説明

ウェーハ用フレーム

【課題】特性の変化を防止し、かつ十分な剛性と耐熱性を有する軽量のウェーハ用フレームを提供する。
【解決手段】天井部21bと底部22bと側壁21a、22aとが金属材料から成り、かつ内部に空間を有するウェーハ用フレーム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウェーハ(例えば、半導体ウェーハ、ガラス基板ウェーハ等)の加工作業(例えばダイシング、エキスパンド等)や搬送作業に用いるフレーム(以下、ウェーハ用フレームという)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体ウェーハのウェーハ用フレーム10は、通常図20に図示した口径150mm(6inch)〜300mm(12inch)の半導体ウェーハWを収納する金属製のウェーハ用フレーム10で、該フレームに半導体ウェーハを保持するダイシングフィルム31をウェーハ用フレーム10の裏面に剥離可能に貼付する構造となっている。
【0003】
そして、図21に図示するように、このダイシングフィルム31(図20)の上に貼付された半導体ウェーハWがダイシングマシーンのダイヤモンドブレード30により複数のダイDに切断(ダイシング)される。
【0004】
上述した半導体ウェーハ用フレーム10にダイシングフィルム31および半導体ウェーハWが貼付された後、ダイシングマシーンに1枚ずつセットされるまでは、図22に図示するような半導体ウェーハ用フレーム10を複数枚単位で整列収納した収納容器(カセット)9に収納されて運搬される。なお、図22は収納容器の一部を拡大表示した収納容器(カセット)9の概略図である。
ウェーハ用フレーム10は、従来ステンレス鋼板(厚み1.5mm程度)を所定の形状に切り出したもの(いわゆる無垢材)を使用しているので、ウェーハ用フレーム10の重量は比較的大きな値となる。
【0005】
近年大径のウェーハWが生産されるようになり、ウェーハ用フレーム10も大型化しており、ステンレス鋼板の無垢材からなるウェーハ用フレーム10では、大型化によって重量が増大し、例えば、前記収納容器(カセット)9の総重量は、12inchウェーハ用フレーム10では、25枚セットで18kg以上となり、ダイシングマシーンに収納容器(カセット)9を運搬し、セッティングする作業者には、大きな負担となっている。
【0006】
そこで、ウェーハ用フレーム10の軽量化を図る技術が種々検討されており、例えば、特許文献1には、樹脂からなるウェーハ用フレームが開示されている。この技術によればウェーハ用フレームの軽量化を達成できるが、樹脂を使用するため、剛性を保つには厚みを従来材の厚さ1.5mmより厚くする必要があり、また長時間使用することによって特性が変化するという問題がある。さらに、ダイシングフィルムからウェーハを取り外す際に、フレーム全体に熱をかけるので、ウェーハ用フレームには耐熱性も求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−48885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、特性の変化を防止し、かつ十分な剛性と耐熱性を有する軽量のウェーハ用フレームを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の要旨は、下記の通りである。
【0010】
第一の発明は、天井部と底部と側壁とが金属材料から成り、かつ内部に空間を有することを特徴とするウェーハ用フレームである。
【0011】
第二の発明は、前記天井部を形成する平坦な上板と、前記底部を形成する平坦な下板との間に、前記側壁を形成する型枠を積層することによって空間を設けることを特徴とする第一の発明に記載のウェーハ用フレームである。
【0012】
第三の発明は、前記型枠に梁を設けることを特徴とする第二の発明に記載のウェーハ用フレームである。
【0013】
第四の発明は、天井部と側壁とを断面形状がコの字形状に一体成形する上蓋と、底部と側壁とを断面形状がコの字形状に一体成形する下蓋とを嵌合することによって空間を設けることを特徴とする第一の発明に記載のウェーハ用フレームである。
【0014】
第五の発明は、前記下蓋底部に粘着フィルム切断用カッタを収容する溝を有する梁を下蓋と一体成形して設けたことを特徴とする第四の発明に記載のウェーハ用フレーム
第六の発明は、前記上蓋と、前記下蓋との間に補強部材を固着することを特徴とする第四の発明に記載のウェーハ用フレームである。
【0015】
第七の発明は、前記上蓋の天井部に下蓋の底部に接する窪みを周方向に任意の間隔で1個以上、または前記下蓋の底部に上蓋の天井部に接する窪みを周方向に任意の間隔で1個以上設けることを特徴とする第四の発明に記載のウェーハ用フレームである。
【0016】
第八の発明は、前記上蓋の天井部に下蓋の底部に接する窪みを周方向に任意の間隔で1個以上、および前記下蓋の底部に上蓋の天井部に接する窪みを周方向に任意の間隔で1個以上設け、前記窪み同士が接触しないようにしたことを特徴とする第四の発明に記載のウェーハ用フレームである。
【0017】
