説明

ウェブ・ページへデータを入力するための方法およびシステム

【課題】単純かつ迅速な方法でユーザがフォームまたは認証ページと対話できるようにするためのメカニズムを提供する。
【解決手段】システムは、プラグインを通じ、インターネットを介してデータを記入するために、情報を取り出すことが可能な無線デバイス(たとえばBluetooth)のレバレッジに基づく。より具体的に言えば、好ましい実施形態は、外部デバイスとのセキュアな接続を確立し、情報をオンデマンドでブラウザに提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェブ・ページへデータを入力するための方法およびシステムに関し、より具体的に言えば、外部無線デバイスを介してウェブ・ページへデータを入力するための方法およびシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかのインターネット・ページでは、サービスにアクセスするために、たとえばユーザ名およびパスワードを提供してフィールドを完了させる必要がある。こうした情報に遭遇した場合、ユーザは、
同様のフィールドに再度記入する場合にユーザに対してプロンプトが出されることになる選択肢を、自分のブラウザが記憶できるようにすること、
必要となるごとに、情報を手動で入力すること、または
フォームに記入するように設計された何らかの製品を使用すること、
を含む、いくつかの選択肢を有する。
【0003】
フォーム記入製品の「フィールド記憶」オプションは、明らかなセキュリティ・リスクを有する。さらにこれらの製品は、インターネット・サーフィンに実際に使用されるコンピュータ上に常駐しなければならない。これは明らかに、それ自体のセキュリティ・リスクを招くものである。同様に、手動入力手法は、必要な情報を記入する最もセキュアかつ信頼できる方法であるが、しばしば、いらだたしく時間のかかるものでもある。
【0004】
米国特許出願US2005053217号は、第1のデバイスから第2のデバイスへの呼をリモートに確立するための方法を記載し、ここで、ユーザをデバイスに関連付ける情報と共に、第2のデバイスに関する情報が、第1のデバイスから取り出される。次に、呼は、ユーザのデバイスに関連付けられたスイッチに転送され、スイッチは呼を第2のデバイスに転送する。
【0005】
国際特許出願WO1997US12629号は、格納された記入エンティティをフィールド名と関連付け、格納された記入エンティティをインターネット・フォーム内に配置する、インターネット・フォームにおいてフィールドに記入するためのシステムを記載する。一実施形態では、記入エンティティの名前がフォーム上の名前と一致する限り、関連付けは自動的である。他の実施形態では、フォームに重ねて表示リストが提供され、表示は選択可能な格納されたエンティティ名を有する。エンティティ名は表示リストから選択可能であり、フォーム内の選択されたフィールドに記入可能である。他の実施形態では、ウェブ・ブラウザが、リモート・サーバからインターネット接続を介して、即時表示なしにメモリ・キューへ直接、データベース・エンティティをダウンロードするように適合される。格納されたエンティティは、ウェブ・ブラウザまたはインターネット接続とは無関係に、表示および処理のためにメモリ・キューから別々に選択することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願US2005053217号
【特許文献2】国際特許出願WO1997US12629号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
これらの特許文書はどちらもフォーム記入のためのメカニズムを提供するが、それらの文書で説明されるシステムは、同じコンピュータ上で動作するアプリケーションを使用するか、またはサーバから情報を取り出す。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、データ処理システムを使用してデータをウェブ・ページに入力する方法が提供され、この方法は、無線デバイスの接近を検出するステップと、無線デバイスとの通信リンクを形成するステップと、無線デバイスからデータを取り出すステップと、ウェブ・ページ内のフィールドに適切なデータを読み込む(populating)ステップとを有する。
【0009】
好ましい実施形態は、手動介入を失敗させる必要性を無くすことによって、ユーザのフォームへの記入を容易にする。さらに、好ましい実施形態におけるブラウザ・プラグインは、単一のサインオンによって認証を受け入れるように構成するか、またはオプションで、各URLに対する認証を要求するように構成することができる。同様に、好ましい実施形態は、格納フィールド機能を共有ブラウザからパーソナル・システムへと移動させ、それによってプライバシおよび情報のセキュリティを強化する。最終的に、好ましい実施形態は、格納された個人情報を内部に残すリスクなしに、インターネット・ポイントで使用することができる。
【0010】
Bluetooth(TM)の使用には、外部サーバまたはデータベースに接続できない(たとえば、ファイアウォール、許可されたイントラネットの使用のみ、ネットワークの問題など)場合、フォームへの記入が可能であるという利点がある。検索システム(Bluetooth)(TM)がローカルであるという事実により、ユーザは、自分の個人情報の使用を認識していることができる。これは、サーバへのアクセスが許可された人物、または、サーバへのパスワードをハッキングした人物であれば、誰でも読み取り可能な、情報がサーバ上で保持される状況とは、対照的である。同様に、データの検索は、異なるセキュリティ・レベルを備えた各URLについて構成することができる(たとえば、一部のURLについてはBluetooth(TM)PINが必要であり、他のURLについてはPINが必要でない)。最終的に、Bluetooth(TM)デバイスは、いかなる追加の接続またはアプリケーションも無しに容易にアクセス可能な、データの使用記録を作成することができる。しかしながら、その代わりに、たとえば少なくとも部分的にPFIDタグを使用するなどの、他の形の無線接続を使用することもできる。
【0011】
本明細書では、本発明の実施形態について、添付の図面を参照しながら単なる例として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】好ましい実施形態の方法の動作を示す流れ図である。
【図2】好ましい実施形態の方法が動作するシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
好ましい実施形態は、単純かつ迅速な方法でユーザがフォームまたは認証ページと対話できるようにするためのメカニズムを提供する。システムは、ブラウザ・プラグインを通じ、インターネットを介してデータを記入するために、情報を取り出すことが可能なBluetooth(TM)デバイスのレバレッジ(leveraging)に基づく。より具体的に言えば、好ましい実施形態は、外部デバイスとのセキュアな接続を確立し、情報をオンデマンドでブラウザに提供する。
