説明

ウエストナイルワクチン

【課題】ウエストナイルウイルス疾患に対する安全かつ有効なワクチン組成物を提供する。
【解決手段】ウエストナイルウイルスまたはプラスミドDNAの免疫学的活性成分、代謝可能なオイルなどのアジュバント、および薬理学的に許容されるキャリアを免疫化ワクチンに処方する。ウマ科の動物におけるウエストナイル疾患、脳炎などのワクチン組成物を投与することによる予防または緩和のための方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2001年7月27日に出願された、同時係属の米国出願番号第60/308,334号からの優先権を主張する。
発明の分野
本発明は、ウエストナイルウイルスワクチン、および同ワクチンを哺乳動物、特にウマに投与する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フラビウイルスとして知られるウエストナイルウイルスは、1937年にアフリカで初めて同定され、1999年に北アメリカで初めて見出された。渡り鳥が、国内および国々の間で感染を拡大する主な手段と考えられる。ウイルスは、ウイルス血症の鳥を刺したことにより感染を獲得した蚊により伝染される。ウイルスは次いで、成体の蚊の吸血の間に増幅される。感染した蚊が次いで、ヒトおよび動物における吸血時に、彼らにウイルスを伝染する。
【0003】
ウエストナイルウイルスは、ヒト、他の哺乳動物および鳥類に多いウエストナイルウイルス疾患、特にウエストナイル脳炎の原因である。主要な関心は、ウエストナイルウイルス疾患の有効な治療法が欠如していることである。中枢神経系組織の膨張を処置するのに、抗炎症薬が用いられているが、これに勝る、利用可能な医薬的介入はない。感染を予防することが知られる適当なワクチンもないと考えられている。現在のところ、キャリアとの接触を予防することが、ウエストナイルウイルスを制御する唯一の手段であると考えられる。
【0004】
科学者は、ウエストナイルウイルスは、他の蚊伝染性ウイルスにおいて認められる感染の同じパターンに従うと考えている。感染した蚊がウマ科の動物を刺すと、ウイルスが刺した部位のすぐ下の皮膚または組織に入り、そこで循環により取り込まれる。ウイルスは血流内で増幅することができ、ウマ科の動物は発熱する可能性があるが、その時点で病気の他の徴候がないために、発見されないことが多い。しかし、一旦ウイルスが神経系に侵入すると、1〜3日以内に臨床徴候が現れる。最もよく感染するウマ科の動物(equidae)、ウマ(horse)などは、その後の虚弱または麻痺、および調和運動の欠如の徴候を最初に示す。鬱病および関連する行動の変化が身体的変化に伴う可能性がある。重篤な場合には、震え、痙攣、手足のパドリングおよび麻痺が進行する可能性がある。重篤な神経学的問題および死亡も認められている。現在のところ、ウマ科の動物におけるウエストナイルウイルス感染を予防することが知られる、利用可能なワクチンはなく、ウエストナイルウイルスを制御する唯一の手段は、キャリアとの接触の予防であると考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
それゆえ、哺乳動物および鳥類においてウエストナイルウイルスの拡大を制御する安全かつ有効な手段が必要とされている。特に、有害な影響を伴わずに妊娠した雌にさえ投与するのに適するように十分に安全化された、特にウマ科の動物に対する投与のためのワクチンが必要とされている。さらに、ウマ科の動物および他の哺乳動物において、ウエストナイルウイルス疾患、特にウエストナイル脳炎を予防または緩和することができるワクチンも必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明により、弱毒化、不活化、または死菌完全またはサブユニットウエストナイルウイルス、該ウイルス由来の抗原、該ウイルス由来のDNA、プラスミドウエストナイルウイルスDNA、該ウイルスの配列インサートを有するプラスミド、およびそれらの混合物から成る群から選択される免疫学的活性成分;代謝可能なオイルの免疫刺激量を好ましくは含むアジュバント;および任意に医薬上許容されるキャリアを含むワクチン組成物が提供される。
【0007】
本発明により、ウマ科の動物におけるウエストナイル脳炎の予防または緩和のための方法であって、弱毒化、不活化、または死菌完全またはサブユニットウエストナイルウイルス、該ウイルス由来の抗原、該ウイルス由来のDNA、プラスミドウエストナイルウイルスDNA、該ウイルスの配列インサートを有するプラスミド、およびそれらの混合物から成る群から選択される免疫学的活性成分;代謝可能なオイルの免疫刺激量を好ましくは含むアジュバント;および任意に医薬上許容されるキャリアを含むワクチン組成物を、当該ウマ科の動物に投与することを含む方法も提供される。
【0008】
本発明により、ウマにおける使用に適したウエストナイルウイルスワクチンであって、弱毒化、不活化、または死菌完全またはサブユニットウエストナイルウイルス、該ウイルス由来の抗原、該ウイルス由来のDNA、プラスミドウエストナイルウイルスDNA、該ウイルスの配列インサートを有するプラスミド、およびそれらの混合物から成る群から選択される免疫学的活性成分;代謝可能なオイルの免疫刺激量を好ましくは含むアジュバント;および任意に医薬上許容されるキャリアを含むワクチンがさらに提供される。
