ウエットシート包装体
【課題】ファッション性が良く、ゴミの減容化や低減が可能で平面置きあるいは自立置きのいずれでも使用できる使い勝手の良いウエットシート包装体を提供する。
【解決手段】フィルムまたはシートからなる自立タイプの袋体2を有し、この袋体2の内部にウエットシート5を積層して収容した状態で当該袋体2を密封した構成とする。袋体2の一側面21には、ウエットシート5を外部に取り出すためのウエットシート取り出し口6を形成すべき切り目7を入れ、この切り目7の内側全体および外側周辺部を覆う脱着可能なフラップラベル8を装着する。
【解決手段】フィルムまたはシートからなる自立タイプの袋体2を有し、この袋体2の内部にウエットシート5を積層して収容した状態で当該袋体2を密封した構成とする。袋体2の一側面21には、ウエットシート5を外部に取り出すためのウエットシート取り出し口6を形成すべき切り目7を入れ、この切り目7の内側全体および外側周辺部を覆う脱着可能なフラップラベル8を装着する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自立タイプの袋体の内部にウエットシート(化粧料シートを含む)を収容したウエットシート包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
不織布製のシートにアルコールなどの液体成分を含浸させたウエットシート(化粧料成分を含浸させた化粧料シートを含む)は、清拭や化粧などに使用される衛生用品として周知である。このようなウエットシートは、使用するまでに乾燥してしまわないように気密性を有する袋や容器に収容されたウエットシート包装体として提供されるのが通例である。
【0003】
ウエットシート包装体としては、従来、主として2つのタイプが存在する。一つは、携帯に便利な袋タイプのもので、プラスチックフィルム或いはこれにアルミニウム箔などを積層(ラミネート)してなる複合フィルムを用いて、その両サイドを熱融着によりシールして袋状とし、これにウエットシートを収納して密封した、いわゆる両サイド平面熱融着シールピロー包装品などである。このタイプには、飲食店などで客に提供される使い捨てタイプのウエットティシュ包装体も含まれる。
【0004】
もう一つは、主に住居や車内などで使用される円筒容器タイプのもので、プラスチック製の有底円筒容器(ブロー成形品)にロール状のウエットシートを入れ、その開口端側に、内部に収納されたウエットシートの乾燥を防止しつつ当該シートを一定の長さ分ずつ取り出せるように工夫した蓋を装着したものである(例えば特許文献1参照)。この円筒容器タイプのものは、通常はウエットシートを収容した容器を立てた状態にして置いておき、その上部の蓋に設けられたシート取り出し口からウエットシートを一定長さ分ずつ引き出して使用するようになっており、ロール状のウエットシートが無くなるまで使用できて使い勝手が良いというメリットがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−355340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように従来のウエットシート包装体には、携帯され或いは一回で使い捨てられることを前提とした袋タイプのものと、住居等での使用を想定した円筒容器タイプのものとがあるが、これまではどちらかというと前者の携帯タイプのウエットシート包装体の使用頻度が高かった。このような携帯用等の袋タイプのウエットシート包装体ではファッション性(デザイン性)が重視されるが、最近では住居等でウエットシートが使用される場合も多くなっており、そのような場所で使用されるウエットシート包装体にもファッション性が要求されるようになってきた。
【0007】
ところが、従来の円筒容器タイプのウエットシート包装体においては、ロール状に巻かれたウエットシートを、その乾燥を防止しつつ如何にして所定量ずつスムーズに容器内から取り出せるようにするか、言い換えれば如何にして使い勝手を良くするかといった機能面に重点が置かれており、ファッション性については殆ど考慮されていなかった。
【0008】
また、最近では環境保全の観点からゴミを如何に少なくするか、つまりゴミの減容化が重要な課題となっているが、上述したようなプラスチックのブロー成形品からなる従来の円筒容器タイプのウエットシート包装体では、袋タイプのものに比べてプラスチックの使用量が相対的に多いのみならず、使用済み容器の減容化も困難であるという問題があった。
【0009】
一方、従来の袋タイプのウエットシート包装体では、ウエットシートを使用する際、そのつど袋を破って中のウエットシートを取り出さなければならない。すなわち、円筒容器タイプのウエットシート包装体のように必要なウエットシートのみを素早く取り出すことができないため、家庭等での使い勝手が円筒容器タイプのものに比べると劣る。またウエットシートを収納していた袋もゴミとして捨てられるため、使用済みのウエットシート以外に余分なゴミが発生するという問題がある。
【0010】
なお、従来においては、袋内に一枚ずつ取り出し可能なウエットシートを多数枚重ねた状態で収納した袋タイプのウエットシート包装体も提供されている。このタイプのウエットシート包装体においては、相当枚数のウエットシートが袋内に残っているうちは全体として積層方向に一定の厚みを有する状態となっているので、自立置き状態で使用することも可能である。しかし、袋内のウエットシートの枚数が少なくなると前記積層方向の厚みが薄くなるため、自立置き状態での使用が不可能となって平面置き状態でしか使用できなくなる。また、このように袋の中に入っているウエットシートの枚数が減って包装体の厚みが薄くなると、形状が崩れて見栄えが悪くなるため、デザイン性も損なわれてしまうこととなる。
【0011】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたもので、使い勝手が良いだけでなくファッション性も良く、しかもゴミの減容化や低減が可能で、平面置き(寝かせた状態)あるいは自立置き(立てた状態)のいずれの状態でも使用できるウエットシート包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するため、本発明のウエットシート包装体は、以下のように構成したことを特徴とする。
【0013】
