ウエットシート用等の包装袋
【課題】厚手の材料を使用することなく袋本体の取り出し口の周辺部分を補強シートにより十分に補強でき、製造コストのアップ、重量の増加等を抑えながら容易且つ確実に密封できるようにする。
【解決手段】ウエットシート等の内容物9を包装する袋本体3の取り出し口2の外周側に、取り出し口2に対応する開口15を有する補強シート5を貼着し、取り出し口2を封口する封口ラベル7を感圧接着剤6を介して補強シート5上に剥離可能に貼着する。補強シート5には補強用のエンボス部16を設ける。補強シート5は封口ラベル7の貼着剥離方向と略直交する方向の両側が封口ラベル7から外側に出ており、この補強シート5の開口15に対して略直交する方向の両側にエンボス部16を設ける。
【解決手段】ウエットシート等の内容物9を包装する袋本体3の取り出し口2の外周側に、取り出し口2に対応する開口15を有する補強シート5を貼着し、取り出し口2を封口する封口ラベル7を感圧接着剤6を介して補強シート5上に剥離可能に貼着する。補強シート5には補強用のエンボス部16を設ける。補強シート5は封口ラベル7の貼着剥離方向と略直交する方向の両側が封口ラベル7から外側に出ており、この補強シート5の開口15に対して略直交する方向の両側にエンボス部16を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋本体の取り出し口の外周側を補強シートにより補強するようにしたウエットシート用等の包装袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
湿った状態の内容物、例えばウエットティッシュ等のウエットシートを取り出し可能に包装するウエットシート用等の包装袋には、ウエットシートを包装する袋本体の取り出し口側に、その取り出し口を封口する封口ラベルを感圧接着剤を介して剥離可能に貼着しておき、ウエットシートを使用する際には封口ラベルを剥離して取り出し口からウエットシートを取り出し、取り出し後は封口ラベルを貼着して取り出し口を密封するようにしたものがある。
【0003】
この種の包装袋はガスバリヤー性が要求されるため、ウエットシートの取り出し後に封口ラベルを感圧接着剤を介して取り出し口の全周で袋本体に確実に貼着して密封する必要がある。しかし、袋本体はガスバリヤー性を有する薄いプラスチックフィルムの単一フィルム又は複合フィルムを製袋して構成されているため、袋本体内のウエットシートの残量が少なくなれば、封口ラベルを貼着するときに袋本体の取り出し口側に皺等が発生し易くなる。このため封口ラベルを貼着する際には、取り出し口の周辺にできた皺等の上側から封口ラベルを貼着しないように、袋本体の取り出し口の周辺の皺を伸ばしながら貼着する必要がある。
【0004】
そこで、従来の包装袋には、袋本体の取り出し口が形成された上面側の外周部に保形枠又は補強枠を設けて、この保形枠又は補強枠により取り出し口の周辺部分に皺等が発生し難くしたもの(特許文献1、2)、更には袋本体の上面側の取り出し口の周辺部分に補強シートを貼着し、この補強シートに封口ラベルを感圧接着剤を介して貼着したもの(特許文献3)等が提案されている。
【0005】
特許文献1の包装袋は、袋本体の上面側に外周に矩形上の保形枠を固着し、この保形枠の内周側に封口ラベルを剥離可能に貼着している。また特許文献2の包装袋は、外周の補強枠と封口ラベルとが切り込みを介して一体に形成された蓋ラベルを使用し、この蓋ラベルを感圧接着剤を介して袋本体の上面側に貼着して、補強枠で袋本体の上面を外周側から補強し、その補強枠の内周で封口ラベルを袋本体の上面に剥離可能に貼着している。
【0006】
特許文献3の包装袋は、袋本体の上面に補強シートを貼着して、この補強シートにより袋本体の取り出し口の外周部分を補強し、その補強シート上に封口ラベルを感圧接着剤を介して剥離可能に貼着している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−113268号公報
【特許文献2】特開平10−24972号公報
【特許文献1】特開2002−160782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来の保形枠、補強枠を使用した包装袋の場合には、袋本体に対する封口ラベルの貼着箇所を直接保形するのではなく、封口ラベルの外周側での保形枠、補強枠により袋本体の上面側を保形して、その内側に封口ラベルを貼着するようにしているため、封口ラベルの貼着箇所に皺等が発生する惧れがある。また十分な保形性を確保するためには、板厚の厚い保形枠、補強枠を使用する等、それ自体に保形性のよい材料を使用する必要があり、製造コストのアップ、重量の増加等の新たな問題が生じる。また特許文献2の補強枠と封口ラベルとを一体に構成した場合には、補強枠の剛性を十分に確保すれば、封口ラベル側の開閉操作が困難になる問題がある。
【0009】
補強シートを使用する包装袋の場合には、封口ラベルの貼着箇所を直接補強するので、貼着箇所での皺等の発生は一応解消できる。しかし、1枚の補強シートを袋本体の取り出し口の周辺部分に固着しているに過ぎないので、ウエットシートの残量が少なくなったときにも、比較的簡単な操作で容易に封口ラベルを貼着できるようにするためには、板厚の厚い補強シートを使用して十分な補強効果を確保する必要があり、前者と同様に製造コストのアップ、重量の増加等の問題がある。
【0010】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、厚手の材料を使用することなく袋本体の取り出し口の周辺部分を補強シートにより十分に補強でき、製造コストのアップ、重量の増加等を抑えながら容易且つ確実に密封できるウエットシート用等の包装袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、ウエットシート等の内容物を包装する袋本体の取り出し口の外周側に、前記取り出し口に対応する開口を有する補強シートを貼着し、前記取り出し口を封口する封口ラベルを感圧接着剤を介して前記補強シート上に剥離可能に貼着したウエットシート用等の包装袋において、前記補強シートに補強用のエンボス部を設けたものである。
【0012】
前記補強シートは前記封口ラベルの貼着剥離方向と略直交する方向の両側が前記封口ラベルから外側に出ており、前記開口に対して前記略直交する方向の両側に前記エンボス部を設けたものでもよい。また前記補強シートは少なくとも前記封口ラベルの貼着領域に前記エンボス部を有するものでもよい。更に前記補強シートは少なくとも前記封口ラベルの貼着領域よりも外側に前記エンボス部を有するものでもよい。
【0013】
前記エンボス部は前記封口ラベルの摘まみ部と反対側の非剥離部を除く範囲に設け、前記非剥離部の前記補強シートを平坦状に構成することが望ましい。前記補強シートが前記袋本体に貼着される貼着部を前記取り出し口の外周に、前記封口ラベルが前記補強シートに貼着される貼着部を前記開口の外周に夫々周方向に連続状に設けることが望ましい。
【0014】
前記エンボス部は前記開口を取り囲む周方向に連続するか、前記開口を取り囲む周方向に独立するものでもよい。前記エンボス部を有する前記補強シートを前記袋本体に貼着したことが望ましい。
【0015】
前記封口ラベルが貼着された前記補強シートを前記袋本体に貼着してもよい。また前記補強シートを前記袋本体を構成するフィルムに貼着し、該補強シートと前記フィルムとをエンボス加工して前記エンボス部を形成してもよい。前記封口ラベルは前記非剥離部を除く領域に補強用のエンボス部を有するものでもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、厚手の材料を使用することなく袋本体の取り出し口の周辺部分を補強シートにより十分に補強でき、製造コストのアップ、重量の増加等を抑えながら容易且つ確実に密封できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す包装袋の平面図である。
【図2】同包装袋の正面図である。
【図3】同開封状態の斜視図である。
【図4】図1のa−a線拡大断面図である。
【図5】図1のb−b線拡大断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態を示す包装袋の一部破断平面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態を示す包装袋の平面図である。
【図8】図7のa−a線拡大断面図である。
【図9】本発明の第4の実施形態を示す包装袋の一部平面図である。
【図10】本発明の第5の実施形態を示すウ要部の拡大断面図である。
【図11】本発明の第6の実施形態を示すウ包装袋の平面図である。
【図12】図11のa−a線拡大断面図である。
【図13】本発明の第7の実施形態を示す包装袋の斜視図である。
【図14】同加工工程を示す要部の拡大断面図である。
