説明

ウォータジャケットスペーサ

【課題】構造が簡単で、ウォータジャケット内に挿入し易く、ウォータジャケット内を流通する冷却水の流量を適正に規制することができるウォータジャケットスペーサを提供する。
【解決手段】シリンダブロック2のウォータジャケット3内に挿入して組み付けられて冷却水の流量を規制するウォータジャケットスペーサ1であって、スペーサ本体10と、前記スペーサ本体10の内外いずれかの周面10aに形成された弾性変形自在な素材からなる突壁11と、前記突壁11の先端部11bを、該突壁11が前記スペーサ本体10の前記周面10aに重なって折り曲げられ弾性変形した状態となるよう、前記スペーサ本体10に仮固定し、前記ウォータジャケット3内への挿入後に、前記冷却水によって前記仮固定が解除され、前記突壁11が弾性復元するように形成された仮固定手段12とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用水冷式エンジンのシリンダブロックに形成されるウォータジャケットに挿入され、該ウォータジャケット内を流通する冷却水の流量を規制するウォータジャケットスペーサに関する。
【背景技術】
【0002】
前記のようなシリンダブロックには、シリンダボア壁まわりにウォータジャケットが形成され、このウォータジャケットに冷却水(不凍液が混合された冷却水も含む)が流通され、加熱されるシリンダボア壁の冷却がなされる。このようなウォータジャケットによる冷却構造には、特許文献1に示すようなクローズドデッキタイプと、特許文献2及び特許文献3に示すようなオープンデッキタイプとがある。そして、ウォータジャケットには、流通する冷却水の流量を適正化するため、ウォータジャケットスペーサが挿入される。特許文献1には、ウォータジャケットに挿入されるスペーサ(シリンダブロック用スペーサ)が、挿入後シリンダボア壁に密着若しくは近接するよう変形可能に構成されたクローズドデッキタイプのシリンダブロックが記載されている。特許文献1には、スペーサの一実施形態として、一部、または全部が水膨潤性を有するものとされた例が示されている。この場合、水に膨潤されるまでは、スペーサが嵩低く、水孔からウォータジャケットへの挿入が支障なくなされる。また、特許文献2には、冷却水によって膨潤が厚み方向に許容されるように調製された膨潤材を有する調整部を、ウォータジャケットスペーサの基体に取付たウォータジャケットスペーサが提案されている。このような調整部を有するウォータジャケットスペーサは、ウォータジャケットに挿入され、冷却水が流通すると、調整部が膨潤してシリンダボア壁に当接し、これによって冷却水の流量を調整し得るよう構成されている。この場合も、挿入時には調整部は膨潤していないから、ウォータジャケットへの挿入が支障なくなされる。更に、特許文献3には、ウォータジャケットの溝幅より薄いスペーサと、該スペーサの上端又は両面に設けられる弾性変形可能な流路分離部材とを備えたウォータジャケットスペーサが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−19472号公報
【特許文献2】特開2007−71039号公報
【特許文献3】特開2008−25474号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された前記例のスペーサの場合、ウォータジャケットに挿入後の水による膨潤は、スペーサの面域方向にもなされるため、スペーサを確実にシリンダボア壁に密着若しくは近接させるには設計上の難しさがあることは否めなかった。ところで、特許文献2及び特許文献3に示されるようなオープンデッキタイプのシリンダブロックとして、アルミ合金等の鋳造品が多く用いられている。この場合、特許文献2にも記載されているとおり、鋳型の特性上、エンジンの規模(排気量)によっては、ウォータジャケットの溝幅が必要幅より大とならざるを得ないことがあり、ウォータジャケットの冷却水容量が、当該エンジンに適正な冷却水の量より多くなることがある。そのため、特許文献2では、ウォータジャケットスペーサに、前記調整部を取付け、この調整部によって、ウォータジャケット内を流通する冷却水の流量を規制するようにしている。このウォータジャケットスペーサは、冷却水によって膨潤が厚み方向に許容される調整部を有しているから、前記冷却水の流量を規制する機能に加えて、ウォータジャケットへの挿入性もよい。しかし、膨潤材の膨潤をウォータジャケットスペーサの面域方向に規制し、厚み方向に許容するよう調製することは、調製の煩わしさを伴い、また、部品コストの増大をもたらすことにもなり、その一層の改良が望まれるところであった。更に、特許文献3に示されるウォータジャケットスペーサは、ウォータジャケットに挿入する際、流路分離部材を圧縮し弾性変形させて挿入する必要がある。しかも、このウォータジャケットスペーサはウォータジャケットの底部に配置されるものであるため、流路分離部材の弾性変形を伴った挿入には、押込むための何らかの工具を必要とし、ウォータジャケットに対する挿入性の点でなお改良の余地が残されていた。
【0005】
