェブ116が、それらの間を搬送されるときに、漸増的に伸張される。第一、第二、及び第三のプーリ134a、134b、及び134cは、駆動ベルト114の軸整列を維持するための肩136を包含する。
【0036】
第二のプーリ134bには、駆動ベルト114上の張力を変化させるための調節部138が含まれる。単一の駆動ロール112と駆動ベルト114との間で搬送されるウェブ116が、駆動ベルト114をそらせて単一の駆動ロール112から離し、これにより、駆動ベルト114の複数の歯128及び溝130が単一の駆動ロール112の周囲の歯124及び溝126に係合するのを阻害するので、ベルト張力が調節可能となっている。駆動ベルト114の張力は、ウェブ116の材料に依存して、変化させることができる。
【0037】
別の実施形態(図示せず)では、本装置には、3つのプーリの代わりに、プーリ134a及びプーリ134cの位置に配置された2つのプーリを包含し、それぞれのプーリを、第三の張力プーリ134bの必要性を無くすのに十分に大きな直径に、及びそのような位置決めにすることもできる。別の方法としては、運転中のベルトのたわみを減少することによってベルト寿命を伸ばすために、追加のプーリ又はアイドラを加えて、ベルトを楕円形又は円形に支持するように配置することができる。
【0038】
一連のバックアップローラー140(a〜e)が、単一の駆動ロール112の外表面122の弧区域142に沿って配置されて、駆動ベルト114をそれらの間に通しており、これによって、駆動ベルト114の歯128及び溝130が、単一の駆動ロール112の周囲の歯124及び溝126と強制的に係合されて、それらの間でウェブ116を変形させる。バックアップローラー140(a〜e)は、変形域120を形成し、そこで、駆動ベルト114が、単一の駆動ロール112と強制的に係合される。バックアップローラー140(a〜e)は、バックアップローラーと単一の駆動ロール112の外表面122との間の半径方向の距離を変化させるように、調節可能にすることができる。半径方向の調節により、駆動ベルト114の歯128及び溝130と単一の駆動ロール112の周囲の歯124及び溝126との間の係合深さが制御される。
【0039】
バックアップローラー140(a〜e)は、変形域120に沿って配置されて、独立に調節され、それぞれのバックアップローラー140(a〜e)において、駆動ベルト114と単一の駆動ロール112との間の係合深さを制御し、変形域120を通って搬送されるウェブ116を漸増的に伸張させることができる。代表的な実施形態では、一連のバックアップローラー140(a〜e)は、変形域120に沿って係合深さが直線的に増加するように調節されて、変形するウェブ上に一定の低ひずみ速度が誘起されるという結果を得ることができる。この実施形態の場合、一連中の最初のバックアップローラー140aと単一の駆動ロール112の外表面122との間の半径方向の距離は、最大距離に調節され、一方、一連中の最後のバックアップローラー140eと単一の駆動ロール112の外表面122との間の半径方向の距離は、最小距離に調節される。一連中の最初と最後のローラー140aと140eの間に配置されるバックアップローラー140(b〜d)と単一の駆動ロール112の外表面122との間の半径距離は、それぞれの引き続くローラーに対する量が最初のバックアップローラーから最後のバックアップローラーまで減少して、係合深さの滑らかな連続的増加という結果が得られるように調節される。
【0040】
使用されるバックアップローラーの数は、変形域120のパス長さ及び個々のローラーの寸法に依存する。駆動ベルト114は、ウェブの変形中に、個々のバックアップローラー140(a〜e)の間でたわみ得るので、ローラー間の対応する距離を最小限にするために、バックアップローラー140(a〜e)の直径を最小限にするのが望ましいことがある。代替実施形態(図示せず)では、バックアップローラーにバックアップベルトを追加して、個々のバックアップローラーの間の駆動ベルトのたわみを更に減少することができる。この実施形態の場合、バックアップベルトは、バックアップローラー上に組み立てられて、バックアップローラーとの組合せで作用し、バックアップローラー間の駆動ベルトのたわみを減少しながら、駆動ベルトと単一の駆動ロールとの間の係合深さを制御することができる。
【0041】
駆動中にウェブが機械横方向にスリップすること及び波形になることを防止するために、変形域の前で、ウェブを単一の駆動ロール上に予め巻き付けることができる。そのような実施形態は、変形域の前で単一の駆動ロールに隣接して配置されて、駆動中のウェブに張力を付加する、ニップロール(図示せず)を包含することができる。
【0042】
別の実施形態(図示せず)では、駆動ベルトは、溝付き上部層と駆動ベルトのたわみを最小限にする比較的より堅い裏打ち層とからなる、ラミネート構造を包含することができる。代替実施形態では、駆動ベルトは、しなやかに接合された剛性リンク、連続的に押し出されて形作られたベルト、回転成形ベルト、成型ベルト、及びその他の既知のベルト技術からなってもよい。駆動ベルトを支持する他の手段には、静止プレート、補強ワイヤ、チェーン、コンベヤなどが挙げられる。
【0043】
駆動ベルトはまた、耐久性及び寿命を延ばすための設計を包含することもできる。そのような設計には、滑りを制御するためにベルトに通常は付加される張力を減少できるように、ベルトの内径の摩擦係数を増加して、ベルトとプーリの間の滑りを減少することが挙げられる。あるいは、プーリを歯車と置き換えて、ベルトの内径に噛み合い歯車を包含することができる。ベルトの耐久性及び寿命を改善するための他の設計には、ベルトの内径を柔軟にして可撓性を強め、一方、外径の歯を硬くして駆動中の頑健さを提供するように、ベルトの厚さにわたってジュロ硬度を変化させることが挙げられる。ベルトの別の代替設計では、組立ての前は歯が初期張力下にあって、組立てにおいて強化されるという、ベルトの生産を包含することができる。予張力が付加された歯は、製造中にはベルトの内径上に駆動の歯を形成し、組立ての前に、歯をプーリと噛み合うベルト表面の反対側にするように、ベルト内側を外にひっくり返すことによって、作り出すことができる。歯は通常、変形域内では圧縮に負荷されるので、初期引張り負荷を有するベルトを設計することによって、変形域において歯が負の圧縮負荷の代わりに中立負荷に近づくというような具合に、張力を増強することができる。
【0044】
変形域120のパス長さは、加工中にウェブが機械方向に流れる速度である、ウェブ速度に適応するように設定される。比較的より低いひずみ速度を維持するために、パス長さは、ライン速度が増すにつれて、増加させることができる。この方法にて、ライン速度を低下することなく、装置寸法を増大することなく、及び/又は係合を減少することなく、ウェブに対する損傷の可能性を最小限にすることができる。駆動ベルト及び単一の駆動ロールの装置110についての変形域120のパス長さは、変化させることができるが、パス長さは、単一の駆動ロール112の寸法によって限定される。本発明の場合、単一の駆動ロール112の寸法は、約0.076メートル(3.0インチ)〜約2.438メートル(96.0インチ)の範囲の外径を有するロールで変化させることができ、変形域120の対応するパス長さは、約0.013メートル(0.5インチ)〜約5.08メートル(200インチ)に変化させることができる。
【0045】
駆動される材料のタイプ及びライン速度などのプロセス要件に依存して、変形域120のパス長さを最大限にするのが望ましいことがある。そのような要求は、駆動ロール112を寸法決めして、所望のパス長さを達成するのに必要な数のバックアップローラー140を提供することによって、達成可能である。しかしながら、そのような要求を満たすには、規格外のロールサイズを必要とする可能性があり、このことはコスト高に又は製造ラインにとって非実際的になるおそれがある。例えば、先に説明した単一の駆動ローラー及び駆動ベルトの装置110のような装置のためにウェブ製造ライン上で利用可能な空間が、限定される場合もある。実際、そのような装置は、約1メートル(39インチ)未満の機械方向長さを有するライン上の空間を占めるのが望ましい。そのような空間要求は、単一の駆動ロール112の寸法を0.61メートル(24インチ)までに限定して、約1.27メートル(50インチ)の変形域120の最大パス長さという結果になる場合もある。したがって、駆動ベルトの変形域120のパス長さと単一ローラーの駆動装置110とは、約0.01メートル(0.5インチ)〜約1.27メートル(50インチ)の範囲と、約0.25メートル(10インチ)〜約1.27メートル(50インチ)の範囲とであるのが望ましい。より長いパス長さを必要とする用途は、図4に示される二重駆動ベルト装置210などの、本発明の代替実施形態を用いて達成することができる。
【0046】
二重駆動ベルト装置210は、第一の駆動ベルト212の形態の駆動ベルトと、第二の駆動ベルト214の形態の単一の駆動部材とを包含する。第一及び第二の駆動ベルト212、214は、連続バンドを含む。図4に示されるように、ウェブ216が、供給ロール218から引き出されて、矢印により表示される方向に進行する。ウェブ216は、第一の駆動ベルト212と第二の駆動ベルト214により形成される変形域220に送り込まれて、その間を通過するにつれて、漸増的に伸張される。
【0047】
第一の駆動ベルト212と第二の駆動ベルト214の相対位置が、図5Aの斜視図に示される。第一及び第二の駆動ベルト212、214は、図5Bに示される、軸方向に間隔が離れて並列し長手方向に延びる、複数の同一形状の歯224、226を包含する。歯224、226は、実質的に矩形断面の薄いフィンの形態にすることができ、又は断面を見るとき、三角形若しくは逆V字形状を有することができる。三角形の場合、歯の頂点が、ベルトの外表面に関して最も外側になる。図5Bに示される隣接歯224、226の間の空間が、窪んで周囲方向に延びる、同一形状の溝228、230を画定する。歯224、226がほぼ矩形の断面であるとき、溝228、230はほぼ矩形の断面であり得て、歯224、226が三角形の断面であるとき、溝は逆三角形の断面であり得る。このように、第一及び第二の駆動ベルト212、214は、複数の間隔が離れた歯224、226と、それぞれの対の隣接歯の間の交互する溝228、230とを包含する。
【0048】
図4及び5Aに示されるように、二重ベルト装置210は、第一の駆動ベルト212を支持する下部キャリッジ232と、第二の駆動ベルト214を支持する上部キャリッジ240とを包含する。下部キャリッジ232には、下部アイドラベッド234が含まれ、上部キャリッジ240には、上部アイドラベッド242が含まれる。下部アイドラベッド234には、第一の駆動ベルト212を支持する下部又は第一組のローラー236が含まれ、上部アイドラベッド242には、第二の駆動ベルト214を支持する上部又は第二組のローラー244が含まれる。ローラー236と244は、第一及び第二の駆動ベルト212、214を平行配置で支持し、並びに歯224、226及び溝228、230を変形域220内で強制的に係合する。ローラー236及び244は独立に調節されて、第一及び第二の駆動ベルト212、214の歯224、226と溝228、230との間の係合深さを制御することができる。駆動ベルトを支持する他の手段には、静止プレート、補強ワイヤ、チェーン、コンベヤなどが挙げられる。
【0049】
下部キャリッジ232には、三角構成に配置されて第一の駆動ベルト212を支持する3つのプーリ、つまり第一のプーリ238aと第二のプーリ238bと第三のプーリ238cとが含まれる。第一のプーリ238aは、動力駆動されるシャフト上に回転可能に取り付けられており、第二及び第三のプーリ238b、238cは、アイドラシャフト上に回転可能に取り付けられている。3つのプーリは、ローラー236の上を通る画定された経路に沿って第一の駆動ベルト212を案内しており、第一の駆動ベルト212の軸整列を維持するための肩235を包含する。第一の駆動ベルト212は、プーリ及び下部の組のローラーの上のベルトを滑り無く駆動するために、十分な張力を負荷されている。
【0050】
下部キャリッジ232と同様に、上部キャリッジ240も、下部キャリッジ232に対向する三角構成に配置された3つのプーリ、つまり、第四のプーリ246aと第五のプーリ246bと第六のプーリ246cとを包含する。第四のプーリ246aは、動力駆動されるシャフト上に回転可能に取り付けられており、第五及び第六のプーリ246b、246cは、アイドラシャフト上に回転可能に取り付けられている。第四、第五、及び第六のプーリ246(a〜c)は、上部の組のローラー244の上を通る画定された経路に沿って第二の駆動ベルト214を案内し、第二の駆動ベルト214の軸方向の整列を維持するための肩235を含む。第一の駆動ベルト212と同様に、第二の駆動ベルト214も、プーリ及び上部の組のローラー244の上のベルトを滑り無く駆動するために、十分な張力を負荷されている。
【0051】
別の実施形態(図示せず)では、駆動ベルトは、溝付き上部層と駆動ベルトのたわみを最小限にする比較的より堅い裏打ち層とからなるラミネート構造を包含することができる。代替実施形態では、駆動ベルトは、しなやかに接合された剛性リンク、連続的に押し出されて形作られたベルト、回転成形ベルト、成型ベルト、及びその他の既知のベルト技術からなってもよい。駆動ベルトはまた、図2及び3に示される単一の駆動ロール112及び駆動ベルト114の実施形態に関して先に説明された、耐久性及び寿命を延ばすための設計を包含することもできる。
【0052】
図4及び5Aに示される実施形態の場合、第一及び第二の駆動ベルトは、図6に示されるベルト輪郭仕様に研磨された、ジュロ硬度80A〜85Dの範囲のウレタン系の材料を包含することができ、それにおいては、駆動ベルトが、約30.48メートル(1.200インチ)の幅Wと、約5.461メートル(0.215インチ)の厚さTと、約2.286メートル(0.090インチ)の歯高さTHと、約1.524メートル(0.060インチ)の歯ピッチPとを有する。図4及び5Aに示される実施形態では、ウェブの機械横方向長さによるが、2つ以上のベルトを上部及び下部シャーシのプーリ上に組み立てることができる。この理由のために、図6に示されるベルトの縁部とそれぞれの縁部の内側の第一の歯との間の距離Dは、ピッチの半分すなわち0.762メートル(0.030インチ)にされる。そのようなベルトが、ケンタッキー州エルランガー(1261 Jamike Drive Erlanger, Kentucky 41018)のFNシェパード社(F.N. Sheppard & Co.)により供給される。
【0053】
変形中にウェブ216の縁部を固定するために、更に機械横方向への滑り及び対応する波形化を防止するために、上部キャリッジ240は、変形域220の長さにわたる押さえ込みベルト248を包含することができ、下部キャリッジは、上部キャリッジ240上の押さえ込みベルト248に対向する、押さえ込みベルト252を包含することができる。押さえ込みベルト248及び252は、変形中にウェブ216を挟んで、ウェブ縁部に沿って垂直力を及ぼす。図5Aに示されるように、押さえ込みベルト248は、変形域220に沿って上部組のローラー244の反対両側辺上に組み立てられ、押さえ込みベルト252は、変形域220に沿ってローラー236の反対両側辺上に組み立てられている。押さえ込みベルト248は、上部キャリッジ240に取り付けられたプーリ250a、250b上に組み立てられ、一方、押さえ込みベルト252は、下部キャリッジ232に取り付けられたプーリ254a及び254b上に組み立てられている、押さえ込みベルトを支持するプーリによって、ベルトが、漸増的に伸張中のウェブと一緒に進行可能になる。図3及び4Aに示される実施形態の場合、購入可能なVプ形ベルトが、押さえ込みベルトとして使用可能であり、ペンシルバニア州マンハイム(311 West Stiegel Street Manheim, Pennsylvania 17545)のフェンナードライブス(Fenner Drives)により供給されるイーグルベルティング(Eagle Belting)プロファイル3L、部品番号1032030などがある。ウェブの横方向滑りを防止するための当該技術分野において既知の他の手段も、例えば、米国特許第5,143,679号、名称「ゼロひずみ伸張ラミネートウェブを継続的に伸張してウェブの破裂無しに弾性を付与する方法(Method for Sequentially Stretching Zero Strain Stretch Laminate Web to Impart Elasticity thereto Without Rupturing the Web)」(ウェーバー(Weber)等、1992年9月1日発行)に記載されるものなどが、使用可能である。
【0054】
上記のように、第一及び第二の駆動ベルト212、214を支持する下部の組及び上部の組のローラー236、244を形成するローラー群は、独立に調節されて、変形域220における対応するベルトの歯と溝の間の係合深さを制御することができる。ローラー236、244は、下部の組のローラー236を形成するそれぞれのローラーが上部の組のローラー244を形成するローラーに直接対向して配置されて、それらの間にある距離を有するような、仕組とすることができる。それぞれの対向する対のローラーの間の距離は、対向する対を形成する片方又は両方のローラーの垂直位置を調節することによって、係合深さを滑らかに及び連続的に制御するように調節することができる。
【0055】
代替実施形態においては、係合深さは、下部キャリッジ232の配置を固定位置に維持したまま、上部キャリッジ240の垂直位置を変化させることによって、制御可能である。この実施形態の場合、第一及び第二組のローラー236、244は、対応するアイドラベッド234、242上に固定方向で回転可能に取り付けられる。上部キャリッジ240は、下部アイドラベッド234を固定して維持したまま、上部アイドラベッド242を上昇及び下降させるように、垂直に調節可能である。上部アイドラベッド242を上昇及び下降させることによって、下部の組のローラー236と上部の組のローラー244との間の距離並びに第一及び第二の駆動ベルト212、214の歯224、226と溝228、230との間の対応する係合深さを調節することができる。この実施形態の場合、上部キャリッジ240の垂直位置は、作動されるときに上部キャリッジ240を上昇及び下降させる、空気又は水圧シリンダー260によって制御可能である。はっきりした機械的停止体を配置し、上部キャリッジ240の下降位置での初期位置を設定して、下部組のローラーと対向する上部組のローラーとの間のマクロレベルの調節及びその初期距離を提供することができる。調節可能なねじ付きロッド262及び深さゲージ264が、上部アイドラベッド242の反対両端部上に配置されて、第一及び第二の駆動ベルト212、214の間の係合深さのミクロレベルの調節を提供する。調節可能なねじ付きロッド262の調節により、変形域220の入口において対向するローラー間の距離を最大限にして、第一及び第二の駆動ベルト212、214の歯224、226と溝228、230との間に最小限又はゼロの係合深さを提供するような具合に、並びに変形域の出口において対向するローラー間の距離を最小限にして、第一及び第二の駆動ベルト212、214の歯と溝の間に最大限の係合深さを提供するような具合にすることができる。この構成により、上部の組のローラー244を支持する上部アイドラベッド242のピッチは、変形域220の入口から変形域220の出口まで係合深さの直線的増加を提供するような方向付けにすることができる。
