説明

ウェーハ搬送装置及びウェーハサイズの判別方法

【課題】既存のセンサ等を利用してウェーハ収納容器の内部に収納されたウェーハサイズを確実に判別する。
【解決手段】ウェーハを収納したウェーハ収納容器を供給するためのロードポート部と、前記ウェーハを把持するハンドを有し、前記ウェーハを搬送する搬送ロボットとを含み、前記ロードポート部に、前記ウェーハの収納状態を検出するためのウェーハ飛び出しセンサを設置したウェーハ搬送装置に、前記ウェーハ収納容器から前記ウェーハを取り出す際に前記ウェーハ飛び出しセンサを用いて前記ウェーハの直径を判別するウェーハサイズ判別部を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハ搬送装置及びウェーハサイズの判別方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェーハ搬送装置(ウェーハ搬送装置とも呼ぶ。)は、装置外部から供給される開閉可能なウェーハ収納容器(以下、FOUPと略記する。)からウェーハを取り出して半導体製造・検査装置に供給するとともに、半導体製造・検査装置から排出されたウェーハを取り出してFOUPへ収納するためのものである。
【0003】
少量多品種の生産が行われる半導体製造工場においては、異なるサイズの半導体ウェーハがロット単位で製造ラインに搬送され、ライン上の処理装置では、ウェーハのサイズに応じて処理が行われる。また、研究施設等においては、サイズの異なる少数のウェーハを混在させて処理するケースがある。
【0004】
FOUPは、特定のウェーハサイズ専用の収納容器であり、他のサイズのウェーハを収納することはできない。
【0005】
特許文献1には、FOUPに専用サイズより小さい径を有するウェーハを収納する場合に用いるアダプタが開示されている。
【0006】
上記のようなウェーハの取り出しや処理においては、ウェーハサイズの区別を必要とするため、そのウェーハサイズを確実に検出する必要がある。
【0007】
オペレータがFOUPを手動で半導体製造・検査装置に供給する場合には、オペレータがウェーハのサイズを半導体製造・検査装置に随時入力することにより操作を行っている。
【0008】
特許文献2には、FOUP内にアダプタが装着されているかどうかを検出する光学式のアダプタ検出センサをロードポートに備え、このアダプタ検出センサによる検出結果に基づいて半導体ウェーハのサイズを判別する半導体製造装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許7121414号公報
【特許文献2】特許第4118592号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、オペレータが、半導体製造・検査装置に手動でウェーハサイズを設定するようなケースでは、誤操作の恐れがあり、ウェーハサイズを誤って設定した場合には、ウェーハや装置を破損してしまう恐れがある。
【0011】
本発明は、FOUPの内部に収納されたウェーハサイズを確実に判別することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のウェーハ搬送装置は、ウェーハを収納したウェーハ収納容器を供給するためのロードポート部と、前記ウェーハを把持するハンドを有し、前記ウェーハを搬送する搬送ロボットとを含み、前記ロードポート部に、前記ウェーハの収納状態を検出するためのウェーハ飛び出しセンサを設置したウェーハ搬送装置であって、前記ウェーハ収納容器から前記ウェーハを取り出す際に前記ウェーハ飛び出しセンサを用いて前記ウェーハの直径を判別するウェーハサイズ判別部を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、従来、ウェーハ搬送装置に設置されているセンサ等を利用して容易かつ確実にFOUPの内部のウェーハサイズを判別することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係るロードポート部におけるハンド、FOUP、アダプタ、ウェーハ及びウェーハ飛び出しセンサの位置関係を示す平面図である。
