説明

ウォームラック形動力伝達装置

【課題】ウォームラックの製作に特殊の切削工具や工作機械が不要で、ウォーム歯車とウォームラックとは、バックラッシュが生じない転がり接触となり、伝達効率が高く摩耗が少ないウォームラック形動力伝達装置を提供する。
【解決手段】複数の転動ボール9は、ウォームラック6に沿って所定の間隔で滑動可能に配列されてウォーム歯車5に噛合する。ウォーム歯車5の回転が転動ボール9を介してウォームラック6に直線運動力として伝達される。転動ボール9をウォームラック6に配列することにより、ウォームラック6の製作に特殊の切削工具や工作機械が不要で、生産性が向上してコストの低減化に資する。ウォーム歯車5とウォームラック6とは、バックラッシュが生じない転がり接触となり、大型工作機械の負荷を受けながらも、ウォームラック6に対するウォーム歯車5の伝達効率が高く摩耗が少ない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウォーム歯車およびウォームラックを有し、前者の回転運動を直線運動として後者に伝えるウォームラック形動力伝達装置に係り、とりわけ大型工作機械の搬送機構として使用されるウォームラック形動力伝達装置に関する。
【背景技術】
【0002】
大型工作機械の搬送用に好適となるウォームラック形動力伝達装置では、ピッチ誤差やリード誤差を抑えて高精度のウォームラックを製作する加工方法が知られている(例えば特許文献1参照)。この加工方法によれば、図8の(a)、(b)に示すように、入力部としてのウォーム歯車50と出力部としてのウォームラック51とが備わったウォームラック形動力伝達装置53の実用化が図られる。
【0003】
図8の(a)に矢印Mで示すように、入力軸50aを介してウォーム歯車50を電動機(図示せず)などにより回転させると、ウォームラック51が長手方向Nに直線移動し、大型工作機械のロボットアーム(図示せず)などに動力を伝えて、機械部品などの送り作業を行う。
【特許文献1】特開2001−62630号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のウォームラック形動力伝達装置では、ウォーム歯車は一般の螺子部材と同形状であるため、その製作は比較的容易である。しかしながら、ウォームラックは半割りナットであるため、特殊の切削工具や工作機械が必要となり、生産性が低下してコスト増をもたらす。ウォーム歯車の歯部とウォームラックの歯部とは、バックラッシュが存在する滑り接触で、大型工作機械の負荷もあって、伝達効率が低下して両者間の摩耗が大きくなる。
【0005】
ウォーム歯車の軸方向は、ウォームラックの長手方向に沿って平行になっており、ウォーム歯車は一般的に軸間距離に比べて径小である。これにより、ウォーム歯車の入力軸の周辺部には、限られた予備スペースしか残らなくなる。この結果、ウォーム歯車の入力軸に電動機などの駆動系部品を取付ける際、駆動系部品がウォームラックから干渉を受けるようになり、図8に示すようなウォームラック形動力伝達装置の普及が立ち遅れている。
【0006】
この予備スペースを広げて駆動系部品の取付けに自由度を確保するため、ウォーム歯車の軸方向をウォームラックに対して傾斜させ、ウォーム歯車の入力軸の周辺部がウォームラックの干渉を受けないようにすることが考えられている。
この場合、ウォーム歯車が截頭円錐形となり、ウォームラックに対する噛合構造を配慮すると、ウォーム歯車の歯部とウォームラックの歯部とのプロフィールが複雑な多次元形状となる。このため、ウォーム歯車およびウォームラックの製作が困難となり、ウォーム歯車を傾斜させたウォームラック形動力伝達装置の実現化を阻む要因となっている。
【0007】
本発明は上記の事情を考慮してなされたもので、その第1の目的は、ウォームラックの製作に特殊の切削工具や工作機械が不要で、生産性が向上してコストの低減化に寄与し、ウォーム歯車とウォームラックとは、バックラッシュが生じない転がり接触となり、大型工作機械の負荷を受けながらも、ウォームラックに対するウォーム歯車の伝達効率が高く両者間の摩耗が少ないウォームラック形動力伝達装置を提供することにある。
【0008】
