ウエットシート包装体
【課題】従来のプラスチック製の円筒容器タイプのウエットシート包装体に比べてゴミの減容化や低減が可能で、低コストで製造でき、しかも従来の袋タイプのウエットシート包装体よりも使い勝手がよく経済的なウエットシート包装体を提供する。
【解決手段】内部にウエットシート体3が収容されて周縁部4がシールされていることにより密封された袋体2を備える。袋体2には、その上縁シール部5側を開封した状態で、内部に収容されたウエットシート体3からその一部のウエットシート片31を外部に引き出した際に、残部のウエットシート体3が外部に共に引き出されてしまうことなく袋体2内に留まるように、ウエットシート体3を保持するための絞り部7を形成する。そして、この絞り部7と上縁シール部5との間に開閉自在のウエットシート取り出し口8を形成する。
【解決手段】内部にウエットシート体3が収容されて周縁部4がシールされていることにより密封された袋体2を備える。袋体2には、その上縁シール部5側を開封した状態で、内部に収容されたウエットシート体3からその一部のウエットシート片31を外部に引き出した際に、残部のウエットシート体3が外部に共に引き出されてしまうことなく袋体2内に留まるように、ウエットシート体3を保持するための絞り部7を形成する。そして、この絞り部7と上縁シール部5との間に開閉自在のウエットシート取り出し口8を形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋体の内部にウエットシート(化粧料シートを含む)を収容したウエットシート包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
不織布製のシートにアルコールなどの液体成分を含浸させたウエットシート(化粧料成分を含浸させた化粧料シートを含む)は、清拭や化粧などに使用される衛生用品として周知である。このようなウエットシートは、使用するまでに乾燥してしまわないように気密性を有する袋や容器に収容されたウエットシート包装体として提供されるのが通例である。
【0003】
この種のウエットシート包装体としては、従来、主として2つのタイプが存在する。一つは、携帯に便利な袋タイプのもので、プラスチックフィルム或いはこれにアルミニウム箔などを積層(ラミネート)してなる複合フィルムを用いて、その両サイドを熱融着によりシールして袋状とし、これにウエットシートを収納して密封した、いわゆる両サイド平面熱融着シールピロー包装品などである。このタイプには、飲食店などで客に提供される使い捨てタイプのウエットティシュ包装体も含まれる。
【0004】
もう一つは、主に住居や車内などで使用される円筒容器タイプのもので、プラスチック製の有底円筒容器(ブロー成形品)にロール状のウエットシートを入れ、その開口端側に、内部に収納されたウエットシートの乾燥を防止しつつ当該シートを一定の長さ分ずつ取り出せるように工夫した蓋を装着したものである(例えば特許文献1参照)。この円筒容器タイプのものは、通常はウエットシートを収容した容器を立てた状態にして置いておき、その上部の蓋に設けられたシート取り出し口からウエットシートを一定長さ分ずつ引き出して使用するようになっており、ロール状のウエットシートが無くなるまで使用できて使い勝手が良いというメリットがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−355340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、最近では環境保全の観点からゴミを如何に少なくするか、つまりゴミの減容化が重要な課題となっており、この点において、上述したようなプラスチックのブロー成形品からなる従来の円筒容器タイプのウエットシート包装体は、袋タイプのものと比べるとプラスチックの使用量が相対的に多いのみならず、使用済み容器の減容化も困難であるという問題があった。また、包装体を構成するプラスチック製の円筒容器や蓋はブロー成形や射出成形で製造されるため、袋タイプのものと比べると製造コストが高くつくという問題がある。
【0007】
一方、従来の袋タイプのウエットシート包装体では、ウエットシートを使用する際、そのつど袋を破って中のウエットシートを取り出さなければならい。すなわち、円筒容器タイプのウエットシート包装体のように必要なウエットシートのみを素早く取り出すことができないため、携帯用としては便利であっても家庭等での使い勝手が円筒容器タイプのものに比べると劣るという問題がある。また、いったん開封してしまうとウエットシートの乾燥を防ぐことができないため、一回使い捨てタイプのものに限られてしまい、不経済であるという問題がある。
【0008】
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたもので、従来のプラスチック製の円筒容器タイプのウエットシート包装体に比べてゴミの減容化や低減が可能で、低コストで製造でき、しかも従来の袋タイプのウエットシート包装体よりも使い勝手がよく経済的なウエットシート包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明のウエットシート包装体は、以下のように構成したことを特徴とする。すなわち、本発明のウエットシート包装体は、内部にウエットシート体が収容されて周縁部がシールされていることにより密封された袋体を有する。この袋体には、その上縁シール部側を開封した状態で、内部に収容されたウエットシート体からその一部のウエットシート片を外部に引き出した際に、残部のウエットシート体が外部に共に引き出されてしまうことなく袋体内に留まるように、ウエットシート体を保持するための絞り部を形成する。そして、この絞り部と前記上縁シール部との間に開閉自在のウエットシート取り出し口を形成する。
【0010】
開閉自在のウエットシート取り出し口は、袋体の内面側の所定位置に後の実施例で述べるような密閉可能なジッパーもしくはスライドファスナーを取り付けることによって形成してもよいし、同じく袋体の内面側の所定位置に対向面どうしの接着と分離とを繰り返して行えるような粘着剤(例えばアクリル樹脂系、アクリル樹脂エマルジョン系、エチレン- 酢酸ビニル樹脂ホットメルト系等の接着剤で再接着可能に調整したもの)を塗布することによって形成してもよい。また、開閉自在のウエットシート取り出し口を形成できるのであれば、上記のようなものに限らず、適宜他の手段や構造等を採用してもよい。
【0011】
本発明のウエットシート包装体においては、袋体の両側縁部の上部側をハの字型に傾斜して形成し、このハの字型の傾斜部を前記絞り部として使用することができる。
【0012】
袋体を正面視で正方形または長方形としたうえで、この袋体におけるウエットシート取り出し口の下方側において当該袋体の両側縁部からそれぞれ内方に向けて対向状に、当該袋体の内面側を熱融着または接着してなる一対のシール部を形成し、この一対のシール部を前記絞り部としてもよい。この袋体には、前記一対のシール部の下方側の両側部にガゼット部をそれぞれ形成してもよい。
【0013】
袋体を正面視で正方形または長方形としたうえで、この袋体におけるウエットシート取り出し口の下方側の両側部にガゼット部をそれぞれ形成し、これらのガゼット部の上部に、前記絞り部を構成するものとして、袋体内に収容されたウエットシート体の上方に内側先端部が位置して当該ウエットシート体の上方への移動を規制する正面視で三角片状の押さえ部を形成してもよい。袋体の内部にロール状のウエットシート体を収容した場合には、その一部を外部に引き出す際における袋体内の残部のウエットシート体に対する押さえを更に確実なものとするため、そのロール中心部の上方近傍に前記三角片状の押さえ部の内側先端部を位置させるのが望ましい。
【0014】
袋体の底部にはガゼット部を形成しておくことができる。袋体の底部や側部に形成されるガゼット部は、袋体の内容量を増やしたり縦置き状態での安定性を高めたりする手段として有効であり、このようなガゼット部を形成しておくことによって、ロール状のウエットシート体なども袋体内に収容しやすくなる。また、袋体の側縁部には、上縁シール部とウエットシート取り出し口との間に位置する高さ部分に袋体の開封を容易とするためのノッチ部を形成しておいてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明のウエットシート包装体によれば、袋体の上縁シール部側を例えばハサミで切るなどして開封したうえで、その下方側に位置するウエットシート取り出し口を開くことによって、内部に収容されたウエットシート体から必要分のウエットシート片を外部に引き出すことができる。その際、袋体にはウエットシート体を保持するための絞り部が形成されており、この絞り部によってウエットシート体の上端側が押さえられるので、引き出されたウエットシート片以外の残部のウエットシート体は、外部に共に引き出されてしまうことなく袋体内に留まることとなる。こうして、本発明のウエットシート包装体によれば、ウエットシート取り出し口を開いて内部のウエットシート体からウエットシート片を必要な分だけ簡単に取り出すことができる。
