説明

ウレタン加硫コントロールコンベヤー装置

【課題】 加工物を搬送し、釉薬、塗装、加硫等の処理をするコンベヤー装置がある。コンベヤー装置は、スピード調整と、連続した処理と、安全である等の特徴がある。しかし、コンベヤー等の無端移動体の張装調整とか、一連の塗装、加硫等の処理とか、手作業等の加工を、往復路の中で行うことに関しては、改良の余地が考えられる。

【解決手段】 テーブルの左右側上面に、駆動・従動用の回転体を架承し、駆動・従動用の回転体間に懸架した無端移動体と、従動用の回転体の回転軸に設けた、無端移動体の張装を調整する調整機構と、無端移動体に一方を係止し、他方を遊嵌係止した多数の載せ台と、無端移動体の復路の長手方向の一方側に設けた載せ台をカバーするトンネル部と、トンネル部に設けたファン、及びヒータとで構成したウレタン加硫コントロールコンベヤー装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウレタン加硫コントロールコンベヤー装置に関し、その目的は、自然加硫ウレタン工程における乾燥・加硫・作業効率・環境調整・季節変動の調整を標準化する目的で作成したウレタン加硫コントロールコンベヤー装置である。
【背景技術】
【0002】
従来、加工物を順次、搬送しながら、各種の釉薬、塗装、加硫等の処理、又は仕分け作業とか、又は手作業等の加工する際に、重宝されているのが、コンベヤー装置である。このコンベヤー装置は、スピードの調整ができること、一定の箇所で作業(処理)ができること、安全であること等の特徴がある。従って、種々の工場、選別場等の全ての業界で採用されている。しかし、チェーン、ワイヤ、又はコンベヤー等の無端移動体の張装調整とか、一連の塗装、加硫等の処理、又は仕分け作業とか、又は手作業等の加工を、往復路の中で行うことに関しては、改良の余地が考えられる。そして、また、全ての作業の時間調整と、その処理(加工を含むが、以下、処理とする)スピード、又はスピードに対応する、各種機器の動作時間調整等を総合的に制御するには、改良の余地がある。この改良をするための一例として、ここに、従来の先行文献を述べる。
【0003】
先ず、他分野であるが、全体の流れ(無端方式)として、捉えた場合に、例えば、特開2004−18132号公報(文献1)があり、その目的と構造は、製品(ダストコントロール)の仕分けで、エネルギーの効率化と、コストの削減とを意図して、無端誘導体(レール)をガイドとして、自走式搬送車が走行し、各ステーションにおいて、製品を仕分けすることと、その駆動装置を、コントローラとコンピュータ内蔵の制御部とを介して制御する発明である。従って、この発明は、製品を無端方式に搬送し、その過程で、製品の処理(仕分け)をすることに留まり、例えば、「温度変化に対応する送風、及び温度調整をすること」、又は「湿度調整、及び遠赤効果を達成すること」、等に関しての配慮が開示されていない。また、塗装と、この塗装後の乾燥時間の短縮化を図る構造として、例えば、特開2006−130384号公報(文献2)があり、その目的と構造は、ローラコンベアに載架された製品(ディスクロータ)に、塗装を行い、その後、ヒータとファンによる乾燥と、防錆処理を行い、完成した製品を、ローラコンベアより離脱、かつ収容する発明である。しかしながら、この発明は、「コーテングの形状によりパレット上での対応ができない(冶具の搭載ができない構造である)」、又は「作業時間に合わせて、スピード変化に難渋する(インバータモータの採用でない)」、或いは「オープン作業とトンネル効果(トンネル部を備えた構造でない)が乾燥をより効率化するには問題がある」等の改良が考えられる。
【0004】
【特許文献1】特開2004−18132号公報
【特許文献2】特開2006−130384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以上のように、文献1、2は、前述した課題を抱えており、本発明の目的を達成するには、必ずしも、十分とは、考えられない。
