説明

ウエアインジケータおよび摩擦パッド

【課題】ディスクブレーキの摩擦パッドの摩耗検知性を向上させたウエアインジケータおよび摩擦パッドを提供することを目的としている。
【解決手段】本発明のウエアインジケータ10は、ディスクロータと接触し摩擦パッドの摩耗限界を検知可能な検知部12と、前記検知部12を前記摩擦パッド30の摩耗面から前記ディスクロータ側へ突出するように付勢するバネ部16と、前記検知部12が前記ディスクロータ側へ突出しようとする付勢を前記摩擦パッド30の摩耗限界まで抑制するストッパ14と、を備え、前記摩擦パッド30が摩耗限界に達した際に、前記ストッパ14の抑制が解除されて前記検知部12が前記摩擦パッド30の摩耗面よりも前記ディスクロータ側に即座に突出して、前記ディスクロータに押圧させることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にディスクブレーキにおける摩擦パッドの摩耗限界を検知することができる可聴式のウエアインジケータおよび摩擦パッドに関する。
【背景技術】
【0002】
図14はウエアインジケータを備えたディスクブレーキの縦断面図である。自動車用のディスクブレーキ100は、図示のようにディスクロータ102の一側で車体に固設されるキャリパ支持体104にディスクロータ102を跨いだキャリパボディ106をディスク軸方向へ移動可能に支持し、キャリパボディ106の一側に形成したシリンダ108内にピストン110が摺動自在に嵌合した構造であり、制動時にブレーキ油圧の適用により、ピストン110が一方の摩擦パッド112を矢印A方向に押圧し、その反力でキャリパボディ106を介して他方の摩擦パッド114を矢印B方向から押圧して、回転しているディスクロータ102を両側から把持するように押圧して制動を掛けるように構成したものである。
【0003】
このような構成のディスクブレーキ100は、制動の繰り替えしによってディスクロータ102に直に接触する摩擦パッド112,114のライニング116が次第に摩耗する。摩擦パッド112,114が摩耗しきるとディスクロータ102がプレッシャプレート113と直接当接してしまい、制動力が低下してしまう。又、ロータ表面を傷つける恐れがある。従って摩擦パッド112,114が所定の摩耗限界(一例としてライニングが摩耗しきる1〜3mm手前となる位置)に達した時にディスクロータ102と当接して警告音を発生するウエアインジケータ118(可聴式摩耗警報装置)が摩擦パッド112に取り付けられている。
【0004】
図15は従来のウエアインジケータの説明図である。同図(A)はウエアインジケータの斜視図を示し、(B)は取付状態の断面図を示している。図示にように従来のウエアインジケータ118は、摩擦パッド112のプレッシャプレート113のプレート面に取り付ける取付部120と、取付部120からディスクロータ102の軸方向に折り曲げてディスクロータ102から離間するように立ち上げたループ状の共鳴部122と、共鳴部122からディスクロータ側へ折り返しディスクロータ102と対向する検知部124とから構成されている(例えば特許文献1〜3に示す)。このようなウエアインジケータ118は、摩擦パッド112が摩耗し、検知部124がディスクロータ102に当接して発生する異音を検知部124から共鳴部122に掛けて共鳴させて警告音としている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開昭61−81028号公報
【特許文献2】特開昭59−80538号公報
【特許文献3】特開2000−179596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら摩擦パッドの摩耗の進行速度は遅く、摩耗限界の初期段階ではウエアインジケータによる音圧が小さい。従来のウエアインジケータによる音圧は摩耗がある程度進行してから次第に大きくなるため、運転手の耳が慣れてしまい摩耗限界の発見が遅れてしまうという問題があった。
【0007】
そこで上記従来技術の問題点を解決するため、本発明は、ディスクブレーキの摩擦パッドの摩耗検知性を向上させたウエアインジケータおよび摩擦パッドを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のウエアインジケータは、ディスクロータと接触し摩擦パッドの摩耗限界を検知可能な検知部と、前記検知部を前記摩擦パッドの摩耗面から前記ディスクロータ側へ突出するように付勢するバネ部と、前記検知部が前記ディスクロータ側へ突出しようとする付勢を前記摩擦パッドの摩耗限界まで抑制するストッパと、を備え、前記摩擦パッドが摩耗限界に達した際に、前記ストッパの抑制が解除されて前記検知部が前記摩擦パッドの摩耗面よりも前記ディスクロータ側に即座に突出して、前記ディスクロータに押圧させることを特徴としている。
【0009】
この場合において、前記ストッパは、前記摩擦パッドが摩耗限界に達した際に前記ディスクロータと接触して形状変化し前記検知部の抑制を解除するとよい。
この場合において、前記ストッパは、前記摩擦パッドが摩耗限界に達した際に前記検知部の先端が前記ディスクロータと接触して前記検知部の抑制を解除するとよい。