すなわち、本発明のウエットシート包装体は、フィルムまたはシートからなる自立タイプの袋体を有し、この袋体の内部にウエットシートを積層して収容した状態で当該袋体を密封した構成とする。袋体の一側面には、前記ウエットシートを外部に取り出すためのウエットシート取り出し口を形成すべき切り目(いわゆるミシン目のような破断線もしくは切り取り線)を入れ、この切り目の内側全体および外側周辺部を覆う脱着可能(言い換えると、剥離および再接着可能)なフラップラベルを装着する。このフラップラベルの内面側またはこのフラップラベルによって覆われる袋体の外側の面(すなわち袋体外側面)には、当該袋体外側面に対するフラップラベルの脱着(剥離および再接着)を可能とする粘着剤層を設ける。この場合、袋体外側面からフラップラベルを最初に剥がしたときに切り目の内側部分がフラップラベルに接着した状態で前記袋体外側面から分離してウエットシート取り出し口が形成されるように、前記切り目部分の強度と粘着剤層の粘着力との関係を設定する。
【0014】
上記のウエットシート包装体では、袋体の一側面にウエットシート取り出し口形成用の切り目を入れ、この切り目の内側全体および外側周辺部を覆う脱着可能なフラップラベルを装着した構成としたが、袋体の一側面にウエットシート取り出し口(開口部)を形成しておき、この取り出し口およびその周辺部を覆う脱着可能なフラップラベルを装着した構成とすることもできる。このタイプのウエットシートは、次のように構成したことを特徴とする。
【0015】
すなわち、フィルムまたはシートからなる自立タイプの袋体を有し、この内部にウエットシートを積層して収容した状態で当該袋体を密封した構成とする。袋体の一側面には、前記ウエットシートを外部に取り出すためのウエットシート取り出し口を形成し、この取り出し口およびその周辺部を覆う脱着可能(言い換えると、剥離および再接着可能)なフラップラベルを装着する。このフラップラベルの内面側またはこのフラップラベルによって覆われる前記取り出し口周辺部の袋体の外側面側には、当該袋体外側面に対するフラップラベルの脱着(剥離および再接着)を可能とする粘着剤層を設ける。
【0016】
本発明のウエットシート包装体では自立タイプの袋体を使用するが、自立タイプとするための具体的な構造としては、袋体の底部や側縁部にガゼット部を設けた構成とすることができる。
【0017】
袋体内に収容するウエットシートは、一回の使用量に相当する長さごと取り出せるように積層した状態としておくのが望ましい。そのような構造としては、例えば、一回の使用量に相当するウエットシートを所定枚数分だけ所定の状態に重ね合わせた構造、一回の使用量に相当する長さごとにミシン目のような切り目をシート幅方向に入れた長尺のウエットシートを一定の間隔で交互に折り畳んで積層し、袋体内のウエットシートを取り出す際に当該ウエットシートに作用する力あるいは当該ウエットシートに加える僅かな力で前記切り目の部分で切れるようにした構造などを採用することができる。
【0018】
袋体においてフラップラベルの装着されている側面とは反対側の側面を反射性に優れた素材で構成して当該側面が鏡面のような状態となるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明のウエットシート包装体によれば、袋体外側面に装着されたフラップラベルの一部または全部を剥がしたときに、当該ラベルによって覆われていたウエットシート取り出し口が外部に現れることとなるので、そこから袋体内のウエットシートを必要分だけ取り出すことができる。そして、使用後はフラップラベルを元の装着状態(接着状態)に戻すことでウエットシート取り出し口を再び閉鎖することができるので、袋体を密封状態に保つことができる。これにより、袋体内のウエットシートの乾燥を防止できる。なお、フラップラベルの内面側またはこのフラップラベルによって覆われる袋体の外側面側には、当該袋体外側面に対するフラップラベルの脱着(剥離および再接着)を可能とする粘着剤層が設けられているので、上記のようなウエットシート取り出し口周辺部に対するフラップラベルの剥離および再接着による開閉操作は、ウェットシートを使い切るまで繰り返し行うことができる。
【0020】
このように本発明のウエットシート包装体においては、袋体外側面に装着されたフラップラベルの一部または全部を剥がしたときに現れるウエットシート取り出し口からウエットシートを引き出すことで必要な分だけウエットシートを簡単に取り出すことができるので、従来の袋タイプのウエットシート包装体のようにウエットシートを取り出す際にそのつど袋を破ったりする必要がなく、破った袋をゴミとして捨てることもない。したがって、従来の袋タイプのものに比べて使い勝手が良く、使用のつどゴミが生じることもない。また、ウエットシートを使い切った場合には袋体のみを廃棄すればよいから、従来のプラスチック製の円筒容器を使用したウエットシート包装体と比べてゴミの発生量が少ないだけでなく、ゴミの減容化の点でも優れている。
【0021】
本発明のウエットシート包装体は、フィルムまたはシートからなる自立タイプの袋体の内部にウエットシートを収容した構成であるので、平面置き(寝かせた状態)あるいは自立置き(立てた状態)のいずれでも使用でき、その点でも使い勝手が良い。また、自立タイプの袋体を使用したウエットシート包装体は商品としても目新しく、ファッション性の点でも優れている。さらに、自立タイプの袋体を使用しているので、ウエットシートを使い切るまで袋体の形状が変わることがないので、当初のデザイン性が最後まで損なわれることがない。
【0022】
袋体の底部や側縁部にガゼット部を設けて自立タイプの袋体とした場合には、当該ガゼット部の形成により文字や図等を記載できる面も増えるので、それだけ写真や商品の説明を従来より多く掲載ないし記載でき、したがって当該商品に関するより多くの情報を消費者に提供できるようになる。
【0023】
従来の携帯用袋タイプのウエットシート包装体は平面置きするので裏面が見えず、フラップラベルのある表面しか見えないが、本発明のウエットシート包装体においては自立タイプの袋体を使用しているので、フラップラベルのある表面だけでなく、側面や裏面も見えるようになる。
【0024】
袋体においてフラップラベルの装着されている側面とは反対側の側面を反射性に優れた素材で構成して当該側面が鏡面のような状態となっていると、この面を鏡としても使用できる。したがって、いわゆるメイク落としをする場合等において、本発明のウエットシート包装体における前記側面を鏡として使用し、メイクの落ち具合を確認しながらメイク落としを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施例1に係るウエットシート包装体の全体構造(開封状態)を示す正面図である。