【0006】
上記に鑑み、本発明では、ウレタン加硫コントロールコンベヤー装置(システム)において、このシステムの目的である、自然加硫ウレタン工程における乾燥・加硫・作業効率・環境調整・季節変動の調整を標準化する目的で作成した発明であって、下記の内容を意図する。
イ) 作業効率を促進するスピード最適調整を可能とする(季節とか、気候・室内の温湿度条件等の変動に対応可能とする)
ロ) 温度変化に対応する送風、及び温度調整を可能とする。
ハ) 湿度調整、及び遠赤効果を達成可能とする。
ニ) コーテングの形状に対応するために、無端移動体の上にパレット(例えば、ターンテーブル)を載架する構造を採用可能とする(全ての冶具の搭載を可能とする)。
ホ) 作業時間にあわせて、スピード変化を可能とする(インバータモータを採用する)。
へ) オープン作業とトンネル効果(トンネル部を備えた構造を採用する)により、効率的、かつ的確な乾燥を可能とする。
ト) 全ての条件(気候、物性、又は製品等による)においての、作業の標準化を期待する(ISO基準作りに役立てる)。
チ) 製品の変動に対して、柔軟な対応を可能とする(パレット寸法内調整を可能とする)。
リ) 自動停止装置、及び緊急停止装置が付設する構造とする(リミットスイッチ・緊急スイッチ等のスイッチ類を備えている)。
ヌ) 作業者能力、原料硬化(分子の移動・弾性等の加硫素材の物性)、或いは製品の形状・資質等、さらには製品資質と原料との親和性の如く、全ての条件に合せたスピード調整が可能であり、安心かつ安全な加硫作業を可能とする。
ル) 無端移動体の動きに順応して、テーブルが往復動する構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、前記イ)〜ハ)と、ヘ)〜チ)を達成することにある。
【0008】
請求項1は、楕円形テーブルの左右側の上面に、駆動及び従動用の回転体を架承し、この駆動及び従動用の回転体間に懸架した無端移動体と、前記従動用の回転体の回転軸に設けた、この無端移動体の張装を調整する調整機構と、前記無端移動体に、内側の一方を係止し、その他方を遊嵌係止し、かつ前記テーブルの上面を移動できるように設けた多数の載せ台と、前記無端移動体の復路の長手方向の一方側にのみ、前記載せ台をカバーするように設けたトンネル部と、このトンネル部に設けたファン、及びヒータとで構成したウレタン加硫コントロールコンベヤー装置である。
【0009】
請求項2の発明は、前記イ)〜ハ)と、ヘ)〜チ)と、ル)を達成することにある。
【0010】
請求項2は、請求項1に記載のウレタン加硫コントロールコンベヤー装置において、
前記回転体を、前記テーブルに間隔を持って架承し、この間隔にレールと、前記載せ台の下面に設けた車輪を配備する構成としたウレタン加硫コントロールコンベヤー装置である。
【0011】
請求項3の発明は、前記イ)〜ハ)と、ヘ)〜チ)と、リ)と、ヌ)を達成することにある。
【0012】
請求項3は、請求項1に記載のウレタン加硫コントロールコンベヤー装置において、
前記回転体、及びファン、並びにヒータを制御する制御部を、前記トンネル部の側面壁に配備するとともに、非常停止釦を、前記テーブルの脚部に配備する構成としたウレタン加硫コントロールコンベヤー装置である。
【0013】
請求項4の発明は、前記イ)〜ハ)と、ヘ)〜チ)と、ホ)を達成することにある。
【0014】
請求項4は、請求項1に記載のウレタン加硫コントロールコンベヤー装置において、
前記調整機構は、従動用の回転軸に設けた移動駒と、この移動駒を誘導し、前記テーブルの下面に設けたガイドと、このガイドの前後動を司る回転軸杆と、この回転軸杆が螺着される、前記テーブルの下面に設けたナットとで構成したウレタン加硫コントロールコンベヤー装置である。
【0015】
請求項5の発明は、前記イ)〜ハ)と、ヘ)〜チ)と、ニ)を達成することにある。
【0016】
請求項5は、請求項1に記載のウレタン加硫コントロールコンベヤー装置において、
