説明

ウェブブラウザの情報入力制限方法、情報入力制限プログラム、及び情報入力制限プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体

【課題】名前や住所などの個人情報の流出を未然に防止することができると共に、サイトの利用制限を実現可能な、、ウェブブラウザにおける情報入力制限方法、情報入力制限プログラム、及び情報入力制限プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。
【解決手段】ウェブブラウザからHTMLデータを取得するステップと、取得したHTMLデータの中から所定のHTMLタグを抽出するステップと、抽出したHTMLタグに基づいて、ウェブブラウザへのデータの入力、ウェブブラウザへのファイル又はデータの添付、及びウェブブラウザからのファイル又はデータの送信の内の少なくとも1つを無効にするステップと、を有し、ユーザによる情報入力制限を可能とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェブブラウザの情報入力制限方法、情報入力制限プログラム、及び情報入力制限プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットを介して各種ホームページを閲覧するための装置として、Internet Explorer(登録商標)に代表されるウェブブラウザが広く知られている。このようなウェブブラウザの中には、ユーザの名前や住所などの個人情報を入力するための入力フォームを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
例えば、図8に示されるウェブブラウザ1は、名前、住所、電話番号、メールアドレスなどの個人情報が入力可能であると共に、ユーザが送信ボタンを押下することによって、ユーザの個人情報が送信可能となっている。
【0004】
【特許文献1】特開2000−259733号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年、個人情報の流出が社会的問題となっており、このようなウェブブラウザに安易に個人情報を入力する行為は避けるべきであるが、このような個人情報の流出の危険性を的確に把握することのできない児童は個人情報を安易に入力してしまう傾向がある。そのため、児童がインターネットを用いて調べ学習などをする際に自宅の住所や電話番号などをウェブブラウザに入力してしまい、個人情報が流出してしまう恐れがあった。
【0006】
又、学校などの教育現場においては、児童が買い物サイトを利用して買い物をしたり、保護者や先生が書き込みを制限したいサイト(例えば、掲示板サイト)へ情報入力をしたりするのを制限したいといった要望もあった。
【0007】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、名前や住所などの個人情報の流出を未然に防止することができると共に、サイトの利用制限を実現可能な、ウェブブラウザの情報入力制限方法、情報入力制限プログラム、及び情報入力制限プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の発明者は、鋭意研究の結果、名前や住所などの個人情報の流出を未然に防止することができると共に、サイトの利用制限を実現可能な、、ウェブブラウザの情報入力制限方法を見出した。
【0009】
即ち、次のような本発明により、上記目的を達成することができる。
【0010】
(1)HTMLデータを取得するステップと、取得した前記HTMLデータの中から所定のHTMLタグを抽出するステップと、抽出した前記HTMLタグに基づいて、ウェブブラウザへのデータの入力、前記ウェブブラウザへのファイル又はデータの添付、及び前記ウェブブラウザからの前記ファイル又は前記データの送信の内の少なくとも1つを無効にするステップと、を有し、ユーザによる情報入力制限を可能としたことを特徴とするウェブブラウザの情報入力制限方法。
【0011】
(2)前記HTMLデータを前記ウェブブラウザから取得することを特徴とする前記(1)記載のウェブブラウザの情報入力制限方法。
【0012】
(3)前記情報入力制限の有効及び無効を切替え可能としたことを特徴とする前記(1)又は(2)記載のウェブブラウザの情報入力制限方法。
【0013】
