説明

ウォーターサーバーにおける飲料水包装袋の穿孔装置

【課題】ニードルによる飲料水包装袋の穿孔作用が安定し、安全性に富む穿孔装置を提供する。
【解決手段】飲料水包装袋(22)の穿孔アダプター(A)を円筒形の昇降ガイド(G)と、その内部に設置された昇降可能な中空のニードル(N)と、そのニードルの内部を開閉する弁(V)と、同じくニードルのボトムキャップ(B)とから組立ユニット化して、上記包装袋の口金(26)に取り付けた昇降ガイドを、サーバー本体(10)側のカップ(C)内へ、そのニードルのボトムキャップが上記カップのボトムキャップ受け止め芯筒(25)に一旦下方から受け止められて、上記開閉弁が開弁状態になるまで差し込み下降させた後、引き続き上記カップの底面に当接するまで深く差し込み下降させて、これとの相対的に上昇するニードルが上記口金を通じて、飲料水包装袋の底面を自づと穿孔するように定めた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はウォーターサーバーへカートリッジ式に装填使用される飲料水包装袋の安全な穿孔装置に関する。
【背景技術】
【0002】
軟質合成樹脂から成る飲料水包装袋(俗称:ビニール袋又はパック)を倒立姿勢として、ウォーターサーバーへカートリッジ式に装填使用する時、その包装袋の中央部を下方から穿孔するための装置は、下記特許文献1、2に開示されている。
【0003】
殊更、特許文献2に記載されている「ウォーターサーバーに用いるニードル」では、ニードルに押し上げ力が加わらなければ、そのニードルの先端部がボトルホルダーの底面から上向きに突出せず、使用者がボトルホルダーに対してビニール袋を出し入れする際、ニードルの先端部によって負傷しないように工夫されている点で、本発明に最も近似する公知技術であると考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010─143630号公報
【特許文献2】実用新案登録第3164948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、特許文献2に記載の構成では、ニードル(1)がビニール袋(9)を穿孔した図9、11の使用中、圧縮したコイルスプリング(22)の復元力が常時ボトルホルダー(3)の押し上げ付勢力として作用しているため、ビニール袋(9)内の飲料水が徐々に減少して軽くなると、そのビニール袋(9)とこれを保持しているボトルホルダー(3)が、サーバー本体(2)側のパッキングホルダー(8)から浮上してしまい、たとえニードル(1)の下部本体(17)が挿入棒(35)の上端部から抜けないまでも、図8のようなコイルスプリング(22)の伸張状態になるおそれがあり、そうするとビニール袋(9)内の飲料水がボトルホルダー(3)の天井面に開口しているニードル出没孔を通じて、そのボトルホルダー(3)の底部(上記コイルスプリングの収納室)(15)内へ漏出し、ここへいたずらに多く溜まる結果となる。
【0006】
そこで、ビニール袋(9)とそのボトルホルダー(3)の浮上を予防すべく、上記コイルスプリング(22)の張力を弱めるとして、ニードル(1)の下部本体(17)と挿入棒(35)の上端部との嵌合面に介在するシール部材(42)の密封力が、そのコイルスプリング(22)の張力よりも強い場合には、挿入棒(35)に対するニードル(1)の差し込み嵌合状態が完了するよりも早く、コイルスプリング(22)が圧縮して、ビニール袋(9)を穿孔してしまうことになり、そのビニール袋(9)からやはり飲料水が上記ボトルホルダー(3)のニードル出没孔を通じて底部(コイルスプリング収納室)(15)内やニードル(1)の上部本体(16)内へ漏出し、これらに多く溜まるおそれがある。
【0007】
つまり、飲料水を封入したビニール袋(9)やそのボトルホルダー(3)の全体的な重量と、上記ボトルホルダー(3)の底部(15)内に収納されたコイルスプリング(22)の張力と、上記ニードル(1)と挿入棒(35)との嵌合面に介在するシール部材(42)の密封力(差し込み操作の抵抗力)とを、最適の強弱関係度合いに調整・設計することは至難の業であり、上記コイルスプリング(22)の張力が自然的な外力により変動する因子をなすこととも相俟って、ビニール袋(9)から決して漏水しない安定な作動を保障することができない。
【0008】
又、上記ボトルホルダー(3)の底部(15)に収納されたコイルスプリング(22)やニードル(1)内の弁(27)に巻き付けられるコイルスプリング(30)の材質として、たとえステンレス鋼材を採用したとしても、発錆のおそれなしとせず、飲料水を対象とする用途での安全性に問題がある。
【0009】
更に、上記ボトルホルダー(3)の天井面にニードル出没孔が開口しているため、図9〜12の使用状態において、ビニール袋(9)内の飲料水が正しくニードル(1)の内部を通じて流下するほか、そのボトルホルダー(3)のニードル出没孔を通じて底部(上記コイルスプリング収納室)(15)の内部にも漏出し、その底部(15)内に多く溜まるのである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明はこのような諸問題の抜本的な解決を目的としており、その目的を達成するために、請求項1では盃状トップカバーから陥没するカップ受け入れ凹溝の垂直中心線上に、飲料水貯溜タンクと連通する導水管が固定立設されたサーバー本体と、底面中央部に口金が固着された飲料水包装袋とを有するウォーターサーバーにおいて、
【0011】
上記サーバー本体側のカップ受け入れ凹溝へカップを、その底面中央部から一定高さだけ連続的に垂立するボトムキャップ受け止め芯筒が上記導水管の中途高さ位置に套嵌される関係状態として、差し込み固定する一方、
【0012】
上記飲料水包装袋の穿孔アダプターを上記口金へ着脱自在に取り付け使用されるほぼ円筒形の昇降ガイドと、その昇降ガイドへ昇降自在に内蔵されることにより、上記飲料水包装袋と導水管とが連通する飲料水流通路になる中空のニードルと、そのニードルに内蔵された飲料水流通路の開閉弁と、同じくニードルに螺合締結されたボトムキャップとから組立ユニット化すると共に、
【0013】
そのニードルのボトムキャップから張り出す外向き係止フランジと、上記昇降ガイドの下端部から全体的な放射対称分布型に張り出す複数の内向き係止爪とを係脱自在に係止させて、
【0014】
上記飲料水包装袋の口金に取り付けた穿孔アダプターの昇降ガイドをサーバー本体側のカップ内へ、そのニードルのボトムキャップが上記カップのボトムキャップ受け止め芯筒により一旦下方から受け止められて、上記開閉弁が開弁状態になるまで差し込み下降させた後、
【0015】
同じく昇降ガイドをその内向き係止爪と上記外向き係止フランジとの係止解除により、引き続き上記カップの底面まで深く差し込み下降させて、これとの相対的に上昇するニードルが上記口金を通じて、飲料水包装袋の底面を自づと穿孔するように関係設定したことを特徴とする。
【0016】
又、請求項2では穿孔アダプターのニードルを飲料水包装袋の口金に差し込み嵌合し得る鋭利な円錐面と、これよりも下方へ行く程太くなる二段の円筒状胴体とから形作って、その比較的径小な上側胴体の内部に開閉弁を設置する一方、
【0017】
比較的径大な下側胴体の内部に上記開閉弁の弁座となる上側パッキングと、導水管の外周面に喰い付き密着し得る下側パッキングと、その両パッキングの上下相互間に介在するスペーサーとを設置して、その下側胴体の下端部へボトムキャップを着脱自在に螺合締結すると共に、
【0018】
上記ニードルの円錐面と飲料水包装袋の口金との嵌合面を密封し得るシール膜を、その円錐面の首部に被着一体化させたことを特徴とする。
【0019】
請求項3では穿孔アダプターのニードルに対するボトムキャップの螺合締結操作により下側パッキングをスペーサーへ、延いてはそのスペーサーにより上側パッキングをニードルにおける上側胴体と下側胴体との境界段差面へ、何れも下方から押し付けると共に、
【0020】
上記ボトムキャップの締結力によって導水管の外周面に喰い付き圧着する下側パッキングの密封力を、強弱調整セットできるように定めたことを特徴とする。
【0021】
請求項4では飲料水包装袋の口金をボビン形として、縦支点軸の廻りに開閉することによりその口金へ挟み付け得る別個な開閉トップフランジを、穿孔アダプターにおける昇降ガイドの上端部へ係脱自在な係止状態に組み立てると共に、
【0022】
その昇降ガイドへ昇降自在に差し込み套嵌させた操作リングの押し上げ操作により、上記開閉トップフランジを飲料水包装袋の口金へ挟み付く閉合状態に施錠する一方、