【0056】
先の説明の駆動ベルトと単一の駆動ローラーの装置及び二重駆動ベルトの装置は、全体的に又は部分的に、伝統的なロールオンロール式プロセスの代わりに使用することができる。例えば、本発明の装置及び方法は、米国特許第5,628,097号、及び同第5,916,661号、並びに米国特許出願公開第2003/0028165(A1)号にて開示されているように、開口を作り出す熱溶融弱化工程との組合せで使用することができる。そのうえ、本発明の装置及び方法は、米国特許出願公開第2004/0127875(A1)号(2002年12月18日出願)にて開示されているような、トップシートの伸張部分の作製に使用することができる。同様に、本発明の装置及び方法は、米国特許出願公開第2004/0131820(A1)号、国際公開第2004/059061(A1)号、及び同第2004/058118(A1)号にて開示されているような、有利に修正されたトップシートの生産に、並びに米国特許出願公開第2005/021753号にて開示されているような、孔あき成形フィルム、不織布ウェブ、及びラミネートの生産に、使用することができる。吸収性コアも、国際公開第2004/058497(A1)号にて開示されているように修正することができ、この特許では、2つのウェブのラミネートが、2つのウェブを共に加工して繊維で一体化された複合吸収性コアを形成することによって作製される。上で参照されたプロセスのそれぞれにおいて、変形域の前又はその中のいずれかで、熱を利用することができる。これらの従来技術の参照におけるように、駆動ベルト(単数又は複数)中のパターンは、連続であっても不連続であってもよく、並びに歯高さ、歯形状、向き、及び/又はピッチが異なる領域を含んでもよい。
【0057】
本発明の駆動部材を用いて実行可能な1つの形成手段には、一般にリングロール加工と呼ばれるプロセスがあり、それにおいては、噛み合う歯と溝が係合して、それらの間に挿入されたウェブを漸増的に伸張させる。リングロール加工の場合、駆動部材は、歯及び溝の向きに依存して、機械横方向又は機械方向にウェブを漸増的に伸張させるように、配置することができる。例えば、機械横方向CDに漸増的に伸張させる場合、それぞれの駆動部材40、42上の歯52及び溝54は、図7Aに示されるように、機械方向MDの向きに向けられる。逆に、機械方向MDに漸増的に伸張させる場合、それぞれの駆動部材40、42上の歯52及び溝54は、図7Bに示されるように、機械横方向CDの向きに向けられる。そのような機械横方向の歯及び溝を含むベルトは、噛み合いパターンに関して、機械方向に位相保持される。
【0058】
図8は、ウェブを漸増的に伸張させる変形域における、それぞれの対向する駆動部材40、42の歯52と溝54の相互係合を示す、拡大された断片的な断面図である。歯52は、歯高さTHを有し、及び好ましくは歯ピッチPを画定する均一距離で、相互に間隔を離されている。図示されるように、駆動部材40の歯52は、対向する駆動部材42の溝54の中へ部分的に延びて、図8に示されるような「係合深さ」Eを画定している。駆動中に、係合深さは、変形域の少なくとも一部にわたって、徐々に増加するように制御される。
【0059】
図9は、変形域において相互係合している幾つかの歯52と溝54の、それらの間にウェブ材料34を有する、更なる拡大図である。図示されるように、不織布ウェブであり得るウェブ34の一部が、変形域において相互係合する歯と溝の間に受け入れられている。歯と溝の相互係合により、ウェブ34の横方向に間隔の離れた部分が、歯52によって対向する溝54の中に押し込まれている。駆動部材の間を通過しているうちに、ウェブ34を対向する溝54の中に押し込んでいる歯52の力が、駆動部材上の歯及び溝の向き次第で機械方向又は機械横方向に作用する、引張応力をウェブ34内に課す。引張応力は、隣接する歯52の先端の間に存在する及びその間の空間を渡る中間ウェブ区域58を、機械方向又は機械横方向に伸張させる又は伸ばすことができ、このことは、中間ウェブ区域58のそれぞれにおいて、ウェブ厚さの局部的減少という結果を得ることができる。不織布ウェブの場合、エアレイドウェブを包含し、伸張は、中間ウェブ区域58における繊維の再配向、坪量の減少、及び制御された繊維破壊を引き起こすことができる。
【0060】
隣接する歯の間に存在するウェブ34の部分が局所的に伸張されるが、歯の先端と接触しているウェブの部分は、同程度の伸縮を受けない可能性がある。歯52の丸い外側端部の表面と歯の外側端部において歯表面に接触しているウェブ34の隣接区域60との間に存在する摩擦力のために、歯の外側端部の歯表面に相対的なウェブ表面のこれらの部分の摺動運動は、最小限である。その結果、ある場合には、歯先端の表面に接触しているウェブの区域におけるウェブ34の特性は、中間ウェブ区域58に生じるウェブ特性の変化と比較して、僅かしか変化しない。
【0061】
伸張の方向に依存してウェブ幅又は長さの結果的な増大を伴う、ウェブ34に生じた局所的なウェブ伸張のために、変形域から出ていく駆動部材により形成されたウェブ材料は、出ていく材料が実質的に平らで横方向に伸びた状態のままであるという条件で、入ってくるウェブ材料よりも低い坪量を有する場合もある。例えば、機械横方向に伸張されたウェブは、ウェブ移動方向の幾分かの張力下にウェブが置かれるという点で、変形域から出るときに、その元の横方向幅又は長さに収縮する可能性があり、この場合、出ていく修正されたウェブは、入ってくる状態で有したのと同一の坪量を有することがある。しかしながら、出ていくウェブが十分に高いウェブ機械方向張力を受ける場合、出ていくウェブは、その元の幅よりも狭い幅に収縮させられることもあり、この場合、ウェブは、その元の坪量よりも高い坪量を有する。これに対して、いわゆるマウントホープロール(Mount Hope roll)、幅出し機、角度付きアイドラ、角度ニップ、又は上記類似品の間に修正されたウェブを通すことによって、十分な追加のウェブ横伸張にウェブを曝す場合、出ていく修正されたウェブは、その元の坪量よりも低い坪量を有することができる。このように、駆動部材に好適な歯及び溝の形状を選択することによって、ウェブ移動方向の好適な張力レベルを選択することによって、及び追加のウェブ横伸張にウェブを曝すかどうかを選択することによって、結果として得られる修正された不織布ウェブは、初期ウェブ幅の約20%〜約500%の範囲であり得るウェブ幅と、ウェブの初期坪量未満の、それに等しい、又はそれを超える、坪量とを有することができる。
【0062】
歯52は、図8及び9に示されるように、断面が概ね三角形であって、概ね丸形の歯先端を有することができる。図示されるように、歯52は、歯高さTHと(注;THは溝深さにも適用可能であり、一実施形態では、歯高さ及び溝深さは等しくすることができる)、ピッチPと呼ばれる歯と歯の間隔とを有する。係合深さE、歯高さTH、及びピッチPは、加工されるウェブの特性及び加工されたウェブの所望の特性に依存して、所望のように変化させることができる。
【0063】
当業者が認識するように、それぞれの歯及び溝の寸法は、広範囲に変化可能であり、またそれでも、本発明を実行するのに効果的である。その点に関して、本発明による好適な駆動部材の追加の構造詳細が、米国特許第5,156,793号、名称「ゼロひずみ伸張ラミネートシートを非均一方法で漸増的に伸張して変化する程度の弾性をこれに付与する方法(Method for Incrementally Stretching Zero Strain Stretch Laminate Sheet in a Non-Uniform Manner to Impart a Varying Degree of Elasticity Thereto)」(ケネス B.ブエル(Kenneth B. Buell)等、1992年10月20日発行)、及び同第5,167,897号、名称「ゼロひずみ伸張ラミネートシートを漸増的に伸張して弾性をこれに付与する方法(Method for Incrementally Stretching a Zero Strain Stretch Laminate Sheet to Impart Elasticity Thereto)」(ゼラルド M.ウェーバー(Gerald M. Weber)等、1992年12月1日発行)に提示されている。その他の発効特許には、米国特許第5,527,304号、名称「延長パネルを有する伸縮自在のサイドパネルが付いた吸収性物品(Absorbent Article with Elasticized Side Panels having Extension Panel)」(ブエル(Buell)、1996年6月18日発行)、同第5,674,216号、名称「伸縮自在のサイドパネルが付いた吸収性物品(Absorbent Article with Elasticized Side Panels)」(ブエル(Buell)、1997年10月7日発行)、同第6,476,289号、名称「エラストマーのラミネートを有する衣類(Garment having Elastomeric Laminate)」(ブエル(Buell)、1996年6月18日発行)、同第5,628,741号、名称「予めひずまされたウェブ部分を有する弾性機構が付いた吸収性物品及びその形成方法(Absorbent Article with Elastic Feature having a Prestrained Web Portion and Method for Forming Same)」(ブエル(Buell)、1997年5月13日発行)、同第5,591,155号、名称「改善された伸縮性のサイドパネルを有する使い捨てトレーニングパンツ(Disposable Training Pant having Improved Stretchable Side Panels)」(ニシカワ(Nishikawa)、1997年1月7日発行)、同第5,246,433号、名称「伸縮自在の使い捨てトレーニングパンツ及びその製造方法(Elasticized Disposable Training Pant and Method of making the Same)」(ハッセ(Hasse)、1993年9月21日発行)、同第5,464,401号、名称「微分伸張性を有する伸縮自在の使い捨てトレーニングパンツ(Elasticized Disposable Training Pant having Differential Extensibility)」(ハッセ(Hasse)、1993年9月21日発行)、同第5,575,783号、名称「伸縮自在のヒップパネルを含む動的弾性機構が付いた吸収性物品(Absorbent Article with Dynamic Elastic Feature Comprising Elasticized Hip Panels)」(クリア(Clear)1996年11月19日発行)、同第5,779,691号、名称「衛生物品用の、特に使い捨ておむつ用の締結テープ(Fastening Tape for a Sanitary Article Particularly Disposable Diaper)」(シュミット(Schmitt)、1998年7月14日発行)、同第5,143,679号、名称「ゼロひずみ伸張ラミネートウェブを継続的に伸張してウェブの破裂無しにこれに弾性を付与する方法(Method for Sequentially Stretching Zero Strain Stretch Laminate Web to Impart Elasticity thereto Without Rupturing the Web)」(ウェーバー(Weber)、1992年9月1日発行)、同第4,834,741号、名称「弾性のウエストバンド用伸縮性素材を有するおむつ(Diaper with Elastic Waist Band Elastic)」(サビー(Sabee)、1989年5月30日発行)、及び同第4,968,313号、名称「弾性のウエストバンド用伸縮性素材を有するおむつ(Diaper with Elastic Waist Band Elastic)」(サビー(Sabee)、1989年11月6日発行)が挙げられる。
【0064】
本発明の利点は、変形域のパス長さが、従来技術の方法よりも数倍長く容易に調節可能なことである。噛み合う歯と溝の係合深さは、加工中にウェブが機械方向に流れる速度である、ウェブ速度に適合するように設定可能である。具体的には、ライン速度が増すにつれて、変形域のパス長さを増加するのが望ましいことが多い。これがなされる結果、増加したウェブ速度にもかかわらず、より長い距離にわたって、ひいてはより長い時間にわたって、ウェブの漸増的伸張が実行される。増加したウェブ速度に対して変形域のパス長さを増加するという働きかけを用いると、前述の米国特許第5,143,679号(ウェーバー(Weber)等に対して発行)などの従来技術に記された、高速駆動の悪影響を相殺することができる。噛み合う円筒形ロール(複数)で成し遂げられる、そのような従来技術のリングロール加工は、ロールの寸法及び要求された程度の係合だけにより完全に決まる、固定のパス長さだけを有する変形域(単数又は複数)を提供する。
【0065】
表1は、長さが0.025メートル(1.0インチ)を超える変形パス長さに対して、リングロール直径がどのように著しく増加するかを明らかにしている。例えば、0.051メートル(2.0インチ)の変形域パス長さを提供するには、約2.44メートル(96インチ)のリングロール直径を必要とする。1メートル(39インチ)の変形パス長さは、直径が1キロメートルに近い、従来技術のリングロールの組を必要とすることになる。したがって、より長い変形パス長さは、より早いウェブ速度の悪影響を軽減するために望ましいことが多いが、非現実的なリングロール寸法の使用が必要になると見ることができる。表はまた、それぞれの対応する変形域パス長さに対して、二重駆動ベルト(ベルト/ベルト)の装置、及び単一駆動ロールと駆動ベルト(ベルト/ロール)の装置の、推定される機械方向長さ(MD長さ)も示している。
【0066】
【表1】
*MD長さは、装置に必要な機械方向の最小空間として定義される。
【0067】
仮定:
1.ベルト/ベルトのMD長さ=変形域パス長さ+付属ローラーのための0.39m
2.ベルト/ロールのMD長さ=ロール直径+付属するバックアップローラーのための0.39m
3.ベルト/ロールの変形域最大パス長さ=0.75×ロール円周(すなわち、270度の巻き付け)
【0068】
本発明の方法及び装置により作り出される、増大された変形域パス長さの有益な効果は、図10A及び図10Bに示されるグラフで更に説明できる。図10Aのグラフは、本発明の装置に対して従来技術のリングロールシステムを比較して、係合時間に対する係合の深さを示すものであり、毎秒約2.54メートル(500ft/min)のウェブ速度、1.52mm(0.060インチ)のベルトピッチ、及び2.0mm(0.079インチ)の係合深さを仮定している。そのプロットは、リングロールのより短い変形域パス長さに関連付けられる急速で非直線的な増加と比較して、本発明の装置の変形域パス長さがどのように寸法決め及び配置されて、係合深さのなだらかで直線的な増加を提供できるかを示している。これらの異なるパス長さの結果として得られる効果が、図10Bのグラフで示されており、それにおいては、係合深さに対して対応する駆動速度又は係合速度がプロットされている。そのグラフは、本発明の方法及びプロセスにより付加される非常に遅い(及びこの場合は)一定のひずみ速度と比較して、従来技術のリングロールプロセスがどのように非常に早いひずみ速度を材料中に誘起するかを明らかにしている。この係合速度の著しい低下が、ウェブに対する変形速度を対応して低下させるという結果になり、このことは、高い駆動速度が多数のウェブ材料上に有する前述の悪影響を、効果的に最小限にする又は排除する。
【0069】
本発明の駆動部材を用いて実行可能な他のウェブ変形手段は、「SELF」又は「SELFing」プロセスと普通は呼ばれるプロセスであり、ここで、SELFは、構造的に弾性様のフィルム(Structural Elastic Like Film)の略である。そのプロセスは元来、有益な構造的特性を有するようにポリマーフィルムを変形するために開発されたが、SELFプロセスを用いると、不織布ウェブ中に有益な構造を作り出せることが見出された。
【0070】
図11を参照すると、SELFプロセスで使用するための駆動部材の形状が示されており、これを使用して、ウェブの一部をX−Y平面から外へZ方向に拡大することによって、不織布ウェブの一部をウェブ厚さ寸法の向きへ拡大することができる。図11に示されるように、1つの駆動部材64には、横方向に間隔が離れて長手方向に延びる、複数の歯52及び溝54が含まれる。駆動部材62には、横方向に間隔が離れて長手方向に延びる複数の歯68が含まれ、駆動部材62の歯68の一部が取り去られて、ノッチ66を形成し、これらが、複数個の間隔が離れた歯68を画定している。図11に示されるように、それぞれの横断方向に隣接する歯68上のノッチ66は、横方向に整列して、駆動部材62の表面周りで間隔が離れた複数のノッチ領域の群を画定することができる。ノッチ領域のそれぞれの横方向に広がる群はそれぞれ、駆動部材62の機械横方向CDに平行に延びる。歯68は、図8を参照して先に説明したような、歯高さTHに相当する歯高さと、歯ピッチPに相当する歯ピッチとを有することができる。
【0071】
SELFプロセス中に駆動部材により形成された変形域をウェブが通過するとき、駆動部材62の歯68が、ウェブの一部を平面外へ押して、永久的な局所Z方向変形をウェブに引き起こす。しかしながら、駆動部材62のノッチ領域66と駆動部材62の歯68との間を通るウェブの部分は、実質的にZ方向に変形されない、すなわち、不織布ウェブは、その区域において、歯領域と同程度には変形又は伸張されずに、実質的に平面状のままであり得るが、駆動部材62の歯領域と駆動部材64の歯52との間を通るウェブの部分は、不織布の弾性限界を超えて変形又は伸張可能であり、複数個の変形されて隆起したリブ状要素という結果になる。
【0072】
ここで図12を参照すると、SELFプロセスの対向して相互係合する対の駆動部材62と64の間を通過した後の、SELF加工された不織布ウェブ70の一部の略図が示されており、駆動部材は、図11に示されるものに類似の歯形状を有するものである。SELF加工された不織布ウェブ70は、異なる領域の網状組織を包含する。網状組織は、少なくとも、第一の領域72、第二の領域84、及び第一の領域72と第二の領域84の間の境界域にある遷移領域76を包含する。SELF加工された不織布ウェブ70はまた、第一の表面78と、反対側に面する第二の表面80とを有する。図12に示される実施形態では、SELF加工された不織布ウェブ70は、実質的に平らで間隔の離れた複数の第一の領域72と、第二の領域84を形成する交互する複数のリブ状要素とを包含する。
【0073】
図12に示される実施形態では、第一の領域72は、実質的に平面状である。すなわち、第一の領域72内の材料は、実質的に平らであり、及び図11に示される駆動部材62と64との間を通過することにより不織布ウェブが受けた修正工程の後でも、ウェブが駆動部材の間を通る前と実質的に同じ状態である。
【0074】
