説明

ウォッシャノズル付き車載カメラ及び車載カメラ用洗浄システム

【課題】車両ボディへの液体の付着を抑えることができるウォッシャノズル付き車載カメラを提供する。
【解決手段】カメラCは、ハウジングH及び該ハウジングHに設けられたレンズ10dを有するカメラ本体10と、撮影窓部10b(レンズ10d)に向けて洗浄液Wを供給するカメラ用ノズル11(ノズル部)とを備える。そして、レンズ10dよりも鉛直方向下側部位には、レンズ10d側から流れてきた洗浄液WのハウジングHの下側への回り込みを回避する水切突起12cが設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウォッシャノズル付き車載カメラ及び車載カメラ用洗浄システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、車両周囲の状況を撮影する車載カメラ(例えばリヤビューカメラ)の撮影映像をカーナビゲーション用のモニタ等に表示させる技術が知られている。車載カメラは車外の車両ボディに装着されるためにレンズが雨や泥等で汚れてしまうことが多い。そのため、車載カメラのレンズに洗浄液等の液体を吹き付けて汚れを除去するようにした構成が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−53448号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1のような洗浄システムでは、車載カメラのレンズに向けて吹き付けた洗浄液が、レンズへの着水後に下方に流れてカメラのハウジングの下側に回り込んで車両ボディに付着すると、洗浄液跡で車両ボディが汚れてしまうという問題がある。
【0005】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、車両ボディへの液体の付着を抑えることができるウォッシャノズル付き車載カメラ及び車載カメラ用洗浄システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、車両の外部に搭載されるウォッシャノズル付き車載カメラにおいて、ハウジング及び該ハウジングに設けられたレンズを有するカメラ本体と、前記レンズに向けて液体を供給するノズル部とを備え、前記レンズよりも鉛直方向下側部位には、前記レンズ側から流れてきた液体の前記ハウジングの下側への回り込みを回避する水切突起が設けられたことを特徴とする。
【0007】
この発明では、ノズルから供給された液体は、レンズを洗浄した後に水切突起によって案内されてハウジングの下側に回り込んでしまうことが抑制されている。このため、ノズル部から供給された液体がハウジングの下側に回り込んで車両ボディに付着してしまうことを抑制することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のウォッシャノズル付き車載カメラにおいて、前記水切突起は、前記車両のボディから離反する方向に突出していることを特徴とする。
【0009】
この発明では、ノズル部から供給された液体は、レンズを洗浄した後に水切突起によって車両ボディから離反方向に案内されて、車両ボディへの液体付着をより確実に抑制することができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のウォッシャノズル付き車載カメラにおいて、前記ノズル部には、前記液体を供給する吐出口の上流側にチェックバルブが設けられたことを特徴とする。
【0011】
この発明では、ノズル部内に残存する液体が車両の発進等による加速で吐出口から漏れ出てしまうことを防止するとともに、流路内にエアーが入り込むことによる液体供給の応答性の悪化を防止することができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、ハウジング及び該ハウジングに設けられたレンズを有するカメラ本体と、前記レンズに向けて液体を供給するノズル部とを備えたウォッシャノズル付き車載カメラが車両の外部に搭載された車載カメラ用洗浄システムにおいて、前記レンズよりも鉛直方向下側部位には、前記レンズ側から流れてきた液体の前記ハウジングの下側への回り込みを回避する水切突起が設けられたことを特徴とする。