【0009】
本発明のさらなる具体例において、ワクチン組成物は、ユニット投与当たり少なくとも1×10TCID50の不活化ウエストナイルウイルス、またはその成分;および約4%から10%v/vの、約1〜3%のポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー;約2〜6%のスクアラン;および約0.1〜0.5%のポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートからなるアジュバントを含む。
【0010】
さらに、ウマ科の動物のために安全化され、かつ有効なウエストナイルウイルスワクチンであって、ユニット投与当たり少なくとも約1×10TCID50の死菌または不活化ウエストナイルウイルス;および少なくとも約1%v/vの、少なくとも1つの代謝可能なオイル;および少なくとも1つの湿潤剤または分散剤を含むアジュバントを含むワクチンが提供される。
【0011】
本発明の特に好ましい具体例は、少なくとも2投与ユニットの死菌または不活化ウエストナイルウイルスを含むウマのためのワクチン組成物であって、それぞれの該投与ユニットが、少なくとも約5×10TCID50の該ウイルス;および約1〜10%v/vのアジュバントを含む約0.5〜5ミリリットルの組成物を含み、該アジュバントが少なくとも1つの代謝可能なオイル;および少なくとも2つの非イオン性界面活性剤を含み、およびさらに、該投与ユニットが医薬上許容されるキャリアを含む、ウマのためのワクチン組成物である。
さらに、本発明の目的および態様は、以下に示す詳細な記載および請求項から明らかとなろう。
【0012】
発明の詳細な記載
該して、新規なワクチンの設計に伴う問題は、生きたウイルスワクチンが、所定の標的宿主において十分な安全性を潜在的に欠く可能性があること、および死菌または不活化ウイルスワクチンが、十分に有効な免疫学的反応を刺激する能力を潜在的に欠く可能性があることである。共通して、アジュバントまたは免疫原性刺激化合物をワクチン組成物中に、死菌または不活化ウイルスと組み合わせて用いて、許容される効能を得る。しかし、標的宿主に対する安全性は、アジュバントの添加により損なわれることが多い。例えば、妊娠した動物は、多くの場合、アジュバントを含む死菌または不活化ウイルスワクチンを投与した後、流産を経験する割合が有意に高いことが知られている。
【0013】
抵当なアジュバント、例えばSPオイルなどの代謝可能なオイルを、本明細書中に記載するような免疫学的活性成分と組み合わせて用いる場合、生じたウエストナイルワクチン組成物は使用のために安全化され、ウマ科の動物、特にウマにおいて、および妊娠した雌における使用にさえ有用であり、一方で、重要な効能をも示す。つまり、本発明により、特に妊娠した動物のための、有効な免疫化および安全性に関して伴う課題解決が達成される。
【0014】
安全かつ有効なワクチン組成物は、弱毒化、不活化、または死菌完全またはサブユニットウエストナイルウイルス、該ウイルス由来の抗原、該ウイルス由来のDNA、プラスミドウエストナイルウイルスDNA、該ウイルスの配列インサートを有するプラスミド、およびそれらの混合物から成る群から選択される免疫学的活性成分;アジュバント;および任意に医薬上許容されるキャリアを含む。このワクチン組成物は、哺乳動物および鳥類に、特にウマ科の動物、ウマ(horses)、ロバ(donkeys)、ロバ(asses)などに、安全かつ有効に投与されてよい。ワクチン組成物は、ウマに関して、脳炎などのウエストナイルウイルス疾患を予防または緩和するのに、特に適している。
【0015】
ウエストナイルウイルス由来のDNAは、ウエストナイル脳炎を有すると診断されたウマ科の動物または鳥類の体液または組織などのソースからの単離により得てよい。そのようなソースには、脊髄または脳の脳脊髄液またはセクションが含まれる。DNAは、プラスミド法などの他の利用可能な方法を用いて得てもよい。例えば、生物体、例えば、イー.コリなどの適当な細胞を、ウエストナイルタンパク質配列インサートを含んでいるプラスミドで形質転換して、マスターシードを得てよい。マスターシードを次いで培養および継代する。ウエストナイルDNAを含んでいる形質転換細胞を次いで回収し、当業者に利用可能な方法を用いてDNAを単離し、得る。
【0016】
完全またはサブユニットウエストナイルウイルスを、常套法を用いて感染動物から単離してよい。ウイルスのサンプルは、ウエストナイルなどの生物体に関する寄託を維持する組織培養コレクションから得てもよい。アメリカ タイプ カルチャー コレクション(ATCC)において、例えば、ウエストナイルウイルスは、ATCC第VR−82、VR−1267、およびVR−1267AF下に寄託されている。
【0017】
完全またはサブユニットウエストナイルウイルスは、弱毒化ウイルスとして用いてもよいが、例えば、バイナリーエチレンイミン、ベータ−プロピオラクトン、ホルマリン、グルテルアルデヒド、ドデシル硫酸ナトリウムなど、またはその混合物、好ましくはホルマリンなどの化学的不活化剤を用いる化学的不活化などの、常套の不活化手段により好ましくは死菌または不活化する。該ウイルスは、紫外線の存在下での加熱またはソラレンにより不活化してもよい。弱毒化は、常套法により達成される。