【0016】
また、必要分だけウエットシート片を引き出した後は、ウエットシート取り出し口を閉じておくことによって袋体を密閉状態に保っておけるので、袋体内にある残部のウエットシート体の乾燥を防ぐことができる。したがって、袋体内のウエットシート体が完全に無くなってしまうまで所定の湿潤状態を保ったまま繰り返し使えるので、一回使い捨てタイプのものに比べると経済的である。なお、円筒容器タイプのウエットシート包装体の場合、通常は容器内に収容されているウエットシート体が外部から視認できないようになっているので残部のウエットシート量を知るのは難しいが、本発明のウエットシート包装体では、ウエットシート取り出し口を開けたときに袋体内のウエットシート体が外部から或るていど視認できるので、そのつど袋体内に残っているウエットシートの量を知ることができる。
【0017】
このように本発明のウエットシート包装体においては、最初に使用する際に袋体の上縁シール部側を開封しておけばその後はウエットシート取り出し口からウエットシート片を引き出すことで必要な分だけのウエットシートを簡単に取り出すことができ、取り出し後はウエットシート取り出し口を閉じておくことで次に使用するまで袋体を密閉して内部のウエットシートの湿潤状態を保っておくことができるので、従来の袋タイプのウエットシート包装体のようにウエットシートの使用時にその収容している袋をその都度破ったりゴミとして廃棄したりしなくても済むことになる。したがって、従来の袋タイプのものに比べて使い勝手が良く、使用するごとに袋のゴミが生じることもない。また、ウエットシートを使い切った場合には袋体のみを廃棄すればよいから、従来のプラスチック製の円筒容器を使用したウエットシート包装体と比べてゴミの発生量が少ないだけでなく、ゴミの減容化の点でも優れている。
【0018】
本発明のウエットシート包装体は、袋体の内部にウエットシート体を収容した構成であるから、軽量で持ち運びに便利である。しかも、両側部や底部にガゼット部を形成した袋体を使用することで自立タイプのウエットシート包装体も実現できる。自立タイプのウエットシート包装体とした場合には、平面タイプのものに比べて袋体の外表面積が増大するので、その分だけ広告や商品等の説明に使用可能なスペースも増える。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例1に係るウエットシート包装体の全体構造(未使用状態)を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例1に係るウエットシート包装体の内部構造(使用可能状態)を示す縦断正面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】本発明の実施例2に係るウエットシート包装体の全体構造(未使用状態)を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施例2に係るウエットシート包装体の内部構造(使用可能状態)を示す縦断正面図である。
【図6】本発明の実施例3に係るウエットシート包装体の内部構造(使用可能状態)を示す縦断正面図である。
【図7】本発明の実施例4に係るウエットシート包装体の全体構造(未使用状態)を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施例4に係るウエットシート包装体の内部構造(使用可能状態)を示す縦断正面図である。
【図9】図8のB−B線断面図である。
【図10】本発明の実施例4に係るウエットシート包装体における袋体の展開図である。
【図11】本発明の実施例5に係るウエットシート包装体の全体構造(未使用状態)を示す斜視図である。
【図12】本発明の実施例5に係るウエットシート包装体の内部構造(使用可能状態)を示す縦断正面図である。
【図13】本発明の実施例6に係るウエットシート包装体の全体構造(未使用状態)を示す斜視図である。
【図14】本発明の実施例6に係るウエットシート包装体の絞り部(シール部)の周辺構造を示す縦断正面図である。
【図15】図14のC−C線断面図である。
【図16】本発明の実施例7に係るウエットシート包装体の全体構造(未使用状態)を示す斜視図である。
【図17】袋体の上部構造の変形例を示す正面図である。
【図18】図17のD−D線端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0021】
[実施例1] 図1ないし図3は、本発明の実施例1に係るウエットシート包装体の全体構造を示すものである。これらの図に示すように、本実施例に係るウエットシート包装体1は、プラスチック製フィルムを主体とした気密性を有するラミネートフィルムからなる正面視で長方形の袋体2を有する。この袋体2の内部にはロール状に巻かれたウエットシート体3が収容されており、その状態で袋体2の周縁部4がシール(ここではヒートシール)されていることにより、袋体2の内部が気密・液密の状態に保たれた構造となっている。なお、図2において網目を施した部分がシール部分である(以下、他の図面においても同様。)。
【0022】
袋体2を形成しているラミネートフィルムは、後述する実施例4に使用されているものと同様であって、図1に示したように、中間層aが気体・液体に対するバリア性を有するアルミニウム箔あるいはアルミニウム蒸着膜によって構成され、その内面側が熱融着可能な例えばポリエチレンフィルムからなるシーラント層bとされ、外面側が印刷可能な例えばポリプロピレンからなる基材層cとされている。
【0023】
袋体2には、上縁シール部5の直下に位置する一側縁部に開封用のノッチ6が形成されている。また、このノッチ6よりもウエットシート体3の収納されている側に、ウエットシート体3を保持するための絞り部7が形成されているとともに、この絞り部7とノッチ6との間に開閉自在のウエットシート取り出し口8(図2参照)が形成されている。
【0024】
このうち、ウエットシート取り出し口8は、絞り部7とノッチ6との間に位置する袋体2の内面部分に、その幅方向に延びる密閉用のジッパー9を設けてなる。このジッパー9はプラスチック材で形成され、図3に示すように、上述した幅方向に延びる凹条部分91と、これに係脱可能な凸条部分92とで構成されており、これらを係脱させることで開閉操作が可能とされている。そして、同図に示したように凹条部分91と凸条部分92とを所定の状態に係合させてウエットシート取り出し口8を閉じることにより、袋体2内を気密状態に保って内部のウエットシート体3の乾燥を防止できるようになっている。
【0025】
一方、絞り部7は、ウエットシート取り出し口8の下方側において当該袋体2の両側縁部21・22からそれぞれ内方に向けて対向状に、袋体2の内面側を熱融着または接着してなる一対のシール部10・10で構成されている。これらの一対のシール部10・10の先端部間の間隔Lは、少なくとも、袋体2内に収容されたロール状のウエットシート体3の直径Mよりも小さな寸法に設定されている。そして、ノッチ6の部分で上縁シール部5側を引き裂いて開封した状態でウエットシート取り出し口8を開き、図2に示したように、内部に収容されているウエットシート体3の中心部側からその一部のウエットシート片31を外部に引き出す際に、その引き出し方向へのウエットシート体3の移動が絞り部7、つまり一対のシール部10・10によって規制されることにより、残部のウエットシート体3が外部に共に引き出されてしまうことなく袋体2内に留まるように構成されている。
【0026】
なお、上記のウエットシート体3においては、当該シートの長手方向に一定間隔ごとに短手方向に延びるいわゆるミシン目(切断されるべき部分としてのミシン目。ただし図示せず。)が入れられており、ウエットシート体3の中心部側からその一端を外部に素早く引き出したときに当該ミシン目部分で切れることによって一回分のウエットシート片31が取り出せるように構成されている。
