説明

ウコン抽出物とガジュツ抽出物とを含有する組成物

【課題】本発明はウコン抽出物を含有する組成物による二日酔いの症状の軽減効果を更に向上させることを目的とする。本発明は特に、「胸焼け」、「頭重感」等の二日酔いの特定の症状を軽減する組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明者は、ウコン(Curcuma longa)抽出物と、ガジュツ(Curcuma zedoaria)抽出物とを含有する組成物が、二日酔いの症状のうち特に「胸焼け」と「頭重感」を効果的に抑制することができることを見出した。本発明の組成物によるこの効果は、アルデヒド脱水素酵素活性の低い人において顕著に認められる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二日酔いの症状、特に胸焼け及び頭重感を軽減する効果を有する、飲食品又は医薬品として摂取可能な組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
ウコンは東南アジアを中心に、世界中の熱帯・亜熱帯地域で栽培されるショウガ科ウコン属の薬用植物である。ウコンには多数の近縁植物が知られている。日本で健康食品として知られているウコン類には秋ウコン、春ウコン、薬ウコン、紫ウコン等がある(非特許文献1)。秋ウコンは学名Curcuma longaである。紫ウコンは学名Curcuma zedoariaであり「ガジュツ」と呼ばれる。本発明では秋ウコンを「ウコン」と称し、紫ウコンを「ガジュツ」と称する。
【0003】
ウコンの根茎には3〜5%のクルクミン(黄色色素)が含有される。ウコン抽出物及びクルクミンには様々な有用性が知られている。例えば非特許文献2ではウコン抽出物含有飲料はアルコールと一緒に摂取することにより、アルコール本来の「酔い」を適度に発現させながら、悪酔いを防止する作用を有することが示唆されている。
【0004】
しかしながら、ウコン抽出物含有液状組成物が、アルコール飲料摂取後の起床時のいわゆる二日酔いの症状のなかでも「胸焼け」、「頭重感」等の特定の症状を軽減する効果を有することは従来知られておらず、非特許文献2からも示唆されない。また、他の組成物によりこれらの特定の症状が軽減されることも知られていない。
【0005】
特許文献1には、粉末生薬であるウコン末またはガジュツ末と、蛋白分解酵素を含む剤との緊密混合物からなる乾燥状態の粉末体の形態の健康食品が記載されている。特許文献1の技術によれば、粉末生薬の取り扱い難さと飲み難さとを大幅に改善することができる。特許文献1ではウコン末とガジュツ末とを併用することによる効果は示唆されていない。特許文献1ではウコンおよびガジュツの抽出物については言及されていない。
【0006】
特許文献2では根茎ウコンのスライス又は粉末の製造のための前処理として行われる、根茎ウコンの異臭、苦味成分の消臭、低減化処理方法が記載されている。特許文献2ではγ−アミノ酪酸水溶液等に根茎ウコンのスライスを浸漬したのち、根茎ウコンのスライスを粉砕して根茎ウコンを製造することが記載されている。根茎ウコンとしては春ウコン、秋ウコン、ガジュツの三種類を用いることができると記載されている。特許文献2ではウコン末とガジュツ末とを併用することによる効果は示唆されていない。特許文献2ではウコンおよびガジュツの抽出物については言及されていない。
【0007】
特許文献3では、ウコンの根茎から溶出したウコン油溶性成分を含有する植物油脂が記載されている。ウコンとしては、秋ウコン、ガジュツ等から選ばれる1種以上を用いることができる旨記載されている。特許文献3の実施例によれば、秋ウコンとガジュツの粉砕物をオリーブ油中に浸漬し、油溶性成分を溶出させて目的とするウコン含有植物油脂が製造される。特許文献3のウコン含有植物油脂は通常の食用油脂と同様に料理に少量使用される。特許文献3のウコン含有植物油が一度に多量に摂取されることはないと考えられる。
【0008】
特許文献4には、グルタチオン及びウコンを含有する組成物が記載されている。特許文献4ではグルタチオンとウコンとを組み合わせることにより肝臓障害抑制機能を有する食品、医薬品、ペットフード又は飼料等に応用可能な組成物を提供することができると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−83618号公報