【図2】本発明の実施例1に係るウエットシート包装体の全体構造(未開封状態)を示す正面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】図2のB−B線断面図である。
【図5】実施例1における袋体の製袋方法を示す斜視図である。
【図6】袋体の他の製袋方法を示す斜視図である。
【図7】袋体のさらに他の製袋方法を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施例2に係るウエットシート包装体の正面図である。
【図9】図8のC−C線断面図である。
【図10】図8のD−D線断面図である。
【図11】実施例2における袋体の製袋方法を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0027】
図1および図2は、本発明の実施例1に係るウエットシート包装体の全体構造を示すもので、このうち図1は開封状態(使用状態)のものを示し、図2は未開封状態(未使用状態)のものを示す。
【0028】
これらの図に示すように、ウエットシート包装体1は、プラスチック製フィルムを主体とした気密性を有するラミネートフィルムからなる自立タイプ(スタンディングタイプ)の袋体2を有する。この袋体2は、図3および図4にも示すように、左右の両側部にガゼット部G・Gの形成された胴部3と、同じくガゼット部Gの形成された底部4とからなり、底部4が二次元的な一定の大きさを有する構造で自立可能となっている。なお、袋体2を形成している素材等や製袋方法については後述する。
【0029】
袋体2の内部には、一枚づつ取り出し可能に折り畳まれた多数枚のウエットシート5が積層状態で収容されており、その状態で袋体2が密封されていることにより、袋体2の内部が気密・液密の状態に保たれた構造となっている。
【0030】
袋体2が未開封である状態において、袋体2の一側面(図示例では前面)21には、袋体2内のウエットシート5を外部に取り出すための長孔状のウエットシート取り出し口6を形成すべき切り目(ミシン目)7が入れられているとともに、この切り目7の内側全体および外側周辺部を覆う脱着可能なプラスチック製のフラップラベル8が装着されている。
【0031】
フラップラベル8は、図1および図2に示したようにウエットシート包装体1を自立置き(縦置き)にした状態で当該ラベル8の上端側となる一端部に舌片状の剥離操作部81が形成されている。この剥離操作部81を除いてフラップラベル8の内面側(裏面側)には、これによって覆われる袋体2の外側面21に対するフラップラベル8の脱着(剥離および再接着)を可能とする粘着剤層9が設けられている。そして、袋体外側面21に接着されているフラップラベル8を剥離操作部81側から剥がしていったときに、図1に示すように切り目7の内側部分がフラップラベル8に接着した状態で前記袋体外側面21から分離してウエットシート取り出し口6が形成され、以後はフラップラベル8の剥離・再接着操作によってウエットシート取り出し口6を開閉できるようになっている。
【0032】
また、図示例のフラップラベル8においては、上記の剥離操作部81とは反対側に位置する他端部(下端部)の左右両側に、フラップラベル8の剥離を所定位置で停止させる手段として、一対の所定形状の切り込み線10・10が設けられている。そして、図1に示したように剥離操作部81側からフラップラベル8を剥離していったときに、当該切り込み線10・10の設けられている部分で剥離方向の力が分散され、その結果としてそれ以上のフラップラベル8の剥離が相対的に困難となることにより、必要以上の力を加えない限りは当該部分で剥離が停止されるようになっている。
【0033】
ここで、上記の袋体2の製袋方法について簡単に説明する。上記の袋体2は、図5の(a)に示すように、ラミネートフィルムからなる直方筒状体の左右両側部を内側に折曲することによって形成される胴部3と、短手方向の断面形状が逆V字状のラミネートフィルムからなる凸状体の左右両側部を内側に折曲することによって形成される底部4とで構成される。胴部3には、これに底部3を取り付ける前に、ウエットシート取り出し口6またはウエットシート取り出し口形成用の切り目7が形成される。胴部3の内面側と底部4の外面側は、熱融着が可能なシーラント層とされている。そして、図5の(a)および(b)に示すように、胴部3の下端側の開口端部31に底部4を嵌合させ、当該開口端部31の内周部分と底部4の下端外周部分41とをヒートシールすることにより、上述の構成を有する自立タイプの袋体2としたものである。なお、図5の(b)において網目模様を施した部分がヒートシールした部分である。袋体2を構成する胴部3の上端部32は、袋体2内にウエットシート5を収納した後にヒートシールされて密封される。
【0034】
本実施例のウエットシート包装体1は、図2に示すような状態で市場に提供される。この状態では、袋体2は内部にウエットシート5を収容した状態で密封されており、当該袋体内部が気密・液密の状態に保たれている。これにより、袋体内部のウエットシート5の乾燥が防止される。
【0035】
このウエットシート包装体1を使用する際は、袋体外側面21に接着されているフラップラベル8を剥離操作部81側から剥がす。このようにすると、図1に示すように最初のフラップラベル剥離時においては切り目7の内側部分がフラップラベル8に接着した状態で前記袋体外側面21から分離してウエットシート取り出し口6が形成されるので、このウエットシート取り出し口6から袋体2内のウエットシート5を取り出すことができる。また、次回からはフラップラベル8を剥離操作部81側から所定量だけ剥がすことで、当該ラベル8によって覆われていたウエットシート取り出し口6が現れるので、同様に袋体2内のウエットシート5を取り出すことができる。
【0036】
なお、上記のようにして剥離操作部81側からフラップラベル8を剥離していくと、フラップラベル8の下端部側に形成されている切り込み線10・10の部分で剥離方向の力が分散される結果、普通に剥がしていく限りはフラップラベル8の剥離の切り込み線10・10の位置で止まる。したがって、フラップラベル8の下端部側が袋体外側面21に接着された状態のままとどまっているので、袋体2内のウエットシート5を取り出した後にフラップラベル8を元のように再接着してウエットシート取り出し口6を閉鎖する際に当該再接着操作が行い易くなる。また、フラップラベル8の内面側には、袋体外側面21に対するフラップラベル8の脱着(剥離および再接着)を可能とする粘着剤層9が設けられているので、上記のようなウエットシート取り出し口6に対するフラップラベル8の剥離および再接着による開閉操作は、袋体2内のウェットシート5を使い切るまで繰り返し行うことができる。
