説明

ウッド型ゴルフクラブヘッド

【課題】大きな慣性モーメントを実現して打球の方向性を向上させる。
【解決手段】フェース2を前面に有するフェース部3、フェース2の上縁2aに連なりヘッド上面をなすクラウン部4、フェース2の下縁2bに連なりヘッド底面をなすソール部5及びサイド部6を有するウッド型ゴルフクラブヘッド1であって、ゴルフクラブヘッドは、バックフェース側に中実部9が設けられる。該中実部9の前面9aと前記フェース部3の裏面との間に中空部iが設けられる。任意の垂直面VP内にシャフト軸中心線CLを配して規定のライ角で傾けるとともにフェース2を規定のロフト角に保持した基準状態において、中実部9は、ヘッド最後端点MBから、ヘッド前後方向の最大長さLの0.08倍以上かつ0.20倍以下の前後方向長さTLで連続することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、大きな慣性モーメントを実現して打球の方向性を向上させ得るウッド型ゴルフクラブヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
安定した打球の飛距離を得るために、打球の方向性を向上させることは重要である。打球の方向性を向上させるためには、クラブヘッドの慣性モーメントや重心深度を大きくすることが有効である。そして、クラブヘッドの慣性モーメントや重心深度を大きくするためには、ヘッド重心からより後方に離れた位置に、多くの重量物を配することが効果的である。
【0003】
ところが、図10に示されるように、ヘッド重心Gから最も後方に離れたヘッド最後端点MBは、クラウン部fとサイド部gとが交わる屈曲部となるため、この部分に別体の錘などを固着するのは非常に困難である。このため、従来では、サイド部gやソール部jなどに、錘部材bを固着することが行われている。
【0004】
しかしながら、上述の方法では、錘部材bをヘッド重心Gからより離れた位置に設けることができないので、慣性モーメントを十分に大きくするためには、錘部材bの重量を大きくせざるを得ず、ひいてはヘッド重量が大幅に増加するという問題がある。
【0005】
なお、下記特許文献1では、ヘッドの外周部にアンダー構造(アンダーカット構造)を伴う凹所を設け、該凹所に重量体を装着することを教えている。しかしながら、アンダーカット構造の凹所は、重量体を装着しづらいため、生産性が低下するという欠点がある。また、サイド部とクラウン部との交差部分は、ボール打撃時に大きな歪が生じやすいため、このような部分に別体の重量物を固着すると、繰り返しのボール打撃によって錘部材がヘッドから外れるおそれもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−337303号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、以上のような実情に鑑み案出なされたもので、バックフェース側に中実部を設けるとともに、該中実部のヘッド最後端点からの前後方向の長さを一定範囲に限定することを基本として、ヘッドの後方に効率良く大きな重量を配分し、ヘッド重量の大幅な増加を抑えつつ大きな慣性モーメントを実現して打球の方向性を向上させ得るウッド型ゴルフクラブヘッドを提供することを主たる目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のうち請求項1記載の発明は、ボールを打撃するフェースを前面に有するフェース部、前記フェースの上縁に連なりヘッド上面をなすクラウン部、前記フェースの下縁に連なりヘッド底面をなすソール部及び前記クラウン部と前記ソール部との間を継ぎかつフェースのトウ側縁からバックフェースを通ってヒール側縁にのびるサイド部を有するウッド型ゴルフクラブヘッドであって、該ゴルフクラブヘッドは、バックフェース側に中実部が設けられる一方、該中実部の前面と前記フェース部の裏面との間に中空部が設けられ、かつ前記中実部は、任意の垂直面内にシャフト軸中心線を配して規定のライ角で傾けるとともに前記フェースを規定のロフト角に保持した基準状態において、ヘッド最後端点から、ヘッド前後方向の最大長さの0.08倍以上かつ0.20倍以下の前後方向長さで連続し、前記クラウン部又はソール部には、粘弾性材料からなる軟質部と金属材料からなる硬質部とで構成される振動吸収体が設けられ、中空部側へ凹む凹部に、前記振動吸収体が固着されることを特徴とする。
【0009】
また請求項2記載の発明は、前記硬質部は、底部と、その周囲から立ち上がって環状にのびる側壁部とから構成され、前記軟質部が挿入可能な筒状に形成される請求項1記載のウッド型ゴルフクラブヘッドである。
【0010】