【0023】
同じく操作リングの引き下げ操作によって、上記開閉トップフランジを飲料水包装袋の口金から取りはずせる状態に開放するように関係設定したことを特徴とする。
【0024】
請求項5では操作リングの引き下げ操作により開閉トップフランジを開放すると一挙同時に、昇降ガイドの内部に存在するニードルを引き下げて、飲料水包装袋の口金から抜き出せるように定めたことを特徴とする。
【0025】
更に、請求項6では穿孔アダプターにおける昇降ガイドの上端部を径大な円錐受け皿形のトップフランジとして一体成形し、その中央部にニードル挿通口とそのニードル挿通口の開口周辺部から下向きに突出する複数のキー凸子とを設ける一方、
【0026】
飲料水包装袋のボビン形口金に上記キー凸子と合致し得るキー溝を対応形成して、
【0027】
上記トップフランジのキー凸子を口金のキー溝から抜き差し自在に差し込んで、一定角度だけ回動操作することにより、上記飲料水包装袋の口金へ係止させることができるように定めたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0028】
請求項1の上記構成によれば、飲料水包装袋の口金に取り付けた穿孔アダプターの昇降ガイドをサーバー本体側のカップ内へ、そのカップの案内によって正確な直進状態に差し込み下降させることができ、そのカップのボトムキャップ受け止め芯筒により一旦下方から受け止められる以前には勿論のこと、その一旦受け止められた以後の深い差し込み下降中にも、冒頭に述べた従来技術のコイルスプリングによる押し上げ付勢力を一切受けない構成であるため、そのコイルスプリングの設置に伴なう諸問題をすべて解消することができ、飲料水包装袋の安全性と作用安定性に優れた穿孔装置を得られる効果がある。
【0029】
特に、請求項2の構成を採用するならば、穿孔アダプターのニードルからボトムキャップを取りはずすことにより、そのニードルの内部へ開閉弁と上側パッキング、スペーサー並びに下側パッキングを順次支障なく挿入セットすることができるほか、ニードルにおける円錐面の首部に被着一体化されたシール膜により、サーバー本体側のカップから引き抜き上昇させた飲料水包装袋の口金から、その包装袋に残溜の飲料水が漏出することを封止し得る効果もある。
【0030】
その場合、請求項3の構成を採用するならば、穿孔アダプターのニードルに対するボトムキャップの螺合締結力により、導水管(ノンスピル)の外周面に喰い付き圧着する下側パッキングの密封力を、飲料水包装袋の口金とニードルの円錐面との嵌合面に介在する上記シール膜の密封力に比して、強く又は弱く調整セットすることができ、穿孔アダプターの昇降ガイド内から飲料水包装袋の口金に向かうニードルの出没作動を、意図的に安定良く制御又は管理し得る効果があり、利便性にも優れる。
【0031】
又、請求項4の構成を採用するならば、穿孔アダプターにおける昇降ガイドの上端部に組み付けられた開閉トップフランジを、その昇降ガイドに差し込み套嵌された操作リングの押し上げ操作又は引き下げ操作により開閉させて、飲料水包装袋の口金に対する着脱操作を誰でも確実に便利良く行える効果がある。
【0032】
その際、特に請求項5の構成を採用するならば、開閉トップフランジを飲料水包装袋の口金から取りはずすための開放と、その包装袋の口金から昇降ガイドの内部へニードルを没入させる引き下げとを、その操作リングのワンタッチ操作によって一挙同時に行え、利便性がますます向上する。
【0033】
更に、請求項6の構成を採用するも、昇降ガイドのトップフランジに設置したキー凸子を、飲料水包装袋の口金に対応形成したキー溝と合致させて、そのキー溝へ抜き差し自在に差し込み後、時計方向又は反時計方向へ回動すれば、やはり飲料水包装袋の口金に対する着脱操作を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明に係る第1実施形態の穿孔装置を装填したウォーターサーバーの正面図である。
【図2】図1の飲料水包装袋の穿孔装置を抽出して示す拡大断面図である。
【図3】カップを抽出して示す斜面図である。
【図4】図3の正面図である。
【図5】飲料水包装袋の口金部分を示す部分拡大斜面図である。
【図6】図5の正面図である。
【図7】図6の7−7線断面図である。
【図8】穿孔アダプターの昇降ガイドを抽出して示す正面図である。
【図9】図8の側面図である。
【図10】図8の平面図である。
【図11】図8の11−11線断面図である。
【図12】図8の12−12線断面図である。
【図13】図10の13−13線断面図である。
【図14】昇降ガイドの開閉トップフランジを抽出して示す平面図である。
【図15】図14の底面図である。
【図16】開閉トップフランジの第1フランジセグメントに対して第2フランジセグメントを開放した状態の平面図である。
【図17】図14の17−17線断面図である。
【図18】図14の18−18線断面図である。
【図19】図14の19−19線拡大断面図である。
【図20】開閉トップフランジの操作リングを抽出して示す正面図である。
【図21】図20の平面図である。
【図22】図21の22−22線断面図である。
【図23】図21の23−23線断面図である。
【図24】穿孔アダプターのニードルを抽出して示す正面図である。
【図25】図24の側面図である。
【図26】図24の平面図である。
【図27】図24の27−27線断面図である。
【図28】ニードルのボトムキャップを抽出して示す正面図である。
【図29】図28の平面図である。
【図30】図28の30−30線断面図である。
【図31】開閉弁の半欠截断面図である。
【図32】スペーサーを抽出して示す正面図である。
【図33】図32の側面図である。
【図34】飲料水包装袋の口金へ穿孔アダプターを取り付けた準備状態の断面図である。
【図35】図34の穿孔アダプターをサーバー本体側のカップへ差し込み下降させ始めた状態の断面図である。
【図36】図35の状態から続く穿孔アダプターの差し込み下降過程を示す断面図である。
【図37】図36の状態から続いて穿孔アダプターのニードルがカップの芯筒に一旦受け止められた状態を示す断面図である。
【図38】図37の状態から続く穿孔アダプターの更に深い差し込み下降過程を示す断面図である。
【図39】図38の状態から穿孔アダプターを最低位置まで差し込み下降させた穿孔状態の断面図である。
【図40】飲料水が無くなった飲料水包装袋の穿孔アダプターを、サーバー本体側のカップから引き抜き上昇させた状態の断面図である。
【図41】図40の状態から穿孔アダプターの操作リングを引き下げて、昇降ガイドの開閉トップフランジを開放操作することにより、飲料水包装袋の口金から取りはずした状態の断面図である。
【図42】本発明の第2実施形態に係る穿孔アダプターの昇降ガイドを抽出して示す斜面図である。
【図43】図42の底面図である。
【図44】図43の44−44線断面図である。
【図45】図43の45−45線断面図である。
【図46】本発明に係る第2実施形態の口金部分を示す図5に対応する斜面図である。
【図47】図46の正面図である。
【図48】図47の48−48線断面図である。
【図49】第2実施形態の穿孔アダプターをサーバー本体側のカップへ差し込み下降させ始めた状態の図35に対応する断面図である。
【図50】図49の状態から続いて穿孔アダプターのニードルがカップの芯筒に一旦受け止められた状態を示す図37に対応する断面図である。
【図51】図50の状態から穿孔アダプターを最低位置まで差し込み下降させた穿孔状態の図39に対応する断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面に基いて本発明の好適な第1実施形態を詳述すると、そのウォーターサーバーを示した図1、2において、(10)はサーバー本体であり、その頂面が上向き拡開する盃状のトップカバー(11)として、その一定深さのカップ受け入れ凹溝(12)内へ、後述のカップ(C)を受け入れる。(13)はそのカップ受け入れ凹溝(12)の段付き状態に陥没した溝底面である。
【0036】
(14)は上記トップカバー(11)におけるカップ受け入れ凹溝(12)の垂直中心線上に立設された導水管(ノンスピル)であって、ABS樹脂やその他の硬質な熱可塑性樹脂から成り、その下端部付近から連続一体に張り出す径大な固定フランジ(15)が、上記カップ受け入れ凹溝(12)の溝底面(13)に嵌め込み一体化されており、振れ動くおそれはない。
【0037】
