説明

ウレタン樹脂組成物及びその硬化物

【課題】透明性やリードフレームとの接着性に優れ、尚且つトランスファー成型時の離型性に優れるウレタン樹脂組成物及びその硬化物を提供する。
【解決手段】(A)ポリオール成分と、(B)ポリイソシアネート成分と、を含むウレタン樹脂組成物であって、上記ポリイソシアネート成分が、脂環基及び2個又は3個のイソシアネート基を有し、少なくとも1個のイソシアネート基が上記脂環基を構成する第二級炭素に結合している脂環式ポリイソシアネート化合物を、全イソシアネート成分の30質量%以上含有するイソシアネート成分であり、当該ウレタン樹脂組成物が、下記一般式(1):


で表されるポリエーテル変性シリコーン−カプロラクトンブロック共重合体と、(C)特定の飽和脂肪酸と、を更に含むウレタン樹脂組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウレタン樹脂組成物及びその硬化物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、発光素子や受光センサー等の光半導体素子を封止するために用いられる光半導体素子封止用樹脂組成物に、その硬化物の透明性が要求されている。また、トランスファー成型や注型成型において、金型からの脱型を容易にするための離型性が要求されている。
【0003】
上記光半導体素子封止用樹脂組成物の透明性、離型性を向上させる手法として、離型性に関与する成分を樹脂組成物に均一に分散するために高級脂肪酸、脂肪酸エステルを添加する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。また、シリコーン化合物を添加して離型性を向上する方法も提案されている(例えば、特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−234033号公報
【特許文献2】国際公開第2006/011385号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、高級脂肪酸、脂肪酸エステルを用いて離型剤を均一に分散し、且つ適切な離型性を維持しようとするには、多量の高級脂肪酸、脂肪酸エステルを添加しなくてならなく、そのことによる硬化物性の低下が大きな問題になっている。このような問題に対する解決策として、離型剤の添加量を減らした樹脂組成物が提案されているが、このような方法では離型性が不足するために連続成型性に劣るという問題が新たに生ずる。
【0006】
また、シリコーン化合物を添加して離型性を向上する方法では、透明性が著しく低下するといった問題がある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、透明性やリードフレームとの接着性に優れ、尚且つトランスファー成型時の離型性に優れるウレタン樹脂組成物及びその硬化物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明では、(A)ポリオール成分と、(B)ポリイソシアネート成分と、を含むウレタン樹脂組成物であって、上記ポリイソシアネート成分が、脂環基及び2個又は3個のイソシアネート基を有し、少なくとも1個のイソシアネート基が上記脂環基を構成する第二級炭素に結合している脂環式ポリイソシアネート化合物を、全イソシアネート成分の30質量%以上含有するイソシアネート成分であり、当該ウレタン樹脂組成物が、下記一般式(1)で表されるポリエーテル変性シリコーン−カプロラクトンブロック共重合体と、下記一般式(2)で表される(C)飽和脂肪酸と、を更に含むウレタン樹脂組成物を提供する。このような構成のウレタン樹脂組成物とすることで、透明性やリードフレームとの接着性に優れ、尚且つトランスファー成型時の離型性に優れるといった効果を奏する。
【0009】
【化1】

【0010】
式(1)中、m及びnは、m/nが0.5〜1.0を満たす正の整数を示す。また、p及びqは、p及びq≧1、且つp又はq≧2を満たす正の整数を示す。
【0011】
【化2】

【0012】
式(2)中のRは、炭素数7〜28の直鎖状若しくは分岐鎖状の炭化水素基を示す。
【0013】
上記ウレタン樹脂組成物は、(D)チオール基を有する化合物を更に含むことが好ましい。チオール基を有する化合物を更に含むことでリードフレームとの接着性が更に優れるといった効果を奏する。
【0014】
また、上記チオール基を有する化合物は、2つ以上のチオール基を有する化合物、又は、チオール基を有するシランカップリング剤であることが好ましい。
【0015】
