説明

ウエハの処理および製造用冷却液

【課題】インゴットからウエハをスライシングするとき、あるいはウエハをバックグラインディングするときに、加工熱を速やかに取り除くことと、切削屑を完全に除去することが可能な冷却液を提供する。
【解決手段】冷却液に界面活性剤または界面活性剤混合物を添加する。界面活性剤の濃度は脱塩水からなる溶液に0重量%超〜1重量%以下、特に好ましくは0.1重量%〜0.25重量%以下とし、界面活性剤の分子量は1500(g/mol)以下である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インゴットおよび/またはウエハの製造および/または処理に使用するための冷却液、このような冷却液を用いてインゴットおよび/またはウエハを製造および/または処理するための方法、ならびにインゴットおよび/またはウエハの製造および/または処理における界面活性剤の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
ウエハの製造に用いられる慣用の方法は、ほとんどの用途において、特に以下に示すステップ:
−ウエハ材料のいわゆる「インゴット」、すなわち「木の幹のような」塊を製造すること、
−このインゴットからウエハを切り出すこと(いわゆるスライシング)、
−このウエハを特定の厚みに研削すること、
−研磨材を用いた湿式化学処理および研削処理によってこのウエハ表面を研磨すること、
を含んでいる。
【0003】
ウエハ表面が光反射性を有するように研磨することはほとんどの用途に必要とされている。ウエハの平坦性、研磨の完全性、および表面の清浄度に関する要件は極めて厳しい。半導体産業およびマイクロメカニクスにおいては、ウエハ上に電子部品、特に集積回路(IC、「チップ」)やマイクロメカニカル部品が様々な技術的方法により作製されている。マイクロチップが完成に至るまでのこのような様々な技術的方法においては、研削および研磨方法が重要な役割を果たす。なかでも、いわゆる「バックグラインディング」、すなわち、ウエハの最終厚さを得ることを目的として回路が設けられていない方のウエハ面を再び研削することが、この場合は決定的に重要となる。
【0004】
通常、切り出しや研削等の処理ステップには冷却液が使用される。先行技術によるほとんどの用途においては、脱塩水を用いるのが一般的である。
【0005】
この「冷却液」は、冷却を行うだけでなく、例えば、研削、切り出し、および研磨工程の際に削り取られたウエハ材料を、被加工材料面からもその環境(周辺、例えば研削室)からも取り除く役割も果たしていることに注目されたい。したがって、このステップにおいては、「冷却液および分離剤または清浄化剤」という用語を使用する方がより的確であろう。しかしながら、本明細書においては、明瞭化のため、冷却液という用語のみを使用することとする。しかし、本発明の文脈における「冷却液」という用語は、以下に示す機能:
−例えばインゴットおよびウエハの加工工程において、特に多孔質研磨材を用いて研削を行う際に発生する熱を取り除く、
−望ましくない物質や削り落とされた物質を取り除く、
−実際の加工工程を取り囲む周辺部、例えば研削装置の内壁等を清浄に保つ、
のうちの1つまたはそれ以上を果たすことができる任意の液体または実質的に液状の媒体を意味するものと理解されたい。
【0006】
以下に示す発明の文脈において、「ウエハ」という用語は、回路、特に顕微鏡的に微小な回路を作製するために使用することができる任意の材料を意味するものと理解される。特に、本発明の趣旨における「ウエハ」という用語は、任意の半導体材料を意味するものと理解される。半導体材料とは、電気伝導度の温度依存性が非常に高く、したがって、温度に応じて導体としても絶縁体としてもみなすことができる固体を意味するものと理解される。半導体の導電性は温度の上昇とともに増大するので、これをサーミスタと呼ぶこともできるであろう。他の主族からの異種原子を導入するいわゆるドーピングによって、導電性をさらに広範囲に調節することができる。しかしながら、マイクロエレクトロニクスにおいて半導体が特に重要視されるのは、例えばトランジスタの場合がそうであるように、制御電圧または制御電流を印加することによってその導電性を変化させることができる点である。
【0007】
一般に、ウエハ材料としては、シリコンまたは実質的にシリコンであるものが使用されるが、以下に示す発明の文脈において「ウエハ」とは、例えば、ゲルマニウム、ガリウムヒ素、窒化ガリウム、リン化インジウム、またはアルミニウムガリウムヒ素を含む半導体材料も意味するものと理解され、本発明はこれらの材料を含むウエハにも適用可能であり、また、上述の半導体材料は代表的な選択肢であり、したがって、これらがすべてであることを主張する意図も、制限を指定する意図さえもないことに留意されたい。
【0008】
一方、先行技術による冷却液を使用すると、その用途によっては、除去すべき物質や、切り出し、研削、または研磨中に形成される切り屑、研削屑、または研磨屑が、加工工程中にウエハ表面およびウエハの周囲環境から完全には除去されず、それにより、次の作業における廃棄物の発生につながるウエハの損傷が起こる可能性があるという欠点がある。特に、これまでになく薄いウエハを求める傾向が起こりつつあるなかで、このような場合にウエハ表面に被加工半導体材料の粒子が付着してしまうと、表面または表面に近接した層の損傷が比較的重大な結果につながることから、これらを完全に除去することが一層重要な役割を果たすようになってくる。
【0009】