【0018】
完全またはサブユニットウエストナイルウイルスは、マウスの脳にて、またはoptiMEM(LTI, Grand Island, NY)またはMEM培地などの適当な組織培養培地にて、またはアフリカミドリザルの腎臓(Vero)細胞または生まれたてのハムスター(BHK)細胞、好ましくはVero細胞などの当該分野で公知の細胞にて、維持または増殖されてよい。該ウイルスを次いで組織培養物または細胞培地から、遠心分離、濾過などの常套法を用いて単離してよい。
【0019】
好ましいウエストナイルウイルス単離物は、Ames, IAのナショナル ベタリナリー サービス ラボラトリー(ユナイティティド ステイツ デパートメント オブ アグリカルチャーの一部)から、株VM−2として得てよい。ウイルス株を次いで3回プラーク精製し、次いでX+5へとVero細胞にて継代してよい。
【0020】
本明細書中に用いるように、「免疫学的に活性である」とは、免疫反応を刺激する、即ち、抗体、特に体液性抗体の産生を刺激する、または細胞媒介性反応を刺激する能力を意味する。例えば、局所粘膜領域(例えば、腸粘膜)、末梢血、脳脊髄液などにおける循環または分泌抗体の産生または細胞媒介性反応の発生を刺激する能力を意味する。
【0021】
有効な、および免疫化性である免疫学的活性成分の量は変化してよく、免疫反応を引き起こすのに、およびウエストナイルウイルス疾患に対する免疫学的な保護を提供する十分なあらゆる量である。投与ユニット当たりの免疫学的活性成分の量は、好ましくは少なくとも約1×10TCDI50、好ましくは約1×10TCID50〜約10TCID50であり、より好ましくは少なくとも約1×10TCID50、詳細には10〜10TCID50(好ましくは少なくとも約1×10)である。これらの量は、死菌または不活化完全またはサブユニットウイルスまたはそれ由来の抗原またはDNAまたはその混合物に適している。少なくとも約5×10TCID50の死菌または不活化完全またはサブユニットウエストナイルウイルスまたはそれ由来の抗原またはDNAまたはその混合物を、本発明のワクチン組成物に用いる。
【0022】
本発明のさらなる具体例において、約50〜3,000マイクログラム(μgまたは10−6グラム)のウエストナイルプラスミドDNAを、ワクチン組成物の1投与ユニット当たりに用いてよい。より好ましくは、約100〜1,000μgを用いてよく、約100〜250μgのプラスミドDNAが、より好ましい。
【0023】
動物当たり少なくとも1投与量が、本明細書中、ワクチン管理として意図される。2またはそれ以上の投与ユニットが特に有用であり得る。投与ユニットは、典型的には約0.1〜10ミリリットルのワクチン組成物、好ましくは約0.5〜5ミリリットル、およびよりいっそう好ましくは約1〜2ミリリットルであってよく、各投与ユニットは前記記載量のウイルスまたはウイルス成分を含んでいる。当業者は、投与ユニット当たり特定量のワクチン組成物ならびにワクチン管理当たりの投与ユニットのトータルの数を、ウイルスまたはその成分の有効な免疫化量が動物に送達される限り、最適化してよいことを理解するであろう。
【0024】
本発明のウエストナイルウイルスワクチン組成物は、1つまたはそれ以上のアジュバントを含む。本明細書中に用いるように、「アジュバント」なる用語は、ワクチンまたは免疫原に対する体の反応を改善するあらゆる成分を意味する。アジュバントは、典型的には、約0.1〜50%v/vの本発明のワクチン製剤、好ましくは約1〜50%のワクチン、より好ましくはその約1〜20%、特にその1〜10%v/vを含む。約4〜10%の量がよりいっそう好ましい。
【0025】
適当なアジュバントには、所定の代謝可能なオイルなどの免疫刺激オイルが含まれる。本発明の組成物中の使用に適した代謝可能なオイルには、オイルエマルジョン、例えばSPオイル(以下に記載する)、エマルジゲン(Emulsigen)(MPV Laboratories, Ralston, NZ)、モンタニド(Montanide)264,266,26(Seppic SA, Paris, France)、ならびにピーナッツオイルおよび他の植物に基づくオイル、スクアラン(サメの肝臓のオイル)、または獣医学的ワクチンの実施におけるアジュバントとして適していることが示され得る他の代謝可能なオイルが含まれる。
【0026】
アジュバントは、代謝可能なオイルに加えて、アジュバントの体積当たり、約0.1〜25%、より好ましくは約1〜10%、およびいっそうより好ましくは約1〜3重量%の量で、1つまたはそれ以上の湿潤剤または分散剤を含む組成物であってよい。湿潤剤または分散剤として特に好ましいのは、非イオン性界面活性剤である。有用な非イオン性界面活性剤には、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、特にトレードマークPLULONIC(登録商標)の下に売買されており、およびBASFコーポレーション(Mt. Olive, NJ)から入手可能なものが含まれる。他の有用な非イオン性界面活性剤には、トレードマークトゥィーン80(登録商標)の下に入手可能なポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートなどのポリオキシエチレンエステルが含まれる。一種以上、例えば少なくとも2つの湿潤剤または分散剤をアジュバント中に、本発明のワクチン組成物の部分として含めることが望まれ得る。