【図15】本発明の第8の実施形態を示す包装袋の斜視図である。
【図16】同要部の拡大断面図である。
【図17】本発明の第9の実施形態を示す包装袋の斜視図である。
【図18】同要部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図5は本発明に係るウエットシート用等の包装袋の第1の実施形態を例示する。この包装袋1は、図1〜図5に示すように、上面に取り出し口2が形成された袋状の袋本体3と、この袋本体3の上面側に感圧接着剤4を介して貼着され且つ取り出し口2の外周側を補強する補強シート5と、この補強シート5上に感圧接着剤6を介して剥離可能に貼着され且つ取り出し口2を開閉自在に密封する封口ラベル7とを有する。
【0019】
袋本体3は例えばウエットティッシュ等のウエットシート8の積層体9を包装して、ガスバリヤー性及び柔軟性を有するプラスチック製の単一フィルム又は複合フィルム等の包装フィルムによりピロー包装したものであって、ウエットシート8の積層体9を包んだ状態で取り出し口2と反対側を縦方向に熱融着して筒状に形成し、次いで積層体9の両側で横方向に熱融着し切断した後、その切断端部を折り畳んで側面に接着することにより、積層体9の形状に合わせて直方体状に構成している。
【0020】
なお、袋本体3はウエットシート8の包装枚数、包装量に応じて任意の形状に仕上げればよい。また袋本体3はピロー包装以外の包装形態でもよい。更に袋本体3内の内容物は、ウエットシート8以外のものでもよい。例えば湿った状態の食料品、乾燥した状態の食料品、芳香性を有する芳香体、その他のものでもよい。
【0021】
袋本体3の上面の開口予定箇所には取り出し口2の形状に沿ってハーフカット、ミシン目等の切り取り線10が形成されており、封口ラベル7を最初に剥離して開封したときに、その切り取り線10により取り囲まれた部分が開口片11となって切り取られ、その跡に取り出し口2ができるようになっている。なお、切り取られた開口片11は感圧接着剤6を介して封口ラベル7に付着する。
【0022】
封口ラベル7は袋本体3の取り出し口2及び、この取り出し口2に対応して補強シート5に形成された開口15を覆うに十分な大きさを有し、従来と同様にフィルム法合成紙シート、プラスチックシート等の保形性シートにより構成され、感圧接着剤6を介して袋本体3の補強シート5の上面に剥離可能に貼着されている。この封口ラベル7には基部側に非剥離部12が、反対側に摘まみ部13が夫々設けられ、剥離時には摘まみ部13を持って非剥離部12側へと封口ラベル7を引っ張り、貼着時には非剥離部12側から摘まみ部13側へと移動しながら封口ラベル7を袋本体3側に押圧するようになっている。このため非剥離部12と摘まみ部13とを結ぶ方向が封口ラベル7の貼着剥離方向となっており、封口ラベル7はその貼着剥離方向に長くなっている。
【0023】
非剥離部12は封口ラベル7の幅方向の両側に切り込み部14を設ける等により、封口ラベル7の基部側の感圧接着剤6が袋本体3の上面から剥離し難くなるようにしたものである。摘まみ部13は封口ラベル7の幅方向の略中央部から外側に突出している。なお、摘まみ部13は幅方向の一端側に設ける等、他の位置に配置してもよい。封口ラベル7には、図5に斜線で示すように摘まみ部13を除く略全面に感圧接着剤6が塗工されている。
【0024】
補強シート5は袋本体3内のウエットシート8の残り量が少なくなった場合にも、袋本体3の取り出し口2の周辺に皺等が生じないように、袋本体3の上面側を取り出し口2の外周で補強するためのものであって、包装フィルムよりも厚手の保形性及び弾性を有するプラスチックシートにより構成され、感圧接着剤4を介して袋本体3の取り出し口2の外周側上面に貼着されている。
【0025】
この補強シート5は袋本体3の上面よりも小さく封口ラベル7よりも大きい程度の大きさ、例えば袋本体3内の積層体9の上面と略同じ程度か若干小さい程度の大きさの略矩形状であって、その略全周が封口ラベル7の外周よりも外方に出ている。なお、摘まみ部13は補強シート5よりも外側に出ているが、補強シート5内に収まるように設けてもよい。また補強シート5は封口ラベル7の貼着剥離方向(長さ方向)と略直交する方向(幅方向)の両側が封口ラベル7から出る程度の幅とし、封口ラベル7の非剥離部12側の端縁は封口ラベル7と略一致するようにしてもよい。
【0026】
補強シート5には袋本体3の取り出し口2に対応する開口15が形成され、また開口15の外周側に内外方向に所定の間隔をおいて複数条のエンボス部16が周方向に形成されている。開口15はその内側に取り出し口2が収まるように、取り出し口2よりも若干大きくなっている。
【0027】
補強シート5のエンボス部16は、封口ラベル7の非剥離部12を除く開口15の外周側の略全域に、封口ラベル7に対応する貼着領域18からその外周側にわたって略均等に分布して設けられている。補強シート5には開口15の外側の全周に所定幅の貼着領域18があり、その貼着領域18に封口ラベル7が感圧接着剤6を介して貼着されている。エンボス部16は貼着領域18と、その貼着領域18の外周領域とに跨がって配置されている。
【0028】
エンボス部16は感圧接着剤4側が上側へと円弧状に凹入する断面形状であって、その複数のエンボス部16の内、内周の粘着領域18側の1条又は複数条は開口15の全周を取り囲む無端長円状となっている。またエンボス部16は開口15の幅方向の両側に長手方向に配置された直線部16aと、その両端の円弧部16bとを有し、長円状の開口15に対して略同心円状に設けられている。
【0029】
補強シート5にはエンボス部16を含む袋本体3側の略全面に感圧接着剤4が塗工されており、少なくともエンボス部16間の貼着部19で補強シート5が感圧接着剤4を介して袋本体3の上面に貼着されている。また封口ラベル7の貼着領域18では、少なくともエンボス部16の頂部及び内外のエンボス部16間の貼着部20で封口ラベル7が感圧接着剤6を介して補強シート5に貼着されている。なお、貼着部19は取り出し口2を取り囲む全周に、貼着部20は開口15を取り囲む全周に夫々連続状に形成されている。
【0030】
補強シート5の非剥離部12側にはエンボス部16はなく、この非剥離部12に対応する部分の補強シート5は平坦状の平坦部17になっている。このため非剥離部12では、補強シート5の袋本体3に対する貼着面積、封口ラベル7の補強シート5に対する貼着面積が大になっている。
【0031】
なお、エンボス部16は補強シート5を熱成型ロール等によりエンボス加工して形成されている。また補強シート5にはエンボス部16の凹部にも感圧接着剤4が塗工されているが、この凹部内の感圧接着剤4はなくてもよい。補強シート5はエンボス部16を含む略全面が感圧接着剤4,6を介して袋本体3、封口ラベル7に貼着するようにしてもよい。
【0032】
ウエットシート8の積層体9を包装する際には、エンボス部16付きの補強シート5と封口ラベル7とを感圧接着剤6により貼着しておき、その補強シート5を感圧接着剤4を介して、袋本体3に使用する包装フィルムの所定位置に貼着する。このとき補強シート5の開口15を包装フィルムの取り出し口2の開口予定箇所に合わせて貼着する。そして、次に補強シート5等の貼着位置に合わせて包装フィルム上にウエットシート8の積層体9を供給し、ピロー包装により包装フィルムを製袋して袋本体3内に包装すればよい。
【0033】
ウエットシート8の使用に際しては、摘まみ部13を持って封口ラベル7を引っ張りながら取り出し口2を開けた後、その取り出し口2から袋本体3内のウエットシート8を取り出す。最初の開封時には、袋本体3の上面の切り取り線10の内側部分が感圧接着剤6を介して封口ラベル7に貼着状態にあるため、封口ラベル7の剥離に従って切り取り線10で切り離されて、袋本体3の上面から分離して取り出し口2が開けられる。そして、取り出し口2に対応する開口片11は、封口ラベル7側に付着したままとなる。
【0034】
ウエットシート8の取り出し後は、例えば封口ラベル7の非剥離部12側から摘まみ部13側へと指を滑らせながら封口ラベル7を袋本体3の上面側に押圧して、封口ラベル7を感圧接着剤6により袋本体3の上面に貼着して密封する。
【0035】
この場合、補強シート5の開口15の外周側に複数条のエンボス部16を形成しているので、そのエンボス部16によって補強シート5全体の剛性が大になり、補強シート5による袋本体3の取り出し口2の外周側の補強効果が向上する。こためウエットシート8の積層体9の残量が少なくなった場合であっても、袋本体3の取り出し口2の周辺部分を所定の形状に保つことが可能であり、積層体9の残量の多少に拘わらず、非剥離部12側から摘まみ部13側へと指を滑らせながら封口ラベル7を押圧することにより、封口ラベル7の感圧接着剤6が補強シート5のエンボス部16の頂部、エンボス部16間の貼着部20に貼着して、封口ラベル7により袋本体3の取り出し口2を容易且つ確実に密封することができる。
【0036】