さらに、特にウエハの研削方法に関連する先行技術によれば、研削工程の結果として生じる加工熱(摩擦熱)を十分に速やかに除去できない場合、特定の状況下においては連続運転を行うことができず、運転を停止せざるを得ない場合がある用途もあることが判明した。この停止時間は最大で全時間の8〜10%に上る場合がある。
【0010】
さらに、先行技術によれば、研削盤または研削砥石(粒状の研磨材および結合材から作製された回転方向に対称な物体で、研削装置内に締め付け固定されており、例えば半導体材料やウエハを精密な機械加工によって高速で加工するものである)の研磨材は、一般に、1時間に1回程度の目立てを行わなければならない。これには約5分間を要し、そのため、全時間の約12分の1をさらに失うこととなる。
【0011】
【非特許文献1】S・ズー(S.Zhu)、W・G・ミラー(W.G.Miller)、L・E・スクリベン(L.E.Scriven)、H・T・デービス(H.T.Davis)、Colloids and Surfaces、第A90巻(1994年)p.63
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
したがって、それを用いることによって上述の欠点を克服することができるかまたは少なくとも実質的に回避できる、インゴットおよび/またはウエハを製造および/または処理するための冷却液、それにおける冷却液の使用、およびそのための方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的は、請求項1に記載の冷却液によって達成される。したがって、インゴットおよび/またはウエハの製造および/または処理に使用するための、少なくとも1種の界面活性剤を含む冷却液が提供される。
【0014】
「処理」とは、ウエハおよび/またはインゴットを、加工、特に、切り出し、研削、および/または研磨することに加えて、清浄化を行うための任意の工程を意味するものと理解される。
【0015】
意外なことに、多くの用途においては、界面活性剤または界面活性剤混合物を添加することによって、上述の問題を実質的に軽減することができるかまたはもはや発生すらしなくなることが見出された。
【0016】
本発明の文脈における「界面活性剤」とは、2相間の界面張力に作用することができる任意の物質を意味するものと理解される。
【0017】
特定の理論に拘泥するわけではないが、なかでも以下に示すものが、界面活性剤または界面活性剤混合物の好ましい特性と考えられる。
【0018】
ダイヤモンド研削砥石は、ウエハの処理および製造における多くの用途において使用されている。このようなダイヤモンド研削砥石の研磨材または研磨層は、様々なダイヤモンド砥粒と混合された天然または合成の結合材から構成されている。さらに、最近のダイヤモンド研削砥石の研磨材は、より良好な冷却またはより良好な摩擦熱の除去が確実に行われるように、多孔質になっている。先行技術によれば、細孔性(メッシュで表される)が数百メッシュから最近では約8000メッシュまでの研磨材または層が通常使用されているが、メッシュ数を上げて(このことは、今度は、細孔構造をより微細にする(細孔をより小さくする)ことおよびダイヤモンド砥粒をより細かくすることと相関する)研削を行えば、平坦性および平滑性がより高いウエハ表面を達成できることから、将来的には研磨材または層の細孔性を10000メッシュ以上にすると発表されている。
【0019】
意外なことに、本発明による界面活性剤または界面活性剤混合物を添加することによって、水が研磨材または研磨層の細孔内に侵入する力がより高くなり、したがって、研削中に発生する熱がより良好に除去される結果となることが現時点で明らかとなっている。さらに意外なことに、本発明による界面活性剤または本発明による界面活性剤混合物を使用することにより、削り落とされた物質または研削屑がウエハ表面および研削装置の内壁にさほど付着しなくなり、この工程からより容易に除去されることが見出された。
【0020】
好ましい実施態様によれば、冷却液は、水系の冷却液、すなわち水を相当量の構成成分として含有するものであり、この水は、好ましくは、脱塩水である。
【0021】
本発明の好ましい実施態様によれば、界面活性剤の比率は、冷却液の0重量%超〜1重量%以下である。
【0022】
本発明によれば、この冷却液は、界面活性剤または界面活性剤混合物を含んでいてもよいことに留意されたい。したがって、明瞭化および簡素化を目的とした「界面活性剤」という用語は界面活性剤混合物も意味し、界面活性剤混合物中のすべての界面活性剤および/または界面活性剤混合物全体が上述した特性を有することが好ましいであろう。
【0023】
したがって、冷却液中に1種を超える界面活性剤が存在する場合は、その場合における界面活性剤の総量が冷却液の0重量%超〜1重量%以下であることが好ましい。
【0024】
この量は、ほとんどの用途に特に有利であることが判明している。好ましくは、界面活性剤の比率は、冷却液の0.01重量%以上〜0.5重量%以下、特に好ましくは0.1重量%以上〜0.25重量%以下である。
【0025】
好ましくは、0.1重量%の界面活性剤を含む水(脱塩水)溶液の表面張力は、20℃、0.5Hz(バブルプレッシャー型表面張力計を用いた表面張力測定の周波数)において、35mN/m以下、より好ましくは30mN/m以下、最も好ましくは25mN/m以下である。
【0026】
このことが本発明の範囲内の多くの用途において有利であることが見出された。それは、こうすることにより、特に研削工程を含む本発明の範囲内の多くの用途において、熱の放散が特に良好に達成できるためである。
【0027】