【0013】
この発明では、ノズル部から供給された液体は、レンズを洗浄した後に水切突起によって案内されてハウジングの下側に回り込んでしまうことが抑制されている。このため、ノズル部から供給された液体がハウジングの下側に回り込んで車両ボディに付着してしまうことを抑制することができる。
【発明の効果】
【0014】
従って、上記記載の発明によれば、車両ボディへの液体の付着を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態における車両用ウォッシャ装置の概略構成図である。
【図2】(a)は第1実施形態のウォッシャノズル付き車載カメラの外観斜視図、(b)はその断面図である。
【図3】(a)は第2実施形態のウォッシャノズル付き車載カメラの外観斜視図、(b)はその断面図である。
【図4】(a)は別例のウォッシャノズル付き車載カメラの外観斜視図、(b)はその断面図である。
【図5】別例のウォッシャノズルの取付態様を示す平面図。
【図6】別例のウォッシャノズル付き車載カメラの断面図。
【図7】別例のウォッシャノズル付き車載カメラの断面図。
【図8】別例のウォッシャノズル付き車載カメラの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施形態の車載カメラ用洗浄システム1のウォッシャタンク3は、車両2のエンジンルーム内に設置されている。ウォッシャタンク3には、その内部に洗浄液Wが貯留されるとともに、ウォッシャタンク3の側壁には、筒状のインレット(図示略)がウォッシャタンク3内に挿入された状態でポンプ装置4が装着されている。ポンプ装置4には、車両2のフロントガラス2aに洗浄液Wを噴射するフロントウォッシャノズル(フロントノズル)5と、車両2のリヤガラス2bに洗浄液Wを噴射するリヤウォッシャノズル(リヤノズル)6とがそれぞれホース7a,7bを介して接続されている。そして、車室内に配置された操作スイッチ8の操作に基づいてポンプ装置4が作動され、ポンプ装置4のインレットから吸入された洗浄液Wがフロントノズル5からフロントガラス2aに、若しくはリヤノズル6からリヤガラス2bに向けて択一的に噴射されるようになっている。
【0017】
また、車両2には、カーナビゲーション装置が搭載され、地図等の表示がなされるナビゲーション用のモニタ9が車室内に備えられるとともに、車両2の後部に備えられるウォッシャノズル付き車載カメラ(以下、単にカメラと言う)Cにて撮影された車両後方下部の外部映像が、例えば車両後進時にそのモニタ9に表示されるようになっている。
【0018】
図2(a)(b)に示すように、本実施形態のカメラCは、カメラ本体10と、カメラ本体10に一体に装着されたカメラ用ウォッシャノズル(カメラ用ノズル)11とを備える。カメラ用ノズル11は、カメラ本体10の撮影面10aに付着した雨滴や泥等の異物を除去すべく洗浄液Wを吐出するものである。
【0019】
カメラ本体10は、略立方体状をなすハウジングHを有し、そのハウジングH内部に撮像素子10cとレンズ10dとを備えている。ハウジングHの一面は、その内部の撮像素子10cがレンズ10dを介して臨む円形状の撮影窓部10bを有する撮影面10aとして構成されている。
【0020】
カメラ用ノズル11は、カメラ本体10の上部に位置するノズル本体部13と、撮影面10aを露出させてカメラ本体10を抱え込むように保持する保持部12とを有し、該保持部12に対してカメラ本体10が着脱可能に保持される。保持部12は、ノズル本体部13から延びてカメラ本体10の幅方向両側面を覆う側面部12aと、カメラ本体10の底面を覆う底面部12bとを有する。
【0021】
ノズル本体部13には、背面側(車両2の取付状態では車両2の前方側)において、略円筒状の差込部14が突出するように設けられている。カメラ用ノズル11は、前記リヤノズル6に向かうホース7bの途中でTジョイントなどにより分岐して接続されたホース7cの一端が差込部14に差し込まれて洗浄液Wが導入される。差込部14の内側に形成される洗浄液Wの流路15は、ノズル本体部13内を背面側から正面側に向けて(車両2の前方側から後方側に向けて)直線的に延設され、そのノズル本体部13の正面側(車両2の後方側)に設けられる吐出部16に至るまで(後述する内部噴射孔18まで)延設されている。