【特許文献2】特開2001−163793号公報
【特許文献3】特開2001−86931号公報
【特許文献4】特開2005−179213号公報
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】吉川雅之、「ウコンとガジュツ」、食品と科学、Vol.43,No.5,49−53(2001)
【非特許文献2】浜野拓也ら、「ウコン抽出物が健常成人のアルコール代謝に及ぼす影響の検討」、応用薬理、72(1/2)、31−38(2007)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明では、ウコン抽出物を含有する組成物が有する、アルコール飲料摂取後の起床時の、いわゆる二日酔いの症状の軽減効果を更に向上させることを目的とする。
【0012】
本発明は、「胸焼け」、「頭重感」等の二日酔いの特定の症状を軽減する組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者は、ウコン抽出物とガジュツ抽出物とを共に含有する組成物は、ウコン抽出物を含有する組成物と比較して二日酔いの症状の軽減効果が有意に高いことを見出した。より具体的には、ウコン抽出物とガジュツ抽出物とを共に含有する組成物を摂取が、アルデヒド脱水素酵素(ALDH2(アルデヒドデヒドロゲナーゼ2))活性の低い人において、二日酔い症状のなかでも「胸焼け」及び「頭重感」を軽減する作用を有することを見出した。
【0014】
本発明は以下の発明を包含する。
(1)ウコン(Curcuma longa)抽出物と、ガジュツ(Curcuma zedoaria)抽出物とを含有する組成物。
(2)経口摂取される組成物であって、一回の経口摂取量当たり、クルクミンを30mg以上含有する量のウコン(Curcuma longa)抽出物を含有する、(1)記載の組成物。
(3)ウコン(Curcuma longa)抽出物が、ウコン(Curcuma longa)の有機溶媒による抽出物を含むものである、(1)又は(2)記載の組成物。
(4)ガジュツ(Curcuma zedoaria)抽出物が、ガジュツ(Curcuma zedoaria)の親水性有機溶媒と水との混合溶媒による抽出物を含むものである、(1)〜(3)の何れかに記載の組成物。
(5)飲食品又は医薬品である、(1)〜(4)の何れかに記載の組成物。
(6)液状組成物である、(5)記載の組成物。
【0015】
(7)ウコン(Curcuma longa)抽出物と、ガジュツ(Curcuma zedoaria)抽出物とを有効成分として含有する、二日酔いの症状の軽減剤。
(8)二日酔いの症状が胸焼け又は頭重感である、(7)記載の軽減剤。
(9)経口摂取される二日酔いの症状の軽減剤であって、一回の経口摂取量当たり、クルクミンを30mg以上含有する量のウコン(Curcuma longa)抽出物を含有する、(7)又は(8)記載の軽減剤。
(10)ウコン(Curcuma longa)抽出物が、ウコン(Curcuma longa)の有機溶媒による抽出物を含むものである、(7)〜(9)の何れかに記載の軽減剤。
(11)ガジュツ(Curcuma zedoaria)抽出物が、ガジュツ(Curcuma zedoaria)の親水性有機溶媒と水との混合溶媒による抽出物を含むものである、(7)〜(10)の何れかに記載の軽減剤。
【発明の効果】
【0016】
本発明の組成物を経口摂取することにより、アルコール飲料摂取後の起床時の、いわゆる二日酔いの症状、特に「胸焼け」と「頭重感」を効果的に抑制することができる。本発明の組成物のこの効果は、アルデヒド脱水素酵素(ALDH2(アルデヒドデヒドロゲナーゼ2))活性の低い人において顕著に認められる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は二日酔い軽減効果を確認するための試験の手順を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
1.ウコン抽出物
本発明においてウコン抽出物とは、秋ウコンと通称される学名Curcuma longaの根茎の抽出物を指す。
【0019】
ウコン抽出物は、ウコンの根茎部分を有機溶媒や水などの抽出溶媒を用いて抽出し、加熱及び/又は減圧して抽出溶媒を揮発させることにより得ることができる。
【0020】