本発明の第2の目的は、比較的簡単な構成で、ウォーム歯車をウォームラックに対して傾斜状態に噛合させることが可能となり、駆動系部品を取付ける際、駆動系部品がウォームラックの干渉を受けず、駆動系部品の取付けに高い自由度を確保することができて実用化が図られるウォームラック形動力伝達装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(請求項1について)
ウォーム歯車および直線状のウォームラックとは互いに軸方向に並列する状態に設けられている。複数の転動ボールは、ウォームラックに長手方向に沿って所定の間隔で滑動可能に配列されてウォーム歯車に噛合する。ウォーム歯車の回転時、ウォーム歯車の回転が転動ボールを介してウォームラックに直線運動力として伝達される。
【0010】
転動ボールをウォームラックに配列することにより、ウォームラックの製作に特殊の切削工具や工作機械が不要で、生産性が向上してコストの低減化に寄与する。
ウォーム歯車とウォームラックとは、転動ボールを介して噛合するので、両者間にバックラッシュが生じない転がり接触となる。これにより、大型工作機械の負荷を受けながらも、ウォームラックに対するウォーム歯車の伝達効率が高く両者間の摩耗を少なくすることができる。
しかも、ウォームラックからウォーム歯車へは、動力伝達が行われないため、ウォームラックは停止した位置に保持されるようになる。この結果、ウォームラックがウォーム歯車に対してロック機能の役割を果たし、位置ずれすることがなく、ウォームラックの送り位置に高い精度を得ることができる。
【0011】
(請求項2について)
截頭円錐状のウォーム歯車は、直線状のウォームラックに対して軸方向に所定の角度で傾斜するように配列されている。複数の転動ボールは、ウォームラックに長手方向に沿って所定の間隔で滑動可能に配列されてウォーム歯車に噛合する。ウォーム歯車の回転時、ウォーム歯車の回転が転動ボールを介してウォームラックに直線運動力として伝達される。
【0012】
転動ボールをウォームラックに配列することにより、截頭円錐状のウォーム歯車が転動ボールを介してウォームラックに傾斜状態に噛合するようになる。このため、ウォーム歯車に駆動系部品を取付ける際、駆動系部品がウォームラックの干渉を受けなくなり、駆動系部品の取付けに高い自由度を確保することができる。
【0013】
(請求項3について)
転動ボールは、ウォームラックに一列になって直線状に設けられている。これにより、ウォームラックの幅寸法を小さく設定することができ、ウォームラック自体の痩身化に伴って全体の省スペース化に寄与する。
【0014】
(請求項4について)
転動ボールは、ウォームラックに比較的小さな間隔で複数列に配置されている。このため、ウォーム歯車の回転は、ウォームラックの幅方向両側に存する転動ボールを介してウォームラックに伝わり、その伝達力を増大させるとともに、ウォームラックの直線運動を安定させることができる。
【0015】
(請求項5について)
ウォームラックには、転動ボールを外部に突出させる止め孔部を形成した保持板が被冠状態に設けられている。これにより、転動ボールがウォームラックに保持され、ウォームラックに対するウォーム歯車の回転伝達時、転動ボールがウォームラックから飛び出したり、落下したりすることがない。
【0016】
(請求項6について)
ウォームラックには、長手方向にガイドレールが取付けられており、ウォーム歯車は、支柱部を介してガイドレールに摺動可能に支持されている。これにより、ウォームラックに対するウォーム歯車の回転伝達を円滑にすることができる。
【0017】
(請求項7について)
ウォーム歯車の歯面プロフィールは断面略円弧状であるため、ウォーム歯車に対する転動ボールの噛合状態が良好な接触により安定する。これにより、ウォーム歯車の回転をウォームラックに効率よく円滑に伝達させることができる。
【0018】
(請求項8について)
ウォーム歯車の歯面プロフィールは断面略台形状であるため、請求項7と同様にウォーム歯車に対する転動ボールの噛合状態が良好な接触により安定する。これにより、ウォーム歯車の回転をウォームラックに一段と効率よく円滑に伝達させることができる。
【0019】
(請求項9について)