この場合において、前記検知部と前記ストッパは板状部材を折り曲げ加工し一体的に形成しているとよい。
【0010】
本発明の摩擦パッドは、ディスクロータと接触するライニングと、前記ライニングを支持するプレッシャプレート、を備え、前記プレッシャプレートには、上記の何れかに記載のウエアインジケータを形成したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
上記構成の本発明のウエアインジケータおよび摩擦パッドによれば、摩擦パッドが摩耗限界に達した時に検知部に対するストッパの抑制が解除されて検知部が摩耗面からディスクロータ側へ突出するので警告音の発生は、ストッパの抑制が解除されるまでは発音せず、解除と同時にいきなり強く発生するため摩擦パッドの摩耗限界を容易に検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本実施形態のウエアインジケータの構成概略を示す図である。
【図2】本実施形態のウエアインジケータが取り付けられた摩擦パッドの構成概略を示す図である。
【図3】本実施形態のウエアインジケータの動作説明図である。
【図4】変形例1のウエアインジケータの構成概略を示す図である。
【図5】変形例1のウエアインジケータの動作説明図である。
【図6】変形例2のウエアインジケータの構成概略を示す図である。
【図7】変形例2のウエアインジケータの動作説明図である。
【図8】変形例3のウエアインジケータの構成概略を示す図である。
【図9】変形例3のウエアインジケータの動作説明図である。
【図10】変形例4のウエアインジケータの構成概略を示す図である。
【図11】変形例4のウエアインジケータの動作説明図である。
【図12】変形例5のウエアインジケータの構成概略を示す図である。
【図13】変形例5のウエアインジケータの動作説明図である。
【図14】ウエアインジケータを備えたディスクブレーキの縦断面図である。
【図15】従来のウエアインジケータの説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明のウエアインジケータおよび摩擦パッドの実施形態を添付の図面を参照しながら以下詳細に説明する。図1は本実施形態のウエアインジケータの構成概略を示す図であり、同図(A)は摩擦パッド(不図示)に取付状態のウエアインジケータの斜視図を示し、(B)は摩擦パッドに取付前の側面図を示し、(C)は摩擦パッドに取り付けた状態の側面図を示している。図2は本実施形態のウエアインジケータが取り付けられた摩擦パッドの構成概略図である。
【0014】
図2に示すように本実施形態の摩擦パッド30は、ライニング32とプレッシャプレート34を主な基本構成としている。ライニング32はモールド成形によりプレッシャプレート34と一体化されている。一対の摩擦パッド30の何れか一方の摩擦パッド30に本実施形態のウエアインジケータ10が取り付けられている。
【0015】
プレッシャプレート34はその両側面側にキャリパ支持体に摺動可能な一対のトルク受け部36が形成されており、ウエアインジケータ10はトルク受け部36の上方に取り付けてあるが、この取り付け箇所はこの位置に限定されるものではなく、ライニング32が所定限界量まで摩耗したときに、検知部12がディスクロータの側面と摺接できる位置であれば良い。
【0016】
本発明のウエアインジケータ10は、ディスクロータと接触し摩擦パッド30の摩耗限界を検知可能な検知部12と、検知部12を摩擦パッド30の摩耗面からディスクロータ側へ突出するように付勢するバネ部と、検知部12がディスクロータ側へ突出しようとする付勢を摩擦パッド30の摩耗限界まで抑制するストッパ14と、を備え、ストッパ14が摩擦パッド30の摩耗限界で形状変化した際に、ストッパ14の抑制が解除されて検知部12が摩擦パッド30の摩耗面よりも前記ディスクロータ側に即座に強く突出して、ディスクロータに接触させるように構成している。
【0017】
図1に示すように具体的なウエアインジケータ10の構造は、検知部12と、取付部20と、バネ部と、ストッパ14とを主な基本構成としている。
本実施形態のウエアインジケータ10は、板状部材となる板バネ状金属材を折り曲げ加工して検知部12と、ストッパ14と、バネ部と、取付部20とを一体的に形成している。これにより簡易な構成とすることができる。
【0018】
検知部12は、板状部材の一方の端部を直線状に形成したものである。検知部12は摩擦パッド30のライニング32の摩耗限界の際に、ディスクロータと即座に強く接触して発音するものである。
【0019】
ストッパ14は、板状部材の他方の端部をフック(鉤)状に折り曲げて形成されたものである。このような構成によりストッパ14は、フックの内側に検知部12の先端12aを固定することができる。
【0020】