本発明の好ましい実施態様によれば、0.1重量%の界面活性剤溶液の濡れ広がり(spread)は50mm以上である。すなわち、0.1重量%の界面活性剤を含む水溶液50μlが、疎水性基板(独国フォルヒハイム(Forchheim,Germany)のヴァン・リア(van Leer)からのフォルコ−BOPP(Forco−BOPP)型ポリプロピレンフィルム、透明、40μm厚)上に濡れ広がって、平均径が50mm以上の範囲を覆う膜となる。
【0028】
この種の界面活性剤はいわゆるスーパースプレッディング特性(super−spreading properties)を有し、スーパースプレッダー(superspreader)とも称され、本発明の多くの用途において特に有利であることが見出された。
【0029】
少量(0.1重量%)の界面活性剤を添加した水の小滴が0.1秒以内に疎水性表面上に広がって薄い膜になることができれば、この界面活性剤はスーパースプレッダーである(非特許文献1)。
【0030】
界面活性剤の0.1重量%溶液の濡れ広がりは、好ましくは60mm以上、特に好ましくは65mm以上、特に非常に好ましくは70mm以上である。
【0031】
本発明の好ましい実施態様によれば、界面活性剤の分子量は1500g/mol以下である。この大きさの界面活性剤は、本発明のほとんどの用途において特に有利である。界面活性剤の分子量は、好ましくは1000g/mol以下である。
【0032】
本発明の好ましい実施態様によれば、少なくとも1種の界面活性剤は、以下に示す構造I、
【化1】

(式中、R、R、および/またはRは、互いに独立して、水素、アルキル、長鎖アルキル、アルケニル、アルコキシ、長鎖アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ハロアルキル、ハロゲン、擬ハロゲン、アルキルシリル、およびアルキルシリルオキシからなる群から選択され、Rは、アルキレン、アルケンジイル、アリーレン、ハロアルキル、長鎖アルキル、アルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択され、RおよびRは、ポリエーテルであり、Rは、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、アルキル、カルボキシレート、カルボニル、スルフェート、スルホネート、アミン、ホスホネート、ホスフィン、ホスフェート、M、およびアンモニウムからなる群から選択される)を有する物質を含む。
【0033】
一般的な基の定義:
本明細書および特許請求の範囲において、一般的な基、例えば、アルキル、アルコキシ、アリール等が特許請求および記載されている。別段の指定がない限り、本発明の目的のために一般的に記載された基のなかでも、以下に示す基を用いることが好ましい:
アルキル:直鎖および分岐のC〜Cアルキル、
長鎖アルキル:直鎖および分岐のC〜C20アルキル、
アルケニル:C〜Cアルケニル、
シクロアルキル:C〜Cシクロアルキル、
アルコキシ:C〜Cアルコキシ、
長鎖アルコキシ:直鎖および分岐のC〜C20アルコキシ、
アルキレン:2〜18個の炭素原子を有し、場合によりヘテロ原子を含む2価の直鎖または分岐の脂肪族、環式脂肪族、または芳香族炭化水素基であって、
例えば、メチレン、1,1−エチレン、1,2−エチレン、1,1−プロピリデン、1,2−プロピレン、1,3−プロピレン、2,2−プロピリデン、ブタン−2−オール−1,4−ジイル、プロパン−2−オール−1,3−ジイル、1,4−ブチレン、1,4−ペンチレン、1,6−ヘキシレン、1,7−ヘプチレン、1,8−オクチレン、1,9−ノニレン、1,10−デシレン、1,11−ウンデシレン、1,12−ドデシレン、シクロヘキサン−1,1−ジイル、シクロヘキサン−1,2−ジイル、シクロヘキサン−1,3−ジイル、シクロヘキサン−1,4−ジイル、シクロペンタン−1,1−ジイル、シクロペンタン−1,2−ジイル、およびシクロペンタン−1,3−ジイルからなる群から選択されるもの、
アルケンジイル:1,2−プロペンジイル、1,2−ブテンジイル、2,3−ブテンジイル、1,2−ペンテンジイル、2,3−ペンテンジイル、1,2−ヘキセンジイル、2,3−ヘキセンジイル、3,4−ヘキセンジイルからなる群から選択されるもの、
アルキンジイル:−C≡C−、
アリール:分子量が300Da未満の芳香族化合物から選択されるもの、
アリーレン:1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、1,2−ナフチレン、1,3−ナフチレン、1,4−ナフチレン、2,3−ナフチレン、1−ヒドロキシ−2,3−フェニレン、1−ヒドロキシ−2,4−フェニレン、1−ヒドロキシ−2,5−フェニレン、および1−ヒドロキシ−2,6−フェニレンからなる群から選択されるもの、
アミン:−N(R)基(式中、Rはそれぞれ独立して、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルキル−C、およびフェニルから選択されるもの(Rが両方ともC〜Cアルキルである場合は、これがNC〜NC複素環を形成し、残りのアルキル鎖がこの環のアルキル置換基をなしてもよい)、
ヒドロキシル:−OH、
ハロゲン:F、Cl、Br、およびIからなる群から選択されるもの、
ハロアルキル:モノハロゲン化、ジハロゲン化、トリハロゲン化、ポリハロゲン化、および過ハロゲン化された直鎖および分岐のC〜Cアルキルからなる群から選択されるもの、
擬ハロゲン:−CN、−SCN、−OCN、N、−CNO、−SeCNを含む群から選択されるもの、
スルホネート:−S(O)OR基(式中、Rは、水素、C〜Cアルキル、フェニル、C〜Cアルキル−C、Li、Na、K、Cs、Mg、およびCaから選択される)、
