説明

ウエスト部補強構造

【課題】所望の車体剛性を得られ、取付作業性の良好なウエスト部補強構造を提供する。
【解決手段】ウインドウ本体7が挿入される充部な開口面積を有するウインドウ挿入開口部10を、内部空間DSの上部に形成する。
予めインナレインフォース18及びアウタレインフォース19とが接合されて、サブアッセンブリ状態となったウエストレインフォース部材17に閉断面WSを設けて、シートサイドインナパネル部材3に車幅方向で接合する。
ウインドウ挿入開口部10の周縁には、予めウエストレインフォース部材17のスタビライザ座面部21,21に装着されたスタビライザ部材23,23が、スライド位置調整可能な状態で配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両のウエスト部に設けられて、ドアガラス等のガラスウインドウパネル部材を内部に収容する作業性を考慮したウエスト部補強構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の乗員室の開口部に、サッシュレスドア構造を採用するものが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2等参照)。
【0003】
このようなものでは、ガラスウインドウパネル部材の上昇限界位置を規定する為、ストッパ部材が、このガラスウインドウパネル部材のガラス本体側と、車両のインナパネル部材側とに設定されている。
【0004】
そして、前記ガラスウインドウパネル部材が、窓開口部を全閉する等、所望の上昇位置に到達した場合、これらのストッパ部材同士が当接して、前記ガラスウインドウパネル部材の移動が停止される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−186716号
【特許文献2】特開平7−17244号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、このような従来のウエスト部補強構造では、ガラスウインドウパネル部材のドアガラス本体に、予めストッパ部材が装着されて、このストッパ部材が設けられたガラスウインドウパネル部材が、車体側のドア部材の上部に開口形成された開口部に上方から、挿入されて収容される。
【0007】
このようなガラスウインドウパネル部材を挿入する為、開口部の面積を充分な大きさに設定して、ドアガラス本体を挿入した状態で、別途用意された蓋部材が装着されて、この開口部が略閉塞されるが、この開口部の面積が大きく設定されると、開口部周縁の車体剛性が低下してしまう虞があった。
【0008】
そこで、この発明は、所望の車体剛性を得られ、取付作業性の良好なウエスト部補強構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のウエスト部補強構造では、前記ウエスト部のウインドウ挿入開口部には、前記シートサイドインナパネル部材に接合されるウエストレインフォース部材を設ける。
【0010】
前記ウエストレインフォース部材は、内部空間側に位置する前記インナレインフォース及び車室側に位置するアウタレインフォースとを有し、前記インナレインフォースに開口形成された切り欠き開口部から、該内部空間に臨むスタビライザ座面部を、前記アウタレインフォースに設ける。
【0011】
そして、該スタビライザ座面部に、前記内部空間内に位置する前記スタビライザ部材を取付けたウエスト部補強構造を特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明のウエスト部補強構造では、前記ウエスト部のウインドウ挿入開口部から、前記ウインドウパネル部材のウインドウ本体が、挿入されると共に、前記シートサイドインナパネル部材にウエストレインフォース部材が接合されて、該ウインドウ挿入開口部の周縁に、スタビライザ部材が装着される。
【0013】
該ウエストレインフォース部材は、閉断面形状を呈しているので、前記ウインドウ挿入開口部の周縁に所望の車体剛性を与えることが出来る。
【0014】
また、前記内部空間に位置するスタビライザ部材に、前記ストッパ部材が係合して、ウインドウ本体の上昇上端位置が規制される。
【0015】
そして、前記スタビライザ部材は、前記アウタレインフォースに形成されたスタビライザ座面部に装着されるので、前記インナレインフォースに開口形成された切り欠き開口部を介して、容易に取付出来、取付作業性が良好である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態のウエスト部補強構造で、要部の構成を説明し、ウエスト部を車室内側から、内装材を外した状態での斜視図である。