本発明では、更に上記ウレタン樹脂組成物を硬化させて得た硬化体からなる封止部材を備える光半導体装置を提供する。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、透明性やリードフレームとの接着性に優れ、尚且つトランスファー成型時の離型性に優れるウレタン樹脂組成物及びその硬化物を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】ウレタン樹脂組成物の硬化物のせん断接着強度の測定方法を模式的に表した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0019】
本実施形態のウレタン樹脂組成物は、(A)ポリオール成分と、(B)ポリイソシアネート成分と、を含むウレタン樹脂組成物であって、上記ポリイソシアネート成分が、脂環基及び2個又は3個のイソシアネート基を有し、少なくとも1個のイソシアネート基が上記脂環基を構成する第二級炭素に結合している脂環式ポリイソシアネート化合物を、全イソシアネート成分の30質量%以上含有するイソシアネート成分であり、当該ウレタン樹脂組成物が、下記一般式(1)で表されるポリエーテル変性シリコーン−カプロラクトンブロック共重合体を更に含むものである。式(1)中、m、n、p、及びqは、正の整数を示す。
【0020】
【化3】

【0021】
本実施形態に係るポリエーテル変性シリコーン−カプロラクトンブロック共重合体としては、上記一般式(1)中、m/nは0.5〜1.0が好ましく、0.6〜0.9がより好ましい。m/nが0.5未満であるとポリオール成分及びポリイソシアネート成分からなるウレタン樹脂組成物との相溶性が十分でなくなり、硬化物に白濁が見られる傾向にあり、1.0を超えると離型性が十分でなくなる傾向にある。また、ポリエーテル変性シリコーン−カプロラクトンブロック共重合体のシリコーン主鎖とカプロラクトン鎖の間はポリエーテル鎖で接続されており、その接続部はシリコーン主鎖の末端にプロピレンオキサイド、及び/又はエチレンオキサイドが付加された構造であることが好ましい。
【0022】
さらに、上記一般式(1)中、p及びqが1以上、且つ、p又はqが2以上であることが好ましい。上記p、qの範囲でシリコーン主鎖とカプロラクトン鎖の間を接続することによって、ポリエーテル変性シリコーン−カプロラクトンブロック共重合体を、ポリオール成分(A液)及びポリイソシアネート成分(B液)からなるウレタン樹脂組成物の中で適度に相溶化させることができ、優れた離型性と透明性の両立が可能となる。また、結晶性の高いカプロラクトンの凝集を抑制でき、B液中のポリエーテル変性シリコーン−カプロラクトンブロック共重合体が析出せず、安定に存在することができる。一方、上記p、qの範囲より小さい、すなわち、p又はqが1未満、且つ、p及びqが2未満であると、ポリオール成分及びポリイソシアネート成分からなるウレタン樹脂組成物の中でポリエーテル変性シリコーン−カプロラクトンブロック共重合体が非相溶となり、硬化物の透明性が十分でなくなる傾向がある。
【0023】
さらに、離型剤としては、下記一般式(2)で表される(C)飽和脂肪酸を併用することが好ましい。
【0024】
【化4】


式中のRは、炭素数7〜28の直鎖状若しくは分岐鎖状の炭化水素基を示し、主鎖の炭素数は、10〜22個であればより好ましく、14〜18個であれば更により好ましい。
【0025】
このような(C)飽和脂肪酸としては、特に限定されないが例えば、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミスチリン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸が挙げられる。中でも、主鎖の炭素数が17個のイソステアリン酸は液体であるので、ウレタン樹脂組成物の粘度の点で特に好ましい。また、上記離型剤の添加量は、ウレタン樹脂組成物全質量に対して、0.01〜5.0質量%で、飽和脂肪酸及びポリエーテル変性シリコーン−カプロラクトンブロック共重合体を併用することが好ましい。離型剤の添加量が0.01質量%未満であると離型性が十分でなくなり、5.0質量%を超えると硬化物のガラス転移温度等の耐熱性が低下する傾向にある。
【0026】
上記飽和脂肪酸又はポリエーテル変性シリコーン−カプロラクトンブロック共重合体は、他の成分と同様に単に配合するだけでもよいが、上記イソシアネート成分であるB液と透明均一になるまで加熱すると、離型性と透明性に関してより一層良好な結果が得られる。
【0027】
本実施形態に係るウレタン樹脂組成物は、ポリオール成分を含むA液とイソシアネート成分を含むB液を含む2液タイプの樹脂組成物である。ここで、「2液タイプの樹脂組成物」とは、例えば、成分Aと成分Bといった、少なくとも2種の組成物からなり、これらを反応させて硬化物を得ることができるものである。
【0028】
