説明

ウエハ搬送装置

【課題】 半導体ウエハの研磨面をより清浄な状態に保つことが可能なウエハ搬送装置を提供すること。
【解決手段】 半導体ウエハを保持する保持ヘッド41、および保持ヘッド41に保持された半導体ウエハWを研磨する定盤42を具備するウエハ研磨装置4に対するウエハ搬送を行うウエハ搬送装置Aであって、半導体ウエハWを保持するウエハ保持装置2と、半導体ウエハWの周縁に接触する複数の載置面35aを有しているとともに、ウエハ保持装置2から半導体ウエハWを受け取ったのちに半導体ウエハWの保持ヘッド41と対向する面を濡らすための液体を噴出するノズル34を有し、かつこの半導体ウエハWを保持ヘッド41が吸着によって取り上げ可能な状態に保持するウエハ仮置き装置3と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハの研磨を行うウエハ研磨装置に半導体ウエハを搬送するためのウエハ搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
図11は、従来のウエハ研磨装置の一例を示している(たとえば、特許文献1)。同図に示されたウエハ研磨装置Xは、保持ヘッド91および定盤92を備えている。保持ヘッド91は、その下面に半導体ウエハ(図示略)を保持している。定盤92は、その上面に研磨パッド(図示略)が設けられている。定盤92は、支持軸を中心として自転する。保持ヘッド91は、上記半導体ウエハを上記研磨パッドに押しつけながら自転可能に構成されている。上記半導体ウエハは、上記研磨パッドとの摩擦により研磨される。
【0003】
上記半導体ウエハに対しては、いわゆる粗研磨からいわゆる仕上げ研磨まで、複数回の研磨作業が施されることが一般的である。これらの研磨作業は、それぞれ専用のウエハ研磨装置Xによってなされる。そのため、上記半導体ウエハには、複数のウエハ研磨装置Xへの受け渡しが繰り返される。特に、上記半導体ウエハのうち仕上げ研磨を施した面は、できる限り清浄な状態とすることが好ましい。しかしながら、たとえば吸引を用いた半導体ウエハの搬送方法を用いる場合(たとえば、特許文献2)、仕上げ研磨を施した面に吸着痕を残してしまうおそれがある。また、水圧によって半導体ウエハを浮上させることを利用した搬送方法を用いる場合(たとえば、特許文献3)、半導体ウエハの表面に酸化膜を形成してしまうおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−266068号公報
【特許文献2】特開2006−179593号公報
【特許文献3】特開2001−144053号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、半導体ウエハの研磨面をより清浄な状態に保つことが可能なウエハ搬送装置を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によって提供されるウエハ搬送装置は、半導体ウエハを保持する保持ヘッド、および上記保持ヘッドに保持された上記半導体ウエハを研磨する定盤を具備するウエハ研磨装置に対するウエハ搬送を行うウエハ搬送装置であって、上記半導体ウエハを保持するウエハ保持装置と、上記半導体ウエハの周縁に接触する複数の載置面を有しているとともに、上記ウエハ保持装置から上記半導体ウエハを受け取ったのちに上記半導体ウエハの上記保持ヘッドと対向する面を濡らすための液体を噴出するノズルを有し、かつこの半導体ウエハを上記保持ヘッドが吸着によって取り上げ可能な状態に保持するウエハ仮置き装置と、を備えることを特徴としている。
【0007】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ウエハ保持装置は、上記半導体ウエハの周縁に接触した状態で上記半導体ウエハを保持する複数の保持爪を有する。
【0008】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記複数の保持爪は、同心円状に配置されており、径方向に往復動可能とされている。
【0009】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ウエハ仮置き装置は、昇降可能とされており、上記ウエハ保持装置から上記半導体ウエハを受け取るときの位置よりも、上記保持ヘッドが取り上げるときの位置の方が高い。