ウォーム歯車の歯面プロフィールは、V字状の先端を有する略円弧状の断面であるため、請求項7と同様にウォーム歯車に対する転動ボールの噛合状態が良好な接触により安定する。これにより、ウォーム歯車の回転をウォームラックに一段と効率よく円滑に伝達させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明のウォームラック形動力伝達装置では、転動ボールをウォームラックに軸方向に沿って配列することにより、ウォームラックの製作に特殊な切削工具や工作機械が不要で、生産性が向上してコストの低減化に寄与する。ウォーム歯車とウォームラックとは、転動ボールを介して噛合するので、両者間にバックラッシュが生じない転がり接触となり、大型工作機械の負荷を受けながらも、ウォームラックに対するウォーム歯車の伝達効率が高く両者間の摩耗を少なくすることができる。
【実施例1】
【0021】
図1ないし図3に基づいて本発明の実施例1を説明する。
本発明の実施例1に係るウォームラック形動力伝達装置1は、例えば大型工作機械のロボットアーム(図示せず)の駆動に用いられるもので、図1に示すように機械製作工場などの床Fに据え付けられる。
【0022】
ウォームラック形動力伝達装置1は、床Fに立設されて上端を頭部2aとする支柱部2を備えている。支柱部2の頭部2aには、水平に貫通する入力軸3が回転可能に支持されている。入力軸3の一端には、電動機4が駆動系部品として取付けられ、他端にはウォーム歯車5が嵌着されている。ウォーム歯車5は、例えば円筒体に所定のピッチ角とピッチPとにより、複数条の歯筋部5bを螺線状に刻設して歯底部5aの歯面プロフィールを断面略円弧状にした通常のものである(図2参照)。
【0023】
ウォーム歯車5の下方には、矩形で細長なウォームラック6が支柱部2と直交して入力軸3と並列するように配設されている。ウォームラック6の内側面部6aには、支柱部2の縦柱部2bを摺動可能に貫通する断面略横T字状のガイドレール7が長手方向に取付けられている。
ウォームラック6の上面部は、図2に示すように、ウォーム歯車5の歯先に近接して摺動孔部8を長手方向に一列に形成している。摺動孔部8は、断面略半円状をなしてウォーム歯車5のピッチPに等しい間隔Qで配列されている。摺動孔部8には、軟鋼などにより所定の球径寸法に設定された転動ボール9が滑動可能に配設されている。
【0024】
この状態のウォームラック6には、図3にも示すように、転動ボール9に対応する止め孔部10aを形成した保持板10が被冠状態に設けられている。ウォームラック6に対するウォーム歯車5の噛合時、転動ボール9の略半球部分は、止め孔部10aから外部に突出し、ウォーム歯車5の歯底部5aに摺接係合されている。止め孔部10aの内周縁部からは、一対の拘束片部10bが周方向に延びて転動ボール9の外表面部に摺動可能に係合している。
【0025】
上記構成において、電動機4を通電により駆動してウォーム歯車5を回転させると(図1の矢印A参照)、ウォーム歯車5が転動ボール9を自転させながらスラスト力をウォームラック6に直線運動力として伝達する。このため、ウォームラック6がガイドレール7に規制されながら略水平な直線方向に移動し(図1の矢印B参照)、大型工作機械のロボットアームなどに動力を伝え、機械部品などの組付け工程で一連の送り作業を行う。
【0026】
このように、転動ボール9をウォームラック6に配列することにより、ウォームラック6の製作に特殊の切削工具や工作機械が不要で、生産性が向上してコストの低減化に寄与する。
ウォーム歯車5とウォームラック6とは、転動ボール9を介して噛合するので、両者の間にバックラッシュが生じない転がり接触となる。これにより、大型工作機械の負荷を受けながらも、ウォームラック6に対するウォーム歯車5の伝達効率が高く両者間の摩耗を少なくすることができる。ウォーム歯車5とウォームラック6との間にバックラッシュが生じないことに伴い、ロボットアームなどの送り位置に高い精度が得られ、機械部品などの組付けに対して生産性が向上する。
【0027】
また、送り作業時に電動機4に対する通電を止めて、ウォーム歯車5の回転を停止させた場合、ウォームラック6に外力が不用意に加わっても、ウォームラック6がウォーム歯車5に対してロック機能の役割を果たし、その外力がウォームラック6からウォーム歯車5に伝達することがない。このため、位置ずれすることがなくロボットアームなどの送り位置に高い精度を得ることができる。
【実施例2】
【0028】
図4および図5は本発明の実施例2を示す。
実施例2が実施例1と異なるところは、図4に示すように、截頭円錐状のウォーム歯車11を設けたことである。ウォーム歯車11は、図5に示すように、金属製の截頭円錐体に所定の傾斜角(θ1〜θ6)とピッチP1により、数条の歯筋部11bを螺線状に刻設している。歯底部11aは、歯筋部11bの基底部に形成され、歯面プロフィールとして断面略円弧状をなしている。ウォームラック6に対するウォーム歯車11の噛合時、ウォーム歯車11の歯底部11aが転動ボール9の半球部分に摺接係合する。