不織布ウェブの所望の形態は、それぞれが実質的に等しい長さを有し且つ列に配置されて線状の第一の領域72により隔てられた概ね矩形の変形区域を画定するリブ状要素の形態である、図12に示される表面パターンに加えて、所望の場合には、不織布材の局所伸張及び/又は変形を引き起こすことができる他の駆動部材の歯及び溝の形状によって達成可能である。変形パターンは、間隔が離れた矩形配列のリブ状要素の代わりに、例えば、図13に示されるように、介在する未変形の第一の領域72を有して、間隔の離れたダイヤモンド形状の第二の領域74の配列を画定する、リブ状要素の形態にすることができる。それぞれのそのようなダイヤモンド形状の第二の領域74は、交互するリブ状要素84と介在する谷部分86とによって画定される。そのようなダイヤモンド形状の要素を形成するための方法及び装置の例が、米国特許第5,650,214号、名称「弾性様挙動と柔軟な布様手ざわりを呈するシート材料(Sheet Materials Exhibiting Elastic-Like Behavior and Soft, Cloth-Like Texture)」(バリー J.アンダーソン(Barry J. Anderson)等、1997年7月22日発行)、及び同第6,383,431号、名称「使い捨て吸収性物品の構成要素として使用するための不織布繊維ウェブを修正する方法(Method of Modifying a Nonwoven Fibrous Web For Use as a Component of a Disposable Absorbent Article)」(ドブリン(Dobrin)等、2002年5月7日発行)にて、開示されている。
【0075】
変形パターンは、図14に示されるように、間隔の離れた円形状の第二の領域74の配列を共に画定する、リブ状要素84の形態にすることもできる。それぞれのそのような円形要素は、適切に間隔の離れた変化する長さのリブ状要素84と、介在する谷部分86とによって、画定することができる。それぞれの円形状の第二の領域74の間にあるのは、未変形の介在する第一の領域72である。当業者には明白であるように、所望の場合、他の変形パターンも使用可能であり、米国特許第5,518,801号、名称「弾性様の挙動を呈するシート材料(Sheet Materials Exhibiting Elastic- Like Behavior)」(チャールス W.チャッペル(Charles W. Chappell)等、1996年5月21日発行)に例示及び説明されるものなどがある。チャッペル(Chappell)に対して発行された他の特許には、米国特許第5,691,035号、名称「弾性様の挙動を呈するウェブ材料(Web Materials Exhibiting Elastic-like Behavior)」(1997年11月25日発行)、同第5,723,087号、名称「弾性様の挙動を呈するウェブ材料(Web Materials Exhibiting Elastic-like Behavior)」(1998年3月3日発行)、同第5,891,544号、名称「弾性様の挙動を呈するウェブ材料(Web Materials Exhibiting Elastic-like Behavior)」(1999年4月6日発行)、同第5,916,663号、名称「弾性様の挙動を呈するウェブ材料(Web Materials Exhibiting Elastic-like Behavior)」(1999年6月29日発行)、及び同第6,027,483号、名称「弾性様の挙動を呈するウェブ材料(Web Materials Exhibiting Elastic-like Behavior)」(2000年2月22日発行)が挙げられる。
【0076】
本発明の駆動部材を使用して実行可能なウェブ変形の他の手段には、「マイクロSELF」として最も良く記述できるプロセスがある。マイクロSELFは、図11を参照して説明したSELFプロセスのものと装置及び方法が類似するプロセスである。SELFとマイクロSELFとの間の主な相違点は、歯が付いた駆動部材上の、すなわち、図11の駆動部材62に相当する図15のマイクロSELF駆動部材82上の、歯68の大きさ及び寸法である。マイクロSELF駆動部材82は、パターンの有る1つの駆動部材すなわちマイクロSELF駆動部材82とパターンの無い1つの溝付き駆動部材(図示せず)とを有する、好ましい構成の変形域を形成する駆動部材の1つとすることができる。しかしながら、ある実施形態では、それぞれの駆動部材の同一又は異なる対応する領域に同一又は異なるパターンのいずれかを有する、2つのマイクロSELF駆動部材82を使用するのが好ましいことがある。そのような装置は、変形のあるウェブを作り出すことができ、これは、不織布ウェブでは、加工したウェブの片側又は両側から突き出るタフトとして記述することができる。タフトは、密な間隔にすることができるが、少なくともその基部においては、タフト間に空隙領域を画定するのに十分に離れた間隔にすることができる。
【0077】
図15の部分的な斜視図及び図16の拡大された部分的な斜視図に示されるように、マイクロSELF駆動部材82の歯68は、歯68の前縁及び後縁に対応する独特の形状を有して、これにより歯が不織布ウェブを本質的に「打ち」抜くことが可能になっており、図12〜14に示されるように、ウェブを本質的にこぶ又は歯に変形させるのとは対照的である。不織布ウェブの幾つかの実施形態では、歯68は、繊維を面外に追い出して、繊維の「タフト」又はループとして記述できるものを形成する。一実施形態では、ウェブは、繊維を押し通してタフト又はループを形成する歯68によって、いわば穴をあける。したがって、関連付けられた連続側壁すなわち連続「遷移域」をそれぞれが有する、SELFウェブの「テントのような」リブ状要素とは異なって、マイクロSELFプロセスで面外に押し出されたタフト又はループは、Z方向変形の側壁部分に関連付けられた不連続構造を有することができる。加えて、比較的高い坪量の吸収性コア材料に対して利用されるとき、「タフト化」は、ウェブ表面の1つに関して、繊維がZ方向に面外へ追い出されるが、他のウェブ表面では、Z方向変形がぼかされる又は存在しないことがあるので、幾分見つけにくい場合もある。更に、ラミネート材料が含まれているとき、1つのウェブ材料のZ方向変形が、ラミネートの第二の材料に押し込まれて、「タフト化」が裸眼では本質的に視覚不能のような具合に、第二の材料により「隠される」ことがある。
【0078】
図15及び16に示されるように、それぞれの歯68は、歯先端96、前縁LE、及び後縁TEを有する。歯先端96は、細長く、及び概ね長手方向に向いている。加工されたウェブ中にタフト化されたループ状のタフトを得るためには、LE及びTEは、駆動部材82の局所周表面90に対して殆ど直交しているべきと考えられている。同様に、先端96及びLE又はTEからの遷移は、歯68がLE及びTEでウェブを押し通すように、十分に小さい曲率半径を有する直角などの鋭い角でなければならない。理論に束縛されるものではないが、歯68の先端96とLE及びTEとの間に比較的鋭い角度の先端遷移を有することによって、歯68が不織布ウェブを「きれいに」すなわち局所的及び明瞭に打ち抜くことが可能になり、その結果、得られるウェブの片側が「タフト化された」ないしは別の方法で「変形された」と記述できると考えられている。
【0079】
マイクロSELF駆動部材82の歯68は、歯先端96において概ね前縁LEから後縁TEまで測定される、約1.25mmの均一な長さ寸法TLを有することができ、また周囲方向に約1.5mmの距離TDにより相互から均一に間隔を離される。約60〜約100gsmの範囲の総坪量を有するウェブからタオル地ウェブを作製するためには、歯68は、約0.5mm〜約3mmの範囲の長さTL及び約0.5mm(0.020インチ)〜約3mm(0.118インチ)の間隔TDと、約0.5mm(0.020インチ)〜約5mm(0.200インチ)の範囲の歯高さと、約1mm(0.040インチ)〜約5mm(0.200インチ)のピッチとを有することができる。係合深さは、約0.5mm(0.020インチ)〜約5mm(0.200インチ)(歯高さに等しい最大限まで)にすることができる。もちろん、係合深さ、ピッチ、歯高さ、TD、及びTLは、同時係属された同一所有者の米国特許出願公開第2004/0265534(A1)号(2003年12月16日出願)及び同第2005/0123726(A1)号(2004年11月3日出願)にて開示されているように、相互に独立に変化されて、ウェブ変形の所望の寸法、間隔、及び面積密度を達成することができる。
【0080】
本発明によるマイクロSELF駆動部材の使用で、変形域のひずみ速度を制御して、異なるタフト及びループの形成を呈するウェブ構造を作り出すことができる。例えば、2つの比較的伸張性でない材料を含むラミネート構造の場合、変形域のひずみ速度を制御して、図17のグラフに示されるように低から高まで変化させ、図18Bに示される高ひずみ速度の駆動により形成された吹き飛ばし先端付きのより低いループと比較して、図18Aに示される吹き飛ばし先端付きのより高いループを含むタフトを提供することができる。あるいは、伸張性が僅かに異なる比較的伸張性でない材料の場合、変形域のひずみ速度を図19のグラフに示されるように高ひずみ速度から低ひずみ速度に変化させると、図20Bに示される高ひずみ速度駆動により形成された吹き飛ばし先端付きのより低いループと比較して、図20Aに示される、材料の一方が早く破裂して吹き飛ばし先端という結果になり、他方の材料が吹き飛ばし先端の中を延びる高いループを形成するという結果を得ることができる。
【0081】
本発明の駆動部材を使用して実行可能な、ウェブを変形するための他の手段は、「回転ナイフ穿孔(rotary knife aperturing)」(RKA)として最も良く記述できるプロセスである。RKAにおいては、図21に示されるように、SELF又はマイクロSELF駆動部材に関して上で説明されたものに類似する、噛み合う駆動部材92を使用するプロセス及び装置が、用いられる。図示されるように、RKAプロセスは、SELF又はマイクロSELF駆動部材の比較的平らで細長い歯が一般に遠位端にて尖っているように修正されているという点で、SELF又はマイクロSELFと異なる。歯68は、不織布ウェブ34を貫いて切って変形させるように鋭くされており、図21に示されるような三次元孔あきウェブ94を作り出すことができる。歯高さ、歯間隔、ピッチ、係合深さ、及び他の加工パラメータなどのその他の点について、RKA及びRKA装置は、SELF又はマイクロSELFに関して上で説明されたものと同じにすることができる。
【0082】
図22は、孔あきウェブ94を作製するのに有用な複数の歯68を有する、RKAの歯付き駆動部材の一実施形態の一部を示す。歯68の拡大図が、図23A及び23Bに示される。図23Aに示されるように、それぞれの歯68は、基部111、歯先端96、前縁LE、及び後縁TEを有する。歯先端96は、一般に、ウェブ34を伸張させる及び/又は穴をあけるように、先をとがらす、鈍くとがらす、ないしは別の方法で形作ることができる。歯68は、概ね平らなブレードのような形状を有することができる。歯68は、概ね平らなはっきりした側面98を有することができる。すなわち、断面が概ね円形の丸いピンのような形状とは対照的に、歯68は、一方を伸ばされて、概ね非円形の細長い断面形状を有することができる。例えば、歯68は、その基部において、歯長さTL及び歯幅TWを有して、少なくとも2の、又は少なくとも約3の、又は少なくとも約5の、又は少なくとも約7の、又は少なくとも約10の、又はより大きな、TL/TWの歯アスペクト比ARを示すことができる。一実施形態では、断面寸法のアスペクト比ARは、歯高さに対して実質的に一定のままである。
【0083】
RKAの歯付き駆動部材の1つの実施形態では、歯68は、歯68の基部111において概ね前縁LEから後縁TEまで測定される、約1.25mm(0.049インチ)の均一な長さTLと、基部において長さ寸法に対して概ね垂直に測定される最長寸法である、約0.3mm(0.012インチ)の歯幅TWとを有することができる。歯は、約1.5mm(0.059インチ)の距離TDにより、相互から均一な間隔にすることができる。約5gsm〜約200gsmの範囲の坪量を有するウェブから繊維性の柔軟な三次元孔あきウェブを作製するために、歯68は、約0.5mm〜約3mmの範囲の長さTLと、約0.3mm〜約1mmの歯幅TWと、約0.5mm〜約3mmの間隔TDと、約0.5mm〜約10mmの範囲の歯高さTHと、約1mm(0.040インチ)〜2.54mm(0.100インチ)のピッチPとを有することができる。係合深さEは、約0.5mm(0.020インチ)〜約5mm(0.200インチ)(歯高さTHに近づく最大限まで)にすることができる。
【0084】
もちろん、E、P、TH、TD、及びTLはそれぞれ、相互に独立に変化されて、所望の寸法、間隔、及び開口の面積密度(穿孔された三次元孔あきウェブ94の単位面積当たりの開口数)を達成することができる。例えば、生理用ナプキン及び他の吸収性物品で使用するのに好適な孔あきのフィルム及び不織布を作製するために、基部における歯長さTLは、約2.032mm(0.08インチ)〜約3.81mm(0.15インチ)の範囲にすることができ、歯幅TWは、約0.508mm(0.02インチ)〜約1.27mm(0.05インチ)の範囲にすることができ、歯間隔TDは、約1.0mm(0.039インチ)〜約1.94mm(0.076インチ)の範囲にすることができ、ピッチPは、約1.106mm(0.044インチ)〜約2.54mm(0.100インチ)の範囲にすることができ;及び歯高さTHは、約2.032mm(0.08インチ)〜約6.858mm(0.27インチ)にすることができる。係合深さEは、約0.5mm(0.020インチ)〜約5mm(0.200インチ)にすることができる。図23Bに示される歯先端96の曲率半径Rは、0.001mm(3.937×10-5インチ)〜約0.009mm(3.9×10-4インチ)にすることができる。理論により束縛されるものではないが、基部における歯長さTLは、約0.254mm(0.01インチ)〜約12.7mm(0.5インチ)の範囲にすることができ、歯幅TWは、約0.254mm(0.01インチ)〜約5.08mm(0.2インチ)の範囲にすることができ、歯間隔TDは、約0.0mm〜約25.4mm(1.0インチ)の(又はより大きい)範囲にすることができ、ピッチPは、約1.106mm(0.044インチ)〜約7.62mm(0.3インチ)の範囲にすることができ、歯高さTHは、0.254mm(0.01インチ)〜約18mm(0.709インチ)の範囲にすることができ、及び係合深さEは、0.254mm(0.01インチ)〜約6.35mm(0.25インチ)の範囲にすることができると考えられている。開示される範囲のそれぞれについて、本開示が、範囲の限界及びその間のあらゆる寸法を0.001mm(3.937×10-5インチ)の増分で教示しているように(0.0001mm(3.937×10-5インチ)の増分で変化するとして増分が開示されている曲率半径Rの場合を除く)、寸法は、最小寸法から最大寸法まで0.001mm(3.937×10-5インチ)の増分でその範囲内を変化できることを本明細書で開示する。
【0085】
RKAの歯は、他の形状及び輪郭も有することができ、並びにRKAプロセスは、同時係属された同一所有者の米国特許出願公開第2005/0064136(A1)号(2004年8月6日出願)、同第2006/0087053(A1)号(2005年10月13日出願)、及び同第2005/021753号(2005年6月21日出願)にて開示されているように、繊維ウェブの穿孔に使用することができる。
【0086】
本発明の装置は、従来技術中で説明された前述の装置に連続して及び/又は混在して配置されてもよい。例えば、本発明の第一の装置が、ウェブを機械横方向に漸増的に伸張させるのに使用され、次に、ウェブを機械方向に漸増的に伸張するのに使用可能な第二の装置が続くことができる。
【0087】
本明細書で開示した寸法及び値は、列挙した厳密な数値に狭義に限定されるものとして解釈されるべきではない。それよりむしろ、特に指定されない限り、こうした寸法はそれぞれ、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示した寸法は、「約40mm」を意味することを意図したものである。
【0088】
「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参照により組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものと解釈されるべきではない。本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいて、本書においてその用語に与えられた定義又は意味が適用されるものとする。
【0089】
本発明の特定の諸実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることは当業者には自明であろう。したがって本発明の範囲に含まれるすべてのこうした変更及び修正を付属の特許請求の範囲において網羅するものである。
【技術分野】
【0001】
ウェブを漸増的に伸張させるための方法及び装置が提供される。本方法及び装置は、特に、最小限のウェブ損傷しか有さない改善されたウェブ特性という結果を得る、低いひずみ速度に制御されたウェブの漸増的伸張を目的とする。
【背景技術】
【0002】
不織布地又はウェブは、単独で又は他の不織布若しくはフィルムとのラミネートとして、数多くの市販製品の全体又はその部分を構成しており、それらには、成人用失禁製品、生理用ナプキン、使い捨ておむつ、及びトレーニングパンツなどの、使い捨て吸収性製品が挙げられる。他の市販製品には、拭き布、保護衣類、手術ガウンが挙げられる。不織布がそのようなパーソナルケア製品の製造に使用されてきたのは、所望の布様美観を有し低コストでそれらの製品を生産できるからである。幾つかの不織布の弾性特性によって、体にぴったり合う衣類の中で使用可能となり、それらの柔軟性により、制限の無い通常の仕方で着用者は動くことが可能になる。
【0003】
不織布地又はウェブは、相互配置された個々の繊維、ストランド、又は糸からなる物理構造を有するが、編み布地又は織り布地におけるような規則的で識別可能な方式ではない。繊維は、連続的であっても不連続であってもよく、及び往々にして、一般クラスのポリオレフィン類、ポリエステル類、及びポリアミド類、並びに多数の他のポリマー類からの、熱可塑性のポリマー又はコポリマー樹脂から生産される。ポリマーのブレンドからの繊維又は複合多成分繊維も使用されてもよい。繊維を形成するための、更に合成繊維から不織布ウェブを生産するための方法及び装置には、メルトブローイング、スパンボンディング、及びカーディングが挙げられる。強度、柔軟性、弾性、吸収性、可撓性、及び通気性などの物理特性は、不織布を製造する際に、容易に調整される。しかしながら、ある特性が、他に対してバランスされなければならないことが多い。一例には、ほどよい強度を維持しながら、布地坪量を低減させることによってコストを下げる試みがある。
【0004】
フィルムは、ごみ袋、おむつバックシート、梱包材料、弾性構成要素、及びトップシートなどの孔あきフィルムのような多数の市販製品において、もう1つの一般的な構成要素である。その他のフィルムが、快適性を増すための通気性バリア層として使用されている。通気性の微多孔性フィルムは、熱可塑性ポリマーと充填剤を包含する、充填材入りフィルムを含む。これら及び他のフィルムは、当該技術分野において既知の様々なフィルム形成プロセスのいずれか1つにより形成可能であり、押し出し、成型、及びブローイングなどが挙げられる。