【図2】本発明に係るウェーハ搬送装置の全体構成を示す斜視図である。
【図3】本発明に係るウェーハ搬送装置の構成を示す平面図である。
【図4】本発明に係るウェーハ搬送装置のシステムを示す模式構成図である。
【図5A】本発明に係るロードポート部においてウェーハの飛び出しがない状態を示す平面図である。
【図5B】本発明に係るロードポート部においてウェーハの飛び出しがある状態を示す平面図である。
【図6】本発明による実施例である、ロードポート部からのウェーハ取り出し動作指示が行われた場合の処理を示すフロー図である。
【図7A】ロードポート部から直径200mmのウェーハを取り出す動作を行う前の状態を示す平面図である。
【図7B】ロードポート部から直径300mmのウェーハを取り出す動作を行う前の状態を示す平面図である。
【図8A】ロードポート部のウェーハのサイズが未知である(実際は直径200mmである。)場合におけるハンド挿入位置を示す平面図である。
【図8B】ロードポート部のウェーハのサイズが未知である(実際は直径300mmである。)場合におけるハンド挿入位置を示す平面図である。
【図9A】ロードポート部から未知のサイズのウェーハ(実際は直径200mmである。)を取り出し、ウェーハ飛び出しセンサを使用してウェーハのサイズを判別する際の、ハンド、FOUP、ウェーハ及びウェーハ飛び出しセンサの位置関係を示す平面図である。
【図9B】ロードポート部から未知のサイズのウェーハ(実際は直径300mmである。)を取り出し、ウェーハ飛び出しセンサを使用してウェーハのサイズを判別する際の、ハンド、FOUP、ウェーハ及びウェーハ飛び出しセンサの位置関係を示す平面図である。
【図10】ウェーハの直径が200mmであると判定した場合に、ロードポート部に一旦ウェーハを戻した後、再度ウェーハを取り出す場合のハンド挿入位置を示す平面図である。
【図11A】ロードポート部から直径200mmのウェーハを取り出した後におけるハンド、FOUP及びウェーハの位置関係を示す平面図である。
【図11B】ロードポート部から直径300mmのウェーハを取り出した後におけるハンド、FOUP及びウェーハの位置関係を示す平面図である。
【図12】FOUPの内部に装着されるアダプタの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明は、半導体プロセス分野でのウェーハ搬送装置に関するものである。
【0016】
以下、本発明の実施形態であるウェーハ搬送装置及びウェーハサイズの判別方法について説明する。
【0017】
前記ウェーハ搬送装置は、前記ウェーハ収納容器から前記ウェーハを取り出す際に、前記ウェーハのサイズに応じて前記ウェーハ飛び出しセンサの検出信号が異なる位置で前記ウェーハの取り出しを一旦停止させた後、前記ウェーハサイズ判別部は、前記検出信号を確認することにより、前記ウェーハ収納容器の内部に収納された前記ウェーハの直径を判別する。
【0018】
前記ウェーハ搬送装置は、前記ウェーハ飛び出しセンサは、投光器と受光器とを有し、前記ウェーハを取り出し、ウェーハサイズ確認位置まで前記ハンドを移動した時に、前記投光器からの光が遮光されているか否かを検出し、前記ウェーハサイズ判別部は、前記投光器からの検出信号の有無に基づいて前記ウェーハの直径を判別する。
【0019】
前記ウェーハ搬送装置は、前記直径を半導体製造・検査装置に報告するための通信回路を有する。
【0020】
前記ウェーハ搬送装置において、前記ハンドは、複数の吸着部を有し、前記吸着部のすべてが、直径の小さいウェーハの下面に付着するように配置され、かつ、前記ウェーハ収納容器に装着されたアダプタの内側に挿入可能な寸法を有する。
【0021】
前記ウェーハサイズの判別方法は、ウェーハを収納したウェーハ収納容器を供給するためのロードポート部と、前記ウェーハを把持するハンドを有し、前記ウェーハを搬送する搬送ロボットとを含み、前記ロードポート部に、前記ウェーハの収納状態を検出するためのウェーハ飛び出しセンサを設置したウェーハ搬送装置におけるウェーハサイズの判別方法であって、前記ウェーハ収納容器から前記ウェーハを取り出す際に前記ウェーハ飛び出しセンサを用いて前記ウェーハの直径を判別するウェーハサイズ判別工程を含む。