また請求項3記載の発明は、前記振動吸収体は、硬質部から露出する軟質部の露出面を前記凹部に固着する請求項1又は2記載のウッド型ゴルフクラブヘッドである。
【0011】
また請求項4記載の発明は、前記軟質部は、2種以上のポリマーを混合又は化学結合させたポリマーアロイである請求項1乃至3のいずれかに記載のウッド型ゴルフクラブヘッドである。
【0012】
また請求項5記載の発明は、前記軟質部の硬度(JIS−K6253のデュロメータA硬さ)は、A40(40度の意)〜A95である請求項1乃至4のいずれかに記載のウッド型ゴルフクラブヘッドである。また請求項6記載の発明は、前記振動吸収体と前記中実部との間の距離が21mm以下である請求項1乃至5のいずれかに記載のウッド型ゴルフクラブヘッドある。また請求項7記載の発明は、前記中実部の前面は、前記垂直面と直角かつヘッド重心を含む第2の垂直面において、クラウン部の内面との交点Aよりも、ソール部の内面との交点Bがフェース側に位置する請求項1乃至6のいずれかに記載のウッド型ゴルフクラブヘッドである。また請求項8記載の発明は、前記基準状態におけるヘッド重心を通る垂直軸周りの慣性モーメントが5000〜5900g・cmである請求項1乃至6のいずれかに記載のウッド型ゴルフクラブヘッドである。
【発明の効果】
【0013】
本発明のゴルフクラブヘッドでは、バックフェース側に中実部が設けられる。しかも、この中実部は、任意の垂直面内にシャフト軸中心線を配して規定のライ角で傾けるとともにフェースを規定のロフト角に保持した基準状態において、ヘッド最後端点から、ヘッド前後方向の最大長さの0.08倍以上かつ0.20倍以下の長さでヘッド前後方向に連続する。このような中実部は、ヘッドのより後方に多くの重量を容易に配分することができるため、慣性モーメント及び重心深度を効率良く増大させることができる。また、中実部は、例えば鋳造等によって形成することができるため、別体の錘部材などを固着する態様に比べて生産性が良く、かつ、繰り返しの打撃によってもヘッドから外れることがない。さらに、中実部は、ヘッド最後端点付近の剛性を高め、その部分の耐久性を高めることもできる。なお、中実部の前面とフェース部の裏面との間には、中空部が設けられるので、ボール打撃時には、フェース部を十分に撓ませることができるので、ヘッドの反発性が損なわれることもない。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施形態を示すウッド型ゴルフクラブヘッドの斜視図である。
【図2】その基準状態の平面図である。
【図3】そのA−A拡大断面図である。
【図4】上記実施形態のクラブヘッドの分解斜視図である。
【図5】(a)及び(b)は、図3の要部拡大図である。
【図6】本発明の実施形態を示すクラブヘッドの斜視図である。
【図7】その断面図であり、図2のA−A断面に相当する。
【図8】その要部拡大図である。
【図9】(a)ないし(c)は、振動吸収体の実施形態を示す斜視図である。
【図10】比較例1及び3のクラブヘッドの断面図である。
【図11】比較例2及び4のクラブヘッドの断面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1〜3には、本実施形態のウッド型ゴルフクラブヘッド(以下、単に「ヘッド」又は「クラブヘッド」ということがある。)1の基準状態の斜視図、平面図及び図2のA−A拡大断面図がそれぞれ示される。
【0016】
ここで、前記クラブヘッド1の基準状態とは、シャフトの軸中心線CLを任意の垂直面VP内に配しかつ水平面HPに対して規定のライ角αで傾けるとともに、フェース2のスイートスポットSSを規定のロフト角β(リアルロフト角であって、以下同じである。)に保持してヘッド1を水平面HPに接地させた状態とする。そして、本明細書中において特に断りがない場合、ヘッド1は、このような基準状態に置かれているものとする。
【0017】
また、ウッド型ゴルフクラブヘッドとは、ヘッド材料が木質材からなるものという意味ではなく、従来、木質材で形成することが主流であったヘッド形状を有するものを指し、具体的には、ドライバー(#1)、ブラッシー(#2)、スプーン(#3)、バフィ(#4)及びクリーク(#5)を少なくとも含み、かつこれらとは番手ないし名称が異なるが、ほぼ類似した形状を持つヘッドをも含む概念である。
【0018】
本実施形態のクラブヘッド1は、全てが金属材料により構成される。前記金属材料としては、例えばステンレス鋼、マルエージング鋼、純チタン、チタン合金又はアルミニウム合金等の1種又は2種以上が用いられる。特に、チタン合金としては、例えばTi−6Al−4V、Ti−15V−3Cr−3Al−3Sn、Ti−15Mo−5Zr−3Al、Ti−5.5Al−1Fe又はTi−13V−11Cr−3Al等が好適である。ただし、クラブヘッド1の一部に繊維強化樹脂等が用いられても良いし、またボール打撃時のヘッドの振動を吸収するための粘弾性材料などを複合させても良い(後述)。