【0027】
アジュバントの他の成分には、ホルマリンおよびチメロサールなどの保存化合物を、アジュバント体積当たり約1%v/vまでの量で含んでいてよい。
特に好ましいアジュバントは、SPオイルとしても呼ばれる。記載および実施例に用いられるように、「SPオイル」なる用語は、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、スクアラン、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、および緩衝化塩溶液を含むオイルエマルジョンを示す。一般に、SPオイルエマルジョンは、約1〜3%v/vのブロックコポリマー、約2〜6%v/vのスクアラン、より詳細には、約3〜6%のスクアラン、および約0.1〜0.5%v/vのポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートを含み、残りは、緩衝化塩溶液である。
【0028】
利用する場合、本発明のワクチン組成物中のアジュバントとしての免疫刺激量のSPオイルは、免疫学的活性成分、潜在的な感染性暴露の程度、ワクチン組成物の投与法、ウマ科の動物の年齢およびサイズなどにより変化してよい。一般に、SPオイルの体積当たり約1%〜50%v/vのワクチン組成物の量が適当であり、好ましくは約4%〜10%v/v、およびより好ましくは約4%〜5%v/vである。
【0029】
本発明のワクチン組成物中の使用に適した医薬上(または薬理学上)許容されるキャリアは、獣医学的医薬組成物に適したあらゆる常套の液体キャリア、好ましくは平衡化塩溶液、または組織培養培地中での使用に適した他の水に基づく溶液であってよい。他の利用可能なキャリアを用いてもよい。
【0030】
当該分野で利用可能なさらなる賦形剤が、前記の種々の態様に従い、ワクチン組成物中に含まれてもよい。例えば、pH調整剤を用いてもよい。
前記のごとく、キャリアを含む本発明のワクチン組成物の成分を、利用可能な方法を用いて、組み合わせてもよい。
【0031】
活性成分としての前記のようなウエストナイルウイルスの免疫学的活性成分に加えて、本発明のワクチン組成物は、狂犬病ウイルス、イースタンウマ脳炎ウイルス、ウエスタンウマ脳炎ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、EHV-1またはEHV-4などのウマヘルペスウイルス、エーリキア リスチシイ(Ehrlichia risticii)、ストレプトコッカス エキ(Streptococcus equi)、破傷風トキソイド、ウマインインフルエンザウイルス(EIV)、イースタン、ウエスタン、およびベネズエラ鼻肺炎ウイルスなどまたはその組み合わせに対して指向される抗病原成分などの他の活性成分を含んでもよい。1つまたはそれ以上のこれらのウイルスの量は、当該分野における効能に関する文献から決定してよく、または利用可能な方法を用いて決定してよい。
【0032】
本発明の1つの具体例において、本発明の免疫原性活性成分を、ネイチャー(Nature), 1974, 252, 252-254またはジャーナル オブ イムノロジー(Journal of Immunology), 1978, 120, 1109-13に記載のものなどの公知の方法を用いてリポソームに組み込んでよい。本発明の他の具体例において、本発明の免疫学的活性成分を、ポリサッカライド、ペプチド、タンパク質など、またはその組み合わせなどの適当な生物学的化合物と組み合わせてよい。
【0033】
本発明の好ましい具体例では、進歩性あるワクチン組成物は、前記の投与ユニット製剤に処方して、投与を促進し、および投与の均一性を保証してよい。処方は、エマルジョンの調製に適用できるものなどの利用可能な方法を用いて達成してよい。
【0034】
進歩性あるワクチン組成物は、例えば、筋肉内、皮下、腹腔内、皮内など、好ましくは筋肉内にて投与してよく、または該組成物は、経口または鼻内に投与してよい。
従って、本発明により、ウマ科の動物、好ましくはウマにおけるウエストナイル脳炎の予防または緩和のための方法であって、該ウマ科の動物に、前記の安全化したワクチン組成物を投与することを含む方法も提供される。
【0035】
実際の実施において、本発明のワクチン組成物は、非経口、皮下、経口、鼻内にて、または他の利用可能な手段、好ましくは非経口、より好ましくは筋肉内にて、ウエストナイルウイルスのキャリアに対する予想される潜在的な暴露の時間により決定されてよいスケジュールに従い有効量で投与する。この方法において、処置される動物は、天然の露出前に免疫性を確立するための時間を有してよい。無制限の例として、典型的な処置スケジュールまたは投与管理は、潜在的な暴露前少なくとも約2〜8週にての1つの投与ユニットの非経口投与、好ましくは筋肉内注入が含まれてよい。少なくとも2投与が好ましく、例えば、ウイルスへの潜在的な露出前約8週にて1の投与ユニットを、および処置される動物の潜在的な暴露前約3-5週にての第二投与である。前記のごとく、投与ユニットは、典型的には、前記のごとくアジュバントおよび賦活性剤の活性および割合の量を含んでいるワクチン組成物の約0.1〜10ミリリットルの範囲内にある。約0.5〜5ミリリットルの範囲内の投与ユニットがおそらくはより好ましく、約1〜2ミリリットルが特に好ましい。