本発明で用いた(A)ポリオール成分としては、2つ以上のアルコール性水酸基を有する化合物(ポリオール)からなる成分である。ポリオールとしては、例えば飽和ポリオール、脂肪族ポリオール、脂環式ポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、アクリル樹脂ポリオールが挙げられる。これらの中でも、飽和ポリオールが特に好ましい。
【0029】
ポリオールの水酸基当量及び分子量は、所望の硬化物を得るために以下のように設計することが好ましい。すなわち、軟質な硬化物を得たい場合には、水酸基当量が小さく、分子量が大きいポリオールを使用することが好ましい。このようなポリオールとしては、高分子量で水酸基を2つ有するポリエーテルジオール、ポリカーボネートジオール、又はポリエステルジオール等が挙げられる。また、硬質な硬化物を得たい場合には、水酸基当量が大きく、分子量が小さいポリオールを使用することが好ましい。このようなポリオールとしては、ポリカーボネートジオール、ポリカプロラクトンジオール等の低分子量で水酸基を2つ有するポリオール、ポリカプロラクトントリオール、トリメチロールプロパン、プロパン−1,2,3−トリオール、これらにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド等を付加した誘導体等の低分子量で水酸基を3つ有するポリオール、ジグリセリン、又はジグリセリンにエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイド等を付加した誘導体等の低分子量で水酸基を4つ有するポリオール等が挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0030】
上記ポリオール成分には、水酸基残存プレポリマーが含まれてもよい。ポリオール成分に、水酸基残存プレポリマーを含むことによって、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との相溶性を向上させることができる。水酸基残存プレポリマーは、上記ポリオールと後述するポリイソシアネート(好ましくは後述する脂環基を有するポリイソシアネート)とを、上記ポリオール中の水酸基が、上記ポリイソシアネート中イソシアネート基に対して過剰になるように反応させることによって得られる。ポリオール中の水酸基当量をX、ポリイソシアネート中のイソシアネート基当量をYとしたときの比をX/Yとすると、水酸基残存プレポリマーは、X/Yが3〜20となるように、ポリオールとポリイソシアネートとを混合、反応させて得られることが好ましい。X/Yが3以上の値をとることによって、上記水酸基残存プレポリマーの分子量の増大を抑制し、取り扱いやすい粘度に保つことが可能となる。X/Yが20以下の値をとることによって、プレポリマーの効果を有効に得ることができる傾向にある。また、水酸基残存プレポリマーの合成は、触媒を添加することによって短縮することもできるが、ポリマーの着色を避けるために無触媒下で室温又は加熱反応させることが好ましい。
【0031】
本実施形態に係る(B)ポリイソシアネート成分は、2以上のイソシアネート基を有する化合物(ポリイソシアネート)からなる成分である。ポリイソシアネートは、脂肪族や脂環式ポリイソシアネートが好ましく、脂環基及び2個又は3個のイソシアネート基を有し、少なくとも1個のイソシアネート基が上記脂環基を構成する第二級炭素に結合している脂環式ポリイソシアネート化合物がより好ましい。その具体例としては、イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス−(シクロヘキシルイソシアネート)、1,3−ビス−(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、又はノルボルネンジイソシアネート(2,5−(2,6)−ビス−イソシアネトメチル[2,2,1]ヘプタン)等が挙げられる。
【0032】
また、ポリイソシアネートを原料としたイソシアヌレート型、ビゥレット型、又はアダクト型のポリイソシアネートを用いてもよく、特にヘキサメチレンジイソシアネートやイソホロンジイソシアネートを原料としたイソシアヌレート型ポリイソシアネートが好ましい。これらのようなポリイソシアネートを用いることで、得られる硬化物のガラス転移温度を向上させることができる。上記脂環基を有するポリイソシアネートのポリイソシアネート成分全体に対する割合は、30質量%以上であることがより好ましい。これによって、硬化物の耐高温高湿性をより向上させることができる。
【0033】