前記載せ台は、パレットを設置し、このパレットの上に、ウレタン加硫をした製品を回転自在に設ける構成としたウレタン加硫コントロールコンベヤー装置である。
【発明の効果】
【0017】
請求項1の発明は、楕円形テーブルの左右側の上面に、駆動及び従動用の回転体を架承し、駆動及び従動用の回転体間に懸架した無端移動体と、従動用の回転体の回転軸に設けた、無端移動体の張装を調整する調整機構と、無端移動体に、内側の一方を係止し、その他方を遊嵌係止し、かつテーブルの上面を移動できるように設けた多数の載せ台と、無端移動体の復路の長手方向の一方側にのみ、載せ台をカバーするように設けたトンネル部と、トンネル部に設けたファン、及びヒータとで構成したウレタン加硫コントロールコンベヤー装置である。
【0018】
従って、請求項1は、下記の特徴がある。
イ) 作業効率を促進するスピード最適調整が可能となる(季節とか、気候・室内の温湿度条件等の変動に対応可能となる)
ロ) 温度変化に対応する送風、及び温度調整が可能となる。
ハ) 湿度調整、及び遠赤効果を達成する。
へ) オープン作業とトンネル効果(トンネル部を備えた構造を採用する)により、効率的、かつ的確な乾燥が可能となる。
ト) 全ての条件(気候、物性、又は製品等による)においての、作業の標準化が期待できる(ISO基準作りに役立つ)。
チ) 製品の変動に対して、柔軟な対応が可能となる(パレット寸法内調整が可能となる)。
【0019】
請求項2の発明は、請求項1に記載のウレタン加硫コントロールコンベヤー装置において、
回転体を、テーブルに間隔を持って架承し、間隔にレールと、載せ台の下面に設けた車輪を配備する構成としたウレタン加硫コントロールコンベヤー装置である。
【0020】
従って、請求項2は、前記イ)〜ハ)と、ヘ)〜チ)の他に、下記のル)の特徴がある。
ル) 無端移動体の動きに順応して、テーブルが往復動する構造を提供できる。
【0021】
請求項3の発明は、請求項1に記載のウレタン加硫コントロールコンベヤー装置において、
回転体、及びファン、並びにヒータを制御する制御部を、トンネル部の側面壁に配備するとともに、非常停止釦を、テーブルの脚部に配備する構成としたウレタン加硫コントロールコンベヤー装置である。
【0022】
従って、請求項3は、前記イ)〜ハ)と、ヘ)〜チ)の他に、下記のリ)と、ヌ)の特徴がある。

リ) 自動停止装置、及び緊急停止装置を付設できる構造を提供できる(リミットスイッチ・緊急スイッチ等のスイッチ類を備えている)。
ヌ) 作業者能力、原料硬化(分子の移動・弾性等の加硫素材の物性)、或いは製品の形状・資質等、さらには製品資質と原料との親和性の如く、全ての条件に合せたスピード調整が可能であり、安心かつ安全な加硫作業が可能となる。
【0023】
請求項4の発明は、請求項1に記載のウレタン加硫コントロールコンベヤー装置において、
調整機構は、従動用の回転軸に設けた移動駒と、移動駒を誘導し、テーブルの下面に設けたガイドと、ガイドの前後動を司る回転軸杆と、回転軸杆が螺着される、テーブルの下面に設けたナットとで構成したウレタン加硫コントロールコンベヤー装置である。
【0024】
従って、請求項4は、前記イ)〜ハ)と、ヘ)〜チ)の他に、下記のホ)の特徴がある。
ホ) 作業時間にあわせて、スピード変化が可能となる(インバータモータを採用する)。
【0025】
請求項5の発明は、請求項1に記載のウレタン加硫コントロールコンベヤー装置において、
載せ台は、パレットを設置し、パレットの上に、ウレタン加硫をした製品を回転自在に設ける構成としたウレタン加硫コントロールコンベヤー装置である。
【0026】
従って、請求項5は、前記イ)〜ハ)と、ヘ)〜チ)の他に、下記のニ)の特徴がある。
ニ) コーテングの形状に対応するために、無端移動体の上にパレット(例えば、ターンテーブル)を載架する構造が採用可能となる(全ての冶具の搭載が可能となる)。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】ウレタン加硫コントロールコンベヤー装置(以下、原則として、本装置とする)の一部決裁平面図