(4)ホームページを特定するためのアドレス情報をホームページリストに予め登録しておくと共に、前記ホームページリストに前記アドレス情報が登録されているホームページを閲覧する場合には前記情報入力制限を無効にすることを特徴とする前記(3)記載のウェブブラウザの情報入力制限方法。
【0014】
(5)コンピュータを特定するためのアドレス情報をコンピュータリストに予め登録しておくと共に、前記コンピュータリストに前記アドレス情報が登録されているコンピュータについては前記情報入力制限を無効にすることを特徴とする前記(3)又は(4)記載のウェブブラウザの情報入力制限方法。
【0015】
(6)前記ファイル及び前記データは、名前や住所などの個人情報に関するものであることを特徴とする前記(1)乃至(5)のいずれかに記載のウェブブラウザの情報入力制限方法。
【0016】
(7)HTMLデータを取得する手順と、取得した前記HTMLデータの中から所定のHTMLタグを抽出する手順と、抽出した前記HTMLタグに基づいて、ウェブブラウザへのデータの入力、前記ウェブブラウザへのファイル又はデータの添付、及び前記ウェブブラウザからの前記ファイル又は前記データの送信の内の少なくとも1つを無効にする手順と、をコンピュータに実行させ、ユーザによる情報入力制限を可能にさせることを特徴とするウェブブラウザの情報入力制限プログラム。
【0017】
(8)前記HTMLデータを前記ウェブブラウザから取得することを特徴とする前記(7)記載のウェブブラウザの情報入力制限プログラム。
【0018】
(9)更に、前記情報入力の制限の有効及び無効を切替える手順を前記コンピュータに実行させることを特徴とする前記(8)記載のウェブブラウザの情報入力制限プログラム。
【0019】
(10)更に、ホームページを特定するためのアドレス情報をホームページリストに登録する手順と、前記ホームページリストに前記アドレス情報が登録されているホームページを閲覧する場合には前記情報入力制限を無効にする手順と、を前記コンピュータに実行させることを特徴とする前記(9)記載のウェブブラウザの情報入力制限プログラム。
【0020】
(11)更に、前記コンピュータを特定するためのアドレス情報をコンピュータリストに登録する手順と、前記コンピュータリストに前記アドレス情報が登録されているコンピュータについては前記情報入力制限を無効にする手順と、を前記コンピュータに実行させることを特徴とする前記(9)又は(10)記載のウェブブラウザの情報入力制限プログラム。
【0021】
(12)前記ファイル及び前記データは、名前や住所などの個人情報に関するものであることを特徴とする前記(7)乃至(11)のいずれかに記載のウェブブラウザの情報入力制限プログラム。
【0022】
(13)少なくとも、前記(7)乃至(12)のいずれかに記載のウェブブラウザの情報入力制限プログラムが記録されていることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係るウェブブラウザにおける情報入力制限方法及びウェブブラウザにおける情報入力制限プログラムは、名前や住所などの個人情報の流出を未然に防止することができると共に、サイトの利用制限を実現可能であるという優れた効果を有する。
【0024】
又、本発明に係る情報入力制限プログラムが記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、名前や住所などの個人情報の流出を未然に防止することができると共に、サイトの利用制限を実現可能な情報入力制限プログラムを提供できるという優れた効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明に係るウェブブラウザにおける情報入力制限方法は、HTMLデータを取得するステップと、取得した前記HTMLデータの中から所定のHTMLタグを抽出するステップと、抽出した前記HTMLタグに基づいて、ウェブブラウザへのデータの入力、前記ウェブブラウザへのファイル又はデータの添付、及び前記ウェブブラウザからの前記ファイル又は前記データの送信の内の少なくとも1つを無効にするステップと、を有し、ユーザによる情報入力制限を可能としたことによって、上記課題を解決したものである。
【0026】