【0022】
前記ウェーハサイズ判別工程は、前記ウェーハ収納容器から前記ウェーハを取り出す際に、前記ウェーハのサイズに応じて前記ウェーハ飛び出しセンサの検出信号が異なる位置で前記ウェーハの取り出しを一旦停止させた後、前記ウェーハサイズ判別部は、前記検出信号を確認することにより、前記ウェーハ収納容器の内部に収納された前記ウェーハの直径を判別する。
【0023】
前記ウェーハサイズ判別工程は、前記ウェーハを取り出し、ウェーハサイズ確認位置まで前記ハンドを移動し、前記ウェーハが前記ウェーハ飛び出しセンサの前記投光器から前記受光器に向かって発せられた光によって形成される光軸に入っているか否かを検出して前記直径を判別する。
【0024】
前記ウェーハサイズの判別方法は、前記直径が半導体製造・検査装置から要求されたウェーハの要求直径と異なる場合、前記ウェーハを前記ウェーハ収納容器に戻した後、前記半導体製造・検査装置にエラー報告を行う。
【0025】
以下、図面を用いて実施例を説明する。
【実施例】
【0026】
図2に本発明の実施形態の一例であるウェーハ搬送装置の斜視図を示す。
【0027】
図3に本発明の実施形態の一例であるウェーハ搬送装置の部分断面図を示す。
【0028】
半導体製造・検査装置100へウェーハWを供給し、この半導体製造・検査装置100で加工又は検査を行ったウェーハWを半導体製造装置100から排出する搬送装置において、前記ウェーハWの搬送を局所クリーン下で行う設備をウェーハ搬送装置101と称す。
【0029】
図2において、ウェーハ搬送装置101は、半導体製造・検査装置100に接続され、ロードポート部1、ファンフィルターユニット102(図2に示す。以下、FFUと略記する場合もある。)を有する。
【0030】
図3において、ウェーハ搬送装置101の内部には、搬送ロボット103、走行軸104、ハンド5、アライメントユニット105及びコントローラ部10(図4に示す。)を有している。
【0031】
半導体製造・検査装置100は、ウェーハ搬送装置101の上位装置に位置づけられ、RS−232Cやイーサネット(登録商標)などを用いた通信手段、又はパラレル入出力信号により、ミニエン101と指令や応答の伝達を行い、ウェーハ搬送装置101より供給されたウェーハWの加工又は検査を行う。
【0032】
ロードポート部1は、FOUP3を固定する固定台と、FOUP開閉機構とを有しており、ウェーハ搬送装置101に単一又は複数箇所で接合されている。FOUP3の内部には、アダプタ4が装着してある。ロードポート部1は、半導体製造装置100に接続されたウェーハ搬送装置101のウェーハW搬送口としての役割を有する。
【0033】
アライメントユニット105には、半導体製造・検査装置100にウェーハWを供給する前に、搬送ロボット103のハンド5を用いてウェーハWを設置し、ウェーハWを回転させてウェーハWのノッチ又はオリフラを一定方向に合わせたり、ウェーハWの偏芯量を測定したりするアライメント機構を持たせている。
【0034】
図4にウェーハ搬送装置101のシステム構成図を示す。
【0035】
コントローラ部10は、CPU11、内部メモリ12、通信回路13、ロボット制御部14及び入出力回路15を含む。
【0036】
CPU11は、システムバスを介して、内部メモリ12、通信回路13、ロボット制御部14、入出力回路15などと接続され、半導体製造・検査装置100からの指令コマンドによって、ウェーハ搬送装置101に実装されたすべての機器の制御を行う。CPU11は、マイクロプロセッサユニット(以下、MPUと略記する。)や各種メモリなどを有している中央演算処理装置であるが、一般的なパーソナルコンピュータなどやCPUボードでもよく、システムに適したものが望ましい。
【0037】