バネ部は検知部12とストッパ14の間の板状部材を折り曲げた複数の湾曲形状とし、検知部12を摩擦パッド30の摩耗面からディスクロータ側へ突出するように付勢するものである。具体的に図1に示すバネ部は、ストッパ14側から検知部12側に向かって形成した第1〜第4のバネ部16a、16b、16c、16dから構成されている。また第4のバネ部16dは検知部12の先端12aと反対側を鈍角に折り曲げてバネ状に伸縮運動するものである。さらに第3のバネ部16cは、第4のバネ部16dの立ち上がりの先端部分をループ状に折り曲げ形成したものである。このような構成により第3のバネ部16cは、ライニング32の摩耗限界量を検知する摩耗警告音が検知部12から発生したときに、振動音を共鳴させて警告音を大きくする共鳴部として作用させることができる。このような構成のバネ部は、図1(B)に示すようにウエアインジケータ10の単品状態ではストッパ14から検知部12の先端が離間するように付勢している。
【0021】
取付部20は第1のバネ部16aとストッパ14の間に形成している。ここで本実施形態のウエアインジケータ10はプレッシャプレート34に取り付ける際に差し込んで嵌合させるようにしている。そのため取付部20は、ウエアインジケータ10を取り付ける箇所のプレッシャプレート34の外周に沿って略U字状に折り曲げ加工して形成したものである。
【0022】
上記構成による本実施形態のウエアインジケータ10と摩擦パッド30の取付は次のように行う。まず、図1(B)に示すようにウエアインジケータ10の単品状態では、ストッパ14から検知部12の先端が離間し、開放されている状態であるため、検知部12を押圧して先端12aをストッパ14の内側に嵌め込ませる。次にウエアインジケータ10の取付部20をプレッシャプレート34の取り付け箇所に差し込み嵌め込んで係止させる。なお取付部20をプレッシャプレート34に嵌め込ませた後に、図1(C)に示すように矢印Aのように第4のバネ部16dを押圧して、検知部12の先端12aを矢印Bに示すようにストッパ14の内側に嵌め込んで係止させるようにしても良い。このような構成によりウエアインジケータ10が衝撃を受けてもウエアインジケータ10がプレッシャプレート34から容易に脱落するおそれがない。
【0023】
ウエアインジケータ10をプレッシャプレート34に取り付けた状態では、直線状の検知部12がディスクロータの回転面と平行に配置され、ストッパ14の外側部分がライニング32の摩耗限界位置(一例としてライニングが摩耗しきる1〜3mm手前となる位置、以下同様)を通る直線Lと一致するように設置している。このとき検知部12は、バネ部によって摩擦パッド30の摩耗面からディスクロータ側へ突出しようとするように付勢されているが、ストッパ14によってその付勢が抑制された状態である。
【0024】
次にウエアインジケータ10の作用について以下説明する。図3は本実施形態のウエアインジケータの動作説明図である。前述のようにウエアインジケータ10がプレッシャプレート34に取り付けられた状態で、検知部12は、バネ部によって摩擦パッド30の摩耗面からディスクロータ側へ突出しようとするように付勢されているが、ストッパ14によってその付勢が抑制された状態である。図示のように摩擦パッド30のライニング32が所定の摩耗限界量まで摩耗すると、摩耗限界位置を通る直線Lと一致するように配置したストッパ14の先端がディスクロータと摺接する(擦れる)ことによって摩滅、破損、破壊などの形状変化が起こる。これによりストッパ14の抑制が解除されて、検知部12が摩耗面、すなわち摩耗限界位置から即座突出して、ディスクロータと強く接触する。そして検知部12とディスクロータの接触による発音は、第3のバネ部16cの共鳴によって拡声される。
【0025】
このような本実施形態のウエアインジケータ10によれば、摩擦パッドが摩耗限界に達した時に検知部に対するストッパ14の抑制が解除されて検知部が摩耗面からディスクロータ側へ強く突出するため、ピストンにより摩擦パッドがディスクロータに押し付けられていない空転時であっても、ウエアインジケータがディスクロータと接触する構造により警告音の発生が安定化する。またピストンにより摩擦パッドがディスクロータに押し付けられている制動時においても、ピストンの加圧力によらず、バネ部による検知部の付勢が安定しているため、警告音の発生が安定化する。また警告音の発生は、ストッパ14の抑制が解除されるまでは、発音せず、解除と同時にいきなり強く発生するため摩擦パッドの摩耗限界を容易に検知することができる。
【0026】
次に変形例1のウエアインジケータ10Aについて以下説明する。図4は変形例1のウエアインジケータの構成概略を示す図である。図5は変形例1のウエアインジケータの動作説明図である。
【0027】
変形例1のウエアインジケータ10Aは、図1に示すウエアインジケータ10と同様に板状部材となる板バネ状金属材を折り曲げ加工して検知部12Aと、ストッパ14Aと、バネ部と、取付部20Aとを一体的に形成している。
検知部12Aは、先端12aがディスクロータの回転面に対して交差するように板状部材の一方の端部を直線状に形成したものである。
【0028】
ストッパ14Aは、板状部材の他方の端部をフック(鉤)状に折り曲げて、検知部12Aと交差する方向、すなわちディスクロータの回転面に沿って直線状に形成されたものである。ストッパ14Aは切り欠き部22と凸部24を形成している。切り欠き部22はストッパ14Aの幅長が短くなるように両側面に一対形成されている。凸部24は板上部材の一部をディスクロータ側に凸状に形成されている。このような構成によりストッパ14Aは、先端部分で検知部12Aの先端12aと当接し、検知部12Aの先端がディスクロータ側へ突出しようとする力を抑制することができる。
