エアオペレートバルブ診断方法、エアオペレートバルブ診断装置、及びエアオペレートバルブ
【課題】 エアオペレートバルブの動作状態を確認すること。
【解決手段】
エアオペレートバルブ10の動作状態を確認するためのエアオペレートバルブ診断方法であって、エアオペレートバルブ10の初期状態において、エアオペレートバルブ10にAEセンサ2を当接させて、エアオペレートバルブ10の操作ポート7に操作流体を供給したとき、もしくは操作流体を排気したときに、開閉時に発する音を計測し、記録する事前工程と、エアオペレートバルブ10が繰返し動作後に、エアオペレートバルブ10にAEセンサ2を当接させて、エアオペレートバルブ10の操作ポート7に操作流体を供給したときに、もしくは操作流体を排気したときに、開閉時に発する音を計測し、記録する第1工程と、第1工程で計測した値と、事前工程で計測した値とを比較して、エアオペレートバルブ10の動作状態の変化を確認する確認工程と、を有する。
【解決手段】
エアオペレートバルブ10の動作状態を確認するためのエアオペレートバルブ診断方法であって、エアオペレートバルブ10の初期状態において、エアオペレートバルブ10にAEセンサ2を当接させて、エアオペレートバルブ10の操作ポート7に操作流体を供給したとき、もしくは操作流体を排気したときに、開閉時に発する音を計測し、記録する事前工程と、エアオペレートバルブ10が繰返し動作後に、エアオペレートバルブ10にAEセンサ2を当接させて、エアオペレートバルブ10の操作ポート7に操作流体を供給したときに、もしくは操作流体を排気したときに、開閉時に発する音を計測し、記録する第1工程と、第1工程で計測した値と、事前工程で計測した値とを比較して、エアオペレートバルブ10の動作状態の変化を確認する確認工程と、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアオペレートバルブの動作状態を確認するためのエアオペレートバルブ診断方法、エアオペレートバルブ診断装置、及びエアオペレートバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体の製造ラインでは液弁の故障が発生すると、ラインを停止して液弁を交換しなければならない。液弁交換によるライン停止で発生する損害を防ぐため、定期的に液弁の交換を行う必要があった。液弁は、電磁弁ではなく多くの場合、エアオペレートバルブが使われている。
従来、液弁のメンテナンスにおける寿命診断として、特許文献1のような、AE(アコースティック・エミッション、以下AEと記す)センサによりAE波形及びAEスペクトルパターンを観察記録することによる診断方法があった。ここで、AEとは、材料が変形又は、亀裂が発生する際に材料が内部に蓄えていた歪みエネルギーを弾性波として放出する現象をいう。この弾性波を材料の表面に設置した変換子すなわちAEセンサで検出し、信号処理を行うことにより材料の破壊過程を評価する手法がAE法である。
具体的には、特許文献1の発明の構成は、エアオペレートバルブのシート部に発振体を設け、弁シート部近辺に設けられたAEセンサと、このAEセンサからの出力を計測するAE計測装置から構成されている。
特許文献1の作用は、発振体は振動を発生する。この振動をAEセンサで検出して、信号解析装置で解析し、その結果をAE計測装置に記録する。続いて、一定期間を経過した時に同様の手段で振動をAEセンサで検出し、AE計測装置がこれを記録する。そして、AE記録装置において、前回の振動と今回の振動とを比較して、著しく振動が異なる時は、液弁は寿命であるとして交換を行っていた。
【0003】
【特許文献1】特開平1−124739
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、エアオペレートバルブに発振体を設けなければ振動を検出することができなかった。発振体を、エアオペレートバルブに設置することは、通常のエアオペレートバルブではなく、特注扱いとなるため、その製造には、費用が掛かる問題があった。
また、特許文献1に記載された発明では、AEセンサを全てのエアオペレートバルブに設置しているため、配線が多数必要となり、製造ラインが込み合い、簡素化できない問題があった。さらに、AEセンサの分の多くの費用が掛かる問題があった。
また、特許文献1に記載された発明を利用した場合、具体的な判定基準が不明であるため、判定結果についてメンテナンス担当者により個人差が出ていた。
【0005】
以上の問題から、発振体を必要とせず、液弁であるエアオペレートバルブの動作状況を把握し、交換時期を判断できる診断方法、及び持ち運び可能な診断装置が望まれている。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、エアオペレートバルブのメンテナンスにおける診断方法、診断装置、及びエアオペレートバルブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るエアオペレートバルブの動作状態を確認するためのエアオペレートバルブ診断方法、エアオペレートバルブ診断装置、及びエアオペレートバルブは、以下の構成を有する。
(1)エアオペレートバルブの動作状態を確認するためのエアオペレートバルブ診断方法であって、エアオペレートバルブの初期状態において、エアオペレートバルブにAEセンサを当接させて、エアオペレートバルブの操作ポートに操作流体を供給したとき、もしくは操作流体を排気したときに、開閉時に発する音を計測し、記録する事前工程と、エアオペレートバルブが繰返し動作後に、エアオペレートバルブにAEセンサを当接させて、エアオペレートバルブの操作ポートに操作流体を供給したときに、もしくは操作流体を排気したときに、開閉時に発する音を計測し、記録する第1工程と、第1工程で計測した値と、事前工程で計測した値とを比較して、エアオペレートバルブの動作状態の変化を確認する確認工程と、を有することを特徴とする。
(2)(1)に記載するエアオペレートバルブ診断方法であって、エアオペレートバルブは液弁であること、第1工程は、音の変化を比較してエアオペレートバルブの動作状態の変化によりエアオペレートバルブの故障を予測して交換の要否を判断すること、を特徴とする。
(3)(1)又は(2)に記載するエアオペレートバルブ診断方法において、第1工程で計測、記録した値は、操作ポートが操作流体を供給もしくは、操作流体を排気した時の弁開閉時に発する音の最大値の平均値であること、確認工程で計測、記録した値を最大値の平均値と比較すること、を特徴とする。ここで操作ポートが操作流体を供給もしくは、操作流体を排気した時の弁開閉時に発する音とは、エアオペレートバルブのピストンがストッパに衝突した時に発生する衝突音、エアの給排気音、スプリングの伸縮音、Oリングの摩擦音等が含まれる。
(4)(1)又は(2)に記載するエアオペレートバルブ診断方法において、第1工程で計測、記録した値は、エオペレートバルブの音が発生してからエアオペレートバルブの音が終了するまでの時間の平均値である発生時間平均値であること、確認工程で計測、記録した値を発生時間平均値と比較すること、を特徴とする。
【0007】
(5)エアオペレートバルブの動作状態を監視して、エアオペレートバルブの動作状態の変化を確認するための診断装置であって、エアオペレートバルブにAEセンサを当接させて、エアオペレートバルブが開閉時に発する音を計測する計測手段と、計測手段で計測した計測結果を記録する記録手段と、エアオペレートバルブを前記製造装置に設置して計測した記録手段に記録している値と、その後に計測した値とを比較して、エアオペレートバルブの動作状態の変化を確認する手段と、を有することを特徴とする。
(6)(5)に記載するエアオペレートバルブ診断装置であって、エアオペレートバルブ診断装置は持ち運びが可能であること、を特徴とする。
(7)に記載するエアオペレートバルブ診断装置であって、記録手段が、エアオペレートバルブの交換の要否を判断した対象のエアオペレートバルブを特定でき、特定したエアオペレートバルブに関し記録手段に記録している計測結果を外部へ送信する通信手段を備えること、を特徴とする。
(8)(1)乃至(4)に用いられるエアオペレートバルブ診断方法のいずれか1つに用いられるエアオペレートバルブにおいて、エアオペレートバルブの側面に、AEセンサを当接させるための当接部が形成されていること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
エアオペレートバルブの故障は生産の停止に直結しやすい。従来、エアオペレートバルブの診断は、製造ラインのメンテナンス担当者が行っていた。しかし、製造ラインのメンテナンス担当者はエアオペレートバルブの専門家ではないため、適確なエアオペレートバルブの診断を行うことが困難である。そのため、メンテナンス担当者がエアオペレートバルブの故障を判断できず、生産を止める場合があり、多大な損害を受ける場合があった。
そこで、エアオペレートバルブの専門家である本出願人らは、定期的なメンテナンスを行うことを検討している。エアオペレートバルブに関する専門家であるため、その状態を的確に診断することができるので、独自性及び信頼性を確保する本出願のエアオペレートバルブ診断方法、エアオペレートバルブ診断装置を開発、発明したのである。
【0009】
次に、エアオペレートバルブの動作状態を確認するためのエアオペレートバルブ診断方法、エアオペレートバルブ診断装置、及びエアオペレートバルブの作用及び効果について説明する。
エアオペレートバルブを製造装置に取り付けた後に、AEセンサをエアオペレートバルブの当接部に取り付けテストを行う。テストのために、エアオペレートバルブの操作ポートに操作流体を送り込む。操作流体が送り込まれると、減圧弁により調整された操作流体は、操作ポートに入る前に電磁弁にて止められる。電磁弁は、所定のタイミングで操作流体を操作ポートへ送り込む。操作ポートから入った操作流体は、操作室内に入りエアオペレートバルブ内にあるピストンを上昇させる。ピストンが上昇すると、ピストンはストッパにぶつかり上昇がストップする。ピストンがストッパにぶつかる時、衝突音を含んだ動作音(以下、「動作音」という。)が発せられる。動作音をAEセンサが計測する。AEセンサが動作音を計測するまでがテストである。
計測された動作音を制御部のメモリが記録し、動作音の最大値である最大音の平均値を計算し記録する。同様に、エアオペレートバルブが発生する音が終了するまでの時間の平均値を計算し記録する。平均値は、上記テストを複数回行うことにより求める。
次に、エアオペレートバルブが繰返し使用された時点、例えば数万回連続して使用された場合に、上記テストを行う。
計測された動作音を制御部のメモリが記録する。また、エアオペレートバルブが発生する音が終了するまでの時間を制御部のメモリが記録する。
【0010】
エアオペレートバルブを製造装置に取り付けた後に計測した動作音の最大値の平均値と、エアオペレートバルブが繰返し使用された時点で計測した動作音とをCPUが比較してエアオペレートバルブに異常が起きていないかを確認する。
また、エアオペレートバルブを製造装置に取り付けた後に計測したエアオペレートバルブから発生する音が終了するまでの時間の平均値と、エアオペレートバルブが繰返し使用された時点で計測したエアオペレートバルブから発生する音が終了するまでの時間とを比較してエアオペレートバルブに異常が起きていないかを確認する。そして、エアオペレートバルブに異常が認められる時は、エアオペレートバルブを交換する。
例えば、AE測定により、エアオペレートバルブを製造装置に取り付けた後に計測した動作音の最大値の平均値と、エアオペレートバルブが繰返し使用された時点で計測した動作音の最大値とを比較して、動作音が小さくなっている時には、ピストンがフルストローク開閉しない症状が生じていると判断される。そこから、エアオペレートバルブについてのスプリングの腐食、ピストンのかじり、Oリングの変形等の不具合が想定される。
以上のように、エアオペレートバルブの専門家である本出願人らによれば、故障したエアオペレートバルブの診断及びエアオペレートバルブの故障の予測を行うことができる。それにより、故障したエアオペレートバルブを発見して交換することができるため、エアオペレートバルブの故障を発見できるので、製造ラインの停止を未然に防止できる。また、エアオペレートバルブの故障を予測することができるため、交換の必要のないエアオペレートバルブについては、交換せずに継続して使用することができるため、無駄にエアオペレートバルブを交換することがない。