【図2】実施の形態のウエスト部補強構造で、図1中A−A線に沿った位置での断面図である。
【図3】実施の形態のウエスト部補強構造で、ウエストレインフォース部材に、スタビライザ部材を装着する様子を車室内側から見た斜視図である。
【図4】実施の形態のウエスト部補強構造で、ウエストレインフォース部材に、スタビライザ部材を装着する様子を車外側から見た斜視図である。
【図5】実施の形態のウエスト部補強構造で、ウインドウ本体及びウエストレインフォース部材を取り付ける様子を説明するウエスト部の斜視図である。
【図6】実施の形態のウエスト部補強構造で、図1中B−B線に沿った位置での断面図である。
【図7】実施の形態のウエスト部補強構造で、シートバック部材との位置関係を説明する模式的な側面図である。
【図8】実施の形態のウエスト部補強構造で、シートバックとシートサイドとを連結する補強部材の構成を示し、車室内側から見た斜視図である。
【図9】実施の形態のウエスト部補強構造で、図1中C−C線に沿った位置での断面図である。
【図10】実施の形態のウエスト部補強構造で、図1中D−D線に沿った位置での断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態のウエスト部補強構造を、図面に基づいて説明する。
【0018】
まず、図1乃至図10を用いて、全体の構成から説明すると、この実施の形態のウエスト部補強構造では、図7に示す様に、車両1の後部座席1aの車幅方向左右に、一対設けられる車体の側面部2には、図2に示す様に、シートサイドインナパネル部材3及びシートサイドアウタパネル部材4が接合されて設けられている。
【0019】
この側面部2のうち、ドアパネル部に相当する内部には、ウインドウパネル部材6を昇降可能に収容する内部空間DSが形成されている。
【0020】
このウインドウパネル部材6には、主に、ガラスパネル製のウインドウ本体7の下縁部7a近傍に沿って、所定距離、離間配置されて複数のストッパ部材8…が、設けられている。
【0021】
これらの各ストッパ部材8…は、図2に示す様に、平板状の固定板部8aから、側面視クランク状の係止爪部8bが上方に向けて、一体に突設されていると共に、前記ウインドウ本体7の面内外方向に、挿通される固定ビス9a…及び固定板9b…を有する固定具9…によって、この固定板部8bが、固着されている。
【0022】
そして、ウインドウ本体7と共に、これらのストッパ部材8…が、図示省略の昇降装置によって、車両上,下方向へ移動可能となるように構成されている。
【0023】
この側面部2の上縁部に位置するウエスト部16は、前記シートサイドインナパネル部材3の上縁部3a寄りで、前記シートサイドアウタパネル部材4の上縁部4aとの間に設けられている。このウエスト部16には、前記内部空間6と外部空間とを連通して、前記ウインドウ本体6を複数のストッパ部材7…が、固着されている状態で、挿入可能な開口面積を有するウインドウ挿入開口部10が、開口形成されている。
【0024】
また、前記側面部2の前記シートサイドインナパネル部材3のウインドウ挿入開口部10に相当する部分の上縁部3aには、インナパネル部材13の上縁部13aが、車幅方向で接合されると共に、内側シールリップ部材15aが嵌着されている。
【0025】
そして、この側面部2の前記インナパネル部材13を覆うように、車室R内側には、主に樹脂製材料等で構成される内装材12が、装着されている。
【0026】
更に、前記側面部2の前記シートサイドアウタパネル部材4の外側には、車両1のウエスト部16を構成する上縁部4aに、前記インナパネル部材13の周縁と接合されて一体となるアウタパネル部材14が設けられている。
【0027】
このアウタパネル部材14の上縁部14aは、前記シートサイドアウタパネル部材4の上縁部4a、が、接合されていて、装飾及び水密シールを行うモールリップ部材15bが、前記内側シールリップ部材15aと車幅方向で対向する位置に嵌着されている。
【0028】
そして、昇降する前記ウインドウ本体7が、これらの両側のモールリップ部材15b及び内側シールリップ部材15a部によって、弾接されて挟持されるように構成されている。
【0029】
また、前記ウエスト部16のウインドウ挿入開口部10には、前記シートサイドインナパネル部材3に接合されるウエストレインフォース部材17が設けられている。
【0030】
この実施の形態のウエストレインフォース部材17は、内部空間DS側に位置する前記インナレインフォース18及び車室R側に位置するアウタレインフォース19とが、一部車両上下方向を含む車幅方向で、予め重合されて、図6に示されるような閉断面WSを有する形状に構成されているサブアセンブリ部材である。