ポリイソシアネート成分には、イソシアネート基残存プレポリマーが含まれることが好ましい。ポリイソシアネート成分に、イソシアネート基残存プレポリマーを含むことによって、ポリオール成分とポリイソシアネート成分との相溶性を向上させることができる。イソシアネート基残存プレポリマーは、上記ポリイソシアネート(好ましくは上記脂環基を有するポリイソシアネート、この場合、プレポリマーは脂環式ポリイソシアネートに含まれる。)と上記ポリオールとを、上記ポリイソシアネート中のイソシアネート基が、上記ポリオール中の水酸基に対して過剰になるように反応させることによって得られる。イソシアネート基残存プレポリマーは、上述のX/Yが0.05〜0.3となるように、ポリオールとポリイソシアネートとを混合、反応させて得られることが好ましい。X/Yが0.05以上の値をとることで、プレポリマーの効果を有効に得ることができるようになる傾向にある。X/Yが0.3以下の値をとることで、上記イソシアネート基残存プレポリマーの分子量の増大を抑制し、取り扱いやすい粘度に保つことが可能となる。また、イソシアネート基残存プレポリマーの合成は、触媒を添加することによって短縮することもできるが、ポリマーの着色を避けるために無触媒下で室温又は加熱反応させることが好ましい。
【0034】
本実施形態に係るウレタン樹脂組成物は、上記成分以外に、ウレタン樹脂と銀メッキとの接着性を向上させるために(D)チオール基を有する化合物を含むことが好ましい。チオール基を有する化合物としては、第一級炭素にチオール基が結合している化合物、第二級炭素にチオール基が結合している化合物、チオール基を有するシランカップリング剤が挙げられる。第一級炭素に結合しているポリチオールの例としては、チオール基が3つある(トリス−[3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート)、トリメチロールプロパントリス−3−メルカプトプロピオネート、4つあるペンタエリスリトールテトラキス−3−メルカプトプロピオネート、6つあるジぺンタエリスリトールヘキサ−3−メルカプトプロピオネート等が挙げられる。また、チオール基が第二級炭素に結合しているポリチオールの例としては、チオール基が2つある1,4−ビス(3−メルカプトブチルオキシ)ブタン、3つある1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、4つあるペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)等がある。チオール基を有するシランカップリング剤の例としては、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等がある。2液型のウレタン樹脂組成物としては、上記化合物がイソシアネート基と反応するので、ポリオール成分であるA液に含有することが好ましい。
【0035】
上記チオール基を有する化合物の配合量は、ポリオール成分とイソシアネート成分との全量に対して0.01〜2.0質量%が好ましい。0.01質量%未満であると銀メッキとの接着性向上への効果が十分でなく、又2.0質量%を超えるとウレタン樹脂硬化物のガラス転移温度等の耐熱性が低下する傾向にある。
【0036】
本実施形態に係るウレタン樹脂組成物には、上記成分以外に、硬化性を高めるために硬化触媒を加えることができる。硬化触媒としては、亜鉛、ジルコニウムやアルミニウム系の有機金属系触媒、ジブチルスズラウレート等のスズ系、DBUのフェノール塩、オクチル酸塩、アミン、イミダゾール等を使用することができる。その中でも、ステアリン酸亜鉛が、耐熱着色性とA液、B液の室温での粘度安定性の点で優れるため好適である。ステアリン酸亜鉛の配合量は、ウレタン樹脂組成物の全重量に対して0.001〜0.5質量%であることが好ましく、特に0.002〜0.1質量%であることが好ましい。配合量が0.001質量%未満であると、硬化促進の効果が見られず、一方、0.5質量%を超えると、硬化物が微白濁する傾向がある。
【0037】
本実施形態に係るウレタン樹脂組成物には、上記成分以外に、ウレタン樹脂の熱膨張係数とリードフレームの熱膨張係数を近づけるために、ウレタン樹脂組成物に無機充填剤を添加することもできる。無機充填剤としては、透明性を維持するためにシリカフィラーが好ましく、又、高密充填するために粒子径の異なるシリカフィラーを混合して用いることが好ましい。
【0038】
本実施形態に係るウレタン樹脂組成物には、上記成分以外に、ヒンダードアミン系の光安定剤やリン系の酸化防止剤、紫外線吸収剤、無機充填剤、有機充填剤、カップリング剤、重合禁止剤等を添加することができる。また、成型性の観点から可塑剤、帯電防止剤、難燃剤等を添加してもよい。これらは、ウレタン樹脂硬化物の光透過性を確保する観点から液状であることが好ましいが、固形の場合には用いる波長以下の粒径を有するものとすることが好ましい。
【0039】