スルフェート:−OS(O)OR基(式中、Rは、水素、C〜Cアルキル、フェニル、C〜Cアルキル−C、Li、Na、K、Cs、Mg、およびCaから選択される)、
スルホン:−S(O)R基(式中、Rは、水素、C〜Cアルキル、フェニル、C〜Cアルキル−C、および−NR’基(式中、R’はそれぞれ独立して、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルキル−C、およびフェニルから選択され、R’が両方ともC〜Cアルキルである場合は、これがNC〜NC複素環を形成し、残りのアルキル鎖がその環のアルキル置換基をなしてもよい)から選択されるアミン(結果としてスルホンアミドとなる)から選択される)、
カルボキシレート:−C(O)OR基(式中、Rは、水素、C〜Cアルキル、フェニル、C〜Cアルキル−C、Li、Na、K、Cs、Mg、およびCaから選択される)
カルボニル:−C(O)R基(式中、Rは、水素、C〜Cアルキル、フェニル、C〜Cアルキル−C、および−NR’基(式中、R’はそれぞれ独立して、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルキル−C、およびフェニルから選択され、R’が両方ともC〜Cアルキルである場合は、これがNC〜NC複素環を形成し、残りのアルキル鎖がその環のアルキル置換基をなしてもよい)から選択されるアミン(結果としてアミドとなる)から選択される)、
ホスホネート:−P(O)(OR)基(式中、Rはそれぞれ独立して、水素、C〜Cアルキル、フェニル、C〜C−アルキル−C、Li、Na、K、Cs、Mg、およびCaから選択される)、
ホスフェート:−OP(O)(OR)基(式中、Rはそれぞれ独立して、水素、C〜Cアルキル、フェニル、C〜C−アルキル−C、Li、Na、K、Cs、Mg、およびCaから選択される)、
ホスフィン:−P(R)基(式中、Rはそれぞれ独立して、水素、C〜Cアルキル、フェニル、およびC〜Cアルキル−Cから選択される)、
ホスフィンオキシド:−P(O)R基(式中、Rは独立して、水素、C〜Cアルキル、フェニル、C〜Cアルキル−C、および−NR’基(式中、R’はそれぞれ独立して、水素、C〜Cアルキル、C〜Cアルキル−C、およびフェニルから選択され、R’が両方ともC〜Cアルキルである場合は、これがNC〜NC複素環を形成し、残りのアルキル鎖がその環のアルキル鎖の置換基をなしてもよい)から選択されるアミン(ホスホンアミデート(phosphonamidate))から選択される)、
ポリエーテル:−(O−CH(R)−CH(R))−(式中、RおよびRは、独立して、水素、アルキル、アリール、ハロゲンから選択され、nは、1〜250、好ましくは1〜20である)ならびに−(O−CH−CH(R))−OHおよび−(O−CH−CH(R))−OR(式中、Rは独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ハロゲンから選択され、nは、1〜250、好ましくは1〜20である)を含む群から選択されるもの、
アルキルシリル:−SiR基(式中、R、R、およびRは、互いに独立して、水素、アルキル、長鎖アルキル、フェニル、シクロアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、長鎖アルコキシから選択される)、
アルキルシリルオキシ:−O−SiR基(式中、R、R、およびRは、互いに独立して、水素、アルキル、長鎖アルキル、フェニル、シクロアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、長鎖アルコキシから選択される)、
アンモニウム:−N基(式中、R、R、およびRは、互いに独立して、水素、アルキル、長鎖アルキル、フェニル、シクロアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、長鎖アルコキシから選択される)、
M、M(nは整数):金属、2つの金属Mは、特に断りのない限り、互いに独立して選択される。
【0034】
特に断りのない限り、以下に示す基は、一般的な基の定義のなかでも特に好ましい基である。
アルキル:直鎖および分岐のC〜Cアルキル、
長鎖アルキル:直鎖および分岐のC〜C10アルキル、好ましくはC〜Cアルキル、
アルケニル:C〜Cアルケニル、
シクロアルキル:C〜Cシクロアルキル、
アルコキシ:C〜Cアルコキシ、
長鎖アルコキシ:直鎖および分岐のC〜C10アルコキシ、好ましくは直鎖のC〜Cアルコキシ、
アルキレン:2〜18個の炭素原子を有し、場合によりヘテロ原子を含む、2価の直鎖または分岐の、脂肪族、環式脂肪族、または芳香族炭化水素基であって、
例えば、メチレン、1,1−エチレン、1,2−エチレン、1,1−プロピリデン、1,2−プロピレン、1,3−プロピレン、2,2−プロピリデン、ブタン−2−オール−1,4−ジイル、プロパン−2−オール−1,3−ジイル、1,4−ブチレン、1,4−ペンチレン、1,6−ヘキシレン、1,7−ヘプチレン、1,8−オクチレン、1,9−ノニレン、1,10−デシレン、1,11−ウンデシレン、1,12−ドデシレン、シクロヘキサン−1,1−ジイル、シクロヘキサン−1,2−ジイル、シクロヘキサン−1,3−ジイル、シクロヘキサン−1,4−ジイル、シクロペンタン−1,1−ジイル、シクロペンタン−1,2−ジイル、およびシクロペンタン−1,3−ジイルからなる群から選択されるもの、
アリール:フェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラセニル、およびフェナントレニルからなる群から選択されるもの、