【0014】
図1を参照すると、好ましい実施形態は、従来型のインターネット・ブラウザ上にインストールが可能なプラグインに基づく(10)。プラグインは、たとえばBluetooth(TM)またはUSB接続を介して接続された外部デバイス(たとえば電話、パーム・トップ、または他のコンピュータ)との通信を可能にするために、ブラウザの機能を拡張する。使用時、インターネット上をサーフィンしているユーザにフォームが提示される(12)。ユーザは、データの検索およびフォームへの入力のために外部デバイスを使用するか否かを選択することができる(14)。ユーザが外部デバイスを使用しない旨を選択した場合、ユーザは自分の通常の実施方法に従ってデータを入力することができる(16)。しかしながら、ユーザがデータ入力に外部デバイスを使用する旨を選択した場合、プラグインはユーザの外部デバイスの存在または接近を検出する(18)。具体的に言えば、ブラウザは単にいずれかの近傍デバイスの存在をチェックすることができる。別の方法として、ブラウザは、特定の(たとえば、IMEIコードによって識別された)デバイスを検索するように構成することができる。
【0015】
外部デバイスが検出されると、ブラウザは、外部デバイスとの仮接続を形成することができる(20)。ユーザは、接続が完了する前にハンドシェーク動作を必要とするように、ブラウザを構成することができる。この場合、初期の仮接続を形成した後、外部デバイスは、ハンドシェーク22動作を可能にするためにユーザからのパスワードを必要とすることになる。ブラウザと外部デバイスとの間に接続が確立されると、完了すべきフィールドをブラウザがユーザに提示するごとに、ユーザはツールバー・コマンドを呼び出して、外部デバイスから適切な情報を取り出し(24)、取り出した情報を使用してフォームの適切なフィールドに読み込むことができる(26)。データ入力動作のセキュリティを上げるために、ユーザは、各データ取り出し動作についてユーザに確認を要求するように、プラグインを構成することができる。外部デバイスとブラウザとの間の接続は、関連ブラウザを備えるコンピュータの範囲外に外部デバイスを移動させることによって、いつでも中断させることができる。別の方法では、接続はユーザによって手動で終了させることができる。
【0016】
好ましい実施形態が動作するマシンは、図2に示された全体構造を有する。より具体的に言えば、システムの汎用コンピュータは40で示される。コンピュータ40は、システム・バス42と並列に接続された、いくつかのユニットによって形成される。詳細には、1つまたは複数のマイクロプロセッサ44がコンピュータ40の動作を制御し、RAM 46はマイクロプロセッサ44によって作業メモリとして直接使用され、ROM 48はコンピュータ40のブートストラップに関する基本コードを格納する。周辺ユニットは、(それぞれのインターフェースを使用して)ローカル・バス50を中心にクラスタ化される。具体的に言えば、大容量メモリは、ハードディスク52、およびCD−ROM 56を読み取るためのドライブ54からなる。さらにコンピュータ40は、入力デバイス58(たとえば、キーボードおよびマウス)、および出力デバイス60(たとえば、モニタおよびプリンタ)を含む。ネットワーク・インターフェース・カード(NIC)62は、コンピュータ40をネットワークに接続するために使用される。ブリッジ・ユニット64は、システム・バス42とローカル・バス50とをインターフェースさせる。マイクロプロセッサ44およびブリッジ・ユニット64は、それぞれ、情報伝送のためにシステム・バス42へのアクセスを要求するマスタ・エージェントとして動作することができる。アービタ(arbiter)66は、相互排除を伴うシステム・バス42へのアクセス権付与を管理する。
【0017】
本発明の範囲を逸脱することなく、前述の内容に対する修正および変更が実行可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線デバイスの接近を検出するステップ(18)と、
データ処理システムと前記無線デバイスとの通信リンクを形成するステップ(20)と、
前記無線デバイスからデータを取り出すステップ(24)と、
ウェブ・ページ内のフィールドに前記取り出されたデータを読み込むステップ(26)と、
を有する、データ処理システムを使用してデータをウェブ・ページに入力する方法。
【請求項2】
第1のユーザが、前記通信リンクのためのパスワードを指定できるようにするステップを有し、前記通信リンクを形成するステップが、
前記無線デバイスのユーザに前記パスワードを要求するステップと、
前記無線デバイスの前記ユーザによって提供された前記パスワードが、前記第1のユーザによって提供されたパスワードと一致する場合、前記通信リンクを完了するステップ(22)と、
を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記無線デバイスの接近を検出するステップが、指定された無線デバイスを検索するステップを有する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
指定された無線デバイスを検索する前記ステップが、特定のIMEIコードによって識別されたデバイスを検索するステップを有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記通信リンクを形成するステップが、Bluetoothプロトコルを介した前記通信リンクを形成するステップを有する、前記請求項のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記通信リンクを形成するステップが、USB接続を介した前記通信リンクを形成するステップを有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
コンピュータ・プログラムがデータ処理システム上で実行された場合、前記いずれかの請求項に記載の方法を実行するためのコンピュータ・プログラム。
【請求項8】
請求項7のプログラムを具体化するコンピュータ読取可能手段を含む、コンピュータ・プログラム。
【請求項9】
請求項1から6のいずれか一項に記載の方法のステップを実施するように適合された手段を備える、ウェブ・ページにデータを入力するためのシステム。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2011−507059(P2011−507059A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−536392(P2010−536392)
【出願日】平成20年11月4日(2008.11.4)
【国際出願番号】PCT/EP2008/064915
【国際公開番号】WO2009/074401
【国際公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】