【0037】
このように上記のウエットシート包装体1においては、袋体外側面21に装着されたフラップラベル8を所定量だけ剥がしたときに現れるウエットシート取り出し口6から袋体2内のウエットシート5を引き出すことで、必要な分だけのウエットシート5を簡単に取り出すことができる。したがって、従来の袋タイプのウエットシート包装体のようにウエットシートを取り出す際にそのつど袋を破ったりする必要がなく、破った袋をゴミとして捨てることもない。従来の袋タイプのものに比べて使い勝手が良く、使用のつどゴミが生じることもない。また、ウエットシート5を使い切った場合には袋体2のみを廃棄すればよいから、従来のプラスチック製の円筒容器を使用したウエットシート包装体と比べてゴミの発生量が少ないだけでなく、ゴミの減容化の点でも優れている。そして、使用後はフラップラベル8を元の接着状態に戻すことでウエットシート取り出し口6を再び閉鎖することができるので、袋体2内を密封状態に保つことができ、ひいては袋体2内のウエットシート5の乾燥を防止できる。
【0038】
ウエットシート包装体1は、フィルムまたはシートからなる自立タイプの袋体2の内部にウエットシート5を収容した構成であるので、平面置き(寝かせた状態)あるいは自立置き(立てた状態)のいずれでも使用でき、その点でも使い勝手が良い。また、自立タイプの袋体を使用したウエットシート包装体1は商品としても目新しく、ファッション性の点でも優れている。
【0039】
図6および図7に、他の製袋方法の例を示す。このうち、図6は、ラミネートフィルムからなる胴部3形成用の帯状体を所定位置で折曲し(図6(a))、その長さ方向の両端部33・34をヒートシールして胴部3を形成する方法を示したものである。図6(b)において網目模様を施した部分がヒートシールした部分を示す。胴部3と底部4との接合は図5の場合と同様である。
【0040】
図7は、ラミネートフィルムからなる帯状体の長さ方向の中央部を折曲して底部4となる部分およびこれに連続する胴部3の前面部分および後面部分を形成し、その両側に左右のガゼット部Gを形成する一対の折曲体3−1、3−2をそれぞれ接合して、その接合部をヒートシールすることで袋体2を作製する方法を示したものである。図7(b)において網目模様を施した部分がヒートシールした部分を示す。
【実施例2】
【0041】
図8ないし図10は、本発明の実施例2に係るウエットシート包装体1を示したものである。このウエットシート包装体1においては、袋体2を構成する胴部3および底部4が一枚のラミネートフィルムで形成されている点、正面から見た図8の状態で袋体2を構成している胴部3の左右両側部が外側に凸状のガゼット部Gとされて当該凸状部分35・35がシールされている点が、上述した実施例1のウエットシート包装体1の構成と異なる。
【0042】
袋体2の内部にウエットシート5が積層状態で収容されており、その状態で袋体2が密封されて自立可能とされている点、袋体2の一側面(図示例では前面)21にウエットシート取り出し口6を形成すべき切り目(ミシン目)7が入れられている点、この切り目7の内側全体および外側周辺部を覆う脱着可能なプラスチック製のフラップラベル8が装着されている点、フラップラベル8に剥離操作部81および切り込み線10・10が設けられている点等は、上述した実施例1の場合と同様である。使用方法について上述した実施例1の場合と同様である。
【0043】
図11に、この実施例2における袋体2の製袋方法を示す。まず、図11(a)に示すように、ラミネートフィルムからなる帯状体の長さ方向の中央部を折曲して、胴部3となる部分と底部4となる部分とを一体形成する。次に、その両側部における前面部分36とこれに対向する後面部分37とを合わせた状態で、当該合わせた部分から底部4となる部分の周縁部にかけてヒートシールすることにより、左右両側部に外側に凸のガゼット部Gを有する胴部3と、内側に凸のガゼット部Gを有する底部4とを形成する。図11(b)において網目模様を施した部分がヒートシールした部分である。袋体2を構成する胴部3の上端部32は、袋体2内にウエットシート5(図8〜9参照)を収納した後にヒートシールされる。
【符号の説明】
【0044】
1 ウエットシート包装体
2 袋体
3 袋体の胴部
4 袋体の底部
5 ウエットシート
6 ウエットシート取り出し口
7 ウエットシート取り出し口形成用の切り目
8 フラップラベル
9 粘着剤層
G ガゼット部
【技術分野】
【0001】
本発明は、自立タイプの袋体の内部にウエットシート(化粧料シートを含む)を収容したウエットシート包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
不織布製のシートにアルコールなどの液体成分を含浸させたウエットシート(化粧料成分を含浸させた化粧料シートを含む)は、清拭や化粧などに使用される衛生用品として周知である。このようなウエットシートは、使用するまでに乾燥してしまわないように気密性を有する袋や容器に収容されたウエットシート包装体として提供されるのが通例である。
【0003】
ウエットシート包装体としては、従来、主として2つのタイプが存在する。一つは、携帯に便利な袋タイプのもので、プラスチックフィルム或いはこれにアルミニウム箔などを積層(ラミネート)してなる複合フィルムを用いて、その両サイドを熱融着によりシールして袋状とし、これにウエットシートを収納して密封した、いわゆる両サイド平面熱融着シールピロー包装品などである。このタイプには、飲食店などで客に提供される使い捨てタイプのウエットティシュ包装体も含まれる。
【0004】