以上より、エアオペレートバルブの作動不良の前兆を把握することにより、エアオペレートバルブの故障による製造装置停止やラインストップという事態を未然に防止することができる。
発明の作用及び効果について、エアオペレートバルブの弁開時の動作音を基に比較を行ったが、弁閉時におけるピストンが弁体に当たる動作音の場合でも同様の作用及び効果を得ることができる。
故障の予測は、多数のエアオペーレートバルブを数百万回耐久試験することにより、AE測定値と故障との関係をデータとして得ることにより、行われる。さらに、客先での定期点検により、故障との関係データを蓄積することにより、故障の予測の精度を高めることができる。
また、本発明では、判定に際して判断基準の数値化が行われている。そのため、メンテナンス担当者により個人差が出ていた判定結果の誤差を解消することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、本発明に係るエアオペレートバルブ診断方法、エアオペレートバルブ診断装置、及びエアオペレートバルブの一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0012】
(第1実施形態)
<エアオペレートバルブ診断装置の全体構成>
図1は、エアオペレートバルブ診断装置の構成を示すブロック図である。図2は、エアオペレートバルブ診断装置の制御部を示すブロック図である。図6は、エアオペレートバルブ診断で使用するエアオペレートバルブ診断計測装置40の外観図である。
図1に示すように、制御部1は、AEセンサ2、電磁弁5、及び、ACコンセント9と接続されている。電源としては、ACコンセント9のほか、電池又はバッテリーでもよい。AEセンサ2は、AEを検出する変換子である。ここで、AEとは、材料が変形、又は亀裂が発生する際に材料が内部に蓄えていた歪みエネルギーを弾性波として放出する現象をいう。この弾性波を材料の表面に設置した変換子すなわちAEセンサで検出し、信号処理を行うことにより材料の破壊過程を評価する手法がAE法である。
減圧弁6は電磁弁5と操作ポート側エア配管11Bを介して連結している。電磁弁5から伸びる操作ポート側エア配管11Aは、エアオペレートバルブ10の操作ポート7に連結している。
図2に示すように、制御部1にはCPU31、ROM32、及びメモリ33が含まれている。制御部1には、AEセンサ2、電磁弁5、及びACコンセント9が接続している。
図6に示すように、エアオペレートバルブ診断計測装置40の上部分には、液晶画面41があり、下部分にはテンキー42がある。エアオペレートバルブ診断計測装置40の上端には、AEセンサ2と接続される接続端子43がある。液晶画面41の右下部分には、エアオペレートバルブの識別番号45と日時46が表示される。中央部分には、AEセンサ2の出力データ47が表示される。エアオペレートバルブ診断計測装置40は、コンパクトであるため、持ち運びが可能である。そのため、使いたい時にエアオペレートバルブ10に設置すればよいため、従来のようにエアオペレートバルブ診断計測装置40を常時つけている状態と比べ、電力を消耗することはない。したがって、省エネルギーを実現することができる。
【0013】
<エアオペレートバルブの構成>
図3は、エアオペレートバルブ10の外観正面図である。図4は、エアオペレートバルブ10の外観側面図である。図5は、診断の対象であるエアオペレートバルブ10の構造を示す断面図である。
図5に示すように、エアオペレートバルブ10は、アクチュエータ部23と本体ボディ24とにより構成されている。本体ボディ24には、入力ポート17及び出力ポート18が形成されている。
アクチュエータ部23には、操作ポート7と排気ポート8が形成されている。操作ポート7の左端部は操作室22に連通している。また、排気ポート8の左端部は排気室21に連通している。アクチュエータ部23内部には、略円柱形状をなすピストン13が上下方向へ摺動可能に保持されている。ピストン13には、インジケータ27が係合している。インジケータ27は、カバー28を貫通している。ピストン13により操作室22と排気室21とに分けられている。ピストン13の最大外周の部分には、第1Oリング20が取付けられている。ピストン13の下部の中央部には第2Oリング25が取付けられている。排気室21内の排気ポート8側には、ピストン13が上方へ摺動したときに当接するストッパ26が形成されている。ピストン13の排気ポート8側には、アクチュエータ部23とピストン13に当接したスプリング14がある。
ピストン13のインジケータ27と係合している反対側には、ダイアフラム弁体15が係合している。ダイアフラム弁体15は、図5に示す弁閉時には、弁座16に当接している。
図3及び図4にあるように、アクチュエータ部23の側面にはAEセンサ2と当接する当接部23aが、AEセンサ2の形に合わせた形で形成されている。
【0014】
<エアオペレートバルブの診断方法>
エアオペレートバルブ診断装置により寿命診断を行うのは、エアオペレートバルブの定期診断を請け負った企業の担当者(以下、単に「担当者」という。)がその作業にて行う。
事前工程は、エアオペレートバルブ10が工場に据付けられた後に行う。事前工程においては、エアオペレートバルブ10のM0、T0を計測し、最大値の平均値M0及び発生時間平均値T0を計算し、記録する。エアオペレートバルブ10のピストン13がストッパ26に衝突した時に発生する動作音の波形の最大値をM0とする。エアオペレートバルブ10が発生する音が終了するまでの時間をT0とする。
事前工程において、エアオペレートバルブ10のM0、T0を計測するため、エアオペレートバルブ10の本体ボディ24を取付けた後に、担当者は、図6のエアオペレートバルブ診断計測装置40の接続端子43と接続されたAEセンサ2をエアオペレートバルブ10の当接部23aに取り付ける。
AEセンサ2は、エアオペレートバルブ10が開閉動作する際に、ピストン13がストッパ26に衝突する時の音、ダイアフラム弁体15が弁座16に当接するときの音、エアの吸排気の音、スプリング14の伸縮の音、第1Oリング20の摩擦音などの音を検出し、発生する音の信号を処理する装置である。第1実施形態においては、ピストン13がストッパ26に衝突する時の音、及びダイアフラム弁体15が弁座16に当接するときの音を検出し、音の信号を処理している。
エアオペレートバルブ10の当接部23aがあるため、AEセンサ2を常に同じ箇所に設置することができる。そのため、エアオペレートバルブ10に何らかの故障原因があったときにも、音の変化によりエアオペレートバルブ10の故障原因を把握することができる。常に同じ箇所で当接することができれば、音を安定して検出することができ、音の変化を容易に把握することができるからである。
また、当接部23aは、内側に切削されており、ピストン13とストッパ26が衝突する部分に近いため、ピストン13とストッパ26が衝突するまでに発生する音を、認識することができる。そのため、エアオペレートバルブ10に従来から用いられていた発振体を設置しなくとも、AEセンサ2により音を認識することができる。
【0015】
操作流体を供給するために、適宜電磁弁5を弁開する。電磁弁5は、手動ボタンを操作することにより弁開することができる。電磁弁5が開き、操作流体が操作ポート側エア配管11Aを通って操作ポート7に供給される。操作ポート7から入った操作流体は、操作室22に入る。操作室22に入った操作流体はピストン13を上方向へと押し上げる。ピストン13が上方向へ押し上げられると排気室21内にあった空気が圧縮される。排気室21内で圧縮された空気は排気ポート8より押し出される。
この時の、エアオペレートバルブ10の弁開時のピストン13がストッパ26に衝突した動作音等の波形状態をM0、T0として記録する。最大値の平均値M0、発生時間平均値T0の計算、記録方法については、後述するM0、T0の計算方法で説明する。
M0、T0は、エアオペレートバルブ診断計測装置40の液晶画面41にグラフとして表示される。また、操作流体を流したエアオペレートバルブ10の識別番号45と日時46が液晶画面41に表示される。エアオペレートバルブ診断装置40にPC等を接続することにより、メモリ33から上記M0、T0等の記録を通信することができる。M0、T0の大量の統計値をPC等に移すことで、M0、T0の情報を蓄積し、さらに解析、研究を行い、より精度の高い判定を行うことができる。
【0016】
弁閉の際の音についても、弁開の際の音と同様に、AEセンサ2により、計測、記録する。弁閉の際の音は、ダイアフラム弁体15が弁座16に当接するまでに発生する音である。弁閉の際のAEセンサ2による計測、記録の動作は、弁開時と弁閉時で変わるところはないため、ここでは説明を割愛する。
M0、T0を解析、記録し、最大値の平均値M0、発生時間平均値T0を算出するため、上記開閉の動作を5回から10数回繰り返す。
上記事前工程は、エアオペレートバルブ10が工場に据付けられた後に担当者が行うこととなっているが、エアオペレートバルブ10の製造者等が、出荷前に事前に上記方法により行うこともできる。
【0017】
<M0、T0の解析、計算方法>
M0、T0の解析、記録方法について、図13のフローチャートで示す。図13で行う解析、記録方法は事前工程で行う。
エアオペレートバルブ10のピストン13がストッパ26まで動作した時に発生する動作音の波形の最大値をM0とする。エアオペレートバルブ10が発生する音が終了するまでの時間をT0とする。
機種Aのエアオペレートバルブ10についてのM0、T0の具体例を図7に表す。
図13に示すように、事前工程において、M0の解析を行い、その後、最大値の平均値M0を計算により求め、最大値の平均値M0を記録する(S1、S2、S3、S6)。
最大値の平均値M0の値は最も低いM0と、最も高いM0を省いて計算する。最も低いM0と、最も高いM0は、ノイズが大きいため、平均値を出すのに適していないからである。図7においては、最も低い(4)のM0である3.49×106と、最も高い(6)のM0である4.58×106を省いて計算する。そうして、出された最大値の平均値M0は、3.91×106となる。最大値の平均値M0はメモリ33に記録される。
【0018】
図13に示すように、T0の解析を行い、その後、発生時間平均値T0を計算により求め、発生時間平均値T0を記録する(S1、S4、S5、S6)。
実測値としてのT0は短く、波形の測定時間は数ミリ秒から数秒になる。そのため、図7のM0の(1)の波形を、拡大したものを図8に示す。波形が開始する時間をT0(a)とする。波形が終了する時間をT0(b)とする。エアオペレートバルブ10が発生する動作音が終了するまでの時間のT0を、T0=T0(a)−T0(b)の式により求めることができる。
次に、T0の平均値である発生時間平均値T0を求める。発生時間平均値T0の値は最も短いT0及び最も長いT0を省いて計算する。最も短いT0及び最も長いT0は、ノイズが大きいため、平均値を出すのに適していないからである。図7においては、最も短い(9)のT0である0.385と、最も長い(1)のT0である0.362を省いて計算する。そうして、出された発生時間平均値T0は、0.367となる。発生時間平均値T0はメモリ33に記録される。
【0019】
<第1実施形態に係るエアオペレートバルブの診断装置及び方法の作用効果>
図14に、第1実施形態に係るエアオペレートバルブ10の診断方法のフローチャートを示す。
エアオペレートバルブ10の診断方法は、AE測定による判定方法を行い、その結果を踏まえて総合的に判定A〜Cの判断を行う方法である。
【0020】
AE測定による判定方法について説明する。
第1工程でM1及びT1の解析を行い、その後、確認工程でメモリ33に記録されている最大値の平均値M0及び発生時間平均値T0を<式1>〜<式6>に入力してM1及びT1の判定を行う(S10、S11、S12、S13、S14、S15、S16)。
第1工程は、製造装置にエアオペレートバルブ10を取り付けた後、例えば数万回稼動した後に行う。第1工程においても、上述したM0、T0の解析、計算方法と同様の方法によりM0、T0の解析を行う(S10、S11、S14)。
【0021】
M1の判定方法は、以下に示す方法を確認工程で行う。
まず解析、計算で求めたM1及び最大値の平均値M0でM1/最大値の平均値M0を計算する。
次に、下記に示す<式1>〜<式3>にM1/最大値の平均値M0をあてはめて、判定A,B,Cを決定する(S13)。判定Aは、M1の判定した結果が全て判定Aの場合である。判定Bは、M1の判定した結果、判定Cがなく判定Bが1つでもある場合である。判定CはM1の判定した結果、判定Cが1つでもある場合である。