本発明は、上記に鑑みなされたもので、構造が簡単で、ウォータジャケット内に挿入し易く、ウォータジャケット内を流通する冷却水の流量を適正に規制することができるウォータジャケットスペーサを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るウォータジャケットスペーサは、シリンダブロックのウォータジャケット内に挿入して組み付けられて冷却水の流量を規制するウォータジャケットスペーサであって、スペーサ本体と、前記スペーサ本体の内外いずれかの周面に形成された弾性変形自在な素材からなる突壁と、前記突壁の先端部を、該突壁が前記スペーサ本体の前記周面に重なって折り曲げられ弾性変形した状態となるよう、前記スペーサ本体に仮固定し、前記ウォータジャケット内への挿入後に、前記冷却水によって前記仮固定が解除され、前記突壁が弾性復元するように形成された仮固定手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明に係るウォータジャケットスペーサは、シリンダブロックのウォータジャケット内に挿入して組み付けられる。これによって、ウォータジャケット内に流通される冷却水の容量が調整される。また、当該ウォータジャケットスペーサの主体であるスペーサ本体の内外いずれかの面には弾性変形自在な素材からなる突壁が設けられており、この突壁によって、ウォータジャケット内を流通する冷却水の流量が規制される。従って、スペーサ本体の大きさ(厚さ等)や、突壁の配置態様(個数、ウォータジャケットの深さ方向の位置等)を適宜設定することによって、シリンダボア壁温度を適正に維持するよう設計することができる。そして、仮固定手段によって、前記突壁が、前記スペーサ本体の前記周面に重なって折り曲げられ弾性変形した状態とされるから、当該ウォータジャケットスペーサをウォータジャケットに挿入する際に障害となり難く、シリンダブロックに対するスムースな組み付けが可能となる。しかも、ウォータジャケット内に挿入した後は、冷却水によって前記仮固定が解除され、突壁が弾性復元するから、突壁が所期の流量を規制する機能を発揮する。
【0008】
本発明において、前記仮固定手段が、前記冷却水によって溶融する接着性材料からなるものとしても良い。これによれば、接着性材料によって、突壁の先端部とスペーサ本体の周面とが接着固定されて、突壁が前記弾性変形した状態に維持され、ウォータジャケット内への挿入が円滑になされる。そして、ウォータジャケット内に挿入された後、冷却水に接すると、この接着性材料が溶融し、仮固定が解除されて突壁が弾性復元する。
【0009】
本発明において、前記仮固定手段が、前記突壁の前記先端部または前記スペーサ本体の前記周面の一部を構成し、相手部材に溶着可能且つ前記冷却水によって溶融する溶着性材料からなるものとしても良い。これによれば、突壁の前記先端部または前記スペーサ本体の前記周面の一部は、一方を構成する前記材料の溶着によって互いに溶着固定されて、突壁が前記弾性変形した状態に維持され、ウォータジャケット内への挿入が円滑になされる。そして、ウォータジャケット内に挿入された後、冷却水に接すると溶着部分が溶融し、仮固定が解除されて突壁が弾性復元する。
【0010】
本発明において、前記仮固定手段が、前記冷却水によって溶融する材料で形成された固定具からなるものとしても良い。これによれば、固定具によって、突壁が前記弾性変形した状態に維持され、ウォータジャケット内への挿入が円滑になされる。そして、ウォータジャケット内に挿入された後、冷却水に接すると前記固定具が溶融し、仮固定が解除されて突壁が弾性復元する。
【0011】
本発明において、前記仮固定手段が、前記周面に設けられた係止部からなるものとしても良い。これによれば、係止部によって、突壁が前記弾性変形した状態に維持され、ウォータジャケット内への挿入が円滑になされる。そして、ウォータジャケット内に挿入された後、冷却水が流通を始めると、流通圧によって突壁が弾性変形して係止部から外れ、これによって仮固定が解除されて突壁が弾性復元する。この場合、前記突壁の前記先端部または前記係止部が、前記冷却水によって溶融する材料で形成されているものとしても良い。これによれば、冷却水による当該材料の溶融により、前記仮固定の解除がよりスムースになされる。
【0012】
本発明において、前記突壁の前記先端部は、前記仮固定が解除されると、前記突壁と対向する前記ウォータジャケットの壁面に弾性的に接触した状態とされるものとしても良い。これによって、突壁による冷却水の流量の規制がより的確になされる。
【発明の効果】
【0013】
本発明に係るウォータジャケットスペーサによれば、ウォータジャケット内に挿入し易く、ウォータジャケット内を流通する冷却水の流量を適正に規制することができる。しかも、構造が簡単であるから、製造コスト及び製品コストの高騰を来たす懸念もない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明のウォータジャケットスペーサの第1の実施形態の全体形状を示す概略的斜視図である。