【0027】
上記のウエットシート包装体1は、図1に示したように袋体2の周縁部4をシールした状態で工場から出荷され、使用する際に図2に示したように上縁シール部5側が取り除かれることによって開封される。この状態で、ウエットシート取り出し口8を開くと、内部に収容されたウエットシート体3の引き出し側(中心部側)の端部が掴めるので、その部分を掴んで外側に引き出すことで必要分のウエットシート片31を取り出すことができる。その際、袋体2にはウエットシート体3を保持するための絞り部7として左右一対のシール部10・10が形成されており、これらのシール部10・10によってウエットシート体3の上方側への移動が規制されるので、引き出されたウエットシート片31以外の残部のウエットシート体3は、外部に共に引き出されてしまうことなく袋体2内に留まる。したがって、ウエットシート取り出し口8を介して内部のウエットシート体3からウエットシート片31を必要な分だけ簡単に外部に取り出して使用することができる。
【0028】
また、上記のようにして必要分だけ取り出した後において、ウエットシート取り出し口8のジッパー9を再度閉じておけば、袋体2内が気密状態に保たれるので、袋体2内にある残部のウエットシート体3の乾燥を防ぐことができる。したがって、袋体2内のウエットシート体3を完全に使い切ってしまうまでその湿潤状態を保つことができるから、一回使い捨てタイプのものに比べると経済的である。さらに、ウエットシート取り出し口8のジッパー9を開けたときに袋体2内のウエットシート体3を視認できるので、そのつど袋体2内に残っているウエットシートの量を知ることができる。
【0029】
このように上記のウエットシート包装体1においては、ウエットシート取り出し口8からウエットシート片3を引き出すことで必要な分だけのウエットシートを簡単に取り出すことができるので、従来の袋タイプのウエットシート包装体のようにウエットシートを取り出す際にその都度袋を破ったりその破った袋をゴミとして捨てたりする必要がない。したがって、従来の袋タイプのものに比べて使い勝手が良く、使用の都度ゴミが生じることもない。また、ウエットシート体3を使い切った場合には袋体2のみを廃棄すればよいから、従来のプラスチック製の円筒容器を使用したウエットシート包装体と比べてゴミの発生量が少ないだけでなく、ゴミの減容化の点でも優れている。
【0030】
[実施例2] 図4および図5は、本発明の実施例2に係るウエットシート包装体1を示したものである。このウエットシート包装体1においては、底部24にガゼット部Gを形成した自立タイプ(スタンディングタイプ)の袋体2が使用されている。このような自立タイプの袋体2を使用したウエットシート包装体1の場合、自立させた状態で袋体2内のウエットシート体3からウエットシート片31を引き出す際に袋体2が安定するので、ウエットシート片31を取り出しやすいというメリットがある。このような点以外は、実施例1の場合と同様であって実施例1で述べた説明がそのまま当てはまるので、実施例1の場合と同様の部分については同様の符号を付してその説明を省略する。
【0031】
[実施例3] 図6は、本発明の実施例3に係るウエットシート包装体1を示したものである。このウエットシート包装体1においては、袋体2の両側縁部21・22の上部側をハの字型に傾斜して形成されている。このハの字型の傾斜部11・11は本発明における絞り部7を構成するものであり、所定の高さ位置(図示例では各傾斜部11の下端部近傍)から上部側の幅寸法Nが図中のウエットシート体3の幅寸法(図中の左右方向の寸法)Pよりも狭くなるように設定されていることにより、袋体2内に収容されたウエットシート体3の袋体2外への移動を規制して袋体2内に保持しておけるようになっている。
【0032】
なお、図示例では、分離したウエットシート片31を交互に折り畳んで、その最上端のウエットシート片131を上方に引き出したときにその次のウエットシート片132が取り出しやすいように一部が上方に開いた状態となる、いわゆるポップアップタイプのウエットシート体3が使用されているが、実施例1等と同様にロール状のウエットシート体を使用することも可能である。
【0033】
以上の点以外は、実施例1の場合とほぼ同様であるので、実施例1の場合と同様の部分については同様の符号を付してその説明を省略する。
【0034】
[実施例4] 図7ないし図10は、本発明の実施例4に係るウエットシート包装体1を示したものである。このウエットシート包装体1は、気密性を有するラミネートフィルムからなる自立タイプ(スタンディングタイプ)の正面視で長方形の袋体2を有する。袋体2の内部にはロール状に巻かれたウエットシート体3が収容されており、その状態で袋体2の周縁部4がシール(ヒートシール)されていることにより、袋体2の内部が気密・液密の状態に保たれた構造となっている。
【0035】
袋体2の上部には、上縁シール部5の直下に位置する一側縁部21に開封用のノッチ6が形成されており、さらにこのノッチ6の下方側に開閉自在のウエットシート取り出し口8(図8参照)が形成されている。
【0036】
袋体2の両側縁部21・22には、上端の高さ位置がノッチ6の高さ位置より下方側に位置するガゼット部G・Gがそれぞれ形成されている。これらのガゼット部G・Gの上部には、ウエットシート体3を袋体2内に保持するための絞り部7を構成する正面視(図8の状態)で三角片状の押さえ部12・12がそれぞれ形成されている。この左右一対の三角片状の押さえ部12・12は、各ガゼット部Gの上端側を内側に折り込むことによって形成され、その内側先端部121が、袋体2内に収容されたウエットシート体3の上方に位置していることにより、当該ウエットシート体3の上方への移動を規制している。そして、ノッチ6の部分で上縁シール部5側を引き裂いて開封した状態でウエットシート取り出し口8を開き、袋体2内に収容されているウエットシート体3の中心部側からその一部のウエットシート片31を外部に引き出す際に、ウエットシート体3の上端側が左右一対の三角片状の押さえ部12・12によって押さえられることにより、引き出したウエットシート片31のみを外部に取り出せるとともに、残部のウエットシート体3が外部に共に引き出されてしまうことなく袋体2内に留まるように構成されている。
【0037】
上記ウエットシート取り出し口8は、両三角片状の押さえ部12・12とノッチ6との間に位置する袋体2の内面部分に、その幅方向に延びる密閉用のジッパー9を設けてなる。このジッパー9は、先に説明した実施例1におけるものと同様の構成である。すなわち、このジッパー9は、プラスチック材で形成されており、先の図3に示したように、袋体2の幅方向に延びる凹条部分91と、これに係脱可能な凸条部分92とで構成されている。そして、これらを係脱させることで開閉操作が可能とされているとともに、凹条部分91と凸条部分92とを所定の状態に係合させてウエットシート取り出し口8を閉じることにより、袋体2内を気密状態に保って内部のウエットシート体3の乾燥を防止できるようになっている。
【0038】
上記の袋体2は、図10に示すように、三層構造のラミネートフィルムで形成されている。このラミネートフィルムは、中間層aが気体・液体に対するバリア性を有するアルミニウム箔あるいはアルミニウム蒸着膜によって構成され、その内面側が熱融着可能な例えばポリエチレンフィルムからなるシーラント層bとされ、外面側が印刷可能な例えばポリプロピレンからなる基材層cとされている。袋体2は、このようなラミネートフィルムを、図10に示したように、当該袋体2の前面または後面となる第1矩形部2Aと、これよりも袋体2の高さ方向(図10の左右方向)の寸法が所定量だけ短く設定されて左ガゼット部Gまたは右ガゼット部Gとなる第2矩形部2Bとを交互に配置した形状となるように切断し、図中の点線および鎖線で示した部分で所定の状態に折り曲げ、さらに袋体2の周縁部4となる部分の内面側のシーラント層bどうしを対接させ、その部分をヒートシールすることにより作成される。
【0039】
上記のウエットシート包装体1は、図7に示したように周縁部4をシールした状態で工場から出荷され、使用する際に図8に示したように上縁シール部5側が取り除かれることによって開封される。この状態で、ウエットシート取り出し口8のジッパー9を開くと、内部に収容されたウエットシート体3の引き出し側(中心部側)の端部が掴めるので、その部分を掴んで外側に引き出すことで必要分のウエットシート片31を取り出すことができる。その際、袋体2にはウエットシート体3を保持するための絞り部として左右一対の三角辺状の押さえ部12・12が形成されており、これらの押さえ部12・12によってウエットシート体3の上方側への移動が規制されるので、引き出されたウエットシート片31以外の残部のウエットシート体3は、外部に共に引き出されてしまうことなく袋体2内に留まる。したがって、ウエットシート取り出し口8を介して内部のウエットシート体3からウエットシート片31を必要な分だけを簡単に外部に取り出して使用することができる。