【0022】
<式1>
a1 < M1/最大値の平均値M0 < a2
M1/最大値の平均値M0の値が<式1>の範囲内であれば判定Aとする。
【0023】
<式2>
a3 < M1/最大値の平均値M0 ≦ a1、
a2 ≦ M1/最大値の平均値M0 < a4
M1/最大値の平均値M0の値が<式2>の範囲内であれば判定Bとする。
【0024】
<式3>
M1/最大値の平均値M0 ≦ a3、 a4 ≦ M1/最大値の平均値M0
M1/最大値の平均値M0の値が<式3>の範囲内であれば判定Cとする。
【0025】
a3<a1<a2<a4である。ax(x=1〜4)はさまざまな要因で変化する数値である。その要因としては、例えば、エアオペレートバルブの機種の違い、操作エア圧力の違い、エアオペレートバルブが設置されている場合等の要因がある。
axの目安としては、例えば、a1=0.20〜1.00、a2=1.00〜5.00、a3=0〜0.50、a4=2.00以上となる。但し、あくまで目安であり、さまざまな要因により数値は変化する。
【0026】
T1の判定方法は、以下に示す方法を確認工程で行う。
まず解析、計算で求めたT1及びT0でT1/発生時間平均値T0を計算する。
次に、下記に示す<式4>〜<式6>にT1/発生時間平均値T0をあてはめて、判定A,B,Cを決定する(S16)。判定Aは、T1の判定した結果が全て判定Aの場合である。判定Bは、T1の判定した結果、判定Cがなく判定Bが1つでもある場合である。判定CはT1の判定した結果、判定Cが1つでもある場合である。
【0027】
<式4>
b1 < T1/発生時間平均値T0 < b2
T1/発生時間平均値T0の値が<式4>の範囲内であれば判定Aとする。
【0028】
<式5>
b3 < T1/発生時間平均値T0 ≦ b1、
b2 ≦ T1/発生時間平均値T0 < b4
T1/発生時間平均値T0の値が<式5>の範囲内であれば判定Bとする。
【0029】
<式6>
T1/発生時間平均値T0 ≦ b3、 b4 ≦ T1/発生時間平均値T0
T1/発生時間平均値T0の値が<式6>の範囲内であれば判定Cとする。
【0030】
b3<b1<b2<b4である。bx(x=1〜4)はさまざまな要因で変化する数値である。その要因としては、例えば、エアオペレートバルブの機種の違い、操作エア圧力の違い、エアオペレートバルブが設置されている場合等の要因がある。
【0031】
確認工程でAE測定を行い、その結果を総合的に考察し総合判定をする(S20)。
総合判定の判定基準は、AE測定の結果、全てが判定Aであるときは、異常がないものであるため、総合判定Aとして記録する(S21、S24)。AE測定の結果、判定Cがなく判定Bが1つでもある場合には、経過を観察する必要があるものとして、以降の診断時において要チェック、又は1,2月後に再度チェックを行う必要がある、総合判定Bとして記録する(S22、S25)。AE測定の結果、判定Cが1つでもある場合には異常がありとしてエアオペレートバルブ10の交換が必要であるとする、総合判定Cとして記録する(S23、S26)。
【0032】
第1工程で行ったM0、T0のAE測定に基づき、最大値の平均値M0を計算により求め、最大値の平均値M0を記録、また、発生時間平均値T0を計算により求め、発生時間平均値T0を記録する(S27、S28、S29)。S27、S28、S29の工程は、上記M0、T0の解析、計算方法で述べたS3、S5、S6と同様であるため説明を割愛する。
【0033】
図14の外観観察による判定方法について説明する(S30、S31)。外観観察による判定方法は、エアオペレートバルブ10の診断方法に必ず必要な方法ではないが、AE測定の判定方法と一緒に行うこともできる。
製造装置にエアオペレートバルブ10を取付けた後、例えば数万回稼動した後のエアオペレートバルブ10の診断時に、エアオペレートバルブ10の外観を観察することにより判定A,B,Cを決定する。
外観観察は、エアオペレートバルブ10の全体が見える場所において、全体を観察し判断する。
外観観察により、エアオペレートバルブ10の変化がほぼないと考えられるときは、判定Aとなる。エアオペレートバルブ10の銘板の文字、背景色が消えた時、又はエアオペレートバルブ表面に結晶などの異物が少量付着している時は、判定A又は判定Bとなる。エアオペレートバルブ10のカバーが変色した時、シリンダが変色した時、取付板が変色した時、外観から分かる金属部品に錆びの発生が確認できた時、弁開閉の動作時に耳で聞き取れる異常音が発生している時、バルブ表面に結晶が大量に付着している時、その他異常が発生した時は、判定B又は判定Cとなる。エアオペレートバルブ10のカバーに亀裂が発生した時、シリンダに亀裂が発生した時、インジケータが円滑に動かない時は、判定Cとなる。
判定基準としては、確認項目で判定Aしかない場合には、判定Aとなる。確認項目で判定Cがなく判定Bがある場合は、判定Bとなる。確認項目で判定Cが1つでもある場合は、判定Cとなる。
【0034】
(システム検定)
エアオペレートバルブ10がどのように故障するのか、主だった故障の原因を再現するため故障サンプルを作成して、上記判定方法による判断が実用的であることを検定した。
当該システム検定により、Oリングの摩耗、ピストンロッドの傾き、かじり等が原因で故障しているエアオペレートバルブ10を、上記判定方法による判断で診断できることが確認できた。
第1実施形態においては、具体的に以下のような、故障を判断できる。
例えば、図9では、エアオペレートバルブ10のスプリング14の腐食、ピストン13のかじり、Oリング20の変形を判断できる。なぜならば、ピストン13がストッパ26に当たり発する動作音の時間であるT1が、図7のT1の平均値と比べて短いからである。T1が短いのは、ピストン13がフルストローク開閉していないからであり、ピストン13がフルストローク開閉しない原因としては、エアオペレートバルブ10のスプリング14の腐食、ピストン13のかじり、Oリング20の変形の不具合が想定されるからである。
図9におけるエアオペレートバルブ10では、ピストン13がフルストローク開閉しない症状を生じさせるために、ピストン13のインジケータ27を上から押さえ、ピストン13が動かない状態とした。
図9のM1について、上記判定方法により判定をすると、全て判定Bとなるため、判定Bである。計測したM1の中で最も高い値である(7)、及び最も低い値である(10)は、計測にはぶれがあることから計算や判定には含めない。
図9の結果として、エアオペレートバルブ10は、ピストン13がフルストローク開閉しないため、ピストン13がストッパ26に強打することはない。そのため、ピストン13がストッパ26に当たり発する動作音であるM1が小さくなる。したがって、図7のM0と比較して、M1が小さくなる。
【0035】
図9のT1について、上記判定方法により判定をすると、全て判定Cとなり、判定Cが1つ以上あるため、判定Cとなる。判定Cが一つ以上あれば、総合的には判定Cとなるため、判定Cが出た時に、計測を終了してもいいとも考えられる。しかし、計測にはぶれがあるため、一度判定Cが出たことにより計測を終了するのではなく、複数回行うことにより判定の信頼性を高める。
図9の結果として、エアオペレートバルブ10は、ピストン13がフルストローク開閉しないため、ピストン13がストッパ26にまで完全に届かない。そのため、ピストン13がストッパ26に当たり発する動作音が終了するまでの時間であるT1が短くなる。そのため、図7のT0と比較して、T1が短くなるからである。
【0036】
例えば、図10では、Oリング20の摩耗、Oリング20の傷を判断できる。なぜならば、ピストン13がストッパに当たり発する動作音のM1が、図7と変わらないのに対して、ピストン13がストッパに当たり発する動作音が終了するまでの時間であるT1が図7のT1の平均値と比べて短いからである。M1が変わらないのに、T1が長いのは、操作ポートエアが排気ポート8に漏れているからであり、エアの漏れ音を測定しているためと考えられる。操作ポートエアが排気ポート8に漏れる原因としては、Oリング20の摩耗、Oリング20の傷の不具合が想定されるからである。
図10におけるエアオペレートバルブ10では、操作ポートエアが排気ポート8に漏れる症状を生じさせるために、Oリング20に傷をつけ、操作ポートエアが排気ポート8に漏れる状態とした。
図10のM1について、上記判定方法により判定をすると、全て判定Aとなるため、判定Aである。計測したM1の中で最も高い値である(3)、及び最も低い値である(9)は、計測にはぶれがあることから計算や判定には含めない。操作ポートエアが排気ポート8に漏れていたとしても、ピストン13がストッパ26に当たる際には影響を与えない。
【0037】
図10のT1について、上記判定方法により判定をすると、全て判定Cとなり、判定Cが1つ以上あるため、判定Cとなる。判定Cが一つ以上あれば、総合的には判定Cとなるため、判定Cが出た時に、計測を終了しても問題はないとも考えられる。しかし、計測にはぶれがあるため、一度判定Cが出たことにより計測を終了するのではなく、複数回の計測を行うことにより判定の信頼性を高める。
図9の結果として、エアオペレートバルブ10は、操作ポートエアが排気ポート8に漏れているため、ピストン13がストッパ26に当たった後にも、操作ポートエアが排気ポート8から漏れている漏れ音をAEセンサ2が計測する。そのため、図7のT1と比較して、T1が長くなるからである。
【0038】
(第2実施形態)
第2実施形態におけるエアオペレートバルブ10は、図7に示す機種Aと異なる機種Bである。図7及び図11で用いられたエアオペレートバルブ10の機種が異なるため、M0、T0も異なってくる。そこで、第2実施形態においても、第1実施形態と同様のM0、T0の解析、計算方法を用いてM0、T0を求める。
図12は、図11に示す機種Aについて操作ポートエアが排気ポート8に漏れる状態が生じたエアオペレートバルブ10の解析結果を示す。
なお、エアオペレートバルブ10の全体構成及びエアオペレートバルブ10の診断方法については、第1実施形態と同じであるため、説明を割愛する。
第1実施形態と同様のM0、T0の解析、計算方法を用いて出された結果を図11に示す。
図11においては、最も低い(6)のM0と、最も高い(9)のM0を省いて計算する。そうして、出された最大値の平均値M0は、3.73×105となる。
図11においては、最も短い(4)のT0である0.9329と、最も長い(9)のT0である2.198を省いて計算する。そうして、出された発生時間平均値T0は、1.047となる。
【0039】
図11のエアオペレートバルブ10は、図7のエアオペレートバルブ10とは機種が異なるため、実験を行った。
例えば、図12では、ピストン13のかじりを判断できる。なぜならば、ピストン13がストッパ26に当たり発する動作音が終了するまでの時間のT1が図11と変わらないのに対して、ピストン13がストッパ26に当たり発する動作音であるM1が図7のT1の平均値と比べて短いからである。T1が変わらないのに、M1が短いのは、ピストン13が円滑に動作していないからであり、ピストン13が円滑に動作しない原因としては、ピストン13のかじりの不具合が想定されるからである。
図12におけるエアオペレートバルブ10では、操作ポートエアが排気ポート8に漏れる症状を生じさせるために、Oリング20に傷をつけ、操作ポートエアが排気ポート8に漏れる状態とした。
図12のM1について、上記判定方法により判定をすると、全て判定Cとなるため、判定Cが1つ以上あるため、判定Cとなる。計測したM1の中で最も高い値である(5)、及び最も低い値である(7)は、計測にはばらつきがあることから計算や判定には含めない。
【0040】
図12のT1について、上記判定方法により判定をすると、判定A及び判定Bとなり、判定Bが1つでもあるため、判定Bとなる。
図12の結果として、エアオペレートバルブ10は、ピストン13が円滑に動作していないため、ピストン13がストッパ26に当たったときに発する動作音も小さいため、動作音が終了するまでの時間であるT1も短い。そのため、図7のT1と比較して、T1が短くなるからである。
【0041】
(第3実施形態)
第1実施形態及び第2実施形態では、エアオペレートバルブ10の使用初期に測定可能な場合には有効な方法であるが、既設の設備などで初期データがない場合に以下のような、事前工程を行わない第3実施形態の方法をとる。