【図2】同実施形態のウォータジャケットスペーサをウォータジャケット内に挿入し組み付けた状態のシリンダブロックの一例を示す概略的横断平面図である。
【図3】(a)は図2のX部の拡大横断面図であり、(b)はウォータジャケット内に冷却水を流通させた際の突壁の状態を示す(a)と同様図である。
【図4】(a)(b)は、同実施形態の変形例を示す図3(a)(b)と同様図である。
【図5】(a)(b)(c)は、第2の実施形態を示し、(a)(b)は図3(a)(b)と同様図、(c)は突壁のみを抽出して示す横断面図である。
【図6】(a)(b)は、第2の実施形態の変形例を示す図3(a)(b)と同様図である。
【図7】(a)(b)は、第3の実施形態を示す図3(a)(b)と同様図である。
【図8】(a)(b)は、第3の実施形態の変形例を示す図3(a)(b)と同様図である。
【図9】(a)(b)は、第4の実施形態を示す図3(a)(b)と同様図である。
【図10】(a)(b)は、第4の実施形態の変形例を示す図3(a)(b)と同様図である。
【図11】(a)(b)は、第5の実施形態を示す図3(a)(b)と同様図である。
【図12】(a)(b)は、第5の実施形態の変形例を示す図3(a)(b)と同様図である。
【図13】(a)(b)は、第5の実施形態の別の変形例を示す図3(a)(b)と同様図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係るウォータジャケットスペーサの第1の実施形態を示し、このウォータジャケットスペーサ1は、図2に示すようなシリンダブロック2のウォータジャケット3内に挿入され組み付けられる。図例のシリンダブロック2は、オープンデッキタイプの3気筒エンジンを構成するものであり、直列的に配置された3個のシリンダボア4を備えている。そして、この3個のシリンダボア4のシリンダボア壁4aの周囲に一連のウォータジャケット3が平面視して環状に形成されている。シリンダブロック2の一側部には、ウォータジャケット3に連通する冷却水の給水口3aと、排水口3bが形成され、給水口3aから給水される冷却水は、矢印aのようにウォータジャケット3内を循環しながら流通し、一部が排水口3bより逐次排出されるように構成されている。また、ウォータジャケット3は、隣接するシリンダボア4,4間の部分にくびれ部3cを有しており、このくびれ部3cは、他のシリンダボア壁4aの周囲部分3dより、冷却水の流路幅(溝幅)が大とされている。シリンダブロック2の上面には、不図示のシリンダヘッドが不図示のシリンダヘッドガスケットを介して締結され、この締結状態では、シリンダブロック2とシリンダヘッドとの合体面がシリンダヘッドガスケットによってシールされる。2a…は、シリンダヘッドをシリンダブロック2に締結させるためのボルト(不図示)用の雌ねじ穴である。シリンダブロック2は、例えば、アルミ合金等の鋳造によって製造され、前記シリンダボア4及びウォータジャケット3は、鋳型の雄型部分によって形成される。特に、ウォータジャケット3に対応する雄型部分は、鋳型の強度を確保するためにある程度の厚みを必要とし、そのため、形成されるウォータジャケット3の溝幅は、必要以上に大となることがある。そこで、ウォータジャケットスペーサ1を、ウォータジャケット3内に挿入して、ウォータジャケット3内を流通する冷却水の実質的な容量の調整がなされる。
【0016】
本実施形態のウォータジャケットスペーサ1は、全体形状が前記ウォータジャケット3内に遊挿し得る筒形状の合成樹脂の成型体からなるスペーサ本体10と、該スペーサ本体10の内周面(シリンダボア4aに対向する面)10aに形成された複数の突壁11…とを備えている。前記突壁11…は、エラストマー材等の弾性変形自在な素材からなり、図3(a)にも示すように、スペーサ本体10の内周面10aであって、前記ウォータジャケット3の各くびれ部3cに対応するスペーサ本体10の変曲部10bの近傍毎に都合4個形成されている。突壁11…は、スペーサ本体10とは別体に成型してもよいし、突壁11…をスペーサ本体10の成型時に同時成型によって形成してもよい。突壁11…をスペーサ本体10とは別体に形成した場合の一体化の方法は、特に限定されないが、例えば接着剤による接着でもよいし、スペーサ本体10に突壁11の基部11a側の端部を差し込む等して嵌め合わせする嵌合部を形成し(不図示)、一体化するようにしてもよい。突壁11…は、高さ方向(ウォータジャケット3の深さ方向)に延びる帯状体とされ、その基部11aにおいて、スペーサ本体10の内周面10aよりシリンダボア壁4a側に突出するように、且つ、スペーサ本体10の下端よりその高さ方向中間部を超える位置に亘って形成されている。突壁11…を構成するエラストマー材としては、EPDM等が望ましく採用される。
【0017】