第九の発明は、前記上蓋の天井部に下蓋の底部に接する窪みを周方向に任意の間隔で1個以上、および前記下蓋の底部に上蓋の天井部に接する窪みを周方向に任意の間隔で1個以上設け、前記窪みの底部同士が接するようにしたことを特徴とする第四の発明に記載のウェーハ用フレームである。
【0018】
第十の発明は、前記上蓋の天井部に下蓋の底部に接する連続した窪みを全周に1条以上設け、または前記下蓋の底部に上蓋の天井部に接する連続した窪みを全周に1条以上設けたことを特徴とする第四の発明に記載のウェーハ用フレームである。
【0019】
第十一の発明は、前記上蓋の天井部に下蓋の底部に接する連続した窪みを全周に1条以上設け、および前記下蓋の底部に上蓋の天井部に接する連続した窪みを全周に1条以上設け、前記連続した窪みの底部同士が接するようにしたことを特徴とする第四の発明に記載のウェーハ用フレームである。
【0020】
第十二の発明は、前記空間に中空金属体および/または樹脂材料を充填することを特徴とする第一乃至第十一の発明のいずれかに記載のウェーハ用フレームである。
【0021】
第十三の発明は、前記中空金属体として、中空鉄球を押圧して変形させた中空金属体を使用することを特徴とする第十二の発明に記載のウェーハ用フレームである。
【0022】
第十四の発明は、上蓋、下蓋用部材を金属平板からプレス打抜きするプレス打抜き加工工程と前記部材から側壁を成形するプレス絞り加工工程とによって製造することを特徴とする第四の発明に記載のウェーハ用フレームの製造方法である。
【0023】
第十五の発明は、さらに、プレス絞り加工工程に続いて、フレームの全体形状を成形するプレス成形工程を設けることを特徴とする第十四の発明に記載のウェーハ用フレームの製造方法である。
【0024】
第十六の発明は、薄肉鋼管を管軸方向に略円形に成形して、管端面同士を溶接して円筒体を成形する工程と、前記円筒体にウェーハ用フレームの位置決め用ノッチを成形する工程と、前記円筒体を扁平プレス成形する工程とから成ることを特徴とするウェーハ用フレームの製造方法である。
【0025】
第十七の発明は、前記円筒体を成形する工程の前に、前記薄肉鋼管に中空金属体および/または樹脂材料を充填する工程を設けることを特徴とする第十六の発明に記載のウェーハ用フレームの製造方法である。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、フレームの強度、剛性、耐熱性を維持しつつ、従来品に比較して顕著に軽量化されたウェーハ用フレームを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】ウェーハ用フレームの外観の例を示す平面図である。
【図2】本発明のウェーハ用フレームに使用する型枠の例を示す平面図である。
【図3】本発明のウェーハ用フレームに使用する型枠の他の例を示す平面図である。
【図4】(a)本発明の第一の実施の形態に係るウェーハ用フレームの部分破断平面図である。(b)A−A断面図である。
【図5】(a)本発明の他の実施の形態に係るウェーハ用フレームの部分破断平面図である。(b)A−A断面図である。
【図6】(a)本発明の中空金属体を充填したウェーハ用フレームの部分破断平面図である。(b)A−A断面図である。
【図7】(a)本発明の第二の実施の形態に係るウェーハ用フレームの平面図である。(b)B−B断面図である。(c)B−B断面図での嵌合前の状態を示す模式図である。
【図8】(a)本発明のウェーハ用フレームの他の例を示す部分破断平面図である。(b)B−B断面図である。(c)B−B断面図での嵌合前の状態を示す模式図である。
【図9】(a)本発明のウェーハ用フレームの他の例を示す部分破断平面図である。(b)B−B断面図である。(c)補強部材の外観の例を示す平面図である。
【図10】(a)本発明の第三の実施の形態に係るウェーハ用フレームを示す部分破断平面図である。(b)B−B断面図である。
【図11】(a)本発明の第三の実施の形態に係るウェーハ用フレームの他の例を示す平面図である。(b)B−B断面図である。
【図12】(a)本発明の第三の実施の形態に係るウェーハ用フレームの更に他の例を示す平面図である。(b)B−B断面図である。(c)C−C断面図である。
【図13】(a)本発明の第三の実施の形態に係るウェーハ用フレームの他の例を示す平面図である。(b)B−B断面図である。
【図14】(a)本発明の第三の実施の形態に係る連続した窪みを有するウェーハ用フレームの例を示す平面図である。(b)B−B断面図である。
【図15】(a)本発明の第三の実施の形態に係る連続した窪みを有するウェーハ用フレームの例を示す平面図である。(b)B−B断面図である。
【図16】(a)本発明の中空金属体を充填したウェーハ用フレームの部分破断平面図である。(b)B−B断面図である。
【図17】薄肉鋼管からのウェーハ用フレームの製造方法を説明する図である。
【図18】上蓋、下蓋の側壁形状を説明する図である。
【図19】嵌合部の接合方法を説明する図である。
【図20】半導体ウェーハのダイシング用フレームのダイシング作業状態を示す斜視図である。
【図21】半導体ウェーハのダイシング用フレームをエキスパンド装置にセットした状態を示す図である。
【図22】半導体ウェーハの収納容器(カセット)の概略を示す図である。
【図23】(a)荷重変形試験方法を説明する模式図である。(b)フレームの固定位置を説明する平面図である。