図15は、エアオペレートバルブ10が既に設備された状態にある場合の総合判定を行なう際のフローチャートを示す。
図15に示すように、第3実施形態において、図14の第1実施形態と異なる点は、既設の設備などで計測した最大値の平均値M0及び発生時間平均値T0の初期データがないことである。第3実施形態においては、実験により求められる最大値の平均値M0及び発生時間平均値T0を、最大値の平均値M0及び発生時間平均値T0として入力する(S40、S41)。
それにより、既設の設備などで初期データがない場合においても、AE測定S10により総合判定S20を行うことができる。
【0042】
(1)以上詳細に説明したように、本実施例のエアオペレートバルブ10の動作状態を確認するためのエアオペレートバルブ診断方法によれば、エアオペレートバルブ10の動作状態を確認するためのエアオペレートバルブ診断方法であって、エアオペレートバルブ10の初期状態において、エアオペレートバルブ10にAEセンサ2を当接させて、エアオペレートバルブ10の操作ポート7に操作流体を供給したとき、もしくは操作流体を排気したときに、開閉時に発する音を計測し、記録する事前工程と、エアオペレートバルブ10が繰返し動作後に、エアオペレートバルブ10にAEセンサ2を当接させて、エアオペレートバルブ10の操作ポート7に操作流体を供給したときに、もしくは操作流体を排気したときに、開閉時に発する音を計測し、記録する第1工程と、第1工程で計測した値と、事前工程で計測した値とを比較して、エアオペレートバルブ10の動作状態の変化を確認する確認工程と、を有するので、エアオペレートバルブ10の作動不良の前兆を把握することにより、エアオペレートバルブ10の故障による製造装置の停止やラインストップという事態を未然に防止することができる。
(2)(1)に記載するエアオペレートバルブ診断方法であって、エアオペレートバルブは液弁であること、第1工程は、音の変化を比較してエアオペレートバルブ10の動作状態の変化によりエアオペレートバルブ10の故障を予測して交換の要否を判断するので、エアオペレートバルブ10の作動不良の前兆を把握することにより、エアオペレートバルブ10の故障による製造装置の停止・ラインストップという事態を未然に防止することができる。
また、エアオペレートバルブ10の専門家である本出願人等は、定期的なメンテナンスを行うことを実践することができる。
(3)(1)又は(2)に記載するエアオペレートバルブ診断方法において、第1工程で計測、記録した値は、操作ポート7が操作流体を供給もしくは、操作流体を排気した時の弁開閉時に発する音の最大値の平均値であること、確認工程で計測、記録した値を最大値の平均値と比較するので、エアオペレートバルブ10の作動不良の前兆を把握することにより、エアオペレートバルブ10の故障による製造装置の停止やラインストップという事態を未然に防止することができる。
(4)(1)又は(2)に記載するエアオペレートバルブ診断方法において、第1工程で計測、記録した値は、エオペレートバルブ10の音が発生してからエアオペレートバルブ10の音が終了するまでの時間の平均値である発生時間平均値であること、確認工程で計測、記録した値を発生時間平均値と比較するので、エアオペレートバルブ10の作動不良の前兆を把握することにより、エアオペレートバルブ10の故障による製造装置の停止やラインストップという事態を未然に防止することができる。
【0043】
(5)エアオペレートバルブ10の動作状態を監視して、エアオペレートバルブ10の動作状態の変化を確認するための診断装置であって、エアオペレートバルブ10にAEセンサ2を当接させて開閉時に発する音を計測する計測手段と、計測手段で計測した計測結果を記録する記録手段と、エアオペレートバルブ10を前記製造装置に設置して計測した記録手段に記録している値と、その後に計測した値とを比較して、エアオペレートバルブ10の動作状態の変化を確認する手段と、を有するので、エアオペレートバルブ10の作動不良の前兆を把握し、エアオペレートバルブ10の故障による製造装置の停止やラインストップという事態を未然に防止することができる。
(6)(5)に記載するエアオペレートバルブ診断装置であって、エアオペレートバルブ診断装置は持ち運びが可能であるため、使いたい時にセンサをエアオペレートバルブに設置すればよいため、従来のようにセンサを常時つけている状態と比べ、電力を消耗することはない。したがって、省エネルギーを実現することができる。
(7)(5)に記載するエアオペレートバルブ診断装置であって、記録手段が、エアオペレートバルブ10の交換の要否を判断した対象のエアオペレートバルブ10を特定でき、特定したエアオペレートバルブ10に関し記録手段に記録している計測結果を外部へ送信する通信手段を備えるので、エアオペレートバルブ10の作動不良の前兆を把握し、エアオペレートバルブ10の故障による製造装置の停止やラインストップという事態を未然に防止することができる。
また、M0、T0の大量の統計値をPC等に移すことで、M0、T0の情報を蓄積し、さらに解析、研究を行い、より精度の高い判定を行うことができる。
(8)(1)乃至(4)に用いられるエアオペレートバルブ診断方法のいずれか1つに用いられるエアオペレートバルブ10において、エアオペレートバルブ10の側面に、AEセンサ2を当接させるための当接部23aが形成されているので、AEセンサ2を常に同じ箇所に当接することができる。そのため、エアオペレートバルブ10に何らかの故障原因があったときにも、音の変化によりエアオペレートバルブ10の故障原因を把握することができる。常に同じ状態で設置することができれば、音を安定して検出することができ、音の変化を容易に把握することができるからである。
また、当接部23aは、内側に切削されており、ピストン13とストッパ26が衝突する部分に近いため、ピストン13とストッパ26が動作したときに発生する音を、認識することができる。そのため、エアオペレートバルブ10に従来用いられていた発振体を設置しなくとも、AEセンサ2により音を認識することができる。
【0044】
尚、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。
例えば、操作流体は、空気に限らず窒素ガスでも可能である。
また、第1実施形態乃至第3実施形態においては、「操作ポートが操作流体を供給もしくは、操作流体を排気した時の弁開閉時に発する音」を具体的に、エアオペレートバルブのピストンがストッパに衝突した時に発生する動作音を用いて説明したが、他に、エアの給排気音、スプリングの伸縮音、Oリングの摩擦音等によっても、エアオペレートバルブ10の診断を行うことができる。
また、 弁閉の際の音についても、弁開の際の音と同様に、AEセンサ2により、計測、記録することにより、エアオペレートバルブ10の診断を行うことができる。
また、第1実施形態乃至第3実施形態においては、AEセンサ2をエアオペレートバルブ10の当接部23aに当接し音を検出しているが、音を測定できるならば、AEセンサ2を当接する箇所はどこでもよい。
また、第1実施形態乃至第3実施形態においては、エアオペレートバルブ10が製造装置に取り付けられた状態においてだけで診断を行っているが、診断後にエアオペレートバルブ10を取外した状態であっても診断を行うことができる。すなわち、診断後にエアオペレートバルブ10を取り外して診断することにより、故障原因の細かな解析を行うことができる。故障原因の細かな解析を行うことで、AEセンサによる診断の精度を上げていくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】エアオペレートバルブ診断装置の構成を示すブロック図である。
【図2】エアオペレートバルブ診断装置の制御部を示すブロック図である。
【図3】診断の対象であるエアオペレートバルブ10の正面図である。
【図4】診断の対象であるエアオペレートバルブ10の右側面図である。
【図5】診断の対象であるエアオペレートバルブ10の構造を示す断面図である。
【図6】エアオペレートバルブ診断で使用するエアオペレートバルブ診断計測装置40の外観図である。
【図7】機種Aの正常な状態のAE波形を示した図である。
【図8】図7の(1)のM0の拡大図である。
【図9】機種Aのピストン13がフルストロークしない症状のAE波形を示した図である。
【図10】機種Aの操作ポートエアが排気ポート8に漏れる症状のAE波形を示した図である。
【図11】機種Bの正常な状態のAE波形を示した図である。
【図12】機種Bのエアオペレートバルブ10が円滑に動作しない症状のAE波形を示した図である。
【図13】エアオペレートバルブ10の製造装置に取付けする時にAE測定可能な場合のフローチャートを示す。
【図14】エアオペレートバルブ10を繰返し使用した後の総合判定を行う際のフローチャートを示す。
【図15】エアオペレートバルブ10が既に設備された状態にある場合の総合判定を行なう際のフローチャートを示す。
【符号の説明】
【0046】
1 制御部
2 AEセンサ
5 電磁弁
6 減圧弁
7 操作ポート
8 排気ポート
10 エアオペレートバルブ
23a 当接部
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアオペレートバルブの動作状態を確認するためのエアオペレートバルブ診断方法、エアオペレートバルブ診断装置、及びエアオペレートバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
半導体の製造ラインでは液弁の故障が発生すると、ラインを停止して液弁を交換しなければならない。液弁交換によるライン停止で発生する損害を防ぐため、定期的に液弁の交換を行う必要があった。液弁は、電磁弁ではなく多くの場合、エアオペレートバルブが使われている。
従来、液弁のメンテナンスにおける寿命診断として、特許文献1のような、AE(アコースティック・エミッション、以下AEと記す)センサによりAE波形及びAEスペクトルパターンを観察記録することによる診断方法があった。ここで、AEとは、材料が変形又は、亀裂が発生する際に材料が内部に蓄えていた歪みエネルギーを弾性波として放出する現象をいう。この弾性波を材料の表面に設置した変換子すなわちAEセンサで検出し、信号処理を行うことにより材料の破壊過程を評価する手法がAE法である。
具体的には、特許文献1の発明の構成は、エアオペレートバルブのシート部に発振体を設け、弁シート部近辺に設けられたAEセンサと、このAEセンサからの出力を計測するAE計測装置から構成されている。
特許文献1の作用は、発振体は振動を発生する。この振動をAEセンサで検出して、信号解析装置で解析し、その結果をAE計測装置に記録する。続いて、一定期間を経過した時に同様の手段で振動をAEセンサで検出し、AE計測装置がこれを記録する。そして、AE記録装置において、前回の振動と今回の振動とを比較して、著しく振動が異なる時は、液弁は寿命であるとして交換を行っていた。
【0003】
【特許文献1】特開平1−124739
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、エアオペレートバルブに発振体を設けなければ振動を検出することができなかった。発振体を、エアオペレートバルブに設置することは、通常のエアオペレートバルブではなく、特注扱いとなるため、その製造には、費用が掛かる問題があった。
また、特許文献1に記載された発明では、AEセンサを全てのエアオペレートバルブに設置しているため、配線が多数必要となり、製造ラインが込み合い、簡素化できない問題があった。さらに、AEセンサの分の多くの費用が掛かる問題があった。
また、特許文献1に記載された発明を利用した場合、具体的な判定基準が不明であるため、判定結果についてメンテナンス担当者により個人差が出ていた。
【0005】
以上の問題から、発振体を必要とせず、液弁であるエアオペレートバルブの動作状況を把握し、交換時期を判断できる診断方法、及び持ち運び可能な診断装置が望まれている。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、エアオペレートバルブのメンテナンスにおける診断方法、診断装置、及びエアオペレートバルブを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るエアオペレートバルブの動作状態を確認するためのエアオペレートバルブ診断方法、エアオペレートバルブ診断装置、及びエアオペレートバルブは、以下の構成を有する。