突壁11の先端部11bは、仮固定手段12によって固定され、これによって、図2及び図3(a)に示すように、突壁11は、前記冷却水の流通方向aに対向するよう、前記内周面10a(前記変曲部10b)に重なって折り曲げられ弾性変形した状態とされている。本実施形態では、仮固定手段12は、冷却水の溶解作用によって、或いは、冷却水が保有する熱によって、溶融する接着性材料(接着剤)からなる。突壁11の先端部11bを前記内周面10aに接着固定することによって、突壁11が前記内周面10aに重なって折り曲げられ弾性変形した状態に維持される。ここに、仮固定手段12を構成する接着性材料のうち、冷却水の溶解作用によって溶融する材料として、ポリビニルピロリドンが、冷却水が保有する熱によって溶融する材料として、ポリビニルアルコールが、それぞれ望ましく採用される。以下、冷却水によって溶融するとは、冷却水の溶解作用によって、或いは、冷却水が保有する熱によって、溶融することを意味するものとする。
【0018】
前記のように構成されたウォータジャケットスペーサ1は、図2に示すように、シリンダブロック2に形成されたウォータジャケット3内にその開口端部より挿入される。このとき、前記突壁11が前記スペーサ本体10の内周面10aに重なって折り曲げられ弾性変形した状態とされているから、突壁11と対向するシリンダボア壁4aとの間に隙間Dが確保される(図3(a)参照)。この隙間Dの存在により、突壁11がウォータジャケットスペーサ1を挿入する際の障害となり難く、シリンダブロック2に対するウォータジャケットスペーサ1のスムースな組み付けが可能となる。特に、本実施形態では、突壁11が、ウォータジャケット3の各くびれ部3cに対応するスペーサ本体10の変曲部10bに形成されているから、くびれ部3cの溝幅が大きいことにより前記隙間Dが大きく確保され、前記挿入がよりスムースになされる。そして、シリンダブロック2にシリンダヘッド(不図示)が締結されてエンジンの組立が完了した後、ウォータジャケット3に冷却水が供給されると、前記仮固定手段12を構成する接着性材料が冷却水に接して溶融し、仮固定が解除される。これによって、図3(b)に示すように、突壁11が弾性復元し、その先端部11bが、シリンダボア壁4aに弾接する。
【0019】
このようなウォータジャケットスペーサ1の組み付け状態においては、ウォータジャケット3内を流通する冷却水の実質的容量が小さくなり、鋳型成型によって過大となりがちな容量が是正される。しかも、シリンダボア壁4aに弾接する突壁11の存在により、ウォータジャケット3内を流通する冷却水の流量が規制されるから、シリンダボア壁4aの適度な冷却が実現される。本実施形態では、突壁11がスペーサ本体10の下端側(ウォータジャケット3の底部側)に設けられているから、燃焼室に近い上部側における冷却水の流量が多く、シリンダボア壁4aの冷却が効率的になされる。一方、下部側では、突壁11によって冷却水の流量が規制され、シリンダボア壁4aの過冷却が抑制される。この場合、前記先端部11bがシリンダボア壁4aに弾接するから、この自己シール性によって、前記冷却水の流量規制がより確実になされる。また、突壁11は冷却水の流通方向aに対向する方向に折り曲げられた状態から弾性復元して、先端部11bがシリンダボア壁4aに弾接するから、冷却水の流通圧と弾性復元力とが相乗して、先端部11bの安定した弾接状態が維持される。
【0020】
図4(a)(b)は、第1の実施形態の変形例を示しており、図3(a)(b)と共通する部分に同一の符号を付している。この例のウォータジャケットスペーサ1では、突壁11の先端部11bが、前記と同様の接着性材料からなる仮固定手段12によって前記内周面10aに固定されているが、仮固定が解除されて、突壁11が弾性復元しても、先端部11bがシリンダボア壁4aに弾接しないように構成されている。このように、突壁11の先端部11bがシリンダボア壁4aに弾接していなくても、突壁11は弾性復元して流路の一部を堰き止めるよう位置するから、冷却水の流量を規制する機能が発揮される。エンジンの規模によっては、この例のような突壁11であってもシリンダボア壁4aの過冷却が充分に抑制される場合もあり、従って、図3(a)(b)の例及び図4(a)(b)の例に示すウォータジャケットスペーサ1は、対象とするエンジンに応じて適宜選択採用される。
なお、本実施形態の変形例は、以下の各実施形態にも同様に適用される。また、弾性復元した状態の突壁11の形態は、図4(b)に示すような形態に限らず、先端部11bが図4(b)に示すよりもシリンダボア壁4aに更に接近していても良い。
【0021】
図5(a)(b)(c)は、第2の実施形態を示している。この実施形態のウォータジャケットスペーサ1においては、突壁11の先端部11bに連なって該先端部11bの一部を構成するよう仮固定手段13が取付けられている。該仮固定手段13は、溶着可能且つ冷却水によって溶融し得る溶着性材料からなり、該溶着性材料は、例えば、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等のエラストマー材料からなる。該エラストマー材料は、合成樹脂の成型体等(相手部材)に熱溶着が可能で且つ冷却水の溶解作用によって或いは冷却水が保有する熱によって溶融するものである。図5(c)は、このようなエラストマー材料からなる仮固定手段13を備えた突壁11のみを抽出して示している。この例の突壁11も、前記例と同様にスペーサ本体10の内周面10aに形成され、先端部11bの一部を構成する仮固定手段13を前記内周面10aに熱溶着させることによって、前記冷却水の流通方向aに対向するよう、突壁11が、スペーサ本体10の内周面10aに重なって折り曲げられ弾性変形した状態とされている。図5(a)は、突壁11がスペーサ本体10に弾性変形した状態で固定されていることを示している。