【図2】本装置の正面図
【図3】本装置の従動側より見た側面図
【図4】図1の平面図における無端移動体と載せ台の端部(この図では、従動側の近傍)を拡大して示した平面図
【図5】図3の無端移動体と載せ台との関係の要部を拡大して示した側面図
【図6】本装置の載せ台に、ターンテーブル(パレット)を介して、ウレタン加硫をした製品を載架した状態の図
【図7】本装置の制御部を示した拡大正面図
【図8】本装置のシステムを示したフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0028】
1はフレームで、このフレーム1は床面Rの上に空間形成用の空間スペースA(スペースAとする)を保持する構造であり、この空間スペースAを利用して、後述する駆動部品と、その付帯装置を配備する。このフレーム1の上には、全体視して、楕円形形状のテーブル2が設けられる。このテーブル2の長手方向Xのセンター2aを中心として、長孔200が形成されている。この長孔200を形成する利用は、例えば、材料の節約と軽量化を図りつつ、後述するトンネル部の設置と、その解体等の作業性を確保すること等にある。
【0029】
このテーブル2の上面2bには、間隔Bをおいて、後述する駆動軸と従動軸に設けられた(架承した)駆動用の回転体3(平歯車)と、従動用の回転体5(平歯車)が架承されている。この回転体3、5との間には無端移動体6(チェーン、又はコンベヤー等の移動する手段)が懸架されている。そして、この回転体3は、フレーム1の、例えば、図2において、向って左側1aの空間スペースAに設けたインバータモータ300の出力軸301の図示しない歯車群を介して、立設した回転軸302の上端に固止されている。一方回転軸(後述する)は、フレーム1の、例えば、図2において、向って右側1b(一例である。以下同じ)の空間スペースAに設けたスライド式の回転軸500に設けられており、この回転軸500は上下の移動駒501に貫設かつ軸着されており、この移動駒501とともに移動可能とする。例えば、ガイド手段502(ガイド、例えば、蟻溝嵌合)をテーブル2とフレーム1とにそれぞれ設けるとともに、この移動駒501を前進後退させる回転軸杆503(螺軸)とで構成する。従って、この回転軸杆503に設けたナット504を回転することで、移動駒501が前進、又は後退し、この回転体6と対峙する回転体5の間隔が、長短し、無端移動体6の長さの調整を図る構造であり、常時、所定のスピードと張力で、無端移動体6が確実、かつスムーズに進行する構造である。尚、無端移動体6は、常時、同じ方向に移動する。このテーブル2の上面2bを流れる空気が、前記間隔Bより拡散されること、及び/又は、間隔Bから、後述する隣接によりできる隙間を介して空気が流れること、等を利用して、例えば、乾燥の補助と、臭気の拡散を図り、悪臭の排除に役立つと考えられる。
【0030】
この無端移動体6には、固定連結具7と可動連結具8を介して載せ台10が設けられており、この一例では、無数台の載せ台10が連結して設けられる。この固定連結具7は無端移動体6と載せ台10を係止(枢着)する。また、この可動連結具8は、載せ台10が無端移動体6の左右側1a、1bに到った段階で、無端移動体6の長さが、直進状態より短くなることで(図4参照)、長孔800の中をピン801が移動し(遊嵌係止することで)、この調整を図る。これより、確実かつスムーズに、この左右側1a、1bを、載せ台10が移動する構造となっている。この一例では、長孔800は、載せ台10に開設し、また、ピン801は無端移動体6の突部に立設されている。また、この載せ台10の下端には車輪11を有しており、この車輪11は、テーブル2に付設したレール9上を転動する構造である。そして、この載せ台10は、無端移動体6と、テーブル2に隣接Cして設けられていることで、載せ台10を多数基配備できること、又は多数の製品Wの設置が図れること、等の特徴がある。
【0031】