【0022】
また、流路15の途中には、チェックバルブ17が備えられている。チェックバルブ17は、前記ポンプ装置4の作動による洗浄液Wの供給に基づいて開弁して吐出部16側に連通して洗浄液Wを供給し、ポンプ装置4の作動が停止すると閉弁して吐出部16側との連通が遮断され、洗浄液Wの吐出部16側への供給を停止する。つまり、ポンプ装置4の停止状態では、吐出部16からの洗浄液Wの漏れが防止されている。
【0023】
流路15の終端、即ち吐出部16との境界部分においては、その流路15断面の略中心部に該流路15の内径より十分に小さい開口径の円形状の内部噴射孔18が設けられている。この内部噴射孔18からは、流速が高められた洗浄液Wが吐出部16側に向けて拡散するように噴射されるようになっている。
【0024】
吐出部16は、カメラ本体10の撮影面10aから若干突出するように設けられている。吐出部16は、カメラ本体10の正面視で該カメラ本体10(撮影窓部10b)の上部に位置し、下面(重力方向下側)に吐出口19を有している。吐出口19は、幅方向に長い長方形状をなしており、その長辺側の一辺がカメラ本体10の撮影面10aと一致するように該撮影面10aと段差なく設けられる。吐出口19は、その幅方向の開口長さL1が、カメラ本体10の撮影面10aにおける円形状の撮影窓部10bの直径L2と略同等に設定されている。因みに、幅方向と直交する側の吐出口19の開口長さL3は、幅方向の開口長さL1に比べて十分に小さく設定され、また吐出口19がカメラ本体10の撮影面10aと段差なく設けられることから、吐出部16の突出は十分小さいものとなっている。
【0025】
吐出部16内に形成される流路20は、吐出口19と前記内部噴射孔18とを連通しており、吐出口19の開口形状と同じ長方形状の断面形状(直方体状の空間)をなしている。吐出部16内の流路20は、前記差込部14から内部噴射孔18まで延設されたノズル本体部13内の流路15の延設方向と直交、この場合、内部噴射孔18との対向面20aが該噴射孔18の中心部の噴射方向と直交する平面をなすように延設されている。また、このように延設された吐出部16内の流路20は、カメラ本体10の撮影面10aに対しては平行をなし、該流路15の内部噴射孔18側の平面20bがカメラ本体10の撮影面10aと面一、即ち上記したように吐出口19がカメラ本体10の撮影面10aと段差なく構成されている。また、この流路20は、内部噴射孔18部分よりも反吐出口側(上側)にも若干に延設されている。
【0026】
このようなカメラCにおいて、保持部12の底面部12bの車両後方側端部には、スロープ状の水切突起12cが形成されている。図2(b)に示すように、水切突起12cは、底面部12bから下方に向かうにつれて車両ボディBから離反するように傾斜して延びており、水切突起12cの先端部は、カメラ本体10の撮影面10a及びノズル本体部13の吐出口19よりも車両後方側に位置している。また、図2(a)に示すように、水切突起12cは、底面部12bの幅方向全体に亘って形成されており、その水切突起12cの幅方向長さL4は、撮影窓部10bの直径L2よりも大きく設定されている。
【0027】
次に、上記実施形態の作用について説明する。
カメラCは、カメラ用ノズル11の差込部14にホース7cの一端が差し込まれて、車両2の後部に取り付けられる。そして、ポンプ装置4の作動により、リヤノズル6とともにカメラ用ノズル11に洗浄液Wが供給されることで、ノズル本体部13内のチェックバルブ17が開弁し、内部噴射孔18を経て吐出部16側に供給される。
【0028】
このとき、内部噴射孔18から噴射された洗浄液Wは、吐出部16内の対向面20aに一旦当たるようにして吐出部16内の流路20に溜められつつ吐出口19からその開口形状に規制された状態で吐出される。つまり、内部噴射孔18からの噴射方向と交差する方向に流路20を延設し、その流路20の吐出口19から吐出された洗浄液Wは、カメラ本体10の撮影面10aを沿った速い流速で撮影窓部10bを少なくとも覆う幅で略平行に吐出される。そして、撮影窓部10bを中心としたカメラ本体10の撮影面10aの雨滴や泥等の異物が好適に洗い流されるようになっている。