従って、エンボス部16付きの補強シート5により袋本体3を補強することによって、補強シート5に剛性の高い厚手の材料を使用する必要がなく、比較的薄い補強シート5を使用しながら十分な補強効果を得ることができるので、剛性の高い厚手の材料を使用する場合に比較して製造コストのアップ、重量の増加等を抑えることができる。
【0037】
また補強シート5には、封口ラベル7の貼着領域18にエンボス部16を形成する他、封口ラベル7の幅方向の両側にもエンボス部16を形成しているため、貼着領域18にのみエンボス部16を設ける場合に比較して、そのエンボス部16による補強効果を十分に確保できる。しかも開口15の幅方向の両側には、長手方向に沿って連続する複数条の直線部16aがあるため、幅方向に長いエンボス部16を設ける場合に比較して、エンボス部16により補強シート5の剛性をより確保することができる。
【0038】
更に補強シート5の感圧接着剤4が袋本体3に貼着する貼着部19、封口ラベル7の感圧接着剤6が補強シート5に粘着する粘着部20は、開口15の外周の全周に連続しているため、補強シート5にエンボス部16があるにも拘わらず、密封性が損なわれるようなことはない。
【0039】
封口ラベル7を剥離し難くする非剥離部12では、補強シート5がエンボス部16のない平坦部17となっており、その平坦部17が感圧接着剤4を介して袋本体3上に貼着し、また補強シート5の平坦部17上に感圧接着剤6を介して封口ラベル7を貼着しているので、非剥離部12を含む補強シート5の略全体にエンボス部16を設ける場合に比較して感圧接着剤4,6の貼着面積を十分に確保できる。
【0040】
図6は本発明の第2の実施形態を例示する。この実施形態では、補強シート5には開口15の外周に内外方向に複数条のエンボス部16が周方向に形成されているが、そのエンボス部16は封口ラベル7の非剥離部12側と摘まみ部13側とで形状が異なっている。例えば、非剥離部12側では開口15に対して略同心円状に円弧部16bが形成され、また摘まみ部13側では封口ラベル7の幅方向の中間に左右方向の直線部16cを有する形状になっている。他の構成は第1の実施形態と同じである。
【0041】
このように摘まみ部13側に対応するエンボス部16に左右方向の直線部16cを設けることにより、摘まみ部13側での補強シート5の幅方向の中央部分の剛性がより向上し、封口ラベル7を押圧したときにその感圧接着剤6を補強シート5に確実に貼着することができる。
【0042】
従って、補強シート5に周方向のエンボス部16を設けるに当たっては、剛性を他の部分よりも大にする必要のある箇所では直線部16cを設けるかその数を増やす等、必要に応じて各位置毎にエンボス部16の形状、数、方向等を適宜変更してもよい。
【0043】
図7、図8は本発明の第3の実施形態を例示する。この実施形態では、補強シート5には開口15の外周に内外方向に複数条のエンボス部16が周方向に形成されると共に、封口ラベル7の非剥離部12に対応する補強シート5の平坦部17の外周にも周方向にエンボス部16が形成されている。そして、エンボス部16は開口15の長手方向に沿う直線部16aと、その両端側を開口15の幅方向に接続する直線部16cとにより構成され、略矩形状に連続している。他の構成は第1、第2の実施形態と同じである。
【0044】
このように補強シート5には、取り出し口2の外周にエンボス部16を設ける他、非剥離部12に対応する平坦部17の外周側にもエンボス部16を設けることによって、非剥離部12の外周部分での補強シート5の剛性を向上させることができる。
【0045】
図9は本発明の第4の実施形態を例示する。補強シート5の感圧接着剤4が袋本体3に、封口ラベル7の感圧接着剤6が補強シート5に夫々取り出し口2、開口15の外周で周方向に連続して貼着する構造であれば、図9(A)〜(C)に示すように補強シート5に多数のエンボス部16を貼着剥離方向に独立させて形成することも可能である。他の構成は第1の実施形態と同じである。
【0046】
図9(A)の補強シート5には、開口15の外周に沿って略同心円状に多数のエンボス部16が配列されている。図9(B)(C)の補強シート5には、開口15の外周に多数のエンボス部16が略均一に分布するように千鳥状等に適宜配列されている。図9(B)のエンボス部16は封口ラベル7の長手方向に長く形成され、図9(C)のエンボス部16は長手方向及び幅方向に方向性のない球面状に形成されている。
【0047】
なお、第1〜第3の実施形態に示す周方向に無端状のエンボス部16と、図9(A)〜(C)の何れか1種類、2種類又は3種類のエンボス部16とを組み合わせて設けることも可能である。
【0048】
図10は本発明の第5の実施形態を例示する。補強シート5のエンボス部16は、上側に凹入する凹状の他、図10(A)〜(C)に示すように下側に突出する凸状、上下両側に凹凸状に構成してもよい。これらの場合にも、エンボス部16によって補強シート5の剛性を容易に確保できる。なお、他の構成は第1の実施形態と同じである。
【0049】
図10(A)の補強シート5では、そのエンボス部16は感圧接着剤4側が円弧状に突出する凸状に構成され、その凸状のエンボス部16の頂部側及びエンボス部16間の平坦部分、又はエンボス部16及び平坦部分の下面側の略全面が補強シート5と袋本体3との貼着部19となっている。封口ラベル7の感圧接着剤6は、補強シート5のエンボス部16間の平坦部分の貼着部20に貼着している。
【0050】
また図10(B)の補強シート5では、そのエンボス部16は凹部21aと凸部21bとが波状に連続する凹凸状に構成されており、この補強シート5のエンボス部16の下側の感圧接着剤4が袋本体3の上面に、封口ラベル7の下側の感圧接着剤6が補強シート5の上面に夫々略全面で貼着されている。図10(C)の補強シート5では、エンボス部16の凹部21aと凸部21bとが開口15の内外方向に所定の間隔をおいて設けられている。
【0051】
図11、図12は本発明の第6の実施形態を例示する。この実施形態の補強シート5は、封口ラベル7の非剥離部12を含む貼着領域18の略全体が平坦部17となっており、その貼着領域18の外周側の補強シート5にエンボス部16が周方向に連続状に形成されている。補強シート5の平坦部17には封口ラベル7が感圧接着剤6を介して剥離可能に貼着されている。貼着領域18の外周側には、所定の剛性を確保できるように複数条のエンボス部16が周方向に連続状に形成されている。他の構成は第1の実施形態と同じである。
【0052】
このように補強シート5のエンボス部16は封口ラベル7の貼着領域18の外周に設けてもよい。この場合には、補強シート5のエンボス部16側には感圧接着剤6を介して封口ラベル7を貼着する必要がないので、補強シート5の剛性の確保を主眼にエンボス部16の形状、配列を決定することができる。また貼着領域18はエンボス部16のない平坦部17であり、その外周のエンボス部16により平坦部17側の補強シート5の剛性が向上するので、封口ラベル7の密着不良も容易に防止することができる。
【0053】
図13、図14は本発明の第7の実施形態を例示する。この実施形態では、図13に示すように長円状の取り出し口2の外周側を補強する補強シート5が貼着され、その補強シート5上に、取り出し口2を開閉する封口ラベル7が剥離可能に貼着されているが、封口ラベル7は取り出し口2の幅方向の一端側が非剥離部12となり、他端側が摘まみ部13となっている。補強シート5は袋本体3の上面にホットメルト接着、その他の適宜接着、又は溶着等により固着され、その両者に跨がって取り出し口12及びエンボス部16が形成されている。
【0054】
この場合にはウエットシート8の積層体9の包装に際して、図14(A)〜(C)に示すように包装フィルム22に補強シート5を貼着した後に、その補強シート5にエンボス部16を形成すればよい。例えば、先ず図14(A)に示すように包装フィルム22にホットメルト接着、その他の適宜接着、又は溶着等により補強シート5を固着し、その後に補強シート5と包装フィルム22とを熱成型ロール等により熱成型して図14(B)に示すようにエンボス部16を形成する。なお、エンボス部16の加工前、加工時又は加工後に、包装フィルム22、補強シート5に跨がって切り取り線10を入れておく。
【0055】
次に図14(C)に示すように補強シート5上に感圧接着剤6を介して封口ラベル7を貼着した後、その包装フィルム22の補強シート5に対応する位置にウエットシート8の積層体9を供給して、従来と同様に包装する。
【0056】
このように包装フィルム22に補強シート5を貼着した後、その包装フィルム22と補強シート5とをエンボス加工してエンボス部16を形成することも可能である。またエンボス加工の前又は後に切り取り線10を形成しておけば、封口ラベル7を剥離して最初に開封する際に、切り取り線10により取り囲まれた部分の補強シート5等を開口片11として切り取ることができる。
【0057】