又、本発明に係るウェブブラウザにおける情報入力制限プログラムは、HTMLデータを取得する手順と、取得した前記HTMLデータの中から所定のHTMLタグを抽出する手順と、抽出した前記HTMLタグに基づいて、ウェブブラウザへのデータの入力、前記ウェブブラウザへのファイル又はデータの添付、及び前記ウェブブラウザからの前記ファイル又は前記データの送信の内の少なくとも1つを無効にする手順と、をコンピュータに実行させ、ユーザによる情報入力制限を可能にさせることによって、上記同様の課題を解決したものである。
【0027】
本発明に係るウェブブラウザにおける情報入力制限方法及びウェブブラウザにおける情報入力制限プログラムによれば、名前や住所などの個人情報の流出を未然に防止することができると共に、サイト(例えば、教育上好ましくない買い物サイトや掲示板サイト)の利用制限を実現可能である。
【0028】
なお、本発明に係る「HTMLデータ」とは、HTML(Hypertext Markup Language)形式で作成されたデータをいう。
【0029】
又、本発明に係る「HTMLタグ」とは、HTML形式のデータにおいて「<」と「>」で囲まれた英数字をいい、例えば、HTMLタグの一つであるFONT(フォント)タグは、「<」と「>」で「FONT」の英字を囲み、<FONT>のように表現される。
【0030】
更に、本発明に係る「データ」としては、テキストデータの他、画像データや音声データを挙げることができる。
【0031】
又、本発明に係る「ホームページを特定するためのアドレス情報」としては、ホームページのURL(Uniform Resource Locator)の他、IP(Internet Protocol)アドレスなどを挙げることができる。
【0032】
更に、本発明に係る「コンピュータを特定するためのアドレス情報」としては、コンピュータのIPアドレスの他、MAC(Media Access Control)アドレスなどを挙げることができる。
【0033】
又、本発明に係る「個人情報」としては、名前や住所の他、電話番号、メールアドレス、生年月日、勤務先の名称、勤務先の住所、勤務先の電話番号、クレジット番号、家族構成、収入などを挙げることができる。
【0034】
更に、本発明に係る「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」としては、ハードディスクやCD、DVDなどを挙げることができる。
【0035】
以下、図面を用いて、本発明の実施例に係るウェブブラウザにおける情報入力制限方法(以下、単に「情報入力制限方法」と称する)について詳細に説明する。
【実施例1】
【0036】
図1は、本実施例1に係る情報入力制限方法を実現するためのシステム構成の一例を示した図である。
【0037】
図1に示されるように、本実施例1に係る情報入力制限方法は、主として、情報入力制限プログラム10と、この情報入力制限プログラム10によって参照される環境設定ファイル12と、情報入力制限プログラム10によって生成及び参照される、入力制限情報ファイル14A、ホワイトリスト情報ファイル14B、CSVファイル14C、PC(パーソナルコンピュータ)除外リスト情報ファイル14D、入力を許可するアドレス情報ファイル14Eからなる各種情報ファイル14と、を用いて実現される。
【0038】
環境設定ファイル12には、各種情報ファイル14が格納されているフォルダのパス情報などが記憶される。
【0039】
入力制限情報ファイル14Aには、情報入力制限プログラム10によって実行される情報入力制限の有効及び無効の情報が記憶される。
【0040】
なお、この情報入力制限の有効及び無効はユーザによって切替えることが可能であり、図2に示されるような入力制限の設定画面によって、ユーザは「入力を制限する(情報入力制限を有効にする)」及び「入力を許可する(情報入力制限を無効にする)」のいずれか一方の項目を選択することができる。即ち、情報入力制限プログラム10は、情報入力制限の有効及び無効を切替える手順をコンピュータに実行させる。そして、ユーザが「入力を制限する」の項目を選択した場合、ウェブブラウザへのデータの入力、ウェブブラウザへのファイル又はデータの添付、及びウェブブラウザからのファイル又はデータの送信の全てが無効とされ、ユーザによる情報入力が制限される。一方、ユーザが「入力を許可する」の項目を選択した場合には、ウェブブラウザへのデータの入力、ウェブブラウザへのファイル又はデータの添付、及びウェブブラウザからのファイル又はデータの送信の全てが有効とされ、ユーザによる情報入力は制限されない。
【0041】