【0029】
バネ部は検知部12Aとストッパ14Aの間の板状部材を折り曲げて複数の湾曲形状とし、検知部12Aを摩擦パッドの摩耗面からディスクロータ側へ突出するように付勢するものである。具体的に図4に示すバネ部は、ストッパ14A側から検知部12A側に向かって形成した第1〜第3のバネ部16a、16b、16cから構成されている。このうち第2のバネ部16bは鈍角に折り曲げてバネ状に伸縮運動するものである。また第3のバネ部16cは、検知部12Aの先端12aと反対側の立ち上がりの先端部分をループ状に折り曲げ形成したものである。これにより第3のバネ部16cは、ライニング32の摩耗限界量を検知する摩耗警告音が検知部12Aから発生したときに、振動音を共鳴させて警告音を大きくすることができる。
【0030】
取付部20Aは第1のバネ部16aとストッパ14Aの間に形成している。ここで本実施形態のウエアインジケータ10Aはプレッシャプレート34に取り付ける際に差し込んで嵌合させるようにしている。そのため取付部20は、ウエアインジケータ10を取り付ける箇所のプレッシャプレート34の外周に沿って略U字状に折り曲げ加工して形成したものである。
【0031】
上記構成による変形例1のウエアインジケータ10Aは、図1に示すウエアインジケータ10と同様な方法で取り付けることができる。まず検知部12Aの先端12aをストッパ14Aの先端上に当接させる。そして取付部20Aをプレッシャプレート34に取り付け箇所に差し込み嵌め込んで係止させる。図5に示すようにウエアインジケータ10Aをプレッシャプレート34に取り付けた状態では、直線状の検知部12Aがディスクロータの回転面と直交するように配置され、ストッパ14Aの外側部分がライニング32の摩耗限界位置を通る直線Lと一致するように設置している。このとき検知部12Aは、バネ部によって摩擦パッド30の摩耗面からディスクロータ側へ突出しようとするように付勢されているが、ストッパ14Aによってその付勢が抑制された状態である。
【0032】
次にウエアインジケータ10Aの作用について以下説明する。図5に示すように摩擦パッド30のライニング32が所定の摩耗限界量まで摩耗すると、摩耗限界位置を通る直線Lと一致するように配置したストッパ14Aの凸部24がディスクロータと摺接する(擦れる)ことによって摩滅、又は切り欠き部22から先端部分が破損、破壊などの形状変化が起こる。これによりストッパ14Aの抑制が解除されて、検知部12Aが摩耗面、すなわち摩耗限界位置から即座突出して、ディスクロータと強く接触する。そして検知部12Aとディスクロータの接触による発音は、第3のバネ部16cの共鳴によって拡声される。
【0033】
このような本実施形態のウエアインジケータ10Aによれば、図1に示すウエアインジケータ10と同様に警告音の発生がストッパ14Aの抑制が解除されるまで発音せず、解除と同時にいきなり強く発生するため摩擦パッドの摩耗限界を容易に検知することができる。またストッパ14Aの切り欠き部22、凸部24の構成によりライニングの摩耗限界に達した際にストッパ14Aの解除を容易に行える。なおストッパ14Aの凸部は、ディスクロータとの接触(摺接)を1箇所にして、安定・集中的に摩滅させることができれば、その他の形状を適用することもできる。また切り欠き部22は破損し易い形状であれば、この他にもストッパ14Aの板厚を薄肉に形成してもよい。凸部24で摩滅できる構造であれば、切り欠き部22は設けない構成としても良い。
【0034】
次に変形例2のウエアインジケータ10Bについて以下説明する。図6は変形例2のウエアインジケータの構成概略を示す図であり、同図(A)は摩擦パッド(不図示)に取付状態のウエアインジケータの斜視図を示し、(B)は摩擦パッドに取付前の側面図を示し、(C)は摩擦パッドに取り付けた状態の側面図を示している。
【0035】
変形例2のウエアインジケータ10Bは、図1に示すウエアインジケータ10と同様に板状部材となる板バネ状金属材を折り曲げ加工して検知部12Bと、ストッパ14Bと、バネ部と、取付部20Bとを一体的に形成している。
【0036】
検知部12Bは、先端12aがディスクロータの回転面に対して交差するように板状部材の一方の端部を直線状に形成したものである。
板状部材の他方の端部は、長手方向に切り込みを入れて(図6に示すウエアインジケータ10Bでは2本)、互いに反対方向に折り曲げてストッパ14Bと取付部20Bを形成している。
【0037】
ストッパ14Bは、板状部材の他方の端部をフック(鉤)状に折り曲げて形成されたものである。このような構成によりストッパ14Bは、フックの内側に検知部12Bの先端12aを固定することができる。
【0038】
取付部20Bはウエアインジケータ10を取り付ける箇所のプレッシャプレート34の外周に沿って略U字状に折り曲げ加工して形成したものである。本実施形態のウエアインジケータ10Bはプレッシャプレート34に取り付ける際に差し込んで嵌合させるようにしている。