【0022】
このように構成された第2の実施形態のウォータジャケットスペーサ1も、前記と同様にシリンダブロック2に形成されたウォータジャケット3内にその開口端部より挿入される。このとき、前記突壁11が前記スペーサ本体10の内周面10aに重なって折り曲げられ弾性変形した状態とされているから、前記例と同様に、突壁11と対向するシリンダボア壁4aとの間に隙間Dが確保される。この隙間Dの存在により、突壁11がウォータジャケットスペーサ1を挿入する際の障害となり難く、シリンダブロック2に対するウォータジャケットスペーサ1のスムースな組み付けが可能となる。そして、前記と同様に、エンジンの組立が完了した後、ウォータジャケット3に冷却水が供給されると、前記仮固定手段13を構成する溶着性材料が冷却水に接して溶融し、仮固定が解除される。これによって、図5(b)に示すように、突壁11が弾性復元し、その先端部11bが、シリンダボア壁4aに弾接して、安定した弾接状態が維持される。このような突壁11の弾性復元によって、前記と同様の冷却水の規制する機能が発揮される。
【0023】
図6(a)(b)は、第2の実施形態の変形例を示している。この例のウォータジャケットスペーサ1においては、突壁11の先端部11bに、前記と同様の溶着性材料からなる仮固定手段13Aが半埋設状態で一体化されている。この例の突壁11も、前記例と同様にスペーサ本体10の内周面10aに形成される。また、突壁11は、先端部11bの一部を構成する仮固定手段13Aを前記内周面10aに熱溶着させることによって、前記冷却水の流通方向aに対向するよう、スペーサ本体10の内周面10aに重なって折り曲げられ弾性変形した状態とされている。図6(a)は、突壁11がスペーサ本体10に弾性変形した状態で固定されていることを示している。この例のウォータジャケットスペーサ1も、前記と同様に突壁11と対向するシリンダボア壁4aとの間に隙間Dが確保されるから、突壁11がウォータジャケットスペーサ1を挿入する際の障害となり難く、シリンダブロック2に対するウォータジャケットスペーサ1のスムースな組み付けが可能となる。そして、前記と同様に、ウォータジャケット3に冷却水が供給されると、前記仮固定手段13Aを構成する溶着性材料が冷却水に接して溶融し、仮固定が解除される。これによって、図6(b)に示すように、突壁11が弾性復元し、その先端部11bが、シリンダボア壁4aに弾接して安定した弾接状態が維持される。このような突壁11の弾性復元によって、前記と同様の冷却水の規制する機能が発揮される。
なお、第2の実施形態における他の構成は、第1の実施形態と同様であるから、共通部分に同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0024】
図7(a)(b)は、第3の実施形態を示している。この実施形態のウォータジャケットスペーサ1においては、スペーサ本体10の前記内周面10aに、前記と同様の溶着性材料からなる仮固定手段14が半埋設状態で、スペーサ本体10の一部をなすよう一体的に設けられている。この仮固定手段14が設けられる位置は、突壁11を前記内周面10aに重なって折り曲げて弾性変形した状態となるよう突壁11の先端部11bを固定し得る位置である。図7(a)は、前記と同様にスペーサ本体10の内周面10aに形成された突壁11を、前記冷却水の流通方向aに対向するよう、内周面10aに重なって折り曲げ弾性変形させ、仮固定手段14を突壁11の先端部11b(相手部材)に熱溶着させた状態を示している。この例のウォータジャケットスペーサ1も、前記と同様に突壁11と対向するシリンダボア壁4aとの間に隙間Dが確保されるから、突壁11がウォータジャケットスペーサ1を挿入する際の障害となり難く、シリンダブロック2に対するウォータジャケットスペーサ1のスムースな組み付けが可能となる。そして、前記と同様に、ウォータジャケット3に冷却水が供給されると、前記仮固定手段14を構成する溶着性材料が冷却水に接して溶融し、仮固定が解除される。これによって、図7(b)に示すように、突壁11が弾性復元し、その先端部11bが、シリンダボア壁4aに弾接して安定した弾接状態が維持される。このような突壁11の弾性復元によって、前記と同様の冷却水の規制する機能が発揮される。
【0025】