【0040】
また、上記のようにして必要分だけ取り出した後において、ウエットシート取り出し口8のジッパー9を再度閉じておけば、袋体2内が気密状態に保たれるので、袋体2内にある残部のウエットシート体3の乾燥を防ぐことができる。したがって、袋体2内のウエットシート体3を完全に使い切ってしまうまでその湿潤状態を保つことができるから、一回使い捨てタイプのものに比べると経済的である。さらに、ウエットシート取り出し口8のジッパー9を開けたときに例えば図9に示したように袋体2内のウエットシート体3を視認できるので、そのつど袋体2内に残っているウエットシートの量を知ることができる。
【0041】
このように上記のウエットシート包装体2においては、ウエットシート取り出し口8からウエットシート片31を引き出すことで必要な分だけのウエットシートを簡単に取り出すことができるので、従来の袋タイプのウエットシート包装体のようにウエットシートを取り出す際にその都度袋を破ったりする必要がなく、破った袋をゴミとして捨てることもない。したがって、従来の袋タイプのものに比べて使い勝手が良く、使用の都度ゴミが生じることもない。また、ウエットシートを使い切った場合には袋体のみを廃棄すればよいから、従来のプラスチック製の円筒容器を使用したウエットシート包装体と比べてゴミの発生量が少ないだけでなく、ゴミの減容化の点でも優れている。
【0042】
さらに、本実施例のウエットシート包装体1は、左右両側部にガゼット部Gが形成されて自立可能とされた袋体2の内部にロール状のウエットシート3を収容した構成であるから、平面置き(寝かせた状態)あるいは自立置き(立てた状態)のいずれでも使用でき、その点でも使い勝手が良い。
【0043】
[実施例5] 図11および図12は、本発明の実施例5に係るウエットシート包装体1を示したものである。このウエットシート包装体1においては、立てた状態での安定性(自立安定性)がさらに良くなるように、袋体2の両側縁部21・22側の各側面(つまり両側部)および底部24にガゼット部Gがそれぞれ形成されている点が、上記の実施例4の場合と異なる。その他の構成は実施例1の場合と同様であるので、対応する部分に同符号を付してその説明を省略する。
【0044】
[実施例6] 図13ないし図15は、本発明の実施例6に係るウエットシート包装体1を示したものである。このウエットシート包装体1は、袋体2の左右の両側縁部21・22側の各側面、つまり両側部にガゼット部G・Gが形成されている点は実施例4、5と同じであるが、各カゼット部Gの上端側に上述したような三角辺状の押さえ部12・12(図7・図8等参照)ではなく、実施例1の場合と同じような左右一対のシール部13・13が設けられて、これらが袋体2内のウエットシート体3を保持するための絞り部7とされている。このような点以外は、実施例4の場合とほぼ同様であるので、対応する部分に同符号を付してその説明を省略する。
【0045】
[実施例7] 図16は、本発明の実施例6に係るウエットシート包装体1を示したものである。このウエットシート包装体1は、立てた状態での安定性(自立安定性)がさらに高くなるように、袋体2の両側縁部21・22側の各側面(つまり両側部)のみならず底部24にもガゼット部Gが形成されている点が、上記の実施例6の場合と異なる。その他の構成は実施例6の場合と同様であるので、対応する部分に同符号を付してその説明を省略する。
【0046】
なお、上記の絞り部7を構成する左右一対のシール部10・10、13・13や左右一対の三角片状の押さえ部12・12は、これらの内側先端部が、袋体2内に収容されたロール状のウエットシート体13の中心部近傍の上方に位置するように構成するのが望ましい。その一例を図2や図7に鎖線で示す。このようにすると、ロール状のウエットシート体3の残量が少なくなっても、その上方側が当該シール部10・10、13・13や押さえ部12・12の内側先端部によって確実に押さえられるので、最後まで安定してウエットシート片31を取り出せるようになる。
【0047】
袋体2の上部側の構造は、上述したようなものに限られず、例えば図17および図18に示すような構造としてもよい。これらの図に示したウエットシート包装体1においては、袋体2の上縁シール部5に連続する左右の両側縁部21・21の上部側に、ウエットシート体3を保持するための絞り部7を構成するものとして比較的幅広の左右一対のシール部14・14が形成されている。これらのシール部14・14間の間隔は、ロール状のウエットシート体3の直径よりも狭い幅となるように設定されている。
【0048】
一対のシール部14・14のうちの一方と重なる側縁部(図示例では左側縁部21)に開封用のノッチ6が形成されており、このノッチ6よりもウエットシート体3の収納されている側に開閉自在のウエットシート取り出し口8が形成されている。このウエットシート取り出し口8は、絞り部7とノッチ6との間に位置する袋体2の内面部分に、その幅方向に延びる密閉用のジッパー9を設けてなる。このジッパー9の両端は両シール部14・14に連続している。なお、ジッパー9の構造自体は、先に説明したもの(図3参照)と同様である。
【0049】
このような袋体2においても、内部に収容されているウエットシート体3の中心部側からその一部のウエットシート片31を外部に引き出す際に、その引き出し方向へのウエットシート体3の移動が絞り部7、つまり一対のシール部14・14によって規制されることにより、残部のウエットシート体3が外部に共に引き出されてしまうことなく袋体2内に留まるようになる。なお、上記の構造は、両両側部や底部にガゼットを有する袋体、あるいはそのようなガゼットを有していない袋体のいずれにも適用可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 ウエットシート包装体
2 袋体
21・22 袋体の両側部
24 袋体の底部
3 ウエットシート体
31 ウエットシート片
4 袋体の周縁部
5 上縁シール部
6 ノッチ
7 絞り部
8 ウエットシート取り出し口
9 ジッパー
10・13・14 シール部
12 三角辺状の押さえ部
G ガゼット部
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋体の内部にウエットシート(化粧料シートを含む)を収容したウエットシート包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
不織布製のシートにアルコールなどの液体成分を含浸させたウエットシート(化粧料成分を含浸させた化粧料シートを含む)は、清拭や化粧などに使用される衛生用品として周知である。このようなウエットシートは、使用するまでに乾燥してしまわないように気密性を有する袋や容器に収容されたウエットシート包装体として提供されるのが通例である。
【0003】
この種のウエットシート包装体としては、従来、主として2つのタイプが存在する。一つは、携帯に便利な袋タイプのもので、プラスチックフィルム或いはこれにアルミニウム箔などを積層(ラミネート)してなる複合フィルムを用いて、その両サイドを熱融着によりシールして袋状とし、これにウエットシートを収納して密封した、いわゆる両サイド平面熱融着シールピロー包装品などである。このタイプには、飲食店などで客に提供される使い捨てタイプのウエットティシュ包装体も含まれる。
【0004】