内部メモリ12は、揮発性メモリと不揮発性メモリとそれらのI/F回路などを含み、主に大容量の不揮発性メモリを複数個実装した回路で構成されている。内部メモリ12の不揮発メモリには、搬送ロボット103のティーチングデータが保存されている。ティーチングデータとしては、ロードポート部1、アライメント105及び半導体製造・検査装置100へのウェーハWの収納位置及び取り出し位置が登録されている。
【0038】
通信回路13は、RS−232Cやイーサネット(登録商標)などの通信、及びデジタル又はアナログの入出力信号を行うためのI/F回路を含む。通信回路13は、CPU11と半導体製造・検査装置100との間の通信や入出力信号の制御を行うほか、ロードポート部1、アライメントユニット105など周辺機器との通信や入出力信号の制御を行う。
【0039】
ロボット制御部14は、CPU11からの指示により、搬送ロボット103及び走行軸104に対し、指令パルス出力などの目的に応じた各出力信号、及び各軸のモータ回転位置情報のエンコーダ入力などに関する各入力信号により、こられを制御する機能を有している。
【0040】
入出力回路15は、FFU102、電磁弁16、各種センサ17など外部周辺機器のI/F回路を有しており、CPU11により各機器との入出力信号の制御を行う。
【0041】
次に、ロードポート部1のウェーハ飛び出しセンサについて説明する。
【0042】
図5A及び5Bは、FOUP3、直径300mmのウェーハW及びロードポート部1のウェーハ飛び出しセンサ2の位置関係を示した平面図である。
【0043】
図5Aは、FOUP3に直径300mmのウェーハWが正しく収納されている状態を示したものであり、図5Bは、FOUP3から300mmウェーハWが飛び出している状態を示したものである。
【0044】
ウェーハ飛び出しセンサ2は、透過型であり、投光器と受光器とが対向設置されている。ウェーハWが投光器と受光器との間(ウェーハ飛び出しセンサ2の光軸)に入り、投光器からの光をさえぎる(遮光する)と、受光器に入射する光が減少する。この光の減少を計測することにより、ウェーハWの飛び出しを検出する。本実施例においては、投光器からの光を遮光した状態をONと判定し、投光器からの光を遮光していない状態をOFFと判定する。
【0045】
FOUP3は、ウェーハWを収納する密閉容器であり、容器の本体と蓋で構成されている。蓋は、ロードポート部1によって開閉することができるようになっている。FOUP3には、ウェーハWを載せるためのスロット(棚)がある。
【0046】
図5A及び5Bにおいては、FOUP3の蓋が既に開いている状態である。
【0047】
FOUP3の外側にウェーハWが飛び出していると、ロードポート部1の蓋を開閉する際、或いはFOUP3からウェーハWを取り出す際又は収納する際にウェーハWを破損させるおそれがある。これを防ぐために、一般に、ロードポート部1には、ウェーハWの飛び出しの有無を検出するウェーハ飛び出しセンサ2が実装されている。
【0048】
ウェーハ飛び出しセンサ2の信号は、ロードポート部1で管理され、図4の通信回路13を介して、ウェーハ搬送装置101のCPU11で読み出すことができる。
【0049】
次に、図3を用いてウェーハ搬送動作について説明する。
【0050】
本図に示すように、直径の異なるウェーハWを収納したFOUP3が混在した状態でロードポート部1に供給されるようになっている。
【0051】
ロードポート部1に供給されたFOUP3は、ロードポート部1により蓋が開けられ、ウェーハ搬送装置101のハンド5により、FOUP3の内部に収納されたウェーハWが取り出される。
【0052】
FOUP3より取り出されたウェーハWは、アライメントユニット105に置かれ、アライメント動作終了後、アライメントユニット105からハンド5により取り出され、半導体製造・検査装置100に収納される。
【0053】
また、半導体製造・検査装置100で処理が終わったウェーハWは、ハンド5により取り出され、FOUP3へ収納される。
【0054】
次に、サイズ(直径)の異なるウェーハWが混在した状態で搬送される場合について説明する。
【0055】