【図24】反り量と軽量化率(=100−質量比)との関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明する。
本発明のウェーハ用フレーム10の形状は、特に限定しないが、本実施の形態におけるウェーハ用フレームは、図20または図21に示す半導体ウェーハWを着脱自在に粘着保持する可撓性のダイシングフィルム31を備えたリング状のフレーム10と外観上の形状は類似しているが、規格品の形状のみでなく円形、四角形や楕円形等の形状であってもよい。
【0029】
本発明のウェーハ用フレーム10では、天井部、底部および側壁が金属材料で構成され、かつフレーム内部に空間を設けている。フレームを金属材料で構成することによって、耐熱性を維持し、かつ十分な強度、剛性を保つことが可能となる。また内部に空間を設けることによってウェーハ用フレーム10の軽量化を達成できる。
本発明のウェーハ用フレーム10で使用する金属材料は、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、チタン、マグネシウム等が好ましいが、現状、耐熱性、耐食性とコストバランスの観点からはステンレス鋼板を使用するのが好ましい。
【0030】
第一の実施の形態
第一の実施の形態に係るウェーハ用フレーム10は図1に示す外観形状の平坦な金属製の上板1と上板1と同じ形状の平坦な金属製の下板2を用いる。上板1と下板2の厚みは特に限定せずウェーハ用フレームの寸法や金属材料の種類に応じて適宜設定すれば良い。
【0031】
さらにウェーハ用フレームの内部空間3cと側壁3aを構成する部材として図2または図3に示す型枠3を使用する。本型枠3は、金属板を打抜き加工やレーザ切断加工によって製造できるので、型枠3の厚み、側壁3aや梁3bの幅は図2や図3に限定されるものではなく、使用する金属材料の質量やウェーハ用フレーム10の寸法に応じて適宜設定することによって、フレーム10の軽量化に寄与する。
【0032】
型枠3に梁部3bを設ける位置は特に限定しないが、例えば、図3に示す型枠3の形状では梁3bをウェーハ用フレーム10の半径方向に一定間隔で設けるとともに、円周方向にも設けている。このように、使用する金属材料によってウェーハ用フレーム10の強度、剛性を上昇させたい時は、図2、図3や図4、図5に示す梁3bを任意の間隔をおいて型枠3に設けるのが良い。しかし、図3に示す型枠3を使用すると、図2の型枠3に比べてウェーハ用フレーム10の強度、剛性は高まるが、質量も大きくなるので、梁3bはウェーハ用フレーム10に求められる剛性や質量に応じて適宜設定するのが好ましい。
【0033】
上記した上板1と下板2の間に型枠3を積層することによって、天井部1、底部2および側壁3aが金属材料からなり、かつフレーム内部に空間を有するウェーハ用フレームが成形される。なお、位置決め用ノッチ26は、フレーム10をダイシングマシーンにセットするときの位置決め用のノッチであるので、上板1、下板2及び型枠3を積層するときは、位置決め用ノッチ26が同じ位置に来るように重ねる必要がある。
【0034】
図4(a)は、本発明のウェーハ用フレーム10の部分破断平面図である。
本ウェーハ用フレーム10は図1に示す上板1、下板2と図2に示す型枠3から成形されており、型枠3は側壁3aとフレームの半径方向に等間隔に配置された梁3bから成り立っている。 図4(b)は図4(a)のA−A断面図である。上板1、下板2と側壁3a、梁3bに囲まれた部位に空間3cが形成されており、本構成により軽量化が実現している。また、上板1、下板2と型枠3との接合は従来から知られている接着剤、ろう付け、溶接等の技術を適宜選択すれば良い。
【0035】
図5は、本発明の他の実施の形態に係るウェーハ用フレームであり、型枠3として図3に示す型枠3を使用したものである。図5(a)は本発明のウェーハ用フレーム10の部分破断平面図であり、図5(b)は図5(a)のA−A断面図である。本実施の形態では、図4の場合に比較して、さらにフレームの円周方向に梁3bが追加されて空間3cも細かく分布しており、強度、剛性が向上している。
【0036】
図6は、本発明の他の実施の形態に係るウェーハ用フレーム10であり、図4、図5に示す本発明のウェーハ用フレーム10の空間3cに中空金属体4を充填した例である。中空金属体4を使用することによって重量の増加を抑制しつつ、更なる強度、剛性の向上を達成することができる。
【0037】
図6(a)は、本発明のウェーハ用フレーム10の部分破断平面図であり、図6(b)は図6(a)のA−A断面図である。中空金属体4の材質は、特に限定しないが、ウェーハ用フレームの内部に密閉格納されるので、それなりの耐食性、剛性を得る材質を選択する必要がある。一般的には、入手が容易な中空鉄球を使用するのが好ましい。
【0038】
中空鉄球等の球形の中空金属体4を使用する場合は、その球形の中空金属体4を予め押圧して変形させたものを使用するのが好ましい。球形のままで使用すると、中空金属体4と上板1、下板2とが点接触となるので安定性が悪く剛性向上の効果が得られ難いからである。球形の中空金属体を変形させて使用すると、中空金属体4と上板1、下板2との接触面積が増加するので、大幅な剛性向上が期待できる。
【0039】