【0039】
バネ部は検知部12Bと取付部20Bの間の板状部材を折り曲げて複数の湾曲形状とし、検知部12Bを摩擦パッドの摩耗面からディスクロータ側へ突出するように付勢するものである。具体的に図6に示すバネ部は、取付部20B側から検知部12B側に向かって形成した第1〜第3のバネ部16a、16b、16cから構成されている。このうち第2のバネ部16bは鈍角に折り曲げてバネ状に伸縮運動するものである。また第3のバネ部16cは、検知部12Bの先端12aと反対側の立ち上がりの先端部分をループ状に折り曲げ形成したものである。これにより第3のバネ部16cは、ライニング32の摩耗限界量を検知する摩耗警告音が検知部12Bから発生したときに、振動音を共鳴させて警告音を大きくすることができる。
【0040】
上記構成による変形例2のウエアインジケータ10Bと摩擦パッド30の取付は次のように行う。まず、図6(B)に示すようにウエアインジケータ10Bの単品状態では、ストッパ14Bから検知部12Bの先端が離間し、開放されている状態であるため、検知部12Bを押圧して先端12aをストッパ14Bの内側に嵌め込ませる。次にウエアインジケータ10Bの取付部20Bをプレッシャプレート34の取り付け箇所に嵌め込んで係止させる。なお取付部20Bをプレッシャプレート34に嵌め込ませた後に、図6(C)に示すように矢印Aのように第2のバネ部16bを押圧して、検知部12Aの先端12aを矢印Bに示すようにストッパ14Bの内側に嵌め込んで係止させるようにしても良い。このような構成によりウエアインジケータ10Bが衝撃を受けてもウエアインジケータ10Bがプレッシャプレート34から容易に脱落するおそれがない。
【0041】
ウエアインジケータ10Bをプレッシャプレート34に取り付けた状態では、ストッパ14Bの外側部分がライニング32の摩耗限界位置を通る直線Lと一致するように設置している。このとき検知部12Bは、バネ部によって摩擦パッド30の摩耗面からディスクロータ側へ突出しようとするように付勢されているが、ストッパ14Bによってその付勢が抑制された状態である。
【0042】
次にウエアインジケータ10Bの作用について以下説明する。図7は本実施形態のウエアインジケータの動作説明図である。前述のようにウエアインジケータ10Bがプレッシャプレート34に取り付けられた状態で、検知部12Bは、バネ部によって摩擦パッド30の摩耗面からディスクロータ側へ突出しようとするように付勢されているが、ストッパ14Bによってその付勢が抑制された状態である。図示のように摩擦パッド30のライニング32が所定の摩耗限界量まで摩耗すると、摩耗限界位置を通る直線Lと一致するように配置したストッパ14Bの先端がディスクロータと摺接する(擦れる)ことによって摩滅、破損、破壊などの形状変化が起こる。これによりストッパ14Bの抑制が解除されて、検知部12Bが摩耗面、すなわち摩耗限界位置から突出して、ディスクロータと接触する。そして検知部12Bとディスクロータの接触による発音は、共鳴部18の共鳴によって拡声される。
【0043】
このような変形例2のウエアインジケータ10Bによれば、図1に示すウエアインジケータ10と同様に警告音の発生がストッパの抑制が解除されるまで発音せず、解除と同時に発生するため摩擦パッドの摩耗限界を容易に検知することができる。
【0044】
次に変形例3のウエアインジケータ10Cについて以下説明する。図8は変形例3のウエアインジケータの構成概略を示す図であり、同図(A)は摩擦パッド(不図示)に取付状態のウエアインジケータの斜視図を示し、(B)は摩擦パッドに取り付けた状態の側面図を示している。
【0045】
変形例3のウエアインジケータ10Cは、図1に示すウエアインジケータ10と同様に板状部材となる板バネ状金属材を折り曲げ加工して検知部12Cと、ストッパ14Cと、バネ部と、取付部20Cとを一体的に形成している。
【0046】
取付部20Cはウエアインジケータ10を取り付ける箇所のプレッシャプレート34の上面にカシメ、差込み、締結手段などにより取付け可能な取付面を板状部材の一方の端部を平面状に形成したものである。
【0047】
板状部材の他方の端部は、長手方向に切り込みを入れて(図8に示すウエアインジケータ10Cでは2本)、互いに反対方向に折り曲げてストッパ14Cと検知部12Cを形成している。
検知部12Cは、先端12aがディスクロータの回転面に対して交差するように板状部材の他方の端部の一部を直線状に形成したものである。
【0048】
ストッパ14Cは、板状部材の他方の端部の一部をフック(鉤)状に折り曲げて形成されたものである。またストッパ14Cの先端は内側、すなわち検知部12C側に折り曲げた凸状に形成している。このような構成によりストッパ14Cは、フックの内側に検知部12Cの先端12aを固定することができる。
【0049】