【0010】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記半導体ウエハを下工程に送るためのウエハ載置部を備えており、上記ウエハ保持装置は、上記複数の保持爪を支持する支持アームを有しており、上記支持アームは、上記ウエハ仮置き装置に正対する第1の姿勢と、上記保持ヘッドに正対する第2の姿勢とをとり、上記ウエハ保持装置は、上記ウエハ研磨装置によって研磨された上記半導体ウエハを上記第2の姿勢で受け取り、かつ上記第1の姿勢で上記ウエハ載置部に受け渡す。
【0011】
本発明の好ましい実施の形態においては、上記ウエハ保持装置は、上記第2の姿勢において上記半導体ウエハの周縁と接触する複数の保持面を有している。
【0012】
このような構成によれば、上記ウエハ仮置き装置によって保持された上記半導体ウエハは、上記ノズルによってその上面が濡れた状態とされる。この濡れた面に対して上記ウエハ研磨装置の保持ヘッドが吸引動作を行うと、上記半導体ウエハの上面にたまった液体が吸引されながら、上記半導体ウエハの上面が上記保持ヘッドに吸着される。
【0013】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明にかかるウエハ搬送装置の一例を示す全体平面図である。
【図2】図1のウエハ搬送装置のウエハ保持装置を示す要部拡大断面図である。
【図3】図1のウエハ搬送装置の支持アームを示す要部拡大平面図である。
【図4】図1のウエハ搬送装置の保持爪を示す要部拡大側面図である。
【図5】ウエハ保持装置によって半導体ウエハを保持した状態を示す要部側面図である。
【図6】図1のウエハ搬送装置のウエハ仮置き装置を示す要部拡大断面図である。
【図7】ウエハ仮置き装置に半導体ウエハを受け渡した状態を示す要部側面図である。
【図8】ウエハ仮置き装置において半導体ウエハに液体を噴射する状態を示す要部側面図である。
【図9】ウエハ仮置き装置におけるセンタリングを示す要部平面図である。
【図10】ウエハ研磨装置に半導体ウエハを受け渡した状態を示す要部側面図である。
【図11】図1のウエハ搬送装置のウエハ研磨装置、および従来のウエハ研磨装置の一例を示す斜視図である。
【図12】ウエハ研磨装置からウエハ保持装置に半導体ウエハを受け渡した状態を示す要部側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好ましい実施の形態につき、図面を参照して具体的に説明する。
【0016】
図1は、本発明に係るウエハ搬送装置の一例を示している。本実施形態のウエハ搬送装置Aは、ウエハ載置部1、ウエハ保持装置2、ウエハ仮置き装置3を備えており、ウエハ研磨装置4に対して半導体ウエハWの受け渡しを行う。半導体ウエハWの形状およびサイズの一例を挙げると、直径が300mm程度の円形状であり、その厚さが0.8mm程度である。
【0017】
ウエハ載置部1は、ウエハ搬送装置A外との半導体ウエハWの受け渡しを行う場所である。
【0018】
ウエハ保持装置2は、ウエハ載置部1から取り上げた半導体ウエハWをウエハ仮置き装置3へと移動させるものである。また、本実施形態においては、ウエハ保持装置2は、ウエハ研磨装置4から受け取った半導体ウエハWをウエハ載置部1へと直接移動させる機能を果たす。ウエハ保持装置2は、本体21、支持アーム22、複数の保持爪23、および複数の保持ブロック25を備えている。
【0019】
本体21は、床面に対して水平方向に回転自在に構成されており、支持アーム22を回動させるためのシリンダ(図示略)が内蔵されている。また、支持アーム22は、本体21に対して昇降自在とされている。支持アーム22は、複数の保持爪23および複数の保持ブロック25が取り付けられており、本体21の回転に伴って水平方向に回転する。また、本実施形態においては、支持アーム22のうち複数の保持爪23および複数の保持ブロック25が取り付けられた十文字状の部分は、支持アーム22の中心軸を中心として回転可能とされている。図2は、図中下方が鉛直下方に相当し、支持アーム22が本発明で言う第1の姿勢をとった状態を示している。同図に示された状態から天地が逆になるように反転した状態が、本発明で言う第2の姿勢である。
【0020】
複数の保持爪23は、図2に示すように、半導体ウエハWの周縁に接触した状態で半導体ウエハWを保持するためのものである。本実施形態においては、図3に示すように、1つの保持ブロック25につき2つの保持爪23が備えられている。図2に示すように、保持爪23および保持ブロック25は、図示しない例えばシリンダによって径方向に往復動させられるシャフト26に取り付けられている。また、図4に示すように、保持爪23は、円柱状部分23aと、この円柱状部分23aの先端に設けられた円盤状部分23bとを有している。保持爪23は、たとえば二トリルゴムなどの合成ゴムからなる。複数の保持爪23が外方に位置した場合、保持爪23の円盤状部分23b間の距離は、300mm以上であり、半導体ウエハWが複数の保持爪23の間を通過可能となる。一方、複数の保持爪23が内方に位置した場合、保持爪23の円柱状部分23a間の距離はほぼ300mmとなり、半導体ウエハWを保持可能な状態となる。