この場合には、補強シート5と包装フィルム22とによって構成される開口片11が封口ラベル7に付着するが、封口ラベル7を取り出し口2の幅方向に開閉することにより、開口片11の幅を小さくできるので、その開口片11が封口ラベル7の開閉に障害となることはない。
【0058】
なお、封口ラベル7はその長手方向に開閉するようにしてもよい。また予め補強シート5に開口15を形成しておき、その開口15付きの補強シート5を包装フィルム22に固着した後、エンボス部16を加工するようにしてもよい。更に補強シート5のエンボス部16は、封口ラベル7の貼着領域18の外側に設けてもよい。
【0059】
図15、図16は本発明の第8の実施形態を例示する。この実施形態では、袋本体3の上面に固着された補強シート5にエンボス部16が形成されると共に、補強シート5上に感圧接着剤6を介して剥離可能に貼着された封口ラベル7にもエンボス部23が形成されている。補強シート5のエンボス部16は、封口ラベル7の貼着領域18に対応する平坦部17の外周側に配置されている。封口ラベル7のエンボス部23は上側へと凹入する形状であり、多数のエンボス部23が非剥離部12を除く封口ラベル7の全面に略均一に設けられている。他の構成は第1の実施形態と同じである。
【0060】
一般に封口ラベル7はフィルム法合成紙シート、プラスチックシート等の保形性シートにより構成されるが、その保形性が問題になる場合には、保形性シートにエンボス部23を形成して保形性の向上を図ってもよい。また封口ラベル7にエンボス部23を設ける場合であれば、封口ラベル7の貼着領域18よりも外周側で補強シート5にエンボス部16を形成すれば、エンボス部16,23同士の重なり等による密着不良を容易に解消できる。
【0061】
勿論、補強シート5のエンボス部16と封口ラベル7のエンボス部23との領域が重なるように配置してもよいし、封口ラベル7のエンボス部23は開口15の外周側、又は内外周に周方向に略同心状に設けてもよい。双方のエンボス部16,23の形状等は適宜決定すればよい。また補強シート5と封口ラベル7とのエンボス部16,23は対応する形状にしてもよい。
【0062】
図17、図18は本発明の第9の実施形態を例示する。この実施形態はポケットタイプの包装袋1に採用した場合を示し、偏平な袋本体3の上面に補強シート5が感圧接着剤4を介して貼着され、その補強シート5上に封口ラベル7が感圧接着剤6を介して貼着されている。補強シート5、封口ラベル7は幅及び長さが略同じである。補強シート5には非剥離部12を除く略全域にエンボス部16が形成されている。エンボス部16は下側に円弧状に凹入する断面形状であり、開口15の外周に周方向に連続的に配置しているが、他の形状、配置であってもよい。
【0063】
このようにウエットシート8の積層枚数が比較的少ないポケットタイプの場合にも、エンボス部16を有する補強シート5により袋本体3の取り出し口2の周辺部分を補強し、その補強シート5上に封口ラベル7を貼着するようにしてもよい。この場合には、補強シート5と封口ラベル7との大きさを略同じにして端縁が略一致するようにしてもよい。
【0064】
以上、本発明の各実施形態について例示したが、本発明は各実施形態に限定されるものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば実施形態では、包装すべき内容物としてウエットシート8の積層体9を例示しているが、ウエットシート8以外のものでもよい。例えば湿った状態のものに限らず、乾燥した状態のものでもよい。
【0065】
補強シート5は封口ラベル7の貼着剥離方向と略直交する方向の両側が封口ラベル7から外側に突出することが望ましく、またその補強シート5にエンボス部16を設けるに当たっては、取り出し口2の外周の略全周にエンボス部16を配置してもよいが、少なくとも取り出し口2の幅方向の両側にエンボス部16があればよい。
【0066】
また封口ラベル7の貼着領域18に対応してエンボス部16を設けた場合には、封口ラベル7の貼着領域18の補強シート5を直接補強することができる。このためエンボス部16は少なくとも補強シート5の貼着領域18に対応する部分にあればよい。逆に封口ラベル7の貼着領域18の外周で補強シート5を補強する場合には、エンボス部16は少なくとも貼着領域18の外周にあればよい。
【0067】
補強シート5の剛性を高めるためには、補強シート5の略全面に略均一にエンボス部16を分布させることが望ましいが、封口ラベル7の貼着面積を十分に確保する上では、封口ラベル7の非剥離部12を除く範囲にエンボス部16を設け、その非剥離部12では補強シート5を平坦状に構成することが望ましい。
【0068】
補強シート5に形成すべきエンボス部16の断面形状、配置等は適宜変更可能であるが、その場合に封口ラベル7が補強シート5に貼着される貼着面は、取り出し口2の外周の周方向に連続状に設ける必要がある。
【0069】
補強シート5に予めエンボス部16を形成し、そのエンボス部16付きの補強シート5を袋本体3又は袋本体3を構成する包装フィルムに感圧接着剤4,6、その他により貼着し、その後に補強シート5上に封口ラベル7を貼着してもよいし、エンボス部16付きの補強シート5と封口ラベル7とを貼着し、その後その補強シート5を袋本体3又は袋本体3を構成する包装フィルムに感圧接着剤4,6、その他により貼着してもよい。また補強シート5を袋本体3を構成するフィルムに貼着し、その後に補強シート5と包装フィルムとをエンボス加工してエンボス部16を形成してもよい。
【0070】
封口ラベル7にエンボス部16を設けてもよいが、その場合のエンボス部16は非剥離部12を除く領域に略均等に分布させることが望ましい。また封口ラベル7のエンボス部16は、剥離時にエンボス部16の一部が屈曲する等の問題が生じないように、封口ラベル7の貼着剥離方向に独立して配置することが望ましい。
【符号の説明】
【0071】
1 包装袋
2 取り出し口
3 袋本体
4,6 感圧接着剤
5 補強シート
7 封口ラベル
8 ウエットシート
12 非剥離部
15 開口
16 エンボス部
18 貼着領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、袋本体の取り出し口の外周側を補強シートにより補強するようにしたウエットシート用等の包装袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
湿った状態の内容物、例えばウエットティッシュ等のウエットシートを取り出し可能に包装するウエットシート用等の包装袋には、ウエットシートを包装する袋本体の取り出し口側に、その取り出し口を封口する封口ラベルを感圧接着剤を介して剥離可能に貼着しておき、ウエットシートを使用する際には封口ラベルを剥離して取り出し口からウエットシートを取り出し、取り出し後は封口ラベルを貼着して取り出し口を密封するようにしたものがある。
【0003】
この種の包装袋はガスバリヤー性が要求されるため、ウエットシートの取り出し後に封口ラベルを感圧接着剤を介して取り出し口の全周で袋本体に確実に貼着して密封する必要がある。しかし、袋本体はガスバリヤー性を有する薄いプラスチックフィルムの単一フィルム又は複合フィルムを製袋して構成されているため、袋本体内のウエットシートの残量が少なくなれば、封口ラベルを貼着するときに袋本体の取り出し口側に皺等が発生し易くなる。このため封口ラベルを貼着する際には、取り出し口の周辺にできた皺等の上側から封口ラベルを貼着しないように、袋本体の取り出し口の周辺の皺を伸ばしながら貼着する必要がある。
【0004】
そこで、従来の包装袋には、袋本体の取り出し口が形成された上面側の外周部に保形枠又は補強枠を設けて、この保形枠又は補強枠により取り出し口の周辺部分に皺等が発生し難くしたもの(特許文献1、2)、更には袋本体の上面側の取り出し口の周辺部分に補強シートを貼着し、この補強シートに封口ラベルを感圧接着剤を介して貼着したもの(特許文献3)等が提案されている。
【0005】
特許文献1の包装袋は、袋本体の上面側に外周に矩形上の保形枠を固着し、この保形枠の内周側に封口ラベルを剥離可能に貼着している。また特許文献2の包装袋は、外周の補強枠と封口ラベルとが切り込みを介して一体に形成された蓋ラベルを使用し、この蓋ラベルを感圧接着剤を介して袋本体の上面側に貼着して、補強枠で袋本体の上面を外周側から補強し、その補強枠の内周で封口ラベルを袋本体の上面に剥離可能に貼着している。
【0006】
特許文献3の包装袋は、袋本体の上面に補強シートを貼着して、この補強シートにより袋本体の取り出し口の外周部分を補強し、その補強シート上に封口ラベルを感圧接着剤を介して剥離可能に貼着している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平8−113268号公報
【特許文献2】特開平10−24972号公報