バネ部は検知部12Cと取付部20Cの間の板状部材を折り曲げて複数の湾曲形状とし、検知部12Cを摩擦パッドの摩耗面からディスクロータ側へ突出するように付勢するものである。具体的に図8に示すバネ部は、取付部20C側から検知部12C側に向かって形成した第1及び第2のバネ部16a、16bから構成されている。このうち第1のバネ部16aは鈍角に折り曲げてバネ状に伸縮運動するものである。また第2のバネ部16bは、検知部12Cの先端12aと反対側の立ち上がりの先端部分をループ状に折り曲げ形成したものである。これにより第2のバネ部16bは、ライニング32の摩耗限界量を検知する摩耗警告音が検知部12Cから発生したときに、振動音を共鳴させて警告音を大きくすることができる。
【0050】
上記構成による変形例3のウエアインジケータ10Cと摩擦パッド30の取付は次のように行う。まず、ウエアインジケータ10Cの単品状態では、既にストッパ14Cの上面を検知部12Cの先端12aが押し力(矢印A)で押圧し、付勢されている状態である。図8(B)に示すようにウエアインジケータ10Cの取付部20Cをプレッシャプレート34の取り付け箇所にカシメ、差込み、締結手段などにより固定させる。このような構成によりウエアインジケータ10Cが衝撃を受けてもウエアインジケータ10Cがプレッシャプレート34から容易に脱落するおそれがない。
【0051】
ウエアインジケータ10Cをプレッシャプレート34に取り付けた状態では、ストッパ14Cの外側部分がライニング32の摩耗限界位置を通る直線Lと一致するように設置している。このとき検知部12Cは、バネ部によって摩擦パッド30の摩耗面からディスクロータ側へ突出しようとするように付勢されているが、ストッパ14Cによってその付勢が抑制された状態である。
【0052】
次にウエアインジケータ10Cの作用について以下説明する。図9は本実施形態のウエアインジケータの動作説明図である。前述のようにウエアインジケータ10Cがプレッシャプレート34に取り付けられた状態で、検知部12Cは、バネ部によって摩擦パッド30の摩耗面からディスクロータ側へ突出しようとするように付勢されているが、ストッパ14Cによってその付勢が抑制された状態である。図示のように摩擦パッド30のライニング32が所定の摩耗限界量まで摩耗すると、摩耗限界位置を通る直線Lと一致するように配置したストッパ14Cの先端がディスクロータと摺接する(擦れる)ことによって摩滅、破損、破壊などの形状変化が起こる。これによりストッパ14Cの抑制が解除されて、検知部12Cが摩耗面、すなわち摩耗限界位置から突出して、ディスクロータと接触する。そして検知部12Cとディスクロータの接触による発音は、第2のバネ部16bの共鳴によって拡声される。
【0053】
このような変形例3のウエアインジケータ10Cによれば、図1に示すウエアインジケータ10と同様に警告音の発生がストッパの抑制が解除されるまで発音せず、解除と同時に発生するため摩擦パッドの摩耗限界を容易に検知することができる。
【0054】
次に変形例4のウエアインジケータ10Dについて以下説明する。図10は変形例4のウエアインジケータの構成概略を示す図であり、具体的に摩擦パッド(不図示)に取付状態のウエアインジケータ10Dの斜視図を示している。図11は変形例4のウエアインジケータの動作説明図である。
【0055】
変形例4のウエアインジケータ10Dは、図1に示すウエアインジケータ10と同様に板状部材となる板バネ状金属材を折り曲げ加工して検知部12Dと、ストッパ14Dと、バネ部と、取付部20Dとを一体的に形成している。
【0056】
取付部20Dはウエアインジケータ10を取り付ける箇所のプレッシャプレート34の上面にカシメ、締結手段などにより取付け可能な取付面を板状部材を2つ折りして平面状に形成したものである。
検知部12Dは、先端12aがディスクロータの回転面に対して交差するように板状部材の他方の端部の一部を直線状に形成したものである。
【0057】
ストッパ14Dは、板状部材の他方の端部の一部をプレッシャプレート34の側面からディスクロータの回転面と平行に延出されている。ストッパ14Dは切り欠き部22Dと凸部24Dを形成している。切り欠き部22Dはストッパ14Dの幅長が短くなるように両側面に一対形成されている。凸部24Dは板上部材の一部をディスクロータ側に凸状に形成されている。このような構成によりストッパ14Dは、先端部分で検知部12Dの先端12aと当接し、検知部12Dがディスクロータ側へ突出しようとする力を抑制することができる。
【0058】
バネ部は検知部12Dと取付部20Dの間の板状部材を折り曲げて複数の湾曲形状とし、検知部12Dを摩擦パッドの摩耗面からディスクロータ側へ突出するように付勢するものである。具体的に図10に示すバネ部は、取付部20D側から検知部12D側に向かって形成した第1及び第2のバネ部16a、16bから構成されている。このうち第1のバネ部16aは鈍角に折り曲げてバネ状に伸縮運動するものである。また第2のバネ部16bは、検知部12Dの先端12aと反対側の立ち上がりの先端部分をループ状に折り曲げ形成したものである。これにより第2のバネ部16bは、ライニング32の摩耗限界量を検知する摩耗警告音が検知部12Dから発生したときに、振動音を共鳴させて警告音を大きくすることができる。
【0059】