上記導水管(14)の内部は垂直なセンター仕切り壁(16)を介して、第1通路(P1)と第2通路(P2)に二等分されており、その導水管(14)の下端部がサーバー本体(10)内の飲料水貯溜タンク(17)と連通状態にある。しかも、第1通路(P1)の下端部は第2通路(P2)のそれよりも一定深さ(d1)だけ浅く切り欠かれている。(18)は上記トップカバー(11)のカップ受け入れ凹溝(12)に対する導水管(14)の締結固定ナット、(19)はその防水パッキングである。
【0038】
(20L)(20R)は上記第1、2通路(P1)(P2)と各々連通する第1、2通孔であり、互いに同じ大きさ・形状として、上記導水管(14)の上端部付近へ横向きに切り欠き開口されている。(21L)(21R)は上記サーバー本体(10)の飲料水貯溜タンク(17)と接続配管された左右一対の給水栓であり、これらをサーバー本体(10)の外部から操作すれば、後述する飲料水包装袋(22)の飲料水(W)を冷水や温水として取り出すことができるようになっている。
【0039】
但し、その給水栓は1個として、冷水と温水とを切り替え得る構成が採用されることもある。又、図例のウォーターサーバーは床置き型であるが、卓上型のそれもあり得る。
【0040】
先に一言したカップ(C)はABS樹脂やその他の硬質な熱可塑性樹脂から図3、4のように、一定深さの基本的な断面U字形に一体成形されており、その円筒状の胴体(23)が上記サーバー本体(10)におけるトップカバー(11)のカップ受け入れ凹溝(12)内へ、上方からの差し込み嵌合状態に固定セットされている。但し、そのカップ(C)をサーバー本体(10)から抜き出して、これに溜まった水を除去することは可能である。
【0041】
(24)は上記カップ(C)の胴体(23)から上向きに拡開する径大な円錐形のトップフランジ受け皿面、(25)は同じくカップ(C)の底面中央部から一定高さ(h)だけ、言わば曲げ起された垂立状態のボトムキャップ受け止め芯筒であって、上記導水管(14)の中途高さ位置に套嵌されており、その底面からの垂立高さ(h)が後述するニードル(N)の昇降ストロークとなる。
【0042】
そして、飲料水包装袋(22)に予じめ付属一体化された後述の穿孔アダプター(A)が、このようなカップ(C)の内部へ上方から抜き差し自在に差し込み使用されることとなる。(H)はその飲料水包装袋(22)の変形を防ぐ袋受け止めホルダーであって、底面中央部に円形のカップ逃し入れ口が開口する一定深さの断面ほぼU字形をなし、使用の準備段階において上記サーバー本体(10)のトップカバー(11)へ、振れ動かぬ差し込み状態に固定維持されることとなる。その袋受け止めホルダー(H)の上面開閉蓋は図示省略してある。
【0043】
飲料水包装袋(22)は塩化ビニル樹脂やその他の透明又は半透明な軟質の熱可塑性樹脂から、折りたたみ扁平化できる状態に一体成形されており、その内部に一定量の飲料水(W)を封入したものであるが、その倒立姿勢での底面となる中央部には図5〜7のようなポリエチレン(PE)樹脂などの硬質合成樹脂から成るボビン形(断面ほぼ倒立エ字形)の口金(26)が、接着や溶着などによって固着一体化されている。
【0044】
その口金(26)の凹周面(27)へ後述する昇降ガイド(G)の開閉トップフランジ(F)を閉合状態に挟み付け使用し、その閉合使用状態を操作リング(R)により施錠して、上記昇降ガイド(G)の開閉トップフランジ(F)が飲料水包装袋(22)の口金(26)から離脱しないようになっている。
【0045】
上記飲料水包装袋(22)の穿孔アダプター(A)は昇降ガイド(G)と、その昇降ガイド(G)の開口頂面を施蓋する開閉トップフランジ(F)と、そのトップフランジ(F)を開閉するため、上記昇降ガイド(G)の外部へ昇降自在に套嵌された操作リング(R)と、同じく昇降ガイド(G)の内部へ昇降自在に挿入されたニードル(N)と、そのニードル(N)に各々内蔵された開閉弁(V)と上下一対のパッキング(28)(29)並びにその両パッキング(28)(29)の上下相互間に介在するスペーサー(S)と、同じくニードル(N)の開口底面を施蓋するボトムキャップ(B)とから組立ユニット化されたものであり、そのニードル(N)の鋭利な頂点が上記口金(26)を通じて、飲料水包装袋(22)を穿孔し得るようになっている。
【0046】
即ち、その穿孔アダプター(A)を構成する部材のうち、先ず昇降ガイド(G)について言えば、これはポリカーボート(PC)樹脂やその他の透明又は半透明な硬質の熱可塑性樹脂から図8〜13のように、基本的な断面U字形に一体成形されており、その底面中央部には上記カップ(C)のボトムキャップ受け止め芯筒(25)を逃し入れる芯筒挿通口(30)が、円形に開口している。
【0047】
上記昇降ガイド(G)の胴体(31)は若干下細りの円筒状をなしており、その胴体(31)の上端部には開閉トップフランジ(F)の後述する対応的な下段の外向き係止爪を受け入れる複数(図例では合計4個)の爪受け入れ孔(32)が、全体的な放射対称分布型に切り欠き開口されている。
【0048】
又、同じく胴体(31)の約上半部には向かい合う一対の操作リング用昇降ガイド溝レール(33)が、上記爪受け入れ孔(32)と干渉しない位置関係に切り欠き列設されており、しかもその両昇降ガイド溝レール(33)の下端部(溝底部)には操作リング(R)の下限ストッパーとなる外向き係止爪(34)が、昇降ガイド溝レール(33)と連通する割り溝(35)の切り込みによって、弾力性を発揮し得るように区成されている。この下段の外向き係止爪(34)は操作リング(R)の後述する対応的な下段の爪受け入れ孔へ、係脱自在に係止することとなる。
【0049】
(36)は上記昇降ガイド溝レール(33)の開口縁部に沿って外向きに突設された補強リブであり、昇降ガイド(G)の胴体(31)へ差し込み套嵌された操作リング(R)を、その昇降ガイド(G)の胴体(31)と密着しない状態に保つことによって、その操作リング(R)の昇降操作を容易・円滑に行えるようになっている。
【0050】
他方、上記昇降ガイド(G)における胴体(31)の約下半部からは、全体的な放射対称型に分布する複数(図例では合計8個)の補強フィン(37)が、外向きの突出状態に列設されており、その下細りテーパー面(38)によって上記カップ(C)の内部へ容易・円滑に差し込めるようになっている。
【0051】
更に、同じく胴体(31)の下端部にはニードル(N)のボトムキャップ(B)を受け止める複数(図例では合計4個)の内向き係止爪(39)が、全体的な放射対称分布型として且つ何れも割り溝(40)の切り込みにより、弾力性を発揮し得るように区成されている。
【0052】
次に、上記昇降ガイド(G)の開閉トップフランジ(F)はその昇降ガイド(G)と同じポリカーボネート(PC)樹脂やその他の透明又は半透明な硬質の熱可塑性樹脂から成形されたものであって、基本的に上記カップ(C)のトップフランジ受け止めフランジ(24)とほぼ対応する径大な円錐受け皿形をなしているが、これは図14〜19のような第1、2フランジセグメント(F1)(F2)から成るものとして一旦平面視の半円形に2分割された上、その径大な円形外周縁部の付近に位置する1本の縦支点軸(41)を介して、開閉できる枢結状態に組み立てられている。
【0053】
そして、その開閉トップフランジ(F)の第1、2フランジセグメント(F1)(F2)が閉合することにより、上記飲料水包装袋(22)の口金(26)へ挟み付けられるようになっているほか、両フランジセグメント(F1)(F2)の何れか一方である第1フランジセグメント(F1)の中央部が、上記昇降ガイド(G)の開口頂面を施蓋する径小な円形の取付ベース盤(42)として、その昇降ガイド(G)の開口上縁部へ差し込み嵌合されるようになっている。
【0054】
即ち、上記第1、2フランジセグメント(F1)(F2)は閉合することにより、初めて全体的な円錐受け皿形となる半円形の袋受け座面(43)を有し、その袋受け座面(43)の中央部からはやはり閉合することによって、全体的な円形に連続することとなる半円弧形のボス(44)が、下向き一体に突設されている。(45)は上記袋受け座面(43)の外周縁部から下向き一体に突出する縁取りスカートであり、上記カップ(C)のトップフランジ受け皿面(24)によって下方から受け止められる。
【0055】
又、上記縦支点軸(41)はその先端部に割り溝(46)を有する楔状のダボとして、第1、2フランジセグメント(F1)(F2)の何れか一方から下向き一体に突設されており、残る他方に対応形成された軸受け筒(47)へ、相対的な回動自在に差し込み貫通されている。そのため、抜け出すおそれはない。(48)は第1、2フランジセグメント(F1)(F2)の開度(θ)を一定(図例では約90度)に規制する切欠であり、両フランジセグメント(F1)(F2)の外周縁部に平面視のほぼく字形として付与されている。