直径300mmのウェーハW及び直径200mmのウェーハWがFOUP3に収納され、それぞれのFOUP3が混在した状態でロードポート部1に供給される。
【0056】
直径200mmのウェーハWをFOUP3に収納する場合、FOUP3の内部に図12に示すアダプタ4を装着する。
【0057】
アライメントユニット105及び半導体製造・検査装置100は、直径300mmのウェーハW及び直径200mmのウェーハWを処理可能な構成となっている。
【0058】
アライメントユニット105及び半導体製造・検査装置100では、ウェーハ搬送位置が、ウェーハサイズ毎に異なる場合と、同一の場合があるが、いずれの場合も搬送するウェーハサイズが分かっていれば、搬送可能となる。
【0059】
ロードポート部1のウェーハ搬送位置は、ウェーハサイズ毎に異なる。
【0060】
具体的には、高さ方向は同一であり、横方向は、図1に示すように、FOUP搬出入口前面合わせとなる。
【0061】
このため、ロードポート部1へのウェーハ搬送動作では、ウェーハサイズ毎に、ウェーハ搬送位置を切り換える必要がある。
【0062】
FOUP3への収納するウェーハWは、基本的に半導体製造・検査装置100で処理済みであるため、ウェーハサイズは分かっており、搬送動作に関しては問題が生じない。
【0063】
しかし、FOUP3から取り出すウェーハWは、サイズが未知であるため、ウェーハWを取り出す際に、そのサイズ(直径)を判別(識別)する必要がある。
【0064】
上記の判別は、図4に示すコントローラ部10で行う。ここで、コントローラ部10においてウェーハWの直径を判別する部分をウェーハサイズ判別部と呼ぶことにする。
【0065】
次に、図6のフローチャートを用いて、半導体製造・検査装置100から発せられるウェーハ搬送装置101に対するロードポートウェーハ取り出し指示に対して、ウェーハ搬送装置101が、ハンド5を用いてFOUP3から未知のサイズのウェーハWを取り出す手順について説明する。
【0066】
(ステップ201)
ウェーハWの取り出し動作の前に、FOUP3からウェーハWが飛び出していないことを確認するため、ロードポート部1のウェーハ飛び出しセンサ2の状態を読み込む。
【0067】
図7A及びBに、ウェーハWの取り出し動作の前におけるハンド5、FOUP3、ウェーハW及びウェーハ飛び出しセンサ2の位置関係を示す。
【0068】
図7Aは、直径200mmのウェーハWがFOUP3の内部に収納されている場合を示したものであり、図7Bは、直径300mmのウェーハWがFOUP3の内部に収納されている場合を示したものである。
【0069】
いずれの場合も、FOUP3からウェーハWが飛び出していなければ、ウェーハ飛び出しセンサ2は遮光されずONにならない。
【0070】
(ステップ202)
ロードポート部1のウェーハ飛び出しセンサ2の状態がONであれば、FOUP3からウェーハWが飛び出していると判断し、半導体製造・検査装置100にエラー報告して処理を終了する。
【0071】
ロードポート部1のウェーハ飛び出しセンサ2の状態がOFFであれば、FOUP3からウェーハWが飛び出していないと判断して処理を続行する。
【0072】
(ステップ203)
直径300mmのウェーハWのウェーハ取り出し位置までハンド5を伸ばす。
【0073】
図8A及びBに、ウェーハWを把持した状態におけるハンド5、FOUP3、ウェーハW及びウェーハ飛び出しセンサ2の位置関係を示す。
【0074】
図8Aは、直径200mmのウェーハWがFOUP3の内部に収納されている場合を示したものであり、図8Bは、直径300mmのウェーハWがFOUP3の内部に収納されている場合を示したものである。
【0075】
本発明で使用されるハンド5は、直径300mmのウェーハWの取り出し位置まで伸ばした場合にも、FOUP3の内部に装着されるアダプタ4に干渉(接触)することはなく、FOUP3の内部に収納されているウェーハWが、直径200mm及び直径300mmのどちらであっても取り出しが可能となる構造である。すなわち、ハンド5は、複数の吸着部を有し、ハンド5のすべての吸着部が、直径の小さいウェーハWを把持する際にも、ウェーハWの下面に付着するように配置されている。また、ハンド5は、アダプタ4の内側に挿入可能な寸法を有している。