もう一つは、主に住居や車内などで使用される円筒容器タイプのもので、プラスチック製の有底円筒容器(ブロー成形品)にロール状のウエットシートを入れ、その開口端側に、内部に収納されたウエットシートの乾燥を防止しつつ当該シートを一定の長さ分ずつ取り出せるように工夫した蓋を装着したものである(例えば特許文献1参照)。この円筒容器タイプのものは、通常はウエットシートを収容した容器を立てた状態にして置いておき、その上部の蓋に設けられたシート取り出し口からウエットシートを一定長さ分ずつ引き出して使用するようになっており、ロール状のウエットシートが無くなるまで使用できて使い勝手が良いというメリットがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2000−355340号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように従来のウエットシート包装体には、携帯され或いは一回で使い捨てられることを前提とした袋タイプのものと、住居等での使用を想定した円筒容器タイプのものとがあるが、これまではどちらかというと前者の携帯タイプのウエットシート包装体の使用頻度が高かった。このような携帯用等の袋タイプのウエットシート包装体ではファッション性(デザイン性)が重視されるが、最近では住居等でウエットシートが使用される場合も多くなっており、そのような場所で使用されるウエットシート包装体にもファッション性が要求されるようになってきた。
【0007】
ところが、従来の円筒容器タイプのウエットシート包装体においては、ロール状に巻かれたウエットシートを、その乾燥を防止しつつ如何にして所定量ずつスムーズに容器内から取り出せるようにするか、言い換えれば如何にして使い勝手を良くするかといった機能面に重点が置かれており、ファッション性については殆ど考慮されていなかった。
【0008】
また、最近では環境保全の観点からゴミを如何に少なくするか、つまりゴミの減容化が重要な課題となっているが、上述したようなプラスチックのブロー成形品からなる従来の円筒容器タイプのウエットシート包装体では、袋タイプのものに比べてプラスチックの使用量が相対的に多いのみならず、使用済み容器の減容化も困難であるという問題があった。
【0009】
一方、従来の袋タイプのウエットシート包装体では、ウエットシートを使用する際、そのつど袋を破って中のウエットシートを取り出さなければならない。すなわち、円筒容器タイプのウエットシート包装体のように必要なウエットシートのみを素早く取り出すことができないため、家庭等での使い勝手が円筒容器タイプのものに比べると劣る。またウエットシートを収納していた袋もゴミとして捨てられるため、使用済みのウエットシート以外に余分なゴミが発生するという問題がある。
【0010】
なお、従来においては、袋内に一枚ずつ取り出し可能なウエットシートを多数枚重ねた状態で収納した袋タイプのウエットシート包装体も提供されている。このタイプのウエットシート包装体においては、相当枚数のウエットシートが袋内に残っているうちは全体として積層方向に一定の厚みを有する状態となっているので、自立置き状態で使用することも可能である。しかし、袋内のウエットシートの枚数が少なくなると前記積層方向の厚みが薄くなるため、自立置き状態での使用が不可能となって平面置き状態でしか使用できなくなる。また、このように袋の中に入っているウエットシートの枚数が減って包装体の厚みが薄くなると、形状が崩れて見栄えが悪くなるため、デザイン性も損なわれてしまうこととなる。
【0011】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたもので、使い勝手が良いだけでなくファッション性も良く、しかもゴミの減容化や低減が可能で、平面置き(寝かせた状態)あるいは自立置き(立てた状態)のいずれの状態でも使用できるウエットシート包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するため、本発明のウエットシート包装体は、以下のように構成したことを特徴とする。
【0013】
すなわち、本発明のウエットシート包装体は、フィルムまたはシートからなる自立タイプの袋体を有し、この袋体の内部にウエットシートを積層して収容した状態で当該袋体を密封した構成とする。袋体の一側面には、前記ウエットシートを外部に取り出すためのウエットシート取り出し口を形成すべき切り目(いわゆるミシン目のような破断線もしくは切り取り線)を入れ、この切り目の内側全体および外側周辺部を覆う脱着可能(言い換えると、剥離および再接着可能)なフラップラベルを装着する。このフラップラベルの内面側またはこのフラップラベルによって覆われる袋体の外側の面(すなわち袋体外側面)には、当該袋体外側面に対するフラップラベルの脱着(剥離および再接着)を可能とする粘着剤層を設ける。この場合、袋体外側面からフラップラベルを最初に剥がしたときに切り目の内側部分がフラップラベルに接着した状態で前記袋体外側面から分離してウエットシート取り出し口が形成されるように、前記切り目部分の強度と粘着剤層の粘着力との関係を設定する。
【0014】
上記のウエットシート包装体では、袋体の一側面にウエットシート取り出し口形成用の切り目を入れ、この切り目の内側全体および外側周辺部を覆う脱着可能なフラップラベルを装着した構成としたが、袋体の一側面にウエットシート取り出し口(開口部)を形成しておき、この取り出し口およびその周辺部を覆う脱着可能なフラップラベルを装着した構成とすることもできる。このタイプのウエットシートは、次のように構成したことを特徴とする。
【0015】
すなわち、フィルムまたはシートからなる自立タイプの袋体を有し、この内部にウエットシートを積層して収容した状態で当該袋体を密封した構成とする。袋体の一側面には、前記ウエットシートを外部に取り出すためのウエットシート取り出し口を形成し、この取り出し口およびその周辺部を覆う脱着可能(言い換えると、剥離および再接着可能)なフラップラベルを装着する。このフラップラベルの内面側またはこのフラップラベルによって覆われる前記取り出し口周辺部の袋体の外側面側には、当該袋体外側面に対するフラップラベルの脱着(剥離および再接着)を可能とする粘着剤層を設ける。
【0016】
本発明のウエットシート包装体では自立タイプの袋体を使用するが、自立タイプとするための具体的な構造としては、袋体の底部や側縁部にガゼット部を設けた構成とすることができる。
【0017】
袋体内に収容するウエットシートは、一回の使用量に相当する長さごと取り出せるように積層した状態としておくのが望ましい。そのような構造としては、例えば、一回の使用量に相当するウエットシートを所定枚数分だけ所定の状態に重ね合わせた構造、一回の使用量に相当する長さごとにミシン目のような切り目をシート幅方向に入れた長尺のウエットシートを一定の間隔で交互に折り畳んで積層し、袋体内のウエットシートを取り出す際に当該ウエットシートに作用する力あるいは当該ウエットシートに加える僅かな力で前記切り目の部分で切れるようにした構造などを採用することができる。
【0018】