【0056】
上記第1、2フランジセグメント(F1)(F2)におけるボス(44)の円弧内周面(腹面)は、その閉合時に向かい合う挟み付け片(49)として、上記飲料水包装袋(22)における口金(26)の凹周面(27)へ挟み付けられるようになっている。(50)は同じく第1、2フランジセグメント(F1)(F2)におけるボス(44)の円弧外周面(背中面)へ、その閉合時に向かい合う位置関係として点在分布された上段の外向き係止爪であり、その円弧外周面(背中面)の下方から切り込まれた割り溝(51)によって、弾力性を発揮し得るように区成されている。
【0057】
このような向かい合う一対として開閉トップフランジ(F)に点在分布する上段の外向き係止爪(50)は、操作リング(R)における後述する胴体の上段爪受け入れ孔と係脱自在に係止されることにより、その開閉トップフランジ(F)の閉合状態を施錠することとなる。その結果、上記飲料水包装袋(22)の口金(26)から昇降ガイド(G)の開閉トップフランジ(F)が離脱するおそれはない。
【0058】
上記昇降ガイド(G)の開口頂面を施蓋する第1フランジセグメント(F1)の取付ベース盤(42)は、その第1フランジセグメント(F1)におけるボス(44)の円弧外周面(背中面)と同じ外径を備えた円形として、そのボス(44)の下端部から連続して第2フランジセグメント(F2)におけるボス(44)の真下方向へ張り出す関係状態にある。
【0059】
但し、上記第1、2フランジセグメント(F1)(F2)の挟み付け片(49)はその取付ベース盤(42)のフラットな上面から若干浮上した高さにあり、その上下相互間隙(x)へ上記ボビン形口金(26)の径小な下フランジ(図示符号省略)が受け入れられることになる。
【0060】
そして、上記取付ベース盤(42)の中心部に開口する円形のニードル挿通口(52)が、第1、2フランジセグメント(F1)(F2)の挟み付け片(49)により挟み付けられた上記飲料水包装袋(22)の口金(26)と合致連通して、後述のニードル(N)を受け入れる。(53)は第2フランジセグメント(F2)におけるボス(44)のフラットな底面から下向き一体に突設された平行な一対の浮かしリブ(橇)であり、第1、2フランジセグメント(F1)(F2)の閉合時、その第1フランジセグメント(F1)における上記取付ベース盤(42)の上面に安定良く乗り上げる。
【0061】
その場合、上記第1フランジセグメント(F1)の円形な取付ベース盤(42)は図15や図17、18のような内側包囲壁(54)と、上記ボス(44)の円弧外周面(背中面)と同じ外径を有する連続的な外側包囲壁(55)によって、二重の縁取り補強状態にあり、その両包囲壁(54)(55)の内外相互間が下向きに開口する断面倒立U字形の凹周溝(56)として、上記昇降ガイド(G)の開口上端部へ上方から差し込み嵌合されるようになっている。
【0062】
しかも、その円形の取付ベース盤(42)を縁取る内側包囲壁(54)には複数(図例では合計4個)の下段外向き係止爪(57)が、全体的な放射対称分布型として且つ下端部から切り込まれた割り溝(58)により、弾力性を発揮し得るように区成されている。
【0063】
そして、このような第1フランジセグメント(F1)の取付ベース盤(42)に点在分布する複数の下段外向き係止爪(57)が、上記昇降ガイド(G)における胴体(31)の上端部に対応形成されている爪受け入れ孔(32)へ、その内側から係脱自在に係止されることにより、その昇降ガイド(G)と開閉トップフランジ(F)とが組み立て一体化されているのである。
【0064】
その組立状態では図10と図14との対応位置関係から明白なように、上記昇降ガイド(G)における胴体(31)の約上半部に欠き列設されている向かい合う一対の操作リング用昇降ガイド溝レール(33)と、その開閉トップフランジ(F)を形作る第1、2フランジセグメント(F1)(F2)のボス(44)に区成された向かい合う一対の上段外向き係止爪(50)とが、平面視での直交する関係状態に位相変化している。
【0065】
尚、第1、2フランジセグメント(F1)(F2)における袋受け座面(43)の中央部からボス(44)が下向きに突出しており、その第1フランジセグメント(F1)のボス(44)からだけ取付ベース盤(42)が、更に下向き連続一体に突出しているため、そのボス(44)に区成された一対の外向き係止爪(50)が上段に位置することとなり、取付ベース盤(42)に区成された複数の外向き係止爪(57)が下段に位置することになることは、言うまでもない。
【0066】
又、先に一言した操作リング(R)はポリアセタール樹脂(商品名:ジュラコン)やポリプロピレン(PP)樹脂などの硬質な熱可塑性樹脂から、図20〜23のような上記昇降ガイド(G)とその開閉トップフランジ(F)のボス(44)並びに取付ベース盤(42)を包囲できる大きさの円形リング状に一体成形されており、これには清潔感に富む乳白色やその他の適当な着色カラーを与えることが望ましい。
【0067】
(59)は操作リング(R)における胴体(60)内の中途高さ位置を横断する水平な仕切り板であって、上記昇降ガイド(G)内のニードル(N)を引き下げるが、その中心部にはニードル(N)の後述する上側胴体を逃し入れる円形なニードル挿通口(61)が、同じく仕切り板(59)の周縁部は向かい合う一対の支持ステー(62)だけを残して、上記昇降ガイド(G)の胴体(31)を逃し入れる円弧溝(63)の一対が、各々切り欠き開口されており、その操作リング(R)の両円弧溝(63)を上記昇降ガイド(G)の胴体(31)へ、同じく両支持ステー(62)をその胴体(31)の操作リング用昇降ガイド溝レール(33)へ、何れも上方から抜き差し自在に差し込み套嵌することができるようになっている。
【0068】
(64)は上記操作リング(R)の胴体(60)に対する両支持ステー(62)の付け根部に切り欠かれた割り溝であり、上記昇降ガイド(G)の胴体(31)から昇降ガイド溝レール(33)に沿って突出する補強リブ(36)を受け入れる。(65)は同じく操作リング(R)における胴体(60)の下端部付近に開口分布する向かい合う一対の下段爪受け入れ孔であり、その操作リング(R)が引き下げられた時、上記昇降ガイド(G)の胴体(31)から対応的に突出する下段外向き係止爪(34)と係止し得るようになっている。尚、操作リング(R)の開口下縁部は図20、23のような引き下げ操作手を当てがいやすい下フランジ(66)として、張り出し形成することが好ましい。
【0069】
他方、上記操作リング(R)における胴体(60)の上端部付近にも向かい合う一対の上段爪受け入れ孔(67)が切り欠かれているが、これは上記下段爪受け入れ孔(65)と図21のような平面視での直交する関係状態に位相変化しており、上記昇降ガイド(G)の開閉トップフランジ(F)におけるボス(44)から対応的に突出する上段外向き係止爪(50)と係脱自在に係止し得るようになっている。
【0070】
つまり、操作リング(R)を押し上げて、その上段の爪受け入れ孔(67)を上記開閉トップフランジ(F)側の上段外向き係止爪(50)と係止させることにより、その開閉トップフランジ(F)を閉合状態に施蓋し、飲料水包装袋(22)の口金(26)へ挟み付けられた使用状態に保つことができるのである。尚、操作リング(R)の開口上縁部も図20、22のような押し上げ操作手の当てがいやすい上フランジ(68)として、やはり張り出し形成することが望ましい。
【0071】
次に、ニードル(N)はAS樹脂(スチレンとアクリロニトリルとの共重合体)やその他の透明又は半透明な硬質の熱可塑性樹脂から、図24〜27のような下向き全開する基本的な二段ロケット型に一体成形されており、その上端部の鋭利な円錐面(69)とこれよりも下方へ行く程太くなる段付き円筒状の胴体(70)(71)を備えた中空品である。
【0072】
(72)は上記円錐面(69)の約下半部(首部)に被着一体化されたシール膜であって、熱可塑性樹脂エラストマーやシリコーンゴムなどの弾性材からほぼ円筒状に形成されており、上記飲料水包装袋(22)における口金(26)との嵌合面を密封し、その包装袋(22)から飲料水(W)が漏出することを防止する。
【0073】
