説明

ウエハ上の欠陥を検出するためのシステムおよび方法

ウエハ上の欠陥を検出するシステムおよび方法が提供される。1つの方法は、検査システムの第1の光学状態および第2の光学状態を用いて、検査システムによりウエハを走査することにより、ウエハのための出力を生成することを含む。第1の光学状態および第2の光学状態は、検査システムの少なくとも1つの光学パラメータのための個別の値によって定義される。方法は、第1の光学状態を用いて生成された出力を用いてウエハのための第1の画像データと、第2の光学状態を用いて生成された出力を用いてウエハのための第2の画像データとを生成することを含む。さらに、方法は、第1の画像データとウエハ上の実質的に同一の位置に対応する第2の画像データとを組み合わせ、ウエハのための付加的な画像データを生成することを含む。方法は、付加的な画像データを用いてウエハ上の欠陥を検出することをさらに含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ウエハ上の欠陥を検出するためのシステムおよび方法に関する。一部の実施形態は、ウエハ上の欠陥を検出するために用いられる付加的な画像データを生成するために、検査システムの個別の光学状態を用いて生成されたウエハ上の実質的に同一の位置の個別の画像データを組み合わせることを含む方法に関する。
【背景技術】
【0002】
以下の説明および例は、この節において、それらの包括による従来技術であることは認められない。
【0003】
論理デバイスやメモリデバイスなどのような半導体デバイスの製作は、半導体デバイスの様々な特徴および多重レベルを形成するために、半導体製造プロセスの多くを用いて半導体ウエハなどの基板を処理することを典型的には含む。例えば、リソグラフィは、半導体ウエハ上に配置されたレチクルからレジストにパターンを転写することを含む半導体製造プロセスである。半導体製造プロセスの付加的な例は、化学薬品機械研磨(CMP)、エッチング、蒸着、およびイオン注入を含むが限定はされない。複数の半導体デバイスは、単一の半導体ウエハ上に配置されて製造され、その後、別々の半導体デバイスに分割されてもよい。
【0004】
製造工程における高歩留りを促進するために、したがって高収益を得るために、検査プロセスは、ウエハ上の欠陥を検出するために半導体製造プロセスの間で様々なステップにて用いられる。検査は、ICなどの半導体デバイスを製造する際の常に重要部分であった。但し、半導体デバイスの寸法が減少するにつれて、より小さな欠陥が装置に障害を起こさせる場合があるので、検査は、容認できる半導体デバイスの成功したメーカーにとってさらに重要になる。例えば、半導体デバイスの寸法が減少するにつれて、比較的小さな欠陥が半導体デバイスの望まれない異常をまさに引き起こすかもしれないので、サイズを縮小する際の欠陥を検出することが必要になった。
【0005】
比較的小さな欠陥の検出を改善するための明らかな1つの手段は、光学検査システムの解像度を高めることである。光学検査システムの解像度を高めるための1つの手段は、システムが動作することができる波長を減少させることである。検査システムの波長が減少するにつれて、非干渉性光源は、十分な輝度により光を生成することができない。したがって、より小さな波長で動作するように設計されている検査システムのための、より好適な光源は、比較的小さな波長で比較的明るい光を生成することができるレーザー光源である。但し、レーザー光源は、干渉性光(コヒーレント光)を生成する。干渉性光はウエハの画像にスペックルを生成する可能性があるので、このような光は、検査にとっては不利である。スペックルは画像におけるノイズ源であるので、検査システムによって生成された画像における信号対ノイズ比(S/N)は、スペックルによって低減されるだろう。さらに、ウエハ検査システム(例えばレーザー系検査システム)におけるスペックルノイズは、検出したい欠陥(Defects of Interest(DOI))の検出能力の主要な妨げの1つである。ウエハデザインルールが縮小し続けるにつれて、光学検査システムは、より短い波長およびより大きな集光開口数(NA)を好適には有する。したがって、スペックルノイズは、より優勢なノイズ源へと増大する。
【0006】
多くの照射システムが、レーザー光源からの光のスペックルを低減する検査アプリケーションのために開発されている。例えば、スペックルノイズを低減するための一般的なアプローチは、光学ディフューザーを介して光を伝搬することにより、または光ファイバを振動させることにより、照射レーザー源の干渉性を低減することを一般に含む。これらのアプローチは、ウエハ上の照射NAを高めることを通常必要とし、したがって、レンズ外(Outside−the−Lens、OTL)の斜角照射アーキテクチャのためには効果的ではない。レーザー干渉性の低減は、また、フーリエフィルタリングの使用を限定し、S/Nを下げる。瞳孔面における開口を移動させることなどの他のアプローチは、瞳孔面における光の空間的サンプルを選択し、その後、相対的にサンプルの多くにわたって画像を平均するために適用されている。このアプローチは、それによって、光学システムの解像度を大幅に低減し、欠陥のキャプチャー速度を減少させるだろう。
【0007】
欠陥検出のためのいくつかの方法は、ウエハ上の欠陥を検出するために、および/またはウエハ上で検出された欠陥を分類するために、検査システムの多重検出器によって生成された出力を利用する。このようなシステムおよび方法の例は、ラヴィッドらによる国際公開第WO99/67626号(本明細書に十分に示されるかのように、参考文献として援用される)において例証される。この刊行物において説明されているシステムおよび方法は、個別の検出器によって生成された電気的信号の欠陥を別々に検出するように一般には構成される。言いかえれば、検出器の各々によって生成された電気的信号は、各検出器が欠陥を検出したか否かを判定するために別々に処理される。いかなる時も欠陥は検出器の1つによって生成された電気的信号において検出され、検出器の少なくとも2つによって生成された電気的信号は、反射光強度、反射光量、反射光線形性、および反射光非対称性などの欠陥の散乱光属性を判定するためにまとめて解析される。欠陥は、その後、これらの属性に基づいて(例えば、パターン欠陥またはパーティクル欠陥として)分類される。
【0008】
上記の刊行物において開示された方法およびシステムは、1つ以上の検出器によって生成された電気的信号から判定された欠陥の散乱光属性を利用するが、この刊行物において開示された方法およびシステムは、欠陥を検出するために1つ以上の検出器の組み合わせによって生成された電気的信号は利用しない。さらに、この刊行物において開示された方法およびシステムは、分類以外の任意の欠陥関連の機能のための1つ以上の検出器によって生成された電気的信号の組み合わせを用いない。
【0009】
他の現在利用可能な検査システムは、1つ以上の検出チャネルによりウエハを検査し、チャネルの各々によって取得されたデータを別々に処理することによりウエハ上の欠陥を検出し、チャネルの各々によって取得されたデータを別々に処理することにより欠陥を分類するように構成される。個々のチャネルの各々によって検出された欠陥は、また、例えば、個別のウエハマップ(各ウエハマップは、個々のチャネルの1つのみによって検出された欠陥を図示する)を生成することにより、さらに別々に処理されてもよい。このようなシステムの1つ以上のチャネルによって生成された欠陥検出結果は、その後、例えば、個々のウエハマップのベンの加算(Venn Addition)を用いて組み合わせられてもよい。このような検査は、また、単一パスまたは多重パスにおいて取得された出力を用いて実行されてもよい。例えば、欠陥検出のための従来用いられている1つの方法は、ウエハについて2つ以上の走査を実行し、ウエハのための最終検査結果としてロット結果の結合を判定することを含む。このような従来用いられている方法において、擬似欠陥(Nuisance:歩留りに影響しない欠陥)フィルタリングおよび欠陥ビニング(Defect Binning)は、多重走査からの、ベンID結果(Venn ID Results)、AND/OR演算に基づく。
【0010】
したがって、このような従来用いられている検査方法は、検査システムによって画素レベルで生成された出力を活用しないが、むしろ最終結果としてウエハマップレベルに結果を組み合わせる。欠陥は、各々のパスに対して調べられたレベルノイズと比較して、それらの相対的な信号(振幅)に独立的に基づいた各々のパスによって検出される。さらに、従来用いられている方法における擬似欠陥フィルタリングおよび擬似欠陥ビニングは、多重走査からのAND/OR検出、およびその後各々の個々の走査における分割に基づくかもしれない。そのため、検出の際のAND/OR演算以外のクロスパス情報は考慮されない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
したがって、画像データにおけるノイズ(例えばスペックルノイズ)を減少させながら、欠陥検出のために用いられるウエハのための画像データにおける欠陥のS/Nを高めるために検査システムの個別の光学状態からの情報を組み合わせる、ウエハ上の欠陥を検出する方法およびシステムを開発することは、有用だろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
方法、コンピュータ読み取り可能な媒体、およびシステムの様々な実施形態についての以下の説明は、いかなる方法によっても、添付された請求項の発明の主題を限定するようには解釈されない。
【0013】
1つの実施形態はウエハ上の欠陥を検出する方法に関する。その方法は、検査システムの第1の光学状態と第2との光学状態を用いて、検査システムでウエハを走査することにより、ウエハのための出力を生成することを含む。第1の光学状態および第2の光学状態は、検査システムの少なくとも1つの光学パラメータのための個別の値によって定義される。方法は、また、第1の光学状態を用いて生成された出力を用いてウエハのための第1の画像データと、第2の光学状態を用いて生成された出力を用いてウエハのための第2の画像データとを生成することを含む。さらに、方法は、第1の画像データと、ウエハ上の実質的に同一の位置に対応する第2の画像データとを組み合わせ、それによって、ウエハのための付加的な画像データを生成することを含む。方法は、付加的な画像データを用いてウエハ上の欠陥を検出することをさらに含む。
【0014】
1つの実施形態において、個別の値は、光が走査中にウエハに対して方向づけられる照射の個別の角度を含む。別の実施形態において、検査システムにより第1の光学状態および第2の光学状態を用いてウエハを走査することは、干渉性光により実行される。付加的な実施形態において、第1の光学状態および第2の光学状態は、走査中にウエハから光を収集するために用いられる検査システムの光学パラメータのための同一の値によって定義される。さらなる実施形態において、個別の値は、個別の撮像モード、個別の偏光状態、個別の波長、個別のピクセルサイズ、またはそれらのいくつかの組み合わせを含む。別の実施形態において、個別の値は、検査システムの個別のチャネルを含む。1つのこのような実施形態において、第1の光学状態および第2の光学状態を用いて出力を生成することは、並列に実行される。
【0015】
1つの実施形態において、出力を生成することは、1つのパスにおいて実行される。1つのこのような実施形態において、方法は、また、検査システムの第1の光学状態または第2の光学状態を用いて検査システムにより個別のパスのウエハを走査することにより、ウエハのための付加的な出力を生成するステップと、個別のパスにおいて生成された付加的な出力を用いてウエハのための個別の画像データを生成するステップと、第1の光学状態を用いて個別のパスが実行されるならば第1の画像データと、または、ウエハ上の実質的に同一の位置に対応する第2の光学状態を用いて個別のパスが実行されるならば第2の画像データと、個別の画像データとを組み合わせるステップであって、それによって、ウエハのためのさらなる付加的な画像データを生成するステップと、さらなる付加的な画像データを用いてウエハ上の欠陥を検出するステップとを含む。
【0016】
別の実施形態において、方法は、個別の検査システムによりウエハを走査することによりウエハのための出力を生成するステップと、前記個別の検査システムを用いて生成された前記出力を用いて前記ウエハのための第3の画像データを生成するステップと、前記ウエハ上の同一の位置に実質的に対応する前記第1の画像データまたは前記第2の画像データに、前記第3の画像データを組み合わせるステップであって、それによって、前記ウエハのためのさらなる付加的な画像データを生成するステップと、前記さらなる付加的な画像データを用いて前記ウエハ上の欠陥を検出するステップとを含む。
【0017】
1つの実施形態において、第1の画像データおよび第2の画像データは、差分画像データを含む。別の実施形態において、第1の画像データおよび第2の画像データを組み合わせるステップは、第1の画像データと、ウエハ上の同一の位置に実質的に対応する第2の画像データ上で画像相関性を実行するステップを含む。付加的な実施形態において、第1の画像データおよび第2の画像データを組み合わせるステップは、第1の画像データおよび第2の画像データの画素レベルで実行される。さらなる実施形態において、欠陥検出は、前記組み合わせるステップに先立って実行されない。
【0018】
1つの実施形態において、欠陥に対応する付加的な画像データの一部は、付加的な画像データの一部を生成するために組み合わせられる第1の画像データおよび第2の画像データの一部よりも大きな信号対ノイズ比を有する。別の実施形態において、付加的な画像データは、第1の画像データおよび第2の画像データより少ないノイズを有している。付加的な実施形態において、付加的な画像データは、第1の画像データおよび第2の画像データより少ないスペックルノイズを有する。さらなる実施形態において、方法は、第1の画像データを用いてウエハ上の欠陥を検出するステップと、第2の画像データを用いてウエハ上の欠陥を検出するステップと、第1の画像データ、第2の画像データおよび付加的な画像データのいずれかを用いて検出された欠陥の組み合わせとして、ウエハ上で検出された欠陥を報告するステップとを含む。
【0019】
1つの実施形態において、方法は、付加的な画像データを用いて、欠陥の特徴のための値を判定するステップを含む。別の実施形態において、方法は、第1の画像データ、第2の画像データ、および付加的な画像データのいくつかの組み合わせを用いて欠陥の特徴のための値を判定するステップを含む。
【0020】
1つの実施形態において、欠陥を検出するステップは、付加的な画像データを用いてウエハ上の潜在的な欠陥を識別するステップと、第1の画像データ、第2の画像データ、および付加的な画像データ、またはそれらのいくつかの組み合わせを用いて判定された潜在的な欠陥に関する画素レベル情報を用いて潜在的な欠陥の擬似欠陥フィルタリングを実行することにより欠陥を識別するステップとを含む。別の実施形態において、欠陥を検出するステップは、付加的な画像データを用いてウエハ上の潜在的な欠陥を識別するステップと、第1の画像データ、第2の画像データ、および付加的な画像データ、またはそれらのいくつかの組み合わせを用いて判定された欠陥の特徴の値を用いて潜在的な欠陥の擬似欠陥フィルタリングを実行することにより欠陥を識別するステップとを含む。
【0021】