【0036】
本発明のより明確な理解のために、次の実施例を以下に示す。これらの実施例は単なる例であって、いずれにしても、本発明の範囲または基礎の原則を制限するとは理解されるべきでない。実際、本明細書中に示すおよび記載するものに加えて本発明の種々の変更が、以下の実施例および以下の記載から当業者には明らかとなろう。そのような変更も、添付の請求項の範囲内にある。
【0037】
実施例1
ワクチンの調製
A/SPオイルの調製
【0038】
【表1】

【0039】
成分は、安定な塊またはエマルジョンが形成されるまで、混合およびホモジェナイズする。ホモジェナイゼーション前、成分または混合物はオートクレーブしてよい。エマルジョンは、濾過によりさらに滅菌してよい。ホルマリンを、0.2%の最終濃度まで添加してよい。チメロサールを1:10,000の最終希釈へと添加してよい。
【0040】
B/ワクチン調製
Ames, IAのUSDA施設から得たウエストナイルウイルスのウマ単離物(ロット番号VM−2、ウマ起源、1999年ノースアメリカ単離物、VeroM細胞培養における第二継代)を、OptiMEM(LIT, Grand Island, NY)組織培養培地おけるVero細胞のマルチプル培養にて、37℃にて培養した。回収物を滴定し、次いで10%ホルマリン溶液の.1%の最終濃度への添加により不活化した。これを、37℃にて144時間以上不活化する。次いで0.1%のホルマリンをさらに添加し、37℃にてさらに144時間以上インキュベートする。
ワクチンを、1mL投与量当たり1−20体積%のSPオイル中に適当な容積の不活化ウイルス液を懸濁することにより、処方する。
【0041】
実施例2
試験ワクチンの筋肉内注入に対する抗体反応の評価
この評価では、ウマを無作為に4つの群に分ける:12頭のウマの第1群に、1×10TCID50(組織培養感染投与量)の投与量にて試験ワクチンを投与する。;12頭のウマの第2群に、5×10TCID50の投与量にて試験ワクチンを投与する。;5頭のウマの第3群に1×10TCID50の投与量にて試験ワクチンを投与する。;および8頭の第4群を、非ワクチン化環境コントロールとして維持する。処置したウマに、指定される群に従いワクチンの第1投与を与える。第1投与後21日にて、同じワクチンの第2投与を投与する。全てのウマを第1および第2投与の投与時点で、および第2投与の投与後28日まで毎週の間隔にて、血清に関して採血する。
【0042】
【表2】

【0043】
【表3】

【0044】
【表4】

【0045】
1 LTI, Grand Island, NY
2 Sigma, St. Louis, MO
3 Sigma, St. Louis, MO
4 Sigma, St. Louis, MO
【0046】
得られた血清学的データを、以下の表Iに示す。表中、0DPV1は、ワクチン化前0日を示し、14DPV2は、ワクチン化後14日を示す。NRは結果なしを示す。
表Iのデータから認めることができるように、全ての群からの処置したウマはウエストナイルウイルスに対する抗体の有意な増加を示したが、対照のウマは、低〜不在の抗体レベルを維持した。ワクチンを受けたウマにおける反応のレベルは、それらが受けたワクチンにおける抗原のレベルとは無関係であった。
【0047】
【表5】

【0048】
実施例3
フィールド条件下でのウマにおける試験ワクチンの安全性の評価
この評価では、200頭の健康な雄および雌のウマに、1mL投与量のワクチン化として筋肉内投与により投与した後、3〜4週にて第2の1mL投与量ワクチン化を行う、6×10TCID50の投与量の不活性試験ワクチンにてワクチン化する。処置したウマを、農場または厩舎に関する常套の農業的慣例を用いて飼育および給餌する。全ての処置されたウマを、獣医師により、ワクチン化後30分間、迅速な反応、唾液分泌、呼吸困難または呼吸異常、震え、または過敏症などに関して観察する。ワクチン化後2週間、ウマを毎日、いずれかの遅延性の反応、無気力、食欲不振、または注射部位の通常でない膨張に関して観察する。5〜10mLの血液サンプルを、第1ワクチン化の日(0日)にて、および第2ワクチン化後2週またはそれ以上の週にて少なくとも1回以上(36日またはそれ以上)、処置したウマから静脈穿刺により採血する。PRNT試験を用いる血清学的アッセイが好ましい。( Chang, G.J.; Hunt, A.R. および Davis B., ジャーナル オブ ヴィロロジー(Journal of Virology), 74 pp 4244-5422 (2000))
【0049】
【表6】

【0050】
2%未満のウマが、衰弱のいずれかの臨床徴候を有することが観察された。この評価により、本発明のワクチンが、フィールド条件下のウマにおける使用に関して安全であることが立証される。