【0021】
複数の保持ブロック25は、第2の姿勢において半導体ウエハWを保持するためのものである。本実施形態においては、図1から理解されるとおり4つの保持ブロック25が備えられている。これらの保持ブロック25は、90度間隔で同心円状に配置されている。図2に示すように、保持ブロック25は、保持面25aを有している。保持面25aは、支持アーム22が第1の姿勢をとった状態で、保持爪23の円盤状部分23bよりも若干上方に位置しており、水平面に対して傾斜した平面とされている。
【0022】
ウエハ仮置き装置3は、ウエハ保持装置2から受け取った半導体ウエハWをウエハ研磨装置4へと受け渡すために仮置するためのものである。図5、図6および図9に示すように、ウエハ仮置き装置3は、フレーム31、シリンダ32、複数の下方ノズル33、複数の側方ノズル34、複数の載置ブロック35、および2つのセンタリングアーム36を備えている。なお、図5および図6においては、理解の便宜上センタリングアーム36を省略している。
【0023】
フレーム31は、たとえばステンレスなどの金属からなり、平面視円形状である。フレーム31には、複数の下方ノズル33、複数の側方ノズル34、および複数の載置ブロック35が取り付けられている。フレーム31は、シリンダ32を介して床面に固定されており昇降自在とされている。本実施形態においては、フレーム31の昇降ストロークは、125mm程度である。
【0024】
複数の下方ノズル33は、半導体ウエハWの下面をウエットな状態とするためのものであり、図9に示すようにフレーム31上に同心円状に配置されている。下方ノズル33は、半導体ウエハWの下方から液体を噴射する。複数の側方ノズル34は、半導体ウエハWの周縁をウエットな状態とするためのものであり、図8に示すように、斜め上方から半導体ウエハWに向けて液体を噴射する。半導体ウエハWに対する液体の噴射のうち、特に斜め上方から噴射する目的は、半導体ウエハWの上面に液体を溜めることにある。これにより、次工程で保持ヘッド41に半導体ウエハWを受け渡す際に、液体の表面張力を利用することによって、半導体ウエハWを保持ヘッド41に吸着させやすくなるという利点がある。
【0025】
複数の載置ブロック35は、半導体ウエハWを保持するためのものであり、図9に示すように同心円状に配置されている。本実施形態においては、4つの載置ブロック35が設けられており、2つの載置ブロック35どうしが近接した配置とされている。図6に示すように、載置ブロック35は、載置面35aを有している。載置面35aは、半導体ウエハWの周縁が接触する部分であり、水平面に対して傾斜した平面とされている。
【0026】
図9に示すように、2つのセンタリングアーム36は、フレーム31を囲むように配置されており、それぞれが円弧形状とされている。各センタリングアーム36は、2つずつの当接面36aを有している。当接面36aは、半導体ウエハWの周縁に沿った曲面とされている。2つのセンタリングアーム36どうしは、互いに接近離間動が可能とされている。
【0027】
ウエハ研磨装置4は、半導体ウエハWに対してたとえば仕上げ研磨を施すためのものであり、図11に示すように保持ヘッド41および定盤42を備えている。保持ヘッド41は、その下面に複数の吸引孔(図示略)が形成されており、半導体ウエハWを吸着によって保持可能とされている。また、本実施形態においては、上記吸引孔からは液体を噴射可能である。定盤42は、その上面に研磨パッド(図示略)が設けられている。定盤42は、支持軸を中心として回転する。保持ヘッド41は、半導体ウエハWを上記研磨パッドに押しつけながら自転および遥動可能に構成されている。半導体ウエハWは、上記研磨パッドとの摩擦により研磨される。図1に示すように、保持ヘッド41は、たとえば、旋回アーム43によって支持されている。この旋回アーム43の旋回動により、保持ヘッド41は、ウエハ仮置き装置3の直上の位置と、ウエハ仮置き装置3から退避した位置とを取ることができる。
【0028】
次に、ウエハ搬送装置Aの動作について、以下に説明する。
【0029】