【0005】
不織布及びフィルムの強度、柔軟性、伸張性、及び/又は伸展性に関係する特性は、多数の用途に対して望ましいものであることが広く認められている。柔軟性は、様々な機械的工程により改善可能であり、不織布を伸張して、材料を堅くする傾向がある二次接着を破壊することなどが挙げられる。材料の伸張又は伸展性は、ウェブが駆動ロールの間を通る時に伸張することによっても改善可能である。駆動ロールは、歯及び溝を有しており、駆動パス長さを有するニップにおいて、相互に噛み合う。典型的なロールオンロール式駆動工具は、1.3cm(0.5インチ)以下の範囲の駆動パス長さを有する。市販のフィルム、不織布、及び製品の製造プロセスは、より安価な製造コストを作り出すために、可能な最高ライン速度での運転を所望されることが多い。その結果、高いひずみ速度で駆動に起因する伸張が生じる場合もあり、これが、材料の性質次第によっては、最終製品の損傷という結果になる可能性もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
材料コストを低減させるという要因が絶えず増大するに伴って、産業界は、強度、柔軟性、弾性、吸収性、可撓性、及び通気性などの望ましい特性を維持しながら、消費者製品における坪量の低減又はより低コストの材料への置き換えの方法を探し続けている。通常は、そのような特性を欠く材料では、駆動によって獲得することができるが、幾種かのポリプロピレン類、ポリエチレン類、ポリエステル類、及びセルロース類を含めて、幾種類かの材料は、商業生産に必要とされる高速ひずみに耐えることができない。それ故に、比較的早い加工ライン速度で低コスト材料に機械的駆動を実行可能な、プロセス及び設備が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、比較的低いひずみ速度でウェブを漸増的に伸張させるための駆動部材を使用する、方法及び装置を提供する。駆動部材は、駆動ベルト及び単一の駆動部材を包含し、駆動ベルト及び単一の駆動部材が、補完し変形域においてある係合深さで相互に係合する、複数の歯及び溝を含む。係合深さは、変形域にわたって直線的に増加可能である。代表的な実施形態では、変形域は、変形域内で駆動ベルトと単一の駆動部材との間に挿入されたウェブが低ひずみ速度で漸増的に伸張されるように、変形域の少なくとも一部にわたって直線的に増加するように制御することができる。駆動部材は、機械方向に限定された空間しか占有しないのに、比較的より長いパス長さを有する変形域を形成可能である。
【0008】
一実施形態では、単一の駆動部材は、複数の周囲の歯及び溝を有する単一の駆動ロールである。この実施形態では、変形域は、ある係合深さで相互に係合する、駆動ベルトの第一区域の複数の歯及び溝と単一の駆動ロールの複数の周囲の歯及び溝の弧区域との間に形成される。一連のバックアップローラーが、変形域に沿って配置されて、駆動ベルトの第一区域の複数の歯及び溝を単一の駆動ロールの複数の周囲の歯及び溝の弧区域と強制的に係合させるように、及びそれらの間の係合深さを制御する。代替実施形態では、バックアップローラーの少なくとも2つが、係合深さを制御するように独立に調節可能である。別の実施形態では、バックアップローラーは、係合深さを制御して変形域の少なくとも一部にわたって直線的に増加させるように配置されて、変形域内で駆動ベルトと単一の駆動ロールとの間に挿入されたウェブが、一定のひずみ速度で漸増的に伸張されるようになっている。
【0009】
別の実施形態では、駆動ベルトは第一の駆動ベルトであり、更に単一の駆動部材は、第一の駆動ベルトの複数の歯及び溝を補完する複数の歯及び溝を含む、第二の駆動ベルトである。パス長さを有する変形域が、第一の駆動ベルトの第一区域の複数の歯及び溝と第二の駆動ベルトの第二区域の複数の歯及び溝との間に形成される。この実施形態の場合、第一の駆動ベルトの第一区域を支持する第一組のローラー及び第二の駆動ベルトの第二区域を支持する第二組のローラーが、変形域のパス長さに沿って配置されて、第一の駆動ベルトの複数の歯及び溝を第二の駆動ベルトの複数の歯及び溝と強制的に係合させるように、及びそれらの間の係合深さを制御する。一実施形態では、パス長さに沿って異なる場所に配置された少なくとも2つのローラーが、変形域の係合深さを変化させるように独立に調節可能である。別の実施形態では、第一組のローラー及び第二組のローラーは、変形域の少なくとも一部にわたって係合深さの直線増加を提供するように配置されて、変形域内で第一の駆動ベルトと第二の駆動ベルトとの間に挿入されたウェブが、一定のひずみ速度で漸増的に伸張されるようなふうになっている。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】高ひずみ速度の駆動により駆動されたフィルムの写真。
【図1B】低ひずみ速度の駆動により駆動されたフィルムの写真。
【図2】単一の駆動ロール及び駆動ベルトを含む、本発明によりウェブを漸増的に伸張させるための装置の平面図。
【図3】図2に示される装置の斜視図。
【図4】第一の駆動ベルト及び第二の駆動ベルトを含む、本発明によりウェブを漸増的に伸張させるための装置の平面図。
【図5A】図4に示される装置の斜視図。
【図5B】図5Aに示される装置の一部の拡大図であって、第一及び第二の駆動ベルトの歯及び溝。
【図6】図2〜5Bに示される装置で使用される駆動ベルトの断面図。
【図7A】本発明による駆動部材の一部を示す斜視図であって、ウェブを機械横方向に漸増的に伸張させるための、機械方向に配置された歯及び溝。
【図7B】本発明による駆動部材の一部を示す斜視図であって、ウェブを機械方向に漸増的に伸張させるための、機械横方向に配置された歯及び溝。
【図8】図7A及び図7Bに示されるような駆動部材の歯と溝の相互係合を示す、断片的な拡大断面図。
【図9】図7A及び図7Bに示される駆動部材の更なる拡大図であって、相互に係合した幾つかの歯と溝をそれらの間の材料ウェブと共に示している。
【図10A】本発明による駆動ベルト及び噛み合うリングロールについて、時間に対する係合深さの増加を比較するグラフ。
【図10B】本発明による駆動ベルト及び噛み合うリングロールについて、係合に対する係合の速度変化を比較するグラフ。
【図11】SELFプロセスで使用するための、本発明による駆動部材の一部を示す斜視図。
【図12】相互に噛み合っている対のSELFロールの間を通った後のウェブの略図。
【図13】相互に噛み合っている対のSELF駆動部材の間にウェブを通すことによって、ウェブに作り出すことができるパターン。
【図14】相互に噛み合っている対のSELF駆動部材の間にウェブを通すことによって、ウェブに作り出すことができるパターン。
【図15】マイクロSELF装置において使用するための駆動部材の斜視図。
【図16】マイクロSELF駆動部材上の歯の拡大斜視図。
【図17】マイクロSELF駆動中の変形域内で、低から高まで変化するひずみ速度を示すグラフ。
【図18A】図17のグラフにより示されるひずみ速度によるマイクロSELF駆動によって、ラミネート内に形成されたタフト。
【図18B】高ひずみ速度の駆動ロールを使用するマイクロSELF駆動中に形成されたタフト。
【図19】マイクロSELF駆動中の変形域内で、高から低まで変化するひずみ速度を示すグラフ。
【図20A】図19のグラフにより示されるひずみ速度によるマイクロSELF駆動によって、ラミネート内に形成されたタフト。
【図20B】高ひずみ速度の駆動ロールを使用するマイクロSELF駆動中に形成されたタフト。
【図21】回転ナイフ穿孔のために構成された駆動部材の略図。
【図22】回転ナイフ穿孔用駆動部材の斜視図。
【図23A】図22に示される回転ナイフ穿孔用駆動部材の拡大図。
【図23B】図22に示される回転ナイフ穿孔用駆動部材上の歯の拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
定義:
本明細書及び請求項中で使用するとき、用語「含む」は、包括的又は非制限的であって、列挙されていない追加の要素、構成要素、又は方法の段階を排除しない。
【0012】
本明細書で使用するとき、「機械方向」は、ウェブなどの材料が製造プロセス中に通って進む経路を意味する。
【0013】
本明細書で使用するとき、「横方向」は、ウェブの平面内で機械方向に垂直な経路を意味する。
【0014】
本明細書で使用するとき、用語「駆動」は、いずれかのプロセスを意味しており、これによって、噛み合う歯と溝により作り出される引張りひずみが、中間のウェブ区域を伸張させる又は引き伸ばす。そのようなプロセスは、通気性フィルム、伸張性複合材料、孔あき材料、及び非平坦材料を包含する多数の物品の生産に有用であることが見出されている。不織布ウェブの場合、伸張は、中間のウェブ区域内で、繊維の再配向、坪量の低下、及び/又は制御された繊維破壊を引き起こすことができる。一般的な駆動方法は、例えば、リングロール加工として当該技術分野において既知のプロセスである。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「駆動部材」は、駆動を実行するための歯及び溝を包含する装置を意味する。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語「変形域」は、対向する駆動部材の歯と溝が噛み合って駆動を引き起こす区域を意味する。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「パス長さ」は、対向する駆動部材の噛み合っている歯と溝により形成される変形域の長さを意味する。
【0018】
本明細書で使用するとき、「係合深さ」は、対向する駆動部材の噛み合っている歯と溝が相互の中へ延びる程度を意味する。
【0019】
本明細書で使用するとき、用語「不織布ウェブ」は、相互配置された個々の繊維又は糸からなる構造を有するが、ランダムに配向された繊維を通常は有さない織り布地又は編み布地中でのような繰り返しパターンのものではない、ウェブを指す。不織布ウェブ又は布地は、多数のプロセスで形成されており、例えば、メルトブロープロセス、スパンボンドプロセス、ハイドロエンタングリング、及びカード加工されて熱接着を包含するカードウェブ接着プロセスなどがある。不織布の坪量は通常、平方メートル当たりのグラム(gsm)で表される。ラミネートウェブの坪量は、構成要素層及びいずれか他の付加構成成分の組合せ坪量である。繊維直径は、大抵、ミクロンで表されるが、繊維寸法は、繊維の単位長さ当たりの重量の単位である、デニールでも表すことができる。本発明での使用に好適なラミネートウェブの坪量は、ウェブの最終用途に依存するが、6gsm〜400gsmの範囲にすることができる。例えば、ハンドタオルとして使用する場合、第一及び第二の両ウェブとも、18gsm〜500gsmの坪量を有する不織布ウェブにすることができる。
【0020】
不織布ウェブの構成繊維は、ポリマーの繊維にすることができ、並びに1コンポーネント、2コンポーネント、及び/又は2成分、非円形(例えば、毛管チャネル繊維)にすることができ、並びに0.1〜500マイクロメートルの範囲の断面長寸法(例えば丸繊維の場合、直径)を有することができる。不織布ウェブの構成繊維はまた、化学種(例えば、PE及びPP)、コンポーネント(例えば、1及び2)、デニール(マイクロデニール及び>20デニール)、形状(すなわち、毛管及び丸)などの機構が異なる、異なる繊維タイプの混合物であってもよい。構成繊維は、約0.1デニール〜約100デニールの範囲にすることができる。
【0021】
本明細書で使用するとき、「スパンボンド繊維」は、紡糸口金の微細で通常は円形の複数の毛管から溶融した熱可塑性材料をフィラメントとして押し出し、押し出されたフィラメントの直径をその後急激に縮径させることによって形成される、比較的小径の繊維を指す。スパンボンド繊維は、収集表面に沈着するとき、一般に粘着性が無い。スパンボンド繊維は、一般に連続しており、及び7マイクロメートルより大きい、より具体的には約10〜40マイクロメートルの(少なくとも10のサンプルからの)平均直径を有する。
【0022】
本明細書で使用するとき、用語「メルトブローイング」は、溶融した熱可塑性材料を、微細で通常は円形の複数の金型毛管を通して、通常は加熱された収束する高速気体(例えば空気)流の中へ、溶融糸又はフィラメントとして押し出し、この気体流により溶融した熱可塑性材料のフィラメントを細らせてその直径を縮小することによって、繊維が形成されるプロセスを指しており、直径がマイクロファイバー直径となることもある。その後、メルトブローン繊維は、高速気体流により運ばれて、多くはまだ粘着性であるうちに、収集表面上に沈着され、ランダムに分散されたメルトブローン繊維のウェブを形成する。メルトブローン繊維は、連続していても連続していなくてもよい、及び平均直径が一般に10マイクロメートルよりも小さい、マイクロファイバーである。
【0023】
本明細書で使用するとき、用語「ポリマー」には、一般に、ホモポリマー類、例えばブロックコポリマーやグラフトコポリマーやランダムコポリマー及び交互コポリマーのようなコポリマー類、ターポリマー類など、及びこれらのブレンド、並びに修飾物が挙げられるが、これらに限定されない。加えて、用語「ポリマー」は、特に限定しない限り、材料のあらゆる可能な幾何学的構成を包含する。その構成としては、アイソタクチック、アタクチック、シンジオタクチック、及びランダム対称が挙げられるが、これらに限定されない。
【0024】
本明細書で使用するとき、用語「1コンポーネント」繊維は、1つのポリマーのみを使用して1つ以上の押出成形機から形成される繊維を指す。これは、1つのポリマーから形成されているが、着色、静電気防止特性、潤滑、親水性などのために、少量の添加剤が添加された繊維を除外することを意味しない。これらの添加剤、例えば着色用の二酸化チタンは、一般に約5重量%未満、より通常には約2重量%未満の量で存在する。
【0025】
本明細書で使用するとき、用語「2コンポーネント繊維」は、別個の押出成形機から押し出されるが共に紡糸されて1つの繊維を形成する、少なくとも2つの異なるポリマーから形成された繊維を指す。2コンポーネント繊維はまた、複合繊維又は多コンポーネント繊維と呼ばれることもある。それらのポリマーは、2コンポーネント繊維の断面を横切って実質的に一定位置である異なる区域内に配置され、2コンポーネント繊維の長さに沿って連続して延びる。そのような2コンポーネント繊維の構成は、例えば、1種のポリマーが別のポリマーにより包囲されるシース/コア配置であってもよく、又はサイド・バイ・サイド配置、パイ型配置、又は「海島型」配置であってもよい。
【0026】
本明細書で使用するとき、用語「2成分繊維」は、同じ押出成形機からブレンドとして押し出される、少なくとも2種のポリマーから形成される繊維を指す。2成分繊維は、繊維の断面積を横切って比較的一定に位置付けされる異なる区域内に配置された様々なポリマー構成成分を有するものではなく、及び様々なポリマーは通常、繊維の全長に沿って連続ではなく、代わりに通常は、無作為に開始及び終了する繊維を形成する。2成分繊維はまた、多成分繊維と呼ばれることもある。
【0027】
本明細書で使用するとき、用語「非円形繊維」は、円形でない断面を持つ繊維を記述しており、「形作られた繊維」及び「毛管チャネル繊維」を包含する。そのような繊維は、中実にすることも中空にすることもでき、及び3葉(tri-lobal)、Δ形状にすることができ、更に好ましくは、外側表面上に毛管チャネルを有する繊維である。毛管チャネルは、「U字形」、「H字形」、「C字形」、及び「V字形」などの、様々な断面形状にすることができる。1つの好ましい毛管チャネル繊維には、テネシー州ジョンソンシティ(Johnson City, TN)のファイバーイノベーションテクノロジーズ(Fiber Innovation Technologies)から入手可能な4DG繊維と呼ばれるT−401がある。T−401繊維は、ポリエチレンテレフタレート(PETポリエステル)である。
【0028】
本明細書において開示される全ての数値範囲に関して、本明細書全体を通じて記載されるあらゆる最大数値限定は、それより小さいあらゆる数値限定を、そのような小さい数値限定が本明細書に明示的に記載されているかのように包含すると理解すべきである。加えて、本明細書全体を通じて記載されるあらゆる最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのような大きい数値限定が本明細書に明示的に記載されているかのように包含する。更に、本明細書全体を通じて与えられるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内に入るあらゆるより狭い数値範囲を包含し、並びにその数値範囲内のそれぞれの個々の数値をも包含するものであり、そのようなより狭い数値範囲及び個々の数値が全て、あたかも本明細書に明示的に記載されているかの如くにである。
【0029】
ポリプロピレン類、ポリエチレン類、ポリエステル類、及びセルロース類のような材料は通常、駆動中に高ひずみ速度に曝されるとき、損傷を受ける、又はずたずたにさえもされる。例えば、図1Aは、駆動ロール群を用いて0.51m/s(毎分100フィート)で駆動された、クロペイ(Clopay)15gsmポリプロピレンフィルムを示す。図示されるように、そのフィルムは、フィルム中に存在する穴により実証される明らかな損傷の跡を示している。本発明は、ウェブの破壊が幾らか有るとしても最小限にしか引き起こさない駆動によってウェブを漸増的に伸張することにより、ウェブ材料を変形するための装置及び方法を提供する。その方法及び装置は、複数の歯及び溝を含む対向する駆動部材を包含しており、歯及び溝を補完する、あるパス長さを有する変形域において、ある係合深さで相互に係合する。変形域において駆動部材の間に挿入されたウェブが、既知のロールオンロール式駆動工具に関連して比較的低いひずみ速度で漸増的に伸張されるように、パス長さが寸法決めされて、係合深さが制御される。図1Bは、本発明の低ひずみ速度法により2.54m/s(毎分500フィート)で駆動された、図1Aに示されるクロペイ(Clopay)15gsmポリプロピレンフィルムを示す。図示されるように、ウェブは、より早いウェブ速度においてさえ、図1Aのウェブに比較して、目に見える損傷を経ていない。本発明による駆動に好適なウェブ材料には、高分子フィルム材料、不織布ウェブ材料、及び不織布ウェブと他の不織布ウェブ及び/又は高分子フィルム材料とのラミネートが挙げられるが、これらに限定されない。駆動に好適な他のウェブ材料には、紙、セルロース、織布、天然(環境にやさしい(sustainable))材料、金属箔、発泡体、弾性体、吸収性詰物などが挙げられる。
【0030】
本発明による低ひずみ速度駆動は、ある実施形態を示す以下の図を参照して説明される。本発明は、本明細書に付随する請求項により包含される可能性があるものなどの変形及び等価物の形態で広く適用可能であり、これらの実施形態が本発明の全範囲を代表するものではないことは、当業者にとって明らかであろう。更に、一実施形態の一部として説明は例示される機構は、別の実施形態に使用されて、更なる実施形態を生み出してもよい。特許請求の範囲は、そのような変形及び等価物の全てに及ぶことが意図されている。
【0031】