例えば、1つの実施形態において、方法は、第1の画像データ、第2の画像データ、付加的な画像データ、またはそれらのいくつかの組み合わせを用いて判定された欠陥に関する画素レベルの情報を用いて欠陥をビニングするステップを含む。別の実施形態において、方法は、第1の画像データ、第2の画像データ、付加的な画像データ、またはそれらのいくつかの組み合わせを用いて判定された欠陥の特徴の値を用いて欠陥をビニングするステップを含む。
【0022】
以上に記載された各方法の実施形態の各ステップは、本明細書に記載されたようにさらに実行されてもよい。さらに、以上に記載された方法の実施形態の各々は、本明細書に記載された他の方法(複数可)の他のステップ(複数可)を含んでもよい。その上、以上に記載された方法の実施形態の各々は、本明細書に記載されたシステムのいずれかによって実行されてもよい。
【0023】
別の実施形態は、ウエハ上の欠陥を検出するための、コンピュータで実現される方法を実行するためのコンピュータシステム上で実行可能なプログラム命令を含むコンピュータ読み取り可能な媒体に関する。その方法は、検査システムの第1の光学状態と第2との光学状態を用いて、検査システムでウエハを走査することにより生成されたウエハのための出力を取得するステップを含む。第1の光学状態および第2の光学状態は、検査システムの少なくとも1つの光学パラメータのための個別の値によって定義される。方法は、また、第1の光学状態を用いて生成された出力を用いてウエハのための第1の画像データと、第2の光学状態を用いて生成された出力を用いてウエハのための第2の画像データとを生成するステップを含む。さらに、方法は、第1の画像データと、ウエハ上の実質的に同一の位置に対応する第2の画像データとを組み合わせ、それによって、ウエハのための付加的な画像データを生成するステップを含む。方法は、付加的な画像データを用いてウエハ上の欠陥を検出するステップをさらに含む。
【0024】
以上に記載されたコンピュータで実現される方法のステップの各々は、本明細書に記載されたようにさらに実行されてもよい。さらに、コンピュータで実現される方法は、本明細書に記載された他の方法(複数可)の他のステップ(複数可)を含んでもよい。コンピュータ読み取り可能な媒体は、本明細書に記載されたようにさらに構成されてもよい。
【0025】
付加的な実施形態は、ウエハ上の欠陥を検出するように構成されたシステムに関する。そのシステムは、検査サブシステムの第1の光学状態および第2の光学状態を用いてウエハを走査することによりウエハのための出力を生成するように構成された検査サブシステムを含む。第1の光学状態および第2の光学状態は、検査サブシステムの少なくとも1つの光学パラメータのための個別の値によって定義される。システムは、また、第1の光学状態を用いて生成された出力を用いてウエハのための第1の画像データと、第2の光学状態を用いて生成された出力を用いてウエハのための第2の画像データとを生成するように構成されたコンピュータサブシステムを含む。コンピュータサブシステムは、また、第1の画像データと、ウエハ上の実質的に同一の位置に対応する第2の画像データとを組み合わせ、それによって、ウエハのための付加的な画像データを生成するように構成される。さらに、コンピュータサブシステムは、付加的な画像データを用いてウエハ上の欠陥を検出するように構成される。システムは、本明細書に記載されたようにさらに構成されてもよい。
【0026】
さらなる実施形態は、ウエハ上の欠陥を検出するための別の方法に関する。この方法は、検査システムの第1の光学状態を用いて、第1のパスおよび第2のパスにおける検査システムによりウエハを走査することにより、ウエハのための出力を生成するステップを含む。方法は、また、第1のパスを用いて生成された出力を用いてウエハのための第1の画像データと、第2のパスを用いて生成された出力を用いてウエハのための第2の画像データとを生成するステップを含む。さらに、方法は、第1の画像データと、ウエハ上の実質的に同一の位置に対応する第2の画像データとを組み合わせ、それによって、ウエハのための付加的な画像データを生成するステップを含む。方法は、付加的な画像データを用いてウエハ上の欠陥を検出するステップをさらに含む。
【0027】
以上に記載された方法のステップの各々は、本明細書に記載されたようにさらに実行されてもよい。さらに、以上に記載された方法は、本明細書に記載された他の方法(複数可)の他のステップ(複数可)を含んでもよい。その上、以上に記載された方法は、本明細書に記載されたシステムのいずれかによっても実行されてもよい。
【0028】
なお別の実施形態は、ウエハ上の欠陥を検出するための別の方法に関する。この方法は、第1の検査システムおよび第2の検査システムによりウエハを走査することにより、ウエハのための出力を生成するステップを含む。方法は、また、第1の検査システムを用いて生成された出力を用いてウエハのための第1の画像データと、第2の検査システムを用いて生成された出力を用いてウエハのための第2の画像データとを生成するステップを含む。さらに、方法は、第1の画像データと、ウエハ上の実質的に同一の位置に対応する第2の画像データとを組み合わせ、それによって、ウエハのための付加的な画像データを生成するステップを含む。方法は、付加的な画像データを用いてウエハ上の欠陥を検出するステップをさらに含む。
【0029】
以上に記載された方法のステップの各々は、本明細書に記載されたようにさらに実行されてもよい。さらに、以上に記載された方法は、本明細書に記載された他の方法(複数可)の他のステップ(複数可)を含んでもよい。その上、以上に記載された方法は、本明細書に記載されたシステムのいずれかによっても実行されてもよい。
【0030】
本発明のさらなる有利性は、以下の好適な実施形態の詳細な説明の有益性により、および添付の図面に対する参照に際して、当業者にとって明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】検査システムの少なくとも1つの光学パラメータのための個別の値によって定義される検査システムの個別の光学状態の1つの実施形態の側面図を図示する概略図である。
【図2】ウエハ上の同一の位置のための個別の画像データ(その各々は、図1における個別の光学状態の1つを用いて生成された出力を用いて生成された)を含む。
【図3】図1の個別の光学状態を用いてウエハ上の同一の位置のために生成された個別の出力を含む。
【図4】図3の出力の一例を用いて生成された画像データである。
【図5】図4の画像データと図3の出力の別の例を用いて生成された他の画像データとを組み合わせることにより生成された付加的な画像データである。
【図6】ウエハ上の欠陥を検出するためのコンピュータで実現される方法を実行するためのコンピュータシステム上で実行可能なプログラム命令を含むコンピュータ読み取り可能な媒体の1つの実施形態を図示するブロック図である。
【図7】ウエハ上の欠陥を検出するように構成されたシステムの1つの実施形態の側面図を図示する概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明が様々な変更および代替形態に影響を受けやすい一方で、その固有の実施形態は、図面における例として示され、本明細書に詳細に記載されてよい。図面は、縮尺比に従って拡大縮小されなくてもよい。但し、それに対する図面および詳細な説明が、開示された特定の形式に本発明を限定するようには意図されないことは理解されるべきであるが、それどころか、その趣旨は、添付された請求項によって定義されるような本発明の精神および範囲内にある変更、等価物、および代替手段をすべて網羅することである。
【0033】
本明細書に用いられるように、用語「ウエハ」は、半導体材料または非半導体材料から形成された基板を一般に表す。このような半導体材料または非半導体材料の例は、単結晶シリコン、ガリウムヒ素、およびリン化インジウムを含むが、限定されない。このような基板は、半導体製造施設において、共通して供給されおよび/または処理されでもよい。
【0034】
1つ以上の層がウエハ上に形成されてもよい。多くの個別の型のこのような層は、当該技術分野において知られており、本明細書で使用されるように用語ウエハは、すべての型のこのような層が形成されてもよいウエハを包含することを意図される。ウエハ上に形成された1つ以上の層は、パターン化されてもよい。例えば、ウエハは、複数のダイ(各々は再現可能なパターン化された特徴を有する)を含んでもよい。このような材料の層の形成および処理は、完成した半導体デバイスに究極的に起因してもよい。そのため、ウエハは、完成した半導体デバイスのすべての層が形成されていない基板、または完成した半導体デバイスのすべての層が形成された基板を含んでもよい。
【0035】
ウエハは、集積回路(IC)、薄膜ヘッドダイ、微小電子機械システム(MEMS)装置、フラットパネルディスプレイ、磁気ヘッド、磁気および光記憶装置媒体、他のコンポーネント(ウエハ上に加工されたレーザー、導波管、および他の受動素子などのフォトニクスおよびオプトエレクトロニク素子を含んでもよい)、印刷ヘッド、およびウエハ上に加工されたバイオチップデバイスのうちの少なくとも一部をさらに含んでもよい。
【0036】
ここで、図面に転じると、図が縮尺比に従って拡大縮小するようには描かれないことが注目される。特に、図の構成要素のいくつかの縮尺は、要素の特性を強調するために大幅に誇張される。図が同一の縮尺で描かれないこともまた注目される。同様に構成されてもよい1つ以上の図に示される構成要素は、同一の参照符号を用いて示されている。
【0037】
1つの実施形態はウエハ上の欠陥を検出する方法に関する。その方法は、検査システムの第1の光学状態と第2との光学状態を用いて、検査システムでウエハを走査することにより、ウエハのための出力を生成することを含む。ウエハの走査により生成された出力は、任意の好適な出力を含み、走査を実行するために用いられる検査システムおよび/または検査レシピの構成に依存して変化してもよい。例えば、その出力は、(例えば暗視野(DF)検査システムの場合の)ウエハから散乱された光に対して応答する信号、データ、画像または、画像データを含んでもよい。
【0038】
検査システムは、プーマ(Puma)91xxシリーズのツール(それはKLA・テンコー(サンホセ(米国カリフォルニア州))から市販で入手可能である)などの市販で入手可能な検査システムであってもよい。検査システムは、パターン化されているウエハおよび/またはパターン化されていないウエハの検査のために構成されてもよい。さらに、検査システムは、ことによると1つ以上の他の検査モード(例えば検査の開口モード)と組み合わせて、DF検査のために構成されてもよい。その上、検査システムは、光学検査システムとして構成されてもよい。検査システムによりウエハを走査することは、任意の好適な方式で実行されてもよい。例えば、ウエハは、ウエハから散乱された光が検出されるにつれて、検査システムの照射がウエハ上の曲がりくねったパスをトレースするように、検査システムの光学部品に関して(検査システムのステージによって)移動されてもよい。
【0039】
第1の光学状態および第2の光学状態は、検査システムの少なくとも1つの光学パラメータのための個別の値によって定義される。例えば、検査システムの光学的「状態」(それは光学的「構成」または光学的「モード」と一般に呼ばれてもよい)は、あるか、ウエハのための出力を生成するために組み合わせて用いる(または用いることができる)検査システムの個別の光学パラメータのための値によって定義することができる。個別の光学パラメータは、例えば、照射の波長、収集/検出の波長、照射の偏光、収集/検出の偏光、(仰角または入射角、および、ことによると方位角によって定義された)照明角、収集/検出の角度、画素サイズ、などを含んでもよい。第1の光学状態および第2の光学状態は、検査システムの1つの光学パラメータのみのための個別の値によって、および検査システムの他の光学パラメータのための同一の値によって定義されてもよい。但し、第1の光学状態および第2の光学状態は、検査システムの2つ以上の光学パラメータのための個別の値によって定義されてもよい。
【0040】
1つの実施形態において、個別の値は、光が走査中にウエハに対して方向づけられる照射の個別の角度を含む。照射の個別の角度は、実質的に同一の仰角および個別の方位角を含んでもよい。図1は、検査システムの少なくとも1つの光学パラメータのための個別の値によって定義される、検査システムの個別の光学状態のこのような実施形態の1つを図示する。例えば、図1に示されるように、光10は、方位角14(例えば約45度の方位角)でウエハ12に対して方向づけられてもよい。光16は、方位角18(例えば約−45度の方位角)でウエハに対して方向づけられてもよい。光10および光16は、同一の(または実質的に同一の)仰角20(例えば約15度)で、ウエハに対して方向づけられてもよい。但し、光10および光16は、個別の仰角でおよび/または個別の方位角でウエハに対して方向づけられてもよい。光10および光16は、個別の光源または同一の光源によって発せられてもよい。
【0041】
光10および光16は、実質的に同一の特性(例えば波長、偏光、など)を有してもよい。このように、個別の光学状態のための別々の出力をそれにより生成するために個別の照明角での照射によりウエハから散乱された光を別々に検出するために、ウエハは、個別のパス(すなわち単一のプロセスにおいて実行される多重パス)において個別の照明角による光によって走査されてもよい。例えば、複光路検査において、第1のパス出力は、ある仰角および45度の方位角で入射する照射により生成されてもよい。第2のパス出力は、−45度の方位角の照射の場合以外は、第1のパスのために用いられた同一の光学条件により生成されてもよい。
【0042】
このような多重パス(または複数パス)の出力の生成は、(例えば個別の光学状態の間の検査システムの単一の光学エレメントのセッティングの違いにより)出力が同時にかつ別々に生成されることができない検査システムの任意の個別の光学状態のために実行されてもよい。但し、ウエハ(例えば、検査システムの個別のチャネルを用いて)のための別々の出力を同時に生成するために検査システムの個別の光学状態を用いることができる場合、検査システムの第1の光学状態および第2の光学状態を用いて出力を生成することが、ウエハの単一パスの走査において実行されてもよい。
【0043】
別の実施形態において、検査システムにより第1の光学状態および第2の光学状態を用いてウエハを走査することは、干渉性光により実行される。干渉性光は、任意の好適な波長で任意の好適な干渉性光源(例えばレーザー)によって発せられた光を含んでもよい。さらに、その方法は、照射源が入射斜角でウエハ上に入射するレーザー光であるレンズ外(OTL)光学検査システムを用いて実行されてもよい。1つのこのような実施形態で、図1に示されるように、光10および光16は、入射斜角および検査システムのレンズ22外で、ウエハに対して方向づけられてもよい。レンズ22は、走査中にウエハの照射によりウエハから散乱された光を収集するように構成されてもよい。本明細書に記載されたように、レンズ22を含む検査システムがさらに構成されてもよい。
【0044】