【0019】
前記クラブヘッド1は、ボールを打撃する面であるフェース2を前面に有するフェース部3と、前記フェース2の上縁2aに連なりヘッド上面をなすクラウン部4と、前記フェース2の下縁2bに連なりヘッド底面をなすソール部5と、前記クラウン部4とソール部5との間を本実施形態では前記フェース2のトウ側縁2cからバックフェースBFを通ってヒール側縁2dにのびるサイド部6と、クラウン部4のヒール側に設けられかつシャフト(図示せず)が装着されるシャフト差込孔7aを有するホーゼル部7とを含む。なおシャフト差込孔7aの軸中心線は、シャフトの軸中心線CLと実質的に一致するので、前記ライ角を設定する際に用いられる。
【0020】
前記フェース部3の厚さtfは、好ましくは2.0mm以上、より好ましくは2.5mm以上が望ましく、また、好ましくは4.0mm以下、より好ましくは3.5mm以下が望ましい。フェース部3の厚さtfが2.0mm未満の場合、ボール打撃時の衝撃により、該フェース部3の割れや凹み等の損傷が生じる虞があり、逆に4.0mmを超える場合、クラブヘッド1の反発性が相対的に低下し飛距離を損なう傾向がある。
【0021】
また、本実施形態のクラブヘッド1は、図3に示されるように、バックフェースBF側にヘッド内部が中実をなす中実部9が設けられる一方、該中実部9の前面9aとフェース部3の裏面3iとの間に中空部iが設けられる。中実部9は、クラウン部4とソール部5との間の固相部分であって、その間には穴や空間が設けられていない。また、中実部9は、トウ側及びヒール側のサイド部までのびている。
【0022】
このような中実部9は、ヘッド1の最も後方に、多くの重量を容易に配分することができる。従って、比較的小さな重量でヘッド1の慣性モーメント及び重心深度を効率良く増大させ得る。また、中実部9は、ヘッド最後端点MB付近の剛性を高め、その耐久性を向上させることもできる。なお、中実部9の前面9aとフェース部3の裏面3iとの間には、中空部iが設けられるので、ボール打撃時のフェース部3の撓みが確保され、ヘッド1の反発性が損なわれることもない。
【0023】
また、図3に示されるように、ヘッド最後端点MBは、通常、クラウン部4とサイド部6とが交わる屈曲部分となっており、この部分にはボール打撃時の応力が集中しやすい。しかし、本実施形態のクラブヘッド1のように、ヘッド最後端点MBから所定の前後方向の長さで中実部9を設けることにより、前記屈曲部分が補強されてボール打撃時の応力集中が効果的に防止される。従って、中実部9は、クラブヘッド1の耐久性を向上させるのにも役立つ。
【0024】
また、本実施形態のクラブヘッド1は、図4に分解して示されるように、鋳造により中実部9を含む各部が予め一体に形成されたチタン合金からなるヘッド本体1Aと、該ヘッド本体1Aに設けられたフェース側の開口部O1に固着されるチタン合金からなるフェース部材1Bと、前記ヘッド本体1Aに設けられたクラウン側の開口部O2に固着されるチタン合金からなる板状のクラウン部材1Cとを接合することにより形成される。従って、ヘッド本体とは別体の錘部材などを該ヘッド本体のサイド部やソール部に固着する態様に比べて生産性に優れる点で望ましい。
【0025】
なお、前記ヘッド本体1Aは、ソール部5の主要部をなすソール基部5Aと、該ソール基部5Aから立ち上がりかつサイド部6の主要部をなすサイド基部6Aと、フェース側で開口する前記フェース側の開口部O1と、このフェース側の開口部O1から離間してその後方に設けられかつクラウン部4で開口するクラウン側の開口部O2と、クラウン側の開口部O2の周りに設けられたクラウン縁部4Aと、前記ホーゼル部7と、前記中実部9とを有し、かつ各部が一体に成形されている。従って、本実施形態の中実部9は、ヘッド本体1Aを構成しているソール基部5A及びクラウン縁部4A等と同一の金属材料から構成される。
【0026】
また、前記フェース部材1Bは、フェース部3と、その周囲からヘッド後方に小長さでのびる折返し部8とを含む略カップ状で形成される。このようなフェース部材1Bは、ヘッド本体1Aとの接合位置がフェース2の周縁2aないし2dから離れた位置で行われるため、耐久性及び反発性に優れる点で望ましい。なお、本実施形態の折返し部8は、クラウン側の折返し部8a、ソール側の折返し部8b、トウ側の折返し部8c及びヒール側の折返し部8dを含んでほぼ連続して設けられる。
【0027】