図8(a)(b)は、第3の実施形態の変形例を示している。この例のウォータジャケットスペーサ1においては、スペーサ本体10の前記内周面10aに、前記と同様の溶着性材料からなる仮固定手段14Aが添設状態で、スペーサ本体10の一部をなすよう一体的に設けられている。この例における仮固定手段14Aが設けられる位置も、図7(a)(b)に示す例と同様である。図8(a)は、前記と同様にスペーサ本体10の内周面10aに形成された突壁11を、前記冷却水の流通方向aに対向するよう、内周面10aに重なって折り曲げ弾性変形させ、仮固定手段14Aを突壁11の先端部11bに熱溶着させた状態を示している。この例のウォータジャケットスペーサ1も、前記と同様に突壁11と対向するシリンダボア壁4aとの間に隙間Dが確保されるから、突壁11がウォータジャケットスペーサ1を挿入する際の障害となり難く、シリンダブロック2に対するウォータジャケットスペーサ1のスムースな組み付けが可能となる。そして、前記と同様に、ウォータジャケット3に冷却水が供給されると、前記仮固定手段14Aを構成する溶着性材料が冷却水に接して溶融し、仮固定が解除される。これによって、図8(b)に示すように、突壁11が弾性復元し、その先端部11bが、シリンダボア壁4aに弾接して安定した弾接状態が維持される。このような突壁11の弾性復元によって、前記と同様の冷却水の規制する機能が発揮される。
なお、第3の実施形態における他の構成は、第1及び第2の実施形態と同様であるから、共通部分に同一の符号を付し、ここでもその説明を省略する。
【0026】
図9(a)(b)は、第4の実施形態を示している。この実施形態のウォータジャケットスペーサ1においては、スペーサ本体10の前記内周面10aに、冷却水によって溶融し得るピン状の固定具からなる仮固定手段15が打設されている(図9(a)のY部参照)。そして、この仮固定手段15を、突壁11の先端部11bに延設された冷却水に溶融しない材料(例えば、突壁11と同質のエラストマー)からなる固定片11cに貫通させ、その頭部をかしめて、固定片11cを前記内周面10aに固定している。図9(a)は、この仮固定手段15によって突壁11の先端部11bが固定片11cを介してスペーサ本体10の前記内周面10aに固定された状態を示しており、これによって、突壁11が内周面10aに重なって折り曲げられ弾性変形した状態とされている。この例のウォータジャケットスペーサ1も、前記と同様に突壁11と対向するシリンダボア壁4aとの間に隙間Dが確保されるから、突壁11がウォータジャケットスペーサ1を挿入する際の障害となり難く、シリンダブロック2に対するウォータジャケットスペーサ1のスムースな組み付けが可能となる。そして、前記と同様に、ウォータジャケット3に冷却水が供給されると、前記仮固定手段15を構成する固定具が冷却水に接して溶融し、仮固定が解除される。これによって、図9(b)に示すように、突壁11が弾性復元し、その先端部11bが、シリンダボア壁4aに弾接して安定した弾接状態が維持される。このような突壁11の弾性復元によって、前記と同様の冷却水の規制する機能が発揮される。冷却水によって溶融し得る固定具(仮固定手段15)の材料としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等が望ましく採用される。
なお、この実施形態において、固定片11cを連設させず、仮固定手段15によって先端部11bを直接内周面10aに固定させるようにしても良い。
【0027】
図10(a)(b)は、第4の実施形態の変形例を示している。この例のウォータジャケットスペーサ1においては、スペーサ本体10の前記内周面10aに、冷却水によって溶融しないピン状の固定具からなる仮固定手段15Aが打設されている(図10(a)のZ部参照)。一方、突壁11の先端部11bには冷却水によって溶融する材料からなる固定片11dが先端部11bの一部をなすよう延設され、前記仮固定手段15Aを該固定片11dに貫通させ、その頭部をかしめて、固定片11dを前記内周面10aに固定している。図10(a)は、この仮固定手段15Aによって突壁11の先端部11bが固定片11dを介してスペーサ本体10の前記内周面10aに固定された状態を示しており、これによって、突壁11が、前記冷却水の流通方向aに対向するよう、突壁11が内周面10aに重なって折り曲げられ弾性変形した状態とされている。この例のウォータジャケットスペーサ1も、前記と同様に突壁11と対向するシリンダボア壁4aとの間に隙間Dが確保されるから、突壁11がウォータジャケットスペーサ1を挿入する際の障害となり難く、シリンダブロック2に対するウォータジャケットスペーサ1のスムースな組み付けが可能となる。そして、前記と同様に、ウォータジャケット3に冷却水が供給されると、前記固定片11dが冷却水に接して溶融し、先端部11bが仮固定手段15Aから外れて、仮固定が解除される。これによって、図10(b)に示すように、突壁11が弾性復元し、その先端部11bが、シリンダボア壁4aに弾接する。このような突壁11の弾性復元によって、前記と同様の冷却水の規制する機能が発揮される。冷却水によって溶融し得る固定片11dの材料としては、図5の例で示したエラストマー材料等が望ましく採用される。
なお、この変形例において、固定片11dを連設させず、先端部11bの一部を冷却水によって溶融し得る材料で構成し、この部分を仮固定手段15Aによって固定させるようにしても良い。
また、第4の実施形態における他の構成は、第1、第2及び第3の実施形態と同様であるから、共通部分に同一の符号を付し、ここでもその説明を省略する。
【0028】