このように、本明細書に記載された実施形態の1つの有利性は、本実施形態がさらに本明細書に記載されたようなスペックルノイズを低減することができるということである。また、スペックルノイズを低減するための他の共通のアプローチと比較して、レーザー源の干渉性は維持されてもよい。したがって、実施形態に記載された本明細書において、フーリエフィルタリング技術は、DFジオメトリのパターン背景を除去するために効果的に適用されることができる。フーリエフィルタリング技術は、当該技術分野において既知の任意の(光学的処理またはデータ処理の)フーリエフィルタリング技術を含んでもよい。OTL照射の構成において干渉性光を用いてウエハを走査することにより、本明細書に記載された実施形態において出力が有利に生成されてもよいが、出力は、任意の好適な照射の構成において任意の好適な光を用いて生成されてもよい。
【0045】
付加的な実施形態において、第1の光学状態および第2の光学状態は、走査中にウエハから光を収集するために用いられる検査システムの光学パラメータのための同一の値によって定義される。例えば、以上に記載されたように、値は、走査中に光がウエハに対して方向づけられる照射の個別の角度を含んでもよい。さらに、個別の光学状態は、検査システムの1つ以上の照射光学パラメータにおいてのみ異なってもよい。そのため、照射のみが変化させられてもよいので、(ことによると個別のパスまたはウエハの走査において生成されてもよい出力を用いる)個別の光学状態間の収集光学パスの変更はなされなくてもよい。同一の収集光学パスを個別の光学状態のために用いることは、個別の画像データ((例えば2つ以上のパスにおける)ウエハの走査により取得された出力を用いて本明細書に記載されたように生成され、さらに本明細書に記載されたように組み合わせられてもよい)間のアライメントエラーおよび光学的エラーを有利に低減できる。
【0046】
さらなる実施形態において、個別の値は、個別の撮像モード、個別の偏光状態、個別の波長、個別の画素サイズ、またはそれらのいくつかの組み合わせを含む。例えば、個別の値は、照射のための個別の偏光状態を含んでもよい。1つのこのような例において、第1の光学状態および第2の光学状態は、収集のための同一の偏光状態によって定義されてもよい。例えば、個別の値は、1つの光学状態において照射のためのp偏光された(P)状態、および別の光学状態において照射のためのs偏光された(S)状態を含んでもよく、両方の光学状態において収集のため用いられた偏光状態は、偏光されていなくてもよい(N)。但し、別のこのような例において、光学状態は、また、収集のための個別の偏光状態によって定義されてもよい。例えば、第1の光学状態は、照射のためのS偏光状態および収集のためのP偏光状態によって定義されてもよい。また、第2の光学状態は、照射のためのP偏光状態および収集のためのS偏光状態によって定義されてもよい。
【0047】
別の実施形態において、個別の値は、検査システムの個別のチャネルを含む。例えば、第1の光学状態は、検査システムの第1のチャネルによって定義されてもよい。また、第2の光学状態は、検査システムの第2のチャネルによって定義されてもよい。言いかえれば、ウエハのための出力は、検査システムの1つのチャネルを用いて第1の光学状態のために生成されてもよい。また、ウエハのための出力は、検査システムの個別のチャネルを用いて第2の光学状態のために生成されてもよい。用語「チャネル」は、検査システムの個別の検出サブシステムまたは検出器を一般に参照するために本明細書で用いられ、それは、ウエハからの光が検出サブシステムまたは検出器によって収集され検出される角度(すなわち収集角)において異なってもよいが、同様に他の点において(例えばチャネルによって光が検出される波長(複数可)、チャネルによって検出される光の偏光、など)異なってもよいし、異ならなくてもよい。
【0048】
1つのこのような例において、検査システムが3つのチャネルを含んでいる場合、第1の光学状態および第2の光学状態は、以下のチャネルのいずれかの組み合わせ、すなわち、チャンネル1およびチャンネル2、チャンネル2およびチャンネル3、およびチャンネル1およびチャンネル3のいずれかによって定義されてもよい。さらに、さらに本明細書に記載されたように、実施形態は、2つ以上の個別の光学状態を用いて実行されてもよい。1つのこのような例において、検査システムが3つのチャンネルを含んでいる場合、第1の光学状態、第2の光学状態、および第3の光学状態は、チャンネル1、チャンネル2、およびチャンネル3によってそれぞれ定義されてもよい。その上、個別の光学状態の各々は、検査システムの個別のチャネル(例えばNチャネルによって定義されたN光学状態)によって定義されてもよい。
【0049】
1つのこのような実施形態において、第1の光学状態および第2の光学状態を用いて出力を生成することは、並列に実行される。例えば、第1の光学状態および第2の光学状態を用いて生成された出力は、同一のパスまたは走査において生成されてもよい。そのため、各々のチャネルからの出力は、並列に収集されてもよい。
【0050】
方法は、また、第1の光学状態を用いて生成された出力を用いてウエハのための第1の画像データと、第2の光学状態を用いて生成された出力を用いてウエハのための第2の画像データとを生成することを含む。1つの実施形態において、第1の画像データおよび第2の画像データは、差分画像データを含む。差分画像データは、任意の好適な方式において生成されてよい。例えば、第1の光学状態のための差分画像データは、テスト画像データおよび2つのレファレンス(例えばテスト画像データが生成されたダイに隣接するウエハ上のダイからの画像データ)を用いて生成されてもよい。このような例において、1つのレファレンスはテスト画像データから減じられてもよいし、別の参考文献はテスト画像データから別々に減じられてもよい。両方の差分演算の結果は、乗算されてもよいし、その生産物の絶対値は、差分画像データであってもよい。第2の光学状態のための差分画像データは、同様の方式で生成されてもよい。そのため、差分画像データは、その光学状態を用いて生成された出力のみを用いて、各々の光学状態のために別々に生成されてもよい。言いかえれば、差分画像データの生成は、交差光学状態のオペレーションではない。このように、第1の画像データおよび第2の画像データの生成は、出力においてパターン背景を除去するためにダイ間比較を実行することを含んでもよい。但し、差分画像データは、任意の好適なアルゴリズム(複数可)および/または方法(複数可)を用いて他の好適な方式で生成されてもよい。さらに、第1の画像データおよび第2の画像データは、差分画像データでなくてもよい。例えば、第1の画像データおよび第2の画像データは、他のパターン背景の除去動作(複数可)の後の(例えばフーリエフィルタリングの後の)ウエハの未加工の画像データであってもよい。
【0051】
方法は、また、第1の画像データと、ウエハ上の実質的に同一の位置に対応する第2の画像データとを組み合わせ、それによって、ウエハのための付加的な画像データを生成することを含む。このように、第1の画像データおよび第2の画像データは、位置対位置の単位で組み合わせられてもよい。検査システムの個別の光学状態を用いて取得されるウエハに関する情報を組み合わせることを含む他の方法とは異なり、本明細書に記載されたような第1の画像データおよび第2の画像データを組み合わせることは、ウエハのための個別の画像データ(その後、さらに本明細書に記載されたように(例えば欠陥検出のために)用いることができる)を生成する。例えば、第1の画像データおよび第2の画像データを組み合わせることは、第1の画像データおよび第2の画像データを用いて「画像融合」を実行することを含んでもよい。言いかえれば、ウエハの新たな画像データは、ウエハの2つの他の画像データから「融合」されてもよい。そのため、画像融合は、多重光学状態(本明細書に記載されたいずれかを含んでもよい(例えば個別の偏光、個別のチャネル、などによって定義された光学状態))を用いて実行されてもよい。例えば、画像融合は、検査システムの任意の2つの(またはそれ以上の)チャネルからの画像データを用いることにより達成することができる。1つのこのような例において、検査システムが3本のチャネルを含んでいる場合、画像融合は、以下のチャネルのいずれかの組み合わせ、すなわち、チャンネル1およびチャンネル2、チャンネル2およびチャンネル3、チャンネル1およびチャンネル3、およびチャンネル1,2および3のいずれかの組み合わせを用いて実行することができる。さらに、本明細書にさらに記載されたように、第1の画像データおよび第2の画像データを生成するために用いられる出力は、個別のパスにおいて取得されてもよい。このように、方法は、複数パスの画像融合を含んでもよい。但し、また本明細書にさらに記載されたように、第1の画像データおよび第2の画像データを生成するために用いられる出力は、単一パスで取得されてもよい(例えば、各々のチャネルからの出力は並列で収集されてもよい)。そのため、方法は、単一パスの画像融合を含んでもよい。
【0052】
方法は、以上に記載されたような第1の画像データおよび第2の画像データを組み合わせることを含むが、その方法は、第1の画像データおよび第2の画像データのみを組み合わせることに限定されない。例えば、(第1の光学状態および第2の光学状態を定義する少なくとも1つの光学パラメータのための値以外の異なる検査システムの少なくとも1つの光学パラメータのための少なくとも1つの値によって定義される)検査システムの第3の光学状態を用いて、出力がウエハのために生成されるならば、方法は、(本明細書に記載されたように実行されてもよい)第3の光学状態を用いて生成された出力を用いて、ウエハのための第3の画像データを生成することを含んでもよい。第3の光学状態は、本明細書に記載された光学パラメータのいずれかのための個別の値のいずれかによって定義されてもよい。1つのこのような例において、個別の光学状態の各々は、検査システムの個別のチャネルによって定義されてもよい。方法は、また、第1の画像データ、第2の画像データ、および本明細書に記載されたようにウエハ上の実質的に同一の位置に対応する第3の画像データを組み合わせ、それによって、ウエハのための付加的な画像データを生成することを含んでもよい。本明細書にさらに記載されたように、2つ以上の光学状態によって生成された出力を用いて生成された画像データを組み合わせることは有用である。
【0053】
その上、方法は、ウエハのための付加的な画像データを生成することを含むが、その方法は、ウエハのための付加的な画像データのみを生成することに限定されない。例えば、方法は、以上に記載されたようなウエハのための付加的な画像データを生成することや、同様の方式でウエハのための個別の付加的な画像データを生成することを含んでもよい。1つのこのような例において、付加的な画像データは、以上に記載されたような第1の画像データおよび第2の画像データを組み合わせることにより生成されてもよい。方法は、また、(本明細書にさらに記載されたように定義されてもよい)検査システムの第3の光学状態を用いてウエハのための出力を生成することを含んでもよい。その出力は、本明細書にさらに記載されたようなウエハのための第3の画像データを生成するために用いられてもよい。その後、個別の付加的な画像データを生成するための第1の画像データおよび/または第2の画像データにより、本明細書に記載されたように、第3の画像データが組み合わせられてもよい。個別の付加的な画像データは、本明細書にさらに記載されたステップにおいて、付加的な画像データを用いることに類似した方式で用いられてもよい。
【0054】
1つの実施形態において、第1の画像データおよび第2の画像データを組み合わせることは、第1の画像データと、ウエハ上の実質的に同一の位置に対応する第2の画像データとの上で画像相関を実行することを含む。例えば、新たなウエハ画像データまたは融合された画像データは、(例えば2つのパスからの)画像データを相関することにより生成されてもよい。1つの例において、画像相関は、5画素×5画素の相関を含んでもよい。但し、画像相関は、任意の好適な画像相関アルゴリズム(複数可)および/または方法(複数可)を用いて他の好適な方式で実行されてもよい。さらに、画像相関は、画像相関のために用いることができる任意の好適な画像処理技術を用いて実行されてもよい。
【0055】
別の実施形態において、第1の画像データおよび第2の画像データを組み合わせることは、第1の画像データおよび第2の画像データの画素レベルで実行される。言いかえれば、第1の画像データおよび第2の画像データは、画素単位で組み合わせられてもよい。さらにかえれば、第1の画像データおよび第2の画像データを組み合わせることは、第1の画像データおよび第2の画像データ内の個別の画素のために別々に実行されてもよい。画素レベルで情報を融合させることによって、(個別の検査のパスによって生成されてもよい)個別の光学状態の間で、振幅(強度)情報および位相(相関)情報の両方を活用することができる。画素レベルで情報を組み合わせることによって、利用するべき新たな局面は、利用可能になる(すなわち個別の視点(光学状態)間での一致)。
【0056】
個別の光学状態のための第1の画像データおよび第2の画像データ(例えば差分画像データ)は、全体のウエハ、または第1の光学状態および第2の光学状態を用いて検査システムにより走査される全体のウエハの一部のために生成されてもよい。さらに、第1の画像データおよび第2の画像データを組み合わせることは、第1の画像データおよび第2の画像データをすべて用いて実行されてもよい。このように、画像融合は、全体のウエハ、または第1の光学状態および第2の光学状態を用いて走査される全体のウエハの一部のために実行されてもよい。
【0057】
但し、画像融合は、全体のウエハ、または全体のウエハのスキャンされた一部ために実行されなくてもよい。例えば、方法は、第1の画像データおよび/または第2の画像データに対して強度カットオフを適用し、強度カットオフを超える強度値を持たない第1の画像データおよび/または第2の画像データのいずれかを除去することを含んでもよい。このように、除去されない第1の画像データおよび/または第2の画像データは、その方法において実行された付加的なステップのために用いられるための候補であると識別されてもよい。1つのこのような例において、ウエハの第1のパスにおいて生成された出力を用いて第1の画像データが生成され、ウエハの第2のパスにおいて生成された出力を用いて第2の画像データが生成されるならば、強度カットオフは、第1の画像データのいずれかを除去するために、強度カットオフを超える強度値を有していない第1の画像データに対して適用されてもよい。このように、方法は、第1のパスにおいて識別された候補のみのために画像パッチデータを保存することを含んでもよい。第2のパスにおいて、候補としてウエハ上の同一の位置に対応する第2の画像データのみが、格納されてもよい、および/または第1の画像データと組み合わされてもよい。この方式において、第2のパスにおいて保存される画像データは、第1のパスにおいて取り込まれた候補に依存して、変化してもよく、画像融合は、その後、第2のパスにおいて保存された画像データを用いて実行されてもよい。但し、ウエハの単一パスで生成される出力を用いて第1の画像データおよび第2の画像データが生成される場合、強度カットオフは、第1の画像データおよび第2の画像データの両方に対して適用されてもよいし、強度カットオフを超える値を有する第1の画像データおよび第2の画像データのいずれかは、他の画像データの強度値に関係なく対応するイメージデータにより組み合わされてもよい。
【0058】
方法は、画像データにおいて欠陥信号間の適切な配列を保証するためのいくつかの(すなわち1以上の)拡張ステップを実行することを含んでもよい。例えば、以上に記載されたように、識別された候補の各々に対して、3画素×3画素の拡張が実行されてもよい。但し、拡張ステップ(複数可)は、当該技術分野において既知である任意の好適な拡張画像処理技術(複数可)を含み、任意の好適な方法(複数可)および/またはアルゴリズム(複数可)を用いて実行されてもよい。拡張ステップ(複数可)は、第1の画像データおよび第2の画像データの両方で実行され、それによって第1の画像データおよび第2の画像データ内の欠陥信号が互いに配列される精度を高めてもよい。