図中12は無端移動体6の移動復路に設けたトンネル部で、このトンネル部12で、この復路を移動する全ての載せ台10を覆う構造であるとともに、このトンネル部12の屋根には、製品Wに塗布したウレタン加硫を乾燥、又は冷却するためのヒータ13とファン15が設けられている。このトンネル部12は、その脚1200をテーブル2の張出した端部2cと長孔200の一方側面端部200aに立設し、この脚1200に天井1201を設けた、箱形の形状であって、その長手方向Xには、数台の載せ台10が収容される構造である。そして、このトンネル部12には、入口にファン15が設けられる。また、トンネル部12の内面で、例えば、天井1201にはヒータ13が複数本設けられている。このヒータ13の点灯、熱量調整、又は方向性(図示しない回転式ヒータ、又は分割式ヒータ等)を利用して、ウレタン加硫した製品W(ウレタン加硫が塗布された製品W)に最適な条件設定をする。この一例では、載せ台10のパレット16、又は補助用のパレット16に載置されたウレタン加硫した製品Wを、自然乾燥された後において、トンネル部12に到るとファン15の風で強制乾燥し、その後、ヒータ13を利用して加硫処理が完成する。従って、ヒータ13の熱量と、無端搬送体6の速度と、間隔B、及び/又は、隣接Cの隙間等が微妙に関係するものと考えられる。そこで、本発明では、この載せ台10の搬送速度と、ファン15の回転速度、又はヒータ13の熱量の調整を、後述する制御部で行う構造である。
【0032】
図中20は制御部で、図7に示した構造が望ましく、例えば、上部にヒータ13を制御するスイッチ類2000であり、各ヒータ13を個別に制御することを特徴とする。これにより、トンネル部12の熱量の調整と、製品Wに適する加硫状態を確保しつつ、品質向上と、各種の製品Wに対応可能とする。また、室内外の温湿度に順応した対応ができる。また、下部に乾燥装置の細やかな制御と、入切り等の基本的な制御を図る。例えば、インバータモータの制御釦2001と、非常停止釦2002(フレーム1の脚部100も有る)、又は無端移動体制御釦2003と、運転釦2004、並びにファンスイッチ2005と、ファン回転制御釦2006とを備えており、この各スッチ、又は釦を制御することで、前述の如く、ファン15の風量、又はヒータ13の熱量、或いは無端搬送体6の速度等の最適な動きを確保する。
【0033】
そして、本装置のシステムの好ましい一例を、図8に示したフローチャートをもとに説明すると、最初に、運転釦2004を入れて(ST−1)、無端移動体6を始動する(ST−2)とともに、載せ台10のパレット16も同期して始動する(ST−3)。そして、この無端移動体6(載せ台10)の速度調整をするとともに、温湿度調整ヒータ13のスイッチ類2000を操作して温湿度調整しつつ、ファンスイッチ2005を操作し、風量制御をする(ST−4)。この調整は、標準的なものであり、原則として、本装置の調整が完了する(ST−5)。即ち、作業内容決定である。また、この調整は、標準的なものであり、その他、例えば、ウレタン加硫が塗布量、製品Wの資質等により、他の条件が付加される。例えば、ファン15、ヒータ13の配置箇所、台数等が挙げられる。そして、原則として、この制御部20の全体的な制御は、作業者の経験則と、作業の標準化された資料に基づくが、これらの条件判断、設定と、これらの各操作等を、システム(作業の標準化)として販売する。
【0034】
以上の調整、及び/又は、制御が完了(作業内容の決定)した時点で、載せ台10のパレット16に、ウレタン加硫した製品Wを、順次、載架し、併せて運転時間を決定する(ST−6)。この載架と運転で、前述の(ST−4)に戻って、順次、作業を繰返し、この作業中の風の動きと、熱の伝播に関しては、前述の通りであることから、品質の一定な、ウレタン加硫した製品Wが、順次、製造される(ST−7)。
【0035】