【0051】
実施例4
フィールド条件下のウマにおける試験ワクチン(多価および単価調製物)の効能の評価
死菌ウエストナイルウイルス(WNV)を含んでいる組み合わせワクチンの、実験的WNVチャレンジに対する効能を評価した。
トータル30頭のウマを1のワクチン化群(20頭)および1の対照群(10頭)に割り当てた。ワクチン化群におけるウマには、死菌ウエストナイルウイルス(5%のSPオイルにての投与当たり5×10TCID50)、インフルエンザウイルス、脳炎ウイルス(イースタン、ウエスタン、およびベネズエラ)、鼻肺炎ウイルス(血清型1および4)、および破傷風毒を含んでいる試験ワクチンの2回投与を、3週間間隔で、筋肉内に施した。血清サンプルをプラーク低下中和試験(PRNT)により測定する抗体反応のために、周期的に回収した。第2ワクチン化後24日にて、全てのウマをWNVにて皮下にてチャレンジした。チャレンジ後、ウマを腸温およびあらゆる臨床徴候に関して、1日2回2週間、およびその後は週1回、ウイルス血症の検出に関してモニターした。ウマを、21または22DPCにて、安楽死させ、そして検死を行った。脳脊髄液(CSF)、脊髄(頚部、胸部、および腰部)、および脳(前脳、後脳、延髄、および脳幹)組織サンプルを、総合的病理に関して試験し、ウイルスの単離のために回収した。
【0052】
第2のワクチン化後14日にて、ワクチン化動物の75%が、10の幾何学平均力価にて血清変換し(力価5)、一方、対照動物はネガティブ(力価<5)を維持した。ワクチン化により、ウイルス血症(完全なウエストナイルウイルス疾患の進行へのプレカーサー)に対して有意な保護が付与される。対照の10頭中9頭(90%)がチャレンジ後にウイルス血症を進行し、一方、ワクチン化動物の20頭中わずか8頭(40%)のみが、一過性のワクチン血症またはせいぜい数日間のみ継続するウイルス血症を有した。重要なことに、WNV疾患の臨床徴候は、チャレンジされたワクチン化動物のいずれにおいても、観察期間を通じて観察されなかった。(一過性の熱反応が、1頭の対照および2頭のワクチン化ウマにて認められた。しかし、これらの反応がWNV感染によるものであることを示唆する証拠はなかった。)白質における点状出血および硬膜下出血が、1頭の対照動物由来の脳組織において見出された。WNVは、この動物から採集した脳からは単離されたが、CSFおよび脊髄サンプルからは単離されなかった。他のチャレンジしたウマから採集した組織サンプルのいずれからも、WNVは全く単離されなかった。
【0053】
本試験からの結果により、試験組み合わせワクチンにてワクチン化したウマにおけるウイルス血症および臨床WNV疾患の徴候の両方に対する有意な保護が、立証される。
【0054】
第二の試験を、単価のWNVワクチン(WNVワクチン単独)を用い、および全ウマをWNVにて、第2のワクチン化学後12ヶ月にてチャレンジする以外は、前記のものと同様のプロトコルを用いて行った。対照の11頭中9頭(81.8%)がチャレンジ後にウイルス血症を進行し、一方、ワクチン化したウマの19頭中1頭(5.3%)のみが一過性のウイルス血症を有した。WNVに伴う臨床徴候は、チャレンジした動物のいずれにおいても観察期間を通じて全く観察されなかった。熱性反応は、チャレンジしたウマのいずれにおいても全く観察されなかった。チャレンジしたウマのいずれから採集した組織またはCSFサンプルのいずれからも、WNVは単離されなかった。(チャレンジ前12ヶ月間の終わりにて、19頭のワクチン化したウマの17頭が、5またはそれ以上のプラーク低下中和試験(PRNT)力価を有し、一方、対照群はネガティブ(<5)のままであった。)
この第2の試験からの結果により、死菌単価WNVワクチンでワクチン化したウマにおけるウイルス血症に対する有意な保護(94%の予防可能な割合)が立証される。これらの結果により、さらに、保護免疫の長期持続も立証される。
【0055】
実施例5
フィールド条件下のウマにおけるDNA試験ワクチンの効能の評価
この実施例により、本発明のさらなる態様の部分としての、ウエストナイルウイルス(WNV)DNAワクチンの効能が立証される。DNAワクチンは、5%のSPオイルを2mL投与量当たりに添加した100μgの精製DNA含み、実験的WNVチャレンジに対して評価した。
【0056】
WNV DNAワクチンの組成に関しては、センターズ フォー ディジーズ コントロール(Fort Collins, CO)から得たウエストナイルプラスミドpCBWNを含んでいる、Invitrogen(Carlsbad, CA)から得られたイー.コリDH10Bを用いるマスターシードからの10回継代した培養物から、細菌細胞を回収した。細菌細胞をグルコース−トリス−EDTAバッファーに懸濁し、水酸化ナトリウムおよびドデシル硫酸ナトリウムにて溶解した。溶解物を酢酸カリウム溶液にて中和した。DNA、RNA、細胞の破片、およびタンパク質を含んでいる沈殿した複合物質を濾過により除去した。濾過物を、イソプロピルアルコールの添加にて沈殿させた。沈殿物を遠心分離により回収し、バッファーに懸濁した。この操作を、酢酸アンモニウムを用いて繰り返した。集めた沈殿をバッファーに再懸濁し、Poluflo(登録商標)樹脂を封入したクロマトグラフィーカラムに乗せた。カラムを次いで洗浄し、プラスミドDNAをカラムから溶離した。溶離物を最後に長く、リン酸バッファー塩水に対して濾過した。精製プラスミドDNAストックを次いでブレンドのために移した。試験ワクチンは、5%SPオイルを添加した100μgのプラスミドDNAを含んだ。