アリーレン:1,2−フェニレン、1,3−フェニレン、1,4−フェニレン、1,2−ナフチレン、1,4−ナフチレン、2,3−ナフチレン、および1−ヒドロキシ−2,6−フェニレンからなる群から選択されるもの、
アミン:−N(R)基(式中、Rはそれぞれ独立して、水素、C〜Cアルキル、およびベンジルから選択される)、
ハロゲン:FおよびClからなる群から選択されるもの、
ヒドロキシル:−OH、
スルホネート:−S(O)OR基(式中、Rは、水素、C〜Cアルキル、Na、K、Mg、およびCaから選択される)、
スルフェート:−OS(O)OR基(式中、Rは、水素、C〜Cアルキル、Na、K、Mg、およびCaから選択される)、
スルホン:−S(O)R基(式中、Rは、水素、C〜Cアルキル、ベンジル、および−NR’基(式中、R’はそれぞれ独立して、水素、C〜Cアルキル、およびベンジルから選択される)から選択されるアミンから選択される)、
カルボキシレート:−C(O)OR基(式中、Rは、水素、Na、K、Mg、Ca、C〜Cアルキル、およびベンジルから選択される)、
カルボニル:−C(O)R基(式中、Rは、水素、C〜Cアルキル、ベンジル、および−NR’基(式中、R’はそれぞれ独立して、水素、C〜Cアルキル、およびベンジルから選択される)から選択されるアミンから選択される)、
ホスホネート:−P(O)(OR)基(式中、Rはそれぞれ独立して、水素、C〜Cアルキル、ベンジル、Na、K、Mg、およびCaから選択される)、
ホスフェート:−OP(O)(OR)基(式中、Rはそれぞれ独立して、水素、C〜Cアルキル、ベンジル、Na、K、Mg、およびCaから選択される)、
ホスフィン:−P(R)基(式中、Rはそれぞれ独立して、水素、C〜Cアルキル、およびベンジルから選択される)、
ホスフィンオキシド:−P(O)R基(式中、Rは独立して、水素、C〜Cアルキル、ベンジル、および−NR’基(式中、R’はそれぞれ独立して、水素、C〜Cアルキル、およびベンジルから選択される)から選択されるアミンから選択される)、
ポリエーテル:−(O−CH(R)−CH(R))−(式中、RおよびRは独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ハロゲンから選択され、nは、1〜50、好ましくは1〜15である)ならびに−(O−CH−CH(R))−OHおよび−(O−CH−CH(R))−OR(式中、Rは独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、フェニル、ハロゲンから選択され、nは、1〜50、好ましくは1〜15である)からなる群から選択されるもの、
アルキルシリル:−SiR基(式中、R、R、およびRは、互いに独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、フェニル、メトキシ、エトキシ、およびプロポキシから選択される)、
アルキルシリルオキシ:−O−SiR基(式中、R、R、およびRは、互いに独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、フェニル、メトキシ、エトキシ、およびプロポキシから選択される)、
アンモニウム:−N基(式中、R、R、およびRは、互いに独立して、水素、メチル、エチル、プロピル、フェニル、長鎖アルキル、ベンジル、シクロアルキルから選択される)、
M、M(nは整数):金属、2つの金属Mは、特に断りのない限り、互いに独立して選択される。
【0035】
本発明の好ましい実施態様によれば、少なくとも1種の界面活性剤は、以下に示す構造II、
【化2】

(式中、R、R、および/またはRは、互いに独立して、水素、アルキル、長鎖アルキル、アルケニル、アルコキシ、長鎖アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ハロアルキル、ハロゲン、擬ハロゲン、アルキルシリル、アルキルシリルオキシからなる群から選択され、Rは、アルキレン、アルケンジイル、アリーレン、ハロアルキル、長鎖アルキル、アルキル、シクロアルキル、ポリエーテルからなる群から選択され、Rは、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、アルキル、ポリエーテル、カルボキシレート、カルボニル、スルフェート、スルホネート、アミン、ホスホネート、ホスフィン、ホスフェート、M、およびアンモニウムからなる群から選択される)を有する物質を含む。
【0036】
本発明の好ましい実施態様によれば、少なくとも1種の界面活性剤は、以下に示す構造III、
【化3】

(式中、Rは、水素、アルキル、長鎖アルキル、アルケニル、アルコキシ、長鎖アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ハロアルキル、ハロゲン、擬ハロゲン、アルキルシリル、アルキルシリルオキシからなる群から選択され、Rは、アルキレン、アルケンジイル、アルキンジイル、アリーレン、ハロアルキル、長鎖アルキル、アルキル、シクロアルキル、およびポリエーテルからなる群から選択され、Rはポリエーテルであり、Rは、水素、ヒドロキシル、アルキル、カルボキシレート、カルボニル、スルフェート、スルホネート、アミン、ホスホネート、ホスフィン、ホスフェート、M、およびアンモニウムからなる群から選択される)を有する物質を含む。
【0037】
本発明の好ましい実施態様によれば、少なくとも1種の界面活性剤は、以下に示す構造IV、
【化4】