【0029】
この状態で、電動機4を駆動してウォーム歯車11を回転させると(図5の矢印J参照)、ウォーム歯車11の各ピッチP1毎の歯底部11aが転動ボール9に摩擦摺動しながら軸線Hの周りに回転する。ウォーム歯車11の回転に伴い、歯筋部11bを介して転動ボール9にスラスト力を与えるので、ウォームラック6を軸方向Kに沿って移動させる。 転動ボール9をウォームラック6に配列することにより、截頭円錐状のウォーム歯車11が転動ボール9を介してウォームラック6に軸角ωで傾斜状態に噛合するようになる。
【0030】
このため、ウォーム歯車11に電動機4などの駆動系部品を取付ける際、電動機4などの駆動系部品がウォームラック6の干渉を受けなくなり、駆動系部品の取付けに高い自由度を確保することができる。
ウォーム歯車11を截頭円錐状に形成しているため、ウォーム歯車11の回転時、ピッチP1毎の歯筋部11bは、図示右端に近づくほど周方向の長さが大きくなり、転動ボール9に対する摺動距離を増加させている。
この際、転動ボール9は、歯底部11aおよび摺動孔部8に対して全方位に滑動するので、転動ボール9が均等に磨り減り、一部が偏って摩耗することがない。
【実施例3】
【0031】
図6は本発明の実施例3を示す。実施例3が実施例1と異なるところは、転動ボール9をウォームラック6に比較的小さな間隔Rで複数列、例えば2列に配置したことである。 これにより、ウォーム歯車5の回転は、ウォームラック6の幅方向両側に存する転動ボール9を介してウォームラック6に伝わり、その伝達力を増大させるとともに、ウォームラック6の直線運動を安定させることができる。転動ボール9の配置は、2列に限らず3列であってもよい。
【実施例4】
【0032】
図7の(a)は本発明の実施例4を示す。実施例4が実施例1と異なるところは、ウォーム歯車5の歯面プロフィールを断面略台形状に形成したことである。このため、ウォーム歯車5に対する転動ボール9の噛合状態が良好な接触により安定し、ウォーム歯車5の回転をウォームラック6に一段と効率よく円滑に伝達することができる。
【実施例5】
【0033】
図7の(b)は本発明の実施例5を示す。実施例5が実施例1と異なるところは、ウォーム歯車5の歯面プロフィールが、V字状の先端を有する略円弧状の断面となるように形成したことである。このため、ウォーム歯車5に対する転動ボール9の噛合状態が良好な接触により安定し、ウォーム歯車5の回転をウォームラック6に一段と効率よく円滑に伝達することができる。
【0034】
(変形例)
(a)なお、各実施例1〜5における転動ボール9は、軟鋼ばかりでなくステンレススチール製、強化プラスチック製あるいは強化セラミック製であってもよい。
(b)実施例2において、ウォームラック6に対するウォーム歯車5の軸角ωは、10°〜30°などの角度範囲に設定してもよく、使用状況、設置場所あるいは負荷荷重などによって種々に変更することができる。
(c)実施例4および実施例5の各歯面プロフィールは、実施例2で用いたウォーム歯車11の歯面プロフィールに使用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明のウォームラック形動力伝達装置では、転動ボールをウォームラックに軸方向に沿って配列することにより、ウォームラックの製作に特殊の切削工具や工作機械が不要となる。ウォーム歯車とウォームラックとは、転動ボールを介して噛合するので、両者間にバックラッシュが生じない転がり接触となる。このため、ウォームラックに対するウォーム歯車の伝達効率が高く両者間の摩耗が少ない。
小型で高性能なウォームラック形動力伝達装置が入手できる有益性から生産の効率化を求める需要者の増加に伴い、機械産業界へ広く適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】ウォームラック形動力伝達装置の斜視図である(実施例1)。
【図2】ウォーム歯車と転動ボールとの係合状態を示す拡大縦断面図である(実施例1)。
【図3】転動ボールがウォームラックに取付けられた状態を示す斜視図である(実施例1)。
【図4】ウォームラック形動力伝達装置の斜視図である(実施例2)。