【0059】
方法が以上に記載されたものなどの拡張ステップ(複数可)を含むか否かに関係なく、方法は、ステップの組み合わせに先立って第1の画像データおよび第2の画像データを整列させることを含んでもよい。画像データの配列は、任意の好適な方式において実行されてもよい。例えば、画像データの配列は、個別の光学状態(例えば2パスにおいて取得する画像データからの)のために生成された画像データ間で(例えばXおよびY方向において画像データを横断した平均強度の)XおよびY投影の相互相関を通じて実行されてもよい。
【0060】
付加的な実施形態において、欠陥検出は、ステップの組み合わせに先立って実行されない。例えば、以上に記載されたように、強度カットオフは、ステップの組み合わせに先立って第1の画像データおよび/または第2の画像データに対して適用されてもよい。但し、強度カットオフは、欠陥検出の閾値、方法、またはアルゴリズムではない。その代りに、強度カットオフは、それは方法の他のステップに関わる処理を減少させる目的のみで相対的に高強度値を有しない画像データを除去するためにノイズフィルタとして、本質的には機能する。さらに、欠陥検出は、第1の画像データおよび第2の画像データを個々に用いて本明細書にさらに記載されたように実行されてもよいし、第1の画像データおよび/または第2の画像データを用いる欠陥検出は、ステップの組み合わせを実行するのに先立って、実行されてもよいし、実行されなくてもよい。但し、欠陥検出は、付加的な画像データが生成されるステップの組み合わせが実行される後までは、付加的な画像データを用いて実行されることはできない。この方式において、欠陥検出の後に生成される情報の組み合わせ(例えば、欠陥検出を組み合わせることはウエハの個別の走査からの結果として生じる)を含む方法およびシステムとは異なり、本明細書に記載された実施形態は、本明細書にさらに記載されたように有用である欠陥検出に先立って情報を組み合わせる。
【0061】
本明細書に記載された実施形態が付加的な画像データを生成するために第1の画像データおよび第2の画像データを組み合わせることを含んでいるので、相当に実質的な量の画像データが、方法の中で格納されてもよい。画像データなどの相対的に大量のデータを格納するための特に好適な方法およびシステムの例は、2008年9月19日に出願されたバスカー(Bhaskar)らによって共有される米国特許出願番号第12/234,201号において記載されており、参考文献としてあたかも本明細書に十分に示すかのように援用される。本明細書に記載された実施形態は、この特許出願に記載されている方法およびシステムを用いて、本明細書に記載された実施形態によって生成された出力および/または画像データを格納することを含んでもよい。例えば、システムは、8つの画像コンピュータを含んでもよい。第1の光学状態により実行された複数パスの検査の第1のパスの間に、各画像コンピュータは、ウエハ上で走査された各々の帯状の場所のための画像データの1/8を受信し格納してもよい。第2の光学状態により実行された複数パスの検査の第2のパスの間に、各画像コンピュータは、ウエハ上で走査された各々の帯状の場所のための画像データの1/8を受信し格納してもよい。さらに、各画像コンピュータは、両方のパスにおけるウエハ上の実質的に同一の位置で生成された画像データ(すなわち、実質的に同一のウエハ位置および/または実質的に同一の内側の帯状の位置で生成された画像データ)を受信し格納してもよい。第2のパスの間に生成された画像データは、格納された第1のパスの画像データの位置から固定されたオフセット位置で、画像コンピュータの画像バッファに格納されてもよい。格納された画像データは、その後、本明細書に記載されたステップ(複数可)のいずれかにおいて用いられてもよい。本明細書に記載されたコンピュータシステムおよびコンピュータサブシステムは、さらに、上記の特許出願に記載されたように構成されてもよい。本明細書に記載された実施形態は、また、上記の特許出願に記載されている任意の方法(複数可)の任意のステップ(複数可)を含んでもよい。
【0062】
方法は、付加的な画像データを用いてウエハ上の欠陥を検出することをさらに含む。したがって、欠陥検出は、もはや各々の光学状態(または各々のパス)によって独立して判定されないのみであるばかりでなく、多重の光学状態(例えばすべてのパス)から融合された情報に基づく。このように、本明細書に記載された方法は、欠陥検出に対する入力として、(多重の光学状態によって生成された未加工の(差分の)画像データからの情報の組み合わせによって生成される)画像融合結果を用いる。付加的な画像データを用いてウエハ上で検出された欠陥は、当該技術分野において既知の任意の欠陥を含み、ウエハ(例えばウエハ形、または検査に先立ってウエハ上で実行されたプロセス)の1つ以上の特性に依存して変化してもよい。
【0063】
付加的な画像データを用いて欠陥を検出することは、付加的な画像データに対して1つ以上の欠陥検出閾値を適用することを含んでもよい。例えば、付加的な画像データは、1つ以上の欠陥検出閾値と比較されてもよい。1つ以上の欠陥検出閾値は、付加的な画像データにおいて画素が欠陥を有する否かに関して決定するために用いることができる。1つ以上の欠陥検出閾値を用いる欠陥検出のための他の方法は、第1に、欠陥を検出するために候補に対してのみ適用されるより複雑な計算により追随される、より単純な(それほど計算上関連されない)試験を用いて1組の候補画素を選択してもよい。
【0064】
ウエハ上の欠陥を検出するために用いられる1つ以上の欠陥検出閾値は、(検査レシピに含まれていてもよい)1つ以上の欠陥検出アルゴリズムの欠陥検出閾値(複数可)であってもよい。付加的な画像データに対して適用される1つ以上の欠陥検出アルゴリズムは、任意の好適な欠陥検出アルゴリズム(複数可)を含んでもよく、例えばウエハ上で実行されている検査の型に依存して変化してもよい。(付加的な画像データに対して適用することができる)好適な欠陥検出アルゴリズムの例は、(KLA・テンコーからのものなど市販で入手可能な検査システムによって用いられる)セグメント化自動閾値化(SAT)または多重機能自動閾値化(MDAT)を含む。このように、付加的な画像データは、欠陥検出に関して言えば、他の画像データとして扱われてもよい。
【0065】
1つの実施形態において、付加的な画像データは、第1の画像データおよび第2の画像データより少ないノイズを有している。例えば、本明細書に記載されたような個別の光学状態のために生成されたウエハのための画像データを組み合わせることは、検出したい欠陥(DOI)に対してウエハと感度のノイズプロファイルの新たなコンテキストを提供する。さらに、画素レベルで多重の光学状態からの情報を組み合わせること(または融合すること)によって、擬似欠陥のイベントまたはノイズに対する感度を低減させることができる。例えば、以上に記載されたような画像相関の実行によって、非立体的に一致する第1の画像データおよび第2の画像データ内のウエハノイズは、付加的な画像データで実質的に除去することができる。このように、本明細書に記載された実施形態は、(例えば、個別の画像モード、偏光状態、波長、ピクセルサイズ、などによって定義された)個別の光学状態がウエハレベルのノイズおよび擬似欠陥の個別の視点を提供し、それによって(本明細書にさらに記載されたように(例えば欠陥検出の目的のため)用いられてもよい)付加的な画像データにおいてノイズを抑えるためのポテンシャルを提供するという事実を活用する。
【0066】
付加的な実施形態において、付加的な画像データは、第1の画像データおよび第2の画像データより少ないスペックルノイズを有する。例えば、本明細書に記載された実施形態は、(付加的な画像データを生成するために)画像相関プロセスを用い、それによって相関されないスペックルノイズを実質的に除去してもよい。さらに、以上に記載されたように、第1の光学状態および第2の光学状態は、個別の照射角によって定義されてもよい。そのため、本明細書に記載された実施形態は、照射角の変更によるスペックルノイズの抑制のために用いられてもよい。言いかえれば、本明細書に記載された実施形態は、光学検査システムにおける様々な照射角を用いて生成される出力を用いて生成された画像データを相関することにより、スペックルノイズの抑制のための用いられてもよい。例えば、照射角が変化するにつれて、ウエハ上の表面の粗さからの散乱光の位相関係は変化する。したがって、画像データにおけるスペックルパターンは変化する。この変化が十分である場合、個別の画像データの相関は、スペックルノイズを除去することを支援するだろう。
【0067】
照射角が変化するにつれて、スペックルパターンがどのように変化するのかの一例は、図2に示される。検査画像データ24および26は、ウエハ上の同一の位置に対して生成された。検査画像データ24は、45度の照射方位角で取得された。検査画像データ26は、−45度の照射方位角で取得された。したがって、検査画像データは、個別の照射角(例えば同一の仰角であるが個別の方位角)で取得された。画像データの一部28は、2つの方位角照射によって生成されたスペックルシグネチャがページの区切り上の同一の位置で実質的に異なることを示す。特に、検査画像データ26における明るいスペックルスポットは、表面の粗さによって引き起こされ、ノイズまたは擬似欠陥の一因となるだろう。検査画像データ24において、明るいスペックルスポットは、スペックルパターンが照射角により変化するのと同一の位置で示されない。したがって、ウエハノイズは、照射変化の方位角として変化する。特に、方位角が−45度から45度に変化されるにつれて、明るいスペックルは消える。
【0068】
1つの実施形態において、ウエハ上の欠陥に対応する付加的な画像データの一部は、付加的な画像データの一部を生成するために組み合わせられる第1の画像データおよび第2の画像データの一部よりも大きな信号対ノイズ比(S/N)を有する。例えば、画素レベルで多重の光学状態からの情報を組み合わせること(または融合すること)によって、検出したい欠陥(DOI)からの弱い信号強度が向上されてもよい。検出したい欠陥(DOI)からの信号強度を向上させることは、各々の光学状態(振幅)における欠陥のための相対的な信号を巧みに利用することによってのみならず、個別の光学状態(位相)の間で一致性または相関を利用することによっても達成されてもよい。例えば、画素レベルで、個別の光学状態の間で情報を融合させ、それによって振幅(強度)および位相(相関)の情報の両方を活用することは、個別の光学状態のためのそれぞれの一致および不一致を利用することにより、弱い信号により欠陥を抽出し、ノイズおよび擬似欠陥のイベントを抑制することを可能にする。このように、本明細書に記載された実施形態は、(例えば、個別の画像モード、偏光状態、波長、ピクセルサイズ、などによって定義された)個別の光学状態が、ウエハレベルのノイズおよび擬似欠陥の個別の視点を提供し、それによって擬似欠陥からの検出したい欠陥(DOI)およびそれらの分離のコントラストを向上させるためのポテンシャルを提供するという事実を活用する。さらに、双方が相対的に高いS/Nを有してもよいが、多重の光学状態を横断する画素レベルの画像融合は、検出したい欠陥(DOI)と擬似欠陥との間の分離を増強するための機会を提供する。
【0069】
1つのこのような例において、スペックルパターンの変化がウエハのための出力を生成するために用いられる個別の光学状態間で十分である場合、個別の光学状態のための個別の画像データの相関は、スペックルノイズを除去し、かつ欠陥からの信号散乱強度が相対的に一定であってもよいように、S/Nを改善することを支援するだろう。例えば、照射角が光学的アーキテクチャにおいて対称性を有するならば、欠陥信号は、(相対的に小さな欠陥にとって特に正確である)両方の光学状態において類似していてもよい。画像相関の後にスペックルノイズを低減する一方、欠陥信号はプロセスの間で保持される。このように、本明細書に記載された実施形態は、画像相関の後で健全な欠陥信号レベルを保持することができる。例えば、スペックルノイズの低減のための他の共通のアプローチと比較して、スペックルノイズは、相対的なスペックルパターンの大標本にわたって平均する代わりに、選択的に除去される。スペックルパターンの大標本にわたって相対的に平均する代わりにスペックルノイズを選択的に除去することは、ノイズフロアを低減し、かつS/Nを改善することを支援する。
【0070】
このように、本明細書に記載した例が図示するように、付加的な画像データにおける欠陥S/Nは、特にスペックルノイズが支配的なウエハ上で、個別の光学状態における欠陥のS/Nにわたって大幅に改善される。例えば、いずれかの光学状態を用いて(1つの照射角を用いて生成されたいずれかの差分画像データを用いて)も検出できない欠陥は、画像相関の後に検出できるようになってもよい。特に、本明細書に記載された実施形態の1つの有利性は、第1の画像データおよび第2の画像データと比較して付加的な画像データにおける欠陥S/Nが改善されている一方、第1の画像データおよび第2の画像データと比較して付加的な画像データにおけるスペックルノイズを大幅に低減することができるということである。そのため、第1の画像データおよび第2の画像データのいずれかにおいても検出できない欠陥は、画像相関によって生成された対応する付加的な画像データにおいて検出できるようになってもよい。
【0071】
但し、本明細書に記載された実施形態は、(例えば、1つの照射角からの画像データを用いておよび/または個別の照射角からの画像データを用いて)第1の画像データおよび第2の画像データの1つまたは両方のいずれかにおいて個々に検出できる欠陥のためのS/Nを高めるために用いることができる。例えば、欠陥が1つの照射偏光状態によって定義された光学状態の1つの適度なS/N、および個別の照射偏光状態によって定義された光学状態のもう1つの弱いS/Nを生成したとしても、2つの光学状態からの情報を融合させることがノイズを抑制できるし、かつ信号を向上させることができるので、付加的な画像データにおける欠陥S/Nは、両方の光学状態に関連して高められることができる。さらに、欠陥が個別の照射偏光状態によって定義された2つの光学状態において限界のS/Nを生成する場合、付加的な画像データにおける欠陥S/Nは、両方の光学状態に関連して高められることができる。
【0072】
その上、欠陥が個別の照射偏光状態および個別の収集偏光状態によって定義された2つの光学状態においてかなりのS/Nを生成するものの、ノイズ(例えばウエハの穀物からの)が第1の画像データおよび第2の画像データを支配するのであれば、ノイズは、本明細書に記載されたような第1の画像データおよび第2の画像データを組み合わせることにより、第1の画像データおよび第2の画像データと比較して付加的な画像データにおいて著しく低減することができる。同様の方式において、個別の照射偏光状態および個別の収集偏光状態(それは第1の画像データおよび第2の画像データでノイズ(例えば穀物シグネチャからの)の最大のS/Nと同等である)によって定義された2つの光学状態におけるS/Nを欠陥が有しているのであれば、ノイズは、本明細書に記載されたような第1の画像データおよび第2の画像データを組み合わせることにより、第1の画像データおよび第2の画像データと比較して付加的な画像データにおいて著しく低減することができる。