また、ウェーハ用フレーム10の内部の空間に中空金属体4を充填する場合は、ウェーハ用フレーム10を使用することによって、中空金属体4が移動してウェーハ用フレーム10の内部で偏在する恐れがあるので、接着材あるいは、ろう材を用いて中空金属体を固定することが好ましい。接着剤は、アウトガスが発生しない仕様と耐熱仕様を兼ね備えた加熱硬化型の接着剤が好適である。また、ろう付けに用いるろう材は、銅系ろう材、ニッケル系ろう材が好適であり、ろう付けに代えて錫等の低融点金属材料を接合面に溶かし込むこともできる。
【0040】
第二の実施の形態
次に本発明の第二の実施の形態に係るウェーハ用フレーム10について説明する。
【0041】
本発明に係る第二の実施の形態に係るウェーハ用フレーム10を図7に示す。図7(a)はウェーハ用フレーム10の上面側を示す平面図である。図7(b)はB−B断面図である。図7(c)はB−B断面での上蓋21と下蓋22の嵌合前の状態を示す模式図である。上蓋21は天井21bと側壁21aとが平板から一体成形されており、上蓋21のフレーム断面(B−B断面)は略コの字型となっている。下蓋22も底部22bと側壁22aとが上蓋21と同様に平板から一体成形されており、下蓋22のフレーム断面(B−B断面)も略コの字型となっている。
【0042】
上蓋21と下蓋22の断面を共に略コの字型に成形したので、図7(b)、(c)に示すように上蓋21と下蓋22を嵌合でき、その断面を箱型とすることができる。このように断面を箱型に成形したので捩れや反りに強い構造とできる。また箱内部は空間3cが成形されているのでフレームの軽量化が図れる。さらに上蓋21が下蓋22の内側に嵌合するようにしたので、下蓋22の底部22bには上蓋21の側壁21aの端部が現れないので底部22bは平滑な面となり、図20、21に示すようにダイシングフィルム31をウェーハ用フレーム10の裏面側22bに貼付してもフィルムを傷つけることがない。
【0043】
さらに、嵌合強度を上昇したい場合は、上蓋21と下蓋22との嵌合部21a、22aは図7では、直線形状を図示したが、図18(a)に示すように、上蓋側壁21aや下蓋側壁22aにノッチ形状の嵌合部を設けることによって直線形状よりも嵌合強度を大きくできる。また図18(b)に示すように、下蓋側壁22a先端部に屈曲部を設けることによっても嵌合強度を上昇させることができる。さらに嵌合面に接着剤を塗布しても良い。
【0044】
また、図19(a)、(b)、(c)に示すように嵌合部を溶接部42で接合してさらに強度アップを図ることができる。溶接方法は、電子ビーム溶接、レーザ溶接、マイクロプラズマ溶接やTIG溶接等公知の溶接方法を適宜適用できる。
【0045】
また、図19(d)に示すように、溶接に代えてろう付け43を用いることも可能である。ろう材としては、銅系ろう材やニッケル系ろう材が好適であり、ろう付けに代えて錫等の低融点金属材料を嵌合面に溶かし込むこともできる。
【0046】
また、接着剤を用いる場合は、接着剤はアウトガスが発生しない仕様と耐熱仕様を兼ね備えた加熱硬化型の接着剤が好適である。
【0047】
上蓋、下蓋の一体成形前の素材は金属平板(コスト、使い勝手面からはステンレス鋼板が好ましいがこれに限られるものではない)からプレス打抜き加工やレーザ切断加工により、ウェーハ用フレーム10の肉厚、寸法に応じて適宜加工法を選択すれば良い。また、上蓋21、下蓋22の天井部21bまたは底部22bと側壁21a、22aとの一体成形はプレス加工やスピニング加工等により側壁を目的寸法に適宜立ち上げて制作される。
【0048】
プレス加工は、上蓋、下蓋用部材を金属平板からプレス打抜きする工程と前記部材から側壁部を成形するプレス絞り加工工程とから成り立っている。本制作工程では、プレス絞り加工工程の後に全体の形状を整えるためのプレス成形工程を追加しても良い。さらに、上蓋、下蓋の嵌合部は嵌合精度が高い場合は、特に接合材を必要としない場合もあるが、洗浄水の侵入等を防止する観点からは、接合部に接着剤を塗布するか、ろう付け、レーザ溶接等を適宜取り入れるのが良い。
【0049】
図8は、本発明の他の実施の形態を示す図であり、上蓋21、下蓋22は図7と同様に天井部21bと側壁21a、底部22bと側壁22aは一体成形されている。図8(a)は、本発明のウェーハ用フレーム10の部分破断平面図であり、図8(b)は図8(a)のB−B断面図である。図8(c)はB−B断面での上蓋21と下蓋22の嵌合前の状態を示す模式図である。
【0050】
本実施の形態は、図8(b)に示すように下蓋22の底部22bに貼付された粘着フィルム(ウェーハWを搭載保持するダイシングフィルム31)を切断するカッタを収容する溝を有する梁22cを一体成形したことである。該梁22cは図8(a)に示すようにウェーハ用フレーム10の底部22bの円周方向に設けられており、捩れ、反り等を防止し剛性を付加する梁としての機能を有している。また前記梁22cはウェーハ用フレーム10の底部22bに粘着フィルム(ウェーハWを搭載保持するダイシングフィルム31)を貼付し、ウェーハ用フレーム10の径に合わせて前記粘着フィルムを切断する際に、カッタの刃先が前記ウェーハ用フレーム10に接触するのを防止する溝である。従って、溝の幅、深さ、溝斜面の傾斜角度等はダイシングマシーンやフレームサイズ等に合わせて適宜決定すれば良い。また、カッタを収容する溝を作らない場合は、梁22cは上蓋21に一体成形しても良い。