【図5】ウォーム歯車と転動ボールとの係合状態を示す拡大縦断面図である(実施例2)。
【図6】転動ボールがウォームラックに取付けられた状態を示す斜視図である(実施例3)。
【図7】(a)はウォーム歯車における歯底部の歯面プロフィールを転動ボールと一緒に示す拡大縦断面図(実施例4)、(b)はウォーム歯車における歯底部の歯面プロフィールを転動ボールと一緒に示す拡大縦断面図(実施例5)である。
【図8】(a)は従来のウォームラック形動力伝達装置の斜視図、(b)は従来のウォーム歯車とウォームラックとの噛合状態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0037】
1 ウォームラック形動力伝達装置
2 支柱部
3 入力軸
4 電動機
5、11 ウォーム歯車
5a、11a 歯底部
5b、11b 歯筋部
6 ウォームラック
7 ガイドレール
8 摺動孔部
9 転動ボール
10 保持板
10a 止め孔部
10b 拘束片部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに軸方向に並列する状態に設けられたウォーム歯車および直線状のウォームラックと、
前記ウォームラックに長手方向に沿って所定の間隔で滑動可能に配列されて、前記ウォーム歯車に噛合する複数の転動ボールとを備え、
前記ウォーム歯車の回転時、前記ウォーム歯車の回転が前記転動ボールを介して前記ウォームラックに直線運動力として伝達されることを特徴とするウォームラック形動力伝達装置。
【請求項2】
直線状のウォームラックに対して軸方向に所定の角度で傾斜するように配列された截頭円錐状のウォーム歯車と、
前記ウォームラックに長手方向に沿って所定の間隔で滑動可能に配列されて、前記ウォーム歯車に噛合する複数の転動ボールとを備え、
前記ウォーム歯車の回転時、前記ウォーム歯車の回転が前記転動ボールを介して前記ウォームラックに直線運動力として伝達されることを特徴とするウォームラック形動力伝達装置。
【請求項3】
前記転動ボールは、前記ウォームラックに一列になって直線状に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のウォームラック形動力伝達装置。
【請求項4】
前記転動ボールは、前記ウォームラックに比較的小さな間隔で複数列に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のウォームラック形動力伝達装置。
【請求項5】
前記ウォームラックには、前記転動ボールを外部に突出させる止め孔部を形成した保持板が被冠状態に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のウォームラック形動力伝達装置。
【請求項6】
前記ウォームラックには、長手方向にガイドレールが取付けられており、前記ウォーム歯車は、支柱部を介して前記ガイドレールに摺動可能に支持されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のウォームラック形動力伝達装置。
【請求項7】
前記ウォーム歯車の歯面プロフィールは、断面略円弧状であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のウォームラック形動力伝達装置。
【請求項8】
前記ウォーム歯車の歯面プロフィールは、断面略台形状であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のウォームラック形動力伝達装置。
【請求項9】
前記ウォーム歯車の歯面プロフィールは、V字状の先端を有する略円弧状の断面であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のウォームラック形動力伝達装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−120636(P2007−120636A)
【公開日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−314009(P2005−314009)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(000124188)加茂精工株式会社 (14)
【Fターム(参考)】