もう一つは、主に住居や車内などで使用される円筒容器タイプのもので、プラスチック製の有底円筒容器(ブロー成形品)にロール状のウエットシートを入れ、その開口端側に、内部に収納されたウエットシートの乾燥を防止しつつ当該シートを一定の長さ分ずつ取り出せるように工夫した蓋を装着したものである(例えば特許文献1参照)。この円筒容器タイプのものは、通常はウエットシートを収容した容器を立てた状態にして置いておき、その上部の蓋に設けられたシート取り出し口からウエットシートを一定長さ分ずつ引き出して使用するようになっており、ロール状のウエットシートが無くなるまで使用できて使い勝手が良いというメリットがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−355340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、最近では環境保全の観点からゴミを如何に少なくするか、つまりゴミの減容化が重要な課題となっており、この点において、上述したようなプラスチックのブロー成形品からなる従来の円筒容器タイプのウエットシート包装体は、袋タイプのものと比べるとプラスチックの使用量が相対的に多いのみならず、使用済み容器の減容化も困難であるという問題があった。また、包装体を構成するプラスチック製の円筒容器や蓋はブロー成形や射出成形で製造されるため、袋タイプのものと比べると製造コストが高くつくという問題がある。
【0007】
一方、従来の袋タイプのウエットシート包装体では、ウエットシートを使用する際、そのつど袋を破って中のウエットシートを取り出さなければならい。すなわち、円筒容器タイプのウエットシート包装体のように必要なウエットシートのみを素早く取り出すことができないため、携帯用としては便利であっても家庭等での使い勝手が円筒容器タイプのものに比べると劣るという問題がある。また、いったん開封してしまうとウエットシートの乾燥を防ぐことができないため、一回使い捨てタイプのものに限られてしまい、不経済であるという問題がある。
【0008】
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたもので、従来のプラスチック製の円筒容器タイプのウエットシート包装体に比べてゴミの減容化や低減が可能で、低コストで製造でき、しかも従来の袋タイプのウエットシート包装体よりも使い勝手がよく経済的なウエットシート包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するため、本発明のウエットシート包装体は、以下のように構成したことを特徴とする。すなわち、本発明のウエットシート包装体は、内部にウエットシート体が収容されて周縁部がシールされていることにより密封された袋体を有する。この袋体には、その上縁シール部側を開封した状態で、内部に収容されたウエットシート体からその一部のウエットシート片を外部に引き出した際に、残部のウエットシート体が外部に共に引き出されてしまうことなく袋体内に留まるように、ウエットシート体を保持するための絞り部を形成する。そして、この絞り部と前記上縁シール部との間に開閉自在のウエットシート取り出し口を形成する。
【0010】
開閉自在のウエットシート取り出し口は、袋体の内面側の所定位置に後の実施例で述べるような密閉可能なジッパーもしくはスライドファスナーを取り付けることによって形成してもよいし、同じく袋体の内面側の所定位置に対向面どうしの接着と分離とを繰り返して行えるような粘着剤(例えばアクリル樹脂系、アクリル樹脂エマルジョン系、エチレン- 酢酸ビニル樹脂ホットメルト系等の接着剤で再接着可能に調整したもの)を塗布することによって形成してもよい。また、開閉自在のウエットシート取り出し口を形成できるのであれば、上記のようなものに限らず、適宜他の手段や構造等を採用してもよい。
【0011】
本発明のウエットシート包装体においては、袋体の両側縁部の上部側をハの字型に傾斜して形成し、このハの字型の傾斜部を前記絞り部として使用することができる。
【0012】
袋体を正面視で正方形または長方形としたうえで、この袋体におけるウエットシート取り出し口の下方側において当該袋体の両側縁部からそれぞれ内方に向けて対向状に、当該袋体の内面側を熱融着または接着してなる一対のシール部を形成し、この一対のシール部を前記絞り部としてもよい。この袋体には、前記一対のシール部の下方側の両側部にガゼット部をそれぞれ形成してもよい。
【0013】
袋体を正面視で正方形または長方形としたうえで、この袋体におけるウエットシート取り出し口の下方側の両側部にガゼット部をそれぞれ形成し、これらのガゼット部の上部に、前記絞り部を構成するものとして、袋体内に収容されたウエットシート体の上方に内側先端部が位置して当該ウエットシート体の上方への移動を規制する正面視で三角片状の押さえ部を形成してもよい。袋体の内部にロール状のウエットシート体を収容した場合には、その一部を外部に引き出す際における袋体内の残部のウエットシート体に対する押さえを更に確実なものとするため、そのロール中心部の上方近傍に前記三角片状の押さえ部の内側先端部を位置させるのが望ましい。
【0014】
袋体の底部にはガゼット部を形成しておくことができる。袋体の底部や側部に形成されるガゼット部は、袋体の内容量を増やしたり縦置き状態での安定性を高めたりする手段として有効であり、このようなガゼット部を形成しておくことによって、ロール状のウエットシート体なども袋体内に収容しやすくなる。また、袋体の側縁部には、上縁シール部とウエットシート取り出し口との間に位置する高さ部分に袋体の開封を容易とするためのノッチ部を形成しておいてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明のウエットシート包装体によれば、袋体の上縁シール部側を例えばハサミで切るなどして開封したうえで、その下方側に位置するウエットシート取り出し口を開くことによって、内部に収容されたウエットシート体から必要分のウエットシート片を外部に引き出すことができる。その際、袋体にはウエットシート体を保持するための絞り部が形成されており、この絞り部によってウエットシート体の上端側が押さえられるので、引き出されたウエットシート片以外の残部のウエットシート体は、外部に共に引き出されてしまうことなく袋体内に留まることとなる。こうして、本発明のウエットシート包装体によれば、ウエットシート取り出し口を開いて内部のウエットシート体からウエットシート片を必要な分だけ簡単に取り出すことができる。
【0016】
また、必要分だけウエットシート片を引き出した後は、ウエットシート取り出し口を閉じておくことによって袋体を密閉状態に保っておけるので、袋体内にある残部のウエットシート体の乾燥を防ぐことができる。したがって、袋体内のウエットシート体が完全に無くなってしまうまで所定の湿潤状態を保ったまま繰り返し使えるので、一回使い捨てタイプのものに比べると経済的である。なお、円筒容器タイプのウエットシート包装体の場合、通常は容器内に収容されているウエットシート体が外部から視認できないようになっているので残部のウエットシート量を知るのは難しいが、本発明のウエットシート包装体では、ウエットシート取り出し口を開けたときに袋体内のウエットシート体が外部から或るていど視認できるので、そのつど袋体内に残っているウエットシートの量を知ることができる。
【0017】
このように本発明のウエットシート包装体においては、最初に使用する際に袋体の上縁シール部側を開封しておけばその後はウエットシート取り出し口からウエットシート片を引き出すことで必要な分だけのウエットシートを簡単に取り出すことができ、取り出し後はウエットシート取り出し口を閉じておくことで次に使用するまで袋体を密閉して内部のウエットシートの湿潤状態を保っておくことができるので、従来の袋タイプのウエットシート包装体のようにウエットシートの使用時にその収容している袋をその都度破ったりゴミとして廃棄したりしなくても済むことになる。したがって、従来の袋タイプのものに比べて使い勝手が良く、使用するごとに袋のゴミが生じることもない。また、ウエットシートを使い切った場合には袋体のみを廃棄すればよいから、従来のプラスチック製の円筒容器を使用したウエットシート包装体と比べてゴミの発生量が少ないだけでなく、ゴミの減容化の点でも優れている。
【0018】
本発明のウエットシート包装体は、袋体の内部にウエットシート体を収容した構成であるから、軽量で持ち運びに便利である。しかも、両側部や底部にガゼット部を形成した袋体を使用することで自立タイプのウエットシート包装体も実現できる。自立タイプのウエットシート包装体とした場合には、平面タイプのものに比べて袋体の外表面積が増大するので、その分だけ広告や商品等の説明に使用可能なスペースも増える。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施例1に係るウエットシート包装体の全体構造(未使用状態)を示す斜視図である。