【0051】
図9は、本発明のさらに他の実施の形態を示す図であり上蓋21、下蓋22は図7と同様に天井部21bと側壁21a、底部22bと側壁22aは一体成形されている。図9(a)は、本発明のウェーハ用フレーム10の部分破断平面図であり、図9(b)は図9(a)のB−B断面図である。
【0052】
本実施の形態は、図9(b)に図示すように上蓋天井21bと下蓋底部22bとの間に補強部材23を固着する構造である。補強部材23は図9(c)に外観の例を示す平面図に図示するようにウェーハ用フレーム10の幅部の円周方向にバンド状に設置した補強用梁である。本実施の形態は、ウェーハ用フレーム10が大型化した場合にフレーム10の肉厚を増加させて剛性を上げるより、肉厚は小径サイズと同じにして本補強部材23を1枚固着するほうが軽量化できる場合に有効な処置となる。
【0053】
なお、補強部材としては、金属、特に鉄、ステンレス、アルミ、チタン等が好適であり、ゼンマイ等のバネ材や、座金等を空間内に保持出来るものなら何でも使用しても良い。また、補強部材として樹脂を使用することもできる。この場合は、樹脂をリング状にしてもよいし、上蓋断面全体または一部に樹脂板を使用することもできる。補強部材の形状は特に限定はしない。
【0054】
第三の実施の形態
次に本発明の第三の実施の形態に係るウェーハ用フレーム10について説明する。
【0055】
本発明の第三の実施の形態に係るウェーハ用フレーム10を図10に示す。図10(a)はウェーハ用フレーム10の上面側を示す平面図である。図10(b)はB−B断面図である。上蓋21は天井21bと側壁21aとが平板から一体成形されるが、本実施の形態では、上蓋天井部21bに下蓋底部22bに接する窪み21dを任意の間隔で複数個設置した。窪み21dの幅、長さは任意であるが深さは下蓋底部22bに接するようにし、フレームの周長に非連続した配置とする。本窪みも上蓋と一体成形するのが好ましい。
【0056】
断面形状は第二の実施例と同様に、上蓋21のフレーム断面(B−B断面)は略コの字型となっている。下蓋22も底部22bと側壁22aとが上蓋21と同様に平板から一体成形されており、下蓋22のフレーム断面(B−B断面)も略コの字型となっている。
【0057】
このようにすることによって、図9に示した補強部材23に代えてウェーハ用フレーム10の剛性を上げることができる。ウェーハ用フレーム10の捩れ等を考慮すると窪み21dは上蓋天井部21bの全体に複数個を均等に、非連続配置(図10では対角に配置)とするのが好ましい。窪み21dは図10(b)では鋭角に描いたが壁面は傾斜を持たせても良いし、角部も鈍角としたり、丸みをもたせても良い。また幅、長さもウェーハ用フレーム10の大きさ、必要な剛性や捩れ、反り特性を勘案して適宜決定すれば良い。
【0058】
またフレーム内部には空間3cが成形されているのでフレームの軽量化が図れる。さらに上蓋21が下蓋22の内側に嵌合するようにしたので、下蓋22の底部22bには上蓋21の側壁21aの端部が現れないので底部22bは平滑な面となり、図20、21に示すようにダイシングフィルム31をウェーハ用フレーム10の裏面側22bに貼付してもフィルムを傷つけることがない。
【0059】
図11は、図10と同様に下蓋22に非連続の窪み22dを複数個設けた例であり、基本的構造は図10と同じである。
【0060】
図12は上蓋、下蓋共に窪み21d、22dを有し、各窪み21d、22d同士はお互いに接触しないように複数個配置されている。本実施の形態では、上蓋、下蓋の各々に設置する窪み21d、22dの数は少なくてもウェーハ用フレーム10全体としては数を倍増できる。本ケースはウェーハ用フレーム10の幅が狭く、窪みのプレス成形時に歪みが発生し易い場合には上、下蓋当たりの窪みの数を減らせるので有効である。
【0061】
図13は、上蓋、下蓋に設置した窪み21d、22dのウェーハ用フレーム10の周長さ方向位置を同じにして、窪みの底部がお互いに接するようにしたものである。本実施の形態は、窪み21d、22dの深さを深くプレス成形できない場合に有効である。窪み21d、22d同士が接しているので剛性の向上、捩れ防止に効果的である。
【0062】
図14に示す実施の形態は、上蓋21または下蓋22の片方にウェーハ用フレーム10の周長さ方向に連続した窪み21dを配置した例である。窪みの幅は任意であり、狭幅にして幅方向に2条以上設けてもよい。窪みの底部は上蓋天井部または下蓋底部に接するのを基本とするが、捩れ等が問題無い場合は接しないで浮いた状態でもよい。
【0063】
図15に示す実施の形態は、上蓋21および下蓋22の両方にウェーハ用フレーム10の周長さ方向に連続した窪み21d、22dを配置した例である。窪みの底部同士は互いに接している。このように構成することで剛性がより向上し、捩れ防止にも有効である。本ケースもフレームの幅が許せば2条以上設置しても良い。
【0064】
図16は、ウェーハ用フレーム10の剛性をさらに向上するために図6のケースと同様に図7〜15に図示したウェーハ用フレーム10の内部の空間3cに中空金属体4を充填した例である。図16(a)は、本発明のウェーハ用フレーム10の部分破断平面図であり、図16(b)は図16(a)のB−B断面図である。中空金属体4を使用することによって重量の増加を抑制しつつ剛性の向上を達成できるので好適である。