まず、粗研磨などの上工程から送られてきた半導体ウエハWが、ウエハ載置部1に置かれる。ウエハ保持装置2の本体21が旋回することにより、図1に示すように支持アーム22の十文字状部分がウエハ載置部1に重なる。このとき、十字状部分は、上述した第1の姿勢をとっている。次いで、支持アーム22をウエハ載置部1に向けて下降させる。そして、複数の保持爪23間に半導体ウエハWを位置させた状態で、複数の保持爪23を内方に移動させる。これにより、半導体ウエハWが、支持アーム22によって保持される。さらに、支持アーム22を上昇させることにより、ウエハ載置部1から半導体ウエハWを取り上げることができる。なお、ウエハ載置部1からウエハ保持装置2への半導体ウエハWの受け渡しは、ウエハ載置部1から半導体ウエハWを上方に取り上げる中間取り上げ装置(図示略)を介して行ってもよい。この場合、ウエハ保持装置2は、上記第2の姿勢をとった状態で上記中間取り上げ装置から半導体ウエハWを受け取る。
【0030】
次いで、本体21を旋回させることにより、図5に示すように、支持アーム22の十文字状部分をウエハ仮置き装置3の直上に位置させる。そして、図7に示すように、シリンダ32によってフレーム31を上昇させる。この状態で複数の保持爪23を外方に移動させることにより、半導体ウエハWがウエハ保持装置2からウエハ仮置き装置3へと受け渡される。半導体ウエハWを保持しない状態となった支持アーム22は、本体21の旋回によりウエハ仮置き装置3から退避する。ウエハ仮置き装置3に受け渡された半導体ウエハWは、その周縁が複数の載置面35aに接することにより、ウエハ仮置き装置3に載置される。次いで、図8に示すように、半導体ウエハWが保持されている期間の任意のタイミングで、下方ノズル33および側方ノズル34から半導体ウエハWに向けて液体を噴射する。これにより、半導体ウエハWの上面は、十分に濡れた状態となる。
【0031】
次いで、図9に示すように、2つのセンタリングアーム36を互いに接近させる。これにより、当接面36aが半導体ウエハWの周縁を中心に向けて押す格好となる。この結果、半導体ウエハWがフレーム31に対してセンタリングされる。このセンタリング動作と図8に示した噴射動作とは、いずれを先に行ってもよい。
【0032】
次いで、図1に示した旋回アーム43の旋回動により、図10に示すようにウエハ研磨装置4の保持ヘッド41をウエハ仮置き装置3の直上に位置させる。また、シリンダ32によりフレーム31をさらに上昇させる。さらに、保持ヘッド41の上記吸引孔から液体を噴射することにより、半導体ウエハWの上面をウエットな状態とする。そして、上記吸引孔から吸引することにより、半導体ウエハWが保護ヘッド41に吸着される。この吸着が完了したのちに、図9に示す2つのセンタリングアーム36を外方へと退避させる。半導体ウエハWを保持した保持ヘッド41は、図11に示すように定盤42上に移動される。そして、保持ヘッド41の自転および遥動と、定盤42の自転とにより、半導体ウエハWの下面に対して仕上げ研磨を施す。
【0033】
仕上げ研磨を施した後は、図12に示すように、保持ヘッド41を仮置き装置3の直上に移動させる。また、フレーム31を下降させる。これに並行して、ウエハ保持装置2の支持アーム22の十字状部分を回転させることにより第2の姿勢をとらせておく。そして、支持アーム22の十字状部分を保持ヘッド41の直下に移動させる。複数の保持爪23を外方に移動させた状態で、保持ヘッド41の吸引を停止し、必要であればエア噴射または液体噴射する。これにより、半導体ウエハWが保持ヘッド41からウエハ保持装置2へと受け渡される。受け渡された半導体ウエハWは、その周縁が図2に示す保持ブロック25の保持面25aに接触することによって保持される。この後は、複数の保持爪23を内方に移動させることにより、複数の保持爪23によって半導体ウエハWを保持可能な状態とする。次いで、本体21を回転させた上で、支持アーム22の十字状部分を回転させることにより第1の姿勢をとらせる。そして、支持アーム22の十字状部分をウエハ載置部1の直上に位置させる。この状態で支持アーム22をウエハ載置部1に向けて下降させ、複数の保持爪23を外方に移動させることにより、半導体ウエハWがウエハ載置部1へと受け渡される。ウエハ載置部1に受け取られた半導体ウエハWは、たとえば洗浄工程などの下工程へと送られる。
【0034】
次に、ウエハ搬送装置Aの作用について説明する。
【0035】
本実施形態によれば、ウエハ仮置き装置3によって保持された半導体ウエハWは、側方ノズル34によってその上面が濡れた状態とされる。この濡れた面に対してウエハ研磨装置4の保持ヘッド41が吸引動作を行うと、半導体ウエハWの上面にたまった液体が吸引されながら、半導体ウエハWの上面が保持ヘッド41に吸着される。
【0036】