ホワイトリスト情報ファイル14B及びCSVファイル14Cには、情報入力を制限しないホームページのタイトル情報と、ホームページを特定するためのアドレス情報であるURLが記憶される。
【0042】
なお、これらタイトル情報及びアドレス情報はユーザによって予め登録することが可能であり、上記図2に示されるようなホワイトリストを用いてタイトル情報及びアドレス情報をホワイトリスト情報ファイル14B及びCSVファイル14Cに登録することができる。そして、これらホワイトリスト情報ファイル14B及びCSVファイル14Cに登録されているホームページを閲覧する場合には、情報入力制限が無効となり、ユーザによる情報入力は制限されない。即ち、情報入力制限プログラム10は、ホームページを特定するためのアドレス情報をホワイトリストに登録する手順と、ホワイトリストにアドレス情報が登録されているホームページを閲覧する場合には情報入力制限を無効にする手順と、をコンピュータに実行させる。
【0043】
PC除外リスト情報ファイル14D及び入力を許可するアドレス情報ファイル14Eには、情報入力を制限しないコンピュータの名称と、このコンピュータを特定するためのアドレス情報であるIPアドレスが記憶される。
【0044】
なお、これらコンピュータの名称及びアドレス情報はユーザによって予め登録することが可能であり、図3に示されるようなPCリストを用いてPC除外リスト情報ファイル14D及び入力を許可するアドレス情報ファイル14Eにコンピュータの名称及びアドレス情報を登録することができる。そして、これらPC除外リスト情報14D及び入力を許可するアドレス情報ファイル14Eに登録されたPCについては、情報入力制限が無効となり、ユーザによる情報入力は制限されない。即ち、情報入力制限プログラム10は、コンピュータを特定するためのアドレス情報をPCリストに登録する手順と、PCリストにアドレス情報が登録されているコンピュータについては情報入力制限を無効にする手順と、をコンピュータに実行させる。
【0045】
図4は、情報入力制限プログラム10のおおまかな流れを示すフローチャートである。
【0046】
ステップS101では、環境設定ファイル12を用いて各種情報ファイル14が格納されているフォルダのパス情報を読み込むと共に、入力制限情報ファイル14Aを読み込む。
【0047】
ステップS102では、ステップS101で読み込んだ入力制限情報ファイル14Aに基づいて、情報入力制限が無効となっているか否かを判断する。そして、情報入力制限が無効となっている場合には処理を終了し、情報入力制限が有効となっている場合にはステップS103に進む。
【0048】
ステップS103では、PC除外リスト情報ファイル14Dを読み込む。
【0049】
ステップS104では、ステップS103で読み込んだPC除外リスト情報ファイル14Dや、入力を許可するアドレス情報ファイル14Eに基づいて、ウェブブラウザを使用するPCのアドレス情報が登録されているか否かを判定する。
【0050】
ステップS105では、ステップS104におけるPC除外リスト判定の結果、ウェブブラウザを使用するPCのアドレス情報が登録されている場合には処理を終了し、登録されていない場合にはステップS106に進む。
【0051】
ステップS106では、ホワイトリスト情報ファイル14Bを読み込む。
【0052】
ステップS107では、ステップS106で読み込んだホワイトリスト情報ファイル14Bや、CSVファイル14Cに基づいて、ウェブブラウザを用いて閲覧しているホームページのアドレス情報が登録されているか否かを判定する。
【0053】
ステップS108では、ステップS107におけるホワイトリスト判定の結果、閲覧しているホームページのアドレス情報が登録されている場合には処理を終了し、登録されていない場合にはステップS109に進む。
【0054】
ステップS109では、ウェブブラウザを監視しつつ、入力制御処理によってユーザによる情報入力制限を実施する。
【0055】
以下、図5〜図7を用いて、このステップS109における入力制御処理について詳細に説明する。
【0056】
<入力制御処理>
図5は入力制御処理の流れを示すフローチャートである。なお、本実施例1では、ウェブブラウザとしてIE(Internet Explorer(登録商標))を使用した例を示す。
【0057】
ステップS201では、IE(ウェブブラウザ)からHTMLデータを取得すべく表示している文書のデータを取得する。
【0058】