【特許文献1】特開2002−160782号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、従来の保形枠、補強枠を使用した包装袋の場合には、袋本体に対する封口ラベルの貼着箇所を直接保形するのではなく、封口ラベルの外周側での保形枠、補強枠により袋本体の上面側を保形して、その内側に封口ラベルを貼着するようにしているため、封口ラベルの貼着箇所に皺等が発生する惧れがある。また十分な保形性を確保するためには、板厚の厚い保形枠、補強枠を使用する等、それ自体に保形性のよい材料を使用する必要があり、製造コストのアップ、重量の増加等の新たな問題が生じる。また特許文献2の補強枠と封口ラベルとを一体に構成した場合には、補強枠の剛性を十分に確保すれば、封口ラベル側の開閉操作が困難になる問題がある。
【0009】
補強シートを使用する包装袋の場合には、封口ラベルの貼着箇所を直接補強するので、貼着箇所での皺等の発生は一応解消できる。しかし、1枚の補強シートを袋本体の取り出し口の周辺部分に固着しているに過ぎないので、ウエットシートの残量が少なくなったときにも、比較的簡単な操作で容易に封口ラベルを貼着できるようにするためには、板厚の厚い補強シートを使用して十分な補強効果を確保する必要があり、前者と同様に製造コストのアップ、重量の増加等の問題がある。
【0010】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、厚手の材料を使用することなく袋本体の取り出し口の周辺部分を補強シートにより十分に補強でき、製造コストのアップ、重量の増加等を抑えながら容易且つ確実に密封できるウエットシート用等の包装袋を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、ウエットシート等の内容物を包装する袋本体の取り出し口の外周側に、前記取り出し口に対応する開口を有する補強シートを貼着し、前記取り出し口を封口する封口ラベルを感圧接着剤を介して前記補強シート上に剥離可能に貼着したウエットシート用等の包装袋において、前記補強シートに補強用のエンボス部を設けたものである。
【0012】
前記補強シートは前記封口ラベルの貼着剥離方向と略直交する方向の両側が前記封口ラベルから外側に出ており、前記開口に対して前記略直交する方向の両側に前記エンボス部を設けたものでもよい。また前記補強シートは少なくとも前記封口ラベルの貼着領域に前記エンボス部を有するものでもよい。更に前記補強シートは少なくとも前記封口ラベルの貼着領域よりも外側に前記エンボス部を有するものでもよい。
【0013】
前記エンボス部は前記封口ラベルの摘まみ部と反対側の非剥離部を除く範囲に設け、前記非剥離部の前記補強シートを平坦状に構成することが望ましい。前記補強シートが前記袋本体に貼着される貼着部を前記取り出し口の外周に、前記封口ラベルが前記補強シートに貼着される貼着部を前記開口の外周に夫々周方向に連続状に設けることが望ましい。
【0014】
前記エンボス部は前記開口を取り囲む周方向に連続するか、前記開口を取り囲む周方向に独立するものでもよい。前記エンボス部を有する前記補強シートを前記袋本体に貼着したことが望ましい。
【0015】
前記封口ラベルが貼着された前記補強シートを前記袋本体に貼着してもよい。また前記補強シートを前記袋本体を構成するフィルムに貼着し、該補強シートと前記フィルムとをエンボス加工して前記エンボス部を形成してもよい。前記封口ラベルは前記非剥離部を除く領域に補強用のエンボス部を有するものでもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、厚手の材料を使用することなく袋本体の取り出し口の周辺部分を補強シートにより十分に補強でき、製造コストのアップ、重量の増加等を抑えながら容易且つ確実に密封できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す包装袋の平面図である。
【図2】同包装袋の正面図である。
【図3】同開封状態の斜視図である。
【図4】図1のa−a線拡大断面図である。
【図5】図1のb−b線拡大断面図である。
【図6】本発明の第2の実施形態を示す包装袋の一部破断平面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態を示す包装袋の平面図である。
【図8】図7のa−a線拡大断面図である。
【図9】本発明の第4の実施形態を示す包装袋の一部平面図である。
【図10】本発明の第5の実施形態を示すウ要部の拡大断面図である。
【図11】本発明の第6の実施形態を示すウ包装袋の平面図である。
【図12】図11のa−a線拡大断面図である。
【図13】本発明の第7の実施形態を示す包装袋の斜視図である。
【図14】同加工工程を示す要部の拡大断面図である。
【図15】本発明の第8の実施形態を示す包装袋の斜視図である。
【図16】同要部の拡大断面図である。
【図17】本発明の第9の実施形態を示す包装袋の斜視図である。
【図18】同要部の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図5は本発明に係るウエットシート用等の包装袋の第1の実施形態を例示する。この包装袋1は、図1〜図5に示すように、上面に取り出し口2が形成された袋状の袋本体3と、この袋本体3の上面側に感圧接着剤4を介して貼着され且つ取り出し口2の外周側を補強する補強シート5と、この補強シート5上に感圧接着剤6を介して剥離可能に貼着され且つ取り出し口2を開閉自在に密封する封口ラベル7とを有する。
【0019】
袋本体3は例えばウエットティッシュ等のウエットシート8の積層体9を包装して、ガスバリヤー性及び柔軟性を有するプラスチック製の単一フィルム又は複合フィルム等の包装フィルムによりピロー包装したものであって、ウエットシート8の積層体9を包んだ状態で取り出し口2と反対側を縦方向に熱融着して筒状に形成し、次いで積層体9の両側で横方向に熱融着し切断した後、その切断端部を折り畳んで側面に接着することにより、積層体9の形状に合わせて直方体状に構成している。
【0020】
なお、袋本体3はウエットシート8の包装枚数、包装量に応じて任意の形状に仕上げればよい。また袋本体3はピロー包装以外の包装形態でもよい。更に袋本体3内の内容物は、ウエットシート8以外のものでもよい。例えば湿った状態の食料品、乾燥した状態の食料品、芳香性を有する芳香体、その他のものでもよい。
【0021】
袋本体3の上面の開口予定箇所には取り出し口2の形状に沿ってハーフカット、ミシン目等の切り取り線10が形成されており、封口ラベル7を最初に剥離して開封したときに、その切り取り線10により取り囲まれた部分が開口片11となって切り取られ、その跡に取り出し口2ができるようになっている。なお、切り取られた開口片11は感圧接着剤6を介して封口ラベル7に付着する。
【0022】
封口ラベル7は袋本体3の取り出し口2及び、この取り出し口2に対応して補強シート5に形成された開口15を覆うに十分な大きさを有し、従来と同様にフィルム法合成紙シート、プラスチックシート等の保形性シートにより構成され、感圧接着剤6を介して袋本体3の補強シート5の上面に剥離可能に貼着されている。この封口ラベル7には基部側に非剥離部12が、反対側に摘まみ部13が夫々設けられ、剥離時には摘まみ部13を持って非剥離部12側へと封口ラベル7を引っ張り、貼着時には非剥離部12側から摘まみ部13側へと移動しながら封口ラベル7を袋本体3側に押圧するようになっている。このため非剥離部12と摘まみ部13とを結ぶ方向が封口ラベル7の貼着剥離方向となっており、封口ラベル7はその貼着剥離方向に長くなっている。
【0023】
非剥離部12は封口ラベル7の幅方向の両側に切り込み部14を設ける等により、封口ラベル7の基部側の感圧接着剤6が袋本体3の上面から剥離し難くなるようにしたものである。摘まみ部13は封口ラベル7の幅方向の略中央部から外側に突出している。なお、摘まみ部13は幅方向の一端側に設ける等、他の位置に配置してもよい。封口ラベル7には、図5に斜線で示すように摘まみ部13を除く略全面に感圧接着剤6が塗工されている。
【0024】
補強シート5は袋本体3内のウエットシート8の残り量が少なくなった場合にも、袋本体3の取り出し口2の周辺に皺等が生じないように、袋本体3の上面側を取り出し口2の外周で補強するためのものであって、包装フィルムよりも厚手の保形性及び弾性を有するプラスチックシートにより構成され、感圧接着剤4を介して袋本体3の取り出し口2の外周側上面に貼着されている。
【0025】
この補強シート5は袋本体3の上面よりも小さく封口ラベル7よりも大きい程度の大きさ、例えば袋本体3内の積層体9の上面と略同じ程度か若干小さい程度の大きさの略矩形状であって、その略全周が封口ラベル7の外周よりも外方に出ている。なお、摘まみ部13は補強シート5よりも外側に出ているが、補強シート5内に収まるように設けてもよい。また補強シート5は封口ラベル7の貼着剥離方向(長さ方向)と略直交する方向(幅方向)の両側が封口ラベル7から出る程度の幅とし、封口ラベル7の非剥離部12側の端縁は封口ラベル7と略一致するようにしてもよい。