【0073】
別の例において、個別のピークノイズイベントは、検査システムの個別のチャネルによって定義された第1の光学状態および第2の光学状態を用いて生成された第1の画像データおよび第2の画像データであってもよい。しかし、第1の画像データおよび第2の画像データと比較して本明細書に記載されたような第1の画像データおよび第2の画像データを組み合わせることによって、欠陥のS/Nが付加的な画像データにおいて劇的に高くなりうるように、欠陥は第1の画像データおよび第2の画像データで十分な相関を有していてもよい。このように、本明細書に記載された実施形態は、多重の光学状態からの情報を用いて、ウエハ検査システムのための検出したい欠陥(DOI)の検出性を向上させるために用いられてもよい。
【0074】
欠陥のS/Nがどのように改善されることができるかの一例は、図3〜図5に示される。特に、図3に示される出力30は、45度の方位角からのブリッジ欠陥の未加工の画像である。ブリッジ欠陥のS/N(最大差分)は、この画像において1.265であった。S/Nは、(ページの区切りからのノイズを含む)信号ウィンドウ32における信号およびノイズウィンドウ34におけるノイズを用いて判定された。図3に示される出力36は、−45度の方位角からのブリッジ欠陥の未加工の画像である。ブリッジ欠陥のS/N(最大差分)は、この画像において1.051であった。S/Nは、以上に記載されたような同一の信号ウィンドウおよびノイズウィンドウを用いて判定された。このように、45度および−45度の方位角からのブリッジ欠陥の未加工の画像は、いずれの画像を用いても欠陥を取り込むことができるようには、どちらの画像も十分なS/Nを有していないことを示す。例えば、欠陥のためのS/Nは、1.265と1.051であるが、その両方とも欠陥検出のために用いられた典型的な閾値よりさらに少ない。
【0075】
図4は、図3の未加工の画像の1つを用いて生成されたウエハのための画像データの例である。例えば、図4に示される画像データ38は、図3に示される画像の1つ、およびウエハ上に隣接したダイからの対応する基準画像を用いて実行された、ダイ間比較および背景抑制によって生成された画像データである。図4に示されるように、スペックルノイズは、この画像データにおいて多くの擬似欠陥として表示される。このように、スペックルノイズは、ダイ間比較および背景抑制の後でさえも同数の擬似欠陥を示す。特に、背景を低減したまま、擬似欠陥は、画像データにおいてなお明らかである。より具体的には、信号42が欠陥に対して対応している一方、画像データ38における信号40は、ページの区切り上のスペックルからの擬似欠陥に対応する。したがって、欠陥の検出性は、ダイ間比較および背景抑制の後に残っている擬似欠陥によって低減されるだろう。
【0076】
図5は、図4の画像データと図3の別の画像を用いてウエハのために生成された他の画像データとを組み合わせることにより生成された付加的な画像データの例である。特に、図5に示される画像データ44は、画像データ38および他の画像データ(45度の方位角を用いて生成された出力から生成された画像データおよび−45度の方位角を用いて生成された出力から生成された画像データ)を用いて画像相関を実行することにより生成された。45度の方位角の差分画像データおよび−45度の方位角の差分画像データを用いて実行された相関の後、画像相関によって生成された画像データの欠陥のS/Nは、2である。このように、欠陥のS/Nは、1.265および1.051から2に増大する。そのため、大幅に低減されたノイズにより、欠陥は、まさに検出できる。例えば、図5に示されるように、ピークノイズ46は、相関された差分画像データの両方におけるノイズに対応する、画像データにおいてスペックルピークのみである。ピークノイズ46は、1044のグレーレベルを有する。第2のピークノイズ48は、171のグレーレベルを有する。対照的に、欠陥50は、2060のグレーレベルを有する。したがって、欠陥は、相関画像データを用いて検出できるようになる。このように、実施形態は、いずれの光学状態を単独で用いても(例えば、1つの照射角からの画像データを用いても)検出できない欠陥を検出することが示されている。
【0077】
以上に記載されたように、照射のバリエーションは、ウエハの画像データにおけるスペックルパターンを変化させるために用いられ、それによって、その画像データを用いて画像相関が実行された後にスペックルノイズを低減してもよい。さらに、第1の光学状態および第2の光学状態のための45度の方位角および−45度の方位角によって定義された2つの照射角を用いるように、いくつかの実施形態が以上に記載されたが、個別の光学状態は、変化する方位角および/または仰角を含む様々な照射角に拡大することができる。個別の照射角の各々のための出力は、ウエハの個別のパスにおいて取得されてもよい。2つ以上の様々な照射角を用いて生成された画像データを相関することは、ノイズをさらに抑制し、かつS/Nを改善するために用いられてもよい。例えば、照射の方位角をその上変化すると、仰角を変化することは、また、スペックルパターンを大幅に変更することができ、それによって、ノイズの未相関を高め、さらにS/Nを改善する。このように、任意の付加的な光学状態を用いて方法を実行することは、未相関であるスペックルノイズをさらに除去し、かつウエハ上の欠陥のためのS/Nを改善することを支援してもよい。同様の方式において、相関は、任意のチャネルおよび任意の光学状態のために拡張することができる。
【0078】
以上に記載されたように、ウエハ検査システム(例えばレーザーベースのウエハ検査システム)におけるスペックルノイズは、検出したい欠陥(DOI)の検出能力の主要な妨げの1つである。例えば、スペックルノイズは、検査画像データにおけるノイズレベルを高め、S/Nを低減する。したがって、ウエハ表面の粗さからのスペックルノイズは、いくつかの検査システムにおいて達成可能な欠陥の取り込み率の主要な妨げの1つかもしれない。さらに、ウエハノイズ(例えばウエハの粗さからのスペックルのようなノイズ)の結果として検出された擬似欠陥は、検出したい欠陥(DOI)を検出する能力の主要な妨げの1つである。特に、粒子の粗い金属エッチングウエハなどの「粗い」ウエハ上の相対的に高い擬似欠陥率およびウエハノイズは、他の点では相対的に十分な光学解像度を有する検査システムの性能を限定するかもしれない。さらに、ウエハデザインルールが縮小し続けるにつれて、光学検査システムは、より短い波長およびより大きな集光開口数(NA)を好適には用いる。スペックルノイズは、したがって、より支配的なノイズ源になる。
【0079】
但し、以上に記載されたように、第1の画像データおよび第2の画像データを組み合わせることは、ステップの組み合わせによって生成された付加的な画像データにおけるスペックルノイズを抑制する。そのため、本明細書に記載された方法は、擬似欠陥率を低減し、かつ主要な限定的なノイズ指数(すなわちスペックルノイズ)を低減することにより、(例えば、ウエハ表面の粗さによって引き起こされる)ウエハ検査システムにおける欠陥の取り込み率を改善するために用いることができる。したがって、本明細書に記載された実施形態は、ウエハ検査システムの感度を高めるために用いることができる。さらに、以上に記載されたように、本明細書に記載された実施形態は、スペックルノイズを低減しながら照射干渉性の保存を可能にし、それによってフーリエフィルタリングの使用を可能にし、S/Nを改善する。
【0080】
1つの実施形態において、方法は、第1の画像データを用いてウエハ上の欠陥を検出し、第2の画像データを用いてウエハ上の欠陥を検出し、第1の画像データ、第2の画像データおよび付加的な画像データのいずれかを用いて検出された欠陥の組み合わせとして、ウエハ上で検出された欠陥を報告することを含む。例えば、欠陥は、付加的な画像データを用いて以上に記載されたように検出される。同様の方式において、欠陥検出は、第1の画像データおよび第2の画像データを用いて別々に実行されてもよい。個別の画像データの各々を用いて別々に実行された欠陥検出は、実質的に同一の方式で(例えば、同一の閾値(複数可)を用いて)実行されてもよい。このように、方法は、欠陥(すなわち、第1の画像データを用いて検出された欠陥、第2の画像データを用いて検出された欠陥、および付加的な画像データを用いて検出された欠陥)の3つの亜母集団を検出することを含んでもよい。3つの亜母集団は、その後、ウエハのための欠陥母集団を生成するために組み合わせられてもよい。例えば、欠陥亜母集団は、欠陥が検出された画像データに基づいて論理和関数を用いて組み合わせられてもよい。画像データの任意の2つ以上の実質的に同一の位置で検出される任意の欠陥は、1つ任意の欠陥を二重に報告することを無効にするために1回だけ報告されてもよい。このように、2つの個別の画像データにおいて検出される1つの任意の欠陥は、1回だけ報告されてもよい。ウエハ上で検出された欠陥は、他の場合には任意の好適な方式において報告されてもよい。
【0081】
以上に記載されたように、方法は、また、個別の付加的な画像データを生成することを含んでもよい。個別の付加的な画像データは、また、以上に記載されたような欠陥検出のために使用されてもよい。その個別の付加的な画像データを用いて検出された任意の欠陥は、本明細書に記載されたような他の画像データ(例えば付加的な画像データ、第1の画像データ、第2の画像データ、など)を用いて検出された欠陥と組み合わせてもよい。その上、検査システムの2つ以上の個別の光学状態を用いてウエハが走査されるのであれば、第3の光学状態、第4の光学状態などからの出力を用いて生成された画像データは、欠陥検出のための用いられてもよいし、その画像データを用いて検出された任意の欠陥は、本明細書に記載されたような他の画像データ(例えば付加的な画像データ、第1の画像データ、第2の画像データ、など)を用いて検出された欠陥と組み合わせてもよい。
【0082】
以上に記載されたように、第1の光学状態および第2の光学状態のいずれかにおいても検出できない欠陥は、画像相関によって生成された付加的な画像データにおいて検出できるようになってもよい。このように、付加的な画像データは、第1の画像データまたは第2の画像データを用いても検出しない、または検出することができないという点で独特のウエハ上の欠陥を検出するために用いられてもよい。そのため、付加的な画像データを用いて検出された欠陥は、いずれの光学状態によっても個々に検出しない、または検出することができない欠陥により検査結果を補うために用いられてもよい。
【0083】
本明細書に記載された実施形態は、また、(検出したい欠陥(DOI)と擬似欠陥とのの双方に相対的に高いS/Nがあってもよいが、検出したい欠陥(DOI)と擬似欠陥との間の分離の増強のための機会を提供してもよい)多重の光学状態にわたって欠陥の特徴レベルの融合を含んでもよい。例えば、1つの実施形態において、方法は、付加的な画像データを用いて欠陥の特徴のための値を判定することを含む。このように、欠陥の「交差光学状態」の特徴は、融合された画像データに基づいて特徴の算定を実行することにより判定することができる。付加的な画像データを用いて判定される欠陥特徴は、(任意の好適な方式において判定されてもよい)任意の好適な欠陥特徴を含んでもよい。このように、付加的な画像データは、欠陥の特徴の判定に関して言えば、他の画像データとして扱われてもよい。
【0084】
別の実施形態において、方法は、第1の画像データ、第2の画像データ、および付加的な画像データのいくつかの組み合わせを用いて欠陥の特徴のための値を判定することを含む。このように、「交差光学状態」の特徴は、「交差チャネル」の特徴を判定するために用いられるものに類似した方法(複数可)および/またはアルゴリズム(複数可)を用いて判定することができる。例えば、欠陥の特徴は、個別の光学状態に対応する個別の画像データを別々に用いて判定されてもよい。それらの欠陥の特徴は、その後、欠陥のための個別の欠陥の特徴を判定するために組み合わせられてもよい。例えば、個別の光学状態に対応する個別の画像データを用いて別々に判定された欠陥の特徴のための値は、欠陥の特徴のための新たな値に組み合わせられてもよい。別の例において、個別の欠陥の特徴は、個別の光学状態に対応する個別の画像データからの欠陥のために判定されてもよい。それらの個別の欠陥の特徴は、その後、欠陥のための別の欠陥の特徴を判定するために、いくつかの組み合わせにおいて用いられてもよい。欠陥の特徴を判定するために用いられる個別の画像データにおける方式は、特徴が判定されている欠陥、判定されている特徴、および画像データそれ自体(例えば、画像データを用いて特徴が判定されることができるならば、またはどれくらい十分に画像データを用いて特徴が判定されることができるのか、影響を与えることができる画像データの特性)に依存して変化してもよい。このように、欠陥の特徴のための値は、利用可能な情報のすべて、または利用可能な情報のいくつかのサブセットを用いて判定されてもよい。
【0085】
擬似欠陥フィルタリングは、個別の光学状態の局面においてのみならず、(擬似欠陥と検出したい欠陥(DOI)との間の分離を識別する、より多くの可能性を提供する)多重の光学状態によって生成されたn次元空間においても実行することができる。例えば、1つの実施形態において、欠陥を検出することは、付加的な画像データを用いてウエハ上の潜在的な欠陥を識別することと、第1の画像データ、第2の画像データ、および付加的な画像データ、またはそれらのいくつかの組み合わせを用いて判定された潜在的な欠陥に関する画素レベル情報を用いて潜在的な欠陥の擬似欠陥フィルタリングを実行することにより欠陥を識別することとを含む。したがって、擬似欠陥フィルタリングは、多重の光学状態(多重パス)にわたって画素レベルで情報を組み合わせることにより(それは、実行のためのさらなる潜在能力を生成する)実行することができる。潜在的な欠陥は、(本明細書に記載されたように実行されてもよい)欠陥検出によって付加的な画像データにおいて識別されてもよい。以上に記載されたような擬似欠陥フィルタリングは、また、本明細書に記載された他の画像データを用いて識別された潜在的な欠陥のために実行されてもよい。
【0086】
別の実施形態において、欠陥を検出することは、付加的な画像データを用いてウエハ上の潜在的な欠陥を識別することと、第1の画像データ、第2の画像データ、および付加的な画像データ、またはそれらのいくつかの組み合わせを用いて判定された潜在的な欠陥の特徴のための値を用いて潜在的な欠陥の擬似欠陥フィルタリングを実行することにより欠陥を識別することとを含む。したがって、擬似欠陥フィルタリングは、多重の光学状態(例えば多重パス)にわたって特徴レベルで情報を組み合わせることにより(それは、実行のためのさらなる潜在能力を生成する)実行することができる。以上に記載されたように、付加的な画像データを用いて潜在的な欠陥を識別することが実行されてもよい。潜在的な欠陥の特徴のための値は、本明細書に記載された任意の特徴の任意の値を含んでもよいし、本明細書に記載されたように判定されてもよい。以上に記載されたような擬似欠陥フィルタリングは、また、本明細書に記載された他の画像データを用いて識別された潜在的な欠陥のために実行されてもよい。
【0087】