ステップS202では、ステップS201でHTMLデータの取得に成功したか否かを判定する。そして、HTMLデータを取得できた場合にはステップS203に進み、HTMLデータを取得できなかった場合(文書がHTML形式でなかった場合)には処理を終了する。
【0059】
ステップS203では、文書内の全ての要素を取得する。
【0060】
ステップS204では、文書内のフレーム要素を取得する。なお、フレームとは、ウェブブラウザの一つのウインドウの中をいくつかに区切って、各々の場所に別々の内容を表示させるために用いるHTMLタグの一つをいい、HTMLでは<FRAME>のように表現される。
【0061】
ステップS205では、フレームの有無を判定する。そして、フレームがある場合にはステップS206に進み、フレームが無い場合にはステップS207に進む。
【0062】
ステップS206では、フレーム要素処理(詳細は後述)を行った後、処理を終了する。
【0063】
ステップS207では、文書内要素処理(詳細は後述)を行った後、処理を終了する。
【0064】
<フレーム要素処理>
次に、図6を用いて、上記入力制御処理におけるフレーム要素処理(ステップS206)について説明する。なお、図6はフレーム要素処理の流れを示すフローチャートである。
【0065】
ステップS301では、フレーム要素から文書を取得する。
【0066】
ステップS302では、文書の取得に成功したか否かを判定する。そして、取得に成功した場合にはステップS303に進み、失敗した場合には処理を終了する。
【0067】
ステップS303では、処理の対象であるフレーム内の文書の全要素を取得する。
【0068】
ステップS304では、文書内要素処理(詳細は後述)を行う。
【0069】
以下、このフレーム要素処理では、上記入力制御処理において取得したフレーム数分だけ、ステップS301〜S304の処理を繰り返し実行する。
【0070】
<文書内要素処理>
次に、図7を用いて、上記入力制御処理における文書内要素処理(ステップS207)及び上記フレーム要素処理における文書内要素処理(ステップS304)について説明する。なお、図7は文書内要素処理の流れを示すフローチャートである。
【0071】
ステップS401では、処理対象要素のHTMLタグを取得する。
【0072】
ステップS402では、HTMLタグがFORMタグであるか否かを判定する。そして、HTMLタグがFORMタグの場合にはステップS403に進み、そうでない場合にはステップS404に進む。
【0073】
ステップS403では、FORMタグで囲まれた対象要素、即ち、FORMタグの開始タグである<FORM>とFORMタグの終了タグである</FORM>とに囲まれた要素(<FORM>A</FORM>における要素A)に対して入力禁止を設定する。
【0074】
ステップS404では、HTMLタグがINPUTタグであるか否かを判定する。そして、HTMLタグがINPUTタグの場合にはステップS405に進み、そうでない場合には処理を終了する。
【0075】
ステップS405では、INPUTタグで囲まれた対象要素、即ち、INPUTタグの開始タグである<INPUT>とINPUTタグの終了タグである</INPUT>とに囲まれた要素(<INPUT>B</INPUT>における要素B)に対して入力禁止を設定する。
【0076】
例えば、開始タグ<INPUT TYPE=“TEXT”>と終了タグ</INPUT>で囲まれた対象要素に対して入力禁止を設定することによって、対象要素におけるウェブブラウザへのデータの入力を無効にすることができる。又、開始タグ<INPUT TYPE=“SUBMIT”>と終了タグ</INPUT>で囲まれた対象要素に対して入力禁止を設定することによって、対象要素におけるウェブブラウザからのファイル又はデータの送信を無効にすることができる。更に、INPUTタグによって生成された「参照ボタン」を無効にすることによって、ウェブブラウザへのファイル又はデータの添付を無効にすることができる。
【0077】
以下、このフレーム要素処理では、取得した文書内要素数分だけ、ステップS401〜S405の処理を繰り返し実行する。
【0078】