【0029】
そして、吐出口19から吐出された洗浄液Wは、撮影面10aを洗い流した後、鉛直方向下方に流れて水切突起12cに到達する。そして、その洗浄液Wは、図2(b)に示すように、水切突起12cの傾斜形状に沿って車両ボディBから離反する方向に案内され、水切突起12cから車両ボディBに付着することなく落下する。これにより、吐出口19から吐出された洗浄液Wが撮影面10aを洗い流した後に保持部12の底面部12b側に回り込んで車両ボディBに付着してしまうことが抑制されるようになっている。
【0030】
次に、本実施形態の特徴的な効果を記載する。
(1)本実施形態では、カメラCは、ハウジングH及び該ハウジングHに設けられたレンズ10dを有するカメラ本体10と、撮影窓部10b(レンズ10d)に向けて洗浄液Wを供給するカメラ用ノズル11(ノズル部)とを備える。そして、レンズ10dよりも鉛直方向下側部位には、レンズ10d側から流れてきた洗浄液WのハウジングHの下側への回り込みを回避する水切突起12cが設けられる。このため、ノズル本体部13から供給された洗浄液WがハウジングHの下側に回り込んで車両ボディBに付着してしまうことを抑制することができる。
【0031】
(2)本実施形態では、水切突起12cが車両ボディBから離反する方向に突出しているため、ノズル本体部13から供給された洗浄液Wが、レンズ10dを洗浄した後に水切突起12cによって車両ボディBから離反方向に案内されて、車両ボディBへの洗浄液Wの付着をより確実に抑制することができる。
【0032】
(3)本実施形態では、ノズル本体部13には、洗浄液Wを供給する吐出口の上流側にチェックバルブ17が設けられる。このため、ノズル本体部13内に残存する洗浄液Wが車両2の発進等による加速で吐出口19から漏れ出てしまうことを防止するとともに、流路15内にエアーが入り込むことによる洗浄液Wの供給の応答性の悪化を防止することができる。
【0033】
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態を図面に従って説明する。
本実施形態のカメラCは、ノズル本体部13とカメラ本体10との固定構造が上記第1実施形態とは異なっている。従って、以下には、上記第1実施形態と同様の構成については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0034】
図3(a)(b)に示すように、本実施形態のカメラCのノズル本体部13は、下端部から幅方向両側に延びるフランジ部30と、フランジ部30に形成されたそれぞれ4つの第1係止爪31a及び第2係止爪31bを有している。第1係止爪31aは、フランジ部30の幅方向両端部にそれぞれ2つずつ形成されており、第2係止爪31bは、フランジ部30の前後方向両端部にそれぞれ2つずつ形成されている。この第1及び第2係止爪31a,31bは弾性形状をなし、カメラ本体10のハウジングHにそれぞれ係止されている。詳しくは、第1係止爪31aはハウジングHの幅方向両側の側面10fにそれぞれ係止され、第2係止爪31bはハウジングHの撮影面10aと車両後方側の端面とにそれぞれ係止されている。この第1及び第2係止爪31a,31bの係止によってカメラ本体10とノズル本体部13とが互いに固定されている。
【0035】
また、本実施形態のカメラ本体10のハウジングHの底面10eには、上記第1実施形態の同様形状の水切突起32が接着されている。この水切突起32は、上記第1実施形態と同様の役割をなし、本実施形態も上記第1実施形態と同様の作用効果を得ることができるようになっている。
【0036】
本実施形態では、第1及び第2係止爪31a,31bの係止によってカメラ本体10とノズル本体部13とが互いに固定されているため、カメラ本体10に対するノズル本体部13の着脱が容易となっている。これにより、カメラ用ノズル11の設定の無い車載カメラに対して後付けで容易に洗浄システムを構成することが可能となっている。また、上記第1実施形態の保持部12のようにカメラ本体10を抱え込むように保持する構成に比べて、上下方向の寸法を小さく抑えることが可能となっている。