また、ウエハ保持装置2およびウエハ仮置き装置3によって半導体ウエハWが保持されるときには、半導体ウエハWの周縁が保持爪23、保持面25a、および載置面35aに接触するだけであり、半導体ウエハWの上下面はいずれの箇所にも接触しない。このため、半導体ウエハWの上下面に吸着痕が生じるおそれがない。これにより、特にウエハ研磨装置4によって仕上げ研磨された面を清浄な状態に保つことが可能である。
【0037】
同心円状に配置された複数の保持爪23を径方向に往復動させることにより、ウエハ保持装置2による半導体ウエハWの保持および解放を適切かつ迅速に行うことができる。
【0038】
ウエハ仮置き装置3のフレーム31が昇降自在であることにより、ウエハ保持装置2からの半導体ウエハWの受け取り、およびウエハ研磨装置4の保持ヘッド41への半導体ウエハWの受け渡しをスムーズに行うことができる。
【0039】
ウエハ保持装置2には、複数の保持面25aが設けられており、支持アーム22の十字状部分は反転可能であることにより第2の姿勢をとる。これにより、ウエハ研磨装置4の保持ヘッド41から受け取った半導体ウエハWをウエハ仮置き装置3を経由することなくウエハ載置部1へと直接受け渡すことが可能である。これは、半導体ウエハWの研磨面を清浄な状態に保つとともに、半導体ウエハWのハンドリングに要する時間を短縮するのに適している。
【0040】
本発明に係るウエハ搬送装置は、上述した実施形態に限定されるものではない。本発明に係るウエハ搬送装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【符号の説明】
【0041】
A ウエハ搬送装置
W 半導体ウエハ
1 ウエハ載置部
2 ウエハ保持装置
21 本体
22 支持アーム
23 保持爪
23a 円柱状部分
23b 円盤状部分
25 保持ブロック
25a 保持面
26 シャフト
3 ウエハ仮置き装置
31 フレーム
32 シリンダ
33 下方ノズル
34 側方ノズル
35 載置ブロック
35a 載置面
36 センタリングアーム
36a 当接面
4 ウエハ研磨装置
41 保持ヘッド
42 定盤
43 旋回アーム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体ウエハを保持する保持ヘッド、および上記保持ヘッドに保持された上記半導体ウエハを研磨する定盤を具備するウエハ研磨装置に対するウエハ搬送を行うウエハ搬送装置であって、
上記半導体ウエハを保持するウエハ保持装置と、
上記半導体ウエハの周縁に接触する複数の載置面を有しているとともに、上記ウエハ保持装置から上記半導体ウエハを受け取ったのちに上記半導体ウエハの上記保持ヘッドと対向する面を濡らすための液体を噴出するノズルを有し、かつこの半導体ウエハを上記保持ヘッドが吸着によって取り上げ可能な状態に保持するウエハ仮置き装置と、
を備えることを特徴とする、ウエハ搬送装置。
【請求項2】
上記ウエハ保持装置は、上記半導体ウエハの周縁に接触した状態で上記半導体ウエハを保持する複数の保持爪を有する、請求項1に記載のウエハ搬送装置。
【請求項3】
上記複数の保持爪は、同心円状に配置されており、径方向に往復動可能とされている、請求項2に記載のウエハ搬送装置。
【請求項4】
上記ウエハ仮置き装置は、昇降可能とされており、
上記ウエハ保持装置から上記半導体ウエハを受け取るときの位置よりも、上記保持ヘッドが取り上げるときの位置の方が高い、請求項2または3に記載のウエハ搬送装置。
【請求項5】
上記半導体ウエハを下工程に送るためのウエハ載置部を備えており、
上記ウエハ保持装置は、上記複数の保持爪を支持する支持アームを有しており、
上記支持アームは、上記ウエハ仮置き装置に正対する第1の姿勢と、上記保持ヘッドに正対する第2の姿勢とをとり、
上記ウエハ保持装置は、上記ウエハ研磨装置によって研磨された上記半導体ウエハを上記第2の姿勢で受け取り、かつ上記第1の姿勢で上記ウエハ載置部に受け渡す、請求項2ないし4のいずれかに記載のウエハ搬送装置。
【請求項6】
上記ウエハ保持装置は、上記第2の姿勢において上記半導体ウエハの周縁と接触する複数の保持面を有している、請求項5に記載のウエハ搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−195349(P2012−195349A)
【公開日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−56510(P2011−56510)
【出願日】平成23年3月15日(2011.3.15)
【出願人】(302006854)株式会社SUMCO (1,197)
【出願人】(000153672)株式会社住友金属ファインテック (35)
【Fターム(参考)】