図2は、本発明による駆動によってウェブを漸増的に伸張させるための代表的な装置を示す。装置110は、単一の駆動ロール112の形態の単一の駆動部材と、駆動ベルト114とを含む。単一の駆動ロール112は、円筒形のロールを含み、駆動ベルト114は、連続する無限バンドを含む。図2に示されるように、ウェブ116は、供給ロール118から引き出されて、矢印により表示される方向に進行する。ウェブ116は、単一の駆動ロール112と駆動ベルト114との間に形成された変形域120に送り込まれ、ここで、ウェブが、それらの間を通るとき、漸増的に伸張される。
【0032】
単一の駆動ロール112と駆動ベルト114の相対位置が、図3の斜視図に示される。単一の駆動ロール112は、動力駆動される回転可能なシャフト上に、回転可能に取り付けられている。単一の駆動ロール112は、円筒形の外表面122を含み、これは、そこに形成された軸方向に間隔が離れて並列し円周方向に延びる複数の同形状の歯124を包含する。歯124は、実質的に矩形断面の薄いフィンの形態にすることができ、又は断面を見るとき、三角形若しくは逆V字形状を有することができる。三角形である場合、歯124の頂点が、単一の駆動ロール112の円筒形外表面122に関して最も外側になる。いずれの形状においても、歯124の最外先端は、好ましくは、ウェブ材料の切断又は引き裂きを避けるために、丸みを付けられる。隣接する歯の間の間隔が、窪んで円周方向に延びる同形状の溝126を画定する。歯が実質的に矩形断面であるとき、溝126は、実質的に矩形断面であり得て、歯が三角形断面であるとき、逆三角形断面であり得る。
【0033】
駆動ベルト114は、単一の駆動ロール112に隣接して配置される。駆動ベルト114は、単一の駆動ロール112の周囲の複数の歯124及び溝126を補完する、軸方向に間隔が離れて並列し長手方向に延びる複数の同形状の歯128及び溝130を含む、外表面127を包含する。このように、駆動ベルト114及び単一の駆動ロール112には、間隔が離れた複数の歯と、それぞれの対の隣接する歯の間の交互する溝とが含まれる。以下で更に説明するように、歯及び溝は、相互に係合する駆動部材の間を通過する材料をそれぞれの溝の中に受け入れて局所的に伸張可能とするのに十分な隙間がある限り、それぞれが同一形状である必要はない。
【0034】
駆動ベルト114は、図6に示されるベルト輪郭仕様に研磨された、ジュロ硬度80A〜85Dの範囲のウレタン系の材料を包含することができ、それにおいては、駆動ベルトが、約30.48mm(1.200インチ)の幅Wと、約5.461mm(0.215インチ)の厚さTと、約2.286mm(0.090インチ)の歯高さTHと、約1.524mm(0.060インチ)の歯ピッチPとを有する。図2及び3に示される実施形態では、漸増的に伸張されるウェブの機械横方向長さによるが、並列に配置された2つ以上のベルトを使用することができる。この理由のために、図6に示されるベルトの縁部とそれぞれの縁部の内側の第一の歯との間の距離Dは、ピッチの半分すなわち0.762mm(0.030インチ)にされる。そのようなベルトが、41018ケンタッキー州エルランガー(1261 Jamike Drive Erlanger, Kentucky 41018)のFNシェパード社(F.N. Sheppard & Co.)により供給される。
【0035】
駆動ベルト114は、3つのプーリ上に、つまり第一のプーリ134a、第二のプーリ134b、及び第三のプーリ134c上にはめ込まれた、内表面132を包含する。3つのプーリは、三角形構成で単一の駆動ロール112の近辺に配置されている。第一のプーリ134aは、駆動ベルト114を3つのプーリ134a、134b、及び134cに沿って駆動するために、動力供給される。第二及び第三のプーリ134b及び134cはアイドラであって、駆動ベルト114の歯128及び溝130を単一の駆動ロール112の周囲の歯124及び溝126と係合させる画定された経路に沿って、駆動ベルト114を案内する。駆動ベルト114の対応する歯128及び溝130と単一の駆動ロール112とは、変形域120を形成する単一の駆動ロール112の弧区域142に沿って係合し、そこで、先の説明のように、ウェブ116が、それらの間を搬送されるときに、漸増的に伸張される。第一、第二、及び第三のプーリ134a、134b、及び134cは、駆動ベルト114の軸整列を維持するための肩136を包含する。
【0036】
第二のプーリ134bには、駆動ベルト114上の張力を変化させるための調節部138が含まれる。単一の駆動ロール112と駆動ベルト114との間で搬送されるウェブ116が、駆動ベルト114をそらせて単一の駆動ロール112から離し、これにより、駆動ベルト114の複数の歯128及び溝130が単一の駆動ロール112の周囲の歯124及び溝126に係合するのを阻害するので、ベルト張力が調節可能となっている。駆動ベルト114の張力は、ウェブ116の材料に依存して、変化させることができる。
【0037】
別の実施形態(図示せず)では、本装置には、3つのプーリの代わりに、プーリ134a及びプーリ134cの位置に配置された2つのプーリを包含し、それぞれのプーリを、第三の張力プーリ134bの必要性を無くすのに十分に大きな直径に、及びそのような位置決めにすることもできる。別の方法としては、運転中のベルトのたわみを減少することによってベルト寿命を伸ばすために、追加のプーリ又はアイドラを加えて、ベルトを楕円形又は円形に支持するように配置することができる。
【0038】
一連のバックアップローラー140(a〜e)が、単一の駆動ロール112の外表面122の弧区域142に沿って配置されて、駆動ベルト114をそれらの間に通しており、これによって、駆動ベルト114の歯128及び溝130が、単一の駆動ロール112の周囲の歯124及び溝126と強制的に係合されて、それらの間でウェブ116を変形させる。バックアップローラー140(a〜e)は、変形域120を形成し、そこで、駆動ベルト114が、単一の駆動ロール112と強制的に係合される。バックアップローラー140(a〜e)は、バックアップローラーと単一の駆動ロール112の外表面122との間の半径方向の距離を変化させるように、調節可能にすることができる。半径方向の調節により、駆動ベルト114の歯128及び溝130と単一の駆動ロール112の周囲の歯124及び溝126との間の係合深さが制御される。
【0039】
バックアップローラー140(a〜e)は、変形域120に沿って配置されて、独立に調節され、それぞれのバックアップローラー140(a〜e)において、駆動ベルト114と単一の駆動ロール112との間の係合深さを制御し、変形域120を通って搬送されるウェブ116を漸増的に伸張させることができる。代表的な実施形態では、一連のバックアップローラー140(a〜e)は、変形域120に沿って係合深さが直線的に増加するように調節されて、変形するウェブ上に一定の低ひずみ速度が誘起されるという結果を得ることができる。この実施形態の場合、一連中の最初のバックアップローラー140aと単一の駆動ロール112の外表面122との間の半径方向の距離は、最大距離に調節され、一方、一連中の最後のバックアップローラー140eと単一の駆動ロール112の外表面122との間の半径方向の距離は、最小距離に調節される。一連中の最初と最後のローラー140aと140eの間に配置されるバックアップローラー140(b〜d)と単一の駆動ロール112の外表面122との間の半径距離は、それぞれの引き続くローラーに対する量が最初のバックアップローラーから最後のバックアップローラーまで減少して、係合深さの滑らかな連続的増加という結果が得られるように調節される。
【0040】
使用されるバックアップローラーの数は、変形域120のパス長さ及び個々のローラーの寸法に依存する。駆動ベルト114は、ウェブの変形中に、個々のバックアップローラー140(a〜e)の間でたわみ得るので、ローラー間の対応する距離を最小限にするために、バックアップローラー140(a〜e)の直径を最小限にするのが望ましいことがある。代替実施形態(図示せず)では、バックアップローラーにバックアップベルトを追加して、個々のバックアップローラーの間の駆動ベルトのたわみを更に減少することができる。この実施形態の場合、バックアップベルトは、バックアップローラー上に組み立てられて、バックアップローラーとの組合せで作用し、バックアップローラー間の駆動ベルトのたわみを減少しながら、駆動ベルトと単一の駆動ロールとの間の係合深さを制御することができる。
【0041】
駆動中にウェブが機械横方向にスリップすること及び波形になることを防止するために、変形域の前で、ウェブを単一の駆動ロール上に予め巻き付けることができる。そのような実施形態は、変形域の前で単一の駆動ロールに隣接して配置されて、駆動中のウェブに張力を付加する、ニップロール(図示せず)を包含することができる。
【0042】
別の実施形態(図示せず)では、駆動ベルトは、溝付き上部層と駆動ベルトのたわみを最小限にする比較的より堅い裏打ち層とからなる、ラミネート構造を包含することができる。代替実施形態では、駆動ベルトは、しなやかに接合された剛性リンク、連続的に押し出されて形作られたベルト、回転成形ベルト、成型ベルト、及びその他の既知のベルト技術からなってもよい。駆動ベルトを支持する他の手段には、静止プレート、補強ワイヤ、チェーン、コンベヤなどが挙げられる。
【0043】
駆動ベルトはまた、耐久性及び寿命を延ばすための設計を包含することもできる。そのような設計には、滑りを制御するためにベルトに通常は付加される張力を減少できるように、ベルトの内径の摩擦係数を増加して、ベルトとプーリの間の滑りを減少することが挙げられる。あるいは、プーリを歯車と置き換えて、ベルトの内径に噛み合い歯車を包含することができる。ベルトの耐久性及び寿命を改善するための他の設計には、ベルトの内径を柔軟にして可撓性を強め、一方、外径の歯を硬くして駆動中の頑健さを提供するように、ベルトの厚さにわたってジュロ硬度を変化させることが挙げられる。ベルトの別の代替設計では、組立ての前は歯が初期張力下にあって、組立てにおいて強化されるという、ベルトの生産を包含することができる。予張力が付加された歯は、製造中にはベルトの内径上に駆動の歯を形成し、組立ての前に、歯をプーリと噛み合うベルト表面の反対側にするように、ベルト内側を外にひっくり返すことによって、作り出すことができる。歯は通常、変形域内では圧縮に負荷されるので、初期引張り負荷を有するベルトを設計することによって、変形域において歯が負の圧縮負荷の代わりに中立負荷に近づくというような具合に、張力を増強することができる。
【0044】
変形域120のパス長さは、加工中にウェブが機械方向に流れる速度である、ウェブ速度に適応するように設定される。比較的より低いひずみ速度を維持するために、パス長さは、ライン速度が増すにつれて、増加させることができる。この方法にて、ライン速度を低下することなく、装置寸法を増大することなく、及び/又は係合を減少することなく、ウェブに対する損傷の可能性を最小限にすることができる。駆動ベルト及び単一の駆動ロールの装置110についての変形域120のパス長さは、変化させることができるが、パス長さは、単一の駆動ロール112の寸法によって限定される。本発明の場合、単一の駆動ロール112の寸法は、約0.076メートル(3.0インチ)〜約2.438メートル(96.0インチ)の範囲の外径を有するロールで変化させることができ、変形域120の対応するパス長さは、約0.013メートル(0.5インチ)〜約5.08メートル(200インチ)に変化させることができる。
【0045】
駆動される材料のタイプ及びライン速度などのプロセス要件に依存して、変形域120のパス長さを最大限にするのが望ましいことがある。そのような要求は、駆動ロール112を寸法決めして、所望のパス長さを達成するのに必要な数のバックアップローラー140を提供することによって、達成可能である。しかしながら、そのような要求を満たすには、規格外のロールサイズを必要とする可能性があり、このことはコスト高に又は製造ラインにとって非実際的になるおそれがある。例えば、先に説明した単一の駆動ローラー及び駆動ベルトの装置110のような装置のためにウェブ製造ライン上で利用可能な空間が、限定される場合もある。実際、そのような装置は、約1メートル(39インチ)未満の機械方向長さを有するライン上の空間を占めるのが望ましい。そのような空間要求は、単一の駆動ロール112の寸法を0.61メートル(24インチ)までに限定して、約1.27メートル(50インチ)の変形域120の最大パス長さという結果になる場合もある。したがって、駆動ベルトの変形域120のパス長さと単一ローラーの駆動装置110とは、約0.01メートル(0.5インチ)〜約1.27メートル(50インチ)の範囲と、約0.25メートル(10インチ)〜約1.27メートル(50インチ)の範囲とであるのが望ましい。より長いパス長さを必要とする用途は、図4に示される二重駆動ベルト装置210などの、本発明の代替実施形態を用いて達成することができる。
【0046】
二重駆動ベルト装置210は、第一の駆動ベルト212の形態の駆動ベルトと、第二の駆動ベルト214の形態の単一の駆動部材とを包含する。第一及び第二の駆動ベルト212、214は、連続バンドを含む。図4に示されるように、ウェブ216が、供給ロール218から引き出されて、矢印により表示される方向に進行する。ウェブ216は、第一の駆動ベルト212と第二の駆動ベルト214により形成される変形域220に送り込まれて、その間を通過するにつれて、漸増的に伸張される。
【0047】
第一の駆動ベルト212と第二の駆動ベルト214の相対位置が、図5Aの斜視図に示される。第一及び第二の駆動ベルト212、214は、図5Bに示される、軸方向に間隔が離れて並列し長手方向に延びる、複数の同一形状の歯224、226を包含する。歯224、226は、実質的に矩形断面の薄いフィンの形態にすることができ、又は断面を見るとき、三角形若しくは逆V字形状を有することができる。三角形の場合、歯の頂点が、ベルトの外表面に関して最も外側になる。図5Bに示される隣接歯224、226の間の空間が、窪んで周囲方向に延びる、同一形状の溝228、230を画定する。歯224、226がほぼ矩形の断面であるとき、溝228、230はほぼ矩形の断面であり得て、歯224、226が三角形の断面であるとき、溝は逆三角形の断面であり得る。このように、第一及び第二の駆動ベルト212、214は、複数の間隔が離れた歯224、226と、それぞれの対の隣接歯の間の交互する溝228、230とを包含する。
【0048】
図4及び5Aに示されるように、二重ベルト装置210は、第一の駆動ベルト212を支持する下部キャリッジ232と、第二の駆動ベルト214を支持する上部キャリッジ240とを包含する。下部キャリッジ232には、下部アイドラベッド234が含まれ、上部キャリッジ240には、上部アイドラベッド242が含まれる。下部アイドラベッド234には、第一の駆動ベルト212を支持する下部又は第一組のローラー236が含まれ、上部アイドラベッド242には、第二の駆動ベルト214を支持する上部又は第二組のローラー244が含まれる。ローラー236と244は、第一及び第二の駆動ベルト212、214を平行配置で支持し、並びに歯224、226及び溝228、230を変形域220内で強制的に係合する。ローラー236及び244は独立に調節されて、第一及び第二の駆動ベルト212、214の歯224、226と溝228、230との間の係合深さを制御することができる。駆動ベルトを支持する他の手段には、静止プレート、補強ワイヤ、チェーン、コンベヤなどが挙げられる。
【0049】
下部キャリッジ232には、三角構成に配置されて第一の駆動ベルト212を支持する3つのプーリ、つまり第一のプーリ238aと第二のプーリ238bと第三のプーリ238cとが含まれる。第一のプーリ238aは、動力駆動されるシャフト上に回転可能に取り付けられており、第二及び第三のプーリ238b、238cは、アイドラシャフト上に回転可能に取り付けられている。3つのプーリは、ローラー236の上を通る画定された経路に沿って第一の駆動ベルト212を案内しており、第一の駆動ベルト212の軸整列を維持するための肩235を包含する。第一の駆動ベルト212は、プーリ及び下部の組のローラーの上のベルトを滑り無く駆動するために、十分な張力を負荷されている。
【0050】
下部キャリッジ232と同様に、上部キャリッジ240も、下部キャリッジ232に対向する三角構成に配置された3つのプーリ、つまり、第四のプーリ246aと第五のプーリ246bと第六のプーリ246cとを包含する。第四のプーリ246aは、動力駆動されるシャフト上に回転可能に取り付けられており、第五及び第六のプーリ246b、246cは、アイドラシャフト上に回転可能に取り付けられている。第四、第五、及び第六のプーリ246(a〜c)は、上部の組のローラー244の上を通る画定された経路に沿って第二の駆動ベルト214を案内し、第二の駆動ベルト214の軸方向の整列を維持するための肩235を含む。第一の駆動ベルト212と同様に、第二の駆動ベルト214も、プーリ及び上部の組のローラー244の上のベルトを滑り無く駆動するために、十分な張力を負荷されている。
【0051】
別の実施形態(図示せず)では、駆動ベルトは、溝付き上部層と駆動ベルトのたわみを最小限にする比較的より堅い裏打ち層とからなるラミネート構造を包含することができる。代替実施形態では、駆動ベルトは、しなやかに接合された剛性リンク、連続的に押し出されて形作られたベルト、回転成形ベルト、成型ベルト、及びその他の既知のベルト技術からなってもよい。駆動ベルトはまた、図2及び3に示される単一の駆動ロール112及び駆動ベルト114の実施形態に関して先に説明された、耐久性及び寿命を延ばすための設計を包含することもできる。
【0052】
図4及び5Aに示される実施形態の場合、第一及び第二の駆動ベルトは、図6に示されるベルト輪郭仕様に研磨された、ジュロ硬度80A〜85Dの範囲のウレタン系の材料を包含することができ、それにおいては、駆動ベルトが、約30.48メートル(1.200インチ)の幅Wと、約5.461メートル(0.215インチ)の厚さTと、約2.286メートル(0.090インチ)の歯高さTHと、約1.524メートル(0.060インチ)の歯ピッチPとを有する。図4及び5Aに示される実施形態では、ウェブの機械横方向長さによるが、2つ以上のベルトを上部及び下部シャーシのプーリ上に組み立てることができる。この理由のために、図6に示されるベルトの縁部とそれぞれの縁部の内側の第一の歯との間の距離Dは、ピッチの半分すなわち0.762メートル(0.030インチ)にされる。そのようなベルトが、ケンタッキー州エルランガー(1261 Jamike Drive Erlanger, Kentucky 41018)のFNシェパード社(F.N. Sheppard & Co.)により供給される。
【0053】