抽出溶媒としては、クルクミンを抽出するうえではアルコールやヘキサン、アセトン等の有機溶媒を用いることが好ましい。特に、クルクミンを抽出するうえでは、アセトンによる抽出が好ましい。また、アルコール等の親水性有機溶媒と水との混合溶媒によるウコン抽出物も好適に利用できる。親水性有機溶媒と水との混合比は特に限定されないが、例えば重量比で10:90〜90:10の範囲が好ましく、20:80〜50:50の範囲がより好ましい。アルコールとしてはエタノールが好ましい。アセトンによるウコン抽出物と、親水性有機溶媒と水との混合溶媒によるウコン抽出物とを併用して使用することもできる。
【0021】
本発明の組成物又は二日酔いの症状の軽減剤中には、好ましくは一回の経口摂取量当たり、クルクミンが30mg以上、好ましくは30〜90mgとなる量のウコン抽出物が配合されるのがよい。このようなウコン抽出物の量は、例えば35mg以上、好ましくは35〜1000mgである。
【0022】
「一回の経口摂取量」とは、本発明の組成物また二日酔いの症状の軽減剤が一度に経口摂取される量、或いは短い時間間隔(例えば10分以下、好ましくは5分以下の時間)をおいて連続的に複数回で経口摂取される総量を指し、本発明の組成物また二日酔いの症状の軽減剤が液状組成物の形態である場合には例えば50〜500ml(典型的には50ml、100ml、150ml、200ml、250ml、300ml、350ml、400ml、450ml又は500ml)がその量であり、半固形状(ゼリー状等)、固形状等の他の形態である場合には例えば50〜500g(典型的には50g、100g、150g、200g、250g、300g、350g、400g、450g又は500g)がその量である。以下でも「一回の経口摂取量」をこの意味で用いる。
【0023】
なお、組成物中のクルクミンの量は、組成物を50%アセトニトリルで溶解させ、これを遠心分離して得られる上清液中のクルクミン量を高速液体クロマトグラフィー(Agilent technology社製Agilent1100)を用いて測定することにより求めることができる。
【0024】
2.ガジュツ抽出物
本発明においてガジュツ抽出物とは、紫ウコンと通称される学名Curcuma zedoariaの根茎の抽出物を指す。
【0025】
ガジュツ抽出物は、ガジュツの根茎部分を有機溶媒や水などの抽出溶媒を用いて抽出し、加熱及び/又は減圧して抽出溶媒を揮発させることにより得ることができる。
【0026】
ガジュツやその粉末は特有の薬臭い香りを有しているため摂取が容易でないという問題がある。しかしながら本発明では、ガジュツ抽出物を用いることにより、ガジュツ特有の薬臭い香りが感じられず摂取しやすい組成物を得ることができる。
【0027】
抽出溶媒としては、アルコールやヘキサン、アセトン等の有機溶媒を用いることが好ましい。特に、アルコール等の親水性有機溶媒と水との混合溶媒による抽出が好ましい。親水性有機溶媒と水との混合比は特に限定されないが、例えば重量比で10:90〜90:10の範囲が好ましく、20:80〜50:50の範囲がより好ましい。アルコールとしてはエタノールが好ましい。アセトン等の有機溶媒によるガジュツ抽出物も用いることができる。
【0028】
本発明の組成物又は二日酔いの症状の軽減剤中には、好ましくは一回の経口摂取量当たり、ガジュツ抽出物が例えば50mg以上、好ましくは100mg〜1000mg含有される。
【0029】
3.他の成分
本発明の組成物は少なくとも上記のウコン抽出物とガジュツ抽出物を含有するが、他の成分を更に含んでいても構わない。他の成分は飲食品、医薬品などの最終的な形態において許容される成分であって、経口摂取可能な成分である限り特に限定されない。
【0030】
特に、液状組成物は、水中に、上記のウコン抽出物とガジュツ抽出物以外に更に、果糖ブドウ糖液糖、環状オリゴ糖、酸味料、増粘剤、イノシトール、香料、ナイアシン、酸化防止剤、ビタミン類、甘味料等を添加することにより調製することができる。環状オリゴ糖、酸味料、増粘多糖類、甘味料はウコン抽出物やガジュツ抽出物の苦味をマスキングする効果がある。
【0031】
酸味料としては、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、酒石酸、或いはこれらの塩等が挙げられる。
【0032】
増粘剤としては、ジェランガム、キサンタンガム、ペクチン、グアーガム等の増粘多糖類が挙げられる。
【0033】