【0031】
また、図1に示す様に、このアウタレインフォース19には、ウインドウ挿入開口部10の内側に位置して、図2に示すような車外方向に傾き角度αを有する傾斜面部20,20に、前後一対のスタビライザ座面部21,21が、所定の前後方向の間隔Lを有して、設けられている。
【0032】
そして、図3に示す様に、各スタビライザ座面部21,21には、車幅方向に沿って長手方向を有するボルト孔部21a,21aが開口形成されている。
【0033】
また、各ボルト孔部21aの両側に、平行となるように、車幅方向に沿って長手方向を有する左,右一対のスライドガイド溝部21b,21bが各々開口形成されていて、スライドガイドされるスタビライザ部材23,23を車両上下方向にスライド調整移動可能としている。
【0034】
更に、この実施の形態のウエストレインフォース部材17の前記インナレインフォース18には、図4に示す様に、この各スタビライザ座面部21,21に対応して、切り欠き開口部22,22が開口形成されている。
【0035】
また、前記閉断面WSを形成するように、前記ウエストレインフォース部材17のインナレインフォース18と、アウタレインフォース19の周縁フランジ部同士を接合した状態では、前記内部空間DSに、この切り欠き開口部22,22を介して、スタビライザ座面部21,21が露出するように構成されている。
【0036】
このスタビライザ座面部21,21の各インナレインフォース18側側面には、内部空間DSに露出して臨むように、前記内部空間DS内のスタビライザ部材としての前記ストッパ部材8,8を当接させるスタビライザ部材23,23が、前記車室側Rから前記ボルト孔部21a,21aにスライド自在に挿通されたボルト部材24,24を螺着させることにより、係着されている。
【0037】
この実施の形態の前記スタビライザ部材23は、図3示す様に、ボルト部材24を螺着させるボルト孔23cが形成される固着面部23aから、側面視略くの字状に屈曲する形状に一体に延設される係止板部23bを有していて、これらの固着面部23aと、係止板部23bとの間の角部には、前記ウインドウ本体7の車内側側面に摺接されるクッション材25,25が添着されている。
【0038】
また、前記スタビライザ部材23の固着面部23aには、前記ボルト孔23cの左,右両側に、前記各スライドガイド溝部21b,21bとスライド自在に係合するガイド突起部23d,23dが、前記ボルト部材24の軸部を回転中心とした回転が不能となるように、前記スライドガイド溝部21b,21bの間隔と同じ間隔で一体に突設形成されている。
【0039】
更に、図10に示す様に、この実施の形態では、前記後部座席1aのシートバックパネル部材30に車幅方向に沿って設けられる車体側強度部材31に対して、長軸ボルト部材31aを用いて接合されるコーナレインフォース部材32が、車幅方向斜めに設けられていて、図7及び図8に示す様に、このウエストレインフォース部材17が、ボルト部材33,33によって共締めされている。
【0040】
次に、この実施の形態のウエスト部補強構造の作用効果について説明する。
【0041】
この実施の形態のウエスト部補強構造では、図3及び図4に示す様に、前記ウエストレインフォース部材17に形成された各スタビライザ座面部21,21に、前記ボルト部材24,24が用いられて、前記スタビライザ部材23,23が、前記スライドガイド溝部21b,21bの長孔延設方向に沿って、スライド摺動することにより、位置調整可能な状態で係着される。
【0042】
次に、図5に示す様に、ウインドウパネル部材6が、ウインドウ本体7の下縁部7a近傍に沿って、固定具9…の固定ビス9a…及び固定板9b…で固着された複数のストッパ部材8…と共に、前記ウエスト部16に開口形成されたウインドウ挿入開口部10から、図2に示す内部空間DS内に、この下縁部7aが上方から挿入される。
【0043】
このように、前記ウエスト部16のウインドウ挿入開口部10から、前記ウインドウパネル部材6のウインドウ本体7が挿入されると共に、図5に示す様に、前記シートサイドインナパネル部材3に、前記ウエストレインフォース部材17が、閉断面WSを有したまま、図6に示す様に車幅方向で接合されて、しかも、このウインドウ挿入開口部10の周縁に、図2に示す様なスタビライザ部材23,23を、一度に複数個、装着することができる。
【0044】
このウエストレインフォース部材17は、閉断面WSを中空形状としているので、前記ウインドウ挿入開口部10の周縁に所望の開口剛性が、重量を増大させることなく得られる。
【0045】