以上のように、本実施例1に係る情報入力制限方法によれば、HTMLデータを取得するステップと、取得したHTMLデータの中から所定のHTMLタグ(本実施例1ではFORMタグとINPUTタグ)を抽出するステップと、抽出したHTMLタグに基づいて、ウェブブラウザへのデータの入力、ウェブブラウザへのファイル又はデータの添付、及びウェブブラウザからのファイル又はデータの送信の内の少なくとも1つ(本実施例1では全て)を無効にするステップと、を有し、ユーザによる情報入力制限を可能としたため、名前や住所などの個人情報が安易に入力されてしまうことを防ぐことができ、個人情報の流出を未然に防止することができると共に、サイトの利用制限を実現可能である。
【0079】
又、本実施例1に係る情報入力制限プログラム10は、HTMLデータを取得する手順と、取得したHTMLデータの中から所定のHTMLタグを抽出する手順と、抽出したHTMLタグに基づいて、ウェブブラウザへのデータの入力、ウェブブラウザへのファイル又はデータの添付、及びウェブブラウザからのファイル又はデータの送信の内の少なくとも1つを無効にする手順と、をコンピュータに実行させ、ユーザによる情報入力制限を可能にさせるため、個人情報の流出を未然に防止することができると共に、サイトの利用制限を実現可能である。
【0080】
特に、HTMLデータをウェブブラウザから取得するため、HTMLデータを容易に取得することができる。
【0081】
更に、情報入力制限の有効及び無効を切替え可能としたため、ユーザの使用態様に応じた設定が可能である。
【0082】
更に又、ホームページを特定するためのアドレス情報(本実施例1ではURL)をホームページリスト(本実施例1ではホワイトリスト)に予め登録しておくと共に、ホームページリストにアドレス情報が登録されているホームページを閲覧する場合には情報入力制限を無効にするため、ホームページ毎に情報入力の制限を設定することができる。
【0083】
又、コンピュータを特定するためのアドレス情報(本実施例1ではIPアドレス)をコンピュータリスト(本実施例1ではPCリスト)に予め登録しておくと共に、コンピュータリストにアドレス情報が登録されているコンピュータについては情報入力制限を無効にするため、コンピュータ毎に情報入力の制限を設定することができる。
【0084】
なお、ファイル及びデータが名前や住所などの個人情報に関するものであれば、個人情報の流出をより確実に防止することができる。
【0085】
又、上記実施例では、HTMLデータをウェブブラウザから取得する例を示したが、本発明はこれに限定されるものではない。従って、例えば、ウェブサーバとウェブブラウザとの間にプロキシー(Proxy)を設け、このプロキシーにおいてHTMLデータの取得、HTMLタグの抽出、入力禁止の設定を行ってもよい。この場合、プロキシーをサーバや各クライアントに設けることによって、上記実施例1と同様にユーザによる情報入力制限を行うことができる。
【0086】
更に、HTMLタグとして、FORMタグとINPUTタグを抽出したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0087】
更に又、ウェブブラウザへのデータの入力、ウェブブラウザへのファイル又はデータの添付、及びウェブブラウザからのファイル又はデータの送信の内の全てを無効にしたが、本発明はこれに限定されず、抽出したHTMLタグに基づいて、ウェブブラウザへのデータの入力、ウェブブラウザへのファイル又はデータの添付、及びウェブブラウザからのファイル又はデータの送信の内の少なくとも1つを無効にすればよい。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】本実施例1に係る情報入力制限方法を実現するためのシステム構成の一例を示した図
【図2】同情報入力制限方法における情報入力の制限とホワイトリストの設定画面の一例を示した図
【図3】同情報入力制限方法におけるPCリストの設定画面の一例を示した図
【図4】本実施例1に係る情報入力制限プログラムの流れを示したフローチャート
【図5】同情報入力制限プログラムにおける入力制御処理の流れを示したフローチャート
【図6】同情報入力制限プログラムにおけるフレーム要素処理の流れを示したフローチャート
【図7】同情報入力制限プログラムにおける文書内要素処理の流れを示したフローチャート
【図8】従来のウェブブラウザの一例を示した図
【符号の説明】
【0089】
1…ウェブブラウザ
10…情報入力制限プログラム
12…環境設定ファイル
14…各種情報ファイル
14A…入力制限情報ファイル
14B…ホワイトリスト情報ファイル
14C…CSVファイル
14D…PC除外リスト情報ファイル