【図2】本発明の実施例1に係るウエットシート包装体の内部構造(使用可能状態)を示す縦断正面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】本発明の実施例2に係るウエットシート包装体の全体構造(未使用状態)を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施例2に係るウエットシート包装体の内部構造(使用可能状態)を示す縦断正面図である。
【図6】本発明の実施例3に係るウエットシート包装体の内部構造(使用可能状態)を示す縦断正面図である。
【図7】本発明の実施例4に係るウエットシート包装体の全体構造(未使用状態)を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施例4に係るウエットシート包装体の内部構造(使用可能状態)を示す縦断正面図である。
【図9】図8のB−B線断面図である。
【図10】本発明の実施例4に係るウエットシート包装体における袋体の展開図である。
【図11】本発明の実施例5に係るウエットシート包装体の全体構造(未使用状態)を示す斜視図である。
【図12】本発明の実施例5に係るウエットシート包装体の内部構造(使用可能状態)を示す縦断正面図である。
【図13】本発明の実施例6に係るウエットシート包装体の全体構造(未使用状態)を示す斜視図である。
【図14】本発明の実施例6に係るウエットシート包装体の絞り部(シール部)の周辺構造を示す縦断正面図である。
【図15】図14のC−C線断面図である。
【図16】本発明の実施例7に係るウエットシート包装体の全体構造(未使用状態)を示す斜視図である。
【図17】袋体の上部構造の変形例を示す正面図である。
【図18】図17のD−D線端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施例について説明する。
【0021】
[実施例1] 図1ないし図3は、本発明の実施例1に係るウエットシート包装体の全体構造を示すものである。これらの図に示すように、本実施例に係るウエットシート包装体1は、プラスチック製フィルムを主体とした気密性を有するラミネートフィルムからなる正面視で長方形の袋体2を有する。この袋体2の内部にはロール状に巻かれたウエットシート体3が収容されており、その状態で袋体2の周縁部4がシール(ここではヒートシール)されていることにより、袋体2の内部が気密・液密の状態に保たれた構造となっている。なお、図2において網目を施した部分がシール部分である(以下、他の図面においても同様。)。
【0022】
袋体2を形成しているラミネートフィルムは、後述する実施例4に使用されているものと同様であって、図1に示したように、中間層aが気体・液体に対するバリア性を有するアルミニウム箔あるいはアルミニウム蒸着膜によって構成され、その内面側が熱融着可能な例えばポリエチレンフィルムからなるシーラント層bとされ、外面側が印刷可能な例えばポリプロピレンからなる基材層cとされている。
【0023】
袋体2には、上縁シール部5の直下に位置する一側縁部に開封用のノッチ6が形成されている。また、このノッチ6よりもウエットシート体3の収納されている側に、ウエットシート体3を保持するための絞り部7が形成されているとともに、この絞り部7とノッチ6との間に開閉自在のウエットシート取り出し口8(図2参照)が形成されている。
【0024】
このうち、ウエットシート取り出し口8は、絞り部7とノッチ6との間に位置する袋体2の内面部分に、その幅方向に延びる密閉用のジッパー9を設けてなる。このジッパー9はプラスチック材で形成され、図3に示すように、上述した幅方向に延びる凹条部分91と、これに係脱可能な凸条部分92とで構成されており、これらを係脱させることで開閉操作が可能とされている。そして、同図に示したように凹条部分91と凸条部分92とを所定の状態に係合させてウエットシート取り出し口8を閉じることにより、袋体2内を気密状態に保って内部のウエットシート体3の乾燥を防止できるようになっている。
【0025】
一方、絞り部7は、ウエットシート取り出し口8の下方側において当該袋体2の両側縁部21・22からそれぞれ内方に向けて対向状に、袋体2の内面側を熱融着または接着してなる一対のシール部10・10で構成されている。これらの一対のシール部10・10の先端部間の間隔Lは、少なくとも、袋体2内に収容されたロール状のウエットシート体3の直径Mよりも小さな寸法に設定されている。そして、ノッチ6の部分で上縁シール部5側を引き裂いて開封した状態でウエットシート取り出し口8を開き、図2に示したように、内部に収容されているウエットシート体3の中心部側からその一部のウエットシート片31を外部に引き出す際に、その引き出し方向へのウエットシート体3の移動が絞り部7、つまり一対のシール部10・10によって規制されることにより、残部のウエットシート体3が外部に共に引き出されてしまうことなく袋体2内に留まるように構成されている。
【0026】
なお、上記のウエットシート体3においては、当該シートの長手方向に一定間隔ごとに短手方向に延びるいわゆるミシン目(切断されるべき部分としてのミシン目。ただし図示せず。)が入れられており、ウエットシート体3の中心部側からその一端を外部に素早く引き出したときに当該ミシン目部分で切れることによって一回分のウエットシート片31が取り出せるように構成されている。
【0027】
上記のウエットシート包装体1は、図1に示したように袋体2の周縁部4をシールした状態で工場から出荷され、使用する際に図2に示したように上縁シール部5側が取り除かれることによって開封される。この状態で、ウエットシート取り出し口8を開くと、内部に収容されたウエットシート体3の引き出し側(中心部側)の端部が掴めるので、その部分を掴んで外側に引き出すことで必要分のウエットシート片31を取り出すことができる。その際、袋体2にはウエットシート体3を保持するための絞り部7として左右一対のシール部10・10が形成されており、これらのシール部10・10によってウエットシート体3の上方側への移動が規制されるので、引き出されたウエットシート片31以外の残部のウエットシート体3は、外部に共に引き出されてしまうことなく袋体2内に留まる。したがって、ウエットシート取り出し口8を介して内部のウエットシート体3からウエットシート片31を必要な分だけ簡単に外部に取り出して使用することができる。
【0028】
また、上記のようにして必要分だけ取り出した後において、ウエットシート取り出し口8のジッパー9を再度閉じておけば、袋体2内が気密状態に保たれるので、袋体2内にある残部のウエットシート体3の乾燥を防ぐことができる。したがって、袋体2内のウエットシート体3を完全に使い切ってしまうまでその湿潤状態を保つことができるから、一回使い捨てタイプのものに比べると経済的である。さらに、ウエットシート取り出し口8のジッパー9を開けたときに袋体2内のウエットシート体3を視認できるので、そのつど袋体2内に残っているウエットシートの量を知ることができる。
【0029】
このように上記のウエットシート包装体1においては、ウエットシート取り出し口8からウエットシート片3を引き出すことで必要な分だけのウエットシートを簡単に取り出すことができるので、従来の袋タイプのウエットシート包装体のようにウエットシートを取り出す際にその都度袋を破ったりその破った袋をゴミとして捨てたりする必要がない。したがって、従来の袋タイプのものに比べて使い勝手が良く、使用の都度ゴミが生じることもない。また、ウエットシート体3を使い切った場合には袋体2のみを廃棄すればよいから、従来のプラスチック製の円筒容器を使用したウエットシート包装体と比べてゴミの発生量が少ないだけでなく、ゴミの減容化の点でも優れている。
【0030】
[実施例2] 図4および図5は、本発明の実施例2に係るウエットシート包装体1を示したものである。このウエットシート包装体1においては、底部24にガゼット部Gを形成した自立タイプ(スタンディングタイプ)の袋体2が使用されている。このような自立タイプの袋体2を使用したウエットシート包装体1の場合、自立させた状態で袋体2内のウエットシート体3からウエットシート片31を引き出す際に袋体2が安定するので、ウエットシート片31を取り出しやすいというメリットがある。このような点以外は、実施例1の場合と同様であって実施例1で述べた説明がそのまま当てはまるので、実施例1の場合と同様の部分については同様の符号を付してその説明を省略する。
【0031】