【0026】
補強シート5には袋本体3の取り出し口2に対応する開口15が形成され、また開口15の外周側に内外方向に所定の間隔をおいて複数条のエンボス部16が周方向に形成されている。開口15はその内側に取り出し口2が収まるように、取り出し口2よりも若干大きくなっている。
【0027】
補強シート5のエンボス部16は、封口ラベル7の非剥離部12を除く開口15の外周側の略全域に、封口ラベル7に対応する貼着領域18からその外周側にわたって略均等に分布して設けられている。補強シート5には開口15の外側の全周に所定幅の貼着領域18があり、その貼着領域18に封口ラベル7が感圧接着剤6を介して貼着されている。エンボス部16は貼着領域18と、その貼着領域18の外周領域とに跨がって配置されている。
【0028】
エンボス部16は感圧接着剤4側が上側へと円弧状に凹入する断面形状であって、その複数のエンボス部16の内、内周の粘着領域18側の1条又は複数条は開口15の全周を取り囲む無端長円状となっている。またエンボス部16は開口15の幅方向の両側に長手方向に配置された直線部16aと、その両端の円弧部16bとを有し、長円状の開口15に対して略同心円状に設けられている。
【0029】
補強シート5にはエンボス部16を含む袋本体3側の略全面に感圧接着剤4が塗工されており、少なくともエンボス部16間の貼着部19で補強シート5が感圧接着剤4を介して袋本体3の上面に貼着されている。また封口ラベル7の貼着領域18では、少なくともエンボス部16の頂部及び内外のエンボス部16間の貼着部20で封口ラベル7が感圧接着剤6を介して補強シート5に貼着されている。なお、貼着部19は取り出し口2を取り囲む全周に、貼着部20は開口15を取り囲む全周に夫々連続状に形成されている。
【0030】
補強シート5の非剥離部12側にはエンボス部16はなく、この非剥離部12に対応する部分の補強シート5は平坦状の平坦部17になっている。このため非剥離部12では、補強シート5の袋本体3に対する貼着面積、封口ラベル7の補強シート5に対する貼着面積が大になっている。
【0031】
なお、エンボス部16は補強シート5を熱成型ロール等によりエンボス加工して形成されている。また補強シート5にはエンボス部16の凹部にも感圧接着剤4が塗工されているが、この凹部内の感圧接着剤4はなくてもよい。補強シート5はエンボス部16を含む略全面が感圧接着剤4,6を介して袋本体3、封口ラベル7に貼着するようにしてもよい。
【0032】
ウエットシート8の積層体9を包装する際には、エンボス部16付きの補強シート5と封口ラベル7とを感圧接着剤6により貼着しておき、その補強シート5を感圧接着剤4を介して、袋本体3に使用する包装フィルムの所定位置に貼着する。このとき補強シート5の開口15を包装フィルムの取り出し口2の開口予定箇所に合わせて貼着する。そして、次に補強シート5等の貼着位置に合わせて包装フィルム上にウエットシート8の積層体9を供給し、ピロー包装により包装フィルムを製袋して袋本体3内に包装すればよい。
【0033】
ウエットシート8の使用に際しては、摘まみ部13を持って封口ラベル7を引っ張りながら取り出し口2を開けた後、その取り出し口2から袋本体3内のウエットシート8を取り出す。最初の開封時には、袋本体3の上面の切り取り線10の内側部分が感圧接着剤6を介して封口ラベル7に貼着状態にあるため、封口ラベル7の剥離に従って切り取り線10で切り離されて、袋本体3の上面から分離して取り出し口2が開けられる。そして、取り出し口2に対応する開口片11は、封口ラベル7側に付着したままとなる。
【0034】
ウエットシート8の取り出し後は、例えば封口ラベル7の非剥離部12側から摘まみ部13側へと指を滑らせながら封口ラベル7を袋本体3の上面側に押圧して、封口ラベル7を感圧接着剤6により袋本体3の上面に貼着して密封する。
【0035】
この場合、補強シート5の開口15の外周側に複数条のエンボス部16を形成しているので、そのエンボス部16によって補強シート5全体の剛性が大になり、補強シート5による袋本体3の取り出し口2の外周側の補強効果が向上する。こためウエットシート8の積層体9の残量が少なくなった場合であっても、袋本体3の取り出し口2の周辺部分を所定の形状に保つことが可能であり、積層体9の残量の多少に拘わらず、非剥離部12側から摘まみ部13側へと指を滑らせながら封口ラベル7を押圧することにより、封口ラベル7の感圧接着剤6が補強シート5のエンボス部16の頂部、エンボス部16間の貼着部20に貼着して、封口ラベル7により袋本体3の取り出し口2を容易且つ確実に密封することができる。
【0036】
従って、エンボス部16付きの補強シート5により袋本体3を補強することによって、補強シート5に剛性の高い厚手の材料を使用する必要がなく、比較的薄い補強シート5を使用しながら十分な補強効果を得ることができるので、剛性の高い厚手の材料を使用する場合に比較して製造コストのアップ、重量の増加等を抑えることができる。
【0037】
また補強シート5には、封口ラベル7の貼着領域18にエンボス部16を形成する他、封口ラベル7の幅方向の両側にもエンボス部16を形成しているため、貼着領域18にのみエンボス部16を設ける場合に比較して、そのエンボス部16による補強効果を十分に確保できる。しかも開口15の幅方向の両側には、長手方向に沿って連続する複数条の直線部16aがあるため、幅方向に長いエンボス部16を設ける場合に比較して、エンボス部16により補強シート5の剛性をより確保することができる。
【0038】
更に補強シート5の感圧接着剤4が袋本体3に貼着する貼着部19、封口ラベル7の感圧接着剤6が補強シート5に粘着する粘着部20は、開口15の外周の全周に連続しているため、補強シート5にエンボス部16があるにも拘わらず、密封性が損なわれるようなことはない。
【0039】
封口ラベル7を剥離し難くする非剥離部12では、補強シート5がエンボス部16のない平坦部17となっており、その平坦部17が感圧接着剤4を介して袋本体3上に貼着し、また補強シート5の平坦部17上に感圧接着剤6を介して封口ラベル7を貼着しているので、非剥離部12を含む補強シート5の略全体にエンボス部16を設ける場合に比較して感圧接着剤4,6の貼着面積を十分に確保できる。
【0040】
図6は本発明の第2の実施形態を例示する。この実施形態では、補強シート5には開口15の外周に内外方向に複数条のエンボス部16が周方向に形成されているが、そのエンボス部16は封口ラベル7の非剥離部12側と摘まみ部13側とで形状が異なっている。例えば、非剥離部12側では開口15に対して略同心円状に円弧部16bが形成され、また摘まみ部13側では封口ラベル7の幅方向の中間に左右方向の直線部16cを有する形状になっている。他の構成は第1の実施形態と同じである。
【0041】
このように摘まみ部13側に対応するエンボス部16に左右方向の直線部16cを設けることにより、摘まみ部13側での補強シート5の幅方向の中央部分の剛性がより向上し、封口ラベル7を押圧したときにその感圧接着剤6を補強シート5に確実に貼着することができる。
【0042】
従って、補強シート5に周方向のエンボス部16を設けるに当たっては、剛性を他の部分よりも大にする必要のある箇所では直線部16cを設けるかその数を増やす等、必要に応じて各位置毎にエンボス部16の形状、数、方向等を適宜変更してもよい。
【0043】
図7、図8は本発明の第3の実施形態を例示する。この実施形態では、補強シート5には開口15の外周に内外方向に複数条のエンボス部16が周方向に形成されると共に、封口ラベル7の非剥離部12に対応する補強シート5の平坦部17の外周にも周方向にエンボス部16が形成されている。そして、エンボス部16は開口15の長手方向に沿う直線部16aと、その両端側を開口15の幅方向に接続する直線部16cとにより構成され、略矩形状に連続している。他の構成は第1、第2の実施形態と同じである。
【0044】
このように補強シート5には、取り出し口2の外周にエンボス部16を設ける他、非剥離部12に対応する平坦部17の外周側にもエンボス部16を設けることによって、非剥離部12の外周部分での補強シート5の剛性を向上させることができる。
【0045】
図9は本発明の第4の実施形態を例示する。補強シート5の感圧接着剤4が袋本体3に、封口ラベル7の感圧接着剤6が補強シート5に夫々取り出し口2、開口15の外周で周方向に連続して貼着する構造であれば、図9(A)〜(C)に示すように補強シート5に多数のエンボス部16を貼着剥離方向に独立させて形成することも可能である。他の構成は第1の実施形態と同じである。
【0046】
図9(A)の補強シート5には、開口15の外周に沿って略同心円状に多数のエンボス部16が配列されている。図9(B)(C)の補強シート5には、開口15の外周に多数のエンボス部16が略均一に分布するように千鳥状等に適宜配列されている。図9(B)のエンボス部16は封口ラベル7の長手方向に長く形成され、図9(C)のエンボス部16は長手方向及び幅方向に方向性のない球面状に形成されている。