【0076】
(ステップ204)
ステップ203において直径300mmのウェーハWの取り出し位置までハンド5を伸ばした後、ハンド5の吸着をONとし、ハンド5を上昇させてハンド5によりウェーハWを把持する。
【0077】
(ステップ205)
ステップ204においてハンド5でウェーハWを把持した後、ロードポート部1のウェーハ飛び出しセンサ2によりウェーハサイズ確認位置までハンド5を縮める(移動する)。
【0078】
(ステップ206)
ステップ205においてハンド5を縮めた後、ハンド5で把持しているウェーハWのサイズを判別するため、ウェーハ飛び出しセンサ状態を読み込む。
【0079】
図9A及び9Bに、ウェーハWを取り出す過程におけるハンド5、FOUP3、ウェーハW及びウェーハ飛び出しセンサ2の位置関係を示す。
【0080】
図9Aは、直径200mmのウェーハWの場合であり、図9Bは、直径300mmのウェーハWの場合である。
【0081】
図9Aの場合、ロードポート部1のウェーハ飛び出しセンサ2が遮光されず、ウェーハ飛び出しセンサ2がONとならない。
【0082】
図9Bの場合、ロードポート部1のウェーハ飛び出しセンサ2が遮光され、ウェーハ飛び出しセンサ2がONとなる。
【0083】
(ステップ207)
ハンド5に把持されているウェーハWのサイズを判別するため、ロードポート部1のウェーハ飛び出しセンサ状態を判定する。
【0084】
(ステップ210)
ステップ207におけるロードポート部1のウェーハ飛び出しセンサ2の状態がONであれば、ハンド5に把持されているウェーハWのサイズを300mmと判定する。
【0085】
(ステップ220)
ステップ207におけるロードポート部1のウェーハ飛び出しセンサ2の状態がOFFであれば、ハンド5に把持されているウェーハWのサイズを200mmと判定する。
【0086】
(ステップ221)
ステップ220においてハンド5に把持されているウェーハWのサイズを200mmと判定した場合、ハンド5に把持されているウェーハWをFOUP3に戻す。
【0087】
ウェーハWをFOUP3に戻す際、直径300mmのウェーハWのウェーハ取り出し位置までハンド5を伸ばした後、ハンド5の吸着をOFFとし、ハンド5を下降させる。
【0088】
(ステップ222)
FOUP3の内部の直径200mmと判定されたウェーハWを取り出すため、あらかじめ定められた位置、すなわち、直径200mmのウェーハWの取り出し位置までハンド5を伸ばす。
【0089】
図10に、ステップ222におけるハンド5、FOUP3、200mmウェーハW2及びウェーハ飛び出しセンサ2の位置関係を示す。
【0090】
(ステップ223)
ステップ222において直径200mmのウェーハWの取り出し位置までハンド5を伸ばした後、ハンド5の吸着をONとし、ハンド5を上昇させてハンド5により直径200mmのウェーハWを把持する。
【0091】
(ステップ230)
ハンド5に直径200mmのウェーハW又は直径300mmのウェーハWを把持した状態からハンド5を縮めてウェーハWの取り出し動作を終了する。
【0092】
図11A及び11Bに、ウェーハWの取り出し動作を終了した後のハンド5、FOUP3、ウェーハW及びウェーハ飛び出しセンサ2の位置関係を示す。
【0093】
図11Aは、直径200mmのウェーハWをハンド5により把持している場合を示したものであり、図11Bは、直径300mmのウェーハWをハンド5により把持している場合を示したものである。
【0094】
(ステップ231)
ステップ207の判定結果であるステップ210又はステップ220に従って、半導体製造・検査装置100にFOUP3から取り出したウェーハWのサイズを報告する。
【0095】
アライメントユニット105及び半導体製造・検査装置100へのウェーハ搬送においては、図6のフローチャートに示すウェーハWの取り出しにおいて判別したウェーハサイズに従って実施するものとする。