【0065】
充填する中空金属体4の数量は、ウェーハ用フレーム10内部の空間の寸法や中空金属体4の大きさ等に応じて適宜設定することができる。そのため中空金属体4の材質、形状については、第一の実施の形態の図6の説明で述べたことと基本的に変わるところはない。
【0066】
なお、本実施例では、中空金属体について述べたが、ウェーハ用フレーム10の内部の空間3cの充填材として樹脂材料を用いることができる。樹脂材料としては、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコン系樹脂、ポリカーボネード樹脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、PBT樹脂(ポリブチレンテレフタレート樹脂)、PPS樹脂(ポリフェニレンサルファイド樹脂)およびABS樹脂等が充填材として好適である。更には、上記した樹脂材料をガラス繊維で強化した樹脂材料(以下、GFRPと呼ぶ)とすることができる。その場合は、アウトガスの発生が無く、しかも線膨張係数が低いポリカーボネード樹脂をマトリックスとし、ガラス繊維を体積分率で10〜20%含有することが好適である。なお、ガラス繊維は断面が丸型形状や扁平形状の単独または複合添加がより好適である。
【0067】
ウェーハ用フレームの製造方法
プレス加工による上蓋、下蓋一体成形する場合(図7または図10)に示す上蓋21と下蓋22)は、金属平板(例えばステンレス薄鋼板)をプレス打抜き加工により上蓋原板または下板原板を作成する。次いで、打抜かれた上蓋原板または下板原板を型絞りプレスにて側壁21a、22aを成形していく。さらにフレームの全体形状を整えるためのプレス成形工程を経るのが好ましい。また、図10に示す窪み21dは、型絞りプレス工程で側壁成形後に窪み部を絞りプレスするか、側壁成形と同時に絞りプレスにて窪み部を成形する。
【0068】
第四の実施の形態
以上、ウェーハ用フレームを金属平板から製造する場合について述べたが、本実施の形態では、薄肉鋼管を使ってウェーハ用フレームを成形する工程について述べる。
【0069】
薄肉鋼管からウェーハ用フレームを具体的に成形する工程を図17により説明する。
図17(a)工程では薄肉鋼管を管軸方向に曲げて略円形の円筒体を作成する。(b)工程では円筒体の両端面を溶接にて接合してリング状とする。(c)工程では、ウェーハ用フレームの位置決め用ノッチをプレスにて成形する。(d)工程では、円筒体をプレス成形して箱型フレーム形状とする。なお、剛性を上げるために薄肉鋼管に中空金属体および/または樹脂材料を充填することもでき、その場合は、(a)工程の円筒体成形前に薄肉鋼管に中空金属体や樹脂材料を充填しておくのが良い。
【0070】
評価試験について
重量比測定
ウェーハ用フレーム10の重量を測定し、従来材ウェーハ用フレーム10の質量を100とした場合の比を質量比と表した。
評価結果は、質量比50未満を◎、質量比50以上70未満を○、質量比70以上を×と表記した。
【0071】
荷重変形試験
ウェーハ用フレーム10の一端に特定荷重を一定時間加えた後に荷重を除荷してフレームに生じた反り量を評価する試験である。試験方法を図23に図示する。
図23(a)はウェーハ用フレーム10の固定方法、荷重方法を説明する模式図である。図23(b)はウェーハ用フレーム10の固定位置を説明する平面図である。
【0072】
ウェーハ用フレーム10の一端から全幅の3/4の位置または1/4の位置を治具により固定し、固定部と相対する自由端部に3/4の位置を固定する場合は30N、1/4の位置を固定する場合は10Nの力をそれぞれ60秒間加えた後に力を解放し、ウェーハ用フレーム10を定盤上に置いて変形反り量を高さゲージにて測定した。
試験結果は、変形反り量0.3mm未満を◎、変形反り量0.3mm以上0.5mm未満を○、変形反り量0.5mm以上を×と表記した。
【0073】
平坦度試験
ウェーハ用フレーム10を定盤上に置き、高さゲージによりフレーム上の最高点と最低点を測定し、この差を平坦度とした。
試験結果は、平坦度0.3mm未満を◎、平坦度0.3mm以上0.4mm未満を○、平坦度0.4mm以上を×と表記した。
【実施例1】
【0074】
以下具体的実施例について説明する。
試験No.1〜7は請求項1〜3に対応する実施例であり、図1に示す形状の上板1、下板2を0.20mm厚のステンレス鋼板から作成し、型枠3は図2に示す形状(表1コア材:型枠A)または、図3に示す形状(表1コア材:型枠B)を1.0mm厚のステンレス鋼板から作成し、上板1、下板2と型枠3を組み合わせてフレーム寸法外径400mm、内径350mm、厚さ1.5mmのウェーハ用フレーム(全厚1.5mm)を作成した。上板1と型枠3の接合、下板2と型枠3の接合はアウトガスが発生しない耐熱仕様の接着剤、ロウ付け及びレーザ溶接により接合した。
【0075】