【0047】
なお、第1〜第3の実施形態に示す周方向に無端状のエンボス部16と、図9(A)〜(C)の何れか1種類、2種類又は3種類のエンボス部16とを組み合わせて設けることも可能である。
【0048】
図10は本発明の第5の実施形態を例示する。補強シート5のエンボス部16は、上側に凹入する凹状の他、図10(A)〜(C)に示すように下側に突出する凸状、上下両側に凹凸状に構成してもよい。これらの場合にも、エンボス部16によって補強シート5の剛性を容易に確保できる。なお、他の構成は第1の実施形態と同じである。
【0049】
図10(A)の補強シート5では、そのエンボス部16は感圧接着剤4側が円弧状に突出する凸状に構成され、その凸状のエンボス部16の頂部側及びエンボス部16間の平坦部分、又はエンボス部16及び平坦部分の下面側の略全面が補強シート5と袋本体3との貼着部19となっている。封口ラベル7の感圧接着剤6は、補強シート5のエンボス部16間の平坦部分の貼着部20に貼着している。
【0050】
また図10(B)の補強シート5では、そのエンボス部16は凹部21aと凸部21bとが波状に連続する凹凸状に構成されており、この補強シート5のエンボス部16の下側の感圧接着剤4が袋本体3の上面に、封口ラベル7の下側の感圧接着剤6が補強シート5の上面に夫々略全面で貼着されている。図10(C)の補強シート5では、エンボス部16の凹部21aと凸部21bとが開口15の内外方向に所定の間隔をおいて設けられている。
【0051】
図11、図12は本発明の第6の実施形態を例示する。この実施形態の補強シート5は、封口ラベル7の非剥離部12を含む貼着領域18の略全体が平坦部17となっており、その貼着領域18の外周側の補強シート5にエンボス部16が周方向に連続状に形成されている。補強シート5の平坦部17には封口ラベル7が感圧接着剤6を介して剥離可能に貼着されている。貼着領域18の外周側には、所定の剛性を確保できるように複数条のエンボス部16が周方向に連続状に形成されている。他の構成は第1の実施形態と同じである。
【0052】
このように補強シート5のエンボス部16は封口ラベル7の貼着領域18の外周に設けてもよい。この場合には、補強シート5のエンボス部16側には感圧接着剤6を介して封口ラベル7を貼着する必要がないので、補強シート5の剛性の確保を主眼にエンボス部16の形状、配列を決定することができる。また貼着領域18はエンボス部16のない平坦部17であり、その外周のエンボス部16により平坦部17側の補強シート5の剛性が向上するので、封口ラベル7の密着不良も容易に防止することができる。
【0053】
図13、図14は本発明の第7の実施形態を例示する。この実施形態では、図13に示すように長円状の取り出し口2の外周側を補強する補強シート5が貼着され、その補強シート5上に、取り出し口2を開閉する封口ラベル7が剥離可能に貼着されているが、封口ラベル7は取り出し口2の幅方向の一端側が非剥離部12となり、他端側が摘まみ部13となっている。補強シート5は袋本体3の上面にホットメルト接着、その他の適宜接着、又は溶着等により固着され、その両者に跨がって取り出し口12及びエンボス部16が形成されている。
【0054】
この場合にはウエットシート8の積層体9の包装に際して、図14(A)〜(C)に示すように包装フィルム22に補強シート5を貼着した後に、その補強シート5にエンボス部16を形成すればよい。例えば、先ず図14(A)に示すように包装フィルム22にホットメルト接着、その他の適宜接着、又は溶着等により補強シート5を固着し、その後に補強シート5と包装フィルム22とを熱成型ロール等により熱成型して図14(B)に示すようにエンボス部16を形成する。なお、エンボス部16の加工前、加工時又は加工後に、包装フィルム22、補強シート5に跨がって切り取り線10を入れておく。
【0055】
次に図14(C)に示すように補強シート5上に感圧接着剤6を介して封口ラベル7を貼着した後、その包装フィルム22の補強シート5に対応する位置にウエットシート8の積層体9を供給して、従来と同様に包装する。
【0056】
このように包装フィルム22に補強シート5を貼着した後、その包装フィルム22と補強シート5とをエンボス加工してエンボス部16を形成することも可能である。またエンボス加工の前又は後に切り取り線10を形成しておけば、封口ラベル7を剥離して最初に開封する際に、切り取り線10により取り囲まれた部分の補強シート5等を開口片11として切り取ることができる。
【0057】
この場合には、補強シート5と包装フィルム22とによって構成される開口片11が封口ラベル7に付着するが、封口ラベル7を取り出し口2の幅方向に開閉することにより、開口片11の幅を小さくできるので、その開口片11が封口ラベル7の開閉に障害となることはない。
【0058】
なお、封口ラベル7はその長手方向に開閉するようにしてもよい。また予め補強シート5に開口15を形成しておき、その開口15付きの補強シート5を包装フィルム22に固着した後、エンボス部16を加工するようにしてもよい。更に補強シート5のエンボス部16は、封口ラベル7の貼着領域18の外側に設けてもよい。
【0059】
図15、図16は本発明の第8の実施形態を例示する。この実施形態では、袋本体3の上面に固着された補強シート5にエンボス部16が形成されると共に、補強シート5上に感圧接着剤6を介して剥離可能に貼着された封口ラベル7にもエンボス部23が形成されている。補強シート5のエンボス部16は、封口ラベル7の貼着領域18に対応する平坦部17の外周側に配置されている。封口ラベル7のエンボス部23は上側へと凹入する形状であり、多数のエンボス部23が非剥離部12を除く封口ラベル7の全面に略均一に設けられている。他の構成は第1の実施形態と同じである。
【0060】
一般に封口ラベル7はフィルム法合成紙シート、プラスチックシート等の保形性シートにより構成されるが、その保形性が問題になる場合には、保形性シートにエンボス部23を形成して保形性の向上を図ってもよい。また封口ラベル7にエンボス部23を設ける場合であれば、封口ラベル7の貼着領域18よりも外周側で補強シート5にエンボス部16を形成すれば、エンボス部16,23同士の重なり等による密着不良を容易に解消できる。
【0061】
勿論、補強シート5のエンボス部16と封口ラベル7のエンボス部23との領域が重なるように配置してもよいし、封口ラベル7のエンボス部23は開口15の外周側、又は内外周に周方向に略同心状に設けてもよい。双方のエンボス部16,23の形状等は適宜決定すればよい。また補強シート5と封口ラベル7とのエンボス部16,23は対応する形状にしてもよい。
【0062】
図17、図18は本発明の第9の実施形態を例示する。この実施形態はポケットタイプの包装袋1に採用した場合を示し、偏平な袋本体3の上面に補強シート5が感圧接着剤4を介して貼着され、その補強シート5上に封口ラベル7が感圧接着剤6を介して貼着されている。補強シート5、封口ラベル7は幅及び長さが略同じである。補強シート5には非剥離部12を除く略全域にエンボス部16が形成されている。エンボス部16は下側に円弧状に凹入する断面形状であり、開口15の外周に周方向に連続的に配置しているが、他の形状、配置であってもよい。
【0063】
このようにウエットシート8の積層枚数が比較的少ないポケットタイプの場合にも、エンボス部16を有する補強シート5により袋本体3の取り出し口2の周辺部分を補強し、その補強シート5上に封口ラベル7を貼着するようにしてもよい。この場合には、補強シート5と封口ラベル7との大きさを略同じにして端縁が略一致するようにしてもよい。
【0064】
以上、本発明の各実施形態について例示したが、本発明は各実施形態に限定されるものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば実施形態では、包装すべき内容物としてウエットシート8の積層体9を例示しているが、ウエットシート8以外のものでもよい。例えば湿った状態のものに限らず、乾燥した状態のものでもよい。
【0065】
補強シート5は封口ラベル7の貼着剥離方向と略直交する方向の両側が封口ラベル7から外側に突出することが望ましく、またその補強シート5にエンボス部16を設けるに当たっては、取り出し口2の外周の略全周にエンボス部16を配置してもよいが、少なくとも取り出し口2の幅方向の両側にエンボス部16があればよい。
【0066】
また封口ラベル7の貼着領域18に対応してエンボス部16を設けた場合には、封口ラベル7の貼着領域18の補強シート5を直接補強することができる。このためエンボス部16は少なくとも補強シート5の貼着領域18に対応する部分にあればよい。逆に封口ラベル7の貼着領域18の外周で補強シート5を補強する場合には、エンボス部16は少なくとも貼着領域18の外周にあればよい。
【0067】