本明細書に記載された実施形態は、また、ウエハ検査システムのための画像融合およびビニングを含んでもよい。ビニングは、個別の光学状態の局面においてのみならず、(個別の型の欠陥の間の分離を見つけるためのより多くの可能性を提供する)多重の光学状態によって生成されたn次元空間においても実行することができる。例えば、1つの実施形態において、方法は、第1の画像データ、第2の画像データ、付加的な画像データ、またはそれらのいくつかの組み合わせを用いて判定された欠陥に関する画素レベルの情報を用いて欠陥をビニングすることを含む。したがって、欠陥をビニングすることは、多重の光学状態(例えば多重パス)にわたって画素レベルで情報を組み合わせることにより(それは、実行のためのさらなる潜在能力を生成する)実行することができる。
【0088】
別の実施形態において、方法は、第1の画像データ、第2の画像データ、付加的な画像データ、またはそれらのいくつかの組み合わせを用いて判定された欠陥の特徴のための値を用いて欠陥をビニングすることを含む。したがって、欠陥をビニングすることは、多重の光学状態(例えば多重パス)にわたって欠陥の特徴レベルで情報を組み合わせることにより(それは、実行のためのさらなる潜在能力を生成する)実行することができる。本明細書にさらに記載されたように、第1の画像データ、第2の画像データ、付加的な画像データ、またはそれらのいくつかの組み合わせを用いて判定された欠陥の特徴のための値が判定されてもよい。
【0089】
以上に記載されたように、個別の付加的な画像データは、検査システムの光学状態の個別の組み合わせに対応する画像データを組み合わせることによって、ウエハのために生成されてもよい。言いかえれば、個別の融合された画像データは、ウエハのために生成されてもよい。個別の融合された画像データは、付加的な画像データと同一の方式において、本明細書に記載されたステップの全部において用いられてもよい。さらに、個別の融合された画像データがウエハのために生成されるのであれば、その個別の融合された画像データは、ウエハに適合するまたは最適な検査レシピを判定するために用いられてもよい。例えば、個別の融合された画像データは、(本明細書に記載されたように実行されてもよい)欠陥検出のために独立して用いられてもよい。個別の融合された画像データを用いて検出される欠陥は、その後、比較されてもよい。個別の光学状態と比較して個別の融合された画像データを用いてユニークに検出される欠陥は、最もユニークな検出したい欠陥(DOI)を検出した融合された画像データを判定するために欠陥の検討によって検討されてもよい。その後、同一の融合された画像データは、同一のプロセスおよび/または層の他のウエハのために生成され、それらのウエハ上の欠陥を検出するために用いられてもよい。このように、検査レシピの1つ以上のパラメータは、融合された画像データを実験的に用いて(すなわち、ウエハのために実験的に取得された出力から生成された、融合された画像データを用いて)判定されてもよい。さらに、本明細書に記載された方法において用いられる多重の光学状態は、欠陥検出の方法またはアルゴリズム(例えば検査レシピの欠陥検出アルゴリズム)を用いて、このようにして判定されてもよい。そのため、アルゴリズムは、検査レシピのためのモード選択を実行するように用いられてもよい。
【0090】
検査レシピの1つ以上のパラメータを判定するためのこのようなアプローチは、所定の欠陥検出の方法またはアルゴリズムに対して、本明細書に記載された方法において有利に用いることができる2つ以上の光学状態を判定するために用いられてもよい。但し、検査レシピの1つ以上のパラメータを判定するためのこのようなアプローチは、また、2つ以上の光学状態により用いられるべき1つ以上の欠陥検出パラメータ(例えば欠陥検出の方法またはアルゴリズム)を判定するために用いられてもよい。このように、融合された画像データは、検査レシピの任意のパラメータ(複数可)を判定するために用いられてもよい。
【0091】
以上に記載されたように、融合された画像データは、単一の検査システムの個別の光学状態を用いて生成された出力から生成されてもよい。但し、本明細書に記載された方法は、単一の検査システムの個別の光学状態を用いて生成された出力から生成される画像データを単に融合させることに限定されない。例えば、さらに、またはその代わりに、融合された画像データは、個別のパス(すなわち走査)において(しかし同一の光学状態により)取得された出力から生成された画像データを含んでもよい。1つのこのような実施形態において、検査システムの第1の光学状態および第2の光学状態を用いて、以上に記載されたような出力を生成することは、1つのパスにおいて実行される。この実施形態において、方法は、また、検査システムの第1の光学状態または第2の光学状態を用いて検査システムにより個別のパスのウエハを走査することにより、ウエハのための付加的な出力を生成することを含む。このようにして、同一の(第1または第2の)光学状態を用いる出力は、検査システムによって実行されたウエハの個別のパスにおいて生成されてもよい。本明細書に記載されたように、付加的な出力の生成は、さらに実行されてもよい。
【0092】
このような方法は、また、個別のパスにおいて生成された付加的な出力を用いてウエハのための個別の画像データを生成することを含んでもよい。個別の画像データの生成が、本明細書にさらに記載されたように実行されてもよい。さらに、このような方法は、第1の光学状態を用いて個別のパスが実行されるならば第1の画像データと個別の画像データとを組み合わせ、または、ウエハ上の実質的に同一の位置に対応する第2の光学状態を用いて個別のパスが実行されるならば第2の画像データと個別の画像データとを組み合わせ、それによってウエハのためのさらなる付加的な画像データを生成することを含んでもよい。このようにして、ステップの組み合わせは、個別のパスにおいて(しかし同一の光学状態により)取得される画像データを用いて実行されてもよい。本明細書に記載されたように、このステップの組み合わせは、さらに実行されてもよい。
【0093】
このような方法は、さらなる付加的な画像データを用いて、ウエハ上の欠陥を検出することをさらに含んでもよい。さらなる付加的な画像データを用いてウエハ上の欠陥を検出することは、本明細書にさらに記載されたように実行されてもよい。このような方法は、また、本明細書に記載された他のステップ(複数可)を含んでもよい。
【0094】
付加的な方法は、検査システムの同一の光学状態を用いて実行されたウエハの個別のパスに対応する画像データを融合することを含んでもよい。例えば、別の実施形態は、ウエハ上の欠陥を検出する個別の方法に関連する。この方法は、検査システムの第1の光学状態を用いて、第1のパスおよび第2のパスにおいて検査システムによりウエハを走査することにより、ウエハのための出力を生成することを含む。このステップにおいて出力を生成することは、本明細書にさらに記載されたように実行されてもよい。第1の光学状態は、本明細書に記載された光学状態のいずれかを含んでもよい。
【0095】
この方法は、また、第1のパスを用いて生成された出力を用いてウエハのための第1の画像データと、第2のパスを用いて生成された出力を用いてウエハのための第2の画像データとを生成することを含む。このステップにおいて第1の画像データおよび第2の画像データを生成することが、本明細書にさらに記載されたように実行されてもよい。第1の画像データおよび第2の画像データは、本明細書に記載された画像データのいずれかを含んでもよい。
【0096】
この方法は、第1の画像データと、ウエハ上の実質的に同一の位置に対応する第2の画像データとを組み合わせ、それによって、ウエハのための付加的な画像データを生成することをさらに含む。このステップにおいて第1の画像データおよび第2の画像データを組み合わせることが、本明細書にさらに記載されたように実行されてもよい。付加的な画像データは、本明細書に記載された付加的な画像データのいずれかを含んでもよい。その上、方法は、付加的な画像データを用いてウエハ上の欠陥を検出することを含む。このステップにおいてウエハ上の欠陥を検出することが、本明細書にさらに記載されたように実行されてもよい。この方法は、本明細書に記載された他のステップ(複数可)を含んでもよい。
【0097】
同一の光学状態から(しかし個別のパスから)画像データを融合することは、画像データがランダムノイズによって支配されるケースにとって特に有用かもしれない。例えば、1つの光学状態を用いて、第1のパスにおいて生成された出力を用いて画像データが生成され、同一の光学状態を用いて、第2のパスにおいて生成された出力を用いて生成された画像データにより融合されるのであれば、すべてのランダムノイズ源は、検出したい欠陥(DOI)から信号の一致を保証している一方で、融合された画像データにおいて実質的に除去されてもよい。さらに、以上に記載されたように、同一の光学状態に対応する個別の画像データは、独立して融合されうる。言いかえれば、同一の光学状態に対応する第1の画像データおよび第2の画像データは、既に融合された光学状態に対応する(個別の光学状態に対応する)画像データと組み合わせる必要はない。
【0098】
その上、さらにまたはその代わりに、方法は、個別の検査システムによって生成された出力を用いて実行されてもよい。例えば、1つの実施形態において、方法は、個別の検査システムによりウエハをスキャンすることによるウエハのための出力を生成することを含む。本明細書に記載されたように、個別の検査システムによりウエハのための出力を生成することが実行されてもよい。個別の検査システムは、DFシステムまたはBFシステムであってもよい。例えば、検査システムは、DFシステムであってもよいし、個別の検査システムは、BFシステムであってもよい。別の例において、検査システムは、DFシステムであってもよいし、個別の検査システムは、個別のDFシステム(例えば検査システムとは異なる構成を有するDFシステム)であってもよい。個別の検査システムは、本明細書に記載されたように構成されてもよいし、または当該技術分野において知られている他の好適な構成を有してもよい。
【0099】
このような方法は、また、個別の検査システムを用いて生成された出力を用いてウエハのための第3の画像データを生成することを含んでもよい。第3の画像データを生成することは、本明細書に記載された実施形態のいずれかに従って実行されてもよい。さらに、このような方法は、ウエハ上の実質的に同一の位置に対応する第1の画像データまたは第2の画像データに第3の画像データを組み合わせ、それによって、ウエハのためのさらなる付加的な画像データを生成することを含む。第1の画像データまたは第2の画像データと第3の画像データとを組み合わせることは、本明細書に記載された実施形態のいずれかに従って、この実施形態で実行されてもよい。このような方法は、さらなる付加的な画像データを用いて、ウエハ上の欠陥を検出することをさらに含んでもよい。さらなる付加的な画像データを用いてウエハ上の欠陥を検出することが、本明細書にさらに記載されたように実行されてもよい。このような実施形態は、本明細書に記載された他のステップ(複数可)を含んでもよい。このように、方法は、個別の検査システムから収集された出力を用いることと、個別の検査システムから収集された出力を用いて生成された画像データを融合することとを含んでもよい。
【0100】
別の実施形態において、ウエハ上の欠陥を検出する方法は、第1の検査システムおよび第2の検査システムによりウエハを走査することにより、ウエハのための出力を生成することを含む。このステップにおいてウエハのための出力を生成することは、本明細書にさらに記載されたように実行されてもよい。第1の検査システムおよび第2の検査システムは、本明細書に記載された個別の検査システムのいずれかを含んでもよい。第1の検査システムおよび第2の検査システムによりウエハを走査することは、同一のまたは実質的に同一の光学状態を用いて実行されてもよい。あるいは、第1の検査システムおよび第2の検査システムによりウエハをスキャンすることは、個別の光学状態を用いて実行されてもよい。この方式において、融合される個別の画像データに対応する個別の光学状態は、個別の検査システムの個別の光学状態であってもよい。例えば、検査システムXの光学状態Aに対応する画像データは、検査システムYの光学状態Bに対応する画像データと、本明細書にさらに記載されたように、組み合わせることができる。光学状態Aおよび光学状態Bは、同一であってもよいし、または異なってもよい。同一のまたは実質的に同一の光学状態、および個別の光学状態は、本明細書に記載された任意の光学状態を含んでもよい。方法は、また、第1の検査システムを用いて生成された出力を用いてウエハのための第1の画像データと、第2の検査システムを用いて生成された出力を用いてウエハのための第2の画像データとを生成することを含む。第1の画像データおよび第2の画像データを生成することが、本明細書にさらに記載されたように実行されてもよい。第1の画像データおよび第2の画像データは、本明細書に記載された画像データのいずれかを含んでもよい。
【0101】
方法は、第1の画像データと、ウエハ上の実質的に同一の位置に対応する第2の画像データとを組み合わせ、それによって、ウエハのための付加的な画像データを生成することをさらに含む。このステップの組み合わせが、本明細書にさらに記載されたように実行されてもよい。その上、方法は、付加的な画像データを用いてウエハ上の欠陥を検出することを含む。このステップにおいてウエハ上の欠陥を検出することが、本明細書にさらに記載されたように実行されてもよい。
【0102】
以上に記載されたように、方法は、個別の検査システムを用いて出力を生成することと、個別の検査システムを用いて生成された出力を用いて個別の画像データを生成することとを含んでもよい。但し、方法は、個別の検査システムのすべてを用いて出力を生成することを必ずしも含まなくてもよい。例えば、個別の検査システムの1つ以上を用いて生成された出力は、その出力が(例えば1つ以上の個別の検査システムによって)格納された1つ以上の記憶媒体から取得されてもよい。個別の検査システムを用いて生成された取得された出力は、その後、本明細書にさらに記載されたように用いられてもよい。このように、本明細書に記載された方法は、融合される画像データを生成するために用いられる出力の原点に関係なく画像融合を実行することができる。
【0103】
さらに、本明細書に記載された実施形態において用いられる個別の検査システムによって生成された出力は、(個別の検査システムがDF検査システムおよびBF検査システムまたは完全に個別の(例えばオーバーラップしない)構成を有するDF検査システムを含む場合であるように)必然的に個別の光学状態を用いて生成されてもよい。しかしながら、本明細書に記載された実施形態において用いられる個別の検査システムによって生成された出力は、(個別の検査システムが同一の構成または相対的に同様の構成を有する2つの検査システムを含んでいる場合であってよいように)同一の光学状態または実質的に同一の光学状態を用いて生成されてもよい。
【0104】
本明細書に記載された実施形態は、また、本明細書に記載された1つ以上の方法の1つ以上のステップの結果を記憶媒体に格納することを含んでもよい。結果は、本明細書に記載された結果のいずれかを含んでもよい。結果は、当該技術分野において既知の任意の方式で格納されてもよい。記憶メディアは、当該技術分野において既知の任意の好適な記憶媒体を含んでもよい。結果が格納された後、結果は、記憶媒体においてアクセスされ、本明細書に記載された方法またはシステムの実施形態のいずれか、他の方法、または他のシステムによって、用いることができる。その上、結果は、「永続的」に、「半永続的」に、一時的に、またはある程度の期間の間格納されてもよい。例えば、記憶媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)であってもよいし、結果は、必ずしも記憶媒体内に無期限に残存しなくてもよい。