(式中、Rは、水素、アルキル、長鎖アルキル、アルケニル、アルコキシ、長鎖アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ハロアルキル、ハロゲン、擬ハロゲン、アルキルシリル、アルキルシリルオキシからなる群から選択され、Rは、アルキレン、アルケンジイル、アルキンジイル、アリーレン、ハロアルキル、長鎖アルキル、アルキル、シクロアルキル、およびポリエーテルからなる群から選択され、
は、水素、ヒドロキシル、アルキル、カルボキシレート、カルボニル、スルフェート、スルホネート、アミン、ホスホネート、ホスフィン、ホスフェート、M、およびアンモニウムからなる群から選択される)を有する物質を含む。
【0038】
本発明の好ましい実施態様によれば、少なくとも1種の界面活性剤は、以下に示す構造V、
【化5】

(式中、
およびRは、互いに独立して、水素、アルキル、長鎖アルキル、アルケニル、アルキレン、アルコキシ、長鎖アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ハロアルキル、ハロゲン、擬ハロゲン、アルキルシリル、アルキルシリルオキシ、ポリエーテルからなる群から選択され、
は、ポリエーテルまたはアルキンジイルであり、
は、アルキレンまたはポリエーテルであり、
は、水素、ヒドロキシル、アルキル、カルボキシレート、カルボニル、スルフェート、スルホネート、アミン、ホスホネート、ホスフィン、ホスフェート、ポリエーテル、M、およびアンモニウムからなる群から選択される)を有する物質を含む。
【0039】
本発明の好ましい実施態様によれば、少なくとも1種の界面活性剤は、以下に示す構造VI、
【化6】

(式中、RおよびRは、互いに独立して、水素、アルキル、長鎖アルキル、アルケニル、アルキレン、アルコキシ、長鎖アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ハロアルキル、ハロゲン、擬ハロゲン、アルキルシリル、アルキルシリルオキシ、ポリエーテルからなる群から選択され、
は、水素、ヒドロキシル、アルキル、カルボキシレート、カルボニル、スルフェート、スルホネート、アミン、ホスホネート、ホスフィン、ホスフェート、ポリエーテル、M、およびアンモニウムからなる群から選択される)を有する物質を含む。
【0040】
本発明はまた、上述の界面活性剤の、インゴットおよび/またはウエハの製造および/または処理における使用にも関する。
【0041】
本発明はまた、上述の冷却液を使用してインゴットおよび/またはウエハを処理および/または製造するための方法にも関する。
【0042】
上述の構成要素と、特許請求される構成要素、実施例に記載される構成要素、および本発明に従い使用される構成要素とに関しては、その大きさ、形態、材料の選択、および技術概念に関し特別な例外が設けられることはないので、その使用分野において周知の選択基準を制限なく適用することができる。
【0043】
本発明の主題のさらなる詳細、特徴、および利点は、従属請求項および以下に示す添付の図面(これは、本発明による冷却液を使用した複数の実施例を例示として示すものである)の説明から明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
図1は、細孔性またはダイヤモンド砥粒の粒度が2000メッシュのダイヤモンド研削砥石を用いて100枚のウエハを研削する研削工程において、先行技術による冷却液および本発明の第1の実施態様による冷却液を使用した際の電流値のグラフを示すものである。
【0045】
この実施態様に使用した冷却液は、界面活性剤濃度が0.15重量%の脱塩水である。この界面活性剤の0.1重量%脱塩水溶液について「動的」方法(測定装置「SITAサイエンスライン(science line)t60」を用いて、製造業者のデータに従う)により、20℃、周波数0.5Hzで測定した表面張力は、22.6mN/mである。一方、先行技術による冷却液は脱塩水のみである。
【0046】
図2は、同じ冷却液を選択した、図1と同様のグラフを示すものであり、唯一の違いは、研削砥石の細孔性またはダイヤモンド砥粒の粒度がより微細(4000メッシュ)なことである。
【0047】
図3は、細孔性またはダイヤモンド砥粒の粒度をさらに微細(8000メッシュ)にした、図1および2と類似のグラフを示すものである。
【0048】
研削工程の均一性および研削中にウエハ表面に作用する力が電流値から判定される。一般に、電流値が高くなるほどウエハ表面に作用する力およびダイヤモンド研削砥石の摩耗が大きくなると言えよう。さらに、電流値に基づいて研削工程の均一性を評価することができる。研削中にウエハ表面に作用する上述の力は、ウエハ表面および表面に近接した層を損傷する主要因の一つである。さらには、負荷が14Aを超えると安全目的で研削装置の電源が自動的に遮断され、このような場合は研削工程を再調整する必要があるため、結果として貴重な時間が無駄になることに留意されたい。要するに、ウエハの品質、特に表面性(平坦性および平滑性)および損傷と電流値という観点から見ると、電流値が小さいほど結果として得られるウエハの品質が高くなるという直接の関係があると言えよう。
【0049】
予想されたように、先行技術による方法により処理されたウエハの場合においても、本発明による冷却液を使用したウエハの場合においても、研削工程(層の厚みを薄くするウエハの裏面研削)中における電流値と、したがってウエハにかかる負荷とは、研削砥石のメッシュが増加するとともにまず増大する。メッシュ値(#)がより高いということは、細孔の大きさがより小さくダイヤモンド砥粒がより細かいことを意味する。
【0050】