【0057】
試験のために用いるウマを無作為に2つの群に割り当てた:20頭の動物にWNV DNAワクチンを投与し、10頭の動物は対照として用いた。第1群を2回の2.0mLの投与量のワクチンで筋肉内に、3週間間隔でワクチン化した。対照ウマには、ワクチン化を行わず、またはプラシーボを施した。ウマの1群(9頭のワクチン化ウマおよび5頭の対照)を、第2のワクチン化後5週にてチャレンジし、ウマの第2の群(11頭のワクチン化ウマおよび5頭の対照)を、第2のワクチン化後12週にてチャレンジした。簡単には、ウマのチャレンジ前12日にWNVで感染させたアエデス アルボピクタス(Aedes albopictus)蚊に、少なくとも5分間、各ウマに吸血させた。チャレンジ後、各ウマからの血液を体腔いっぱいに吸ったことが認められたこれらの蚊のみを−20℃にて凍結し、次いでウイルスのロードをプールとして、その後に滴定した。蚊を次いで、希釈液を用いる攪拌によりホモジェナイズした。ホモジェネートを遠心分離し、次いで上清を、Vero細胞における滴定のために取り出した。
【0058】
チャレンジ後、腸温を少なくとも9日間1日2回測り、次いで臨床兆候を、少なくとも21日間、1日2回モニターした。血清サンプルを、チャレンジ後(DPC)の始めの9日間1日2回採取し、10〜14DPCにおいて1日1回、および最後に21DPCにて採取した。ウイルスの単離を、第1のチャレンジ群に関して0DPC〜10DPCにて、第2のチャレンジ群に関しては0DPC〜11DPCにて、血清サンプルにおいて行った。14頭のウマから成る第1群および16頭のウマから成る第2群を、28から37DPCおよび29〜38DPCにてそれぞれ安楽死させ、そして検死を行った。大脳脳脊髄液(CSF)および大脳からの組織サンプル、脳および脳幹を総合的病理およびウイルスの単離のために回収した。
【0059】
第二ワクチン化後14日にて、20頭のウマのうちの6頭が、2またはそれ以上の測定可能な力価を有し、1頭のウマが5の力価を有した。ワクチン化により、蚊を用いる実験的ウエストナイルチャレンジに対する保護が付与された。ウイルス血症が、第1チャレンジ群においては、5頭の対照の5頭および9頭のワクチン化ウマの4頭にて検出されたが、ウマの第二チャレンジ群においては、5頭の対照の4頭および11頭のワクチン化ウマの2頭がワクチン血症であった。検出されたワクチン血症は一過性であり、チャレンジ後の最初の6日以内にのみ発症した。全体として、ワクチン血症は、10頭の対照ウマの9頭(90%)に検出されたが、20頭ワクチン化ウマの6頭(30%)のみがウイルス血症を有すると検出された。
【0060】
WNV感染に原因を帰することができる神経学的徴候は、チャレンジ観察期間を通じて、試験ウマのいずれにおいても観察されなかった。WNVは、試験ウマのいずれから回収された組織サンプルの何れからも全く単離されなかった。7DPCにおいて安楽死させた第1チャレンジ群からの1頭のウマは、脳炎または髄膜炎の著しい証拠も微小な証拠も示さなかった。
【0061】
本試験からの結果により、試験ワクチンでワクチン化したウマにおいて、ウイルス血症に対する有意な保護が立証された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弱毒化、不活化、または死菌完全もしくはサブユニットウエストナイルウイルス、該ウイルス由来の抗原、該ウイルス由来のDNA、プラスミドウエストナイルウイルスDNA、該ウイルスの配列インサートを有するプラスミド、およびそれらの混合物から成る群から選択される免疫原的に活性な成分;アジュバント;および任意に医薬上許容されるキャリアを含むワクチン組成物。
【請求項2】
免疫学的活性成分が、不活化完全またはサブユニットウエストナイルウイルスである、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
免疫学的活性成分が、不活化完全ウエストナイルウイルスである、請求項1または2記載の組成物。
【請求項4】
アジュバントが、0.1〜50%v/vのワクチン組成物を含む、前記請求項いずれか1項記載の組成物。
【請求項5】
アジュバントが代謝可能なオイルを含む、前記請求項いずれか1項記載の組成物。
【請求項6】
アジュバントが1〜50%v/vの代謝可能なオイルを含む、請求項5記載の組成物。
【請求項7】
代謝可能なオイルがスクアランである、請求項5または6記載の組成物。
【請求項8】
アジュバントが、1つまたはそれ以上の湿潤剤および/または分散剤をさらに含む、請求項5〜7のいずれか1項記載の組成物。
【請求項9】
湿潤剤および/または分散剤が、0.1〜25%v/vのアジュバントを含む、請求項9記載の組成物。
【請求項10】
湿潤剤または分散剤が、非イオン性界面活性剤から成る群から選択される、請求項30記載のワクチン。
【請求項11】