イソシアネート成分とポリオール成分との当量比(イソシアネート基及びイソシアネート基残存のプレポリマーのイソシアネート基当量と、水酸基及び水酸基残存のプレポリマーの水酸基当量との比)は0.7〜1.3となるよう混合することが好ましく、0.8〜1.1となるように混合することがより好ましい。この比が0.7〜1.3から外れると、硬化物の耐熱性、光学特性、機械特性が低下する傾向にある。
【0040】
本実施形態のウレタン樹脂組成物は、165℃におけるゲル化時間が25〜200秒であることが好ましい。ゲル化時間をこの範囲とすることで、従来の固形トランスファー成型とほぼ同じ成型条件で、液状トランスファー成型による光半導体素子の樹脂封止や光学部材の作製が可能となる。ゲル化時間が25秒未満だと、ウレタン樹脂組成物溶液が成型金型内の流路を十分に流れ切る前に硬化してしまい、成型物に未充填部位やボイドが発生し易くなる傾向にある。一方、ゲル化時間が200秒を越えると硬化不十分な成型物となってしまう傾向がある。
【0041】
本実施形態の液状トランスファー成型を用いたLEDパッケージの成型方法は、上記ウレタン樹脂組成物を成型装置のポット内に注入し、プランジャーを作動させ、ポット内のウレタン樹脂組成物を上金型及び下金型によって形成されるキャビティ部に移送、加熱硬化によって、目的とする形状の成型物を得る。金型温度はウレタン樹脂組成物が金型流路を移動でき、且つ、キャビティー内で短時間に硬化できる温度が好ましく、120〜200℃程度が好ましい。また、射圧はキャビティー内のウレタン樹脂成型物に未充填やボイドが無く成型できることが好ましく、2MPa以上が好ましい。2MPa未満であると未充填が発生し易くなる傾向にある。また、離型性を向上させるために、金型側に離型剤を塗布、スプレーすることもできる。さらに、ボイドの発生を抑制するために減圧成型できる装置を使用することもできる。
【0042】
本実施形態のウレタン樹脂組成物を用いて、注型法、ポッティング法によってLEDパッケージを作製する場合は、各成分の種類、組み合わせ、添加量にもよるが、60〜150℃で1〜10時間程度加熱硬化することが好ましく、特に80〜150℃で1〜10時間程度であることが好ましい。また、急激な硬化反応によって発生する内部応力を低減するために、硬化温度を段階的に昇温することが好ましい。
【0043】
以上、説明した本実施形態のウレタン樹脂組成物は、その硬化物の光学的透明性が高く、耐熱、耐光着色等の光学特性、機械特性に優れる、発光ダイオード (LED)、フォトトランジスタ、フォトダイオード、固体撮像素子等の光半導体素子用途の封止樹脂として好適である。また、本実施形態のウレタン樹脂組成物を用いることで、液状トランスファー成型によって効率良く光半導体素子の樹脂封止を行うことができ、LED等の光半導体を生産性よく製造することが可能となる。
【実施例】
【0044】
以下に、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明は何らこれらに限定されない。なお特に断りがない限り、配合割合は重量部で表す。
【0045】
(実施例1)
ポリオール成分として、分子量が300、水酸基価が540(KOH・mg/g)のポリカプロラクトントリオール(ポリオールA1:ダイセル化学工業製、商品名:プラクセル303)19.7重量部に、トリメチロールプロパン(A2:Perstorp社製)10.6重量部、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(D1:信越化学工業株式社製、商品名:KBM−803)0.5重量部を加え、加熱攪拌し、均一なポリオール成分A−1液とした。一方、上記(A2)1.0重量部を4−4’メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(B1:住化バイエルウレタン株式会社製、商品名:デスモジュールW)14.4重量部に加え、窒素雰囲気下にて80℃で10時間反応させ、イソシアネート基残存プレポリマーPB液を作製した。
【0046】
また、イソシアネート成分として、上記プレポリマーPB液15.4重量部にノルボルネンジイソシアネート(B2:三井武田ケミカル株式会社製、商品名:コスモネートNBDI)15.1重量部、イソホロンジイソシアネートの3量化体であるイソシアヌレート型イソシアネート70質量%の酢酸ブチル溶液(B3:Degussa社製、商品名:VESTANAT(R)T1890)39.2重量部、ヒンダード型フェノール系酸化防止剤として3,9−ビス[2−{3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニル}−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン0.10重量部を混合後、酢酸ブチルを減圧下で加熱脱溶した。