(73)は同じく円錐面(69)と径小な上側胴体(70)との境界肩面、(74)はその径小な上側胴体(70)と径大な下側胴体(71)との境界段差面、(75)はその下側胴体(71)の下端部に刻成された雄ネジであり、ここにニードル(N)のボトムキャップ(B)が着脱自在に螺合締結されることとなる。(76)は上側胴体(70)と下側胴体(71)から外向き連続的に張り出す複数(図例では合計6枚)のスライドフィンであって、全体的な放射対称分布型に列設されており、上記昇降ガイド(G)の胴体(31)内を安定良くスライド(昇降)し、振れ動くおそれはない。
【0074】
又、(77)は上記鋭利な円錐面(69)の中空内部を第1上細り通路(O1)と第2上細り通路(O2)に二等分するセンター仕切り板であって、その円錐面(69)の頂点(錐先部)から上側胴体(70)との上記境界肩面(73)よりも下方までの一定深さ(d2)だけ連続的に垂下されている。(78)はその境界肩面(73)から上記センター仕切り板(77)と同じ一定深さ(d2)だけ平行に垂下された規制板片であり、第1、2上細り通路(O1)(O2)の何れか一方(図例では第2上細り通路)を他方よりも深い通路として区成している。
【0075】
しかも、上記した垂直のセンター仕切り板(77)によって二等分された円錐面(69)の約上半部には、その第1、2上細り通路(O1)(O2)と各々連通する横向きの第1、2通孔(79L)(79R)が、好ましくは高低差のある位置又は大小差のある口径として開口分布されており、要するに中空のニードル(N)は上記飲料水包装袋(22)とサーバー本体(10)側の導水管(ノンスピル)(14)とを連通し、その内部が飲料水(W)の流通路になる。
【0076】
更に、上記ニードル(N)のボトムキャップ(B)はそのニードル(N)と同じAS樹脂やその他の透明又は半透明な硬質の熱可塑性樹脂から、図28〜30のような比較的浅い断面ほぼU字形に一体成形されているが、その底面の中央部には上記カップ(C)のボトムキャップ受け止め芯筒(25)と合致連通する円形の導水管(ノンスピル)挿通口(80)が開口しており、同じく底面の周辺部からは下側パッキング(29)を受け止め支持するリング状の凸条(81)が内向き一体に起立している。
【0077】
(82)はボトムキャップ(B)の胴体(83)に刻成された雌ネジであり、上記ニードル(N)の雄ネジ(75)へ下方から着脱自在に螺合締結されることとなる。(84)は同じく胴体(83)の下端部から連続一体に張り出す径大な円形の外向き係止フランジであって、上記昇降ガイド(G)における胴体(31)の下端部に対応形成されている内向き係止爪(39)と係脱自在に係止する。
【0078】
先に一言した開閉弁(V)はAS樹脂やその他の硬質な熱可塑性樹脂から一体成形されており、図31のようなほぼ円錐受け皿形の弁体(85)と、その中心部から垂下する脚柱(86)と、同じく弁体(85)の周縁部から放射対称分布型に起立する複数(図例では合計8本)のスライドフィン(87)とを備えている。
【0079】
そして、このような開閉弁(V)は上記ニードル(N)の就中径小な上側胴体(70)に内蔵されており、そのスライドフィン(87)が上側胴体(70)の内部を振れ動くことなく直進的にスライド(昇降)して、上側パッキング(28)の円錐弁座(88)を開閉することになる。
【0080】
上下一対の上記パッキング(28)(29)は何れもシリコーンゴムやその他の弾性材から円形リング状に成形されており、その上側パッキング(28)が上記開閉弁(V)の弁体(85)と密着し得る円錐弁座(88)を有し、上記ニードル(N)における上側胴体(70)と下側胴体(71)との境界段差面(74)へ、下方からスペーサー(S)により押し付け密着された位置決め状態にある。
【0081】
これに比し、下側パッキング(29)は上記導水管(ノンスピル)(14)へ言わば首締め状態に喰い付くシール膜として、上側パッキング(28)の厚み(例えば約1.5mm)よりも厚く(例えば約3mm)、しかもその円形開口縁部の尖鋭な断面楔形に造形されており、上記ボトムキャップ(B)における底面の凸条(81)によって下方から受け止められた状態にある。
【0082】
そして、その両パッキング(28)(29)の上下相互間に介在する上記スペーサー(S)は、やはりAS樹脂やその他の透明又は半透明な硬質の熱可塑性樹脂から、図32、33のような断面ほぼ倒立U字形に一体成形されているが、その上側パッキング(28)を下方から支持するフラットな頂面の中央部には、上側パッキング(28)の円錐弁座(88)と合致連通する円錐弁座(89)が開口している。上記開閉弁(V)の弁体(85)はその円錐弁座(89)を開閉するが、その弁体(85)から円錐弁座(89)を経て垂下する上記開閉弁(V)の脚柱(86)は、導水管(ノンスピル)(14)における頂面の中心部へ当接することになる。
【0083】
他方、上記スペーサー(S)における胴体(90)の下端部からは径大な円形の押えフランジ(91)が外向き連続的に張り出されており、上記ニードル(N)に螺合締結されたボトムキャップ(B)の凸条(81)と、そのスペーサー(S)の押えフランジ(91)によって、下側パッキング(29)を上下方向から挟み付けるようになっている。(92)は同じくスペーサー(S)の胴体(90)から外向き連続的に張り出す複数(図例では合計6本)の補強リブであり、全体的な放射対称分布型に列設されている。
【0084】
上記ニードル(N)の段付き円筒状をなす上側胴体(70)と下側胴体(71)の内部に対しては、その下方から順次開閉弁(V)と上側パッキング(28)、スペーサー(S)並びに下側パッキング(29)を差し込みセットして、ボトムキャップ(B)の螺合締結により組み立てることができ、そのニードル(N)に対するボトムキャップ(B)の螺合締結力により、下方から下側パッキング(29)をスペーサー(S)の押えフランジ(91)へ適度な強さに押し付け、更に延いてはそのスペーサー(S)のフラットな頂面を介して、上側パッキング(28)をニードル(N)における上側胴体(70)と下側胴体(71)との境界段差面(74)へ適度な強さに押し付ける調整も可能である。
【0085】
その場合、下側パッキング(29)が導水管(ノンスピル)(14)に喰い付き圧着する密封力を、上記飲料水包装袋(22)の口金(26)とニードル(N)の円錐面(69)との嵌合面に介在するシール膜(72)の密封力よりも、比較的(相対的)に弱く調整セットしておくことが好ましい。そうすれば、図40のような後述するサーバー本体(10)側からの確実・安定な引き抜き状態を得られることになる。
【0086】
尚、上記ボトムキャップ(B)の取りはずし後、ニードル(N)から逆に下方へ順次下側パッキング(29)とスペーサー(S)、上側パッキング(28)並びに開閉弁(V)を抜き出して、これらの分解掃除や新品との交換などを行えることは言うまでもない。
【0087】
本発明のウォーターサーバーにおけるトップカバー(11)側のカップ受け入れ凹溝(12)内には、上向き拡開する円錐形のトップフランジ受け皿面(24)と、ニードル(N)のボトムキャップ受け止め芯筒(25)とを備えた基本的な断面U字形のカップ(C)が、上方から差し込み嵌合されており、その垂直中心線上に導水管(ノンスピル)(14)が起立した組立状態にある。
【0088】
他方、段付き円筒状をなす上側胴体(70)と下側胴体(71)の内部へ、その下方から順次開閉弁(V)と上側パッキング(28)、スペーサー(S)並びに下側パッキング(29)が差し込みセットされた後、その下側胴体(71)に対するボトムキャップ(B)の螺合締結によって一旦組み立てられたニードル(N)を、更に昇降ガイド(G)の内部へ上方から差し込みセットする一方、その昇降ガイド(G)の外部へ操作リング(R)をやはり上方から差し込み套嵌させて、最後に上記昇降ガイド(G)の開口頂面へ開閉トップフランジ(F)を施蓋状態に取り付けることにより、その昇降ガイド(G)からニードル(N)や開閉トップフランジ(F)が不慮に離脱しない穿孔アダプター(A)として組立ユニット化しておく。
【0089】
そして、本発明を使用する際には、飲料水包装袋(22)をその袋受け止めホルダー(H)の内部へ挿入セットすると共に、上記穿孔アダプター(A)における開閉トップフランジ(F)の第1、2フランジセグメント(F1)(F2)を閉合させて、その飲料水包装袋(22)の底面に予じめ付属している口金(26)の凹周面(27)へ挟み付け、その状態を上記昇降ガイド(G)に沿って押し上げた操作リング(R)により、上記穿孔アダプター(A)が離脱しないように施錠する。
【0090】