上記構成による変形例4のウエアインジケータ10Dと摩擦パッド30の取付は次のように行う。まず、ウエアインジケータ10Dの単品状態では、既にストッパ14Dの上面を検知部12Dの先端12aが押し力(矢印A)で押圧し、付勢されている状態である。そしてウエアインジケータ10Dの取付部20Dをプレッシャプレート34の取り付け箇所にカシメ40により固定させる。このような構成によりウエアインジケータ10Dが衝撃を受けてもウエアインジケータ10Dがプレッシャプレート34から容易に脱落するおそれがない。なお取付部20Dは板状部材を2つ折りにした上板41及び下板42のうち、カシメ位置と対向する上板41の箇所に開口を形成しカシメ40を形成する際に接触しないように構成している。また上板41及び下板42を同時にカシメるように構成することもできる。
【0060】
次にウエアインジケータ10Dの作用について以下説明する。摩擦パッド30のライニング32が所定の摩耗限界量まで摩耗すると、摩耗限界位置を通る直線Lと一致するように配置したストッパ14Dの凸部24Dがディスクロータと摺接する(擦れる)ことによって摩滅、又は切り欠き部22Dから先端部分が破損、破壊などの形状変化が起こる。これによりストッパ14Dの抑制が解除されて、検知部12Dが摩耗面、すなわち摩耗限界位置から即座突出して、ディスクロータと強く接触する。そして検知部12Dとディスクロータの接触による発音は、第2のバネ部16bの共鳴によって拡声される。
【0061】
このような変形例4のウエアインジケータ10Dによれば、図1に示すウエアインジケータ10と同様に警告音の発生がストッパ14Dの抑制が解除されるまで発音せず、解除と同時にいきなり強く発生するため摩擦パッドの摩耗限界を容易に検知することができる。また変形例3よりも簡易な構成とすることができる。
【0062】
次に変形例5のウエアインジケータについて以下説明する。図12は変形例5のウエアインジケータの構成概略を示す図であり、同図(A)は摩擦パッド(不図示)に取付状態のウエアインジケータの斜視図を示し、(B)は摩擦パッドに取付前の側面図を示し、(C)は摩擦パッドに取り付けた状態の側面図を示している。
【0063】
変形例5のウエアインジケータ10Eは、図1に示すウエアインジケータ10と同様に板状部材となる板バネ状金属材を折り曲げ加工して検知部12Eと、ストッパ14Eと、バネ部と、取付部20Eとを一体的に形成している。
【0064】
検知部12Eは、板状部材の一方の端部を直線状に形成したものである。検知部12Eは後述するストッパ14Eと仮止め固定可能な切欠き12bを先端12aの両側に形成している。
【0065】
板状部材の他方の端部は、長手方向に切り込みを入れて(図12に示すウエアインジケータ10Eでは2本)、互いに反対方向に折り曲げてストッパ14Eと取付部20Eを形成している。
【0066】
ストッパ14Eは、板状部材の他方の端部をフック(鉤)状に2段階に折り曲げた第1及び第2フック15a,15bを形成したものである。第1フック15aは、第2フック15bと取付部20Eの間に形成され、単品状態のウエアインジケータ10Eの検知部12Eと接触しないように構成されている。第2フック15bは第1フック15aよりもストッパ14Eの先端側に形成されている。第2フック15bは検知部12Eの切欠き12bと仮止め固定可能に形成されている。
【0067】
取付部20Eはウエアインジケータ10Eを取り付ける箇所のプレッシャプレート34の外周に沿って略U字状に折り曲げ加工して形成したものである。
バネ部は検知部12Eと取付部20Eの間の板状部材を折り曲げて複数の湾曲形状とし、検知部12Eを摩擦パッドの摩耗面からディスクロータ側へ突出するように付勢するものである。具体的に図12に示すバネ部は、取付部20E側から検知部12E側に向かって形成した第1〜第3のバネ部16a、16b、16cから構成されている。このうち第2のバネ部16bは鈍角に折り曲げてバネ状に伸縮運動するものである。また第3のバネ部16cは、検知部12Eの先端12aと反対側の立ち上がりの先端部分をループ状に折り曲げ形成したものである。これにより第3のバネ部16cは、ライニング32の摩耗限界量を検知する摩耗警告音が検知部12Eから発生したときに、振動音を共鳴させて警告音を大きくすることができる。
【0068】
このような構成によりバネ部は、図12(B)に示すようにウエアインジケータ10Eの単品状態ではストッパ14Eの第1フック15a内に収まりディスクロータ側に突出するように付勢している。
【0069】
上記構成による変形例5のウエアインジケータ10Eと摩擦パッド30の取付は次のように行う。まず、図12(B)に示すようにウエアインジケータ10Eの単品状態では、ストッパ14Eの第1フック15a内に検知部12Eの先端が収まりディスクロータ側に突出するように付勢している状態であるため、検知部12Eを矢印A方向へ押圧して切欠き12bをストッパ14Eの第2フック15bに嵌め込ませる。次にウエアインジケータ10Eの取付部20Eをプレッシャプレート34の取り付け箇所に嵌め込んで係止させる。なお取付部20Eをプレッシャプレート34に嵌め込ませた後に、図12(C)に示すように矢印Bのようにバネ部を押圧して、検知部12Eの先端12aを矢印Aに示すようにストッパ14Eの第2フック15bに嵌め込んで係止させるようにしても良い。このような構成によりウエアインジケータ10Eが衝撃を受けてもウエアインジケータ10Eがプレッシャプレート34から容易に脱落するおそれがない。