【0047】
その後に、離型剤C1としてイソステアリン酸(上記一般式(1)における、Rが炭素数18の分岐鎖アルキル基である飽和脂肪酸、高級アルコール工業株式会社製、商品名:イソステアリン酸EX)を2.0重量部と、ポリエーテル変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、商品名:X−22―4952)の両端にポリカプロラクトンを開環付加したm/n=0.5になるポリエーテル変性シリコーン−カプロラクトンブロック共重合体1を2.0重量部と、を80℃で2時間加熱した。室温まで冷却後、硬化促進剤としてステアリン酸亜鉛(日油株式会社製、商品名:ニッサンエレクトールMZ−2)を0.05重量部加え、均一になるまで攪拌した。これをB−1液とした。上記A−1液14.3重量部及びB−1液37.8重量部を混合(水酸基当量/イソシアネート基当量の比1.0)、減圧脱泡してウレタン樹脂組成物を得て、評価した。
【0048】
(実施例2)
ポリオール成分として、上記(A1)19.7重量部に、上記(A2)10.6重量部、ペンタエリスリトールテトラキス−3−メルカプトプロピオネート(D2:堺化学工業株式会社製、商品名:PEMP)0.5重量部を加えて、加熱攪拌し、均一なポリオール成分A−2液とした。一方、上記(A2)1.0重量部を上記(B1)14.4重量部に加え、窒素雰囲気下にて100℃で1時間反応させ、イソシアネート基残存プレポリマーPB液を作製した。また、イソシアネート成分として、上記プレポリマーPB液15.4重量部に上記(B2)15.1重量部、上記(B3)39.2重量部、上記酸化防止剤0.1重量部を混合後、酢酸ブチルを減圧下で加熱脱溶した。その後に、離型剤C2として、ラウリン酸(上記一般式(1)における、Rが炭素数11の直鎖状アルキル基である飽和脂肪酸。花王株式会社製、商品名:ルナックL−98)2.0重量部と、ポリエーテル変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、商品名:X−22―4952)の両端にポリカプロラクトンを開環付加したm/n=0.6になるポリエーテル変性シリコーン−カプロラクトンブロック共重合体2を2.0重量部と、を80℃で2時間加熱した。その後に硬化促進剤としてステアリン酸亜鉛0.05重量部を加え、B−2液とした。上記A−2液30.3重量部及びB−2液74.3重量部を混合(水酸基当量/イソシアネート基当量の比1.0)、減圧脱泡し、ウレタン樹脂組成物を作製し、評価した。
【0049】
(実施例3)
ポリオール成分として、上記(A1)19.7重量部に、上記(A2)10.6重量部、トリメチロールプロパントリス−3−メルカプトプロピオネート(D3:堺化学工業株式会社製、商品名:TMMP)0.5重量部を加えて、加熱攪拌し、均一なポリオール成分A−3液とした。一方、上記(A2)1.0重量部を上記(B1)14.4重量部に加え、窒素雰囲気下にて100℃で1時間反応させ、イソシアネート基残存プレポリマーPB液を作製した。また、イソシアネート成分として、上記プレポリマーPB液15.4重量部に上記(B2)15.1重量部、上記(B3)39.2重量部、上記酸化防止剤0.1重量部を混合後、酢酸ブチルを減圧下で加熱脱溶した。その後に、離型剤C1としてイソステアリン酸1.0重量部と、ポリエーテル変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、商品名:X−22―4272)の両端にポリカプロラクトンを開環付加したm/n=0.5になるポリエーテル変性シリコーン−カプロラクトンブロック共重合体3を1.0重量部と、を80℃で2時間加熱した。その後にステアリン酸亜鉛を0.05重量部を加え、B−3液とした。上記A−3液30.3重量部及びB−3液74.3重量部を混合(水酸基当量/イソシアネート基当量の比1.0)、減圧脱泡し、ウレタン樹脂組成物を作製し、評価した。
【0050】
(実施例4)
上記(B2)48.2重量部をイソシネート成分B液として、一方、上記(A1)51.7重量部、上記(D1)0.5重量部を加えて攪拌し、ポリオール成分A−4液とした。上記B液、離型剤C1としてイソステアリン酸2.0重量部と、ポリエーテル変性シリコーン−カプロラクトンブロック共重合体1を2.0重量部と、を80℃で2時間加熱した。その後に硬化促進剤としてステアリン酸亜鉛0.05重量部を加え,B−4液とした。上記A−4液50.2重量部及びB−4液53.8重量部を混合(水酸基当量/イソシアネート基当量の比1.0)、減圧脱泡し、ウレタン樹脂組成物を作製し、評価した。
【0051】
(比較例1)