図11(a)(b)は、第5の実施形態を示している。この実施形態のウォータジャケットスペーサ1においては、スペーサ本体10の前記内周面10aに、鉤型形状の係止部からなる仮固定手段16が設けられている。仮固定手段16は、スペーサ本体10とは別体に成型してもよいし、スペーサ本体10の成型時に同時成型によって形成してもよい。仮固定手段16をスペーサ本体10とは別体に形成した場合の一体化の方法は、特に限定されないが、例えば接着剤による接着でもよいし、スペーサ本体10に仮固定手段16の端部を差し込む等して嵌め合わせする嵌合部を形成し(不図示)、一体化するようにしてもよい。突壁11は、前記と同様に内周面10aに形成され、冷却水の流通方向aに対向するように、内周面10aに重なって折り曲げられ、先端部11bが仮固定手段16に係止される状態で仮固定されている。図11(a)は、この仮固定手段16によって突壁11の先端部11bがスペーサ本体10の前記内周面10aに固定された状態を示している。この例のウォータジャケットスペーサ1も、前記と同様に突壁11と対向するシリンダボア壁4aとの間に隙間Dが確保されるから、突壁11がウォータジャケットスペーサ1を挿入する際の障害となり難く、シリンダブロック2に対するウォータジャケットスペーサ1のスムースな組み付けが可能となる。そして、前記と同様に、ウォータジャケット3に冷却水が供給されると、冷却水の流通圧が突壁11に弾性復元させるよう作用し、先端部11bが仮固定手段16から外れて、仮固定が解除される。これによって、図11(b)に示すように、突壁11が弾性復元し、その先端部11bが、シリンダボア壁4aに弾接して、前記と同様に安定した弾接状態が維持される。このような突壁11の弾性復元によって、前記と同様の冷却水の規制する機能が発揮される。この例の場合、冷却水の流通圧による突壁11の弾性復元がより確実になされるよう、係止部(仮固定手段16)をスペーサ本体10の高さ方向(前記深さ方向)に間欠的に形成することが望ましい。また、先端部11bの仮固定状態では、前記内周面10aとの間に隙間を確保して、突壁11の折り曲げ空所内に冷却水が多く流入して、前記流通圧が突壁11に強く作用し得るようにすることが望ましい。
【0029】
図12(a)(b)は、第5の実施形態の変形例を示している。この例のウォータジャケットスペーサ1においては、前記同様の係止部からなる仮固定手段16に係止される突壁11の先端部11bの一部11eが、冷却水によって溶融する材料からなっている。突壁11は、前記と同様に内周面10aに形成され、冷却水の流通方向aに対向するように、内周面10aに重なって折り曲げられ、先端部11b(11e)が仮固定手段16に係止される状態で仮固定されている。図12(a)は、この仮固定手段16によって突壁11の先端部11b(11e)がスペーサ本体10の前記内周面10aに固定された状態を示している。この例のウォータジャケットスペーサ1も、前記と同様に突壁11と対向するシリンダボア壁4aとの間に隙間Dが確保されるから、突壁11がウォータジャケットスペーサ1を挿入する際の障害となり難く、シリンダブロック2に対するウォータジャケットスペーサ1のスムースな組み付けが可能となる。そして、前記と同様に、ウォータジャケット3に冷却水が供給されると、冷却水が前記先端部11bの一部11eに接して、当該一部11eが溶融し、先端部11bが仮固定手段16から外れて、仮固定が解除される。これによって、図12(b)に示すように、突壁11が弾性復元し、その先端部11bが、シリンダボア壁4aに弾接して、前記と同様に安定した弾接状態が維持される。このような突壁11の弾性復元によって、前記と同様の冷却水の規制する機能が発揮される。冷却水によって溶融し得る先端部11bの一部11eを構成する材料としては、図5の例で示したエラストマー材料等が望ましく採用される。
【0030】
図13(a)(b)は、第5の実施形態の別の変形例を示している。この例のウォータジャケットスペーサ1においては、冷却水によって溶融し得る材料からなる鉤型形状の係止部がスペーサ本体10の内周面10aに形成され、この係止部が仮固定手段16Aとされている。仮固定手段16Aとしての係止部を構成する材料は、冷却水によって溶融し得る材料からなるが、当該材料としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等が望ましく採用される。突壁11は、前記と同様に内周面10aに形成され、冷却水の流通方向aに対向するように、内周面10aに重なって折り曲げられ、先端部11bが仮固定手段16Aに係止される状態で仮固定されている。図13(a)は、この仮固定手段16Aによって突壁11の先端部11bがスペーサ本体10の前記内周面10aに固定された状態を示している。この例のウォータジャケットスペーサ1も、前記と同様に突壁11と対向するシリンダボア壁4aとの間に隙間Dが確保されるから、突壁11がウォータジャケットスペーサ1を挿入する際の障害となり難く、シリンダブロック2に対するウォータジャケットスペーサ1のスムースな組み付けが可能となる。そして、前記と同様に、ウォータジャケット3に冷却水が供給されると、冷却水が仮固定手段16Aに接して、当該仮固定手段16Aが溶融して、仮固定が解除される。これによって、図13(b)に示すように、突壁11が弾性復元し、その先端部11bが、シリンダボア壁4aに弾接して、前記と同様に安定した弾接状態が維持される。このような突壁11の弾性復元によって、前記と同様の冷却水の規制する機能が発揮される。