試験No.8〜21は請求項4〜6に対応する実施例であり、上蓋、下蓋の素材は0.20mm厚のステンレス鋼板を使用して、プレス絞り加工により天井部21bと側壁21aを、底部22bと側壁22aを一体成形した。側壁の高さは、上蓋は1.3mm高さに、下蓋は1.5mm高さとして、フレーム寸法外径400mm、内径350mm、厚さ1.5mmのウェーハ用フレーム(全厚1.5mm)を作成した。なお、試験No.13〜16の図9(c)に図示する補強部材23(表1のコア材:型枠C)は、板厚1.0mmの鋼板から中心径φ370mmで幅3mmのリングを打抜いたもので、フレームの内部に接着剤またはロウ付けにより接合した。
【0076】
また、試験No.17〜21の図8に図示するカッタを収容する溝を有する梁22cは、プレス絞り加工前にプレス加工により下蓋のフレームに設けた。
【0077】
試験No.22〜33は請求項7〜15に対応する実施例であり、上蓋、下蓋の素材は0.20mm厚のステンレス鋼板を使用して、プレス絞り加工により上蓋側壁21a、上蓋天井21bと上蓋窪み21dを、下蓋側壁22a、下蓋底部22bと下蓋窪み22dを一体成形した。側壁の高さは、上蓋は1.3mm高さに、下蓋は1.5mm高さとして、フレーム寸法外径400mm、内径350mm、厚さ1.5mmのウェーハ用フレーム(全厚1.5mm)を作成した。上蓋と下蓋、中空鉄球は、接着剤により接合した。
【0078】
試験No.34〜35は請求項16〜17に対応する実施例であり、薄肉鋼管41を管軸方向に略円形に成形して、管端面同士をレーザ溶接して円筒体を成形し、円筒体を扁平プレス成形して1.5mm高さのウェーハ用フレーム(全厚1.5mm)を作成した。
【0079】
試験No.36は従来例でありフレーム素材は1.5mm厚のステンレス鋼板を使用してフレーム寸法外径400mm、内径350mm、厚さ1.5mmのウェーハ用フレームを作成した。
【0080】
以上、各試験材の構造と重量測定結果、平坦度試験結果および荷重変形試験結果をまとめて表1および表2に示す。
【0081】
【表1】

【0082】
【表2】

【0083】
上述したが、あらためて述べると、表1および表2に示す「コア材」(上板、下板ないし上蓋、下蓋の間に積層、固着または充填される材料)欄のうち、型枠Aは図2に図示する型枠3を、型枠Bは図3に図示する型枠3を、型枠Cは図9(c)に図示するリング状補強部材23をそれぞれ意味する。
【0084】
作成したウェーハ用フレームの基本構造は表1の「フレーム構造の図番号対応」欄に記載されているが、試験No.1〜7は上、下板に型枠を積層した構造であり、このうち図4に図示する構造は試験No.1、2、7で、図5に図示する構造は試験No.3〜6で試験した。なお試験No.4と6では、図5に図示する構造にさらに中空鉄球4を充填した構造と、同じく試験No.2では図4に図示する構造にさらに中空鉄球4が充填された構造となっている(図6)。
【0085】
上蓋、下蓋と側壁部を一体成形した実施例は試験No.8〜21である。このうち、試験No.8〜12は梁を有しない図7に図示する構造であり、No.11、12はさらに中空鉄球を充填した構造となっている(図16)。また、試験No.13〜16は図9に図示する構造であり、図7に図示する構造にウェーハ用フレーム10の補強部材23を設けた構造となっている。試験No.17〜21は図8に図示する構造であり、下蓋のフレームには粘着フィルム31を切断するカッタを収容する溝を有する梁22cが設けられている。なお試験No.18と20では、図8に図示する構造にさらに中空鉄球4を充填した構造となっている。
【0086】
上蓋、下蓋、側壁部および窪みを一体成形した実施例は試験No.22〜33である。試験No.22〜23は図10に示す構造であり、上蓋21に下蓋22の底部22bに接する窪み21dがフレームの周長さ方向に設けられている。No.24〜25は図11に示す構造であり、下蓋22に上蓋の天井21bに接する窪み22dがフレームの周長さ方向に設けられている。No.26〜27は図12に示す構造であり、上蓋21および下蓋22に、窪み21dおよび22dがフレームの周長さ方向に、相互に異なる箇所に上蓋21の天井21b又は下蓋22の底部22bに接するように設けられている。No.28〜29は図13に示す構造であり、上蓋21および下蓋22に窪み21dおよび22dがフレームの周長さ方向の同一箇所に窪み同士が接触するように設けられている。No.30〜31は図14に示す構造であり、上蓋21のフレームの周長さ方向に連続した窪み21dが1条設けられている。No.32〜33は図15に示す構造であり、上蓋21および下蓋22にそれぞれフレームの周長さ方向に連続した窪み21dおよび22dが相互に接触するように各1条設けられている。
【0087】
No.34〜35は図17に示す構造であり、薄肉鋼管41を管軸方向に略円形に成形して、管端面同士をレーザ溶接42して円筒体を成形し、更に、その円筒体を扁平プレス成形したものである。
【0088】
試験No.1〜35は本願発明の構造を有しているので、従来例のウェーハ用フレームの質量を100とした場合に質量比で30〜62の値を示すウェーハ用フレームが得られた。また、このように軽量化したにもかかわらず、平坦度試験、荷重変形試験の値は従来例のウェーハ用フレームと何ら遜色のない値が得られた。
【0089】