ポリオール成分として、上記(A1)19.7重量部に、上記(A2)10.6重量部、上記(D1)0.5重量部を加えて、加熱攪拌し、均一なポリオール成分A−5液とした。一方、上記(A2)1.0重量部を上記(B1)14.4重量部に加え、窒素雰囲気下にて100℃で1時間反応させ、イソシアネート基残存プレポリマーPB液を作製した。また、イソシアネート成分として、上記プレポリマーPB液15.4重量部に上記(B2)15.1重量部、上記(B3)39.2重量部、上記酸化防止剤0.1重量部を混合後、酢酸ブチルを減圧下で加熱脱溶した。その後に、離型剤C1としてイソステアリン酸2.0重量部と、ポリエーテル変性シリコーンオイル(信越化学工業株式会社製、商品名:X−22−4952)の両端にポリカプロラクトンを開環付加したm/n=0.3になるポリエーテル変性シリコーン−カプロラクトンブロック共重合体4を2.0重量部と、を80℃で2時間加熱した。その後にステアリン酸亜鉛0.05重量部を加え、B−5液とした。上記A−5液30.3重量部及びB−5液74.3重量部を混合(水酸基当量/イソシアネート基当量の比1.0)、減圧脱泡し、ウレタン樹脂組成物を作製し、評価した。
【0052】
(比較例2)
ポリオール成分として、上記(A1)19.7重量部に、上記(A2)10.6重量部、上記(D2)0.5重量部を加えて、加熱攪拌し、均一なポリオール成分A−6液とした。一方、上記(A2)1.0重量部を上記(B1)14.4重量部に加え、窒素雰囲気下にて100℃で1時間反応させ、イソシアネート基残存プレポリマーPB液を作製した。また、イソシアネート成分として、上記プレポリマーPB液15.4重量部に上記(B2)15.1重量部、上記(B3)39.2重量部、上記酸化防止剤0.1重量部を混合後、酢酸ブチルを減圧下で加熱脱溶した。その後に、ポリエーテル変性シリコーン−カプロラクトンブロック共重合体1を2.0重量部80℃で2時間加熱した。その後にステアリン酸亜鉛0.05重量部を加え、B−6液とした。上記A−6液30.3重量部及びB−6液74.3重量部を混合(水酸基当量/イソシアネート基当量の比1.0)、減圧脱泡し、ウレタン樹脂組成物を作製し、評価した。
【0053】
(比較例3)
ポリオール成分として、上記(A1)19.7重量部に、上記(A2)10.6重量部、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン(D4:信越化学工業株式社製、商品名:KBE−9007)0.5重量部を加えて、加熱攪拌し、均一なポリオール成分A−7液とした。一方、上記(A2)1.0重量部を上記(B2)14.4重量部に加え、窒素雰囲気下にて100℃で1時間反応させ、イソシアネート基残存プレポリマーPB液を作製した。また、イソシアネート成分として、上記プレポリマーPB液15.4重量部に上記(B2)15.1重量部、上記(B3)39.2重量部、上記酸化防止剤0.1重量部を混合後、酢酸ブチルを減圧下で加熱脱溶した。その後に、離型剤C1としてイソステアリン酸2.0重量部とポリエステル変性シリコーン離型剤5(信越化学工業株式会社製、商品名:X−22−715)2.0重量部を80℃で2時間加熱した。その後にステアリン酸亜鉛0.05重量部を加え、B−7液とした。上記A−7液30.3重量部及びB−7液74.3重量部を混合(水酸基当量/イソシアネート基当量の比1.0)、減圧脱泡し、ウレタン樹脂組成物を作製し、評価した。
【0054】
(比較例4)
ポリオール成分として、上記(A1)19.7重量部に、上記(A2)10.6重量部を加えて、加熱攪拌し、均一なポリオール成分A−8液とした。一方、上記(A2)1.0重量部を上記(B1)14.4重量部に加え、窒素雰囲気下にて100℃で1時間反応させ、イソシアネート基残存プレポリマーPB液を作製した。また、イソシアネート成分として、上記プレポリマーPB液15.4重量部に上記(B2)15.1重量部、上記(B3)39.2重量部、上記酸化防止剤0.1重量部を混合後、酢酸ブチルを減圧下で加熱脱溶した。その後に、離型剤C3としてモンタン酸エステル(クラリアントジャパン株式会社製、商品名:Licowax−E)2.0重量部と、ポリエーテル変性シリコーン−カプロラクトンブロック共重合体1を2.0重量部と、を80℃で2時間加熱した。その後にステアリン酸亜鉛0.05重量部を加え、B−8液とした。上記A−8液30.3重量部及びB−8液74.3重量部を混合(水酸基当量/イソシアネート基当量の比1.0)、減圧脱泡し、ウレタン樹脂組成物を作製し、評価した。
【0055】
『光透過率』
液状トランスファー成型機を用い、金型温度165℃、硬化時間20秒で40mm×40mm、厚み1mmの試験片を成型し、150℃、3時間で後硬化した。得られた試験片を日立製の分光光度計U−3310(商品名)を用いて波長400nmの光透過率を測定した。単位は%とし、80%以上の透過率を示すものを良好と判断した。結果を表1、2に示した。
【0056】
『接着強度』