このような準備状態では図34に示す如く、押し上げられた操作リング(R)の上段爪受け入れ孔(67)が、上記第1、2フランジセグメント(F1)(F2)の上段外向き係止爪(50)と係止して、その第1、2フランジセグメント(F1)(F2)を開放しないように施錠維持している。
【0091】
又、ニードル(N)のボトムキャップ(B)は昇降ガイド(G)側の内向き係止爪(39)により受け止められた係合状態として、そのニードル(N)の鋭利な円錐面(69)が最低位置まで沈下している。しかも、上記ニードル(N)内にある開閉弁(V)は自重によって、上側パッキング(28)の円錐弁座(88)とスペーサー(S)の円錐弁座(89)に密着した閉鎖(閉弁)状態にある。
【0092】
そこで、上記袋受け止めホルダー(H)へ挿入セットされた準備状態にある飲料水包装袋(22)の穿孔アダプター(A)を、その袋受け止めホルダー(H)と一緒に下向きの垂直姿勢として、図35から図36を経て図37のように、サーバー本体(10)側のカップ(C)内へ差し込み下降させるのであり、そうすればニードル(N)におけるボトムキャップ(B)の底面が上記カップ(C)側のボトムキャップ受け止め芯筒(25)に係止し、これによって一旦下方から受け止め支持された図37の状態となる。
【0093】
この一旦停止状態では、上記開閉弁(V)の脚柱(86)が導水管(ノンスピル)(14)における頂面の中心部へ当接することにより、その弁体(85)が上側パッキング(28)の円錐弁座(88)並びにスペーサー(S)の円錐弁座(89)から浮上し、これらの閉鎖状態を開放(開弁)することになる。
【0094】
更に、このような穿孔アダプター(A)の一旦停止状態においても、ニードル(N)のボトムキャップ(B)から張り出している径大な外向き係止フランジ(84)は、昇降ガイド(G)の下端部に対応形成されている内向き係止爪(39)と未だ係止した状態にある。
【0095】
そこで、次に上記飲料水包装袋(22)の袋受け止めホルダー(H)を把持したままで、その包装袋(22)の穿孔アダプター(A)を引き続き、図37から図38を経て図39のように、その昇降ガイド(G)の底面がカップ(C)の底面に当接するまで深く差し込み下降させるのである。
【0096】
そうすれば、ニードル(N)側のボトムキャップ(B)が上記カップ(C)側のボトムキャップ受け止め芯筒(25)により受け止め支持された固定状態にあるに比して、飲料水包装袋(22)の底面に付属している昇降ガイド(G)が、その内向き係止爪(39)と上記ボトムキャップ(B)における外向き係止フランジ(84)との係止解除により、引き続き下降するため、これとの相対的にニードル(N)は上昇することとなり、その鋭利な円錐面(69)の頂点(錐先部)によって、上記開閉トップフランジ(F)の取付ベース盤(42)に開口するニードル挿通口(52)とボビン形の口金(26)を通じ、飲料水包装袋(22)の底面を自づと確実に穿孔することができる。その意味から上記ボトムキャップ受け止め芯筒(25)の垂立高さ(h)が、ニードル(N)の昇降ストロークを規定することになると言える。
【0097】
上記飲料水包装袋(22)が穿孔された図39の使用中には、その包装袋(22)内の飲料水(W)が同図の矢印で示す如く、上記ニードル(N)における円錐面(69)の第1、2通孔(79L)(79R)と第1、2上細り通路(O1)(O2)から、上側胴体(70)内にある上側パッキング(28)の円錐弁座(88)と下側胴体(71)内にあるスペーサー(S)の円錐弁座(89)や、導水管(ノンスピル)(14)の第1、2通孔(20L)(20R)と第1、2通路(O1)(O2)を経て落下し、サーバー本体(10)側の飲料水貯溜タンク(17)内へ円滑に流入することとなる。
【0098】
その場合、ニードル(N)における円錐面(69)の約下半部(首部)に被着一体化されたシール膜(72)が、その円錐面(69)と上記口金(26)との嵌合面を密封した状態にあるため、その嵌合面から飲料水包装袋(22)内の飲料水(W)が下方へ漏出するおそれはない。又、導水管(ノンスピル)(14)の外周面に下側パッキング(29)が喰い付き密封しているため、スペーサー(S)の下端部から飲料水(W)が漏出するおそれもない。
【0099】
飲料水(W)の使用が進み、サーバー本体(10)における飲料水貯溜タンク(17)内の貯水レベルが、図2の実線で示す位置まで低下して、上記の一定深さ(d1)だけ浅く切り欠かれている第1通路(P1)の下端部が、先に水面上へ露出すると、その飲料水貯溜タンク(17)内の空気が同図の矢印で示す如く、導水管(ノンスピル)(14)の第1通路(P1)と第1通孔(20L)や、ニードル(N)内のやはり一定深さ(d2)だけ浅い通路である第1上細り通路(O1)と第1通孔(79L)を通じて上昇し、飲料水包装袋(22)の内部へ流入することとなり、更にはその包装袋(22)内に少しでも飲料水(W)が残溜しているような場合、これを上記空気が押し下げて、飲料水貯溜タンク(17)へ流出させるように働く。
【0100】
何れにしても、上記飲料水包装袋(22)内の飲料水(W)が無くなり、その包装袋(22)を新品と交換して、サーバー本体(10)側へ装填使用する場合には、図39の状態から図40に示す如く、飲料水包装袋(22)の穿孔アダプター(A)を上記サーバー本体(10)側のカップ(C)から引き抜き上昇させる。
【0101】
そうすれば、ニードル(N)の内部に存在する開閉弁(V)の弁体(85)が自重によって、図40のように上側パッキング(28)の円錐弁座(88)とスペーサー(S)の円錐弁座(89)を閉鎖(閉弁)することになるほか、そのニードル(N)の円錐面(69)と上記飲料水包装袋(22)の口金(26)との嵌合面が、依然シール膜(72)での密封状態にあるため、上記引き抜き状態にある飲料水包装袋(22)からの漏水は皆無となり、周辺を汚損するおそれはない。
【0102】
そこで、上記カップ(C)からの引き抜き状態にある上記穿孔アダプター(A)側の昇降ガイド(G)を片手(例えば左手)で把持し乍ら、残る片手(例えば右手)で開閉トップフランジ(F)の操作リング(R)を図40の鎖線や図41の実線に示す如く引き下げる。
【0103】
そうすれば、上記昇降ガイド(G)の操作リング用昇降ガイド溝レール(33)に沿って下降する操作リング(R)の水平な仕切り板(59)が、その昇降ガイド(G)の内部においてニードル(N)のスライドフィン(87)と当接しつつ、そのニードル(N)を図40から図41のように、当初の最低位置(図34参照)まで下降させることとなり、上記ニードル(N)の鋭利な円錐面(69)は飲料水包装袋(22)の口金(26)と、開閉トップフランジ(F)の取付ベース盤(42)に開口するニードル挿通口(52)から下方へ抜け出して、昇降ガイド(G)の内部に沈没する。
【0104】
他方、昇降ガイド(G)の外部ではその開閉トップフランジ(F)における上段の外向き係止爪(50)と、上記操作リング(R)における上段爪受け入れ孔(67)との係止状態が、その操作リング(R)の引き下げ操作によって解除されることとなり、その開閉トップフランジ(F)における昇降ガイド(G)の開口頂面を施蓋した取り付け状態にある第1フランジセグメント(F1)に対して、第2フランジセグメント(F2)を縦支点軸(41)の廻りに開放させることができるため、その図41のような開放操作を行って、上記穿孔アダプター(A)を飲料水(W)が無くなった包装袋(22)の口金(26)から取りはずす。
【0105】
但し、上記導水管(ノンスピル)(14)の外周面に喰い付き圧着する下側パッキング(29)の密封力を、上記飲料水包装袋(22)の口金(26)とニードル(N)の円錐面(69)との嵌合面に介在するシール膜(72)の密封力よりも、比較的に強く調整セットしておくことにより、穿孔アダプター(A)のニードル(N)がサーバー本体(10)側の導水管(ノンスピル)(14)から引き抜け上昇するよりも早く、そのニードル(N)の鋭利な円錐面(69)が飲料水包装袋(22)の口金(26)から抜け落ちて、昇降ガイド(G)の内部へ自づと没入するように定めてもさしつかえない。この場合に限って、上記操作リング(R)の引き下げ操作は昇降ガイド(G)の開閉トップフランジ(F)を開閉させるためだけに行われる意味となる。
【0106】
何れにしても、空になった飲料水包装袋(22)から取りはずした穿孔アダプター(A)は、新らたな飲料水包装袋(22)の口金(26)へ図41から図34のように、上記開閉トップフ0ンジ(F)の閉合と操作リング(R)の押し上げによって、再度挟み付け使用することができ、その口金(26)に対する穿孔アダプター(A)の着脱操作を繰り返せば良い。
【0107】