図24に表1および表2に示す試験結果を反り量評価と軽量化率(=100−質量比)との関係で図式化したものを示す。側壁部一体成形、側壁部嵌入溝一体成形および側壁部窪み一体成形のコア材を有するフレーム構造にすると、従来例のウェーハ用フレームと反り量の変化は少ないが、軽量化率が48%〜62%に達することが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は軽量で耐熱性に優れたフレームが得られるので、フレーム構造を有する部材の軽量化に適用することができる。
【符号の説明】
【0091】
1 上板
1a 天井部
2 下板
2a 底部
3 型枠
3a 側壁
3b 梁
3c 空間
4 中空金属体
9 収納容器
10 フレーム
21 上蓋
21a上蓋側壁
21b上蓋天井
21d上蓋窪み
22 下板
22a下蓋側壁
22b下蓋底部
22cカッタを収容する溝を有する梁
22d下蓋窪み
23 補強部材
26 位置決め用ノッチ
30 ダイヤモンドブレード
31 ダイシングフィルム
41 鋼管
42 溶接部
43 ろう付け部
D ダイ
W 半導体フェーハ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井部と底部と側壁とが金属材料から成り、かつ内部に空間を有することを特徴とするウェーハ用フレーム。
【請求項2】
前記天井部を形成する平坦な上板と、前記底部を形成する平坦な下板との間に、前記側壁を形成する型枠を積層することによって空間を設けることを特徴とする請求項1に記載のウェーハ用フレーム。
【請求項3】
前記型枠に梁を設けることを特徴とする請求項2に記載のウェーハ用フレーム。
【請求項4】
前記天井部と前記側壁とを断面形状がコの字形状に一体成形する上蓋と、前記底部と前記側壁とを断面形状がコの字形状に一体成形する下蓋とを嵌合することによって空間を設けることを特徴とする請求項1に記載のウェーハ用フレーム。
【請求項5】
前記下蓋底部に粘着フィルム切断用カッタを収容する溝を有する梁を下蓋と一体成形して設けたことを特徴とする請求項4に記載のウェーハ用フレーム。
【請求項6】
前記上蓋と、前記下蓋との間に補強部材を固着することを特徴とする請求項4に記載のウェーハ用フレーム。
【請求項7】
前記上蓋の天井部に下蓋の底部に接する窪みを周方向に任意の間隔で1個以上、または前記下蓋の底部に上蓋の天井部に接する窪みを周方向に任意の間隔で1個以上設けることを特徴とする請求項4に記載のウェーハ用フレーム。
【請求項8】
前記上蓋の天井部に下蓋の底部に接する窪みを周方向に任意の間隔で1個以上、および前記下蓋の底部に上蓋の天井部に接する窪みを周方向に任意の間隔で1個以上設け、前記窪み同士が接触しないようにしたことを特徴とする請求項4に記載のウェーハ用フレーム。
【請求項9】
前記上蓋の天井部に下蓋の底部に接する窪みを周方向に任意の間隔で1個以上、および前記下蓋の底部に上蓋の天井部に接する窪みを周方向に任意の間隔で1個以上設け、前記窪みの底部同士が接するようにしたことを特徴とする請求項4に記載のウェーハ用フレーム。
【請求項10】
前記上蓋の天井部に下蓋の底部に接する連続した窪みを全周に1条以上設け、または前記下蓋の底部に上蓋の天井部に接する連続した窪みを全周に1条以上設けたことを特徴とする請求項4に記載のウェーハ用フレーム。
【請求項11】
前記上蓋の天井部に下蓋の底部に接する連続した窪みを全周に1条以上設け、および前記下蓋の底部に上蓋の天井部に接する連続した窪みを全周に1条以上設け、前記連続した窪みの底部同士が接するようにしたことを特徴とする請求項4に記載のウェーハ用フレーム。
【請求項12】
前記空間に中空金属体および/または樹脂材料を充填することを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のウェーハ用フレーム。
【請求項13】
前記中空金属体として、中空鉄球を押圧して変形させた中空金属体を使用することを特徴とする請求項12に記載のウェーハ用フレーム。
【請求項14】
上蓋、下蓋用部材を金属平板からプレス打抜きするプレス打抜き加工工程と前記部材から側壁を成形するプレス絞り加工工程とによって製造することを特徴とする請求項4に記載のウェーハ用フレームの製造方法。
【請求項15】
さらに、プレス絞り加工工程に続いて、フレームの全体形状を成形するプレス成形工程を設けることを特徴とする請求項14に記載のウェーハ用フレームの製造方法。
【請求項16】
薄肉鋼管を管軸方向に略円形に成形して、管端面同士を溶接して円筒体を成形する工程と、前記円筒体にウェーハ用フレームの位置決め用ノッチを成形する工程と、前記円筒体を扁平プレス成形する工程とから成ることを特徴とするウェーハ用フレームの製造方法。
【請求項17】
前記円筒体を成形する工程の前に、前記薄肉鋼管に中空金属体および/または樹脂材料を充填する工程を設けることを特徴とする請求項16に記載のウェーハ用フレームの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2010−245493(P2010−245493A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−140093(P2009−140093)
【出願日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【出願人】(591006298)JFEテクノリサーチ株式会社 (52)
【Fターム(参考)】