【0096】
本実施例は、300mmウェーハ用のFOUP3及びアダプタ4を用いて、直径300mmのウェーハW、及び、直径200mmのウェーハWを搬送するものであるが、これに限定されるものではない。450mmウェーハ用FOUP3及びアダプタ4を用いて、直径450mmのウェーハWと、直径300mmのウェーハWを搬送してもよい。一般に、直径の異なるウェーハWの搬送において本発明を適用することができる。
【0097】
本実施例においては、半導体製造・検査装置100は、ウェーハサイズの指定を行わず、ウェーハ搬送装置101が判別したウェーハサイズを使用して処理を行うが、半導体製造・検査装置100が、ロードポート部1からウェーハWを取り出す際にウェーハサイズの指定を行い、ウェーハ搬送装置101が判別したウェーハサイズと、指定のウェーハサイズとが一致しなかった場合、そのウェーハWをFOUP3に戻し、ウェーハ取り出し動作をエラーとして終了するようにしてもよい。
【0098】
なお、上記のステップ205においては、ハンド5でウェーハWを把持した後、ロードポート部1のウェーハ飛び出しセンサ2によりウェーハサイズ確認位置までハンド5を縮める動作を行ったが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、ハンド5を縮める動作を所定の速度で行い、ウェーハWがウェーハ飛び出しセンサ2の上方を通過する時間、すなわち、ウェーハ飛び出しセンサ2がONとなっている時間を計測することにより、ウェーハWの直径を判別してもよい。この場合、ウェーハサイズ確認位置でウェーハWを停止させることなく、ウェーハサイズを判別することができる。
【0099】
さらに、上記の実施例においては、既存のセンサのみを用いてウェーハサイズを判別する構成について説明してきたが、これに限定されるものではなく、図9A及び9Bに示すように、ウェーハサイズ確認位置又は走行軸104付近にウェーハサイズ判別センサ91(透過型センサ)を1箇所又は複数箇所設置し、上記のステップ205においてウェーハサイズ判別センサ91が遮光されてONとなっているか否か、又はウェーハサイズ判別センサ91が遮光されてONとなっている時間を計測することにより、ウェーハWの直径を判別してもよい。
【符号の説明】
【0100】
W:ウェーハ、1:ロードポート部、2:ウェーハ飛び出しセンサ、3:FOUP、4:アダプタ、5:ハンド、10:コントローラ部、11:CPU、12:内部メモリ、13:通信回路、14:ロボット制御部、15:入出力回路、16:電磁弁、17:各種センサ、91:ウェーハサイズ判別センサ、100:半導体製造・検査装置、101:ウェーハ搬送装置、102:FFU、103:搬送ロボット、104:走行軸、105:アライメントユニット。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェーハを収納したウェーハ収納容器を供給するためのロードポート部と、前記ウェーハを把持するハンドを有し、前記ウェーハを搬送する搬送ロボットとを含み、前記ロードポート部に、前記ウェーハの収納状態を検出するためのウェーハ飛び出しセンサを設置したウェーハ搬送装置であって、前記ウェーハ収納容器から前記ウェーハを取り出す際に前記ウェーハ飛び出しセンサを用いて前記ウェーハの直径を判別するウェーハサイズ判別部を有することを特徴とするウェーハ搬送装置。
【請求項2】
前記ウェーハ収納容器から前記ウェーハを取り出す際に、前記ウェーハのサイズに応じて前記ウェーハ飛び出しセンサの検出信号が異なる位置で前記ウェーハの取り出しを一旦停止させた後、前記ウェーハサイズ判別部は、前記検出信号を確認することにより、前記ウェーハ収納容器の内部に収納された前記ウェーハの直径を判別することを特徴とする請求項1記載のウェーハ搬送装置。
【請求項3】
前記ウェーハ飛び出しセンサは、投光器と受光器とを有し、前記ウェーハを取り出し、ウェーハサイズ確認位置まで前記ハンドを移動した時に、前記投光器からの光が遮光されているか否かを検出し、前記ウェーハサイズ判別部は、前記投光器からの検出信号の有無に基づいて前記ウェーハの直径を判別することを特徴とする請求項1又は2に記載のウェーハ搬送装置。