なお、クラブヘッド1は、複数個(例えば2ないし5個程度)の部材を接合することにより製造することができ、その部材数は特に限定されるものではない。また、前記各部材(各ピース)は、種々の成形法、例えば鋳造、圧延、鍛造又はプレス等にて成形することができる。
【0028】
また、前記中実部9は、図2及び図3に示されるように、ヘッド最後端点MBから、ヘッド前後方向の最大長さLの0.08倍以上かつ0.20倍以下の前後方向長さTLで連続することが必要である。ここで、中実部の前後方向長さTLは、図3に良く表されるように、前記垂直面VPと平行な断面でクラブヘッド1を切断したときに、中実部分がヘッド最後端点MBから前側に連続する最大長さであり、この長さTLがヘッド前後方向の最大長さLの0.08〜0.20倍に限定される。また、ヘッド前後方向とは、基準状態のクラブヘッド1を上方から見た平面視(図2)において、ヘッド重心Gからフェース2に立てた法線N(該法線Nとフェース2との交点はスイートスポットSSと呼ばれる。)と平行な方向Zとし、フェース2側を前側、バックフェースBF側を後側とする。さらに、ヘッド最後端点MBとは、最もヘッド後方の位置とする。
【0029】
従って、本実施形態のクラブヘッド1は、基準状態の平面視において、ヘッド最後端点MBからヘッド前後方向の最大長さLの0.08倍までの範囲にはヘッド内部に中空部iが存在しない一方、ヘッド最後端点MBからヘッド前後方向の最大長さLの0.20倍をわずかでも超えた領域には中空部iの一部が存在する。
【0030】
発明者らの種々の実験の結果、中実部9の前記長さTLがヘッド前後方向の最大長さLの0.08倍未満の場合、バックフェース側に配分される重量が小さくなるため、慣性モーメント及び重心深度を効率的に増大させることができないことが判明した。また、中実部9の前記長さTLがヘッド前後方向の最大長さLの0.20倍を超える場合、中実部9のボリュームが大きくなってヘッド重量が過度に増加するおそれがある他、ヘッド剛性が過度に上昇して反発性を低下させるおそれがある。とりわけ、中実部9の前記長さTLは、より好ましくは、ヘッド前後方向の最大長さLの0.10倍以上、さらに好ましくは0.12倍以上が望ましく、また、好ましくは0.18倍以下、より好ましくは0.15倍以下が望ましい。
【0031】
また、図3には、前記垂直面VPと直角でかつヘッド重心Gを含む第2の垂直面における断面が描かれている。図3に示される断面において、中実部9とクラウン部の内面4iとの交点Aよりも、中実部9とソール部の内面5iとの交点Bがフェース2側(前側)に位置する。本実施形態において、前記交点A、B間がなす中実部9の前面9aは、ほぼ直線状にのびる傾斜面で形成されている。このような中実部9は、その重量がより下方に配分され、ひいてはクラブヘッド1の低重心化を図ることができる。また、上記構成により、クラウン部の中空部iに面する部分4fの面積が相対的に増加するので、ボール打撃時にクラウン部4を大きく撓ませてクラブヘッド1の反発性を向上させることもできる。
【0032】
なお、前記交点A、B間のヘッド前後方向の距離dは、上述の効果を十分に発現させるために、好ましくは1mm以上、より好ましくは2mm以上、さらに好ましくは4mm以上が望ましい。他方、前記距離dが過度に大きくなると、交点Aにおいて、クラウン部4の内面4iと中実部9の前面9aとの挟む角が鋭角化し、この部分にボール打撃時の応力が集中するおそれがある。このため、前記距離dは、好ましくは10mm以下、より好ましくは8mm以下、さらに好ましくは6mm以下が望ましい。
【0033】
また、前記クラウン部4の中空部iに面する部分4fの厚さtcは、フェース部3の厚さtfよりも小であって、好ましくは0.3mm以上かつ2.0mm未満の範囲で定められるのが望ましい。クラウン部4の前記厚さtcが0.3mm未満になると、クラブヘッド1の耐久性が悪化するおそれがあり、逆に、前記厚さtcが2.0mm以上になると、ヘッドの上部側の重量が増加し、ヘッド重心Gが高くなるおそれがある。また、ボール打撃時、クラウン部4の中空部iに面する部分4fを十分に撓ませることができず、ひいては反発性の低下や動的なロフト角の増加が期待できず、飛距離の低下が生じるおそれがある。
【0034】
また、前記ソール部5の中空部iに面する部分5fの厚さtsは、フェース部3の厚さtfよりも小であって、好ましくは0.5mm以上かつ4.0mm未満の範囲で定められるのが望ましい。ソール部5の前記厚さtsが0.5mm未満になると、クラブヘッド1の耐久性が悪化するおそれがあり、逆に、前記厚さtsが4.0mm以上になると、ヘッド重量が増加し、重心設計の自由度が損なわれるおそれがある。
【0035】