変形中にウェブ216の縁部を固定するために、更に機械横方向への滑り及び対応する波形化を防止するために、上部キャリッジ240は、変形域220の長さにわたる押さえ込みベルト248を包含することができ、下部キャリッジは、上部キャリッジ240上の押さえ込みベルト248に対向する、押さえ込みベルト252を包含することができる。押さえ込みベルト248及び252は、変形中にウェブ216を挟んで、ウェブ縁部に沿って垂直力を及ぼす。図5Aに示されるように、押さえ込みベルト248は、変形域220に沿って上部組のローラー244の反対両側辺上に組み立てられ、押さえ込みベルト252は、変形域220に沿ってローラー236の反対両側辺上に組み立てられている。押さえ込みベルト248は、上部キャリッジ240に取り付けられたプーリ250a、250b上に組み立てられ、一方、押さえ込みベルト252は、下部キャリッジ232に取り付けられたプーリ254a及び254b上に組み立てられている、押さえ込みベルトを支持するプーリによって、ベルトが、漸増的に伸張中のウェブと一緒に進行可能になる。図3及び4Aに示される実施形態の場合、購入可能なVプ形ベルトが、押さえ込みベルトとして使用可能であり、ペンシルバニア州マンハイム(311 West Stiegel Street Manheim, Pennsylvania 17545)のフェンナードライブス(Fenner Drives)により供給されるイーグルベルティング(Eagle Belting)プロファイル3L、部品番号1032030などがある。ウェブの横方向滑りを防止するための当該技術分野において既知の他の手段も、例えば、米国特許第5,143,679号、名称「ゼロひずみ伸張ラミネートウェブを継続的に伸張してウェブの破裂無しに弾性を付与する方法(Method for Sequentially Stretching Zero Strain Stretch Laminate Web to Impart Elasticity thereto Without Rupturing the Web)」(ウェーバー(Weber)等、1992年9月1日発行)に記載されるものなどが、使用可能である。
【0054】
上記のように、第一及び第二の駆動ベルト212、214を支持する下部の組及び上部の組のローラー236、244を形成するローラー群は、独立に調節されて、変形域220における対応するベルトの歯と溝の間の係合深さを制御することができる。ローラー236、244は、下部の組のローラー236を形成するそれぞれのローラーが上部の組のローラー244を形成するローラーに直接対向して配置されて、それらの間にある距離を有するような、仕組とすることができる。それぞれの対向する対のローラーの間の距離は、対向する対を形成する片方又は両方のローラーの垂直位置を調節することによって、係合深さを滑らかに及び連続的に制御するように調節することができる。
【0055】
代替実施形態においては、係合深さは、下部キャリッジ232の配置を固定位置に維持したまま、上部キャリッジ240の垂直位置を変化させることによって、制御可能である。この実施形態の場合、第一及び第二組のローラー236、244は、対応するアイドラベッド234、242上に固定方向で回転可能に取り付けられる。上部キャリッジ240は、下部アイドラベッド234を固定して維持したまま、上部アイドラベッド242を上昇及び下降させるように、垂直に調節可能である。上部アイドラベッド242を上昇及び下降させることによって、下部の組のローラー236と上部の組のローラー244との間の距離並びに第一及び第二の駆動ベルト212、214の歯224、226と溝228、230との間の対応する係合深さを調節することができる。この実施形態の場合、上部キャリッジ240の垂直位置は、作動されるときに上部キャリッジ240を上昇及び下降させる、空気又は水圧シリンダー260によって制御可能である。はっきりした機械的停止体を配置し、上部キャリッジ240の下降位置での初期位置を設定して、下部組のローラーと対向する上部組のローラーとの間のマクロレベルの調節及びその初期距離を提供することができる。調節可能なねじ付きロッド262及び深さゲージ264が、上部アイドラベッド242の反対両端部上に配置されて、第一及び第二の駆動ベルト212、214の間の係合深さのミクロレベルの調節を提供する。調節可能なねじ付きロッド262の調節により、変形域220の入口において対向するローラー間の距離を最大限にして、第一及び第二の駆動ベルト212、214の歯224、226と溝228、230との間に最小限又はゼロの係合深さを提供するような具合に、並びに変形域の出口において対向するローラー間の距離を最小限にして、第一及び第二の駆動ベルト212、214の歯と溝の間に最大限の係合深さを提供するような具合にすることができる。この構成により、上部の組のローラー244を支持する上部アイドラベッド242のピッチは、変形域220の入口から変形域220の出口まで係合深さの直線的増加を提供するような方向付けにすることができる。
【0056】
先の説明の駆動ベルトと単一の駆動ローラーの装置及び二重駆動ベルトの装置は、全体的に又は部分的に、伝統的なロールオンロール式プロセスの代わりに使用することができる。例えば、本発明の装置及び方法は、米国特許第5,628,097号、及び同第5,916,661号、並びに米国特許出願公開第2003/0028165(A1)号にて開示されているように、開口を作り出す熱溶融弱化工程との組合せで使用することができる。そのうえ、本発明の装置及び方法は、米国特許出願公開第2004/0127875(A1)号(2002年12月18日出願)にて開示されているような、トップシートの伸張部分の作製に使用することができる。同様に、本発明の装置及び方法は、米国特許出願公開第2004/0131820(A1)号、国際公開第2004/059061(A1)号、及び同第2004/058118(A1)号にて開示されているような、有利に修正されたトップシートの生産に、並びに米国特許出願公開第2005/021753号にて開示されているような、孔あき成形フィルム、不織布ウェブ、及びラミネートの生産に、使用することができる。吸収性コアも、国際公開第2004/058497(A1)号にて開示されているように修正することができ、この特許では、2つのウェブのラミネートが、2つのウェブを共に加工して繊維で一体化された複合吸収性コアを形成することによって作製される。上で参照されたプロセスのそれぞれにおいて、変形域の前又はその中のいずれかで、熱を利用することができる。これらの従来技術の参照におけるように、駆動ベルト(単数又は複数)中のパターンは、連続であっても不連続であってもよく、並びに歯高さ、歯形状、向き、及び/又はピッチが異なる領域を含んでもよい。
【0057】
本発明の駆動部材を用いて実行可能な1つの形成手段には、一般にリングロール加工と呼ばれるプロセスがあり、それにおいては、噛み合う歯と溝が係合して、それらの間に挿入されたウェブを漸増的に伸張させる。リングロール加工の場合、駆動部材は、歯及び溝の向きに依存して、機械横方向又は機械方向にウェブを漸増的に伸張させるように、配置することができる。例えば、機械横方向CDに漸増的に伸張させる場合、それぞれの駆動部材40、42上の歯52及び溝54は、図7Aに示されるように、機械方向MDの向きに向けられる。逆に、機械方向MDに漸増的に伸張させる場合、それぞれの駆動部材40、42上の歯52及び溝54は、図7Bに示されるように、機械横方向CDの向きに向けられる。そのような機械横方向の歯及び溝を含むベルトは、噛み合いパターンに関して、機械方向に位相保持される。
【0058】
図8は、ウェブを漸増的に伸張させる変形域における、それぞれの対向する駆動部材40、42の歯52と溝54の相互係合を示す、拡大された断片的な断面図である。歯52は、歯高さTHを有し、及び好ましくは歯ピッチPを画定する均一距離で、相互に間隔を離されている。図示されるように、駆動部材40の歯52は、対向する駆動部材42の溝54の中へ部分的に延びて、図8に示されるような「係合深さ」Eを画定している。駆動中に、係合深さは、変形域の少なくとも一部にわたって、徐々に増加するように制御される。
【0059】
図9は、変形域において相互係合している幾つかの歯52と溝54の、それらの間にウェブ材料34を有する、更なる拡大図である。図示されるように、不織布ウェブであり得るウェブ34の一部が、変形域において相互係合する歯と溝の間に受け入れられている。歯と溝の相互係合により、ウェブ34の横方向に間隔の離れた部分が、歯52によって対向する溝54の中に押し込まれている。駆動部材の間を通過しているうちに、ウェブ34を対向する溝54の中に押し込んでいる歯52の力が、駆動部材上の歯及び溝の向き次第で機械方向又は機械横方向に作用する、引張応力をウェブ34内に課す。引張応力は、隣接する歯52の先端の間に存在する及びその間の空間を渡る中間ウェブ区域58を、機械方向又は機械横方向に伸張させる又は伸ばすことができ、このことは、中間ウェブ区域58のそれぞれにおいて、ウェブ厚さの局部的減少という結果を得ることができる。不織布ウェブの場合、エアレイドウェブを包含し、伸張は、中間ウェブ区域58における繊維の再配向、坪量の減少、及び制御された繊維破壊を引き起こすことができる。
【0060】
隣接する歯の間に存在するウェブ34の部分が局所的に伸張されるが、歯の先端と接触しているウェブの部分は、同程度の伸縮を受けない可能性がある。歯52の丸い外側端部の表面と歯の外側端部において歯表面に接触しているウェブ34の隣接区域60との間に存在する摩擦力のために、歯の外側端部の歯表面に相対的なウェブ表面のこれらの部分の摺動運動は、最小限である。その結果、ある場合には、歯先端の表面に接触しているウェブの区域におけるウェブ34の特性は、中間ウェブ区域58に生じるウェブ特性の変化と比較して、僅かしか変化しない。
【0061】
伸張の方向に依存してウェブ幅又は長さの結果的な増大を伴う、ウェブ34に生じた局所的なウェブ伸張のために、変形域から出ていく駆動部材により形成されたウェブ材料は、出ていく材料が実質的に平らで横方向に伸びた状態のままであるという条件で、入ってくるウェブ材料よりも低い坪量を有する場合もある。例えば、機械横方向に伸張されたウェブは、ウェブ移動方向の幾分かの張力下にウェブが置かれるという点で、変形域から出るときに、その元の横方向幅又は長さに収縮する可能性があり、この場合、出ていく修正されたウェブは、入ってくる状態で有したのと同一の坪量を有することがある。しかしながら、出ていくウェブが十分に高いウェブ機械方向張力を受ける場合、出ていくウェブは、その元の幅よりも狭い幅に収縮させられることもあり、この場合、ウェブは、その元の坪量よりも高い坪量を有する。これに対して、いわゆるマウントホープロール(Mount Hope roll)、幅出し機、角度付きアイドラ、角度ニップ、又は上記類似品の間に修正されたウェブを通すことによって、十分な追加のウェブ横伸張にウェブを曝す場合、出ていく修正されたウェブは、その元の坪量よりも低い坪量を有することができる。このように、駆動部材に好適な歯及び溝の形状を選択することによって、ウェブ移動方向の好適な張力レベルを選択することによって、及び追加のウェブ横伸張にウェブを曝すかどうかを選択することによって、結果として得られる修正された不織布ウェブは、初期ウェブ幅の約20%〜約500%の範囲であり得るウェブ幅と、ウェブの初期坪量未満の、それに等しい、又はそれを超える、坪量とを有することができる。
【0062】
歯52は、図8及び9に示されるように、断面が概ね三角形であって、概ね丸形の歯先端を有することができる。図示されるように、歯52は、歯高さTHと(注;THは溝深さにも適用可能であり、一実施形態では、歯高さ及び溝深さは等しくすることができる)、ピッチPと呼ばれる歯と歯の間隔とを有する。係合深さE、歯高さTH、及びピッチPは、加工されるウェブの特性及び加工されたウェブの所望の特性に依存して、所望のように変化させることができる。
【0063】
当業者が認識するように、それぞれの歯及び溝の寸法は、広範囲に変化可能であり、またそれでも、本発明を実行するのに効果的である。その点に関して、本発明による好適な駆動部材の追加の構造詳細が、米国特許第5,156,793号、名称「ゼロひずみ伸張ラミネートシートを非均一方法で漸増的に伸張して変化する程度の弾性をこれに付与する方法(Method for Incrementally Stretching Zero Strain Stretch Laminate Sheet in a Non-Uniform Manner to Impart a Varying Degree of Elasticity Thereto)」(ケネス B.ブエル(Kenneth B. Buell)等、1992年10月20日発行)、及び同第5,167,897号、名称「ゼロひずみ伸張ラミネートシートを漸増的に伸張して弾性をこれに付与する方法(Method for Incrementally Stretching a Zero Strain Stretch Laminate Sheet to Impart Elasticity Thereto)」(ゼラルド M.ウェーバー(Gerald M. Weber)等、1992年12月1日発行)に提示されている。その他の発効特許には、米国特許第5,527,304号、名称「延長パネルを有する伸縮自在のサイドパネルが付いた吸収性物品(Absorbent Article with Elasticized Side Panels having Extension Panel)」(ブエル(Buell)、1996年6月18日発行)、同第5,674,216号、名称「伸縮自在のサイドパネルが付いた吸収性物品(Absorbent Article with Elasticized Side Panels)」(ブエル(Buell)、1997年10月7日発行)、同第6,476,289号、名称「エラストマーのラミネートを有する衣類(Garment having Elastomeric Laminate)」(ブエル(Buell)、1996年6月18日発行)、同第5,628,741号、名称「予めひずまされたウェブ部分を有する弾性機構が付いた吸収性物品及びその形成方法(Absorbent Article with Elastic Feature having a Prestrained Web Portion and Method for Forming Same)」(ブエル(Buell)、1997年5月13日発行)、同第5,591,155号、名称「改善された伸縮性のサイドパネルを有する使い捨てトレーニングパンツ(Disposable Training Pant having Improved Stretchable Side Panels)」(ニシカワ(Nishikawa)、1997年1月7日発行)、同第5,246,433号、名称「伸縮自在の使い捨てトレーニングパンツ及びその製造方法(Elasticized Disposable Training Pant and Method of making the Same)」(ハッセ(Hasse)、1993年9月21日発行)、同第5,464,401号、名称「微分伸張性を有する伸縮自在の使い捨てトレーニングパンツ(Elasticized Disposable Training Pant having Differential Extensibility)」(ハッセ(Hasse)、1993年9月21日発行)、同第5,575,783号、名称「伸縮自在のヒップパネルを含む動的弾性機構が付いた吸収性物品(Absorbent Article with Dynamic Elastic Feature Comprising Elasticized Hip Panels)」(クリア(Clear)1996年11月19日発行)、同第5,779,691号、名称「衛生物品用の、特に使い捨ておむつ用の締結テープ(Fastening Tape for a Sanitary Article Particularly Disposable Diaper)」(シュミット(Schmitt)、1998年7月14日発行)、同第5,143,679号、名称「ゼロひずみ伸張ラミネートウェブを継続的に伸張してウェブの破裂無しにこれに弾性を付与する方法(Method for Sequentially Stretching Zero Strain Stretch Laminate Web to Impart Elasticity thereto Without Rupturing the Web)」(ウェーバー(Weber)、1992年9月1日発行)、同第4,834,741号、名称「弾性のウエストバンド用伸縮性素材を有するおむつ(Diaper with Elastic Waist Band Elastic)」(サビー(Sabee)、1989年5月30日発行)、及び同第4,968,313号、名称「弾性のウエストバンド用伸縮性素材を有するおむつ(Diaper with Elastic Waist Band Elastic)」(サビー(Sabee)、1989年11月6日発行)が挙げられる。
【0064】
本発明の利点は、変形域のパス長さが、従来技術の方法よりも数倍長く容易に調節可能なことである。噛み合う歯と溝の係合深さは、加工中にウェブが機械方向に流れる速度である、ウェブ速度に適合するように設定可能である。具体的には、ライン速度が増すにつれて、変形域のパス長さを増加するのが望ましいことが多い。これがなされる結果、増加したウェブ速度にもかかわらず、より長い距離にわたって、ひいてはより長い時間にわたって、ウェブの漸増的伸張が実行される。増加したウェブ速度に対して変形域のパス長さを増加するという働きかけを用いると、前述の米国特許第5,143,679号(ウェーバー(Weber)等に対して発行)などの従来技術に記された、高速駆動の悪影響を相殺することができる。噛み合う円筒形ロール(複数)で成し遂げられる、そのような従来技術のリングロール加工は、ロールの寸法及び要求された程度の係合だけにより完全に決まる、固定のパス長さだけを有する変形域(単数又は複数)を提供する。
【0065】
表1は、長さが0.025メートル(1.0インチ)を超える変形パス長さに対して、リングロール直径がどのように著しく増加するかを明らかにしている。例えば、0.051メートル(2.0インチ)の変形域パス長さを提供するには、約2.44メートル(96インチ)のリングロール直径を必要とする。1メートル(39インチ)の変形パス長さは、直径が1キロメートルに近い、従来技術のリングロールの組を必要とすることになる。したがって、より長い変形パス長さは、より早いウェブ速度の悪影響を軽減するために望ましいことが多いが、非現実的なリングロール寸法の使用が必要になると見ることができる。表はまた、それぞれの対応する変形域パス長さに対して、二重駆動ベルト(ベルト/ベルト)の装置、及び単一駆動ロールと駆動ベルト(ベルト/ロール)の装置の、推定される機械方向長さ(MD長さ)も示している。
【0066】
【表1】
*MD長さは、装置に必要な機械方向の最小空間として定義される。
【0067】
仮定:
1.ベルト/ベルトのMD長さ=変形域パス長さ+付属ローラーのための0.39m
2.ベルト/ロールのMD長さ=ロール直径+付属するバックアップローラーのための0.39m
3.ベルト/ロールの変形域最大パス長さ=0.75×ロール円周(すなわち、270度の巻き付け)
【0068】
本発明の方法及び装置により作り出される、増大された変形域パス長さの有益な効果は、図10A及び図10Bに示されるグラフで更に説明できる。図10Aのグラフは、本発明の装置に対して従来技術のリングロールシステムを比較して、係合時間に対する係合の深さを示すものであり、毎秒約2.54メートル(500ft/min)のウェブ速度、1.52mm(0.060インチ)のベルトピッチ、及び2.0mm(0.079インチ)の係合深さを仮定している。そのプロットは、リングロールのより短い変形域パス長さに関連付けられる急速で非直線的な増加と比較して、本発明の装置の変形域パス長さがどのように寸法決め及び配置されて、係合深さのなだらかで直線的な増加を提供できるかを示している。これらの異なるパス長さの結果として得られる効果が、図10Bのグラフで示されており、それにおいては、係合深さに対して対応する駆動速度又は係合速度がプロットされている。そのグラフは、本発明の方法及びプロセスにより付加される非常に遅い(及びこの場合は)一定のひずみ速度と比較して、従来技術のリングロールプロセスがどのように非常に早いひずみ速度を材料中に誘起するかを明らかにしている。この係合速度の著しい低下が、ウェブに対する変形速度を対応して低下させるという結果になり、このことは、高い駆動速度が多数のウェブ材料上に有する前述の悪影響を、効果的に最小限にする又は排除する。