非イオン性界面活性剤が、ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、およびポリオキシエチレンエステルから成る群から選択される、請求項31記載のワクチン。
【請求項12】
免疫学的活性成分が、ワクチン組成物のユニット投与量当たり、1×10TCID50〜5×10TCID50を提供するのに十分な量で存在する、前記請求項いずれか1項記載の組成物。
【請求項13】
免疫学的活性成分が、ユニット投与当たり少なくとも1×10TCID50を提供するのに十分な量で存在する、請求項10記載の組成物。
【請求項14】
約5×10TCID50のウイルスを含む、請求項13記載の組成物。
【請求項15】
狂犬病ウイルス、イースタンウマ脳炎ウイルス、ウエスタンウマ脳炎ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、EHV-1またはEHV-4などのウマヘルペスウイルス、エーリキア リスチシイ(Ehrlichia risticii)、ストレプトコッカス エキ(Streptococcus equi)、破傷風トキソイド、ウマインインフルエンザウイルス(EIV)、イースタン、ウエスタン、およびベネズエラ鼻肺炎ウイルスの1つまたはそれ以上に対して指向されるワクチン成分をさらに含む、前記請求項いずれか1項記載の組成物。
【請求項16】
不活化ウエストナイルウイルスのユニット投与当たり、少なくとも1×10TCID50、および約4%〜10%v/vの、約1〜3%のポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー;約2〜6%のスクアラン;および約0.1〜0.5%のポリオキシエチレンソルビタンモノコレエートから成るアジュバントを含む、請求項1記載の組成物。
【請求項17】
少なくとも2の投与ユニットに処方される、前記請求項いずれか記載の組成物。
【請求項18】
0.5〜5mlの組成物から成る1またはそれ以上の投与ユニットにて組成物が提供される、前記請求項いずれか1項記載の組成物。
【請求項19】
投与当たり約50〜3,000μgの量のウエストナイルプラスミドDNAを含む、請求項1、4〜15、17、および18のいずれか1項記載の組成物。
【請求項20】
組成物が、投与当たり約100から1,000μgを構成する、請求項19記載の組成物。
【請求項21】
組成物が、投与当たり約100から250μgを構成する、請求項20記載の組成物。
【請求項22】
ユニット投与当たり少なくとも1×10TCID50の不活化ウエストナイルウイルス;および約4〜10%v/vの、約1〜3%のポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー;約2〜6%のスクアラン;および約0.1〜0.5%のポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートから成る代謝可能なオイルアジュバントを含むワクチン組成物。
【請求項23】
ユニット当たり少なくとも約1×10TCID50の死菌または不活化ウエストナイルウイルス;および少なくとも約1%v/vの、少なくとも1つの代謝可能なオイル;および少なくとも1つの湿潤剤または分散剤を含むアジュバントを含む、ウマ科の動物のために安全化された、および有効なウエストナイルウイルスワクチン。
【請求項24】
請求項1〜23のいずれか1項に規定するワクチン組成物をウマ科の動物に投与することを含む、ウマ科の動物におけるウエストナイル脳炎の予防または緩和のための方法。
【請求項25】
ウマ科の動物がウマである、請求項24記載の方法。
【請求項26】
ウマが、妊娠した雌ウマである、請求項25記載の方法。
【請求項27】
ワクチン組成物を非経口にて投与する、請求項26記載の方法。
【請求項28】
ワクチン組成物を筋肉内に投与する、請求項27記載の方法。
【請求項29】
弱毒化、不活化、または死菌完全もしくはサブユニットウエストナイルウイルス、該ウイルス由来の抗原、該ウイルス由来のDNA、プラスミドウエストナイルウイルスDNA、該ウイルスの配列インサートを有するプラスミド、およびそれらの混合物から成る群から選択される免疫学的活性成分の、ウエストナイルウイルスにより引き起こされる哺乳動物または鳥類における疾患の予防または緩和における使用のための、請求項1〜23のいずれか1項に記載するワクチン組成物の調製における使用。
【請求項30】
ワクチン組成物が、ウエストナイルウイルスにより引き起こされるウマ科の動物における疾患の予防または緩和における使用のためのものである、請求項29記載の使用。
【請求項31】
ウマ科の動物がウマである、請求項30記載の使用。

【公開番号】特開2011−57692(P2011−57692A)
【公開日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−255105(P2010−255105)
【出願日】平成22年11月15日(2010.11.15)
【分割の表示】特願2003−561501(P2003−561501)の分割
【原出願日】平成14年7月23日(2002.7.23)
【出願人】(309040701)ワイス・エルエルシー (181)
【Fターム(参考)】