(1)エアオペレートバルブの動作状態を確認するためのエアオペレートバルブ診断方法であって、エアオペレートバルブの初期状態において、エアオペレートバルブにAEセンサを当接させて、エアオペレートバルブの操作ポートに操作流体を供給したとき、もしくは操作流体を排気したときに、開閉時に発する音を計測し、記録する事前工程と、エアオペレートバルブが繰返し動作後に、エアオペレートバルブにAEセンサを当接させて、エアオペレートバルブの操作ポートに操作流体を供給したときに、もしくは操作流体を排気したときに、開閉時に発する音を計測し、記録する第1工程と、第1工程で計測した値と、事前工程で計測した値とを比較して、エアオペレートバルブの動作状態の変化を確認する確認工程と、を有することを特徴とする。
(2)(1)に記載するエアオペレートバルブ診断方法であって、エアオペレートバルブは液弁であること、第1工程は、音の変化を比較してエアオペレートバルブの動作状態の変化によりエアオペレートバルブの故障を予測して交換の要否を判断すること、を特徴とする。
(3)(1)又は(2)に記載するエアオペレートバルブ診断方法において、第1工程で計測、記録した値は、操作ポートが操作流体を供給もしくは、操作流体を排気した時の弁開閉時に発する音の最大値の平均値であること、確認工程で計測、記録した値を最大値の平均値と比較すること、を特徴とする。ここで操作ポートが操作流体を供給もしくは、操作流体を排気した時の弁開閉時に発する音とは、エアオペレートバルブのピストンがストッパに衝突した時に発生する衝突音、エアの給排気音、スプリングの伸縮音、Oリングの摩擦音等が含まれる。
(4)(1)又は(2)に記載するエアオペレートバルブ診断方法において、第1工程で計測、記録した値は、エオペレートバルブの音が発生してからエアオペレートバルブの音が終了するまでの時間の平均値である発生時間平均値であること、確認工程で計測、記録した値を発生時間平均値と比較すること、を特徴とする。
【0007】
(5)エアオペレートバルブの動作状態を監視して、エアオペレートバルブの動作状態の変化を確認するための診断装置であって、エアオペレートバルブにAEセンサを当接させて、エアオペレートバルブが開閉時に発する音を計測する計測手段と、計測手段で計測した計測結果を記録する記録手段と、エアオペレートバルブを前記製造装置に設置して計測した記録手段に記録している値と、その後に計測した値とを比較して、エアオペレートバルブの動作状態の変化を確認する手段と、を有することを特徴とする。
(6)(5)に記載するエアオペレートバルブ診断装置であって、エアオペレートバルブ診断装置は持ち運びが可能であること、を特徴とする。
(7)に記載するエアオペレートバルブ診断装置であって、記録手段が、エアオペレートバルブの交換の要否を判断した対象のエアオペレートバルブを特定でき、特定したエアオペレートバルブに関し記録手段に記録している計測結果を外部へ送信する通信手段を備えること、を特徴とする。
(8)(1)乃至(4)に用いられるエアオペレートバルブ診断方法のいずれか1つに用いられるエアオペレートバルブにおいて、エアオペレートバルブの側面に、AEセンサを当接させるための当接部が形成されていること、を特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
エアオペレートバルブの故障は生産の停止に直結しやすい。従来、エアオペレートバルブの診断は、製造ラインのメンテナンス担当者が行っていた。しかし、製造ラインのメンテナンス担当者はエアオペレートバルブの専門家ではないため、適確なエアオペレートバルブの診断を行うことが困難である。そのため、メンテナンス担当者がエアオペレートバルブの故障を判断できず、生産を止める場合があり、多大な損害を受ける場合があった。
そこで、エアオペレートバルブの専門家である本出願人らは、定期的なメンテナンスを行うことを検討している。エアオペレートバルブに関する専門家であるため、その状態を的確に診断することができるので、独自性及び信頼性を確保する本出願のエアオペレートバルブ診断方法、エアオペレートバルブ診断装置を開発、発明したのである。
【0009】
次に、エアオペレートバルブの動作状態を確認するためのエアオペレートバルブ診断方法、エアオペレートバルブ診断装置、及びエアオペレートバルブの作用及び効果について説明する。
エアオペレートバルブを製造装置に取り付けた後に、AEセンサをエアオペレートバルブの当接部に取り付けテストを行う。テストのために、エアオペレートバルブの操作ポートに操作流体を送り込む。操作流体が送り込まれると、減圧弁により調整された操作流体は、操作ポートに入る前に電磁弁にて止められる。電磁弁は、所定のタイミングで操作流体を操作ポートへ送り込む。操作ポートから入った操作流体は、操作室内に入りエアオペレートバルブ内にあるピストンを上昇させる。ピストンが上昇すると、ピストンはストッパにぶつかり上昇がストップする。ピストンがストッパにぶつかる時、衝突音を含んだ動作音(以下、「動作音」という。)が発せられる。動作音をAEセンサが計測する。AEセンサが動作音を計測するまでがテストである。
計測された動作音を制御部のメモリが記録し、動作音の最大値である最大音の平均値を計算し記録する。同様に、エアオペレートバルブが発生する音が終了するまでの時間の平均値を計算し記録する。平均値は、上記テストを複数回行うことにより求める。
次に、エアオペレートバルブが繰返し使用された時点、例えば数万回連続して使用された場合に、上記テストを行う。
計測された動作音を制御部のメモリが記録する。また、エアオペレートバルブが発生する音が終了するまでの時間を制御部のメモリが記録する。
【0010】
エアオペレートバルブを製造装置に取り付けた後に計測した動作音の最大値の平均値と、エアオペレートバルブが繰返し使用された時点で計測した動作音とをCPUが比較してエアオペレートバルブに異常が起きていないかを確認する。
また、エアオペレートバルブを製造装置に取り付けた後に計測したエアオペレートバルブから発生する音が終了するまでの時間の平均値と、エアオペレートバルブが繰返し使用された時点で計測したエアオペレートバルブから発生する音が終了するまでの時間とを比較してエアオペレートバルブに異常が起きていないかを確認する。そして、エアオペレートバルブに異常が認められる時は、エアオペレートバルブを交換する。
例えば、AE測定により、エアオペレートバルブを製造装置に取り付けた後に計測した動作音の最大値の平均値と、エアオペレートバルブが繰返し使用された時点で計測した動作音の最大値とを比較して、動作音が小さくなっている時には、ピストンがフルストローク開閉しない症状が生じていると判断される。そこから、エアオペレートバルブについてのスプリングの腐食、ピストンのかじり、Oリングの変形等の不具合が想定される。
以上のように、エアオペレートバルブの専門家である本出願人らによれば、故障したエアオペレートバルブの診断及びエアオペレートバルブの故障の予測を行うことができる。それにより、故障したエアオペレートバルブを発見して交換することができるため、エアオペレートバルブの故障を発見できるので、製造ラインの停止を未然に防止できる。また、エアオペレートバルブの故障を予測することができるため、交換の必要のないエアオペレートバルブについては、交換せずに継続して使用することができるため、無駄にエアオペレートバルブを交換することがない。
以上より、エアオペレートバルブの作動不良の前兆を把握することにより、エアオペレートバルブの故障による製造装置停止やラインストップという事態を未然に防止することができる。
発明の作用及び効果について、エアオペレートバルブの弁開時の動作音を基に比較を行ったが、弁閉時におけるピストンが弁体に当たる動作音の場合でも同様の作用及び効果を得ることができる。
故障の予測は、多数のエアオペーレートバルブを数百万回耐久試験することにより、AE測定値と故障との関係をデータとして得ることにより、行われる。さらに、客先での定期点検により、故障との関係データを蓄積することにより、故障の予測の精度を高めることができる。
また、本発明では、判定に際して判断基準の数値化が行われている。そのため、メンテナンス担当者により個人差が出ていた判定結果の誤差を解消することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
次に、本発明に係るエアオペレートバルブ診断方法、エアオペレートバルブ診断装置、及びエアオペレートバルブの一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0012】
(第1実施形態)
<エアオペレートバルブ診断装置の全体構成>
図1は、エアオペレートバルブ診断装置の構成を示すブロック図である。図2は、エアオペレートバルブ診断装置の制御部を示すブロック図である。図6は、エアオペレートバルブ診断で使用するエアオペレートバルブ診断計測装置40の外観図である。
図1に示すように、制御部1は、AEセンサ2、電磁弁5、及び、ACコンセント9と接続されている。電源としては、ACコンセント9のほか、電池又はバッテリーでもよい。AEセンサ2は、AEを検出する変換子である。ここで、AEとは、材料が変形、又は亀裂が発生する際に材料が内部に蓄えていた歪みエネルギーを弾性波として放出する現象をいう。この弾性波を材料の表面に設置した変換子すなわちAEセンサで検出し、信号処理を行うことにより材料の破壊過程を評価する手法がAE法である。
減圧弁6は電磁弁5と操作ポート側エア配管11Bを介して連結している。電磁弁5から伸びる操作ポート側エア配管11Aは、エアオペレートバルブ10の操作ポート7に連結している。
図2に示すように、制御部1にはCPU31、ROM32、及びメモリ33が含まれている。制御部1には、AEセンサ2、電磁弁5、及びACコンセント9が接続している。
図6に示すように、エアオペレートバルブ診断計測装置40の上部分には、液晶画面41があり、下部分にはテンキー42がある。エアオペレートバルブ診断計測装置40の上端には、AEセンサ2と接続される接続端子43がある。液晶画面41の右下部分には、エアオペレートバルブの識別番号45と日時46が表示される。中央部分には、AEセンサ2の出力データ47が表示される。エアオペレートバルブ診断計測装置40は、コンパクトであるため、持ち運びが可能である。そのため、使いたい時にエアオペレートバルブ10に設置すればよいため、従来のようにエアオペレートバルブ診断計測装置40を常時つけている状態と比べ、電力を消耗することはない。したがって、省エネルギーを実現することができる。
【0013】
<エアオペレートバルブの構成>
図3は、エアオペレートバルブ10の外観正面図である。図4は、エアオペレートバルブ10の外観側面図である。図5は、診断の対象であるエアオペレートバルブ10の構造を示す断面図である。
図5に示すように、エアオペレートバルブ10は、アクチュエータ部23と本体ボディ24とにより構成されている。本体ボディ24には、入力ポート17及び出力ポート18が形成されている。
アクチュエータ部23には、操作ポート7と排気ポート8が形成されている。操作ポート7の左端部は操作室22に連通している。また、排気ポート8の左端部は排気室21に連通している。アクチュエータ部23内部には、略円柱形状をなすピストン13が上下方向へ摺動可能に保持されている。ピストン13には、インジケータ27が係合している。インジケータ27は、カバー28を貫通している。ピストン13により操作室22と排気室21とに分けられている。ピストン13の最大外周の部分には、第1Oリング20が取付けられている。ピストン13の下部の中央部には第2Oリング25が取付けられている。排気室21内の排気ポート8側には、ピストン13が上方へ摺動したときに当接するストッパ26が形成されている。ピストン13の排気ポート8側には、アクチュエータ部23とピストン13に当接したスプリング14がある。
ピストン13のインジケータ27と係合している反対側には、ダイアフラム弁体15が係合している。ダイアフラム弁体15は、図5に示す弁閉時には、弁座16に当接している。
図3及び図4にあるように、アクチュエータ部23の側面にはAEセンサ2と当接する当接部23aが、AEセンサ2の形に合わせた形で形成されている。
【0014】
<エアオペレートバルブの診断方法>
エアオペレートバルブ診断装置により寿命診断を行うのは、エアオペレートバルブの定期診断を請け負った企業の担当者(以下、単に「担当者」という。)がその作業にて行う。