袋体においてフラップラベルの装着されている側面とは反対側の側面を反射性に優れた素材で構成して当該側面が鏡面のような状態となるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0019】
本発明のウエットシート包装体によれば、袋体外側面に装着されたフラップラベルの一部または全部を剥がしたときに、当該ラベルによって覆われていたウエットシート取り出し口が外部に現れることとなるので、そこから袋体内のウエットシートを必要分だけ取り出すことができる。そして、使用後はフラップラベルを元の装着状態(接着状態)に戻すことでウエットシート取り出し口を再び閉鎖することができるので、袋体を密封状態に保つことができる。これにより、袋体内のウエットシートの乾燥を防止できる。なお、フラップラベルの内面側またはこのフラップラベルによって覆われる袋体の外側面側には、当該袋体外側面に対するフラップラベルの脱着(剥離および再接着)を可能とする粘着剤層が設けられているので、上記のようなウエットシート取り出し口周辺部に対するフラップラベルの剥離および再接着による開閉操作は、ウェットシートを使い切るまで繰り返し行うことができる。
【0020】
このように本発明のウエットシート包装体においては、袋体外側面に装着されたフラップラベルの一部または全部を剥がしたときに現れるウエットシート取り出し口からウエットシートを引き出すことで必要な分だけウエットシートを簡単に取り出すことができるので、従来の袋タイプのウエットシート包装体のようにウエットシートを取り出す際にそのつど袋を破ったりする必要がなく、破った袋をゴミとして捨てることもない。したがって、従来の袋タイプのものに比べて使い勝手が良く、使用のつどゴミが生じることもない。また、ウエットシートを使い切った場合には袋体のみを廃棄すればよいから、従来のプラスチック製の円筒容器を使用したウエットシート包装体と比べてゴミの発生量が少ないだけでなく、ゴミの減容化の点でも優れている。
【0021】
本発明のウエットシート包装体は、フィルムまたはシートからなる自立タイプの袋体の内部にウエットシートを収容した構成であるので、平面置き(寝かせた状態)あるいは自立置き(立てた状態)のいずれでも使用でき、その点でも使い勝手が良い。また、自立タイプの袋体を使用したウエットシート包装体は商品としても目新しく、ファッション性の点でも優れている。さらに、自立タイプの袋体を使用しているので、ウエットシートを使い切るまで袋体の形状が変わることがないので、当初のデザイン性が最後まで損なわれることがない。
【0022】
袋体の底部や側縁部にガゼット部を設けて自立タイプの袋体とした場合には、当該ガゼット部の形成により文字や図等を記載できる面も増えるので、それだけ写真や商品の説明を従来より多く掲載ないし記載でき、したがって当該商品に関するより多くの情報を消費者に提供できるようになる。
【0023】
従来の携帯用袋タイプのウエットシート包装体は平面置きするので裏面が見えず、フラップラベルのある表面しか見えないが、本発明のウエットシート包装体においては自立タイプの袋体を使用しているので、フラップラベルのある表面だけでなく、側面や裏面も見えるようになる。
【0024】
袋体においてフラップラベルの装着されている側面とは反対側の側面を反射性に優れた素材で構成して当該側面が鏡面のような状態となっていると、この面を鏡としても使用できる。したがって、いわゆるメイク落としをする場合等において、本発明のウエットシート包装体における前記側面を鏡として使用し、メイクの落ち具合を確認しながらメイク落としを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の実施例1に係るウエットシート包装体の全体構造(開封状態)を示す正面図である。
【図2】本発明の実施例1に係るウエットシート包装体の全体構造(未開封状態)を示す正面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】図2のB−B線断面図である。
【図5】実施例1における袋体の製袋方法を示す斜視図である。
【図6】袋体の他の製袋方法を示す斜視図である。
【図7】袋体のさらに他の製袋方法を示す斜視図である。
【図8】本発明の実施例2に係るウエットシート包装体の正面図である。
【図9】図8のC−C線断面図である。
【図10】図8のD−D線断面図である。
【図11】実施例2における袋体の製袋方法を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0027】
図1および図2は、本発明の実施例1に係るウエットシート包装体の全体構造を示すもので、このうち図1は開封状態(使用状態)のものを示し、図2は未開封状態(未使用状態)のものを示す。
【0028】
これらの図に示すように、ウエットシート包装体1は、プラスチック製フィルムを主体とした気密性を有するラミネートフィルムからなる自立タイプ(スタンディングタイプ)の袋体2を有する。この袋体2は、図3および図4にも示すように、左右の両側部にガゼット部G・Gの形成された胴部3と、同じくガゼット部Gの形成された底部4とからなり、底部4が二次元的な一定の大きさを有する構造で自立可能となっている。なお、袋体2を形成している素材等や製袋方法については後述する。
【0029】
袋体2の内部には、一枚づつ取り出し可能に折り畳まれた多数枚のウエットシート5が積層状態で収容されており、その状態で袋体2が密封されていることにより、袋体2の内部が気密・液密の状態に保たれた構造となっている。
【0030】
袋体2が未開封である状態において、袋体2の一側面(図示例では前面)21には、袋体2内のウエットシート5を外部に取り出すための長孔状のウエットシート取り出し口6を形成すべき切り目(ミシン目)7が入れられているとともに、この切り目7の内側全体および外側周辺部を覆う脱着可能なプラスチック製のフラップラベル8が装着されている。
【0031】
フラップラベル8は、図1および図2に示したようにウエットシート包装体1を自立置き(縦置き)にした状態で当該ラベル8の上端側となる一端部に舌片状の剥離操作部81が形成されている。この剥離操作部81を除いてフラップラベル8の内面側(裏面側)には、これによって覆われる袋体2の外側面21に対するフラップラベル8の脱着(剥離および再接着)を可能とする粘着剤層9が設けられている。そして、袋体外側面21に接着されているフラップラベル8を剥離操作部81側から剥がしていったときに、図1に示すように切り目7の内側部分がフラップラベル8に接着した状態で前記袋体外側面21から分離してウエットシート取り出し口6が形成され、以後はフラップラベル8の剥離・再接着操作によってウエットシート取り出し口6を開閉できるようになっている。