しかしながら、8000メッシュになると、先行技術による方法では、非常に多くのウエハの品質を低下させるような高い負荷がウエハにかかっていることが特に際立ってくる。さらにどのグラフからも明らかであるが、先行技術による冷却液の場合、比較的多数の「外れ値」が発生する。すなわち、まず第1に、工程の一貫した連続性に関する信頼性が確保されず、第2に、不良ウエハの比率が大幅に増加することが予測される。
【0051】
一方、本発明による冷却液を使用すると、まず第1に、負荷が全体的により低く、8000メッシュの場合は半分にもなり、第2に、「外れ値」がまったくあるいは実質的にまったく認められなくなる。すなわち、この製造工程が全体としてより信頼性および精度の高いものに替わる。
【0052】
ウエハ表面に作用する力がより低い(これは表面損傷の低減につながる)ことと、全体として研削工程の信頼性がより高いこととは、本発明による界面活性剤を使用したことによる効果である。このような効果は、研削工程における電流値を介して「微視的に」検出または測定することができる。しかしながら、それ以外にも、裸眼で視認することができ、本発明による界面活性剤の使用に帰することができる好ましい効果も同様に見出される。つまり、本発明による冷却液を使用した場合、研削室が清浄に保たれるとともに、ダイヤモンド研削砥石の摩耗も先行技術による方法と比較して少なくなる。研削室がより清浄であることは、研削屑(ウエハから除去された半導体材料)および特により粗い粒子が工程からより良好に除去されており、したがって、先行技術による方法における次の工程ステップでは問題となる、ウエハの破壊を含む損傷につながることも多いウエハ表面への付着は、もはやそれほど強力なものではないことを示している。
【0053】
測定方法
濃度0.1%(重量%)の界面活性剤水(脱塩水)溶液の表面張力を、測定装置「SITAサイエンスラインt60」を使用し、製造業者のデータに従って、20℃、0.5Hzで測定した。
【0054】
濡れ広がり面積(area of spread)=面積または濡れ広がり=液膜に覆われた上記面積の平均直径を、以下に示すように測定した:
調査対象とする界面活性剤の水溶液(界面活性剤の濃度を0.1重量%とする)を規定の基板に規定量適用した際に上記溶液で覆われた(液膜)面積を測定した。
【0055】
このために、まず、少なくとも40%の相対湿度下で、0.1%濃度の水溶液を脱塩水を用いて調製した。次いで、規定のポリプロピレンフィルム(独国フォルヒハイムのヴァン・リアより入手、種類:フォルコ−BOPP、色:無色透明、層の厚さ:40μm)をグラフ用紙の上に載せたガラス板上に固定した。マイクロシリンジまたはピペットを用いて50μlを吸い込み、次いで、この界面活性剤溶液を約5mmの高さからポリプロピレンフィルム上に滴下した。90秒後、形成された液膜の外縁に印を付けた。ここで、液膜の最長直径(a)および最短直径(b)をグラフ用紙により測定して、記録した。この測定を少なくとも2回実施し、(a)および(b)の平均値を求めた。
【0056】
伸展面積(楕円)をmmで表す。これは、(mm)=(πab)/4と定義されている。次いでここから濡れ広がりを算出し、mmで表す(mm=2√(A/π))。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】先行技術による方法および本発明の実施態様に従う冷却液を用いて、細孔性またはダイヤモンド砥粒の粒度が2000メッシュであるダイヤモンド研削砥石で100枚のウエハを研削する際の電流値のグラフを示す。
【図2】先行技術による方法および本発明の実施態様に従う冷却液を用いて、細孔性またはダイヤモンド砥粒の粒度が4000メッシュであるダイヤモンド研削砥石で100枚のウエハを研削する際の電流値のグラフを示す。
【図3】先行技術による方法および本発明の実施態様に従う冷却液を用いて、細孔性またはダイヤモンド砥粒の粒度が8000メッシュであるダイヤモンド研削砥石で100枚のウエハを研削する際の電流値のグラフを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
インゴットおよび/またはウエハの製造および/または処理に使用するための冷却液であって、少なくとも1種の界面活性剤を含む冷却液。
【請求項2】
界面活性剤の比率が前記冷却液の0重量%以上〜1重量%以下である、請求項1に記載の冷却液。
【請求項3】
0.1重量%の界面活性剤を含む水(脱塩水)溶液の20℃、0.5Hzにおける表面張力が35mN/m以下である、請求項1または2に記載の冷却液。
【請求項4】
0.1重量%の界面活性剤溶液の濡れ広がりが50mm以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の冷却液。
【請求項5】
前記界面活性剤の分子量が1500(g/mol)以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の冷却液。
【請求項6】
前記界面活性剤が、以下に示す構造I、
【化1】

(式中、R、R、および/またはRは、互いに独立して、水素、アルキル、長鎖アルキル、アルケニル、アルコキシ、長鎖アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ハロアルキル、ハロゲン、擬ハロゲン、アルキルシリル、およびアルキルシリルオキシからなる群から選択され、Rは、アルキレン、アルケンジイル、アリーレン、ハロアルキル、長鎖アルキル、アルキル、およびシクロアルキルからなる群から選択され、RおよびRは、ポリエーテルであり、Rは、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、アルキル、カルボキシレート、カルボニル、スルフェート、スルホネート、アミン、ホスホネート、ホスフィン、ホスフェート、M、およびアンモニウムからなる群から選択される)を有する物質を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の冷却液。