事前工程は、エアオペレートバルブ10が工場に据付けられた後に行う。事前工程においては、エアオペレートバルブ10のM0、T0を計測し、最大値の平均値M0及び発生時間平均値T0を計算し、記録する。エアオペレートバルブ10のピストン13がストッパ26に衝突した時に発生する動作音の波形の最大値をM0とする。エアオペレートバルブ10が発生する音が終了するまでの時間をT0とする。
事前工程において、エアオペレートバルブ10のM0、T0を計測するため、エアオペレートバルブ10の本体ボディ24を取付けた後に、担当者は、図6のエアオペレートバルブ診断計測装置40の接続端子43と接続されたAEセンサ2をエアオペレートバルブ10の当接部23aに取り付ける。
AEセンサ2は、エアオペレートバルブ10が開閉動作する際に、ピストン13がストッパ26に衝突する時の音、ダイアフラム弁体15が弁座16に当接するときの音、エアの吸排気の音、スプリング14の伸縮の音、第1Oリング20の摩擦音などの音を検出し、発生する音の信号を処理する装置である。第1実施形態においては、ピストン13がストッパ26に衝突する時の音、及びダイアフラム弁体15が弁座16に当接するときの音を検出し、音の信号を処理している。
エアオペレートバルブ10の当接部23aがあるため、AEセンサ2を常に同じ箇所に設置することができる。そのため、エアオペレートバルブ10に何らかの故障原因があったときにも、音の変化によりエアオペレートバルブ10の故障原因を把握することができる。常に同じ箇所で当接することができれば、音を安定して検出することができ、音の変化を容易に把握することができるからである。
また、当接部23aは、内側に切削されており、ピストン13とストッパ26が衝突する部分に近いため、ピストン13とストッパ26が衝突するまでに発生する音を、認識することができる。そのため、エアオペレートバルブ10に従来から用いられていた発振体を設置しなくとも、AEセンサ2により音を認識することができる。
【0015】
操作流体を供給するために、適宜電磁弁5を弁開する。電磁弁5は、手動ボタンを操作することにより弁開することができる。電磁弁5が開き、操作流体が操作ポート側エア配管11Aを通って操作ポート7に供給される。操作ポート7から入った操作流体は、操作室22に入る。操作室22に入った操作流体はピストン13を上方向へと押し上げる。ピストン13が上方向へ押し上げられると排気室21内にあった空気が圧縮される。排気室21内で圧縮された空気は排気ポート8より押し出される。
この時の、エアオペレートバルブ10の弁開時のピストン13がストッパ26に衝突した動作音等の波形状態をM0、T0として記録する。最大値の平均値M0、発生時間平均値T0の計算、記録方法については、後述するM0、T0の計算方法で説明する。
M0、T0は、エアオペレートバルブ診断計測装置40の液晶画面41にグラフとして表示される。また、操作流体を流したエアオペレートバルブ10の識別番号45と日時46が液晶画面41に表示される。エアオペレートバルブ診断装置40にPC等を接続することにより、メモリ33から上記M0、T0等の記録を通信することができる。M0、T0の大量の統計値をPC等に移すことで、M0、T0の情報を蓄積し、さらに解析、研究を行い、より精度の高い判定を行うことができる。
【0016】
弁閉の際の音についても、弁開の際の音と同様に、AEセンサ2により、計測、記録する。弁閉の際の音は、ダイアフラム弁体15が弁座16に当接するまでに発生する音である。弁閉の際のAEセンサ2による計測、記録の動作は、弁開時と弁閉時で変わるところはないため、ここでは説明を割愛する。
M0、T0を解析、記録し、最大値の平均値M0、発生時間平均値T0を算出するため、上記開閉の動作を5回から10数回繰り返す。
上記事前工程は、エアオペレートバルブ10が工場に据付けられた後に担当者が行うこととなっているが、エアオペレートバルブ10の製造者等が、出荷前に事前に上記方法により行うこともできる。
【0017】
<M0、T0の解析、計算方法>
M0、T0の解析、記録方法について、図13のフローチャートで示す。図13で行う解析、記録方法は事前工程で行う。
エアオペレートバルブ10のピストン13がストッパ26まで動作した時に発生する動作音の波形の最大値をM0とする。エアオペレートバルブ10が発生する音が終了するまでの時間をT0とする。
機種Aのエアオペレートバルブ10についてのM0、T0の具体例を図7に表す。
図13に示すように、事前工程において、M0の解析を行い、その後、最大値の平均値M0を計算により求め、最大値の平均値M0を記録する(S1、S2、S3、S6)。
最大値の平均値M0の値は最も低いM0と、最も高いM0を省いて計算する。最も低いM0と、最も高いM0は、ノイズが大きいため、平均値を出すのに適していないからである。図7においては、最も低い(4)のM0である3.49×106と、最も高い(6)のM0である4.58×106を省いて計算する。そうして、出された最大値の平均値M0は、3.91×106となる。最大値の平均値M0はメモリ33に記録される。
【0018】
図13に示すように、T0の解析を行い、その後、発生時間平均値T0を計算により求め、発生時間平均値T0を記録する(S1、S4、S5、S6)。
実測値としてのT0は短く、波形の測定時間は数ミリ秒から数秒になる。そのため、図7のM0の(1)の波形を、拡大したものを図8に示す。波形が開始する時間をT0(a)とする。波形が終了する時間をT0(b)とする。エアオペレートバルブ10が発生する動作音が終了するまでの時間のT0を、T0=T0(a)−T0(b)の式により求めることができる。
次に、T0の平均値である発生時間平均値T0を求める。発生時間平均値T0の値は最も短いT0及び最も長いT0を省いて計算する。最も短いT0及び最も長いT0は、ノイズが大きいため、平均値を出すのに適していないからである。図7においては、最も短い(9)のT0である0.385と、最も長い(1)のT0である0.362を省いて計算する。そうして、出された発生時間平均値T0は、0.367となる。発生時間平均値T0はメモリ33に記録される。
【0019】
<第1実施形態に係るエアオペレートバルブの診断装置及び方法の作用効果>
図14に、第1実施形態に係るエアオペレートバルブ10の診断方法のフローチャートを示す。
エアオペレートバルブ10の診断方法は、AE測定による判定方法を行い、その結果を踏まえて総合的に判定A〜Cの判断を行う方法である。
【0020】
AE測定による判定方法について説明する。
第1工程でM1及びT1の解析を行い、その後、確認工程でメモリ33に記録されている最大値の平均値M0及び発生時間平均値T0を<式1>〜<式6>に入力してM1及びT1の判定を行う(S10、S11、S12、S13、S14、S15、S16)。
第1工程は、製造装置にエアオペレートバルブ10を取り付けた後、例えば数万回稼動した後に行う。第1工程においても、上述したM0、T0の解析、計算方法と同様の方法によりM0、T0の解析を行う(S10、S11、S14)。
【0021】
M1の判定方法は、以下に示す方法を確認工程で行う。
まず解析、計算で求めたM1及び最大値の平均値M0でM1/最大値の平均値M0を計算する。
次に、下記に示す<式1>〜<式3>にM1/最大値の平均値M0をあてはめて、判定A,B,Cを決定する(S13)。判定Aは、M1の判定した結果が全て判定Aの場合である。判定Bは、M1の判定した結果、判定Cがなく判定Bが1つでもある場合である。判定CはM1の判定した結果、判定Cが1つでもある場合である。
【0022】
<式1>
a1 < M1/最大値の平均値M0 < a2
M1/最大値の平均値M0の値が<式1>の範囲内であれば判定Aとする。
【0023】
<式2>
a3 < M1/最大値の平均値M0 ≦ a1、
a2 ≦ M1/最大値の平均値M0 < a4
M1/最大値の平均値M0の値が<式2>の範囲内であれば判定Bとする。
【0024】
<式3>
M1/最大値の平均値M0 ≦ a3、 a4 ≦ M1/最大値の平均値M0
M1/最大値の平均値M0の値が<式3>の範囲内であれば判定Cとする。
【0025】
a3<a1<a2<a4である。ax(x=1〜4)はさまざまな要因で変化する数値である。その要因としては、例えば、エアオペレートバルブの機種の違い、操作エア圧力の違い、エアオペレートバルブが設置されている場合等の要因がある。
axの目安としては、例えば、a1=0.20〜1.00、a2=1.00〜5.00、a3=0〜0.50、a4=2.00以上となる。但し、あくまで目安であり、さまざまな要因により数値は変化する。
【0026】
T1の判定方法は、以下に示す方法を確認工程で行う。
まず解析、計算で求めたT1及びT0でT1/発生時間平均値T0を計算する。
次に、下記に示す<式4>〜<式6>にT1/発生時間平均値T0をあてはめて、判定A,B,Cを決定する(S16)。判定Aは、T1の判定した結果が全て判定Aの場合である。判定Bは、T1の判定した結果、判定Cがなく判定Bが1つでもある場合である。判定CはT1の判定した結果、判定Cが1つでもある場合である。
【0027】
<式4>
b1 < T1/発生時間平均値T0 < b2
T1/発生時間平均値T0の値が<式4>の範囲内であれば判定Aとする。
【0028】
<式5>
b3 < T1/発生時間平均値T0 ≦ b1、
b2 ≦ T1/発生時間平均値T0 < b4
T1/発生時間平均値T0の値が<式5>の範囲内であれば判定Bとする。
【0029】
<式6>
T1/発生時間平均値T0 ≦ b3、 b4 ≦ T1/発生時間平均値T0
T1/発生時間平均値T0の値が<式6>の範囲内であれば判定Cとする。
【0030】
b3<b1<b2<b4である。bx(x=1〜4)はさまざまな要因で変化する数値である。その要因としては、例えば、エアオペレートバルブの機種の違い、操作エア圧力の違い、エアオペレートバルブが設置されている場合等の要因がある。
【0031】
確認工程でAE測定を行い、その結果を総合的に考察し総合判定をする(S20)。
総合判定の判定基準は、AE測定の結果、全てが判定Aであるときは、異常がないものであるため、総合判定Aとして記録する(S21、S24)。AE測定の結果、判定Cがなく判定Bが1つでもある場合には、経過を観察する必要があるものとして、以降の診断時において要チェック、又は1,2月後に再度チェックを行う必要がある、総合判定Bとして記録する(S22、S25)。AE測定の結果、判定Cが1つでもある場合には異常がありとしてエアオペレートバルブ10の交換が必要であるとする、総合判定Cとして記録する(S23、S26)。
【0032】
第1工程で行ったM0、T0のAE測定に基づき、最大値の平均値M0を計算により求め、最大値の平均値M0を記録、また、発生時間平均値T0を計算により求め、発生時間平均値T0を記録する(S27、S28、S29)。S27、S28、S29の工程は、上記M0、T0の解析、計算方法で述べたS3、S5、S6と同様であるため説明を割愛する。
【0033】
図14の外観観察による判定方法について説明する(S30、S31)。外観観察による判定方法は、エアオペレートバルブ10の診断方法に必ず必要な方法ではないが、AE測定の判定方法と一緒に行うこともできる。
製造装置にエアオペレートバルブ10を取付けた後、例えば数万回稼動した後のエアオペレートバルブ10の診断時に、エアオペレートバルブ10の外観を観察することにより判定A,B,Cを決定する。
外観観察は、エアオペレートバルブ10の全体が見える場所において、全体を観察し判断する。
外観観察により、エアオペレートバルブ10の変化がほぼないと考えられるときは、判定Aとなる。エアオペレートバルブ10の銘板の文字、背景色が消えた時、又はエアオペレートバルブ表面に結晶などの異物が少量付着している時は、判定A又は判定Bとなる。エアオペレートバルブ10のカバーが変色した時、シリンダが変色した時、取付板が変色した時、外観から分かる金属部品に錆びの発生が確認できた時、弁開閉の動作時に耳で聞き取れる異常音が発生している時、バルブ表面に結晶が大量に付着している時、その他異常が発生した時は、判定B又は判定Cとなる。エアオペレートバルブ10のカバーに亀裂が発生した時、シリンダに亀裂が発生した時、インジケータが円滑に動かない時は、判定Cとなる。
判定基準としては、確認項目で判定Aしかない場合には、判定Aとなる。確認項目で判定Cがなく判定Bがある場合は、判定Bとなる。確認項目で判定Cが1つでもある場合は、判定Cとなる。
【0034】
(システム検定)
エアオペレートバルブ10がどのように故障するのか、主だった故障の原因を再現するため故障サンプルを作成して、上記判定方法による判断が実用的であることを検定した。