【0105】
別の実施形態は、ウエハ上の欠陥を検出するための、コンピュータで実現される方法を実行するためのコンピュータシステム上で実行可能なプログラム命令を含むコンピュータ読み取り可能な媒体に関する。このような1つの実施形態は、図6に示される。例えば、図6に示されるように、コンピュータ読み取り可能な媒体52は、ウエハ上の欠陥を検出するための、コンピュータで実現される方法を実行するためのコンピュータシステム56上で実行可能なプログラム命令54を含む。
【0106】
コンピュータで実現される方法は、検査システムの第1の光学状態および第2の光学状態を用いて、検査システムによりウエハを走査することにより生成されたウエハのための出力を取得することを含む。第1の光学状態および第2の光学状態は、検査システムの少なくとも1つの光学パラメータのための個別の値によって定義される。第1の光学状態および第2の光学状態は、本明細書に記載された光学状態のいずれかを含んでもよい。検査システムの少なくとも1つの光学パラメータのための個別の値は、本明細書に記載された個別の値のいずれかを含んでもよい。検査システムの少なくとも1つの光学パラメータは、本明細書に記載された光学パラメータのいずれかを含んでもよい。検査システムは、本明細書に記載された検査システムのいずれかを含んでもよい。
【0107】
ウエハのための生成された出力を取得することは、検査システムを用いて実行されてもよい。例えば、出力を取得することは、ウエハの表面で光を走査し、かつ走査中に検査システムによって検出されたウエハから散乱された光に応答して出力を生成するために、検査システムを用いることを含んでもよい。このように、出力を取得することは、ウエハを走査することを含んでもよい。但し、出力を取得することは、ウエハを走査することを必ずしも含まない。例えば、出力を取得することは、(例えば検査システムによって)出力が格納されている記憶媒体からの出力を取得することを含んでもよい。記憶媒体から出力を取得することは、任意の好適な方式において実行されてもよく、出力が取得される記憶媒体は、本明細書に記載された記憶媒体のいずれかを含んでもよい。出力は、本明細書に記載された出力のいずれかを含んでもよい。
【0108】
コンピュータで実現される方法は、また、第1の光学状態を用いて生成された出力を用いてウエハのための第1の画像データと、第2の光学状態を用いて生成された出力を用いてウエハのための第2の画像データとを生成することを含む。第1の画像データおよび第2の画像データの生成は、本明細書にさらに記載されたように実行されてもよい。第1の画像データおよび第2の画像データは、本明細書に記載された任意のこのような画像データを含んでもよい。
【0109】
コンピュータで実現される方法は、第1の画像データと、ウエハ上の実質的に同一の位置に対応する第2の画像データとを組み合わせ、それによって、ウエハのための付加的な画像データを生成することをさらに含む。第1の画像データおよび第2の画像データを組み合わせることは、本明細書にさらに記載されたように実行されてもよい。付加的な画像データは、本明細書に記載された付加的な画像データのいずれかを含んでもよい。その上、方法は、付加的な画像データを用いてウエハ上の欠陥を検出することを含む。欠陥を検出することは、本明細書にさらに記載されたようにウエハ上で実行されてもよい。ウエハ上で検出された欠陥は、本明細書に記載された欠陥のいずれかを含んでもよい。プログラム命令が実行可能であるコンピュータで実現される方法は、本明細書に記載された他の方法(複数可)の他のステップ(複数可)を含んでもよい。
【0110】
本明細書に記載されたものなどのプログラム命令54の実行方法は、コンピュータ読み取り可能な媒体52にわたって送信されてもよいし、またはコンピュータ読み取り可能な媒体52上に格納されてもよい。コンピュータ読み取り可能な媒体は、読み出し専用メモリ、RAM、磁気または光ディスク、または磁気テープなどの記憶媒体、または当該技術分野で既知の他の好適なコンピュータ読み取り可能な媒体であってもよい。
【0111】
プログラム命令は、数ある中でも、手続きベースの技術、コンポーネントベースの技術、および/またはオブジェクト指向の技術を含む様々な方法のいずれかにおいて実行されてもよい。例えば、プログラム命令は、Matlab、Visual Basic、ActiveXコントロール、C、C++オブジェクト、C#、Java(登録商標)Beans、マイクロソフト・ファウンデーション・クラス(「MFC」)、または他の技術または方法を所望のとおり用いて実行されてもよい。
【0112】
コンピュータシステム56は、パーソナルコンピュータシステム、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、システムコンピュータ、画像コンピュータ、プログラミング可能な画像コンピュータ、パラレルプロセッサ、または当該技術分野で既知の他のデバイスを含む様々な形式を使用してもよい。一般に、用語「コンピュータシステム」は、(メモリ媒体からの命令を実行する)1つ以上のプロセッサを有する任意のデバイスを包含するために広く定義されてもよい。
【0113】
付加的な実施形態は、ウエハ上の欠陥を検出するように構成されたシステムに関する。このようなシステムの1つの実施形態は、図7に示される。図7に示されるように、システム58は、検査サブシステム60およびコンピュータサブシステム80を含む。検査サブシステムは、検査サブシステムの第1の光学状態および第2の光学状態を用いてウエハをスキャンすることにより、ウエハのための出力を生成するように構成される。例えば、図7に示されるように、検査サブシステムは、光源62を含む。光源62は、レーザーなどの当該技術分野で既知の任意の好適な光源を含んでもよい。光源62は、(当該技術分野において既知の任意の好適な偏光コンポーネントを含んでもよい)偏光コンポーネント64に対する光を方向づけるように構成される。さらに、検査サブシステムは、1つ以上の偏光コンポーネント(図示せず)を含んでもよく、その各々は、光源からの光のパスにおいて独立して配置されてもよい。偏光コンポーネントの各々は、個別の方式において光源からの光の偏光を変更するように構成されてもよい。検査サブシステムは、走査中にウエハの照射のために選択される偏光設定に依存する任意の好適な方式における光源からの光のパスの中に、およびそのパスから外に、偏光コンポーネントを移動させるように構成されてもよい。走査中にウエハの照射のための用いられる偏光設定は、P、S、または循環的に偏向される(C)を含んでもよい。
【0114】
偏光コンポーネント64を出る光は、(任意の好適な入射斜角を含んでもよい)入射斜角でウエハ66に対して方向づけられる。検査サブシステムは、また、光源62から偏光コンポーネント64に、または偏光コンポーネント64からウエハ66に、光を方向づけるように構成される1つ以上の光学コンポーネント(図示せず)を含んでもよい。光学コンポーネントは、当該技術分野において既知の反射型光学コンポーネントなどの(しかし限定されない)任意の好適な光学コンポーネントを含んでもよい。さらに、光源、偏光コンポーネント、および/または1つ以上の光学コンポーネントは、1つ以上の入射角(例えば入射斜角および/または実質的に法線の入射角)でウエハに対する光を方向づけるように、構成されてもよい。検査サブシステムは、任意の好適な方式においてウエハの表面に光を走査することにより、走査を実行するように構成されてもよい。
【0115】
ウエハ66から散乱された光は、走査中に検査サブシステムの多重チャネルによって収集され、検出されてもよい。例えば、相対的に法線近くの角度でウエハ66から散乱された光は、レンズ68によって収集されてもよい。レンズ68は、図7に示されるような屈折性光学エレメントを含んでもよい。さらに、レンズ68は、1つ以上の屈折性光学エレメントおよび/または1つ以上の反射型光学エレメントを含んでもよい。レンズ68によって収集された光は、(当該技術分野において既知の任意の好適な偏光コンポーネントを含んでもよい)偏光コンポーネント70に対して方向づけられてもよい。さらに、検査サブシステムは、1つ以上の偏光コンポーネント(図示せず)を含んでもよく、その各々は、レンズにより収集された光のパスにおいて独立して配置されてもよい。偏光コンポーネントの各々は、個別の方式においてレンズにより収集された光の偏光を変更するように構成されてもよい。検査サブシステムは、走査中にレンズ68により収集された光を検出するために選択される偏光設定に依存する任意の好適な方式におけるレンズにより収集された光のパスの中に、およびそのパスから外に、偏光コンポーネントを移動させるように構成されてもよい。走査中にレンズ68によって収集された光を検出するために用いられた偏光設定は、本明細書記載された偏光設定(例えばP、S、およびN)のいずれかを含めてもよい。
【0116】
偏光コンポーネント70を出る光は、検出器72に対して方向づけられる。検出器72は、電荷結合素子(CCD)などの当該技術分野において既知の任意の好適な検出器、または別の型の画像処理検出器を含んでもよい。検出器72は、レンズ68によって収集され、収集された散乱光のパスに配置された場合の偏光コンポーネント70によって伝搬された散乱光に応答した出力を生成するように構成される。したがって、レンズ68、レンズ68によって収集された光のパスに配置された場合の偏光コンポーネント70、および検出器72は、検査サブシステムの1本のチャネルを形成する。検査サブシステムのこのチャネルは、フーリエフィルタリングコンポーネントなどの当該技術分野において既知の他の好適な光学コンポーネント(図示せず)も含んでもよい。
【0117】
個別の角度でウエハ66から散乱された光は、レンズ74によって収集されてもよい。レンズ74は、以上に記載されたように構成されてもよい。レンズ74によって収集された光は、(当該技術分野において既知の任意の好適な偏光コンポーネントを含んでもよい)偏光コンポーネント76に対して方向づけられてもよい。さらに、検査サブシステムは、1つ以上の偏光コンポーネント(図示せず)を含んでもよく、その各々は、レンズにより収集された光のパスにおいて独立して配置されてもよい。偏光コンポーネントの各々は、個別の方式においてレンズにより収集された光の偏光を変更するように構成されてもよい。検査サブシステムは、走査中にレンズ74により収集された光を検出するために選択される偏光設定に依存する任意の好適な方式におけるレンズにより収集された光のパスの中に、およびそのパスから外に、偏光コンポーネントを移動させるように構成されてもよい。走査中にレンズ74によって収集された光の検出のために用いられる偏光設定は、P、S、またはNを含んでもよい。
【0118】
偏光コンポーネント76を出る光は、(以上に記載されたように構成されてもよい)検出器78に対して方向づけられる。検出器78は、また、散乱光のパスに配置された場合の偏光コンポーネント76を介して通過する収集された散乱光に応答した出力を生成するように構成される。したがって、レンズ74、レンズ74によって収集された光のパスに配置された場合の偏光コンポーネント76、および検出器78は、検査サブシステムの別のチャネルを形成してもよい。このチャネルは、また、以上に記載された他の光学コンポーネント(図示せず)を含んでもよい。いくつかの実施形態において、レンズ74は、約20度から約70度までの極角でウエハから散乱された光を収集するように構成されてもよい。さらに、レンズ74は、約360度の方位角でウエハから散乱された光を収集するように構成される反射型光学コンポーネント(図示せず)として構成されてもよい。
【0119】
図7に示される検査サブシステムは、また、1つ以上の他のチャネル(図示せず)を含んでもよい。例えば、検査サブシステムは、(サイドチャネルとして構成され、レンズなどの本明細書に記載された光学コンポーネントのいずれか、1つ以上の偏光コンポーネント、および検出器を含んでもよい)追加チャンネルを含んでもよい。レンズ、1つ以上の偏光コンポーネント、および検出器は、本明細書に記載されたようにさらに構成されてもよい。1つのこのような例において、サイドチャネルは、入射面から外へ散乱された光を収集し、検出するように構成されてもよい(例えば、サイドのチャネルは、(入射面に対して実質的に垂直な平面の中心におかれた)レンズおよびレンズによって収集された光を検出するように構成された検出器を含んでもよい)。
【0120】
第1の光学状態および第2の光学状態は、検査サブシステムの少なくとも1つの光学パラメータのための個別の値によって定義される。第1の光学状態および第2の光学状態は、本明細書に記載された検査サブシステムの光学パラメータのいずれかのための個別の値のいずれかによって定義されてもよい。さらに、光学パラメータのいずれかの値は、パス間で必要であれば、任意の好適な方式において変更されてもよい。例えば、個別の値が照射の偏光状態の個別の値であるならば、パス間で、偏光コンポーネント64は、個別の偏光コンポーネントにより本明細書に記載されたように、削除されてもよいし、および/または置換されてもよい。別の例において、個別の値が個別の照射角であるならば、ウエハに光を方向づけるために用いられる光源の位置および/または他の光学コンポーネント(例えば偏光コンポーネント64)は、任意の好適な方式においてパス間で変更されてもよい。
【0121】
走査中に検出器によって生成された出力は、コンピュータサブシステム80に提供されてもよい。例えば、コンピュータサブシステムは、コンピュータサブシステムが検出器によって生成された出力を受信してもよいように、(例えば、図7において破線によって示される1つ以上の伝送媒体(当該技術分野において既知の任意の好適な伝送媒体を含んでもよい)により)検出器の各々に連結されてもよい。コンピュータサブシステムは、任意の好適な方式において検出器の各々に連結されてもよい。ウエハの走査中に検出器によって生成された出力は、本明細書に記載された出力のいずれかを含んでもよい。
【0122】
コンピュータサブシステムは、第1の光学状態を用いて生成された出力を用いてウエハのための第1の画像データと、第2の光学状態を用いて生成された出力を用いてウエハのための第2の画像データとを生成するように構成される。コンピュータサブシステムは、本明細書に記載された実施形態のいずれかに従って第1の画像データおよび第2の画像データを生成するように構成されてもよい。第1の画像データおよび第2の画像データは、本明細書に記載された任意のこのような画像データを含んでもよい。
【0123】
コンピュータサブシステムは、また、第1の画像データと、ウエハ上の実質的に同一の位置に対応する第2の画像データとを組み合わせ、それによって、ウエハのための付加的な画像データを生成するように構成される。コンピュータサブシステムは、本明細書に記載された実施形態のいずれかに従って、第1の画像データおよび第2の画像データを組み合わせるように構成されてもよい。付加的な画像データは、本明細書に記載された付加的な画像データのいずれかを含んでもよい。
【0124】
コンピュータサブシステムは、付加的な画像データを用いてウエハ上の欠陥を検出するようにさらに構成される。コンピュータサブシステムは、本明細書を記載された実施形態のいずれかに従って、欠陥を検出するように構成されてもよい。欠陥は、本明細書に記載された欠陥のいずれかを含んでもよい。
【0125】