補強シート5の剛性を高めるためには、補強シート5の略全面に略均一にエンボス部16を分布させることが望ましいが、封口ラベル7の貼着面積を十分に確保する上では、封口ラベル7の非剥離部12を除く範囲にエンボス部16を設け、その非剥離部12では補強シート5を平坦状に構成することが望ましい。
【0068】
補強シート5に形成すべきエンボス部16の断面形状、配置等は適宜変更可能であるが、その場合に封口ラベル7が補強シート5に貼着される貼着面は、取り出し口2の外周の周方向に連続状に設ける必要がある。
【0069】
補強シート5に予めエンボス部16を形成し、そのエンボス部16付きの補強シート5を袋本体3又は袋本体3を構成する包装フィルムに感圧接着剤4,6、その他により貼着し、その後に補強シート5上に封口ラベル7を貼着してもよいし、エンボス部16付きの補強シート5と封口ラベル7とを貼着し、その後その補強シート5を袋本体3又は袋本体3を構成する包装フィルムに感圧接着剤4,6、その他により貼着してもよい。また補強シート5を袋本体3を構成するフィルムに貼着し、その後に補強シート5と包装フィルムとをエンボス加工してエンボス部16を形成してもよい。
【0070】
封口ラベル7にエンボス部16を設けてもよいが、その場合のエンボス部16は非剥離部12を除く領域に略均等に分布させることが望ましい。また封口ラベル7のエンボス部16は、剥離時にエンボス部16の一部が屈曲する等の問題が生じないように、封口ラベル7の貼着剥離方向に独立して配置することが望ましい。
【符号の説明】
【0071】
1 包装袋
2 取り出し口
3 袋本体
4,6 感圧接着剤
5 補強シート
7 封口ラベル
8 ウエットシート
12 非剥離部
15 開口
16 エンボス部
18 貼着領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエットシート等の内容物を包装する袋本体の取り出し口の外周側に、前記取り出し口に対応する開口を有する補強シートを貼着し、前記取り出し口を封口する封口ラベルを感圧接着剤を介して前記補強シート上に剥離可能に貼着したウエットシート用等の包装袋において、前記補強シートに補強用のエンボス部を設けたことを特徴とするウエットシート用等の包装袋。
【請求項2】
前記補強シートは前記封口ラベルの貼着剥離方向と略直交する方向の両側が前記封口ラベルから外側に出ており、前記開口に対して前記略直交する方向の両側に前記エンボス部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のウエットシート用等の包装袋。
【請求項3】
前記補強シートは少なくとも前記封口ラベルの貼着領域に前記エンボス部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のウエットシート用等の包装袋。
【請求項4】
前記補強シートは少なくとも前記封口ラベルの貼着領域よりも外側に前記エンボス部を有することを特徴とする請求項2に記載のウエットシート用等の包装袋。
【請求項5】
前記エンボス部は前記封口ラベルの摘まみ部と反対側の非剥離部を除く範囲に設け、前記非剥離部の前記補強シートを平坦状に構成したことを特徴とする請求項3又は4に記載のウエットシート用等の包装袋。
【請求項6】
前記補強シートが前記袋本体に貼着される貼着部を前記取り出し口の外周に、前記封口ラベルが前記補強シートに貼着される貼着部を前記開口の外周に夫々周方向に連続状に設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のウエットシート用等の包装袋。
【請求項7】
前記エンボス部は前記開口を取り囲む周方向に連続することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のウエットシート用等の包装袋。
【請求項8】
前記エンボス部は前記開口を取り囲む周方向に独立することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のウエットシート用等の包装袋。
【請求項9】
前記エンボス部を有する前記補強シートを前記袋本体に貼着したことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のウエットシート用等の包装袋。
【請求項10】
前記封口ラベルが貼着された前記補強シートを前記袋本体に貼着することを特徴とする請求項9に記載のウエットシート用等の包装袋。
【請求項11】
前記補強シートを前記袋本体を構成するフィルムに貼着し、該補強シートと前記フィルムとをエンボス加工して前記エンボス部を形成したことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のウエットシート用等の包装袋。
【請求項12】
前記封口ラベルは前記非剥離部を除く領域に補強用のエンボス部を有することを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載のウエットシート用等の包装袋。
【請求項1】
ウエットシート等の内容物を包装する袋本体の取り出し口の外周側に、前記取り出し口に対応する開口を有する補強シートを貼着し、前記取り出し口を封口する封口ラベルを感圧接着剤を介して前記補強シート上に剥離可能に貼着したウエットシート用等の包装袋において、前記補強シートに補強用のエンボス部を設けたことを特徴とするウエットシート用等の包装袋。
【請求項2】
前記補強シートは前記封口ラベルの貼着剥離方向と略直交する方向の両側が前記封口ラベルから外側に出ており、前記開口に対して前記略直交する方向の両側に前記エンボス部を設けたことを特徴とする請求項1に記載のウエットシート用等の包装袋。
【請求項3】
前記補強シートは少なくとも前記封口ラベルの貼着領域に前記エンボス部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のウエットシート用等の包装袋。
【請求項4】
前記補強シートは少なくとも前記封口ラベルの貼着領域よりも外側に前記エンボス部を有することを特徴とする請求項2に記載のウエットシート用等の包装袋。
【請求項5】
前記エンボス部は前記封口ラベルの摘まみ部と反対側の非剥離部を除く範囲に設け、前記非剥離部の前記補強シートを平坦状に構成したことを特徴とする請求項3又は4に記載のウエットシート用等の包装袋。
【請求項6】
前記補強シートが前記袋本体に貼着される貼着部を前記取り出し口の外周に、前記封口ラベルが前記補強シートに貼着される貼着部を前記開口の外周に夫々周方向に連続状に設けたことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のウエットシート用等の包装袋。
【請求項7】
前記エンボス部は前記開口を取り囲む周方向に連続することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のウエットシート用等の包装袋。
【請求項8】
前記エンボス部は前記開口を取り囲む周方向に独立することを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のウエットシート用等の包装袋。
【請求項9】
前記エンボス部を有する前記補強シートを前記袋本体に貼着したことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のウエットシート用等の包装袋。
【請求項10】
前記封口ラベルが貼着された前記補強シートを前記袋本体に貼着することを特徴とする請求項9に記載のウエットシート用等の包装袋。
【請求項11】
前記補強シートを前記袋本体を構成するフィルムに貼着し、該補強シートと前記フィルムとをエンボス加工して前記エンボス部を形成したことを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のウエットシート用等の包装袋。
【請求項12】
前記封口ラベルは前記非剥離部を除く領域に補強用のエンボス部を有することを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載のウエットシート用等の包装袋。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−51585(P2012−51585A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−193830(P2010−193830)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(504373864)明広商事株式会社 (43)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(504373864)明広商事株式会社 (43)
【Fターム(参考)】
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