次に、図42〜51は本発明の第2実施形態を示しており、これでは穿孔アダプター(A)の昇降ガイド(G)が基本的な断面倒立U字形に造形されていて、その円筒状をなす胴体(31)の内部へ、下方からニードル(N)を差し込みセットできるようになっている。
【0108】
又、その穿孔アダプター(A)の昇降ガイド(G)を飲料水包装袋(22)の口金(26)に取り付け使用するためのトップフランジ(F)は、径大な円錐受け皿形をなすも、上記昇降ガイド(G)における胴体(31)の上端部から外向き一体に張り出しており、上記第1実施形態の図14〜19に示した開閉トップフランジ(F)のような昇降ガイド(G)との別体品ではなく、ましてその第1、2フランジセグメント(F1)(F2)から縦支点軸(41)を介して開閉自在に組み立てられた構成ではない。
【0109】
しかも、このような昇降ガイド(G)との連続一体品であるトップフランジ(F)における円形な袋受け座面(43)の中央部には、図42〜45のような円形のニードル挿通口(93)が開口されており、その開口周辺部から下向き一体に突出する向かい合う一対のキー凸子(94)を、図46〜48のような飲料水包装袋(22)の口金(26)に対応形成されたキー溝(95)から差し込んだ後、時計方向又は反時計方向へ一定角度だけ回動操作することにより、その口金(26)の凹周面(27)へ上記昇降ガイド(G)を脱落不能に係止させることができるようになっている。
【0110】
但し、このような使用中の係止状態から昇降ガイド(G)を回動操作して、そのキー凸子(94)を上記口金(26)のキー溝(95)と合致させれば、そのキー溝(95)から昇降ガイド(G)のキー凸子(94)を抜き出すことができ、延いては飲料水包装袋(22)の口金(26)から穿孔アダプター(A)を取りはずせるのである。
【0111】
つまり、第2実施形態の構成では昇降ガイド(G)のトップフランジ(F)を開閉させて、飲料水包装袋(22)の口金(26)へ挟み付けるようになっていない結果、上記第1実施形態のようなトップフランジ(F)を開閉させるための操作リング(R)が不要として、その設置を省略されている。又、昇降ガイド(G)と別個な開閉トップフランジ(F)や操作リング(R)が無いため、上記昇降ガイド(G)の胴体(31)に第1実施形態のような下段外向き係止爪(57)の受け入れ孔(32)や操作リング用昇降ガイド溝レール(33)、外向き係止爪(34)、割り溝(35)、補強リブ(36)なども設けられていない。
【0112】
更に、穿孔アダプター(A)のニードル(N)に内蔵された第2実施形態の開閉弁(V)は、ガラス玉などから成るボール弁として具体化されており、これがその自重によって、図49のように上側パッキング(28)へ密着し、その円錐弁座(88)とスペーサー(S)の円錐弁座(89)を閉鎖(閉弁)する一方、そのボール弁が図50、51のように導水管(ノンスピル)(14)の円錐頂面へ、点接触状態に当接して浮上することにより、同じく上側パッキング(28)の円錐弁座(88)とスペーサー(S)の円錐弁座(89)を開放(開弁)するようになっている。
【0113】
そして、本発明の第2実施形態では図35と対応する図49から明白なように、穿孔アダプター(A)における昇降ガイド(G)のキー凸子(94)を、飲料水包装袋(22)の底面に付属しているボビン形口金(26)のキー溝(95)から差し込んで、一定角度だけ回動させることにより、その穿孔アダプター(A)を飲料水包装袋(22)へ脱落しない係止状態に保つ。
【0114】
このような図49の準備状態では上記第1実施形態の図35と同じく、ニードル(N)のボトムキャップ(B)から張り出す外向き係止フランジ(84)と、昇降ガイド(G)の下端部に対応位置する内向き係止爪(39)とが係止した状態にあり、そのニードル(N)の鋭利な円錐面(69)が昇降ガイド(G)内の最低位置まで沈下している。しかも、上記ニードル(N)内の開閉弁(V)はやはり自重によって、上側パッキング(28)の円錐弁座(88)とスペーサー(S)の円錐弁座(89)を閉鎖(閉弁)した状態にある。
【0115】
上記準備状態から飲料水包装袋(22)の袋受け止めホルダー(H)を把持しつつ、その包装袋(22)の穿孔アダプター(A)をサーバー本体(10)側のカップ(C)内へ差し込み下降させることにより、上記ニードル(N)のボトムキャップ(B)がそのカップ(C)のボトムキャップ受け止め芯筒(25)に一旦受け止められた状態は、図50に示すとおりであって、上記第1実施形態の図37と実質的に同じ状態となる。
【0116】
この一旦停止状態では、開閉弁(V)が導水管(ノンスピル)(14)の円錐頂面へ点接触することによって、やはり上側パッキング(28)の円錐弁座(88)とスペーサー(S)の円錐弁座(89)から浮上し、これらの閉鎖状態を開放(開弁)することになる。又、ニードル(N)のボトムキャップ(B)から張り出している外向き係止フランジ(84)と、昇降ガイド(G)の下端部に対応位置する内向き係止爪(39)とは、未だ係止した状態にある。
【0117】
更に、図50の上記一旦停止状態から穿孔アダプター(A)を、その昇降ガイド(G)の底面がサーバー本体(10)におけるカップ(C)の底面に当接するまで、深く差し込み下降させた状態は、図51に示すとおりであり、上記第1実施形態の図39と実質的に同じ状態となる。
【0118】
この深く差し込み終了した状態では、ニードル(N)のボトムキャップ(B)が依然として下方から受け止め固定された状態にあるに比して、飲料水包装袋(22)の底面に付属している昇降ガイド(G)が、引き続き下降する関係上、これとの相対的に上昇することとなるニードル(N)が、その鋭利な円錐面(69)の頂点(錐先部)によって、上記昇降ガイド(G)のニードル挿通口(93)とボビン形の口金(26)を通じ、飲料水包装袋(22)の底面を自づと穿孔する。
【0119】
その結果、図51の矢印で示す如く、飲料水包装袋(22)内の飲料水(W)はニードル(N)の円錐面(69)に開口分布する第1、2通孔(70L)(79R)と第1、2上細り通路(O1)(O2)から、段付き胴体(70)(71)の内部にある上側パッキング(28)の円錐弁座(88)とスペーサー(S)の円錐弁座(89)や、導水管(ノンスピル)(14)の第1、2通孔(20L)(20R)と第1、2通路(P1)P2)を経て落下し、サーバー本体(10)側の飲料水貯溜タンク(17)内へ流入することになる
【0120】
その場合、ニードル(N)の円錐面(69)に被着一体化されているシール膜(72)が、その円錐面(69)と上記口金(26)との嵌合面を密封した状態にあるため、その嵌合面から飲料水(W)が下方へ漏出するおそれはなく、又下側パッキング(29)が導水管(ノンスピル)(14)の外周面に喰い付き密封した状態にあるため、スペーサー(S)の下端部から飲料水(W)が漏出するおそれもない。
【0121】
やがて飲料水包装袋(22)内の飲料水(W)が無くなり、その包装袋(22)を新品と交換する場合には、図51の状態から飲料水包装袋(22)の穿孔アダプター(A)を引き抜き上昇させれば良い。そうすれば、その過程では図示省略してあるが、昇降ガイド(G)の下端部にある複数の内向き係止爪(39)が、ニードル(N)におけるボトムキャップ(B)の外向き係止フランジ(84)と係止するため、そのままで引き続き上昇させて行くことにより、上記穿孔アダプター(A)をサーバー本体(10)側のカップ(C)から図49のように完全に抜き出すことができる。
【0122】
その場合、上記第1実施形態との言わば反対に、下側パッキング(29)が導水管(ノンスピル)(14)に喰い付き圧着する密封力を、飲料水包装袋(22)の口金(26)とニードル(N)の円錐面(69)との嵌合面に介在するシール膜(72)の密封力よりも、比較的(相対的)に強く調整セットしておくことが好ましい。
【0123】
そうすれば、穿孔アダプター(A)のニードル(N)がサーバー本体(10)側の導水管(ノンスピル)(14)から引き抜け上昇するよりも早く、そのニードル(N)の鋭利な円錐面(69)が飲料水包装袋(22)の口金(26)から抜け落ちて、昇降ガイド(G)の内部へ自づと没入することになり、上記第1実施形態の操作リング(R)によるニードル(N)の人為的な引き下げ操作を加える必要がない。
【0124】
図42〜51の第2実施形態におけるその他の構成と使用法は、図1〜41の上記第1実施形態と実質的に同一であるため、その図42〜51に図1〜41との対応符号を記入するにとどめて、その詳細な説明を省略する。
【0125】