なお、上記各厚さtc及びtsに関連して、前記交点A又はBが明瞭に特定できない場合、図5(a)に示されるように、交点Aは、クラウン部4の外面に対して直角方向に測定された厚さtcaが2.0mmとなるヘッド内面側の位置として定められる。また、図5(b)に示されるように、交点Bは、ソール部5の外面に対して直角方向に測定された厚さtsaが4.0mmとなるヘッド内面側の位置として定められる。
【0036】
図6〜8には、本発明の実施形態を示すヘッド1の斜視図、図2のA−A位置に相当する断面図及びその部分拡大図がそれぞれ示されている。この実施形態のクラブヘッド1は、ソール部5(クラウン部4でも良い)に振動吸収体10が設けられている。
【0037】
本実施形態では、ソール部5に中空部i側へ略円柱状に凹む凹部12が形成されるとともに、該凹部12に、一つの振動吸収体10が固着されている。本実施形態の振動吸収体10は、図9に分解して示されるように、粘弾性材料からなる軟質部10aと、金属材料からなる硬質部10bとを一体に固着することにより構成される。
【0038】
本実施形態において、前記軟質部10aは小高さの略円柱状体に形成される。他方、前記硬質部10bは、前記軟質部10aが挿入可能な筒状に形成されている。即ち、硬質部10bは、底部10b1と、その周囲から立ち上がって環状にのびる側壁部10b2とから構成され、底部10b1と反対側の面が開口されている。そして、軟質部10aを硬質部10b内に挿入し両者を密に接触させることにより、本実施形態の振動吸収体10が形成される。また、振動吸収体10は、図8に示されるように、硬質部10bから露出する軟質部10aの露出面10a1を内側に向けてヘッド本体1Aの前記凹部12に、例えば接着剤14を用いて固着される。即ち、軟質部10aと硬質部10bの双方が、ヘッド本体1Aに、接着剤14を介して実質的に接触した状態で固着される。
【0039】
上述のように、クラブヘッド1のバックフェース側に重量物となる中実部9を設けた場合、ボール打撃時の衝撃によって該中実部9が大きく振動しやすい。この振動が長期に亘って持続すると、クラウン部4の中空部iに面している部分4fと中実部9との接続部分や、ソール部5の中空部iに面している部分5fと中実部9との接続部分などに繰り返し大きな歪を与えるおそれがある。
【0040】
そこで、この実施形態では、クラウン部4又はソール部5に、振動吸収体10を設けることにより、ボール打撃時、該振動吸収体10は、クラウン部4及び/又はソール部5の中空部iに面した部分から伝えられた振動を熱に変換して吸収することにより早期に減衰させ、前記接続部分への持続的な歪の作用を緩和しうる。これにより、クラブヘッドの耐久性がより一層向上する他、打球感についても向上させることができる。
【0041】
しかも、本実施形態の振動吸収体10は、粘弾性材料からなる軟質部10aと、金属材料からなる硬質部10bとから構成されるため、軟質部10aが主として低周波数域で優れた振動吸収作用を発揮しうる一方、硬質部10bが高周波数域で優れた振動吸収作用を発揮しうる。つまり、本実施形態の振動吸収体10は、広い振動周波数に対して効果的な振動吸収作用を発揮できる。なお、本実施形態では、軟質部10aが硬質部10bによって覆われヘッド外部には露出しない。従って、軟質部10aが保護されその損傷が長期に亘って防止される点でも望ましい。
【0042】
ここで、前記軟質部10aには、粘弾性材料であれば種々の材料を用いることができ、好ましくは、加硫ゴム、エラストマー樹脂、ソフトセグメントとハードセグメントとからなる熱可塑性エラストマー、又はこれらの混合物などのポリマー材料が好適である。とりわけ、2種以上のポリマーを混合又は化学結合させることにより得られたポリマーアロイが好適である。
【0043】
前記ポリマーアロイは、一方のポリマーが他方のポリマー中に適当に分散して、巨視的には均一相を呈している多成分系高分子である。微視的には均一な場合もあるが、一方のポリマー相が他方のポリマー相に分散して不均一な構造を形成する場合もある。このような状態になった高分子多成分系は、成分ポリマーの単なる平均的性質に加えて、新たな物性が生じるので樹脂やゴム等の改質に広く利用されている。このようなポリマーアロイとしては、例えば三菱化学(株)から商品名「ラバロン」(例えば、「ラバロンSJ4400N」、「ラバロンSJ5400N」、「ラバロンSJ6400N」、「ラバロンSJ7400N」、「ラバロンSJ8400N」、「ラバロンSJ9400N」、「ラバロンSR04」等)で市販されているスチレン系熱可塑性エラストマーが好適である。
【0044】
また軟質部10aは、その硬度が大きすぎると、十分な振動吸収能力を発揮できない傾向があり、逆に小さすぎても耐久性が悪化する傾向がある。このような観点より軟質部10aの硬度(JIS−K6253のデュロメータA硬さ)は、好ましくはA40(40度の意)以上、より好ましくはA50以上が望ましく、また好ましくはA95以下、より好ましくはA90以下、さらに好ましくはA80以下が望ましい。