【請求項7】
前記界面活性剤が、以下に示す構造II、
【化2】

(式中、R、R、および/またはRは、互いに独立して、水素、アルキル、長鎖アルキル、アルケニル、アルコキシ、長鎖アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ハロアルキル、ハロゲン、擬ハロゲン、アルキルシリル、アルキルシリルオキシからなる群から選択され、Rは、アルキレン、アルケンジイル、アリーレン、ハロアルキル、長鎖アルキル、アルキル、シクロアルキル、ポリエーテルからなる群から選択され、Rは、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、アルキル、ポリエーテル、カルボキシレート、カルボニル、スルフェート、スルホネート、アミン、ホスホネート、ホスフィン、ホスフェート、M、およびアンモニウムからなる群から選択される)を有する物質を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の冷却液。
【請求項8】
前記界面活性剤が、以下に示す構造III、
【化3】

(式中、Rは、水素、アルキル、長鎖アルキル、アルケニル、アルコキシ、長鎖アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ハロアルキル、ハロゲン、擬ハロゲン、アルキルシリル、アルキルシリルオキシからなる群から選択され、
は、アルキレン、アルケンジイル、アルキンジイル、アリーレン、ハロアルキル、長鎖アルキル、アルキル、シクロアルキル、およびポリエーテルからなる群から選択され、Rはポリエーテルであり、Rは、水素、ヒドロキシル、アルキル、カルボキシレート、カルボニル、スルフェート、スルホネート、アミン、ホスホネート、ホスフィン、ホスフェート、M、およびアンモニウムからなる群から選択される)を有する物質を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の冷却液。
【請求項9】
前記界面活性剤が、以下に示す構造IV、
【化4】

(式中、Rは、水素、アルキル、長鎖アルキル、アルケニル、アルコキシ、長鎖アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ハロアルキル、ハロゲン、擬ハロゲン、アルキルシリル、アルキルシリルオキシからなる群から選択され、Rは、アルキレン、アルケンジイル、アルキンジイル、アリーレン、ハロアルキル、長鎖アルキル、アルキル、シクロアルキル、およびポリエーテルからなる群から選択され、
は、水素、ヒドロキシル、アルキル、カルボキシレート、カルボニル、スルフェート、スルホネート、アミン、ホスホネート、ホスフィン、ホスフェート、M、およびアンモニウムからなる群から選択される)を有する物質を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の冷却液。
【請求項10】
前記界面活性剤が、以下に示す構造V、
【化5】

(式中、RおよびRは、互いに独立して、水素、アルキル、長鎖アルキル、アルケニル、アルキレン、アルコキシ、長鎖アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ハロアルキル、ハロゲン、擬ハロゲン、アルキルシリル、アルキルシリルオキシ、ポリエーテルからなる群から選択され、
は、ポリエーテルまたはアルキンジイルであり、Rは、アルキレンまたはポリエーテルであり、Rは、水素、ヒドロキシル、アルキル、カルボキシレート、カルボニル、スルフェート、スルホネート、アミン、ホスホネート、ホスフィン、ホスフェート、ポリエーテル、M、およびアンモニウムからなる群から選択される)を有する物質を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の冷却液。
【請求項11】
前記界面活性剤が、以下に示す構造VI、
【化6】

(式中、RおよびRは、互いに独立して、水素、アルキル、長鎖アルキル、アルケニル、アルキレン、アルコキシ、長鎖アルコキシ、シクロアルキル、アリール、ハロアルキル、ハロゲン、擬ハロゲン、アルキルシリル、アルキルシリルオキシ、ポリエーテルからなる群から選択され、
は、水素、ヒドロキシル、アルキル、カルボキシレート、カルボニル、スルフェート、スルホネート、アミン、ホスホネート、ホスフィン、ホスフェート、ポリエーテル、M、およびアンモニウムからなる群から選択される)を有する物質を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の冷却液。
【請求項12】
インゴットおよび/またはウエハの製造および/または処理における、請求項1〜11のいずれか一項に記載の界面活性剤の使用。
【請求項13】
請求項1〜11のいずれか一項に記載の冷却液が使用される、インゴットおよび/またはウエハの処理および/または製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−281464(P2007−281464A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−92874(P2007−92874)
【出願日】平成19年3月30日(2007.3.30)
【出願人】(500442021)ゴールドシュミット ゲーエムベーハー (28)
【Fターム(参考)】