【0069】
本発明の駆動部材を用いて実行可能な他のウェブ変形手段は、「SELF」又は「SELFing」プロセスと普通は呼ばれるプロセスであり、ここで、SELFは、構造的に弾性様のフィルム(Structural Elastic Like Film)の略である。そのプロセスは元来、有益な構造的特性を有するようにポリマーフィルムを変形するために開発されたが、SELFプロセスを用いると、不織布ウェブ中に有益な構造を作り出せることが見出された。
【0070】
図11を参照すると、SELFプロセスで使用するための駆動部材の形状が示されており、これを使用して、ウェブの一部をX−Y平面から外へZ方向に拡大することによって、不織布ウェブの一部をウェブ厚さ寸法の向きへ拡大することができる。図11に示されるように、1つの駆動部材64には、横方向に間隔が離れて長手方向に延びる、複数の歯52及び溝54が含まれる。駆動部材62には、横方向に間隔が離れて長手方向に延びる複数の歯68が含まれ、駆動部材62の歯68の一部が取り去られて、ノッチ66を形成し、これらが、複数個の間隔が離れた歯68を画定している。図11に示されるように、それぞれの横断方向に隣接する歯68上のノッチ66は、横方向に整列して、駆動部材62の表面周りで間隔が離れた複数のノッチ領域の群を画定することができる。ノッチ領域のそれぞれの横方向に広がる群はそれぞれ、駆動部材62の機械横方向CDに平行に延びる。歯68は、図8を参照して先に説明したような、歯高さTHに相当する歯高さと、歯ピッチPに相当する歯ピッチとを有することができる。
【0071】
SELFプロセス中に駆動部材により形成された変形域をウェブが通過するとき、駆動部材62の歯68が、ウェブの一部を平面外へ押して、永久的な局所Z方向変形をウェブに引き起こす。しかしながら、駆動部材62のノッチ領域66と駆動部材62の歯68との間を通るウェブの部分は、実質的にZ方向に変形されない、すなわち、不織布ウェブは、その区域において、歯領域と同程度には変形又は伸張されずに、実質的に平面状のままであり得るが、駆動部材62の歯領域と駆動部材64の歯52との間を通るウェブの部分は、不織布の弾性限界を超えて変形又は伸張可能であり、複数個の変形されて隆起したリブ状要素という結果になる。
【0072】
ここで図12を参照すると、SELFプロセスの対向して相互係合する対の駆動部材62と64の間を通過した後の、SELF加工された不織布ウェブ70の一部の略図が示されており、駆動部材は、図11に示されるものに類似の歯形状を有するものである。SELF加工された不織布ウェブ70は、異なる領域の網状組織を包含する。網状組織は、少なくとも、第一の領域72、第二の領域84、及び第一の領域72と第二の領域84の間の境界域にある遷移領域76を包含する。SELF加工された不織布ウェブ70はまた、第一の表面78と、反対側に面する第二の表面80とを有する。図12に示される実施形態では、SELF加工された不織布ウェブ70は、実質的に平らで間隔の離れた複数の第一の領域72と、第二の領域84を形成する交互する複数のリブ状要素とを包含する。
【0073】
図12に示される実施形態では、第一の領域72は、実質的に平面状である。すなわち、第一の領域72内の材料は、実質的に平らであり、及び図11に示される駆動部材62と64との間を通過することにより不織布ウェブが受けた修正工程の後でも、ウェブが駆動部材の間を通る前と実質的に同じ状態である。
【0074】
不織布ウェブの所望の形態は、それぞれが実質的に等しい長さを有し且つ列に配置されて線状の第一の領域72により隔てられた概ね矩形の変形区域を画定するリブ状要素の形態である、図12に示される表面パターンに加えて、所望の場合には、不織布材の局所伸張及び/又は変形を引き起こすことができる他の駆動部材の歯及び溝の形状によって達成可能である。変形パターンは、間隔が離れた矩形配列のリブ状要素の代わりに、例えば、図13に示されるように、介在する未変形の第一の領域72を有して、間隔の離れたダイヤモンド形状の第二の領域74の配列を画定する、リブ状要素の形態にすることができる。それぞれのそのようなダイヤモンド形状の第二の領域74は、交互するリブ状要素84と介在する谷部分86とによって画定される。そのようなダイヤモンド形状の要素を形成するための方法及び装置の例が、米国特許第5,650,214号、名称「弾性様挙動と柔軟な布様手ざわりを呈するシート材料(Sheet Materials Exhibiting Elastic-Like Behavior and Soft, Cloth-Like Texture)」(バリー J.アンダーソン(Barry J. Anderson)等、1997年7月22日発行)、及び同第6,383,431号、名称「使い捨て吸収性物品の構成要素として使用するための不織布繊維ウェブを修正する方法(Method of Modifying a Nonwoven Fibrous Web For Use as a Component of a Disposable Absorbent Article)」(ドブリン(Dobrin)等、2002年5月7日発行)にて、開示されている。
【0075】
変形パターンは、図14に示されるように、間隔の離れた円形状の第二の領域74の配列を共に画定する、リブ状要素84の形態にすることもできる。それぞれのそのような円形要素は、適切に間隔の離れた変化する長さのリブ状要素84と、介在する谷部分86とによって、画定することができる。それぞれの円形状の第二の領域74の間にあるのは、未変形の介在する第一の領域72である。当業者には明白であるように、所望の場合、他の変形パターンも使用可能であり、米国特許第5,518,801号、名称「弾性様の挙動を呈するシート材料(Sheet Materials Exhibiting Elastic- Like Behavior)」(チャールス W.チャッペル(Charles W. Chappell)等、1996年5月21日発行)に例示及び説明されるものなどがある。チャッペル(Chappell)に対して発行された他の特許には、米国特許第5,691,035号、名称「弾性様の挙動を呈するウェブ材料(Web Materials Exhibiting Elastic-like Behavior)」(1997年11月25日発行)、同第5,723,087号、名称「弾性様の挙動を呈するウェブ材料(Web Materials Exhibiting Elastic-like Behavior)」(1998年3月3日発行)、同第5,891,544号、名称「弾性様の挙動を呈するウェブ材料(Web Materials Exhibiting Elastic-like Behavior)」(1999年4月6日発行)、同第5,916,663号、名称「弾性様の挙動を呈するウェブ材料(Web Materials Exhibiting Elastic-like Behavior)」(1999年6月29日発行)、及び同第6,027,483号、名称「弾性様の挙動を呈するウェブ材料(Web Materials Exhibiting Elastic-like Behavior)」(2000年2月22日発行)が挙げられる。
【0076】
本発明の駆動部材を使用して実行可能なウェブ変形の他の手段には、「マイクロSELF」として最も良く記述できるプロセスがある。マイクロSELFは、図11を参照して説明したSELFプロセスのものと装置及び方法が類似するプロセスである。SELFとマイクロSELFとの間の主な相違点は、歯が付いた駆動部材上の、すなわち、図11の駆動部材62に相当する図15のマイクロSELF駆動部材82上の、歯68の大きさ及び寸法である。マイクロSELF駆動部材82は、パターンの有る1つの駆動部材すなわちマイクロSELF駆動部材82とパターンの無い1つの溝付き駆動部材(図示せず)とを有する、好ましい構成の変形域を形成する駆動部材の1つとすることができる。しかしながら、ある実施形態では、それぞれの駆動部材の同一又は異なる対応する領域に同一又は異なるパターンのいずれかを有する、2つのマイクロSELF駆動部材82を使用するのが好ましいことがある。そのような装置は、変形のあるウェブを作り出すことができ、これは、不織布ウェブでは、加工したウェブの片側又は両側から突き出るタフトとして記述することができる。タフトは、密な間隔にすることができるが、少なくともその基部においては、タフト間に空隙領域を画定するのに十分に離れた間隔にすることができる。
【0077】
図15の部分的な斜視図及び図16の拡大された部分的な斜視図に示されるように、マイクロSELF駆動部材82の歯68は、歯68の前縁及び後縁に対応する独特の形状を有して、これにより歯が不織布ウェブを本質的に「打ち」抜くことが可能になっており、図12〜14に示されるように、ウェブを本質的にこぶ又は歯に変形させるのとは対照的である。不織布ウェブの幾つかの実施形態では、歯68は、繊維を面外に追い出して、繊維の「タフト」又はループとして記述できるものを形成する。一実施形態では、ウェブは、繊維を押し通してタフト又はループを形成する歯68によって、いわば穴をあける。したがって、関連付けられた連続側壁すなわち連続「遷移域」をそれぞれが有する、SELFウェブの「テントのような」リブ状要素とは異なって、マイクロSELFプロセスで面外に押し出されたタフト又はループは、Z方向変形の側壁部分に関連付けられた不連続構造を有することができる。加えて、比較的高い坪量の吸収性コア材料に対して利用されるとき、「タフト化」は、ウェブ表面の1つに関して、繊維がZ方向に面外へ追い出されるが、他のウェブ表面では、Z方向変形がぼかされる又は存在しないことがあるので、幾分見つけにくい場合もある。更に、ラミネート材料が含まれているとき、1つのウェブ材料のZ方向変形が、ラミネートの第二の材料に押し込まれて、「タフト化」が裸眼では本質的に視覚不能のような具合に、第二の材料により「隠される」ことがある。
【0078】
図15及び16に示されるように、それぞれの歯68は、歯先端96、前縁LE、及び後縁TEを有する。歯先端96は、細長く、及び概ね長手方向に向いている。加工されたウェブ中にタフト化されたループ状のタフトを得るためには、LE及びTEは、駆動部材82の局所周表面90に対して殆ど直交しているべきと考えられている。同様に、先端96及びLE又はTEからの遷移は、歯68がLE及びTEでウェブを押し通すように、十分に小さい曲率半径を有する直角などの鋭い角でなければならない。理論に束縛されるものではないが、歯68の先端96とLE及びTEとの間に比較的鋭い角度の先端遷移を有することによって、歯68が不織布ウェブを「きれいに」すなわち局所的及び明瞭に打ち抜くことが可能になり、その結果、得られるウェブの片側が「タフト化された」ないしは別の方法で「変形された」と記述できると考えられている。
【0079】
マイクロSELF駆動部材82の歯68は、歯先端96において概ね前縁LEから後縁TEまで測定される、約1.25mmの均一な長さ寸法TLを有することができ、また周囲方向に約1.5mmの距離TDにより相互から均一に間隔を離される。約60〜約100gsmの範囲の総坪量を有するウェブからタオル地ウェブを作製するためには、歯68は、約0.5mm〜約3mmの範囲の長さTL及び約0.5mm(0.020インチ)〜約3mm(0.118インチ)の間隔TDと、約0.5mm(0.020インチ)〜約5mm(0.200インチ)の範囲の歯高さと、約1mm(0.040インチ)〜約5mm(0.200インチ)のピッチとを有することができる。係合深さは、約0.5mm(0.020インチ)〜約5mm(0.200インチ)(歯高さに等しい最大限まで)にすることができる。もちろん、係合深さ、ピッチ、歯高さ、TD、及びTLは、同時係属された同一所有者の米国特許出願公開第2004/0265534(A1)号(2003年12月16日出願)及び同第2005/0123726(A1)号(2004年11月3日出願)にて開示されているように、相互に独立に変化されて、ウェブ変形の所望の寸法、間隔、及び面積密度を達成することができる。
【0080】
本発明によるマイクロSELF駆動部材の使用で、変形域のひずみ速度を制御して、異なるタフト及びループの形成を呈するウェブ構造を作り出すことができる。例えば、2つの比較的伸張性でない材料を含むラミネート構造の場合、変形域のひずみ速度を制御して、図17のグラフに示されるように低から高まで変化させ、図18Bに示される高ひずみ速度の駆動により形成された吹き飛ばし先端付きのより低いループと比較して、図18Aに示される吹き飛ばし先端付きのより高いループを含むタフトを提供することができる。あるいは、伸張性が僅かに異なる比較的伸張性でない材料の場合、変形域のひずみ速度を図19のグラフに示されるように高ひずみ速度から低ひずみ速度に変化させると、図20Bに示される高ひずみ速度駆動により形成された吹き飛ばし先端付きのより低いループと比較して、図20Aに示される、材料の一方が早く破裂して吹き飛ばし先端という結果になり、他方の材料が吹き飛ばし先端の中を延びる高いループを形成するという結果を得ることができる。
【0081】
本発明の駆動部材を使用して実行可能な、ウェブを変形するための他の手段は、「回転ナイフ穿孔(rotary knife aperturing)」(RKA)として最も良く記述できるプロセスである。RKAにおいては、図21に示されるように、SELF又はマイクロSELF駆動部材に関して上で説明されたものに類似する、噛み合う駆動部材92を使用するプロセス及び装置が、用いられる。図示されるように、RKAプロセスは、SELF又はマイクロSELF駆動部材の比較的平らで細長い歯が一般に遠位端にて尖っているように修正されているという点で、SELF又はマイクロSELFと異なる。歯68は、不織布ウェブ34を貫いて切って変形させるように鋭くされており、図21に示されるような三次元孔あきウェブ94を作り出すことができる。歯高さ、歯間隔、ピッチ、係合深さ、及び他の加工パラメータなどのその他の点について、RKA及びRKA装置は、SELF又はマイクロSELFに関して上で説明されたものと同じにすることができる。
【0082】
図22は、孔あきウェブ94を作製するのに有用な複数の歯68を有する、RKAの歯付き駆動部材の一実施形態の一部を示す。歯68の拡大図が、図23A及び23Bに示される。図23Aに示されるように、それぞれの歯68は、基部111、歯先端96、前縁LE、及び後縁TEを有する。歯先端96は、一般に、ウェブ34を伸張させる及び/又は穴をあけるように、先をとがらす、鈍くとがらす、ないしは別の方法で形作ることができる。歯68は、概ね平らなブレードのような形状を有することができる。歯68は、概ね平らなはっきりした側面98を有することができる。すなわち、断面が概ね円形の丸いピンのような形状とは対照的に、歯68は、一方を伸ばされて、概ね非円形の細長い断面形状を有することができる。例えば、歯68は、その基部において、歯長さTL及び歯幅TWを有して、少なくとも2の、又は少なくとも約3の、又は少なくとも約5の、又は少なくとも約7の、又は少なくとも約10の、又はより大きな、TL/TWの歯アスペクト比ARを示すことができる。一実施形態では、断面寸法のアスペクト比ARは、歯高さに対して実質的に一定のままである。
【0083】
RKAの歯付き駆動部材の1つの実施形態では、歯68は、歯68の基部111において概ね前縁LEから後縁TEまで測定される、約1.25mm(0.049インチ)の均一な長さTLと、基部において長さ寸法に対して概ね垂直に測定される最長寸法である、約0.3mm(0.012インチ)の歯幅TWとを有することができる。歯は、約1.5mm(0.059インチ)の距離TDにより、相互から均一な間隔にすることができる。約5gsm〜約200gsmの範囲の坪量を有するウェブから繊維性の柔軟な三次元孔あきウェブを作製するために、歯68は、約0.5mm〜約3mmの範囲の長さTLと、約0.3mm〜約1mmの歯幅TWと、約0.5mm〜約3mmの間隔TDと、約0.5mm〜約10mmの範囲の歯高さTHと、約1mm(0.040インチ)〜2.54mm(0.100インチ)のピッチPとを有することができる。係合深さEは、約0.5mm(0.020インチ)〜約5mm(0.200インチ)(歯高さTHに近づく最大限まで)にすることができる。
【0084】
もちろん、E、P、TH、TD、及びTLはそれぞれ、相互に独立に変化されて、所望の寸法、間隔、及び開口の面積密度(穿孔された三次元孔あきウェブ94の単位面積当たりの開口数)を達成することができる。例えば、生理用ナプキン及び他の吸収性物品で使用するのに好適な孔あきのフィルム及び不織布を作製するために、基部における歯長さTLは、約2.032mm(0.08インチ)〜約3.81mm(0.15インチ)の範囲にすることができ、歯幅TWは、約0.508mm(0.02インチ)〜約1.27mm(0.05インチ)の範囲にすることができ、歯間隔TDは、約1.0mm(0.039インチ)〜約1.94mm(0.076インチ)の範囲にすることができ、ピッチPは、約1.106mm(0.044インチ)〜約2.54mm(0.100インチ)の範囲にすることができ;及び歯高さTHは、約2.032mm(0.08インチ)〜約6.858mm(0.27インチ)にすることができる。係合深さEは、約0.5mm(0.020インチ)〜約5mm(0.200インチ)にすることができる。図23Bに示される歯先端96の曲率半径Rは、0.001mm(3.937×10-5インチ)〜約0.009mm(3.9×10-4インチ)にすることができる。理論により束縛されるものではないが、基部における歯長さTLは、約0.254mm(0.01インチ)〜約12.7mm(0.5インチ)の範囲にすることができ、歯幅TWは、約0.254mm(0.01インチ)〜約5.08mm(0.2インチ)の範囲にすることができ、歯間隔TDは、約0.0mm〜約25.4mm(1.0インチ)の(又はより大きい)範囲にすることができ、ピッチPは、約1.106mm(0.044インチ)〜約7.62mm(0.3インチ)の範囲にすることができ、歯高さTHは、0.254mm(0.01インチ)〜約18mm(0.709インチ)の範囲にすることができ、及び係合深さEは、0.254mm(0.01インチ)〜約6.35mm(0.25インチ)の範囲にすることができると考えられている。開示される範囲のそれぞれについて、本開示が、範囲の限界及びその間のあらゆる寸法を0.001mm(3.937×10-5インチ)の増分で教示しているように(0.0001mm(3.937×10-5インチ)の増分で変化するとして増分が開示されている曲率半径Rの場合を除く)、寸法は、最小寸法から最大寸法まで0.001mm(3.937×10-5インチ)の増分でその範囲内を変化できることを本明細書で開示する。
【0085】
RKAの歯は、他の形状及び輪郭も有することができ、並びにRKAプロセスは、同時係属された同一所有者の米国特許出願公開第2005/0064136(A1)号(2004年8月6日出願)、同第2006/0087053(A1)号(2005年10月13日出願)、及び同第2005/021753号(2005年6月21日出願)にて開示されているように、繊維ウェブの穿孔に使用することができる。