前記作業中において、非常時には、非常停止釦2002を介して緊急停止する。この作業工程(自然加硫ウレタン工程)における全ての手順と、乾燥、熱量の調整、これによる加硫状況、並びに作業効率と、作業環境調整、さらには、外的要件である季節変動の調整を標準化したのが、本発明のウレタン加硫した製品Wの製造・運転システムである。そして、本発明は、本装置の販売時に、このシステムを付帯資料として、販売することを意図する。従って、この両者は、広告・販売時において、有益性と経済性を備え、かつ自動化と品質の安定性が確保できる構成となっている。
【0036】
本装置と、異なる装置であっても、同様なウレタン加硫した製品Wの製造・運転システムができる構造は、本発明の範疇である。
【符号の説明】
【0037】
1 フレーム
1a 左側
1b 右側
100 脚部
2 テーブル
2a センター
2b 上面
2c 端部
200 長孔
200a 端部
3 回転体
300 インバータモータ
301 出力軸
302 回転軸
5 回転体
500 回転軸
501 移動駒
502 ガイド手段
503 回転軸杆
504 ナット
6 無端移動体
7 固定連結具
8 可動連結具
800 長孔
801 ピン
9 レール
10 載せ台
11 車輪
12 トンネル部
1200 脚
1201 天井
13 ヒータ
15 ファン
16 パレット
20 制御部
2000 スイッチ類
2001 制御釦
2002 非常停止釦
2003 無端移動体制御釦
2004 運転釦
2005 ファンスイッチ
2006 ファン回転制御釦
A 空間スペース
B 間隔
C 隣接
R 床面
W 製品
X 長手方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
楕円形テーブルの左右側の上面に、駆動及び従動用の回転体を架承し、この駆動及び従動用の回転体間に懸架した無端移動体と、前記従動用の回転体の回転軸に設けた、この無端移動体の張装を調整する調整機構と、前記無端移動体に、内側の一方を係止し、その他方を遊嵌係止し、かつ前記テーブルの上面を移動できるように設けた多数の載せ台と、前記無端移動体の復路の長手方向の一方側にのみ、前記載せ台をカバーするように設けたトンネル部と、このトンネル部に設けたファン、及びヒータとで構成したウレタン加硫コントロールコンベヤー装置。
【請求項2】
請求項1に記載のウレタン加硫コントロールコンベヤー装置において、
前記回転体を、前記テーブルに間隔を持って架承し、この間隔にレールと、前記載せ台の下面に設けた車輪を配備する構成としたウレタン加硫コントロールコンベヤー装置。
【請求項3】
請求項1に記載のウレタン加硫コントロールコンベヤー装置において、
前記回転体、及びファン、並びにヒータを制御する制御部を、前記トンネル部の側面壁に配備するとともに、非常停止釦を、前記テーブルの脚部に配備する構成としたウレタン加硫コントロールコンベヤー装置。
【請求項4】
請求項1に記載のウレタン加硫コントロールコンベヤー装置において、
前記調整機構は、従動用の回転軸に設けた移動駒と、この移動駒を誘導し、前記テーブルの下面に設けたガイドと、このガイドの前後動を司る回転軸杆と、この回転軸杆が螺着される、前記テーブルの下面に設けたナットとで構成したウレタン加硫コントロールコンベヤー装置。
【請求項5】
請求項1に記載のウレタン加硫コントロールコンベヤー装置において、
前記載せ台は、パレットを設置し、このパレットの上に、ウレタン加硫をした製品を回転自在に設ける構成としたウレタン加硫コントロールコンベヤー装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−103824(P2013−103824A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250103(P2011−250103)
【出願日】平成23年11月15日(2011.11.15)
【特許番号】特許第5121996号(P5121996)
【特許公報発行日】平成25年1月16日(2013.1.16)
【出願人】(504214453)株式会社 ニュー・サンワ (5)