【0037】
また、本実施形態では、第1係止爪31aがカメラ本体10のハウジングHの幅方向の側面10fと、第2係止爪31bがハウジングHの前後方向の端面とそれぞれ係止される構成であるため、ノズル本体部13とカメラ本体10との幅方向及び前後方向の位置決めが可能となっている。
【0038】
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記第1実施形態では、水切突起12cが保持部12に一体形成されたが、これに特に限定されるものではなく、例えば水切突起12cを保持部12に接着固定してもよく、また、保持部12に対して着脱可能に構成してもよい。
【0039】
・上記第2実施形態では、第1及び第2係止爪31a,31bの係止によってカメラ本体10とノズル本体部13とが互いに固定されたが、これに特に限定されるものではなく、例えば図4(a)(b)及び図5に示すような構成としてもよい。図4(a)(b)及び図5に示す構成では、ノズル本体部13の幅方向両側にはそれぞれ、該ノズル本体部13の車両後方側端部から前方側に延びる弾性係止部41が形成されている。この弾性係止部41は、カメラ本体10のハウジングHの上面10gに形成された2つの立設係止部10hにそれぞれ係止され、これにより、カメラ本体10とノズル本体部13とが互いに固定されている。
【0040】
尚、図4及び図5に示す一例では、カメラ本体10の撮影窓部10bは撮影面10aから若干突出しており、その周縁部には、撮影面10aから離れるにつれて縮径するテーパ状をなす傾斜部10iが形成されている。そして、ノズル本体部13の車両後方側端部から下側(カメラ本体10側)に延びる延出部42の下端部は、撮影窓部10bの傾斜部10iの上部と上下方向に当接しており、これにより、ノズル本体部13の上下方向の位置決めがなされている。
【0041】
また、上記第2実施形態や図4及び図5に示す一例のように、第1及び第2係止爪31a,31b又は弾性係止部41の係止によってカメラ本体10とノズル本体部13とを互いに固定するのではなく、接着によってカメラ本体10とノズル本体部13とを固定してもよい。
【0042】
また、図4及び図5に示す一例では、弾性係止部41と立設係止部10hとの係止によってカメラ用ノズル11とカメラ本体10とが互いに固定される構成としたが、特にこれに限定されるものではない。例えば、図8に示すように、ノズル本体部13の車両後方側端部の延出部42と、ノズル本体部13の車両前方側端部から下側(カメラ本体10側)に延びる係止爪部43のカメラ本体10のハウジングHに対する係止によって、カメラ用ノズル11とカメラ本体10とが互いに固定される構成としてもよい。
【0043】
・上記各実施形態では、水切突起12c,32を、車両ボディBから離反するように傾斜して延びるスロープ状としたが、これに特に限定されるものではない。例えば、図6に示すように、車両ボディBと平行に下方に延びる形状としてもよく、また、図7に示すように、車両ボディBと平行に下方に延びた下端部から車両後方側に延ばして全体としてL字状をなすように構成してもよい。このような構成においても、上記各実施形態と略同様の作用効果を得ることができる。
【0044】
・上記各実施形態では、水切突起12c,32が保持部12又はハウジングHの幅方向全体に亘って設けられているが、これに特に限定されるものではなく、保持部12又はハウジングHよりも幅方向に小さく構成してもよい。
【0045】
・上記各実施形態では、水切突起12cが保持部12の底面部12b又はカメラ本体10のハウジングHの底面10eに設けられたが、レンズ10d(撮影窓部10b)よりも鉛直方向下側部位に設けられていればよく、例えば撮影面10aに設けられていてもよい。
【0046】
・上記各実施形態では、カメラ用ノズル11にカメラ本体10を着脱可能に装着する構成としたが、カメラ本体10のハウジングHにカメラ用ノズル11を一体形成してもよい。
【0047】