【0086】
本発明の装置は、従来技術中で説明された前述の装置に連続して及び/又は混在して配置されてもよい。例えば、本発明の第一の装置が、ウェブを機械横方向に漸増的に伸張させるのに使用され、次に、ウェブを機械方向に漸増的に伸張するのに使用可能な第二の装置が続くことができる。
【0087】
本明細書で開示した寸法及び値は、列挙した厳密な数値に狭義に限定されるものとして解釈されるべきではない。それよりむしろ、特に指定されない限り、こうした寸法はそれぞれ、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示した寸法は、「約40mm」を意味することを意図したものである。
【0088】
「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に参照により組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものと解釈されるべきではない。本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれた文献における同一の用語のいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいて、本書においてその用語に与えられた定義又は意味が適用されるものとする。
【0089】
本発明の特定の諸実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることは当業者には自明であろう。したがって本発明の範囲に含まれるすべてのこうした変更及び修正を付属の特許請求の範囲において網羅するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェブを漸増的に伸張させる方法であって、前記方法が:
a.ウェブを提供する工程と、
b.複数の歯及び溝を含む単一の駆動部材を提供する工程と、
c.前記単一の駆動部材の前記複数の歯及び溝を補完する複数の歯及び溝を含む、駆動ベルトを提供する工程と、
d.前記駆動ベルトと前記単一の駆動部材との間に変形域を形成する工程であって、前記単一の駆動部材の前記複数の歯及び溝が、前記変形域にわたって直線的に増加可能な制御された係合深さで、前記駆動ベルトの前記複数の歯及び溝に係合する、工程と、
e.前記変形域を介して前記ウェブを搬送する工程であって、前記ウェブを漸増的に伸張させる工程と、を含む、方法。
【請求項2】
前記単一の駆動部材が、複数の周囲の歯及び溝を有する単一の駆動ロールを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記変形域が、前記駆動ベルトの複数の歯及び溝の第一区域と、前記単一の駆動ロールの複数の周囲の歯及び溝の弧区域との間に形成される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記係合深さが、前記駆動ベルトの前記複数の歯及び溝の前記第一区域を前記単一の駆動ロールの前記複数の周囲の歯及び溝の前記弧区域と強制的に係合させる、前記変形域に沿って配置された一連のバックアップローラーによって制御される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記駆動ベルトが第一の駆動ベルトを含み、前記単一の駆動部材が、前記第一の駆動ベルトの前記複数の歯及び溝を補完して、前記変形域において前記係合深さでこれらと係合する、複数の歯及び溝を含む第二の駆動ベルトを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記変形域が、前記第一の駆動ベルトの複数の歯及び溝の第一区域と前記第二の駆動ベルトの複数の歯及び溝の第二区域との間に形成され、前記第一の駆動ベルトの前記第一区域が、第一組のローラーにより支持され、及び前記第二の駆動ベルトの前記第二区域が、第二組のローラーにより支持されており、前記第一の駆動ベルトの前記複数の歯及び溝の第一区域を前記第二の駆動ベルトの前記複数の歯及び溝の前記第二区域と強制的に係合させるように、及びそれらの間の前記係合深さを制御するように、前記第一組のローラー及び前記第二組のローラーが前記変形域内に配置される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記係合深さが、前記変形域の少なくとも一部にわたって直線的に増加するように制御される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
ウェブを漸増的に伸張させるための装置であって、前記装置が:
a.複数の歯及び溝を含む単一の駆動部材と、
b.前記単一の駆動部材の前記複数の歯及び溝を補完する、複数の歯及び溝を含む駆動ベルトと、
c.前記駆動ベルトと前記単一の駆動部材との間に形成される変形域であって、前記変形域内で前記駆動ベルトと前記単一の駆動部材との間に挿入されたウェブが、漸増的に伸張されるように、前記単一の駆動部材の前記複数の歯及び溝が、前記変形域にわたって直線的に増加可能な制御された係合深さで、前記駆動ベルトの前記複数の歯及び溝に係合している、変形域と、を含む、装置。
【請求項9】
前記単一の駆動部材が、複数の周囲の歯及び溝を有する単一の駆動ロールを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記変形域が、前記駆動ベルトの複数の歯及び溝の第一区域と、前記単一の駆動ロールの複数の周囲の歯及び溝の弧区域との間に形成される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記係合深さが、前記単一の駆動ロールの前記複数の周囲の歯及び溝の前記弧区分に沿って、前記駆動ベルトの前記複数の歯及び溝の前記第一区域を支持する、前記変形域に沿って配置された一連のバックアップローラーによって制御される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記駆動ベルトが第一の駆動ベルトを含み、並びに前記単一の駆動部材が、前記第一の駆動ベルトの前記複数の歯及び溝を補完し、前記変形域において前記係合深さでこれらと係合する、複数の歯及び溝を含む第二の駆動ベルトを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項13】
前記変形域が、前記第一の駆動ベルトの複数の歯及び溝の第一区域と前記第二の駆動ベルトの複数の歯及び溝の第二区域との間に形成され、前記第一の駆動ベルトの前記第一区域が、第一組のローラーにより支持され、前記第二の駆動ベルトの前記第二区域が、第二組のローラーにより支持されており、前記第一の駆動ベルトの前記複数の歯及び溝の前記第一区域を前記第二の駆動ベルトの前記複数の歯及び溝の前記第二区域と強制的に係合させるように、及びそれらの間の前記係合深さを制御するように、前記第一組のローラー及び前記第二組のローラーが前記変形域内に配置される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
請求項8に記載の装置であって、前記装置が:
a.複数の周囲の歯及び溝を有する単一の駆動ロールを含む単一の駆動部材と、
b.前記単一の駆動ロールの前記複数の周囲の歯及び溝を補完する、複数の歯及び溝を含む駆動ベルトと、
c.前記駆動ベルトの第一区域と前記単一の駆動ロールの弧区域との間に形成される、パス長さを有する変形域であって、前記単一の駆動ロールの前記複数の周囲の歯及び溝が、前記駆動ベルトの前記複数の歯及び溝とある係合深さで係合する、変形域と、
d.前記駆動ベルトの前記第一区域を前記パス長さに沿って支持し、前記駆動ベルトの前記複数の歯及び溝を前記単一の駆動ロールの前記複数の周囲の歯及び溝と強制的に係合させ、及びこれらの間の前記係合深さを制御する、一連のバックアップローラーと、を含む、装置。
【請求項15】
前記バックアップローラーの少なくとも2つが、前記係合深さを制御するように独立に調節可能であり、及び前記係合深さが、前記変形域の少なくとも一部にわたって直線的に増加するように制御できる、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
請求項8に記載の装置であって、前記装置が:
a.複数の歯及び溝を有する第一の駆動ベルトを含む単一の駆動部材と、
b.前記第一の駆動ベルトの前記複数の歯及び溝を補完する、複数の歯及び溝を含む第二の駆動ベルトと、
c.前記第一の駆動ベルトの第一区域と前記第二の駆動ベルトの第二区域との間に形成される、パス長さを有する変形域であって、前記第一の駆動ベルトの前記複数の歯及び溝が、前記第二の駆動ベルトの前記複数の歯及び溝とある係合深さで係合する、変形域と、
d.前記第一の駆動ベルトの前記第一区域を前記パス長さに沿って支持する第一組のローラー、及び前記第二の駆動ベルトの前記第二区域を前記パス長さに沿って支持する第二組のローラーであって、前記第一の駆動ベルトの前記歯及び溝を前記第二の駆動ベルトの前記歯及び溝と強制的に係合させるように、及びそれらの間の前記係合深さを制御するように配置されている、第一組のローラー及び第二組のローラーと、を含む、装置。
【請求項17】
前記変形域のパス長さに沿って異なる場所に配置された少なくとも2つのローラーが、前記係合深さを変化させるように独立に調節可能であり、及び前記係合深さが、前記変形域の少なくとも一部にわたって直線的に増加するように制御できる、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記装置が、約3.0メートル未満の空間を機械方向に占有し、及び前記変形域が、少なくとも約0.05メートルの、好ましくは少なくとも約0.15メートルの、パス長さを有する、請求項8〜17のいずれか一項に記載の装置。
【請求項1】
ウェブを漸増的に伸張させる方法であって、前記方法が:
a.ウェブを提供する工程と、
b.複数の歯及び溝を含む単一の駆動部材を提供する工程と、
c.前記単一の駆動部材の前記複数の歯及び溝を補完する複数の歯及び溝を含む、駆動ベルトを提供する工程と、
d.前記駆動ベルトと前記単一の駆動部材との間に変形域を形成する工程であって、前記単一の駆動部材の前記複数の歯及び溝が、前記変形域にわたって直線的に増加可能な制御された係合深さで、前記駆動ベルトの前記複数の歯及び溝に係合する、工程と、
e.前記変形域を介して前記ウェブを搬送する工程であって、前記ウェブを漸増的に伸張させる工程と、を含む、方法。
【請求項2】
前記単一の駆動部材が、複数の周囲の歯及び溝を有する単一の駆動ロールを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記変形域が、前記駆動ベルトの複数の歯及び溝の第一区域と、前記単一の駆動ロールの複数の周囲の歯及び溝の弧区域との間に形成される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記係合深さが、前記駆動ベルトの前記複数の歯及び溝の前記第一区域を前記単一の駆動ロールの前記複数の周囲の歯及び溝の前記弧区域と強制的に係合させる、前記変形域に沿って配置された一連のバックアップローラーによって制御される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記駆動ベルトが第一の駆動ベルトを含み、前記単一の駆動部材が、前記第一の駆動ベルトの前記複数の歯及び溝を補完して、前記変形域において前記係合深さでこれらと係合する、複数の歯及び溝を含む第二の駆動ベルトを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記変形域が、前記第一の駆動ベルトの複数の歯及び溝の第一区域と前記第二の駆動ベルトの複数の歯及び溝の第二区域との間に形成され、前記第一の駆動ベルトの前記第一区域が、第一組のローラーにより支持され、及び前記第二の駆動ベルトの前記第二区域が、第二組のローラーにより支持されており、前記第一の駆動ベルトの前記複数の歯及び溝の第一区域を前記第二の駆動ベルトの前記複数の歯及び溝の前記第二区域と強制的に係合させるように、及びそれらの間の前記係合深さを制御するように、前記第一組のローラー及び前記第二組のローラーが前記変形域内に配置される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記係合深さが、前記変形域の少なくとも一部にわたって直線的に増加するように制御される、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
ウェブを漸増的に伸張させるための装置であって、前記装置が:
a.複数の歯及び溝を含む単一の駆動部材と、
b.前記単一の駆動部材の前記複数の歯及び溝を補完する、複数の歯及び溝を含む駆動ベルトと、
c.前記駆動ベルトと前記単一の駆動部材との間に形成される変形域であって、前記変形域内で前記駆動ベルトと前記単一の駆動部材との間に挿入されたウェブが、漸増的に伸張されるように、前記単一の駆動部材の前記複数の歯及び溝が、前記変形域にわたって直線的に増加可能な制御された係合深さで、前記駆動ベルトの前記複数の歯及び溝に係合している、変形域と、を含む、装置。
【請求項9】
前記単一の駆動部材が、複数の周囲の歯及び溝を有する単一の駆動ロールを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記変形域が、前記駆動ベルトの複数の歯及び溝の第一区域と、前記単一の駆動ロールの複数の周囲の歯及び溝の弧区域との間に形成される、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記係合深さが、前記単一の駆動ロールの前記複数の周囲の歯及び溝の前記弧区分に沿って、前記駆動ベルトの前記複数の歯及び溝の前記第一区域を支持する、前記変形域に沿って配置された一連のバックアップローラーによって制御される、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記駆動ベルトが第一の駆動ベルトを含み、並びに前記単一の駆動部材が、前記第一の駆動ベルトの前記複数の歯及び溝を補完し、前記変形域において前記係合深さでこれらと係合する、複数の歯及び溝を含む第二の駆動ベルトを含む、請求項8に記載の装置。
【請求項13】
前記変形域が、前記第一の駆動ベルトの複数の歯及び溝の第一区域と前記第二の駆動ベルトの複数の歯及び溝の第二区域との間に形成され、前記第一の駆動ベルトの前記第一区域が、第一組のローラーにより支持され、前記第二の駆動ベルトの前記第二区域が、第二組のローラーにより支持されており、前記第一の駆動ベルトの前記複数の歯及び溝の前記第一区域を前記第二の駆動ベルトの前記複数の歯及び溝の前記第二区域と強制的に係合させるように、及びそれらの間の前記係合深さを制御するように、前記第一組のローラー及び前記第二組のローラーが前記変形域内に配置される、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
請求項8に記載の装置であって、前記装置が:
a.複数の周囲の歯及び溝を有する単一の駆動ロールを含む単一の駆動部材と、
b.前記単一の駆動ロールの前記複数の周囲の歯及び溝を補完する、複数の歯及び溝を含む駆動ベルトと、
c.前記駆動ベルトの第一区域と前記単一の駆動ロールの弧区域との間に形成される、パス長さを有する変形域であって、前記単一の駆動ロールの前記複数の周囲の歯及び溝が、前記駆動ベルトの前記複数の歯及び溝とある係合深さで係合する、変形域と、
d.前記駆動ベルトの前記第一区域を前記パス長さに沿って支持し、前記駆動ベルトの前記複数の歯及び溝を前記単一の駆動ロールの前記複数の周囲の歯及び溝と強制的に係合させ、及びこれらの間の前記係合深さを制御する、一連のバックアップローラーと、を含む、装置。
【請求項15】
前記バックアップローラーの少なくとも2つが、前記係合深さを制御するように独立に調節可能であり、及び前記係合深さが、前記変形域の少なくとも一部にわたって直線的に増加するように制御できる、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
請求項8に記載の装置であって、前記装置が:
a.複数の歯及び溝を有する第一の駆動ベルトを含む単一の駆動部材と、
b.前記第一の駆動ベルトの前記複数の歯及び溝を補完する、複数の歯及び溝を含む第二の駆動ベルトと、
c.前記第一の駆動ベルトの第一区域と前記第二の駆動ベルトの第二区域との間に形成される、パス長さを有する変形域であって、前記第一の駆動ベルトの前記複数の歯及び溝が、前記第二の駆動ベルトの前記複数の歯及び溝とある係合深さで係合する、変形域と、
d.前記第一の駆動ベルトの前記第一区域を前記パス長さに沿って支持する第一組のローラー、及び前記第二の駆動ベルトの前記第二区域を前記パス長さに沿って支持する第二組のローラーであって、前記第一の駆動ベルトの前記歯及び溝を前記第二の駆動ベルトの前記歯及び溝と強制的に係合させるように、及びそれらの間の前記係合深さを制御するように配置されている、第一組のローラー及び第二組のローラーと、を含む、装置。
【請求項17】
前記変形域のパス長さに沿って異なる場所に配置された少なくとも2つのローラーが、前記係合深さを変化させるように独立に調節可能であり、及び前記係合深さが、前記変形域の少なくとも一部にわたって直線的に増加するように制御できる、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記装置が、約3.0メートル未満の空間を機械方向に占有し、及び前記変形域が、少なくとも約0.05メートルの、好ましくは少なくとも約0.15メートルの、パス長さを有する、請求項8〜17のいずれか一項に記載の装置。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図21】
【図22】
【図23A】
【図23B】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図6】
【図7A】
【図7B】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図21】
【図22】
【図23A】
【図23B】
【公表番号】特表2010−521593(P2010−521593A)
【公表日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−553696(P2009−553696)
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【国際出願番号】PCT/US2008/056135
【国際公開番号】WO2008/112517
【国際公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年3月7日(2008.3.7)
【国際出願番号】PCT/US2008/056135
【国際公開番号】WO2008/112517
【国際公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】
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