[実施例3] 図6は、本発明の実施例3に係るウエットシート包装体1を示したものである。このウエットシート包装体1においては、袋体2の両側縁部21・22の上部側をハの字型に傾斜して形成されている。このハの字型の傾斜部11・11は本発明における絞り部7を構成するものであり、所定の高さ位置(図示例では各傾斜部11の下端部近傍)から上部側の幅寸法Nが図中のウエットシート体3の幅寸法(図中の左右方向の寸法)Pよりも狭くなるように設定されていることにより、袋体2内に収容されたウエットシート体3の袋体2外への移動を規制して袋体2内に保持しておけるようになっている。
【0032】
なお、図示例では、分離したウエットシート片31を交互に折り畳んで、その最上端のウエットシート片131を上方に引き出したときにその次のウエットシート片132が取り出しやすいように一部が上方に開いた状態となる、いわゆるポップアップタイプのウエットシート体3が使用されているが、実施例1等と同様にロール状のウエットシート体を使用することも可能である。
【0033】
以上の点以外は、実施例1の場合とほぼ同様であるので、実施例1の場合と同様の部分については同様の符号を付してその説明を省略する。
【0034】
[実施例4] 図7ないし図10は、本発明の実施例4に係るウエットシート包装体1を示したものである。このウエットシート包装体1は、気密性を有するラミネートフィルムからなる自立タイプ(スタンディングタイプ)の正面視で長方形の袋体2を有する。袋体2の内部にはロール状に巻かれたウエットシート体3が収容されており、その状態で袋体2の周縁部4がシール(ヒートシール)されていることにより、袋体2の内部が気密・液密の状態に保たれた構造となっている。
【0035】
袋体2の上部には、上縁シール部5の直下に位置する一側縁部21に開封用のノッチ6が形成されており、さらにこのノッチ6の下方側に開閉自在のウエットシート取り出し口8(図8参照)が形成されている。
【0036】
袋体2の両側縁部21・22には、上端の高さ位置がノッチ6の高さ位置より下方側に位置するガゼット部G・Gがそれぞれ形成されている。これらのガゼット部G・Gの上部には、ウエットシート体3を袋体2内に保持するための絞り部7を構成する正面視(図8の状態)で三角片状の押さえ部12・12がそれぞれ形成されている。この左右一対の三角片状の押さえ部12・12は、各ガゼット部Gの上端側を内側に折り込むことによって形成され、その内側先端部121が、袋体2内に収容されたウエットシート体3の上方に位置していることにより、当該ウエットシート体3の上方への移動を規制している。そして、ノッチ6の部分で上縁シール部5側を引き裂いて開封した状態でウエットシート取り出し口8を開き、袋体2内に収容されているウエットシート体3の中心部側からその一部のウエットシート片31を外部に引き出す際に、ウエットシート体3の上端側が左右一対の三角片状の押さえ部12・12によって押さえられることにより、引き出したウエットシート片31のみを外部に取り出せるとともに、残部のウエットシート体3が外部に共に引き出されてしまうことなく袋体2内に留まるように構成されている。
【0037】
上記ウエットシート取り出し口8は、両三角片状の押さえ部12・12とノッチ6との間に位置する袋体2の内面部分に、その幅方向に延びる密閉用のジッパー9を設けてなる。このジッパー9は、先に説明した実施例1におけるものと同様の構成である。すなわち、このジッパー9は、プラスチック材で形成されており、先の図3に示したように、袋体2の幅方向に延びる凹条部分91と、これに係脱可能な凸条部分92とで構成されている。そして、これらを係脱させることで開閉操作が可能とされているとともに、凹条部分91と凸条部分92とを所定の状態に係合させてウエットシート取り出し口8を閉じることにより、袋体2内を気密状態に保って内部のウエットシート体3の乾燥を防止できるようになっている。
【0038】
上記の袋体2は、図10に示すように、三層構造のラミネートフィルムで形成されている。このラミネートフィルムは、中間層aが気体・液体に対するバリア性を有するアルミニウム箔あるいはアルミニウム蒸着膜によって構成され、その内面側が熱融着可能な例えばポリエチレンフィルムからなるシーラント層bとされ、外面側が印刷可能な例えばポリプロピレンからなる基材層cとされている。袋体2は、このようなラミネートフィルムを、図10に示したように、当該袋体2の前面または後面となる第1矩形部2Aと、これよりも袋体2の高さ方向(図10の左右方向)の寸法が所定量だけ短く設定されて左ガゼット部Gまたは右ガゼット部Gとなる第2矩形部2Bとを交互に配置した形状となるように切断し、図中の点線および鎖線で示した部分で所定の状態に折り曲げ、さらに袋体2の周縁部4となる部分の内面側のシーラント層bどうしを対接させ、その部分をヒートシールすることにより作成される。
【0039】
上記のウエットシート包装体1は、図7に示したように周縁部4をシールした状態で工場から出荷され、使用する際に図8に示したように上縁シール部5側が取り除かれることによって開封される。この状態で、ウエットシート取り出し口8のジッパー9を開くと、内部に収容されたウエットシート体3の引き出し側(中心部側)の端部が掴めるので、その部分を掴んで外側に引き出すことで必要分のウエットシート片31を取り出すことができる。その際、袋体2にはウエットシート体3を保持するための絞り部として左右一対の三角辺状の押さえ部12・12が形成されており、これらの押さえ部12・12によってウエットシート体3の上方側への移動が規制されるので、引き出されたウエットシート片31以外の残部のウエットシート体3は、外部に共に引き出されてしまうことなく袋体2内に留まる。したがって、ウエットシート取り出し口8を介して内部のウエットシート体3からウエットシート片31を必要な分だけを簡単に外部に取り出して使用することができる。
【0040】
また、上記のようにして必要分だけ取り出した後において、ウエットシート取り出し口8のジッパー9を再度閉じておけば、袋体2内が気密状態に保たれるので、袋体2内にある残部のウエットシート体3の乾燥を防ぐことができる。したがって、袋体2内のウエットシート体3を完全に使い切ってしまうまでその湿潤状態を保つことができるから、一回使い捨てタイプのものに比べると経済的である。さらに、ウエットシート取り出し口8のジッパー9を開けたときに例えば図9に示したように袋体2内のウエットシート体3を視認できるので、そのつど袋体2内に残っているウエットシートの量を知ることができる。
【0041】
このように上記のウエットシート包装体2においては、ウエットシート取り出し口8からウエットシート片31を引き出すことで必要な分だけのウエットシートを簡単に取り出すことができるので、従来の袋タイプのウエットシート包装体のようにウエットシートを取り出す際にその都度袋を破ったりする必要がなく、破った袋をゴミとして捨てることもない。したがって、従来の袋タイプのものに比べて使い勝手が良く、使用の都度ゴミが生じることもない。また、ウエットシートを使い切った場合には袋体のみを廃棄すればよいから、従来のプラスチック製の円筒容器を使用したウエットシート包装体と比べてゴミの発生量が少ないだけでなく、ゴミの減容化の点でも優れている。
【0042】
さらに、本実施例のウエットシート包装体1は、左右両側部にガゼット部Gが形成されて自立可能とされた袋体2の内部にロール状のウエットシート3を収容した構成であるから、平面置き(寝かせた状態)あるいは自立置き(立てた状態)のいずれでも使用でき、その点でも使い勝手が良い。
【0043】
[実施例5] 図11および図12は、本発明の実施例5に係るウエットシート包装体1を示したものである。このウエットシート包装体1においては、立てた状態での安定性(自立安定性)がさらに良くなるように、袋体2の両側縁部21・22側の各側面(つまり両側部)および底部24にガゼット部Gがそれぞれ形成されている点が、上記の実施例4の場合と異なる。その他の構成は実施例1の場合と同様であるので、対応する部分に同符号を付してその説明を省略する。
【0044】
[実施例6] 図13ないし図15は、本発明の実施例6に係るウエットシート包装体1を示したものである。このウエットシート包装体1は、袋体2の左右の両側縁部21・22側の各側面、つまり両側部にガゼット部G・Gが形成されている点は実施例4、5と同じであるが、各カゼット部Gの上端側に上述したような三角辺状の押さえ部12・12(図7・図8等参照)ではなく、実施例1の場合と同じような左右一対のシール部13・13が設けられて、これらが袋体2内のウエットシート体3を保持するための絞り部7とされている。このような点以外は、実施例4の場合とほぼ同様であるので、対応する部分に同符号を付してその説明を省略する。