甘味料としては、果糖、ブドウ糖、液糖等の糖類、はちみつ、スクラロース、アセスルファムカリウム、ソーマチン、アスパルテーム等の高甘味度甘味料が挙げられる。
【0034】
酸化防止剤としては、ビタミンC、酵素処理ルチン等が挙げられる。
【0035】
ビタミン類としては、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンE等が挙げられる。
【0036】
4.組成物及びその用途
本発明の組成物は、アルコール摂取後の起床時のいわゆる二日酔い症状の軽減作用を有する飲食品組成物又は医薬品組成物として使用することができる。
【0037】
本発明の組成物の形態は特に限定されないが、経口摂取に適した液状、固形状または半固形状の組成物が好ましく、液状の組成物であることが特に好ましい。液状組成物は、液状食品(飲料)として提供されてもよいし、液状の経口投与用の医薬品として提供されてもよいが、好ましくは飲料である。液状組成物は、水を基調とする組成物であり、例えば水を90重量%以上含有する。かかる液状組成物は、瓶やアルミ製やスチール製の容器、或いはペットボトル等の容器に充填して製品とすることができる。また、本発明の組成物を顆粒状に形成したり、打錠したものを適宜容器に収容して製品としてもよい。
【実施例】
【0038】
本試験では、ウコン抽出物とガジュツ抽出物を含有する本発明の組成物の二日酔い防止効果を確認した。
【0039】
1.試験飲料
試験には飲料1〜3を用いた。
【0040】
冷却した試験飲料を100ml/回の量で単回摂取した。
【0041】
【表1】

【0042】
ウコンのエタノール/水抽出物は、ウコン(Curcuma longa)の根茎部分を含水エタノール(30重量%エタノール水溶液)を用いて抽出し、減圧してエタノールを揮発させることにより得たものである。
【0043】
ウコンの有機溶媒抽出物は、ウコン(Curcuma longa)の根茎部分をアセトンを用いて抽出し、減圧してアセトンを揮発させることにより得たものである。このウコンの有機溶媒抽出物には30重量%のクルクミンが含有される。
【0044】
ガジュツのエタノール/水抽出物抽出物は、ガジュツ(Curcuma zedoaria)の根茎部分を含水エタノール(30重量%エタノール水溶液)を用いて抽出し、減圧してエタノールを揮発させることにより得たものである。
【0045】
グルタチオン含有酵母エキスは、グルタチオンを高含有するトルラ酵母から抽出した酵母エキスを使用した。このグルタチオン含有酵母エキスには、10重量%以上のグルタチオンが含有される。
【0046】
2.試験対象者
試験対象者は、アルコール飲料を飲むことが出来る男性から選抜した。アルコール飲料が飲めない人(自己申告)、通院中の人、服薬中の人、腎臓・肝臓疾患に疾病のある人、各種過敏症の人は除外した。
【0047】
アルコールパッチテストにより、ALDH2(アルデヒドデヒドロゲナーゼ2)遺伝子ホモ型とヘテロ型とを区別した。ヘテロ型8名に対して以下の試験を行った。
【0048】
3.試験方法
各試験飲料について以下の手順により二日酔い軽減効果を確認した。
【0049】
食事後、1時間以上空け試験飲料を摂取した。
【0050】
試験飲料摂取直後、アルコールを全量摂取した(アルコール摂取時間は、制限なし。ただし50分以上はかけることとした。目安としては3時間。)。ただし、全量飲みきれなかった場合は残りを回収し、摂取量を計測した。
【0051】
アルコールはウヰスキーにて摂取した。同時に、ウヰスキーと2倍程度までの水、および、おつまみ(内容は自由。ただし、毎回同じもの。例:ポテトチップス)を摂取した。
【0052】
アルコール摂取量は、個々人の摂取許容量(自己申告)より算出した。ただし、アルコール1.5g/kg体重を上限とした。
【0053】
アルコール摂取後に就寝し、7時間を目安として睡眠をとった。
【0054】
試験飲料摂取前、起床直後に二日酔いに関するアンケートを行った。
【0055】
アンケート記入時刻、おつまみの内容、およびトイレの回数を記録する。
【0056】
以下の事項は禁止した。
食事後の飲食(アルコール摂取中の規定量以内の水とおつまみは可)
試験前日のアルコール摂取
前後1日は、他の臨床試験と重ならないようにする。
翌朝の自動車運転
上記の試験手順を図1に模式的に示す。
【0057】
4.試験スケジュール