なお、第5の実施形態における他の構成は、第1、第2、第3及び第4の実施形態と同様であるから、共通部分に同一の符号を付し、ここでもその説明を省略する。
【0031】
なお、第2〜第5の実施形態における突壁11も、第1の実施形態と同様に、スペーサ本体10とは別体に成型して接着剤による接着や嵌め合わせ等によって一体化してもよいし、スペーサ本体10の成型時に同時成型によって形成してもよい。そして、前記の各実施形態では、突壁11及び仮固定手段12〜16Aを、いずれもスペーサ本体10の内周面10aに形成した例を示したが、これに限らず、外周面(反シリンダボア4a側の面)に形成しても良い。また、突壁11を、ウォータジャケット3のくびれ部3cに位置するよう形成しているが、他の部位に形成することも可能である。更に、いずれの実施形態においても、突壁11は、冷却水の流通方向aに対向するように、折り曲げられている。これによって弾性復元したときには、先端部11bのシリンダボア壁4aに対する安定した弾接状態が得られるが、図11に示す例以外は、冷却水の流通方向aに沿う方向に折り曲げられるようにしても良い。また、突壁11及び先端部11b等の形状は、図例のものに限らず、他の形状のものも除外されるものではない。加えて、本発明のウォータジャケットスペーサが適用されるエンジンとして3気筒エンジンを例示したが、他の気筒数のエンジンにも適用可能で、従って、当該ウォータジャケットスペーサの全体形状は、エンジンの仕様に応じて適宜変更されることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0032】
1 ウォータジャケットスペーサ
10 スペーサ本体
10a 内周面
2 シリンダブロック
3 ウォータジャケット
11 突壁
11b 先端部
12 仮固定手段
13,13A 仮固定手段
14,14A 仮固定手段
15,15A 仮固定手段
16,16A 仮固定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンダブロックのウォータジャケット内に挿入して組み付けられて冷却水の流量を規制するウォータジャケットスペーサであって、
スペーサ本体と、
前記スペーサ本体の内外いずれかの周面に形成された弾性変形自在な素材からなる突壁と、
前記突壁の先端部を、該突壁が前記スペーサ本体の前記周面に重なって折り曲げられ弾性変形した状態となるよう、前記スペーサ本体に仮固定し、前記ウォータジャケット内への挿入後に、前記冷却水によって前記仮固定が解除され、前記突壁が弾性復元するように形成された仮固定手段とを備えたことを特徴とするウォータジャケットスペーサ。
【請求項2】
請求項1に記載のウォータジャケットスペーサにおいて、
前記仮固定手段は、前記冷却水によって溶融する接着性材料からなることを特徴とするウォータジャケットスペーサ。
【請求項3】
請求項1に記載のウォータジャケットスペーサにおいて、
前記仮固定手段は、前記突壁の前記先端部または前記スペーサ本体の前記周面の一部を構成し、相手部材に溶着可能且つ前記冷却水によって溶融する溶着性材料からなることを特徴とするウォータジャケットスペーサ。
【請求項4】
請求項1に記載のウォータジャケットスペーサにおいて、
前記仮固定手段は、前記冷却水によって溶融する材料で形成された固定具からなることを特徴とするウォータジャケットスペーサ。
【請求項5】
請求項1に記載のウォータジャケットスペーサにおいて、
前記仮固定手段は、前記周面に設けられた係止部からなることを特徴とするウォータジャケットスペーサ。
【請求項6】
請求項5に記載のウォータジャケットスペーサにおいて、
前記突壁の前記先端部または前記係止部が、前記冷却水によって溶融する材料で形成されていることを特徴とするウォータジャケットスペーサ。
【請求項7】
請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のウォータジャケットスペーサにおいて、
前記突壁の前記先端部は、前記仮固定が解除されると、前記突壁と対向する前記ウォータジャケットの壁面に弾性的に接触した状態とされることを特徴とするウォータジャケットスペーサ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−92081(P2013−92081A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−233831(P2011−233831)
【出願日】平成23年10月25日(2011.10.25)
【出願人】(000225359)内山工業株式会社 (204)
【出願人】(000116574)愛三工業株式会社 (1,018)
【Fターム(参考)】