【0045】
また、前記硬質部10bには、ヘッド本体1Aよりも制振性に優れた金属材料を用いることもでき、例えばMn合金、Ni−Ti合金、Fe−Al系合金、Mg又はMg合金などが望ましい。
【0046】
前記Mn合金やNi−Ti合金は、外部から荷重が加えられると、内部に双晶が発生する。双晶は容易に移動でき、また荷重の増加によってその幅が増し、さらには別の箇所に新たな双晶を発生させる。このような双晶変形により、振動エネルギーが吸収される。
【0047】
また、前記Mn合金は、例えばCu:17〜27wt%、Ni:2〜8wt%、Fe:1〜3wt%を含み、残部がMn及び不可避的不純物で構成されるものが好ましい。このような合金は、高い振動減衰作用、塑性加工容易性及び高強度を具える点で好ましい。ただし、振動減衰作用を発揮しうるMn合金であれば、他の組成の合金も採用できるのは言うまでもない。また、Fe−Al系合金としては、例えばFeを50wt%以上、かつ、Alを5〜15wt%含む合金が望ましい。このようなFe−Al系合金は、外力が加えられると、材料内部の磁壁が動き、その加えられた力(エネルギー)を熱に変換して外部に放出することにより優れた制振効果を発揮しうる。さらに、Mg及びMg合金は、合金結晶中の転位と不純物との相互作用によるエネルギー損失によって振動が吸収される。
【0048】
さらに、前記各金属材料は、例えば対数減衰率(δ)が0.21以上であることが望ましい。前記対数減衰率が0.21未満であると、十分な振動抑制効果が得られないおそれがある。特に好ましくは、前記対数減衰率が0.25以上、さらに好ましくは0.35以上が望ましい。また、前記対数減衰率(δ)の上限は特に規制されることがないが、材料入手性やコスト等の観点より、例えば0.90以下、さらには0.70以下として定めることができる。なお、前記対数減衰率は、厚さ1mm×幅10mm×長さ160mmの薄板試料を用いて中央加振法によって測定された値とし、測定条件は、室温で振幅歪を5×10−4とする。
【0049】
また、振動吸収体10は、上述の円柱形状に限定されることなく、例えば角柱状やトウ・ヒール方向にのびる板状でも良く、種々の形態に変形して実施することができる。好ましくは、図8に示されるように、振動吸収体10がヘッド外面で突出しないように、凹部12に収めて配置するのが望ましい。
【0050】
なお、振動吸収体10は、図9(b)に示されるように、軟質部10aと硬質部10bとを板状にして相互に積層して構成することもできるし、図9(c)に示されるように、軟質部10aに、粒子状の硬質部10bを配合して一体に構成することもできる。さらには、軟質部10a又は硬質部10b単体で用いられても良いのは言うまでもない。
【0051】
また、振動吸収体10と前記中実部9の前面9aとの間の距離Pが21mm以下である。前記距離Pは、図8に示されるように、振動吸収体10と中実部9の前面9a(前記交点A−B間がなす面)との間の水平方向の最短距離とする。発明者らの種々の実験の結果、前記距離Pが大きくなると十分な振動吸収作用が得られ難く、特に21mmを超えると振動吸収作用の顕著な低下が生じることを知見した。従って、振動吸収体10による優れた振動吸収作用を発揮させるためには、前記距離Pは、より好ましくは17mm以下、さらに好ましくは15mm以下が望ましい。なお、振動吸収体10は、本実施形態のように、中実部9を除いたクラウン部4又はソール部5に設けられるのが特に効果的である。
【0052】
以上のように構成された各実施形態のクラブヘッド1は、バックフェース側に設けられた中実部9によって、効率良く慣性モーメント(基準状態におけるヘッド重心Gを通る垂直軸周りの慣性モーメントであって、以下同様である。)を増大させることができ、5000g・cm以上に設定される。より好ましくは5300g・cm以上、さらに好ましくは5500g・cm以上を実現できる。なお、前記慣性モーメントを大きくし過ぎると、ヘッド重量が過度に大きくなる他、ゴルフ規則に違反するおそれがあるので、その上限は、5900g・cm以下に設定される。
【0053】
同様に、図3に示される断面において、ヘッド重心Gと、ヘッド1の最も前方に位置するリーディングエッジLeとの間の水平距離である重心深度GLについては、好ましくは40mm以上、より好ましくは43mm以上が望ましく、また、好ましくは60mm以下、より好ましくは55mm以下が望ましい。
【0054】