・上記実施形態では、内部噴射孔18の中心部の噴射方向と直交方向に吐出部16内の流路20を延設したが、その噴射方向に対して直角以外の所定角度で斜めに交差するように流路20を構成し、流路20の対向面20aに洗浄液Wを斜めに当てるようにしてもよい。
【0048】
・上記各実施形態では、吐出部16内の流路20をカメラ本体10の撮影面10aと平行としたが、カメラ本体10の撮影面10aに対して吐出部16内の流路20が斜めに延設し、撮影面10aに対して斜めに洗浄液Wを吐出させてもよい。また、吐出口19とカメラ本体10の撮影面10aとの間に若干の段差を有していてもよい。また、吐出口19から洗浄液Wを重力方向下側に吐出させたが、吐出方向を変更してもよい。
【0049】
・上記各実施形態では、カメラCの正面視で吐出口19から洗浄液Wを撮影窓部10bの直径L2と略同幅で平行に吐出させたが、例えば幅広となるように洗浄液Wを吐出させてもよい。また、吐出口19からの洗浄液Wは、撮影窓部10bの直径L2と略同幅で吐出されなくてもよい。
【0050】
・上記各実施形態では、ノズル本体部13内にチェックバルブ17を備えて構成したが、チェックバルブ17を備えずとも止水が十分な構成とすれば、チェックバルブ17を省略してもよい。
【0051】
・上記各実施形態では、リヤノズル6側に向かうホース7bから単にホース7cを分岐させてカメラ用ノズル11に接続し、リヤノズル6での洗浄液Wの噴射と同時にカメラ用ノズル11での洗浄液Wの吐出が実施される構成としたが、これに特に限定されるものではない。例えば、リヤノズル6とカメラ用ノズル11とでポンプ装置4を個々に設けたり、リヤノズル6とカメラ用ノズル11との流路を切り替える切替バルブ等を用いて、それぞれ独立して作動するようにしてもよい。
【0052】
・上記各実施形態では、後方視認用のカメラCに適用したが、側方視認用のサイドビューカメラや前方視認用のフロントビューカメラ等、その他の車載カメラに適用してもよい。
【符号の説明】
【0053】
1…車載カメラ用洗浄システム、2…車両、10…カメラ本体、10d…レンズ、12c,32…水切突起、11…カメラ用ウォッシャノズル(ノズル部)、17…チェックバルブ、19…吐出口、C…ウォッシャノズル付き車載カメラ、H…ハウジング、W…洗浄液。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の外部に搭載されるウォッシャノズル付き車載カメラにおいて、
ハウジング及び該ハウジングに設けられたレンズを有するカメラ本体と、前記レンズに向けて液体を供給するノズル部とを備え、
前記レンズよりも鉛直方向下側部位には、前記レンズ側から流れてきた液体の前記ハウジングの下側への回り込みを回避する水切突起が設けられたことを特徴とするウォッシャノズル付き車載カメラ。
【請求項2】
請求項1に記載のウォッシャノズル付き車載カメラにおいて、
前記水切突起は、前記車両のボディから離反する方向に突出していることを特徴とするウォッシャノズル付き車載カメラ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のウォッシャノズル付き車載カメラにおいて、
前記ノズル部には、前記液体を供給する吐出口の上流側にチェックバルブが設けられたことを特徴とするウォッシャノズル付き車載カメラ。
【請求項4】
ハウジング及び該ハウジングに設けられたレンズを有するカメラ本体と、前記レンズに向けて液体を供給するノズル部とを備えたウォッシャノズル付き車載カメラが車両の外部に搭載された車載カメラ用洗浄システムにおいて、
前記レンズよりも鉛直方向下側部位には、前記レンズ側から流れてきた液体の前記ハウジングの下側への回り込みを回避する水切突起が設けられたことを特徴とする車載カメラ用洗浄システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−175359(P2012−175359A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−34818(P2011−34818)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(000101352)アスモ株式会社 (1,622)
【Fターム(参考)】