また、前記内部空間DSに位置する各スタビライザ部材23,23のスライド方向位置を調整して、前記ボルト部材24,24を各々増し締めすることにより、所望の車両上下方向位置で、これらのスタビライザ部材23,23を、固定出来る。
【0046】
図2に示す様に、これらのスタビライザ部材23,23の係止板部23b,23bに、前記ストッパ部材8,8の係止爪部8a,8aが、車両前後方向で各々当接係合して、ウインドウ本体7の上昇上端位置が規制される。
【0047】
前記スタビライザ部材23は、図4に示す様に、前記アウタレインフォース19に形成されたスタビライザ座面部21に装着される際、及び増し締めが行われる際、図3に示す様に、車内側上方から、前記ボルト孔部21aに挿通されるボルト部材24によって、螺着及び締結される。
【0048】
このため、図2に示す様に、前記インナレインフォース18に開口形成された切り欠き開口部22を介して、前記閉断面DS側に、前記スタビライザ部材23が存在しても、容易に取付出来、取付作業性が良好である。
【0049】
そして、図3に示す様に、各スタビライザ座面部21,21には、車幅方向に沿って長手方向を有するボルト孔部21a,21aが開口形成されている。
【0050】
また、各ボルト孔部21aの両側には、平行となるように、車幅方向に沿って長手方向を有する左,右一対のスライドガイド溝部21b,21bが各々開口形成されていて、スタビライザ部材23,23のガイド突起23b,23bが、係合されている。
【0051】
この為、一定の車外側への傾斜角度αを与えられている前記傾斜面20,20に設けられたスタビライザ座面部21,21に沿って、スライドガイドされる際、このスタビライザ部材23,23が、前記係止板部23bが、前記ボルト部材24の軸を中心とする回転を生じることなく、例えば水平状態に保持されたまま、前記車両上下方向にスライド位置を調整することが出来る。このため、前記各ストッパ部材8,8の係止爪部8aが係止される際に最適な角度を、車両上下方向の何れのスライド固定位置でも得られる。
【0052】
更に、この実施の形態のウエストレインフォース部材17が、サブアッセンブリ部材で予め、内部空間DS側に位置する前記インナレインフォース18及び車室R側に位置するアウタレインフォース19とを、一部車両上下方向を含む車幅方向で重合されて、図6に示されるような閉断面WSが設けられている。
【0053】
このように、ウエスト部16のウインドウ挿入開口部10に、容易に予め閉断面WSの形状が形成された前記ウエストレインフォース部材17を装着することにより、このウインドウ挿入開口部10の周縁の剛性を向上させることが出来る。
【0054】
従って、前記ウインドウパネル部材6のウインドウ本体7の下縁部7a近傍に沿って、複数のストッパ部材8…が、固定具9…を用いて固着されている状態でも、このウインドウ挿入開口部10の上方から、挿入装着可能である。
【0055】
このため、前記ウインドウ挿入開口部10の開口断面積の大きさに関わらず、所望の車体剛性を得られ、取付作業性の良好なウエスト部補強構造が提供される。
【0056】
更に、この実施の形態では、図10に示す様に、前記後部座席1aのシートバックパネル部材30に車幅方向に沿って設けられる車体側強度部材31に対して、長軸ボルト部材31aが用いられて接合されるコーナレインフォース部材32が、前記インナパネル部材13に連結されている。
【0057】
このコーナレインフォース部材32は、図7及び図8に示す様に、このウエスト部16に設けられたインナパネル部材13に、前記ウエストレインフォース部材17と共に、ボルト部材33,33によって共締めされている。
【0058】
このウエストレインフォース部材17への取付により、このコーナレインフォース部材32の取付剛性が向上されていると共に、図9に示す様に、前記インナパネル部材13から、離間配置されたコーナレインフォース部材32が、車幅方向斜め後方へ向けて延設されて固着接合されて、前記車体側強度部材31と、このウエストレインフォース部材17とが、このコーナレインフォース部材32によって一体に連結されている。
【0059】
このため、車両1の後部座席1a近傍のコーナ部の剛性を、良好な部材効率で向上させて、容易に所望の車体の捻り剛性を得ることが出来る。
【0060】
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態のウエスト部補強構造に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
【0061】