また、各実施形態において、クラブヘッド1の体積は、特に限定されるものではないが、慣性モーメント及び重心深度を増大させるという本発明の目的より、好ましくは300cm3 以上、より好ましくは400cm3以上、さらに好ましくは425cm3以上が望ましい。他方、クラブヘッド1の体積の大型化は限られた重量の範囲で行われるため、該体積を大きくし過ぎると、耐久性の低下やゴルフ規則違反等の問題がある。このような観点より、クラブヘッド1の体積は、好ましくは470cm3 以下、より好ましくは460cm3 以下が望ましい。
【0055】
同様に、ヘッド前後方向の最大長さLは、好ましくは100mm以上、より好ましくは110mm以上、さらに好ましくは115mm以上が望ましい。ヘッド前後方向の最大長さLが小さくなると、中実部9の前面9aとクラウン部4及びソール部5の各内面との交点AないしBがフェース2に近づくため、この交点AないしB付近に、打撃時、大きな応力が集中し易くなるため好ましくない。他方、前記ヘッド1の最大長さLが大きすぎると、ヘッド重量の大幅な増加やゴルフ規則違反等の問題があるので、好ましくは127mm以下が望ましい。
【0056】
さらに、各実施形態において、クラブヘッド1の全重量は、スイングバランスなどを考慮して定められるが、小さすぎると、慣性モーメントを十分に大きくできないおそれがある他、ヘッドの運動エネルギーが小さくなって飛距離の向上に不利となるおそれがある。このような観点より、ヘッド重量は、好ましくは180g以上、より好ましくは185g以上、さらに好ましくは190g以上が望ましい。一方、ヘッド重量が大きくなると、スイング速度の低下を招くおそれがあるので、好ましくは210g以下、より好ましくは205g以下が望ましい。
【0057】
以上、本発明の実施形態について、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々変形しうるのは言うまでもない。
【実施例】
【0058】
表1の仕様に基づいて、以下の共通仕様のウッド型ゴルフクラブヘッドが試作され、それらの性能がテストされた。
ロフト角:11.5度
ライ角:58.0度
ヘッド体積:460cm
ヘッド本体の材料:Ti−6Al−4Vのロストワックス鋳造品
フェース部材の材料:Ti−5.5Al−1Feの圧延プレス成形品
クラウン部材の材料:Ti−15V−3Cr−3Al−3Snの鍛造品
接合方法:レーザー溶接
【0059】
また、比較例1及び比較例3として、図10に示されるように、バックフェース側のサイド部の平坦部分にねじ状の錘部材bを螺着した中実部の無いクラブヘッドが用いられた。錘部材は、W:58wt%、Ni:39wt%、Fe:3wt%及び残部:不可避不純物のW−Ni焼結材(比重14.0)が用いられた。また、比較例3のヘッドは、比較例1よりもヘッド本体の肉厚が大であり、その結果、より慣性モーメントを具えている。
【0060】
さらに、比較例2及び4として、図11に示されるように、クラウン部とサイド部との交わり部に厚肉部cを設けた中実部の無いクラブヘッドが用いられた。また、比較例4のヘッドは、比較例2よりもヘッド本体の肉厚が大であり、その結果、より大きな慣性モーメントを具えている。
なお実施例1〜6及び比較例1〜2は、ソール部の厚さを変更して同一重量となるように調整された。
テスト方法は次の通りである。
【0061】
<ヘッド重量>
クラブヘッドの1個当たりの重量が測定された。
【0062】
<重心深度>
図3に示したように、ヘッド重心とリーディングエッジとの水平方向の距離GLが測定された。数値が大きいほど良好である。
【0063】
<慣性モーメント>
INERTIA DYNAMICS Inc社製のMOMENT OF INERTIA MEASURING INSTRUMENTの MODEL NO.005-002を用いて、ヘッド重心を通る垂直軸周りの慣性モーメントが測定された。数値が大きいほど良好である。
テストの結果を表1に示す。
【0064】
【表1】

【0065】
テストの結果、実施例のクラブヘッドは、ヘッド重量の大幅な増加を伴うこと無く慣性モーメント及び重心深度を効率良く増大させていることが確認できた。これに対して、実施例と同一のヘッド重量を具える比較例1及び比較例2については、慣性モーメント及び重心深度が小さいことが確認できた。さらに、比較例2及び4から明らかなように、実施例と同程度の慣性モーメント等を得るためには、ヘッド重量の増加を余儀なくされることが確認できた。
【0066】
次に、実施例のクラブヘッドについて、振動吸収体の有無による耐久性の差がテストされた。振動吸収体については、図9(a)に示した形態を採用し、軟質部には直径15mm及び軸方向長さ5mmの円柱状をなすシリコンゴム(東芝GE社製の「シリコン50」)が、硬質部にはMg合金AZ31(Mg−3Al−1Zn)が用いられた。振動吸収体とヘッド本体との固着には、住友3M社製の接着剤「DP420」が使用された。なお、振動吸収体を有するか否かに拘わらず、各ヘッドは、図7に示したようにソール部に凹部が形成されているものとした。また、実施例7〜14は、ソール部の厚さを変更して同一重量となるように調整された。