尚、本発明の使用法を整然とわかりやすく説明するための便宜上、飲料水包装袋(22)とその底面に付属する穿孔アダプター(A)を、常に下向きの姿勢状態として図示すると共に説明したが、サーバー本体(10)側のカップ(C)へ飲料水包装袋(22)の穿孔アダプター(A)を差し込み下降させるまでの準備段階や、飲料水(W)が無くなった包装袋(22)の穿孔アダプター(A)を、サーバー本体(10)側のカップ(C)から引き抜き上昇させた後の取りはずし段階では、これらの上向き(倒立)姿勢状態として、必要な上記諸操作がテーブル上での安楽に行われることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0126】
(10)・サーバー本体
(11)・トップカバー
(12)・カップ受け入れ凹溝
(13)・溝底面である。
(14)・導水管(ノンスピル)
(15)・固定フランジ
(16)・センター仕切り壁
(17)・飲料水貯溜タンク
(18)・締結固定ナット
(19)・防水パッキング
(20L)(20R)・第1、2通孔
(21L)(21R)・給水栓
(22)・飲料水包装袋
(23)・胴体
(24)・トップフランジ受け皿面
(25)・ボトムキャップ受け止め芯筒
(26)・口金
(27)・凹周面
(28)(29)・パッキング
(30)・芯筒挿通口
(31)・胴体
(32)・爪受け入れ孔
(33)・操作リング用昇降ガイド溝レール
(34)・外向き係止爪
(35)(40)(46)(51)(58)(64)・割り溝
(36)・補強リブ
(37)・補強フィン
(38)・下細りテーパー面
(39)・内向き係止爪
(41)・縦支点軸
(42)・取付ベース盤
(43)・袋受け座面
(44)・ボス
(45)・縁取りスカート
(47)・軸受け筒
(48)・切欠
(49)・挟み付け片
(50)・上段外向き係止爪
(52)・ニードル挿通口
(53)・浮かしリブ(橇)
(54)・内側包囲壁
(55)・外側包囲壁
(56)・凹周溝
(56)・下段外向き係止爪
(59)・仕切り板
(60)・胴体
(61)・ニードル挿通口
(62)・支持ステー
(63)・円弧溝
(65)・下段爪受け入れ孔
(66)・下フランジ
(67)・上段爪受け入れ孔
(68)・上フランジ
(69)・円錐面
(70)(71)・胴体
(72)・シール膜
(73)・境界肩面
(74)・境界段差面
(75)・雄ネジ
(76)・スライドフィン
(77)・センター仕切り板 (78)・規制板片
(79L)(79R)・第1、2通孔
(80)・導水管(ノンスピル)挿通口
(81)・凸条
(82)・雌ネジ
(83)・胴体
(84)・外向き係止フランジ
(85)・弁体
(86)・脚柱
(87)・スライドフィン
(88)(89)・円錐弁座
(90)・胴体
(91)・押えフランジ
(92)・補強リブ
(93)・ニードル挿通口
(94)・キー凸子
(95)・キー溝
(A)・穿孔アダプター
(B)・ボトムキャップ
(C)・カップ
(F)・開閉トップフランジ
(F1)・第1フランジセグメント
(F2)・第2フランジセグメント
(G)・昇降ガイド
(H)・袋受け止めホルダー
(N)・ニードル
(R)・操作リング
(S)・スペーサー
(V)・開閉弁
(W)・飲料水
(O1)・第1上細り通路
(O2)・第2上細り通路
(P1)・第1通路
(P2)・第2通路
(d1)(d2)・一定深さ
(h)・一定高さ
(x)・上下相互間隙
(θ)・開度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
盃状トップカバーから陥没するカップ受け入れ凹溝の垂直中心線上に、飲料水貯溜タンクと連通する導水管が固定立設されたサーバー本体と、底面中央部に口金が固着された飲料水包装袋とを有するウォーターサーバーにおいて、
上記サーバー本体側のカップ受け入れ凹溝へカップを、その底面中央部から一定高さだけ連続的に垂立するボトムキャップ受け止め芯筒が上記導水管の中途高さ位置に套嵌される関係状態として、差し込み固定する一方、
上記飲料水包装袋の穿孔アダプターを上記口金へ着脱自在に取り付け使用されるほぼ円筒形の昇降ガイドと、その昇降ガイドへ昇降自在に内蔵されることにより、上記飲料水包装袋と導水管とが連通する飲料水流通路になる中空のニードルと、そのニードルに内蔵された飲料水流通路の開閉弁と、同じくニードルに螺合締結されたボトムキャップとから組立ユニット化すると共に、
そのニードルのボトムキャップから張り出す外向き係止フランジと、上記昇降ガイドの下端部から全体的な放射対称分布型に張り出す複数の内向き係止爪とを係脱自在に係止させて、
上記飲料水包装袋の口金に取り付けた穿孔アダプターの昇降ガイドをサーバー本体側のカップ内へ、そのニードルのボトムキャップが上記カップのボトムキャップ受け止め芯筒により一旦下方から受け止められて、上記開閉弁が開弁状態になるまで差し込み下降させた後、
同じく昇降ガイドをその内向き係止爪と上記外向き係止フランジとの係止解除により、引き続き上記カップの底面まで深く差し込み下降させて、これとの相対的に上昇するニードルが上記口金を通じて、飲料水包装袋の底面を自づと穿孔するように関係設定したことを特徴とするウォーターサーバーにおける飲料水包装袋の穿孔装置。
【請求項2】
穿孔アダプターのニードルを飲料水包装袋の口金に差し込み嵌合し得る鋭利な円錐面と、これよりも下方へ行く程太くなる二段の円筒状胴体とから形作って、その比較的径小な上側胴体の内部に開閉弁を設置する一方、
比較的径大な下側胴体の内部に上記開閉弁の弁座となる上側パッキングと、導水管の外周面に喰い付き密着し得る下側パッキングと、その両パッキングの上下相互間に介在するスペーサーとを設置して、その下側胴体の下端部へボトムキャップを着脱自在に螺合締結すると共に、
上記ニードルの円錐面と飲料水包装袋の口金との嵌合面を密封し得るシール膜を、その円錐面の首部に被着一体化させたことを特徴とする請求項1記載のウォーターサーバーにおける飲料水包装袋の穿孔装置。
【請求項3】
穿孔アダプターのニードルに対するボトムキャップの螺合締結操作により下側パッキングをスペーサーへ、延いてはそのスペーサーにより上側パッキングをニードルにおける上側胴体と下側胴体との境界段差面へ、何れも下方から押し付けると共に、
上記ボトムキャップの締結力によって導水管の外周面に喰い付き圧着する下側パッキングの密封力を、強弱調整セットできるように定めたことを特徴とする請求項2記載のウォーターサーバーにおける飲料水包装袋の穿孔装置。
【請求項4】
飲料水包装袋の口金をボビン形として、縦支点軸の廻りに開閉することによりその口金へ挟み付け得る別個な開閉トップフランジを、穿孔アダプターにおける昇降ガイドの上端部へ係脱自在な係止状態に組み立てると共に、
その昇降ガイドへ昇降自在に差し込み套嵌させた操作リングの押し上げ操作により、上記開閉トップフランジを飲料水包装袋の口金へ挟み付く閉合状態に施錠する一方、
同じく操作リングの引き下げ操作によって、上記開閉トップフランジを飲料水包装袋の口金から取りはずせる状態に開放するように関係設定したことを特徴とする請求項1記載のウォーターサーバーにおける飲料水包装袋の穿孔装置。
【請求項5】
操作リングの引き下げ操作により開閉トップフランジを開放すると一挙同時に、昇降ガイドの内部に存在するニードルを引き下げて、飲料水包装袋の口金から抜き出せるように定めたことを特徴とする請求項4記載のウォーターサーバーにおける飲料水包装袋の穿孔装置。
【請求項6】
穿孔アダプターにおける昇降ガイドの上端部を径大な円錐受け皿形のトップフランジとして一体成形し、その中央部にニードル挿通口とそのニードル挿通口の開口周辺部から下向きに突出する複数のキー凸子とを設ける一方、
飲料水包装袋のボビン形口金に上記キー凸子と合致し得るキー溝を対応形成して、
上記トップフランジのキー凸子を口金のキー溝から抜き差し自在に差し込んで、一定角度だけ回動操作することにより、上記飲料水包装袋の口金へ係止させることができるように定めたことを特徴とする請求項1記載のウォーターサーバーにおける飲料水包装袋の穿孔装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【公開番号】特開2013−35547(P2013−35547A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170185(P2011−170185)
【出願日】平成23年8月3日(2011.8.3)
【出願人】(511189492)富士山の銘水株式会社 (3)
【出願人】(395012802)阪上工業株式会社 (6)
【Fターム(参考)】