当該システム検定により、Oリングの摩耗、ピストンロッドの傾き、かじり等が原因で故障しているエアオペレートバルブ10を、上記判定方法による判断で診断できることが確認できた。
第1実施形態においては、具体的に以下のような、故障を判断できる。
例えば、図9では、エアオペレートバルブ10のスプリング14の腐食、ピストン13のかじり、Oリング20の変形を判断できる。なぜならば、ピストン13がストッパ26に当たり発する動作音の時間であるT1が、図7のT1の平均値と比べて短いからである。T1が短いのは、ピストン13がフルストローク開閉していないからであり、ピストン13がフルストローク開閉しない原因としては、エアオペレートバルブ10のスプリング14の腐食、ピストン13のかじり、Oリング20の変形の不具合が想定されるからである。
図9におけるエアオペレートバルブ10では、ピストン13がフルストローク開閉しない症状を生じさせるために、ピストン13のインジケータ27を上から押さえ、ピストン13が動かない状態とした。
図9のM1について、上記判定方法により判定をすると、全て判定Bとなるため、判定Bである。計測したM1の中で最も高い値である(7)、及び最も低い値である(10)は、計測にはぶれがあることから計算や判定には含めない。
図9の結果として、エアオペレートバルブ10は、ピストン13がフルストローク開閉しないため、ピストン13がストッパ26に強打することはない。そのため、ピストン13がストッパ26に当たり発する動作音であるM1が小さくなる。したがって、図7のM0と比較して、M1が小さくなる。
【0035】
図9のT1について、上記判定方法により判定をすると、全て判定Cとなり、判定Cが1つ以上あるため、判定Cとなる。判定Cが一つ以上あれば、総合的には判定Cとなるため、判定Cが出た時に、計測を終了してもいいとも考えられる。しかし、計測にはぶれがあるため、一度判定Cが出たことにより計測を終了するのではなく、複数回行うことにより判定の信頼性を高める。
図9の結果として、エアオペレートバルブ10は、ピストン13がフルストローク開閉しないため、ピストン13がストッパ26にまで完全に届かない。そのため、ピストン13がストッパ26に当たり発する動作音が終了するまでの時間であるT1が短くなる。そのため、図7のT0と比較して、T1が短くなるからである。
【0036】
例えば、図10では、Oリング20の摩耗、Oリング20の傷を判断できる。なぜならば、ピストン13がストッパに当たり発する動作音のM1が、図7と変わらないのに対して、ピストン13がストッパに当たり発する動作音が終了するまでの時間であるT1が図7のT1の平均値と比べて短いからである。M1が変わらないのに、T1が長いのは、操作ポートエアが排気ポート8に漏れているからであり、エアの漏れ音を測定しているためと考えられる。操作ポートエアが排気ポート8に漏れる原因としては、Oリング20の摩耗、Oリング20の傷の不具合が想定されるからである。
図10におけるエアオペレートバルブ10では、操作ポートエアが排気ポート8に漏れる症状を生じさせるために、Oリング20に傷をつけ、操作ポートエアが排気ポート8に漏れる状態とした。
図10のM1について、上記判定方法により判定をすると、全て判定Aとなるため、判定Aである。計測したM1の中で最も高い値である(3)、及び最も低い値である(9)は、計測にはぶれがあることから計算や判定には含めない。操作ポートエアが排気ポート8に漏れていたとしても、ピストン13がストッパ26に当たる際には影響を与えない。
【0037】
図10のT1について、上記判定方法により判定をすると、全て判定Cとなり、判定Cが1つ以上あるため、判定Cとなる。判定Cが一つ以上あれば、総合的には判定Cとなるため、判定Cが出た時に、計測を終了しても問題はないとも考えられる。しかし、計測にはぶれがあるため、一度判定Cが出たことにより計測を終了するのではなく、複数回の計測を行うことにより判定の信頼性を高める。
図9の結果として、エアオペレートバルブ10は、操作ポートエアが排気ポート8に漏れているため、ピストン13がストッパ26に当たった後にも、操作ポートエアが排気ポート8から漏れている漏れ音をAEセンサ2が計測する。そのため、図7のT1と比較して、T1が長くなるからである。
【0038】
(第2実施形態)
第2実施形態におけるエアオペレートバルブ10は、図7に示す機種Aと異なる機種Bである。図7及び図11で用いられたエアオペレートバルブ10の機種が異なるため、M0、T0も異なってくる。そこで、第2実施形態においても、第1実施形態と同様のM0、T0の解析、計算方法を用いてM0、T0を求める。
図12は、図11に示す機種Aについて操作ポートエアが排気ポート8に漏れる状態が生じたエアオペレートバルブ10の解析結果を示す。
なお、エアオペレートバルブ10の全体構成及びエアオペレートバルブ10の診断方法については、第1実施形態と同じであるため、説明を割愛する。
第1実施形態と同様のM0、T0の解析、計算方法を用いて出された結果を図11に示す。
図11においては、最も低い(6)のM0と、最も高い(9)のM0を省いて計算する。そうして、出された最大値の平均値M0は、3.73×105となる。
図11においては、最も短い(4)のT0である0.9329と、最も長い(9)のT0である2.198を省いて計算する。そうして、出された発生時間平均値T0は、1.047となる。
【0039】
図11のエアオペレートバルブ10は、図7のエアオペレートバルブ10とは機種が異なるため、実験を行った。
例えば、図12では、ピストン13のかじりを判断できる。なぜならば、ピストン13がストッパ26に当たり発する動作音が終了するまでの時間のT1が図11と変わらないのに対して、ピストン13がストッパ26に当たり発する動作音であるM1が図7のT1の平均値と比べて短いからである。T1が変わらないのに、M1が短いのは、ピストン13が円滑に動作していないからであり、ピストン13が円滑に動作しない原因としては、ピストン13のかじりの不具合が想定されるからである。
図12におけるエアオペレートバルブ10では、操作ポートエアが排気ポート8に漏れる症状を生じさせるために、Oリング20に傷をつけ、操作ポートエアが排気ポート8に漏れる状態とした。
図12のM1について、上記判定方法により判定をすると、全て判定Cとなるため、判定Cが1つ以上あるため、判定Cとなる。計測したM1の中で最も高い値である(5)、及び最も低い値である(7)は、計測にはばらつきがあることから計算や判定には含めない。
【0040】
図12のT1について、上記判定方法により判定をすると、判定A及び判定Bとなり、判定Bが1つでもあるため、判定Bとなる。
図12の結果として、エアオペレートバルブ10は、ピストン13が円滑に動作していないため、ピストン13がストッパ26に当たったときに発する動作音も小さいため、動作音が終了するまでの時間であるT1も短い。そのため、図7のT1と比較して、T1が短くなるからである。
【0041】
(第3実施形態)
第1実施形態及び第2実施形態では、エアオペレートバルブ10の使用初期に測定可能な場合には有効な方法であるが、既設の設備などで初期データがない場合に以下のような、事前工程を行わない第3実施形態の方法をとる。
図15は、エアオペレートバルブ10が既に設備された状態にある場合の総合判定を行なう際のフローチャートを示す。
図15に示すように、第3実施形態において、図14の第1実施形態と異なる点は、既設の設備などで計測した最大値の平均値M0及び発生時間平均値T0の初期データがないことである。第3実施形態においては、実験により求められる最大値の平均値M0及び発生時間平均値T0を、最大値の平均値M0及び発生時間平均値T0として入力する(S40、S41)。
それにより、既設の設備などで初期データがない場合においても、AE測定S10により総合判定S20を行うことができる。
【0042】
(1)以上詳細に説明したように、本実施例のエアオペレートバルブ10の動作状態を確認するためのエアオペレートバルブ診断方法によれば、エアオペレートバルブ10の動作状態を確認するためのエアオペレートバルブ診断方法であって、エアオペレートバルブ10の初期状態において、エアオペレートバルブ10にAEセンサ2を当接させて、エアオペレートバルブ10の操作ポート7に操作流体を供給したとき、もしくは操作流体を排気したときに、開閉時に発する音を計測し、記録する事前工程と、エアオペレートバルブ10が繰返し動作後に、エアオペレートバルブ10にAEセンサ2を当接させて、エアオペレートバルブ10の操作ポート7に操作流体を供給したときに、もしくは操作流体を排気したときに、開閉時に発する音を計測し、記録する第1工程と、第1工程で計測した値と、事前工程で計測した値とを比較して、エアオペレートバルブ10の動作状態の変化を確認する確認工程と、を有するので、エアオペレートバルブ10の作動不良の前兆を把握することにより、エアオペレートバルブ10の故障による製造装置の停止やラインストップという事態を未然に防止することができる。
(2)(1)に記載するエアオペレートバルブ診断方法であって、エアオペレートバルブは液弁であること、第1工程は、音の変化を比較してエアオペレートバルブ10の動作状態の変化によりエアオペレートバルブ10の故障を予測して交換の要否を判断するので、エアオペレートバルブ10の作動不良の前兆を把握することにより、エアオペレートバルブ10の故障による製造装置の停止・ラインストップという事態を未然に防止することができる。
また、エアオペレートバルブ10の専門家である本出願人等は、定期的なメンテナンスを行うことを実践することができる。
(3)(1)又は(2)に記載するエアオペレートバルブ診断方法において、第1工程で計測、記録した値は、操作ポート7が操作流体を供給もしくは、操作流体を排気した時の弁開閉時に発する音の最大値の平均値であること、確認工程で計測、記録した値を最大値の平均値と比較するので、エアオペレートバルブ10の作動不良の前兆を把握することにより、エアオペレートバルブ10の故障による製造装置の停止やラインストップという事態を未然に防止することができる。
(4)(1)又は(2)に記載するエアオペレートバルブ診断方法において、第1工程で計測、記録した値は、エオペレートバルブ10の音が発生してからエアオペレートバルブ10の音が終了するまでの時間の平均値である発生時間平均値であること、確認工程で計測、記録した値を発生時間平均値と比較するので、エアオペレートバルブ10の作動不良の前兆を把握することにより、エアオペレートバルブ10の故障による製造装置の停止やラインストップという事態を未然に防止することができる。
【0043】
(5)エアオペレートバルブ10の動作状態を監視して、エアオペレートバルブ10の動作状態の変化を確認するための診断装置であって、エアオペレートバルブ10にAEセンサ2を当接させて開閉時に発する音を計測する計測手段と、計測手段で計測した計測結果を記録する記録手段と、エアオペレートバルブ10を前記製造装置に設置して計測した記録手段に記録している値と、その後に計測した値とを比較して、エアオペレートバルブ10の動作状態の変化を確認する手段と、を有するので、エアオペレートバルブ10の作動不良の前兆を把握し、エアオペレートバルブ10の故障による製造装置の停止やラインストップという事態を未然に防止することができる。
(6)(5)に記載するエアオペレートバルブ診断装置であって、エアオペレートバルブ診断装置は持ち運びが可能であるため、使いたい時にセンサをエアオペレートバルブに設置すればよいため、従来のようにセンサを常時つけている状態と比べ、電力を消耗することはない。したがって、省エネルギーを実現することができる。
(7)(5)に記載するエアオペレートバルブ診断装置であって、記録手段が、エアオペレートバルブ10の交換の要否を判断した対象のエアオペレートバルブ10を特定でき、特定したエアオペレートバルブ10に関し記録手段に記録している計測結果を外部へ送信する通信手段を備えるので、エアオペレートバルブ10の作動不良の前兆を把握し、エアオペレートバルブ10の故障による製造装置の停止やラインストップという事態を未然に防止することができる。
また、M0、T0の大量の統計値をPC等に移すことで、M0、T0の情報を蓄積し、さらに解析、研究を行い、より精度の高い判定を行うことができる。