【0067】
また、耐久性は、各クラブヘッドにFRP製の同一のシャフトを装着して45インチのウッド型ゴルフクラブを試作するとともに、該クラブをミヤマエ社製のスイングロボットに取り付け、ヘッドスピードが54m/sとなるように調節して市販のゴルフボールを繰り返し打撃(打撃数の上限は10000球)し、ヘッドが破損するまでの打球数が調べられた。ヘッドの破損の有無は、100球打撃毎に肉眼でクラブヘッドを観察することにより行われた。数値が大きいほど耐久性に優れていることを示す。
テストの結果を表2に示す。
【0068】
【表2】

【0069】
テストの結果、振動吸収体を有するものは、より優れた耐久性を具えていることが確認できた。特に、振動吸収体と中実部との間の距離Pを17mm以下とした場合には、10000発の過酷な打撃テストにおいても、クラブヘッドの損傷が全く発生しておらず、非常に優れた耐久性を示すことが確認できた。
【符号の説明】
【0070】
1 ウッド型ゴルフクラブヘッド
1A ヘッド本体
1B フェース部材
1C クラウン部材
2 フェース
3 フェース部
4 クラウン部
5 ソール部
6 サイド部
7 ホーゼル部
9 中実部
9a 中実部の前面
MB ヘッド最後端点
i 中空部
L ヘッド前後方向の最大長さ
VP 垂直面
CL シャフト軸中心線
α ライ角
β ロフト角

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボールを打撃するフェースを前面に有するフェース部、前記フェースの上縁に連なりヘッド上面をなすクラウン部、前記フェースの下縁に連なりヘッド底面をなすソール部及び前記クラウン部と前記ソール部との間を継ぎかつフェースのトウ側縁からバックフェースを通ってヒール側縁にのびるサイド部を有するウッド型ゴルフクラブヘッドであって、
該ゴルフクラブヘッドは、バックフェース側に中実部が設けられる一方、該中実部の前面と前記フェース部の裏面との間に中空部が設けられ、かつ
前記中実部は、任意の垂直面内にシャフト軸中心線を配して規定のライ角で傾けるとともに前記フェースを規定のロフト角に保持した基準状態において、ヘッド最後端点から、ヘッド前後方向の最大長さの0.08倍以上かつ0.20倍以下の前後方向長さで連続し、
前記クラウン部又はソール部には、粘弾性材料からなる軟質部と金属材料からなる硬質部とで構成される振動吸収体が設けられ、
中空部側へ凹む凹部に、前記振動吸収体が固着されることを特徴とするウッド型ゴルフクラブヘッド。
【請求項2】
前記硬質部は、底部と、その周囲から立ち上がって環状にのびる側壁部とから構成され、前記軟質部が挿入可能な筒状に形成される請求項1記載のウッド型ゴルフクラブヘッド。
【請求項3】
前記振動吸収体は、硬質部から露出する軟質部の露出面を前記凹部に固着する請求項1又は2記載のウッド型ゴルフクラブヘッド。
【請求項4】
前記軟質部は、2種以上のポリマーを混合又は化学結合させたポリマーアロイである請求項1乃至3のいずれかに記載のウッド型ゴルフクラブヘッド。
【請求項5】
前記軟質部の硬度(JIS−K6253のデュロメータA硬さ)は、A40(40度の意)〜A95である請求項1乃至4のいずれかに記載のウッド型ゴルフクラブヘッド。
【請求項6】
前記振動吸収体と前記中実部との間の距離が21mm以下である請求項1乃至5のいずれかに記載のウッド型ゴルフクラブヘッド。
【請求項7】
前記中実部の前面は、前記垂直面と直角かつヘッド重心を含む第2の垂直面において、クラウン部の内面との交点Aよりも、ソール部の内面との交点Bがフェース側に位置する請求項1乃至6のいずれかに記載のウッド型ゴルフクラブヘッド。
【請求項8】
前記基準状態におけるヘッド重心を通る垂直軸周りの慣性モーメントが5000〜5900g・cmである請求項1乃至6のいずれかに記載のウッド型ゴルフクラブヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−63341(P2013−63341A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−4752(P2013−4752)
【出願日】平成25年1月15日(2013.1.15)
【分割の表示】特願2007−289975(P2007−289975)の分割
【原出願日】平成19年11月7日(2007.11.7)
【出願人】(504017809)ダンロップスポーツ株式会社 (701)
【Fターム(参考)】