14E…入力を許可するアドレス情報ファイル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
HTMLデータを取得するステップと、取得した前記HTMLデータの中から所定のHTMLタグを抽出するステップと、抽出した前記HTMLタグに基づいて、ウェブブラウザへのデータの入力、前記ウェブブラウザへのファイル又はデータの添付、及び前記ウェブブラウザからの前記ファイル又は前記データの送信の内の少なくとも1つを無効にするステップと、を有し、ユーザによる情報入力制限を可能としたことを特徴とするウェブブラウザの情報入力制限方法。
【請求項2】
請求項1において、
前記HTMLデータを前記ウェブブラウザから取得することを特徴とするウェブブラウザの情報入力制限方法。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記情報入力制限の有効及び無効を切替え可能としたことを特徴とするウェブブラウザの情報入力制限方法。
【請求項4】
請求項3において、
ホームページを特定するためのアドレス情報をホームページリストに予め登録しておくと共に、前記ホームページリストに前記アドレス情報が登録されているホームページを閲覧する場合には前記情報入力制限を無効にすることを特徴とするウェブブラウザの情報入力制限方法。
【請求項5】
請求項3又は4において、
コンピュータを特定するためのアドレス情報をコンピュータリストに予め登録しておくと共に、前記コンピュータリストに前記アドレス情報が登録されているコンピュータについては前記情報入力制限を無効にすることを特徴とするウェブブラウザの情報入力制限方法。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記ファイル及び前記データは、名前や住所などの個人情報に関するものであることを特徴とするウェブブラウザの情報入力制限方法。
【請求項7】
HTMLデータを取得する手順と、取得した前記HTMLデータの中から所定のHTMLタグを抽出する手順と、抽出した前記HTMLタグに基づいて、ウェブブラウザへのデータの入力、前記ウェブブラウザへのファイル又はデータの添付、及び前記ウェブブラウザからの前記ファイル又は前記データの送信の内の少なくとも1つを無効にする手順と、をコンピュータに実行させ、ユーザによる情報入力制限を可能にさせることを特徴とするウェブブラウザの情報入力制限プログラム。
【請求項8】
請求項7において、
前記HTMLデータを前記ウェブブラウザから取得することを特徴とするウェブブラウザの情報入力制限プログラム。
【請求項9】
請求項7又は8において、
更に、前記情報入力制限の有効及び無効を切替える手順を前記コンピュータに実行させることを特徴とするウェブブラウザの情報入力制限プログラム。
【請求項10】
請求項9において、
更に、ホームページを特定するためのアドレス情報をホームページリストに登録する手順と、前記ホームページリストに前記アドレス情報が登録されているホームページを閲覧する場合には前記情報入力制限を無効にする手順と、を前記コンピュータに実行させることを特徴とするウェブブラウザの情報入力制限プログラム。
【請求項11】
請求項9又は10において、
更に、前記コンピュータを特定するためのアドレス情報をコンピュータリストに登録する手順と、前記コンピュータリストに前記アドレス情報が登録されているコンピュータについては前記情報入力制限を無効にする手順と、を前記コンピュータに実行させることを特徴とするウェブブラウザの情報入力制限プログラム。
【請求項12】
請求項7乃至11のいずれかにおいて、
前記ファイル及び前記データは、名前や住所などの個人情報に関するものであることを特徴とするウェブブラウザの情報入力制限プログラム。
【請求項13】
少なくとも、請求項7乃至12のいずれかに記載のウェブブラウザの情報入力制限プログラムが記録されていることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−285346(P2006−285346A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−100874(P2005−100874)
【出願日】平成17年3月31日(2005.3.31)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】