即ち、前記実施の形態のウエスト部補強構造では、ドアパネル部に相当するシートサイドの側面部内部に、ウインドウパネル部材を設けているが、特にこれに限らず、ドア開口部を開閉可能なドア部材の内部にウインドウパネル部材を収容する等、どのような車両の車体開口部のウエスト部補強構造に適用しても良く、閉断面形状を呈すれば、ウエストレインフォース部材の形状、数量及び材質が特に限定されるものではない。
【0062】
また、前記スタビライザ部材23,23のガイド突起部23d,23dの形状も、前記実施の形態に限らず、例えば、前記スタビライザ座面部21,21に形成されたスライドガイド溝部21b,21bに、スライド移動可能に係止される鍵型の係止爪部によって、ガイド突起部23d,23dを構成してもよい。
【0063】
この場合、前記ガイド突起部23d,23dが、鍵型の係止爪部によって、スライドガイド溝部21b,21bの周縁部に、スライド移動可能に係止されて、上下方向の位置決め固定を行う際に、前記ボルト部材27の挿通及び螺着を行えばよいので、更に、取付作業性が良好である。
【産業上の利用可能性】
【0064】
前記実施の形態では、この発明のウエスト部補強構造として、車両1の車体開口部のウエスト部補強構造に適用したものを用いて説明してきたが、例えば、車体の前,後部或いは、コーナ部や中央部等、どのような自動車の車体開口部又は、ドア開口部に用いられるウエスト部補強構造であっても、サッシュレスのウインドウパネル部材を収容する内部空間DSを有するものであれば良く、また、車両1の駆動源も、エンジン等の内燃機関によるものに限定されること無く、電気自動車或いは、ハイブリッドカー等であってもよいことは当然である。
【符号の説明】
【0065】
1 車両
2 側面部
3 シートサイドインナパネル部材(インナパネル部材)
4 シートサイドアウタパネル部材(アウタパネル部材)
6 ウインドウパネル部材
7 ウインドウ本体
8 ストッパ部材
10 ウインドウ挿入開口部
16 ウエスト部
17 ウエストレインフォース部材
18 インナレインフォース
19 アウタレインフォース
20,20 傾斜面部
21,21 スタビライザ座面部
21b,21bスライドガイド溝部
22,22 切り欠き開口部
23,23 スタビライザ部材
30 シートバックパネル部材
31 車体側強度部材
32 コーナレインフォース部材
33,33 ボルト部材
DS 内部空間
WS 閉断面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両側面部に設けられたインナパネル部材及びアウタパネル部材を接合して、内部にウインドウパネル部材を昇降可能に収容する内部空間を形成すると共に、該アウタパネル部材及びインナパネル部材との間のウエスト部には、前記ウインドウパネル部材のウインドウ本体に固定されたスタビライザ部材と当接するストッパ部材を固定した状態で、前記ウインドウ本体が、挿入されるウインドウ挿入開口部を開口形成したウエスト部補強構造であって、
前記ウエスト部のウインドウ挿入開口部には、前記インナパネル部材に接合されるウエストレインフォース部材を設け、該ウエストレインフォース部材は、前記内部空間側に位置する前記インナレインフォース及び車室側に位置するアウタレインフォースとを有すると共に、前記インナレインフォースに開口形成された切り欠き開口部から該内部空間に臨むスタビライザ座面部を前記アウタレインフォースに設けて、該スタビライザ座面部に前記スタビライザ部材を取付けたことを特徴とするウエスト部補強構造。
【請求項2】
前記スタビライザ座面部は、前記スタビライザ部材を、上下方向にスライド調整移動可能とする傾斜面部に設けられていることを特徴とする請求項1記載のウエスト部補強構造。
【請求項3】
前記ウエスト部のウインドウ挿入開口部に装着される前記ウエストレインフォース部材は、前記内部空間側に位置する前記インナレインフォース及び車室側に位置するアウタレインフォースとが、予め重合されて閉断面を有する形状に構成されているサブアセンブリ部材であることを特徴とする請求項1又は2記載のウエスト部補強構造。
【請求項4】
前記ウエスト部と、前記車両の車幅方向に沿って設けられる車体側強度部材との間を連結し、前記ウエストレインフォース部材と共に、前記ウエスト部に設けられたインナパネル部材に、共締めされるコーナレインフォース部材を有していることを特徴とする請求項1乃至3のうち、何れか一項記載のウエスト部補強構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−131307(P2012−131307A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284073(P2010−284073)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】