【0032】
また、図示例のフラップラベル8においては、上記の剥離操作部81とは反対側に位置する他端部(下端部)の左右両側に、フラップラベル8の剥離を所定位置で停止させる手段として、一対の所定形状の切り込み線10・10が設けられている。そして、図1に示したように剥離操作部81側からフラップラベル8を剥離していったときに、当該切り込み線10・10の設けられている部分で剥離方向の力が分散され、その結果としてそれ以上のフラップラベル8の剥離が相対的に困難となることにより、必要以上の力を加えない限りは当該部分で剥離が停止されるようになっている。
【0033】
ここで、上記の袋体2の製袋方法について簡単に説明する。上記の袋体2は、図5の(a)に示すように、ラミネートフィルムからなる直方筒状体の左右両側部を内側に折曲することによって形成される胴部3と、短手方向の断面形状が逆V字状のラミネートフィルムからなる凸状体の左右両側部を内側に折曲することによって形成される底部4とで構成される。胴部3には、これに底部3を取り付ける前に、ウエットシート取り出し口6またはウエットシート取り出し口形成用の切り目7が形成される。胴部3の内面側と底部4の外面側は、熱融着が可能なシーラント層とされている。そして、図5の(a)および(b)に示すように、胴部3の下端側の開口端部31に底部4を嵌合させ、当該開口端部31の内周部分と底部4の下端外周部分41とをヒートシールすることにより、上述の構成を有する自立タイプの袋体2としたものである。なお、図5の(b)において網目模様を施した部分がヒートシールした部分である。袋体2を構成する胴部3の上端部32は、袋体2内にウエットシート5を収納した後にヒートシールされて密封される。
【0034】
本実施例のウエットシート包装体1は、図2に示すような状態で市場に提供される。この状態では、袋体2は内部にウエットシート5を収容した状態で密封されており、当該袋体内部が気密・液密の状態に保たれている。これにより、袋体内部のウエットシート5の乾燥が防止される。
【0035】
このウエットシート包装体1を使用する際は、袋体外側面21に接着されているフラップラベル8を剥離操作部81側から剥がす。このようにすると、図1に示すように最初のフラップラベル剥離時においては切り目7の内側部分がフラップラベル8に接着した状態で前記袋体外側面21から分離してウエットシート取り出し口6が形成されるので、このウエットシート取り出し口6から袋体2内のウエットシート5を取り出すことができる。また、次回からはフラップラベル8を剥離操作部81側から所定量だけ剥がすことで、当該ラベル8によって覆われていたウエットシート取り出し口6が現れるので、同様に袋体2内のウエットシート5を取り出すことができる。
【0036】
なお、上記のようにして剥離操作部81側からフラップラベル8を剥離していくと、フラップラベル8の下端部側に形成されている切り込み線10・10の部分で剥離方向の力が分散される結果、普通に剥がしていく限りはフラップラベル8の剥離の切り込み線10・10の位置で止まる。したがって、フラップラベル8の下端部側が袋体外側面21に接着された状態のままとどまっているので、袋体2内のウエットシート5を取り出した後にフラップラベル8を元のように再接着してウエットシート取り出し口6を閉鎖する際に当該再接着操作が行い易くなる。また、フラップラベル8の内面側には、袋体外側面21に対するフラップラベル8の脱着(剥離および再接着)を可能とする粘着剤層9が設けられているので、上記のようなウエットシート取り出し口6に対するフラップラベル8の剥離および再接着による開閉操作は、袋体2内のウェットシート5を使い切るまで繰り返し行うことができる。
【0037】
このように上記のウエットシート包装体1においては、袋体外側面21に装着されたフラップラベル8を所定量だけ剥がしたときに現れるウエットシート取り出し口6から袋体2内のウエットシート5を引き出すことで、必要な分だけのウエットシート5を簡単に取り出すことができる。したがって、従来の袋タイプのウエットシート包装体のようにウエットシートを取り出す際にそのつど袋を破ったりする必要がなく、破った袋をゴミとして捨てることもない。従来の袋タイプのものに比べて使い勝手が良く、使用のつどゴミが生じることもない。また、ウエットシート5を使い切った場合には袋体2のみを廃棄すればよいから、従来のプラスチック製の円筒容器を使用したウエットシート包装体と比べてゴミの発生量が少ないだけでなく、ゴミの減容化の点でも優れている。そして、使用後はフラップラベル8を元の接着状態に戻すことでウエットシート取り出し口6を再び閉鎖することができるので、袋体2内を密封状態に保つことができ、ひいては袋体2内のウエットシート5の乾燥を防止できる。
【0038】
ウエットシート包装体1は、フィルムまたはシートからなる自立タイプの袋体2の内部にウエットシート5を収容した構成であるので、平面置き(寝かせた状態)あるいは自立置き(立てた状態)のいずれでも使用でき、その点でも使い勝手が良い。また、自立タイプの袋体を使用したウエットシート包装体1は商品としても目新しく、ファッション性の点でも優れている。
【0039】
図6および図7に、他の製袋方法の例を示す。このうち、図6は、ラミネートフィルムからなる胴部3形成用の帯状体を所定位置で折曲し(図6(a))、その長さ方向の両端部33・34をヒートシールして胴部3を形成する方法を示したものである。図6(b)において網目模様を施した部分がヒートシールした部分を示す。胴部3と底部4との接合は図5の場合と同様である。
【0040】
図7は、ラミネートフィルムからなる帯状体の長さ方向の中央部を折曲して底部4となる部分およびこれに連続する胴部3の前面部分および後面部分を形成し、その両側に左右のガゼット部Gを形成する一対の折曲体3−1、3−2をそれぞれ接合して、その接合部をヒートシールすることで袋体2を作製する方法を示したものである。図7(b)において網目模様を施した部分がヒートシールした部分を示す。
【実施例2】
【0041】
図8ないし図10は、本発明の実施例2に係るウエットシート包装体1を示したものである。このウエットシート包装体1においては、袋体2を構成する胴部3および底部4が一枚のラミネートフィルムで形成されている点、正面から見た図8の状態で袋体2を構成している胴部3の左右両側部が外側に凸状のガゼット部Gとされて当該凸状部分35・35がシールされている点が、上述した実施例1のウエットシート包装体1の構成と異なる。