【請求項4】
前記直径を半導体製造・検査装置に報告するための通信回路を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のウェーハ搬送装置。
【請求項5】
前記ハンドは、複数の吸着部を有し、前記吸着部のすべてが、直径の小さいウェーハの下面に付着するように配置され、かつ、前記ウェーハ収納容器に装着されたアダプタの内側に挿入可能な寸法を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のウェーハ搬送装置。
【請求項6】
ウェーハを収納したウェーハ収納容器を供給するためのロードポート部と、前記ウェーハを把持するハンドを有し、前記ウェーハを搬送する搬送ロボットとを含み、前記ロードポート部に、前記ウェーハの収納状態を検出するためのウェーハ飛び出しセンサを設置したウェーハ搬送装置におけるウェーハサイズの判別方法であって、前記ウェーハ収納容器から前記ウェーハを取り出す際に前記ウェーハ飛び出しセンサを用いて前記ウェーハの直径を判別するウェーハサイズ判別工程を含むことを特徴とするウェーハサイズの判別方法。
【請求項7】
前記ウェーハサイズ判別工程は、前記ウェーハ収納容器から前記ウェーハを取り出す際に、前記ウェーハのサイズに応じて前記ウェーハ飛び出しセンサの検出信号が異なる位置で前記ウェーハの取り出しを一旦停止させた後、前記ウェーハサイズ判別部は、前記検出信号を確認することにより、前記ウェーハ収納容器の内部に収納された前記ウェーハの直径を判別することを特徴とする請求項6記載のウェーハサイズの判別方法。
【請求項8】
前記ウェーハサイズ判別工程は、前記ウェーハを取り出し、ウェーハサイズ確認位置まで前記ハンドを移動し、前記ウェーハが前記ウェーハ飛び出しセンサの前記投光器から前記受光器に向かって発せられた光によって形成される光軸に入っているか否かを検出して前記直径を判別することを特徴とする請求項6又は7に記載のウェーハサイズの判別方法。
【請求項9】
前記直径が半導体製造・検査装置から要求されたウェーハの要求直径と異なる場合、前記ウェーハを前記ウェーハ収納容器に戻した後、前記半導体製造・検査装置にエラー報告を行うことを特徴とする請求項6〜8のいずれか一項に記載のウェーハサイズの判別方法。
【請求項10】
ウェーハを収納したウェーハ収納容器を供給するためのロードポート部と、前記ウェーハを把持するハンドを有し、前記ウェーハを搬送する搬送ロボットとを含み、前記ロードポート部に、前記ウェーハの直径を判別するためのウェーハサイズ判別センサを設置したウェーハ搬送装置であって、前記ウェーハ収納容器から前記ウェーハを取り出す際に前記ウェーハサイズ判別センサを用いて前記ウェーハの直径を判別するウェーハサイズ判別部を有することを特徴とするウェーハ搬送装置。
【請求項11】
ウェーハを収納したウェーハ収納容器を供給するためのロードポート部と、前記ウェーハを把持するハンドを有し、前記ウェーハを搬送する搬送ロボットとを含み、前記ロードポート部に、前記ウェーハの直径を判別するためのウェーハサイズ判別センサを設置したウェーハ搬送装置におけるウェーハサイズの判別方法であって、前記ウェーハ収納容器から前記ウェーハを取り出す際に前記ウェーハサイズ判別センサを用いて前記ウェーハの直径を判別するウェーハサイズ判別工程を含むことを特徴とするウェーハサイズの判別方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−96843(P2011−96843A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−249138(P2009−249138)
【出願日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【出願人】(000233549)株式会社日立ハイテクコントロールシステムズ (130)
【Fターム(参考)】