【0070】
ウエアインジケータ10Eをプレッシャプレート34に取り付けられた状態では、検知部12Eの先端12aがライニング32の摩耗限界位置を通る直線Lと一致するように設置している。このとき検知部12Eは、バネ部によって摩擦パッド30の摩耗面からディスクロータ側へ突出しようとするように付勢されているが、ストッパ14Eによってその付勢が抑制された状態である。
【0071】
次にウエアインジケータ10Eの作用について以下説明する。図13は本実施形態のウエアインジケータの動作説明図である。前述のようにウエアインジケータ10Eがプレッシャプレート34に取り付けられた状態で、検知部12Eは、バネ部によって摩擦パッド30の摩耗面からディスクロータ側へ突出しようとするように付勢されているが、ストッパ14Eの第2フック15bによってその付勢が抑制された状態である。図示のように摩擦パッド30のライニング32が所定の摩耗限界量まで摩耗すると、摩耗限界位置を通る直線Lと一致するように配置した検知部12Eの先端12aがディスクロータと摺接することによって検知部12Eの先端12aがディスクロータと接触して上方に押し上げられる。更にディスクロータの回転方向、すなわち先端12aが第2フック15bから第1フック15aの方向に摺接しながら移動する。これによりストッパ14Eの第2フック15bの抑制が解除されて、検知部12Eが第1フック15a内に収まり、先端12aが摩耗面、すなわち摩耗限界位置から突出して、ディスクロータと接触する。そして検知部12Eとディスクロータの接触による発音は、第3のバネ部16cの共鳴によって拡声される。
【0072】
このような変形例5のウエアインジケータ10Eによれば、図1に示すウエアインジケータ10と同様に警告音の発生がストッパの抑制が解除されるまで発音せず、解除と同時に発生するため摩擦パッドの摩耗限界を容易に検知することができる。
【符号の説明】
【0073】
10,10A,10B,10C,10D,10E………ウエアインジケータ、12,12A,12B,12C,12D,12E………検知部、14,14A,14B,14C,14D,14E………ストッパ、16a………第1のバネ部,16b………第2のバネ部,16c………第3のバネ部、16d………第4のバネ部、20,20A,20B,20C,20D,20E………取付部、22………切り欠き部、24………凸部、30………摩擦パッド、32………ライニング、34………プレッシャプレート、36………トルク受け部、40………カシメ、41………上板、42………下板、100………ディスクブレーキ、102………ディスクロータ、104………キャリパ支持体、106………キャリパボディ、108………シリンダ、110………ピストン、112………摩擦パッド、113………プレッシャプレート、114………摩擦パッド、116………ライニング、118………ウエアインジケータ、120………取付部、122………共鳴部、124………検知部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクロータと接触し摩擦パッドの摩耗限界を検知可能な検知部と、
前記検知部を前記摩擦パッドの摩耗面から前記ディスクロータ側へ突出するように付勢するバネ部と、
前記検知部が前記ディスクロータ側へ突出しようとする付勢を前記摩擦パッドの摩耗限界まで抑制するストッパと、
を備え、
前記摩擦パッドが摩耗限界に達した際に、前記ストッパの抑制が解除されて前記検知部が前記摩擦パッドの摩耗面よりも前記ディスクロータ側に即座に突出して、前記ディスクロータに押圧させることを特徴とするウエアインジケータ。
【請求項2】
前記ストッパは、
前記摩擦パッドが摩耗限界に達した際に前記ディスクロータと接触して形状変化し前記検知部の抑制を解除することを特徴とする請求項1に記載のウエアインジケータ。
【請求項3】
前記ストッパは、
前記摩擦パッドが摩耗限界に達した際に前記検知部の先端が前記ディスクロータと接触して前記検知部の抑制を解除することを特徴とする請求項1に記載のウエアインジケータ。
【請求項4】
前記検知部と前記ストッパは板状部材を折り曲げ加工して一体的に形成していることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか1項に記載のウエアインジケータ。
【請求項5】
ディスクロータと接触するライニングと、
前記ライニングを支持するプレッシャプレート、を備え、
前記プレッシャプレートには、前記請求項1ないし請求項4の何れか1項に記載のウエアインジケータを形成したことを特徴とする摩擦パッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−42019(P2012−42019A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−185512(P2010−185512)
【出願日】平成22年8月20日(2010.8.20)
【出願人】(000000516)曙ブレーキ工業株式会社 (621)
【Fターム(参考)】