各試験対象者に対し、はじめに飲料3を試験飲料として摂取する上記試験を行い、二日酔い症状が認められた場合に、順次飲料1〜2について試験を行った。各試験は、二日酔い状態が回復する3日間以上の間隔を空けて行った。
【0058】
飲料3を試験飲料として摂取する第一回の試験において二日酔い症状が認められない場合には、アルコール摂取条件を見直した。
【0059】
5.アンケートによる評価項目
アンケートでは、各試験対象者に、吐き気、ムカつき、胸焼け、頭痛、頭重感、の5項目についてVAS法による自己評価結果を記入させた。
【0060】
VAS(Visual Analog Scale)法とは、自覚的症状の程度を数値化して評価する検査である。直線状に、考えられうる最高の状態を右端、最低を左端としてその線分上に自分の状態の程度を示してもらう方法である。主観的な評価のために臨床医学でも広く用いられており、特に同被験者間の投与前後の状態の比較などに使われる。
【0061】
6.試験結果
各飲料を摂取した試験での個々の評価項目について、試験対象者毎に、起床直後のVAS数値の、摂取直前(試験前)のVAS数値との差(「起床直後のVASの数値」−「摂取直前のVASの数値」。以下「VAS数値差」という)を求めた。
【0062】
飲料1摂取試験での各評価項目のVAS数値差は、飲料3摂取試験での対応するVAS数値差と比較して小さい傾向が認められた。飲料1〜2摂取試験での各評価項目のVAS数値差を、飲料3摂取試験での同一評価項目のVAS数値差と比較し、有意差を検定した結果(p値)を次表に示す。
【0063】
【表2】

【0064】
ウコン抽出物とガジュツ抽出物とを含有する飲料1は、ウコン抽出物のみを機能性成分として含有する飲料3や、飲料2と比較して、二日酔い症状のうち「胸焼け」および「頭重感」を軽減することができることが確認された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウコン(Curcuma longa)抽出物と、ガジュツ(Curcuma zedoaria)抽出物とを含有する組成物。
【請求項2】
経口摂取される組成物であって、一回の経口摂取量当たり、クルクミンを30mg以上含有する量のウコン(Curcuma longa)抽出物を含有する、請求項1記載の組成物。
【請求項3】
ウコン(Curcuma longa)抽出物が、ウコン(Curcuma longa)の有機溶媒による抽出物を含むものである、請求項1又は2記載の組成物。
【請求項4】
ガジュツ(Curcuma zedoaria)抽出物が、ガジュツ(Curcuma zedoaria)の親水性有機溶媒と水との混合溶媒による抽出物を含むものである、請求項1〜3の何れか1項記載の組成物。
【請求項5】
飲食品又は医薬品である、請求項1〜4の何れか1項記載の組成物。
【請求項6】
液状組成物である、請求項5記載の組成物。
【請求項7】
ウコン(Curcuma longa)抽出物と、ガジュツ(Curcuma zedoaria)抽出物とを有効成分として含有する、二日酔いの症状の軽減剤。
【請求項8】
二日酔いの症状が胸焼け又は頭重感である、請求項7記載の軽減剤。
【請求項9】
経口摂取される二日酔いの症状の軽減剤であって、一回の経口摂取量当たり、クルクミンを30mg以上含有する量のウコン(Curcuma longa)抽出物を含有する、請求項7又は8記載の軽減剤。
【請求項10】
ウコン(Curcuma longa)抽出物が、ウコン(Curcuma longa)の有機溶媒による抽出物を含むものである、請求項7〜9の何れか1項記載の軽減剤。
【請求項11】
ガジュツ(Curcuma zedoaria)抽出物が、ガジュツ(Curcuma zedoaria)の親水性有機溶媒と水との混合溶媒による抽出物を含むものである、請求項7〜10の何れか1項記載の軽減剤。

【図1】
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【公開番号】特開2011−68569(P2011−68569A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−218953(P2009−218953)
【出願日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【出願人】(000111487)ハウス食品株式会社 (262)
【Fターム(参考)】