(8)(1)乃至(4)に用いられるエアオペレートバルブ診断方法のいずれか1つに用いられるエアオペレートバルブ10において、エアオペレートバルブ10の側面に、AEセンサ2を当接させるための当接部23aが形成されているので、AEセンサ2を常に同じ箇所に当接することができる。そのため、エアオペレートバルブ10に何らかの故障原因があったときにも、音の変化によりエアオペレートバルブ10の故障原因を把握することができる。常に同じ状態で設置することができれば、音を安定して検出することができ、音の変化を容易に把握することができるからである。
また、当接部23aは、内側に切削されており、ピストン13とストッパ26が衝突する部分に近いため、ピストン13とストッパ26が動作したときに発生する音を、認識することができる。そのため、エアオペレートバルブ10に従来用いられていた発振体を設置しなくとも、AEセンサ2により音を認識することができる。
【0044】
尚、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、色々な応用が可能である。
例えば、操作流体は、空気に限らず窒素ガスでも可能である。
また、第1実施形態乃至第3実施形態においては、「操作ポートが操作流体を供給もしくは、操作流体を排気した時の弁開閉時に発する音」を具体的に、エアオペレートバルブのピストンがストッパに衝突した時に発生する動作音を用いて説明したが、他に、エアの給排気音、スプリングの伸縮音、Oリングの摩擦音等によっても、エアオペレートバルブ10の診断を行うことができる。
また、 弁閉の際の音についても、弁開の際の音と同様に、AEセンサ2により、計測、記録することにより、エアオペレートバルブ10の診断を行うことができる。
また、第1実施形態乃至第3実施形態においては、AEセンサ2をエアオペレートバルブ10の当接部23aに当接し音を検出しているが、音を測定できるならば、AEセンサ2を当接する箇所はどこでもよい。
また、第1実施形態乃至第3実施形態においては、エアオペレートバルブ10が製造装置に取り付けられた状態においてだけで診断を行っているが、診断後にエアオペレートバルブ10を取外した状態であっても診断を行うことができる。すなわち、診断後にエアオペレートバルブ10を取り外して診断することにより、故障原因の細かな解析を行うことができる。故障原因の細かな解析を行うことで、AEセンサによる診断の精度を上げていくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】エアオペレートバルブ診断装置の構成を示すブロック図である。
【図2】エアオペレートバルブ診断装置の制御部を示すブロック図である。
【図3】診断の対象であるエアオペレートバルブ10の正面図である。
【図4】診断の対象であるエアオペレートバルブ10の右側面図である。
【図5】診断の対象であるエアオペレートバルブ10の構造を示す断面図である。
【図6】エアオペレートバルブ診断で使用するエアオペレートバルブ診断計測装置40の外観図である。
【図7】機種Aの正常な状態のAE波形を示した図である。
【図8】図7の(1)のM0の拡大図である。
【図9】機種Aのピストン13がフルストロークしない症状のAE波形を示した図である。
【図10】機種Aの操作ポートエアが排気ポート8に漏れる症状のAE波形を示した図である。
【図11】機種Bの正常な状態のAE波形を示した図である。
【図12】機種Bのエアオペレートバルブ10が円滑に動作しない症状のAE波形を示した図である。
【図13】エアオペレートバルブ10の製造装置に取付けする時にAE測定可能な場合のフローチャートを示す。
【図14】エアオペレートバルブ10を繰返し使用した後の総合判定を行う際のフローチャートを示す。
【図15】エアオペレートバルブ10が既に設備された状態にある場合の総合判定を行なう際のフローチャートを示す。
【符号の説明】
【0046】
1 制御部
2 AEセンサ
5 電磁弁
6 減圧弁
7 操作ポート
8 排気ポート
10 エアオペレートバルブ
23a 当接部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアオペレートバルブの動作状態を確認するためのエアオペレートバルブ診断方法であって、
前記エアオペレートバルブの初期状態において、前記エアオペレートバルブにAEセンサを当接させて、前記エアオペレートバルブの操作ポートに操作流体を供給したとき、もしくは操作流体を排気したときに、開閉時に発する音を計測し、記録する事前工程と、
前記エアオペレートバルブが繰返し動作後に、前記エアオペレートバルブにAEセンサを当接させて、前記エアオペレートバルブの操作ポートに操作流体を供給したときに、もしくは操作流体を排気したときに、開閉時に発する音を計測し、記録する第1工程と、
前記第1工程で計測した値と、前記事前工程で計測した値とを比較して、前記エアオペレートバルブの動作状態の変化を確認する確認工程と、
を有することを特徴とするエアオペレートバルブ診断方法。
【請求項2】
請求項1に記載するエアオペレートバルブ診断方法であって、
前記エアオペレートバルブは液弁であること、
前記第1工程は、音の変化を比較して前記エアオペレートバルブの動作状態の変化により前記エアオペレートバルブの故障を予測して交換の要否を判断すること、
を特徴とするエアオペレートバルブ診断方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載するエアオペレートバルブ診断方法において、
前記第1工程で計測、記録した値は、操作ポートが操作流体を供給もしくは、操作流体を排気した時の弁開閉時に発する音の最大値の平均値であること、
前記確認工程で計測、記録した値を前記最大値の平均値と比較すること、
を特徴とするエアオペレートバルブ診断方法。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載するエアオペレートバルブ診断方法において、
前記第1工程で計測、記録した値は、前記エオペレートバルブの音が発生してから前記エアオペレートバルブの音が終了するまでの時間の平均値である発生時間平均値であること、
前記確認工程で計測、記録した値を前記発生時間平均値と比較すること、
を特徴とするエアオペレートバルブ診断方法。
【請求項5】
エアオペレートバルブの動作状態を監視して、前記エアオペレートバルブの動作状態の変化を確認するための診断装置であって、
前記エアオペレートバルブにAEセンサを当接させて、前記エアオペレートバルブが開閉時に発する音を計測する計測手段と、
前記計測手段で計測した計測結果を記録する記録手段と、
前記エアオペレートバルブを前記製造装置に設置して計測した前記記録手段に記録している値と、その後に計測した値とを比較して、前記エアオペレートバルブの動作状態の変化を確認する手段と、
を有することを特徴とするエアオペレートバルブ診断装置。
【請求項6】
請求項5に記載するエアオペレートバルブ診断装置であって、
前記エアオペレートバルブ診断装置は持ち運びが可能であること、
を特徴とするエアオペレートバルブ診断装置。
【請求項7】
請求項5に記載するエアオペレートバルブ診断装置であって、
前記記録手段が、前記エアオペレートバルブの交換の要否を判断した対象のエアオペレートバルブを特定でき、前記特定したエアオペレートバルブに関し前記記録手段に記録している計測結果を外部へ送信する通信手段を備えること、
を特徴とするエアオペレートバルブ診断装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項4に用いられるエアオペレートバルブ診断方法のいずれか1つに用いられるエアオペレートバルブにおいて、
前記エアオペレートバルブの側面に、前記AEセンサを当接させるための当接部が形成されていること、
を特徴とするエアオペレートバルブ。
【請求項1】
エアオペレートバルブの動作状態を確認するためのエアオペレートバルブ診断方法であって、
前記エアオペレートバルブの初期状態において、前記エアオペレートバルブにAEセンサを当接させて、前記エアオペレートバルブの操作ポートに操作流体を供給したとき、もしくは操作流体を排気したときに、開閉時に発する音を計測し、記録する事前工程と、
前記エアオペレートバルブが繰返し動作後に、前記エアオペレートバルブにAEセンサを当接させて、前記エアオペレートバルブの操作ポートに操作流体を供給したときに、もしくは操作流体を排気したときに、開閉時に発する音を計測し、記録する第1工程と、
前記第1工程で計測した値と、前記事前工程で計測した値とを比較して、前記エアオペレートバルブの動作状態の変化を確認する確認工程と、
を有することを特徴とするエアオペレートバルブ診断方法。
【請求項2】
請求項1に記載するエアオペレートバルブ診断方法であって、
前記エアオペレートバルブは液弁であること、
前記第1工程は、音の変化を比較して前記エアオペレートバルブの動作状態の変化により前記エアオペレートバルブの故障を予測して交換の要否を判断すること、
を特徴とするエアオペレートバルブ診断方法。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載するエアオペレートバルブ診断方法において、
前記第1工程で計測、記録した値は、操作ポートが操作流体を供給もしくは、操作流体を排気した時の弁開閉時に発する音の最大値の平均値であること、
前記確認工程で計測、記録した値を前記最大値の平均値と比較すること、
を特徴とするエアオペレートバルブ診断方法。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載するエアオペレートバルブ診断方法において、
前記第1工程で計測、記録した値は、前記エオペレートバルブの音が発生してから前記エアオペレートバルブの音が終了するまでの時間の平均値である発生時間平均値であること、
前記確認工程で計測、記録した値を前記発生時間平均値と比較すること、
を特徴とするエアオペレートバルブ診断方法。
【請求項5】
エアオペレートバルブの動作状態を監視して、前記エアオペレートバルブの動作状態の変化を確認するための診断装置であって、
前記エアオペレートバルブにAEセンサを当接させて、前記エアオペレートバルブが開閉時に発する音を計測する計測手段と、
前記計測手段で計測した計測結果を記録する記録手段と、
前記エアオペレートバルブを前記製造装置に設置して計測した前記記録手段に記録している値と、その後に計測した値とを比較して、前記エアオペレートバルブの動作状態の変化を確認する手段と、
を有することを特徴とするエアオペレートバルブ診断装置。
【請求項6】
請求項5に記載するエアオペレートバルブ診断装置であって、
前記エアオペレートバルブ診断装置は持ち運びが可能であること、
を特徴とするエアオペレートバルブ診断装置。
【請求項7】
請求項5に記載するエアオペレートバルブ診断装置であって、
前記記録手段が、前記エアオペレートバルブの交換の要否を判断した対象のエアオペレートバルブを特定でき、前記特定したエアオペレートバルブに関し前記記録手段に記録している計測結果を外部へ送信する通信手段を備えること、
を特徴とするエアオペレートバルブ診断装置。
【請求項8】
請求項1乃至請求項4に用いられるエアオペレートバルブ診断方法のいずれか1つに用いられるエアオペレートバルブにおいて、
前記エアオペレートバルブの側面に、前記AEセンサを当接させるための当接部が形成されていること、
を特徴とするエアオペレートバルブ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2010−117330(P2010−117330A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−292806(P2008−292806)
【出願日】平成20年11月14日(2008.11.14)
【出願人】(591045677)関東化学株式会社 (99)
【出願人】(000227087)日曹エンジニアリング株式会社 (33)
【出願人】(000106760)シーケーディ株式会社 (627)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年11月14日(2008.11.14)
【出願人】(591045677)関東化学株式会社 (99)
【出願人】(000227087)日曹エンジニアリング株式会社 (33)
【出願人】(000106760)シーケーディ株式会社 (627)
【Fターム(参考)】
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