コンピュータサブシステムは、本明細書に記載された任意の方法の実施形態(複数可)の他のステップ(複数可)を実行するように構成されてもよい。コンピュータサブシステムは、本明細書に記載されたようにさらに構成されてもよい。検査サブシステムは、また、本明細書に記載されたようにさらに構成されてもよい。その上、システムは、本明細書に記載されたようにさらに構成されてもよい。
【0126】
本明細書を記載されたシステム実施形態に含まれていてもよい検査サブシステムの1つの構成を一般に図示するために、図7が本明細書に与えられることは、注目される。言うまでもなく、本明細書に記載された検査サブシステムの構成は、商用の検査システムを設計する場合に通常実行されるように、検査サブシステムの実行を最適化するために変更されてもよい。さらに、本明細書に記載されたシステムは、KLA・テンコーから市販で入手可能なツールのプーマ9000および91xxシリーズなどの既存の検査システムを用いて(例えば既存の検査システムに本明細書に記載された機能性を追加することより)実行されてもよい。いくつかのこのようなシステムのために、本明細書に記載された方法は、システムのオプションの機能性として(例えばシステムの他の機能性に加えて)提供されてもよい。あるいは、本明細書に記載されたシステムは、全く新しいシステムを提供するために「ゼロから」設計されてもよい。
【0127】
さらに、本発明の様々な態様の変更および他の実施形態は、この説明を考慮して当業者にとって明白であるかもしれない。例えば、ウエハ上の欠陥を検出するためのシステムおよび方法が提供される。したがって、この説明は、例示として解釈されるべきであり、本発明を実行する一般的な方式を当業者に教授するためにのみある。本明細書に示され記載された本発明の形式が、目下好適な実施形態として解釈されるべきであることは、理解されるべきである。本発明のこの説明の有益性を有する後にすべてが当業者にとって明白なように、構成要素および材料は、本明細書に図示され記載されたものと置換されてもよく、パーツおよびプロセスは、転換されてもよく、本発明のある特徴は、別々に利用されてもよい。変更は、以下の特許請求の範囲において記載されるような本発明の精神および範囲から外れずに、本明細書に記載された要素においてなされてもよい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエハ上の欠陥を検出する方法であって、
検査システムの第1の光学状態と第2の光学状態とを用いて前記検査システムにより前記ウエハを走査することにより前記ウエハのための出力を生成するステップであって、前記第1の光学状態と前記第2の光学状態とは、前記検査システムの少なくとも1つの光学パラメータのための個別の値によって定義されるステップと、
前記第1の光学状態を用いて生成された前記出力を用いて前記ウエハのための第1の画像データと、前記第2の光学状態を用いて生成された前記出力を用いて前記ウエハのための第2の画像データとを生成するステップと、
前記第1の画像データと、前記ウエハ上の実質的に同一の位置に対応する前記第2の画像データとを組み合わせるステップであって、それによって、前記ウエハのための付加的な画像データを生成するステップと、
前記付加的な画像データを用いて前記ウエハ上の欠陥を検出するステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記個別の値は、前記走査中に光が前記ウエハに対して方向づけられる照射の個別の角度を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の光学状態と前記第2の光学状態とを用いて前記検査システムにより前記ウエハを走査することは、干渉性光により実行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の光学状態と前記第2の光学状態とは、前記走査中に前記ウエハから光を収集するために用いられる前記検査システムの光学パラメータのための同一の値によってさらに定義されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記個別の値は、個別の撮像モード、個別の偏光状態、個別の波長、個別のピクセルサイズ、またはそれらのいくつかの組み合わせを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記個別の値は、前記検査システムの個別のチャネルを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記個別の値は、前記検査システムの個別のチャネルを含み、前記第1の光学状態と前記第2の光学状態とを用いて前記出力を生成するステップは、並列に実行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記出力を生成するステップは、1つのパスにおいて実行され、
前記方法は、
前記検査システムの前記第1の光学状態または前記第2の光学状態を用いて前記検査システムにより個別のパスにおける前記ウエハを走査することにより、前記ウエハのための付加的な出力を生成するステップと、
前記個別のパスにおいて生成された前記付加的な出力を用いて前記ウエハのための個別の画像データを生成するステップと、
前記第1の光学状態を用いて前記個別のパスが実行されるならば前記第1の画像データと、または、前記ウエハ上の実質的に同一の位置に対応する前記第2の光学状態を用いて前記個別のパスが実行されるならば前記第2の画像データと、前記個別の画像データとを組み合わせるステップであって、それによって、前記ウエハのためのさらなる付加的な画像データを生成するステップと、
前記さらなる付加的な画像データを用いて前記ウエハ上の欠陥を検出するステップと
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
個別の検査システムにより前記ウエハを走査することにより前記ウエハのための出力を生成するステップと、
前記個別の検査システムを用いて生成された前記出力を用いて前記ウエハのための第3の画像データを生成するステップと、
前記ウエハ上の同一の位置に実質的に対応する前記第1の画像データまたは前記第2の画像データに、前記第3の画像データを組み合わせるステップであって、それによって、前記ウエハのためのさらなる付加的な画像データを生成するステップと、
前記さらなる付加的な画像データを用いて前記ウエハ上の欠陥を検出するステップと
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の画像データと前記第2の画像データとは、差分画像データを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記組み合わせるステップは、前記第1の画像データと、前記ウエハ上の実質的に同一の位置に対応する前記第2の画像データとの上で画像相関を実行することを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記組み合わせるステップは、前記第1の画像データおよび第2の画像データの画素レベルで実行されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項13】
欠陥検出は、前記組み合わせるステップに先立って実行されないことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記欠陥に対応する前記付加的な画像データの一部は、前記付加的な画像データの前記一部を生成するために組み合わせられる前記第1の画像データおよび前記第2の画像データの一部より大きな信号対ノイズ比を有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記付加的な画像データは、前記第1の画像データおよび前記第2の画像データより少ないノイズを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記付加的な画像データは、前記第1の画像データおよび前記第2の画像データより少ないスペックルノイズを有することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の画像データを用いて前記ウエハ上の欠陥を検出するステップと、
前記第2の画像データを用いて前記ウエハ上の欠陥を検出するステップと、
前記第1の画像データ、前記第2の画像データ、および前記付加的な画像データのいずれかを用いて検出された前記欠陥の組み合わせとして、前記ウエハ上で検出された前記欠陥を報告するするステップと
をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記付加的な画像データを用いて前記欠陥の特徴のための値を判定するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の画像データ、前記第2の画像データ、および前記付加的な画像データのいくつかの組み合わせを用いて、前記欠陥の特徴のための値を判定するステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記欠陥を検出するステップは、
前記付加的な画像データを用いて前記ウエハ上の潜在的な欠陥を識別するステップと、
前記第1の画像データ、前記第2の画像データ、および前記付加的な画像データ、またはそれらのいくつかの組み合わせを用いて判定された前記潜在的な欠陥に関する画素レベル情報を用いて、前記潜在的な欠陥の擬似欠陥フィルタリングを実行することにより前記欠陥を識別するステップと
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項21】
前記欠陥を検出するステップは、
前記付加的な画像データを用いて前記ウエハ上の潜在的な欠陥を識別するステップと、
前記第1の画像データ、前記第2の画像データ、および前記付加的な画像データ、またはそれらのいくつかの組み合わせを用いて判定された前記潜在的な欠陥の特徴の値を用いて、前記潜在的な欠陥の擬似欠陥フィルタリングを実行することにより前記欠陥を識別するステップと
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の画像データ、前記第2の画像データ、前記付加的な画像データ、またはそれらのいくつかの組み合わせを用いて判定された前記欠陥に関する画素レベルの情報を用いて、前記欠陥をビニングするステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記第1の画像データ、前記第2の画像データ、前記付加的な画像データ、またはそれらのいくつかの組み合わせを用いて判定された前記欠陥の特徴の値を用いて、前記欠陥をビニングするステップをさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項24】
ウエハ上の欠陥を検出するためのコンピュータで実現される方法を実行するためのコンピュータシステム上で実行可能なプログラム命令を含むコンピュータ読み取り可能な媒体であって、前記コンピュータで実現される方法は、
検査システムの第1の光学状態と第2の光学状態とを用いて前記検査システムにより前記ウエハを走査することにより生成された前記ウエハのための出力を取得するステップであって、前記第1の光学状態と前記第2の光学状態とは、前記検査システムの少なくとも1つの光学パラメータのための個別の値によって定義されるステップと、
前記第1の光学状態を用いて生成された前記出力を用いて前記ウエハのための第1の画像データと、前記第2の光学状態を用いて生成された前記出力を用いて前記ウエハのための第2の画像データとを生成するステップと、
前記第1の画像データと、前記ウエハ上の実質的に同一の位置に対応する前記第2の画像データとを組み合わせるステップであって、それによって、前記ウエハのための付加的な画像データを生成するステップと、
前記付加的な画像データを用いて前記ウエハ上の欠陥を検出するステップと
を備えることを特徴とするコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項25】
ウエハ上の欠陥を検出するように構成されたシステムであって、
検査サブシステムの第1の光学状態および第2の光学状態を用いてウエハを走査することにより、前記ウエハのための出力を生成するように構成された検査サブシステムであって、前記第1の光学状態と前記第2の光学状態とは、前記検査サブシステムの少なくとも1つの光学パラメータのための個別の値によって定義される前記検査サブシステムと、
前記第1の光学状態を用いて生成された前記出力を用いて前記ウエハのための第1の画像データと、前記第2の光学状態を用いて生成された前記出力を用いて前記ウエハのための第2の画像データとを生成し、前記第1の画像データと、前記ウエハ上の実質的に同一の位置に対応する前記第2の画像データとを組み合わせ、それにより、前記ウエハのための付加的な画像データを生成し、前記付加的な画像データを用いて前記ウエハ上の欠陥を検出するように構成されたコンピュータサブシステムと
を備えることを特徴とするシステム。
【請求項26】
ウエハ上の欠陥を検出する方法であって、
検査システムの第1の光学状態を用いて、第1のパスおよび第2のパスにおいて前記検査システムによりウエハを走査することにより、前記ウエハのための出力を生成するステップと、
前記第1のパスを用いて生成された前記出力を用いて前記ウエハのための第1の画像データと、前記第2のパスを用いて生成された前記出力を用いて前記ウエハのための第2の画像データとを生成するステップと、
前記第1の画像データと、前記ウエハ上の実質的に同一の位置に対応する前記第2の画像データとを組み合わせるステップであって、それによって、前記ウエハのための付加的な画像データを生成するステップと、
前記付加的な画像データを用いて前記ウエハ上の欠陥を検出するステップと
を備えることを特徴とする方法。
【請求項27】
ウエハ上の欠陥を検出する方法であって、
第1の検査システムおよび第2の検査システムによりウエハを走査することにより、前記ウエハのための出力を生成するステップと、
前記第1の検査システムを用いて生成された前記出力を用いて前記ウエハのための第1の画像データと、前記第2の検査システムを用いて生成された前記出力を用いて前記ウエハのための第2の画像データとを生成するステップと、
前記第1の画像データと、前記ウエハ上の実質的に同一の位置に対応する前記第2の画像データとを組み合わせるステップであって、それによって、前記ウエハのための付加的な画像データを生成するステップと、
前記付加的な画像データを用いて前記ウエハ上の欠陥を検出するステップと
を備えることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−516063(P2012−516063A)
【公表日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−548147(P2011−548147)
【出願日】平成22年1月22日(2010.1.22)
【国際出願番号】PCT/US2010/021850
【国際公開番号】WO2010/085679
【国際公開日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(502442049)ケーエルエー−テンカー・コーポレーション (77)
【氏名又は名称原語表記】KLA−TENCOR CORPORATION
【Fターム(参考)】