各部材との接着強度は、各部材に硬化物を形成し、その剥離強度を測定して、擬似的に評価した。以下図1を用いて具体的に説明する。図1は、ウレタン樹脂組成物の硬化物のせん断接着強度の測定方法を模式的に表した図である。まず、銀メッキを施した銅板2上にウレタン樹脂組成物の液滴を滴下して、165℃、3時間で加熱し、半径が1.5mmとなる円柱状の硬化物1を形成した。上記硬化物1を株式会社アークテック製のdayeシリーズ4000を用いて、測定温度を165℃とし、ツール移動速度を100μm/sとして、シェアツール3をX方向に移動し、せん断接着強度を測定した。単位はMPaとし,15MPa以上のものを(A)、15MPa未満のものを(B)とした。その結果を表1、2に示した。
【0057】
『成型後、リフロー試験後のはく離』
成型後及び吸湿リフロー後のLEDパッケージにおいて、ウレタン樹脂とリードフレームとのはく離を顕微鏡で観察した。吸湿リフローの試験条件は、85℃、湿度85%で、9時間吸湿後、保持温度が150℃で120秒、最高到達温度が260℃、5秒間のプロファイルのリフロー処理を行った。結果を表1、2に示した。成型後のはく離及び、リフロー後のはく離の評価において、分母と分子の数値は、それぞれ、評価サンプル総数とはく離したパッケージ数を表す。
【0058】
『液状トランスファー成型性、離型性』
液状トランスファー成型の成型条件は、金型温度160〜170℃、射圧4〜15MPa、注入時間15〜60秒、保持時間60〜300秒とした。上記成型法で、上記ウレタン樹脂組成物を外形寸法が5.1mm×3.9mm×4.7mmのLEDパッケージに成型して、10ショット目の離型性を評価した。評価基準としては、型開きの際にカル、ランナー、キャビティーの部分にウレタン樹脂が引っかかったり、上金型や下金型にウレタン樹脂が接着した場合を(B)、ウレタン樹脂が引っかからず、金型から容易に取り出せた場合を(A)とした。結果を表1、2に示した。
【0059】
【表1】

【0060】
【表2】

【0061】
実施例1〜4では、いずれも光透過率80%以上であり、且つ、接着性、離型性も十分優れた硬化物が得られた。一方、比較例1の硬化物では、接着性、離型性には問題ないものの、光透過性が十分ではなかった。また、比較例2〜4の硬化物では、光透過性及び、離型性が十分ではなかった。
【産業上の利用可能性】
【0062】
本発明のウレタン樹脂組成物は、透明性、離型性及び接着性に優れ、光半導体の封止に用いるウレタン樹脂組成物として優れた性能を発揮することができる。
【符号の説明】
【0063】
1…硬化物、2…銀メッキを施した銅板、3…シェアツール。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)ポリオール成分と、(B)ポリイソシアネート成分と、を含むウレタン樹脂組成物であって、
前記ポリイソシアネート成分が、脂環基及び2個又は3個のイソシアネート基を有し、少なくとも1個のイソシアネート基が前記脂環基を構成する第二級炭素に結合している脂環式ポリイソシアネート化合物を、全イソシアネート成分の30質量%以上含有するイソシアネート成分であり、
当該ウレタン樹脂組成物が、
下記一般式(1):
【化1】


(式中、m及びnは、m/nが0.5〜1.0を満たす正の整数を示す。また、p及びqは、p及びq≧1、且つp又はq≧2を満たす正の整数を示す。)で表されるポリエーテル変性シリコーン−カプロラクトンブロック共重合体と、
下記一般式(2):
【化2】


(式中のRは、炭素数7〜28の直鎖状若しくは分岐鎖状の炭化水素基を示す。)で表される(C)飽和脂肪酸と、
を更に含むウレタン樹脂組成物。
【請求項2】
(D)チオール基を有する化合物を更に含むことを特徴とする請求項1に記載のウレタン樹脂組成物。
【請求項3】
前記チオール基を有する化合物が、2つ以上のチオール基を有する化合物、又は、チオール基を有するシランカップリング剤であることを特徴とする請求項2に記載のウレタン樹脂組成物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のウレタン樹脂組成物を硬化させて得られる硬化体からなる封止部材を備える光半導体装置。

【図1】
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【公開番号】特開2011−178899(P2011−178899A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−44567(P2010−44567)
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【出願人】(000004455)日立化成工業株式会社 (4,649)
【Fターム(参考)】