【0045】
[実施例7] 図16は、本発明の実施例6に係るウエットシート包装体1を示したものである。このウエットシート包装体1は、立てた状態での安定性(自立安定性)がさらに高くなるように、袋体2の両側縁部21・22側の各側面(つまり両側部)のみならず底部24にもガゼット部Gが形成されている点が、上記の実施例6の場合と異なる。その他の構成は実施例6の場合と同様であるので、対応する部分に同符号を付してその説明を省略する。
【0046】
なお、上記の絞り部7を構成する左右一対のシール部10・10、13・13や左右一対の三角片状の押さえ部12・12は、これらの内側先端部が、袋体2内に収容されたロール状のウエットシート体13の中心部近傍の上方に位置するように構成するのが望ましい。その一例を図2や図7に鎖線で示す。このようにすると、ロール状のウエットシート体3の残量が少なくなっても、その上方側が当該シール部10・10、13・13や押さえ部12・12の内側先端部によって確実に押さえられるので、最後まで安定してウエットシート片31を取り出せるようになる。
【0047】
袋体2の上部側の構造は、上述したようなものに限られず、例えば図17および図18に示すような構造としてもよい。これらの図に示したウエットシート包装体1においては、袋体2の上縁シール部5に連続する左右の両側縁部21・21の上部側に、ウエットシート体3を保持するための絞り部7を構成するものとして比較的幅広の左右一対のシール部14・14が形成されている。これらのシール部14・14間の間隔は、ロール状のウエットシート体3の直径よりも狭い幅となるように設定されている。
【0048】
一対のシール部14・14のうちの一方と重なる側縁部(図示例では左側縁部21)に開封用のノッチ6が形成されており、このノッチ6よりもウエットシート体3の収納されている側に開閉自在のウエットシート取り出し口8が形成されている。このウエットシート取り出し口8は、絞り部7とノッチ6との間に位置する袋体2の内面部分に、その幅方向に延びる密閉用のジッパー9を設けてなる。このジッパー9の両端は両シール部14・14に連続している。なお、ジッパー9の構造自体は、先に説明したもの(図3参照)と同様である。
【0049】
このような袋体2においても、内部に収容されているウエットシート体3の中心部側からその一部のウエットシート片31を外部に引き出す際に、その引き出し方向へのウエットシート体3の移動が絞り部7、つまり一対のシール部14・14によって規制されることにより、残部のウエットシート体3が外部に共に引き出されてしまうことなく袋体2内に留まるようになる。なお、上記の構造は、両両側部や底部にガゼットを有する袋体、あるいはそのようなガゼットを有していない袋体のいずれにも適用可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 ウエットシート包装体
2 袋体
21・22 袋体の両側部
24 袋体の底部
3 ウエットシート体
31 ウエットシート片
4 袋体の周縁部
5 上縁シール部
6 ノッチ
7 絞り部
8 ウエットシート取り出し口
9 ジッパー
10・13・14 シール部
12 三角辺状の押さえ部
G ガゼット部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にウエットシート体が収容されて周縁部がシールされていることにより密封された袋体を有し、
この袋体には、その上縁シール部側を開封した状態で、内部に収容されたウエットシート体からその一部のウエットシート片を外部に引き出した際に、残部のウエットシート体が外部に共に引き出されてしまうことなく袋体内に留まるように、ウエットシート体を保持するための絞り部が形成されており、
この絞り部と前記上縁シール部との間に開閉自在のウエットシート取り出し口が形成されていることを特徴とするウエットシート包装体。
【請求項2】
袋体の両側縁部の上部側がハの字型に傾斜して形成されており、このハの字型の傾斜部によって前記絞り部が構成されている、請求項1記載のウエットシート包装体。
【請求項3】
袋体は正面視で正方形または長方形であり、
ウエットシート取り出し口の下方側において当該袋体の両側縁部からそれぞれ内方に向けて対向状に、当該袋体の内面側を熱融着または接着してなる一対のシール部が形成されており、この一対のシール部によって前記絞り部が構成されている、請求項1記載のウエットシート包装体。
【請求項4】
袋体には前記一対のシール部の下方側の両側部にガゼット部がそれぞれ形成されている、請求項3記載のウエットシート包装体。
【請求項5】
袋体は正面視で正方形または長方形であり、
袋体には前記ウエットシート取り出し口の下方側の両側部にガゼット部がそれぞれ形成されており、
これらのガゼット部の上部には、袋体の内部に収容されたウエットシート体の上方に内側先端部が位置して当該ウエットシート体の上方への移動を規制する正面視で三角片状の押さえ部が形成されており、
これらの三角片状の押さえ部によって前記絞り部が構成されている、請求項1記載のウエットシート包装体。
【請求項6】
袋体の内部に収容されたウエットシート体はロール状のウエットシート体であり、
このウエットシート体のロール中心部の上方近傍に前記三角片状の押さえ部の内側先端部が位置している、請求項5記載のウエットシート包装体。
【請求項7】
袋体の底部にガゼット部が形成されている、請求項1ないし6のいずれかに記載のウエットシート包装体。
【請求項1】
内部にウエットシート体が収容されて周縁部がシールされていることにより密封された袋体を有し、
この袋体には、その上縁シール部側を開封した状態で、内部に収容されたウエットシート体からその一部のウエットシート片を外部に引き出した際に、残部のウエットシート体が外部に共に引き出されてしまうことなく袋体内に留まるように、ウエットシート体を保持するための絞り部が形成されており、
この絞り部と前記上縁シール部との間に開閉自在のウエットシート取り出し口が形成されていることを特徴とするウエットシート包装体。
【請求項2】
袋体の両側縁部の上部側がハの字型に傾斜して形成されており、このハの字型の傾斜部によって前記絞り部が構成されている、請求項1記載のウエットシート包装体。
【請求項3】
袋体は正面視で正方形または長方形であり、
ウエットシート取り出し口の下方側において当該袋体の両側縁部からそれぞれ内方に向けて対向状に、当該袋体の内面側を熱融着または接着してなる一対のシール部が形成されており、この一対のシール部によって前記絞り部が構成されている、請求項1記載のウエットシート包装体。
【請求項4】
袋体には前記一対のシール部の下方側の両側部にガゼット部がそれぞれ形成されている、請求項3記載のウエットシート包装体。
【請求項5】
袋体は正面視で正方形または長方形であり、
袋体には前記ウエットシート取り出し口の下方側の両側部にガゼット部がそれぞれ形成されており、
これらのガゼット部の上部には、袋体の内部に収容されたウエットシート体の上方に内側先端部が位置して当該ウエットシート体の上方への移動を規制する正面視で三角片状の押さえ部が形成されており、
これらの三角片状の押さえ部によって前記絞り部が構成されている、請求項1記載のウエットシート包装体。
【請求項6】
袋体の内部に収容されたウエットシート体はロール状のウエットシート体であり、
このウエットシート体のロール中心部の上方近傍に前記三角片状の押さえ部の内側先端部が位置している、請求項5記載のウエットシート包装体。
【請求項7】
袋体の底部にガゼット部が形成されている、請求項1ないし6のいずれかに記載のウエットシート包装体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−126545(P2011−126545A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−283763(P2009−283763)
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【出願人】(504373864)明広商事株式会社 (43)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年12月15日(2009.12.15)
【出願人】(504373864)明広商事株式会社 (43)
【Fターム(参考)】
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