【0042】
袋体2の内部にウエットシート5が積層状態で収容されており、その状態で袋体2が密封されて自立可能とされている点、袋体2の一側面(図示例では前面)21にウエットシート取り出し口6を形成すべき切り目(ミシン目)7が入れられている点、この切り目7の内側全体および外側周辺部を覆う脱着可能なプラスチック製のフラップラベル8が装着されている点、フラップラベル8に剥離操作部81および切り込み線10・10が設けられている点等は、上述した実施例1の場合と同様である。使用方法について上述した実施例1の場合と同様である。
【0043】
図11に、この実施例2における袋体2の製袋方法を示す。まず、図11(a)に示すように、ラミネートフィルムからなる帯状体の長さ方向の中央部を折曲して、胴部3となる部分と底部4となる部分とを一体形成する。次に、その両側部における前面部分36とこれに対向する後面部分37とを合わせた状態で、当該合わせた部分から底部4となる部分の周縁部にかけてヒートシールすることにより、左右両側部に外側に凸のガゼット部Gを有する胴部3と、内側に凸のガゼット部Gを有する底部4とを形成する。図11(b)において網目模様を施した部分がヒートシールした部分である。袋体2を構成する胴部3の上端部32は、袋体2内にウエットシート5(図8〜9参照)を収納した後にヒートシールされる。
【符号の説明】
【0044】
1 ウエットシート包装体
2 袋体
3 袋体の胴部
4 袋体の底部
5 ウエットシート
6 ウエットシート取り出し口
7 ウエットシート取り出し口形成用の切り目
8 フラップラベル
9 粘着剤層
G ガゼット部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムまたはシートからなる自立タイプの袋体を有し、
袋体は、その内部にウエットシートを積層して収容した状態で密封されており、
袋体の一側面には、前記ウエットシートを外部に取り出すためのウエットシート取り出し口を形成すべき切り目が入れられているとともに、この切り目の内側全体および外側周辺部を覆う脱着可能なフラップラベルが装着されており、
フラップラベルの内面側またはフラップラベルによって覆われる袋体の外側面側に、当該袋体外側面に対するフラップラベルの脱着を可能とする粘着剤層が設けられていることを特徴とするウエットシートの包装体。
【請求項2】
フィルムまたはシートからなる自立タイプの袋体を有し、
袋体は、その内部にウエットシートを積層して収容した状態で密封されており、
袋体の一側面には、前記ウエットシートを外部に取り出すためのウエットシート取り出し口が形成されているとともに、このウエットシート取り出し口およびその周辺部を覆う脱着可能なフラップラベルが装着されており、
フラップラベルの内面側またはフラップラベルによって覆われる前記ウエットシート取り出し口周辺部の袋体の外側面側に、当該袋体外側面に対するフラップラベルの脱着を可能とする粘着剤層が設けられていることを特徴とするウエットシートの包装体。
【請求項3】
袋体の底部には、当該袋体を自立可能とするための手段としてガゼット部が設けられている、請求項1または2記載のウエットシート包装体。
【請求項4】
袋体の側縁部には、当該袋体を自立可能とするための手段としてガゼット部が設けられている、請求項1ないし3のいずれかに記載のウエットシート包装体。
【請求項5】
袋体におけるフラップラベルの装着されている側面とは反対側の側面が反射性に優れた素材で構成されていることにより当該側面が鏡面のような状態となっている、請求項1ないし4のいずれかに記載のウエットシート包装体。
【請求項1】
フィルムまたはシートからなる自立タイプの袋体を有し、
袋体は、その内部にウエットシートを積層して収容した状態で密封されており、
袋体の一側面には、前記ウエットシートを外部に取り出すためのウエットシート取り出し口を形成すべき切り目が入れられているとともに、この切り目の内側全体および外側周辺部を覆う脱着可能なフラップラベルが装着されており、
フラップラベルの内面側またはフラップラベルによって覆われる袋体の外側面側に、当該袋体外側面に対するフラップラベルの脱着を可能とする粘着剤層が設けられていることを特徴とするウエットシートの包装体。
【請求項2】
フィルムまたはシートからなる自立タイプの袋体を有し、
袋体は、その内部にウエットシートを積層して収容した状態で密封されており、
袋体の一側面には、前記ウエットシートを外部に取り出すためのウエットシート取り出し口が形成されているとともに、このウエットシート取り出し口およびその周辺部を覆う脱着可能なフラップラベルが装着されており、
フラップラベルの内面側またはフラップラベルによって覆われる前記ウエットシート取り出し口周辺部の袋体の外側面側に、当該袋体外側面に対するフラップラベルの脱着を可能とする粘着剤層が設けられていることを特徴とするウエットシートの包装体。
【請求項3】
袋体の底部には、当該袋体を自立可能とするための手段としてガゼット部が設けられている、請求項1または2記載のウエットシート包装体。
【請求項4】
袋体の側縁部には、当該袋体を自立可能とするための手段としてガゼット部が設けられている、請求項1ないし3のいずれかに記載のウエットシート包装体。
【請求項5】
袋体におけるフラップラベルの装着されている側面とは反対側の側面が反射性に優れた素材で構成されていることにより当該側面が鏡面のような状態となっている、請求項1ないし4のいずれかに記載のウエットシート包装体。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−31946(P2011−31946A)
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−179788(P2009−179788)
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【出願人】(504373864)明広商事株式会社 (43)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月31日(2009.7.31)
【出願人】(504373864)明広商事株式会社 (43)
【Fターム(参考)】
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